説明

経路検索方法及び装置

【課題】 出発地点と到着地点、及び、その間の経路が判明した場合に、周辺に存在し、予め入力したスケジュールから遂行可能なイベントを抽出し、付加し、提示する。
【解決手段】 本発明は、入力された遂行したいスケジュールをスケジュール管理DBに格納し、入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付け、イベントDBから取得したイベントデータと、スケジュール管理DBから取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出し、出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索し、検索された経路と抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行い、条件を満たす検索経路とイベントデータを出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路検索方法及び装置に係り、特に、経路とその周辺の地図を提供するだけではなく、経路を含む周辺エリアに存在し、予め入力されたスケジュールに対応したイベントデータを、自動的に付加し、提示するための経路検索方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、出発地点と到着地点を入力することにより、経路検索を行うナビゲーション方法は多数報告されている。
【0003】
例えば、ランドマークを含めた案内地図を生成し、ランドマーク間の位置関係が含まれた案内情報を生成し、各情報を編集出力する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
一方、スケジュールを管理する方法も多数報告されている。
【0005】
例えば、移動時間を充分とれない予定を誤って登録しないようにする方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、経路検索時にスケジュール処理が可能な店舗などのイベントを提示する経路検索システムはこれまでに報告されていない。
【特許文献1】特許3587691号
【特許文献2】特開2002−342538号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の経路検索システムにおいては、出発地点と到着地点を結んだ最短経路がわかればよく、それに要する時間や到着時刻などが付加される程度であった。しかし、今日では、様々な情報があらゆる所で発せられており、経路検索システムにおいても単なる地図情報だけでなく、多数発信されているその他付加価値となるような情報を利用するのが好ましい。
【0008】
また、スケジュール管理を行っている場合でも、失念しやすいスケジュールも存在し、それらを効率よく遂行できるような機能を持つシステムが要望されている。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、出発地点と到着地点、及び、その間の経路が判明した場合に、周辺に存在し、予め入力したスケジュールから遂行可能な情報(イベント)を抽出し、付加し、提示することが可能な経路検索方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1は、本発明の原理を説明するための図である。
【0011】
本発明(請求項1)は、利用者に出発地点と到着地点の経路、及び、予め入力されたスケジュールデータからその周辺エリアの遂行可能なイベントデータを抽出し、提示する経路検索方法であって、
入力された遂行したいスケジュールをスケジュール管理データベースに格納するスケジュール入力ステップ(ステップ1)と、
入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付ける経路検索入力ステップ(ステップ2)と、
スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を格納しているイベントデータベースから取得したイベントデータと、スケジュール管理データベースから取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出するスケジュール処理判断ステップ(ステップ3)と、
出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索するイベント経由経路検索ステップ(ステップ4)と、
検索された経路と抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行う判定ステップ(ステップ5)と、
条件を満たす検索経路とイベントデータを出力する出力ステップ(ステップ6)と、を行う。
【0012】
また、本発明(請求項2)は、請求項1の経路検索方法であって、
スケジュール処理判断ステップ(ステップ3)において、
スケジュール管理データベースからスケジュールデータを取り出すステップと、
イベントデータベースからイベントデータを取り出すステップと、
スケジュールデータとイベントデータの種別フラグが一致するか否かを判断するステップと、を行う。
【0013】
また、本発明(請求項3)は、請求項1の経路検索方法であって、
イベント経由経路検索ステップ(ステップ4)において、
各イベントデータを経由した場合の移動距離を算出するステップを行い、
判定ステップ(ステップ5)において、
各イベントデータを経由した場合の移動距離を短い順に並べるステップと、
各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定するステップと、を行う。
