説明

経路案内装置、経路案内方法及びプログラム

【課題】ユーザが通過分岐点を確実に視認し、案内分岐点を正確に認識して経路通りに走行することが可能となる経路案内装置、経路案内方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】目的地までの経路上における前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定手段と、前記経路上の前記分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンに基づいて前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定手段と、前記視認性判定手段を介して前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路案内を行う経路案内装置、経路案内方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、目的地までの経路を案内する技術に関して種々提案されている。
例えば、探索経路上の案内交差点の位置と自車位置を読み込み、自車位置から案内交差点までの距離を算出し、案内交差点よりも手前の、予め設定された距離だけ離れた経路案内地点に到達したかどうかを判断する。そして、車両が経路案内地点に到達した場合には、交差点データと地物データを読み出し、経路案内地点から案内交差点までの各交差点のうちの信号機及び停止線がある交差点の数を信号機付き交差点の数として算出する。続いて、当該交差点の数を読み込み、交差点の数に対応する案内フレーズを読み出し、例えば、「二つ目の信号を左方向です。」等の案内フレーズで音声出力をするように構成された経路案内システムがある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−275455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1に記載された経路案内システムによれば、走行レーンによる信号機や路面標示等の道路上の地物の視認性に関わらず、経路案内地点から案内交差点まで通過する交差点の数で経路案内を行う。このため、ユーザは、通過交差点を見過ごし、通過交差点のカウントを誤って行い、探索経路通りに走行できない虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、ユーザが通過分岐点を確実に視認し、案内分岐点を正確に認識して経路通りに走行することが可能となる経路案内装置、経路案内方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため請求項1に係る経路案内装置は、目的地までの経路を取得する経路取得手段と、前記経路上の前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定手段と、前記経路上の前記分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンを取得する走行レーン取得手段と、前記現在走行レーンに基づいて前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定手段と、前記視認性判定手段を介して前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内手段と、を備えたことを特徴とする。尚、通過分岐点が視認可能であるとは、通過分岐点に設けられた地物(分岐を構成する地物)が視認可能であることをいう。
【0007】
また、請求項2に係る経路案内装置は、請求項1に記載の経路案内装置において、前記視認性判定手段を介して前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能でないと判定した場合には、前記案内手段は、前記現在走行レーンから前記通過分岐点が視認可能となる視認可能レーンまで移動するように案内することを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に係る経路案内装置は、請求項2に記載の経路案内装置において、前記案内手段を介して案内した前記視認可能レーンまで移動したか否かを判定するレーン移動判定手段と、前記案内手段を介して案内した前記視認可能レーンまで移動していないと判定した場合には、前記案内手段は、前記分岐案内開始地点において該分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの距離に基づいて前記案内分岐点を案内することを特徴とする。
【0009】
更に、請求項4に係る経路案内装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の経路案内装置において、前記経路上の前記通過分岐点に設けられた地物を取得する地物取得手段を備え、前記視認性判定手段は、前記経路上の前記通過分岐点に設けられた地物に基づいて該通過分岐点が視認可能か否かを判定することを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に係る経路案内方法は、目的地までの経路を取得する経路取得工程と、前記経路取得工程で取得した経路上の前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定工程と、前記分岐案内開始地点設定工程で設定した分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンを取得する走行レーン取得工程と、前記走行レーン取得工程で取得した現在走行レーンに基づいて、前記分岐案内開始地点設定工程で設定した経路上の前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定工程と、前記視認性判定工程で前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内工程と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
