説明

育毛剤

【課題】 人体に優しく、かつ、使用感、保湿効果に優れた育毛剤を提供すること。
【解決手段】 本発明の育毛剤は、腐植土抽出物を含むことを特徴とする。前記腐植土抽出物は、腐植土に水を加えて抽出を行い、得られた抽出液を0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過することにより得られた濾液を用いて精製されたものである。本発明の育毛剤は、アルコールの含有量が、15wt%以下である。本発明の育毛剤は、防腐剤を含まないものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、育毛剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、うす毛や脱毛を改善する育毛剤の需要は高く、種々多様な育毛剤が上市されている。
【0003】
従来の育毛剤には、油溶成分の溶解、頭皮等の殺菌、育毛剤自体の防腐等の目的で、多くのアルコール成分が含まれている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、このようにアルコール成分が多く含まれていることによる人体への悪影響が懸念されていた。また、育毛剤の保湿効果を低下させるといった問題があった。また、頭皮等への刺激が強すぎて、使用感を損ねるといった問題もあった。
【0005】
また、従来の育毛剤には、製品の劣化等を防止する目的で、パラベンや安息香酸ナトリウム等の防腐剤を含んでおり、このような防腐剤は、頭皮等への刺激が強く、良好な使用感を得るのが困難であった。また、安全性の面からも問題があった。
【0006】
【特許文献1】特開平11−310518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、人体に優しく、かつ、使用感、保湿効果に優れた育毛剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的は、下記(1)〜(6)の本発明により達成される。
(1) 腐植土抽出物を含むことを特徴とする育毛剤。
【0009】
(2) 前記腐植土抽出物は、腐植土に水を加えて抽出を行い、得られた抽出液を0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過することにより得られた濾液を用いて精製されたものである上記(1)に記載の育毛剤。
【0010】
(3) アルコールの含有量が、15wt%以下である上記(1)または(2)に記載の育毛剤。
【0011】
(4) 防腐剤を含まない上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の育毛剤。
(5) ビタミンEおよび/またはその誘導体を含む上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の育毛剤。
【0012】
(6) 噴霧容器に入れて用いられる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の育毛剤。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、人体に優しく、かつ、使用感、保湿効果に育毛剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の育毛剤の好適な実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書中における育毛剤の剤型は、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、ヘアジェル、ヘアミスト、ヘアフォーム、ヘアシャンプー、ヘアリンス等を含むものである。
【0015】
本発明の育毛剤は、腐植土抽出液を含むことに特徴を有している。
腐植土は、通常、500万年以上前に海草、植物、藻類、魚介類、そのほか無機質類などが海底、湖や沼などの底に堆積した堆積物が嫌気性微生物などにより分解、合成、有機化を受けたものであり、例えば、地下約20mに約10mの層として存在している。
【0016】
腐植土は、アミノ酸、ビタミン類、タンパク質、酵素、ミネラルなど多くの成分で構成されている。
【0017】
本発明で用いる腐植土抽出物は、このような腐植土から、後に詳述するように、水を用いて抽出し、精製された物質である。
【0018】
