説明

絶対角検出装置

【課題】磁気センサから出力される正弦信号及び余弦信号から求める逆正接信号の切り換わり位置にズレが生じても回転体の絶対角の検出を高精度に行うことができる絶対角検出装置を提供する。
【解決手段】回転体Aの回転に連動して回転する回転磁石10の回転角θに応じた磁界の方向変化によってsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号を出力する磁気センサ11を備える。磁気センサの各出力信号から、位相が各出力信号の1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θの信号を生成する。これら2つのtan−1θの信号から、これら2つのtan−1θの信号の切り換わり位置付近を使用しない鋸歯状信号を生成し、この鋸歯状信号に基づいて回転体Aの1回転内の絶対角を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶対角検出装置に係り、特に、回転体に磁気センサを取り付け、当該磁気センサから出力される正弦信号及び余弦信号により逆正接値(tan−1θ)を求め、この逆正接値に基づいて回転体の回転角度を算出する絶対角検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、回転体との間の相対回転角θに応じた正弦信号及び余弦信号を出力する複数の磁気検出素子と、これら複数の磁気検出素子から出力される正弦信号及び余弦信号より逆正接値を求め、この逆正接値に基づいて回転体と磁気検出素子との間の回転角度を算出する算出手段とを備えた回転角度検出装置が知られている。前記磁気検出素子としては、ホール素子や磁気抵抗素子などが用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この回転角度検出装置は、磁気検出素子から出力される正弦信号及び余弦信号から直接回転体の回転角度を算出するのではなく、正弦信号及び余弦信号より逆正接値を求め、この逆正接値に基づいて回転体の回転角度を算出する。
【特許文献1】特開2006−47228号公報(図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、この種の複数の磁気検出素子を備えた回転角度検出装置においては、各磁気検出素子の特性のバラツキ、各磁気検出素子に供給される印加電圧、各磁気検出素子からの出力電圧の変動、磁気抵抗素子の配置ズレによって生じる出力信号(正弦信号,余弦信号)の位相ズレ、或いは機構部のガタの影響などにより、図6に示すように、逆正接信号の切り換わり位置、すなわち、逆正接信号が直線状に立ち上がる部分から急激に立ち下がる部分への切り換わり位置(図6の例では、0°,180°,360°などの位置)が本来の位置からずれるため、切り換わり位置付近における回転角度の算出を高精度に行うことが困難になるという問題がある。
【0005】
本発明は、かかる従来技術に課題を解決するためになされたものであり、その目的は、磁気センサから出力される正弦信号及び余弦信号から求める逆正接信号の切り換わり位置にズレが生じても、絶対角の検出を高精度に行うことができる絶対角検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる課題を解決するため、絶対角検出装置を、回転体と、該回転体の回転に連動して回転する回転磁石と、該回転磁石の回転角θに応じた磁界の方向変化によってsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号を出力する磁気センサとを備え、前記磁気センサの各出力信号から、位相が前記各出力信号の1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θの信号を生成すると共に、これら2つのtan−1θの信号から、sinθの信号とcosθの信号のクロス点、−sinθの信号とcosθの信号のクロス点、sinθの信号と−cosθの信号のクロス点及び−sinθの信号と−cosθの信号のクロス点で第1のtan−1θの信号から第2のtan−1θの信号に、又は第2のtan−1θの信号から第1のtan−1θの信号に切り換わる鋸歯状信号を生成し、この鋸歯状信号に基づいて前記回転体の1回転内の角度を検出するという構成にした。
【0007】
