説明

紙又はフィルムの処理用コーティング塗料のための、VOCに乏しいアミノアルキル官能性ケイ素化合物を含有する組成物

本発明は、揮発性有機化合物(VOC)に乏しい又は本質的にVOCを含まないコーティング塗料中での組成物の使用に関し、その際、当該組成物は、1個又は複数個の部分又は完全加水分解され、かつ場合によっては縮合又は共縮合されたアミノアルキル−およびオリゴシリル化アミノアルキル−、アルコキシ−又はヒドロキシ−官能性ケイ素化合物を少なくとも部分的にベースとし、かつアルコールは少なくとも部分的に当該組成物から除去されている。さらに本発明は、アミノアルキル−又はオリゴシリル化−アミノアルキル−、ヒドロキシ−および場合によってはアルコキシ−官能性ケイ素化合物を含有する組成物ならびにこのような組成物を製造するための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェット適用のための紙又はフィルムを処理するための、VOCに乏しいアミノアルキル官能性ケイ素化合物を含有する組成物の使用、当該組成物自体並びにその製造に関する(VOC=揮発性有機化合物)。
【0002】
アミノシランは、水溶性接着剤として、たとえばガラス繊維工業中でのいわゆる糊又はプライマーとして知られている。
【0003】
アミノ官能性シラン又はシロキサンのための一連の他の適用分野は、いくつかの例のみを挙げれば:被覆系、腐蝕保護分野、表面の抗菌加工のため、木材処理の際、電子写真用トナー製造の際(EP 0 992 857 B1)、製紙工業における(EP 1 559 750 A2, EP1408155A1, EP 1 413 451 B1)、アミノシリコーン液中の成分として(US 5 077 421)、エポキシド樹脂中の成分[Chemical Abstracts (1991) CA 114:83579s]、有機的改質化ガラスの製造のため(EP 0223 987 A2)、粘着防止剤として [Chemical Abstracts (1983) CA 99:133650c]、ガラスおよびガラス繊維表面の改質化のため、廃水処理の際、顔料処理のため、触媒中の成分として並びにその製造のため(US 4053534)、結合剤及びシーラント中の凝集剤としてあるいはケーブル適用における使用である。
【0004】
さらにアミノ官能性の、部分加水分解されたアルコキシシランオリゴマーが、無機粉末の凝塊形成を少なくするために使用されることが知られている。例えば、US 5543173から著量のアルコールを含有するこのような調製物が導かれる。
【0005】
アルコール溶液中のカチオン性オルガノシラン重縮合生成物は、たとえばUS 5591 818から知られている。その水素塩の製造の際に、専らモノシリル化アルキルアミンが使用される。
【0006】
オリゴシリル化アルキルアミン、例えばビス−(トリアルコキシシリルアルキル)アミン又はトリス−(3−トリエトキシシリル−プロピル)アミン又はその混合物は、水中においては酸の添加下によっても全く溶解しない。さらにこのような溶液は、とても安定とはいえない。これはゲル形成又は粒子形成の傾向にあり、適用の際にノズルの閉塞を増加させ、それにより製造中止及び高い停止時間を招きうる。その際、さらに著量の加水分解アルコールが放出される。
【0007】
WO 05/014741は、アミノシラン含有又はアミノシロキサン含有アルコール、すなわち、VOCに富む組成物並びにその塗料およびラッカーのための使用並びに充填剤および顔料を処理するための使用を開示している。
【0008】
さらUS 2006/0013971 A1から、インクジェット適用のための材料として専らアミノケイ素化合物およびアルコールを含有する組成物並びに当該組成物をベースとするコーティング塗料が開示されている。
【0009】
これら系は共通して、なおも高い割合の揮発性有機化合物(VOC)、特にアルコールを含有し、この場合、これは特にインクジェット特別紙を製造する際に、高い環境的負荷を招くか、あるいは、使用に応じてコストの係る技術が要求されるものであって、これらを回避並びに関係する者のために労働者保護を遵守すべきである。
【0010】
さらに、多官能性オルガノポリシロキサンを含む純粋な水をベースとする組成物が、接着剤として知られている。特に、EP0675128B1、EP0716128B1およびEP1101787A2参照。このようなポリシロキサンは、一般にもはやアルコキシ基を有するものではなく、すなわち、完全に加水分解されている。EP0716127A2においても、水ベースのオルガノポリシロキサン含有組成物を、特に、充填剤のシラン化のために、テキスタイル、皮革、セルロースおよび澱粉製品の疎水化のため並びに塗料およびラッカーのための添加剤として使用することが開示されている。さらにこのような系は、ほぼ任意に水で希釈可能であるが、しかしながらこの系は、その安定性の点で、並びに他の成分の添加、たとえば、インクジェット適用のための特別紙を被覆するためのコーティング塗料の製造の際に使用されるようなポリビニルアルコール(PVA)の添加の際のその性質の点で敏感である。
