説明

肥満及び糖尿病の治療におけるERストレス低減

小胞体(ER)ストレスは、肥満に結びつくことが見出されており、それ故、ERストレスを低減する又は予防する薬剤は、末梢インスリン抵抗性、高血糖症及び2型糖尿病を含む、肥満に関連する疾患を治療するために使用することができる。ERストレスを低減し、血糖値を低下させることを示す2つの化合物は、4−フェニル酪酸(PBA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)及びトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)を含む。ERストレスを低減するのに有用なその他の化合物は、トリメチルアミンN−オキシド及びグリセロールのような化学シャペロンである。本発明は、PBA、TUDCA及びTMAOのようなERストレス低減剤を使用して、肥満、高血糖症、2型糖尿病又はインスリン抵抗性に罹患している対象を治療する方法を提供する。ERストレスを受けている細胞においてERストレスマーカーのレベルを低下させる薬剤を同定することにより、ERストレス低減剤をスクリーニングする方法も提供される。これらの薬剤は、肥満関連の疾患を治療するための方法及び医薬組成物において使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、35U.S.C.§119(e)の下に、2004年9月15日出願の米国特許仮出願第USSN60/610,093号に対する優先権を主張し、参照することにより本明細書に組み込まれる。本出願はまた、「代謝障害の治療のためのXBP−1活性の調節」と題する、2004年9月15日出願の米国特許仮出願第U.S.S.N.60/610,286号;「代謝障害の治療のためのXBP−1活性の調節」と題する、2005年9月15日出願の米国特許出願第U.S.S.N XX/XXX,XXX号;及び「XBP−1活性を調節するための方法及び組成物」と題する、2003年9月2日出願の米国特許出願第U.S.S.N.10/655,620号に関連し、それらの各々が参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
(政府支援)
本明細書で述べる研究は、国立衛生研究所からの助成金交付No.32412により、一部支援されて実施され、米国政府は本発明に一定の権利を有している。
【背景技術】
【0003】
世界の大部分の地域における肥満の発生率の劇的な上昇は、インスリン抵抗性、2型糖尿病及び心臓血管疾患の発症率上昇に寄与してきた。これらの肥満関連疾患はヒトの健康に対する深刻な脅威となってきている。
【0004】
肥満は細胞ストレスシグナル伝達経路の活性化に関与することが見出されている(Uysal et al. Nature 389:610, 1997; Hirosumi et al. Nature 420:333, 2003; Yuan et al. Science 293:1673, 2001;各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。細胞ストレス応答におけるプレーヤーの1つが、分泌及び膜タンパク質の合成とプロセシングにおいて機能する膜ネットワーク、小胞体(ER)である。ERは、真核細胞の大部分の分泌及び内在性膜タンパク質のプロセシング及び転位に関与する。ERの内腔は、これらのタンパク質の翻訳後修飾及びフォールディングのために特殊な環境を提供する。正しくフォールディングされたタンパク質はERから出て行くことが可能になり、分泌経路へと進むが、一方フォールディングされなかったか又はミスフォールディングのタンパク質は、ER関連タンパク質分解機構によって処分される。細胞が処理するタンパク質の負荷は、細胞型及び細胞の生理的状態に依存して大きく異なる。細胞は、それらのERがタンパク質を処理する能力及び合成されるタンパク質の負荷を調節することによって適応することができる。ER負荷とフォールディング能力の間の不均衡は、ERストレスと称される(Harding et al. Diabetes 51(Supp. 3):S455, 2002;参照することにより本明細書に組み込まれる)。ERストレスは、低酸素症、低血糖症、ER機能を乱す天然毒素に曝すこと、及び対象タンパク質のフォールディング能力に影響する様々な突然変異により、誘発されることが示されている(Lee, Trends Biochem. Sci. 26:504-510, 2001; Lee, Curr. Opin. Cell Biol. 4:267-273, 1992;各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。
【0005】
ある特定の病的状態は、ERホメオスタシスを妨害し、それによりER内腔におけるフォールディングされなかった及びミスフォールディングされたタンパク質の蓄積を導くことが示されている(Hampton Curr. Biol. 10:R518, 2000; Mori Cell 101:451, 2000; Harding et al. Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 18:575, 2002;各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。ERストレスに対抗するために、細胞は、フォールディング異常タンパク質応答(UPR)と呼ばれる、ER内腔を細胞質及び核に連結するシグナル伝達システムを活性化する(Hampton Curr. Biol. 10:R518, 2000; Mori Cell 101:451, 2000; Harding et al. Annu. Rev. Cell Dev. Biol. 18:575, 2002;各々が参照することにより本明細書に組み込まれる、)。ERストレスを誘発する状態には、グルコース及び栄養素欠乏、ウイルス感染、分泌タンパク質の合成量増加、並びに突然変異体又はミスフォールディングタンパク質の発現がある(Ma et al. Cell 107:827, 2001; Kaufman et al. Nat. Rev. MoI. Cell Biol. 3:411, 2002;各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ERストレスの誘発を示している状態の多くはまた、肥満、並びに2型糖尿病、高血糖症及びインスリン抵抗性などに関連する疾患において起こることが見出されている。例えば、肥満は、多くの分泌器官系の細胞の合成機構に対して要求を増加させると、同時に細胞内エネルギーの流れ及び栄養素のアベイラビリティーの異常を引き起こす。本発明は、肥満に関連するこれらの疾患の多くが、特に末梢組織において、ERストレスを引き起こし、そしてERストレスは、肥満の2つの続発症であるインスリン抵抗性及び2型糖尿病の誘発に関与するという認識に由来する。従って、ERストレスを低減する薬剤は、肥満、末梢インスリン抵抗性、高血糖症及び2型糖尿病を治療する上で有用である。これらの疾患の治療において有用な薬剤は、ERストレスを低減する又は予防することが知られている低分子、タンパク質、核酸及びその他の何れかの化合物を包含する。これらの薬剤は、突然変異体又はミスフォールディングタンパク質の産生を低下させること、ERシャペロンの発現を増加させること、タンパク質の安定性を上昇させること、ERのプロセシング能力を促進することのような、ERストレスを低減する又は予防するように働く。特に有用な薬剤は、4−フェニル酪酸(PBA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、グリセロール、DO、ジメチルスルホキシド、グリシンベタイン、メチルアミン及びグリセロールホスホコリンのような化学シャペロンを包含する。特に、PBA及びTUDCAはいずれも、動物を上記化合物で処置した後にウエスタンブロット法により測定した場合、PERKのリン酸化低下、JNKの活性化低下及びIRE−1αのリン酸化低下によって測定されるように、動物においてERストレスを調節することが示された。加えて、PBA及びTUDCAの両方が、インスリン受容体、インスリン基質1−IRS−1及びIRS−1のチロシンリン酸化上昇、及びAktのセリンリン酸化上昇によって測定されるように、動物においてインスリン受容体シグナル伝達を調節する。TMAOは、インスリン抵抗性及び2型糖尿病を有する動物に投与した場合、グルコース及びインスリンレベルを低下させて、インビボで抗糖尿病薬として働くことが示されている。前記薬剤又はその薬剤の医薬組成物は、ERストレスを低下させるのに有効な用量で、対象(例えば、ヒト、イヌ、ネコ、哺乳動物、動物)に投与され、それにより肥満、インスリン抵抗性及び2型糖尿病の徴候、症状及びそれらから導かれる結果を低減する。本発明はまた、ERストレスを低減する薬剤を投与することによって、肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病及び高血糖症を治療する及び/又は予防する方法を提供する。薬剤は、薬剤送達分野において公知の何れかの方法で投与できるが、好ましくは、薬剤は経口又は非経口で送達される。これらの薬剤の用量範囲は、送達される薬剤及びその他の因子に依存するが、一般的には10mg/kg/日〜10g/kg/日である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある特定の態様では、ERストレスを低減するために使用される薬剤は、4−フェニル酪酸(PBA)である。
【0008】
【化004】

【0009】
PBAは、ERストレスを調節し、インスリンシグナル伝達を調節することが示されている。フェニル酪酸(PBA)又はその誘導体若しくは塩は、ERストレスを低減するために対象に投与され、肥満、2型糖尿病、インスリン抵抗性の治療において、及び血糖値を低下させる上で特に有用である。PBAは、血糖値を低下させ、インスリン感受性を上昇させるのに有効である(図4及び5)。PBA又はその医薬組成物は、10mg/kg/日〜2g/kg/日、好ましくは100mg/kg/日〜1g/kg/日、より好ましくは500mg/kg/日〜1g/kg/日の範囲の用量で投与される。
【0010】
別な態様では、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、つまり胆汁酸が、ERストレスを低減するために使用される薬剤である。
【0011】
【化005】

【0012】
TUDCAは、ERストレス及びインスリンシグナル伝達を調節することが示されている。本発明は、ERストレスを低減するためのタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)又はその塩又は誘導体の対象への投与を提供する。TUDCAは、肥満、2型糖尿病及びインスリン抵抗性の治療においてこの薬剤を有用なものにする、血糖値を低下させ、インスリン感受性を上昇させることが認められた(図6)。TUDCA又はその医薬組成物は、10mg/kg/日〜2g/kg/日、好ましくは100mg/kg/日〜1g/kg/日、より好ましくは250mg/kg/日〜750mg/kg/日の範囲の用量で投与される。
【0013】
別な態様では、TMAOが、ERストレスを低減するために使用される薬剤である。
【0014】
【化006】

【0015】
TMAOは、インビボで抗糖尿病薬として働くことが示されている(図7参照)。本発明は、ERストレスを低減するためのTMAO又はその塩若しくは誘導体の対象への投与を提供する。TUDCAは、肥満、2型糖尿病及びインスリン抵抗性の治療においてこの薬剤を有用なものにする、血糖値を低下させ、インスリン感受性を上昇させることが認められた(図7)。TMAO又はその医薬組成物は、100mg/kg/日〜0.01g/kg/日、好ましくは10mg/kg/日〜0.1g/kg/日、より好ましくは5mg/kg/日から0.5mg/kg/日の範囲の用量で投与される。
【0016】
ERストレスを低減する薬剤及び医薬的に許容され得る賦形剤を含有する医薬組成物も提供される。前記医薬組成物は、経口、非経口又は経皮送達用に製剤し得る。ERストレス低減剤はまた、インスリン、抗糖尿病薬、血糖降下薬、コレステロール低下薬、食欲抑制剤、アスピリン、ビタミン、ミネラル及び抗高血圧薬のようなその他の薬剤と組み合わせることができる。例えば、PBAは、メトホルミンと組み合わせる又はメトホルミンと共に投与することができる。薬剤は、同じ医薬組成物中で組み合わせるか又は別々のままで(すなわち2つの別々の製剤で)、キット中で一緒に提供できる。キットはまた、医師及び/又は患者のための指示書、注射器、針、箱、ビン、バイアル等を含むことができる。
【0017】
別な態様では、本発明は、ERストレスを低減する薬剤をスクリーニングする方法を提供する。同定される薬剤は、肥満、2型糖尿病、高血糖症及びインスリン抵抗性の治療において有用である。スクリーニングする薬剤を、ERストレスを経験している細胞と接触させる。細胞によって経験されるERストレスは、遺伝子変化又はERストレスを生じさせることで公知の化合物(例えばツニカマイシン、タプシガルギン)による処置により引き起こされる。本発明のスクリーニングにおいて特に有用な細胞は、肝細胞及び脂肪細胞である。次に、ERストレスを低減する薬剤を同定するためにERストレスマーカーのレベルを測定する。ERストレスのマーカーの例は、スプライシングされた形態のXBP−1、PERK(Thr980)及びeIF2α(Ser51)のリン酸化状態、GRP78/BIPのmRNA及びタンパク質レベル、及びJNK活性を包含する。ERストレスを有する細胞と接触させた場合に、未処置の対照細胞と比較してERストレスのマーカーの低下を生じさせる薬剤であれば、ERストレスを低減する薬剤として同定される。ERストレスマーカーのレベルの低下は、肥満、2型糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖症、嚢胞性線維症及びアルツハイマー病のような、ERストレスに関連する疾患を治療する上で有用な薬剤であることを示す。本発明の方法を用いて同定される薬剤は、本発明の一部である。これらの薬剤は、医薬組成物における使用のために更にテストすることができる。
【0018】
別な態様では、本発明は、ERストレスマーカーの発現のレベルを測定することによる、インスリン抵抗性、高血糖症又は2型糖尿病を診断する方法を提供する。本発明の診断方法において分析できるマーカーは、スプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態、eIF2αのリン酸化、GRP78/BIPのmRNAレベル、GRP78/BIPのタンパク質レベル及びJNK活性を包含する。ERストレスを示すことが公知のその他の何れかの細胞マーカーが使用できる。これらのマーカーのレベルは、ウエスタンブロット法、ノーザンブロット法、免疫測定法又は酵素アッセイを含む、当分野で公知の何れかの方法によって測定できる。ERストレスマーカーのレベルの上昇は、対象が、インスリン抵抗性、高血糖症又は2型糖尿病に関するリスクがあることを示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(定義)
「動物」:本明細書中で使用する動物という用語は、ヒト並びに、例えば哺乳動物、鳥、爬虫動物、両生動物及び魚を含む、非ヒト動物を指す。好ましくは、非ヒト動物は哺乳動物(例えば、げっ歯動物、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長動物又はブタ)である。ある特定の態様では、動物はヒトである。
【0020】
「化学シャペロン」:「化学シャペロン」は、変性(例えば、化学変性、熱変性)に対してタンパク質の高次構造を安定化し、それによってタンパク質の構造と機能を保持することが知られている化合物である(Welch et al. Cell Stress Chaperones 1:109-115, 1996;参照することにより本明細書に組み込まれる)。ある特定の態様では、「化学シャペロン」は、低分子又は低分子量化合物である。好ましくは、「化学シャペロン」は、タンパク質ではない。「化学シャペロン」の例には、グリセロール、重水素水(DO)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)、グリシンベタイン(ベタイン)、グリセロールホスホコリン(GPC)(Burg et al. Am. J. Physiol.(Renal Physiol. 43):F762-F765, 1998;参照することにより本明細書に組み込まれる)、4−フェニル酪酸塩又は4−フェニル酪酸(PBA)、メチルアミン、及びタウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)が含まれる。化学シャペロンは、細胞におけるタンパク質のフォールディングに影響を及ぼすために使用できる。化学シャペロンは、ある特定の場合、嚢胞性線維症(Fischer et al. Am. J. Physiol. Lung Cell MoI. Physiol. 281:L52-L57, 2001;参照することにより本明細書に組み込まれる)、プリオン関連疾患、腎原性尿崩症及び癌などの疾患において見られるフォールディング/輸送異常を是正することが示された(Bai et al. Journal of Pharmacological and Toxicological Methods 40(l):39-45, July 1998;参照することにより本明細書に組み込まれる)。化学シャペロンはまた、ERストレスの低減においても使用でき、肥満、2型糖尿病、インスリン抵抗性及び高血糖症の治療において有用である。
【0021】
「有効量」:一般に、ERストレス低減剤又はその医薬組成物のような活性薬剤の「有効量」は、所望の生物学的応答を引き出すために必要な量を示す。当業者には認識されるように、ERストレスを低減する又は予防する薬剤の有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達する薬剤、治療する疾患、治療する対象等の因子に依存して変化しうる。例えば、高血糖症又は2型糖尿病を治療するために使用される薬剤の有効量は、血糖値が少なくとも約10%、20%、30%、40%又は50%の減少となる量である。その他の態様では、ERストレス調節剤の有効量は、少なくとも1つのERストレスマーカー(例えばスプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態、eIF2αのリン酸化、GRP78/BIPのmRNAレベル、GRP78/BIPのタンパク質レベル及びJNK活性)のレベルを低下させる。ある特定の態様では、少なくとも2、3、4又はそれ以上のERストレスマーカーのレベルが低下する。ERストレスマーカーは、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、99%又は100%減少し得る。
【0022】
「ペプチド」又は「タンパク質」:本発明によれば、「ペプチド」又は「タンパク質」は、ペプチド結合によって互いに連結された少なくとも3個のアミノ酸列を含む。「タンパク質」及び「ペプチド」という用語は、どちらを用いてもよい。本発明のペプチドは、好ましくは天然アミノ酸だけを含むが、当分野において公知である非天然アミノ酸(すなわち天然では生じないが、ポリペプチド鎖に組み込まれ得る化合物)及び/又はアミノ酸類似体を代わりに用いることができる。また、本発明のペプチド内の1つ又はそれ以上のアミノ酸は、炭水化物基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、複合、官能基化又はその他の修飾のためのリンカー等のような、化学物質の付加によって修飾することができる。好ましい態様では、ペプチドの修飾は、より安定なペプチド(例えばインビボでのより長い半減期)を導く。これらの修飾には、ペプチドの環化、D−アミノ酸の組込み等が含まれる。何れの修飾も、ペプチドの所望の生物活性を実質的に妨げるものであってはならない。
【0023】
「ポリヌクレオチド」又は「オリゴヌクレオチド」は、ヌクレオチドの重合体を示す。前記重合体は、天然ヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシン及びデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(例えば、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、5−メチルシチジン、2−アミノアデノシン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−プロピニル−ウリジン、C5−プロピニル−シチジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、4−アセチルシチジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、ジヒドロウリジン、メチルプソイドウリジン、1−メチルアデノシン、1−メチルグアノシン、N6−メチルアデノシン及び2−チオシチジン)、化学修飾塩基、生物学的修飾塩基(例えばメチル化塩基)、インターカレートされた塩基、修飾糖(例えば2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、2’−O−メチルシチジン、アラビノース及びヘキソース)、又は修飾リン酸基(例えばホスホロチオエート及び5’−N−ホスホルアミダイト結合)を含むことができる。
【0024】
「低分子」:本明細書で使用する「低分子」という用語は、比較的低い分子量を有し、タンパク質、ポリペプチド又は核酸ではない、天然に生じるか又は人工的に作製された(例えば化学合成によって)有機化合物を示す。一般的には、低分子は、約1500g/mol未満の分子量を有する。また低分子は、一般的には多数の炭素−炭素結合を有する。公知の天然に生じる低分子は、ペニシリン、エリスロマイシン、タキソール、シクロスポリン及びラパマイシンを含むが、これらに限定されるものではない。公知の合成低分子は、アンピシリン、メチシリン、スルファメトキサゾール及びスルホンアミドを含むが、これらに限定されるものではない。
【0025】
(発明を実施するための最良の形態)
