説明

胃障害を処置または予防するためのテガセロドを単独でまたはプロトンポンプ阻害剤と組合せて含む組成物

本発明は、テガセロドを単独で、またはプロトンポンプ阻害剤と組合せて対象に投与することを含む、対象の胃障害、例えば、NSAID誘導性胃障害を処置し、予防し、および/または管理するための方法に関する。また、本発明の方法での使用のための組成物およびキットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連技術
本願は、2006年6月15日に出願した米国仮出願第60/813,852号に基づく優先権を主張する。本明細書中に引用したすべての特許、特許出願、および参考文献の内容は、それらの全体を引用により本明細書の一部とする。
【0002】
発明の分野
本発明は、テガセロドを単独で、またはプロトンポンプ阻害剤との組合せでそれを必要とする対象に投与することにより、胃障害、例えば、粘膜障害および胃平滑筋機能障害を予防する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)は、さまざまな筋骨格および炎症性障害に関連する疼痛の処置のために最も頻繁に処方される薬剤である。米国では、毎年約1億の処方箋が、苦痛からの有効な解放および炎症性疾患の処置を提供するために書かれている。一般に使用されるNSAIDは、スリンダク、ナプロキセン、インドメタシン、メフェナム酸、ジクロフェナク、フェノプロフェン、およびジフルニサルを含む。
【0004】
しかしながら、NSAIDが、頻繁に、重篤で金銭負担の大きい消化管毒性副作用を有することをかなりの証拠が示している。これらは、軽度の消化不良、胃炎、消化性潰瘍、およびより重篤な消化管の合併症、例えば、出血および穿孔(ときどき、かなりの罹患率を生じ、より低い頻度で死に至る)を含む。NSAID使用による重篤なGI合併症は、結合組織疾患、原発性疾患に対する二次疾患およびその合併症を持つ患者で生命を脅かす最大の脅威を示す。
【0005】
他の一般に遭遇する消化器疾患は、消化不良を含む炎症性腸疾患(IBD)および機能性腸疾患(FBD)を含む。これらのGIは、クローン病、回腸炎、虚血性腸疾患、および潰瘍性大腸炎、ならびにIBD、FBDのための過敏性腸症候群、消化不良、および胃食道逆流、ならびに内臓痛の他の形態を含む、現在のところ適度にのみ制御されているさまざまな疾患状態を含む。
【0006】
したがって、NSADの使用により引き起こされる胃障害を含む胃障害の処置での使用のための組成物を開発する強い必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明の要約
粘膜障害および胃平滑筋機能障害を含む胃障害のための新規処置および治療に関する必要性が存在する。また、1個またはそれ以上の胃障害の症状を処置、予防または軽減するのに有用な組成物の必要性が存在する。さらに、NSAID使用により引き起こされる胃障害のための新規処置および治療に関する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
1つの局面では、本発明は、テガセロドおよびプロトンポンプ阻害剤を含む医薬組成物を提供する。1つの態様では、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールおよびレミノプラゾールからなる群から選択される。他の態様では、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾールである。
【0009】
他の局面では、本発明は、対象に有効量のテガセロドを投与することを含む、それを必要とする対象の胃障害を処置または予防する方法を提供する。1つの態様では、胃障害は、NSAID投与と関連する。他の態様では、テガセロドをプロトンポンプ阻害剤と組合せて投与し、ここで、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールまたはレミノプラゾールである。特定の態様では、プロトンポンプ阻害剤は、オメプラゾールである。処置の1つの態様では、テガセロドを最初に投与し、その後、プロトンポンプ阻害剤を投与する。処置の他の態様では、プロトンポンプ阻害剤を最初に投与し、その後、テガセロドを投与する。また、処置の他の態様では、テガセロドおよびプロトンポンプ阻害剤を同時に投与する。
【0010】
1つの態様では、本発明の方法を用いて処置される胃障害は、粘膜障害、胃平滑筋機能障害、胃炎、消化性びらん、潰瘍および胃傷害からなる群から選択される。
【0011】
他の局面では、本発明は、対象の疼痛および/または炎症を処置する方法を提供し、該方法は、NSAIDおよびテガセロドを含む治療上有効量の医薬組成物をそれを必要とする対象に投与することを含む。
【0012】
1つの態様では、NSAIDは、サリチル酸、アスピリン、メチルサリチル酸、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、スリンダク、エトドラク、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、インドメタシン、ピロキシカム、セレコキシブおよびロフェコキシブからなる群から選択される。
【0013】
他の態様では、NSIADおよびテガセロドの組合せは、対象の炎症を処置するために使用し得て、ここで、該炎症は、発熱、関節炎、喘息、気管支炎、生理痛、腱炎、滑液包炎、皮膚の炎症性障害、胃腸状態、血管疾患、偏頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、スクレロドーマ、リウマチ熱、重症筋無力症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、過敏性腸症候群、機能性消化不良、ベーチェット病、多発性筋炎、過敏症、結膜炎、歯肉炎、損傷および心筋虚血後に生じる腫れからなる群から選択される。1つの態様では、関節炎は、リウマチ性関節炎、脊椎関節症(血清反応陰性脊椎関節炎)、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、骨関節症および若年性関節炎からなる群から選択される。
【0014】
他の態様では、NSIADおよびテガセロドの組合せは、対象の疼痛を処置するために使用し得て、ここで、疼痛は、生理痛、腰痛、頸部痛、骨格痛、産後の疼痛、頭痛、偏頭痛関連疼痛、歯痛、ねんざ、筋挫傷(strains)、関節炎、変形性関節疾患、痛風、強直性脊椎炎、滑液包炎、放射線および腐食性薬品損傷を含むやけど、日焼け、骨折、免疫および自己免疫疾患、細胞悪性形質転換または転移性腫瘍成長、ならびに外科的および歯科処置後の疼痛からなる群から選択される。
【0015】
他の局面では、本発明は、有効量のテガセロドを対象に投与することを含む、それを必要とする対象の粘膜障害および/または胃平滑筋機能障害を処置する方法を提供する。1つの態様では、テガセロドをオメプラゾールと組合せて投与する。他の態様では、対象は、ヒトである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図の簡単な説明
【図1】図1は、インドメタシン誘導胃粘膜潰瘍のラットモデルで、テガセロド(1 mg/kg)、オメプラゾール(20 mg/kg)または両薬剤の組合せを用いた前処理の効果(1A)およびミエロペルオキシダーゼ活性(1B)を証明する。薬剤を、1日2回で、実験の前日、および実験の当日、インドメタシン投与の30分前に、投与した。胃粘膜障害は、50 mg/kg インドメタシンの胃内投与の6時間後、増悪した。データは、各集団、6匹のラットからの平均±S.E.M.である。集団間の差異の統計学的有意性は、一元配置分散分析(one-way ANOVA)、その後のBonferroni多重比較検定により評価した。** p<0.01、*** p<0.001(ビヒクル処理集団と比較して)。
【図2】図2は、インドメタシン誘導胃障害を有するラットの胃前庭部からの輪走筋片(circular muscle strip)で、KCl(80 mM)に対する収縮応答におけるテガセロド(1 mg/kg)、オメプラゾール(20 mg/kg)または両薬剤の組合せを用いたラットの前処理の効果を証明する。データは、各集団、6匹のラットからの平均±S.E.M.である。集団間の差異の統計学的有意性は、一元配置分散分析、その後のBonferroni多重比較検定により評価した。** p<0.01(ビヒクル処理集団と比較して)。
【図3】図3は、インドメタシン誘導胃障害を有するラットの胃前庭部からの輪走筋片で、カルバコールに対する収縮応答におけるテガセロド(1 mg/kg)、オメプラゾール(20 mg/kg)または両薬剤の組合せを用いたラットの前処理の効果を証明する。図3Aは、浸漬液(bathing solution)へのカルバコールの累積添加(1 nM-1 μM)により取得した用量応答曲線を示す。図3Bは、カルバコールに対する最大応答を示す。データは、各集団、6匹のラットからの平均±S.E.M.である。集団間の差異の統計学的有意性は、Kruskal-WillisノンパラメトリックANOVA、その後のDunn's多重比較検定により評価した。*** p<0.001(ビヒクル処理集団と比較して)。
【図4】図4は、インドメタシン誘導胃障害を有するラットの胃前庭部からの輪走筋片で、5-HTに対する収縮応答におけるテガセロド(1 mg/kg)、オメプラゾール(20 mg/kg)または両薬剤の組合せを用いたラットの前処理の効果を証明する。図4Aは、浸漬液への5-HTの累積添加(1 nM-10 μM)により取得した用量応答曲線を示す。図4Bは、5-HTに対する最大応答を示す。データは、各集団、6匹のラットからの平均±S.E.M.である。集団間の差異の統計学的有意性は、一元配置分散分析(one-way ANOVA)、その後のBonferroni多重比較検定により評価した。* p<0.05、** p<0.01(ビヒクル処理集団と比較して)。
