説明

緊急離脱カップリング

【課題】 ケーシングユニットと流出側遮断弁に作用する外力の方向と弁挿入穴から流出側遮断弁を分離する方向とを合わせ、分離動作を円滑かつ確実にする。
【解決手段】 ケーシングユニット12の流入口となる継手部材22のホース接続口22Aと、流出側遮断弁26の流出口となるプラグ30のホース接続口30Fとは、互いの軸線O1−O1と軸線O2−O2とが直交するように配置する。これにより、ホース接続口30Fと軸方向の反対側にアイボルト21を設け、該アイボルト21に計量機3のワイヤ5を繋ぐことができる。従って、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26が引張られたときには、この引張り方向と弁挿入穴18から弁筒27、プラグ30を分離する方向とを合わせることができる。これにより、弁筒27、プラグ30を直線的に引き抜くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば水素ガス、天然ガス等のガスを充填する充填装置に用いて好適な緊急離脱カップリングに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車にはガソリン、軽油等の燃料が給油されるようになっている。しかし、昨今では、排気ガス中に含まれる有害物質を減少させるために、水素ガス、天然ガス等を燃料として用いることが実施されている。
【0003】
また、水素ガス等は自動車側の貯留タンクに非常に高い圧力(以下、超高圧という)をもって充填する必要がある。このため、充填装置のホースが無理に引張られて切断したときや、ホースが引張られることにより充填装置が破損したときに、充填装置側、自動車の貯留タンク側から超高圧なガスが漏れ出さないように、ホースの途中には緊急離脱カップリングを取付けている。
【0004】
この緊急離脱カップリングは、ホースの引張り強度および充填装置の各部の強度よりも弱い脆弱部として形成され、ホースが引張られたときには、この脆弱な緊急離脱カップリングの部分から分離することができる。即ち、緊急離脱カップリングは、通常は軸方向の一端側が充填装置側のホースに接続されたソケットと、軸方向の他端側が自動車側のホースに接続されたカップリングと、ソケットとカプラとを接続する第1固定手段とからなり、人為的には分離できない状態になっている。また、ソケット、カップリングの通路は、ソケットとプラグが分離したときに充填装置側、自動車の貯留タンク側の両方からガスが漏れ出さないようにそれぞれ遮断弁を有している(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−295766号公報
【0006】
そして、従来技術による緊急離脱カップリングは、ホースの途中に該ホースと一直線をなすように配設され、これにより、ホースが過大な力で引張られたときには、第1の固定手段が破壊され、ソケットとプラグとが分離方向に移動するのを許す。また、ソケットとプラグとが分離方向に移動すると、通路内の圧力によって係止手段を破壊し、該ソケットとプラグとを完全に分離させる。このときに、ソケット側の流体通路、プラグ側の流体通路は遮断弁によりそれぞれ遮断し、ガスの流出を防止する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述した従来技術による緊急離脱カップリングは、ホースの途中に該ホースと一直線をなすように配設している。しかし、水素ガスの充填に用いるホースは、超高圧に耐えることができるように頑丈に作られているから、曲がり難く、ほとんど捻ることができない。このため、ホースが引張られたときには、該ホースが真直ぐに伸びず、ホースの引張り方向と緊急離脱カップリングの分離方向とが一致しない場合があり、ソケットとプラグとを円滑に離脱できないという問題がある。
【0008】
また、緊急離脱カップリングは、ソケットとプラグとの間の空間にある充填ガスの圧力が常に直接的に係止手段に作用している。これにより、超高圧で充填される水素ガスの場合、充填ガスの内圧変化により係止手段が破壊され分離しないように、ある程度、係止手段が破壊される力を大きく設定する必要がある。そして、このように破壊される力を大きく設定すると、内圧が低い場合と高い場合では、破壊するのに必要な力が大きく異なり、緊急離脱カップリングとしては望ましくない。このことから、従来技術の緊急離脱カップリングは、水素ガス等の超高圧ガスを自動車等に充填する充填装置には適さないという問題がある。
【0009】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ケーシングユニットと流出側遮断弁とに作用する引張り力の方向と弁挿入穴から流出側遮断弁を分離する方向とを合わせることにより、円滑かつ確実に分離できるようにした緊急離脱カップリングを提供することにある。
【0010】
また、本発明の他の目的は、ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとの間に分離方向に外力が加わる緊急時にだけ、ケーシング側通路を流通する流体の圧力で流出側遮断弁を分離方向に押動することにより、超高圧な流体を流通させる場合に適用できるようにした緊急離脱カップリングを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1による緊急離脱カップリングは、流入口とケーシング側通路を介して該流入口に連通する弁挿入穴とが設けられ、内部に緊急時に前記ケーシング側通路を遮断する流入側遮断弁が収容されたケーシングユニットと、該ケーシングユニットの弁挿入穴に挿入された弁筒と該弁筒内に挿入され前記ケーシング側通路にプラグ側通路を介して連通する流出口が設けられたプラグとを有し、緊急時に前記弁筒と前記プラグを相対移動することにより前記プラグ側通路を遮断する流出側遮断弁と、前記ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとを結合して設けられ、前記ケーシングユニットとプラグとの間に分離方向に一定以上の外力が加わる緊急時には該ケーシングユニットと流出側遮断弁とを分離する結合部材とを備え、前記ケーシングユニットの流入口と流出側遮断弁の流出口とは、互いの軸線が交差するように配置する構成としてなる。
【0012】
請求項2の発明によると、前記ケーシングユニットには、当該ケーシングユニットを構造物に繋ぐための掛止め部を前記流出側遮断弁の流出口とは軸方向の反対側に設ける構成としたことにある。
【0013】
請求項3の発明によると、前記ケーシングユニットには、前記ケーシング側通路を流通する流体の圧力を利用して前記流出側遮断弁を分離方向に押動する分離補助装置を設ける構成としたことにある。
【0014】
請求項4の発明によると、前記ケーシングユニットのケーシング側通路には、軸方向の一端側が前記流出側遮断弁の弁筒に当接することにより軸方向の他端側で前記流入側遮断弁を開弁状態に支持する支持部材を設け、前記流出側遮断弁の弁筒には、前記ケーシングユニットと流出側遮断弁とが分離方向に移動したときに前記支持部材を収容して前記流入側遮断弁が閉弁するのを許す支持部材収容穴を設ける構成としたことにある。
【0015】
