説明

置換アリール1,4−ピラジン誘導体

本発明は、CRFアンタゴニストとして作用し、CNS関連障害および疾患を含むCRF受容体と関連する障害および疾患を治療する際に有用である本明細書に記載の式(I)の化合物、さらにその薬学的に許容できる塩を対象としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換アリール1,4−ピラジン誘導体ならびにその調製方法、それを含む医薬組成物、およびこれらに限られないが不安障害および鬱病およびストレス関連障害などのCRFにより誘発または促進される障害を含む、CRF受容体に拮抗することによりその治療が実施または促進されうる障害または状態を治療するためのその使用方法に関する。加えて本発明は、細胞または組織においてCRF受容体を位置決定するためのプローブとしてのこのような化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)は、41アミノ酸ペプチドであり、脳下垂体前葉からのプロオピオメラノコルチン(POMC)由来ペプチド分泌の主な生理学的調節物質である[J.Rivierら、Proc.Natl.Acad.Sci(USA)80:4851(1983年);W.Valeら、Science 213:1394(1981年)]。脳下垂体での内分泌的役割に加えて、CRFの免疫組織化学的位置決定により、このホルモンは、中枢神経系において広い視床下部外分布を示し、脳における神経伝達物質または神経修飾物質の役割と一致する幅広いスペクトルの自律神経的、電気生理学的および行動的作用を生じることが証明された[W.Valeら、Rec.Prog.Horm.Res.39;245(1983年);F.Koob、Persp.Behav.Med.2:39(1985年);E.B.De Souzaら、J.Neurosci.5:3189(1985年)]。さらに、生理的、心理的および免疫学的ストレッサーに対する免疫系での応答を集積する際に重要な役割をCRFが果たしているという証明もある[J.E.Blalock、Physiological Reviews 69:1(1989年);J.E.Morley、Life Sci.41:527(1987年)]。
【0003】
CRFが鬱病、不安関連障害および摂食障害を含む精神医学的障害および神経疾患において役割を有するという証明がある。CRFの役割は、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、進行性核上性麻痺および筋萎縮性側索硬化症の病因および病態生理においても自明であるとみなされている。それというのもこれらは、中枢神経系のCRFニューロンの機能不全に関連しているためである[総説に関しては、E.B.De Souze、Hosp.Practice 23:59(1988年)参照]。
【0004】
不安障害は、恐怖障害、不安状態、心的外傷後ストレス障害および非定型不安障害を含む一群の疾患と当分野では認識されている[The Merck Manual of Diagnosis and Therapy、第16版(1992年)]。情緒ストレスは往々にして、不安障害における沈降因子であり、このような障害は、ストレスに対する応答を低下させる薬物に一般に応答する。
【0005】
情動障害または大鬱病では、CRFの濃度が、薬物を摂取していない個人の脳脊髄液(CSF)において著しく上昇する[C.B.Nemeroffら、Science 226:1342(1984年);C.M.Bankiら、Am.J.Psychiatry 144:873(1987年);R.D.Franceら、Biol.Psychiatry 28:86(1988年);M.Aratoら、Biol.Psychiatry 25:355(1989年)]。さらに、CRFの過分泌と一致して、自殺犠牲者の前頭皮質においてはCRF受容体の密度が著しく低下している[C.B.Memeroffら、Arch.Gen.Psychiatry 45:577(1988年)]。加えて、鬱病患者では、CRF(すなわち投与された)に対する鈍化アドレノコルチコトロピン(ACTH)応答が観察される[P.W.Goldら、Am.J.Psychiatry 141:619(1984年);F.Holsboerら、Psychoneuroendocrinology 9:147(1984年);P.W.Goldら、New Engl.J.Med.314:1129(1986年)]。ラットおよび非ヒト霊長類での前臨床試験により、CRFの過分泌が、ヒト鬱病で見られる症状に関与している可能性があるという仮説に対する追加的な支持が得られている[R.M.Sapolsky、Arch.Gen.Psychiatry 46:1047(1989年)]。さらに、三環式抗鬱剤はCRFレベルを変えて、脳中の受容体の数を調節することができるという予備的証拠も存在する[Grigoriadisら、Neuropsychopharmacology 2:53(1989年)]。
【0006】
CFRは、不安関連障害の病因にも関与しており、動物において不安発生作用をもたらすことが知られている。ベンゾジアゼピン/非ベンゾジアゼピン抗不安薬とCRFとの相互作用が、様々な行動不安モデルにおいて証明されている[D.R.Brittonら、Life Sci.31:363(1982年);C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Regul.Peptides 16:83(1986年)]。様々な行動パラダイムにおいて推定CRF受容体アンタゴニストであるαらせんヒツジCRF(9〜41)を使用する予備的研究により、該アンタゴニストは、ベンゾジアゼピンと質的に類似した「抗不安薬様」作用をもたらすことが証明されている[C.W.BerridgeおよびA.J.Dunn Horm.Behav.21:393(1987年)、Brain Research Reviews 15:71(1990年)]。
【0007】
神経化学的研究、内分泌研究および受容体結合研究は全て、CRFとベンゾジアゼピン抗不安薬との相互作用を証明しており、これらの障害におけるCRFの関与に関してさらなる証拠を示している。クロジアゼポキシド(Chlodiazepoxide)は、ラットにおける葛藤試験[K.T.Brittonら、Psychopharmacology 86:170(1985年);K.T.Brittonら、Psychopharmacology 94:306(1988年)]および音響驚愕試験[N.R.Swerdlowら、Psychopharmacology 88:147(1986年)]の両方においてCRFの「不安発生」作用を和らげる。オペラント葛藤試験において行動活性のみを伴わなかったベンゾジアゼピン受容体アンタゴニストRo15−1788は、用量に依存してCRFの作用を逆転させる一方で、ベンゾジアゼピンインバースアゴニストFG7142は、CRFの作用を増強した[K.T.Brittonら、Psychopharmacology 94:396(1988年)]。従来の抗不安薬および抗鬱薬がその治療作用をもたらす機序および作用部位は、未だ解明されないままである。様々な行動パラダイムにおけるCRF受容体アンタゴニストペプチド(αらせんCRF9〜41)の作用を試験する予備的研究は、CRFアンタゴニストがベンゾジアゼピンに質的に類似した「抗不安薬様」作用をもたらすことを証明している[総説に関してはG.F.KoobおよびK.T.Britton、Corticotropin−Releasing Factor:Basic and Clinical Studies of a Neuropeptide、E.B.De SouzaおよびC.B.Nemeroff編、CRC Press、221頁(1990年)参照]。