小胞体(ER)ストレスは、α1−アンチトリプシン欠損症、尿素回路障害、1型糖尿病及び嚢胞性線維症を含む様々な疾患の病因において重要であることが認められている。本発明は、ERストレスが、肥満、末梢インスリン抵抗性、高血糖症及び2型糖尿病のような疾患の病因に関与するという認識に由来する(Ozcan et al, "Endoplasmic Reticulum Stress Link Obesity, Insulin Action, and Type 2 Diabetes" Science 306:457-461, 2004;参照することにより本明細書に組み込まれる)。この発見に基づき、ERストレスを低減する又は予防する薬剤は、肥満、インスリン抵抗性、高血糖症及び2型糖尿病の治療において有用であることが示された。
【0026】
ERストレスを低減する又は調節することが知られている薬剤は、これらの代謝性疾患を治療する上で有用である。これらの薬剤は何らかの方法でERストレスを低減する又は予防するように作用することができる。ある特定の態様では、前記薬剤は、タンパク質を処理するERの能力を上昇させることができる(例えば、ERシャペロンの発現を増加させる、翻訳後機構のレベルを上昇させる)。その他の態様では、薬剤は、ERによって処理されるタンパク質の量を減少させることができる(例えば、細胞内で産生されるタンパク質の総レベルを減少させる、ERによって処理されるタンパク質のレベルを低下させる、突然変異型タンパク質のレベルを減少させる、ミスフォールディングのタンパク質のレベルを減少させる)。更なる他の薬剤は、ミスフォールディング/突然変異型タンパク質のERからの放出を生じさせる。薬剤が、全ての細胞において作用するか、又はその作用は特定の細胞型(例えば分泌細胞、上皮細胞、肝細胞、脂肪細胞、内分泌細胞等)に限定されるかである。ある特定の態様では、薬剤は、脂肪細胞におけるERストレスを低減する上で特に有用である。その他の態様では、薬剤は、肝細胞におけるERストレスを低減するのに特に有用である。薬剤は、ERストレスを低減する又は予防するために転写、翻訳、翻訳後又はタンパク質レベルに作用することができる。
【0027】
肥満、インスリン抵抗性、2型糖尿病、高血糖症及びその他の関連する疾患を治療する又は予防するための対象への、ERストレス調節剤の有効量の投与又はERストレス調節剤を含む併用療法は、治療される疾患を治癒する、治療される疾患の少なくとも1つの徴候又は症状を緩和若しくは軽減する、疾患の短期的な結果を軽減する、疾患の長期的な結果を軽減する、又はその他の何らかの一時的な有益作用を対象に提供することができる。ある特定の態様では、本発明の治療は、インスリン感受性を上昇させる。その他の態様では、本発明の治療は、血糖値を低下させる。その他の態様では、本発明の治療は、アテローム性動脈硬化症、糖尿病性網膜症、末梢神経障害等を含む糖尿病の長期的結果を予防する。ある特定の態様では、本発明の治療は、細胞(例えば、脂肪細胞、肝細胞)におけるERストレスマーカー(例えば、スプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態、eIF2αのリン酸化、GRP78/BIPのmRNAレベル、GRP78/BIPのタンパク質レベル及びJNK活性)のレベルを低下させる。ある特定の態様では、本発明の治療はインスリン作用を増加させる。その他の態様では、本発明の治療はインスリン受容体シグナル伝達(例えば、インスリン受容体、IRS−1、IRS−2、aktのリン酸化)を上昇させる。ある特定の態様では、本発明の治療は食欲を抑制する。その他の態様では、本発明の治療は体重増加を予防する又は体重減少を促進する。ある特定の態様では、本発明の治療は2型糖尿病の発症を予防する。ある特定の態様では、本発明の治療は肥満の進行を予防する。ある特定の態様では、本発明の治療は高血糖症の発症を予防する。
【0028】
前記薬剤は、何れのタイプの化合物でもよく、低分子、有機金属錯体、無機化合物、タンパク質、糖タンパク質、ペプチド、炭水化物、脂質又は核酸であってよい。ある特定の態様では、薬剤は低分子である。特に有用な薬剤は、化学シャペロンとして知られ、それはタンパク質を変性に対して安定化させ、それによりタンパク質の構造と機能を保持することが知られている。化学シャペロンは、グリセロール、DO、ジメチルスルホキシド(DMSO)、4−フェニル酪酸(PBA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、グリシンベタイン(ベタイン)、グリセロールホスホコリン(GPC)、メチルアミン及びトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)を含む。ある特定の態様では、1つ又はそれ以上の化学シャペロンの組合せで使用することができる。これらの化学シャペロンは、10mg/kg/日〜10g/kg/日、好ましくは100mg/kg/日〜5g/kg/日、より好ましくは500mg/kg/日〜3g/kg/日の範囲の用量で投与される。ある特定の態様では、薬剤は分割用量(例えば、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回)で投与される。その他の態様では、薬剤は1日1回用量で投与される。
【0029】
薬剤は、1つ又はそれ以上のその他の薬剤、特に糖尿病、肥満又はインスリン抵抗性の治療において伝統的に使用される薬剤と併用できる。ERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)との併用において有用な薬剤のリストでは、付属物Aとして含む。前記リストは、一般名、商品名及び製造者を含む。ERストレス低減剤との併用において有用な薬剤の例としては、抗糖尿病薬(例えば、インスリン、血糖降下薬(例えば、スルホニル尿素、トルブタミド、メトホルミン、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド、グリブリドのような経口血糖降下薬))、抗肥満薬、抗異常脂質血症薬又は抗アテローム性動脈硬化症薬(例えばコレステロール低下薬(例えば、ロバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン、プラバスタチン、フルバスタチン等のようなHMg−CoAレダクターゼ阻害剤、アスピリン))、高肥満薬(例えば、食欲抑制剤)、ビタミン、ミネラル、及び抗高血圧薬を含むが、これらに限定されるものではない。
【0030】
ある特定の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、抗糖尿病薬と組み合わせて使用される。例示的な抗糖尿病薬は、ビグアナイト(例えばメトホルミン)、スルホニル尿素(例えば、グリメピリド、グリブリド、グリベンクラミド、グリピジド、グリクラジド)、インスリン及びその類似体(例えば、インスリンリスプロ、インスリングラルギン、エクスベラ、AERxインスリン糖尿病管理システム、AIR吸入型インスリン、オーラリン、インスリンデテミル、インスリングルリシン)、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γアゴニスト(例えば、ロシグリタゾン、ピオグリタゾン、イサグリタゾン、リボグリタゾン、T−131、MBX−102、R−483、CLX−0921)、デュアルPPARアゴニスト及びPPARパンアゴニスト(例えば、BMS−398585、テサグリタザル、ムラグリタザル、ネーブグリタザル、TAK−559、ネトグリタゾン、GW−677594、AVE−0847、LY−929、ONO−5129)、併用療法(例えばメトホルミン/グリブリド、メトホルミン/ロシグリタゾン、メトホルミン、グリピジド)、メグリチニド(例えば、レパグリニド、ナテグリニド)、α−グリコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボーズ、ミグリトール、ボグリボース)、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)類似体及びアゴニスト(例えば、エキセナチド、エキセナチドLAR、リラグルチド、CJC−1131、AVE−0010、BIM−51077、NN−2501、SUN−E7001)、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)阻害剤(例えば、LAF−237、MK−431(メルク社)、PSN−9301(Probiodrug Prosidion)、815541(グラクソ・スミス・クライン社−田辺製薬(株))、823093(グラクソ・スミス・クライン社)、825964(グラクソ・スミス・クライン社)、BMS−477118)、膵リパーゼ阻害剤(例えば,オーリスタット)、ナトリウムグルコース共輸送体(SGLT)阻害剤(例えば、T−1095(田辺製薬(株)−J&J社)、AVE−2268、869682(グラクソ・スミス・クライン社−キッセイ薬品工業(株))、及びアミリン類似体(例えば、プラムリンチド)を含む。
【0031】
その他の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、抗肥満薬と組み合わせて使用される。例示的な抗肥満薬は、膵リパーゼ阻害剤(例えば、オーリスタット)、セロトニン及びノルエピネフリン再取込み阻害剤(例えば、シブトラミン)、ノルアドレナリン作動性食欲抑制剤(例えば、フェンテルミン、マジンドール)、末梢作用薬(例えばATL−962(Alizyme)、HMR−1426(アベンティス社)、GI−181771(グラクソ・スミス・クライン社))、中枢作用薬(例えば,組換えヒト毛様体神経栄養因子、リモナバン(SR−141716)(Sanofi-Synthelabo)、BVT−933(グラクソ・スミス・クライン社/Biovitrum)、ブプロピオンSR(グラクソ・スミス・クライン社)、P−57(Phytopharm))、熱発生剤(例えばTAK−677(AJ−9677)(大日本製薬(株)/武田薬品(株)))、カンナビノイドCBlアンタゴニスト(例えば,アコンプリア、SLV319)、コレシストキニン(CCK)アゴニスト(例えば,GI181771(GSK))、 脂質代謝調節剤(例えば、AOD9604(Monash University/Metabolic Pharmaceuticals)、グルカゴン様ペプチド−1アゴニスト(例えばAC137(Amylin))、レプチンアゴニスト(例えば、第二世代レプチン(Amgen)、β−3アドレナリン作動性アゴニスト(例えば、SR58611(Sanofi-アベンティス社)、CP331684(ファイザー社)、LY377604(Eli Lilly)、n5984(日清キョーリン製薬(株)))、ペプチドホルモン(例えば、ペプチドYY[3−36](Nastech))、CNS調節剤(例えば、S2367(塩野義製薬(株)))、神経栄養因子(例えば、ペグアクソキン)、及び5HT2Cセロトニン受容体アゴニスト(例えば、APD356)を含む。その他の抗肥満薬は、塩酸メタンフェタミン、1426(Sanofi-アベンティス社)、1954(Sanofi-アベンティス社)、c−2624(メルク社)、c−5093(メルク社)、及びT71(Tularik)を含む。
【0032】
更なるその他の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、抗異常脂質血症薬又は抗アテローム性動脈硬化症薬と組み合わせて使用される。例示的な抗異常脂質血症薬又は抗アテローム性動脈硬化症薬は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤(例えば、アトルバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、フルバスタチン、セリバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン)、フィブレート(例えば、シプロフィブレート、ベザフィブレート、クロフィブレート、フェノフィブレート、ゲムフィブロジル)、胆汁酸抑制剤(例えば、コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム)、ナイアシン(即効性及び徐放性)、抗血小板薬(例えば、アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン)、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、ラミプリル、エナラプリル)、アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト(例えば、ロサルタンカリウム)、アシル−CoAコレステロールアセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤(例えば、アバシミブ、エフルシミブ、CS−505((三共(株)及び京都薬品工業(株))、SMP−797(住友製薬(株)))、コレステロール吸収阻害剤(例えば、エゼチミブ、パマクエシド)、ニコチン酸誘導体(例えば、ニコチン酸)、コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤(例えば、CP−529414(ファイザー社)、JTT−705(日本たばこ産業(株))、CETi−1、トルセトラピブ)、ミクロゾームトリグリセリド転移タンパク質(MTTP)阻害剤(例えば,インプリタピド、R−103757、CP−346086(ファイザー社))、他のコレステロール調節剤(例えば、NO−1886(大塚製薬(株)/TAP Pharmaceutical)、CI−1027(ファイザー社)、WAY−135433(Wyeth-Ayerst))、胆汁酸調節剤(例えば、GTl02−279(GelTex/三共(株))、HBS−107(久光製薬(株)/万有製薬(株))、BTG−511(British Technology Group)、BARI−1453(アベンティス社)、S−8921(塩野義製薬(株))、SD−5613(ファイザー社)、AZD−7806(アストラ・ゼネカ社))、ペルオキシゾーム増殖活性化受容体(PPAR)アゴニスト(例えば、テサグリタザル(AZ−242)(アストラ・ゼネカ社)、ネトグリタゾン(MCC−555)(三菱ウェルファーマ社/Johnson & Johnson)、GW−409544(Ligand Pharmaceuticals/グラクソ・スミス・クライン社)、GW−501516(Ligand Pharmaceuticals/グラクソ・スミス・クライン社)、LY−929(Ligand Pharmaceuticals and Eli Lilly)、LY−465608(Ligand Pharmaceuticals and Eli Lilly)、LY−518674(Ligand Pharmaceuticals and Eli Lilly)、MK−767(メルク社及び杏林製薬(株)))、遺伝子治療(例えば、AdGVVEGF121.10(Gen Vec)、ApoAl(UCB Pharma/Groupe Fournier)、EG−004(Trinam)(Ark Therapeutics)、ATP−結合輸送体−Al(ABCAl)(CV Therapeutics/Incyte, アベンティス社, Xenon))、複合血管保護薬(例えば、AGI−1067(Atherogenics))、BO−653(中外製薬(株))、糖タンパク質Ilb/IIIa阻害剤(例えばロキシフィバン(Bristol-Myers Squibb)、ガントフィバン(山之内製薬(株)、クロマフィバン(Millennium Pharmaceuticals)、アスピリン及びその類似体(例えばアサカード、徐放性アスピリン、パミコグレル)、併用療法(例えば、ナイアシン/ロバスタチン、アムロジピン/アトルバスタチン、シンバスタチン/エゼチミブ)、IBAT阻害剤(例えば、S−8921(塩野義製薬(株))、スクワレンシンターゼ阻害剤(例えば、BMS−188494I(Bristol-Myers Squibb)、CP−210172(ファイザー社)、CP−295697(ファイザー社)、CP−294838(ファイザー社)、TAK−475(武田薬品工業(株)))、単球走化性タンパク質(MCP)−I阻害剤(例えば、RS−504393(Roche Bioscience)、その他のMCP−I阻害剤(グラクソ・スミス・クライン社、帝人(株)及びBristol-Myers Squibb))、肝X受容体アゴニスト(例えば、GW−3965(グラクソ・スミス・クライン社)、TU−0901317(Tularik))、および他の新しいアプローチ(例えばMBX−102(Metabolex)、NO−1886(大塚製薬(株))、ゲムカベン(ファイザー社))を含む。
【0033】
更なるその他の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、抗高血圧薬と組み合わせて使用される。例示的な抗高血圧薬は、利尿薬(例えば、クロルタリドン、メトラゾン、インダパミド、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミド、トルセミド、塩酸アミロリド、スピロノラクトン、トリアムテレン)、α−遮断薬(例えば、メシル酸ドキサゾシン、塩酸プラゾシン、塩酸テラゾシン)、β−遮断薬(例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、フマル酸ビソプロロール、塩酸カルテオロール、酒石酸メトプロロール、コハク酸メトプロロール、ナドロール、硫酸ペンブトロール、ピンドロール、塩酸プロパノロール、マレイン酸チモロール、カルベジロール)、Ca+2チャネル遮断薬(例えば、ベシル酸アムロジピン、フェロジピン、イスラジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニソルジピン、塩酸ジルチアゼム、塩酸ベラパミル、アゼルニジピン、プラニジピン、段階的ジルチアゼム製剤、(s)−アムロジピン、クレビジピン)、アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害剤(例えば、塩酸ベナゼプリル、カプトプリル、マレイン酸エナラプリル、フォシノプリルナトリウム、リシノプリル、モエキシプリル、ペリンドプリル、塩酸キナプリル、ラミプリル、トランドラプリル)、アンジオテンシンII(AT−II)アンタゴニスト(例えば、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、カンデルサルタン、テルミサルタン、エプロサルタン、オルメサルタン、YM−358(山之内製薬(株)))、バソペプチダーゼ阻害剤(例えば、オマパトリラト、ゲモパトリラト、ファシドトリル、サムパトリラト、AVE7688(アベンティス社)、Ml00240(アベンティス社)、Z13752A(Zambon/GSK)、796406(Zambon/GSK))、デュアル中性エンドペプチダーゼ及びエンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤(例えば、SLV306(Solvay)、NEP阻害剤(例えば、エカドトリル)、アルドステロンアンタゴニスト(例えば、エプレレノン)、レニン阻害剤(例えば、アリスキレン(Novartis)、SPP500(Roche/Speedel)、SPP600(Speedel)、SPP800(Locus/Speedel))、アンギオテンシンワクチン(例えば、PMD−3117(Protherics))、ACE/NEP阻害剤(例えば、AVE−7688(アベンティス社)、GW−660511(Zambon SpA))、Na/KATPアーゼ調節剤(例えば、PST−2238(Prassis-Sigma-Tau)、エンドセリンアンタゴニスト(例えば、PD−156707(ファイザー社))、血管拡張薬(例えば、NCX−4016(NicOx)、 LP−805(Pola/Wyeth))、ナトリウム利尿ペプチド(例えば、BDNP(Mayo Foundation))、アンジオテンシン受容体遮断薬(ARBs)(例えば、プラトサルタン)、ACE架橋切断剤(例えば、塩化アラゲブリウム)、エンドセリン受容体アゴニスト(例えば、テゾセンタン(Genentech)、アムブリセンタン(Myogen)、BMS193884(BMS)、シタクスセンタン(Encysive Pharmaceuticals)、SPP301(Roche/Speedel)、ダルセンタン(Myogen/Abbott)、J104132(万有製薬(株)/メルク社)、TBC3711(Encysive Pharmaceuticals)、SB234551(GSK/塩野義製薬(株))、併用療法(例えば、塩酸ベナゼプリル/ヒドロクロロチアジド、カプトプリル/ヒドロクロロチアジド、マレイン酸エナラプリル/ヒドロクロロチアジド、リシノプリル/ヒドロクロロチアジド、ロサルタン/ヒドロクロロチアジド、アテノロール/クロルタリドン、フマル酸ビソプロロール/ヒドロクロロチアジド、酒石酸メトプロロール/ヒドロクロロチアジド、アムロジピンベシラート/塩酸ベナゼプリル、フェロジピン/マレイン酸エナラプリル、塩酸ベラパミル/トランドラプリル、レルカニジピン及びエナラプリル、オルメサルタン/ヒドロクロロチアジド、エプロサルタン/ヒドロクロロチアジド、アムロジピンベシラート/アトルバスタチン、ニトレンジピン/エナラプリル)、及びMC4232(Unversity of Manitoba/Medicure)を含む。
【0034】
ある特定の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、ビタミン、ミネラル又は他の栄養補助食品と組み合わせて使用される。
【0035】
ある特定の態様では、ERストレス調節剤(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、最適以下の用量(例えば、二次薬剤の不在下で投与したとき検出可能な治療的恩恵を示さない量)で投与される。そのような場合、別の薬剤と組み合わせたそのような最適以下の用量のERストレス調節剤の投与は、相乗作用を生じさせる。ERストレス調節剤及びその他の薬剤は、一緒に作用して、治療的利点を生じさせる。その他の態様では、その他の薬剤(すなわち、ERストレス調節剤ではない)は、最適以下の用量で投与される。ERストレス調節剤と組み合わせると、その併用は治療効果を示す。更なるその他の態様では、ERストレス調節剤とその他の薬剤の両方が最適以下の用量で投与され、併用したとき治療効果を生じる。その他の薬剤の用量は、当分野で標準的に使用される用量以下であり得る。
【0036】