請求項5の発明によると、前記ケーシングユニットの前記流入口に連通する前記ケーシング側通路と前記流出側遮断弁が挿入される前記弁挿入穴とは、互いの軸線が交差するように配置する構成としたことにある。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明によれば、ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとの間に分離方向に一定以上の外力が加わった緊急時には、結合部材による結合が解かれるから、ケーシングユニットの弁挿入穴に対して流出側遮断弁のプラグが分離方向に相対移動する。このときには、ケーシングユニットの流入側遮断弁がケーシング側通路を遮断し、流出側遮断弁がプラグ側通路を遮断するから、ケーシングユニット、流出側遮断弁から流体が漏れるのを防止することができる。
【0017】
ここで、ケーシングユニットの流入口と流出側遮断弁の流出口とは、互いの軸線が交差するように配置しているから、例えば弁挿入穴の開口側と軸方向の反対側の位置を充填装置等の構造物にワイヤ、フック等を介して繋ぐことができる。従って、ケーシングユニットと流出側遮断弁に分離方向の引張り力が作用したときには、自由に曲がるワイヤ等により引張り方向と、ケーシングユニットと流出側遮断弁の分離方向とを合わせることができるから、弁挿入穴から流出側遮断弁を円滑かつ確実に分離することができ、動作性能、安全性を向上して信頼性を高めることができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、ケーシングユニットには、流出側遮断弁の流出口とは軸方向の反対側に掛止め部を設けているから、この掛止め部を利用してケーシングユニットを構造物に簡単に繋ぐことができる。しかも、流出口とは軸方向の反対側に掛止め部を配置し、該掛止め部を構造物に繋いだ状態では、弁挿入穴に対して流出側遮断弁を真直ぐに分離させることができ、弁挿入穴から流出側遮断弁を円滑かつ確実に分離することができる。
【0019】
請求項3の発明によれば、分離補助装置は、ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとの間に分離方向に外力が加わる緊急時には、ケーシング側通路を流通する流体の圧力で流出側遮断弁を分離方向に押動することができる。これにより、気密性を得るために設けられたシールリングが高い圧力により変形して抵抗となっている場合でも、弁挿入穴から流出側遮断弁を円滑かつ確実に分離することができる。しかも、ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとの間に常時圧力が作用することがないから、結合部材を脆弱に形成することができ、ケーシングユニットと流出側遮断弁とを円滑に分離させることができる。
【0020】
請求項4の発明によれば、ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとを結合した状態では、支持部材の一端側が流出側遮断弁の弁筒に当接しているから、該支持部材により流入側遮断弁を開弁させ、ケーシング側通路で流体を流通させることができる。一方、ケーシングユニットと流出側遮断弁の弁筒とが分離方向に移動したときには、該弁筒に設けられた支持部材収容穴が支持部材を収容するから、流入側遮断弁が閉弁してケーシング側通路を遮断することができる。
【0021】
請求項5の発明によれば、ケーシングユニットのケーシング側通路と弁挿入穴とを交差して設けているから、該ケーシング側通路に連通する流入口と弁挿入穴に挿入される流出側遮断弁の流出口とを交差して配置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る緊急離脱カップリングを、自動車に水素ガスを供給する充填装置に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明するものとする。
【0023】
まず、図1ないし図7は本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、1は充填エリアに配設された充填装置で、該充填装置1は、例えば水素ガスを燃料とする水素自動車2の貯留タンク(図示せず)に水素ガスを超高圧で充填するものである。
【0024】
そして、水素ガスの充填装置1は、箱体状に形成された計量機3と、該計量機3から延びたホース4とからなり、前記ホース4の途中には、後述する緊急離脱カップリング11が設けられている。また、計量機3には緊急離脱カップリング11のケーシングユニット12を繋ぎ止めるワイヤ5が設けられている。
【0025】
さらに、ホース4は、計量機3と水素自動車2とを接続するもので、緊急離脱カップリング11から計量機3側が計量機側ホース部4Aとなっている。一方、緊急離脱カップリング11から先端側は自動車側ホース部4Bとなり、該自動車側ホース部4Bの先端には水素自動車2の充填口(図示せず)に接続される接続口4Cが設けられている。
【0026】
ここで、ホース4は、超高圧な水素ガスが流通するもので、高い耐圧性能を得るために頑丈に形成されているから、曲がり難く、ほとんど捻ることができない。このため、緊急離脱カップリング11は、引張られたときにその方向を向くように、自由に曲がることができるワイヤ5を用いて計量機3に繋がれている。
【0027】
11は充填装置1のホース4に設けられた緊急離脱カップリングで、該緊急離脱カップリング11は、ホース4の引張り強度よりも弱い脆弱部として形成されている。これにより、ホース4が無理に引張られたとき、例えば水素自動車2の充填口にホース4の接続口4Cを接続した状態で該自動車2が誤って走り出した場合に、脆弱な構造の緊急離脱カップリング11は、積極的に分離してホース4の破損によるガス漏れを防止するものである。そして、緊急離脱カップリング11は、図2ないし図7に示す如く、後述するケーシングユニット12、流出側遮断弁26、結合ピン34により大略構成されている。
【0028】
12は緊急離脱カップリング11のケーシングユニットで、該ケーシングユニット12は、ホース4の計量機側ホース部4A先端が接続されると共にワイヤ5を用いて計量機3側に支持されている。そして、ケーシングユニット12は、後述のケーシング本体13、アイボルト21、継手部材22、流入側遮断弁23、支持パイプ25等により大略構成されている。
【0029】
13はケーシングユニット12の本体部分を構成するケーシング本体で、該ケーシング本体13は、ワイヤ5を介して計量機3に繋がれている。また、ケーシング本体13は、後述する突出筒部14、ケーシング側通路16、ソケット部17、弁挿入穴18、取付部20等により全体としてほぼT字状に構成されている。
【0030】
14はケーシングユニット12の流入側を構成する突出筒部で、該突出筒部14は、図3、図4に示すように、基端側が後述するソケット部17の外周に径方向外向きに突出するように取付けられ、先端側には後述の継手部材22が取付けられている。そして、突出筒部14は、軸線O1−O1を中心とする円筒状に形成されている。また、突出筒部14内には、図2に示すように、後述する弁挿入穴18の弁筒挿入部18Aに達する収容穴15が形成されている。
【0031】
ここで、収容穴15は、先端側に開口した大径な継手取付部15Aと、該継手取付部15Aから弁挿入穴18側に延びた中径な弁収容部15Bと、該弁収容部15Bと弁挿入穴18とを連通した連通部15Cとにより段付穴として形成されている。
【0032】
16はケーシング本体13の突出筒部14内に設けられたケーシング側通路で、該ケーシング側通路16は、後述する継手部材22のホース接続口22Aを弁挿入穴18に連通するものである。そして、ケーシング側通路16は、収容穴15の弁収容部15Bと連通部15Cとにより構成されている。ここで、ケーシング側通路16は、突出筒部14と同様に軸線O1−O1を中心として設けられている。
【0033】
