説明

緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の緑化構造

【課題】省力、短期間で施工でき、緑化場所が限定されず広く利用できる緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の緑化構造を提供する。
【解決手段】一面を開口した有底箱型容器であり、内部18に植物培地を収容した緑化容器12と、緑化容器12を囲むように枠内配置しその内孔端面Gを緑化容器12の開口面Fと概略面一状に支持する枠体14と、枠体14の内孔端面Gに対して緑化容器12の開口面を所要の角度に変更調整し、かつその変更位置で枠体14に対して緑化容器12を係止保持させる角度調整係止手段(16)と、を有することを特徴とする緑化ユニット装置10から構成される。枠体14を介して構造体に取り付けて簡便に緑化施工できる。さらに、角度調整係止手段(16)を介して、屋根や外壁等に緑化部分の形態に対応した緑化施工を良好に行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、建物の屋根、屋上、外壁面等を緑化するのに好適な緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の緑化構造に関する。
【背景技術】
【0002】
地球温暖化やヒートアイランド現象の対策の一つとして、建物の屋根上や屋上等を植物により緑化する方法が知られている。このような屋根等の緑化は、植物の光合成による二酸化炭素等の温室効果ガスの分解や、植物や培地中の水分の蒸散によって熱を奪うことによる周囲の気温の低減等により、温暖化防止を期待できるとともに、緑化した部分では、金属製の折版屋根やコンクリート製の屋上等と比較して熱を遮る効果が高く、建物内部でのエアコン利用を低減させて、電力削減による省エネルギー化にも貢献でき、緑による景観の向上効果とも相俟って有効に利用されている。建物の屋根等を緑化する技術としては、種々提案されており、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1の勾配屋根の緑化システムでは、平面視方形状のベース板と、ベース板内に収められる培地材と、培地に植えられた植物と、からなる緑化ユニットを有している。そして、該緑化ユニットを、波型の金属製折版屋根からなる勾配屋根上に、その傾斜に合わせて互いに隣接して並べて緑化するものである。
【特許文献1】特開2000−324953号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1の緑化システムは、例えば、平面視30〜50cm四方程度の比較的小さな大きさの緑化ユニットを広面積の勾配屋根上に1個ずつ取り付けていくものであるから、施工作業の能率が悪く、労力や時間がかかるものであった。また、主として勾配屋根を緑化することを目的とした構成であるから、ビルの外壁等の勾配屋根以外の場所を簡易に緑化することが困難なものであった。すなわち、特許文献1では、例えば、鉛直に形成されるビルの外壁を緑化しようとする際の緑化ユニットの外壁への取り付け構成や、植物培地材が脱落するのを防止する構成等の具体的な構成が開示されておらず、適用場所が勾配屋根に限定されるものであり、汎用性及び実用性に劣るものであった。また、特許文献1のものでは、各緑化ユニットは勾配屋根の傾斜に沿って配置されるので、特に急勾配の場合には、培地材中の重力水は傾斜の上方位置から下方位置に早期に移動し、傾斜の上方側位置では培地材が比較的早期に乾燥して植物が枯れやすい状態となる一方で、傾斜の下方側位置では比較的長期に湿潤状態が保持される状態となって植物の生育状態が不均一化し、植物及び緑化ユニットの頻繁な点検、手入れ、交換等が必要となり、維持管理が煩雑又は困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、緑化する場所に簡便に取り付けることができ、施工作業を省力化及び施工時間を短縮化することができるとともに、例えば、建造物の勾配屋根、屋上、外壁等、適用場所が限定されず広く利用できる緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の緑化構造を提供することにある。さらに、他の目的は、緑化植物の生育を略均一に維持できる緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の緑化構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明は、一面を開口した有底箱型容器であり、内部18に植物培地22を収容した緑化容器12と、緑化容器12を囲むように枠内配置しその内孔端面Gを緑化容器12の開口面Fと概略面一状に支持する枠体14と、枠体14の内孔端面Gに対して緑化容器12の開口面Fを所要の角度に変更調整し、かつその変更位置で枠体に対して緑化容器12を係止保持させる角度調整係止手段(16)と、を有することを特徴とする緑化ユニット装置10から構成される。なお、緑化容器12の大きさ形状は、植物や培地等その他の条件により任意に設定される。また、緑化容器12の底に水抜き用の孔が設けられていても良い。枠体14は、緑化ユニット装置を並べて配置した際に枠体どうしを連結できる構成としてもよい。角度調整係止手段(16)による開口面Fの角度の変更方向は任意でよく、例えば、枠体を構造体に取り付けた際に緑化容器を縦軸又は横軸等の回りに回転させることとしてもよい。