抗糖尿病薬、抗肥満薬、抗異常脂質血症薬又は抗アテローム性動脈硬化症薬、抗肥満薬、ビタミン、ミネラル及び抗高血圧薬(上記で列挙した)についての用量、投与経路、製剤等は、当該技術分野において公知である。治療医師又は医療専門家は、そのような情報に関して「Physician′s Desk Reference (59th Ed., 2005)」又は「Mosby′s Drug Consult and Interactions (2005)」などの参考文献を参照できる。治療医師が、特定患者についての用量投与計画を決定するために自らの専門的判断を行使することは了解される。
【0037】
本発明は、ERストレス様式又はその他の治療様式単独の投与よりも良好な治療プロフィールを提供する、2型糖尿病、インスリン抵抗性、肥満及びその他の関連する疾患を治療するシステム及び方法を提供する。ある特定の態様では、治療効果がより大きいと考えられる。ある特定の態様では、併用は相乗作用を有する。その他の態様では、併用は追加の効果を有する。併用治療の投与計画の投与は、ある特定の望ましくない又は有害な副作用を低減又は更には回避できる。ある特定の態様では、併用における薬剤は、より低い用量で投与でき、より少ない頻度で投与でき、又はより少ない頻度とより低い用量で投与できる。それ故、上記の利点を有する併用療法は、患者のコンプライアンスを高め、治療を改善し、及び/又は望ましくない又は有害な副作用を低減できる。
【0038】
ある特定の態様では、化学シャペロン(例えば、PBA、TUDCA、TMAO又はそれらの誘導体)は、血糖降下薬と組み合わせて使用される。例えばインスリン、グルカゴン、ビグアニド血糖降下薬(例えば、メトホルミン、フェンホルミン又はブホルミン)、チアゾリジンジオン血糖降下薬(例えば、シグリタゾン、ピオグリタゾン)、スルホニル尿素血糖降下薬(例えば、トルブタミド、クロルプロパミド、アセトヘキサミド、トラザミド、グリブリド、グリピジド又はグリクラジド)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例えば、アカルボース)、又はジアゾキシドは、グリセロール、DO、ジメチルスルホキシド(DMSO)、4−フェニル酪酸(PBA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、グリシンベタイン(ベタイン)、グリセロールホスホコリン(GPC)、メチルアミン又はトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)と組み合わせてもよい。ある特定の例示的併用療法は、インスリンとPBA、インスリンとTUDCA、インスリンとベタイン、インスリンとGPC、インスリンとTMAO、メトホルミンとPBA、メトホルミンとTUDCA、メトホルミンとベタイン、メトホルミンとGPC、メトホルミンとTMAO、チアゾリジンジオン血糖降下薬とPBA、チアゾリジンジオン血糖降下薬とTUDCA、チアゾリジンジオン血糖降下薬とベタイン、チアゾリジンジオン血糖降下薬とGPC、及びチアゾリジンジオン血糖降下薬とTMAOを含む。ある特定の態様では、肥満、インスリン抵抗性、高血糖症又は2型糖尿病を治療する又は予防するために使用される組合せは、4−フェニル酪酸(PBA)とメトホルミンである。併用療法に関してそれらが化学シャペロンの組合せであるか、ERストレス調節剤の組合せであるか、又は化学シャペロン/ERストレス調節剤と血糖降下薬のようなその他の薬剤の組合せであるかに関わらず、薬剤は同時に又は連続的に送達されてよい。ある特定の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤は、その他の薬剤の前に投与される。その他の態様では、化学シャペロン又はERストレス調節剤は、その他の薬剤の後に投与される。
【0039】
ある特定の態様では、ERストレスを低減することが示された低分子薬剤は、4−フェニル酪酸(PBA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)及びトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)を含む。PBAは、α1−アンチトリプシン欠損症、尿素回路障害及び嚢胞性線維症を治療するために同時に使用される。PBA、TUDCA又はTMAOの、誘導体、塩(例えば、ナトリウム、マグネシウム、カリウム、マグネシウム、アンモニウム等)、プロドラッグ、エステル、異性体及び立体異性体も、肥満、高血糖症、2型糖尿病及びインスリン抵抗性を治療するために使用できる。特定の理論に縛られるのは望むところではないが、これらの化合物は、ERが、ERによって処理されるミスフォールディング及び/又は突然変異型タンパク質をよりうまく操作できるように作用すると思われる。
【0040】
ある特定の態様では、本発明において有用な4−フェニル酪酸の誘導体は、式:
【0041】
【化007】

【0042】
(式中、
nは、1又は2であり;
は、アリール、ヘテロアリール又はフェノキシであり、前記アリール、ヘテロアリール及びフェノキシは、置換されていないか、又はそれぞれ独立して、1個又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ又は低級アルキル(C−C)基で置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、H、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキル又はハロゲンであり;及び
及びRは、それぞれ独立して、H、低級アルキル、低級アルコキシ又はハロゲンである)
で表される化合物であるか、又は医薬的に許容され得るその塩若しくはその混合物である。
【0043】
ある特定の態様では、Rは、置換又は非置換のフェニル環である。ある特定の態様では、Rは、非置換のフェニル環である。その他の態様では、Rは、一置換フェニル環である。更なるその他の態様では、Rは、ニ置換フェニル環である。更なるその他の態様では、Rは、三置換フェニル環である。ある特定の態様では、Rは、1、2、3又は4個のハロゲン原子で置換されたフェニル環である。ある特定の態様では、Rは、置換又は非置換のヘテロアリール環である。ある特定の態様では、Rは、ナフチル環である。ある特定の態様では、Rは、5又は6員、好ましくは6員である。ある特定の態様では、R及びRは、どちらも水素である。ある特定の態様では、nは1である。その他の態様では、nは2である。ある特定の態様では、R及びRは全て水素である。その他の態様では、少なくとも1個のR又はRは、水素である。ある特定の態様では、化合物は塩形態(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等)で使用される。本発明において有用なその他の誘導体は、参照することにより本明細書に組み込まれている米国特許第5,710,178号に述べられている。4−フェニル酪酸又はその誘導体は、市販の供給元からの入手、又は全合成又は半合成によって製造できる。
【0044】
ある特定の態様では、本発明において有用なTUDCAの誘導体は、式:
【0045】
【化008】

【0046】
(式中、
Rは、−H又はC−Cアルキルであり;
は、−CH−SOであり、そしてRは、−Hであるか;又はRは、−COOHであり、そしてRは、−CH−CH−CONH、−CH−CONH、−CH−CH−SCH又は−CH−S−CH−COOHであり;及び
は、−H又は塩基性アミノ酸残基である)
で表される化合物であるか、又は医薬的に許容されるその塩である。
【0047】
ある特定の態様では、誘導体の立体化学構造は、以下の構造:
【0048】
【化009】

【0049】
に表される。
ある特定の態様では、RはHである。その他の態様では、Rは、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル又はtert−ブチルであり、好ましくはメチルである。ある特定の態様では、R又はRは水素である。ある特定の態様では、Rは、−CH−SOであり、そしてRは、−Hである。その他の態様では、Rは、−COOHであり、そしてRは、−CH−CH−CONH、−CH−CONH、−CH−CH−SCH又は−CH−S−CH−COOHである。ある特定の態様では、Rは水素である。ある特定の態様では、Rは、リシン、アルギニン、オルニチン又はヒスチジンである。TUDCA及びウルソデオキシコール酸の誘導体は、市販の供給元から入手するか、全合成から調製するか、又は半合成によって入手することができる。ある特定の態様では、誘導体は、半合成により、例えば、米国特許第5,550,421号及び同第4,865,765号(各々が、参照することにより本明細書に組み込まれる)に述べられているように調製される。
【0050】
ある特定の態様では、本発明において有用なトリメチルアミンN−オキシドの誘導体は、式:
【0051】
【化010】

【0052】
(式中、
、R及びRは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン又は低級C−Cアルキルである)
で表される化合物であるか又は医薬的に許容され得るその塩若しくはその混合物である。 ある特定の態様では、R、R及びRは、同じである。その他の態様では、R、R及びRの少なくとも1個が異なる。更なるその他の態様では、R、R及びRの全てが異なる。ある特定の態様では、R、R及びRは、それぞれ独立して、水素又は低級C−Cアルキルである。更なるその他の態様では、R、R及びRは、それぞれ独立して低級C−Cアルキルである。更なるその他の態様では、R、R及びRは、それぞれ独立して、メチル、エチル又はプロピルである。ある特定の態様では、R、R及びRはエチルである。TMAOの誘導体は、市販の供給元から入手、又は全合成又は半合成によって製造することができる。
【0053】
その他の態様では、薬剤は、核酸、例えば、siRNAのような阻害性RNAである。その他の態様では、薬剤は、タンパク質、例えば、抗体又は抗体フラグメントである。更なるその他の態様では、薬剤はペプチドである。
【0054】
肥満、末梢インスリン抵抗性、高血糖症又は2型糖尿病に罹患している動物を治療する場合は、治療有効量の薬剤を、所望の生物学的結果を達成するために、何れかの経路で対象に投与する。経口、非経口、静脈内、動脈内、筋肉内、皮下、直腸、膣、経皮、腹腔内及びクモ膜下腔内を含む何れかの投与経路を用いることができる。ある特定の態様では、薬剤を非経口で投与する。その他の態様では、薬剤を経口で投与する。
【0055】
PBA、TUDCA又はTMAOを使用する場合は、好ましくは薬剤を経口で投与する;しかしながら、上記に列挙した何れの投与経路も使用できる。ある特定の態様では、PBA、TUDCA又はTMAOを非経口で投与する。PBAは、10mg/kg/日〜5g/kg/日、好ましくは100mg/kg/日〜1g/kg/日、より好ましくは250mg/kg/日〜750mg/kg/日の範囲の用量で投与される。TUDCAは、10mg/kg/日〜5g/kg/日、好ましくは100mg/kg/日〜1g/kg/日、より好ましくは250mg/kg/日〜750mg/kg/日の範囲の用量で投与される。TMAOは、10g/kg/日〜0.1g/kg/日、好ましくは5g/kg/日〜0.5g/kg/日、より好ましくは2.5g/kg/日〜500mg/kg/日の範囲の用量で投与される。ある特定の態様では、薬剤は分割用量(例えば1日2回、1日3回、1日4回、1日5回)で投与される。その他の態様では、薬剤は1日1回投与で投与される。
【0056】
(医薬組成物)
本発明の組成物及び本発明に従った使用のための本発明の医薬組成物は、医薬的に許容される賦形剤又は担体を含んでもよい。本明細書で使用する、「医薬的に許容され得る担体」という用語は、非毒性で不活性の固体、半固体若しくは液体充填剤、希釈剤、被包材料又は製剤助剤の何れかのタイプを意味する。医薬的に許容される担体として使用できる材料の例としては、ラクトース、グルコース及びスクロースのような糖類;トウモロコシデンプン及びジャガイモデンプンのようなデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース及び酢酸セルロースのようなセルロース及びその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;滑石;ココアバター及び坐薬ろうのような賦形剤;落花生油、綿実油、紅花油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油及びダイズ油のような油;プロピレングリコールのようなグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステル;寒天;トゥイーン(Tween)80のような界面活性剤;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;発熱物質を含まない水;等張食塩水;リンガー液;エチルアルコール;人工脳脊髄液(CSF)及びリン酸緩衝液、更にラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムのようなその他の非毒性の適合性潤滑剤、更に着色料、放出剤、被覆剤、甘味料、香味料及び香料であり、防腐剤及び抗酸化剤も、製剤者の判断に従って、組成物中に存在させることができる。本発明の医薬組成物は、経口、直腸経路、非経口、脳槽内、膣内、鼻内、腹腔内、局所的(粉末、クリーム、軟膏又は点滴剤として)、経皮的、皮下的、口腔内(bucally)に、又は経口又は鼻噴霧剤として、ヒト及び/又は動物に投与することができる。
【0057】
注射用製剤、例えば無菌注射用水性又は油性懸濁液は、適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して公知の技術に従って製剤できる。無菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口で許容される希釈剤又は溶媒中の無菌注射用溶液、懸濁液又は乳剤であってもよく、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液である。使用できる許容される賦形剤及び溶媒の中には、水、リンガー液、U.S.P.及び等張食塩水が含まれる。加えて、無菌の不揮発性油が、溶媒又は懸濁媒質として慣例的に使用される。この目的のために、合成モノ又はジグリセリドを含む不揮発性油の何れのブランドも使用できる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤において使用される。
【0058】
注射用製剤は、例えば細菌除去フィルターでのろ過によって、又は使用前に滅菌水又はその他の滅菌注射用媒質に溶解又は分散することができる無菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌することができる。
【0059】
本発明の医薬組成物は、糖尿病、インスリン抵抗性又は肥満を治療するために使用されるその他の薬剤と共にキットで提供されてもよい。キットは、投薬情報、安全性情報、副作用のリスト、薬剤の化学式、作用機序等を含んでいてもよい指示書を、治療医師及び/又は患者のために含んでいてもよい。ある特定の態様では、キットは、医薬組成物を投与するための材料を含んでいてもよい。例えば、キットは、注射用製剤の投与のための注射器、針、アルコール綿棒等を含んでいてもよい。2つ又はそれ以上の薬剤が、キット中で提供されるある特定の態様では、医薬有効成分は別々に又は一緒に製剤されてもよい。例えばキットは、ERストレス調節剤(PBA、TUDCA、TMAO又はその誘導体)を含む第一容器と、2型糖尿病、インスリン抵抗性、高血糖症、肥満又は関連疾患を治療するときに使用される第二薬剤(例えば上記のような抗糖尿病薬、抗肥満薬、抗異常脂質血症薬又は抗アテローム性動脈硬化症薬、抗肥満薬、ビタミン、ミネラル及び抗高血圧薬)を含む第二容器を含んでいてもよい。ある特定の態様では、医薬有効成分は別々に製剤される。その他の態様では、医薬有効成分は一緒に製剤される。
【0060】
(ERストレス低減剤のスクリーニング)
本明細書で示したように、ERストレスは、肥満、2型糖尿病、インスリン抵抗性及び高血糖症を含む様々な疾患の治療のための標的として同定された。ERストレスのマーカーも同定されている。ERストレスを低減する又は予防する新しい薬剤の必要性に鑑みて、ERストレス調節剤を同定する又はスクリーニングする方法が求められている。
【0061】
ある特定の態様では、インビボ又はインビトロで、好ましくはインビボでERストレスを低減する又は調節する化合物を同定するために、化合物又は化合物の集合を試験する。これらの化合物は、低分子、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、炭水化物、脂質等を含む化合物の何れのタイプでもよい。ある特定の態様では、本発明の方法を用いて化合物の集合を、スクリーニングする。これらの集合は、製薬会社からの化合物の歴史的ライブラリーであり得る。集合はまた化学物質のコンビナトリアルライブラリーであってもよい。集合は、少なくとも5、10、50、100、500、1000、10000、100000又は1000000の化合物を含んでいてもよい。
【0062】
化合物を細胞と接触させる。細胞は、小胞体を有する何れのタイプの細胞でもよい。細胞は、動物細胞、植物細胞又は真菌細胞であってもよい。ある特定の態様では、哺乳動物細胞、特にヒト細胞が好ましい。細胞は何れの器官系にも由来してもよい。ある特定の態様では、脂肪組織又は肝組織からの細胞が好ましい。
【0063】
ERストレスを低減する薬剤をスクリーニングする場合、テスト化合物を、既にERストレスを経験している細胞と接触させる。細胞におけるERストレスは、当該技術分野において公知の何れかの手法によって引き起こすことができる。例えば、ERストレスは、細胞における遺伝子変化(例えば、XBP−1突然変異)又はERストレスを引き起こすことが公知の化学物質(例えば、ツニカマイシン、タプシガルギン)での処置によるものであってよい。化合物がERストレスを低減するかどうかを判定するために、テスト化合物の添加前と添加後にERストレスマーカーのレベルを試験する。本発明の方法において試験できるERストレスのマーカーは、スプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態(例えば、Thr980)、eIF2αのリン酸化状況(例えば、Ser51)、GRP78/BIPのmRNA及び/又はタンパク質レベル及びJNK活性を含む。ある特定の態様では、1個のERマーカーを測定する。その他の態様では、2、3、4、5、6又はそれ以上のERストレスマーカーの組合せのレベルを測定する。ERストレスマーカーのレベルを少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%又は100%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも50%低下させるテスト化合物は、臨床でのERストレス低減剤の評価のために有用とみなされる。当業者に認識されるように、テスト化合物は、様々な濃度及び様々な条件下で(例えば、様々な細胞型、ERストレスの様々な原因(遺伝性対化学的)、様々な製剤)、試験できる。
【0064】
別な態様では、本発明は、ERストレスを予防する化合物を同定する方法を提供する。ERストレスを予防する化合物をスクリーニングする場合、細胞は、テスト化合物と接触する前にERストレスを経験していない。細胞をテスト化合物と接触させた後、ERストレスを引き起こすことが公知の薬剤を細胞に添加し、その後、前記化合物がERストレスを予防できるかどうかを判定するために少なくとも1つのERマーカーのレベルを測定する。当業者に認識されるように、テスト化合物は様々な濃度及び様々な条件下で試験できる。
【0065】
本発明の方法によって同定された薬剤は、それらが肥満、2型糖尿病、高血糖症及びインスリン抵抗性を治療するために臨床で製剤し、使用できるように、毒性、薬物動態特性、インビボでの使用等に関して、さらに試験できる。同定された薬剤はまた、ERストレスに関連するその他の疾患の治療においても使用できる。
【0066】
(ERストレスに関連する疾患の診断)
様々なERストレスマーカーの同定は、ERストレスに関連する疾患の診断及びERストレスに関連する疾患を発症するリスクのある対象のスクリーニングを可能にする。肥満、高血糖症、2型糖尿病及びインスリン抵抗性は、全てERストレスに関連することが示されている。従って、対象においてERストレスマーカーのレベルを測定することは、患者がこれらの疾患の何れか関してリスクがあるかどうかを判定することを可能にする。ERストレスマーカーのレベルの測定は、ERストレスに関連する何らかの疾患(例えば、嚢胞性線維症、アルツハイマー病)を発症するリスクを判定するために使用できる。
【0067】
同定されているERストレスマーカーは、スプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態、eIF2αのリン酸化状態、GRP78/BIPのmRNAレベル、GRP78/BIPのタンパク質レベル及びJNK活性を含む。これらのERストレスマーカーは、mRNAレベル、タンパク質レベル、タンパク質活性又はリン酸化状態を測定するため、当該技術分野で公知の何れかの手法を用いて測定できる。ERストレスマーカーを測定するための例示的な手法は、ウエスタンブロット分析、ノーザンブロット分析、免疫アッセイ、定量的PCR分析及び酵素活性アッセイ(これらの手法のより詳細な説明については、「Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., New York, 1999); Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed. by Sambrook, Fritsch, and Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989」を参照されたい、尚、これらの各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。
【0068】
対象がERストレスに関連する疾患についてのリスクがあるかどうかを判定する場合、1、2、3、4、5又は6個のERストレスマーカーのレベルを測定できる。ある特定の態様では、1個だけのERストレスマーカーのレベルを測定する。その他の態様では、少なくとも2個のERストレスマーカーのレベルを測定する。更なるその他の態様では、少なくとも3個のERストレスマーカーのレベルを測定する。
【0069】