17は突出筒部14の基端側に設けられた円筒状のソケット部を示している。このソケット部17は、突出筒部14、ケーシング側通路16の軸線O1−O1に対してほぼ直角に交差(直交)する軸線O2−O2を中心にして延びる段付円筒状に形成されている。また、ソケット部17の内周側は、後述の弁挿入穴18となり、該弁挿入穴18の底部側(軸方向の一側)が後述の取付部20によって閉塞されている。また、ソケット部17の一端側には、弁挿入穴18の奥部を大気に開放する開放通路17Aが径方向に貫通して形成されている。また、ソケット部17の他端側には、後述する流出側遮断弁26の弁筒27を回転方向に位置決めするための案内溝17Bが形成されている。
【0034】
一方、ソケット部17の軸方向中間位置には、後述する弁挿入穴18の弁筒挿入部18Aに位置して奥部に向けて大径となるテーパ環状溝17Cが形成されている。このテーパ環状溝17Cは、後述する支持パイプ収容穴29に支持パイプ25が完全に収容されていないときに、テーパ面で支持パイプ25を押動して支持パイプ収容穴29内に確実に収めるものである。
【0035】
18はソケット部17内に形成された弁挿入穴で、該弁挿入穴18は、ケーシング側通路16を介して継手部材22のホース接続口22Aに連通している。また、弁挿入穴18は、ソケット部17と同様に、突出筒部14、ケーシング側通路16の軸線O1−O1に対してほぼ直角に交差(直交)する軸線O2−O2を中心にして形成されている。また、弁挿入穴18は、軸方向の一側が取付部20で閉塞され、他側が開口した段付有底穴として形成されている。さらに、弁挿入穴18は、一側となる底部側に位置して後述の弁筒27が挿入される弁筒挿入部18Aと、他側となる開口側に位置して後述のプラグ30が挿入されるプラグ挿入部18Bとから構成されている。
【0036】
ここで、ケーシング側通路16と弁挿入穴18とは、互いの軸線O1−O1と軸線O2−O2とをほぼ直角に交差するように配置しているから、該ケーシング側通路16に連通する継手部材22のホース接続口22Aと弁挿入穴18に挿入される流出側遮断弁26のプラグ30に設けられたホース接続口30Fとを同様にほぼ直角に交差するように配置することができる。
【0037】
また、19A〜19Eは弁挿入穴18の弁筒挿入部18Aに位置してソケット部17に装着された複数個、例えば5個のシールリングで、該各シールリング19A〜19Eは、弁挿入穴18の軸方向に間隔をもって配設されている。これらのシールリング19A〜19Eは、図6に示すように、弁挿入穴18内で後述の弁筒27が相対移動したときに、該弁筒27に設けられた弁通路27B、支持パイプ収容穴29等を介して水素ガスが流出するのを防止するものである。
【0038】
20はソケット部17の他端側に位置して軸線O2−O2上に設けられた取付部で、該取付部20は、小径な円筒状をなし、その内部は後述のアイボルト21が取付けられるねじ穴20Aとなっている。
【0039】
21はケーシング本体13の取付部20に取付けられた掛止め部としてのアイボルトで、該アイボルト21は、取付部20のねじ穴20Aに螺着されることにより、後述する流出側遮断弁26の流出口となるプラグ30のホース接続口30Fとは軸方向の反対側に配置されている。また、アイボルト21には、充填装置1の計量機3から延びるワイヤ5の先端部が掛け止めされている。ここで、緊急離脱カップリング11は、アイボルト21をプラグ30のホース接続口30Fと反対側に配置し、該アイボルト21を柔軟なワイヤ5を介して計量機3に繋ぐことにより、後述のプラグ30がホース4の自動車側ホース部4Bにより引張られたときに、該プラグ30の引張り方向(矢示B方向)と、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが分離する方向(軸線O2−O2)とを合わせることができる。
【0040】
22は突出筒部14の先端側に取付けられた流入側の継手部材で、該継手部材22は、収容穴15の継手取付部15Aに螺着されている。また、継手部材22には、流入口となるホース接続口22Aが形成され、該ホース接続口22Aには、ホース4の計量機側ホース部4A先端が接続される。
【0041】
ここで、継手部材22のホース接続口22Aは、突出筒部14と同軸、即ち、ソケット部17の軸線O2−O2に対してほぼ直角に交差する軸線O1−O1上に配設されている。これにより、計量機3とホース接続口22Aとの間に接続される計量機側ホース部4Aは、図1に示すように、緩やかに湾曲させることができ、この湾曲によって自動車側ホース部4Bが引張られたときに緊急離脱カップリング11を引張り方向に向けることができる。
【0042】
23は収容穴15の弁収容部15B内に収容された流入側遮断弁で、該流入側遮断弁23は、継手部材22のホース接続口22Aと同一軸線(軸線O1−O1)上に配置されている。また、流入側遮断弁23は、後述する結合ピン34による結合が解除されてケーシング本体13とプラグ30とが矢示A,B方向に相対移動した緊急時に、ケーシング側通路16を外部に対して遮断するものである。さらに、流入側遮断弁23は、弁収容部15Bの底部に挿嵌された弁座23Aと、該弁座23Aに離着座するボール弁体23Bと、該ボール弁体23Bを弁座23Aに着座させる方向に付勢する弁ばね23Cとからなるポペット弁として構成されている。
【0043】
そして、流入側遮断弁23は、ケーシングユニット12のケーシング本体13と流出側遮断弁26のプラグ30とが後述する結合ピン34により結合された状態では、ボール弁体23Bが後述する支持パイプ25等により押動されて開弁する。一方、結合ピン34による結合が解除されてケーシング本体13とプラグ30とが相対移動し、支持パイプ25が移動したときには、弁ばね23Cの付勢力と水素ガスの圧力によりボール弁体23Bを弁座23Aに着座させて閉弁し、水素ガスの流出を止めるものである。
【0044】
24は収容穴15内に設けられた中継パイプで、該中継パイプ24は、弁収容部15Bと連通部15Cとに亘って設けられ、軸線O1−O1に沿って移動可能となっている。また、中継パイプ24には、弁収容部15Bと連通する開口24Aが設けられている。そして、中継パイプ24は、後述の支持パイプ25により流入側遮断弁23のボール弁体23Bを開弁させる中継部材を構成している。
【0045】
25はケーシング側通路16を構成する収容穴15の連通部15C内に設けられた支持部材としての支持パイプを示している。この支持パイプ25は、流出側遮断弁26の弁筒27と中継パイプ24との間に位置して該中継パイプ24とほぼ同様のパイプ部材を用いて形成されている。
【0046】
そして、支持パイプ25は、図2に示すように、ケーシングユニット12と後述の流出側遮断弁26とが結合ピン34により結合された状態では、軸方向(軸線O1−O1方向)の一端側を流出側遮断弁26の弁筒27外周に当接させることにより、軸方向の他端側で中継パイプ24を介して流入側遮断弁23のボール弁体23Bを開弁状態に支持している。一方、支持パイプ25は、図6に示すように、結合ピン34による結合が解除され、ケーシングユニット12に対して流出側遮断弁26が相対移動したときに、弁筒27の支持パイプ収容穴29に収容される。
【0047】
26はケーシングユニット12を構成するケーシング本体13の弁挿入穴18に挿入された流出側遮断弁で、該流出側遮断弁26は、ケーシングユニット12に対して分離方向に移動した緊急時に、後述するプラグ30のプラグ側通路30Dを遮断するものである。そして、流出側遮断弁26は、後述の弁筒27、支持パイプ収容穴29、プラグ30、弁ばね33等からなるスプール弁として構成されている。
【0048】