【0008】
参照により全体が本明細書に援用される、現在は米国特許第6589947号明細書として付与されている2000年10月26日に出願された米国特許出願公開第09/696822号明細書および2000年10月26日に出願された欧州特許出願第003094414号明細書にもまた、X症候群を治療するためにCRFアンタゴニストを使用することが記載されている。参照により全体が本明細書に援用される、現在は米国特許第6043260号明細書(2000年3月28日)である1999年2月10日に出願された米国特許出願公開第09/248073号明細書に、鬱血性心不全を治療するためにCRFアンタゴニストを使用する方法が記載されている。
【0009】
CRFは、CNSにおいて幅広い視床下部外分布を有し、そこで、広いスペクトルの自律神経行動作用および生理作用に寄与していることが知られている[例えば、Valeら、1983年;Koob、985;およびE.B.De Souzeら、1985年参照]。例えば、情動障害または大鬱病の患者の脳脊髄液中では、CRF濃度は著しく高まる[例えば、Nemeroffら、1984年;Bankiら、1987年;Franceら、1988年;Aratoら、1989年参照]。さらに、過剰なレベルのCRFが、動物モデルにおいて不安発生作用をもたらすことが知られており[例えば、Brittonら、1982年;BerridgeおよびDunn、1986年および1987年参照]、CRFアンタゴニストが、抗不安作用をもたらすことが知られているので、本明細書で提供される化合物の治療有効量は、例えば、このような動物モデルにおいて、様々な量の化合物の抗不安作用を評価することにより決定する。
【0010】
次の特許または特許出願は、CRF受容体のアンタゴニストとしての化合物を開示している:国際公開第01/60806号パンフレット、国際公開第97/35901号パンフレット、国際公開第98/29119号パンフレット、国際公開第97/36886号パンフレット、国際公開第97/36898号パンフレットおよび米国特許第5872136号明細書、同第5880140号明細書および同第5883105号明細書。これらの化合物は、CNS関連障害、特に情動障害ならびに急性および慢性神経障害を治療するために有用である。
【0011】
参照により全体が本明細書に援用される米国特許出願第2003−0144297号明細書も、CRFのアンタゴニストとしての化合物を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
我々は、下記の式Iの化合物、さらに、その薬学的に許容できる塩がCRFアンタゴニストであり、CNS関連障害および疾患を含むCRF受容体が関連する障害および疾患を治療する際に有用であることを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0013】
したがって本発明は、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を提供する:
【0014】
【化1】

[式中、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C(O)C〜Cアルキル、C(O)C〜CアルケニルまたはC(O)C〜Cアルキニルであり、
は、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、
22は、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロゲン、OC〜Cアルキル、OC〜CアルケニルまたはOC〜Cアルキニルであり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロゲン、OC〜Cアルキル、OC〜Cアルケニル、OC〜CアルキニルまたはNRであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである]。
【0015】
他の態様では、本発明は、哺乳動物、特にヒトにおける全般性不安障害、社会不安障害;パニック障害;強迫性障害;併発の病的鬱病性疾患に伴う不安;情動障害;不安;摂食障害;および鬱病などのCRF受容体と関連している障害もしくは疾患またはCRFに拮抗することによりその治療が実施または促進されうる障害を治療する方法を提供し、ここで、この方法は、前記哺乳動物に式Iの化合物を投与することを含む。
【0016】
他の態様では、本発明は、薬学的に許容できる担体または賦形剤および本発明の化合物を含む医薬組成物を提供する。組成物中に本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトにおけるCRF受容体と関連している障害もしくは疾患またはCRFに拮抗することによりその治療が実施または促進されうる障害を治療するために治療的に有効な量で存在してよい。
【0017】
他の態様では、本発明は哺乳動物におけるCRFの過分泌を示す障害を治療する方法を提供し、ここで、この方法は、前記哺乳動物に治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む。
【0018】
好ましくは、哺乳動物は、本明細書に記載の治療を必要とする哺乳動物である。
【0019】
他の態様では、本発明は、CRF受容体のリガンドをスクリーニングする方法を提供し、この方法はa)CRF受容体、検出可能な標識で標識されている本発明の化合物および候補リガンドを用いて、競合結合アッセイを実施するステップと、b)前記標識化合物を置換する前記候補リガンドの能力を決定するステップとを含む。
【0020】
他の態様では、本発明は、組織中のCRF受容体を検出する方法を提供し、この方法は、a)検出可能な標識で標識された本発明の化合物を組織と、前記化合物と前記組織との結合が可能な条件下に接触させるステップと、b)組織に結合した前記標識化合物を検出するステップとを含む。
【0021】
他の態様では、本発明は、CRFのCRF受容体への結合を阻害する方法を提供し、この方法は、本発明の化合物をCRF受容体発現細胞を含む溶液と接触させるステップを含み、前記化合物は、CRFのCRF受容体への結合を阻害するのに十分な濃度で前記溶液中に存在する。
【0022】
他の態様では、本発明は、in vitroでCRF受容体発現細胞へのCRF結合のレベルを低減する方法を提供し、この方法は、請求項1に記載の化合物を前記細胞を含む溶液と接触させるステップを含み、前記化合物は、in vitroで前記細胞へのCRF結合のレベルを低減するのに十分な濃度で前記溶液中に存在する。
【0023】
他の態様では、本発明は、a)包装材料、b)本発明の化合物およびc)前記化合物が哺乳動物におけるCRF受容体と関連している障害もしくは疾患またはCRFに拮抗することによりその治療が実施または促進されうる障害を治療するために有効であることを示す、前記包装材料内に含まれるラベルまたは包装挿入物を含む製品を提供する。
【0024】
さらに他の態様では、本発明は、1種または複数の化合物が標識に結合されていてもよい結合アッセイにおける本発明の化合物の使用を提供し、ここで、標識は、直接または間接に検出可能なシグナルをもたらす。様々な標識には、放射性同位元素、蛍光剤、化学発光剤、特異的結合分子、粒子、例えば磁気粒子などが含まれる。
【0025】