【0014】
また、本発明(請求項4)は、請求項1の経路検索方法であって、
イベント経由経路検索ステップ(ステップ4)において、
イベントデータベースから所要時間を取得し、イベント位置への移動時間と該所要時間を合算して時刻を推定するステップを行い、
判定ステップ(ステップ5)において、
推定時刻が入力時刻に近い順にイベントデータを並べるステップと、
各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定するステップと、を行う。
【0015】
また、本発明(請求項5)は、請求項1の経路検索方法であって、
イベント経由経路検索ステップ(ステップ4)において、
抽出されたイベントを通過する推定通過時刻を推定するステップと、
イベントデータベースからイベント開催期間を取得し、該イベント開催期間と推定通過時刻を出力するステップと、
判定ステップ(ステップ5)において、
推定通過時刻がイベント開催期間以内になるか否かを判定するステップを行う。
【0016】
また、本発明(請求項6)は、請求項1の経路検索方法であって、
スケジュール処理判断ステップ(ステップ3)において、
スケジュール管理データベースとイベントデータベースに種別フラグが格納されていない場合に、該スケジュール管理データベースから抽出されたスケジュールデータにカテゴリを自動付与するステップと、
イベントデータベースから抽出されたイベントデータにカテゴリを自動付与するステップと、
カテゴリが付与されたスケジュールデータとイベントデータのカテゴリが一致するかを判定するステップと、を行う。
【0017】
本発明(請求項7)は、利用者に出発地点と到着地点間の経路、及び、予め入力されたスケジュールデータからその周辺エリアの遂行可能なイベントデータを抽出し、提示する経路検索方法であって、
入力された遂行したいスケジュール、スケジュールの開始時期、終了期限を含む日時をスケジュール管理データベースに格納するスケジュール入力ステップと、
入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付ける経路検索入力ステップと、
スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を格納しているイベントデータベースから取得したイベントデータと、スケジュール管理データベースから取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出するスケジュール処理判断ステップと、
出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索し、イベントを通過する時刻を算出するイベント経由経路検索ステップと、
イベントを通過する時刻がスケジュールデータのスケジュール日時に入るか否かを判定し、該当するスケジュールデータとスケジュール処理判断ステップにおいて抽出されたイベントデータのみを候補とし、検索された経路と該スケジュール処理判断ステップにおいて抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行う判定ステップと、
条件を満たす検索経路とイベントデータを出力する出力ステップと、を行う。
【0018】
図2は、本発明の原理構成図である。
【0019】
本発明(請求項8)は、利用者に出発地点と到着地点の経路、及び、予め入力されたスケジュールデータからその周辺エリアの遂行可能なイベントデータを抽出し、提示する経路検索装置であって、
入力された遂行したいスケジュールを蓄積するスケジュール管理データベース1と、
スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を格納しているイベントデータベース2と、
入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付ける経路検索入力手段10と、
イベントデータベース2から取得したイベントデータと、スケジュール管理データベース1から取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出するスケジュール処理判断手段30と、
出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索するイベント経由経路検索手段40と、
検索された経路と抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行う判定手段50と、
条件を満たす検索経路とイベントデータを出力する出力手段60と、を有する。
【発明の効果】
【0020】
上記のように本発明によれば、以下のような効果を奏する。
【0021】
1.本発明では、出発地点と到着地点を入力する経路検索システムにおいて、到着地点への最短経路を算出するだけでなく、スケジュールを管理し、周辺のイベントのような多種の情報を提示することで、単なるナビゲーションシステムに付加価値を付け、遂行しなければいけないスケジュールを思い出させることが可能となる。
【0022】
2.また、本発明では、予め入力したスケジュールが遂行できるイベントがある場合に、スケジュールとイベントを対応付けることができる。
【0023】
3.また、本発明では、移動距離が制限されている場合に、遂行できるスケジュールを把握することができる。
【0024】
4.また、本発明では、出発時刻、あるいは、到着遅刻を推定しているため、ユーザが時刻を調べる必要はなく、手間が省ける。
【0025】
5.また、本発明では、イベント通過時刻を推定し、イベント開催期間内であるか否かを判定しているため、通過すれば必ず遂行できるイベントを自動提示することができる。
