説明

縦形製袋充填包装機及び製袋充填包装方法

【課題】 扁平なトップシール及び両側の折込み部間に亘るボトムシールを有するガセット袋を綺麗な形状にて高速で製造可能な縦形製袋充填包装機及び製袋充填包装方法を提供する。
【解決手段】 縦形製袋充填包装機は、フィルム筒を角筒RCに成形する角筒成形ガイド14と、折込み部GSを形成するのに先立って、角筒RCの両側面に折込み部GSの下端をそれぞれ規定する一対の切れ目80を形成する切れ目カッタ12と、切れ目80よりも上側の角筒RCの部位に突き込まれて折込み部GSを形成可能な一対の折込みガイド20,22と、折込み部GSが形成された角筒RCにおける切れ目80よりも下側の部位にトップシールTSを形成し且つ上側の部位にボトムシールBSを形成可能な一対のヒータブロック26と、ボトムシールBSとトップシールTSとの間を切れ目80間に亘り分断する切断ナイフとを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルム材から被包装物が充填された包装袋を製造する縦形製袋充填包装機及び製袋充填包装方法に係わり、より詳しくは、包装袋として扁平なトップシールを有したガセット袋を製造する縦形製袋充填包装機及び製袋充填包装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
包装袋にはその両側にガセット(折込み部)を形成したガセット袋があり、粉状物の包装に適したガセット袋として、扁平なトップシールを有するガセット袋が知られている。
特許文献1は、この種のガセット袋を順次製造する縦形製袋充填包装機を開示しており、この包装機によれば、先ず、製袋チューブの回りにフィルム材を筒状に成形した後、フィルム材の両側縁を縦シールしてフィルム筒を形成する。フィルム筒は、その内周面に裏板を宛がわれて角筒に成形され、得られた角筒に両側から縦板が突き込まれるが、このとき角筒の下端はフリー状態にあり、角筒の両側に折込み部が形成される。この後、角筒の下端には横シーラにより折込み部間に亘るボトムシールが形成され、このボトムシールよりも上方の角筒内部に製袋チューブを通じて被包装物が充填される。そして、角筒には、充填された被包装物よりも上方の部分に横シーラにより扁平なトップシールが形成され、このトップシールよりも上方にて角筒を切断することで、1個のガセット袋が製造される。
【特許文献1】特許第2673246号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来技術の縦形製袋充填包装機には、トップシール及びボトムシールを同時ではなく別々に形成するため、包装袋の製造速度が遅いという問題がある。
また、この包装機には、縦板を角筒に突き込んだときに、角筒の下端がフリー状態にあるため、形成された折込み部に皺が寄り、折込み部やボトムシールの形状が綺麗にならないという問題がある。
【0004】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、扁平なトップシール及び両側の折込み部間に亘るボトムシールを有するガセット袋を綺麗な形状にて高速で製造可能な縦形製袋充填包装機及び製袋充填包装方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明によれば、扁平なトップシール及び両側の折込み部間に亘るボトムシールを有し、内部に被包装物を収容した包装袋を順次製造する縦形製袋充填包装機において、上下方向に延びる製袋チューブを有し、前記製袋チューブの回りにてフィルム材を筒状に成形するとともに前記フィルム材の両側縁を縦シールし、得られたフィルム筒を前記製袋チューブの下方に繰出す筒形成手段と、前記製袋チューブの下方に設けられ、繰出された前記フィルム筒を下方に向けて案内しながら角筒に成形する角筒成形ガイドと、前記折込み部を形成するのに先立って、前記角筒の両側面に前記折込み部の下端をそれぞれ規定する一対の分離線を付与する分離線付与手段と、前記角筒成形ガイドの近傍に配置され、前記分離線よりも上側の前記角筒の部位に突き込まれて前記折込み部を形成する作動位置と前記角筒の通過を許容する待機位置との間を互いに逆向きに水平移動可能な一対の折込みガイドと、前記角筒成形ガイドよりも下方に配置され、前記折込み部が形成された前記角筒における前記分離線よりも下側の部位に前記トップシールを形成し且つ上側の部位に前記ボトムシールを形成する閉位置と前記角筒の通過を許容する開位置との間を前記折込みガイドの移動方向とは直交する水平方向に移動可能な一対のヒータブロックと、前記ボトムシールよりも上方の前記角筒の部位に前記被包装物を充填する充填手段と、前記ボトムシールと前記トップシールとの間を、前記一対の分離線間に亘り分断する切断ナイフとを具備したことを特徴とする縦形製袋充填包装機が提供される(請求項1)。
【0006】
前記分離線付与手段は、前記一対の折込みガイドの上方に配置され、前記フィルム筒に前記分離線を形成可能な一対の切れ目カッタを含むことができる(請求項2)。
前記分離線は、前記製袋チューブに供給される前の前記フィルム材に形成された穿孔列からなってもよい(請求項3)。
前記角筒成形ガイドは矩形形状の下端面を有したガイド筒からなり、前記折込みガイドは水平な三角折込み板と垂直な補助折込み板とからなり、前記折込みガイド及び前記下端面は互いに協働し、前記角筒に前記折込み部を含む角底を形成してもよい(請求項4)。
【0007】
前記角筒成形ガイドは、夫々が前記角筒の稜線を規定し且つ前記角筒の前記両側面に略沿って弾性的に傾動可能な4本のガイドロッドからなり、前記折込みガイドは、前記閉位置にあるとき前記ガイドロッド間に突き込まれる垂直な縦板からなっていてもよい(請求項5)。
前記折込み部が形成されてから前記トップシールが形成されるまでの間に前記分離線の上方に配置され、前記分離線近傍に分布した前記被包装物の一部を吸引する吸引ノズルを更に有してもよい(請求項6)。
【0008】