【図5】図5は、インドメタシン誘導胃障害を有するナイーブラットもしくはラットの胃前庭部から単離した輪走筋片で、EFS(0.5 ms、1-15 Hz)により誘導された神経仲介応答を証明する。データは、各集団、6匹のラットからの平均±S.E.M.である。集団間の差異の統計学的有意性は、一元配置分散分析(one-way ANOVA)、その後のBonferroni多重比較検定により評価した。* p<0.05(同じ刺激頻度で誘導されるナイーブラットの応答と比較して)。
【図6】図6は、胃前庭部からの輪走筋片で、EFS(0.5 ms、1-15 Hz)に対する頻度依存性収縮応答を証明する回帰直線を示す。テガセロド(1 mg/kg)、オメプラゾール(20 mg/kg)または両薬剤の組合せを用いたラットの前処理は、EFS頻度の増加と共に、収縮応答の増幅における直線増加を保護した(スロープは、表1で提供する)。回帰分析は、各集団、6匹のラットからのデータで行った。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
本発明は、胃障害およびそれに関連する障害を処置、予防および/または管理する方法、ならびにそのような方法での使用のための組成物を特色とする。本明細書に記載の組成物および方法は、胃障害に関連する障害を処置、予防または管理するのに使用し得るか、または胃障害それ自身を処置および/または予防するのに使用し得るものと理解されるべきである。ある例では、胃障害は、障害の構成要素である。他の例では、胃障害は、障害の原因または症状であり得る。また他の例では、胃障害は、NSAIDの使用により引き起こされる。
【0018】
特に、本発明は、胃障害、例えば、粘膜障害および胃平滑筋機能障害の処置での使用のための、組成物、例えば、テガセロドとPPIの組合せ、ならびにテガセロド/PPI組合せを含む医薬組成物に向けられる。
【0019】
1つの局面では、本発明は、対象での胃障害の処置のためのデガセロドの使用に向けられる。薬学的に許容されるテガセロドの塩は、また、本発明の目的のために有用である。1つの態様では、胃障害は、NSAID投与と関連する。他の態様では、胃障害は、粘膜障害および胃平滑筋機能障害である。
【0020】
テガセロドは、3-(5-メトキシ-1H-インドル-3−イルメチレン)-N-ペンチルカルバジイミドアミドとして化学的に既知である。その製造は、米国特許第5,510,353号、および米国特許出願第11/315,859号に開示されている。これらの文書の両方は、それらの全体を引用により本明細書の一部とする。
【0021】
プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、胃酸分泌の有力な阻害剤であり、壁細胞で水素イオン産生の最終工程に関与する酵素であるH+、K+-ATPaseを阻害する。プロトンポンプ阻害剤なる用語は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールおよびレミノプラゾール(その異性体、エナンチオマーおよび互変異性体ならびにそのアルカリ塩を含む)を含むが、これらに限定されない。プロトンポンプ阻害剤は、典型的には、ベンゾイミダゾール化合物を含む。下記の特許は、本明細書に記載した本発明での使用のために適当なさまざまなベンゾイミダゾール化合物を記載する: 米国特許第4,045,563号、米国特許第4,255,431号、米国特許第4,359,465号、米国特許第4,472,409号、米国特許第4,508,905号、JP-A-59181277、米国特許第4,628,098号、米国特許第4,738,975号、米国特許第5,045,321号、米国特許第4,786,505号、米国特許第4,853,230号、米国特許第5,045,552号、EP-A-295603、米国特許第5,312,824号およびGB 2,163,747。上記特許のすべては、引用により本明細書の一部とする。本発明にしたがって使用されるプロトンポンプ阻害剤、例えば、オメプラゾールおよび薬学的に許容されるその塩は、既知の化合物であり、既知の工程により産生し得る。ある好ましい態様では、プロトンポンプ阻害剤は、米国特許第5,877,192号に説明されたとおり、ラセミ混合物またはオメプラゾールの(-)エナンチオマーのみの(すなわち、エソメプラゾール)オメプラゾールであり、それは、引用により本明細書の一部とする。
【0022】
特定の態様では、テガセロドと組合せて使用されるPPIは、オメプラゾールである。
【0023】
ある態様では、本発明の組成物(例えば、テガセロド、またはPPIと組合せたテガセロド、またはNSAIDと組合せたテガセロド)は、さらに、粘膜障害および胃平滑筋機能障害を含む胃障害のモジュレーターとして特徴づけられるが、これらに限定されない。
【0024】
他の態様では、本発明の組成物は、対象での胃障害の処置のために使用される。ある態様では、胃障害は、消化不良を含む炎症性腸疾患(IBD)および機能性腸疾患(FBD); クローン病、回腸炎、虚血性腸疾患、ならびにFBDのための潰瘍性大腸炎、消化不良、および胃食道逆流、ならびに内臓痛の形態を含む。ある態様では、胃障害は、対象でのNSAIDの使用により誘導される。特定の態様では、胃障害は、粘膜障害、胃平滑筋機能障害、胃炎、消化性びらん、潰瘍または胃傷害である。
【0025】
ある態様では、本発明は、本発明の組成物のいずれかの医薬組成物を提供する。好ましい態様では、本発明は、本発明の組成物のいずれかの医薬組成物および薬学的に許容される担体またはこれらの組成物のいずれかの賦形剤を提供する。ある態様では、本発明は、テガセロド、テガセロドとオメプラゾール、およびテガセロドとNSAIDを含む医薬組成物を含む。
【0026】
本発明の組成物は、特に、胃障害、例えば、NSAID誘導性胃障害を処置するのに有効な医薬組成物での活性剤として適当である。さまざまな態様での医薬組成物は、薬学的に有効量の本発明の活性剤を他の薬学的に許容される賦形剤、担体、増量剤、希釈剤などと共に有する。本明細書で使用する“薬学的に有効な量”なる句は、治療結果を達成するために、とりわけ、胃障害、例えば、NSAID誘導性胃障害を制御し、調節し、または阻害するために、宿主に、または宿主の細胞、組織、もしくは器官に投与するのに必要な量を示す。
【0027】
他の態様では、本発明は、対象の胃障害を処置する医薬の製造のための本発明の組成物のいずれかの使用を提供する。他の態様では、本発明は、対象の処置のために本発明の組成物のいずれかを製剤することを含む医薬の製造法を提供する。
【0028】
ある態様では、対象の胃障害を処置する方法は、有効量のテガセロドをそれを必要とする対象に投与することを含む。他の態様では、対象の胃障害を処置する方法は、テガセロドの第1投与および少なくとも1個のPPIの第2投与、例えば、オメプラゾールを対象に投与することを含む。そのような処置は、テガセロドまたはPPIを単独で与えたときの胃障害における効果と比較して、相加的または相乗的であり得る。ある態様では、テガセロドおよびPPIの投与は、胃障害処置で相乗的増加を生じる。さらに、組合せで与えられるとき、各化合物の通常量は、単独で使用したときには各化合物に非応答であるか、または最小の応答を示す対象に最大効果を提供し得る。
【0029】
特定の態様では、本明細書に特徴的な方法は、胃障害、例えば、粘膜障害および胃平滑筋機能障害を処置するためにテガセロドおよびオメプラゾールの組合せを投与することを含む。
【0030】
ある態様では、テガセロドの第1投与および少なくとも1個のPPIの第2投与が、単一組成物に含まれ、胃障害を患う対象に投与される。他の態様では、テガセロドの第1投与および少なくとも1個のPPIの第2投与は、該対象に別々に投与される。第1投与および少なくとも1個の第2投与は、対象に共(すなわち、同時に)投与し得るか、または連続して(すなわち、順番に)投与し得る。
【0031】
他の態様では、テガセロドを、疼痛および/または炎症の処置のために、NSAIDと組合せて、それを必要とする対象に投与し得る。本明細書で使用する“NSAID”なる用語は、それ自体、当業者により同定され得る非ステロイド性抗炎症剤を示す。NSAIDは、プロスタグランジンおよび特定の関連するオータコイドの生合成に関与する酵素であるシクロオキシゲナーゼIおよびIIの阻害のために既知である。NSAIDは、解熱、鎮痛、および抗炎症作用があることが知られている。NSAIDなる用語は、さらに、非ステロイド性抗炎症剤として作用するあらゆる化合物を意味する。例えば、The Pharmacological Basis of Therapeutics, 9th edition, Macmillan Publishing Co., 1996, pp 617-655は、NSAIDの既知の例を提供する。該用語は、サリチル酸誘導体、例えば、サリチル酸、アスピリン、メチルサリチル酸、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジンおよびスルファサラジン; パラ-アミノフェノール誘導体、例えば、アセトアミノフェン; スリンダク; エトドラク; トルメチン; ケトロラク; ジクロフェナク; プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェンおよびオキサプロジン; 酢酸誘導体、例えば、インドメタシン; エノール酸、例えば、ピロキシカム; ならびにシクロオキシゲナーゼII阻害剤、例えば、セレコキシブ、ルミラコキシブおよびロフェコキシブを含むが、これらに限定されない。出願人は、新規NSAIDを開発し得ることを認識し、本発明はまた、そのような新規薬剤をデュロキセチンと共に含む、相乗的組合せ剤および組成物を意図する。
【0032】
好ましくは、NSAIDは、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、セレコキシブおよびロフェコキシブからなる群から選択される。
【0033】
本明細書に記載した組成物は、例えば、第1投与および第2投与の有効量を薬学的に許容される担体と組み合わせることにより製造し得て、それは、投与のために望まれる製剤の形態に依存して、さまざまな形態をとり得る。本明細書に記載した組成物で使用される薬学的に許容される担体の例は、DMSO、例えば、0.1% DMSOである。
