説明

耐変色性及び透明性に優れたメタクリレート樹脂及びその製造方法

本発明の一態様は、懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸が用いられる懸濁重合により製造されたメタクリレート樹脂に関する。懸濁安定剤は、単量体混合物100質量部に対して約0.05〜約0.25重量部の量で用いられる。本発明の他の態様は、少なくとも約50重量%のアルキルメタクリレートを含む単量体混合物に、開始剤および連鎖移動剤を混合して混合物を製造する段階;および前記混合物をポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液に添加して懸濁重合する段階を含むメタクリレート樹脂の製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐変色性及び透明性を有するメタクリレート樹脂に関する。より具体的には、本発明は、懸濁重合の間に懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸を用いることにより、機械的強度を低下することなく変色を減少させ、良好な溶融特性を有することができるメタクリレート樹脂に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、メタクリレート樹脂は十分な剛性、高い透明性および優れた耐候性を有する。それ故、メタクリレート樹脂は射出成形または押出成形されて様々な分野に適用されている;例えば、自動車のランプレンズ(lamp lenses)および計器盤のカバー、眼鏡のレンズなどのような射出成形物、または看板及び名札のような押出シートなどである。
【0003】
メタクリル系樹脂が押出製品に成形される場合、樹脂は成形工程中の高い流動性および透明性を有することが望まれる。メタクリル系樹脂の加工特性を向上させるため、樹脂の分子量を減少させる方法または重合時にアクリル系共単量体を導入する方法が提案されている。樹脂の分子量を減少させる方法は流動特性を向上させうるが、樹脂の機械的物性が低下しうるため、問題となる場合がある。
【0004】
米国特許第5,726,268号では、樹脂の物性を向上させるために、多官能性単量体を導入することにより製造された分子量80,000〜400,000のメチルメタクリレート重合体が開示されている。しかしながら、メタクリレート樹脂は基本的に高い溶融粘度を有するため、かように高い分子量の樹脂は成形工程中において厳しい条件が必要とされ、これにより樹脂の耐変色性および熱安定性が低下する場合がある。
【0005】
一般に、メタクリレート樹脂はその重合反応特性のために熱安定性が劣る。これは、メタクリレート樹脂の重合反応は、不均化停止反応が優勢のため、重合体中に末端不飽和基が形成されうる。その結果、成形工程中に熱分解が発生し、耐熱性および耐変色性が低下する。
【0006】
米国特許第3,978,022号では、熱分解を抑制するためにジスルフィドを採用するメチルメタクリレート含有重合体を含む組成物が開示されている。
【0007】
したがって、本発明者らは、メタクリレート樹脂の懸濁重合の間に懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸を導入することにより、優れた機械的物性を維持しながらも優れた耐変色性、透明性および流動性を有するメタクリル系樹脂を開発してきた。
【発明の開示】
【0008】
発明の詳細な説明
技術的課題
本発明の目的は、機械的物性が低下することなく、耐変色性に優れたメタクリレート樹脂を提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、機械的物性が低下することなく、透明性および流動性に優れたメタクリレート樹脂を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的および利点は、次の開示および添付の特許請求の範囲から明らかであろう。
【0011】
技術的解決方法
本発明の一態様は、懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸が用いられる、懸濁重合によって製造されるメタクリレート樹脂を提供する。
【0012】
本発明の具体例において、懸濁安定剤は、単量体混合物100重量部に対して約0.05〜約0.25重量部の量で用いられる。
【0013】
単量体混合物は、アルキルメタクリレート約50〜約100重量%およびアルキルメタクリレートと重合可能な単量体約0〜約50重量%を含むことができる。
【0014】
本発明の具体例において、アルキルメタクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートまたはブチルメタクリレートを挙げることができる。
【0015】
ポリアルキルアクリレート−アクリル酸は、ポリエチルアクリレート−アクリル酸、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸およびポリエチル−ヘキシルアクリレート−アクリル酸から選択される少なくとも一つであることができる。
【0016】
メタクリレート樹脂は、約15,000〜200,000の重量平均分子量を有する。
【0017】
本発明の具体例において、メタクリレート樹脂は、ASTM D−1925の規格による黄色度(Yellow Index)が約0.9以下であり、3.0mm厚さの試片の全光線透過率が約92%以上であり、ヘイズ(haze)が約0.6以下である。
【0018】
本発明の他の実施態様は、メタクリレート樹脂の製造方法を提供する。前記方法は、アルキルメタクリレートを少なくとも約50質量%含む単量体混合物に開始剤と連鎖移動剤とを混合して混合物を製造する段階;および前記混合物をポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液に添加して懸濁重合する段階を含む。
【0019】
本発明の具体例において、ポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液は懸濁安定補助剤をさらに含むことができる。
【0020】
本発明の具体例において、重合は約70〜120℃で約2〜約8時間行なわれることができる。
【0021】