27は弁挿入穴18の弁筒挿入部18Aに挿入された弁筒で、該弁筒27は、スプール弁のスリーブをなすもので、後述のプラグ30に対して軸方向に変位することにより該プラグ30のポート30Eを開,閉するものである。また、弁筒27の一端側内周には、プラグ30のストッパ32に係合可能な係合段部27Aが拡径して設けられている。一方、弁筒27の軸方向中間部には、ケーシング本体13とプラグ30とが結合した状態で、ケーシング本体13のケーシング側通路16とプラグ30のポート30E(プラグ側通路30D)とを連通する弁通路27Bが径方向に形成されている。
【0049】
また、弁筒27の他端側外周には、径方向外向きに突出して位置決めピン28が設けられている。この位置決めピン28は、ソケット部17の案内溝17Bに係合することにより、弁通路27Bをケーシング側通路16に連通可能な周方向位置に位置決めするものである。さらに、弁筒27の一端側外周には、後述の支持パイプ収容穴29が設けられている。
【0050】
29は弁筒27の外周側に設けられた支持部材収容穴としての支持パイプ収容穴を示している。この支持パイプ収容穴29は、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが分離方向に移動したときに、流入側遮断弁23との間に配設された支持パイプ25を収容し、該流入側遮断弁23のボール弁体23Bが閉弁するのを許すものである。
【0051】
即ち、支持パイプ収容穴29は、弁通路27Bと同じ周方向位置で該弁通路27Bの一側に設けられた有底状の長穴として形成され、その深さ寸法は支持パイプ25の軸方向寸法よりも多少大きく設定されている。これにより、支持パイプ収容穴29は、図6に示す如く、弁筒27がソケット部17の弁挿入穴18内で矢示B方向に所定寸法移動したときに、支持パイプ25を収容することができる。そして、支持パイプ収容穴29は、支持パイプ25を収容することにより流入側遮断弁23のボール弁体23Bが閉弁するのを許すことができる。
【0052】
また、支持パイプ収容穴29には、弁通路27B側となる他端側に位置して収容傾斜面29Aが形成され、該収容傾斜面29Aは、支持パイプ収容穴29内に向けて傾斜することにより、支持パイプ25を収容傾斜面29A内に少しずつ円滑に収容させるものである。さらに、支持パイプ収容穴29には、収容傾斜面29Aの反対側となる一端側に位置して排出傾斜面29Bが形成され、該排出傾斜面29Bは、支持パイプ収容穴29内から外側に向けて傾斜することにより、支持パイプ収容穴29内に中継パイプ24が入ったときに、この中継パイプ24を排出するものである。
【0053】
30は弁筒27内に挿入されたプラグで、該プラグ30は、ホース4の自動車側ホース部4B基端が接続されるものである。そして、プラグ30は、軸方向の一側から順に小径部30A、中径部30B、大径部30Cとなり、全体として段付状の円筒体として形成されている。また、小径部30Aは、スプール弁のスプールを構成している。さらに、大径部30Cの一端側は、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが結合された状態では、弁挿入穴18のプラグ挿入部18B内に挿入されている。
【0054】
また、プラグ30の中心部には、軸方向の中間部から他側かけてプラグ側通路30Dが形成されている。また、小径部30Aの中間部には、前記プラグ側通路30Dに連通してポート30Eが形成されている。一方、大径部30Cには、前記プラグ側通路30Dに連通して流出側のホース接続口30Fが軸線O2−O2上に形成され、該ホース接続口30Fは流出側遮断弁26の流出口を構成するもので、ホース4の自動車側ホース部4B基端が接続されている。
【0055】
また、小径部30Aの外周には、軸方向に間隔をもって3個のシールリング31が設けられている。これらのシールリング31は、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが結合して弁筒27が閉弁位置(図2に示す位置)にあるときには、該弁筒27の弁通路27Bとポート30Eとから水素ガスが漏れるのを防止し、また、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが分離する方向に相対移動して弁筒27が開弁位置(図5に示す位置)にあるときには、弁筒27の弁通路27Bを遮断する位置にそれぞれ装着されている。さらに、小径部30Aの一端部には、弁筒27の係合段部27Aに当接して係合することにより、弁筒27の弁通路27Bを各シールリング31間に位置決めするストッパ32が設けられている。
【0056】
33はプラグ30の中径部30Bの外周側に位置して大径部30Cと弁筒27との間に設けられた弁ばねを示している。この弁ばね33は、図5に示すように、後述の結合ピン34が破断したときに、弁筒27を一側に付勢することにより、プラグ30のポート30Eを閉じ、水素ガスの流出を止めるものである。
【0057】
34はケーシングユニット12と流出側遮断弁26との間に設けられた結合部材としての複数本の結合ピン(2本のみ図示)で、該各結合ピン34は、ケーシング本体13のソケット部17とプラグ30の大径部30Cとの間に径方向に挿嵌して設けられている。また、各結合ピン34は、常時はケーシング本体13のソケット部17とプラグ30とを軸方向(軸線O2−O2方向)に位置決めするように結合している。一方、結合ピン34は、ケーシング本体13とプラグ30とを分離する方向(矢示A,B方向)に一定以上の外力が加わったときに破断し、充填装置1側にワイヤ5を介して繋がれたケーシングユニット12のケーシング本体13に対して流出側遮断弁26のプラグ30が相対移動するのを許すものである。
【0058】
第1の実施の形態による充填装置1は、上述したような構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
【0059】
まず、図1に示す如く、充填装置1の充填エリアに水素自動車2を止め、充填口を開く。そして、充填装置1のホース4先端に設けられた接続口4Cを充填口に接続し、計量機3から水素ガスを供給する。これにより、ホース4を介して自動車2に水素ガスを充填することができる。
【0060】
次に、充填装置1のホース4に設けられた緊急離脱カップリング11の動作について、図2ないし図5を参照して説明する。
【0061】
充填装置1により水素自動車2に水素ガスを充填しているときには、運転者が誤まって自動車2を発進させてしまい、ホース4を無理に引張ってしまうことが考えられる。
【0062】
このような場合、緊急離脱カップリング11には、図1、図2に示すように、充填装置1の計量機3にワイヤ5を介して繋がれたケーシングユニット12から流出側遮断弁26を引き離す外力が作用する。
【0063】
このときに、ケーシングユニット12に設けた継手部材22のホース接続口22Aは、流出側遮断弁26に設けたプラグ30のホース接続口30Fの軸線O2−O2と交差する軸線O1−O1上に配設しているから、該ホース接続口22Aにホース4の計量機側ホース部4Aを緩やかに湾曲させた状態で接続することができる。しかも、計量機3から延びるワイヤ5は、自動車側ホース部4Bが接続された流出口となるプラグ30のホース接続口30Fと軸方向の反対側に設けたアイボルト21に接続することができる。
【0064】
これにより、ホース4の計量機側ホース部4Aを無理に捻ったり曲げたりすることなく、流出側遮断弁26が自動車側ホース部4Bが引張られる方向(矢示A,B方向)と、ケーシング本体13の弁挿入穴18から流出側遮断弁26が分離する方向(軸線O2−O2の方向)とを合わせることができる。
【0065】