【0034】
ある態様では、医薬組成物は、経口、経腸または非経腸注射での投与のために適当な単位用量形であり得る。例えば、経口投与形の組成物を製造するとき、通常の医薬媒体、例えば、経口液体製剤、例えば、懸濁液、シロップ、エリキシルおよび溶液の場合には、水、グリコール、油、アルコールなど; または粉末、糖衣錠、カプセルおよび錠剤の場合には、固体担体、例えば、デンプン、糖、カオリン、滑剤、結合剤、崩壊剤などのいずれかを使用し得る。投与の容易さのために、錠剤およびカプセルは、最も有利な経口投与用量形を示し、その場合には、固体医薬担体を使用する。非経腸組成物のために、担体は、例えば、溶解性を補助するために他の成分を含み得るが、通常、少なくとも大部分で滅菌水を含む。注射可能溶液は、例えば、生理食塩水溶液、グルコース溶液または生理食塩水およびグルコース溶液の混合物を含む担体を用いて製造される。注射可能懸濁液をまた製造し得て、その場合には、適当な液体担体、懸濁剤などを使用し得る。経皮投与のために適当な組成物の場合には、担体は、所望により、あまり有害な効果を皮膚に与えないあらゆる性質の適当な添加剤を少ない割合で組合せ得る浸透促進剤および/または適当な湿潤剤を含む。添加剤は、皮膚への投与を促進し得て、および/または望む組成物を製造するのに役立ち得る。これらの組成物は、さまざまな方法で、例えば、経皮貼布、スポットオン(spot-on)、軟膏として投与し得る。
【0035】
投与の容易性および用量の均一性のために、用量単位形で本明細書に記載した医薬組成物を製剤することは、とりわけ有利である。本明細書で使用する用量単位形は、単一投与として適当な物理的に分離した単位を意味し、各単位は、必要とされる医薬担体と共に、望む治療効果を生むように計算して前決定した有効成分の量を含む。そのような単位用量形の例は、錠剤(割線入りもしくは被覆錠剤を含む)、カプセル、糖衣錠、粉末パケット、ウエハース、注射可能溶液もしくは懸濁液、茶さじ製剤、大さじ製剤など、ならびにその分離された複合製剤(segregated multiples thereof)である。
【0036】
一般に、治療上有効量の第1もしくは第2投与が、約0.0001 mg/Kgから0.001 mg/Kg; 0.001 mg/kgから約10 mg/kg体重または約0.02 mg/kgから約5 mg/kg体重であることが予期される。ある態様では、治療上有効量の第1もしくは第2投与は、約0.007 mgから約0.07 mg、約0.07 mgから約700 mg、または約1.4 mgから約350 mgである。予防的もしくは治療的処置の方法は、また、1日あたり1回から5回の間の投薬レジメンで組成物を投与することを含み得る。
【0037】
ある態様では、治療上有効量の第1投与または第2投与は、約0.01 mg/用量未満、または約0.5 mg/用量未満、または約1 mg/用量未満、または約2 mg/用量未満、または約5 mg/用量未満、または約10 mg/用量未満、または約20 mg/用量未満、または約25 mg/用量未満、または約50 mg/用量未満、または約100 mg/用量未満の量を含むが、これらに限定されない。第1もしくは第2投与が対象に投与される1日の回数は、当分野で通常使用されるさまざまな基準および/または本明細書に記載したものに基づき決定し得る。
【0038】
本明細書に記載した化合物の組合せは、胃障害処置の相乗的増加を生じ得るか、またはそのような増加は、付加的であり得る。本明細書に記載した組成物は、組成物中の各化合物のより低い用量を含み、それにより、化合物および/または有害な副作用間の有害な相互作用(例えば、類似の化合物のために報告されているもの)を避け得る。さらに、組み合わせて与えるとき、各化合物の通常量は、単独で使用したときには各化合物に応答しないか、または最小の応答をする対象により高い効果を提供し得る。
【0039】
相乗効果は、例えば、適当な方法、例えば、Sigmoid-Emax方程式(Holford, N. H. G. and Scheiner, L. B., Clin. Pharmacokinet. 6: 429-453 (1981))、Loewe additivityの方程式(Loewe, S. and Muischnek, H., Arch. Exp. Pathol Pharmacol. 114: 313-326 (1926))およびmedian-effect方程式(Chou, T. C. and Talalay, P., Adv. Enzyme Regul. 22: 27-55 (1984))を用いて計算し得る。上記の各方程式を実験データに適用し、薬剤組合せの効果を評価するのを助ける相当するグラフを作成し得る。上記の方程式に関連した相当するグラフは、各々、濃度効果曲線、イソボログラム曲線および組合せ指数曲線である。
【0040】
上記したとおり、本明細書に記載した組成物の利点は、各々が単独で投与されるときに必要とされるよりも、より少ない各々の化合物を使用する能力である。他の利点は、より大きな効果が、通常量で単独で使用したときには各化合物に応答しないか、または最小の応答を示す対象で、薬剤を組合せて与えることにより達成し得ることである。そのようなものとして、化合物に付随する望まない副作用を減少させ(部分的、または完全に)、および/または改善された効果を達成し得る。改善された効果の有無に関わりなく、副作用の減少は、当該処置の間、改善された患者コンプライアンスを生じ得る。
【0041】
定義
“処置する”、“処置される”、“処置する”または“処置”は、処置される状態、障害もしくは疾患に付随するか、またはそれにより引き起こされる少なくとも1つの症状の軽減もしくは緩和を含む。ある態様では、処置は、胃障害の誘導、その後の本発明の組成物の活性化を含み、それは、順に、処置される胃障害に付随するか、またはそれにより引き起こされる少なくとも1つの症状を軽減するか、もしくは緩和する。例えば、処置は、障害の1つもしくはいくつかの症状の軽減または障害の完全な撲滅であり得る。
【0042】
“使用”なる用語は、所望により、他に記載がなければ、それぞれ本発明の下記の態様のいずれか1つまたはそれ以上を含む: 胃障害の処置での使用; これらの疾患の処置での使用のための医薬組成物の製造のための使用、例えば、医薬の製造での使用; これらの疾患の処置での本発明の組成物の使用法; これらの疾患の処置のために本発明の組成物を含む医薬製剤; およびこれらの疾患の処置での使用のための本発明の組成物。特に、処置される疾患、したがって、本発明の組成物の使用のために好ましい疾患は、胃障害、例えば、粘膜損傷および胃平滑筋機能障害である。
【0043】
“対象”なる用語は、生物、例えば、胃障害を患うか、もしくはそれで苦しむ可能性のある原核生物および真核生物を含むことを意図する。対象の例は、ほ乳類、例えば、ヒト、イヌ、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ネコ、マウス、ウサギおよびトランスジェニック非ヒト動物を含む。ある態様では、対象は、ヒト、例えば、胃障害を患うリスクがあるか、または潜在的にそれを患う可能性のあるヒトである。他の態様では、対象は、細胞である。
【0044】
本明細書で使用するとき、“治療上有効量”は、望む生物学的応答を引き出すのに十分な第1投与および第2投与の量を意味する。本明細書に記載した方法の場合には、望む生物学的応答は、処置される障害に付随する少なくとも1個の症状の減少(完全に、または部分的に)および/または改善された効果である。あらゆる処置、特に、複数の症状障害の処置と同様に、それは、患者が経験する多くの障害関連症状を処置するのに有利である。“治療上有効量”なる語句は、本明細書に記載したとおり、テガセロドの投与量、ならびにテガセロドの第1投与量およびPPIの投与量、ならびにテガセロドの第1投与量およびNSAIDの投与量を包含し、ここで、第1投与および少なくとも1個の第2投与の組合せは、胃障害処置を生じる。本明細書に記載した第1投与および第2投与の任意の量を、本明細書に記載したとおり、障害の予防、処置、および/または管理で使用し得る。
【0045】
本明細書で使用するとき、“薬学的に許容される賦形剤”なる用語は、医薬組成物中の他の成分と適合し、治療上有効量で投与したとき対象に有害ではない化合物を含む。
【0046】
本明細書で使用するとき、“薬学的に許容される塩”なる用語は、生理学的に患者が寛容である塩を含む。そのような塩は、典型的には、無機および/または有機酸から製造される。適当な無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ水素酸、硝酸、硫酸およびリン酸を含むが、これらに限定されない。有機酸は、脂肪族酸、芳香族酸、カルボン酸および/またはスルホン酸であり得る。適当な有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、粘液酸、酒石酸、パラ-トルエンスルホン酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、パモン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸(ベシレート)、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸、ガラクツロン酸などを含むが、これらに限定されない。
【0047】
共投与
ある態様では、テガセロドの第1投与およびPPIの第2投与の共投与またはテガセロドの第1投与およびNSAIDの第2投与の共投与は、第1投与または第2投与の分離投与から生じる結果と比較して、増加した治療効果を生じる。ある態様では、増加した治療効果は、付加的効果である。ある他の態様では、増加した治療効果は、相乗的効果である。ある態様では、第1および第2投与の各々の量は、各化合物を単独で使用するときの量以下であり、それにより、該化合物のいずれかの単独投与に関連する少なくとも1個の有害な副作用を減少させるか、または軽減させる。