【0006】
また、角度調整係止手段(16)は、緑化容器12の開口面F一辺(191)側を枠体14に軸支し、緑化容器12の開口面対向他辺(192)側を一辺(191)側軸周りに回動させることにより枠体14の内孔端面Gに対する緑化容器12の開口面Fの角度を変更調整するものであるとよい。
【0007】
また、枠体14は、複数の緑化容器12を列状に配備させた一体枠からなることとしてもよい。緑化容器の個数は、任意でよく、緑化容器12の大きさ、重量又は緑化ユニット装置10全体の大きさ、重量等を考慮して適宜設定される。
【0008】
また、角度調整係止手段(16)は、緑化容器12の開口面一辺(191)側を枠体14に軸支する第1軸支部28と、緑化容器12の開口面対向他辺(192)側を一辺(191)側軸周りに回動させて所要の回動位置で枠体14に対して緑化容器12を係止させる調整係止部30と、を備えたこととしてもよい。
【0009】
その際、調整係止部30は、緑化容器12又は枠体14側に取り付けた軸孔(42,43、44)に軸を嵌挿させて緑化容器12の開口面対向他辺(192)側を支持する第2軸支部40を含み、第1、第2軸支部28,40はそれぞれ枠体14並びに緑化容器40に対して着脱可能となっていることとしてもよい。
【0010】
さらに、第1軸支部28及び/又は第2軸支部40は、緑化容器12に固定された軸孔筒(32、42,43)と、該軸孔筒(32、42,43)と枠体14の軸孔(34、44)とを位置合わせした状態で嵌挿するロッド(36、46)と、を含むこととしてもよい。第1軸支部28又は第2軸支部40のいずれか一方は、別の軸支構成としてもよい。
【0011】
また、緑化容器12の内部には、保水用の仕切り壁26が立てて設けられたこととしてもよい。仕切り壁26は、1個でも複数でもよく、緑化容器の内部の主として底部側を複数に分割する。特に、緑化容器12が急傾斜で角度設定される際に有利である。また、仕切り壁26の一部分に通水させる孔を設ける構成としてもよい。
【0012】
また、枠体14は緑化容器12の開口面Fの角度の変更調整位置(30)側が下部位置となるように立てて配置され、緑化容器12の開口面Fの角度が斜め上向きとなるように設定されており、緑化容器12には、上部側の緑化容器の重力水を下部側の緑化容器の植物培地に向けて流下させる通水孔50が設けられたこととしてもよい。通水孔50は、1個でも複数個でも良く、その場所は基本的には限定されない。また、通水孔50の形状は、丸穴、角孔、メッシュ孔等その他任意でよく、その大きさは、例えば、植物培地が該孔から容易に流出しない程度に設定されると良い。
【0013】
また、通水孔50は、仕切り壁26の立設端部と略同じ深さ位置に設定されたこととしてもよい。
【0014】
さらに、本発明は、緑化部が構造体の外壁部Wであり、緑化容器12の開口面Fの角度の変更調整位置(30)側が下部位置となるように枠体14を立てて外壁部W前面側に固定させ、角度調整係止手段(16)を介して枠体14の内孔端面Gに対する緑化容器12の開口面Fの角度を斜め上向きとなるように設定させてなる緑化ユニット装置10を用いた構造体の外面の緑化構造100bから構成される。
【0015】
さらに、本発明は、緑化部が構造体の屋根R又は屋上部であり、枠体14を屋根R又は屋上部と平行な状態で固定させ、角度調整係止手段(16)を介して枠体14の内孔端面Gと緑化容器12の開口面Fとを概略面一状となるように設定させてなる緑化ユニット装置10を用いた構造体の外面の緑化構造100aから構成される。
【発明の効果】
【0016】
本発明の緑化ユニット装置によれば、一面を開口した有底箱型容器であり、内部に植物培地を収容した緑化容器と、緑化容器を囲むように枠内配置しその内孔端面を緑化容器の開口面と概略面一状に支持する枠体と、枠体の内孔端面に対して緑化容器の開口面を所要の角度に変更調整し、かつその変更位置で枠体に対して緑化容器を係止保持させる角度調整係止手段と、を有する構成であるから、枠体を介して屋根上等の構造体の緑化部分又はその近傍に運搬して、そのまま枠体を介して構造体に取り付けることができるので、円滑に作業を行えて、労力を低減し、短時間で高効率に施工を行なうことができる。さらに、例えば、建造物の勾配屋根、屋上、外壁等、適用場所に応じて、角度調整係止手段を介して枠体の内孔端面に対する緑化容器の開口面の角度を変更調整できるので、1つのユニット装置の構成でも適用場所が限定されず広く利用できる。
【0017】
また、角度調整係止手段は、緑化容器の開口面一辺側を枠体に軸支し、緑化容器の開口面対向他辺側を一辺側軸周りに回動させることにより枠体の内孔端面に対する緑化容器の開口面の角度を変更調整するものである構成とすることにより、例えば、高所位置での作業や、施工する緑化ユニット装置の数が多い場合、或いはひな段式の花壇や擁壁でも、緑化容器を枠体に軸支した状態で回動させることで開口面の角度調整をスムーズかつ簡便に行える。