更に、請求項6に係るプログラムは、コンピュータに、目的地までの経路を取得する経路取得工程と、前記経路取得工程で取得した経路上の前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定工程と、前記分岐案内開始地点設定工程で設定した分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンを取得する走行レーン取得工程と、前記走行レーン取得工程で取得した現在走行レーンに基づいて、前記分岐案内開始地点設定工程で設定した経路上の前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定工程と、前記視認性判定工程で前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内工程と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る経路案内装置、請求項5に係る経路案内方法及び請求項6に係るプログラムでは、現在走行している現在走行レーンが分岐案内開始地点から案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能な走行レーンの場合には、ユーザは分岐案内開始地点で案内された通過分岐点の数をカウントすることによって、案内分岐点を正確に認識して経路通りに走行することが可能となる。
【0013】
また、請求項2に係る経路案内装置では、現在走行している現在走行レーンが分岐案内開始地点から案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能でない走行レーンの場合には、ユーザは分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、案内に従って通過分岐点が視認可能な視認可能レーンに移動することが可能となる。そして、ユーザは当該分岐案内開始地点から案内分岐点まで通過する通過分岐点を確実に視認して、分岐案内開始地点で案内された通過分岐点の数を正確にカウントして、案内分岐点を確実に認識して経路通りに走行することが可能となる。
【0014】
また、請求項3に係る経路案内装置では、ユーザは分岐案内開始地点から案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能な視認可能レーンに移動していない場合にも、分岐案内開始地点で案内された距離に従って案内分岐点を認識することができ、経路通りに走行することができる。
【0015】
更に、請求項4に係る経路案内装置では、分岐案内開始地点から案内分岐点までの間に存在する通過分岐点に設けられた地物(境界線や停止線などの路面標示、ラバーポール、防音壁、方面標識等である。)に基づいて通過分岐点が視認可能か否かを判定するため、通過分岐点のユーザによる視認性を迅速に判定することができると共に、判定精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施例に係るナビゲーション装置を示したブロック図である。
【図2】分岐点視認性判定テーブルの一例を示す図である。
【図3】案内分岐点を案内する分岐点案内処理を示すメインフローチャートである。
【図4】図3の「レーン案内決定処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図5】案内分岐点を案内する一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る経路案内装置、経路案内方法及びプログラムをナビゲーション装置について具体化した一実施例に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0018】
[ナビゲーション装置の概略構成]
先ず、本実施例に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1に基づいて説明する。図1は本実施例に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように、本実施例に係るナビゲーション装置1は、自車の現在位置等を検出する現在地検出処理部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション制御部13と、操作者からの操作を受け付ける操作部14と、操作者に対して地図等の情報を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内等に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、不図示の道路交通情報センタや地図情報配信センタ等との間で携帯電話網等を介して通信を行う通信装置17と、液晶ディスプレイ15の表面に装着されたタッチパネル18とから構成されている。また、ナビゲーション制御部13には自車両の走行速度を検出する車速センサ21が接続されている。
【0019】
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について説明すると、現在地検出処理部11は、GPS31、方位センサ32、距離センサ33等からなり、自車両の現在位置(以下、「自車位置」という。)、自車の向きを表す自車方位、走行距離等を検出することが可能となっている。
【0020】
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された地図情報データベース(地図情報DB)25、分岐点視認性データベース(分岐点視認性DB)27及び所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバ(図示せず)を備えている。
【0021】
また、地図情報DB25には、ナビゲーション装置1の走行案内や経路探索に使用されるナビ地図情報26が格納されている。また、分岐点視認性DB27には、道路上の交差点や有料道路の料金所出口への分岐点等に設置された各地物について、自車両が走行している走行車線側のレーンから視認可能か否かを各レーンに対応させて記憶する後述の分岐点視認性判定テーブル51(図2参照)が格納されている。