【0048】
本明細書に記載した方法で使用する組成物は、共投与するか、または連続的に投与し得る。本明細書で使用するとき、第1および少なくとも1個の第2化合物の“共投与”は、インビトロであるかインビボであるかを問わず、2個またはそれ以上の別々の化学物質(例えば、テガセロドおよびPPI、例えば、オメプラゾール)の同時の送達を意味する(例えば、対象に)。ある態様では、共投与される化合物は、互いに連動して働く(例えば、胃障害を処置するために)。共投与は、基本的に、同時の方法で、例えば、単一医薬組成物で、例えば、固定された割合の第1および第2投与量を含むカプセルもしくは錠剤で、または各々のための複数の分離カプセルもしくは錠剤で、第1および第2の化合物の量の投与を包含する。“連続投与”は、各々の順序での逐次的な方法で、各化合物の別々の投与を意味する。投与が、本明細書で使用する第1化合物および第2化合物の分離投与(例えば、連続投与)を含むとき、化合物は、望む治療効果を有する時間に十分に近接して投与される。例えば、望む治療効果を生じ得る各投与間の時間間隔は、分から時間の範囲であり得て、各化合物の特性、例えば、効能、溶解度、バイオアベイラビリティ、血漿半減期および動態プロファイルに基づき決定し得る。例えば、化合物は、互いに約24時間以内で、または互いに24時間未満のあらゆる時間内で、任意の順序で投与し得る。
【0049】
テガセロドのための1日あたりの適当な投与量は、約1 ngから約10,000 mg、約5 ngから約9,500 mg、約10 ngから約9,000 mg、約20 ngから約8,500 mg、約30 ngから約7,500 mg、約 40 ngから約 7,000 mg、約 50 ngから約 6,500 mg、約 100 ngから約 6,000 mg、約 200 ngから約 5,500 mg、約 300 ngから約 5,000 mg、約 400 ngから約 4,500 mg、約 500 ngから約 4,000 mg、約 1 μgから約 3,500 mg、約 5 μgから約 3,000 mg、約 10 μgから約 2,600 mg、約 20 μgから約 2,575 mg、約 30 μgから約 2,550 mg、約 40 μgから約 2,500 mg、約 50 μgから約 2,475 mg、約 100 μgから約 2,450 mg、約 200 μgから約 2,425 mg、約 300 μgから約 2,000、約 400 μgから約 1,175 mg、約 500 μgから約 1,150 mg、約 0.5 mgから約 1,125 mg、約 1 mgから約 1,100 mg、約 1.25 mgから約 1,075 mg、約 1.5 mgから約 1,050 mg、約 2.0 mgから約 1,025 mg、約 2.5 mgから約 1,000 mg、約 3.0 mgから約 975 mg、約 3.5 mgから約 950 mg、約 4.0 mgから約 925 mg、約 4.5 mgから約 900 mg、約 5 mgから約 875 mg、約 10 mgから約 850 mg、約 20 mgから約 825 mg、約 30 mgから約 800 mg、約 40 mgから約 775 mg、約 50 mgから約 750 mg、約 100 mgから約 725 mg、約 200 mgから約 700 mg、約 300 mgから約 675 mg、約 400 mgから約 650 mg、約 500 mg、または約 525 mgから約 625 mgの範囲内であり得る。
【0050】
化合物の組合せ、すなわち、テガセロドの第1投与、およびPPIまたはNSAIDの第2投与のための適当な1日投与量は、約1 ngから約10,000 mg、約5 ngから約9,500 mg、約10 ngから約9,000 mg、約20 ngから約8,500 mg、約30 ngから約7,500 mg、約40 ngから約7,000 mg、約50 ngから約6,500 mg、約100 ngから約6,000 mg、約200 ngから約5,500 mg、約300 ngから約5,000 mg、約400 ngから約4,500 mg、約500 ngから約4,000 mg、約1 μgから約3,500 mg、約5 μgから約3,000 mg、約10 μgから約2,600 mg、約20 μgから約2,575 mg、約30 μgから約2,550 mg、約40 μgから約2,500 mg、約50 μgから約2,475 mg、約100 μgから約2,450 mg、約200 μgから約2,425 mg、約300 μgから約2,000、約400 μgから約1,175 mg、約500 μgから約1,150 mg、約0.5 mgから約1,125 mg、約1 mgから約1,100 mg、約1.25 mgから約1,075 mg、約1.5 mgから約1,050 mg、約2.0 mgから約1,025 mg、約2.5 mgから約1,000 mg、約3.0 mgから約975 mg、約3.5 mgから約950 mg、約4.0 mgから約925 mg、約4.5 mgから約900 mg、約5 mgから約875 mg、約10 mgから約850 mg、約20 mgから約825 mg、約30 mgから約800 mg、約40 mgから約775 mg、約50 mgから約750 mg、約100 mgから約725 mg、約200 mgから約700 mg、約300 mgから約675 mg、約400 mgから約650 mg、約500 mg、または約525 mgから約625 mgの範囲内であり得る。
【0051】
医薬組成物
組成物の“有効量”なる用語は、胃障害を処置するか、または予防する(例えば、胃障害、および/または本明細書に記載した疾患もしくは状態のさまざまな形態学的および身体症状を予防する)のに必要であるか、または十分である量である。1つの例では、有効量の本発明の組成物は、対象の胃障害を処置するのに十分な量である。有効量は、対象の大きさおよび体重、病気の型、または本発明の特定の組成物のような因子に依存して変わり得る。例えば、本発明の組成物の選択は、“有効量”を構成するものに影響を与え得る。当業者は、過度の実験なしに、本明細書に含まれる因子を研究し、本発明の組成物の有効量に関して決定できるであろう。
【0052】
投与レジメンは、有効量を構成するものに影響を与え得る。本発明の組成物は、胃障害の発症の前か、または後に、対象に投与し得る。さらに、いくつかの分割用量、および交互の用量(staggered dosages)を、毎日、もしくは連続して投与するか、または用量を持続注入するか、またはボーラス投与し得る。さらに、本発明の組成物の投与量は、治療もしくは予防状況の緊急性により示されたとおり、比例的に増加または減少させ得る。
【0053】
本発明の組成物(例えば、テガセロド、またはテガセロドおよびPPIの投与量を含む組成物)は、本明細書で記載した状態、障害もしくは疾患の処置で、またはこれらの疾患の処置での使用のための医薬組成物の製造のために使用し得る。これらの疾患の処置での本発明の組成物の使用方法、またはこれらの疾患の処置のために本発明の組成物を含む医薬製剤。
【0054】
“医薬組成物”なる用語は、ほ乳類、例えば、ヒトへの投与のために適当な製剤を含む。本発明の組成物を、医薬としてほ乳類、例えば、ヒトに投与するとき、それらは、それ自体を、または、例えば、薬学的に許容される担体と組み合わせた0.1-99.5% (より好ましくは、0.5-90%)の有効成分を含む医薬組成物として与え得る。
【0055】
“薬学的に許容される担体”なる語句は、当業者に認識され、本発明の組成物をほ乳類に投与するのに適当な薬学的に許容される物質、組成物もしくはビヒクルを含む。担体は、1つの器官、または身体の部分から他の器官、または身体の部分へ対象薬剤を運ぶか、または送達するのに関与する液体もしくは固体増量剤、希釈剤、賦形剤、溶媒または封入材料を含む。各担体は、製剤の他の成分と適合し、患者に毒性がないという意味で“許容され”なければならない。薬学的に許容される担体として用いられる物質のいくつかの例は、下記を含む: 糖、例えば、ラクトース、グルコースおよびスクロース; デンプン、例えば、コーンスターチおよびジャガイモデンプン; セルロース、およびその誘導体、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロース; トラガント末; 麦芽; ゼラチン; タルク; 賦形剤、例えば、ココアバターおよび坐薬ワックス; 油、例えば、ピーナッツ油、綿実油、サフラワー油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油; グリコール、例えば、プロピレングリコール; ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコール; エステル、例えば、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル; 寒天; 緩衝剤、例えば、酸化マグネシウムおよび酸化アルミニウム; アルギン酸; 無ピロゲン水; 等張食塩水; リンゲル溶液; エチルアルコール; リン酸緩衝溶液; および医薬製剤で使用される他の非毒性適合物質。
【0056】
湿潤剤、乳化剤および滑剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム、ならびに着色剤、離型剤、被覆剤、甘味剤、香味剤および香料、防腐剤および抗酸化剤が、また、組成物中に存在し得る。
【0057】
薬学的に許容される抗酸化剤の例は、下記を含む:水溶性抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸、塩酸システイン、重硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなど; 油溶性抗酸化剤、例えば、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、プロピルガレート、α-トコフェロールなど; ならびに金属キレート剤、例えば、クエン酸、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸など。
