説明

脱硫器構体における硫黄破過を検出するオンライン監視構体及び硫黄破過検出方法

燃料中の硫黄含有化合物を検出する燃料電池システムにおいて使用するための監視構体。監視構体は燃料が通過する指標剤構体を具備し、指標剤構体が指標剤物質と前記指標剤物質を収納する筐体とを含み、筐体は、燃料電池システムにおける燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置されるように構成され且つ指標剤物質は、稼動中の燃料電池システムに筐体が配置されると、指標剤物質が燃料電池システムの燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、指標剤構体は、指標剤物質の物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池に関し、特に、そのような燃料電池と共に使用される脱硫器構体における硫黄ブレークスルー(破過)の検出に関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、炭化水素燃料に蓄積された化学的エネルギーを電気化学反応によって電気的エネルギーに直接変換する装置である。一般に、燃料電池は、帯電イオンを伝導する働きをする電解質によりセパレートされたアノード及びカソードを具備する。溶融炭酸塩燃料電池は、反応物質である燃料ガスをアノードに通流させる一方で、カソードに酸化剤ガスを通流させることにより動作する。有効な電力レベルを発生するために、各燃料電池の間に導電性セパレータプレートを挟みながら多数の個別の燃料電池(単電池)が直列に積み重ねられる。
【0003】
現在の燃料電池技術は、水素又は水素と一酸化炭素との混合物から構成されるクリーンな燃料ガスを必要とする。そのような燃料ガスは、天然ガス、プロパン、嫌気性消化装置ガス、石油系液体又は石炭などの炭化水素含有原料から改質処理を経て生成されてもよい。多くの炭化水素含有原料は硫黄を含む。硫黄は改質触媒及びアノード触媒に有害な影響を及ぼし、燃料電池のアノード触媒及び改質触媒の性能を著しく低下することが知られている。従って、改質処理に先立って、燃料ガスが燃料電池に入る前に、燃料ガスから硫黄及び硫黄含有化合物を10億分の1(ppb)のレベルまで除去しなければならない。
【0004】
従来の技術においては、燃料ガスを燃料電池のアノードに通過させる前に燃料ガスから硫黄含有化合物を除去するための少なくとも1つの吸着床を含む脱硫器アセンブリ(構体)のような燃料処理構体が採用される。そのような燃料処理構体の一例は、本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第7,063,732号明細書に開示されている。特に、'732号公報は、無機硫黄含有化合物及び高分子量有機硫黄含有化合物を吸着する第1の吸着剤床と、低分子量有機硫黄含有化合物を吸着する第2の吸着剤床とを含む燃料電池の燃料を処理するための燃料処理システムを開示している。2つの吸着剤床は、処理対象の燃料が吸着剤床のうち一方を通過し、その後に他方の吸着剤床を通過するように配列される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第7,063,732号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
時間が経過するにつれて、この燃料処理システムにおいて使用される吸着剤床は硫黄含有化合物によって飽和されるため、吸着剤床の吸着容量が減少し且つ性能が低下することを理解できよう。その結果、吸着剤床が燃料中の硫黄含有化合物の濃度を所望のレベル(通常は体積十億分率(ppbv)で表される)まで低下させることができない場合、硫黄のブレークスルー(破過)が起こり、床は硫黄含有化合物の飽和レベルに達するので、吸着されないまま床を通過した硫黄含有化合物の量、すなわち硫黄破過濃度は増加する。処理済み燃料中の硫黄破過濃度が所定の値に達した場合、燃料電池システムの構成要素が硫黄により汚染されるのを回避するために、吸着剤床を交換又は再生する必要がある。燃料ガス中の硫黄含有化合物の濃度は変わりやすいため、所定の硫黄破過レベルに達する時点も大きく変動する。従って、適切な時点で吸着剤床の交換又は再生を確実に実行するために、処理済み燃料の硫黄破過濃度を監視することが必要とされる。
【0007】
現在、硫黄破過濃度の監視は、燃料処理構体から出た処理済み燃料ガスの試料を従来のガスクロマトグラフィー技術によって断続的に解析することにより実行される。処理済み燃料中の硫黄濃度を解析するために一般に使用されている技術は、ガスクロマトグラフィー(GC)を硫黄化学発光検出と組み合わせた技術(GC‐SCD)又は炎光度検出と組み合わせた技術(GC‐FPD)を含む。しかし、それらの従来の技術はコストが高いため、燃料処理及び燃料電池システムの動作に要する費用が大幅に増加してしまう。更に、従来の監視方法では、処理済み燃料の試料を採取しなければならないので、試料の収集、現場から分析室までの輸送及び処理済み燃料試料の解析の実施のために、更に人件費及び解析用機器の費用が必要になる。その結果、硫黄破過濃度をオンラインで(稼動中に)継続的に監視するように従来の方法を燃料電池処理構体と統合することは不可能になる。
【0008】
従って、本発明の目的は、硫黄破過濃度を稼動中に継続的に監視可能な燃料処理システムと共に使用するための硫黄破過監視構体及び硫黄破過監視方法を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、外部解析用機器による解析のために処理済み燃料の試料を採取する必要なく、硫黄破過濃度を稼動中に継続的に監視するように燃料処理システムと一体化された硫黄破過監視構体及び硫黄破過監視方法を提供することである。
【0010】
本発明の更なる目的は、硫黄破過の検出の精度が極めて高く且つ費用効率に優れた硫黄破過監視構体及び硫黄破過監視方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的及び他の目的は、燃料中の硫黄含有化合物を検出する燃料電池システムにおいて使用するための監視構体であって、燃料が通過するインジケータアセンブリ(指標剤構体)を具備し、指標剤構体はインジケータマテリアル(指標剤物質)と、指標剤物質を収納する筐体とを含み、筐体は、燃料電池システムに稼動中に配置されるように構成され、指標剤物質は、稼動中の燃料電池システムに筐体が配置されると、指標剤物質が燃料電池システムの燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、且つ指標剤構体は、指標剤物質の物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成される監視構体において実現される。
【0012】
ある特定の実施形態において、指標剤構体は、指標剤物質の物理的特性の変化をオペレータにより及び/又はセンサを介して検出可能であるように構成される。検出された物理的特性の変化に基づいて、燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、所定の動作が実行されてもよい。実行される所定の動作の1つは、オペレータがアラームを起動すること又はセンサに応答して燃料電池システムの制御装置を介してアラームを起動することであってもよい。
【0013】
説明される例示的な実施形態において、指標剤物質の物理的特性は指標剤物質の色を含み、硫黄含有化合物の所定の濃度は、指標剤物質の所定の1つの色に対応する。いくつかの実施形態において、オペレータが直接指標剤物質の色を検出するか、ウェブカムなどのカメラ又は記憶されたデジタル写真を使用して遠隔場所から指標剤物質の色を検出するか、あるいはセンサにより指標剤物質の色を検出することを可能にするように、筐体の少なくとも一部は透明材料から形成される。指標剤物質はFSK-A吸着剤、AG400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、ケイ酸チタンゼオライト、F8-01(Desulf-2)吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つであってもよく、燃料から硫黄含有化合物を除去するように適応されてもよい。本明細書において説明される例示的な実施形態において、燃料中の硫黄含有化合物の所定の濃度は30ppbv以上である。
【0014】
ある特定の実施形態において、監視構体は、指標剤物質の物理的特性を検出するか又は指標剤構体の物理的特性の変化を検出するセンサ構体を更に具備し、燃料電池システムの制御装置は、センサ構体による検出に基づいて燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定する。いくつかの実施形態において、センサ構体は、指標剤構体の筐体の長さに沿って配置された複数のセンサを含む。その場合、燃料電池システムの制御装置は、複数のセンサによる検出に基づいて筐体の長さに沿った物理的特性の変化の進行速度を判定し、その進行速度に基づいて燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを更に高い精度で判定する。
【0015】
いくつかの例示的な実施形態において、監視構体は、指標剤物質の物理的特性を示す画像を所定の間隔で取り込むカメラ又はウェブカムなどの画像撮像装置を具備し、オペレータは、画像撮像装置により取り込まれた画像に基づいて、燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定する。ある特定の実施形態において、画像撮像装置は、LEDライトリングと一体化されたCognex 1/3”CCDカメラ、型式番号5100Cである。画像撮像装置により取り込まれた画像は、遠隔場所にいるオペレータによりアクセスされ且つ検討される。オペレータは、画像中に示される物理的特性の変化に基づいて、所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定する。いくつかの実施形態において、燃料電池の制御装置は、オペレータが画像を検討できる状態になっていることをオペレータに通知するためにアラームを起動する。
【0016】
いくつかの例示的な実施形態において、監視構体は、脱硫器構体に燃料を通過させた後に燃料中の硫黄含有化合物を検出するために使用される。脱硫器構体は、脱硫器構体を通過する燃料の流れを制御する複数の燃料流量制御部材を含む。ある特定の実施形態において、脱硫器構体は、並列に結合された第1の脱硫器及び第2の脱硫器を少なくとも含み、第1の脱硫器及び第2の脱硫器のうち一方を燃料が通過している間に他方の脱硫器は待機モードにあるように、複数の燃料流量制御部材は、第1の脱硫器及び第2の脱硫器を通過する燃料の流れを制御する。そのような場合、脱硫器構体を出た燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定されたならば、燃料電池システムの制御装置は、アラームを起動すること並びに第1の脱硫器及び第2の脱硫器のうち一方を通過する燃料の流れを阻止し且つ他方の脱硫器に燃料を通過させるように複数の燃料流量制御部材を制御することのうち少なくとも一方を実行する。ある特定の実施形態において、脱硫器構体を出た燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するとオペレータが判定した場合、遠隔場所にいるオペレータは、アラームを起動すること並びに第1の脱硫器及び第2の脱硫器のうち一方を通過する燃料の流れを阻止し且つ他方の脱硫器に燃料を通過させるように複数の燃料流制御部材を制御することのうち少なくとも一方を実行する。
【0017】
いくつかの実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池と、監視構体の下流側の燃料供給制御部材とを具備する。燃料供給制御部材は、燃料電池への燃料の流れを制御し、燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、燃料電池システムの制御装置は、アラームを起動すること及び燃料電池への燃料の流れを最小限にするか又は阻止するために燃料供給制御部材を制御することのうち少なくとも一方を実行する。燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かをオペレータが判定する場合、オペレータは、アラームを起動すること及び燃料電池への燃料の流れを最小限にするか又は阻止するために燃料供給制御部材を制御することのうち少なくとも一方を遠隔場所から実行できる。
【0018】
複数の指標剤構体及びそれらの指標剤構体に対応する複数のセンサ構体を含む監視構体も説明される。この監視構体において、指標剤構体は互いに並列に且つ/又は直列に接続される。
【0019】
脱硫器構体を出た脱硫燃料の中の硫黄含有化合物を検出する監視構体を使用する燃料電池システム及び燃料中の硫黄含有化合物を検出する方法も説明される。
【0020】
更に、燃料から硫黄含有化合物を除去し且つ燃料中の硫黄含有化合物を監視する燃料電池システムにおいて使用するための脱硫器付指標剤構体が説明される。脱硫器付指標剤構体は、燃料から硫黄含有化合物を除去する吸着剤及び吸収剤のうち一方を含む脱硫剤物質及び指標剤物質を含む少なくとも1つの脱硫器ユニットを含み、指標剤物質が硫黄含有化合物にさらされた場合、指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化する。まず、燃料が脱硫剤物質及び指標剤物質のうち一方を通過し、その後、脱硫剤物質及び指標剤物質のうち他方を通過するように、脱硫剤物質及び指標剤物質は筐体により収納される。
【0021】
筐体は、稼働状態にある燃料電池システムの内部に配置されるように構成されており、指標剤物質は、稼動中の燃料電池システムに筐体が配置されると、指標剤物質が燃料電池システムの燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質である。脱硫器付指標剤構体は、指標剤物質の物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成される。検出された指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性の変化に基づいて、燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、オペレータ又は燃料電池システムの制御装置は所定の動作を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の上記の特徴及び態様並びに他の特徴及び態様は、添付の図面と関連させて以下の詳細な説明を読むことにより更に明らかになるであろう。
