説明

紙葉類処理装置及び紙葉類処理システム

【課題】正損判別の設定方法の可視化、正損判別精度の向上を行うことができる紙葉類処理装置及び紙葉類処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】角折量の正券判別レベルを設定する場合、角折れ選択ボタン50aを選択すると、同一画面上に角折れ状態を示す紙葉類50dが表示される。引き続き、プルダウンボタン50cをクリックし、表示された選択メニュー(正券、損券、排除券、及び自動設定)から「正券」を選択し、正損判別レベル設定欄50bに3を入力する。同様に選択メニューから「損券」を選択し、同設定欄50bに3及び10を入力する。同様に「排除券」を選択し、同設定欄50bに10を入力する。以上の入力によって、角折れの正損判別レベル設定を行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有価証券などの紙葉類を正券、損券及び排除券に区分して処理する紙葉類処理装置において、正損判別の設定方法の可視化を可能にする紙葉類処理装置及び紙葉類処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
有価証券などの紙葉類を処理する紙葉類処理装置(装置)は、供給された紙葉類を搬送し、紙葉類判別装置で当該紙葉類を正券(真券で流通可能な紙葉類)、損券(真券で再流通不可能な紙葉類)及び排除券(正券又は損券以外の紙葉類)に判別する装置である。
【0003】
紙葉類処理装置としては、例えば紙葉類処理装置がすでに用いられている。この紙葉類処理装置では、供給される紙葉類が単一の券種の場合と、券種・表裏・方向が混在した状態で供給される複数の券種の場合とがある。この何れの場合にも、供給された紙葉類が供給部に供給されると、取出装置によって1枚ずつ搬送路に取り出されて搬送される。搬送された紙葉類は、搬送路に沿って配置された判別装置によって判別される。
【0004】
この判別装置は搬送される紙葉類の券種(券種)、表裏及び方向を判別する。この判別装置によって判別された紙葉類は、判別結果に基づいて計数され、搬送方向下流に配置された集積装置によって集積され又は集積された紙葉類の枚数が所定枚数(例えば、100枚)に達するごとに紙帯などの結束材で結束されて把が形成されて排出される。
【0005】
しかしながら、上記正損判別に関し、例えば、市中銀行などで銀行券を上記紙葉類処理装置で処理する場合、当該銀行券を、ATM(自動入出金装置)用正券(正券のうち特にきれいな券)、正券(再流通可能な券)及び損券(回収して中央銀行に返却し、破棄する券)の3種類に区分することが多い。
【0006】
また、上記損券の程度に応じて区分集積する方法(例えば、特許文献1参照。)、または上位機種(テラーPC)によって損券判別レベルなどの動作モードを設定する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−350819号公報 (第7頁、図7)
【特許文献2】特開2005−4526号公報 (第8頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来の正損判別を行うための正損判別基準は、正損判別レベルごとに「全体的・総合的な券の状態」として製品独自又は保守パラメータにより定められていて、どのような種類の汚れおよび損傷がどの程度のレベルであると損券として区分されるかは不明確である。オペレータが設定した正損判別レベルにより本来は「損券」と区別したい券が正券となることもあった。特に全体的な汚れ等は定量化が難しく、正損判別レベルの設定もオペレータの感覚により選択される場合もある。また、設定した正損判別レベルによる実際の正損区分も機体により異なることがあり、総じて、正損区分の精度、再現性は高くなかった。
【0008】
また、「損券」として汚れ・損傷の種類、レベルが異なる券が混合されて集積されるので、オペレータが集積庫から損券を抜き取り、手作業で回収し、中央銀行に返却して破棄する券、市中に再度流通させる券に区分しているので、感覚的な区分作業が残り、オペレータによるばらつきがあった。また、装置が複数の支店で稼動している場合、各支店で正損判別レベルが異なるという課題があった。