【0026】
6.また、本発明では、予め入力するスケジュールやイベントにフラグをつけなくても、内容から自動的にカテゴリを付与し、スケジュールとイベントを対応付けることができる。
【0027】
7.また、本発明では、スケジュールに日時が入っていることから、イベントを通過する時刻とスケジュール日時が一致するイベントを表示することができ、ユーザ自身が時刻まで考慮する必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、図面と共に本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
[第1の実施の形態]
図3は、本発明の第1の実施の形態における経路検索装置の構成図である。
【0030】
同図に示す経路検索装置は、経路検索入力部10、スケジュール入力部20、スケジュール処理判断部30、イベント経由経路検索部40、判定部50、出力部60、スケジュール管理データベース1、イベントデータベース2から構成される。
【0031】
経路検索入力部10では、出発地や到着地点、出発時刻や到着時刻などの情報を入力する。
【0032】
スケジュール入力部20では、予め遂行したいスケジュールを入力する。入力されたスケジュールは、スケジュール管理データベース1に蓄積される。
【0033】
スケジュール管理データベース1の例を図4に示す。スケジュール管理データベース1は、スケジュール名、スケジュール内容の他、イベントとスケジュールの整合を取るために必要となる種別フラグ等が格納されている。
【0034】
イベントデータベース2の例を図5に示す。イベントデータベース2は、イベント名、イベント内容、位置の他、こちらにもイベントとスケジュールの整合を取るために必要となる種別フラグ等が格納されている。
【0035】
スケジュール処理判断部30では、スケジュール管理データベース1とイベントデータベース2の各データを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出する。
【0036】
イベント経由経路検索部40は、出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索する。
【0037】
判定部50では、検索された経路と抽出されたイベントデータに条件を与え、その条件を満たすか否かの判定を行う。
【0038】
出力部60では、判定結果に基づき、経路とイベントデータを重畳して出力する。
【0039】
図6は、本発明の第1の実施の形態における出力イメージである。図4、図5において、スケジュールS2とそれに対応するイベントX1が抽出された場合、図6のように、出発地点から到着地点に向かい、イベントX1を経由した経路が表示される。
【0040】
[第2の実施の形態]
本実施の形態では、前述の第1の実施の形態におけるスケジュール処理判断部30について詳細に説明する。なお、本実施の形態における装置構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0041】
図7は、本発明の第2の実施の形態におけるスケジュール処理判断部について説明するための図である。
【0042】
スケジュール処理判断部30は、スケジュール管理データベース1からスケジュールデータを、イベントデータベース2からイベントデータを取り出し、データ同士の種別フラグが一致するか否かを判断する。一致する場合は、イベント経由経路検索部40にイベントデータが送られる。例えば、第1の実施の形態における図4、図5のデータベースの場合、スケジュールS1とイベントX2の種別フラグが“書店”で一致し、スケジュールS2とイベントX1の種別フラグが“銀行”で一致し、スケジュールS4とイベントX4の種別フラグが“CD”で一致するため、イベントX1,X2,X4のイベントデータはイベント経由経路検索部40に送られる。以降の処理は、第1の実施の形態と同様である。
【0043】
[第3の実施の形態]
本実施の形態では、前述の第1の実施の形態における図3に示すイベント経由経路検索部40と判定部50について説明する。なお、本実施の形態における装置構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0044】
図8は、本発明の第3の実施の形態におけるイベント経由経路検索部40と判定部50について説明する。
【0045】
イベント経由経路検索部40では、イベントデータを経由した場合の経路を検索し、移動距離を算出する。判定部50では、各イベントデータを経由した場合の移動距離を短い順に並べ、その各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定する。該当する場合には、出力部60にデータが送られ、経路とイベントデータが重畳表示される。
【0046】
[第4の実施の形態]
本実施の形態では、イベントを遂行するために必要な所要時間を考慮する場合について考える。なお、本実施の形態における装置構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0047】
図9は、本発明の第4の実施の形態におけるイベントデータベースのデータ例を示す。同図に示すイベントデータベース2は、図5の構成に所要時間が付加された場合の例である。
【0048】
ここで、所要時間とは、各イベントを遂行するのに必要な時間である。
【0049】
図10は、本発明の第4の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【0050】