【0011】
本発明は、コーティング塗料を製造のためのアミノシランをベースとする可能な限りVOCを減少させた組成物を提供するという課題に基づく。特にこのような組成物は、インクジェット適用のための特別紙又はフィルムの処理に、その性質を劣化させることなしに使用することが要求される。
【0012】
前記課題は、本発明によれば、特許請求の範囲の記載にしたがって解決される。
【0013】
驚くべきことに、揮発性有機化合物(VOC)に乏しい又は本質的にVOC不含の組成物を簡単かつ経済的な方法で製造することができ、かつ有利には、当該組成物を環境に優しいコーティング塗料中で、特にインクジェット適用のための紙又はフィルムを処理するために使用することができ、その際、前記組成物は、少なくとも部分的に1個又は複数個の部分又は完全加水分解され、かつ場合によっては縮合又は共縮合されたアミノアルキル官能性並びにオリゴシリル化アミノアルキル官能性、アルコキシ官能性又はヒドロキシ官能性のケイ素化合物をベースとし、かつ、組成物からアルコールを少なくとも部分的に除去する。
【0014】
本発明の意味において使用すべきこのような組成物は、有利には、アミノ官能性の加水分解可能なシラン添加剤を装入又は混合することによって製造することができ、この場合、これは、場合によってはさらに、溶剤又は希釈剤を添加することができ、特に、好ましくは使用されるアルコキシシランに対して相当するアルコール、さらに場合によっては有機又は無機酸を添加することができ、その際、適切である場合には、モノシリル化アミノアルキル基又はオリゴシリル化アミノアルキル基の中和度を0〜125%、好ましくは0.01〜120%、殊に好ましくは70〜115%、特に好ましくは75〜110%に調整し、好ましくは使用されるアルコキシシランを、特定量の水を添加することによって適切に部分または完全加水分解させ、その際、ここで使用されるシランの1モルのSiに対して、合計で0.01〜1000モル、好ましくは0.1〜500モル、殊に好ましくは0.2〜250モル、特に好ましくは0.3〜100モル、とりわけ好ましくは0.5〜10モル使用し、この加水分解物は、場合により縮合又は共縮合することができ、その際、相当するオルガノシロキサンは、ここで使用されるケイ素化合物の縮合物又は共縮合物として生じることができ、かつ存在する遊離アルコール又は易揮発性有機成分の一部分は本質的に系から除去され、この場合、これは好ましくは蒸留によって、特にわずかな加熱および減圧下で実施する。これに関して、周囲条件下で易揮発性の有機化合物(VOC)、特にアルコール、たとえばメタノール、エタノール又はイソプロパノールの組成物中の含量は、当該組成物に対して1質量%未満、特に0.5質量%未満、すなわち検出限界(含水量測定、たとえばカールフィッシャー法又はGC分析を用いて)までに調整することができる。反応の際に、酸の添加を放棄するか、あるいは、存在するアミノ基の中和度を変更するか、あるいは、存在する組成物中のpH値を低下させたい、あるいは、この組成物を後処理したい場合には、製造に引き続いて前記組成物にさらに酸を添加することができる。しかしながら、本発明により使用可能な組成物中の酸の添加を完全に放棄することもできる。したがって、VOCに乏しい、すなわち、本質的にVOC不含の本発明により使用可能な組成物を提供することができ、かつ有利には、コーティング塗料のためのベースとして使用することができ、その際、本発明による組成物をベースとするコーティング塗料は、有利に、紙又はフィルム、特にインクジェット適用のための紙又はフィルムを処理するために使用することができる。
【0015】
したがって本発明の対象は、揮発性有機化合物(VOC)に乏しい又は本質的にVOC−不含の組成物のコーティング塗料中での使用であり、その際、当該組成物は、少なくとも部分的に、1個又は複数個の部分的又は完全加水分解され、かつ場合によっては縮合又は共縮合されたアミノアルキル官能性ならびにオリゴ−シリル化アミノアルキル官能性、アルコキシ官能性又はヒドロキシ官能性のケイ素化合物をベースとし、かつ、当該組成物からのアルコールを少なくとも部分的に除去するものである。
【0016】
さらに本発明の対象は、本発明により使用可能な組成物を製造するための方法に関し、この場合、この方法は、
(A)一般式I
【化1】