また、上記した目的を達成するため、本発明によれば、扁平なトップシール及び両側の折込み部間に亘るボトムシールを有し、内部に被包装物を収容した包装袋を順次製造する製袋充填包装方法において、上下方向に延びる製袋チューブの回りにてフィルム材を筒状に成形するとともに前記フィルム材の両側縁を縦シールし、得られたフィルム筒を前記製袋チューブの下方に繰出すす筒形成工程と、繰出された前記フィルム筒を角筒に成形する角筒成形工程と、前記折込み部を形成するのに先立って、前記角筒の両側面に前記折込み部の下端をそれぞれ規定する一対の分離線を付与する分離線付与工程と、前記分離線よりも上側の前記角筒の部位に一対の折込みガイドを突き込み、前記折込み部を形成する折込み工程と、前記折込み部が形成された前記角筒における前記分離線よりも下側の部位に前記トップシールを形成し且つ上側の部位に前記ボトムシールを形成する横シール工程と、前記ボトムシールよりも上方の前記角筒の部位に前記被包装物を充填する充填工程と、前記ボトムシールと前記トップシールとの間を、前記一対の分離線間に亘り分断する切断工程とを具備したことを特徴とする製袋充填包装方法が提供される(請求項7)。
【発明の効果】
【0009】
本発明の請求項1及び請求項7の縦形製袋充填包装機及び製袋充填包装方法によれば、折込み部の下端を規定する分離線が予め形成された角筒に対し、分離線よりも上側の部位に折込みガイドが突き込まれ、この後、分離線の上下にボトムシール及びトップシールが同時に形成される。このため、この包装機及び包装方法によれば、先に得られる包装袋のトップシールと後に得られる包装袋のボトムシールとを別々に形成する従来技術に比べて、包装袋を高速にて順次製造することができる。
【0010】
また、この包装機及び包装方法では、トップシール及びボトムシールを同時に形成した後にトップシールとボトムシールとが分断されるので、従来技術の場合のように、折込まれる角筒の部位がフリー状態にはない。つまり、角筒に折込みガイドを突き込むときや、折込み部を形成した角筒の所定部位をヒータブロックにより挟み込むときに、被包装物を収容した角筒の部位が、折込まれる角筒の部位やヒートシールされる角筒の部位の下方に連なっている。このため、折込まれる角筒の部位やヒートシールされる角筒の部位に適度なテンションが加わり、角筒が綺麗に折込まれてヒートシールされる。従って、この包装機及び包装方法によれば、折込み部やトップシール及びボトムシールに皺が寄らず、綺麗な形状の包装袋を製造することができる。
【0011】
請求項2の縦形製袋充填包装機によれば、一対の折込みガイドの上方に分離線付与手段の一対の切れ目カッタを配置したことで、簡単な構成ながら、角筒の周方向でみて、分離線及び折込みガイドの周方向位置を互いに正確に一致させることができ、綺麗な折込み部を確実に形成することができる。
請求項3の縦形製袋充填包装機は、製袋チューブに供給されるフィルム材に予め分離線が付与されているので、簡単な構成を有する。
【0012】
請求項4の縦形製袋充填包装機によれば、綺麗な形状の角底を有した包装袋を高速で製造することができる。
請求項5の縦形製袋充填包装機によれば、両側面のそれぞれ一部が綺麗に2つ折りにされた包装袋を高速で製造することができる。
請求項6の縦形製袋充填包装機によれば、前記吸引ノズルが分離線近傍に分布している被包装物の一部を吸引して除去するので、トップシールが形成される角筒の領域から被包装物が除去され、トップシール内への被包装物の噛み込みが防止される。従って、この包装機によれば、トップシールのシール性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、一実施例の縦形製袋充填包装機により製造されるガセット袋GBを示しており、ガセット袋GBの内部には、被包装物CTとして、例えばコーヒ豆等の粒状物や粉状物が収容されている。ガセット袋GBはフィルム材Fからなり、ガセット袋GBの背面に沿って上下に延びる縦シールCSを有するとともに、上端に扁平なトップシールTSを有する。また、ガセット袋GBは下端に角底を有し、角底に沿うようにボトムシールBSが折込まれている。この角底は、フィルム材Fからなる角筒をその両側面から所定形状に折込んで折込み部GSを形成した後、これら折込み部GS間に亘るボトムシールBSを形成して成形される。更に、ガセット袋GBの上端近傍には、その内側にジッパZPが取付けられ、このジッパZPにより、トップシールTPを切断した後もガセット袋GBを密封可能である。なお、これらのシールCS,TS,BSは、いずれもヒートシールにより形成されている。
【0014】
図2は一実施例の縦形製袋充填包装機を概略的に示している。
縦形製袋充填包装機は、ウエブ状をなすフィルム材Fの供給手段と、供給手段により供給されたフィルム材Fから円筒状のフィルム筒を形成する筒形成手段を有する。
より詳しくは、供給手段は複数のローラRを有し、これらローラRはフィルムロールFRと筒形成手段の製袋チューブ2との間にフィルム材Fの供給経路を規定する。なお、供給経路の途中にはUチャンバ(図示せず)が設けられ、Uチャンバによりフィルム材Fのテンションが調整される。
【0015】
製袋チューブ2は垂直に設けられ、フィルム材Fは製袋チューブ2の上部に供給される。製袋チューブ2の上部にはフォーマ4が取り付けられ、フォーマ4は製袋チューブ2の上部を囲んでいる。フィルム材Fは、フォーマ4と製袋チューブ2との間を下方に向けて通過し、この通過の際に製袋チューブ2の回りにて丸められる。
製袋チューブ2の正面からみて左右両側には、一対のフィードベルト6がフォーマ4よりも下方に位置して配置されている。図2には、一方のフィードベルト6のみを図示したけれども、これらフィードベルト6はサクションベルトからなり、フィルム材Fを吸着した状態で間欠的に走行可能である。フィードベルト6の間欠的な走行に伴い、フォーマ4を通過する際に丸められたフィルム材Fが製袋チューブ2の外周面に沿って引き下され、引き下されたフィルム材Fは製袋チューブ2の回りにて円筒状に成形される。
【0016】
また、製袋チューブ2の正面側には、フォーマ4よりも下方に位置して縦シーラ8が配置されており、縦シーラ8と一対のフィードベルト6とでは、90°の角度を存して周方向位置が互いに異なる。縦シーラ8は、製袋チューブ2の回りにて円筒状に成形されたフィルム材Fの両側縁を縦シールし、これにより製袋チューブ2の回りに、縦シールCSを有した円筒状のフィルム筒が形成される。