【0058】
本発明の製剤は、経口、経鼻、局所、口腔、舌下、直腸、膣内および/または非経腸投与のために適当なものを含む。製剤は、便利には、単位用量形で提供し得て、薬学の分野で既知のあらゆる方法により製造し得る。単一用量形を製造するために担体物質と組合せ得る有効成分の量は、一般に、治療効果を生む組成物の量である。一般に、この量は、100%を除き、有効成分の約1%から約99%、好ましくは、約5%から約70%、最も好ましくは、約10%から約30%の範囲内にある。
【0059】
これらの製剤または組成物を製造する方法は、本発明の組成物と担体および、所望により、1個またはそれ以上の付属成分の結合を生じる工程を含む。一般に、製剤は、均一におよび密接に、本発明の組成物を液体担体、または微粉化固体担体、またはその両方と結合させることにより製造され、次いで、所望により、生成物を成形する。
【0060】
経口投与のために適当な本発明の製剤は、カプセル、サシェ、糖衣錠、錠剤、トローチ剤(フレーバー基礎原料、通常は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを用いる)、粉末、顆粒、または水性もしくは非水性液体の溶液もしくは懸濁液、または水中油型もしくは油中水型液体エマルジョン、またはエリキシル剤もしくはシロップまたはトローチ(不活性基礎原料、例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアを用いる)、および/または洗口剤などの形態であり得て、各々は、前決定した本発明の組成物の量を有効成分として含む。本発明の組成物はまた、ボーラス、舐剤またはペーストとして投与し得る。
【0061】
経口投与のための本発明の固体用量形では(カプセル、錠剤、糖衣錠、ドラジェ(dragees)、粉末、顆粒など)、有効成分を、1個またはそれ以上の薬学的に許容される担体、例えば、クエン酸ナトリウムまたは第二リン酸カルシウム、および/または下記のいずれかと混合する: 増量剤または増量薬、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸; 結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア; 保湿剤、例えば、グリセロール; 崩壊剤、例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のシリカ、および炭酸ナトリウム; 溶液緩染剤、例えば、パラフィン; 吸収促進剤、例えば、第4級アンモニウム化合物; 湿潤剤、例えば、セチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート; 吸収剤、例えば、カオリンおよびベントナイト粘土; 滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびその混合物; ならびに着色剤。カプセル、錠剤および糖衣錠の場合には、医薬組成物はまた、緩衝剤を含み得る。類似型の固体組成物は、また、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤、および高分子量ポリエチレングリコールなどを用いて、軟および硬充填ゼラチンカプセルでの増量剤として使用し得る。
【0062】
錠剤は、所望により、1個またはそれ以上の付属成分と共に、圧縮または成形により製造し得る。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、滑剤、不活性希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、界面活性剤もしくは分散剤を用いて製造し得る。成形錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末組成物の混合物を適当な機械で成形することにより製造し得る。
【0063】
錠剤、および本発明の医薬組成物の他の固体用量形、例えば、糖衣錠、カプセル、糖衣錠および顆粒は、所望により、被覆およびシェル、例えば、腸溶性被覆および医薬製剤分野で既知の他の被覆を用いて、分割または調製し得る。それらはまた、有効成分の遅延もしくは制御された放出を提供するために製剤し得て、そこでは、例えば、望む放出プロフィールを提供するさまざまな割合のヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを用いる。それらは、例えば、細菌保持フィルターを介したろ過によるか、または滅菌剤を滅菌固体組成物の形態で組み込むことにより滅菌し得て、それは、使用の直前に、滅菌水、もしくはいくつかの他の注射可能媒体に溶解し得る。これらの組成物はまた、所望により、乳白剤を含み得て、それらは、有効成分のみを、または消化管のある部分に選択的に、所望により、遅延した方法で放出する組成物であり得る。使用し得る包埋組成物の例は、ポリマー物質およびワックスを含む。有効成分はまた、所望により、1個またはそれ以上の上記賦形剤を含むマイクロカプセル形であり得る。
【0064】
本発明の組成物の経口投与のための液体用量形は、薬学的に許容されるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルを含む。有効成分に加えて、液体用量形は、当分野で通常使用される不活性希釈剤、例えば、水または他の溶媒、溶解剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルならびにその混合物を含む。
【0065】
不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、アジュバント、例えば、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味剤、香味剤、着色剤、香料および保存剤を含む。
【0066】
活性組成物に加えて、懸濁液は、懸濁剤、例えば、エトキシ化イソステアリールアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカントならびにその混合物を含み得る。
【0067】
直腸または膣内投与のための本発明の医薬組成物の製剤は、座薬として提供し得て、それは、1個またはそれ以上の本発明の組成物を、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、坐薬ワックスまたはサリチル酸塩を含む、1個またはそれ以上の適当な刺激性の少ない賦形剤または担体と混合することにより製造し得て、それは、室温で固体であるが体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔で溶け、活性組成物を放出する。
【0068】
膣内投与のために適当な本発明の製剤は、また、適当であることが当業者に既知の担体を含んだペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡またはスプレー製剤を含む。
【0069】
本発明の組成物の局所もしくは経皮投与のための用量形は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチ、および吸入を含む。活性組成物は、薬学的に許容される担体と共に、および必要とされ得るあらゆる防腐剤、緩衝液または噴射剤と共に、滅菌条件下で混合し得る。
【0070】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、本発明の活性組成物に加えて、賦形剤、例えば、動物および植物脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛またはその混合物を含み得る。
【0071】
粉末およびスプレーは、本発明の組成物に加えて、賦形剤、例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、シリカカルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の複合体を含み得る。スプレーはさらに、慣用的噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭化水素および揮発性非置換炭化水素、例えば、ブタンおよびプロパンを含み得る。
【0072】
経皮貼布は、本発明の組成物の身体への制御された送達を提供する付加的利点を有する。そのような用量形は、適当な媒体に組成物を溶解させるか、または分散させることにより製造し得る。吸収促進剤はまた、皮膚を通過して組成物の流動性を増加させるために使用し得る。そのような流動速度は、速度制御膜を提供するか、またはポリマーマトリックスもしくはゲルに活性組成物を分散させることにより制御し得る。
【0073】
点眼製剤、眼軟膏、粉末、溶液などは、また、本発明の範囲内にあるものと意図する。
【0074】
非経腸投与のために適当な本発明の医薬組成物は、1個またはそれ以上の薬学的に許容される滅菌等張水性もしくは非水性溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または使用直前に、滅菌注射可能溶液もしくは分散剤に再構成され得る滅菌粉末と組み合わせた1個またはそれ以上の本発明の組成物を含み、それは、抗酸化剤、バッファー、静菌薬、製剤を意図するレシピエントの血液と等張にする溶質または懸濁剤または増粘剤を含み得る。
【0075】
本発明の医薬組成物で使用し得る適当な水性および非水性担体の例は、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、およびその適当な混合物、植物油、例えば、オリーブ油、ならびに注射可能有機エステル、例えば、オレイン酸エチルを含む。適当な流動性は、例えば、被覆物質、例えば、レシチンの使用により、分散の場合には、必要とされる粒子サイズの維持により、および界面活性剤の使用により維持し得る。
【0076】