【0009】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、正損判別の設定方法の可視化、正損判別精度の向上を行うことができる紙葉類処理装置及び紙葉類処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の紙葉類処理装置は、搬送される紙葉類を判別する紙葉類判別装置と、この紙葉類判別装置による判別結果に基づいて正券、損券、排除券に区分して集積する集積手段と、正券又は損券が所定枚数に到達したときに施封する施封手段と、を有する紙葉類処理装置であって、前記紙葉類判別装置は、紙葉類の透過光を基にその形状を検知する形状検知データを生成し、その形状検知データによって形状を判別する形状判別手段と、紙葉類の一方の面及び紙葉類の他方の面の反射光を基にその券種を検知する券種検知データを生成し、その券種検知データによって券種を判別する券種判別手段と、紙葉類の一方の面の反射光、紙葉類の他方の面の反射光及び紙葉類の透過光を基にその正損を検知する正損検知データを生成し、その正損検知データによって、紙葉類の正損を判別する正損判別手段と、前記形状判別手段、前記券種判別手段及び前記正損判別手段による判別結果に基づいて紙葉類を正券、損券、排除券に判別する判別手段と、を備え、前記形状判別手段は、前記形状検知データを基に平面画像を表示する形状表示手段と、前記形状検知データを基に紙葉類のサイズを検知する形状検知手段と、前記形状検知データを基に紙葉類の角折れ量、穴の大きさ、破れの大きさなどの紙葉類の正損量を検知する第1の正損検知手段と、この第1の正損検知手段で検知した第1の正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第1の正損判別手段と、を備え、前記券種判別手段は、前記券種検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、前記券種検知データを基に紙葉類の券種及び搬送方向を判別する券種判別手段と、を備え、前記正損判別手段は、前記正損検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、前記正損検知データを基に紙葉類の全体汚れ量及び部分汚れ量を検知する第2の正損検知手段と、この第2の正損検知手段で検知した正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第2の正損判別手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2記載の紙葉類処理システムは、搬送される紙葉類を判別する紙葉類判別装置と、この紙葉類判別装置による判別結果に基づいて正券、損券、排除券に区分して集積する集積手段と、正券又は損券が所定枚数に到達したときに施封する施封手段とを有する紙葉類処理装置と、この紙葉類処理装置と接続され、当該紙葉類処理装置で処理する紙葉類の処理内容を設定する操作表示部と、前記紙葉類処理装置と接続され、前記操作表示部で設定された紙葉類を処理した処理結果を保存する記憶装置と、を備えた紙葉類処理システムであって、前記紙葉類判別装置は、紙葉類の透過光を基にその形状を検知する形状検知データを生成し、その形状検知データを基に形状を判別する形状判別手段と、紙葉類の一方の面及び紙葉類の他方の面の反射光を基にその券種を検知する券種検知データを生成し、その券種検知データを基に券種を判別する券種判別手段と、紙葉類の一方の面の反射光、紙葉類の他方の面の反射光及び紙葉類の透過光を基にその正損を検知する正損検知データを生成し、その正損検知データを基に、紙葉類の正損を判別する正損判別手段と、前記形状判別手段、前記券種判別手段及び前記正損判別手段による判別結果に基づいて紙葉類を正券、損券、排除券に判別する判別手段と、を備え、前記形状判別手段は、前記形状検知データを基に平面画像を表示する形状表示手段と、前記形状検知データを基に紙葉類のサイズを検知する形状検知手段と、前記形状検知データを基に紙葉類の角折れ量、穴の大きさ、破れの大きさなどの紙葉類の正損量を計測する第1の正損検知手段と、この第1の正損検知手段で検知した第1の正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第1の正損判別手段と、を備え、前記券種判別手段は、前記券種検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、前記券種検知データを基に紙葉類の券種及び搬送方向を判別する券種判別手段と、を備え、前記正損判別手段は、前記正損検知データを基に平面画像を表示する平面画像表示手段と、前記正損検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、前記正損検知データを基に紙葉類の全体汚れ量及び部分汚れ量を検知する第2の正損検知手段と、この第2の正損検知手段で検知した正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第2の正損判別手段と、を備え、前記操作表示部は、前記第1正損判別手段及び第2正損判別手段の正損判別レベルを設定する正損判別レベル設定画面と、前記正損判別レベルを示す形態を表示する正損判別レベル表示画面と、を、備えたことを特徴とする紙葉類処理システム。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、正損判別の設定方法の可視化、正損判別精度の向上及び正損判別情報のモニタリングができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0014】