【0017】
このようにして得られたフィルム筒は、一対のフィードベルト6の間欠的な走行に伴い、製袋チューブ2に沿って更に下方に向けて間欠的に繰出される。なお、縦シーラ8の下方には折込み片(図示せず)が配置され、折込み片は縦シールCSをフィルム筒に向けて折込む。
更に、製袋チューブ2の下端部の左右両側には、製袋チューブ2の径方向に互いに離間した一対の切れ目カッタ12が配置され、切れ目カッタ12の周方向位置は、フィードベルト6の周方向位置にそれぞれ一致している。これら切れ目カッタ12は、製袋チューブ2に対して水平方向に接離可能であり、製袋チューブ2に当接してフィルム筒に直線状の切れ目を形成する作動位置と、フィルム筒の通過を許容する待機位置との間を周期的に往復可能である。
【0018】
製袋チューブ2の下端には、フィルム筒を角筒に成形する角筒成形ガイドとして、ガイド筒14が同軸的に連なっている。図3に拡大して示したように、ガイド筒14は円形の上端と長方形の下端面とを有し、ガイド筒14の下端面と切れ目カッタ12との間の上下方向での距離は、ガセット袋GBの高さに略等しい。ガイド筒14は、その下端面の短辺を底辺とする二等辺三角形の一対の側面16を有し、これら側面16は、製袋チューブ2の周方向でみて、切れ目カッタ12と同じ周方向位置にそれぞれ位置付けられている。また、ガイド筒14の外周面は、下端面の長辺を底辺とする二等辺三角形の一対の前後面18と、これら前後面18と側面16との間に位置する曲面とを含む。
【0019】
フィルム筒は、ガイド筒14の外周面に沿って下方に繰出される際、これら前後面18及び側面16を介して角形の角筒に成形される。切れ目カッタ12によりフィルム筒に形成された切れ目は、角筒の側面にそれぞれ位置付けられ、角筒の側面を厚さ方向全体に亘り延びる。
なお、製袋チューブ2及びガイド筒14の内部には、図示しないけれども被包装物CTの供給経路が規定されている。この供給経路の入口にはホッパ10が取り付けられ、供給経路の出口はガイド筒14の下端面にて開口している。
【0020】
ガイド筒14の直下方には、製袋チューブ2の径方向に互いに離間した一対の三角折込み板20がそれぞれ水平に配置され、製袋チューブ2の周方向でみて、一対の三角折込み板20と一対の切れ目カッタ12とは周方向位置が一致している。三角折込み板20は切れ目カッタ12の移動方向と平行な水平方向にて移動可能であり、換言すれば、互いの間に位置した角筒の幅方向に移動可能である。三角折込み板20は、フィードベルト6による角筒の間欠的な繰出しに連動して、角筒の側面にその先端の三角形の部位がそれぞれ突き込まれる作動位置と角筒の通過を許容する待機位置との間を周期的に往復する。
【0021】
三角折込み板20の直下方には、製袋チューブ2の径方向に互いに離間した一対の補助折込み板22がそれぞれ垂直に配置され、製袋チューブ2の周方向でみて、一対の補助折込み板22と一対の三角折込み板20とは周方向位置が一致している。補助折込み板22も、三角折込み板20と同じようにその離間方向に水平移動可能であり、三角折込み板20の移動に連動して、角筒の側面中央にその先端の長方形の部位がそれぞれ突き込まれる作動位置と、角筒の通過を許容する待機位置との間を周期的に往復する。
【0022】
また、三角折込み板20の直下方には横シーラ24が配置され、横シーラ24は製袋チューブ2の径方向に互いに離間した一対のヒータブロック26からなる。ヒータブロック26も水平面内を互いに接離する方向に移動可能であるが、三角折込み板20の移動方向とヒータブロック26の移動方向とは互いに直交している。つまり、ヒータブロック26は、互いの間に位置した角筒の前後方向に移動可能である。ヒータブロック26は、三角折込み板20の移動に連動して、角筒をその前後から厚さ方向に挟み込み、挟み込んだ角筒の部位に横シールを形成する閉位置と、角筒の通過を許容する開位置との間を周期的に移動する。
【0023】
ここで、各ヒータブロック26は、スリットを介して上下に分離した2つのシール面28,30を有し、上側のシール面28により、順次製造される2つのガセット袋GBのうち後に得られるガセット袋GBのボトムシールBSが形成され、下側のシール面30により先に得られるガセット袋GBのトップシールTSが形成される。
なお、上側のシール面28の長さは、角筒の幅よりも僅かに長いが、下側のシール面30の長さよりも短い。このため、閉位置にヒータブロック26があるときに、ヒータブロック26間にはシール面28の側方且つシール面30の直上に空間が区画され、この空間は補助折込み板22の逃げを形成する。
【0024】
一方のヒータブロック26のスリット内には、他方のヒータブロック26に向けて突出可能な切断ナイフ32が収容され、切断ナイフ32は、ヒータブロック26が閉位置にあるときにそのスリットから突出し、ヒータブロック26に挟み込まれている角筒の部位を上下に切断可能である。つまり、互いに上下に連なるトップシールTPとボトムシールBSとを分断可能である。
【0025】
なお、この切断時、一方のヒータブロック26から突出した切断ナイフ32のエッジは、他方のヒータブロック26のスリットに受入れられる。また、切断ナイフ32の刃渡りは、ボトムシールBSの長さ、つまり角筒の幅よりも僅かに長いが、トップシールTSの長さよりは短い。
横シーラ24の下方にはジッパシーラ34が配置され、ジッパシーラ34は、トップシールTSの直下に位置するガセット袋GBの内側の部位にジッパZPを熱融着により固定する。より詳しくは、ジッパZPは互いに噛み合い可能な凹凸のジッパテープからなり、フィルム材Fが製袋チューブ2に供給されるよりも前に、互いに噛み合った状態にあるジッパテープの一方がフィルム材Fの所定部位に仮付けされる。ジッパシーラ34は、凹凸のジッパテープが一方のジッパテープを介して仮付けされているガセット袋GBの部位を、その外側から厚さ方向に挟み込むことで、ガセット袋GBの正面及び背面の内側に凹凸のジッパテープをそれぞれ熱融着させ、これによりジッパZPがガセット袋GBに本付けされる。
【0026】
そして、ジッパシーラ34の下方には、図示しないけれども、得られたガセット袋GBを包装機から搬出するための搬出経路が設けられている。