従って、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とを分離させるように働く矢示A,B方向の引張り力が一定以上になり、結合部材を構成する結合ピン34が破断したときには、ケーシング本体13の弁挿入穴18から弁筒27とプラグ30を直線的に引張ることができ、両者を円滑かつ確実に分離させることができる。
【0066】
また、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが相対移動したときには、図5に示す如く、流出側遮断弁26は、弁筒27に対してプラグ30を矢示B方向に移動することにより、弁筒27でプラグ30のポート30Eを閉塞してプラグ側通路30Dを遮断する。そして、弁筒27が矢示B方向に相対移動するようになると、図6に示す如く、弁筒27に設けられた支持パイプ収容穴29内に支持パイプ25が収容されるから、流入側遮断弁23のボール弁体23Bが弁座23Aに着座して閉弁し、ケーシング側通路16を遮断する。
【0067】
これにより、ケーシング本体13とプラグ30とは、図7に示す如く、内部の水素ガスを各遮断弁23,26により遮断した状態で完全に分離することができる。また、この分離時には、ケーシング側通路16を弁挿入穴18の軸線O2−O2と交差する軸線O1−O1上に配設しているから、ケーシング本体13とプラグ30との間に分離方向の圧力が作用するのを防止することができる。従って、各通路16,30Dを流通する水素ガスの圧力に影響されることなく、外力の作用でのみケーシング本体13とプラグ30とを分離することができる。
【0068】
かくして、第1の実施の形態によれば、ケーシングユニット12を構成する継手部材22に設けられた流入口となるホース接続口22Aと、流出側遮断弁26を構成するプラグ30に設けられた流出口となるホース接続口30Fとは、互いの軸線O1−O1と軸線O2−O2とがほぼ直角に交差するように配置しているから、流出口となるホース接続口30Fと軸方向の反対側の位置にアイボルト21を設けることができ、該アイボルト21に計量機3から延びるワイヤ5を繋ぐことができる。
【0069】
従って、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26に対して矢示A,B方向の引張り力が作用したときには、自由に曲がるワイヤ5により矢示A,B方向の引張り方向と、ケーシング本体13の弁挿入穴18から弁筒27、プラグ30が分離する方向となる軸線O2−O2方向とを合わせることができる。この結果、ソケット部17の弁挿入穴18からプラグ30を直線的に引き抜くことができるから、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とを円滑かつ確実に分離することができ、緊急離脱カップリング11の動作性能、安全性を向上して信頼性を高めることができる。
【0070】
また、ケーシングユニット12のケーシング側通路16は、継手部材22のホース接続口22Aと同様に、軸線O1−O1上に配設しているから、ケーシング側通路16とプラグ30のプラグ側通路30Dとの間に分離方向の圧力が作用するのを防止することができる。従って、各通路16,30Dを流通する水素ガスの圧力に影響されることなく、外力の作用でのみケーシングユニット12と流出側遮断弁26とを分離することができる。
【0071】
従って、充填する水素ガスの圧力によってケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが勢いよく分離したり、また分離するタイミングが圧力に関係したりすることなく、確実かつ安全に分離することができる。この結果、緊急離脱カップリング11は、充填する流体の圧力に関係なく、確実かつ安全に分離することができ、超高圧な水素ガスの充填装置1に適用することができる。
【0072】
また、ケーシングユニット12のケーシング側通路16には、弁筒27に当接することにより中継パイプ24を介して流入側遮断弁23のボール弁体23Bを開弁状態に支持するパイプ25を設け、弁筒27には、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが分離方向(矢示B方向)に移動したときに、前記支持パイプ25を収容する支持パイプ収容穴29を設けている。従って、ケーシングユニット12と流出側遮断弁26とが分離方向に移動したときには、弁筒27に設けられた支持パイプ収容穴29に支持パイプ25を収容して、流入側遮断弁23のボール弁体23Bを閉弁し、ケーシング側通路16を遮断することができる。
【0073】
さらに、ケーシングユニット12のケーシング側通路16と弁挿入穴18とはほぼ直交して配設しているから、該ケーシング側通路16に連通する流入口をなす継手部材22のホース接続口22Aと弁挿入穴18に挿入される流出側遮断弁26のプラグ30に設けられた流出口をなすホース接続口30Fとをほぼ直交して配置することができる。
【0074】
次に、図8ないし図11は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、ケーシングユニットには、ケーシング側通路を流通する流体の圧力を利用して流出側遮断弁を分離方向に押動する分離補助装置を設ける構成としたことにある。
【0075】
図8において、41は充填エリアに配設された第2の実施の形態による水素ガスの充填装置で、該充填装置41は、水素ガスを燃料とする水素自動車42の貯留タンク(図示せず)に水素ガスを超高圧で充填するものである。
【0076】
そして、水素ガスの充填装置41は、箱体状に形成された計量機43と、該計量機43の上部から下向きに延びたホース44とからなり、前記ホース44の途中には、後述する緊急離脱カップリング51が設けられている。また、計量機43の上部には、水平方向に延びるレール45が設けられ、該レール45には、緊急離脱カップリング51を吊り下げるためのフック46が当該レール45に沿って移動可能に取付けられている。
【0077】
さらに、ホース44は、計量機43と水素自動車42とを接続するもので、緊急離脱カップリング51から計量機43側が計量機側ホース部44Aとなっている。一方、緊急離脱カップリング51から先端側は自動車側ホース部44Bとなり、該自動車側ホース部44Bの先端には自動車42の充填口(図示せず)に接続される接続口44Cが設けられている。
【0078】
ここで、ホース44は、超高圧な水素ガスが流通するもので、高い耐圧性能を得るために頑丈に形成されているから、曲がり難く、ほとんど捻ることができない。このため、緊急離脱カップリング51は、引張られたときにその方向を向くように、取付角度が自由でレール45に沿って移動することができるフック46に繋がれている。また、ホース44の計量機側ホース部44Aは、緊急離脱カップリング51の取付角度が変化したり、レール45に沿って移動したときに、該緊急離脱カップリング51の動きを妨げないように、ほぼ1巻した状態で緊急離脱カップリング51に接続されている。
【0079】
51は充填装置41のホース44に設けられた緊急離脱カップリングで、該緊急離脱カップリング51は、ホース44が無理に引張られたとき、積極的に分離してホース44の破損によるガス漏れを防止するものである。そして、緊急離脱カップリング51は、図9ないし図11に示す如く、後述するケーシングユニット52、流出側遮断弁64、結合ピン73、分離補助装置74により大略構成されている。
【0080】
52は緊急離脱カップリング41のケーシングユニットで、該ケーシングユニット52は、ホース44の計量機側ホース部44A先端が接続されると共に後述する分離補助装置74に設けられたアイボルト78を介して計量機43のフック46に繋がれている。そして、ケーシングユニット52は、後述のケーシング本体53、継手部材60、流入側遮断弁61、支持ボール63等により大略構成されている。