さらに他の態様では、本発明は、細胞または組織において受容体を位置決定するためのプローブとしての、および試験化合物の受容体結合特性を決定する際に使用するための標準および試薬としての本発明の化合物(特に標識された本発明の化合物)の使用に関する。
【0026】
本発明の実施形態例には、式中のRがエチルまたはC(O)CHである式Iの化合物が含まれる。
【0027】
本発明の実施形態例にはさらに、式中のRがエチルであり、R22がエチルである式Iの化合物が含まれる。
【0028】
本発明の実施形態例にはさらに、式中のRがC〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである式Iの化合物が含まれる。
【0029】
本発明の実施形態例にはさらに、式中のRがNRである式Iの化合物が含まれる。
【0030】
本発明の実施形態例にはさらに、式中のRがC〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、RがNRである式Iの化合物が含まれる。
【0031】
本発明の実施形態例にはさらに、式中のRがメチルであり、RがN(CHである式Iの化合物が含まれる。
【0032】
本発明の化合物は、水および胃液中で有利な可溶性を示しうる。例として、式中のRがNRである本発明の化合物は、水および胃液中で有利な可溶性を示しうる。他の例として、式中のRがC〜Cアルキルであり、RがNRである本発明の化合物は、水および胃液中で有利な可溶性を示しうる。さらに他の実施形態例では、Rがメチルであり、RがN(CHである本発明の化合物は、水および胃液中で有利な可溶性を示しうる。
【0033】
本明細書で使用する場合、「ハロゲン」は、−F、−Cl、−Brおよび−Iから選択される基である。
【0034】
本明細書で使用する場合、「C〜Cアルキル」との用語は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖飽和部分の両方を意味する。
【0035】
本明細書で使用する場合、「C〜Cアルケニル」との用語は、1〜6個の炭素原子を有し、1個または複数の二重結合を含む直鎖および分枝鎖部分の両方を意味する。
【0036】
本明細書で使用する場合、「C〜Cアルキニル」との用語は、1〜6個の炭素原子を有し、1個または複数の三重結合を含む直鎖および分枝鎖部分の両方を意味する。
【0037】
本明細書で使用する場合、「薬学的に許容できる塩」との用語は、無機酸および有機酸を含む薬学的に許容できる非毒性の酸から調製される塩を指している。適切な非毒性の酸には、アミンなどの塩基性残基の無機および有機酸、例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、バルバル酸(barbaric acid)、p−トルエンスルホン酸など;ならびにカルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩、例えば次の塩基:水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、アンモニア、トリメチルアンモニア、トリエチルアンモニア、エチレンジアミン、リシン、アルギニン、オルニチン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ジエタノールアミン、プロカイン、n−ベンジルフェネチルアミン、ジエチルアミン、ピペラジン、トリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどに由来するアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩が含まれる。式Iの化合物の薬学的に許容できる塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を化学量論的量の適切な塩基または酸と水中もしくは有機溶媒中または2種の混合物中で反応させることにより調製することができ、通常はエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、17th ea.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1985年、1418頁で見ることができ、その開示は参照により本発明に援用される。
【0038】
一実施形態例では、式Iの化合物およびp−トルエンスルホン酸の塩が、式Iの化合物の薬学的に許容できる塩である。
【0039】
本発明の化合物の「治療有効量」との用語は、異常なレベルのCRFに拮抗するか、受容者における情動障害、不安、鬱病または本明細書に記載の他の障害の症状を治療するために有効な量を意味している。
【0040】
「本発明の化合物」との用語は、式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩を意味する。
【0041】
請求されている本発明には、式Iの化合物のプロドラッグも包含される。本明細書で使用される場合、「プロドラッグ」との用語は、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与されると、in vivoで式Iの活性な親薬物を放出する任意の共有結合担体を意味している。式Iの化合物のプロドラッグは、実質的な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび下級動物の組織と接触させて使用するために適しており、その際、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答などを伴わず、合理的な損益比に釣り合い、その所定の使用のために有効であり、さらに可能な場合には本発明の化合物の両性イオン形態である。「プロドラッグ」との用語は、in vivoで迅速に変化して、例えば血中での加水分解により式Iの親化合物をもたらす化合物を意味する。in vivoで代謝分解により迅速に変化しうる官能基は、本発明の化合物のカルボキシル基と反応する一群の基を形成する。これらには、これらに限られないが、アルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、非置換および置換アロイル(ベンゾイルおよび置換ベンゾイルなど)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルなど)、トリアルキルシリル(トリメチル−およびトリエチルシリルなど)、ジカルボン酸と形成されるモノエステル(スクシニルなど)などの基が含まれる。本発明で有用な、代謝により分解可能な化合物の基がin vivoで容易に分解されることにより、このような基を有する化合物は、プロドラッグとして作用する。代謝により分解可能な基を有する化合物は、代謝により分解可能な基の存在により親化合物に付与された高い可溶性および/または吸収速度の結果として改善された生物学的利用率を示しうるという利点を有する。プロドラッグの十分な検討は次に示されている:Design of Prodrugs、H.Bundgaard、ea.、Elsevier、1985年;Methods in Enzymology、K.Widderら、Ed.、Academic Press、42、309〜396頁、25、1985年;A Textbook of Drug Design and Development、Krogsgaard−LarsenおよびH.Bundgaard、ea.