ここで、図4は、切れ目カッタ12をその移動手段とともに示している。この移動手段は角形のエアシリンダ36を有し、エアシリンダ36のシリンダチューブ38はブラケット40を介して包装機のフィードベルト6の取付けフレーム(図示せず)に支持されている。従って、製袋チューブ2の側方にフィードベルト6を配置するのと同時に、切れ目カッタ12も製袋チューブ2の側方に配置される。
【0027】
エアシリンダ36のピストンロッドの先端には取付け部材42が固定され、この取付け部材42を介して切れ目カッタ12はエアシリンダ36のピストンロッドに固定されている。圧縮空気の給排によりエアシリンダ36は伸縮し、これに伴い切れ目カッタ12はその作動位置と待機位置との間を移動する。ここで、取付け部材42は、エアシリンダ36のシリンダチューブ38の側面に摺接するガイド壁42aを一体に有し、切れ目カッタ12の移動は、シリンダチューブ38の側面により案内される。
【0028】
図5及び図6は、上述した横シーラ24の一対のヒータブロック26とともに、ヒータブロック26を移動させる移動手段としてのスライダクランク装置44を示している。クランク装置44は、ヒータブロック26の移動方向に互いに離間した一対のスライダ46を有し、一対のスライダ46の内側に一対のヒータブロック26が取付けられている。これらスライダ46の各々は、互いに平行な一対のサイドフレーム48により、ヒータブロック26の移動方向にて移動可能に支持される一方、揺動モータ50にクランク機構52を介して連結されている。揺動モータ50の作動に伴い、クランク機構52を介して一対のスライダ46は互いに接離し、もってヒータブロック26は、二点鎖線で示した閉位置と実線で示した開位置との間を移動する。
【0029】
図7は、上述した三角及び補助折込み板20,22とともに、これら折込み板20,22を移動させる移動手段としてのシリンダ装置54を示しており、シリンダ装置54はスライダクランク装置44のサイドフレーム48に固定された一対のシリンダユニット56からなる。一対のシリンダユニット56は、三角及び補助折込み板20,22の移動方向にて互いに離間し、これら折込み板20,22は一対のシリンダユニット56の内側に位置している。各シリンダユニット56は、角形のエアシリンダからなるメインシリンダ58を有し、メインシリンダ58のシリンダチューブ60がサイドフレーム48上に固定されている。これらメインシリンダ58は、圧縮空気の給排により、三角及び補助折込み板20,22の移動方向にて互いに逆向きに伸縮可能であるが、メインシリンダ58が伸長するとき、メインシリンダ58のピストンロッド62は、シリンダチューブ60の外端面から外側に向けて突出する。
【0030】
メインシリンダ58のシリンダチューブ60上には、メインシリンダ58のピストンロッド62に連結された移動ステージ64がそれぞれ配置され、メインシリンダ58の伸縮に伴い、移動ステージ64は三角及び補助折込み板20,22の移動方向に移動可能である。各移動ステージ64には支持棒66の根元が固定され、対をなすシリンダユニット56に向けて突出した支持棒66の先端に三角折込み板20が固定されている。
【0031】
また、シリンダ装置54は、それぞれが角形のエアシリンダからなる一対のサブシリンダ68を有する。サブシリンダ68のシリンダチューブ70は支持棒66の直下方に位置して移動ステージ64に固定され、これらサブシリンダ68は、圧縮空気の給排により、メインシリンダ58の伸縮方向と同一方向にて伸縮可能である。サブシリンダ68が伸長したときに、サブシリンダ68のピストンロッド72は、シリンダチューブ70の内端面から内側に向けて突出し、ピストンロッド72の先端に補助折込み板22が固定されている。
【0032】
なお、補助折込み板22の先端は、その移動方向でみて、サブシリンダ68が伸長したときに三角折込み板20の先端近傍に位置付けられ、サブシリンダ68が収縮したときに三角折込み板20の先端よりも移動ステージ64側に後退する。つまり、メインシリンダ58が伸長して三角折込み板20が作動位置にあるときでも、サブシリンダ68を収縮させることによって、補助折込み板22のみをヒータブロック26間の逃げまで移動させることができる。このため、三角折込み板20が作動位置にあるときにヒータブロック26を閉位置に移動させても、ヒータブロック26により補助折込み板22が挟み込まれることはない。
【0033】
また、再び図5を参照すると、スライダクランク装置44とシリンダ装置54との間にはカム機構が設けられ、カム機構は、ヒータブロック26の移動時期に対して、三角及び補助折込み板20,22の移動時期を調整する。
より詳しくは、カム機構は、カムとして、一方のスライダ46に固定された2つのカム板74を有するとともに、カムフォロアとして、移動ステージ64に固定されたローラ76を有する。カム板74のカム面74aは、三角折込み板20の移動方向にて互いに離間したローラ76に対し内側からそれぞれ当接可能であるとともに、一方のスライダ46の移動方向に対して傾斜しており、ローラ76同士を結ぶ直線上でみたカム面74a間の距離は、一方のスライダ46つまりカム板74が、2点鎖線で示したように他方のスライダ46に向けて移動するのに連れて徐々に短くなる。
【0034】
このカム機構によれば、メインシリンダ58を伸縮させるときに、カム面74aにローラ76が常に当接するようメインシリンダ58への空気の給排量を制御することで、スライダ46の位置に応じてメインシリンダ58の伸縮量が調整され、もって、ヒータブロック26の移動時期に対して三角及び補助折込み板20,22の移動時期が調整される。
以下、上述した縦形製袋充填包装機を用いてガセット袋GBを順次製造する工程を説明する。
【0035】
図8は、切断ナイフ32によりトップシールTPからボトムシールBSを切り離した後、下端にボトムシールBSが残った角筒RCをフィードベルト6の走行により所定長さだけ下方に繰出したときの状態を示している。なお、角筒RCを繰出すときには、切れ目カッタ12、三角折込み板20、補助折込み板22及びヒータブロック26はいずれも待機位置にある。