一般的に、ERストレスマーカーのレベルが、正常な対照と比較して高いと測定される場合、テストされた対象は、インスリン抵抗性、肥満、高血糖症又は2型糖尿病のリスクがあるとみなされる。同定された対象は、その後、さらなるテストに供されるか、治療が開始されるか、又は対象はインスリン抵抗性、肥満、高血糖症又は2型糖尿病に関連する症状及び徴候の将来の発症に関して観察される。この次の行動方針は、一般的に対象と相談して対象の医療提供者によって決定される。
【0070】
ERストレスマーカーのレベルは、対象の身体内の何れの細胞に関しても測定できる。好ましくは、細胞はテストする状態に関係する。例えば、肥満、2型糖尿病、インスリン抵抗性又は高血糖症のような疾患に関してテストするときは、肝細胞又は脂肪細胞を使用できる。ある特定の態様では、肝細胞を使用する。その他の態様では、細胞は脂肪細胞である。細胞は、肝細胞の場合は肝生検によって対象から入手できる。脂肪細胞は、対象の生検によって入手できる。
【0071】
本発明はまた、対象において様々なERストレスマーカーのレベルを測定するためのキット及びシステムを提供する。キットは、プライマー、ハイブリダイゼーションプローブ、ポリヌクレオチド、抗体、抗体フラグメント、ゲル、緩衝液、酵素基質、ATP又は他のヌクレオチド、対象からの細胞又は生検を得るためのツール、指示書、ソフトウエア等を含んでいてもよい。診断法を実施するためのこれらの材料は、医師、科学者、病理学者、看護士、検査技師又は医療専門家による使用のために好適に包装することができる。
【0072】
本発明の前述の態様及びその他の態様は、以下の実施例を考慮すれば更に正当に理解されるであろう、尚、実施例は、本発明のある特定の態様を例示することを意図しており、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定することを意図しているものではない。
(実施例)
【実施例1】
【0073】
肥満、インスリン作用及び2型糖尿病に関連する小胞体ストレス
(結果)
肥満におけるERストレスの誘導
ERストレスが肥満において上昇するかどうかを調べるために、本発明者らは、肥満マウスの食餌性(高脂肪食誘発性)及び遺伝性(ob/ob)モデルにおけるERストレスの幾つかの分子指標の発現パターンを検討した。膵臓ERキナーゼ又はPKR様キナーゼ(PERK)は、ERストレスに応答して翻訳開始因子2のαサブユニット(eIF2α)をリン酸化するER膜貫通プロテインキナーゼである(Shi et al, MoI. Cell Biol. 18, 7499(1998); Harding et al., Nature 397, 271 (Jan 21, 1999);各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。PERK及びeIF2αのリン酸化状態は、それ故、ERストレスの存在の鍵となる指標である。本発明者らは、リン特異的抗体を用いてPERK(Thr980)及びeIF2α(Ser51)のリン酸化状態を測定した。これらの実験は、肥満マウスの肝抽出物におけるPERK及びeIF2αのリン酸化上昇を、やせ型対照と比較して明らかにした(図1A及び1B)。ERストレスはまた、JNK活性化を導く。以前の所見(J. Hirosumi et al., Nature 420, 333 (2002);参照することにより本明細書に組み込まれる)と一致して、c−Junリン酸化によって示される総JNK活性もまた、肥満マウスでは劇的に高かった(図1A及び1B)。
【0074】
78kDaのグルコース調節/結合Igタンパク質(GRP89/BIP)は、ERストレス時にその発現が上昇するERシャペロンである。GRP78/BIPのmRNAレベルは、対応するやせ型対照と比較して肥満マウスの肝組織において高かった(図1C及び1D)。GRP78発現はグルコースに対して応答性があるので、本発明者らは、この上方調節が単にグルコースレベルの上昇によるものであるのかどうかをテストした。高レベルのグルコースによる培養ラットFao肝細胞の処置は、GRP78発現の低下を生じさせた(図9A)。同様に高血糖症のマウスモデルではGRP78レベルは上昇しておらず(図9B)、肥満における調節が血糖だけに関連する可能性は低いことを示した。
【0075】
本発明者らはまた、肥満におけるERストレスの指標に関して、代謝ホメオスタシスのために重要な部位である脂肪及び筋組織をテストした。肝臓と同様に、PERKリン酸化、JNK活性及びGRP78発現は全て、肥満動物の脂肪組織ではやせ型対照と比較して有意に高かった(図10A〜10C)。しかし、肥満動物の筋組織ではERストレスについての指標は明白ではなかった(データは示していない)。合わせて考慮すると、これらの結果は、肥満が主として肝及び脂肪組織においてERストレスの誘導と関連することを示している。
【0076】
ERストレスの肝細胞におけるインスリン作用阻害
ERストレスがインスリン作用に妨げるかどうかを検討するため、本発明者らは、ERストレスを誘導するために一般的に使用される薬剤、ツニカマシンとタプシガルギンでFao肝細胞を前処置した。ツニカマイシンは、IRS−1のインスリン刺激チロシンリン酸化を有意に低下させ(図11A及び11B)、またIRS−1の分子量の上昇を生じさせた(図11A)。IRS−1はインスリン受容体チロシンキナーゼについての基質であり、特にJNKによって媒介されるIRS−1のセリンリン酸化は、インスリン受容体シグナル伝達を低下させる(Hirosumi et al., Nature 420:333 (2002);参照することにより本明細書に組み込まれる)。ツニカマイシンによるFao細胞の前処置は、IRS−1のセリンリン酸化を有意に上昇させた(図11A及び11B)。ツニカマイシン前処置はまた、インスリン受容体シグナル伝達経路におけるより末端の事象である、インスリン誘導のAktリン酸化も抑制した(図11A及び11B)。タプシガルギンによる処置後も同様の結果が得られ(図12A)、これは細胞カルシウムレベルの変化とは無関係であった(図12B)。
【0077】
本発明者らは次に、ERストレスによるIRS−1セリンリン酸化及びインスリン刺激のIRS−1チロシンリン酸化の阻害におけるJNKの役割を検討した(図11C及び11D)。合成阻害剤であるSP600125によるJNK活性の阻害は、ERストレスが誘導するIRS−1のセリンリン酸化を改善させた(図11C及び11D)。JNK結合タンパク質であるJIPに由来する高度特異的阻害性ペプチド(参照により本明細書に組み込まれる、Barr et al., J. Biol. Chem. 277:10987(2002))によるFao細胞の前処置も、ツニカマイシンに曝した細胞におけるインスリン受容体シグナル伝達を完全に保持した(図11E及び11F)。合成JNK阻害剤であるSP600125に関しても同様の結果が得られた(データは示していない)。これらの結果は、ERストレスがIRS−1のJNK依存性セリンリン酸化を促進し、それが次にインスリン受容体シグナル伝達を阻害することを指示する。
【0078】
IRE−1のインスリン受容体シグナル伝達における重大な役割
ERストレスの存在下での、イノシトール要求性キナーゼ−1α(IRE−1α)のリン酸化上昇は、TNF−α受容体関連因子2(TRAF2)タンパク質の集積を導き、JNKを活性化する(Urano et al., Science 287:664(2000);参照することにより本明細書に組み込まれる)。ERストレス誘導のインスリン抵抗性が無傷IRE−1αに依存するかどうかを検討するため、本発明者らは、IRE−1α−/−及び野生型(WT)線維芽細胞をツニカマイシンに曝した時のJNK活性化、IRS−1セリンリン酸化及びインスリン受容体シグナル伝達を測定した。WT細胞では、ツニカマイシンによるERストレスの誘導はJNKの強力な活性化を生じさせたが、IRE−1α−/−細胞ではJNKの活性化を生じさせなかった(図11G)。ツニカマイシンはまた、WTのSer307残基におけるIRS−1のリン酸化を刺激したが(図11G)、IRE−1α−/−線維芽細胞ではIRS−1のリン酸化を刺激しなかった(図11E)。重要な点として、ツニカマイシンはWT細胞におけるIRS−1のインスリン刺激チロシンリン酸化を阻害したが、IRE−1α−/−細胞ではそのような作用は検出されなかった(図11H)。IRS−1のインスリン刺激チロシンリン酸化のレベルは、総IRS−1タンパク質レベルはより低かったにもかかわらず、IRE−1α−/−細胞において劇的に高かった(図11H)。これらの結果は、ERストレスが誘導するインスリン作用の阻害が、IRE−1α−JNK依存性プロテインキナーゼカスケードによって媒介されることを明らかにする。
【0079】
XBP−1レベルの操作によるインスリン受容体シグナル伝達の変化
転写因子XBP−1は、bZIPタンパク質である。スプライシングされた又はプロセシングされた形態のXBP−1(XBP−1s)は、分子シャペロンの転写調節において鍵となる因子であり、補償UPRを促進する(Calfon et al., Nature 415, 92(2002); Shen et al., Cell 107:893(2001); Yoshida et al., Cell 107:881(2001); Lee et al., MoI. Cell Biol. 23:7448(2003);各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)。本発明者らはそれ故、細胞におけるXBP−1レベルの調節は、ERストレス応答の大きさへのその潜在的影響によってインスリン作用を変化させるはずであると推論した。この可能性をテストするため、本発明者らは、XBP−1機能獲得及び機能喪失細胞モデルを確立した。第一に、本発明者らは、外来性XBP−1がテトラサイクリン/ドキシサイクリンの不在下でのみ発現される誘導的遺伝子発現系を確立した(図13A)。平行して、本発明者らはまた、XBP−1−/−マウス胚に由来するMEFsも検討した(Lee et al., MoI. Cell Biol. 23, 7448(2003); A. M. Reimold et al., Genes Dev. 14, 152(2000); Reimold et al., Nature 412, 300(2001);各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)(図13B)。外来性XBP−1発現を伴わない線維芽細胞での、ツニカマイシン処置(2μg/ml)は、強力なPERKリン酸化を生じさせるが、PERKリン酸化の特徴である移動度のシフトに結びついて30分目から始まり、3〜4時間目でピークに達する(図13C)。これらの細胞では、同時にERストレスに応答した迅速で強固なJNKの活性化が存在した(図13C)。XBP−1発現の誘導時に、ツニカマイシン処置後のPERKリン酸化及びJNK活性化の両方の劇的な低下が存在した(図13C)。従って、XBP−1の過剰発現は、WT細胞をERストレスに対して不応性にした。XBP−1−/−MEFにおいて実施した同様の実験は、反対のパターンを明らかにした(図13D)。XBP−1−/−MEFは、WT細
胞において有意のERストレスを刺激することができなかった低用量のツニカマイシン(0.5μg/ml)で処置したときでさえも、強力なERストレス応答を開始させた(図13D)。これらの条件下で、XBP−1−/−MEFにおけるPERKリン酸化及びJNK活性化レベルは、WT対照で見られるものよりも有意に高く(図13D)、XBP−1−/−細胞がERストレスを受けやすいことを示した。従って、細胞XBP−1タンパク質のレベルの変化は、ERストレス応答の変化を生じさせる。
【0080】
次に本発明者らは、IRS−1セリンリン酸化及びインスリン刺激IRS−1チロシンリン酸化によって評価したとき、ERストレス応答のこれらの相違がインスリン作用の変化を生じさせるかどうかを検討した。ツニカマイシン誘導のIRS−1セリンリン酸化は、対照細胞と比較して、XBP−1を外来性発現する線維芽細胞において有意に低かった(図13E)。インスリン刺激時のIRS−1チロシンリン酸化の程度は、対照と比較して、XBP−1を過剰発現する細胞において有意に高かった(図13F)。これに対し、IRS−1セリンリン酸化は、低用量のツニカマイシン処置(0.5μg/ml)時でさえも、XBP−1+/+対照と比較してXBP−1−/−MEFにおいて強力に誘導された(図13G)。インスリン刺激後、IRS−1チロシンリン酸化のレベルは、ツニカマイシン処置WT対照と比較してツニカマイシン処置XBP−1−/−細胞において有意に低かった(図13H)。インスリン受容体のインスリン刺激チロシンリン酸化はこれらの細胞において正常であった(図14)。
【0081】
XBP−1+/−マウスのグルコースホメオスタシス障害
完全なXBP−1欠損は、胚を死に至らせる(Reimold et al., Genes Dev. 14:152, 2000;参照することにより本明細書に組み込まれる)。インビボでのERストレス、インスリン感受性及び全身グルコース代謝におけるXBP−1の役割を検討するため、本発明者らは、1個のXBP−1対立遺伝子にヌル変異を有するBalb/C−XBP−1+/−マウスを検討した。本発明者らはBalb/C遺伝的背景のマウスを検討したが、この系統は全身グルコース代謝において肥満誘導の変化に対して強い抵抗性を示すからである。細胞系に関する本発明者らの結果に基づき、本発明者らは、XBP−1欠損がマウスにインスリン抵抗性及び2型糖尿病の発症に対する素因を与えると仮定した。
【0082】
本発明者らは、XBP−1+/−マウスとそれらのWT同腹子を3週齢で高脂肪食(HFD)下に飼育した。平行して、両方の遺伝子型の対照マウスを普通食で飼育した。両方の遺伝子型の総体重は、普通食とHFDでの12週齢までは同様であった。この期間後、HFDのXBP−1+/−動物は、小さいが有意の体重増加を示した(図15A)。レプチン、アジポネクチン及びトリグリセリドの血清レベルは、HFDの16週間後に測定した両遺伝子型の間で統計的に有意の差を示さなかった(図16)。
【0083】
HFDでは、XBP−1+/−マウスは、4週目で早くも明らかになった持続的で進行性の高インスリン血症を発症した。実験の期間中、XBP−1+/−マウスではインスリンレベルが上昇し続けた。XBP−1+/+マウスにおける血中インスリンレベルは、XBP−1+/−同腹子におけるよりも有意に低かった(図15B)。図15Cに示すように、C−ペプチドレベルもまた、WT対照におけるよりもXBP−1+/−動物において有意に高かった。血糖値も、HFD下のXBP−1+/−マウスにおいて8週目に上昇し始め、20週目の実験終了時まで高いままであった(図15D)。このパターンは絶食(図15D)及び食後(データは示していない)状態で同じであった。HFD下のマウスにおける高インスリン血症の状況での血糖値上昇は、末梢インスリン抵抗性の発症の強力な指標である。
【0084】
全身インスリン感受性を調べるため、本発明者らは、XBP−1+/−マウス及びXBP−1+/+対照においてグルコース(GTT)及びインスリン(ITT)耐性試験を実施した。HFDでの飼育は、XBP−1+/−マウスにおいて有意のグルコース不耐症を生じさせた。HFD飼育7週間後のグルコース負荷試験で、XBP−1+/−マウスはXBP−1+/+マウスよりも有意に高いグルコースレベルを示した(図15E)。このグルコース不耐症は、HFD飼育16週間後のXBP−1+/−マウスにおいて、WTマウスと比較して存在することが継続している。(図15F)。ITTの間、インスリンに対する血糖低下応答も、HFD飼育の8週間目にXBP−1+/+同腹子と比較してXBP−1+/−マウスでは有意に低く(図15G)、この低い応答性はHFD飼育の17週間後も存在することが継続していた(図15H)。膵島の形態及び機能の検査では、遺伝子型の間で有意差を示さなかった(図17)。それ故、XBP−1対立遺伝子の喪失は、マウスに食餌誘導性インスリン抵抗性及び糖尿病に対する素因を与える。
【0085】
XBP−1+/−マウスにおけるERストレス上昇及びインスリンシグナル伝達障害
培養細胞に関する本発明者らの実験は、XBP−1欠損細胞におけるERストレスの上昇及びインスリンシグナル伝達能力の低下、並びに高レベルのXBP−1発現時のこれらの表現型の改善を明らかにした。このメカニズムが、XBP−1+/−マウスで見られるインスリン抵抗性の基礎であるとすれば、これらの動物は、インスリン受容体シグナル伝達障害と結合した高レベルのERストレスを示すはずである。これを調べるため、本発明者らは最初に、肥満XBP−1+/−及びWTマウスの肝臓におけるPERKリン酸化及びJNK活性を検査することによってERストレスを評価した。これらの実験は、HFD下のWT対照と比較して肥満XBP−1+/−マウスでのPERKレベルの上昇及び肝PERKリン酸化の見掛けの上昇を明らかにした(図18A)。また、WT対照と比較してXBP−1+/−マウスでは、JNK活性の有意の上昇があった(図18B)。これらの結果と一致して、IRS−1のセリン307リン酸化も、HFD下のWT対照と比較してXBP−1+/−マウスでは高かった(図18C)。最後に、本発明者らは、これらのマウスにおけるインビボでのインスリン刺激性インスリン受容体シグナル伝達能力を検討した。普通食下の遺伝子型の間では、肝及び脂肪組織におけるインスリン受容体シグナル伝達成分の何れにも検出可能な差は見出せなかった(図19)。しかし、HFDでの飼育後、インスリン刺激IR、IRS−1及びIRS−2チロシン並びにAktセリンリン酸化を含む、肝臓におけるインスリン受容体シグナル伝達の主要成分は全て、WT対照と比較してXBP−1+/−マウスでは低下していた(図18D〜G)。インスリン受容体シグナル伝達の同様の抑制もまた、HFD下のXBP−1+/−マウスの脂肪組織において、XBP−1+/+マウスと比較して存在することが明らかであった(図20)。XBP−1+/−マウスにおけるIRチロシンリン酸化の抑制は、ERストレスが受容体後レベルでインスリン作用を阻害した場合にXBP−1−/−細胞で得られる所見とは異なる。これは、インスリン受容体にインビボでの慢性高インスリン血症が影響しているのを反映すると考えられる。従って、本発明者らのデータは、インビボでのERストレスとインスリン作用の間の関連を明らかにするが、このメカニズムを通して標的されるインスリン受容体シグナル伝達経路の正確な遺伝子座を決定する上では確実ではない。
【0086】
(考察)
この検討において、本発明者らは、ERストレスを、インスリン作用の悪化である肥満と2型糖尿病の発症の間の分子レベルでの関連を特定する。
【0087】
本発明者らの所見は、ERによる肥満誘導性代謝ストレスの分子センシング及び最終的にインスリン抵抗性及び2型糖尿病へと導くインスリン作用の阻害に内在する基本的メカニズムを示す。本発明者らは、ERストレスが、肥満におけるストレス及び炎症応答の発現並びに全身グルコースホメオスタシスの総合的な悪化に内在すると主張する(Shi et al., Sonenberg, Endocr. Rev. 24:91(2003);参照することにより本明細書に組み込まれる)。本発明者らの所見は、ERストレスを1型糖尿病に結びつける、この領域でのこれまでの研究とは大きく異なり、ERストレスがインスリン抵抗性及び2型糖尿病に内在する不可欠のメカニズムであることを明らかにする。
【0088】
インスリン作用におけるERストレス応答の重要な役割は、それによってストレスシグナルが代謝調節経路と統合される進化的に保存されたメカニズムであると考えられる。インスリン作用のようなエネルギーの流れの適切な調節及び主要同化経路の抑制は、急性ストレス、病原体の侵入及び免疫応答時には有益であると考えられるので、ERストレスを通してのこのような統合は好都合であろう。しかしながら、肥満のような慢性ERストレスの存在下では、ERストレスと代謝調節の間の密接な結びつきは、インスリン抵抗性、そして最後には2型糖尿病の発症へと導くであろう。最終的に、ERストレスを通してのストレスシグナルと代謝ホメオスタシスの統合が生存に対して潜在的にプラスの影響を及ぼすとすれば、高度な応答性のシステムは淘汰に供される。過剰なカロリー負荷に曝すことがERに対する持続的なストレスを生み出す現代においては、この淘汰は、代謝性疾患の劇的に高い発生率についての潜在的に内在するメカニズムであり得る。治療の見地から、本発明者らの所見は、ERストレス応答の操作が2型糖尿病を予防し、治療するための新しい可能性を提供することを示唆する。
【0089】
(試験材料及び方法)
生化学試薬:抗IRS−1、抗ホスホ−IRS−1(Ser307)及び抗IRS−2抗体は、「Upstate Biotechnology(Charlottesville, VA)」より入手した。ホスホチロシン、eIF2α、インスリン受容体βサブユニット及びXBP−1は、「Santa Cruz Biotechnology(Santa Cruz, CA)」から入手した。抗ホスホ−PERK、抗Akt及び抗ホスホ−Akt抗体及びc−Junタンパク質は、「Cell Signaling Technology(Beverly, MA)」より入手した。抗ホスホ−eIF2α抗体は、「Stressgen(Victoria, British Columbia, Canada)」から購入した。抗インスリン抗体及びC−ペプチドRIAキットは、「Linco Research(St. Charles, MO)」から購入した。抗グルカゴン抗体は「Zymed(San Francisco, CA)」より入手した。PERK抗血清は、Dr.David Ron(New York University School of Medicine)の好意により提供された。テキサスレッド複合ロバ抗モルモットIgG及びフルオレセイン複合(FITC複合)ヤギ抗ウサギIgGは、「Jackson Immuno Research Laboratories(West Grove, PA)」より入手した。タプシガルギン、ツニカマイシン及びJNK阻害剤は、「Calbiochem(San Diego, CA)」より入手した。インスリン、グルコース及びスリンダックスルフィドは「Sigma(St. Louis, MO)」からであった。The Ultra Sensitive Rat Insulin ELISAキットは、「Crystal Chem Inc.(Downers Grove, IL)」からであった。
【0090】