重合は、滑剤、紫外線吸収剤、染料、酸化防止剤およびこれらの混合物よりなる群から選択される添加剤の存在下で行なわれうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の一態様は、懸濁重合により製造されたメタクリレート樹脂に関し、この際、懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸を用いる。
【0023】
本発明において、アルキルメタクリレートは、全単量体の約50重量部以上の量で用いられる。アルキルメタクリレートの量が50重量部未満であると、得られたメタクリレート樹脂は透明性および機械的強度に劣る場合がある。
【0024】
一実施形態において、単量体混合物は、アルキルメタクリレート約50〜100重量%およびこれと共重合可能な単量体約0〜50重量%を含むことができる。
【0025】
他の実施形態において、単量体混合物は、アルキルメタクリレート約60〜99重量%およびこれと共重合可能な単量体約1〜40重量%を含むことができる。
【0026】
アルキルメタクリレートの例としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、およびブチルメタクリレートのようなメタクリル酸エステルが挙げられる。
【0027】
アルキルメタクリレートと共重合可能な単量体としては、単官能不飽和単量体でありうるが、これに制限されない。単官能不飽和単量体の例としては、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびベンジルメタクリレートを含むメタクリル酸エステル単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを含むアクリル酸エステル単量体;アクリル酸、メタクリル酸を含む不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸を含む酸無水物単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、モノグリセロールアクリレートを含むヒドロキシ基含有エステル単量体;アクリルアミド、メタクリルアミドを含むアミド単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルを含むニトリル単量体;アリルグリシジルエーテル;グリシジルメタクリレート;スチレン、α−メチルスチレンを含むスチレン系単量体が挙げられる。これらの単量体は、単独で用いられてもよいし、2種以上互いに組み合わせて用いられてもよい。
【0028】
本発明においては、懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸が用いられる。
【0029】
ポリアルキルアクリレート−アクリル酸の例としては、ポリエチルアクリレート−アクリル酸、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸、ポリエチルヘキシルアクリレート−アクリル酸などを挙げることができる。前記ポリアルキルアクリレート−アクリル酸のうち、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸が好ましい。
【0030】
懸濁安定剤に関しては、ポリオレフィン−マレイン酸、ポリビニルアルコール、セルロースのような有機懸濁安定剤、およびトリカルシウムホスフェートのような無機懸濁安定剤が一般的に用いられてきた。しかしながら、従来の懸濁安定剤の使用により、耐変色性および透明性が低下する場合がある。
【0031】
本発明の実施形態例において、ポリアルキルアクリレート−アクリル酸は、単量体混合物100重量部に対して約0.05〜約0.25重量部、好ましくは約0.07〜約0.18重量部の量で用いられることができる。ポリアルキルアクリレート−アクリル酸の量が0.25重量部を超えると、重合中に多量の気泡が発生して、得られる樹脂の作業容易性が低下する場合がある。一方、ポリアルキルアクリレート−アクリル酸の量が0.05重量部未満であると、分散安定性が低下する場合がある。
【0032】
本発明のメタクリレート樹脂は、従来の懸濁重合方法により製造されることができ、従来の懸濁安定補助剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、および重合開始剤を共に用いることができる。
【0033】
本発明の他の実施態様は、メタクリレート樹脂の新たな製造方法を提供する。一実施形態において、前記方法は、少なくとも約50重量%以上のアルキルメタクリレートを含む単量体混合物に、開始剤および連鎖移動剤を混合して混合物を製造する段階;および前記混合物をポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液に添加して懸濁重合する段階を含む。
【0034】
連鎖移動剤の例としては、n−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、イソプロピルメルカプタン、n−アミルメルカプタンなどのようなCH(CHSHの式で表されるアルキルメルカプタン;四塩化炭素などのようなハロゲン化合物;およびα−メチルスチレンダイマーおよびα−エチルスチレンダイマーのような芳香族化合物を含むことができる。連鎖移動剤の量はその種類によって異なりうる。好ましくは、この量は単量体混合物100重量部に対して約0.02〜約10重量部である。この量が0.02重量部未満であると、熱分解が発生して耐熱性が低下する虞れがある。この量が10重量部より多いと、得られる樹脂の分子量が低く機械的物性が低下する虞れがある。
【0035】
重合開始剤の例としては、オクタノイルペルオキシド、デカノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、モノクロロベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、p−メチルベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−(2,4−ジメチル)−バレロニトリルなどが挙げられる。
【0036】
さらに、ポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液は懸濁安定補助剤を含んでいてもよい。