【0018】
また、枠体は、複数の緑化容器を列状に配備させた一体枠からなる構成とすることにより、複数の緑化容器を1ユニット化して構造体に取り付けることができるので、作業効率を向上させ、広範囲の構造体の外面側の施工をする際に有利である。さらに、一体枠構成で、構造が簡単であり、製造コストを低減しうる。
【0019】
また、角度調整係止手段は、緑化容器の開口面一辺側を枠体に軸支する第1軸支部と、緑化容器の開口面対向他辺側を一辺側軸周りに回動させて所要の回動位置で枠体に対して緑化容器を係止させる調整係止部と、を備えたことにより、緑化容器の開口面の角度調整構成及び所要の回動位置で枠体に対して緑化容器を係止保持させる構成を具体的に実現できる。
【0020】
また、調整係止部は、緑化容器又は枠体側に取り付けた軸孔に軸を嵌挿させて緑化容器の開口面対向他辺側を支持する第2軸支部を含み、第1、第2軸支部はそれぞれ枠体並びに緑化容器に対して着脱可能となっていることにより、調整係止部を軸支構成として簡単に具現できるとともに、該係止部側の係止作業も簡単な操作で行える。さらに、必要に応じて枠体から緑化容器を取り外して、緑化植物の交換やメンテナンス等を行なうことができ、利便性が良い。
【0021】
また、第1軸支部及び/又は第2軸支部は、緑化容器に固定された軸孔筒と、該軸孔筒と枠体の軸孔とを位置合わせした状態で嵌挿するロッドと、を含むことにより、簡単な構成で第1、第2軸支部を構成でき、低コストで装置を製造できる。さらに、枠体の内孔端面に対して緑化容器の開口面の所要の回動変更位置で確実に緑化容器を係止保持させることができる。
【0022】
また、緑化容器の内部には、保水用の仕切り壁が立てて設けられた構成とすることにより、例えば、仕切り壁で仕切られる緑化容器内部の複数の部分に保水して、緑化容器を水平面に対して傾斜して配置された際でも植物培地中の水が一方に偏ることなく全体的に略均一な保水状態を保持することができ、緑化植物の生育状態を略均一に維持できる。
【0023】
また、枠体は緑化容器の開口面の角度の変更調整位置側が下部位置となるように立てて配置され、緑化容器の開口面の角度が斜め上向きとなるように設定されており、緑化容器には、上部側の緑化容器の重力水を下部側の緑化容器の植物培地に向けて流下させる通水孔が設けられた構成とすることにより、通水孔を介して上段側の緑化容器へ給水するだけで下段側の緑化容器にも給水することができ、降雨の利用や上方側のみに給水装置を設置するだけの簡単な構成だけでも効率よく給水して緑化植物を維持することができる。
【0024】
また、通水孔は、仕切り壁の立設端部と略同じ深さ位置に設定された構成とすることにより、仕切り壁による緑化容器内部の保水及び流水の条件と略同じ条件で通水孔を介して保水、流水を行なうことができ、植物培地全体で略均一に保水されて、緑化植物を略均一に生育できる。
【0025】
さらに、本発明の緑化ユニット装置を用いた緑化構造によれば、緑化部が構造体の外壁部であり、緑化容器の開口面の角度の変更調整位置側が下部位置となるように枠体を立てて外壁部前面側に固定させ、角度調整係止手段を介して枠体の内孔端面に対する緑化容器の開口面の角度を斜め上向きとなるように設定させてなる構成とすることにより、緑化部が構造体の外壁部の場合に、緑化容器内部の植物培地が落下することなく、しかも、培地の保水並びに緑化植物を維持できる構成を具体的に実現することができる。同時に、緑化ユニット装置を製造しておくことで、枠体を介して運搬して、該外壁部に取り付けることができるので、施工性がよく、効率良く緑化施工を行なえる。さらに、構造体の外壁部がほとんど露出しないようにユニット装置を並べて施工することで、良好な景観を得ることができる。
【0026】
さらに、本発明の緑化ユニット装置を用いた緑化構造によれば、緑化部が構造体の屋根又は屋上部であり、枠体を屋根又は屋上部と平行な状態で固定させ、角度調整係止手段を介して枠体の内孔端面と緑化容器の開口面とを概略面一状となるように設定させてなる構成とすることにより、緑化部が構造体の屋根又は屋上部の場合でも同様に、緑化ユニット装置を製造しておくことで、枠体を介して運搬して、該構造体に取り付けることができるので、施工性がよく、効率良く緑化施工を行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下添付図面を参照しつつ本発明の緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の外面の緑化構造を説明する。本発明の緑化ユニット装置は、緑化容器と、枠体と、角度調整係止手段と、を含み、例えば、建造物の屋根、屋上部又は外壁部等の構造体に、水平部分、鉛直部分、傾斜部分等場所を問わず枠体を介して取り付けられ該構造体を簡易に緑化することができるものである。
【0028】
図1ないし図8は、本発明の緑化ユニット装置の一実施形態を示している。図1、図2に示すように、本実施形態において、緑化ユニット装置10は、緑化容器12と、枠体14と、角度調整係止機構16と、を有している。
【0029】