【図1】図1は、脱硫器構体の下流側における硫黄の破過濃度を検出する監視構体を採用した燃料電池システムを示す図である。
【図2】図2は、図1の指標剤構体の例示的な一例を示す概略図である。
【図3A】図3Aは、図1の監視構体の一実施形態を示す概略図である。
【図3B】図3Bは、図2の監視構体の別の実施形態を示す概略図である。
【図4】図4は、複合脱硫器/指標剤構体を含む図1の燃料電池システムの別の実施形態を示す図である。
【図5A】、
【図5B】、
【図5C】図5Aから図5Cは、図4の脱硫器/指標剤構体の3つの例示的な実施形態を示す詳細図である。
【図6】図6は、脱硫器構体の下流側における硫黄の破過濃度を検出する監視構体を採用する燃料電池システムの更なる実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、脱硫器構体104と、脱硫器構体104の下流側における硫黄の破過濃度を検出するモニターアセンブリ(監視構体)106とを含む燃料電池システム100を示す。接続ライン103により脱硫器構体104に接続された燃料供給源102から燃料電池システム100に燃料が供給される。流量制御弁などの第1の流量制御部材103aは、燃料供給源102から脱硫器構体014に供給される燃料の流量を制御するために使用される。
【0024】
脱硫器構体104は1つ以上の脱硫器を含み、各脱硫器は、吸着剤及び/又は吸収剤を含む1つ以上の吸着剤床及び/又は吸収剤床を含む。脱硫器構体104を通過する燃料の中に存在する硫黄含有化合物は、吸着剤床及び/又は吸収剤床を使用して科学的又は物理的な吸着又は吸収により燃料から除去される。その後、脱硫器104を出た脱硫燃料は、接続ライン105を経て監視構体106に供給される。監視構体106は、脱硫燃料の中に硫黄含有化合物が存在するか否か、すなわち硫黄破過の有無を絶えず監視し且つ/又は脱硫燃料中の硫黄含有化合物の濃度、すなわち硫黄破過濃度を検出する。
【0025】
図1に示されるように、監視構体106は、脱硫燃料が通過する指標剤構体106aと、硫黄破過によって起こる指標剤物質の物理的変化及び/又は指標剤構体106aを通過する脱硫燃料における硫黄破過濃度を感知し且つ検出するセンサ構体106bとを具備する。指標剤構体106aは、燃料中に存在する硫黄化合物を除去することにより燃料を更に脱硫する保護床として更に機能してもよい指標剤物質を含む。指標剤構体106aの構成、並びに脱硫器104と共に使用されるべき監視構体106の例示的な構成は、以下に更に詳細に説明される。
【0026】
図1に示されるように、燃料電池システム100は、監視構体106のセンサ構体106b及び脱硫器構体104を少なくとも制御する制御装置501を更に含む。以下に更に詳細に説明されるように、制御装置501は、センサ構体106bにより検出された硫黄破過及び/又は硫黄破過濃度に基づいて、脱硫燃料中に所定の硫黄破過又は硫黄破過濃度が存在するか否かを判定し、且つ少なくとも1つの所定の動作を実行するために燃料電池システムを制御する。以下に更に詳細に説明されるように、所定の動作は、脱硫器構体104の少なくとも1つの脱硫器の交換又は再生が必要であることを示すアラーム130などの信号を起動するステップと、動作中の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ燃料の流れを別の脱硫器を通過するように方向転換するために脱硫器構体104を制御するステップと、並びに燃料電池への燃料の流れを最小限にするか又は完全に阻止するように燃料電池への脱硫燃料の流れを制御することを含む。
【0027】
本明細書において説明される例示的な実施形態において、燃料中の硫黄含有化合物の濃度が構体106により監視されている、すなわち、硫黄破過濃度が検出されていると仮定する。しかし、以下の説明は、硫黄含有量が監視されている場合、すなわち硫黄破過が監視されているが、まだ起こってはいない場合にも同等に適用される。また、開示される実施形態において、所定の硫黄破過濃度は30ppbv以上であり、特に30ppbv〜200ppbvである。更に、ある特定の実施形態において、制御装置501は、監視構体106を制御する監視構体制御装置を含む。そのような場合、監視構体制御装置は、脱硫燃料中に所定の硫黄破過濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定する。
【0028】
ある特定の実施形態において、脱硫器構体104は複数の脱硫器を含み、各脱硫器は少なくとも1つの脱硫床を含む。脱硫器のうち少なくとも1つが動作状態である間に、他の脱硫器のうち1つ以上が待機モードであるように、脱硫器は互いに結合される。「進み遅れ」システムを含むそのような脱硫器構体の一例は、本明細書に参考として取り入れられている本発明と同一の譲受人に譲渡された米国特許第7,063,732号公報に開示される。'732号公報で説明されるように、そのような実施形態における脱硫器構体は、脱硫器のうち少なくとも1つを通過するように燃料の流れを方向転換するための1つ以上の燃料流量制御部材(図面の簡略化のため図示せず)を含む。
【0029】
特に、センサ構体106bにより検出された硫黄破過濃度に基づいて、燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在すると制御装置501が判定した場合、制御装置501は、動作中の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止又は制限し且つ待機状態の他の脱硫器のうち少なくとも1つの脱硫器を通過するように燃料の流れを方向転換するために燃料流量制御部材を制御する。制御装置501は、先に動作状態であった脱硫器の交換又は再生が必要であることを示すアラームのような信号を更に起動してもよい。ある特定の実施形態において、先に動作していた脱硫器を通過する燃料の流れが阻止された場合又は先に動作していた脱硫器の再生が必要であることを示す信号が起動された場合、制御装置501は、先に動作していた脱硫器の吸着剤を再生することによりその脱硫器を自動的に再生するように脱硫器構体104を更に制御する。
【0030】
図1に示されるように、燃料電池システム100は、燃料電池112に向かう脱硫燃料の流れを制御する第2の流量制御部材107aを更に含む。いくつかの例示的な実施形態において、制御装置501は、燃料電池112に供給される燃料の流量を制御するように第2の流量制御部材107aを制御する。そのような実施形態において、センサ構体106bにより検出された硫黄破過濃度に基づいて燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在すると制御装置501が判定した場合、制御装置501は脱硫燃料の流れを阻止又は制限するために第2の燃料流量制御部材107aを制御する。ある特定の実施形態において、燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在すると判定された場合、制御装置501はまずアラーム130を起動し、その後、所定の時間内にアラームが解除されない場合、通過する燃料の流れを阻止又は制御するように第2の燃料流量制御部材107aを制御する。
【0031】
図1に示されるように、システム100は、第2の燃料流量制御部材107aの下流側にあり、脱硫燃料を予熱及び加湿する熱交換器108と、燃料を更に処理する燃料処理構体110と、アノード114及びカソード116を含む燃料電池112と、酸化構体118とを更に含む。図示されるように、指標剤構体106a及び第2の燃料流量制御部材107aを通過した後、脱硫燃料は接続ライン107を経て熱交換器108へ送り出される。熱交換器において、加熱加湿燃料を発生するために、燃料は水供給源122からの水と混合され且つ所定の温度まで加熱される。加熱加湿燃料は、熱交換器108から接続ライン109を経て燃料処理構体110へ送り出され、そこで更に処理される。処理構体110は、燃料電池112において使用するのに適する燃料を発生するために加熱加湿燃料の少なくとも一部を改質する前改質構体を含んでもよい。
【0032】
燃料処理構体110で処理された燃料は、その後、接続ライン111を経て燃料電池112のアノード114へ供給される。燃料電池112において、燃料は、カソード116を通って流れる酸化性ガスと電気化学反応して電力を発生する。図示されるように、アノード114から出る使用済み燃料、すなわちアノード排出物は未反応燃料を含み、酸化構体118へ供給される。酸化構体118において、アノード排出物は空気供給源120からの空気と混合され且つ燃焼されて、カソード116で使用するのに適する酸化性ガスを発生する。カソード116から出る使用済み酸化性ガスは、脱硫燃料及び水を加熱するために熱交換器108へ送り出されてもよく且つ/又はカソード116へ再循環されてもよい。
【0033】
図2は、図1の指標剤構体106aの例示的な一実施形態を示す詳細図である。図示されるように、指標剤構体106aは、指標剤構体を稼働状態にある燃料電池システム100の内部に配置できるように入口202a及び出口202bを有する筐体202を含む。通常、入口202a及び出口202bは、燃料電池システムの隣接するラインの雄継手と係合するように構成された雌継手であってもよい。指標剤構体106aは、筐体202により収納された指標剤物質204を更に含む。図示される実施形態において、指標剤構体106aは、筐体202の中に配置され且つ指標剤物質204を所定の場所に保持するために使用される無反応性物質205を更に含む。指標剤構体106aは、指標剤物質204の特性の変化を検出可能であるように更に構成される。図示される指標剤構体の場合、筐体202を外から見た場合に筐体の内部に収納された指標剤物質204を観察でき、それにより、物質の特性の変化を検出可能であるように、この構成の筐体202は、石英、ポリ塩化ビニル(PVC)プラスチック、ポリメタクリル酸メチルプラスチック又は他のアクリル酸エステル、又はポリカーボネートなどの透明材料又は半透明材料から形成されるのが好ましい。
【0034】
特に、指標剤物質204は、硫黄含有化合物にさらされた場合に色などの物理的特性の1つを変化させる物質である。図示される例示的な実施形態において、指標剤物質は粉末又はビードの形態であり、硫黄含有化合物にさらされた場合に色を変える吸収剤又は吸着剤を含む。適切な指標剤物質は、硫黄含有化合物にさらされた場合に白色から黒色へと徐々に色を変えるTokyo Gas社より入手可能なFSK-A吸着剤、ベージュ色から暗褐色へと徐々に色を変えるMolecular C-Chem社より入手可能なAg400吸着剤、白色から褐色へと徐々に色を変えるTokyo Gas社より入手可能なTOSPIX 94吸着剤、薄緑色から暗緑色へと徐々に色を変えるEngelhard社(最近BASF社により買収された)製造のSelectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、薄青緑色から褐色へと徐々に色を変えるTDA Research社製造のSulfaTrapTM -R6、又は灰色の斑点のついた白色から暗灰色へと徐々に色を変えるBASF社製造のF8-01(Desulf-2)吸着剤などの比色分析用吸着剤を含む。F8-01(Desulf-2)吸着剤を指標剤物質204として使用するある特定の実施形態において、F8-01(Desulf-2)吸着剤は、脱硫器で脱硫器吸着剤として使用されるBASF社製造のF3-01などのDesulf-1吸着剤と組み合わせて使用されてもよい。例えば、硫黄含有化合物にさらされた場合、脱硫燃料中の硫黄含有化合物の濃度が増すにつれて、FSK-A吸着剤の色は白色からベージュ色を経て褐色へと徐々に変化し、最終的に黒色になる。従って、指標剤物質の色の変化及び/又は色変化の速度は、所定の1つの色が所定の硫黄破過濃度に対応する状態で燃料中の種々の硫黄破過濃度を示し且つそれと相関する。このように、監視構体のセンサ構体106bは、指標剤物質の色、指標剤物質の色の変化及び指標剤物質の色変化の速度のうち少なくとも1つを検出し、制御装置501は、センサ構体により検出された色、色の変化及び/又は色変化の速度をそれぞれ対応する硫黄破過濃度と相関し且つ所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。
【0035】
無反応性物質205は、燃料及び硫黄含有化合物にさらされた場合に安定しており且つ非吸収性及び非吸着性である物質を含む。無反応性物質205は、燃料が通過できるように十分な透過性を有していなければならない。例えば、複数のガラスビードは未反応物質としての使用に適している。図2に示されるように、無反応性物質205は、筐体202の中に筐体の入口202a部分及び筐体202の出口202b部分に隣接して配置され、指標剤物質204は、筐体202の入口側の無反応性物質205と出口側の無反応性物質205との間に配置される。従って指標剤物質204は無反応性物質205に挟まれた状態で所定の場所に保持される。指標剤物質204を筐体202の中の所定の場所に保持するために、無反応性物質205の代わりに又は無反応性物質205に加えて、1つ以上の支持スクリーン及び/又は穴あき板を含む無反応性支持スクリーン構体が使用されてもよい。そのような実施形態において、無反応性スクリーン構体は、ポリプロピレン、ステンレス鋼又は他の適切な無反応性物質から形成される。
【0036】
筐体202の寸法及び筐体202の中の指標剤物質204の体積は、燃料電池システムの燃料電池112の構成及び燃料電池システムに供給される燃料の種類に応じて異なる。特に、筐体202の所望の寸法、特に筐体の長さと直径との比及び筐体に収納される指標剤物質204の体積は、指標剤構体106aを通過する燃料の局部流れを排除するように最適化される。筐体の寸法及び指標剤物質の体積は、所定の表面速度範囲内及び滞留時間範囲内で燃料が流れるように更に最適化される。指標剤構体106aを通って流れる燃料の所定の表面速度及び滞留時間は、燃料電池システムにおいて使用される燃料の種類によって異なることがわかる。更に、種々の寸法を有する指標剤構体が試験され、大型の構体と比べて、小型の指標剤構体における指標剤物質の色の変化がより急速に起こることが判定された。これは、小型の指標剤構体における硫黄の飽和度が大型の指標剤構体より速く増加するためである。従って、低い硫黄破過濃度を高感度で検出する場合、小型の指標剤構体は特に有用である。