【0022】
ここで、ナビ地図情報26は、経路案内及び地図表示に必要な各種情報から構成されており、例えば、各新設道路を特定するための新設道路情報、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、ノード点に関するノードデータ、道路(リンク)に関するリンクデータ、経路を探索するための探索データ、施設の一種である店舗等のPOI(Point of Interest)に関する施設データ、地点を検索するための検索データ等から構成されている。
【0023】
また、ナビ地図情報26には、道路上の地物に関する地物データが記憶されている。この地物は、運転者に各種の走行上の情報を提供したり、各種の走行上の案内を行ったりするために道路上に設置、又は形成された表示物であり、表示線、路上標識(ペイント)、横断歩道、マンホール等から成る。この表示線には、車両を停止させるための停止線、各レーンを区分する「車道中央線」、「車線境界線」、「車道外側線」、「導流帯」等の区画線などが含まれる。
【0024】
また、路上標識には、各レーンにおける進行方向表す矢印、「止まれ」等のように一時停止箇所を予告する文字、「○○方面」等のように方面案内をする方面標識、道路の分岐を示すラバーポール、防音壁等が含まれる。そして、地物データとして、各地物の位置を表す座標位置(例えば、緯度と経度である。)、各地物の種類、方面標識の高さ、方面標識上の交差点の各進行方向の方面名称、各地物をイメージで表す画像情報等が記憶されている。
【0025】
また、ノードデータとしては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクの識別番号であるリンクIDのリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト等に関するデータ等が記録される。
【0026】
また、リンクデータとしては、道路を構成する各リンクに関してリンクを特定するリンクID、リンクの長さを示すリンク長、旅行時間、リンクの始点と終点の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、リンクの属する道路の幅員、道路の車線数、レーン番号、レーンの位置情報等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。
【0027】
また、探索データとしては、設定された目的地までの経路を探索及び表示する際に使用されるデータについて記録されており、ノードを通過する際のコスト(以下、ノードコストという)や道路を構成するリンクのコスト(以下、リンクコストという)からなる探索コストを算出する為に使用するコストデータ、経路探索により選択された誘導経路を液晶ディスプレイ15の地図上に表示するための経路表示データ等から構成されている。
【0028】
また、施設データとしては、各地域のホテル、遊園地、宮殿、病院、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設、サービスエリア、パーキングエリア、インターチェンジ等のPOIに関する名称や住所、電話番号、地図上の座標位置(例えば、緯度と経度である。)、地図上に施設の位置を表示する施設アイコン等のデータがPOIを特定する施設IDとともに記憶されている。
【0029】
また、地図情報DB25や分岐点視認性DB27の内容は、不図示の情報配信センタから通信装置17を介して配信された更新情報をダウンロードすることによって更新される。
【0030】
また、図1に示すように、ナビゲーション装置1を構成するナビゲーション制御部13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラム等が記憶されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置や、時間を計測するタイマ45等を備えている。
【0031】
また、ROM43には、後述の出発地から目的地まで探索した探索経路上の案内分岐点を案内する分岐点案内処理(図3参照)等のプログラムが記憶されている。
更に、ナビゲーション制御部13には、操作部14、液晶ディスプレイ15、スピーカ16、通信装置17、タッチパネル18の各周辺装置(アクチュエータ)が電気的に接続されている。
【0032】
この操作部14は、走行開始時の現在位置を修正し、出発地及び目的地を入力する際や施設に関する情報の検索を行う場合等に操作され、各種のキーや複数の操作スイッチから構成される。そして、ナビゲーション制御部13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。
【0033】
また、液晶ディスプレイ15には、現在走行中の地図情報、目的地周辺の地図情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの探索経路、探索経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。
【0034】
また、スピーカ16は、ナビゲーション制御部13からの指示に基づいて、推奨経路に沿った走行を案内する音声ガイダンス等を出力する。ここで、案内される音声ガイダンスとしては、例えば、「2つ目の分岐を左方向です。」、「200m先を左方向です。」等がある。
【0035】
また、通信装置17は、不図示の情報配信センタと通信を行う携帯電話網等による通信手段であり、情報配信センタとの間で最もバージョンの新しい更新地図情報や更新分岐点視認性判定テーブル等の送受信を行う。また、通信装置17は情報配信センタに加えて、道路交通情報センタ等から送信された渋滞情報やサービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を受信する。
【0036】