かかる構成によると、第1と第2のtan−1θの信号の切り換わり位置付近を利用することなく鋸歯状信号を生成できるので、回転体の1回転内において絶対角を高精度に検出することができる。角度検出用の鋸歯状信号は、sinθの信号と−cosθの信号とのクロス点、又は−sinθの信号とcosθの信号とのクロス点において、第1のtan−1θから第2のtan−1θに切り換えると共に、−sinθの信号と−cosθの信号とのクロス点、又はsinθの信号とcosθの信号とのクロス点において、第2のtan−1θから第1のtan−1θに切り換えるので、1周期が45°で回転体の1回転内に8周期をなすように形成される。
【0008】
また、本発明は、前記回転体の1回転を8n個(nは自然数)のセクタに分割し、それら各セクタのそれぞれに対応する前記鋸歯状信号に基づいて各セクタ内の角度を検出するという構成にした。
【0009】
かかる構成により、1セクタに割り当てられる角度を45°以下に設定できるので、鋸歯状信号を用いて回転体の絶対角を高分解能かつ高精度に検出することができる。
【0010】
また、本発明は、前記回転体にその回転軸と同心にコードホイールを設け、該コードホイールにセクタを識別するためのデジタルコード列に応じたコードパタンを設け、該コードパターンと対向するようにコード検出素子を設ける構成にした。
【0011】
かかる構成により、回転体の1回転を8n個に当分割する各セクタ内の角度とデジタルコ−ド列とを組み合わせることによって、回転体の1回転内の絶対角を容易かつ高精度に検出することができる。
【0012】
また、本発明は、前記回転磁石は、前記回転体または前記コードホイールに増速機構を介して連結される構成とするのが望ましい。
【0013】
かかる構成により、増速比を適宜選択すると回転体の1回転に割り振るセクタ数を適宜設定でき、回転角度を所望の分解能で高精度に検出することができる。その増速比を2以上の自然数倍とすると、回転体の1回転を等分するセクタの設定を容易にしかつ各セクタ内の角度検出が容易にすることができる。
【0014】
さらに本発明は、前記コードホイールをなす第一歯車と、前記回転体の回転軸に平行な回転軸をもち前記第一歯車に噛合する第二歯車とを有し、前記回転磁石は、該回転磁石の中心が前記第二歯車の回転中心と一致するように設けられるのが望ましい。
【0015】
かかる構成によると、絶対角検出装置の構成を簡略化できる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の絶対角検出装置は、sinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号を出力する磁気センサの各出力信号から、位相がそれら各出力信号の1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θの信号を生成すると共に、これらの第1及び第2のtan−1θの信号の切り換わり位置付近を利用しないで鋸歯状信号を生成し、この鋸歯状信号に基づいて回転体の回転角度を検出するので、回転体の1回転内において絶対角を高精度に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る絶対角検出装置の一例を、図1乃至図5にしたがって説明する。図1は実施形態に係る絶対角検出装置の機構部の構成図、図2はセクタ識別用の4個の磁気検出素子から出力される信号の出力タイミングと各セクタに割り振られるセクタ識別用デジタルコードとの関係を示す図、図3は実施形態に係る絶対角検出装置に備えられる磁気センサの構成図、図4は実施形態に係る絶対角検出装置の信号処理系の構成図、図5は磁気センサからの出力信号と出力信号から生成される位相が1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θの信号とこれら第1及び第2のtan−1θの信号から生成される鋸歯状信号とセクタ分割との関係を示すグラフ図、図6は従来技術の問題を説明するグラフ図である。
【0018】
図1に示すように、本例の絶対角検出装置は、回転体Aと、その回転軸と同心に取り付けられるコードホイールとしての第1歯車1と、第1歯車1の回転中心を中心とする円周上に形成された第1及び第2のコードパターン2,3と、第1のコードパターン2に対向して配置された第1及び第2の検出素子4,5と、第2のコードパターン3に対向して配置された第3及び第4の検出素子6,7と、第1乃至第4の検出素子4〜7が実装された回路基板8と、第1歯車1に噛み合わされ第1歯車1の回転に連動して回転し、回転体Aの回転軸に平行な回転軸をもつ第2歯車9と、第2歯車9の回転中心と同心に取り付けられるリング状の回転磁石10と、回転磁石10の回転角θに応じた磁界の方向変化によって、第2歯車9(回転磁石10)の1回転を1周期とするsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号を出力する磁気センサ11とから主に構成されている。
【0019】