【0037】
次に、指標剤構体106aの例示的な実施例を説明する。
【0038】
実施例1
第1の例示的な実施例において、指標剤構体106aは、透明PVC材料から形成された直径10インチの筐体202を具備する。筐体202として使用するのに、直径10インチの標準Schedule 40透明PVCパイプが適している。筐体の横断面は約0.55ftの面積を有し、筐体の長さは約12インチである。筐体202に収納された指標剤物質204の高さが約12インチになり且つ体積は約0.55ftになるように、筐体202の中にFSK-A吸着剤を含む指標剤物質204が収納される。筐体の入口202aの付近及び出口202bの付近に配設される無反応性スクリーン構体として穴あき板及びスクリーン構体が使用され、指標剤物質を所定の場所に保持する。指標剤構体106aの上記の寸法は、HD-5プロパン燃料又は天然ガス燃料のいずれかを使用して動作する300kW燃料電池システムと共に使用するのに適する。
【0039】
燃料電池システムがHD-5プロパン燃料を使用して動作する場合、本実施例の指標剤構体106aを通過するHD-5プロパン燃料の所望の最大流量は、毎分約15標準立方フィート(scfm)(ここで立方フィートは1気圧の標準圧力及び59°Fの標準温度に関連する)以下であり、所望の表面速度は0.46ft/sec以下であり且つ所望の空間速度は0.46 l/sec、すなわち1,644 l/hr以下である。
【0040】
燃料電池システムが天然ガスを使用して動作する場合、本実施例の指標剤構体106aを通過する天然ガス燃料の所望の最大流量は約38〜40scfmであり、所望の表面速度は約1.22ft/sec以下であり且つ空間速度は約1.22 l/sec、すなわち4,400 l/hr以下である。燃料電池システムが天然ガスで動作している場合の流量を更に増加するために、HD-5プロパン燃料で動作するシステムの場合より大きな直径を有する筐体が使用されてもよい。例えば、天然ガスで動作するシステムにおいて使用するには、透明材料から形成された公称直径12インチ又は16インチの筐体が適している。
【0041】
先に述べた通り、燃料電池システムが他の種類の燃料を使用して動作する場合、指標剤構体106aの筐体202及び指標剤物質204の寸法、並びに指標剤構体106aにおける燃料の流量、速度及び滞留時間は、指標剤構体の性能を最適化するために変更されてもよい。
【0042】
実施例2
第2の実施例において、指標剤構体106aは、透明石英材料から形成された筐体202を具備し、指標剤物質204は、TOSPIX 94吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、Ag400吸着剤、F8-01(Desulf-2)吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つである。本実施例の石英筐体202は、直径が0.25〜1.5インチ、長さは1〜10インチの石英の管から構成される。筐体の中に収納される指標剤物質204は、5〜30mL、すなわち0.3〜18.3inの体積を有する。
【0043】
所定の量の硫黄含有化合物にさらされた場合、指標剤物質204の色は、1つの色から別の色に変化する。例えば指標剤物質としてTOSPIX 94が使用される場合、色は白色から黄色に変化する。先に述べた通り、指標剤物質204の色の変化及び/又は色変化の速度は、脱硫燃料中の硫黄化合物の濃度と相関される。例えば、TOSOIX 94を含む指標剤物質204の色が白色から黄色に変化した後に硫黄含有化合物の濃度を試験すると、試験された燃料の中の硫黄含有化合物の濃度は100ppbvを超えると判定された。
【0044】
第2の実施例において説明される指標剤構体106aは、脱硫器構体からの脱硫燃料のすべてではなく、その一部が指標剤構体106aへ送り出され、燃料の残る部分は熱交換器108に直接供給されるような燃料電池システムにおいて使用するのに適する。この場合、指標剤構体106aを通過した後、燃料は、熱交換器108へ直接供給された残りの燃料部分と混合される。燃料電池システムのこの例示的な実施形態は、後に図3Bに関して更に詳細に説明される。
【0045】
図3Aは、脱硫器構体104を出た脱硫燃料のすべてが熱交換器108に供給される前に監視構体106の指標剤構体106aを通って流れる図1の監視構体の第1の実施形態を示す概略図である。先に説明したように、指標剤構体106aは、燃料中の硫黄含有化合物にさらされた場合に色を変える指標剤物質204を含み、指標剤物質の色の変化及び/又は色変化の速度は、指標剤物質における硫黄飽和度のレベル及び燃料中の硫黄破過濃度と直接関連づけられる。指標剤構体106aの寸法及び指標剤物質の量は、燃料電池の種類及び構成並びに燃料電池で使用される燃料の種類に応じて異なる。例えば、先に実施例1において説明した指標剤構体は、燃料電池がHD-5プロパン燃料又は天然ガス燃料を使用して動作する300kW溶融炭酸塩燃料電池である場合に図3Aの監視構体においての使用に適する。
【0046】
図3Aに示されるように、監視構体106は、指標剤物質204の色及び指標剤物質204の色の変化のうち少なくとも一方を検出するセンサ構体106bを更に含む。例示的な本実施形態において、センサ構体106bは、指標剤物質の色を検出可能なフルカラー検出用光電センサを具備する。例えば、本実施形態において使用するには、Balluff社製造のフルカラー光電センサが適している。
【0047】
図示されるように、センサ構体106bは、指標剤物質204を外から観察できるように透明である筐体202の外側壁に隣接して又はその付近に配置され、それにより、センサ106bは指標剤物質の色及び/又は色の変化を検出可能である。他の実施形態において、筐体202は不透明であり、指標剤物質204の色変化は、光ファイバケーブルによる光の伝送によって検出される。
【0048】
更に、図示されるように、ある特定の実施形態において、センサ構体106bは複数のセンサ106bを含み、それらのセンサは、指標剤物質204を外から観察できるように透明である筐体202の外側壁に隣接して又はその付近に配置され且つ筐体202の長さに沿って所定の間隔で位置決めされて、指標剤構体106aの長さに沿った指標剤物質の色変化204の進行及び/又は進行の速度を検出する。そのような実施形態において、センサ構体106bは、複数のセンサを使用して筐体202の長さに沿った各位置で色及び/又は色変化を検出し、制御装置501は、センサによる検出及び第1のセンサによる所定の色の検出から別のセンサによる所定の色の検出までに経過した時間に基づいて色変化の進行及び進行速度を判定する。従って、制御装置501は、燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が現れる時点及び所定の長さの時間内で燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が現れるか否かを判定できる。
【0049】
以下に説明されるように、ある特定の実施形態において、監視構体106は、センサ構体の代わりに、指標剤物質の色の画像を取り込むカメラ又はウェブカムなどの画像撮像装置を含む。そのような実施形態において、画像撮像装置により取り込まれた画像は、監視構体の設置場所又は離れた場所においてオペレータにより検討され、オペレータは、検討した画像に基づいて燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。
【0050】
更に、図3Aに示されるように、脱硫燃料が指標剤構体を通過した後、燃料は接続ライン107により第2の流量制御部材107aを経て熱交換器108へ供給される。第2の流量制御部材107aは、脱硫燃料の流量を制御する。先に図1に関して説明したように、燃料は熱交換器において予熱され、その後、処理構体及び燃料電池に供給される。
【0051】
先に図1に関して説明したように、監視構体106、第2の燃料流量制御部材107a及び脱硫器構体104の動作は、制御装置501により制御される。制御装置501は、センサ構体106bにより検出された色及び/又は色変化及び色と硫黄破過濃度との相関に基づいて、脱硫燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在すると制御装置501が判定した場合、制御装置501は1つ以上の所定の動作を実行する。脱硫燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合に制御装置501により実行される所定の動作は、脱硫器構体104の脱硫器の交換又は再生が必要であることを示す信号を起動すること及び/又は燃料電池システムへの燃料の供給を減少し且つシステムの電力出力を低下することにより、システムの動作を低出力状態又は動作中待機状態にするように、燃料電池112への脱硫燃料の流れを阻止する又は脱硫燃料の流量を制限するために第2の燃料流量制御弁107aを制御することを含む。前述のように、燃料が少なくとも1つの脱硫器を通って供給されている間に、その他の脱硫器のうち少なくとも1つが待機状態にあるように、脱硫器構体104が複数の脱硫器を含む場合、所定の破過濃度に達したと判定した後、制御装置501は、動作中の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ待機モードにある他の脱硫器のうち少なくとも1つの脱硫器を通過するように燃料の流れを方向転換するために脱硫器構体104を制御する。この場合、制御装置は、先に動作していた脱硫器の交換又は再生が必要であることを示す信号を更に起動してもよい。
【0052】
別の実施形態において、監視構体の指標剤構体が脱硫器構体からの脱硫燃料の一部を受け取るように、燃料電池システムの構成は変形される。図3Bは、監視構体206の第2の実施形態の概略図を示す。図示されるように、脱硫器構体104を出た脱硫燃料は、接続ライン107bを経て熱交換器108へ直接送り出される第1の燃料流れと、接続ライン107cを経て監視構体206の指標剤構体206aへ送り出される第2の燃料流れとに分割される。指標剤構体206aは、先に実施例2で説明した監視構体106において使用するための指標剤構体106aと同一の構成を有してよい。
【0053】
接続ライン107cを経て所定の量の燃料のみが所定の流量で指標剤構体206aへ送り出されるように指標剤構体206aに供給される燃料の流量を制御するために、定量弁又は流量制御弁などの流量制御部材107dが使用される。図3Bに示され且つ先に説明されたように、指標剤構体206aは、燃料中の硫黄含有化合物にさらされた場合に色を変える指標剤物質204を含む。指標剤物質204の色の変化は、指標剤物質の硫黄飽和度のレベル及び脱硫燃料中の硫黄化合物の濃度と相関される。
【0054】
指標剤構体206aの寸法並びに指標剤物質の量及び種類は、燃料電池の構成及び燃料電池システムにおいて使用される燃料の種類に応じて異なる。本実施形態において、指標剤構体に供給されるのは脱硫燃料の一部のみであるので、指標剤構体206aの寸法は、第1の実施形態における指標剤構体106aの寸法よりはるかに小さくてもよい。指標剤構体206aの寸法が小さいこと及び構体を通過する燃料の流量が脱硫燃料の一部のみであることによって、指標剤物質が色を変えるレベルまで硫黄含有化合物で十分に飽和されるのに要する時間が影響を受けるので、小型の指標剤構体206aは所定の硫黄破過濃度が非常に低く、すなわち50ppbであり、そのために脱硫燃料中の硫黄含有化合物の有無に対する監視構体の感度を更に高くする必要がある場合に使用されると特に有効である。
【0055】
図3Bに示されるように、監視構体206は、指標剤構体206aの指標剤物質204の色及び/又は色の変化を検出するセンサ構体206bを含む。第1の実施形態の場合と同様に、センサ構体206bは少なくとも1つの光電センサを具備する。光電センサは、指標剤物質の色及び色の変化を検出可能であり、本実施形態のセンサ構体において使用するには、Balluff社製造のフルカラー検出用光電センサが適する。センサ構体206bが指標剤物質204の色及び/又は色の変化を検出可能であるように、センサ構体206bは、指標剤物質204を観察できる指標剤構体206aの透明筐体202の外側壁に隣接して又はその付近に配置される。他の実施形態において、センサ構体206bは、不透明な筐体202の境界内にある指標剤物質の色及び/又は色の変化を比色検出可能な少なくとも1つの光ファイバセンサを具備する。
【0056】
いくつかの実施形態において、指標剤物質の色を示すために指標剤物質の画像を取り込むカメラ又はウェブカムなどの画像撮像装置がセンサの代わりに使用される。以下に更に詳細に説明されるように、画像撮像装置により取り込まれた画像は、その後、監視構体の設置場所にいるか又は遠隔場所にいるオペレータにより検討され、オペレータは燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かをそれらの画像に基づいて判定する。
【0057】
図示されるように、ある特定の実施形態において、センサ構体206bは、指標剤物質204を観察できるように透明筐体202の外側壁に隣接して又はその付近に配置され且つ筐体202の長さに沿って所定の間隔で位置決めされた複数のセンサ206bを含み、センサ206bは、指標剤構体206aの長さに沿った指標剤物質204の色変化の進行及び/又はその進行速度を検出する。先に図3Aに関して説明したように、センサ構体206bは、筐体202の長さに沿った各位置の色及び/又は色変化を複数のセンサを使用して検出し、制御装置501は、センサの検出及び1つのセンサが所定の色を検出してから別のセンサが同一の又は他の類似する色変化を検出するまでに経過した時間に基づいて、色変化の進行及びその進行速度を判定する。
【0058】
更に図3Bに示されるように、脱硫燃料の第2の流れが指標剤構体206aを通過した後、燃料の第2の流れは、接続ライン107bにおいて第1の燃料流れと混合される。その後、混合された燃料流れは、第2の燃料流量制御部材107aを経て熱交換器108へ送り出される。明瞭且つ簡略を期するために図示されてはいないが、接続ライン107cは、指標剤構体206aの上流側又は下流側に、燃料流量制御部材107dにより接続ライン107cへ供給される燃料の量を制御するための流量送信機又はロトメータを含んでもよい。