また、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の表示画面上に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ15の画面に表示されたボタンや地図上を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。尚、タッチパネル18は、液晶ディスプレイ15の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0037】
ここで、分岐点視認性DB27に格納される分岐点視認性判定テーブル51の一例について図2に基づいて説明する。
図2に示すように、分岐点視認性判定テーブル51は、「分岐点の地物」と、「分岐点側からの走行レーン」とから構成されている。また、「分岐点側からの走行レーン」は、走行車線の分岐点側から1番目のレーン、つまり、分岐点が接続されているレーンであることを表す「第1レーン」、分岐点側から2番目のレーンであることを表す「第2レーン」、分岐点側から3番目のレーンであることを表す「第3レーン」、分岐点側から4番目以上のレーンであることを表す「第4レーン以上」に区分されている。
【0038】
この「分岐点の地物」には、分岐点に設けられた地物の種類が記憶されている。例えば、図2に示すように、「分岐点の地物」に記憶されている「路面標示のみ」は、車線境界線、導流帯等の区画線や進行方向を表す矢印、「止まれ」等のように一時停止箇所を予告する文字等の路面標示だけが分岐点に設けられていることを表している。また、「分岐点の地物」に記憶されている「ラバーポール」は、車線境界線、導流帯等の区画線等の路面標示だけでなく、ラバーポールが分岐点に設けられていることを表している。
【0039】
また、「分岐点の地物」に記憶されている「防音壁、又は、方面標識」は、車線境界線、導流帯等の区画線等の路面標示やラバーポールだけでなく、防音壁又は方面標識が分岐点に設けられていることを表している。
【0040】
また、各「分岐点の地物」に対応する「分岐点側からの走行レーン」には、運転者が「第1レーン」、「第2レーン」、「第3レーン」、「第4レーン以上」をそれぞれ走行した場合に、当該運転者による各「分岐点の地物」に記憶されている地物の視認性が記憶されている。
【0041】
例えば、図2に示すように、「分岐点の地物」の「路面標示のみ」に対応して、「第1レーン」に視認可能である旨を表す「○」が記憶され、「第2レーン」〜「第4レーン以上」に視認できない旨を表す「×」が記憶されている。つまり、分岐点に車線境界線、導流帯等の区画線や進行方向を表す矢印等の路面標示のみが設けられている場合には、分岐点側から1番目のレーンを走行している運転者のみが、分岐点に設けられた地物を視認可能である旨が記憶されている。
【0042】
また、「分岐点の地物」の「ラバーポール」に対応して、「第1レーン」、「第2レーン」に視認可能である旨を表す「○」が記憶され、「第3レーン」、「第4レーン以上」に視認できない旨を表す「×」が記憶されている。つまり、分岐点にラバーポールが設けられている場合には、分岐点側から1番目及び2番目のレーンを走行している運転者のみが、分岐点に設けられた地物を視認可能である旨が記憶されている。
【0043】
また、「分岐点の地物」の「防音壁、又は、方面標識」に対応して、「第1レーン」〜「第4レーン以上」に視認可能である旨を表す「○」が記憶されている。つまり、分岐点に防音壁又は方面標識が設けられている場合には、走行車線の全てのレーンを走行している運転者が、分岐点に設けられた地物を視認可能である旨が記憶されている。
【0044】
尚、分岐点視認性判定テーブル51を道路幅、時間帯、曜日、天候別に設けるようにしてもよい。これにより、分岐点に設けられた地物の視認性を高精度に判定することが可能となる。
【0045】
[分岐点案内処理]
次に、上記のように構成されたナビゲーション装置1のCPU41が実行する処理であって、出発地から目的地まで探索した探索経路上の案内分岐点を案内する分岐点案内処理について図3乃至図5に基づいて説明する。尚、図3にフローチャートで示されるプログラムは、CPU41により一定時間毎(例えば、10msec〜100msec毎)に実行される。
【0046】
図3に示すように、先ず、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出してRAM42に記憶する。そして、CPU41は、自車位置から探索経路上の前方の案内分岐点まで所定距離以内(例えば、約1km以内である。)になったか否かを判定する判定処理を実行する。
そして、自車位置から探索経路上の前方の案内分岐点まで所定距離以内になっていないと判定した場合には(S11:NO)、CPU41は、当該処理を終了する。
【0047】
一方、自車位置から探索経路上の前方の案内分岐点まで所定距離以内になったと判定した場合には(S11:YES)、CPU41は、S12の処理に移行する。S12において、CPU41は、走行レーンの移動案内を決定する「レーン案内決定処理」のサブ処理を実行する。
【0048】
ここで、「レーン案内決定処理」のサブ処理について図4に基づいて説明する。
図4に示すように、S111において、CPU41は、探索経路上の前方の案内分岐点から所定距離手前の地点までに(例えば、約500m手前の地点までである。)、走行車線側の通過する通過分岐点があれば、この通過分岐点の座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)をナビ地図情報26から読み出し、RAM42に順次記憶する。
【0049】
続いて、S112において、CPU41は、通過分岐点の座標データをRAM42に記憶しているか否か、つまり、探索経路上の前方の案内分岐点から所定距離手前の地点までに通過分岐点があるか否かを判定する判定処理を実行する。そして、通過分岐点の座標データをRAM42に記憶していないと判定した場合には(S112:NO)、CPU41は、S113の処理に移行する。
【0050】
S113において、CPU41は、探索経路上の案内分岐点の手前の所定箇所(例えば、手前約500mの地点である。)の座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)をナビ地図情報26から読み出し、案内分岐点の案内を開始する「案内開始地点」の座標データとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグとレーンフラグを読み出し、この通過分岐点フラグとレーンフラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0051】