イベント経由経路検索部40では、抽出されたイベントデータの位置とイベント所要時間を利用して、イベントデータを経由した場合の経路を検索し、イベント位置への移動時間と所要時間を合算して時刻を推定する。ここで、出発時刻が入力されていれば、イベントを遂行した場合の到着時刻を推定し、到着時刻が入力されていれば、イベントを遂行する場合の出発時刻を推定する。
【0051】
判定部50では、推定時刻が入力時刻に近い順にイベントデータを並べ、各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定する。該当する場合には、出力部60にデータが送られ、経路とイベントデータが重畳表示される。
【0052】
[第5の実施の形態]
本実施の形態では、イベント開催期間を考慮する場合を考える。なお、本実施の形態における装置構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0053】
図11は、本発明の第5の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【0054】
また、図12は、本発明の第5の実施の形態におけるイベントデータベースのデータ例であり、イベント名、開催概要、位置、開催期間、種別フラグを保持している。
【0055】
イベント経由経路検索部40では、イベントデータベース2から自動抽出された各イベントデータを通過する時刻を推定し、各イベントの開催期間と共に判定部50へデータを送る。判定部50では、推定通過時刻が開催期間以内になるか否かを判定し、該当する場合には出力部60にデータ(経路、イベントデータ、推定通過時刻、開催期間)を送る。以降の処理は第1の実施の形態と同様である。
【0056】
[第6の実施の形態]
上記の第5の実施の形態における、イベント所要時間とイベント通過時刻の両方を判定基準にすることも可能である。イベントデータベース2が、所要時間と開催期間の両方を保持している場合は、第4の実施の形態における図10と本実施の形態における図11の処理を同時に行うことが可能となる。なお、本実施の形態における経路検索装置の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0057】
[第7の実施の形態]
図13は、本発明の第7の実施の形態におけるスケジュール処理判定部の動作を説明するための図である。なお、本実施の形態における経路検索装置の構成は、第1の実施の形態と同様であるが、スケジュール処理判定部30が2つのカテゴリ付与部31,32を有するものである。
【0058】
本実施の形態では、図3における各データベース1,2に種別フラグが設定されていない場合(予め入力する必要がなく自動処理される場合)のスケジュール処理判断部30について説明する。
【0059】
スケジュール管理データベース1から抽出されたスケジュールデータは、カテゴリ付与部31でカテゴリを自動付与される。同様に、イベントデータベース2から抽出されたイベントデータは、カテゴリ付与部32でカテゴリを自動付与される。カテゴリの付与方法は、内容を形態素解析し、代表となる単語をカテゴリにする方法など、多数考えられる。スケジュール処理判定部30は、カテゴリが決定された後、スケジュールデータ、イベントデータ、両者のカテゴリが一致するか否かを判断し、一致する場合は、イベントデータをイベント経由経路検索部40に送る。以降の処理は第1の実施の形態と同様である。
【0060】
[第8の実施の形態]
本実施の形態では、スケジュールの開始時期、終了期限などの日時も考慮する例を説明する。
【0061】
図14は、本発明の第8の実施の形態における経路検索装置の構成を示す。同図において、図3と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。図14に示す経路検索装置は、図3に示す装置と構成要素は同じであるが、図14の太線部分で示すように、スケジュール処理判断部30から判定部50へデータが転送されている点が図3と異なる。
【0062】
図15は、本発明の第8の実施の形態におけるスケジュール管理データベースのデータ例を示す。同図に示すスケジュール管理データベース1は、スケジュール名、スケジュールを行う日時(開始時期と終了期限)、スケジュール内容、イベントとスケジュールの整合をとるために必要となる種別フラグが格納されている。例えば、スケジュールS1の場合は、5月15日までにHI関係の本を購入する、スケジュールS2の場合は、5月15日9:00〜17:00にATMで引き出しを行う、などである。
【0063】
経路検索入力部10では、出発地点や到着地点、出発時刻や到着時刻などの情報を入力する。
【0064】
スケジュール入力部20では、予め遂行したいスケジュールを入力する。入力されたスケジュールは、スケジュール管理データベース1に蓄積される。また、スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を持つイベントデータベース2を用意する。
【0065】
スケジュール処理判断部30では、スケジュール管理データベース1とイベントデータベース2の各データを比較し、スケジュールを処理できるイベントと当該スケジュールを抽出し、判定部40に転送する。
【0066】
イベント経由経路検索部40では、出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索する。
【0067】
判定部50では、スケジュール処理判断部30から取得した当該スケジュールデータの日時とイベント経由経路検索部40から取得したイベント通過時刻が適合するか否かを判定し、検索された経路とイベントデータに条件を与え、その条件を満たすか否かの判定を行う。
【0068】