【0059】
先に図3Aに関して説明した監視構体106の第1の実施形態の場合と同様に、第2の実施形態の監視構体206、第2の燃料流量制御弁107a及び脱硫器構体104の動作は、センサ構体206bによる検出に基づいて制御装置501により制御される。制御装置501は、指標剤構体206aへ送り出される燃料の量を制御するように流量制御部材107dの動作を更に制御してもよい。
【0060】
第1の実施形態の場合と同様に、制御装置501は、センサ構体206bにより検出された色及び/又は色変化並びに色と種々の硫黄破過濃度との相関に基づいて脱硫燃料中で所定の硫黄破過濃度に達したか否かを判定し、達していれば、制御装置は少なくとも1つの所定の動作を実行する。前述のように、制御装置501により実行される所定の動作は、脱硫器構体104の脱硫器の交換又は再生が必要であることを示すアラームなどの信号を起動するステップと、システムを低出力モード又は動作中待機モードにするように燃料電池112への燃料の流れを阻止又は制限するために第2の燃料流量制御弁107aを制御するステップと、少なくとも1つの脱硫器を燃料が通過する間に、その他の脱硫器のうち少なくとも1つは待機状態にあるように脱硫器構体104が複数の脱硫器を含む場合、動作中の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ待機モードにある他の脱硫器のうち少なくとも1つの脱硫器を通過するように燃料の流れを方向転換するために脱硫器構体104を制御することを含む。
【0061】
上記の監視構体106の実施形態は燃料電池システムにおいて使用されるものとして説明され且つ図示されたが、図2、図3A及び図3Bに示されるような監視構体は、硫黄含有化合物及びその濃度の検出を必要とする他のシステム及び用途で使用されてもよいことが理解される。例えば、以上説明した監視構体は、製油所において石油の中に硫黄含有化合物が存在するか否か及び/又は硫黄含有化合物の濃度を判定するために使用されてもよい。更に、監視構体の用途は、燃料又は石油の中の硫黄含有化合物及び/又はその濃度の検出に限定されず、監視構体は、他の担体混合物における硫黄含有化合物及びその濃度を検出するために採用されてもよい。従って、上述の監視構体は、例えば分析試験室、環境分析及び他の多くの硫黄に関連する用途で使用するのに適する。
【0062】
図1〜図3Bに示されるシステム100は、指標剤構体と脱硫器構体とを組み合わせるように更に変形されてもよい。図4は、そのように変形されたシステム300を示す。システム300は複合脱硫器/指標剤構体304、センサ構体306b及び制御装置601を含む。接続ライン303により脱硫器/指標剤構体304に接続された燃料供給源302からシステム300に燃料が供給される。燃料供給源302から脱硫器/指標剤構体304に供給される燃料の流量を制御するために、流量制御弁などの流量制御部材303aが使用されてもよい。
【0063】
脱硫器/指標剤構体304は、吸着剤及び/又は吸収剤を含む1つ以上の吸着剤脱硫床及び/又は吸収剤脱硫床をそれぞれが具備する1つ以上の脱硫器と、指標剤物質を含む1つ以上の比色分析用床とを含む。脱硫器の構成は以下に更に詳細に説明される。脱硫器/指標剤構体304を通過している燃料の中に存在する硫黄含有化合物は、吸着剤脱硫床及び/又は吸収剤脱硫床を使用して、化学的又は物理的な吸着又は吸収により燃料から除去される。ある特定の実施形態において、指標剤物質は燃料中に存在する硫黄含有化合物を除去するために使用される。センサ構体306aは、脱硫器/指標剤構体304を通過している燃料の中の硫黄含有化合物の有無、すなわち硫黄破過を検査するために燃料を監視し、且つ燃料中の硫黄含有化合物の濃度、すなわち硫黄破過濃度を検出する。
【0064】
図4に示されるように、燃料電池システム300は、センサ構体306b及び脱硫器/指標剤構体304を少なくとも制御する制御装置501を更に含む。先に図1に示される第1の実施形態に関して説明したように、制御装置501は、センサ構体306bにより検出された硫黄破過及び/又は硫黄破過濃度に基づいて、燃料中に所定の硫黄破過又は硫黄破過濃度が存在するか否かを判定し、所定の硫黄破過又は硫黄破過濃度に達したと判定された場合、少なくとも1つの所定の動作を実行する。更に、先に説明したように、所定の動作のうち1つは、脱硫器/指標剤構体304の少なくとも1つの脱硫器の交換又は再生が必要であることを示すアラーム330などの信号を起動することを含む。脱硫器のうち少なくとも1つが待機中である間に別の脱硫器は動作するように、脱硫器/指標剤構体304が複数の脱硫器を含む場合、制御装置501により実行される所定の動作のうち1つは、動作中の別の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止すること及び待機モードにある脱硫器のうち1つの脱硫器を通過するように燃料の流れを方向転換することを含む。最後に、更なる所定の動作は、出力発生を制限するか、あるいはシステム300を0出力状態又は動作中待機モードにするように、燃料電池への燃料の流れを制限又は阻止することを含む。
【0065】
以上説明した例示的な実施形態及び以下に続く説明において、硫黄破過濃度を検出するために、担体混合物中の硫黄含有化合物の濃度がセンサ構体306bにより監視されるものと仮定する。しかし、以上の説明及び以下に続く説明は、硫黄含有量、すなわち硫黄破過がセンサ構体106bにより監視されている場合にも同等に適用される。図1のシステムの場合と同様に、所定の硫黄破過濃度は一般に30ppbv〜200ppbvの範囲である。
【0066】
先に述べたように、ある特定の実施形態において、脱硫器/指標剤構体304は少なくとも1つの脱硫床及び少なくとも1つの指標剤床を含む複数の脱硫器を含み、脱硫器のうち少なくとも1つが動作している間に他の1つ以上の脱硫器は待機モードとなるように脱硫器が互いに結合される。「進み遅れ」システムとして配置された多数の脱硫器を含む脱硫器構体の一例は、本出願と同一の譲受人に譲渡された米国特許第7,063,732号公報に開示されており、この脱硫器構体は、脱硫器ごとに少なくとも1つの指標剤床を含むように変形されてもよい。そのような実施形態において、脱硫器構体304は、少なくとも1つの脱硫器を通して燃料の流れを供給するために1つ以上の燃料流量制御部材(簡略化のため図示せず)を含む。
【0067】
それらの実施形態において、先に説明したように、センサ構体306bにより検出された硫黄破過濃度に基づいて、燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在すると制御装置が判定した場合、制御装置501は、動作中の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止又は制限し且つ待機中の他の脱硫器のうち少なくとも1つの脱硫器を通過するように燃料の流れを方向転換するために脱硫器/指標剤構体304の燃料流量制御部材を制御する所定の動作を実行する。制御装置501は、先に動作していた脱硫器の交換及び再生が必要であることを示すアラームなどの信号を起動する所定の動作を更に実行してもよい。ある特定の実施形態において、先に動作していた脱硫器を通過する燃料の流れが阻止された場合又は先に動作していた脱硫器の再生が必要であることを示す信号が起動された場合、制御装置501は、先に動作していた脱硫器の吸着剤を再生することにより脱硫器を自動的に再生する所定の動作を更に実行する。
【0068】
図4に示されるように、燃料電池システム300は、脱硫器/指標剤構体304の下流側に、燃料電池312に供給される燃料の流量を制御する第2の燃料流量制御部材307aを更に含む。ある特定の実施形態において、第2の燃料流量制御部材307aは、センサ構体306bにより検出された硫黄破過濃度に基づいて制御装置501により制御される。特に、センサ構体306bによる検出に基づいて燃料中に硫黄破過濃度が存在すると制御装置501が判定した場合、燃料電池312に供給される燃料の量及びシステム300により発生される電力の量を制限するように、制御装置501は、第2の燃料流量制御部材307aを通過する燃料の流れを制限又は阻止するために第2の燃料流量制御部材307aを制御する。そのような実施形態において、燃料中の所定の硫黄破過濃度に達した場合、制御装置501はシステムの動作を0出力モード又は動作中待機モードにするように第2の燃料流量制御部材307aを制御してもよい。
【0069】
図示されるように、燃料電池システム300は、第2の燃料流量制御部材307aの下流側にあって脱硫燃料を予熱する熱交換器308と、燃料を更に処理する燃料処理構体310と、アノード314及びカソード316を含む燃料電池312と、酸化構体318とを更に含む。脱硫器/指標剤構体304を通過した後、脱硫燃料は接続ライン307を使用して第2の燃料流量制御部材307aを経て供給される。第2の燃料流量制御部材307aを通過した脱硫燃料は熱交換器308へ供給され、熱交換器308において加熱加湿燃料を発生するために、燃料は水供給源322からの水と混合され且つ所定の温度まで加熱される。その後、加熱加湿燃料は、熱交換器308から接続ライン309を経て燃料処理構体310へ供給され、更に処理される。特に、処理構体310は、燃料から微量酸素成分を除去する脱酸素構体と、燃料電池312において使用するのに適する燃料を発生するために加熱加湿燃料の少なくとも一部を改質する前改質構体とを含んでもよい。
【0070】
処理構体310により処理された燃料は、接続ライン311を経て燃料電池312のアノード314へ供給され、そこでカソード316を通って流れる酸化性ガスと電気化学的に反応して電力を発生する。使用済み燃料は、反応生成物及び未反応燃料を含むアノード排気物としてアノード314から排出され、酸化構体318へ供給される。酸化構体318において、使用済み燃料は、空気供給源320からの空気と混合され且つ燃焼されて、カソード316において使用するのに適する酸化性ガスを発生する。使用済み酸化性ガスは、カソード排出物としてカソード316から排出され、脱硫燃料及び水を予熱するために熱交換器308へ送り出されてもよい。いくつかの実施形態において、カソード排出物の一部はカソード316へ再循環される。
【0071】
図5A〜図5Cは、図4の脱硫器/指標剤構体304の3つの例示的な実施形態を示す詳細図である。複合脱硫器/指標剤構体304の第1の例示的な実施形態を示す図5Aにおいて、構体304は、稼動中の燃料電池システム100に指標剤構体を配置できるように構成された入口402a及び出口402bを有する筐体402を含む。通常、入口402a及び出口402bは、燃料電池システムの隣接するラインの雄継手と係合するように構成された雌継手であってもよい。脱硫器/指標剤構体304は、脱硫剤物質404と、比色分析用吸着剤である指標剤物質405とを更に含む。脱硫剤物質404及び指標剤物質405は共に筐体402により収納される。
【0072】
筐体402は、指標剤物質405の特性の変化を検出可能であるように更に構成される。特に、筐体402は、センサ構体306bが指標剤物質の1つ以上の物理的特性の変化を検出可能であるように指標剤物質405の観察を可能にする手段を含む。いくつかの例示的な実施形態において、観察手段は、筐体402の外側から指標剤物質405を観察するための観察窓などの筐体402の透明又は半透明の窓から構成される。他の実施形態において、筐体402は外側筐体層と、外側筐体の内側に内側窓又は観察窓を形成するように透明又は半透明である指標剤物質405を収納する別の内側筐体層とを含む。いくつかの実施形態において、筐体402の外側から観察した場合に筐体402の中に収納された指標剤物質を観察できるように、筐体402は、石英、塩化ポリビニル(PVC)プラスチック、ポリメタクリル酸メチルプラスチック又は他のアクリル酸塩、あるいはポリカーボネートなどの透明又は半透明の材料から形成される。
【0073】
図示されるように、脱硫剤物質404は脱硫剤物質床の形で形成されてもよく、脱硫吸着剤を含む。しかし、脱硫剤物質404は燃料中の硫黄含有化合物を吸収する脱硫吸収剤を含んでもよいことが理解される。指標剤構体において使用される指標剤物質405は、指標剤床の形で形成されてもよく、硫黄含有化合物にさらされた場合に色などの少なくとも1つの物理的特性を変化させる物質を含む。図示される例示的な実施形態において、指標剤物質405は硫黄含有化合物にさらされた場合に色を変える比色分析用吸着剤を含む。先に図1及び図2に関して説明したように、適切な比色分析用吸着剤は、Tokyo Gas社より入手可能なFSK-A吸着剤、Molecular C-Chemより入手可能なAg400吸着剤、Tokyo Gas社より入手可能なTOSPIX 94吸着剤、BASF社より入手可能なF8-01(Desulf-2)吸着剤、Engelhard社(最近BASF社により買収された)製造のSelectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、又はTDA Research社製造のSulfaTrapTM-R6を含む。
【0074】
比色分析用指標剤物質の色の変化は、燃料中の種々の硫黄破過濃度を示し且つ所定の硫黄破過濃度に対応する所定の色と相関される。従って、図4のセンサ構体306bは指標剤物質405の色及び色の変化のうち少なくとも一方を検出し、制御装置501は検出された色又は検出された色の変化を種々の硫黄破過濃度と相関し且つ燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。ある特定の実施形態において、センサ構体306bは筐体402により収納された指標剤物質405の長さに沿って所定の間隔で配置された複数のセンサを含み、制御装置501は色変化の進行又は色変化の進行速度を判定し、従って、それに対応する硫黄破過濃度の進行速度を判定するために使用される。
【0075】
図5Aに示される第1の実施形態において、まず、化学的又は物理的な吸着又は吸収により燃料中の硫黄含有化合物を除去するために脱硫剤物質404を通して燃料が供給され、その後、燃料中に所定の濃度の硫黄破過が存在するか否かを判定するために比色分析用指標剤物質405を通して燃料が供給されるように、脱硫剤物質404及び比色分析用指標剤物質405は筐体402により収納される。いくつかの例示的な実施形態において、比色分析用指標剤物質405は、燃料が脱硫剤物質404を通って供給された後に脱硫燃料中の破過硫黄をすべて除去する比色分析用吸着剤を含む。従って、指標剤物質405は、破過硫黄が燃料電池に供給されるのを防止するための保護床として作用する。