一方、通過分岐点の座標データをRAM42に記憶していると判定した場合には(S112:YES)、CPU41は、S114の処理に移行する。S114において、CPU41は、探索経路上の最も手前の通過分岐点の座標データをRAM42から読み出し、当該通過分岐点から所定距離手前(例えば、約50m手前である。)の探索経路上の座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)をナビ地図情報26から読み出し、案内分岐点の案内を開始する「案内開始地点」の座標データとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、この通過分岐点フラグをONに設定してRAM42に再度記憶する。
【0052】
例えば、図5に示すように、案内分岐点61から約500m手前の地点に、通過分岐点62がある場合には、CPU41は、この通過分岐点62から約50m手前の探索経路63上の座標データを案内開始地点65の座標データとしてRAM42に記憶する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、この通過分岐点フラグをONに設定してRAM42に再度記憶する。
【0053】
そして、S115において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出し、この自車位置から現在走行している現在走行レーンのレーン番号をナビ地図情報26から読み出し、RAM42に記憶する。尚、レーン番号として、走行車線の分岐点側の1番目のレーンから道路中央側のレーンに向かって順番に「第1レーン」、「第2レーン」、「第3レーン」、・・・が付与されてナビ地図情報26に記憶されている。
【0054】
続いて、S116において、CPU41は、各通過分岐点の座標データをRAM42から順次読み出し、各通過分岐点の座標データを座標位置とする地物データをナビ地図情報26から順番に読み出す。そして、CPU41は、各地物データに含まれる地物の種類を各通過分岐点に対応させてRAM42に記憶する。
【0055】
そして、S117において、CPU41は、現在走行している現在走行レーンをRAM42から読み出して分岐点視認性判定テーブル51の「分岐点側からの走行レーン」とすると共に、各通過分岐点に対応する地物の種類をRAM42から順番に読み出して分岐点視認性判定テーブル51の「分岐点の地物」として、該当する「視認性」を分岐点視認性判定テーブル51から読み出し、各通過分岐点の「視認性」としてRAM42に記憶する。
【0056】
例えば、図5に示すように、現在走行レーンが第2レーン66で、通過分岐点62の地物の種類が、車線境界線67と導流帯68の「路面標示のみ」の場合には、CPU41は、分岐点視認性判定テーブル51から通過分岐点に設けられた地物が視認できない旨を表す「×」を読み出し、当該通過分岐点62の「視認性」としてRAM42に記憶する。
【0057】
また例えば、現在走行レーンが「第2レーン」で、通過分岐点の地物の種類が、車線境界線、導流帯等の区画線や進行方向を表す矢印等の「路面標示」と、「ラバーポール」の場合には、CPU41は、分岐点視認性判定テーブル51から通過分岐点に設けられた地物が視認可能の旨を表す「○」を読み出し、当該通過分岐点の「視認性」としてRAM42に記憶する。
【0058】
続いて、S118において、CPU41は、各通過分岐点の「視認性」をRAM42から読み出し、全ての「視認性」が、通過分岐点に設けられた地物が視認可能である旨を表す「○」であるか否か、つまり、全通過分岐点が視認可能か否かを判定する判定処理を実行する。そして、全ての「視認性」が、通過分岐点に設けられた地物が視認可能である旨を表す「○」である場合には(S118:YES)、CPU41は、RAM42からレーンフラグを読み出し、このレーンフラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0059】
一方、全ての「視認性」が、通過分岐点に設けられた地物が視認可能である旨を表す「○」でない場合には(S118:NO)、CPU41は、RAM42からレーンフラグを読み出し、このレーンフラグをONに設定してRAM42に再度記憶後、S119の処理に移行する。S119において、CPU41は、「視認性」が視認できない旨を表す「×」である通過分岐点を抽出した後、上記S116でこの視認できない通過分岐点に対応させて記憶した「地物の種類」をRAM42から読み出す。
【0060】
そして、CPU41は、この「地物の種類」を分岐点視認性判定テーブル51の「分岐点の地物」として、「視認性」が視認可能である旨を表す「○」のレーンで、且つ、現在の走行レーンに最も近いレーンを分岐点視認性判定テーブル51の「分岐点側からの走行レーン」から読み出し、「推奨レーン」としてRAM42に記憶する。また、CPU41は、現在走行レーンから推奨レーンまで移動するレーン数を算出し、「移動レーン数」としてRAM42に記憶する。
【0061】
例えば、図5に示すように、現在走行レーンが第2レーン66で、通過分岐点62の地物の種類が、車線境界線67と導流帯68の「路面標示のみ」の場合には、CPU41は、分岐点視認性判定テーブル51の「路面標示のみ」に対応する「視認性」が視認可能である旨を表す「○」のレーンで、且つ、現在の走行レーンに最も近いレーンとして「第1レーン」を読み出し、「推奨レーン」として第1レーン71をRAM42に記憶する。また、CPU41は、第2レーン66から第1レーン71まで移動するレーン数として「1」を算出し、「移動レーン数」としてRAM42に記憶する。
【0062】