第1歯車1と第2歯車9とは、回転体Aに対する回転磁石10の増速機構になっている。増速機構は、第1歯車1に対し第2歯車9が増速回転するように、第1歯車1の歯数よりも第2歯車の歯数を小さな数とし、それぞれの歯数が増速比に応じて設定される。その増速比は、任意に設定可能であるが、回転体Aの1回転を等分するセクタの設定を容易にしかつ各セクタ内の角度検出が容易にするために、2以上の自然数倍とすることが望ましい。本実施形態においては、第1歯車1の歯数が112、第2歯車9の歯数が56に設定されており、第1歯車1(回転体A)が1回転する間に第2歯車9(回転磁石10)が2回転するようになっている。
【0020】
第1及び第2のコードパターン2,3は、遮光板をもって構成され、第1乃至第4の検出素子4〜7としては、発光素子と受光素子とが一体に形成されたフォトインタラプタが用いられる。第1乃至第4の検出素子4〜7は、第1及び第2のコードパターン2,3のそれぞれの両側に発光素子と受光素子とが配置されるようにして回路基板8に実装される。本例の絶対角検出装置においては、第1歯車1(回転体A)が1回転する間に、検出素子4〜7から図2(b)に示すタイミングで信号D1〜D4が出力されるように、第1歯車1上における第1及び第2のコードパターン2,3の配列と、これに対する第1乃至第4の検出素子4〜7の配列とが定められている。
【0021】
図2(b)に示すように、出力信号D1〜D4における高レベルの信号を“1”、低レベルの信号を“0”とすると、出力信号D1〜D4を組み合わせたコード列は、図2(a)に示すように第1歯車の1回転に対して8つに等分割された各セクタ毎に異なるデジタルコード列をなす。それらのデジタルコード列は、図4に示すセクタ識別部31からセクタ識別信号として出力される。したがって、第1歯車1(回転体A)の1回転が8個のセクタに等分割される場合(1セクタは45°)、各セクタ毎に異なるデジタルコードを割り振ることができ、それらのデジタルコードを検出することにより、各セクタを識別することができる。
【0022】
磁気センサ11は、図3にに示すように、4個の磁気検出素子11a,11b,11c,11dを有し、各磁気検出素子が矩形状の短手方向に磁化された2つの磁気抵抗素子11A,11Aを有して、その磁化方向が各磁気検出素子間で直交するように形成されており、計8つの磁気抵抗素子を抵抗素子とするブリッジ回路(図示略)が構成され、図示しない固定部材に固定された基板上に設けられる。それらの磁気抵抗素子は、異方性磁気抵抗効果をもつ強磁性体膜からなり、その抵抗値が磁気センサにかかる磁束の向き(磁界の方向変化)に応じて変化する。
【0023】
磁気検出素子11a,11b,11c,11d間の距離が等距離にある点Xが回転磁石10の回転中心と同心に配置されるので、回転磁石10の回転に伴い、磁気検出素子11a,11b,11c,11dからは位相が1/4周期(45°)ずつずれたsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号が出力される。なお、本例の絶対角検出装置において、回転体Aが1回転する間に回転磁石10が2回転するように第1及び第2の歯車1,9からなる増速機構が構成されているので、回転体Aが1回転する間に磁気検出素子11a,11b,11c,11dからsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号が2周期分出力される。なお、磁気検出素子として、磁気抵抗素子、ホール素子などを用いることができる。これらのうち、温度変化による出力変動が小さいことから、磁気抵抗素子が特に好適である。
【0024】
図4に示すように、本例の絶対角検出装置の信号処理系は、磁気センサ11から出力されるsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号を増幅する第1乃至第4の増幅器21〜24と、増幅されたsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号をA/D変換するA/D変換器25〜28と、A/D変換されたsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号に基づいて、位相がこれらの各信号の1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θ、即ち、sinθ/cosθ又は−sinθ/−cosθと、cosθ/−sinθ又は−cosθ/sinθを演算する演算部29と、演算部29から出力される第1及び第2のtan−1θの信号をsinθの信号とcosθの信号のクロス点、−sinθの信号とcosθの信号のクロス点、sinθの信号と−cosθの信号のクロス点及び−sinθの信号と−cosθの信号のクロス点で相互に切り換え、角度検出用の鋸歯状信号を生成する信号切換部30と、第1乃至第4の検出素子4〜7から入力される4ビットのデジタルコードに基づいて回転体Aの1回転を等分割してなる複数のセクタのそれぞれを識別するセクタ識別部31と、信号切換部30から出力される角度検出用の鋸歯状信号及びセクタ識別部31から出力されるセクタ識別信号に基づいて回転体Aの回転角度を検出する角度検出器32とから主に構成されている。