細胞:ラットFao肝細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むRPMI1640(Gibco、Grand Island, NY)で培養した。70〜80%の集密度で、実験を開始する前に12時間、細胞を血清枯渇させた。環境ストレスを予防するため、インキュベータ内の培養皿にツニカマイシン、タプシガルギン及びJNK阻害剤を含む試薬を静かに添加した。JNK阻害剤は、ツニカマイシン/タプシガルギン処置の1時間前に添加した。XBP−1−/−マウス胚線維芽細胞(MEF)(A. H. Lee, N. N. Iwakoshi, L. H. Glimcher, MoI. Cell Biol. 23:7448(2003);参照することにより本明細書に組み込まれる)、IRE−1α−/−MEF細胞(Dr.David Ron(New York University School of Medicine)の好意により提供された)、及びそれらの野生型対照を、10%FBSを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)(Gibco, Grand Island, NY)で培養した。MEF細胞における実験に関しては、細胞を6時間だけ血清除去したことを除いて、同様のプロトコールに従った。
【0091】
MEFにおけるXBP−1の過剰発現:MEF−tet−off細胞(BD Biosciences Clontech, Palo Alto, CA)を、100μg/mlのG418及び1μg/mlのドキシサイクリンを添加したDMEMで培養した。MEF−tet−off細胞は、TRE(テトラサイクリン応答エレメント)に結合し、テトラサイクリン又はドキシサイクリンの不在下でのみ転写を活性化する、外来性tTA(テトラサイクリン制御性トランス活性化因子)タンパク質を発現する。スプライシングされた形態のXBP−1のcDNAをpTRE2hyg2プラスミド(BD Biosciences Clontech, Palo Alto, CA)に連結した。MEF−tet−off細胞を、TRE2hyg2−XBP−lプラスミドでトランスフェクトし、次に400μg/mlのヒグロマイシンBの存在下で選択した。安定なトランスフェクタントの個々のクローンを単離し、ドキシサイクリン依存性XBP−1発現を免疫ブロット法によって確認した。
【0092】
忌引き
ノーザンブロット分析:トリゾール試薬(Invitrogen, Carlsbad, CA)を用いてマウス肝臓から全RNAを単離し、1%のアガロースゲルによって分離して、その後BrightStar Plusナイロン膜(Ambion, Austin, TX)に移した。GRP78cDNAプローブを、以下のプライマーを用いたRT−PCRによってマウス肝全cDNAから作製した:5’−TGGAGTTCCCCAGATTGAAG−3’及び5’−CCTGACCCACCTTTTTCTCA−3’。DNAプローブを、ランダムプライムドDNA標識キット(Roche, Indianapolis, IN)を使用して32P−dCTPで標識した。製造者のプロトコール(Ambion, Austin, TX)に従ってハイブリダイゼーションを実施し、Versa Doc Imaging System 3000(BioRad, Hercules, CA)によって視覚化した。
【0093】
細胞からのタンパク質抽出物:各々の処置の最後に、細胞を液体窒素中で即時凍結し、−80℃に保持した。25mM トリス−HCl(pH7.4)、2mMのNaVO、10mMのNaF、10mMのNa、1mMのEGTA、1mMのEDTA、1%のNP−40、5μg/mlのロイペプチン、5μg/mlのアプロチニン、10nMのオカダ酸及び1mMのフッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF)を含む溶解緩衝液でタンパク質抽出物を作製した。免疫沈降及び免疫ブロット法実験は、それぞれ750μg及び75μgのタンパク質で実施した。
【0094】
動物試験及び肥満モデル:成体(10〜12週齢)の雄性ob/obマウス及びそれらの野生型(WT)同腹子を、Jackson Labs.より購入した。食餌誘発性肥満モデルにおいて使用したマウスは、雄性C57BL/6であった。全てのマウスを、離乳の直後(約3週齢時)に高脂肪食(HFD:35.5%脂肪、20%タンパク質、32.7%炭水化物、Bio−Serve)飼育下に置いた。XBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスは、Balb/Cの遺伝的背景にあった。インスリン及びグルコース耐性テストを、以前に記載されているように(Hirosumi et al, Nature 420:333(2002);参照することにより本明細書に組み込まれる)実施した。インスリン及びC−ペプチドELISAを、マウス標準(Crystal Chem Inc., Downers Grove, IL)を用いて製造者の指示に従って実施した。16週齢のマウスから単離した膵臓を、ブワン液(Bouin's fluid)及びホルマリンに固定し、パラフィン切片をモルモット抗インスリン及びウサギ抗グルカゴン抗体で二重染色した。テキサスレッド複合ロバ抗モルモットIgG及びFITC複合ヤギ抗ウサギIgGを、二次抗体として使用した。
【0095】
インスリン注入及び組織タンパク質抽出:インスリンを、以前に記載されているように(Uysal et al., Nature 389:610(1997); Hirosumi et al., Nature 420:333(2002);各々が参照することにより本明細書に組み込まれる)、門脈を通して注入した。インスリン注入の3分後、肝臓を切除し、液体窒素中で凍結して、処理まで−80℃で保存した。タンパク質抽出のために、肝組織(約0.3g)を、25mMのトリス−HCl(pH7.4)、10mMのNaVO、100mMのNaF、50mMのNa、10mMのEGTA、10mMのEDTA、1%のNP−40、5μg/mlのロイペプチン、5μg/mlのアプロチニン、10nMのオカダ酸及び2mMのPMSFを含む溶解緩衝液10ml中に入れた。氷上で均質化した後、組織溶解産物を4℃にて4,000rpmで15分間、次に4℃にて55,000rpmで1時間遠心分離した。全組織タンパク質1mgを免疫沈降反応及びその後の免疫ブロット法のために使用し、一方全組織タンパク質100〜150μgを直接免疫ブロット法のために使用した(Hirosumi et al, Nature 420:333 (2002);参照することにより本明細書に組み込まれる)。
【0096】
その他の態様:以上の記載は、本発明のある特定の非限定的な好ましい態様の説明である。当業者であれば、特許請求の範囲で定義されるような本発明の精神又は範囲から逸脱することなく、本記述に様々な変更及び修正を実施できることを認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】図1は、肥満に見られる小胞体ストレス上昇を示す。マウス肥満の食餌性(高脂肪食誘発性)及び遺伝性(ob/ob)モデルを、年齢及び性別が対応するやせ型対照と比較して、肝組織におけるERストレスのマーカーを検討するために使用した。スプライシングされた形態のXBP−1(XBP−1s)、eIF2αのリン酸化(ser51、p−eIF2α)、PERKのリン酸化(p−PERK)、GRP78のmRNA発現レベル及びJNK活性を含むERストレスマーカーを、標準又は高脂肪食のどちらかで16週間飼育した雄性マウス(C57BL/6)の肝臓試料において検査した。タンパク質100μgを各々の免疫ブロット法のために使用した(図1a)。12〜14週齢の雄性ob/ob及び野生型マウスの肝臓における同じERストレスマーカーを検査した(図1b)。肝臓におけるGRP78mRNAの発現レベルを、図1a及び1bで述べた群と同様のやせ型及び肥満型動物においてノーザンブロット分析によって検査した。
【図2】図2は、ERストレスの誘導が、どのようにしてJNKを介したIRS−1のリン酸化を通して肝細胞におけるインスリン作用を損なうかを示す。タプシガルギン(thap、4時間で300nM)又はツニカマイシン(tun、2時間で10μg/ml)のいずれかで、Fao細胞においてERストレスを誘導し、その後細胞をインスリン(ins)で刺激した。タプシガルギン又はツニカマイシン処置細胞における、インスリンで刺激したIRS−1チロシンリン酸化及び総タンパク質レベルを、ホスホチロシン(pY)に対する抗体によるIRS−1の免疫沈降反応(IP)とそれに続く免疫ブロット法(IB)の実施後に検査した(a)。タプシガルギン又はツニカマイシン処置細胞における、インスリンで刺激したインスリン受容体(IR)のチロシンリン酸化及び総タンパク質レベル(b)。タプシガルギンによる2時間の刺激後のFao細胞におけるIRS−1のser307残基のリン酸化(c)。タプシガルギン処置後のJNK−1阻害剤SP600125(JNKi)によるser307リン酸化の阻害(d)。ペプチド阻害剤(JNKi)でJNK活性をブロックすることによる、ツニカマイシンが誘導するIRS−1のインスリン刺激チロシンリン酸化(pY)の阻害の改善。これらの実験では、免疫沈降反応及び免疫ブロット法の両方を抗ホスホチロシン抗体で実施した(e)。
【図3】図3は、IRE−1が、どのようにしてERストレスを介したJNK活性化、IRS−1のser307リン酸化及びインスリン受容体シグナル伝達の阻害において決定的役割を果たすかを示す。インビボキナーゼアッセイ及び組換えc−junを基質として用いて、IRE−1α+/+及びIRE−1α−/−線維芽細胞におけるツニカマイシンにより処置した後の指示されている時点でのJNK活性を検査した。JNK活性及び総JNKレベル(a)。IRS−1ホスホセリン307特異的抗体によるIRS−1の免疫沈降反応(IP)及び免疫ブロット法(IB)に続くツニカマイシンでの処置後の、IRE−1α+/+及びIRE−1α−/−線維芽細胞におけるser307残基でのIRS−1のリン酸化(b)。ツニカマイシンによるIRE−1α+/+及びIRE−1α−/−線維芽細胞処置後のインスリン(ins)刺激IRS−1チロシンリン酸化及び総IRS−1レベル。ブロットの下のグラフは、各々の処置時点での総IRS−1レベルに対するIRS−1チロシンリン酸化の補正密度を示す(c)。
【図4】図4は、非経口経路による4−フェニル酪酸(4−PBA)の投与が、どのようにしてインビボでのインスリン感受性を上昇させ、糖尿病マウスの血糖値を低下させるかを示す。インスリン感受性及び高血糖症への4−フェニル酪酸(4−PBA)の作用を分析するためにマウス肥満の遺伝性(ob/ob)モデルを使用した。10〜12週齢の雄性レプチン欠損マウスをJackson Labsより入手し、4日間PBSの3回の注射(1日3回)によって順化させ、7日間にわたって4−PBA(3回分割投与で1g/kg/日)又はリン酸緩衝食塩水(PBS)(100μlの3回投与)のいずれかの腹腔内注射で処置した。試験の3日目と7日目の食後血糖値(mg/dl)(a)。1回目の注射後7日目にインスリン耐性試験(ITT)を実施した(b)。
【図5】図5は、経口経路による4−フェニル酪酸(4−PBA)の投与が、どのようにしてインビボでのインスリン感受性を上昇させ、糖尿病マウスの血糖値を低下させるかを示す。インスリン感受性及び高血糖症への4−フェニル酪酸(4−PBA)の作用を分析するためにマウス肥満の遺伝性(ob/ob)モデルを使用した。8〜10週齢の雄性レプチン欠損マウスをJackson Labsより入手し、4日間PBSの注射(1日2回)によって順化させ、20日間にわたって4−PBA(2回分割投与で500mg/kg/日)又はリン酸緩衝食塩水(PBS)(200μlの2回投与)のいずれかで処置した。処置期間中の体重(a)。0日目と20日目での6時間絶食後の血糖値(mg/dl)(b)。0日目と20日目のインスリンレベル(ng/ml)(c)。処置の15日目にインスリン耐性試験を実施した(d)。
【図6】図6は、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)によるob/obマウスの処置が、インスリン感受性を上昇させ、糖尿病を改善することを示す。9〜10週齢のob/ob及びそれらの年齢及び性別が対応するやせ型対照を、グルコース代謝及び糖尿病へのTUDCAの作用を分析するために使用した。4日間のPBS注射(1日1回、200μlの腹腔内注射)による順化後、マウスにTUDCA(PBS200μl中、500mg/kgで1日1回)(やせ型についてはn=6、そしてob/obについてはn=7)及びPBS(200μl)(やせ型についてはn=6、そしてob/obについてはn=7)を腹腔内注射した。1回目の注射後4、7及び10日目の血糖値(a)。1回目の注射後10日目のITT値(b)。
【図7】図7は、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)の抗糖尿病作用を示す。肥満及びインスリン抵抗性のob/ob遺伝性モデルを使用して実験を実施した(C57BL/6J−Lep−obマウスをJackson Laboratory(Bar Harbor, ME)より購入した)。7週齢で、PBSの投与による5日間の順化後に処置を開始した。この期間後、TMAO(Sigma, T0514)をPBSに溶解し、1g/kg/日の用量で24時間ごとに腹腔内(IP)注射によって投与した。指示されている日数目に、自動血糖測定システムを用いて午前8時に食後血糖値を測定した。インスリン測定のために、6時間の絶食後に血液試料を採取し、特異的ELISA(Crystal Chem, 90060)を用いて血清インスリンレベルを定量した。各々の処置グループは、実験グループ当り少なくとも6匹の動物を含んでいた。
【図8】図8は、糖尿病の治療における4−フェニル酪酸ナトリウムとメトホルミンの有効な併用を示す。肥満及びインスリン抵抗性のob/ob遺伝性モデル(C57B6.V−Lepob/OlaHsdマウスをHarlan Teklad(Madison, WI)より購入した)を使用して実験を実施した。7週齢で、PBSの投与による5日間の順化後に処置を開始した。この期間後、PBS、4−フェニル酪酸ナトリウム(200mg/kg/日)、メトホルミン(200mg/kg/日)及び4−フェニル酪酸ナトリウム+メトホルミン(各々200mg/kg/日)を、強制経口投与によって毎日4つの別々の実験グループのマウス(各々のグループに少なくとも6匹のマウス)に投与した。これらの用量で、4−フェニル酪酸ナトリウムとメトホルミンの併用だけが血糖値低下レジメンとして有効であることが明らかになり、単一薬剤は血糖値に何ら効果がなかった。血糖値は午前8時に食後状態で測定した。
【図9】図9は、インビトロでのグルコースによるGRP78発現の調節及びインビボでの高血糖症を示す。(A)Fao細胞を様々な用量のグルコース(0、5、10、25及び75mM)で24時間処置した。GRP78のmRNAレベルを、これらの細胞から単離した全RNAを用いたノーザンブロット法によって検査した。臭化エチジウム染色をRNAの負荷及び完全性についての対照として示す。(B)ストレプトゾトシン(STZ、200mg/kg)を雄性マウスに腹腔内注射した。注射の3日後、STZ誘導の高血糖症を確認するために血糖値を測定した。注射の10日後の肝臓を採集し、肝臓の全RNAを用いたノーザンブロット分析によってGRP78発現を検討した。
【図10】図10は、肥満マウスの脂肪組織におけるERストレス指標を示す。マウス肥満の食餌性(高脂肪食誘発性)及び遺伝性(ob/ob)モデルを、年齢及び性別が対応するやせ型対照と比較して脂肪組織におけるERストレスのマーカーを検討するために使用した。(A)標準食(RD)又は高脂肪食(HFD)のどちらかで16週間飼育した雄性マウス(C57BL/6)の脂肪試料においてPERKリン酸化(p−PERK)及びJNK活性を検査した。(B)12〜14週齢の雄性ob/ob及びWTやせ型マウスの脂肪組織におけるPERKリン酸化及びJNK活性。(C)GRP78のmRNAレベルを、WTやせ型及びob/ob動物の脂肪組織におけるノーザンブロット分析によって検査した。臭化エチジウム染色をRNAの負荷及び完全性についての対照として示す。
【図11−1】図11は、ERストレスの誘導が、JNKを介したIRS−1のリン酸化を通してインスリン作用を損なうことを示す。(A)5μg/mlのツニカマイシン(Tun)での3時間の処置によってFao肝細胞においてERストレスを誘導した。その後細胞をインスリン(Ins)で刺激した。IRS−1チロシン及びセリン(Ser307)リン酸化、Aktリン酸化(Ser473)、インスリン受容体(IR)チロシンリン酸化及びそれらの総タンパク質レベルを、免疫沈降反応(IP)とそれに続く免疫ブロット法(IB)又は直接免疫ブロット法のいずれかを用いて検査した。(B)各々の分子についてタンパク質レベルに基準化した、(A)で述べた実験条件下でのIRS−1(チロシン及びSer307)、Akt(Ser473)及びIR(チロシン)リン酸化の定量。(C)JNK−1阻害剤、SP600125(JNKi、25μM)による、ERストレスが誘導する(4時間で300nMのタプシガルギン)IRS−1のSer307リン酸化の阻害。(D)(C)で述べた実験条件下でのIRS−1のSer307リン酸化の定量。(E)JNK阻害剤による、ERストレスが誘導するIRS−1のインスリン刺激チロシンリン酸化(pY)の阻害の改善。(F)(E)で述べたインスリン誘導のIRS−1チロシンリン酸化レベルの定量。
【図11−2】図11は、ERストレスの誘導が、JNKを介したIRS−1のリン酸化を通してインスリン作用を損なうことを示す。(G)IRE−1α+/+及びIRE−1α−/−線維芽細胞におけるツニカマイシン処置(Tun、1時間で10μg/ml)した後の指示されている表示時点でのJNK活性、IRS−1のSer307リン酸化及び総IRS−1レベル。(H)IRE−1α+/+及びIRE−1α−/−線維芽細胞におけるツニカマイシン処置(Tun、1時間で10μg/ml)した後のインスリン刺激IRS−1チロシンリン酸化及び総IRS−1レベル。IRE−1α+/+及びIRE−1α−/−細胞におけるインスリン誘導のIRS−1チロシンリン酸化レベルの定量をパネルの下部に示す。全てのグラフは、少なくとも2つの独立した実験からの平均値±SEMを示し、対照からの統計的有意性をp<0.005を有する「*」で表示する。
【図12】図12は、タプシガルギン誘導のERストレスによるインスリン受容体シグナル伝達の阻害及びIRS−1セリンリン酸化におけるCaレベルの役割を示す。(A)300nMのタプシガルギン(Thap)での1時間の処置によってFao細胞においてERストレスを誘導し、その後細胞をインスリン(Ins)で刺激した。IRS−1チロシンリン酸化(pY)及びセリンリン酸化(pSer307)、インスリン受容体(IR)チロシンリン酸化及び総タンパク質レベルを、免疫沈降反応(IP)とそれに続く免疫ブロット法(IB)又は直接免疫ブロット法のいずれかを用いて検査した。(B)Fao細胞を、スリンダックスルフィド(SS:0、7.5、30及び60μM)で45分間処置し、さらに1時間、300nMのタプシガルギン(Thap)に曝すか又は曝さなかった。IRS−1セリンリン酸化及び総IRS−1タンパク質レベルを上記したように検査した。
【図13−1】図13は、XBP−1レベルの操作によるERストレス応答の変化が、インスリン受容体シグナル伝達の変化を導くことを明らかにする。XBP−1過剰発現細胞、XBP−1−/−細胞及びそれらの対照におけるERストレス応答。(A)マウス胚線維芽細胞(MEF)におけるドキシサイクリンの除去後のXBP−1発現の誘導。(B)野生型(9.4kb)及び標的(6.5kb)の対立遺伝子についてのXBP−1−/−MEF細胞及びそれらのWT対照のサザンブロット分析。(C)ツニカマイシン処置(Tun、2μg/ml)後のXBP−1s過剰発現細胞及びそれらの対照細胞(それぞれ、−Dox及び+Dox)におけるPERKリン酸化(p−PERK)及びJNK活性。(D)XBP−1−/−MEF細胞及びそれらのWT対照における低用量ツニカマイシン処置(Tun、0.5μg/ml)した後のPERKリン酸化(p−PERK)及びJNK活性。
【図13−2】図13は、XBP−1レベルの操作によるERストレス応答の変化が、インスリン受容体シグナル伝達の変化を導くことを明らかにする。XBP−1過剰発現細胞、XBP−1−/−細胞及びそれらの対照におけるERストレス応答。(E)XBP−1過剰発現細胞及び対照細胞(それぞれ、−Dox及び+Dox)におけるツニカマイシン処置(Tun、2μg/ml)した後のIRS−1 Ser307リン酸化は、IRS−1ホスホセリン307特異的抗体によるIRS−1の免疫沈降反応(IP)とそれに続く免疫ブロット法(IB)を用いて検出した。ブロットの隣のグラフは、パネルEで述べた条件下でのIRS−1のSer307リン酸化の定量を示す。(F)ツニカマイシン処置(Tun、2μg/ml)を伴う又は伴わない場合の、XBP−1s過剰発現細胞及び対照細胞におけるIRS−1のインスリン刺激のチロシンリン酸化。IRS−1チロシンリン酸化対総IRS−1レベルの比を独立した実験から要約し、グラフに示した。(G)XBP−1−/−細胞及びWT対照におけるツニカマイシン処置(Tun、0.5μg/ml)した後のIRS−1のSer307リン酸化をパネルCで述べたように検出した。ブロットの隣のグラフは、図12Gで述べた条件下でのIRS−1のSer307リン酸化の定量を示す。(H)ツニカマイシン処置(Tun、0.5μg/ml)を伴う又は伴わない場合の、XBP−1−/−及びWT対照におけるIRS−1のインスリン刺激のチロシンリン酸化。IRS−1チロシンリン酸化対総IRS−1レベルの比を独立した実験から要約し、グラフに示した。全てのグラフは、少なくとも2つの独立した実験からの平均値±SEMを示し、対照からの統計的有意性をp<0.005を有する「*」で表示する。
【図14】図14は、XBP−1過剰発現細胞とXBP−1欠損細胞におけるインスリン誘導のインスリン受容体自己リン酸化を示す。(A)XBP−1過剰発現細胞及びそれらの対照MEF細胞(それぞれ、−Dox及び+Dox)を、2μg/mlのツニカマイシン(Tun)で様々な期間(0、0.5、1、2、3及び4時間)処置した。インスリン誘導のインスリン受容体(IR)チロシンリン酸化(pY)及び総IRレベルを、IR抗体での免疫沈降反応(IP)とそれに続くIR又はホスホチロシン(pY)に対する抗体での免疫ブロット法(IB)を用いて前記細胞において検査した。(B)XBP−1−/−MEF細胞及びそれらのWT対照を、0.5μg/mlのツニカマイシンで様々な期間(0、0.5、1、2、3及び4時間)処置した。インスリン誘導のインスリン受容体(IR)チロシンリン酸化(pY)及び総IRレベルをパネルAにおけるように検査した。