出力部60では、判定結果に基づき、経路とイベントデータを重畳して出力する。
【0069】
[第9の実施の形態]
本実施の形態では、第8の実施の形態におけるスケジュール処理判断部30の動作を説明する。
【0070】
図16は、本発明の第9の実施の形態におけるスケジュール処理判断部の動作を説明するための図である。同図において、図14と同一構成部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
【0071】
スケジュール処理判定部30は、スケジュール管理データベース1からスケジュールデータを、イベントデータベース2からイベントデータを取り出し、データ同士の種別フラグが一致するか否かを判断する。一致する場合は、イベント経由経路検索部40にイベントデータが送られ、判定部50にスケジュールデータが送られる。例えば、図15のスケジュール管理データベース1と図5のイベントデータベース2の場合、スケジュールS1とイベントX2の種別が“書店”で一致し、スケジュールS2とイベントX1の種別が“銀行”で一致し、スケジュールS4とイベントX4の種別が“CD”で一致するため、イベントX1,X2,X4のイベントデータは、イベント経由経路検索部40に送られ、スケジュールS1,S2,S4のスケジュールデータは、判定部50へ送られる。
【0072】
以降の処理は、第8の実施の形態と同様である。
【0073】
[第10の実施の形態]
本実施の形態では、図15におけるイベント経由経路検索部40と判定部50について説明する。
【0074】
図17は、本発明の第10の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【0075】
イベント経由経路検索部40では、イベントデータを経由した場合の経路を検索し、イベントを通過する時刻と移動距離を算出する。
【0076】
判定部50では、まず、算出された通過時刻がスケジュールデータのスケジュール日時に入るか否かを判定し、該当するスケジュールデータとそれに対応するイベントデータのみを候補とする。例えば、図14と図5のデータベースを例にとると、スケジュール処理判断部30で抽出されたデータが、スケジュールS2とイベントデータX1で、通過時刻が5月15日12:00の場合、この時刻がスケジュール日時内にあるため、イベントは遂行できる。そのため、スケジュールS2とイベントデータX1は候補となる。一方、スケジュール処理判断部30で抽出されたデータがスケジュールS4とイベントデータX4で、同様に通過時刻が5月15日12:00の場合、スケジュール日時が5月20日以降になっているため、通過時刻がスケジュール日時内になく、イベントを経由することは可能であるが遂行することは不可能である。そのため、スケジュールS4とイベントデータX4は候補とならない。
【0077】
こうして候補データを絞り、さらに、候補データの移動距離を短い順に並べ、各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定する。該当する場合には、出力部60にデータが送られ、経路とイベントデータが重畳表示される。
【0078】
[第11の実施の形態]
本実施の形態では、第4の実施の形態と同様に、所要時間を考慮する場合を考える。
【0079】
本実施の形態における装置構成は、前述の第8の実施の形態における図14と同様である。
【0080】
図18は、本発明の第11の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図であり、図9のイベントデータベース2を用いた際の、図14におけるイベント経由経路検索部40と判定部50の動作を示している。
【0081】
イベント経由経路検索部40では、イベントデータを経由した場合の経路を検索し、イベントを通過する時刻を算出する。また、抽出されたイベントデータの位置と所要時間から、出発時刻が入力されていれば、イベントを遂行した場合の到着時刻を推定し、到着時刻が入力されていれば、イベントを遂行する場合の出発時刻を推定する。
【0082】
判定部50では、まず、算出された通過時刻がスケジュールデータのスケジュール日時に入るか否かを判定し、該当するスケジュールデータとそれに対応するイベントデータのみを候補とする。判定例は、図17で説明したものと同じである。抽出されたスケジュールデータに対応したイベントデータを経由した場合の、イベント通過時刻が開催期間以内になるか否かを判定する。該当する場合には出力部60にデータが送られ、経路とイベントデータが重畳表示される。
【0083】
[第12の実施の形態]
本実施の形態では、前述の第5の実施の形態と同様に、イベント開催期間を考慮する場合を考える。
【0084】
図19は、本発明の第12の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図であり、図12のイベントデータベース2を用いた際の、図14におけるイベント経由経路検索部40と判定部50についての動作を示す。
【0085】
イベント経由経路検索部40では、イベントデータを経由した場合の経路を検索し、イベント通過時刻を算出する。
【0086】
判定部50では、まず、算出された通過時刻がスケジュールデータのスケジュール日時に入るか否かを判定し、該当するスケジュールデータとそれに対応するイベントデータのみを候補とする。判定例は、図17で説明したものと同じである。抽出されたスケジュールデータに対応したイベントデータを経由した場合の、イベント通過時刻が開催期間内になるか否かを判定する。該当する場合には出力部60にデータが送られ、経路とイベントデータが重畳表示される。
【0087】
[第13の実施の形態]