これらの組成物はまた、アジュバント、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤を含み得る。微生物作用の阻止は、抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを含ませることにより保証し得る。それはまた、等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを組成物中に含むことが望ましいこともある。さらに、注射可能医薬形の延長された吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含ませることよりもたらされ得る。
【0077】
ある場合には、薬剤の効果を延長するために、皮下もしくは筋肉内注射から薬剤の吸収を遅延させることが望ましい。これは、難水溶性を有する結晶もしくは無結晶物質の液体懸濁液の使用により達成し得る。次いで、薬剤の吸収速度は、その溶解速度に依存し、次いで、結晶サイズおよび結晶形に依存し得る。あるいは、非経腸投与薬剤形の遅延吸収は、オイルビヒクルに薬剤を溶解させるか、または懸濁させることにより達成される。
【0078】
注射可能持続性製剤形は、生分解性ポリマー、例えば、ポリラクチド-ポリグリコリドで対象組成物のマイクロカプセルマトリックスを形成することにより製造する。薬剤とポリマーの比率に依存して、使用する特定のポリマーの性質、薬剤放出の速度を制御し得る。他の生分解性ポリマーの例は、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)を含む。持続性注射可能製剤はまた、身体組織に適合するリポソームもしくはマイクロエマルジョンに薬剤を封入することにより製造される。
【0079】
本発明の製剤は、経口的、非経腸的、局所的、または直腸に与え得る。それらは、当然に、各投与経路のために適当な形態で与えられる。例えば、それらを、錠剤またはカプセル形で、注射、吸入、眼ローション、軟膏、坐薬などにより、注射、輸液もしくは吸入により; ローションまたは軟膏により局所的に; 座薬により直腸で投与する。経口および/または静脈内投与が好ましい。
【0080】
本明細書で使用する“非経腸投与”および“非経腸的に投与される”なる語句は、経腸および局所投与以外の投与形態、通常は注射による投与を意味し、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内ならびに胸骨内注射および注入を含むが、それらに限定されない。
【0081】
本明細書で使用する“全身投与”、“全身的に投与する”、“末梢投与”および“末梢的に投与する”なる語句は、直接、中枢神経系に投与すること以外の化合物、薬剤もしくは他の物質の投与(例えば、皮下投与)を意味し、その結果、それは患者の組織に入り、したがって、代謝またはその他の類似の変換を受ける。
【0082】
これらの化合物は、治療のために、経口、経鼻(例えば、スプレーで)、直腸内、経膣的、非経腸的、嚢内および局所的(粉末、軟膏または滴剤として)(口腔および舌下を含む)を含むあらゆる投与経路で、ヒトおよび他の動物に投与し得る。
【0083】
選択された投与経路にかかわらず、適当な水和物形で使用し得る本発明の化合物、および/または本発明の医薬組成物は、当業者に既知の慣用的な方法により、薬学的に許容される用量形に製剤される。
【0084】
本発明の医薬組成物の有効成分の実際の投与レベルは、患者に毒性を与えることなく、特定の患者のために望む治療応答を達成するのに有効である有効成分の量、組成物、および投与形態を得るために変え得る。
【0085】
選択された投与レベルは、使用される本発明の特定の化合物、またはそのエステル、塩もしくはアミドの活性、投与経路、投与時間、使用される特定の化合物の排泄速度、処置の持続性、使用する特定の化合物と組合せて使用される他の薬剤、化合物および/または物質、年齢、性別、体重、状態、一般の健康および処置される患者の以前の病歴、ならびに医療分野で既知の因子などを含むさまざまな要因に依存し得る。
【0086】
当分野の通常の技術を有する医師または獣医師は、容易に、必要とされる医薬組成物の有効量を決定し、処方し得る。例えば、医師または獣医師は、望む治療効果を達成するのに必要とされる量よりも低いレベルで、医薬組成物に使用される本発明の化合物の投与を開始し、望む効果を達成するまで徐々に増加させ得る。
【0087】
一般に、本発明の化合物の適当な1日量は、治療効果を生むのに効果的な最も低い用量の化合物の量である。そのような有効量は、一般に、上記の因子に依存する。一般に、示された鎮痛効果のために使用するとき、患者のための本発明の化合物の静脈内および皮下投与量は、約0.0001から約100 mg/体重のキログラム/日、より好ましくは、約0.01から約50 mg/kg/日、およびさらにより好ましくは、約1.0から約100 mg/kg/日の範囲にある。有効量は、胃障害を処置する量である。
【0088】
所望により、活性化合物の有効な1日量は、1日を通して適当な間隔で、所望により、単位用量形で、分離して投与される、2、3、4、5、6回またはより多くの分割投与として投与し得る。
【0089】
本発明の化合物を単味で投与することは可能であるが、医薬組成物として該化合物を投与することが好ましい。
【0090】
キット
本発明はまた、疾患を処置するために消費者による使用のためのキットを提供する。該キットは、下記を含む:
a) 本発明の化合物(例えば、テガセロド、またはPPI、例えば、オメプラゾールと組合せたテガセロド)および薬学的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤を含む医薬組成物;および、所望により、
b) 特定の疾患を処置するために医薬組成物を使用する方法を記載した指示書。
【0091】
指示書はまた、キットが疾患を処置することを目的とするが、一方で、エストロゲン投与に関与した付随する副作用の障害を実質的に軽減することを示し得る。
【0092】
例えば、適用で使用するときの“キット”は、分離単位用量形、例えば、分割ボトルまたは分割ホイルパケットを含む容器を含む。容器は、当業者に既知のあらゆる慣用的な形もしくは形態であり得て、薬学的に許容される物質、例えば、紙もしくは段ボール箱、ガラスもしくはプラスチックボトルまたは瓶、再シール可能な袋(re-sealable bag)(例えば、異なる容器への配置のための、錠剤の“再充填”を保つために)、または治療計画にしたがって、包装から押し出すための個々の用量を有するブリスター包装からなる。使用する容器は、関与する正確な用量形に依存し得て、例えば、慣用的な段ボール箱は、一般に、液体懸濁液を保持するのに使用されない。単一用量形を市販するために、2個以上の容器を、単一パッケージで一緒に使用し得ることが現実的である。例えば、錠剤を、ボトルに入れ、順に、箱に入れ得る。
【0093】
そのようなキットの例は、いわゆるブリスター包装である。ブリスター包装は、包装産業において既知であり、広く、医薬単位用量形の包装のために使用されている(錠剤、カプセルなど)。ブリスター包装は、一般に、好ましくは、透明のプラスチック物質のホイルで覆われた相対的に固い物質からなる。包装工程の間、プラスチックホイルにくぼみを形成する。くぼみは、包装される個々の錠剤もしくはカプセルのサイズおよび形を有するか、または包装される複数の錠剤および/もしくはカプセルに適合するサイズおよび形を有し得る。次に、錠剤またはカプセルをくぼみに沿って置き、くぼみを形成した方向とは反対であるホイルの表面でプラスチックホイルに対して封をする。結果として、錠剤またはカプセルは、個々に密封されるか、または、所望により、プラスチックホイルとシートの間のくぼみで、集合的に密封される。好ましくは、シートの強度は、錠剤またはカプセルが、手動でくぼみに圧力を加えることによりシートのくぼみの部分に開口が形成され、それによりブリスター包装から取り出され得るようなものである。錠剤またはカプセルは、次いで、該開口により取り出し得る。
【0094】
書かれた記憶補助(memory aid)を提供することが望ましいこともあり、そこでは、書かれた記憶補助は、医師、薬剤師または対象のための情報および/または指示書を、例えば、錠剤またはカプセルの隣の数字の形態で含む(それにより、数字は、規定の錠剤もしくはカプセが摂取されるべきレジメンの日数に相当する)型または同じ型の情報を含むカードである。そのような記憶補助の他の例は、カードに印刷されたカレンダー、例えば、下記のとおりである;“第1週、月曜日、火曜日”、・・・“第2週、月曜日、火曜日・・・”など。他の記憶補助の変形は、容易に、明らかである。“1日量”は、特定の日に摂取される単一錠剤もしくはカプセルまたはいくつかの錠剤もしくはカプセルであり得る。
【0095】
他の特定のキットの態様は、1回で1日量を分配するように設計されたディスペンサーである。好ましくは、ディスペンサーは、さらに、レジメンでのコンプライアンスを促進するために、記憶補助を備えている。そのような記憶補助の例は、分配された1日量の数を示す機械的計数器である。そのような記憶補助の他の例は、液晶読取り(crystal readout)、または警報リマインダーシグナルと結合した電池式マイクロチップメモリーであり、例えば、1日量の最後が摂取された日付を読み出し、および/または次の投与が摂取されるときを思い出させる。
【実施例】
【0096】
発明の例示
本発明を、さらに、下記の実施例で例示する。実施例は、さらなる限定であると解釈すべきではない。実施例を通して使用する動物モデルは、一般的な動物モデルであり、これらの動物モデルにおける効果の証明は、ヒトでの有効性を予測する。
【0097】