【0036】
繰出された角筒RCの両側面には、三角及び補助折込み板20,22を待機位置から作動位置に移動させることで、図9に示したように、三角及び補助折込み板20,22が突き込まれる。これら折込み板20,22の突き込みにより、ガイド筒14の下端面近傍に位置付けられた角筒RCの部位が折込まれるが、角筒RCの両側面には、矢印78で示した位置に切れ目カッタ12により切れ目80が形成されており、ガイド筒14の下端面の短辺と切れ目80との間に亘る角筒RCの部位が、角筒RCの幅方向内側に向けて折込まれる。
【0037】
より詳しくは、図10(a)中、一点鎖線及び二点鎖線は山折り線82a〜d及び谷折り線84a〜dをそれぞれ示している。山折り線82a,82bは、ガイド筒14の下端面の短辺及び長辺によりそれぞれ規定され、谷折り線84a,84bは、突き込まれた三角折込み板20の先端縁によりそれぞれ規定される。また、切れ目80の上縁の中央から上方に延びる谷折り線84dは、突き込まれた補助折込み板22の先端縁により規定され、谷折り線84dにより二等分された山折り線82cは、突き込まれた補助折込み板22の上端縁に沿うように折込まれる。つまり、三角及び補助折込み板20,22の突き込みは、山折り線82a,82bよりも下方の角筒RCの部位をガイド筒14の下端面に向けて引き上げ、山折り線82cは、山折り線82a及び谷折り線84a,bにより囲まれた三角形の領域に宛がわれるように折込まれる。なお、切れ目80の下縁の中央から下方には、山折り線82dが延びている。
【0038】
三角及び補助折込み板20,22の突き込みは、図10(b)に示したように、これら山及び谷折り線82a〜d,84a〜eに沿った角筒RCの折込みをもたらし、切れ目80の下側の角筒RCの部位を角筒RCの幅方向内側に折込むことなく、切れ目80よりも上側の角筒RCの部位のみが角筒RCの幅方向内側に向けて折込まれ、折込み部GSを含む角底が形成される。一方、補助折込み板22の突き込みは、角筒RCの側面を谷折り線84dに沿って2つ折りにすることから、切れ目80よりも上側の角筒RCの部位は、角筒RCの厚さ方向に潰れるように圧縮変形する。この圧縮変形に伴い、切れ目80よりも下側の角筒RCの部位は、角筒RCの幅方向でみて角筒RCの両側面から外側に向けて突出し、山折り線82dに沿って折込まれる。
【0039】
図11は、三角折込み板20がその作動位置に移動するのと同時かその直後に、横シーラ24のヒータブロック26がその閉位置に移動した状態を示しており、図11中、ヒータブロック26は一点鎖線で示されている。閉位置に移動したヒータブロック26は、ガイド筒14の下端面直下にて圧縮変形した角筒RCの部位を挟み込み、挟み込んだ角筒RCの部位をその全幅に亘りヒートシールする。このヒートシールにより、ガイド筒14の下端面と切れ目80との間にて圧縮変形した角筒RCの部位に、折込み部GS間に亘るボトムシールBSが形成されるとともに、切れ目80の下側にて圧縮変形した角筒RCの部位に扁平なトップシールTSが形成される。
【0040】
ただし、切れ目80の直上にボトムシールBSが形成されるため、ヒータブロック26が閉位置に位置付けられる直前に、シリンダ装置54のサブシリンダ68を収縮させ、圧縮変形した角筒RCの部位から補助折込み板22をその待機位置に向けて引き抜く。サブシリンダ68のみの収縮により引き抜かれた補助折込み板22は、ヒータブロック26間の逃げ、つまり、下側のシール面30の上方まで退避する。
【0041】
なお、図10(a)の山折り線82d及び谷折り線84cは、ヒータブロック26により挟み込まれることで綺麗に折込まれる。つまり、ヒータブロック26も、ガイド筒14の下端面、三角及び補助折込み板20,22と協働して角筒RCを折込む。
そして、トップシールTS及びボトムシールBSを形成した後、切断ナイフ32を一方のヒータブロック26から突出させ、ヒータブロック26により挟み込まれている角筒RCの部位を両側の切れ目80間に亘り切断する。この切断の後、ヒータブロック26を閉位置から開位置に移動させることで、図11の下段に示したように、トップシールTSを形成したばかりの1つのガセット袋GBがヒータブロック26から解放され、解放されたガセット袋GBは包装機の下方から搬出される。
【0042】
一方、1つのガセット袋GBを解放するのと同時に、ガイド筒14の回りには、下端にボトムシールBSを形成した角筒RCが残される。この残された角筒RCをフィードベルト6により繰出すことで、図8に示した状態が再現される。そして、引き続き図9及び11を用いて説明した工程を繰り返すことで、次のガセット袋GBを得ることができる。
なお、ガセット袋GBの被包装物CTは、ボトムシールBSを形成した後、角筒RCの両側面に三角折込み板20を突き込むまでの間に、ホッパ10、製袋チューブ2及びガイド筒14を通じて、ボトムシールBSよりも上側の角筒RCの部分に充填される。
【0043】
また、切れ目80は、角筒RCの両側面に三角折込み板20を突き込む直前までに、図8中の矢印78で示したように角筒RCの所定の部位に形成されていればよい。この包装機では、ボトムシールBS及びトップシールTSの形成時にフィードベルト6が停止することから、フィードベルト6が停止しているときに、切れ目カッタ12をその作動位置に移動させ、フィルム筒の両側に切れ目80が形成される。このため、ガイド筒14の下端面と切れ目カッタ12との間の上下方向での距離は、ガセット袋GBの高さに略等しく設定されている。
【0044】
ここで、図12には、図8,9及び11に示した各工程での角筒RC又はガセット袋GBの形状が包装機を除いた状態でそれぞれ示されており、切断ナイフ32によるトップシールTSとボトムシールBSとの間での切断位置は、切れ目80の位置に略一致させられている。このため、トップシールTSの上端縁においては、切断ナイフ32により裁断された部位の両側に、2つ折りにされた切れ目80の下縁がそれぞれ連なっている。
【0045】
なお、図8乃至12では、ボトムシールBSは角底に向けて折込まれていないが、ボトムシールBSは公知の手法により所望の時期に折込むことができる。