[式中、基R、R’及びR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、xは0、1又は2であり、かつnは0又は1である]の少なくとも1種のアミノアルキルアルコキシシラン又は
(B)一般式II
【化2】

[式中、基R、R’及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、基Yは同じ又は異なって、かつYは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、y及びzは独立して0、1または2であり、かつ、m及びnは独立して0または1である]の少なくとも1種のビス−シリル化アルキルアミン又は
(C)一般式III
【化3】

[式中、基RおよびR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは独立して−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、かつnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のトリス−シリル化アルキルアミン又は
(D)一般式I、II及びIIIの少なくとも2種の前記シリル化アルキルアミンを、特定量の水と一緒に、かつ場合によっては酸の添加下で、加水分解並びに縮合又は共縮合し、かつ遊離アルコールを本質的に系から除去することによる。
【0017】
本出願において、モノシリル化アミンとは、式Iによるものであると理解される。オリゴシリル化アミンとは、特に、1個のアミノ基又はアルキルアミン基に2個及び2個を上廻るシリル基が存在するものであると理解され、例えば式II(ビス−シリル化)又は式III(トリス−シリル化)によるもの及び/又はさらに環化して存在していてもよい相当する化合物である。
【0018】
本発明により使用された組成物の製造の際に、一般式Iのアミノアルキルアルコキシシランとして好ましくは、
【表1】