単独で、またはPPIと組み合わせて適用したテガセロド、部分5-HT4受容体アゴニストおよび5-HT2B 受容体の阻害剤が、インドメタシンにより誘導される粘膜障害および胃平滑筋機能障害に対して保護的な効果を有することを決定した。ラットを、テガセロド(1 mg/kg)、オメプラゾール(20 mg/kg)、両薬剤の組合せまたはビヒクルで、実験の前日およびインドメタシン(50 mg/kg)の胃内注入の30分前に処理した。動物を、インドメタシン投与の6時間後に安楽死させ、胃潰瘍および炎症を評価した。ビヒクルを受けたインドメタシン処理ラットの胃前庭部からの環状筋肉ストリップは、腸管神経のKCl、カルバコール、5-HTおよび電場刺激(EFS、1-15 Hz)に対する増加した収縮応答を示した。個々に、または組合せて適用したテガセロドおよびオメプラゾールでの前処理は、胃潰瘍および粘膜炎症を減少させた。インドメタシン誘導過剰収縮は、オメプラゾールにより影響を受けなかったが、テガセロドまたは組合せ処理によりかなり軽減された。結果は、テガセロドによる胃平滑筋収縮の改善がNSAID誘導胃障害に対する保護を提供し、両薬剤を組み合わせて投与するとき、オメプラゾールの保護効果を上昇させ得ることを示す。
【0098】
1. 材料および方法
1.1. 動物
体重250-300gの雄Sprague-Dawleyラット(Charles River, Laboratories, Wilmington, MA)を、標準的な条件(21-23℃、制御された湿度、12時間明/暗周期)で、ケージ中で飼育した。動物を、薬剤処理の開始前に、1週間順応させた。実験手順は、V.A. Medical CenterのAnimal Care and Use CommitteesおよびUniversity of Oklahoma Health Science Center, Oklahoma City, OKの承認を受けた。
【0099】
1.2. インドメタシン誘導性胃障害
実験前に、自由に水に接近できる条件で、ラットを一晩絶食させた。実験の当日、ラットは、2% NaCO3に溶解させ、生理食塩水(pH 6.8)で1.5 mLの容積にした50 mg/kgのインドメタシンの胃内強制投与を受けた。インドメタシンを7:30 A.M.に与え、動物を、次いで、餌および水に自由に接近できる条件で、それらのホームケージに入れた。ラットを、インドメタシン注入の6時間後に安楽死させ、胃を単離し、95% O2および5% CO2で通気した無Ca2+ Krebsバッファー中に入れた。
【0100】
1.3. 薬剤処理
テガセロドおよびオメプラゾールを、プロピレングリコール(100%)に溶解させた。薬剤は、各実験のために新たに調製し、処理の間、4℃で貯蔵した。ラットを、無作為に、それぞれ1 mg/kg テガセロド、20 mg/kg オメプラゾールまたは1 mg/kg テガセロドおよび20 mg/kg オメプラゾールの組合せを受ける3つの処理群に割り当てた(1集団あたり6匹のラット)。別のコントロール群は、プロピレングリコールのみでの処理を受けた。薬剤またはビヒクルを、実験の前日の8 A.M.および5 P.M.ならびに実験の当日、インドメタシンの投与の30分前に、0.1 mL/100 g体重の用量で、腹腔内に投与した。
【0101】
1.4. 粘膜障害の評価
胃を小弯に沿って切り取り、摂食された食物を洗浄し、基底部を、胃の腺部から分離する。両方の領域を、継続して95% O2および5% CO2で通気した、無Ca2+Krebsバッファーで充たしたsilgard被覆ディッシュの底に、平らに固定し、解剖顕微鏡の台に置いた。粘膜層に沿って、赤みおよび出血として観察された粘膜潰瘍は、腺胃で明白であったが、胃底腺部には存在しなかった。幅がおよそ1 mmである出血性病巣の全長を測定し、潰瘍の指標として使用した。注意深く、粘膜を筋肉から切り取り、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性の測定のために収集した。
【0102】
1.5. ミエロペルオキシダーゼ活性
切開後、粘膜組織を、即座に液体窒素で凍結させ、-80℃で貯蔵し、MPO活性を同時にアッセイした。その後、凍結融解による均一化およびホモジネートからのMPOの抽出は、ヘキサドデシル-トリメチルアンモニウムブロマイド(HTAB)リン酸緩衝液(pH 6)中で行った。MPO活性は、3,3',5,5'-テトラメチルベンジジンTMB Microwell Peroxidase Substrate System (Sigma, St. Louis, MO.)および相対標準としてのセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)を用いて、10 μlのサンプルで試験した。MPO活性は、室温で10分間、同じ量のTMB基質を変換する相対標準(HRPのng)に相当するものとして示した。データは、ngで標準化した組織のgあたりの湿重量として示した。
【0103】
1.6. 平滑筋収縮
無Ca2+Krebsバッファーを、筋収縮を最小化し、過剰伸長を避けるために、組織単離の間、使用した。環状平滑筋ストリップ(10 mm x 2 mm)を、胃前庭部から単離し、器官浴(organ baths)に懸濁した。次いで、溶液を2.5 mM Ca2+を含むKrebsと交換し、等容性トーン(isometric tone)および一過性自発収縮を、平衡の90分後、記録した。最適張力を、調製物を載せることにより調整し、80 mM KClに対する収縮応答を調べた。実験プロトコールは、平滑筋収縮におけるインドメタシン誘導性変化および平滑筋機能障害を妨害するテガセロドおよびオメプラゾールの能力を特徴づけるように設計した。実験は、下記を調べるために行った: 1) 受容体独立KCl脱分極により誘導される収縮応答; 2) 平滑筋ムスカリン受容体または5-HT受容体の活性化によるカルバコールまたは5-HTの用量応答曲線; 3)胃収縮を制御する腸管神経の電場刺激(EFS)。筋ストリップに平行に位置した一組の白金電極およびGrass S88 stimulator (Grass Institute Division, W. Warwick, RI)を、1、5、10および15 Hzの増加した頻度で適用される0.5 msパルス持続を有する10-sの方形パルスを送達するのに使用した。EFSに対する応答が神経により仲介されることを検証するために、テトロドトキシン(1 μM)を溶液に加えた。実験の最後に、筋肉ストリップを乾燥させ(blotted dry)、重量を測定した。
【0104】
1.7. 溶液および薬剤
Krebsバッファーは、下記の組成であった(mM): NaCl 120、KCl 6、MgCl2 1.2、NaH2PO4 1.2、CaCl2 2.5、NaHCO3 14.4およびグルコース11.5 (95%O2および5% CO2で通気したとき、pH 7.3-7.4)。マレイン酸テガセロドは、Novartis Pharmaceuticals (East Hanover, NJ)により提供された。オメプラゾール、インドメタシン、塩化カルバミルコリン、硫酸アトロピン、5-ヒドロキシトリプタミンクレアチニンサルフェートおよびテトロドトキシンは、Sigma (St. Louis, MO)から取得し、蒸留水に溶解させた。すべての薬剤は、全浴(bath)容積の1%未満の容積で浴に加えた。
【0105】
1.8. データ解析および統計
収縮応答は、静止張力(mN)の変化として測定し、組織のグラム湿重量に関して標準化した。データは、各実験集団で、5-6匹の動物から単離した調製物からの平均 ± SEMとして示す。モデルを確立すると、インドメタシン誘導性異常を、スチューデントt検定を用いて、ナイーブラットとの比較により評価した。インドメタシン処理ラットにおけるオメプラゾール、テガセロド、組合せ処理またはビヒクルの効果は、通常のone-way ANOVAまたはノンパラメトリックKruskal-Willis ANOVA、その後の多重比較のためのBonferroniまたはノンパラメトリックDunn's検定を用いて比較した。差異は、p<0.05で有意であると考えた。
【0106】
2. 結果
2.1. インドメタシン誘導胃粘膜障害に対する保護効果
インドメタシンの投与の6時間後、胃潰瘍を、胃の腺部で粘膜ひだの表面に沿って検出したが、基底部には、存在しなかった。潰瘍係数の平均値を図1Aに提供する。好中球浸潤のマーカーとして測定した粘膜MPO活性は、ナイーブラットと比較して、インドメタシン処理ラットの腺胃でかなり上昇した(図1B)。テガセロド、オメプラゾールまたは両薬剤の組合せを用いたラットの前処理は、ビヒクルのみで前処理したラットと比較して、胃病変の形成を減少させた。しかしながら、潰瘍係数のかなりの減少にも関わらず、出血性病巣は、まだ、オメプラゾールおよびテガセロド処理を受けたラットに存在していた。対照に、単独で、または組合せて投与したオメプラゾールおよびテガセロドでの前処理は、ナイーブ動物のそれらとあまり異ならないレベルまでMPO活性を阻害した。単独で、または組合せて投与したオメプラゾールおよびテガセロドで前処理した群で取得したMPOレベル間では、あまり差異が見られなかった。
【0107】
2.2. インドメタシン誘導胃平滑筋機能障害に対する保護的効果
2.2.1. KClに対する応答での過剰収縮
前庭部平滑筋の自発収縮活性は、一過性収縮が、1分あたり4-6回の頻度で生じる低い基底トーン(basal tone)により特徴づけられる。高KClへの暴露は、胃前庭部から単離したすべての環状筋肉ストリップで持続性収縮を誘導したが、KCl誘導性収縮の最大振幅は、ナイーブラットと比較して、ビヒクルで前処理したインドメタシン処理ラットから単離したストリップでかなり高かった(p<0.01)。個々に投与されたテガセロドおよびオメプラゾールは、KClに対する過剰収縮応答の進行を妨げる傾向を示したが、両薬剤の効果では、ビヒクルと比較して統計学的な有意に到達しなかった。テガセロドおよびオメプラゾールを組合せて投与したときのみ、KCl誘導性収縮の振幅は、ビヒクル処理動物での応答と比較してかなり低かった(図2)。
【0108】
2.2.2. カルバコールに対する応答での過剰収縮