緑化容器12は、図1、図4、図7に示すように、底壁13と4周側壁15a〜15dとを有し、該底壁13と側壁とにより植物培地22を収容する収容空間18を形成しつつ一面を開口19した、有底箱型容器である。緑化容器12は、例えば、硬質プラスチックの合成樹脂で一体成型されており、平面上に横置きした状態で、縦、横、高さが約100cm、約50cm、約10cm程度の一方に長く底の浅い略矩形トレイ状の収容ケースとなっている。なお、緑化容器12の形状大きさは任意でよく、例えば、外観が立体三角形状、立体四角形状、その他任意の立体多角形状、あるいは円筒状、楕円筒状、その他任意形状の有底箱型容器でもよい。また、例えば、開口面形状が三角形、正方形、台形、五角形以上の多角形、それらの角丸形状、円形、楕円形、長丸、その他の形状となるものでもよい。本実施形態では、緑化容器の4周側壁の高さは一定に設定されており、該側壁上端側で形成される開口面Fが底壁13と平行に設けられている。さらに、緑化容器12の4周側壁15a〜15dの上端側には開口の全周縁にわたり外側に向けて広がったつば部20が設けられている。緑化容器12の収容内部18には、後述する保水用の仕切り壁26が立てて設けられている。緑化容器12内に収容される植物培地22としては、保水性・通気性のある軽量土壌が好適であり、本実施形態では、例えば、醗酵処理した植物繊維質材や土、及び土壌流出防止剤等を混合したものからなる。植物培地22に生育される緑化植物24としては、例えば、芝やセダム、その他の草花類、苔類等の比較的丈が低く群生して培地全面を覆うような植物からなり、製造時に植物培地中に種子等を混合させて、又は製造後に種子を蒔いて生育される。なお、緑化容器12内に植物培地を収容した後に、ある程度生長したものを敷設してもよい。また、本実施形態では、1つの緑化ユニット装置10に4個の緑化容器12を有しており、開口面Fの長辺191、192が互いに隣接するように列状配置された状態で枠体14に支持されている。
【0030】
枠体14は、図1、図2、図3に示すように、緑化容器12を囲むように枠内配置して該緑化容器12を支持する支持枠である。本実施形態における具体的な緑化容器12の枠体14への支持構成としては、後述の角度調整係止機構16を構成する第1、第2軸支部により構成されている。本実施形態では、枠体14は、列状に配置された4個の緑化容器12をまとめて枠内配置させる平面視横長矩形状の一体枠からなり、例えば、断面C形又は矩形状の強度のある鋼材等からなる枠部材141〜144を4周枠状に組み付けて中央に該緑化容器12を収容する内孔を囲み形成するように設けられている。枠体14を介して複数の緑化容器を1ユニット化することにより、容易に構造体の緑化場所に持ち運ぶことができると同時に、該枠体14を介して構造体に対して取り付けることで、緑化容器の開口面面積×個数分、例えば、本実施形態では、約100cm×約50cm×4の領域を緑化することができる。よって、例えば、従来のように面積の小さな緑化ユニットを1個ずつ配置させるものと比較して施工性が良く、緑化施工作業を省力、短期間で行うことができる。なお、枠体を構成する枠部材は、緑化容器を支持するのに十分な強度のあるものであればよく、断面形状がI形、H形、L形等その他任意形状の金属製、合成樹脂製等のものでもよい。図2、図7において、枠体14は、各緑化容器12の開口面Fが上向きで、枠体14の枠部材上縁部分で形成される内孔端面Gと概略面一状になるように支持しているが、図8に示すように角度調整係止機構16を介して、該開口面の角度を変更した状態でも緑化容器を支持する。なお、本実施形態では、枠体14の内孔端面Gより緑化容器12の開口面Fが若干段下がり状に配置された構成であるが、本形態とは逆に開口面Fが内孔端面Gより段上がり状に(図2上、上方向に)突出した構成でもよく、或いは、内孔端面Gと開口面Fとが略完全に面一となるように設けてもよい。図3に示すように、枠体14の長手方向の枠部材141,142には、複数の軸孔34,44が、該長さ方向に沿って直線上に所定間隔で設けられており、それぞれ第1、第2軸支部28,40の構成要素となっている。
【0031】
角度調整係止機構16は、枠体14の内孔端面Gに対して緑化容器12の開口面Fを所要の角度に変更調整し、かつその変更位置で枠体14に対して緑化容器12を係止保持させる角度調整係止手段である。さらに言い換えると、角度調整係止機構16は、各緑化容器12の開口面の枠体14の内孔端面に対する角度調整手段であるとともに各緑化容器12の枠体14に対する係止手段である。本実施形態では、図7、図8に示すように、角度調整係止機構16は、緑化容器12の開口面Fの対向する長辺191,192側(長辺側壁15a,15b側)の部位で該緑化容器12と枠体14とを係止させる構成となっている。詳細には、角度調整機構16は、緑化容器12の開口面の一の長辺側191を枠体14に対して軸支する第1軸支部28と、該開口面の他の長辺側192を枠体14に対して係止させる調整係止部30と、を有している。そして、第1軸支部28を介して緑化容器12の開口面Fの他の長辺192側を一の長辺191側軸周りに回動させることにより枠体14の内孔端面Gに対する緑化容器の開口面Fの角度を変更調整するとともに、調整係止部30により所要の回動位置で枠体に対して緑化容器12を係止保持させる。