【0019】
したがって、本発明による方法を実施するために好ましくは、AMMO、AMEO、DAMO、TRIAMO、3−(N−アルキルアミノ)プロピルトリアルコキシシランの群から成る少なくとも1種の成分(A)を選択し、その際、アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルを意味し、かつ、アルコキシはメトキシ又はエトキシを意味し、成分(B)の好ましい選択は、ビス−AMMO、ビス−AMEO、ビス−DAMO、ビス−TRIAMOの群からのものであり、かつ、成分(C)は、トリス−AMMO、トリス−AMEOの群からのものであってもよい。
【0020】
同様に、本発明による方法の際に一般式I、IIおよび/又はIIIの化合物を含有する混合物を好ましくは使用することができる。さらに、本発明により使用可能なこのような混合物は、前記アミノアルコキシシランのいわゆる縮合生成物を含む。一般式I、IIおよび/またはIIIのアミノアルコキシシランの縮合生成物又は反応生成物とは、適切な場合には、このようなダイマー、トリマー、テトラマー又は高オリゴマーの生成物であると理解され、この場合、これは一般に、それぞれのモノマーの縮合又は共縮合および/または前加水分解によってアルコールの分離下に生じる。したがって、相当する縮合又は共縮合において、エダクト成分はSi−O−Si−結合を介して結合する。さらに、当該環は、加水分解又はアルコール分解の際に開環し、かつ相当するアミノアルキルアルコキシシラン又は−シラノールが得られることが知られている。同様に、一般式IIの化合物は環式又は二環式の形で存在していてもよく、かつこのようなものを本発明による方法において使用することができる。
【0021】
同様に本発明の対象は、本発明によって使用可能な組成物であり、その際、組成物中に含有されるアミノアルキル官能性又はオリゴシリル化アミノアルキル官能性、ヒドロキシ官能性および場合によってはアルコキシ官能性のケイ素化合物は、
(A)一般式I
【化4】

[式中、基R、R’、及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、xは0、1又は2であり、かつnは0又は1である]の少なくとも1種のアミノアルキルアルコキシシラン又は
(B)一般式II
【化5】

[式中、基R、R’及びR’’は同じ又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、基Yは同じか又は異なって、かつYは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−を示し、y及びzは独立して0、1又は2であり、かつ、m及びnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のビス−シリル化アルキルアミン又は
(C)一般式III
【化6】

[式中、基RおよびR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは独立して−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、かつnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のトリルシリル化アルキルアミン又は
(D)一般式I、II及びIIIの少なくとも2種の前記シリル化アルキルアミンの反応、すなわち、部分又は完全加水分解、並びに場合によっては縮合又は共縮合からの反応生成物を示し、かつ、組成物中の遊離アルコールの含量は、組成物に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満である。
【0022】
反応の際に、化学的理解(chemischem Verstaendnis)によれば、一般式I、II又はII及び/又は相当する縮合生成物に基づいて、本質的にアミノ基含有アルコキシ−/ヒドロキシ−シランおよび/又はシラノールならびにこれをベースとする縮合生成物および共縮合生成物(直鎖、分枝、環式ならびに場合によっては空間架橋されたシロキサンに相当するもの)の混合物が生じる。しかしながら特に好ましくは、その中に相当するアミノ官能性ケイ素化合物が存在し、これがそれぞれ完全に加水分解されている、すなわち、本質的にアルコキシ基をもはや有しない組成物であり、その結果、水の存在下で加水分解アルコールを遊離することができる。
【0023】
好ましくは、本発明により使用される組成物の製造の際に、反応、特に加水分解および縮合または共縮合を、<100℃の温度、好ましくは10〜80℃、特に好ましくは15〜60℃、殊に好ましくは20〜50℃の温度で実施する。
【0024】
その際、場合により有機酸又は無機酸を使用することができる。たとえば、有利には塩酸(HClまたは水性塩酸)又は水性酢酸又は水性ギ酸を使用することができ、その際、これにより導入される水の割合は、本発明によりもたらされる水の量と同時に適切なアルコキシシランの加水分解のための計算に入れられる。しかしながら、酸の添加は、本発明による組成物の製造に引き続いて実施され、その際、好ましくはpH値2〜6、特に3〜5に調整される。
【0025】
特に本発明による方法の場合には、反応からの生成混合物の蒸留による後処理、すなわち、得られた生成混合物から、好ましくはわずかな加熱下および減圧下で、周囲条件下で他の易揮発性の成分、特に加水分解アルコール及び場合によっては添加した溶剤又は希釈剤を少なくとも部分的に留去する。これに関して、場合によっては、系から除去される揮発性成分の量を、水および/または酸の同容積量で交換することができる。
【0026】
したがって本発明による組成物は、好ましくは、有機又は無機酸の含量を有していてもよく、その際、適切な場合には、アミノアルキル基およびオリゴシリル化アミノアルキル基の中和度はアミン価に対して0〜125%、好ましくは0.1〜120%、殊に好ましくは70〜115%、特に好ましくは75〜110%である。アミン価の測定は、一般にはDIN 32 625(HClを用いての電位差滴定(potentiographische Titration))により実施することができる。
【0027】
好ましくは、使用する酸は有機又は無機酸、特に塩酸、酢酸又はギ酸であり、その際、アミノアルキル官能性およびオリゴシリル化アミノアルキル官能性のケイ素化合物は、本発明による組成物中で、化学的理解によれば、少なくとも部分的にカチオン性アミン混合物として存在し、すなわち、本発明により使用される組成物は、好ましくは酸および/又は酸からの相当する塩並びに存在するアミノ官能性化合物を有する。
【0028】
本発明により使用された組成物のpH値は、好ましくは2〜11、殊に好ましくは2.5〜6.5、特に好ましくは3.0〜6.0、とりわけ好ましくは3.5〜5.0の範囲である。
【0029】
さらに本発明による組成物は、一般には2〜1000mPas、好ましくは3〜500mPas、特に好ましくは4〜250mPasの粘度によって特徴付けられ、その際、粘度は、たとえばDIN 53 015により測定することができる。
【0030】
特に本発明による使用可能な組成物は、特に良好な水溶性によって特徴付けられる。
【0031】
本発明の意味において、好ましくは、組成物中に含有されるアミノアルキル官能性又はオリゴシリル化アミノアルキル官能性、ヒドロキシ官能性および場合によってはアルコキシ官能性のケイ素化合物の少なくとも1種のケイ素化合物が、
(A)一般式I
【化7】