上記の第12の実施の形態において、イベント所要時間とイベント通過時刻の両方を判定基準にすることも可能である。イベントデータベース2に、所要時間と開催期間の両方があれば、図18と図19の処理を同時に行うことが可能となる。
【0088】
[第14の実施の形態]
図20は、本発明の第14の実施の形態におけるスケジュール処理判断部の動作を説明するための図であり、図14における各データベースに種別フラグが入力されていない場合(予め入力する必要がなく自動処理される場合)のスケジュール処理判断部30の一例を示している。
【0089】
スケジュール管理データベース1から抽出されたスケジュールデータは、カテゴリ付与部31でカテゴリを自動付与される。同様に、イベントデータベース2から抽出されたイベントデータは、カテゴリ付与部32でカテゴリを自動付与される。カテゴリの付与方法は、内容を形態素解析した代表となる単語をカテゴリにする方法など、多数考えられる。
【0090】
スケジュール処理判定部30は、カテゴリが決定された後、スケジュールデータ、イベントデータ、両者のカテゴリが一致するか否かを判断し、一致する場合は、イベントデータがイベント経由経路検索部40に送信され、スケジュールデータが判定部50に送信される。
【0091】
以降の処理は、第12の実施の形態と同様である。
【0092】
また、上記で示した例は、経由するイベントが複数になる場合でも成立し、同様の判定を行うことが可能である。
【0093】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲内において種々変更・応用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、ナビゲーションシステム等の経路検索を行う技術に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】本発明の原理構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における経路検索装置の構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態におけるスケジュール管理データベースのデータ例である。
【図5】本発明の第1の実施の形態におけるイベントデータベースのデータ例である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における出力イメージ図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるスケジュール処理判断部の動作を説明するための図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態におけるイベントデータベースのデータ例である。
【図10】本発明の第4の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の第5の実施の形態におけるイベントデータベースのデータ例である。
【図13】本発明の第7の実施の形態におけるスケジュール処理判断部の動作を説明するための図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態における経路検索装置の構成図である。
【図15】本発明の第8の実施の形態におけるスケジュール管理データベースのデータ例である。
【図16】本発明の第9の実施の形態におけるスケジュール処理判断部の動作を説明するための図である。
【図17】本発明の第10の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【図18】本発明の第11の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【図19】本発明の第12の実施の形態におけるイベント経由経路検索部と判定部の動作を説明するための図である。
【図20】本発明の第14の実施の形態におけるスケジュール処理判定部の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0096】
1 スケジュール管理データベース
2 イベントデータベース
10 経路検索入力手段、経路検索入力部
20 スケジュール入力部
30 スケジュール処理判断手段、スケジュール処理判断部
40 イベント経由経路検索手段、イベント経由経路検索部
50 判定手段、判定部
60 出力手段、出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者に出発地点と到着地点の経路、及び、予め入力されたスケジュールデータからその周辺エリアの遂行可能なイベントデータを抽出し、提示する経路検索方法であって、
入力された遂行したいスケジュールをスケジュール管理データベースに格納するスケジュール入力ステップと、
入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付ける経路検索入力ステップと、
スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を格納しているイベントデータベースから取得したイベントデータと、前記スケジュール管理データベースから取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出するスケジュール処理判断ステップと、
前記出発地点と前記到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索するイベント経由経路検索ステップと、