インドメタシン処理およびナイーブラットの胃前庭部から単離した環状筋肉ストリップスは、浸漬液に加えたカルバコール(1 nM-10 mM)の増加した濃度に応答して、濃度依存性収縮を生じた。用量応答曲線の比較は、ナイーブラットと比較して、ビヒクルを受けたインドメタシン処理ラットからのストリップにおいて、収縮応答の振幅でかなりの増加を示した(図3A)。前庭部筋の増加した反応性は、ムスカリン受容体アゴニストに対する感受性の変更はほとんどなしに現れた(ナイーブおよびインドメタシン処理ラットで同様のEC50値を有する)(ナイーブラット: log EC50= 6.95、95% CL-7.38から-6.51、Hill slope 1.07対インドメタシンを受けたビヒクルで前処理されたラット: log EC50=-7.32、95% CL-7.62から-7.01、Hill slope 1.11)。テガセロドおよびオメプラゾールの組合せを用いたラットの前処理は、ビヒクルの効果と比較して、最大カルバコール誘導性収縮のかなりの減少を生じた(図3B)。比較すると、テガセロドまたはオメプラゾールを個々に投与したときの効果は、ビヒクルの効果とほとんど変わらなかった。
【0109】
2.2.3. 5-HTに対する過剰収縮応答
ナイーブもしくはインドメタシン処理ラットからの前庭部平滑筋ストリップは、浸漬液への5-HTの投与に応答して、濃度依存性収縮を生じた。ナイーブラットからの筋肉ストリップにおける収縮応答の振幅は、ビヒクルを受けたインドメタシン処理ラットからのストリップでの応答と比較して、かなり低かった(p<0.05)。しかしながら、5-HTに対する濃度応答曲線の有意な変更は存在しなかった(ナイーブラットでlog EC50=6.299、95% CL-7.097から-5.776、Hill slope 0.48対log EC50=6.839、95% CL-8.028から-5.805、Hill slope 0.65)(図4A)。テガセロド単独またはテガセロドおよびオメプラゾールの組合せを用いたラットの前処理は、ビヒクルの効果と比較して、5-HTに対する最大応答の振幅のかなりの減少を引き起こした(図4B)。比較すると、オメプラゾールで前処理したラットからのストリップでの収縮応答は、ビヒクル処理動物からの調製物での応答とあまり変わらなかった。
【0110】
2.2.4. 腸管神経のEFSに対する過剰収縮応答
1-15 Hzの頻度で適用したEFSは、自発活性化の最初の阻害および低い振幅緩和その後の顕著な収縮により特徴づけられる頻度依存性応答を誘導した。抑制性および興奮性応答の両方が、浸漬液へのテトロドトキシン(1 μM)の投与により廃止され、これは、EFS誘導性応答が神経性であることを示す。ナイーブラットから単離した筋肉で、EFS誘導性収縮応答は、刺激の頻度に比例して増加した。ナイーブおよびインドメタシン処理動物からの筋肉ストリップにおけるEFS誘導性収縮の振幅間の比較は、ビヒクルで投与したインドメタシン処理ラットでのかなりの増加を示した(図5)。さらに、これらの調製物は、低い頻度の刺激に対して高振幅収縮で応答し、EFS頻度の増加で収縮応答の直線的な増加を示さなかった(表1、スロープは、ゼロとほとんど変わらない)。EFSに応答したインドメタシン誘導性過剰収縮に対するテガセロドおよびオメプラゾールの保護的効果は、頻度応答データの直線回帰により取得した結果と比較して高められた(図6)。テガセロドまたはテガセロドおよびオメプラゾールの組合せを用いたラットの前処理は、EFSに対する収縮応答の増加を妨害し、直線頻度応答関係(linear frequency-response relationship)を維持した(表1)。個々に適用するオメプラゾールは、直線頻度応答関係を維持するが、収縮応答の振幅における増加を妨害できた(図6)。
【0111】
表1. 前庭部筋ストリップでEFS (0.5 ms、1-15 Hz)により誘導される収縮応答の直線頻度応答関係におけるテガセロドおよびオメプラゾールの効果
【表1】

1集団あたり5-6匹のラットの回帰分析。スロープは、平均±SEMである。
【0112】
インドメタシン誘導性消化管異常の進行に対するテガセロド、オメプラゾールまたはそれらの組合せの保護的効果を表2に要約する。ラットで、インドメタシンの急性胃内投与により誘導される胃障害は、胃粘膜潰瘍および腺胃における炎症、高KCl、カルバコール、5-HTおよびEFSに応答した過剰収縮により特徴づけられる。表2で見られるとおり、テガセロドおよびオメプラゾールを用いた組合せ処理は、インドメタシン誘導潰瘍および粘膜炎症を減少させ、平滑筋過剰収縮の進行を軽減したが、オメプラゾールを用いた個々の処理は、観察された異常のすべてではなく、いくつかに対して有効であった。
【0113】
表2. インドメタシンにより誘導される胃粘膜障害および前庭部筋過剰収縮の進行を妨げるために、単独で、または組み合わせて投与されたテガセロドおよびオメプラゾールの能力
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
テガセロドおよびプロトンポンプ阻害剤を含む医薬組成物。
【請求項2】
プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールおよびレミノプラゾールからなる群から選択される、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
プロトンポンプ阻害剤がオメプラゾールである、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
対象に有効量のテガセロドを投与することを含む、それを必要とする対象の胃障害を処置または予防する方法。
【請求項5】
胃障害がNSAID投与と関連する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
テガセロドをプロトンポンプ阻害剤と組み合わせて投与する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
プロトンポンプ阻害剤が、オメプラゾール、エソメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾール、パントプラゾールおよびレミノプラゾールからなる群から選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
プロトンポンプ阻害剤がオメプラゾールである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
テガセロドを最初に投与し、その後、プロトンポンプ阻害剤を投与する、請求項6に記載の方法。
【請求項10】
プロトンポンプ阻害剤を最初に投与し、その後、テガセロドを投与する、請求項6に記載の方法。
【請求項11】
テガセロドおよびプロトンポンプ阻害剤を同時に投与する、請求項6に記載の方法。
【請求項12】
胃障害が、粘膜障害、胃平滑筋機能障害、胃炎、消化性びらん(peptic erosions)、潰瘍および胃傷害(gastric lesion)からなる群から選択される、請求項4に記載の使用。
【請求項13】
NSAIDおよびテガセロドを含む治療上有効量の医薬組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む、対象の疼痛および/または炎症を処置する方法。
【請求項14】
NSAIDが、サリチル酸、アスピリン、メチルサリチル酸、ジフルニサル、サルサラート、オルサラジン、スルファサラジン、アセトアミノフェン、スリンダク、エトドラク、トルメチン、ケトロラク、ジクロフェナク、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、オキサプロジン、インドメタシン、ピロキシカム、セレコキシブ、ルミラコキシブ、およびロフェコキシブからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
炎症が、発熱、関節炎、喘息、気管支炎、生理痛、腱炎、滑液包炎、皮膚の炎症性障害、胃腸状態、過敏性腸症候群、機能性消化不良、血管疾患、偏頭痛、結節性動脈周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、ホジキン病、スクレロドーマ、リウマチ熱、重症筋無力症、サルコイドーシス、ネフローゼ症候群、ベーチェット病、多発性筋炎、過敏症、結膜炎、歯肉炎、損傷および心筋虚血後に生じる腫れからなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
関節炎が、リウマチ性関節炎、脊椎関節症(血清反応陰性脊椎関節炎)、痛風性関節炎、全身性エリテマトーデス、骨関節症および若年性関節炎からなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
疼痛が、生理痛、腰痛、頸部痛、骨格痛、産後の疼痛、頭痛、偏頭痛関連疼痛、歯痛、ねんざ、筋挫傷(strains)、関節炎、変形性関節疾患、痛風、強直性脊椎炎、滑液包炎、放射線および腐食性薬品損傷を含むやけど、日焼け、骨折、免疫および自己免疫疾患、細胞悪性形質転換または転移性腫瘍成長、ならびに外科的および歯科処置後の疼痛からなる群から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
対象に有効量のテガセロドを投与することを含む、それを必要とする対象の粘膜障害および/または胃平滑筋機能障害を処置する方法。
【請求項19】
テガセロドをオメプラゾールと組み合わせて投与する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
対象がヒトである、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−540014(P2009−540014A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−515624(P2009−515624)
【出願日】平成19年6月13日(2007.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/071080
【国際公開番号】WO2007/146983
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】