【0032】
さらに詳細には、図5、図7、図9に示すように、第1軸支部28は、本実施形態では、緑化容器12に固定された第1軸孔筒32と、枠体14に設けられた第1軸孔34と、第1軸孔筒32と第1軸孔34とを嵌通する第1ロッド36と、を含む。第1軸孔筒32は、例えば、緑化容器12の開口面の一の長辺191に対応する長辺側壁15aの外側の上端側(開口側)に該長辺側壁15aに一体的に設けられた略円管状の筒部で形成されており、その軸孔が開口面の向きと直交しつつ該開口面の長辺191と平行方向に設定されている。第1軸孔34は、本実施形態では、枠部材の長手方向に長く設けられた長孔からなり、枠体の内孔に配置される緑化容器に設けられた第1軸孔筒32と対応する位置に穿孔されている。第1ロッド36は、例えば、第1軸孔筒の内径と略同じ外径となる断面円形の金属製ロッドからなり、両端側に雄ねじ部37が形成されている。第1ロッド36は、図9に示すように、第1軸孔筒32の軸孔と枠体の第1軸孔34とを略軸芯合わせした状態で、該第1軸孔筒と枠体とを串刺しするように嵌挿されて、両端側の雄ねじ部37に枠体の両外側からナット38を締め付け固定して支持される。第1ロッド36は、ナットを緩めた状態では、該第1軸孔の長孔に沿って移動できるようになっている。
【0033】
調整係止部28は、図6、図7、図9に示すように、本実施形態では、上記第1軸支部と略同じ軸支構成で2つの軸孔筒を有する構成となっており、緑化容器12に固定された2つの第2軸孔筒42、43と、枠体に設けられた第2軸孔44と、第2軸孔筒42(43)と第2軸孔44とを嵌通する第2ロッド46と、を含む第2軸支部40を有している。2つの第2軸孔筒は、緑化容器12の他の長辺192側に対応した長辺側壁15b側であって該緑化容器の深さ方向に互いに離隔した位置に一体的に形成されている。本実施形態では、第2軸孔筒は、該長辺側壁15bの上端側(開口側)に配置された開口側第2軸孔筒42と、該長辺側壁15bと底壁との略隅部位置に配置された底側第2軸孔筒43と、からなる。開口側第2軸孔筒42と、底側第2軸孔筒43と、のいずれか一方の軸孔筒を選択して係止することにより、緑化容器の開口面の角度が変更調整された状態で枠体14に対して緑化容器12を係止保持する。第2軸孔筒42、43の軸孔は、第1軸孔筒の軸孔と平行方向に設定されている。枠体14の第2軸孔44は、第1軸孔同様に、枠部材の長手方向に長く設けられた長孔からなり、枠体14の内孔に配置される緑化容器12の第2軸孔筒42(又は43)と対応する位置に穿孔されている。第2ロッド46は、図9に示すように、開口側第2軸孔筒42又は底側第2軸孔筒43のいずれか一方の軸孔と枠体14の第2軸孔44とを略軸芯合わせした状態で、該第2軸孔筒と枠体とを串刺しするように嵌挿されて、両端側の雄ねじ部47に枠体の両外側からナット48を締め付け固定して係止される。第2ロッド46は、ナットを緩めた状態では、該第2軸孔の長孔に沿って移動できるようになっている。
【0034】
上記のように第1、第2軸支部28、40を構成することにより、図7に示すように、第1軸支部28側を軸支した状態で、第2軸支部40側において、開口側の第2軸孔筒42と第2軸孔44とを位置合わせして第2ロッド46を嵌挿することで、緑化容器12の開口面Fは枠体14の内孔端面Gと概略面一に(例えば、開口面と内孔端面の角度が0度)に係止される。第2軸支部40側の第2ロッド46を枠体の第2軸孔44及び緑化容器12の第2軸孔筒42に対して着脱可能となっており、該第2ロッドを離脱させると、第1軸支部28により、第1ロッド36を軸として緑化容器12を自在に軸周り回動できる。図8に示すように、第2軸支部40側で、底側の第2軸孔筒43と枠体の第2軸孔44とを位置合わせして第2ロッド46を軸孔の貫通方向に嵌挿すると、緑化容器の開口面Fは枠体の内孔端面Gに対して角度θで係止される。
【0035】
これにより、例えば、図11に示すような建造物の勾配屋根R等の傾斜面に枠体14を取り付ける際には、第2軸支部40側では開口側第2軸孔筒42が選択されて、緑化容器12の開口面Fは枠体14の内孔端面Gと概略面一にした状態で配置される。他方では、例えば、図13に示すように、建造物の外壁部W等の鉛直面に枠体を取り付ける場合には、開口面の角度の変更調整部となる第2軸支部40側が下部位置となるように、すなわち、回動軸となる第1ロッド36が水平横方向に設定されるように、枠体14が立てて配置される。そして、第2軸支部40側では、底側第2軸孔筒43が選択されて、緑化容器から培地が落下しないように該開口面Fが枠体14の内孔端面Gに対して角度θとなり斜め上向きとなるように設定される。なお、本実施形態では、枠体に設けられた第1、第2軸孔34,44は長孔からなるので、例えば、緑化容器12の開口面Fを枠体14の内孔端面Gと概略面一にした状態で係止支持する際には、緑化容器のつば部20が互いに密着するように配置させるとよい。これにより、枠体を屋根部等に固定する際に上部側から下部側の緑化容器に水が流れて全体を簡便に給水することができる一方、緑化容器12の開口面の角度を変更調整する際には、第1、第2ロッドの貫通位置をずらすことができ、隣接する緑化容器12の間隔に余裕を持たせて容易に角度調整作業を行うことができる。