【0037】
懸濁安定補助剤の例としては、リン酸水素二ナトリウムまたはリン酸二水素ナトリウムが挙げられる。硫酸ナトリウムは水溶性重合体または単量体の溶解度を調節するために用いることができる。
【0038】
重合は、滑剤、紫外線吸収剤、染料、酸化防止剤およびこれらの混合物よりなる群から選択される添加剤の存在下で行なうことができる。これら添加剤は重合工程またはペレット化工程中に添加することができる。
【0039】
酸化防止剤の例としては、オクタデシル3−(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、トリエチレングリコール−ビス−3(3−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート、2,6−ジ−ターシャリーブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ターシャリー−ブチルフェノール)、トリス(2,4−ジ−ターシャリー−ブチルフェニル)ホスファイト、n−オクタデシル−3(3,5−ジ−ターシャリーブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリ(3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアネート、3−3,5−ジ−ターシャリー−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルチオプロピオネートメタン、およびジフェニル−イソオクチルホスファイトが挙げられる。
【0040】
重合は約70〜約120℃で約2〜約8時間行なわれる。
【0041】
重合反応が完了した後、粒子形態の重合体を得るために、重合体を冷却、洗浄、脱水および乾燥する。続いて、重合体を押出工程を通じてペレット化し、樹脂組成物を得る。得られたメタクリレート樹脂は、約15,000〜約200,000、好ましくは約50,000〜約150,000、さらに好ましくは約50,000〜約100,000の重量平均分子量を有することができる。
【0042】
メタクリレート樹脂は、ASTM D−1925の規格による黄色度(Yellow Index)が約0.9以下であり、3.0mm厚さの試片の全光線透過率が約92%以上であり、およびヘイズが約0.6以下である。
【0043】
本発明の一実施形態において、メタクリレート樹脂は、ASTM D−1925の規格によるYellow Indexが約0.1〜0.85であり、3.0mm厚さの試片の全光線透過率が約93〜99%であり、ヘイズが約0.1〜0.55である。
【0044】
本発明は、下記の実施例を参照することによりより一層理解できるが、下記の実施例は本発明の具体的な例示目的のためであり、添付の請求項で定められる本発明の保護範囲が限定して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0045】
発明の実施のための形態
実施例
実施例1
メチルメタクリレート97重量部およびメチルアクリレート3重量部からなる単量体混合物、過酸化ラウロイル(ラウロイルペルオキシド)0.3重量部およびノルマル−オクチルメルカプタン0.31重量部を混合し、均一な混合物を作った。
【0046】
攪拌機付きのステンレス高圧反応器で少量の懸濁補助安定剤、リン酸水素二ナトリウムおよび硫酸ナトリウムをイオン交換水110重量部に溶解し、懸濁安定剤としてポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸(分子量が少なくとも1,000,000である)0.15重量部をここに添加し、攪拌した。ポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液に単量体混合物を添加し、窒素、アルゴンなどのような不活性気体で反応器をパージ(purge)しながら、そして反応器を加熱しながら強く攪拌した。前記反応は、72℃で2時間、続いて110℃で1時間行い、重合反応を終結する。生成物を洗浄、脱水および乾燥して粒子形態の重合物を得た後、分子量を測定した。重合体粒子を押出及び射出して試片を得た。試片の物性を測定した。その結果を表1に表す。
【0047】
実施例2
実施例2は、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸0.1重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0048】
実施例3
実施例3は、ポリエチルヘキシルアクリレート−アクリル酸0.15重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0049】
実施例4
実施例4は、ポリエチルヘキシルアクリレート−アクリル酸0.1重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0050】
比較例1
比較例1は、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸の代わりに、ポリビニルアルコール0.3重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0051】
比較例2
比較例2は、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸の代わりに、ポリオレフィン−マレイン酸0.5重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0052】
比較例3
比較例3は、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸の代わりに、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン0.5重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0053】
比較例4
比較例4は、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸の代わりに、トリカルシウムホスフェート0.6重量部を用いたことを除いては実施例1と同様な方法で行なわれた。