【0076】
筐体402の寸法、並びに脱硫剤物質404及び指標剤物質405の体積は、システム300の燃料電池312の構成及びシステム300に供給される燃料の種類に応じて異なる。特に、筐体402の所望の寸法、特に筐体の長さと直径との比、並びに筐体402に収納される脱硫剤物質404及び指標剤物質405の体積は、構体304を通過する燃料の局部流れを排除し且つ所定の表面速度範囲及び滞留時間範囲の中で燃料を通過させるように最適化される。前述のように、脱硫器/指標剤構体304を通って流れる燃料の所定の表面速度及び空間速度は、システム300において使用される燃料の種類によって異なる。例えば、筐体の典型的な長さ対直径(L/D)比が3〜10の範囲である場合、35〜600 l/hrの範囲の空間速度及び0.06〜0.09ft/secの範囲の表面速度が望ましい。所望の空間速度及び長さ対直径比を表すこれらの数値は、図5A及び図5Bに示されるような筐体内部で組み合わされた2種類の吸着剤層、並びに図5Cに示されるような多重吸着剤層に関する。例えば、約12.4インチの内径及び約62インチの長さを有し、横断面面積は0.84ftであり、吸着剤の総体積は4.3ftであり且つL/D比は5.0である脱硫器/指標剤構体304を通して43scfmの流量で天然ガス燃料が供給される場合、600 l/hrの空間速度及び0.9ft/secの表面速度という高い空間速度及び表面速度を実現できる。例えば、約23.1インチの内径及び約70インチの長さを有し、横断面面積は2.9ftであり、吸着剤の総体積は17ftであり且つL/D比は3.0である脱硫器/指標剤構体304を通して10scfmの流量でプロパンガス燃料が供給される場合、35 l/hrの空間速度及び0.06ft/secの表面速度という低い空間速度及び表面速度を実現できる。
【0077】
図5Bは、図4のシステム300の脱硫器/指標剤構体304の第2の実施形態を示す。図5Aの第1の実施形態の場合と同様に、図5Bの脱硫器/指標剤構体304は、指標剤構体を稼動中の燃料電池システム300の内部に配置できるように構成された入口402a及び出口402bを有する筐体402を含む。脱硫器/指標剤構体304は、指標剤床の形で設けられてもよい指標剤物質405と、脱硫剤物質床の形で設けられてもよい脱硫剤物質404とを更に含む。先に第1の実施形態に関して説明したように、指標剤構体は指標剤物質405の特性を検出可能であるように更に構成される。特に、筐体402は指標剤物質405を観察できるように透明又は半透明の材料から形成されるか、又は指標剤物質405の物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体306bが検出可能であるような観察手段を含むかのいずれかである。観察手段は、筐体402の外側から指標剤物質405を観察できるようにするための筐体の少なくとも1つの観察窓、あるいは透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓を具備してもよい。
【0078】
図5Bに示される第2の実施形態において、入口402aを経て構体304に流入した燃料が、まず指標剤物質405を通って供給されるように、指標剤物質405は筐体402の中に収納される。特に、指標剤物質405は、物理的又は化学的な吸着又は吸収により燃料中の硫黄含有化合物を除去する主吸着剤又は主吸収剤を含む。同時に、指標剤物質405が硫黄含有化合物にさらされた場合、その物理的特性のうち少なくとも1つの特性を変化させる。例示的な本実施形態において、指標剤物質405は、硫黄含有化合物にさらされた場合に硫黄含有化合物を吸着し且つ徐々に色を変える比色分析用吸着剤を含む。第1の実施形態の場合と同様に、適切な比色分析用吸着剤はFSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、F8-01(Desulf-2)吸着剤又はSulfaTrapTM-R6吸着剤を含む。
【0079】
指標剤物質の色及び/又は色の変化は、燃料中の硫黄濃度を示し且つ硫黄濃度に相関され、所定の1つの色は所定の硫黄濃度に対応する。指標剤物質405は主硫黄吸着剤又は主硫黄吸収剤であるので、指標剤物質405の色の変化は最も高い濃度の硫黄含有化合物にさらされる筐体の入口402a付近の指標剤物質の第1の端部405aで最大になる。第1の端部405aの反対側にあり、入口402aから最も遠い位置にある第2の端部405bにおいて、指標剤物質405の色変化は最小になる。これは、第1の端部405aに近接して配置された指標剤物質405により硫黄含有化合物の大半がすでに除去されてしまっているからである。
【0080】
先に述べたように、図4のセンサ構体306bは、指標剤物質405の色及び色の変化のうち少なくとも一方を検出し、制御装置501は、検出された色及び/又は検出された色変化を燃料中の硫黄含有化合物の濃度と相関し、燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。例示的な本実施形態において、燃料中の硫黄含有化合物の大半は第1の端部405aに近接する指標剤物質405により除去され、第2の端部405b又はその付近にある指標剤物質405の部分は脱硫が完了した燃料又はほぼ脱硫された状態の燃料にさらされるので、センサ構体306bは指標剤物質の第2の端部405b又はその付近にある指標剤物質の色及び/又は色の変化を検出するのが望ましい。第1の実施形態の場合と同様に、いくつかの例示的な実施形態において、指標剤物質の色変化の進行又は進行速度並びにそれに対応した燃料中の硫黄破過濃度の進行及び進行速度を制御装置501が判定できるように、センサ構体306bは指標剤物質405の長さに沿って、すなわち第1の端部405aから第2の端部405bまで所定の間隔で配置された複数のセンサを含む。
【0081】
図5Bに示されるように、本実施形態における脱硫剤物質404は、燃料が指標剤物質405を通過した後に脱硫剤物質404を通って供給されるように筐体402により収納される。従って、脱硫剤物質404は、硫黄含有化合物が燃料電池に供給されるのを防止するために指標剤物質405から出た燃料の中の破過硫黄をすべて除去する保護床として作用する。第1の実施形態の場合と同様に、脱硫剤物質404は、燃料中の硫黄含有化合物を化学的又は物理的に吸着又は吸収する脱硫吸着剤又は脱硫吸収剤を含む。
【0082】
前述のように、筐体402の寸法並びに脱硫剤物質及び指標剤物質405の体積は、燃料電池312の構成及びシステム300に供給される燃料の種類に応じて異なる。
【0083】
図4のシステム300の脱硫器/指標剤構体304の第3の実施形態が図5Cに示される。図示されるように、脱硫器/指標剤構体304は、稼動中の燃料電池システム300に指標剤構体を配設できるように構成された入口402a及び出口402bを有する筐体402を含む。構体304は、複数の脱硫剤物質床404として配置された脱硫剤物質と、複数の指標剤床405として配置された指標剤物質405とを更に含む。第1の実施形態及び第2の実施形態の場合と同様に、脱硫器/指標剤構体は指標剤物質405の特性を検出可能であるように更に構成される。特に、筐体402は、指標剤物質405を観察できるように透明又は半透明の材料から形成されるか、又は指標剤床の物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体306bが検出可能であるようにするための観察手段を含む。特に、いくつかの例示的な実施形態において、筐体402は筐体402の外側から指標剤床405を観察できるように、1つ以上の観察窓などの筐体402に形成された1つ以上の透明又は半透明の窓を含む。他の例示的な実施形態において、筐体は外側筐体層と、透明又は半透明であり且つ外側筐体の中に1つ以上の内側窓又は観察窓を形成するように指標剤床405を収納する内側筐体層とを含み、指標剤物質405は、筐体402の面を通して監視されるか、あるいは指標剤物質405の色又は色の変化を伝送するための筐体内部の光ファイバケーブルによって監視されてもよい。
【0084】
図5Cに示されるように、脱硫剤物質床404及び指標剤床405は、隣接する脱硫剤物質床404が少なくとも1つの指標剤床405により分離されるように配列される。図5Cは、入口402aを経て筐体402に流入した燃料が指標剤床405を通過する前に、まず第1の脱硫剤物質床404を通り、燃料が出口402bから流出する前に最後の脱硫剤物質床404を通過するような構成を示すが、脱硫剤物質床404及び指標剤床405の配列が変更されてもよいことは理解される。従って、例えば、筐体402に流入した燃料は第1の脱硫剤物質床404を通過する前に、まず第1の指標剤床405を通ってもよく且つ/又は出口402bから流出する前に、燃料は最後の指標剤床405を通過してもよい。更に、脱硫剤物質床404及び指標剤床405の数及び大きさは単なる例であり、システム300に供給される燃料及びシステム300の構成に応じて変更されてもよい。また、例えば入口402aに近接しているほうの脱硫剤物質床404が出口402bに近い脱硫剤物質床404より大きくなるように、各脱硫器/指標剤構体は、大きさの異なる脱硫剤物質床404及び/又は指標剤床405を含んでもよい。
【0085】
各脱硫剤物質床404は、燃料中の硫黄含有化合物を化学的又は物理的に吸着又は吸収する吸着剤物質又は吸収剤物質を含む。各指標剤床405は、硫黄含有化合物にさらされた場合に色などの物理的特性のうち少なくとも1つの特性を変化させる指標剤物質を含む。例示的な本実施形態において、指標剤物質は硫黄含有化合物にさらされた場合に徐々に色を変える比色分析用吸着剤である。初めの2つの実施形態の場合と同様に、適切な比色分析用吸着剤は、Tokyo Gas社より入手可能なFSK-A吸着剤、Molecular C-Chem社より入手可能なAg400吸着剤、Tokyo Gas社より入手可能なTOSPIX 94吸着剤、Engelhard社(最近BASF社により買収された)製造のSelectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、BASF製造のF8-01(Desulf-2)吸着剤又はTDA Research製造のSulfaTrapTM-R6吸着剤を含む。前述のように、F8-01(Desulf-2)吸着剤を指標剤物質として採用するある特定の実施形態において、F8-01(Desulf-2)吸着剤は、脱硫剤物質床404を形成するBASF社より入手可能なF3-01吸着剤などのDesulf-1吸着剤と共に使用されてもよい。
【0086】
先に説明したように、指標剤物質の色の変化は、燃料中の様々に異なる硫黄破過濃度を示し且つそれらの硫黄破過濃度と相関され、所定の色は1つの所定の硫黄破過濃度に対応する。図5Cに示される脱硫器/指標剤構体を採用する図4の実施形態において、センサ構体306bは複数のセンサを含み、指標剤床の1つに対応する各センサは、各指標剤床405における指標剤物質の色及び色の変化のうち少なくとも一方を検出する。制御装置501は、検出された色又は検出された色変化を硫黄化合物の異なる濃度と相関し、その検出に基づいて複数の所定の場所のうち任意の1つの場所で燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。制御装置501は、色変化の進行又は色変化の進行速度を判定し、それに対応する硫黄破過濃度の進行速度を判定するために使用されてもよい。
【0087】
図5A〜5Cに示される複合脱硫器/指標剤構体304の実施形態は単なる例であり、筐体内部における脱硫剤物質及び指標剤物質の配置は所望の動作及び硫黄破過検出を実現するように変更されてもよいことが理解される。更に、前述のように、脱硫器/指標剤構体304は図5A〜図5Cに示されるように、燃料流量制御部材を使用して「進み遅れ」配列で並列に接続された複数の脱硫器を含んでもよい。その場合、脱硫器のうち少なくとも1つが動作中である間、他の少なくとも1つの脱硫器は待機モードにある。従って、燃料中に所定の濃度の硫黄破過が存在すると制御装置501が判定した場合、制御装置501は、動作中である少なくとも1つの脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ待機中である他の少なくとも1つの脱硫器を燃料が通過するように燃料の流れの方向を転換するために燃料流量制御部材を制御する。
【0088】
指標剤構体106a、206a及び304における指標剤物質の特性の変化の検出はセンサにより実行されるものとして示されたが、システムのオペレータが指標剤構体を観察することにより特性の変化を検出可能であることは本発明の意図の範囲内である。観測された変化が硫黄破過又は破過濃度を示す場合、オペレータは、例えばアラームを鳴らすなどの所定の動作を実行できる。更に、図3Bのシステムにおいて、システム100の動作中に時間的に間隔をおいて指標剤構体206aを通過する燃料の流れが起こるように制御可能であることも本発明の意図の範囲内である。
【0089】
先に述べたように、図3A及び図3Bに示されるセンサ構体の代わりに、指標剤物質の画像を取り込み、それらの画像をオペレータステーション610にいるオペレータ610Aへ中継するカメラ又はウェブカムなどの撮像装置が使用されてもよい。オペレータはそれらの画像を検討し、脱硫燃料の中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。図6は、撮像装置を採用する監視構体のそのような一実施形態を示した概略図である。
【0090】
図6に示されるように、監視構体606は、脱硫器604を出た脱硫燃料のすべて又は一部を受け入れるように構成された指標剤構体606aと、少なくとも1つの画像撮像装置606bとを含む。指標剤構体606aの構成は、図2に示され且つ先に説明された指標剤構体の構成とほぼ同一である。特に、指標剤構体606aは、燃料中の硫黄含有化合物にさらされた場合に色を変える指標剤物質606a1と、指標剤物質606a1を収納する筐体606a2とを含む。画像撮像装置606bにより筐体606a2の中に収納された指標剤物質606a1を観察できるように、筐体606a2は透明であるか又は少なくとも1つの透明観察窓を含む。先に実施例1又は実施例2において説明した指標剤構体は、図6の監視構体において使用するのに適する。
【0091】