さらに、第1軸支部28側の第1ロッド36も枠体の第1軸孔34及び緑化容器の第1軸孔筒32に対して着脱可能となっており、第1、第2軸支部28,40ともに、第1、第2ロッド36,46を挿脱させることで、緑化容器12を枠体14に対して着脱させることができる。これにより、屋根部や外壁部等の緑化する構造体に枠体14を取り付けた状態でも必要に応じて各緑化容器12ごとに取り外して交換やメンテナンス等を行うことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、第2軸支部40側の第2軸孔筒が複数設けられることで角度の変更調整部の具体的な構成しているが、これに限らず、例えば、第2軸孔筒は1個の構成で、枠体側の第2軸孔を複数配置させ、いずれかの第2軸孔と第2軸孔筒とを位置合わせして第2ロッドを嵌挿することにより、開口面の角度調整を行えるように構成してもよい。また、調整係止部は、第2軸支部構成に限らず、開口面の所要角度(回動位置)で係止保持する構成であれば任意でよく、例えば、緑化容器12の開口面の他辺側と枠体14との間に渡設状に配置されて端部を係止する棒部材や板部材等を有するスタンド構成でもよい。また、角度調整係止機構16は、第1、第2ロッド36、46を緑化容器12に固定して、枠体14に設けた軸孔に該第1、第2ロッドの端部をそれぞれ係止させる構成としてもよい。その際、枠体に設ける軸孔を長孔に設けたり、枠体に該軸孔の貫通方向と直交方向に軸孔に連通する通路等を設けたりしておくと緑化容器12を枠体14に対して着脱しやすい。また、角度調整係止機構16は、例えば、図16に示すように、上記のような軸孔筒32、42,43の代わりにロッドを受ける受凹部を有するフック部56を緑化容器12の外部側に設けた構成でもよい。フック部構成とした場合、該フック部の受凹部に横からロッドを挿脱できるように連通させる着脱間隙部54とを介してロッド36,46に対して着脱が行なえるので、上記のような軸孔筒の構成と比較して緑化容器の着脱や角度調整操作が容易に行なえる。また、例えば、緑化容器12の外部側にブラケットを設けて、該ブラケットと枠体14とをロッド又はボルトナットを介して連結するようにしてもよい。この際、ボルトナット連結位置を変更して、緑化容器の開口面の角度を変更調整するとよい。また、角度調整係止機構16は、緑化容器の開口面の対向する辺側にそれぞれ第1軸支部、調整係止部を設けるものに限らず、例えば、平面視で開口面を横切るような位置の底壁又は4周側壁の任意の位置で枠体に軸支される構成としてもよい。なお、枠体の軸孔を長く形成してロッドを軸孔内でスライド移動させてその係止位置を変更調整できるようにしてもよい。
【0037】
図4、図7に示すように、緑化容器内部に設けられた仕切り壁26は、本実施形態では、底壁13から開口側に向けて該底壁13に対して垂直に突設して設けられている。仕切り壁26は、4周側壁より低い高さに設定されており、本実施形態では、その突設端部が緑化容器12の収容内部の深さの略半分となっており、該緑化容器に収容される植物培地内に埋没されるように設けられている。この仕切り壁26は、図13、図15に示すように、第2軸支部40側を下部位置として枠体14を屋根部や外壁部等の緑化部分に取り付けられて緑化容器12の開口面Fを斜め上方向となるように緑化容器が傾斜された状態で配置される際に、該緑化容器12の傾斜方向に対して直交方向となるに配置されている。この仕切り壁26は、緑化容器12の収容内部の底壁13側を傾斜方向に複数の位置で仕切りつつ開口側は連通させており、傾斜方向の複数位置で段階的に水を保持する保水手段となっている。本実施形態では、緑化容器12の長辺側壁15a,15bと平行に複数(図上、3個)設けられており、傾斜方向に複数(図上、4個)の保水部を形成している。例えば、緑化容器の傾斜上方位置側から雨水や図示しない給水装置により給水されると、仕切り壁内側に所定量の水が保水されるとともに、矢視X1に示すように仕切り壁の突設端部から溢流状に流れていき、下方側に向けて順に保水される。これにより、緑化容器が傾斜状態であっても、例えば重力水等の植物培地22中の水が、早期に傾斜下部側(第2軸支部40側)に移動してしまうのを良好に防止し、傾斜上方位置から下方位置にかけて培地22全体がほぼ均一な保水状態で保持されることとなり、緑化植物24を略均一に生育することができる。また、仕切り壁26は、水だけでなく植物培地の傾斜方向への移動を規制しつつ、緑化植物24の根の活着を良くさせることで、該植物培地22の容器外側への流出を防止できる。
【0038】