、Chapter 5:「Design and Applications of Prodrugs」、113〜191頁、1991年;Advanced Drug Delivery Reviews、H.Bundgard、8、1〜38頁、1992年;Journal of Pharmaceutical Sciences、77、285頁、30、1988年;Chem.Pharm.Bull.,N.Nakeyaら、32、692頁、1984年;Pro−drugs as Novel Delivery Systems、T.HiguchiおよびV.Stella、Vol.14 of the A.C.S.Symposium SeriesおよびBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B.Roche、ea.,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、1987年(これらは参照により本明細書に援用される)。「プロドラッグ」は、このようなプロドラッグが哺乳動物対象に投与されると、in vivoで式Iの活性な親薬物を放出する任意の共有結合担体であると考えられる。式Iの化合物のプロドラッグは、修飾が一般的な操作またはin vivoで分解されて、親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾して調製される。
【0042】
プロドラッグには、ヒドロキシ、アミンまたはスルフヒドリル基が、哺乳動物対象に投与されると分解して遊離のヒドロキシル、アミノまたはスルフヒドリル基をそれぞれ形成する任意の基に結合している化合物が含まれる。プロドラッグの例には、これらに限られないが、式Iの化合物中のアルコールおよびアミン官能基のアセテート、ホルメートおよびベンゾエート誘導体などが含まれる。
【0043】
本発明の標識化合物を、組織断面のオートラジオグラフィーなどのin vitro研究のために、またはPETまたはSPECTスキャニングなどのin vivo法のために使用することもできる。本発明の化合物は特に、CRF受容体に結合すると考えられる医薬品の能力を決定する際の標準および試薬として有用である。
【0044】
本明細書で提供される化合物は、1個または複数の不斉中心または面を有することがあり、化合物のジアステレオ異性形態全てが、本発明に含まれる。
【0045】
オレフィン、C=N二重結合などの多くの幾何異性体も、化合物には存在することがあり、このような安定な異性体も全て、本発明では企図されている。本発明の化合物を例えば、分割剤の存在下での結晶化または例えばキラルHPLCカラムを使用するクロマトグラフィーなどの慣用の方法によるラセミ形態の分割により光学的に純粋な形態に単離することもできるし、鏡像異性的に富化された物質の調製を可能にする不斉合成経路により合成することもできる。本発明は、式Iにより示される化合物で生じうる互変異性体全てを包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0046】
本発明の化合物の例は次の通りである:
(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル、
(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル トルエン4−スルホン酸および
(1R,2S)[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イル]−(2−エトキシ−インダン−1−イル)−アミン。
【0047】
次のチャートに示されている反応または当業者に知られているその変法を使用して、本発明の化合物を調製することができる。本発明の化合物例のためのチャートAに詳述されているように、遷移金属触媒(例えば酢酸パラジウム(II)またはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0))、塩基(例えばナトリウムまたはカリウムtert−ブトキシド)の存在下、これらに限られないがトルエン、DMFまたはジオキサンなどの溶媒中で、適切な複素環または炭素環アミンと反応させることにより、適切に官能化されたクロロピラジンA−I(チャートB参照)から、アミノピラジンA−IIを調製することができる。(例えば、Buchwald、S.L.ら、J.Org.Chem.2000年、65、1158参照)。塩基の存在下に無水酢酸または塩化アセチルとカップリングさせることにより、酢酸エステル形成を達成することができる(A−III参照)。ヨウ化アルキルをA−IIのナトリウムアルコキシドにカップリングさせることにより、エーテルを形成することができる。ジクロロメタン、酢酸、DMFなどの溶媒中でN−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−ヨードスクシンイミド、臭素、ヨウ素、三臭化ピリジニウムなどの試薬を使用する当業者によく知られている多くの方法により、A−IIIのハロゲン化を達成すると、ハロピラジンA−IVを得ることができる。A−IVおよびアリールボロン酸(例えばMiyaura,N.ら、Chem.Rev.1995年、95、2457参照)、アリールスタンナン(例えばMitchell、T.N.Synthesis 1992年、803参照)またはアリールグリニャール(例えばMiller,J.A.、Tetrahedron Lett.1998年、39、7275参照)などの適切なメタロアリール試薬を用いる、遷移金属により触媒されるカップリング反応により、請求されている化合物の形成が達成される。
【0048】
【化2】

【0049】
チャートBは、A−Iなどのモノクロロピラジンの調製を説明している。チャートBのモノクロロピラジンでは、RおよびR22は、適切なアミノ酸を結合させることにより、エチルなどの同じC〜Cアルキル基でも、異なるC〜Cアルキル基でもよい。下記に示されている反応シーケンスは、Chemical and Pharmaceutical Bulletin of Japan、1979、27、2027に記載されているシーケンスに従っている。
【0050】
【化3】

【0051】
チャートCは、ボロン酸カップリング断片例の形成を示している。ボロン酸は、金属ハロゲン交換を介して、または当業者に知られているパラジウムカップリング方法により形成させることができる。
【0052】
【化4】

【0053】
前記の状態に加えて、本発明の化合物は、哺乳動物、特にヒトにおける、社会不安障害;パニック障害;強迫性障害;併発の病的鬱病性疾患に伴う不安;情動障害;不安;鬱病;過敏性腸症候群;心的外傷後ストレス障害;核上麻痺;免疫抑制;胃腸疾患;神経性食欲不振または他の摂食障害;薬物またはアルコール禁断症状;薬物乱用障害(例えばニコチン、コカイン、エタノール、アヘン剤または他の薬物);炎症性障害;受精能の問題;これらに限られないがCRFにより誘発または促進される障害を含む、CRFに拮抗することによりその治療が生じるか促進されうる障害;関節リウマチおよび変形性関節症などの炎症性障害、疼痛、喘息、乾癬ならびにアレルギーから選択される障害;全般性不安障害;パニック、恐怖、強迫障害;心的外傷後ストレス障害;ストレスにより誘発される睡眠障害;線維筋痛などの疼痛知覚;大鬱病、単一エピソード鬱病、再発鬱病、児童虐待誘発鬱病および産後鬱病を含む鬱病などの気分障害;気分変調;双極性障害;循環気質;疲労症候群;ストレス誘発頭痛;癌、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染;アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン病などの神経変性疾患;アクネおよび乾癬などの皮膚障害;潰瘍、過敏性腸症候群、クローン病、刺激結腸、下痢および手術後腸閉塞ならびに精神病理学的障害またはストレスに伴う結腸過敏症などの胃腸疾患;出血性ストレス;ストレス誘発精神病性エピソード;甲状腺機能が正常な病的症候群;不適切下痢止めホルモン(ADH)の症候群;肥満;不妊症;頭部外傷;脊髄外傷;虚血性神経損傷(例えば脳海馬虚血などの脳虚血);刺激毒性神経損傷;てんかん;高血圧、頻脈および鬱血性心不全を含む心臓血管および心臓関連障害;脳卒中;ストレス誘発免疫機能不全を含む免疫機能不全(例えば、ストレス誘発熱、ブタストレス症候群、ウシ輸送熱、ウマ発作性細動およびニワトリにおいて閉じこめにより誘発される機能不全、ヒツジにおける刈り込みストレスまたはイヌのストレスに関連するヒト−動物相互作用);筋痙攣;尿失禁;アルツハイマータイプの老人性認知症;多発梗塞性認知症;筋萎縮症側索硬化症;化学物質依存性および耽溺(例えばアルコール、コカイン、ヘロイン、ベンゾジアゼピンまたは他の薬物への依存性);骨粗鬆症;心理社会的矮性および低血糖などの様々な障害を治療するために有用である。