画像撮像装置606bは、指標剤物質のカラー画像を取り込み且つ取り込まれた画像を遠隔場所のオペレータへ中継することが可能なカメラ又はウェブカムを具備する。画像撮像装置はUL又はCSA公認であり、24VDC入力を含み且つ取り込み画像の遠隔場所からの閲覧又はアクセスが可能であるようにインターネットに接続できることが望ましい。例えば、オプションの一体型LEDリングを有するCognex Model 5100C 1/3”CCDカメラは、本実施形態において使用するのに適する画像撮像装置である。
【0092】
図示されるように、画像撮像装置606bは、透明筐体606a2の外側壁に隣接して又はその付近に配置されるか、あるいは筐体の観察窓に隣接して又はその付近に配置される。画像撮像装置606bが指標剤物質606a1の画像を取り込み可能であるように、筐体又は観察窓を通して指標剤物質を観察できる。ある特定の実施形態において、監視構体606は、指標剤物質606a1を観察できる透明筐体606a2の外側壁に隣接して又はその付近に配置され且つ筐体606a2の長さに沿って所定の間隔で位置決めされた複数の画像撮像装置606a2を含む。複数の画像撮像装置606bは、透明筐体606a2の長さに沿った指標剤物質604の色変化の進行又は進行速度を示すように筐体の長さに沿って指標剤物質の画像を取り込む。
【0093】
更に図6に示されるように、指標剤構体を通過した後、脱硫燃料は熱交換器608に向かう脱硫燃料の流れの流量を制御する第2の流量制御部材607aを通過するように接続ライン607により供給される。別の実施形態において、脱硫燃料の第1の部分は指標剤構体を通過するが、残る脱硫燃料は接続ライン609を通って流れる。指標剤構体を通過した後、脱硫燃料の第1の部分は、第2の流量制御部材607aを通過するように接続ライン607により供給され、その後ライン609の脱硫燃料部分と混合される。次に、混合された脱硫燃料は熱交換器608へ供給される。先に説明したように、脱硫燃料は熱交換器608において予熱され、その後処理構体及び燃料電池に供給される。監視構体606、燃料流量制御部材603a及び脱硫器構体604の動作は、制御装置501により制御されると共に、オペレータステーション610を介してオペレータ601Aにより制御される。制御装置501は、直接接続、無線回路網、セキュリティ保護されたインターネット又はイントラネット接続又は他の任意の適切な回路網などの任意の適切な従来の通信手段611を使用して、画像撮像装置606bと通信している。オペレータステーション610のオペレータ610Aも、従来の通信手段612を介して制御装置501及び/又は画像撮像装置606bと通信している。例えば、オペレータステーション610が遠隔場所にある場合、オペレータステーションにおいて画像撮像装置606bのIPアドレスをダイヤルすることによりオペレータ610Aと画像撮像装置との接続が可能になるように、オペレータはセキュリティ保護されたインターネット又はイントラネット接続を介して制御装置501及び画像撮像装置606bと通信してもよい。また、図6に示されるように、オペレータ610Aは、オペレータステーション610及び通信手段613を介して画像撮像装置606bと直接通信してもよい。更に、オペレータ610Aが脱硫器604及び流量制御部材603aを直接制御できるように、オペレータ610Aは、オペレータステーション610及び通信手段614及び615を介して脱硫器構体604及び流量制御部材603aと直接通信してもよい。
【0094】
特に、画像撮像装置606bは、所定の時点で指標剤物質の画像を取り込むために直接制御されるか又は制御装置501を介して制御される。例示的な本実施形態において、所定の量の脱硫燃料に対して画像撮像装置606bが指標剤物質の少なくとも1つの画像を取り込むように、指標剤構体606aを通過する脱硫燃料の量に基づいて判定された所定の時点で指標剤物質の少なくとも1つの画像を取り込むために画像撮像装置606bは制御される。指標剤構体606aを通過する燃料の量は、第2の燃料流量制御部材607aの一部である流量計を使用して測定されてもよい。他の実施形態において、制御装置501は、所定の時間間隔で指標剤物質の少なくとも1つの画像を取り込むように少なくとも1つの画像撮像装置606bを制御する。
【0095】
画像撮像装置606bが指標剤物質604の少なくとも1つの画像を取り込んだ後、指標剤物質の少なくとも1つの画像は、オペレータステーション610へ直接供給されるか又は制御装置501を介して供給され、オペレータ610Aは画像を検討する。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの画像が制御装置によりオペレータステーション610へ中継された場合、少なくとも1つの画像が供給されたことをオペレータに通知し且つオペレータにその少なくとも1つの画像を検討することを要求するために、制御装置501はアラームを更に起動する。ある特定の実施形態において、画像撮像装置606bが指標剤物質606a1の少なくとも1つの画像を取り込んだ場合、画像撮像装置606bの内部又は外部に設けられた記憶媒体(図面を簡略且つ明確にするために図示せず)に画像は格納され、オペレータ610Aが画像を検討できる状態になっていること及びオペレータ610Aが記憶媒体から画像をアクセス可能であることをオペレータに警告するために、制御装置501はアラームを起動する。オペレータは監視構体の付近にいてもよいし、あるいは遠隔場所にいてもよく、画像撮像装置により取り込まれた画像はオペレータステーション610にいるオペレータ610Aへ供給されてもよいし、あるいはオペレータがオペレータステーション610から画像をアクセスし、検討してもよいことが理解される。
【0096】
取り込まれた画像を受信又はアクセスした後、オペレータ610Aは画像を検討し、画像中に示される指標剤物質の色及び/又は色変化及び色と硫黄破過濃度との相関に基づいて脱硫燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するか否かを判定する。燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在するとオペレータ610Aが判定した場合、オペレータ610Aは、1つ以上の所定の機能を実行するようにオペレータステーションを介して制御装置501に命令する。いくつかの実施形態において、脱硫燃料中に所定の硫黄破過濃度が存在すると判定した後、オペレータ610Aは、通信手段614及び615を介して制御装置501に1つ以上の所定の機能を実行させる代わりに、1つ以上の所定の機能の実行を直接開始してもよい。
【0097】
脱硫燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するとオペレータ610Aが判定した場合、制御装置501により実行されるか又はオペレータ610Aにより直接開始される所定の動作は、脱硫器構体604の交換又は再生が必要であることを示す信号を起動すること及び/又はシステムへの燃料の供給を減少し且つシステムの出力を低下することによりシステムの動作を低出力状態又は動作中待機状態にするように燃料電池112への燃料の流れを阻止又は制限するために燃料流量制御弁603aを制御することを含む。
【0098】
先に説明したように、燃料が少なくとも1つの脱硫器を通過している間にその他の脱硫器のうち少なくとも1つの脱硫器が待機状態にあるように、脱硫器構体604が複数の脱硫器を含む場合、動作中の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ待機モードにある他の脱硫器のうち少なくとも1つの脱硫器を通過するように燃料の流れを方向転換するために、オペレータ610Aからの命令を受信した後に制御装置501が脱硫器構体604を制御するか、又はオペレータ610Aが脱硫器構体604を直接制御する。この場合、制御装置501又はオペレータ610Aは先に動作していた脱硫器の交換又は再生が必要であることを示す信号を更に起動してもよい。
【0099】
尚、図1、図3A、図3B、図4及び図6の実施形態で使用される制御装置501は、GE Fanuc製造の従来のPLC(プログラマブルロジックコントローラ‐本質的に信頼性の高いロバストコンピュータ)であってもよい。実施形態に使用される制御プログラムは、同様にGE Fanuc社により製造され、産業オートメーションの目的でGE Fanuc社製PLCにおいて実現可能である「Versapro」と呼ばれるソフトウェア製品であってもよい。
【0100】
いずれにせよ、以上説明した構成は、本発明の用途を表現する多くの可能な特定の実施形態の例を示しているにすぎないことが理解される。本発明の真の趣旨から逸脱せずに、本発明の原理に従って多くの多様な他の構成を容易に考案できる。例えば、硫黄破過濃度の更に精密な判定を実現し且つ監視構体の信頼性を向上するために、監視構体は、対応するセンサ構体と並列に且つ/又は直列に接続された複数の指標剤構体を含んでもよい。そのような構成において、監視構体の異なる指標剤構体においてそれぞれ異なる指標剤物質を使用することにより、硫黄破過濃度の判定の精度を更に改善してもよい。監視構体の中の指標剤構体の数及び配置を最適にするように、本発明の監視構体構成の種々の他の変形が実施されてもよい。更に、本発明の指標剤構体において、先に説明した指標剤物質の代わりに他の指標剤物質が使用されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムにおいて使用するための燃料に含まれる硫黄含有化合物を監視して検出する監視構体であって、
前記燃料が通過する指標剤構体を具備し、
前記指標剤構体は、
指標剤物質と、
前記指標剤物質を収納する筐体と
を含み、
前記筐体は、前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置されるように構成されており、
前記指標剤物質は、稼動中の前記燃料電池システムに前記筐体が配置されると、前記燃料電池システムにおける前記燃料の中の硫黄含有化合物に前記指標剤物質がさらされたときに前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、
前記指標剤構体が前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出可することを特徴とする監視構体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み且つ前記筐体の少なくとも一部は透明であり、前記硫黄含有化合物の所定の濃度が前記指標剤物質の所定の1つの色に対応することを特徴とする請求項1記載の監視構体。
【請求項3】
前記指標剤物質は、FSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、F8-01吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項2記載の監視構体。
【請求項4】
前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性を検出すること及び前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性の変化を検出することのうち少なくとも一方を実行するセンサ構体を更に具備することを特徴とする請求項1記載の監視構体。
【請求項5】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記硫黄含有化合物の所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応し、
前記筐体の少なくとも一部は透明であり、
前記センサ構体は色検出光電センサを具備し、前記センサ構体が前記指標剤物質の前記色及び前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の監視構体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記硫黄含有化合物の所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応し、
前記筐体は不透明であり、
前記センサ構体は光ファイバセンサを具備し、前記センサ構体が前記指標剤物質の前記色及び前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の監視構体。
【請求項7】
前記指標剤物質は、FSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、F8-01吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項5記載の監視構体。
【請求項8】
前記筐体は透明PVC材料から形成され且つ10インチの直径を有し、
前記指標剤材料はFSK-A吸着剤を含み且つ前記筐体の中に収納された0.55ftの体積を有し、
前記監視構体は、前記筐体の中に前記筐体の入口に隣接し且つ前記筐体の出口に隣接して配置された無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方を更に具備し、前記指標剤物質が前記無反応性支持スクリーン及び前記無反応性支持物質のうち少なくとも一方により前記筐体の中に保持されることを特徴とする請求項7記載の監視構体。
【請求項9】
前記燃料はHD-5プロパン燃料及び天然ガス燃料のうち少なくとも一方を含み、
前記燃料は、所定の流量、所定の表面速度及び所定の空間速度で前記指標剤構体を通過し、
前記燃料がHD-5プロパン燃料を含む場合、前記所定の流量は15scfm以下であり、前記所定の表面速度は0.46ft/s以下であり且つ前記所定の空間速度は0.46/s以下であり、
前記燃料が天然ガス燃料を含む場合、前記所定の流量は40scfm以下であり、前記所定の表面速度は1.22ft/s以下であり且つ前記所定の空間速度は1.22/s以下であることを特徴とする請求項8記載の監視構体。
【請求項10】
前記筐体は透明石英材料から形成され且つ0.25インチから1.5インチの直径を有し、
前記指標剤物質は、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、F8-01吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち少なくとも1つを含み且つ前記筐体の中に収納された0.3inから18.3inの体積を有し、