さらに、図4、図9に示すように、緑化容器12の開口面の他の長辺192側に対応する長辺側壁15bには、該長辺側壁15bを貫通する複数の通水孔50が設けられている。例えば、図14、図15に示すように、第2軸支部40側が下部位置となるように枠体14が立てて配置され、角度調整係止機構16を介して緑化容器12の開口面Fが斜め上向きに設定された際には、各緑化容器12が段状に傾斜して配置されることにより、各緑化容器12の開口の下部側縁部は、略鉛直面状に揃うこととなる。よって、雨水や図示しない給水装置により装置上方側から給水されても、該緑化容器の開口の下部側縁部から水を流出させる構成では、下部側の緑化容器の植物培地に水が流下することがなく、緑化容器ごとの給水が必要となり給水構成が煩雑となるおそれがある。本実施形態では、枠体を立てた状態での緑化容器12の下部位置となる長辺側壁15bに通水孔50を設けることで、図15の矢視X2に示すように、該通水孔50を介して上段側の緑化容器12内の重力によって植物培地中を自由に移動する重力水を下段側の緑化容器12の植物培地に向けて流下させることができる。よって、上段側の緑化容器12へ給水するだけで下段側の緑化容器12へも給水することができ、降雨の利用や上方側のみに給水装置を設置するだけの簡単な構成で効率よく全体に給水を行うことができる。本実施形態では、通水孔50は、仕切り壁26の突設端部の高さと略同じ高さとなるような長辺側壁15bの深さ位置に設定されている。これにより、緑化容器の内部の仕切り壁と長辺側壁15bとの間に形成される部位でも該仕切り壁26で形成される部位と略同じ条件で保水及び流水することができ、植物培地の湿潤条件を略均一に保持できる。なお、通水孔50からの排出水は、例えば、該通水孔から直接に、又は側壁15bの外面に沿った後に下部側の緑化容器の植物培地上に流下する。
【0039】
上記のように構成される緑化ユニット装置10は、例えば、工場等で緑化植物の種子を混合した植物培地を収容した緑化容器12と、枠体14と、をそれぞれ製造し、角度調整係止機構16を構成する第1軸支部28、第2軸支部40を介して、枠体14に緑化容器12を支持させる。この際、第2軸支部は開口側第2軸孔筒42側を枠体14の第2軸孔44と位置合わせして第2ロッド46で嵌挿しており、開口面と内孔端面とが概略面一状に設定している。そして、図10に示すように、例えば、緑化ユニット装置10を、床F上に対向配置した長尺の鋼材からなる支持材60を介して水平になるように並べて配置させた状態で、所要期間水撒き等管理しながら緑化植物を生育する。緑化植物24がある程度生長して状態で出荷され、ユニットごとに枠体14を介して持ち運びし、該枠体14を介して構造体の緑化する部分に容易に取り付けることができる。
【0040】
図11、図12、図13に示すように、本実施形態に係る緑化ユニット装置10を用いて、例えば、勾配して構築された折版屋根Rや波型スレート屋根等の傾斜屋根面上を緑化施工する場合には、予め緑化ユニット装置10の上記のように角度調整係止機構16を介して緑化容器12の開口面Fと枠体14の内孔端面Gとを概略面一状に設定した状態で係止しておく。そして、折版屋根R上に、複数の固定用桟部材100を屋根の流れと直交方向に所定の間隔ごとに離隔しながら配置し、該枠固定桟部材62と折版屋根とを屋根を貫通するボルト等を介して固定する。折版屋根Rに固定した枠固定桟部材62上に枠体14を緑化容器12の開口面を上向きとしつつ該枠体の長手方向が折版屋根の流れ方向となるように配置させ、該枠体14を折版屋根Rと平行にした状態でボルトナット等により固定する。なお、枠固定桟部材62は、例えば、屋根上に取り付けられる既設の太陽光発電設備や温水設備等を支持する固定用桁材等を利用しても良い。その際、作業の省力化、短縮化、及びコスト低減を図ることができる。このようにして緑化ユニット装置10を折版屋根上に縦横に並べて配置させて、折版屋根を面状に緑化した屋根部の緑化構造100aが構築される。なお、枠固定桟部材62を介さず枠体14を折版屋根Rにボルトナットを介して固定する構成としてもよい。さらに、例えば、同緑化ユニット装置10を用いてコンクリート製ビルディングの屋上部、ベランダ等の水平面を緑化する場合も同様に、屋上部等の水平面に枠体を平行になるように緑化ユニット装置を並べて配置させることで屋上部の緑化構造を構築することができる。
【0041】
一方、図14、図15に示すように、同緑化ユニット装置10を用いて、例えば、ビルの外壁部W等の鉛直面を緑化施工する場合には、緑化ユニット装置10は、第2軸支部40側が下部側となるように枠体14を立てた状態で、外壁部Wの前面側に固定される。この際、上記のように角度調整係止機構16を介して、緑化容器の開口面Fは枠体の内孔端面Gに対してθの角度をつけて係止支持させて(図6参照)、開口面Fが斜め上向きとなるように設定される。枠体14を外壁部に固定する際には、例えば、外壁部Wの前面側に枠固定桟部材64をその長手方向が水平方向になるように配置させてボルト等で固定し、該枠固定桟部材64に枠体をボルトナット等を介して固定される。緑化ユニット装置10を外壁部全面側に縦横に並べて配置させて、外壁部Wを略面状に緑化した外壁部の緑化構造100bが構築される。
【0042】
以上説明した本発明の緑化ユニット装置及びそれを用いた構造体の緑化構造は、上記した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明の緑化ユニット装置及び構造体の緑化構造は、例えば、ビル、マンション、工場、体育館、学校、公共施設、その他の建造物の折版屋根や波型スレート屋根等を含む勾配屋根部、屋上部、外壁部、又はひな壇式の花壇や擁壁等を緑化するのに有効に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る緑化ユニット装置の平面説明図である。