【0025】
図5において、初期位相が22.5°である正弦信号及び余弦信号の例を説明するが、初期位相がゼロの場合は勿論のこと、他の角度を初期位相としたものであってもよい。まず、図5のsin(θ−22.5°)、cos(θ−22.5°)、−sin(θ−22.5°)、−cos(θ−22.5°)は、磁気検出素子11a,11b,11c,11dから出力される信号を示しており、それらの出力信号が回転体Aの1回転内に2周期分出力され、各出力信号の位相は相互に1/4周期分ずれている。また、sin(θ−22.5 °)/cos(θ−22.5°)又は−sin(θ−22.5°)/−cos(θ−22.5°)に応じる第1のtan−1(θ−22.5°)が実線で描かれ、cos(θ−22.5°)/−sin(θ−22.5°)又は−cos(θ−22.5°)/sin(θ−22.5°)に応じる第2のtan−1(θ−22.5°)が破線で描かれている。それらの第1,第2のtan−1(θ−22.5°)は、各磁気検出素子からの出力信号の1/4周期分ずれている。
【0026】
図4の信号切換部30において、sin(θ−22.5°)の信号とcos(θ−22.5°)の信号とのクロス点、−sin(θ−22.5°)の信号とcos(θ−22.5°)の信号とのクロス点、sin(θ−22.5°)の信号と−cos(θ−22.5°)の信号とのクロス点及び−sin(θ−22.5°)の信号と−cos(θ−22.5°)の信号とのクロス点において、第1,第2のtan−1(θ−22.5°)を相互に切り換えることによって、図5に太い実線で示すように、回転体Aの1回転内に8周期の鋸歯状信号が生成される。
【0027】
具体的には、信号切換部30において、sin(θ−22.5°)の信号と−cos(θ−22.5°)の信号とのクロス点、又は−sin(θ−22.5°)の信号とcos(θ−22.5°)の信号とのクロス点において、第1のtan−1(θ−22.5°)から第2のtan−1(θ−22.5°)に切り換えると共に、−sin(θ−22.5°)の信号と−cos(θ−22.5°)の信号とのクロス点、又はsin(θ−22.5°)の信号とcos(θ−22.5°)の信号とのクロス点において、第2のtan−1(θ−22.5°)から第1のtan−1(θ−22.5°)に切り換えられる。したがって、図4の角度検出部32において、信号切換部30から出力される1周期が45°のtan−1(θ−22.5°)の信号と、セクタ識別部31から出力されるセクタ識別信号とを対応させることによって、回転体Aの回転角度を0.5°以下の分解能で検出することができる。
【0028】
なお、回転体Aの1回転を16分割して回転体Aの絶対角を検出するためには、第1歯車1が1回転(360°)する間に第2歯車9を4回転させるように第1歯車と第2歯車の各歯数を設定し、信号切換部30で得られる1周期が22.5°のtan−1θの信号と、各セクタ毎に異なる16個のデジタルコード列を生成して得られるセクタ識別信号とを対応させることによって、回転体Aの絶対角度を検出すればよい。
【0029】
このように、本例の絶対角検出装置は、第1及び第2のtan−1θの信号を角度検出用の信号として直接利用するのではなく、これらの各信号の切り換わり位置付近を利用しないで鋸歯状信号を生成し、この鋸歯状信号に基づいて回転体Aの回転角度を検出するので、絶対角検出装置に備えられた複数の磁気検出素子11a〜11dの特性のバラツキ、各磁気検出素子11a〜11dに供給される印加電圧及び出力電圧の変動、各磁気抵抗素子11a〜11dの配置ズレによって生じる出力信号(正弦波,余弦波)の位相ズレ、及び第1歯車1と第2歯車9との間のガタ(バックラッシュ)の影響などにより、第1,第2のtan−1θの信号の切り換わり位置にズレが生じた場合でも、回転体の1回転内において絶対角を高精度に検出することができる。
【0030】
また、本例の絶対角検出装置は、回転体の1回転を8セクタに分割するため、1セクタ当たりの角度を45°と小さくすることができ、鋸歯状信号を用いて回転体の絶対角を0.5°以下の分解能で検出することができる。なお、第1歯車1の歯数よりも第2歯車の歯数をさらに小さな数とすることによって、回転体の1回転に割り振るセクタ数をより大きく設定でき、高分解能で高精度に検出できる。