図1は、本発明の実施例1による紙葉類処理システムである。この紙葉類処理システムは、紙葉類処理装置1、操作表示部2及びデータベース(記憶装置)3を有して構成される。
【0015】
紙葉類処理装置1は、供給された紙葉類を正券、損券又は排除券に区分して集積又は施封する装置である。
【0016】
操作表示部2は、紙葉類処理装置1に接続されており、操作員が当該装置で処理する紙葉類の情報を入力することができる。例えば、処理紙葉類の券種ごとの枚数、金額、区分した紙葉類を集積する集積装置及び施封装置の設定、券種ごとの正損判別レベルの設定などをすることができる。また、当該装置で処理した紙葉類の処理量を表示することができる。さらに、装置の稼働状況、保守状況などを表示することができる。
【0017】
データベース3は紙葉類処理装置1を制御する主制御部に接続されており、当該装置によって処理された紙葉類の判別結果がこの主制御部20によってデータベース3に書き込まれる。
【0018】
図2は、図1に示す紙葉類処理装置1の詳細図である。紙葉類処理装置(装置)1は、操作表示部2から処理する紙葉類の券種、枚数、入金元情報などの紙葉類情報が入力された後、当該情報に基づく紙葉類が一括して供給部10に供給される。
【0019】
供給部10に供給されたのち、当該操作表示部2から装置の取込開始が指示されると、供給部10に供給された紙葉類Pの最上面の紙葉類を、取出装置としての取出ロータ11の取出位置まで上昇し、当該取出装置によって、最上面の紙葉類から1枚ずつ搬送路12に取出す。この取出ロータ11は、その回転がセンサSC10によって検知され、1回転するごとに紙葉類を1枚搬送路12に取出す。それゆえ、取り出された紙葉類は、紙葉類先端を基準にしてほぼ等しい間隔で取出される(定ピッチ取出し)。
【0020】
このようにして搬送路12に取出された紙葉類は、紙葉類判別装置13によって券種、真偽(本物か偽物か)、正損(正券か損券か)及び方向(表裏・正逆)が検知される。この紙葉類判別装置13による検知結果に基づいて区分搬送される。この区分搬送された紙葉類は、当該搬送路12の終端に配置された集積装置14〜17に取り込まれる。
【0021】
例えば、集積装置14は、区分搬送された紙葉類を、回転する羽根車14Aの羽根と羽根の間に取り込み、この取り込んだ紙葉類を回転しながら集積装置14に設けた掻き出し棒14Bで掻き出し、一時集積庫14Cに集積する。
【0022】
この一時集積庫14Cに集積された紙葉類は、その枚数が100枚に到達するごとに、施封装置14Dにより熱接着性紙帯などの結束材で結束されて把Hが形成され、コンベア30に放出され次の工程に送られる。集積装置15〜17も集積装置14と同様に構成されており、その説明を省略する。
【0023】
上記紙葉類判別装置13の検知結果である検知情報Daは、主制御部20からデータベースDBに送信される。
【0024】
データベースDBは、主制御部20から受信した検知情報Daを1枚ごとに記憶する。この検知情報Daには、紙葉類の形状、券種及び正損に関するデータが含まれる。
【0025】
紙葉類の形状に関するデータには、紙葉類の透過光(形状検知信号)を基にその形状を検知するために生成した形状検知データ及びその形状検知データを形状判別手段によって判別した形状判別結果が含まれる。
【0026】
上記形状検知信号は、紙葉類の形状状態を検知するための信号で、例えば搬送される紙葉類の透過検知信号を、紙葉類の搬送方向と直交する方向に配置したラインセンサ(CCDなど)で検知(読取り)したものである。
【0027】
形状検知データは、上記ラインセンサから出力されたアナログ信号をAD変換(Analog to Digital変換)して生成され、メモリに書込み(保存)される。
【0028】
このようにして生成された形状検知データから紙葉類のサイズ(縦×横)が形状検知手段によって検知される。紙葉類の搬送方向の先端から後端までの長さを所定の分解能(例えば0.1mm)で複数個所計数し、その最大長さを縦サイズとする方法、又はその平均値を縦サイズとする方法によって検知ことができる。同様に横サイズも検知することができる。
【0029】
また、この形状検知データから角折れ量、穴の大きさ(直径)、破れの大きさなどの紙葉類の正損量が検知制御部(図示しない)によって検知される(第1の正損検知手段)。例えば角折れ量は、角折れがないとした場合の券端部を推測し、それとの比較を行うことにより角折れ量(面積)を算出することにより検知する。又は簡易的に、端面の折れた部分の長さを計数し、その値を角折れ量とする場合もある。
【0030】