[式中、式中、基R、R’、及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、xは0、1又は2であり、かつnは0又は1である]の少なくとも1種のアミノアルキルアルコキシシラン又は
(B)一般式II
【化8】

[式中、基R、R’及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、基Yは同じ又は異なって、かつYは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、y及びzは独立して0、1または2であり、かつ、m及びnは独立して0または1である]の少なくとも1種のビス−シリル化アルキルアミン又は
(C)一般式III
【化9】

[式中、基RおよびR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは独立して−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、かつnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のトリス−シリル化アルキルアミン又は
(D)一般式I、II及びIIIの少なくとも2種の前記シリル化アルキルアミンの反応、すなわち、部分又は完全加水分解並びに場合によっては縮合又は共縮合からの反応生成物を示す、組成物を使用する。
【0032】
したがって好ましくは、本発明の意味において、組成物は、少なくとも1種の少なくとも部分的に加水分解されたケイ素化合物の含量が、当該組成物に対して0.1〜99.5質量%を示す。
【0033】
したがって、本発明により使用可能な組成物は、特にカチオン性アミノ官能性ケイ素化合物または前記反応生成物の作用物質の含量が、当該組成物に対して0.1〜95質量%、好ましくは1〜80質量%、殊に好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%を示す。
【0034】
これに関連して、本発明により使用された組成物は、当該組成物に対して99.9質量%〜0.5質量%の水の含量を示し、その際、組成物中のすべての成分は全部で100質量%になる。
【0035】
本発明による組成物は、有利にはコーティング塗料のためのベースであり、この場合、これは、いくつかの例のみ言及すれば、一般に他の成分、たとえばバインダ、たとえばポリビニルアルコール(PVA)、澱粉、ゼラチン、アクリレートラテックス等、好ましくはナノスケールの金属酸化物、たとえば熱分解法シリカ、微粉砕された沈降シリカ、架橋剤、たとえばホウ酸、グリコキサル化合物、蛍光増白剤、加工助剤、たとえば消泡剤、表面活性剤を含有していてもよい。
【0036】
したがって好ましくは、少なくとも1種の金属酸化物、好ましくは熱分解法シリカ、この場合、これは1μm未満、殊に50〜400nm、特に好ましくは90〜200nmの平均粒径を示すもの(メジアン値、たとえば静的光散乱法により測定)であって、かつ当該組成物に対して5〜50質量%、特に10〜30質量%の量で含有する、コーティング塗料を使用する。
【0037】
さらに、本発明の意味において使用されるコーティング塗料は、有利には少なくとも部分的に加水分解されたアミン官能性ケイ素化合物を、コーティング塗料中で使用されるコーティング顔料(金属酸化物)に対して1〜10質量%、好ましくは2〜7質量%、特に好ましくは4〜6質量%の量で含有する。
【0038】
好ましくは、当該コーティング剤は、紙又はフィルムの被覆のために使用され、その際、コーティング塗料は、有利には、フィルム又は紙の表面上で、特にポリエチレン(PE)で改質化された特別紙上に塗布され、かつ乾燥又は硬化される。
【0039】
したがって、本発明による組成物又は前記コーティング塗料の使用下で得られる紙又はフィルムは、特に、インクジェット適用および/又は写真紙又は写真印刷用フィルムとして環境を汚染することなく使用することができる。
【0040】
一般には、本発明は以下のようにして実施することができる:
前記組成物を製造するために、先ず、(A)、(B)または(C)による少なくとも1種の前記アミノシランを提供し、場合によってはアルコールおよび/または酸の使用下で混合し、適切な水を添加し、かつ、温度制御下及び良好な混合下で存在するアルコキシシランを少なくとも部分的に加水分解するか、あるいは、縮合又は共縮合することができる。有利には、引き続いてVOCの割合、特にアルコールを、本発明により使用すべき組成物から蒸留により除去する。
【0041】
しかしながら、さらに特定量の水、この場合、これは場合により酸性化されており、かつアルコールを含有してもよいものを提供し、かつ望ましいアミノシラン又はアミノシラン混合物を、温度の制御下および良好な混合下に計量供給することができる。反応に引き続いて、好ましくは易揮発性の成分、特にアルコールを少なくとも部分的に留去し、かつ必要に応じて、pH値を酸の添加により適合させる。
【0042】
前記組成物の製造は、一般に保護ガス包囲下で実施することができる。
【0043】
このようにして得られた組成物は、有利には、金属酸化物分散液、特に熱分解法シリカの分散液を製造するためのベース、特に熱分解法シリカの分散液を製造するためのベースを形成することができる。さらに組成物は、金属酸化物の分散液に対して、たとえば熱分解法シリカ分散液に対して少しずつ添加することができ、かつ適切な場合には、pH値を約3〜6に、特にpH4前後を維持するように調整する。これは、無機酸、たとえばHClの添加によって、しかしながらさらには有機酸、たとえば酢酸又はギ酸の添加によっても実施することができる。引き続いて、この調製物は高められた温度でならびに場合によっては攪拌下で超音波により促進されて反応することができる。この分散液は引き続いて濾過することができ、これにより望ましくない粗成分を除去する。
【0044】
このようにして得られた分散液は、有利には、コーティング塗料製造のためのベースとして使用することができる。さらに、分散液に攪拌下で、この場合、これはいくつかの例のみ挙げるが、バインダ、たとえばPVAならび他のコーティング添加剤、たとえば架橋剤、たとえばホウ酸、グリオキサル化合物、蛍光増白剤、加工助剤、たとえば消泡剤、界面活性物質の溶液を添加することができる。
【0045】
コーティング塗料は、公知の被覆技術によって、たとえばドクターブレード、接触型コーティング、たとえばブレードコーティング、並びに非接触型の注入技術、例えばスライドコーティング、カーテンコーティング=カーテン塗りを用いて、紙又はフィルム上に塗布し、かつ、相応して乾燥させることができる。その際、好ましくはバインダとコーティング顔料との最適化された比により、インク液滴を高速で吸収する微孔質の塗膜が生じる。その際、アミノシラン成分によって正の電荷を帯びたコーティング顔料の表面は、負の電荷を帯びたインク染料又はインク顔料と特に良好に結合することができ、かつ、耐水性の印刷物を導くことができる。
【0046】
したがって、本発明によって使用された組成物は、相当する処理を施された紙の適用および使用の際に、インクジェット適用により、優れた接着強度および高い環境安全性により傑出していることを示す。したがって、インクジェット適用の際に放出されるアルコールの割合は改めて明らかであり、かつそれゆえ有利には減少することができる。
【0047】
本発明は、以下の実施例によって詳細に説明されるが、当該対象はこれに限定されるものではない。
【0048】