腐植土抽出物には、フミン酸をはじめ、フルボ酸、ヒューミンなどの腐植土を構成する物質、リパーゼなどの脂肪分解酵素、アルコールデヒドロゲナーゼなどのアルコール分解酵素などの酵素、タンパク質、アミノ酸、脂肪酸、有機酸、ビタミン、ミネラル、還元物質などが含有されている。
【0019】
フミン酸は、腐植酸ともいわれ、土壌中の有機質および石炭質の大部分を形成している成分である。フミン酸の化学構造は不明であるが、多価フェノール形の芳香族化合物と含チッ素化合物との縮合物であり、フェノール性水酸基およびカルボキシル基を有する。ただフミン酸は、腐植の進行度の相違により分子量や構成成分が大きく変化するので決定的な判断は下せないが、50〜55%がアミノ酸、ヘキソサミン、多環芳香族、酸素含有官能基を有する化合物からなり、残りは化学構造が未知で二重結合の多い化合物と考えられる。
【0020】
このような腐植土抽出物は、抗菌・殺菌作用、保湿作用、抗酸化作用、防腐作用、界面活性作用、活性酸素不活性化作用、消臭作用等を有している。
【0021】
これらの作用は、微生物により合成された酵素類、さらには死滅した微生物が分解する酵素により得られるものや、最初に腐植を形成するイネ科の植物遺体から微生物により合成されたアミノ酸、タンパク質、ビタミン、酵素と、火成岩の侵触などで堆積したマグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、アルミニウムなどのミネラルとが相互に影響して得られるものである。とりわけ、ミネラルとしては、特に、アルミニウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどのイオンが大量に含まれており、イオン交換を行なった後ではpH値が上昇することから腐植土抽出物の殺菌機序は腐植酸が示す低pHとミネラルに影響するところが大きいと考える。
【0022】
ところで、従来の育毛剤には、油溶成分の溶解、頭皮等の殺菌、育毛剤自体の防腐等の目的で、多くのアルコール成分が含まれている。しかしながら、このようにアルコール成分が多く含まれていることによる人体への悪影響が懸念されていた。また、育毛剤の保湿効果を低下させるといった問題があった。また、頭皮等への刺激が強すぎて、使用感を損ねるといった問題もあった。また、従来の育毛剤には、製品の劣化等を防止する目的で、パラベンや安息香酸ナトリウム等の防腐剤を含んでおり、このような防腐剤は、頭皮等への刺激が強く、良好な使用感を得るのが困難であった。また、安全性の面からも問題があった。
【0023】
これに対して、本発明の育毛剤では、腐植土抽出物を含むことにより、従来は油溶成分の溶解、頭皮等の殺菌、育毛剤自体の防腐等のために必要であったアルコール成分を少なくすることができ、その結果、人体に優しく、かつ、使用感、保湿効果に優れた育毛剤を提供することができる。
【0024】
また、腐植土抽出物を用いることにより、頭皮表面を十分に殺菌することができるため、人体への影響を考慮しつつ、頭皮等を清潔にすることができる。
【0025】
また、腐植土抽出物を用いることにより、防腐剤を含まないものとすることができる。このような防腐剤を用いなくとも、育毛剤が腐敗するのを効果的に防止することができる。
【0026】
また、腐植土抽出物を含むことにより、腐植土抽出物が界面活性剤としての機能を有しているため、界面活性剤の含有量を少なくすることができる。その結果、本発明の育毛剤は、より人体に優しいものとなる。また、その界面活性剤としての機能により、頭皮から分泌される油脂を溶解することができ、頭皮の環境をより清潔に保持することができる。
【0027】
また、腐植土抽出物の消臭効果により、頭皮から分泌される臭いを除去することができる。
【0028】
また、腐植土抽出物は、育毛剤がビタミンEおよび/またはその誘導体を含む場合、ビタミンEおよび/またはその誘導体の皮膚への吸収を促進させる効果があり、ビタミンEおよび/またはその誘導体の有する効果(血行促進効果)をより高いものとすることができる。
【0029】
上述したような腐植土抽出物の含有量(配合量)は、0.5〜50wt%であるのが好ましく、1〜30wt%であるのがより好ましく、5〜20wt%であるのがさらに好ましい。これにより、前述の効果がより顕著なものとなる。
【0030】
本発明の育毛剤中には、上記成分の他、アルコール成分を含んでいてもよいが、本発明の育毛剤中に含まれるアルコール成分の含有量は、15wt%以下であるのが好ましく、10wt%以下であるのがより好ましく、5wt%以下であるのがさらに好ましい。これにより、頭皮に対して適度な刺激を与えるとともに、人体により優しい育毛剤とすることができる。これに対して、アルコール成分が前記上限値を超えると、他の成分によっては、頭皮への刺激が必要以上に強くなる場合がある。