【0054】
本発明の化合物は、活性剤と哺乳動物またはヒトの体の薬剤作用部位との接触をもたらす手段によって、哺乳動物またはヒトにおける本明細書に記載の状態を治療するために投与することができる。化合物は、医薬品で使用することができる任意の慣用の手段により、個々の治療剤として、または治療剤の組合せの形態で投与することができる。単独で投与することもできるが、通常は、選択された投与経路および標準的な医薬的実施を元に選択された医薬担体と共に投与される。
【0055】
投与される用量は、特定の薬剤の薬力学的特性ならびにその投与方法および経路;受容者の年齢、体重および健康;症状の性質および程度;同時治療の種類;治療頻度;ならびに望まれる効果などの使用および既知のファクターに応じて変動しうる。
【0056】
本明細書に記載の疾患または状態を治療する際に使用する場合、本発明の化合物を、活性成分0.002から200mg/体重kgの用量で経口投与することができる。通常、1日1回から4回に分けた用量の形態または持続放出製剤の形態で、用量0.01から10mg/kgが、所望の薬理学的作用を得るには有効である。
【0057】
活性成分を、カプセル、錠剤および粉末などの固体投与形態で、またはエリキシル剤、シロップ剤および/または懸濁剤などの液体形態で経口投与することができる。本発明の化合物は、無菌液体投与製剤で非経口投与することもできる。投与に適した投与形態(組成物)は、1単位当たり活性成分約1mgから約100mgを含有する。これらの医薬組成物では、活性成分は通常、組成物の全重量に対して約0.5から95重量%の量で存在する。
【0058】
本発明の化合物は、神経の機能、機能不全および疾患を生化学的に研究する際の試薬または標準として使用することもできる。
【0059】
調製および実施例
次の実施例および調製により、本発明を詳述するが、これは、本発明の範囲または意図を本明細書に記載されている特定の手順に制限するものと解釈されるべきではない。
【0060】
(実施例A)
生物学的活性を評価するためのCRF受容体結合アッセイ
次に、標準結合アッセイで使用するためのラット脳膜の単離を記載し、さらに、結合アッセイ自体を記載する。これは、De Souza(De Souza、1987年)により記載された改変プロトコルをベースとしている。
【0061】
結合アッセイ用の脳膜を調製するために、ラット前頭皮質を氷冷組織緩衝液10mL(10mMのMgCl、2mMのEGTA、1μg/mlのアプロチニン、1μg/mlのロイペプチンおよび1μg/mlのペプスタチンを含む50mMのHEPES緩衝液(pH7.0))中で均質化する。ホモジネートを48000×gで10分間遠心分離し、生じたペレットを組織緩衝液10mL中で再均質化する。さらに48000×gで10分間遠心分離した後に、ペレットをタンパク質濃度300μg/mLまで再懸濁する。
【0062】
結合アッセイを、96ウェルプレート中、最終体積300μLで行う。膜懸濁液150μLを、125I−ヒツジ−CRF(最終濃度150pM)および様々な濃度の阻害剤を含有するアッセイ緩衝液150μLに加えることにより、アッセイを開始する。アッセイ緩衝液は、膜調製に関して前記されたものと同一であるが、0.1%のオボアルブミンおよび0.15mMのバシトラシンを添加する。室温に2時間おいた後に、Packard細胞収集機を使用してPackard GF/Cユニフィルタープレート(0.3%のポリエチレンイミンで予備浸漬されている)を介して濾過することにより、放射リガンド結合を終了させる。フィルターを、0.01%のTriton X−100を含む氷冷リン酸緩衝生理食塩水(pH7.0)で3回洗浄する。Packard TopCount中で、フィルターを放射能に関して評価する。非特異的結合を、過剰な(10μM)αらせんCRFの存在下に決定する。
【0063】
あるいは、IMR−32ヒト神経芽細胞腫細胞(ATCC;Hoggら、1996年)などの、CRF受容体を天然に発現する組織および細胞を、前記の結合アッセイと類似の結合アッセイで使用することもできる。
【0064】
非線形曲線フィットプログラムRS/1(BBN、Software Products Corp.、Cambridge、MA)を用いるなどの当業界で知られている標準的な方法を使用して、IC50値を計算する。CRF受容体の阻害に関して約10マイクロモル(μM)未満のIC50値を有する場合に、化合物は活性とみなされる。IC50値として表される式Iの化合物の結合親和性は通常、約0.5ナノモルから約10マイクロモルの範囲である。好ましい式Iの化合物は、1マイクロモル未満のIC50を示し、さらに好ましい式Iの化合物は、100ナノモル未満のIC50を示し、さらにいっそう好ましい式Iの化合物は、10ナノモル未満のIC50を示す。
【0065】
(実施例B)
CRF刺激アデニレートシクラーゼ活性の阻害
CRF刺激アデニレートシクラーゼ活性の阻害は、以前に記載されたように行うことができる[G.Battagliaら、Synapse 1:572(1987年)]。簡単には、100mMのトリス−HCl(37℃でpH7.4)、10mMのMgCl、0.4mMのEGTA、0.1%のBSA、1mMのイソブチルメチルキサンチン(IBMX)、250単位/mLのホスホクレアチンキナーゼ、5mMのクレアチンリン酸、100mMのグアノシン5’−三リン酸、100nMのo−CRF、アンタゴニストペプチド(様々な濃度)および0.8mgの元々の湿潤重量組織(タンパク質約40〜60mg)を含む緩衝液200mL中、37℃で10分間、アッセイを実施する。1mMのATP/[32P]ATP(約2〜4mCi/管)を加えることにより、反応を開始し、50mMのTris−HCl、45mMのATPおよび2%のドデシル硫酸ナトリウムを含む100mLを加えることにより終了する。cAMPの回収を監視するために、分離する前に、[H]cAMP1mL(約40000dpm)を各管に加える。[32P]cAMPと[32P]ATPとの分離を、Dowexおよびアルミナカラムでの順次溶離により行う。
【0066】
あるいは、96ウェルフォーマット中、NEN Life SciencesからのAdenylyl Cyclase Activation FlashPlate Assayを利用して、示されているプロトコルに従い、アデニレートシクラーゼ活性を評価することもできる。簡単には、固定量の放射性標識されたcAMPを、抗環状AMP抗体をプレコーティングされている96ウェルプレートに加える。細胞または組織を加え、阻害剤の存在下または不在下に刺激する。細胞により産生された未標識cAMPが、抗体からの放射性標識されたcAMPを置換する。結合した放射性標識cAMPは、Packard TopCountなどのマイクロプレートシンチレーションカウンターを使用して検出することができる光シグナルを発する。未標識cAMPの量が増えると、所定のインキュベーション時間(2〜24時間)で検出可能なシグナルが低下する。