同様にして破れの大きさ及び穴の大きさを検知することができる。この場合も破れた部分の長さを計数し、その値を破れ量とする場合と、破れた部分の面積を算出しその値を破れ量とする場合がある。何れの場合も後述する正損判別レベルと判別方法を同じにしておけば検知することができる(第1の正損検知手段)。
【0031】
このようにして検知された正損量は、それぞれ項目ごとに検知制御部によって判別される(第1の正損判別手段)。
【0032】
紙葉類の券種に関するデータには、紙葉類の上面反射光(券種検知信号)および下面反射光(券種検知信号)を基にその券種を検知するために生成した券種検知データ及びその券種検知データを券種判別手段によって判別した券種判別結果が含まれる。
【0033】
上記券種検知信号は、紙葉類の券種を判別するための信号で、例えば搬送される紙葉類の搬送方向と直交する方向に配置したカラーCCDからなるラインセンサにより、被検出媒体(紙葉類)の上面反射光及び裏面反射光を検知(読取り)したものである。
【0034】
券種検知データは、上記ラインセンサから出力された上面反射光及び下面反射光からなるアナログ信号をAD変換して生成した上面反射データ、下面反射データで構成される。これらの信号を源信号として所定の演算を行い、上面反射画像から券種を検知する上面券種検知データ及び下面券種検知データが生成される。これら生成された上面券種検知データ及び下面券種検知データはメモリに書込まれる。また、これら上面券種検知データ及び下面券種検知データから紙葉類の券種、搬送方向が検知制御部によって判別される。
【0035】
また、平面画像表示手段は、当該上面券種検知データ及び下面券種検知データを用いてそれぞれ、当該紙葉類の平面画像を表示(モニタリング)することができる。従って、この平面画像は紙葉類の券種を判別する券種検知データからなる光の目でみた紙葉類の表裏画像を表現することになる。
【0036】
上記上面券種検知データ及び下面券種検知データは、処理する紙葉類の券種又は改券などによって検出媒体が変更になる場合がある。その場合には、その媒体の券種検知信号(カラー画像)に応じて券種検知信号を生成する演算内容が異なってくる。この演算内容は、本発明の主旨とするものではないため、詳細は省略するが、別途券種判別のシミュレーションを行い、券種判別の差異を検出するのに適した券種判別アルゴリズムが設定される。
【0037】
紙葉類の正損に関するデータには、紙葉類の上面反射光(正損検知信号)、下面反射光(正損検知信号)及び透過光を基にその正損を検知するために生成した正損検知データ及びその正損検知データを正損判別手段によって判別した正損判別結果が含まれる。
【0038】
上記正損検知信号は、紙葉類の正損を判別するため信号で、例えば搬送される紙葉類の搬送方向と直交する方向に配置したカラーCCDからなるラインセンサにより、被検出媒体の上面反射光、裏面反射光及び透過光を検知したものである。
【0039】
正損検知データは、上記ラインセンサから出力された上面反射光、下面反射光及び透過光からなるアナログ信号をAD変換して生成した上面反射光、下面反射光及び透過光で構成される。これらの信号を源信号として所定の演算を行い上面正損検知データ及び下面正損検知データが検知制御部によって生成される(第2の正損検知手段)。これら生成された上面正損検知データ(正損量)及び下面正損検知データ(正損量)はメモリに書込まれる(第2の正損検知手段)。また、これら上面正損検知データ及び下面正損検知データはそれぞれ項目ごとに検知制御部によって紙葉類の全体汚れ及び部分汚れが判別される(第2の正損判別手段)。
【0040】
なお、表面の汚れの他に紙葉類にしみこんだ汚れを検出するために、上面反射光及び下面反射光からなる反射光だけでなく透過光を用いることが有効である。
【0041】
このようにして保存された正損検知データは、紙葉類を表面及び下面からみた紙葉類の汚れ具合を良くあらわす表面画像データ及び裏面画像データとなる。
【0042】
なお、この紙葉類の正損検知には、紙葉類の全体的な汚れを検知する全体汚れ検知と紙葉類の部分的な汚れを検知する部分汚れ検知がある。全体汚れ検知は、上述した上面反射光、下面反射光及び透過光から表面正損検知データ及び裏面正損検知データを算出する。この算出された表面正損検知データ及び裏面正損検知データは検知制御部によって、後述する正損判別レベルと比較され、全体汚れが判別される(第2の正損判別手段)。
【0043】
一方、部分汚れ検知は、例えば、すかし部分や白紙部分などに書かれた落書きやメモなどの部分的な汚れを検知する。この部分汚れ検知は、例えば、落書されている場合には、その落書き部分の長さを計測し、又は落書きされている範囲の大きさを検知する。
【0044】