【図2】図1の緑化ユニット装置の側面拡大図である。
【図3】枠体の側面図である。
【図4】緑化容器の一部切欠斜視説明図である。
【図5】図1のA−A線断面説明図である。
【図6】図1のB−B線断面説明図である。
【図7】図1のC−C線断面の1つの緑化容器部分の拡大図である。
【図8】角度調整係止手段の作用説明図である。
【図9】角度調整係止手段を介して緑化容器を枠体に支持させる状態を示す一部の分解斜視説明図である。
【図10】図1の緑化ユニット装置の製造時に植物を生育する際の説明図である。
【図11】緑化ユニット装置を折版屋根上に装置した状態及び緑化構造の概略を示す斜視説明図である。
【図12】図10の一部断面説明図である。
【図13】図11の一部拡大図及び作用説明図である。
【図14】緑化ユニット装置を構造体の外壁部に取り付けた状態及び緑化構造の概略を示す断面図である。
【図15】図14の一部拡大図及び作用説明図である。
【図16】角度調整係止手段の他の形態の要部説明図である。
【符号の説明】
【0045】
10 緑化ユニット装置
12 緑化容器
14 枠体
16 角度調整機構
22 植物培地
26 仕切り壁
28 第1軸支部
30 調整係止部
32 第1軸孔筒
34 第1軸孔
36 第1ロッド
40 第2軸支部
42,43 第2軸孔筒
44 第2軸孔
46 第2ロッド
50 通水孔
100a 屋根部の緑化構造
100b 外壁部の緑化構造


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面を開口した有底箱型容器であり、内部に植物培地を収容した緑化容器と、
緑化容器を囲むように枠内配置しその内孔端面を緑化容器の開口面と概略面一状に支持する枠体と、
枠体の内孔端面に対して緑化容器の開口面を所要の角度に変更調整し、かつその変更位置で枠体に対して緑化容器を係止保持させる角度調整係止手段と、を有することを特徴とする緑化ユニット装置。
【請求項2】
角度調整係止手段は、緑化容器の開口面一辺側を枠体に軸支し、緑化容器の開口面対向他辺側を一辺側軸周りに回動させることにより枠体の内孔端面に対する緑化容器の開口面の角度を変更調整するものであることを特徴とする請求項1記載の緑化ユニット装置。
【請求項3】
枠体は、複数の緑化容器を列状に配備させた一体枠からなることを特徴とする請求項1または2記載の緑化ユニット装置。
【請求項4】
角度調整係止手段は、緑化容器の開口面一辺側を枠体に軸支する第1軸支部と、
緑化容器の開口面対向他辺側を一辺側軸周りに回動させて所要の回動位置で枠体に対して緑化容器を係止させる調整係止部と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の緑化ユニット装置。
【請求項5】
調整係止部は、緑化容器又は枠体側に取り付けた軸孔に軸を嵌挿させて緑化容器の開口面対向他辺側を支持する第2軸支部を含み、第1、第2軸支部はそれぞれ枠体並びに緑化容器に対して着脱可能となっていることを特徴とする請求項4記載の緑化ユニット装置。
【請求項6】
第1軸支部及び/又は第2軸支部は、緑化容器に固定された軸孔筒と、
該軸孔筒と枠体の軸孔とを位置合わせした状態で嵌挿するロッドと、を含む請求項5記載の緑化ユニット装置。
【請求項7】
緑化容器の内部には、保水用の仕切り壁が立てて設けられた請求項1ないし6のいずれかに記載の緑化ユニット装置。
【請求項8】
枠体は緑化容器の開口面の角度の変更調整位置側が下部位置となるように立てて配置され、
緑化容器の開口面の角度が斜め上向きとなるように設定されており、
緑化容器には、上部側の緑化容器の重力水を下部側の緑化容器の植物培地に向けて流下させる通水孔が設けられた請求項1ないし7のいずれかに記載の緑化ユニット装置。
【請求項9】
通水孔は、仕切り壁の立設端部と略同じ深さ位置に設定されたことを特徴とする請求項8記載の緑化ユニット装置。
【請求項10】
緑化部が構造体の外壁部であり、
緑化容器の開口面の角度の変更調整位置側が下部位置となるように枠体を立てて外壁部前面側に固定させ、
角度調整係止手段を介して枠体の内孔端面に対する緑化容器の開口面の角度を斜め上向きとなるように設定させてなる請求項1ないし9のいずれかの装置を用いた構造体の外面の緑化構造。
【請求項11】
緑化部が構造体の屋根又は屋上部であり、
枠体を屋根又は屋上部と平行な状態で固定させ、
角度調整係止手段を介して枠体の内孔端面と緑化容器の開口面とを概略面一状となるように設定させてなる請求項1ないし9のいずれかの装置を用いた構造体の外面の緑化構造。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−151429(P2007−151429A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−348635(P2005−348635)
【出願日】平成17年12月2日(2005.12.2)
【出願人】(505447607)ユニットグリーン産業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】