【実施例】
【0067】
調製1
(1R,2S)−1−(3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ)−インダン2−オール
窒素パージされた200リットルのガラス内張反応器に、(1R,2S)−(+)−シス−1−アミノ−2−インダノール(2.5kg、16.1モル、1.5当量)、酢酸パラジウム(II)(72g、0.3モル、3モル%)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(200g、0.3モル、3モル%)および炭酸セシウム(7.0kg、21.5モル、2.0当量)を、続いてトルエン(65L、ドラムストック)を加えた。この攪拌白色懸濁液に、3−クロロ−2,5−ジエチル−ピラジン(1.83kg、10.7モル、1.0当量)を室温で加え、内容物を環流(110℃)に2時間加熱すると、この時点で、反応はHPLCにより完了と判断された(反応混合物4滴を水にクエンチし、次いで、MTBE1mLに抽出し、溶媒を除去し、CHCN/水1.5mLで希釈する)。周囲反応混合物にメチル−t−ブチルエーテル(45L、ドラムストック)および水(45L)を加え、層を分離した。有機層を水(45L)で2回洗浄し、次いで、メチル−t−ブチルエーテル(45L、ドラムストック)で抽出した。次いで、合わせた有機層を真空下に濃縮して、最小体積にした。ジメチルホルムアミド(4gal、E&M Science)を加え、生じた黒色溶液を20Lボトルに移した。(1R,2S)−1−(3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ)−インダン2−オールの収率を、定量HPLCを使用して(2.27kg、73%)決定した。この物質をさらに精製することなく使用した。表題化合物のHPLC保持時間は、2.1分である。カラム150mm×4.6mm、Luna5μフェニル−ヘキシル;50/50 CHCN/水+0.1%TFA、75/25 +0.1%CHCN/水+0.1%TFAへ勾配。IR(拡散反射率)3435、3241、2962、2935、2912、2873、1581、1547、1500、1453、1184、1163、1047、744、733cm−1;OAMS支持イオン:ESI+384.0;MS(CI)m/z284(MH);HRMS(FAB)、C1721O+Hの計算値284.1763、実測値284.1754。[□]25=12(c0.55,塩化メチレン);元素分析C1721Oの計算値:C,72.06;H,7.47;N,14.83。実測値:C,72.15;H,7.53;N,14.42。
【0068】
調製2
(1R,2S)酢酸 1−(3,6−ジエチル−5−ヨード−ピラジン−2−イルアミノ)−インダン−2−イルエステル
窒素パージされた1200リットルのガラス内張反応器に、(1R,2S)−1−(3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ)−インダン2−オール(25kg、86.1モル、1.0当量)、4−ジメチルアミノピリジン(1.0kg、8.6モル、10モル%)およびテトラヒドロフラン(139L、ドラムストック)を、続いてトリエチルアミン(18kg、177.9モル、2.1当量)を加えた。この溶液に、酢酸無水物(10.6kg、103.8モル、1.2当量)を加えたが、その間、内部温度を30℃未満に維持した。20〜25℃で3時間攪拌した後、HPLC(3滴をメタノール1.0mLにクエンチし、次いで、水0.5mLで希釈)は、反応が未完了であることを示した。さらなる無水酢酸(2.4kg、23.8モル、0.3当量)を加え、内容物を1時間攪拌し、次いで、再びアッセイすると、完了と判断された。メタノール(6.3kg、197.2)モルを加えて、過剰の酢酸無水物を消費し、1時間攪拌し、その後、混合物を、クエン酸(23.0kg、119.7モル)を含むメチル−t−ブチルエーテル(200L)および水(200L)で希釈した。相を分離し、水性層をメチル−t−ブチルエーテル(100L)で抽出した。合わせた有機相を1Nの水酸化ナトリウム水溶液(200L)および水(2×100L)で洗浄した。合わせた有機物を真空下に蒸留して75L未満にし、この時点でジメチルホルムアミド(150L、ドラムストック)を加え、濃縮を続けて、〜160Lのタンク体積にした。この溶液を、N−ヨードスクシンイミド(30.0kg、133.3モル、1.5当量)を含む第二の1200Lガラス内張反応器に加え、次いで、55℃に3時間加熱すると、この時点で、反応はHPLCにより完了と判断された(反応混合物3滴を水にクエンチし、次いでMTBE1mLに抽出し、溶媒を除去し、CHCN/水1.5mLで希釈する)。周囲混合物をメチル−t−ブチルエーテル(200L)で希釈し、チオ硫酸ナトリウム五水和物(22.6kg、91モル)を含む水(200L)で処理した。層を分離し、水性層をメチル−t−ブチルエーテル(100L)で抽出した。合わせた有機層を水(3×100L)で洗浄し、次いで、真空下に低い容量まで蒸留すると、粗製の(1R,2S)酢酸 1−(3,6−ジエチル−5−ヨード−ピラジン−2−イルアミノ)−インダン−2−イルエステルが得られた。シリカ(500kg)で、20/80のEtOAc/オクタンで溶離して精製を実施し、200Lフラクションを回収した。オクタンを加えながら適切なカラムフラクションを濃縮すると、懸濁液が得られ、これを0℃に冷却し、濾過し、オクタンで洗浄し、次いで、40℃の窒素を用いて乾燥させると、表題の化合物31.1kg(80%)が白色の固体として得られた。H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 7.28(m,4H)、6.66(d,J=9Hz,1H)、5.80(m,1H)、5.68(m,1H)、3.29(m,1H)、3.01(d,J=17Hz,1H)、2.69(m,4H)、1.88(s,3H)、1.15(m,6H);13C NMR(DMSO−d)δ 169.72、153.75、151.01、143.73、141.24、139.89、127.80、126.75、124.72、124.39、100.66、74.33、57.01、36.82、31.04、24.71、20.86、12.60、11.17。
【0069】
調製3
(5−ブロモ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ジメチル−アミン
5−ブロモ−6−メチル−ピリジン−2−イルアミン(4g、0.021モル)のテトラヒドロフラン(105mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、1.2当量、1g)を加えた。30分後に、ヨードメタン(1.56ml、1.2当量)を加えた。さらに24時間後に、水素化ナトリウム(60%、1.2当量、1g)およびヨードメタン(1.56ml、1.2当量)を加えた。反応混合物を72時間攪拌し、1NのNaOHに注ぎ、エチルエーテルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。2〜10%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するMPLC biotageクロマトグラフィーにより、表題の化合物がオイルとして得られた(4.31g、96%)。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.45(d,J=8.7Hz,1H)、6.20(d,J=8.7Hz,1H)、3.01(s,6H)、2.46(s,3H)。