上述した縦形製袋充填包装機は、扁平なトップシールTSを有した角底のガセット袋GBの製造に用いられるが、この包装機によれば、折込み部GSの下端を規定する切れ目80が予め形成された角筒RCに対し、切れ目80よりも上側の部位に三角及び補助折込み板20,22が突き込まれ、この後、一対のヒータブロック26により切れ目80の上下にボトムシールBS及びトップシールTSが同時に形成される。このため、この包装機によれば、先に得られるガセット袋GBのトップシールTSと後に得られるガセット袋GBのボトムシールBSとを別々に形成する従来技術の包装機に比べて、ガセット袋GBを高速にて順次製造することができる。
【0046】
また、この包装機では、トップシールTS及びボトムシールBSを同時に形成した後にトップシールTSとボトムシールBSとが分断されるので、従来技術の場合のように、折込まれる角筒RCの部位がフリー状態にはない。つまり、角筒RCに三角及び補助折込み板20,22を突き込むときや、圧縮変形した角筒RCの部位をヒータブロック26により挟み込むときに、被包装物CTを収容した角筒RCの部位が、折込まれる角筒RCの部位やヒートシールされる角筒RCの部位の下方に連なっている。このため、折込まれる角筒RCの部位やヒートシールされる角筒RCの部位に適度なテンションが加わり、図10(a)に示した山及び谷折り線82a〜d,84a〜eに沿って、角筒RCが綺麗に折込まれてヒートシールされる。従って、この包装機によれば、ガセット袋GBにおいて折込まれた部位やトップシールTS及びボトムシールBSに皺が寄らず、綺麗な形状のガセット袋GBを製造することができる。
【0047】
更に、この包装機では、一対の三角折込み板20の上方に一対の切れ目カッタ12を配置したことで、角筒RCの周方向でみて、三角折込み板20及び切れ目80の周方向位置が正確に合致し、綺麗な折込み部GSを確実に形成することができる。
本発明は上述した一実施例に限定されることはなく、種々変形が可能であり、例えば、直線状の切れ目80に代えて、図13及び14に示したように、2つ以上の直線を組み合わせた谷形形状又は山形形状の切れ目86,88を形成してよい。また、切れ目の形状は曲線であってもよく、図15及び16に示したように、2つ以上の円弧を組み合わせた形状の切れ目90,92を形成してもよい。このように一実施例の包装機によれば、切れ目の形状を変えるだけで、種々の形状を有するガセット袋GBを容易に製造することができる。
【0048】
ここで、これらの切れ目86,88,90,92を形成した場合、2つ折りにされた切れ目86,88,90,92の下縁が水平ではなくなる。そこで、図13〜図16では、切断ナイフ32の切断位置は、各切れ目86,88,90,92の両端86e,88e,90e,92eの上下位置に略一致させられ、切断ナイフ32は、トップシールTSとボトムシールBSとの間を、2つ折りにされた切れ目86,88,90,92の下縁間を最短距離にて裁断する。
【0049】
なお、切断ナイフ32による切断位置は、2つ折りにされた切れ目86,88,90,92の下縁間を切断可能な範囲で、各切れ目86,88,90,92の両端86e,88e,90e,92eの上下位置からずれていてもよい。ただし、このように切断ナイフ32による切断位置がずれている場合、切断ナイフ32により裁断したときに、フィルム材Fの切れ端が発生することがあるため、フィルム材Fの切れ端が発生しないよう、切断ナイフ32による切断位置を各切れ目86,88,90,92の両端86e,88e,90e,92eの上下位置に略一致させるのが好ましい。
【0050】
また、上述した一実施例では、トップシールTSの下端縁は水平であったけれども、例えば、山形形状の切れ目88を形成した場合、図17に示したように、トップシールTSの長手方向でみて、トップシールTSの下端縁94がその端部に近付くに連れて位置が徐々に高くなっていてもよい。この場合、トップシールTSの下端縁94とガセット袋GBの側縁により、ガセット袋GBの上端角に略三角形の領域が区画される。この略三角形の領域を一点鎖線96で示した位置にて切断すれば、ガセット袋GBに、開口面積が小さく、例えばクリップ等により容易に閉塞可能な注ぎ口98を形成することができる。
【0051】
更に、上述した一実施例では切れ目80を形成したけれども、切れ目80に代えて、図18に示したように、三角折込み板20の突き込みにより破断可能な穿孔列99を形成してもよい。つまり、角筒RCの両側面に、三角折込み板20の突き込みにより、当該側面を上下に分離させる分離線を形成しておけばよい。なお、穿孔列99が所定間隔にて予め形成されたフィルム材Fを製袋チューブ2に供給すれば、切れ目カッタ12を省略することができるので好ましい。この場合、切れ目80とは異なり、穿孔列99はフィルム材Fの供給経路にてロールR等に引っ掛かることはなく、そして、穿孔列99を形成する際に万一切屑が生じたとしても、切屑がガセット袋GB内に混入するのが防止される。
【0052】
上述した一実施例では、切れ目カッタ12の移動手段や、メインシリンダ58及びサブシリンダ68にエアシリンダが用いられているが、エアシリンダに代えて油圧シリンダを用いてもよい。ただし、被包装物CTが食用品の場合、エアシリンダを用いるのが好ましい。
また、上述した一実施例では、スライダクランク装置44とシリンダ装置54との間にカム機構が設けられていたが、メインシリンダ58のエアシリンダを油圧シリンダに代えた場合、カム機構を省略してもよい。ただし、メインシリンダ58にエアシリンダを用いた場合には、エアシリンダの伸長量を圧縮空気の給排のみで正確に制御するのは困難であることから、カム機構を用いるの好ましい。すなわち、カム機構によれば、メインシリンダ58にエアシリンダを用いた場合でも、三角折込み板20が作動位置に位置付けられるよりも前にヒータブロック26が閉位置に位置付けられるのを防止しながら、三角折込み板20が作動位置に位置付けられるのと同時若しくはその直後にヒータブロック26を閉位置に位置付けることができ、ガセット袋GBを高速で製造することができる。
【0053】