【0031】
このようなアルコール成分としては、例えば、エタノール、ベンジルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。
【0032】
また、本発明の育毛剤は必要に応じて、薬効成分を適宜配合することができる。
薬効成分としては、例えば、センブリエキス、朝鮮ニンジンエキス、ビタミンE及びその誘導体、セファランチン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ビオチン、D−パントテニルアルコール、イソプロピルメチルフェノール、塩化カルプロニウム、ヒノキチオール、1−メントール、溶性シスチン、オクトピロックス、塩化ベンザルコニウム、ピリドキシン及びその誘導体、ショウキョウチンキ、クジンエキス等を挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
上述した中でも、薬効成分として、イソプロピルメチルフェノールを用いた場合、腐植土抽出物の殺菌効果との相乗効果により、本発明の育毛剤は、頭皮への不本意な刺激を与えるのを防止しつつ、特に顕著な殺菌効果を有するものとなる。
【0034】
また、本発明の育毛剤は、必要に応じて、各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、乳酸及びその塩、クエン酸及びその塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン等のpH調整剤、グリシン、アルギニン等のアミノ酸、オリーブ油、スクワラン、流動パラフィン、ミリスチン酸イソプロピル、高級アルコール、高級脂肪酸等の油剤、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコール等の多価アルコール、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ヒドロキシエチルセルコース、ヒドロキシプロピルセルロース、カラギーナン、アルギン酸及びその塩等の増粘剤、アスコルビン酸及びその誘導体、ビタミンE及びその誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、ベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩等の紫外線吸収剤、トリメチルグリシン、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、トレハロース等の保湿剤、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の可溶化剤・乳化剤、ラベンダー油、ペパーミント油、スペアミント油、ベルガモット油、ユーカリ油、チョウジ油、ハッカ油、オレンジ油等の芳香精油、香料、色素、各種動植物エキス、水を挙げることができ、これらを1種または2種以上使用することができる。
【0035】
なお、上記成分を組み合わせた本発明の育毛剤は、常法に準じて製造できるものであり、その製法は特に限定されるものではない。また、得られた育毛剤は、プラスチックボトル、噴霧容器等に充填して使用することができる。
【0036】
特に本発明の育毛剤は、噴霧容器に適用した場合、以下のような効果が得られる。
噴霧容器は、頭皮に対して満遍なく育毛剤を供給することができるため、育毛剤を供給する方法として好適に用いることができるが、従来の育毛剤では、アルコール成分の含有量が多いため、噴霧した際に引火する可能性があるため、噴霧容器を用いるのが困難であった。しかしながら、本発明の育毛剤では、アルコール成分の含有量を少なくすることができるため、このような引火等の問題は考慮する必要が無く、好適に噴霧容器を適用することができる。
【0037】
次に、本発明の育毛剤に用いられる腐植土抽出物の精製方法について説明する。
腐植土抽出物の精製に用いる腐植土は、いずれから採取したものをも用いることができるが、とりわけ長崎県北高来郡森山町唐比西名で採取した腐植土が好ましい。
【0038】
採取した腐植土は水分を含んでおり、水田からとった土のようにべとついたものであり、粗乾燥および精密乾燥の2段階の乾燥工程をへてから抽出工程に供される。
【0039】