【0070】
調製4
(5−ボロン酸−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ジメチル−アミン
(5−ブロモ−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ジメチル−アミン(1.0g、0.0046モル)のテトラヒドロフラン(1.6ml)/トルエン(6.6ml)溶液に、n−BuLi(2.5Mを2.24ml)を窒素雰囲気下、−78℃で滴加した。30分後に、ホウ酸トリイソプロピル(1.28ml)を滴加した。30分後に、反応混合物を周囲温度に加温し、30分攪拌し、続いて1NのHCl7mlを加えた。反応混合物を1時間攪拌し、1NのNaOHを用いてpH8までクエンチした。酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮すると、白色の固体が得られた。ヘキサンと共に粉砕し、濾過すると、表題の化合物が白色の固体550mg(65%)として得られた(400MHz、DMSO)δ7.90(m、1H)、6.45(m、1H)、3.01(s、6H)、2.63(s、3H)。
【0071】
(実施例1)
(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル
頭上攪拌機、窒素流入管および環流凝縮器を備えた清潔で無水の1リットル三つ口丸底フラスコに、テトラヒドロフラン(8.60モル;700mL;620g)、(5−ボロン酸−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ジメチル−アミン(1.00当量[限界試薬];194ミリモル;35.0g)、(1R,2S)酢酸 1−(3,6−ジエチル−5−ヨード−ピラジン−2−イルアミノ)−インダン−2−イルエステル(0.500当量;97.2ミリモル;43.9g)、Pd(OAc)(0.0200当量;3.89ミリモル;873mg)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(0.0200当量;3.89ミリモル;2.16g)、フッ化水素カリウム(99〜100重量/重量%)(4.00当量;778ミリモル;61.0g)を充填した。反応混合物を60℃に加熱し、18時間保持した。次いで反応を室温に冷却し、濾過し、生成物を、クロマトグラフィー(20%METB/ヘキサン)を介して単離した。所望の生成物42gmが回収された。これを、さらに精製することなく使用した。(低融点固体)H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.37(m,1H)、7.28(m,4H)、6.40(d,J=8.7Hz,1H)、6.05(m,1H)、5.72(m,1H)、4.82(d,J=9.1Hz,1H)、3.33(dd,J=17.0,5.0Hz,1H)、3.08(s,6H)、2.05(m,1H)、2.67(q,J=7.5Hz,2H)、2.49(q,J=7.5Hz,2H)、2.23(s,3H)、1.94(s,3H)、1.27(m,3H)、1.12(t,J=7.5Hz,3H);MS:(親MH m/z=460.4)。
【0072】
(実施例2)
(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル トルエン4−スルホン酸
2−メチルTHFですすがれた、清潔で無水の丸底フラスコに、2−メチルTHF650ml、(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル65gmを充填した。この溶液を、汚れのない2−メチルTHFですすがれた2L丸底フラスコに濾過した。これに、濾過を介して、2−メチルTHF150mlおよびp−トルエンスルホン酸一水和物34.4gmの溶液を加えた。塩溶液を60℃に加熱し、室温に冷却した。生成物を周囲温度で粒状化させ、濾過により単離し、濾過された2−メチルTHFで洗浄し、真空炉中、45℃で一晩乾燥させた。生成物(79.2gm、収率89%)は、所望の構造に関して一致し、粉末X線は、所望の多形形態に一致した。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ 7.80(d,J=8.3Hz,2H)、7.67(d,J=9.5Hz,1H)、7.34(m,1H)、7.29(m,3H)、7.15(d,J=8.7Hz,2H)、6.72(d,J=9.1Hz,1H)、6.03(m,1H)、5.72(m,1H)、4.97(d,J=9.1Hz,1H)、3.39(s,6H)、3.34(dd,J=17.4,5.4Hz,1H)、3.09(d,J=17.0Hz,1H)、2.63(m,2H)、2.57(s,3H)、2.42(q,J=7.5Hz,2H)、2.32(s,3H)、1.96(s,3H)、1.27(t,J=7.5Hz,3H)、1.15(t,J=7.5Hz,3H);MS:(親M+H m/z=460.1);元素分析C34H41N5O5Sの計算値:C,64.64;H,6.54;N,11.08;S,5.07。実測値:C,64.27;H,6.57;N,10.94;S,5.41。
【0073】
調製5
(1R,2S)1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−オール
(1R,2S)1−(3,6−ジエチル−5−ヨード−ピラジン−2−イルアミノ−インダン−2−オール(1g)のベンゼン(20mL)溶液に、(5−ボロン酸−6−メチル−ピリジン−2−イル)−ジメチル−アミン(880mg、2当量)、ジクロロパラジウムジトリフェニルホスフィン(171mg、0.1当量)および2Nの炭酸ナトリウム溶液(4mL)を加え、反応混合物を75℃に18時間加熱した。反応混合物を周囲温度に冷却し、飽和重炭酸塩に注ぎ、2×酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。20〜40%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するBiotage MPLCで精製すると、表題の化合物(355mg、36%)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.23(m,5H)、6.40(d,J=8.3Hz,1H)、6.57(t,J=5.4Hz,1H)、4.80(m,2H)、3.21(m,2H)、3.08(s,6H)、2.70(q,J=7.5Hz,2H)、2.51(q,J=7.5Hz,2H)、2.23(s,3H)、1.28(t,J=7.5Hz,3H)、1.12(t,J=7.5Hz,3H);MS:(親MH m/z=418.3)。
【0074】
(実施例3)
(1R,2S)[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イル]−(2−エトキシ−インダン−1−イル)−アミン