図3は、データベースDBに検知情報Daが蓄積される様子を示す。図3(1)は、既に蓄積されているデータベースに新規検知情報が入力された場合を示す。図示した検知情報は、99枚の正損判別データが小さい値Da1から大きい値Da99に向かって順番に並べられており、そこに新たに読み込まれたDanが送信されてきた状態を示す。この場合には、データベースDBは、当該新たに読み込まれたデータDanを挿入するメモリ上の位置を検索し挿入する。
【0045】
図3(2)は、図3(1)に示す検知情報DanがDa3とDa4の間に入れられ値を示す場合、当該位置に挿入される。この結果、Da1からDa100までの100枚のデータが蓄積される。図3(2)は、まさにこの状態を示す。図示した例は、Da1からDa100が異なる場合を示しているが、当然同じデータの場合もある。蓄積するデータが多くなればなるほど、図4に示すヒストグラムで示すようになる。
【0046】
図4は、処理した紙葉類の全体汚れに関する正損判別データのヒストグラムを示す。横軸が正損判別データで縦軸がその度数である。図の横軸はまた、正損判別レベルを例えば16段階で正損判別レベルを設定した場合の例を示す。図示した例では、正損判別レベル1〜正損判別レベル13の範囲に大部分が含まれている。なお、紙葉類の汚れが少ないほど正損判別データが高い値を示す。従って、比較的紙葉類の質がよくきれいな紙葉類の集合の場合はヒストグラムが全体的に右側にシフトした値を示し、汚れが多い紙葉類の集合ではヒストグラムが左側にシフトした値を示す。
【0047】
図示した例は、損券判別データを正損判別レベル3で判別した場合に損券となる範囲を斜線で示してある。
【0048】
このヒストグラムは、紙葉類を使用する国、地域、券種などによって異なる。すなわち、紙葉類の回転がよく古くなった紙葉類が効率よく回収され、新しい紙葉類によって交換される環境が準備されている国では、全体的に品質の良い紙葉類が使用される。また、高額券種の場合には、個人による保管状況がよいために、比較的品質がよいが、そうでない場合には紙葉類品質が相対的に低くなる。
【0049】
従来この正損判別レベルは、当該装置を設置した場所の管理者によって設定されていた。本実施例では、このヒストグラムに示す正損判別レベルの限界値の正損画像を目視確認することが可能である。以下、その方法を示す。
【0050】
図5は、正損判別レベルの設定画面である。以下、本実施例の一例を示す。
【0051】
図5(1)は、角折の判別レベル設定画面である。角折の判別は、角折量Dr(mm)に応じて、下式(1)〜(3)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
【0052】
Dr≦3 :正券・・・・・・・(1)
3<Dr≦10 :損券・・・・・・・(2)
10<Dr :排除券・・・・・・(3)
以下、上式(1)〜(3)に示す角折量の正損判別レベルを設定する方法を示す。角折れ選択ボタン50aを選択すると、同一画面上に角折れの判別レベルを示す紙葉類の形態50d(正損判別レベル表示画面)が表示される。引き続き、プルダウンボタン50cをクリックし、表示された選択メニュー(正券、損券、排除券、及び自動設定)から「正券」を選択し、正損判別レベル設定欄50bに3を入力する。同様に選択メニューから「損券」を選択し、正損判別レベル設定欄50bに3及び10を入力する。同様に選択メニューから「排除券」を選択し、正損判別レベル設定欄50bに10を入力する。
【0053】
以上の入力によって、上式(1)〜(3)に基づく角折れの正損判別レベル設定を行うことができる。なお、上記選択メニューに設けられた自動設定は、後述するネットワークによって外部から自動的にこの正損判別レベルが設定された場合の正損判別レベルを参照することができる(詳細は後述する)。
【0054】
図5(2)は、穴の判別レベル設定画面である。穴の判別は、穴の直径Ho(mm)に応じて、下式(4)〜(5)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
【0055】
Ho≦φ2 :正券・・・・・・・(4)
φ2<Ho≦φ8 :損券・・・・・・・(5)
φ8<Ho :排除券・・・・・・(6)
以下、上式(4)〜(6)に示す穴の正損判別レベルを設定する方法を示す。穴選択ボタン51aを選択すると、同一画面上に穴の判別レベルを示す紙葉類の形態51d(正損判別レベル表示画面)が表示される。引き続き、プルダウンボタン51cをクリックし、表示された選択メニュー(正券、損券、排除券、及び自動設定)から「正券」を選択し、正損判別レベル設定欄51bに2を入力する。同様に選択メニューから「損券」を選択し、正損判別レベル設定欄51bに2及び8を入力する。同様に選択メニューから「排除券」を選択し、正損判別レベル設定欄51bに8を入力する。自動設定は上述した通りである。
【0056】
図5(3)は、破れの判別レベル設定画面である。破れの判別は、破れ量Tr(mm)に応じて、下式(7)〜(9)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