乾燥工程は、腐植土を乾燥させて細分化するとともに、好気性微生物のはたらきを活性化させて嫌気性菌のはたらきを抑制し、太陽熱殺菌を行なうと同時に、紫外線等吸収(光合成)によってアミノ酸、ビタミン、酵素などを活性化(熟成)するなどすると考えられる。これにより、抗酸化作用、防腐食作用などの有益な作用が奏されると考えられる。また、乾燥工程を2段階で行なうことにより構成成分の均一化と腐植土以外の泥土の除去、抽出時のpHのばらつきの少ない安定した腐食土抽出物質の取得を行なうことができる。
【0040】
前述した粗乾燥は、まず採取した径が5〜50cm程度の塊状の腐植土をコンクリートなどの腐植土と混ざらないもののうえで雨ざらし、日ざらしの状態(天日)で半年〜1年間乾燥させることにより行なわれる。この間、適宜腐植土をひっくりかえして全体によく天日があたるようにするのが好ましい。この工程により腐植土は乾燥した塊状物になる。ついで、ビニールハウス内でさらに乾燥させる(精密乾燥)。
【0041】
この乾燥は最短では1ヵ月間、通常1.5〜2ヵ月間行なわれる。これにより塊状物の乾燥がさらにすすみ、塊状のものは耕運機などでさらに粉砕して、砂状のさらさらにしたものにする。なお、本明細書でいう「腐植土」とは、前述した工程をへて得られる乾燥し、粉砕された腐植土のことである。かかる腐植土は、たとえばカラコ産業(株)からFCM粉の商品名で袋詰したものが市販されており、入手することができる。
【0042】
本発明で用いる腐植土抽出物は、前述した腐植土を水で抽出したものを用いて精製される。
【0043】
抽出に用いる水は、いずれのものを用いてもよく、例えば、地下水、井戸水、水道水、精製水、蒸留水などを用いることができる。特に、低pHの抽出液を得るにはミネラル成分が多い水が好ましいことや塩素系消毒剤を含まない点から、ミネラルを含有している地下水や井戸水が好ましい。
【0044】
抽出は、腐植土と水とを撹拌することにより行なうことができる。抽出時の温度は、通常常温である。撹拌時間は通常1〜3時間、好ましくは2〜3時間である。
【0045】
腐植土と用いる水との好ましい割合は、1:1〜1:5、さらには1:3〜1:5、とくには1:5(重量/容量比)である。水の量が前記範囲より少ないと、使用した腐植土に対する抽出液の収量が少なくなり、また、少なくした場合でも得られるpHはある程度の値よりは低くならないので無意味である。一方、水の量が前記範囲より多いと、得られる抽出液のpHが2.99より高くなり、菌の種類等によっては、殺菌、滅菌効果などが十分に得られない可能性がある。
【0046】
撹拌終了後、2〜4週間、好ましくは約3週間静置して浮遊微粒子を沈降させた後、上澄液をデカンテーション、吸引、50〜100μmのバッグフィルターによる予備濾過などの濾過工程に通常用いられる分離方法により分離する。上澄液と腐植土層との界面から5〜10cm上に吸引口がくるようにし、吸引する場合には、腐植土層を吸引することなく、上澄液を高い収率で吸引することができる。
【0047】
次に、抽出液を孔径0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過する。この濾過を行なうことにより、雑菌の除去、浮遊物、懸濁物または経時に沈殿を起こす不溶性物質の排除を行なうことができる。
【0048】
フィルタの濾材は、濾液に影響を与えないかぎり制限されないが、具体的には、ナイロン、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライドなどがあげられる。これらのなかでもポリビニリデンフルオライドが好ましい。
【0049】
濾過は、加圧下、減圧下のいずれで行なうこともできるが、一般的には加圧下で行なう。その方法は、たとえば、上記材質のメンブレンフィルターのカートリッジをハウジングにセットし、これを加圧タンクに接続して2kg/cm以下の圧力で圧送して行なう。この濾過を行なう前に、予備濾過を行なうことは、濾過の効率向上、濾過装置の負担軽減などの観点から好ましい。実際には50〜100μmのバッグフィルターで濾過すれば充分である。
【0050】
得られた濾液は、好ましくはpH2.50〜2.99、さらにはpH2.85〜2.95、特にはpH2.9である。
【0051】
このようにして得られた濾液をそのまま、腐植土抽出物として添加してもよいし、さらに加熱処理等の処理を施してもよい。
【0052】
以上、本発明の育毛剤について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、本発明の育毛剤には、前述した成分の他に、任意の機能を有する成分を配合することができる。
【実施例】
【0053】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[腐植土抽出物]