図19は、変形例の縦形製袋充填包装機における製袋チューブ2の下端部近傍を示しており、この包装機では、角筒成形ガイドが、製袋チューブ2の下端から下方に向けて延びる4本のロッド100からなる。これら4本のロッド100は、水平面に平行な断面でみて長方形の四隅にそれぞれ位置するよう配置され、製袋チューブ2から繰出されたフィルム筒に内側から摺接することでフィルム筒に4つの稜線を形成し、これによりフィルム筒を角筒RCに成形する。
【0054】
なお、これらロッド100は、図20に示したように、角筒RCの厚さ方向(ヒータブロック26の移動方向)に圧縮応力が加わったときに、各々の上端を基点として互いの下端同士が近付くよう、角筒RCの両側面に略平行な面内を2点鎖線で示した位置まで弾性的に傾動可能である。
また、この包装機では、再び図19を参照すると、角筒RCを折込む折込みガイドとして、三角折込み板20及び補助折込み板22に代えて、支持棒66の先端に垂直な縦折込み板102が取付けられている。縦折込み板102は、その先端の上側の角が斜めに切り落とされており、角筒に突き込む部分が台形形状をなしている。縦折込み板102は、2点鎖線で示したように、1対のロッド100間にて角筒の側面に突き込まれるが、この際、ロッド100は角筒の厚さ方向に傾動して縦折込み板102の突き込みを許容し、これにより角筒の両側面が2つ折りに折込まれる。
【0055】
更に、この包装機は、補助折込み板22を有さない代わりに、図19に示したように、ポンプ104に接続された一対のサクションノズル106を有し、これらサクションノズル106は、閉位置にヒータブロック26があるときにヒータブロック26間に区画される空間に固定されている。
この包装機によれば、図21に示したように、角筒RCに縦折込み板102が突き込まれたとき、角筒RCにおいては、切れ目80よりも上側の部位が角筒RCの幅方向でみて内側に向けて折込まれ、切れ目80の下側の部位が外側に向けて相対的に突出する。このとき、一対のサクションノズル106は、ヒータブロック26間の空間、つまり、上側のシール面28の側方であって下側のシール面30の直上に配置されており、この切れ目80よりも下側にて外側に突出した角筒RCの部位の直上に位置する。そして、縦折込み板102が突き込まれてから、横シーラ24によりトップシールTSが形成されるまでの間、ポンプ104は、サクションノズル106を通じて切れ目80近傍に付着している被包装物CTを吸引して除去する。これにより、トップシールTSが形成される角筒RCの領域から被包装物CTが除去され、トップシールTS内への被包装物の噛み込みが防止され、トップシールTSのシール性が向上する。なお、横シーラ24のヒータブロック26は、縦折込み板102が突き込まれている状態にあるときに閉位置に移動する。
【0056】
図22は、この包装機を用いて、角筒RCから変形例のガセット袋GBを形成する過程を示し、この変形例のガセット袋GBも、上端に扁平なトップシールTSを有する。この変形例のガセット袋GBは、その下端に角底を有さないが、下端部の両側にはその幅方向内側に向けて2つに折込まれた折込み部GSをやはり有し、ボトムシールBSは折込み部GS間に亘っている。
【0057】
なお、この包装機の場合も、トップシールTS及びボトムシールBSが同時に形成されるので、変形例のガセット袋GBを高速で順次製造可能である。また、折込み部GSやトップシールTS及びボトムシールBSを形成する角筒RCの部位の下方に、被包装物CTを収容した角筒RCの部位が連なっているのに加えて、縦折込み板102が突き込まれたときに、4本のロッド100が角筒RCをその内側から厚さ方向外側に向けて付勢しながら傾動するので、折込み部GSやトップシールTS及びボトムシールBSを形成する角筒RCの部位に適度なテンションが加わる。このため、この包装機の場合も、皺のない綺麗な2つ折りの折込み部GS、トップシールTS及びボトムシールBSを有するガセット袋GBを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】一実施例の縦形製袋充填包装機により製造されるガセット袋を示した斜視図である。
【図2】一実施例の縦形製袋充填包装機の概略構成を示した斜視図である。
【図3】図1の包装機における角筒成形ガイド近傍を拡大して示した斜視図である。
【図4】切れ目カッタをその移動手段及び製袋チューブの断面とともに示した上面図である。
【図5】ヒータブロック及び三角折込み板をこれらの移動手段とともに示した上面図である。
【図6】ヒータブロック及びその移動手段を当該移動手段の一部を断面にして示した側面図である。
【図7】一方のヒータブロック、角筒成形ガイド及び製袋チューブの一部とともに、切れ目カッタ、三角折込み板及び補助折込み板並びにこれらの移動手段を示した正面図である。
【図8】ガセット袋の製造工程を説明するための図であり、ボトムシールを下端に形成した後、下方に繰出された角筒の正面及び底面を示した図である。
【図9】ガセット袋の製造工程を説明するための図であり、図8の角筒の両側面に三角折込み板及び補助折込み板を突き込み、折込み部を形成した角筒の正面及び底面を示した図である。
【図10】角筒の一方の側面における折込み部の形成を詳細に説明するための斜視図であり、(a)は三角折込み板及び補助折込み板を側面に突き込む前の状態、(b)は、三角折込み板及び補助折込み板を側面に突き込んだ後の状態を示す図である。
【図11】ガセット袋の製造工程を説明するための図であり、図9の角筒にヒータブロックを押し付けるとともに切れ目カッタを突き込んで、トップシール、ボトムシール及び切れ目を形成した角筒の正面、並びに、これらシールを形成した後、ボトムシールからトップシールを切り離して得られたガセット袋の正面を示した図である。
【図12】角筒からガセット袋が形成される過程を示した図であり、図中、左側の角筒は斜視図であり、中央及び右側の角筒及びガセット袋は正面図である。
【図13】切れ目が谷形形状の変形例の場合において、角筒からガセット袋が形成される過程を図12と同様にして示した図である。
【図14】切れ目が山形形状の変形例の場合において、角筒からガセット袋が形成される過程を図12と同様にして示した図である。
【図15】切れ目が2つの円弧からなる谷形形状の変形例の場合において、角筒からガセット袋が形成される過程を図12と同様にして示した図である。