前記監視構体は、前記筐体の中に前記筐体の入口に隣接し且つ前記筐体の出口に隣接して配置された無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方を更に具備し、前記指標剤物質が前記無反応性支持スクリーン及び前記無反応性支持物質のうち少なくとも一方により前記筐体の中に保持されることを特徴とする請求項7記載の監視構体。
【請求項11】
前記指標剤物質は、前記燃料から前記硫黄含有化合物を除去するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の監視構体。
【請求項12】
前記指標剤構体は、前記筐体の中に前記筐体の入口に隣接し且つ前記筐体の出口に隣接して配置された無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方を具備し、前記指標剤物質が前記無反応性スクリーン及び前記無反応性支持物質のうち少なくとも一方により前記筐体の中に保持されることを特徴とする請求項1記載の監視構体。
【請求項13】
前記無反応性支持スクリーン及び前記無反応性支持物質のうち少なくとも一方は、ポリプロピレン及びステンレス鋼を含むことを特徴とする請求項12記載の監視構体。
【請求項14】
前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化に基づいて、前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合に所定の動作を実行する制御装置を更に具備することを特徴とする請求項1記載の監視構体。
【請求項15】
前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性を検出すること及び前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化を検出することのうち少なくとも一方を実行するセンサ構体を更に具備し、
前記制御装置は、前記センサ構体による検出に基づいて前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在することを判定し且つ前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在する場合に所定の動作を実行することを特徴とする請求項14記載の監視構体。
【請求項16】
前記制御装置は、前記燃料電池システムを制御する制御装置としても機能することを特徴とする請求項14記載の監視構体。
【請求項17】
前記監視構体は、前記燃料電池システムの脱硫器構体を前記燃料が通過した後に前記燃料の中の硫黄含有化合物を検出し、前記脱硫器構体は、前記脱硫器構体を通過する前記燃料の流量を制御する複数の燃料流量制御部材を具備し、前記燃料中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在する場合に前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動すること及び前記複数の燃料流量制御部材を制御することのうち少なくとも一方であることを特徴とする請求項16記載の監視構体。
【請求項18】
前記脱硫器構体は、第1の脱硫器及び第2の脱硫器を少なくとも含み、前記第1の脱硫器は前記第2の脱硫器と並列に結合され、
前記燃料が前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち一方の脱硫器を通過する間に前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち他方の脱硫器は待機モードにあるように、前記複数の燃料流量制御部材は、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器を通過する燃料の流れを制御し、
前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を出た前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、前記制御装置により実行される前記所定の動作は、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるように前記複数の燃料流量制御部材を制御することを含むことを特徴とする請求項17記載の監視構体。
【請求項19】
前記燃料の中の硫黄含有化合物の前記所定の濃度は30ppbv以上であることを特徴とする請求項17記載の監視構体。
【請求項20】
前記指標剤構体の前記筐体の長さに沿って配置された複数のセンサを有するセンサ構体を更に具備し、前記制御装置は、前記センサ構体の前記複数のセンサによる検出に基づいて前記筐体の前記長さに沿った硫黄含有化合物の濃度の進行速度を判定し且つ前記進行速度に基づいて所定の時間のうちに前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が現れるか否かを判定することを特徴とする請求項14記載の監視構体。
【請求項21】
前記制御装置により実行される前記所定の動作はアラームを起動することであることを特徴とする請求項14記載の監視構体。
【請求項22】
前記燃料電池システムは、燃料電池と、前記監視構体の下流側にあって前記燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材とを具備し、且つ前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動すること及び前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するように前記燃料供給制御部材を制御することのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項14記載の監視構体。
【請求項23】
前記監視構体は、前記燃料電池システムの脱硫器構体を前記燃料が通過した後に前記燃料の中の硫黄含有化合物を検出し、
脱硫器構体は、互いに並列に結合された少なくとも第1の脱硫器及び第2の脱硫器を具備し、前記燃料が前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち一方の脱硫器を通過する間に前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち他方の脱硫器は待機モードにあるように、複数の燃料流量制御部材は、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器を通過する燃料の流れを制御し、
前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を出た前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、前記制御装置により実行される前記所定の動作は、
アラームを起動するステップと、
前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する前記燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるように前記複数の燃料流量制御部材を制御するステップと、
前記燃料電池への前記燃料の流れを阻止又は制限するように前記燃料供給制御部材を制御するステップと
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項22記載の監視構体。
【請求項24】
前記筐体は、前記指標剤物質を観察できるようにするための透明又は半透明の材料、前記指標剤物質の物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体及びオペレータのうち一方が検出可能であるようにするための観察手段のうち1つ以上を含み、前記観察手段は、前記筐体の外側から前記指標剤物質を観察できるようにするための前記筐体の観察窓及び透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓のうち少なくとも一方を具備することを特徴とする請求項1記載の監視構体。
【請求項25】
燃料中の硫黄含有化合物を検出する燃料電池システムにおいて使用するための監視構体であって、
前記燃料が少なくとも1つを通過する複数の指標剤構体を具備し、各指標剤構体は、指標剤物質と、前記指標剤物質を収納する筐体とを含み、各指標剤構体の前記筐体は、前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置されるように構成され且つ各指標剤構体の前記筐体の中の前記指標剤物質は、稼動中の前記燃料電池システムに前記筐体が配置されると、前記指標剤物質が前記燃料電池システムの前記燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、各指標剤構体が前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成される燃料電池システムにおいて使用するたことを特徴とする監視構体。
【請求項26】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み且つ各指標剤構体の前記筐体の少なくとも一部は透明であり、前記硫黄含有化合物の所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応することを特徴とする請求項25記載の監視構体。
【請求項27】
各指標剤構体の前記指標剤物質は、FSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、F8-01吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項26記載の監視構体。
【請求項28】
前記燃料が前記複数の指標剤構体のうち1つの指標剤構体をまず通過し、その後前記複数の指標剤構体のうち別の指標剤構体を通過するように、前記複数の指標剤構体のうち前記1つの指標剤構体は、少なくとも前記複数の指標剤構体のうち前記別の指標剤構体と直列に結合されるか、又は前記燃料が前記複数の指標剤構体のうち前記1つの指標剤構体を通過するのと同時に前記複数の指標剤構体のうち別の指標剤構体を通過するように、前記複数の指標剤構体のうち前記1つの指標剤構体は前記複数の指標剤構体のうち前記別の指標剤構体と並列に結合されるかのいずれかであることを特徴とする請求項26記載の監視構体。
【請求項29】
前記複数の指標剤構体のうち前記1つの指標剤構体の前記指標剤物質は第1の指標剤物質を含み且つ前記複数の指標剤構体のうち前記別の指標剤構体の前記指標剤物質は、前記第1の指標剤物質とは異なる第2の指標剤物質を含むことを特徴とする請求項28記載の監視構体。
【請求項30】
前記複数の指標剤構体に対応し、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色を検出すること及びそれぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色の変化を検出することのうち少なくとも一方を実行する複数のセンサ構体を更に具備することを特徴とする請求項26記載の監視構体。
【請求項31】
各センサ構体は、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色及び前記それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成された色検出光電センサを具備することを特徴とする請求項30記載の監視構体。
【請求項32】
少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記指標剤構体の前記筐体は不透明であり且つ各センサ構体は、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色及び前記それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成された光ファイバセンサを具備し、前記硫黄含有化合物の所定の濃度が前記指標剤物質の所定の1つの色に対応することを特徴とする請求項25記載の監視構体。
【請求項33】
各センサ構体は、それぞれ対応する指標剤構体の前記筐体の長さに沿って配置された複数のセンサを具備し、各センサは、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色及びそれぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項30記載の監視構体。
【請求項34】
少なくとも1つの前記指標剤構体の前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化に基づいて、前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合に所定の動作を実行する制御装置を更に具備することを特徴とする請求項25記載の監視構体。
【請求項35】
前記複数の指標剤構体に対応し、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色を検出すること及びそれぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記色の変化を検出することのうち少なくとも一方を実行する複数のセンサ構体を更に具備し、
前記制御装置は、前記複数のセンサ構体のうち少なくとも1つのセンサ構体による検出に基づいて前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在することを判定し且つ前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在する場合に前記所定の動作を実行することを特徴とする請求項34記載の監視構体。
【請求項36】
各センサ構体は、それぞれ対応する指標剤構体の前記筐体の長さに沿って配置された複数のセンサを具備し、各センサは、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の色及びそれぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成される光電センサであり、