【0057】
Tr≦3 :正券・・・・・・・(7)
3<Tr≦10 :損券・・・・・・・(8)
10<Ho :排除券・・・・・・(9)
この場合も上記角折れ又は穴の正損判別レベル設定方法と同様に設定することができる。
【0058】
図5(4)は、テープの判別レベルの設定画面である。テープの判別は、テープ幅Tpw及びテープ長Tpl(mm)をTpw×Tplと表すとき、下式(10)〜(12)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
【0059】
Tpw×Tpl≦5×5 :正券・・・(10)
5×5<Tpw×Tpl≦10×20:損券・・・(11)
10×20<Tpw×Tpl :排除券・・(12)
この場合も上記角折れ又は穴の正損判別レベル設定方法と同様に設定することができる。
【0060】
図6は、全体汚れ及び部分汚れの正損判別レベルの設定画面である。図6(1)は全体汚れの正損判別レベルの設定画面である。全体汚れの設定画面において、ボタン60aをクリックするとプルダウン60cの選択が可能になる。このプルダウン60cを選択して、正損判別レベル設定欄60bに、4を入力すると、正損判別レベルが4に設定され、この正損判別レベル4の限界値(上限値)を示す正損画像が60dに表示される。同様に、正損判別レベルを5に設定すると正損判別レベル5の限界値(上限値)を示す正損画像が60dに表示される。このように、正損画像を目視確認しながら設定することができる。当然、正損判別レベル設定欄60bにキーボード(図示しない)などから直接目視確認した正損判別レベルを設定することができるのは言うにおよばない。
【0061】
図6(2)は、部分汚れの正損判別レベルの設定画面である。上述した全体汚れの設定画面同様に部分汚れに正損判別レベルを上述同様に設定した正損判別レベルの限界値(上限値)を示す正損画像が61dに表示される。
【0062】
落書きの判別は、落書きの長さSc(mm)に応じて、下式(13)〜(15)に示す正券、損券及び排除券に区分される。
【0063】
Sc≦3 :正券・・・・・・・(13)
3<Sc≦10 :損券・・・・・・・(14)
10<Sc :排除券・・・・・・(15)
この落書きの判別レベルは、上記角折れ又は穴の正損判別レベル設定方法と同様に設定することができる。なお、上記実施例では落書きの大きさが10(mm)を超える場合に排除券扱いにした場合をしめすが、これに限るものではなく損券と判別する場合もある。
【0064】
図7は、全体汚れの正損判別レベルの正規化を説明する図である。正規化処理は良く知られている方法によって行うことができる。例えば、図4に示すヒストグラムは、正損判別レベルに対する枚数をグラフ化したものであるが、この状態で収集するデータを増やしてゆくと、集積データが大きくなりデータ処理が困難になるため、例えば、各正損判別レベルごとの枚数を積算した全てのデータの加算値が一定の値(1000)になるように表現する。例えば図7に示すグラフがそれに相当する。このような表現方法によれば、データ収集した枚数にかかわらず、その紙葉類の品質のばらつきが表現できる。
【0065】
この正規化の方法は例えば、下式(16)によって行うことが可能である。
【0066】
UNi=(1000/N)Ui・mi・・・・・・・・(16)
N:正損判別データの総数
Ui:i番目の正損データ
mi:i番目の枚数(度数)
UNi:ノーマライズされたi番目の正損データ
このようにして算出されたUNiを度数iに関してグラフにしたものが図7になる。上記正規化(ノーマライズ)の方法はこれに限るものではなく、媒体の特徴をよく表現する方法として他の方法を使用してもよい。
【0067】
この結果、第1券種の第1の地域の全体汚れのヒストグラムがGr1となり、同様に収集した第2の地域の全体汚れのヒストグラムがGr2となる。このGr1とGr2の違いは、上述した地域における紙葉類の利用状況の違いとなって現れる。Gr2はGr1に比べて右側にシフトしており、例えば、正損判別レベルが3の場合には、損券枚数が少なくなる。
【0068】
図8は、図1に示す紙葉類処理装置をネットワーク接続した場合の図である。図示した例では、支店Aに3台の紙葉類処理装置1a1、1a2、1a3が構内ネットワークで接続され、支店Bに2台の紙葉類処理装置1b1、1b2が構内ネットワークで接続されている。また、本店には、PC100とデータベースDB103が接続されており、支店A及び支店Bと外部ネットワークを経由して接続されている。
【0069】
支店Aの紙葉類処理装置1a1の紙葉類判別装置13は、被検出媒体(紙葉類)の正損判別データ及び正損判別結果を主制御部20に送信する。
【0070】
主制御部20は、紙葉類判別装置13から受信した正損判別データ及び正損判別結果を操作表示部及びデータベースDB3に送信する。