まず、以下のようにして腐植土抽出物を得た。
【0054】
長崎県北高来郡森山町唐比西名の湿地帯から腐植土を採取した。採取した腐植土を約1年間コンクリート上で天日にあてて乾燥させた。
【0055】
次に、1.5ヵ月間ビニールハウス内でさらに乾燥させた。得られた腐植土を粉砕して、粒径約0.01〜0.5mmの粒子にした。
【0056】
得られた腐植土約140kgを1t槽(ポリエチレン製)に入れ(1t槽に入れたときの容量が約0.6m)、水(阿蘇山麓で採取したミネラル水)700リットルを加えた。これを竹ベラを用いて約2時間常温で撹拌し、3週間静置して浮遊微粒子を沈降させたのち、pH2.7の上澄液をポンプで吸引して取り出した。取り出した上澄液の量は約600kgであった。
【0057】
得られた抽出液をバッグフィルターで予備濾過したのち、フィルタ(孔径:0.2μm、商品名:フィルターカートリッジ0.2μmMCY4440NFPH4、日本ポール(株)製)で濾過し、pH2.9の腐植土抽出物を得た。
【0058】
[育毛剤]
次に、上記のようにして得られた腐植土抽出物を用い、以下の処方(単位:wt%)に従って、常法により育毛剤を製造した。
【0059】
(実施例1)
腐植土抽出物 :15.0
エタノール : 5.0
酢酸トコフェロール : 0.1
ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 : 0.5
イソプロピルメチルフェノール : 0.02
1,3−ブチレングリコール : 5.0
ポリオキシエチレン(9)ラウリルエーテル: 0.2
l−メントール : 0.1
クエン酸ナトリウム(pH調整剤) : 0.15
水 :残部
【0060】
(実施例2〜5)
腐植土抽出物およびエタノールの配合量(含有量)を表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして育毛剤を製造した。
【0061】
(比較例1)
腐植土抽出物を配合しなかった以外は、前記実施例1と同様にして育毛剤を製造した。
【0062】
(比較例2)
アルコール成分の配合量を表1に示すようにした以外は、前記比較例1と同様にして育毛剤を製造した。
各実施例および各比較例の腐植土抽出物、アルコール成分の配合量を表1に示す。
【0063】
【表1】

【0064】
<評価>
[使用感]
各実施例および比較例で得られた育毛剤を頭皮に使用し、以下の4段階の基準に従って評価した。
【0065】
◎:適度な刺激で、良好な使用感。
○:若干、刺激があるが、良好は使用感。
△:刺激が有り、やや使用感が悪い。
×:刺激が強く、使用感が悪い。
【0066】
[保湿効果]
各実施例および比較例で得られた育毛剤を皮膚に塗布し、以下の4段階の基準に従って評価した。
【0067】
◎:しっとり感が持続した。
○:しっとり感がやや持続した。
△:しっとり感がごく僅かに持続した。
×:しっとり感が無かった。
以上の評価結果を、表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
表2から明らかなように、各実施例で得られた育毛剤は、人体に優しく、使用感、保湿効果に優れていた。
これに対し、各比較例で得られた育毛剤は、十分な結果が得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腐植土抽出物を含むことを特徴とする育毛剤。
【請求項2】
前記腐植土抽出物は、腐植土に水を加えて抽出を行い、得られた抽出液を0.1〜0.2μmのフィルタを用いて濾過することにより得られた濾液を用いて精製されたものである請求項1に記載の育毛剤。
【請求項3】
アルコールの含有量が、15wt%以下である請求項1または2に記載の育毛剤。
【請求項4】
防腐剤を含まない請求項1ないし3のいずれかに記載の育毛剤。
【請求項5】
ビタミンEおよび/またはその誘導体を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の育毛剤。
【請求項6】
噴霧容器に入れて用いられる請求項1ないし5のいずれかに記載の育毛剤。

【公開番号】特開2006−327978(P2006−327978A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−152767(P2005−152767)
【出願日】平成17年5月25日(2005.5.25)
【出願人】(504188316)ミューバイオ株式会社 (2)
【出願人】(391066490)日本ゼトック株式会社 (31)
【Fターム(参考)】