【図15】図15は、高脂肪食を与えたXBP−1−/−マウスにおけるグルコースホメオスタシスを示す。XBP−1+/−(◇)及びXBP−1+/+(■)マウスを、離乳の直後から高脂肪食(HFD)で飼育した。総体重(A)、絶食時血中インスリン(B)、C−ペプチド(C)及びグルコース(D)レベルを、HFDの期間中、XBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスにおいて測定した。XBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスにおいてHFDでの7(E)及び16(F)週間後にグルコース耐性試験を実施した。XBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスにおいてHFDでの8(E)及び17(H)週間後にインスリン耐性試験を実施した。XBP−1+/−マウスに対して、n=11;XBP−1+/+マウスに対して、n=8。データを平均値±SEMとして示す。p≦0.05での両側スチューデントt検定における統計的有意性を、「*」によって示し、p≦0.005での統計的有意性を「**」によって、及びp≦0.0005での統計的有意性を「***」によって示す。XBP−1+/−及びXBP−1+/+グループを、ANOVAによっても比較する(パネルA〜H)。
【図16】図16は、XBP−1+/−マウスにおけるERストレス及びインスリン受容体シグナル伝達を示す。高脂肪食での16週間飼育後のXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの肝臓においてPERKリン酸化(p−PERK)(A)、JNK活性(p−c−Jun)(B)、及びIRS−1のSer307(IRS−1pSer307)(C)を検査した。門脈を通してのインスリン(1U/kg)の注入後、高脂肪食で16週間飼育後のXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの肝臓において、インスリン受容体(IR)チロシンリン酸化(pY)(D)、IRS−1チロシンリン酸化(E)、IRS−2チロシンリン酸化(F)、及びAktのSer473リン酸化(G)を検査した。
【図17】図17は、XBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスにおける膵島の特性決定である。普通食(A〜D)又はHFD(E〜H)のいずれかのXBP−1+/−及びXBP+/+マウスから得た膵切片における膵島の形態、大きさ、及びインスリンとグルカゴンについての免疫組織化学染色である。高脂肪食でのXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスにおけるグルコース刺激インスリン分泌。グルコース刺激インスリン分泌を、16週間高脂肪食で飼育したXBP−1+/−及びWTマウスにおいて検査した(I)。各々の遺伝子型のマウスにグルコースを腹腔内投与し、指示されている時点でインスリン測定のために血液試料を採集した。これらの実験において、XBP−1+/−膵島に検出可能な異常は存在せず、標準条件下で遺伝子型間の差は明らかではなかった。HFD下で、XBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの両方が膵島過形成を示した。HFDに対するこの予想された応答は遺伝子型間では同様であり、過形成成分(膵島サイズ>150μM)は、HFD下のXBP−1+/−における全ての膵島の40%及びWTマウスにおける全ての膵島の43%を構成した。HFD下のXBP−1+/−及びWTマウスにおけるグルコース刺激インスリン分泌を検討する実験で、XBP−1+/−マウスはより一層強力なインスリン分泌応答でグルコースに応答するが、これはそれらの表現型に内在する単離した膵島欠陥の可能性を有効に排除する。従って、これらのデータは、XBP−1+/−マウスの表現型が欠陥膵島によって説明できないこと、及びHFDでの16週間後でさえも、膵島は表現型の間で識別不能のように見えることを示す。
【図18】図18は、XBP−1+/−マウスにおけるERストレス及びインスリン受容体シグナル伝達を示す。高脂肪食で16週間飼育後のXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの肝臓においてPERKリン酸化(p−PERK)(A)、JNK活性(p−c−Jun)(B)、及びIRS−1のSer307(IRS−1pSer307)(C)を検査した。門脈を通してのインスリン(1U/kg)の注入後、高脂肪食で16週間飼育後のXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの肝臓において、インスリン受容体(IR)チロシンリン酸化(pY)(D)、IRS−1チロシンリン酸化(E)、IRS−2チロシンリン酸化(F)、及びAktのSer473リン酸化(G)を検査した。
【図19】図19は、普通食のXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの肝臓及び脂肪組織における無傷インスリン受容体シグナル伝達を示す。門脈を通してのインスリン(1U/kg)の注入後、普通食のXBP−1+/−及びXBP+/+マウスの肝臓(A)及び脂肪組織(B)において、インスリン受容体(IR)チロシンリン酸化(pY)、IRS−1チロシンリン酸化、IRS−2チロシンリン酸化、及びAktのSer473リン酸化を検査した。
【図20】図20は、高脂肪食のXBP−1+/−及びXBP−1+/+マウスの脂肪組織におけるインスリン受容体シグナル伝達低下を示す。(A)門脈を通してのインスリン(1U/kg)の注入後、16週間高脂肪食を与えたXBP−1+/−及びXBP+/+マウスの脂肪組織において、インスリン受容体(IR)チロシンリン酸化(pY)、IRS−1チロシンリン酸化、IRS−2チロシンリン酸化、AktのSer473リン酸化、及びそれらの総タンパク質レベルを検査した。(B)16週間高脂肪食を与えたXBP−1+/−及びXBP+/+マウスの脂肪組織においてJNKキナーゼアッセイを実施した。
【図21】図21は、肥満マウスの肝組織におけるJNK活性上昇と、それに続くPBAによる処置後のJNK活性の正常化を示す。
【0098】
別記A
ERストレス調節剤との併用剤

抗糖尿病薬
ベルオキシリソーム増殖因子活性化受容体ーγアゴニスト
ロシグリタゾン(グラクソ・スミス・クライン社のアバンディア)
ピオグリタゾン(武田薬品工業(株)/イーライ・リリー社のアクトス)
イサグリタゾン(三菱化学エンジニアリング(株))
リボクリタゾン(三共(株)のCS-011)
T−131(アムゲン社)
MBX−102(メタボレックス社)
R−483(ロシュ・中外製薬(株))
CLX−0921(カリックス社)
ビグアナイト剤
メトフォルミン(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社のグルコファージのジュネリック医薬品 / ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社のグルコファージXR)
スルホニル尿素
グリメピリド(アベンティス社のアマリル)
グリブリド/グリベンクラミド(アベンティス社のDiabeta / ファーマシア社のMicronaseのジュネリック医薬品 / ファーマシア社のGlynase)
グリピジド(ファイザー社のグルコトロールのジュネリック医薬品 / ファイザー社のグルコトロールXL)
グリクラジド(セルヴィエ社のディアミクロン / Molteni&C.F.LLI Alitti社のDiabrezide / Irex-シンセラボ社社のGlycemirex / 大日本製薬(株)のグリミクロンのジュネリック医薬品)
併用剤
メトフォルミン/グリブリド(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社のグルコバンス / Hoechst社のSuguan M)
メトフォルミン/ロシグリタゾン(グラクソ・スミス・クライン社のアバダメット)
メトフォルミン/グリピジド(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社のメタグリップ)
メグリチニド
レパグリニド(ノボ・ノルディスク社のプランジン/ノボノーム)
ナテグリニド(ノバルティス社のスターリックス/スターシス)
αーグルコシダーゼ阻害剤
アカルボーズ(バイエル社のPrecose/グルコバイのジュネリック医薬品)
ミグリトール(ファーマシア社のグリセット)
ボグリボーズ(武田薬品工業(株)の ベイスン)
インスリンとインスリン・アナログ
インスリン・リスプロ(イーライ・リリー社のヒューマログ)
インスリン・グラルジン(アベンティス社のランタス)
エクスベラ(ネクター社/ファイザー社/アベンティス社)
AERxインスリン糖尿病管理システム(アラディム社/ノボ・ノルディスク社)
AIR吸入型インスリン(イーライ・リリー社/Alkermes社)
オーラリン(ジェネレックス社)
インスリン・デテミル(NN-304)(ノボ・ノルディスク社)
インスリン・グルリシン(アベンティス社)
デュアルPPARアゴニストとPPARパン・アゴニスト
BMS−298583(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社/メルク社)
テサグリタザル(アストラ・ゼネカ社のガリダ)
ムラグリタザル(BMS-メルク)
ネーブグリタザル(リリー−リガンド社のLY-818)
TAK−559(武田薬品工業(株))
ネトグリタゾン(三菱ウェルファーマ社)
GW−677594(GSK社)
AVE−0847(アベンティス社)
LY−929(リリー−リガンド社)
ONO−5129(ONO社)
グルカゴン様ペプチドー1(GLP-1)アナログとアゴニスト
エクセナチド(AC-2993)(イーライ・リリー社/アミリン・ファーマシュティカル社)
エクセナチドLAR(AC-2993 LAR)(アミリン・ファーマシュティカル社/Alkermes社/イーライ・リリー社)
リラグルチド(insulinotropin/NN-2211)(Scios社/ノボ・ノルディスク社)
CJC−1131(Conju Chem社)
AVE−0010(アベンティス社−ジーランド社)
BIM−51077(ロッシュ社−帝人(株)−イプサン社)
NN−2501(ノボ・ノルディスク社)
SUN−E7001(第一サントリーファーマ(株)−三共(株))
ジペプチジルペプチターゼIV(DPP-IV)阻害剤
LAF−237(ノバルティス社)
MK−431(メルク社)
PSN−9301(Probiodrug prosidion社)
815541(グラクソ・スミス・クライン社−田辺製薬(株))
823093(グラクソ・スミス・クライン社)
825964(グラクソ・スミス・クライン社)
BMS−477118(BMS社)
膵リパーゼ阻害剤
オーリスタット (ロッシュ・ホールディング社)
Na+-ブドウ糖共輸送体(SGLT)阻害剤
T−1095(田辺製薬(株)−J&J社)
AVE−2268(アベンティス社)
869682 (グラクソ・スミス・クライン社− キッセイ薬品工業(株))
アミリン・アナログ
プラムリンチド(アミリン社のシミリン)
PDR引用その他の薬剤
適用症−高血糖症
アクトス錠(武田薬品工業(株))
塩酸ピオグリタゾン
アマリール錠(サノフィーアべンティス社)
グリメピリド
アピドラ注射(サノフィーアべンティス社)
インスリングルリジン
アバンダメット錠(グラクソ・スミス・クライン社)
塩酸メトフォルミン、マレイン酸ロシグリタゾン
アバンディア錠(グラクソ・スミス・クライン社)
マレイン酸ロシグリタゾン
ディアベータ錠(サノフィーアべンティス社)
グリブリド
フォルタメット徐放錠(アンドルクス社)
塩酸メトフォルミン
グルコトールXL除放錠(ファイザー社)
グリピジド
メタグリップ錠(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社)
グリピジド、塩酸メトフォルミン
プランディン錠(0.5,1,及び2mg)(ノボ・ノルディスク社)
レパグリニド
プレコース錠(バイエル社)
アカルボーズ
スタリックス錠(ノバルティス社)
ナテグリニド
PDR引用その他の薬剤
適用症−インスリン依存型糖尿病
ヒューマログ−ペン(リリー社)
インスリン、リスプロ、ヒト
ヒューマログミックス75/25−ペン(リリー社)
インスリン、リスプロプロタミン、ヒト、インスリン、リスプロ、ヒト
ヒューマリン50/50、100ユニット(リリー社)
インスリン、ヒトレギュラ及びヒトNPH混合型
ヒューマリン70/30ペン(リリー社)
インスリン、ヒトレギュラ及びヒトNPH混合型
ヒューマリンL、100ユニット(リリー社)
インスリン、ヒト、亜鉛懸濁
ヒューマリンN、100ユニット(リリー社)
インスリン、ヒトNPH
ヒューマリンR(U-500)(リリー社)
インスリン、ヒトレギュラ
ヒューマリンR、100ユニット(リリー社)
インスリン、ヒトレギュラ
ヒューマリンU、100ユニット(リリー社)
インスリン、ヒト、亜鉛懸濁
ヒューマリンNペン(リリー社)
インスリン、ヒトNPH
インノボ(ノボ・ノルディスク社)
デバイス
ランタス注入器(サノフィーアべンティス社)
インスリングラルギン
ノボリン70/30ヒトインスリン10ml バイアル (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトレギュラ及びヒトNPH混合型
ノボリン70/30ペンフィル3ml カートリッジ (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトレギュラ及びヒトNPH混合型
ノボリンN ヒトインスリン10ml バイアル (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトNPH
ノボリンN ペンフィル3ml カートリッジ (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトNPH混合型
ノボリンR ヒトインスリン10ml バイアル (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトレギュラー
ノボリンR ペンフィル1.5ml カートリッジ (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトレギュラー
ノボリンR ペンフィル3ml カートリッジ (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトレギュラー
ノボログ注射 (ノボ・ノルディスク社)
インスリンアスパルト、ヒトレギュラー
ノボログ混合型 70/30 (ノボ・ノルディスク社)
インスリンアスパルトプロタミン、ヒト、インスリンアスパルト、ヒト
PDR引用その他の薬剤
適用症−インスリン非依存型糖尿病
アクトス錠(武田薬品工業(株))
塩酸ピオグリタゾン
アマリール錠(サノフィーアべンティス社)
グリメピリド
アバンダメット錠(グラクソ・スミス・クライン社)
塩酸メトフォルミン、マレイン酸ロシグリタゾン
アバンディア錠(グラクソ・スミス・クライン社)
マレイン酸ロシグリタゾン
ディアベータ錠(サノフィ−アべンティス社)
グリブリド
グルコトールXL除放錠(ファイザー社)
グリピジド
ランタス注入器(サノフィーアべンティス社)
インスリングラルギン
メタグリップ錠(ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社)
グリピジド、塩酸メトフォルミン
プランディン錠(0.5,1,及び2mg)(ノボ・ノルディスク社)
レパグリニド
プレコース錠(バイエル社)
アカルボーズ
スタリックス錠(ノバルティス社)
ナテグリニド
PDR引用その他の薬剤
適用症−1型糖尿病
ランタス注入器(サノフィ−アべンティス社)
インスリングラルギン
ノボリン70/30 イノレット (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトレギュラ及びヒトNPH混合型
ノボリンN イノレット (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトNPH
ノボリンR イノレット (ノボ・ノルディスク社)
インスリン、ヒトNPH
PDR引用その他の薬剤
適用症−2型糖尿病
フォルタメット徐放錠(アンドルクス社)
塩酸メトフォルミン
ランタス注入器(サノフィーアべンティス社)
インスリングラルギン
プランディン錠(0.5,1,及び2mg)(ノボ・ノルディスク社)
レパグリニド
抗肥満薬
膵リパーゼ阻害剤
オーリスタット (ロッシュ社のゼニカル、日本ロッシュ社のゼニカル)
セロトニン及びノルエピネフリン再取り込み阻害剤
シブトラミン(アボット社/クノール・ファーマシュティカルズ社のメリディア、アストラ・ゼネカ社のリダクティル、エーザイ(株)のリダクティル)
代謝性疾患薬
フェンテルミン(グラクソ・スミス・クライン社のファスティン、メデバ社のイオナミン)
マジンドール(ワイス−エアスト社のマザノール、ノバルティス社のサノレックス) 末梢作用剤
ATL−962(Alizyme社)
HMR−1426(アベンティス社)
GI−181771(グラクソ・スミス・クライン社)
中枢作用剤
組み換えヒト毛様体神経栄養因子(アクソカイン)(リジェネロン社)
リモナバン(SR−141716)(サノフィ−サンテラボ社)
BVT−933(グラクソ・スミス・クライン社/バイオビトラム社)
ブプロピオンSR(グラクソ・スミス・クライン社)
P−57(フィトファーム社)
熱発生剤
TAK−677(AJ-9677)(大日本製薬(株)/武田薬品工業(株))
カンナビノイドCB1アンタゴニスト
アコンプリア(サノフィ−アベンティス社)
SLV319(ソルベイ社)
毛様体神経栄養因子(CNTF)アゴニスト
アクソカイン(リジェネロン社)
その他の抗肥満薬
1426(サノフィ−アベンティス社)
1954(サノフィ−アベンティス社)
c−2624(メルク社)
c−5093(メルク社)
T71(テュラリック社)
コレシストキニン(CCK)アゴニスト
GI181771(GSK)
脂質代謝調節剤
AOD9604(モナッシュ大学/メタボリック・ファーマシュティカル社)
リパーゼ阻害剤
ATL962(Alizyme社、武田薬品工業(株))
グルカゴン様ペプチド 1アゴニスト
AC137(アミリン社)
レプチンアゴニスト
第二世代レプチン(アムジェン社)
ベータ−3アドレナリンアゴニスト
SR58611(サノフィ−アベンティス社)
CP331684(ファイザー社)
LY377604(イーライ・リリー社)
n5984(日清キョーリン製薬(株))
ペプチド・ホルモン
ペプチドYY(3−36)(Nastech社)
CNS調節剤
s2367(塩野義製薬(株))
神経栄養因子
ペグアクソキン(リジェネロン社)
5HT2Cセロトニン受容体アゴニスト
APD356( アリーナ・ファーマシュティカル社)
ペプチドYY(3−36)
AC162352(アミリン社)
PDR引用その他の薬剤
適用症−肥満
Adipex−Pカプセル(Gate社)
塩酸フェンテルミン
Adipex−P錠(Gate社)
塩酸フェンテルミン
Desoxyn錠USP(Ovation社)
塩酸メタンフェタミン
イオナミン カプセル(セルテック社)
フェンテルミン樹脂
メリディア カプセル(アボット社)
塩酸シブトラミン一水和物
ゼニカル カプセル(ロッシュ・ラボラトリー社)
オーリスタット
PDR引用その他の薬剤
処方カテゴリー−食欲抑制剤
Adipex−Pカプセル(Gate社)
塩酸フェンテルミン
Adipex−P錠(Gate社)
塩酸フェンテルミン
Desoxyn錠USP(Ovation社)
塩酸メタンフェタミン
イオナミン カプセル(セルテック社)
フェンテルミン樹脂
メリディア カプセル(アボット社)
塩酸シブトラミン一水和物
抗アテローム性動脈硬化剤
HMG−CoA還元酵素阻害剤(スタチン)
アトルバスタチン(ワーナー・ランバート社/ファイザー社のリピトール)
プラバスタチン(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のプラバコール、三共(株)のメバロチン)
シンバスタチン(メルク社のゾコール)
ロバスタチン(メルク社のメバコール)
フルバスタチン(ノバルティス社のレスコール)
セリバスタチン(バイエル社のリポバイ、グラクソ・スミス・クライン社のバイコール)
ロスバスタチン(アストラ・ゼネカ社のクレストール )
ピタバスタチン(イタバスタチン/risivastatin)(日産化学工業(株)/興和(株)/三共(株)/ノバルティス社)
フィブレート系
ベザフィブレート(ベーリンガー・マンハイム社/ロッシュ社のベザリップ、キッセイ薬品(株)のベザトール)
クロフィブレート(ワイス−エアスト社のAtromid-Sのジュネリック医薬品)
フェノフィブレート(フルニエ社のリピディル、アボット社のトリコール、武田薬品(株)のリパンチルのジュネリック医薬品)
ゲムフィブロジル(ファイザー社のロピッドのジュネリック医薬品)
胆汁酸抑制剤
コレスチラミン(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のクエストランとクエストラン・ライトのジュネリック医薬品)
コレスチポール(ファーマシア社のコレスチド)
ナイアシン
ナイアシン−即効性(アベンティス社のNicobid、Upsher-Smith社のNiacor、アベンティス社のNicolar、(株)三和化学研究所のペリシットのジュネリック医薬品)
ナイアシン−徐放性(コス・ファーマシューティカルズ(株)のナイアスパン、Upsher-Smith社のスローナイアシン)
抗血小板剤
アスピリン(バイエル社のアスピリンのジュネリック医薬品)
クロピドグレル(サノフィー−サンテラボ社/ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のプラビックス)
チクロピジン(サノフィー−サンテラボ社チクリド、第一製薬(株)のパナルジンのジュネリック医薬品)
アンジオテンシ変換酵素阻害剤
ラミプリル(アベンティス社のアルテース)
エナラプリル(メルク社のバソテック)
アンジオテンシンII受容体アンタゴニスト
ロサルタンカリウム(メルク社のコザール)
アシルCoAコレステロールアセチルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤
アバシミブ(ファイザー社)
エフルシミブ(Bio Merieux Pierre Fabre社/イーライ・リリー社)
CS−505(三共(株)と京都薬品工業(株))
SMP−797(住友製薬(株))
コレステロール吸収阻害剤
エゼチミブ(シェリング−プラウ社/メルク社)
パマクエシド(ファイザー社)
コレステロールエステル転送タンパク質(CETP)阻害剤
CP−529414(ファイザー社)
JTT−705(日本たばこ産業(株))
CETi−1(Avant Immunotherapeutics社)