【0071】
操作表示部2は、受信した正損判別結果を表示部に表示する。また、この操作表示部は、データベースDB3に直接アクセスすることができ、当該データベースDB3に保存された正損判別データ、表面画像データ、裏面画像データ及び正損判別レベルなどを表示することができる。
【0072】
データベースDB3に保存された正損判別データ及び正損判別データは、各紙葉類処理装置の操作終了時又は先の処理と次の処理の待機時などにネットワーク10を経由して本店のPC100のPCに送信される。
【0073】
PC100は、支店A及び支店Bに配置された紙葉類処理装置から受信した判別結果、正損判別データ及び正損判別データを保存すると共に、下記(1)〜(3)を算出して保存する。
【0074】
(1)処理した流通券の券種ごとの総枚数、正券枚数、損券枚数、偽券枚数、発行年
(2)処理した流通券の券種ごとの正損の割合、偽券の割合
(3)支店及び紙葉類処理装置の号機ごとの上記(1)、(2)に係る処理枚数
本店の操作員は、PC100の操作画面からDBに保存された上記(1)〜(3)に示すデータを参照することができるため、支店A及び支店Bに示す装置の稼働状況を知ることができる。
【0075】
従来、この種の地域差を吸収することは困難であったが、本発明によれば、上述した全体汚れの自動設定により本店に設置された本店のPCから均一の正損判別レベルを設定することが可能になる。また、各装置によって正損判別されている。その正損判別レベルを本店のPCからモニタリングすることも可能になる。
【0076】
また、均一の値をモニタリングすると共に、本店のPCから支店Aの紙葉類処理装置1A1、1A2、1A3及び支店Bの紙葉類処理装置1B1、1B2の各種判別レベルを設定することができる。なお、当然本店のPCから指示することによって支店A及び支店Bの紙葉類処理装置の判別レベルを自動設定することも可能である。
【0077】
以上述べたように、本発明の紙葉類処理装置及び紙葉類処理システムでは、正損判別の設定方法の可視化、正損判別精度の向上、及び正損判別情報のモニタリングができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施例による紙葉類処理システム。
【図2】図1に示す紙葉類処理装置1の詳細図。
【図3】図2に示すデータベースに検知情報が蓄積される様子を示す図。
【図4】処理した紙葉類の全体汚れに関する正損判別データのヒストグラム。
【図5】正損判別レベルの設定画面。
【図6】全体汚れ及び部分汚れの正損判別レベルの設定画面。
【図7】全体汚れの正損判別レベルの正規化を説明する図。
【図8】図1に示す紙葉類処理装置をネットワーク接続した場合の図。
【符号の説明】
【0079】
S 束
P 紙葉類
1 紙葉類処理装置
2 操作表示部
3 データベース
10 供給部
11 取出ロータ
12 搬送路
13 紙葉類判別装置
14〜17 集積装置
20 主制御部
21 搬送制御部
30 コンベア
50 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される紙葉類を判別する紙葉類判別装置と、この紙葉類判別装置による判別結果に基づいて正券、損券、排除券に区分して集積する集積手段と、正券又は損券が所定枚数に到達したときに施封する施封手段と、を有する紙葉類処理装置であって、
前記紙葉類判別装置は、
紙葉類の透過光を基にその形状を検知する形状検知データを生成し、その形状検知データによって形状を判別する形状判別手段と、
紙葉類の一方の面及び紙葉類の他方の面の反射光を基にその券種を検知する券種検知データを生成し、その券種検知データによって券種を判別する券種判別手段と、
紙葉類の一方の面の反射光、紙葉類の他方の面の反射光及び紙葉類の透過光を基にその正損を検知する正損検知データを生成し、その正損検知データによって、紙葉類の正損を判別する正損判別手段と、
前記形状判別手段、前記券種判別手段及び前記正損判別手段による判別結果に基づいて紙葉類を正券、損券、排除券に判別する判別手段と、
を備え、
前記形状判別手段は、
前記形状検知データを基に平面画像を表示する形状表示手段と、
前記形状検知データを基に紙葉類のサイズを検知する形状検知手段と、
前記形状検知データを基に紙葉類の角折れ量、穴の大きさ、破れの大きさなどの紙葉類の正損量を検知する第1の正損検知手段と、
この第1の正損検知手段で検知した第1の正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第1の正損判別手段と、を備え、
前記券種判別手段は、
前記券種検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、
前記券種検知データを基に紙葉類の券種及び搬送方向を判別する券種判別手段と、を備え、