【0081】
53はケーシングユニット52の本体部分を構成するケーシング本体で、該ケーシング本体53は、後述する突出筒部54、ケーシング側通路56、ソケット部57、弁挿入穴58、取付部59等により全体としてほぼT字状に構成されている。
【0082】
54はケーシングユニット52の流入側を構成する突出筒部で、該突出筒部54は、基端側が後述するソケット部57の外周に径方向外向きに突出するように取付けられ、先端側には後述の継手部材60が取付けられている。そして、突出筒部54は、軸線O3−O3を中心とする円筒状に形成されている。また、突出筒部54内には、先端側から順に継手取付部55A、弁収容部55B、連通部55Cとなる段付状の収容穴55が形成されている。
【0083】
56はケーシング本体53に設けられたケーシング側通路で、該ケーシング側通路56は、後述する継手部材60のホース接続口60Aを弁挿入穴58に連通するものである。そして、ケーシング側通路56は、収容穴55の弁収容部55Bと連通部55Cとにより構成されている。ここで、ケーシング側通路56は、突出筒部54と同様に軸線O3−O3を中心として設けられている。
【0084】
57は突出筒部54の基端側に設けられた円筒状のソケット部を示している。このソケット部57は、突出筒部54、ケーシング側通路56の軸線O3−O3に対してほぼ直角に交差(直交)する軸線O4−O4を中心に延びる段付円筒状に形成されている。また、ソケット部57の内周側は、後述の弁挿入穴58となり、該弁挿入穴58の底部側(軸方向の一側)が後述の取付部59によって閉塞されている。また、ソケット部57の他端側には、後述する流出側遮断弁64の弁筒65を回転方向に位置決めするための案内溝57Aが形成されている。
【0085】
一方、ソケット部57の軸方向中間位置には、後述する弁挿入穴58の弁筒挿入部58A内周面に環状凹溝57Bが形成されている。この環状凹溝57Bは、後述のケーシング側通路56を弁筒65の弁通路65Cと圧力導入路76に連通させるものである。
【0086】
58はソケット部57内に形成された弁挿入穴で、該弁挿入穴58は、ケーシング側通路56を介して継手部材60のホース接続口60Aに連通している。また、弁挿入穴58は、ソケット部57と同様に、突出筒部54、ケーシング側通路56の軸線O3−O3に対してほぼ直角に交差(直交)する軸線O4−O4を中心にして形成されている。また、弁挿入穴58は、軸方向の一側が取付部59で閉塞され、他側が開口した段付有底穴として形成されている。さらに、弁挿入穴58は、一側となる底部側に位置して後述の弁筒65が挿入される弁筒挿入部58Aと、他側となる開口側に位置して後述のプラグ69が挿入されるプラグ挿入部58Bとから構成されている。
【0087】
59はソケット部57の他端側に位置して設けられた取付部を示している。この取付部59は、軸線O4−O4上に小径な摺動穴59Aを有し、該摺動穴59Aには、後述する分離補助装置74のピストン75と供給弁77のスプール弁体77Aが軸方向に摺動可能に挿嵌されたシリンダを構成している。また、取付部59の他端には、後述の供給弁77を介してアイボルト78が取付けられている。
【0088】
60は突出筒部54の先端側に取付けられた流入側の継手部材で、該継手部材60は、収容穴55の継手取付部55Aに螺着されている。また、継手部材60には、流入口となるホース接続口60Aが形成され、該ホース接続口60Aには、ホース44の計量機側ホース部44A先端が接続される。ここで、継手部材60のホース接続口60Aは、突出筒部54と同軸、即ち、ソケット部57の軸線O4−O4に対してほぼ直角に交差する軸線O3−O3上に配設されている。
【0089】
61は収容穴55の弁収容部55B内に収容された流入側遮断弁で、該流入側遮断弁61は、継手部材60のホース接続口60Aと同一軸線(軸線O4−O4)上に配置されている。また、流入側遮断弁61は、後述する結合ピン73による結合が解除されてケーシング本体53とプラグ69とが矢示C,D方向に相対移動したときに、ケーシング側通路56を外部に対して遮断するものである。さらに、流入側遮断弁61は、弁収容部55Bの底部側に挿嵌された弁座61Aと、該弁座61Aに離着座するボール弁体61Bと、該ボール弁体61Bを弁座61Aに着座させる方向に付勢する弁ばね61Cとからなるポペット弁として構成されている。
【0090】
62は収容穴55内に設けられた中継ロッドで、該中継ロッド62は、弁収容部55Bと連通部55Cとに亘って設けられ、軸線O3−O3に沿って移動可能となっている。また、中継ロッド62の外周側には、弁収容部55Bと連通部55Cとを連通する連絡溝62Aが設けられている。
【0091】
63はケーシング側通路56を構成する収容穴55の連通部55C内に設けられた支持部材としての支持ボールを示している。この支持ボール63は、流出側遮断弁64の弁筒65と中継ロッド62との間に配置されている。そして、支持ボール63は、図9、図10に示すように、ケーシングユニット52と後述の流出側遮断弁64とが結合ピン73により結合された状態では、収容穴55の連通部55C内に位置し、中継ロッド62を介して流入側遮断弁61のボール弁体61Bを開弁状態に支持している。一方、支持ボール63は、図11に示すように、結合ピン73による結合が解除され、ケーシングユニット52に対して流出側遮断弁64が相対移動したときに、弁筒65の支持ボール収容穴68に収容される。
【0092】
64はケーシングユニット52を構成するケーシング本体53の弁挿入穴58に挿入された流出側遮断弁で、該流出側遮断弁64は、ケーシングユニット52に対して分離方向に移動した緊急時に、後述するプラグ69のプラグ側通路69Dを遮断するものである。そして、流出側遮断弁64は、後述の弁筒65、支持ボール収容穴68、プラグ69、弁ばね72等からなるスプール弁として構成されている。
【0093】
65は弁挿入穴58の弁筒挿入部58Aに挿入された弁筒で、該弁筒65は、スプール弁のスリーブをなすもので、後述のプラグ69に対して軸方向に変位することにより該プラグ69のポート69Eを開,閉するものである。また、弁筒65の一端側内周には、プラグ69のストッパ71に係合可能な係合段部65Aが拡径して設けられている。一方、弁筒65の内周側には、ケーシングユニット52と流出側遮断弁64とが結合した状態で、プラグ69のポート69Eに対応する軸方向中間部に環状溝65Bが設けられている。さらに、弁筒65には、環状溝65Bとソケット部57の環状凹溝57Bを介してケーシングユニット52のケーシング側通路56とプラグ69のポート69E(プラグ側通路69D)とを連通する弁通路65Cが径方向に形成されている。この弁通路65Cは、支持ボール63によって塞がれないように、軸線O3−O3を避けた位置、例えば軸線O3−O3と直交する周方向位置に形成されている。
【0094】
また、弁筒65の外周側にはシールリング66が軸方向に間隔をもって2個装着されている。また、弁筒65の他端側外周には、径方向外向きに突出して位置決めピン67が設けられている。さらに、弁筒65の一端側外周には、後述の支持ボール収容穴68が設けられている。
【0095】
68は弁筒65の外周側に設けられた支持部材収容穴としての支持ボール収容穴を示している。この支持ボール収容穴68は、ケーシングユニット52と流出側遮断弁64とが分離方向に移動したときに、流入側遮断弁61との間に配設された支持ボール63を収容し、該流入側遮断弁61のボール弁体61Bが閉弁するのを許すものである。そして、支持ボール収容穴68は、弁通路65Cと同じ周方向位置で該弁通路64の一側に設けられた有底状の長穴として形成され、その深さ寸法は支持ボール63の直径寸法よりも多少大きく設定されている。