ミクロゾームトリグリセリド転移タンパク質(MTTP)阻害剤
インプリタピド(バイエル社)
R−103757(Janssen社)
他のコレステロール調節剤
NO−1886(大塚製薬(株)/TAPファーマシュティカル社)
CI−1027(ファイザー社)
WAY−135433(ワイス−エアスト社)
胆汁酸調節剤
GT102−279(ジェル・テックス社/三共(株))
HBS−107(久光製薬/万有製薬(株))
ペルオキシゾーム増殖活性化受容体(PPAR)アゴニスト
テサグリタザル(AZ-242)(アストラ・ゼネカ社)
ネトグリタゾン(MCC-555)(三菱ウェルファーマ社/Johnson&Johnson社)
GW−409544(リガンド・ファーマシュティカルズ社/グラクソ・スミス・クライン社)
GW−501516(リガンド・ファーマシュティカルズ社/グラクソ・スミス・クライン社)
遺伝子治療
AdGVVEGF121.10(ジェン・ベック社)
ApoA1(UCBファーマシュティカル社/グループ・フルニエ)
EG−004(Trinam)(アーク・セラピューティクス社)
ATP−結合輸送膜−A1(ABCA1)(CVセラピューティクス社/Incyte社、アベンティス社、Xenon社)
複合血管保護薬
AGI−1067(アテロジェニクス社)
他の抗アテローム性動脈硬化剤
BO−653(中外製薬(株))
糖タンパク質Ilb/IIIa阻害剤
ロキシフィバン(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
ガントフィバン(山之内製薬(株))
クロマフィバン(ミレニアム・ファーマシューティカルズ社)
アスピリンとアスピリン様化合物
アサカード(徐放性アスピリン)(ファーマシア社)
パミコグレル(カネボウ(株)/Angelini Ricerche社/CEPA)
併用療法
アドビコール(ナイアシン/ロバスタチン)(コス・ファーマシューティカルズ社)
アムロジピン/アトルバスタチン(ファイザー社)
シンバスタチン/エゼチミベ(メルク社/シェリング・プラウ社)
IBAT阻害剤
S−8921(塩野義製薬(株))
スクワレンシンターゼ阻害剤
BMS−188494 I(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
CP−210172(ファイザー社)
CP−295697(ファイザー社)
CP−294838(ファイザー社)
単球走化性タンパク質(MCP)−I阻害剤
RS−504393(ロシュ・バイオサイエンス社)
他のMCP−I阻害剤(グラクソ・スミス・クライン社、帝人(株)とブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)

PDR引用のその他の薬剤
適応症−高コレステロール血症
アドビコール錠(コス社)
ロバスタチン、ナイアシン
アルトプレブ徐放性錠(アンドルクス・ラブ社)
ロバスタチン
カデュエット錠(ファイザー社)
ベシル酸アムロジピン、アトルバスタチンカルシウム
クレストール錠(アストラ・ゼネカ社)
ロスバスタチンカルシウム
レスコール カプセル(ノバルティス社)
フルバスタチンナトリウム
レスコール カプセル(Reliant社)
フルバスタチンナトリウム
レスコールXL錠(ノバルティス社)
フルバスタチンナトリウム
レスコールXL錠(Reliant社)
フルバスタチンナトリウム
リピトール錠(パーク・デービス社)
アトルバスタチンカルシウム
Lofibra錠(Gate社)
フェノフィブレート
メバコール錠(メルク社)
ロバスタチン
ナイアスパン徐放錠(コス社)
ナイアシン
プラバコール錠(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
プラバスタチンナトリウム
トリコール錠(アボット社)
フェノフィブレート
ヴィトリン10/10錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/10錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/20錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/20錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/40錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/40錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/80錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/80錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ウェルコール錠(三共(株))
塩酸コレセベラム
ゼティア錠(シェーリング社)
エゼチミベ
ゼティア錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ
ゾコール錠(メルク社)
シンバスタチン
抗異常脂質血症
HMG−CoA還元酵素阻害剤
アトルバスタチン(ファイザー社のリピトール/Tahor/Sortis/Torvast/Cardyl)
シンバスタチン(メルク社のゾコール/Sinvacor、ベーリンガー・インゲルハイム社のDenan、万有製薬(株)のリポバス)
プラバスタチン(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のプラバコール、三共(株)のメバロチン/Sanaprav)
フルバスタチン(ノバルティス社のレスコール/ロコール/ローコール、藤沢薬品(株)のクラノック、ソルベイ社のDigaril)
ロバスタチン(メルク社のメバコール/Mevinacor、Bexal社のLovastatina、Cepa社
;シュワルツ・ファーマ社のLiposcler)
ロスバスタチン(アストラ・ゼネカ社のクレストール )
ピタバスタチン(日産化学工業(株)/興和(株)/三共(株)とノバルティス社)
HMG−CoA還元酵素阻害剤併用治療
シンバスタチン/エゼチミベ(メルク社とシェーリング・プラウ社)
フィブレート系
フェノフィブレート(アボット社のトリコール、フルニエ社のリピディル/リパンチル)
ベザフィブレート(ロッシュ社のBefizal/Cedur/ベザリップ、キッセイ薬品(株)のベザトールのジュネリック医薬品)
ゲムフィブロジル(ファイザー社のロピッド/リピュールのジュネリック医薬品)
クロフィブレート(ワイス社のAtromid-Sのジュネリック医薬品)
シプロフィブレート(サノフィー−サンテラボ社のモダリム)
胆汁酸抑制剤
コレスチラミン(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のクエストラン)
コレスチポール(ファイザー社のコレスチド)
コレセベラム(ジェンザイム/三共(株)のウェルコール)
コレステロール吸収阻害剤
エゼチミブ(メルク社とシェリング−プラウ社のゼティア)
パマクエシド(ファイザー社)
ニコチン酸誘導体
ニコチン酸(コス社のナイアスパン、山之内製薬(株)のナイクリン)
アシルCoAコレステロールアセチルトランスフェラーゼ阻害剤
アバシミブ(ファイザー社)
エフルシミブ(イーライ・リリー社)
コレステロールエステル転送タンパク質阻害剤
トルセトラピブ(ファイザー社)
JTT−705(日本たばこ産業(株))
CETi−1(Avant Immunotherapeutics社)
ミクロゾームトリグリセリド転移タンパク質阻害剤
インプリタピド(バイエル社)
CP−346086(ファイザー社)
ペルオキシゾーム増殖剤応答性受容体アゴニスト
GW−501516(リガンド・ファーマシュティカルズ社とグラクソ・スミス・クライン社)
テサグリタザル(アストラ・ゼネカ社)
LY−929(リガンド・ファーマシュティカルズ社とイーライ・リリー社)
LY−465608(リガンド・ファーマシュティカルズ社とイーライ・リリー社)
LY−518674(リガンド・ファーマシュティカルズ社とイーライ・リリー社)
MK−767(メルク社と杏林製薬(株))
スクワレンシンターゼ阻害剤
TAK−475(武田薬品工業(株))
他の新しいアプローチ
MBX−102(メタボレックス社)
NO−1886(大塚製薬(株))
ゲムカベン(ファイザー社)
肝X受容体アゴニスト
GW−3965(グラクソ・スミス・クライン社)
TU−0901317(Tularik社)
胆汁酸調節剤
BTG−511(ブリティッシュ・テクノロジーグループ)
HBS−107(久光製薬(株)と万有製薬(株))
BARI−1453(アベンティス社)
S−8921(塩野義製薬(株))
SD−5613(ファイザー社)
AZD−7806(アストラ・ゼネカ社)
PDR引用のその他の薬剤
適応症−高コレステロール血症
アドビコール錠(コス社)
ロバスタチン、ナイアシン
アルトプレブ徐放性錠(アンドルクス・ラブ社)
ロバスタチン
カデュエット錠(ファイザー社)
ベシル酸アムロジピン、アトルバスタチンカルシウム
クレストール錠(アストラ・ゼネカ社)
ロスバスタチンカルシウム
レスコール カプセル(ノバルティス社)
フルバスタチンナトリウム
レスコール カプセル(Reliant社)
フルバスタチンナトリウム
レスコールXL錠(ノバルティス社)
フルバスタチンナトリウム
レスコールXL錠(Reliant社)
フルバスタチンナトリウム
リピトール錠(パーク・デービス社)
アトルバスタチンカルシウム
Lofibra錠(Gate社)
フェノフィブレート
メバコール錠(メルク社)
ロバスタチン
ナイアスパン徐放錠(コス社)
ナイアシン
プラバコール錠(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
プラバスタチンナトリウム
トリコール錠(アボット社)
フェノフィブレート
ヴィトリン10/10錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/10錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/20錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/20錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/40錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/40錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/80錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ヴィトリン10/80錠(シェーリング社)
エゼチミベ、シンバスタチン、
ウェルコール錠(三共(株))
塩酸コレセベラム
ゼティア錠(シェーリング社)
エゼチミベ
ゼティア錠(メルク社/シェーリング・プラウ社)
エゼチミベ
ゾコール錠(メルク社)
シンバスタチン
抗高血圧薬
利尿薬
クロルタリドン(アライアンス社のハイグロトンのジュネリック医薬品)
メトラゾン(ジェネリックス)
インダパミド(セルヴィエ社のナトリックス/Tertensif、アベンティス社のLozol、メルク社のインダパミドのジュネリック医薬品)
ブメタニド(レオ社のブリネックス、三共(株)のルネトロン、ロッシュ社のブメックスのジュネリック医薬品)
エタクリン酸(メルク社のエデクリン)
フロセミド(アベンティス社のラシリックス/ラシックス/オイテンシン/Segurilのジュネリック医薬品)
トルセミド(ロッシュ社のデマデックスのジュネリック医薬品)
塩酸アミロリド(メルク社のミダモールのジュネリック医薬品)
スピロノラクトン(ファーマシア社のSpirolang/アルダクトン、ミラン社のスピロノラクトンのジュネリック医薬品)
トリアムテレン(グラクソ・スミス・クライン社のジウテレン、Goldshield社のDytac、イセイ社のトリアムテレン/トリテレン)
α−遮断薬
メシル酸ドキサゾシン(ファイザー社のZoxan/カルデュラ/カルデナリン、ヘキサル社のDoxacorのジュネリック医薬品)
塩酸プラゾシン(ファイザー社のミニプレスのジュネリック医薬品)
塩酸テラゾシン(アボット社のハイトリン/Flotrin/Heitrin/イトリン/Deflox、三菱ウェルファーマ社のバソメットのジュネリック医薬品)
β−遮断薬
アセブトロール(バイエル社のプレント、ワイス社のセクトラール、アベンティス社のアセタノールのジュネリック医薬品)
アテノロール(アストラ・ゼネカ社/住友製薬(株)のテノルミンのジュネリック医薬品)
ベタキソロール(サノフィー・シンセラボ社のケルロンのジュネリック医薬品)
フマル酸ビソプロロール(Merck KGaA社のCardicor、Lipha Sante社のDensiel/Cardentiel、Lederle社のMonacor/Zebetaのジュネリック医薬品)
塩酸カルテオロール(Lipha Sante社/大塚製薬(株)のミケラン、アボット社のカルトロール)
酒石酸メトプロロール(ノバルティス社のロプレゾール/Prelis、アストラ・ゼネカ社のセロケン/ベタロックのジュネリック医薬品)
コハク酸メトプロロール(アストロゼネカ社のトップロール-XL Herz-miteのジュネリック医薬品)
ナドロール(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社/サノフィー・シンセラボ社のCorgardのジュネリック医薬品)
硫酸ペンブトロール(シュワルツ・ファーマ社のレバトール、Wolff社/アベンティス社のベータプレシン)
ピンドロール(ノバルティス社のビスケンのジュネリック医薬品)
塩酸プロパノロール(アストラ・ゼネカ社のインデラル/ドシトン、ワイス社のインデラルLAのジュネリック医薬品)
マレイン酸チモロール(メルク社のブロカドレンのジュネリック医薬品)
カルベジロール(ロッシュ社のコレグ/Dilatrend/Coropres/Eucardic、グラクソ・スミス・クライン社のコレグ)
Ca+2チャネル遮断薬
ベシル酸アムロジピン(ファイザー社のアムロール/Istin/ノルバスク)
フェロジピン(アストラ・ゼネカ社のFlodil/Modip/プレンジル/Splendil)
イスラジピン(ノバルティス社のロミール/Prescal)
ニカルジピン(ロッシュ社/山之内製薬(株)のCardeneのジュネリック医薬品)
ニフェジピン(バイエル社のアダラットのジュネリック医薬品)
ニソルジピン(アストラ・ゼネカ社のSular、バイエル社のSyscorMR/バイミカード )
塩酸ジルチアゼム(サノフィー・シンセラボ社のティルジエム/Angizem60、ファイザー社のDinisorのジュネリック医薬品)
塩酸ベラパミル(クノール社のIsoptin Press/Manidon Retard/セキュロン、ファーマシア社のCalan/Coveraのジュネリック医薬品)
アゼルニジピン(三共(株)/宇部興産(株))
プラニジピン(大塚製薬(株))
段階的ジルチアゼム製剤(Biovail社)
(s)−アムロジピン(セプラコール/Emcure)
クレビジピン(アストラ・ゼネカ社/The Medicines Company)
アンギオテンシン変換酵素阻害剤
塩酸ベナゼプリル(ノバルティス社のチバセン/ロテンシン )
カプトプリル(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のロプリル/ロピリン/カポテン/Acepress、サノフィー・シンセラボ社のAlopresinのジュネリック医薬品)
マレイン酸エナラプリル(メルク社のバソテック、万有製薬(株)のレニベースのジュネリック医薬品)
フォシノプリルナトリウム(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のFosinorm/Tensogard/Fosinir/Staril/モノプリル)
リシノプリル(メルク社のプリニビル/アストラ・ゼネカ社のゼストリル)
モエキシプリル(シュワルツ社のMoex/Fempress/ユニバスク)
ペリンドプリル(セルビエ社のConversyl)
塩酸キナプリル(ファイザー社のアキュプリル/Acuitel/Accuprin/Acuprel、サノフィー・シンセラボ社のKorecのジュネリック医薬品)
ラミプリル(アベンティス社のアルタス)
トランドラプリル(アボット社のGopten/Mavik)
アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト
ロサルタン(メルク社のコザール)
バルサルタン(ノバルティス社のTareg/ディオバン、アベンティス社のニシス)
イルベサルタン(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社/サノフィー・シンセラボ社のアプロベル/Karvea)
カンデルサルタン(アストラ・ゼネカ社のアタカンド/Ratacand/アミアス、武田薬品工業(株)のブロプレス)
テルミサルタン(ベーリンガー・インゲルハイム社のミカルディス)
エプロサルタン(ソルベイ社のテベテン)
オルメサルタン(三共(株)/レコルダチ社/メナリニ社/フォレスト社/興和(株))
YM−358(山之内製薬(株)))
併用療法
塩酸ベナゼプリル/ヒドロクロロチアジド(ノバルティス社のCibadrex/ロテンシン HCT)
カプトプリル/ヒドロクロロチアジド(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社のCapozide/Ecazide)
マレイン酸エナラプリル/ヒドロクロロチアジド(メルク社のVasorectic/Co Renitec/Innozide、アストラ・ゼネカ社のLexxelのジュネリック医薬品)
リシノプリル/ヒドロクロロチアジド(メルク社のPrinzide、アストラ・ゼネカ社のZestorectic)
ロサルタン/ヒドロクロロチアジド(メルク社のハイザール)
アテノロール/クロルタリドン(アストラ・ゼネカ社のTenoreticのジュネリック医薬品)
フマル酸ビソプロロール/ヒドロクロロチアジド(Lederle社のZiacのジュネリック医薬品)
酒石酸メトプロロール/ヒドロクロロチアジド(ノバルティス社のロプレソールHCT、ファーマシア社のSelopresin/Selozide)
アムロジピンベシラート/塩酸ベナゼプリル(ファイザー社のノルバスク、ノバルティス社のロトレル)
フェロジピン/マレイン酸エナラプリル(アストラ・ゼネカ社のLexxel)
塩酸ベラパミル/トランドラプリル(クノール社/アボット社のTarka、アベンティス社のUdramil)
レルカニジピンとエナラプリル(レコルダチ社/ピエール・ファブレ社)
オルメサルタン/ヒドロクロロチアジド(三共(株))
エプロサルタン/ヒドロクロロチアジド(ユニメド社)
アムロジピンベシラート/アトルバスタチン(ファイザー社)
ニトレンジピン/エナラプリル(Vita Invest社)
バソペプチダーゼ阻害剤
オマパトリラト(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
ゲモパトリラト(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
ファシドトリル(イーライ・リリー社)
サムパトリラト(ファイザー社/Shire社)
AVE 7688(アベンティス社)
Ml00240(アベンティス社)
Z13752A(Zambon社/GSK社)
796406(Zambon社/GSK社)
デュアル中性エンドペプチダーゼ及びエンドセリン変換酵素(NEP/ECE)阻害剤 SLV306(ソルベイ社)
NEP阻害剤
エカドトリル(バイオプロジェクト社)
アルドステロンアンタゴニスト
エプレレノン(ファーマシア社)
レニン阻害剤
アリスキレン(ノバルティス社)
SPP500(ロッシュ社/スピーデル社)
SPP600(スピーデル社)
SPP800(Locus社/スピーデル社)
アンギオテンシンワクチン
PMD−3117(プロテリックス社)
ACE/NEP阻害剤
AVE−7688(アベンティス社)
GW−660511(Zambon SpA社)
Na/KATPアーゼ調節剤
PST−2238(Prassis-Sigma-Tau社)
エンドセリンアンタゴニスト
PD−156707(ファイザー社)
血管拡張薬
NCX−4016(NicOx社)
LP−805(ポラ社/ワイス社)
ナトリウム利尿ペプチド
BDNP(Mayo Foundation)
アンギオテンシン受容体遮断薬(ARBs)
プラトサルタン(プラトサルタン社/ボリョン社)
ACE架橋切断剤
塩化アラゲブリウム(アルテオン社)
エンドセリン受容体アゴニスト
テゾセンタン(ジェネンテク社)
アムブリセンタン(マイオゲン社)
BMS193884(BMS社)
シタクスセンタン(Encysive Pharmaceuticals社)
SPP301(ロッシュ社/スピーデル社)
ダルセンタン(マイオゲン社/アボット社)
J104132(万有製薬(株)/メルク社)
TBC3711(Encysive Pharmaceuticals社)
SB234551(GSK社/塩野義製薬(株))
他の抗高血圧薬
MC4232(マニトバ大学/Medicure社)
PDR引用のその他の薬剤
適応症−高血圧症
アキュプリル錠(パーク・デービス社)
塩酸キナプリル
アキュレティック錠(パーク・デービス社)
ヒドロクロロチアジド、塩酸キナプリル
アセオン錠(2mg、4mg、8mg)(ソルベイ社)
ペリンドプリルエルブミン
アダラトCC錠(バイエル社)
ニフェジピン
Aldoclor錠(メルク社)
クロロチアジド、メチルドパ
アルドリル錠(メルク社)
ヒドロクロロチアジド、メチルドパ
アルタス カプセル(キング社)
ラミプリル
アタカンド錠(アストラゼネカLP社)
カンデサルタン シレキセチル
アタカンド HCT 16-12.5錠(アストラゼネカLP社)
カンデサルタン シレキセチル、ヒドロクロロチアジド
アタカンド HCT 32-12.5錠(アストラゼネカLP社)
カンデサルタン シレキセチル、ヒドロクロロチアジド
Avalide錠(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
ヒドロクロロチアジド、イルベサルタン
アバプロ錠(ブリストール・マイヤーズ・スクイブ社)
イルベサルタン
アバプロ錠(サノフィー・アベンティス社)
イルベサルタン
ベニカール錠(三共(株))
オルメサルタン メドキソミル
ベニカールHCT錠(三共(株))
ヒドロクロロチアジド、オルメサルタン メドキソミル
ブロカドレン錠(メルク社)