その後、S120において、CPU41は、RAM42から「移動レーン数」を読み出し、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するために必要な距離を算出する。例えば、現在走行レーンから隣のレーンへ(1レーン)移動するために必要な距離を約150mとし、2レーン目以降は、移動するレーンが1レーン増加する毎に、必要な距離を100mずつ増加させて算出する。従って、「移動レーン数」が「1」の場合には、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するために必要な距離は約150mである。また、「移動レーン数」が「2」の場合には、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するために必要な距離は、約250mである。
【0063】
そして、CPU41は、上記S114で記憶した「案内開始地点」の座標データよりも現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するために必要な距離だけ手前の探索経路上の座標データ(例えば、緯度と経度のデータである。)をナビ地図情報26から読み出し、レーン移動の案内を通知する「レーン案内の通知地点」の座標データとしてRAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0064】
例えば、図5に示すように、「移動レーン数」が「1」の場合には、CPU41は、現在走行している第2レーン66から「推奨レーン」である第1レーン71へ移動するために必要な距離を約150mとし、案内開始地点65から約150mだけ手前の探索経路63上の座標データをレーン案内の通知地点72の座標データとしてRAM42に記憶後、当該サブ処理を終了してメインフローチャートに戻り、S13の処理に移行する。
【0065】
続いて、図3に示すように、S13において、CPU41は、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するように案内するレーン案内を行うか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、RAM42からレーンフラグを読み出し、レーンフラグがONに設定されていれば、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するように案内するレーン案内を行うと判定する。
【0066】
そして、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するように案内するレーン案内を行わないと判定した場合、つまり、RAM42から読み出したレーンフラグがOFFに設定されている場合には(S13:NO)、CPU41は、後述するS16の処理に移行する。
一方、現在走行レーンから「推奨レーン」へ移動するように案内するレーン案内を行うと判定した場合、つまり、RAM42から読み出したレーンフラグがONに設定されている場合には(S13:YES)、CPU41は、S14の処理に移行する。
【0067】
S14において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出する。そして、CPU41は、レーン移動の案内を通知する「レーン案内の通知地点」の座標データをRAM42から読み出し、自車位置が探索経路上の「レーン案内の通知地点」を通過した否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車位置が探索経路上の「レーン案内の通知地点」を通過していないと判定した場合には(S14:NO)、CPU41は、再度S14の処理を実行する。
【0068】
一方、自車位置が探索経路上の「レーン案内の通知地点」を通過したと判定した場合には(S14:YES)、CPU41は、S15の処理に移行する。S15において、CPU41は、「推奨レーン」をRAM42から読み出し、当該「推奨レーン」へ移動するようにスピーカ16を介して音声案内すると共に、液晶ディスプレイ15に表示する。また、CPU41は、RAM42からレーンフラグを読み出し、このレーンフラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶する。
【0069】
例えば、図5に示すように、CPU41は、自車位置がレーン案内の通知地点72を通過したと判定した場合には、RAM42から「推奨レーン」として記憶した第1レーン71を読み出し、第1レーン71へ移動するように、「一番左のレーンに移動して下さい。」とスピーカ16を介して音声案内する。また、CPU41は、RAM42からレーンフラグを読み出し、このレーンフラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶する。
【0070】
続いて、S16において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出する。そして、CPU41は、案内分岐点の案内を開始する「案内開始地点」の座標データをRAM42から読み出し、自車位置が探索経路上の「案内開始地点」を通過した否かを判定する判定処理を実行する。そして、自車位置が探索経路上の「案内開始地点」を通過していないと判定した場合には(S16:NO)、CPU41は、再度S16の処理を実行する。
【0071】
一方、自車位置が探索経路上の「案内開始地点」を通過したと判定した場合には(S16:YES)、CPU41は、S17の処理に移行する。S17において、CPU41は、案内分岐点の手前に通過する通過分岐点があるか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、通過分岐点フラグがONに設定されていれば、通過分岐点があると判定する。
【0072】
そして、案内分岐点の手前に通過する通過分岐点が無いと判定した場合、つまり、RAM42から読み出した通過分岐点フラグがOFFに設定されている場合には(S17:NO)、CPU41は、後述するS22の処理に移行する。
一方、案内分岐点の手前に通過する通過分岐点があると判定した場合、つまり、RAM42から読み出した通過分岐点フラグがONに設定されている場合には(S17:YES)、CPU41は、S18の処理に移行する。
【0073】