【0096】
69は弁筒65内に挿入されたプラグで、該プラグ69は、ホース44の自動車側ホース部44B基端が接続されるものである。そして、プラグ69は、軸方向の一側から順に小径部69A、中径部69B、大径部69Cとなり、全体として段付状の円筒体として形成されている。また、小径部69Aは、スプール弁のスプールを構成している。さらに、大径部69Cの一端側は、ケーシングユニット52と流出側遮断弁64とが結合された状態では、弁挿入穴58のプラグ挿入部58B内に挿入されている。
【0097】
また、プラグ69の中心部には、軸方向の中間部から他側かけてプラグ側通路69Dが形成されている。また、小径部69Aの中間部には、前記プラグ側通路69Dに連通してポート69Eが形成されている。一方、大径部69Cには、前記プラグ側通路69Dに連通して流出側のホース接続口69Fが形成され、該ホース接続口69Fは流出側遮断弁64の流出口を構成するもので、ホース44の自動車側ホース部44B基端が接続されている。
【0098】
また、小径部69Aの外周には、軸方向に間隔をもって3個のシールリング70が設けられている。さらに、小径部69Aの一端部には、弁筒65の係合段部65Aに当接して係合することにより、弁筒65の弁通路65Cを各シールリング70間に位置決めするストッパ71が設けられている。
【0099】
72はプラグ69の中径部69Bの外周側に位置して大径部69Cと弁筒65との間に設けられた弁ばねを示している。この弁ばね72は、図11に示すように、後述の結合ピン73が破断したときに、弁筒65を一側に付勢することにより、プラグ69のポート69Eを閉じ、水素ガスの流出を止めるものである。
【0100】
73はケーシングユニット52と流出側遮断弁64との間に設けられた結合部材としての複数本の結合ピン(2本のみ図示)で、該各結合ピン73は、ケーシング本体53のソケット部57とプラグ69の大径部69Cとの間に径方向に挿嵌して設けられている。また、各係合ピン73は、常時はケーシング本体53のソケット部57とプラグ69とを軸方向(軸線O4−O4方向)に位置決めするように結合している。一方、結合ピン73は、ケーシング本体53とプラグ69とを分離する方向(矢示C,D方向)に一定以上の外力が加わり、後述する分離補助装置74のピストン75がプラグ69を矢示D方向に押動したときに破断し、ケーシングユニット52のケーシング本体53に対して流出側遮断弁64のプラグ69が相対移動するのを許すものである。
【0101】
74はケーシングユニット52に設けられた分離補助装置を示している。この分離補助装置74は、ケーシングユニット52と流出側遮断弁64のプラグ69との間に分離方向に外力が加わる緊急時に、ケーシング側通路56を流通する水素ガスの圧力を利用し、ケーシング本体53の弁挿入穴58から流出側遮断弁64を押出すものである。そして、分離補助装置74は、後述のピストン75、圧力導入路76、供給弁77により大略構成されている。
【0102】
75はケーシング本体53を構成する取付部59の摺動穴59A内に設けられたピストンで、該ピストン75は、前記摺動穴59Aの他端側に移動可能に挿嵌されている。そして、ピストン75は、圧力導入路76からの水素ガスの圧力を受圧したときに、ストッパ71を介してプラグ69を分離方向(矢示D方向)に押動するものである。
【0103】
76はケーシング本体53のソケット部57と取付部59との間に設けられた圧力導入路で、該圧力導入路76は、ケーシング側通路56を流通する水素ガスの圧力をピストン75が挿嵌された取付部59の摺動穴59Aに導くものである。そして、圧力導入路76は、環状凹溝57Bに連通するようにソケット部57の径方向に形成された上流側継手穴76Aと、取付部59の他端側に位置して該取付部59の径方向に形成された下流側継手穴76Bと、前記上流側継手穴76Aと下流側継手穴76Bとを接続する接続配管76Cと、前記下流側継手穴76Bと取付部59の摺動穴59Aとの間に設けられた絞り部76Dとにより構成されている。
【0104】
ここで、絞り部76Dは、ピストン75に供給される水素ガスの流量を調整するものである。そして、絞り部76Dは、その通路面積を調整することにより、ピストン75の移動速度、即ち、分離補助装置74によるプラグ69の分離速度を適宜に調整することができる。
【0105】
77は取付部59の他端側に設けられた供給弁で、該供給弁77は、ケーシングユニット52と流出側遮断弁64とを分離するように一定以上の外力が加わったときに、圧力導入路76からピストン75に圧力を供給するものである。また、供給弁77は、取付部59の摺動穴59A内に圧力導入路76の絞り部76Dを閉塞するように摺動可能に挿嵌されたスプール弁体77Aと、該スプール弁体77Aから軸方向他端側に延びたロッド77Bと、該ロッド77Bの他端部に螺着された調整ナット77Cと、前記ロッド77Bの外周側に位置して取付部59に引張ばね77Dを介して連結されたロッドガイド77Eと、前記調整ナット77Cを収容した状態で該ロッドガイド77Eの他端側に取付けられたカバー77Fとにより構成されている。
【0106】
ここで、供給弁77は、プラグ69が矢示D方向に引張られて引張ばね77Dが伸長すると、調整ナット77Cがロッドガイド77Eに当接し、ロッド77Bを介してスプール弁体77Aが摺動穴59Aの他側(矢示C方向)に移動する。そして、スプール弁体77Aの移動量が一定の寸法に達すると、圧力導入路76の絞り部76Dを開き、ピストン75に水素ガス(圧力)を供給する。
【0107】
また、供給弁77は、ロッド77Bに対する調整ナット77Cの取付位置を軸方向に変更することにより、該調整ナット77Cとロッドガイド77Eとの間隔寸法H(図9参照)を調整することができる。そして、この間隔寸法Hを調整することにより、ピストン75がプラグ69を押動するタイミングを使用条件等に応じて適宜に変更することができる。
【0108】
78は供給弁77のカバー77Fに取付けられた掛止め部としてのアイボルトで、該アイボルト78には、充填装置41の計量機43に設けられたフック46が掛け止めされている。ここで、緊急離脱カップリング51は、アイボルト78を流出側遮断弁64の流出口となるプラグ69のホース接続口69Fとは軸方向の反対側に配置し、該アイボルト78を自由に動くことができるフック46を介して計量機43に繋いでいる。これにより、プラグ69がホース44の自動車側ホース部44Bにより引張られたときに、該プラグ69の引張り方向(矢示D方向)と、ケーシング本体53の弁挿入穴58から弁筒65、プラグ69が分離する方向(軸線O4−O4)とを合わせることができる。
【0109】
次に、充填装置41のホース44に設けられた緊急離脱カップリング51の動作について、図8ないし図11を参照して説明する。
【0110】
充填装置41により水素自動車42に水素ガスを充填しているときには、運転者が誤まって自動車42を発進させてしまい、ホース44を無理に引張ってしまうことが考えられる。
【0111】
このような場合、自動車側ホース部44Bによって緊急離脱カップリング51を構成する流出側遮断弁64のプラグ69が分離方向となる矢示D方向に引張られるが、該プラグ69は結合ピン73によってケーシング本体53に結合されているから、緊急離脱カップリング51には、充填装置41の計量機43に設けたフック46からプラグ69と一緒にケーシング本体53を引張るように外力が作用する。
【0112】