(1R,2S)1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−オール(93mg)のジメチルホルムアミド(2.2mL)溶液に0℃で、水素化ナトリウム(11mg、1.2当量)をN下に加えた。5分後に、ヨードエタン(1.2当量)を加えた。2時間後に、反応混合物を飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ、塩化メチレンで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。5〜20%酢酸エチル/ヘキサンで溶離するBiotage MPLCで精製すると、表題の化合物(61mg)が得られた。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.43(d,J=6.6Hz,1H)、7.25(m,1H)、7.23(m,3H)、6.40(d,J=8.3Hz,1H)、5.79(m,1H)、5.26(d,J=7.9Hz,1H)、4.35(m,1H)、3.66(m,1H)、3.46(m,1H)、3.10(m,2H)、3.09(s,6H)、2.70(q,J=7.5Hz,2H)、2.50(q,J=7.5Hz,2H)、2.24(s,3H)、1.28(t,J=7.5Hz,3H)、1.12(m,6H);MS:(親MH m/z=446.3)。
【0075】
CRF受容体に対する結合定数であるK値を、本発明の化合物例で測定した。実施例1の化合物(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステルは、19nMのKを有することが判明した。実施例3の化合物(1R,2S)[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イル]−(2−エトキシ−インダン−1−イル)−アミンは、13nMのKを有することが判明した。これらの結果は、CRF受容体アンタゴニストとして作用する本発明の化合物の能力を支持する強力な証拠を示している。
【0076】
本明細書に開示されている具体的な実施例は、本発明の態様を詳述することを意図しており、本発明の範囲を制限することは何ら意図していない。任意の同等な実施形態は、本発明の範囲内であることとする。本明細書に示されている変法に加えて、本発明の様々な変法が、前記の記載から当業者には明らかであろう。このような変法も、添付の請求項の範囲内であることとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその薬学的に許容できる塩:
【化1】

[式中、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C(O)C〜Cアルキル、C(O)C〜CアルケニルまたはC(O)C〜Cアルキニルであり、
は、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、
22は、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロゲン、OC〜Cアルキル、OC〜CアルケニルまたはOC〜Cアルキニルであり、
は、C〜Cアルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、ハロゲン、OC〜Cアルキル、OC〜Cアルケニル、OC〜CアルキニルまたはNRであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルであり、
は、水素、C〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである]。
【請求項2】
がエチルまたはC(O)CHである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がエチルであり、R22がエチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がC〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がNR5Rである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
がC〜Cアルキル、C〜CアルケニルまたはC〜Cアルキニルである、請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がメチルであり、RがN(CHである、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル、
(1R,2S)酢酸 1−[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イルアミノ]−インダン−2−イルエステル トルエン4−スルホン酸および
(1R,2S)[5−(6−ジメチルアミノ−2−メチル−ピリジン−3−イル)−3,6−ジエチル−ピラジン−2−イル]−(2−エトキシ−インダン−1−イル)−アミン
からなる群から選択される化合物。
【請求項9】
薬学的に許容できる担体および請求項1に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項10】
哺乳動物における全般性不安障害、社会不安障害、パニック障害、強迫性障害、併発の病的鬱病性疾患に伴う不安、情動障害、不安、摂食障害、双極性障害および鬱病からなる群から選択される障害を治療する方法であって、前記哺乳動物に請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項11】
哺乳動物におけるCRFの過分泌を示す障害を治療する方法であって、前記哺乳動物に治療有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項12】
CRF受容体のリガンドをスクリーニングする方法であって、a)CRF受容体、検出可能な標識で標識されている請求項1に記載の化合物および候補リガンドを用いて、競合結合アッセイを実施するステップと、b)前記標識化合物を置換する前記候補リガンドの能力を決定するステップとを含む方法。
【請求項13】
組織中のCRF受容体を検出する方法であって、a)検出可能な標識で標識された請求項1に記載の化合物を組織と、前記化合物と前記組織との結合が可能な条件下に接触させるステップと、b)前記組織に結合した前記標識化合物を検出するステップとを含む方法。
【請求項14】
CRFのCRF受容体への結合を阻害する方法であって、請求項1に記載の化合物をCRF受容体発現細胞を含む溶液と接触させるステップを含み、前記化合物は、CRFのCRF受容体への結合を阻害するのに十分な濃度で前記溶液中に存在する方法。
【請求項15】
in vitroでCRF受容体発現細胞へのCRF結合のレベルを低減する方法であって、請求項1に記載の化合物を前記細胞を含む溶液と接触させるステップを含み、前記化合物は、in vitroで前記細胞へのCRF結合のレベルを低減するのに十分な濃度で前記溶液中に存在する方法。

【公表番号】特表2008−533124(P2008−533124A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501437(P2008−501437)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【国際出願番号】PCT/IB2006/000564
【国際公開番号】WO2006/114666
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】