S18において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出する。そして、CPU41は、自車位置が位置する探索経路上の走行レーンをナビ地図情報26から読み出し、現在走行している現在走行レーンとしてRAM42に記憶する。
【0074】
続いて、S19において、CPU41は、自車両が通過分岐点を視認可能なレーンを走行しているか否か、つまり、通過分岐点に設けられた地物を視認可能なレーンを走行しているか否かを判定する判定処理を実行する。具体的には、CPU41は、現在走行レーンと「推奨レーン」とをRAM42から読み出し、両レーンが一致する、又は、現在走行レーンが「推奨レーン」よりも通過分岐点側のレーンか否かを判定する判定処理を実行する。尚、「推奨レーン」がRAM42に記憶されていない場合には(上記S118で全ての「視認性」が「○」であった場合(S118:YES)である。)、このS19において、CPU41は、「推奨レーン」を算出する。
【0075】
そして、現在走行レーンと「推奨レーン」とが一致すると判定した場合、又は、現在走行レーンが「推奨レーン」よりも通過分岐点側のレーンであると判定した場合には(S19:YES)、CPU41は、自車両が通過分岐点を視認可能なレーンを走行していると判定して、S20の処理に移行する。例えば、図5に示すように、CPU41は、RAM42から読み出した「推奨レーン」と「現在走行レーン」が、第1レーン71で同一の場合には、自車両73は通過分岐点62を視認可能なレーンを走行していると判定して、S20の処理に移行する。
【0076】
そして、S20において、CPU41は、上記S111でRAM42に記憶した通過分岐点の座標データの個数をカウントし、当該個数を「通過分岐点の数」とする。
続いて、S21において、CPU41は、この「通過分岐点の数」に「1」加算したカウント値を案内分岐点までの分岐数として、この分岐数により当該案内分岐点を案内する音声案内を作成し、スピーカ16を介して音声案内する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、この通過分岐点フラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶後、当該処理を終了する。
【0077】
例えば、図5に示すように、CPU41は、通過分岐点62の座標データをカウントしたカウント値「1」を「通過分岐点の数」とする。そして、この「通過分岐点の数」に「1」加算したカウント値「2」を案内分岐点61までの分岐数として、この分岐数「2」により当該案内分岐点61を案内する「2つめの出口を左方向です。」という音声案内を作成し、スピーカ16を介して音声案内する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、この通過分岐点フラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶後、当該処理を終了する。
【0078】
一方、上記S19で、CPU41は、現在走行レーンと「推奨レーン」とをRAM42から読み出し、現在走行レーンが「推奨レーン」よりも車線中央側のレーンの場合には(S19:NO)、CPU41は、自車両が通過分岐点を視認可能なレーンを走行していないと判定して、S22の処理に移行する。例えば、図5に示すように、CPU41は、RAM42から読み出した「推奨レーン」が第1レーン71で、「現在走行レーン」が第2レーン66の場合には、自車両75は通過分岐点62を視認可能なレーンを走行していないと判定して(S19:NO)、S22の処理に移行する。
【0079】
S22において、CPU41は、現在地検出処理部11の検出結果に基づいて自車位置を検出する。そして、CPU41は、自車位置から案内分岐点までの距離をナビ地図情報26のリンクデータから算出し、当該距離を「案内開始地点から案内分岐点までの距離」とする。
【0080】
続いて、S23において、CPU41は、この「案内開始地点から案内分岐点までの距離」を案内する音声案内を作成し、スピーカ16を介して音声案内する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、この通過分岐点フラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶後、当該処理を終了する。
【0081】
例えば、図5に示すように、CPU41は、自車両75の現在位置から案内分岐点61までの距離が約500mの場合には、当該案内分岐点61を案内する「500m先を左方向です。」という音声案内を作成し、スピーカ16を介して音声案内する。また、CPU41は、RAM42から通過分岐点フラグを読み出し、この通過分岐点フラグをOFFに設定してRAM42に再度記憶後、当該処理を終了する。
【0082】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係るナビゲーション装置1では、CPU41は、現在走行している現在走行レーンが、案内開始地点から前方の案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能な走行レーンの場合には、案内開始地点から案内分岐点までの通分岐数により当該案内分岐点を案内する。これにより、ユーザは音声案内された分岐数に従って通過分岐点をカウントすることによって、案内分岐点を正確に認識して経路通りに走行することが可能となる。
【0083】
また、CPU41は、案内開始地点から前方の案内分岐点までの間に存在する通過分岐点の視認性を、分岐点視認性判定テーブル51により現在走行レーンと各通過分岐点に設けられた地物(境界線や停止線などの路面標示、ラバーポール、防音壁、方面標識等である。)に基づいて判定するため、各通過分岐点のユーザによる視認性を迅速に判定することができると共に、判定精度の向上を図ることができる。
【0084】
また、CPU41は、現在走行している現在走行レーンが、分岐案内開始地点から案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能でない走行レーンであると判定した場合には、現在走行レーンから「推奨レーン」に移動するために必要な距離を算出し、案内開始地点から必要な距離だけ手前に「レーン案内の通知地点」を設定する。そして、CPU41は、自車位置が「レーン案内の通知地点」を通過したときに、「推奨レーン」へ移動するように音声案内する。