【図16】切れ目が4つの円弧からなる谷形形状の変形例の場合において、角筒からガセット袋が形成される過程を図12と同様にして示した図である。
【図17】ガセット袋の上端角に注ぎ口を形成した変形例を説明するための図である。
【図18】角筒の側面に、切れ目に代えて穿孔列を形成した変形例を説明するための斜視図である。
【図19】変形例の縦形製袋充填包装機における、一方のヒータブロック、サクション装置、ガイドロッド及び製袋チューブの一部とともに、切れ目カッタ及び縦折込み板並びにこれらの移動手段を示した正面図である。
【図20】縦折込み板とともに示したガイドロッド及び製袋チューブの側面図である。
【図21】図19の包装機によるガセット袋の製造工程を説明するための図である。
【図22】角筒からガセット袋が形成される過程を示した図であり、図中、左側の角筒は斜視図であり、中央及び右側の角筒及びガセット袋は正面図である。
【符号の説明】
【0059】
2 製袋チューブ
12 切れ目カッタ(分離線付与手段)
14 ガイド筒(角筒成形ガイド)
20 三角折込み板(折込みガイド)
22 補助折込み板(折込みガイド)
26 ヒータブロック
80 切れ目(分離線)
GB ガセット袋(包装袋)
GS 折込み部
BS ボトムシール
TS トップシール
RC 角筒

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扁平なトップシール及び両側の折込み部間に亘るボトムシールを有し、内部に被包装物を収容した包装袋を順次製造する縦形製袋充填包装機において、
上下方向に延びる製袋チューブを有し、前記製袋チューブの回りにてフィルム材を筒状に成形するとともに前記フィルム材の両側縁を縦シールし、得られたフィルム筒を前記製袋チューブの下方に繰出す筒形成手段と、
前記製袋チューブの下方に設けられ、繰出された前記フィルム筒を下方に向けて案内しながら角筒に成形する角筒成形ガイドと、
前記折込み部を形成するのに先立って、前記角筒の両側面に前記折込み部の下端をそれぞれ規定する一対の分離線を付与する分離線付与手段と、
前記角筒成形ガイドの近傍に配置され、前記分離線よりも上側の前記角筒の部位に突き込まれて前記折込み部を形成する作動位置と前記角筒の通過を許容する待機位置との間を互いに逆向きに水平移動可能な一対の折込みガイドと、
前記角筒成形ガイドよりも下方に配置され、前記折込み部が形成された前記角筒における前記分離線よりも下側の部位に前記トップシールを形成し且つ上側の部位に前記ボトムシールを形成する閉位置と前記角筒の通過を許容する開位置との間を前記折込みガイドの移動方向とは直交する水平方向に移動可能な一対のヒータブロックと、
前記ボトムシールよりも上方の前記角筒の部位に前記被包装物を充填する充填手段と、
前記ボトムシールと前記トップシールとの間を、前記一対の分離線間に亘り分断する切断ナイフと
を具備したことを特徴とする縦形製袋充填包装機。
【請求項2】
前記分離線付与手段は、前記一対の折込みガイドの上方に配置され、前記フィルム筒に前記分離線を形成可能な一対の切れ目カッタを含むことを特徴とする請求項1記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項3】
前記分離線は、前記製袋チューブに供給される前の前記フィルム材に形成された穿孔列からなることを特徴とする請求項1記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項4】
前記角筒成形ガイドは矩形形状の下端面を有したガイド筒からなり、
前記折込みガイドは水平な三角折込み板及び垂直な補助折込み板からなり、
前記折込みガイド及び前記下端面は互いに協働し、前記角筒に前記折込み部を含む角底を形成する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項5】
前記角筒成形ガイドは、夫々が前記角筒の稜線を規定し且つ前記角筒の前記両側面に略沿って弾性的に傾動可能な4本のガイドロッドからなり、
前記折込みガイドは、前記閉位置にあるとき前記ガイドロッド間に突き込まれる垂直な縦板からなる
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項6】
前記折込み部が形成されてから前記トップシールが形成されるまでの間に前記分離線の上方に配置され、前記分離線近傍に分布した前記被包装物の一部を吸引する吸引ノズルを更に有することを特徴とする請求項5記載の縦形製袋充填包装機。
【請求項7】
扁平なトップシール及び両側の折込み部間に亘るボトムシールを有し、内部に被包装物を収容した包装袋を順次製造する製袋充填包装方法において、
上下方向に延びる製袋チューブの回りにてフィルム材を筒状に成形するとともに前記フィルム材の両側縁を縦シールし、得られたフィルム筒を前記製袋チューブの下方に繰出すす筒形成工程と、
繰出された前記フィルム筒を角筒に成形する角筒成形工程と、
前記折込み部を形成するのに先立って、前記角筒の両側面に前記折込み部の下端をそれぞれ規定する一対の分離線を付与する分離線付与工程と、
前記分離線よりも上側の前記角筒の部位に一対の折込みガイドを突き込み、前記折込み部を形成する折込み工程と、
前記折込み部が形成された前記角筒における前記分離線よりも下側の部位に前記トップシールを形成し且つ上側の部位に前記ボトムシールを形成する横シール工程と、
前記ボトムシールよりも上方の前記角筒の部位に前記被包装物を充填する充填工程と、
前記ボトムシールと前記トップシールとの間を、前記一対の分離線間に亘り分断する切断工程と
を具備したことを特徴とする製袋充填包装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−347568(P2006−347568A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−173679(P2005−173679)
【出願日】平成17年6月14日(2005.6.14)
【出願人】(000151461)株式会社東京自働機械製作所 (106)
【Fターム(参考)】