検索された前記経路と抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行う判定ステップと、
前記条件を満たす検索経路とイベントデータを出力する出力ステップと、
を行うことを特徴とする経路検索方法。
【請求項2】
前記スケジュール処理判断ステップにおいて、
前記スケジュール管理データベースからスケジュールデータを取り出すステップと、
前記イベントデータベースからイベントデータを取り出すステップと、
前記スケジュールデータと前記イベントデータの種別フラグが一致するか否かを判断するステップと、
を行う請求項1記載の経路検索方法。
【請求項3】
前記イベント経由経路検索ステップにおいて、
各イベントデータを経由した場合の移動距離を算出するステップを行い、
前記判定ステップにおいて、
各イベントデータを経由した場合の移動距離を短い順に並べるステップと、
前記各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定するステップと、
を行う請求項1記載の経路検索方法。
【請求項4】
前記イベント経由経路検索ステップにおいて、
前記イベントデータベースから所要時間を取得し、イベント位置への移動時間と該所要時間を合算して時刻を推定するステップを行い、
前記判定ステップにおいて、
推定時刻が入力時刻に近い順にイベントデータを並べるステップと、
各イベントデータがN番目以内になるか否かを判定するステップと、
を行う請求項1記載の経路検索方法。
【請求項5】
前記イベント経由経路検索ステップにおいて、
抽出されたイベントを通過する推定通過時刻を推定するステップと、
前記イベントデータベースからイベント開催期間を取得し、該イベント開催期間と推定通過時刻を出力するステップと、
前記判定ステップにおいて、
前記推定通過時刻が前記イベント開催期間以内になるか否かを判定するステップ
を行う、請求項1記載の経路検索方法。
【請求項6】
前記スケジュール処理判断ステップにおいて、
前記スケジュール管理データベースと前記イベントデータベースに種別フラグが格納されていない場合に、該スケジュール管理データベースから抽出されたスケジュールデータにカテゴリを自動付与するステップと、
前記イベントデータベースから抽出されたイベントデータにカテゴリを自動付与するステップと、
カテゴリが付与された前記スケジュールデータと前記イベントデータのカテゴリが一致するかを判定するステップと、
を行う請求項1記載の経路検索方法。
【請求項7】
利用者に出発地点と到着地点間の経路、及び、予め入力されたスケジュールデータからその周辺エリアの遂行可能なイベントデータを抽出し、提示する経路検索方法であって、
入力された遂行したいスケジュール、スケジュールの開始時期、終了期限を含む日時をスケジュール管理データベースに格納するスケジュール入力ステップと、
入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付ける経路検索入力ステップと、
スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を格納しているイベントデータベースから取得したイベントデータと、前記スケジュール管理データベースから取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出するスケジュール処理判断ステップと、
出発地点と到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索し、イベントを通過する時刻を算出するイベント経由経路検索ステップと、
前記イベントを通過する時刻が前記スケジュールデータのスケジュール日時に入るか否かを判定し、該当するスケジュールデータと前記スケジュール処理判断ステップにおいて抽出されたイベントデータのみを候補とし、検索された経路と該スケジュール処理判断ステップにおいて抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行う判定ステップと、
前記条件を満たす検索経路と前記イベントデータを出力する出力ステップと、
を行うことを特徴とする経路検索方法。
【請求項8】
利用者に出発地点と到着地点の経路、及び、予め入力されたスケジュールデータからその周辺エリアの遂行可能なイベントデータを抽出し、提示する経路検索装置であって、
入力された遂行したいスケジュールを蓄積するスケジュール管理データベースと、
スケジュールを遂行するために必要な店舗情報やイベント情報を格納しているイベントデータベースと、
入力された出発地点と到着地点に関する情報を受け付ける経路検索入力手段と、
前記イベントデータベースから取得したイベントデータと、前記スケジュール管理データベースから取得したスケジュールデータとを比較し、スケジュールを処理できるイベントを抽出するスケジュール処理判断手段と、
前記出発地点と前記到着地点を結び、抽出されたイベントを経由する場合の経路を検索するイベント経由経路検索手段と、
検索された前記経路と抽出されたイベントデータに条件を与え、該条件を満たすか否かの判定を行う判定手段と、
前記条件を満たす検索経路とイベントデータを出力する出力手段と、
を有することを特徴とする経路検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2007−66257(P2007−66257A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−255089(P2005−255089)
【出願日】平成17年9月2日(2005.9.2)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】