【表2】

【0049】
本発明による例を評価するために、特に以下の測定方法を使用した。
【0050】
遊離アルコール含量の測定:
アルコール測定は、GCを用いて実施した。
カラム:RTX200(60m)
温度プログラム:80−10−25−240−0
検出器:FID
注入量:1.0μl
内部標準:2−ブタノール。
【0051】
乾燥残留量:
水性シラン系の固体含量は以下のようにして測定した:
1gの試料を小さい陶器皿に計量供給し、かつ105℃で恒量になるまで乾燥キャビネット中で乾燥させた。
【0052】
SiO−含量:
1.0〜5.0gの試料を、400mlのビーカー中でケルダールタブレット及び20mlの硫酸と一緒に混合し、かつ先ずはゆっくりと加熱した。その際、このビーカーは時計皿で蓋をされていた。温度を硫酸が激しく煙るまで上昇させ、かつすべての有機成分を分解し、かつ溶液は明色透明のままであった。冷却された加水分解溶液(Aufschlussloesung)を蒸留水で約200mlまで希釈し、かつ短時間加熱した(水はビーカーの周縁部において、酸の中に混ざり流れた)。残留物を錫ストリップフィルタ(Weissbandfilter)で濾過し、かつ加熱した水で洗浄水がpH値>4を示すまで(pH値)洗浄した。このフィルタを白金るつぼ中で乾燥させ、灰化させ、かつ1時間に亘って800℃で、マッフル炉中で赤熱した。この残留物は、秤量後にフッ化水素と一緒に蒸散させ、このるつぼはファンバーナーを用いて赤熱させ、かつ場合によっては再度800℃に赤熱し、かつ冷却後に計量した。双方の秤量の差は、SiOの含量に相当した。
評価:D×100/E=質量% SiO
D=弗化処理前および後における質量の差異(mg)
100=%換算
E=最初に計量供給した量(Einwaage)(mg)。
【0053】
加水分解後のメタノール:
約5gの試料を、500mlの研磨されたエルレンマイヤーフラスコ中に正確に計量供給し、かつ25mlの硫酸(w=20%)を用いて、振とうしながら透明な溶液になるまで加水分解した。
【0054】
75mlの水の添加後に、試料を苛性ソーダ(w=20%)で中和し、かつ適切な装置中で水蒸気蒸留した。この蒸留物を250mlのメスフラスコ中に収容した。2−ブタノールを内部標準として添加後に、試料を蒸留水で目印までメスアップした。
アルコール測定は、GCを用いて実施した。
カラム:RTX200(60m)
温度プログラム:90−10−25−240−0
検出器:FID
注入量:1.0μl
内部標準:2−ブタノール。
【0055】
例1
減少したVOC含量を有する組成物
計量供給装置および還流冷却器を備えた攪拌装置中に、窒素雰囲気下で、470.6gのDynasylan(登録商標)1189[N−(n−ブチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、製造元:Degussa GmbH]および80.0gのメタノールを装入した。引き続いて、28.8gのHOおよび28.8gのメタノールから成る混合物を、計量供給装置を介して10分以内に計量供給した(加水分解モル比Si:HO=1:0.8)。その際、温度は28℃から50℃に上昇した。これを3時間に亘って60℃で攪拌した。その後に約200mbarで、208.89gのメタノールを留去した。残留物/生成物の最終的な量(Auswaage)は394.87gであった。
【0056】
これは透明かつ、わずかに黄色がかった液体が得られ、貯蔵安定性であった。
SiO−含量:29.6%(質量)
メタノール(加水分解後):19.5%(質量)
粘度(20℃):26mPas
密度(20℃):0.996g/cm
【0057】
例2
減少したVOC含量を有する組成物
計量供給装置および還流冷却器を備えた攪拌装置中に、窒素雰囲気下で、470.6gのDynasylan(登録商標)1189および80.0gのメタノールを装入した。引き続いて、43.20gのHOおよび43.20gのメタノールから成る混合物を、計量供給装置を介して10分に亘って計量供給した(加水分解モル比Si:HO=1:1.2)。 その際、温度は28℃から56℃に上昇した。これを3時間に亘って60℃で攪拌した。その後に、約200mbarで、263.50gのメタノールを留去した。残留物/生成物の最終的な量は357.77gであった。
【0058】
これにより透明で粘性のあるわずかに黄色がかった液体が得られ、これは貯蔵安定性であった。
SiO−含量:32.0%(質量)
メタノール(加水分解後):9.2%(質量)
粘度(20℃):187mPas
密度(20℃):1027g/cm
【0059】
例3
本質的にVOC不含の組成物
供給装置及び還流冷却器を備えた攪拌装置中に、窒素雰囲気下で、498.2gの水および55.0gのギ酸(濃HCOOH=85%)を装入した。引き続いて、計量供給装置を介して、235.7gのDynasylan(登録商標)1189を供給した。pH値は4.8であった。これは3時間に亘って60℃で攪拌した。その後に、約130〜200mbarで、メタノール/水−混合物を留去した。残留物の最終的な量は589.0gであった。
【0060】
これにより透明でわずかに黄色がかった液体が得られ、これはpH5.3を示し、かつ貯蔵安定性であった。
SiO−含量:9.2%(質量)
引火点:>100℃
遊離メタノール:0.5%(質量)
粘度(20℃):11mPas
密度(20℃):1070g/cm
乾燥残留物105℃:36.2%(質量)。
【0061】
比較例1
メタノールを含むDynasylan(登録商標)1189を有する分散液
N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、(C16N)Si(OCH、235g/モル、加水分解により遊離可能なメタノール:48.5%
装置:
ロータ−ステータ−系(ウルトラターラックス)、
二重ジャケット槽3l
AEROSIL(登録商標)200を攪拌するためのディソルバー
ポリトロン(ロータ−ステータ)分散装置
撹拌機、シラン溶液ならびにHCl溶液を滴加するための
2個の滴加漏斗を備えたもの、
加熱可能な超音波浴(40W超音波性能)
500μmのふるい
1600gのVE水を装入し、かつその中に400gのAEROSIL(登録商標)200を、ディソルバーで攪拌し、その際、5gの18%濃度のHClでpH2.1まで酸性化し、ポリトロンを用いて、15分に亘って10.000rpmで分散させた。固体含量は20.07%まで測定した。
【0062】
再度、ディソルバー2000rpmで、98.6gのDynasylan(R)1189をメタノール中20%濃度の溶液として滴加し、同時に18質量%濃度のHClを少しずつ添加することによりpHをpH3〜4に維持した(全部で13g、分散液は>4でゲル化する)。さらに15分の反応時間に亘って2000rpmで、その後に60分に亘って超音波浴中で80℃にし(蓋を有するもの)、冷却し、かつ500μmのふるいで濾過した。
【0063】
分散液のエタノール含量:88.4g=4.2%
このようにして製造された分散液の粘度は、24時間後にブルックフィールド粘度計を用いて測定した。
【0064】
例4
例3からの組成物を有する分散液
比較例1と同様に実施したが、例3からの組成物41.3gを水中の40%濃度の溶液として、pH4で、VPS Hydrosil 2930をシラン成分として使用する点で異なる。さらに8gのHClを添加した。
【0065】
分散液のエタノール含量:メタノールは検出されなかった。
【0066】
比較例2
Dynasylan(登録商標)Hydrosil 2627を有する分散液(本質的にアルコール不含、EP0716127A2参照)
比較例1と同様に実施したが、94gのDynasylan(登録商標)Hydrosil 2627(水中で20%濃度の溶液に希釈したもの)をシラン成分として使用する点で異なる。これは13gのHClが必要であった。
【0067】
例5
例1からの「1189−オリゴマー」を有する分散液
部分的に加水分解されたVPS「1189−オリゴマー」、(C16N)SiO0.8(OCH1.4、203.4g/モル、加水分解により遊離可能なメタノール 26.1%
比較例1と同様に実施したが、85.3gのオリゴマー(水中20%濃度、pH4.0)をシラン成分として使用する点において異なる。これは7gのHClを使用した。
分散液のメタノール含量:4.45g=0.2%
例6
例2からの「1189−オリゴマー」を有する分散液
部分加水分解されたVPS「1189−オリゴマー」、(C16N)SiO1.2(OCH0.4、183.4g/モル、加水分解により遊離可能なメタノール8.3%
比較例1と同様に実施したが、77.0gのオリゴマー(水中20%濃度の溶液、pH4.2)をシラン成分として使用する点において異なる。これは7.5gのHClを使用した。
分散液のメタノール含量:1.28g=0.06%
【表3】