【0054】
物性の結果を表1に示す。
【0055】
【表1】

【0056】
物性は次のように測定された:
(1)分子量:分子量はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:Gel Permeation Chromatography)を用いて測定した。
【0057】
(2)MI(溶融流れ指数;Melt flow index):溶融流れ指数は、220℃で10分間10kgの荷重で、ASTM D−1238に従って測定した。
【0058】
(3)YI(黄色度;Yellow Index):黄色度は、分光測色計を用いて、ASTM D−1925規格に従って測定した。
【0059】
(4)透明性:透明性は、厚さ3.0mmの試片を用いて、日本の株式会社菅製作所(SUGA INSTRUMENT Co.,Ltd.)製のカラーコンピューター測定機器により全光線透過率およびヘイズとして表した:
【0060】
【数1】

【0061】
表1で示されているように、懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸を用いた実施例1〜4は、比較例に比べて優れた耐変色性および透明性を示す。
【0062】
上記において、本発明を特定の好適な実施形態に基づいて説明したが、添付の特許請求の範囲で規定される本発明の精神および範囲から離れることなく、種々の変形および改良が付加されうることは当業者にとって明白であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
懸濁安定剤としてポリアルキルアクリレート−アクリル酸が用いられる、懸濁重合によって製造されるメタクリレート樹脂。
【請求項2】
前記懸濁安定剤は、単量体混合物100重量部に対して約0.05〜約0.25重量部の量で用いられる、請求項1に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項3】
前記単量体混合物は、アルキルメタクリレート約50〜約100重量%、およびアルキルメタクリレートと共重合可能な単量体約0〜約50重量%を含む、請求項2に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項4】
前記アルキルメタクリレートと共重合可能な単量体は、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレートおよびベンジルメタクリレートを含むメタクリル酸エステル単量体;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを含むアクリル酸エステル単量体;アクリル酸、メタクリル酸を含む不飽和カルボン酸単量体;無水マレイン酸を含む酸無水物単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、モノグリセロールアクリレートを含むヒドロキシ基含有エステル単量体;アクリルアミド、メタクリルアミドを含むアミド単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルを含むニトリル単量体;アリルグリシジルエーテル;グリシジルメタクリレート;スチレン、α−メチルスチレンを含むスチレン系単量体、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項3に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項5】
前記アルキルメタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレートまたはブチルメタクリレートである、請求項3に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項6】
前記ポリアルキルアクリレート−アクリル酸は、ポリエチルアクリレート−アクリル酸、ポリエチルアクリレート−メチルアクリル酸、およびポリエチル−ヘキシルアクリレート−アクリル酸よりなる群から選択される少なくとも一つである、請求項1に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項7】
前記メタクリレート樹脂は、重量平均分子量が約15,000〜約200,000である、請求項1に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項8】
前記メタクリレート樹脂は、ASTM D−1925の規格による黄色度(Yellow Index)が約0.9以下であり、3.0mm厚さの試片の全光線透過率が約92%以上であり、およびヘイズが約0.6以下である、請求項1に記載のメタクリレート樹脂。
【請求項9】
少なくとも約50重量%のアルキルメタクリレートを含む単量体混合物に、開始剤および連鎖移動剤を混合して混合物を製造する段階;および
前記混合物をポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液に添加して懸濁重合する段階;
を含む、メタクリレート樹脂の製造方法。
【請求項10】
さらに、前記ポリアルキルアクリレート−アクリル酸水溶液は懸濁安定補助剤を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記重合は約70〜約120℃で、約2〜約8時間行なわれる、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記重合は、滑剤、紫外線吸収剤、染料、酸化防止剤、およびこれらの混合物よりなる群から選択される添加剤の存在下で行なわれる、請求項9に記載の方法。

【公表番号】特表2010−514884(P2010−514884A)
【公表日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−543928(P2009−543928)
【出願日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【国際出願番号】PCT/KR2007/006730
【国際公開番号】WO2008/078918
【国際公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】