【0085】
これにより、ユーザは案内開始地点から所定距離手前の地点において、案内に従って通過分岐点が視認可能な「推奨レーン」に移動することが可能となる。そして、ユーザは当該案内開始地点から案内分岐点まで通過する通過分岐点を確実に視認して、案内開始地点で案内された分岐数を正確にカウントして、案内分岐点を確実に認識して経路通りに走行することが可能となる。
【0086】
更に、CPU41は、案内開始地点を通過したときに走行している現在走行レーンが、「レーン案内の通知地点」を通過したときに音声案内した「推奨レーン」でない場合には、「案内開始地点から案内分岐点までの距離」を音声案内する。これにより、ユーザは案内開始地点から案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能な「推奨レーン」に移動していない場合にも、案内開始地点で案内された距離に従って案内分岐点を認識することができ、経路通りに走行することができる。
【0087】
尚、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0088】
1 ナビゲーション装置
15 液晶ディスプレイ
16 スピーカ
25 地図情報DB
26 ナビ地図情報
27 分岐点視認性DB
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 分岐点視認性判定テーブル
61 案内分岐点
62 通過分岐点
63 探索経路
65 案内開始地点
66 第2レーン
67 車線境界線
68 導流帯
71 第1レーン
72 レーン案内の通知地点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの経路を取得する経路取得手段と、
前記経路上の前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定手段と、
前記経路上の前記分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンを取得する走行レーン取得手段と、
前記現在走行レーンに基づいて前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定手段と、
前記視認性判定手段を介して前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内手段と、
を備えたことを特徴とする経路案内装置。
【請求項2】
前記視認性判定手段を介して前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能でないと判定した場合には、前記案内手段は、前記現在走行レーンから前記通過分岐点が視認可能となる視認可能レーンまで移動するように案内することを特徴とする請求項1に記載の経路案内装置。
【請求項3】
前記案内手段を介して案内した前記視認可能レーンまで移動したか否かを判定するレーン移動判定手段と、
前記案内手段を介して案内した前記視認可能レーンまで移動していないと判定した場合には、前記案内手段は、前記分岐案内開始地点において該分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの距離に基づいて前記案内分岐点を案内することを特徴とする請求項2に記載の経路案内装置。
【請求項4】
前記経路上の前記通過分岐点に設けられた地物を取得する地物取得手段を備え、
前記視認性判定手段は、前記経路上の前記通過分岐点に設けられた地物に基づいて該通過分岐点が視認可能か否かを判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の経路案内装置。
【請求項5】
目的地までの経路を取得する経路取得工程と、
前記経路取得工程で取得した経路上の前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定工程と、
前記分岐案内開始地点設定工程で設定した分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンを取得する走行レーン取得工程と、
前記走行レーン取得工程で取得した現在走行レーンに基づいて、前記分岐案内開始地点設定工程で設定した経路上の前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定工程と、
前記視認性判定工程で前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内工程と、
を備えたことを特徴とする経路案内方法。
【請求項6】
コンピュータに、
目的地までの経路を取得する経路取得工程と、
前記経路取得工程で取得した経路上の前方の案内分岐点の案内を開始する分岐案内開始地点を該案内分岐点の手前の所定箇所に設定する分岐案内開始地点設定工程と、
前記分岐案内開始地点設定工程で設定した分岐案内開始地点から所定距離手前の地点において、現在走行している現在走行レーンを取得する走行レーン取得工程と、
前記走行レーン取得工程で取得した現在走行レーンに基づいて、前記分岐案内開始地点設定工程で設定した経路上の前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能か否かを判定する視認性判定工程と、
前記視認性判定工程で前記分岐案内開始地点から前記案内分岐点までの間に存在する通過分岐点が視認可能であると判定した場合には、該分岐案内開始地点において前記通過分岐点の数を利用して該案内分岐点を案内する案内工程と、
を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−202819(P2012−202819A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−67620(P2011−67620)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】