【0068】
適用例
インクジェット用コーティング塗料の製造:
水性分散液(第1表参照)から、インクジェット用コーティング塗料を製造した。
【0069】
実施例及び比較例からの分散液をディソルバーで、500rpmで、13%濃度のポリビニルアルコールの溶液(固体、略してPVA)Mowiol 40-88(Clariant社)と一緒に、10分に亘って混合した。割合はまとめて、固体(熱分解法酸化物+PVA)に対して計算されたものであって、18%分散液Cは、4:1(100:25Aerosil(登録商標):PVA及び場合による水の添加量)であった。インクジェット用コーティング塗料である分散液Cの粘度は、24時間後にブルックフィールド粘度計を用いて測定した。
【0070】
【表4】

【0071】
このコーティング塗料は、溝を付けたドクターブレード(Rakelstabe)を用いて、写真基紙(厚さ300μm)上に塗布した。コーティング塗料の湿性膜厚は110μmであった。被膜を105℃で8分に亘って乾燥させた。
【0072】
塗布された被膜を有する紙は、Epson Stylus Photo R240上で、最も高い解像度で印刷された。
【0073】
【表5】

【0074】
塗膜のすべての性質をまとめると、すべての塗膜はほぼ正確に等しい値を示す。
【0075】
種々の分散液を用いて製造されたコーティング塗料の粘度は、ほぼ比較可能であった。ここでメタノール減少の欠点はなんら生じなかった。
【0076】
したがって、本発明による組成物又は分散液/コーティング塗料を用いた場合には、VOC割合の顕著な減少にもかかわらず、インクジェット印刷機を用いて等しく良好な印刷物が得られる、塗膜を達成することが可能であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性有機化合物(VOC)に乏しい又は本質的にVOC不含の組成物のコーティング剤中での使用において、その際、当該組成物が、少なくとも部分的に、1個または複数個の部分又は完全加水分解され、かつ場合により縮合又は共縮合されたアミノアルキル官能性並びにオリゴシリル化アミノアルキル官能性、アルコキシ官能性又はヒドロキシ官能性のケイ素化合物をベースとし、かつ、アルコールが当該組成物から少なくとも部分的に除去されている、揮発性有機化合物(VOC)に乏しい又は本質的にVOC不含の組成物のコーティング剤中での使用。
【請求項2】
コーティング剤を、紙又はフィルムの被覆のために使用する、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
組成物中に含有されるアミノアルキル官能性又はオリゴシリル化アミノアルキル官能性、ヒドロキシ官能性及び場合によってはアルコキシ官能性のケイ素化合物の少なくとも1種のケイ素化合物が、
(A)一般式I
【化1】

[式中、基R、R’、及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、xは0、1又は2であり、かつnは0又は1である]の少なくとも1種のアミノアルキルアルコキシシラン又は
(B)一般式II
【化2】

[式中、基R、R’及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、基Yは同じか又は異なって、かつYは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、y及びzは独立して0、1または2であり、かつ、m及びnは独立して0または1である]の少なくとも1種のビス−シリル化アルキルアミン又は
(C)一般式IV
【化3】