このときに、分離補助装置74は、供給弁77の引張ばね77Dが伸長し、調整ナット77Cがロッドガイド77Eに当接し、ロッド77Bを介してスプール弁体77Aを摺動穴59Aの他側(矢示C方向)に移動する。そして、スプール弁体77Aの移動量が一定の寸法に達すると、図10に示すように、圧力導入路76の絞り部76Dを開き、ピストン75に水素ガス(圧力)を供給する。
【0113】
これにより、ピストン75は、プラグ69を矢示D方向に押動するから、図11に示すように、係合ピン73を破断してケーシング本体53とプラグ69とを分離することができる。なお、係合ピン73が破断してからのケーシング本体53とプラグ69との分離動作は、前述した第1の実施の形態とほぼ同様であるため省略するものとする。
【0114】
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、ケーシングユニット52と流出側遮断弁64のプラグ69との間に分離方向に外力が加わる緊急時には、ケーシング側通路56を流通する水素ガスの圧力を利用し、ソケット部57の弁挿入穴58からプラグ69を分離させる分離補助装置74を設けている。これにより、気密性を得るために設けられた各シールリング66,70が高い圧力により変形して抵抗となっている場合でも、弁挿入穴58から弁筒65、プラグ69を円滑かつ確実に分離させることができる。
【0115】
また、分離補助装置74の圧力導入路76には、ピストン75に供給する水素ガスの流量を調整する絞り部76Dを設けているから、この絞り部76Dの通路面積を調整することにより、分離補助装置74によるプラグ69の分離速度を適宜に調整することができる。
【0116】
さらに、ホース44の軽量機側ホース部44Aは、軽量機43と緊急離脱カップリング51との間でほぼ1巻した状態で接続しているから、緊急離脱カップリング51の取付角度が変化したり、レール45に沿って緊急離脱カップリング51が移動したときに、該緊急離脱カップリング51の動きを妨げないようにすることができ、緊急離脱カップリング51を円滑に分離することができる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る緊急離脱カップリングを備えた充填装置を示す外観図である。
【図2】第1の実施の形態による緊急離脱カップリングを通常の使用状態で示す縦断面図である。
【図3】図2に示す緊急離脱カップリングの右側面図である。
【図4】図2に示す緊急離脱カップリングの底面図である。
【図5】結合ピンが破断して流出側遮断弁のプラグ側通路を遮断した状態を示す緊急離脱カップリングの縦断面図である。
【図6】弁筒の支持パイプ収容穴に支持パイプを収容してソケット側遮断弁を閉弁させた状態を示す緊急離脱カップリングの縦断面図である。
【図7】ケーシングユニットと流出側遮断弁を分離した状態を示す緊急離脱カップリングの縦断面図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る緊急離脱カップリングを備えた充填装置を示す外観図である。
【図9】第2の実施の形態による緊急離脱カップリングを通常の使用状態で示す縦断面図である。
【図10】流出側遮断弁と一緒にケーシングユニットが引張られて分離補助装置の供給弁が開弁した状態を示す緊急離脱カップリングの縦断面図である。
【図11】分離補助装置のピストンにより結合ピンを破断してケーシングとプラグを分離した状態を示す緊急離脱カップリングの縦断面図である。
【符号の説明】
【0118】
1,41 充填装置
3,43 計量機(構造物)
4,44 ホース
11,51 緊急離脱カップリング
12,52 ケーシングユニット
13,53 ケーシング本体
14,54 突出筒部
15,55 収容穴
16,56 ケーシング側通路
17,57 ソケット部
18,58 弁挿入穴
20,59 取付部
21,78 アイボルト(掛止め部)
22,60 継手部材
22A,60A ホース接続口(流入口)
23,61 流入側遮断弁
25 支持パイプ(支持部材)
26,64 流出側遮断弁
27,65 弁筒
29 支持パイプ収容穴(支持部材収容穴)
30,69 プラグ
30A,69A 小径部
30B,69B 中径部
30C,69C 大径部
30D,69D プラグ側通路
30E,69E ポート
30F,69F ホース接続口(流出口)
34,73 結合ピン(結合部材)
63 支持ボール(支持部材)
68 支持ボール収容穴(支持部材収容穴)
74 分離補助装置
75 ピストン
76 圧力導入路
77 供給弁
O1−O1,O3−O3 流入側のホース接続口の軸線
O2−O2,O4−O4 流出側のホース接続口の軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口とケーシング側通路を介して該流入口に連通する弁挿入穴とが設けられ、内部に緊急時に前記ケーシング側通路を遮断する流入側遮断弁が収容されたケーシングユニットと、
該ケーシングユニットの弁挿入穴に挿入された弁筒と該弁筒内に挿入され前記ケーシング側通路にプラグ側通路を介して連通する流出口が設けられたプラグとを有し、緊急時に前記弁筒と前記プラグを相対移動することにより前記プラグ側通路を遮断する流出側遮断弁と、
前記ケーシングユニットと流出側遮断弁のプラグとを結合して設けられ、前記ケーシングユニットとプラグとの間に分離方向に一定以上の外力が加わる緊急時には該ケーシングユニットと流出側遮断弁とを分離する結合部材とを備え、
前記ケーシングユニットの流入口と流出側遮断弁の流出口とは、互いの軸線が交差するように配置する構成としてなる緊急離脱カップリング。
【請求項2】
前記ケーシングユニットには、当該ケーシングユニットを構造物に繋ぐための掛止め部を前記流出側遮断弁の流出口とは軸方向の反対側に設ける構成としてなる請求項1に記載の緊急離脱カップリング。
【請求項3】
前記ケーシングユニットには、前記ケーシング側通路を流通する流体の圧力を利用して前記流出側遮断弁を分離方向に押動する分離補助装置を設ける構成としてなる請求項1または2に記載の緊急離脱カップリング。
【請求項4】
前記ケーシングユニットのケーシング側通路には、軸方向の一端側が前記流出側遮断弁の弁筒に当接することにより軸方向の他端側で前記ケーシング側遮断弁を開弁状態に支持する支持部材を設け、
前記流出側遮断弁の弁筒には、前記ケーシングユニットと流出側遮断弁とが分離方向に移動したときに前記支持部材を収容して前記ケーシング側遮断弁が閉弁するのを許す支持部材収容穴を設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の緊急離脱カップリング。
【請求項5】
前記ケーシングユニットの前記流入口に連通する前記ケーシング側通路と前記流出側遮断弁が挿入される前記弁挿入穴とは、互いの軸線が交差するように配置する構成としてなる請求項1,2,3または4に記載の緊急離脱カップリング。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−97874(P2006−97874A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287798(P2004−287798)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)水素安全利用等基盤技術開発 水素インフラに関する研究開発 水素充てん機の実用化技術の開発、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受けるもの
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000110099)トキコテクノ株式会社 (264)
【Fターム(参考)】