マレイン酸チモロール
カデュエット錠(ファイザー社)
ベジル酸アムロジピン、アトルバスタチンカルシウム
カプトプリル錠(ミラン社)
カプトプリル
カルデネI.V.(ESPファーマ社)
塩酸ニカルジピン
カルディゼムLA徐放錠(Biovail社)
塩酸ジルチアゼム
カタプレス錠(ベーリンガー・インゲルハイム社)
塩酸クロニジン
カタプレス−TTS(ベーリンガー・インゲルハイム社)
クロニジン
クロルプレス錠(ミラン・ベルテック社)
クロルタリドン、塩酸クロニジン
コレグ錠(グラクソ・スミス・クライン社)
カルベジドール
コルジド40/5錠(キング社)
ベンドロフルメチアジド、ナドロール
コルジド80/5錠(キング社)
ベンドロフルメチアジド、ナドロール
コベラHS錠(Searle社)
塩酸ベラパミル
コザール錠(メルク社)
ロサルタンカリウム
デマデックス錠と注入器(ロッシュ・ラボラトリー社)
トルセミド
ディオバンHCT錠(ノバルティス社)
ヒドロクロロチアジド、バルサルタン
ディオバン錠(ノバルティス社)
バルサルタン
ディウリル経口懸濁剤(メルク社)
クロロチアジド
ディウリル錠(メルク社)
クロロチアジド
ダイアジドカプセル(グラクソ・スミス・クライン社)
ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン
ダイナシルクCR錠(Reliant社)
イスラジピン
フロセミド錠(ミラン社)
フロセミド
ヒドロDIURIL錠(メルク社)
ヒドロクロロチアジド
ハイトリンカプセル(アボット社)
塩酸テラゾシン
ハイザール50−12.5錠(メルク社)
ヒドロクロロチアジド、ロサルタンカリウム
ハイザール100−12.5錠(メルク社)
ヒドロクロロチアジド、ロサルタンカリウム
インダパミド錠(ミラン社)
インダパミド
インデラルLA長時間作用型カプセル(ワイス社)
塩酸プロパノール
インノプランXLカプセル(Reliant社)
塩酸プロパノール
インスプラ錠(ファイザー社)
エプレレノン
インベルシン錠(ターガセプト社)
塩酸メカミラミン
イソプチンSR錠(アボット社)
塩酸ベラパミル
ロテンシン錠(ノバルティス社)
塩酸ベナゼプリル
ロテンシンHCT錠(ノバルティス社)
塩酸ベナゼプリル、ヒドロクロロチアジド
ロトレルカプセル(ノバルティス社)
ベシル酸アムロジピン、塩酸ベナゼプリル
マビック錠(アボット社)
トランドラプリル
マックスジド錠(ミラン・ベルテック社)
ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン
マックスジド−25mg錠(ミラン・ベルテック社)
ヒドロクロロチアジド、トリアムテレン
ミカルディス錠(ベーリンガー・インゲルハイム社)
テルミサルタン
ミカルディスHCT錠(ベーリンガー・インゲルハイム社)
ヒドロクロロチアジド、テルミサルタン
ミダモール錠(メルク社)
塩酸アミロリド
モデュレティク錠(メルク社)
塩酸アミロリド、ヒドロクロロチアジド
ナドロール錠(ミラン社)
ナドロール
ノルバスク錠(ファイザー社)
ベシル酸アムロジピン
プリニビル錠(メルク社)
リシノプリル
プリンジド錠(メルク社)
ヒドロクロロチアジド、リシノプリル
Sular錠(ファースト・ホリゾン社)
ニソルジピン
Tarka錠(アボット社)
トランドラプリル、塩酸ベラパミル
テベテン錠(Biovail社)
エプロサルタンメシラート
テベテンHCT錠(Biovail社)
エプロサルタンメシラート、ヒドロクロロチアジド
ティアザックカプセル(フォレスト社)
塩酸ジルチアゼム
チモリド錠(メルク社)
ヒドロクロロチアジド、マレイン酸チモロール
トプロール−XL錠(アストラ・ゼネカLP社)
酒石酸メトプロロール
ユニレティク錠(シュワルツ社)
ヒドロクロロチアジド、塩酸モエキシプリル
ユニバスク錠(シュワルツ社)
塩酸モエキシプリル
バセレティック錠(メルク社)
マレイン酸エナラプリル、ヒドロクロロチアジド
バソテックI.V.注射(メルク社)
マレイン酸エナラプリル
ベレランPMカプセル(シュワルツ社)
塩酸ベラパミル
ザロキソリン錠(セルテック社)
メトラゾン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ERストレスを低減することが知られている薬剤を動物に投与することを含んでなる、肥満、インスリン抵抗性、高血糖症及び2型糖尿病から成る群より選択される疾患を治療する又は予防する方法。
【請求項2】
抗糖尿病薬、抗肥満薬、抗異常脂質血症薬、抗アテローム性動脈硬化症薬及び抗高血圧薬から成る群より選択される薬剤を投与することを更に包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記抗糖尿病薬が、ビグアニド、メトホルミン、スルホニル尿素、インスリン、インスリンの類似体、PPARgアゴニスト、メグリチニド及びDPP−IV阻害剤から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記抗肥満薬が、膵リパーゼ阻害剤、セロトニン再取込み阻害剤、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、ノルアドレナリン作動性食欲抑制薬、末梢作用薬、中枢作用薬及び熱産生剤から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記抗異常脂質血症薬又は抗アテローム性動脈硬化症薬が、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、ナイアシン、抗血小板薬、ACE阻害剤、アスピリン、アスピリンの類似体及びMCP−1阻害剤から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記抗高血圧薬が、利尿薬、β遮断薬、Ca+2チャネル遮断薬、ACE阻害剤及びAT−II阻害剤から成る群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記疾患がインスリン抵抗性である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記疾患が2型糖尿病である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記疾患が肥満である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記動物が哺乳動物である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
投与の工程が、薬剤を経口で投与することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
投与の工程が、薬剤を非経口で投与することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
投与の工程が、薬剤を静脈内に投与することを包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記薬剤が、化学シャペロンである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記化学シャペロンが、グリセロール、DO、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリシンベタイン(ベタイン)、グリセロールホスホコリン(GPC)、メチルアミン及びトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)から成る群より選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記薬剤が、グリセロールである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記薬剤が、グリセロールの誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記薬剤が、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記薬剤が、トリメチルアミンN−オキシド(TMAO)の誘導体又は塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記薬剤が、式:
【化001】

(式中、R、R及びRは、それぞれ独立して水素、ハロゲン又は低級C−Cアルキルである)
で表される化合物であるか、又は医薬的に許容され得るその塩若しくはその混合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
、R及びRが、それぞれ独立して低級C−Cアルキルである、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記薬剤が、フェニル酪酸(PBA)である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記薬剤が、PBAの誘導体、塩又は異性体である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記薬剤が、式:
【化002】

(式中、
nは、1又は2であり;
は、アリール、ヘテロアリール又はフェノキシであり、前記アリール及びフェノキシは、置換されていないか、又はそれぞれ独立して、1個又はそれ以上のハロゲン、ヒドロキシ又は低級アルキルで置換されており;
及びRは、それぞれ独立して、H、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルキル又はハロゲンであり;及び
及びRは、それぞれ独立して、H、低級アルキル、低級アルコキシ又はハロゲンである)
で表される化合物であるか、又は医薬的に許容され得るその誘導体若しくは塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
が、フェニル、ナフチル又はフェノキシであり、前記フェニル、ナフチル及びフェノキシが、置換されていないか、又はそれぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ又は低級アルキルの1個又はそれ以上の部分で置換されている、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
が、フェニル、ナフチル又はフェノキシであり、前記フェニル、ナフチル及びフェノキシが、置換されていないか、又はそれぞれ独立して、ハロゲン、ヒドロキシ又は1〜4個の炭素原子の低級アルキルの1〜4個の部分で置換されており;
及びRが、それぞれ独立して、H、ヒドロキシ、1〜2個の炭素原子の低級アルコキシ、1〜4個の炭素原子の低級直鎖又は分枝鎖アルキル又はハロゲンであり;及び
及びRが、それぞれ独立して、H、1〜2個の炭素原子の低級アルコキシ、1〜4個の炭素原子の低級直鎖又は分枝鎖アルキル又はハロゲンである、
請求項25に記載の方法。
【請求項28】
nが1である、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
nが2である、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
が、フェニルである、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
が、置換フェニルである、請求項25に記載の方法。
【請求項32】
のフェニル上の置換基が、1〜4個のハロゲン部分である、請求項25に記載の方法。
【請求項33】
及びRが、どちらも−Hである、請求項25に記載の方法。
【請求項34】
前記薬剤が、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)である、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
前記薬剤が、TUDCAの誘導体、塩又は異性体である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記薬剤が、式:
【化003】

(式中、Rは、−H又はC−Cアルキルであり;
は、−CH−SOであり、及びRは、−Hであるか;又はRは、−COOHであり、及びRは、−CH−CH−CONH、−CH−CONH、−CH−CH−SCH又は−CH−S−CH−COOHであり;及び
は、−H又は塩基性アミノ酸残基である)
で表される化合物であるか、又は医薬的に許容され得るその塩若しくは誘導体である、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
が、−CH−SOであり、及びRが、−Hである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
Rが、−Hである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記薬剤を、100mg/kg/日〜5g/kg/日の範囲の用量で投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記薬剤を、500mg/kg/日〜3g/kg/日の範囲の用量で投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記薬剤を、500mg/kg/日〜1g/kg/日の範囲の用量で投与する、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
ERストレスを低減することが知られている薬剤をヒトに投与することを包含する、肥満を治療する又は予防する方法。
【請求項43】
PBA、TUDCA及びそれらの誘導体から成る群より選択される薬剤を、動物に投与することを包含する、血糖値を低下させる方法。
【請求項44】
PBA、TUDCA及びそれらの誘導体から成る群より選択される薬剤を、動物に投与することを包含する、インスリン感受性を上昇させる方法。
【請求項45】
スクリーニングする薬剤を、提供する工程;
前記薬剤を、細胞と接触させる工程;及び
ERストレスマーカーが低下するかどうかを測定する工程;
を含んでなる、肥満、インスリン抵抗性又は糖尿病を治療する又は予防するための薬剤をスクリーニングする方法。
【請求項46】
スクリーニングする薬剤を、提供する工程;
前記薬剤を、細胞と接触させる工程;及び
ERストレスマーカーが低下するかどうかを測定する工程;
を含んでなる、インスリン作用又はインスリン受容体シグナル伝達を調節する薬剤をスクリーニングする方法。
【請求項47】
ERストレスマーカーが、スプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態、eIF2αのリン酸化、GRP78/BIPのmRNAレベル、GRP78/BIPのタンパク質レベル及びJNK活性から成る群より選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記細胞が、哺乳動物細胞である、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記細胞が、ヒト細胞である、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記細胞が、脂肪細胞である、請求項46に記載の方法。
【請求項51】
前記細胞が、肝細胞である、請求項46に記載の方法。
【請求項52】
前記細胞が、ERストレスを経験している、請求項46に記載の方法。
【請求項53】
前記細胞が、ERストレスを誘導するツニカマイシン又はタプシガルギンで治療されたことがある、請求項46に記載の方法。
【請求項54】
スクリーニングする薬剤を、提供する工程;
前記薬剤を、細胞と接触させる工程;及び
ERストレスマーカーが低下するかどうかを測定する工程;
を含んでなる、ERストレスを低減する薬剤をスクリーニングする方法。
【請求項55】
スクリーニングする薬剤を、提供する工程;
前記薬剤を、細胞と接触させる工程;
その後、薬剤と接触させた前記細胞をERストレス誘導物質と接触させる工程;及び
ERストレスマーカーが低下するかどうかを測定する工程;
を含んでなる、ERストレスを予防する薬剤をスクリーニングする方法。
【請求項56】
前記ERストレス誘導物質が、ツニカマイシン及びタプシガルギンから成る群より選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
請求項45に記載の方法により同定される化合物。
【請求項58】
請求項57に記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項59】
(1)ERストレスを低減することが知られている薬剤、及び(2)抗糖尿病薬、抗肥満薬、抗異常脂質血症薬、抗アテローム性動脈硬化症薬及び抗高血圧薬から成る群より選択される薬剤、を含有する医薬組成物。
【請求項60】
ERストレスを低減することが知られている前記薬剤が、化学シャペロンである、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項61】
ERストレスを低減することが知られている前記薬剤が、グリセロール、DO、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリシンベタイン(ベタイン)、グリセロールホスホコリン(GPC)、メチルアミン及びトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)から成る群より選択される、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項62】
ERストレスを低減することが知られている前記薬剤が、TUDCA又はその誘導体である、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項63】
ERストレスを低減することが知られている前記薬剤が、PBA又はその誘導体である、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項64】
PBA及びメトホルミンを含有する、請求項59に記載の医薬組成物。
【請求項65】
PBA、TUDCA及びそれらの誘導体から成る群より選択される薬剤を、動物に投与する工程を含んでなる、ERストレスを低減する又はERストレスに関連する疾患を治療する若しくは予防する方法。
【請求項66】
少なくとも1つのERストレスマーカーの発現レベルを測定し、前記ストレスマーカーのレベルの上昇が、対象がインスリン抵抗性、高血糖症又は2型糖尿病のリスクがあることを指示すること
を含んでなる、インスリン抵抗性、高血糖症又は2型糖尿病を診断する方法。
【請求項67】
前記ERストレスマーカーが、スプライシングされた形態のXBP−1、PERKのリン酸化状態、eIF2αのリン酸化、GRP78/BIPのmRNAレベル、GRP78/BIPのタンパク質レベル及びJNK活性から成る群より選択される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記測定する工程が、少なくとも2つのERストレスマーカーのレベルを測定することを包含する、請求項66に記載の方法。
【請求項69】
PBA、TUDCA及びそれらの誘導体から成る群より選択される薬剤を、動物に投与することを含んでなる、PERK、IRE−1α、JNK、IRS−1、IRS−2、Akt又はインスリン受容体活性を調節する方法。
【請求項70】
PERK活性を低下させる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
IRE−1α活性を低下させる、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
JNKキナーゼ活性を低下させる、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
IRS−1活性を増加させる、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
IRS−2活性を増加させる、請求項69に記載の方法。
【請求項75】
Akt活性を増加させる、請求項69に記載の方法。
【請求項76】
インスリン受容体活性を増加させる、請求項69に記載の方法。
【請求項77】
PBA、TUDCA及びそれらの誘導体から成る群より選択される薬剤を、動物に投与することを含んでなる、インスリン作用又はインスリン受容体シグナル伝達を増加させる方法。
【請求項78】
インスリン、血糖降下薬、コレステロール低下薬、食欲抑制剤、アスピリン、ビタミン、ミネラル及び抗高血圧薬から成る群より選択される薬剤を、投与することを更に包含する、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
ERストレスを低減することが知られている薬剤を、動物に投与することを含んでなる、インスリン受容体シグナル伝達を調節する方法。
【請求項80】
前記薬剤が、グリセロール、DO、ジメチルスルホキシド(DMSO)、グリシンベタイン(ベタイン)、グリセロールホスホコリン(GPC)、メチルアミン及びトリメチルアミンN−オキシド(TMAO)から成る群より選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記薬剤が、PBA、TUDCA及びそれらの誘導体から成る群より選択される、請求項79に記載の方法。
【請求項82】
インスリン、血糖降下薬、コレステロール低下薬、食欲抑制剤、アスピリン、ビタミン、ミネラル及び抗高血圧薬から成る群より選択される薬剤を、投与することを更に包含する、請求項79に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2008−513465(P2008−513465A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−532444(P2007−532444)
【出願日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【国際出願番号】PCT/US2005/032841
【国際公開番号】WO2006/031931
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(503217141)ザ プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ (1)
【Fターム(参考)】