【0031】
また、本実施形態の増速機構は、第1歯車1(コードホイール)と回転体Aの回転軸に平行な回転軸をもつ第2歯車9とが噛合され、第2歯車9と一体的に回転磁石10が設けられる構成とすることによって、絶対角検出装置の構成を簡略化できる例を説明したが、その他の構成として、第1歯車1をギヤのないコードホイールとし、回転体Aに歯車を取付けて、その歯車と回転体Aの回転軸に平行な回転軸をもつ第2歯車9とを噛合させるものとしてもよいし、回転体Aにギヤを形成し、そのギヤ部と回転体Aの回転軸に平行な回転軸をもつ第2歯車9とを噛合させるものであってもよい。
【0032】
なお、前記実施形態においては、デジタルコード検出手段を遮光板とフォトインタラプタの組合せをもって形成したが、本発明の要旨はこれに限定されるものではなく、透孔や切り欠きなどの光学パターンとフォトインタラプタとの組合せ、磁気パターンと磁気検出素子との組合せ、又は抵抗体パターンと集電ブラシとの組合せなどをもって構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施形態に係る絶対角検出装置の機構部の構成図である。
【図2】セクタ識別用の4個の検出素子から出力される信号の出力タイミングと各セクタに割り振られるセクタ識別用デジタルコードとの関係を示す図である。
【図3】実施形態に係る絶対角検出装置に備えられる磁気センサの構成図である。
【図4】実施形態に係る絶対角検出装置の信号処理系の構成図である。
【図5】磁気センサからの出力信号と当該出力信号から生成される位相が1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θの信号とこれら第1及び第2のtan−1θの信号から生成される鋸歯状信号とセクタ分割との関係を示すグラフ図である。
【図6】従来技術の問題を説明するグラフ図である。
【符号の説明】
【0034】
1 第1歯車(コードホイール)
2,3 コードパターン
4〜7 検出素子(フォトインタラプタ)
9 第2歯車
10 回転磁石
11 磁気センサ
11a〜11d 磁気検出素子
21〜24 増幅器
25〜28 A/D変換器
29 演算部
30 信号切替部
31 セクタ識別部
32 角度検出器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転体と、該回転体の回転に連動して回転する回転磁石と、該回転磁石の回転角θに応じた磁界の方向変化によってsinθ、cosθ、−sinθ、−cosθの各信号を出力する磁気センサとを備え、
前記磁気センサの各出力信号から、位相が前記各出力信号の1/4周期分ずれた第1及び第2のtan−1θの信号を生成すると共に、これら2つのtan−1θの信号から、sinθの信号とcosθの信号のクロス点、−sinθの信号とcosθの信号のクロス点、sinθの信号と−cosθの信号のクロス点及び−sinθの信号と−cosθの信号のクロス点で第1のtan−1θの信号から第2のtan−1θの信号に、又は第2のtan−1θの信号から第1のtan−1θの信号に切り換わる鋸歯状信号を生成し、この鋸歯状信号に基づいて前記回転体の1回転内の角度を検出することを特徴とする絶対角検出装置。
【請求項2】
前記回転体の1回転を8n個(nは自然数)のセクタに分割し、それら各セクタのそれぞれに対応する前記鋸歯状信号に基づいて各セクタ内の角度を検出することを特徴とする請求項1に記載の絶対角検出装置。
【請求項3】
前記回転体にその回転軸と同心にコードホイールを設け、該コードホイールに前記セクタを識別するためのデジタルコード列に応じたコードパターンを設け、該コードパターンと対向するようにコード検出素子を設けることを特徴とする請求項2に記載の絶対角検出装置。
【請求項4】
前記回転磁石は、前記回転体または前記コードホイールに増速機構を介して連結されることを特徴とする絶対角検出装置。
【請求項5】
前記増速機構は、前記コードホイールをなす第一歯車と、前記回転体の回転軸に平行な回転軸をもち前記第一歯車に噛合する第二歯車とを有し、前記回転磁石は、該回転磁石の中心が前記第二歯車の回転中心と一致するように設けられることを特徴とする請求項4に記載の絶対角検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−128961(P2008−128961A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317269(P2006−317269)
【出願日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】