[式中、基RおよびR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは独立して−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、かつnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のトリス−シリル化アルキルアミン又は
(D)一般式I、II及びIIIIの前記シリル化アルキルアミンの少なくとも2種の反応からの反応生成物である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
成分(A)としてAMMO、AMEO、DAMO、TRIAMO、3−(N−アルキルアミノ)プロピルトリアルコキシシランの群からのもの、その際、アルキルはメチル、エチル、n−プロピルまたはn−ブチルを意味し、かつ、アルコキシは、メトキシまたはエトキシを意味し、
成分(B)としてBis−AMMO、Bis−AMEO、Bis−DAMO、Bis−TRIAMOの群からのもの、及び
成分(C)としてトリス−AMMO、トリス−AMEOの群からのものを選択する、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
組成物が、組成物に対して1質量%未満、好ましくは0.5質量%未満の遊離アルコールの含量を示す、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
組成物が、組成物に対して0.1〜99.5質量%の少なくとも1種の少なくとも部分的に加水分解されたケイ素化合物の含量を示す、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
組成物が、組成物に対して99.9〜0.5質量%の水の含量を示す、請求項1から6までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項8】
組成物がpH値2〜11を示す、請求項1から7までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項9】
組成物が酸及び/または酸からの相当する塩及び前記アミノ官能性化合物の含量を示す、請求項1から8までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
コーティング塗料が、平均粒径1μm未満を有する少なくとも1種の金属酸化物、好ましくは熱分解法シリカを、組成物に対して5〜50質量%の量で含有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
コーティング塗料が、少なくとも部分的に加水分解されたアミノ官能性ケイ素化合物を、ケイ素として換算してかつコーティング塗料に対して1〜10質量%の量で含有する、請求項1から10までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項12】
コーティング塗料が、ケイ素化合物含有組成物及び少なくとも1種の金属酸化物をベースとし、かつさらに、バインダー、架橋剤、蛍光増白剤及び加工助剤の群からの少なくとも1種の他の成分を含有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項13】
コーティング塗料を、フィルム又はPE改質紙上に塗布し、かつ乾燥又は硬化させる、請求項1から12までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項14】
前記組成物又は前記コーティング塗料の使用により得られる紙又はフィルムを、インクジェット適用のため及び/又は写真紙ないしは写真印刷用フィルムとして使用する、請求項1から12までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項15】
組成物中に含まれるアミノアルキル官能性又はオリゴシリル化アミノアルキル官能性、ヒドロキシ官能性及び場合によってはアルコキシ官能性のケイ素化合物が、
(A)一般式I
【化4】

[式中、R、R’及びR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは−CH−、−(CH−、
−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群からの二価のアルキレン基を示し、xは0、1又は2であり、かつnは0又は1である]の少なくとも1種のアミノアルキルアルコキシシラン又は
(B)一般式II
【化5】

[式中、基R、R’及びR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、基Yは同じか又は異なって、かつYは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群からの二価のアルキレン基を示し、y及びzは独立して0、1又は2であり、かつm及びnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のビス−シリル化アルキルアミン又は
(C)一般式IV
【化6】

[式中、基R及びR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは独立して、−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群からの二価のアルキレン基を示し、かつnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のトリス−シリル化アルキルアミン又は
(D)一般式I、II及びIIIの前記シリル化アルキルアミンの少なくとも2種の反応からの反応生成物であり、かつ、当該組成物中の遊離アルコールの含量が、組成物に対して1質量%未満である、組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の組成物を製造する方法において、
(A)一般式I
【化7】

[式中、基R、R’、及びR’’は同じか又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、xは0、1又は2であり、かつnは0又は1である]の少なくとも1種のアミノアルキルアルコキシシラン又は
(B)一般式II
【化8】

[式中、基R、R’及びR’’は同じ又は異なって、かつ、それぞれ水素原子又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、基Yは同じ又は異なって、かつYは−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、y及びzは独立して0、1または2であり、かつ、m及びnは独立して0または1である]の少なくとも1種のビス−シリル化アルキルアミン又は
(C)一般式IV
【化9】

[式中、基RおよびR’’は同じか又は異なって、かつそれぞれ水素又は1〜8個の炭素原子を有する直鎖又は分枝のアルキル基を示し、Yは独立して−CH−、−(CH−、−(CH−又は−[CHCH(CH)CH]−の群から成る二価のアルキレン基であり、かつnは独立して0又は1である]の少なくとも1種のトリス−シリル化アルキルアミン又は
(D)一般式I、II及びIIIIの前記シリル化アルキルアミンの少なくとも2種を、特定量の水を用いて、かつ、場合により酸を添加しながら加水分解し、かつ、縮合又は共縮合し、かつ、遊離アルコールを本質的に系から除去する、請求項15に記載の組成物の製造方法。

【公表番号】特表2010−537017(P2010−537017A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522276(P2010−522276)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058684
【国際公開番号】WO2009/037015
【国際公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】