前記正損判別手段は、
前記正損検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、
前記正損検知データを基に紙葉類の全体汚れ量及び部分汚れ量を検知する第2の正損検知手段と、
この第2の正損検知手段で検知した正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第2の正損判別手段と、
を備えたことを特徴とする紙葉類処理装置。
【請求項2】
搬送される紙葉類を判別する紙葉類判別装置と、この紙葉類判別装置による判別結果に基づいて正券、損券、排除券に区分して集積する集積手段と、正券又は損券が所定枚数に到達したときに施封する施封手段とを有する紙葉類処理装置と、この紙葉類処理装置と接続され、当該紙葉類処理装置で処理する紙葉類の処理内容を設定する操作表示部と、前記紙葉類処理装置と接続され、前記操作表示部で設定された紙葉類を処理した処理結果を保存する記憶装置と、を備えた紙葉類処理システムであって、
前記紙葉類判別装置は、
紙葉類の透過光を基にその形状を検知する形状検知データを生成し、その形状検知データを基に形状を判別する形状判別手段と、
紙葉類の一方の面及び紙葉類の他方の面の反射光を基にその券種を検知する券種検知データを生成し、その券種検知データを基に券種を判別する券種判別手段と、
紙葉類の一方の面の反射光、紙葉類の他方の面の反射光及び紙葉類の透過光を基にその正損を検知する正損検知データを生成し、その正損検知データを基に、紙葉類の正損を判別する正損判別手段と、
前記形状判別手段、前記券種判別手段及び前記正損判別手段による判別結果に基づいて紙葉類を正券、損券、排除券に判別する判別手段と、を備え、
前記形状判別手段は、
前記形状検知データを基に平面画像を表示する形状表示手段と、
前記形状検知データを基に紙葉類のサイズを検知する形状検知手段と、
前記形状検知データを基に紙葉類の角折れ量、穴の大きさ、破れの大きさなどの紙葉類の正損量を計測する第1の正損検知手段と、
この第1の正損検知手段で検知した第1の正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第1の正損判別手段と、を備え、
前記券種判別手段は、
前記券種検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、
前記券種検知データを基に紙葉類の券種及び搬送方向を判別する券種判別手段と、を備え、
前記正損判別手段は、
前記正損検知データを基に平面画像を表示する平面画像表示手段と、
前記正損検知データを基に紙葉類の一方の面及び他方の面の平面画像を表示する平面画像表示手段と、
前記正損検知データを基に紙葉類の全体汚れ量及び部分汚れ量を検知する第2の正損検知手段と、
この第2の正損検知手段で検知した正損量をそれぞれ項目ごとに判別する第2の正損判別手段と、を備え、
前記操作表示部は、
前記第1正損判別手段及び第2正損判別手段の正損判別レベルを設定する正損判別レベル設定画面と、
前記正損判別レベルを示す形態を表示する正損判別レベル表示画面と、
を、備えたことを特徴とする紙葉類処理システム。
【請求項3】
前記正損判別レベル設定画面は、
前記第1の正損検知手段及び前記第2の正損検知手段を構成する各検知項目を表示する表示画面と、
この表示画面に表示された項目のなかの何れかを選択する選択手段と、
この選択手段で選択された検知項目の正損判別レベルを設定する正損判別レベル設定欄と、
を備え、
前記正損判別レベル表示画面は、
前記選択手段によって選択された検知項目に係る正損判別レベルを示す形態を表示することを特徴とする請求項2記載の紙葉類処理システム。
【請求項4】
前記記憶装置は、
紙葉類の形状に係る形状検知データ及び形状判別手段による形状判別結果と、
紙葉類の券種に係る券種検知データ及び券種判別手段による券種判別結果と、
紙葉類の形状に係る第1の正損量及び第1の正損判別結果と、
紙葉類の正損に係る正損検知データ、第2の正損量及び第2の正損判別結果と、
を、保存し、
これら保存された前記形状検知データ、券種検知データ、正損検知データ、第1の正損検知データ及び第2の正損検知データのヒストグラムをそれぞれ算出するヒストグラム算出手段と、
このヒストグラム算出手段によって算出されたヒストグラムを前記紙葉類処理装置からの要求に応じて出力することを特徴とする請求項2記載の紙葉類処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−294933(P2009−294933A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−148331(P2008−148331)
【出願日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】