前記制御装置は、各センサ構体の前記複数のセンサによる前記検出に基づいてそれぞれ対応する指標剤構体の前記筐体の前記長さに沿った硫黄含有化合物の濃度の進行速度を判定し、且つ前記進行速度に基づいて所定の時間のうちに前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が現れるか否かを判定することを特徴とする請求項35記載の監視構体。
【請求項37】
前記制御装置は、前記燃料電池システムを制御する制御装置としても機能することを特徴とする請求項34記載の監視構体。
【請求項38】
前記所定の動作は、アラームを起動するステップを含むことを特徴とする請求項37記載の監視構体。
【請求項39】
前記燃料電池システムは、前記監視構体の下流側に、前記燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材を具備し、前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動すること及び前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するために前記燃料供給制御部材を制御することのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項37記載の監視構体。
【請求項40】
前記監視構体は、前記燃料電池システムの脱硫器構体を前記燃料が通過した後に前記燃料の中の硫黄含有化合物を検出し、前記脱硫器構体は少なくとも第1の脱硫器及び第2の脱硫器を具備し、前記第1の脱硫器は前記第2の脱硫器と並列に結合され、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち一方の脱硫器を前記燃料が通過する間に前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち他方の脱硫器は待機モードにあるように、複数の燃料流量制御部材は、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器を通過する燃料の流量を制御し、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を出た前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動すること及び前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるために前記複数の燃料流量制御部材を制御することのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項39記載の監視構体。
【請求項41】
前記燃料電池システムは、前記監視構体の下流側に、前記燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材を更に具備し、且つ前記制御装置により実行される前記所定の動作は、
アラームを起動するステップと、
前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するために前記燃料供給制御部材を制御するステップと、
前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるために前記複数の燃料流量制御部材を制御するステップと
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項40記載の監視構体。
【請求項42】
前記燃料の中の硫黄含有化合物の前記所定の濃度は30ppbv以上であることを特徴とする請求項40記載の監視構体。
【請求項43】
各監視構体の前記筐体は、
前記監視構体の前記指標剤物質を観察できるような透明又は半透明の材料、前記監視構体の前記指標剤物質の前記物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体及びオペレータのうち一方が検出可能であるようにするための観察手段のうち1つ以上を具備し、前記観察手段は、前記筐体の外側から前記監視構体の前記指標剤物質を観察できるようにするための前記筐体の観察窓及び透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓のうち少なくとも一方を具備することを特徴とする請求項25記載の監視構体。
【請求項44】
燃料を受け入れるように構成されたアノード及び酸化性ガスを受け入れるように構成されたカソードを含む燃料電池と、
燃料電池システムの1つ以上の構成要素を制御する制御装置と、
前記燃料の中の硫黄含有化合物を検出する監視構体とを具備し、
前記監視構体は前記燃料を通過させる指標剤構体を具備し、前記指標剤構体は指標剤物質と、前記指標剤物質を収納する筐体とを含み、前記筐体は、前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置され且つ指標剤物質は、前記指標剤物質が前記燃料電池システムの前記燃料の中の硫黄含有化合物にさらされた場合に前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、前記指標剤構体が前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成されていることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項45】
燃料供給源から燃料を受け入れ且つ前記燃料電池の前記アノードに適する燃料を発生するために前記燃料から硫黄含有化合物を除去する脱硫器構体を更に具備し、
前記監視構体は前記脱硫器構体を通過した後の前記燃料を受け入れることを特徴とする請求項44記載の燃料電池システム。
【請求項46】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み且つ前記筐体の少なくとも一部は透明であり、前記硫黄含有化合物の所定の濃度が前記指標剤物質の所定の1つの色に対応することを特徴とする請求項45記載の燃料電池システム。
【請求項47】
前記指標剤物質はFSK‐A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、F8‐01吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG‐2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項46記載の燃料電池システム。
【請求項48】
前記監視構体は、前記指標剤物質の前記物理的特性を検出すること及び前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出することのうち少なくとも一方を実行するセンサ構体を更に具備することを特徴とする請求項46記載の燃料電池システム。
【請求項49】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記硫黄含有化合物の前記所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応し、
前記筐体の少なくとも一部は透明であり、
前記センサ構体は色検出光電センサを具備し、前記センサ構体は前記指標剤構体の前記色及び前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項48記載の燃料電池システム。
【請求項50】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記硫黄含有化合物の前記所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応し、
前記筐体は不透明であり、
前記センサ構体は光ファイバセンサを具備し、前記センサ構体が前記指標剤構体の前記色及び前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項48記載の燃料電池システム。
【請求項51】
前記指標剤物質はFSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、F8-01吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項49記載の燃料電池システム。
【請求項52】
前記指標剤構体は、前記脱硫器構体からの前記脱硫燃料のすべてを受け入れるように構成され、
前記指標剤構体の前記筐体は透明PVC材料から形成され且つ10インチの直径を有し、
前記指標剤物質は、前記筐体内部に収納された0.55ftの体積を有するFSK-A吸着剤を含み、
前記監視構体は、前記筐体の中に前記筐体の入口に隣接し且つ前記筐体の出口に隣接して配置された無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方を更に具備し、前記指標剤物質が前記無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方により前記筐体の中に保持されることを特徴とする請求項51記載の燃料電池システム。
【請求項53】
前記指標剤構体は、前記脱硫器構体からの前記脱硫燃料の一部を受け入れるように構成され、
前記指標剤構体の前記筐体は透明石英材料から形成され且つ0.25インチから1.5インチの直径を有し、
前記指標剤物質はAg400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、F8-01吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含み且つ前記筐体の中に収納された5mLから300mLの体積を有し、
前記監視構体は、前記筐体の中に前記筐体の入口に隣接し且つ前記筐体の出口に隣接して配置された無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方を更に具備し、前記指標剤物質が前記無反応性支持スクリーン及び無反応性支持物質のうち少なくとも一方により前記筐体の中に保持されることを特徴とする請求項51記載の燃料電池システム。
【請求項54】
前記燃料の中の硫黄含有化合物の前記所定の濃度は30ppbv以上であることを特徴とする請求項51記載の燃料電池システム。
【請求項55】
前記制御装置は前記監視構体及び前記脱硫器構体を制御する請求項45記載の燃料電池システム。
【請求項56】
前記監視構体は、前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性を検出すること及び前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化を検出することのうち少なくとも一方を実行するセンサ構体を更に具備し、且つ前記制御装置は、前記センサ構体による前記検出に基づいて前記燃料中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定し且つ前記燃料中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在する場合に所定の動作を実行することを特徴とする請求項45記載の燃料電池システム。
【請求項57】
前記制御装置により実行される前記所定の動作はアラームを起動することを含むことを特徴とする請求項56記載の燃料電池システム。
【請求項58】
前記燃料電池システムは、前記監視構体の下流側に、前記燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材を更に具備し、且つ前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動すること及び前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するために前記燃料供給制御部材を制御することのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項55記載の燃料電池システム。
【請求項59】
前記脱硫器構体は少なくとも第1の脱硫器及び第2の脱硫器を具備し、前記第1の脱硫器は前記第2の脱硫器と並列に結合され、前記燃料が前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち一方の脱硫器を通過する間に前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち他方の脱硫器は待機モードにあるように、複数の燃料流量制御部材は、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器を通過する燃料の流れを制御し、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を出た前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動すること及び前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるために前記複数の燃料流量制御部材を制御することのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項58記載の燃料電池システム。
【請求項60】
前記燃料電池システムは、前記監視構体の下流側に、前記燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材を更に具備し、且つ前記制御装置により実行される前記所定の動作は、
アラームを起動するステップと、
前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するために前記燃料供給制御部材を制御するステップと、
前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるために前記複数の燃料流量制御部材を制御するステップと
のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項59記載の燃料電池システム。
【請求項61】
前記燃料の中の硫黄含有化合物の前記所定の濃度は30ppbv以上であることを特徴とする請求項55記載の燃料電池システム。
【請求項62】
前記監視構体は、
少なくとも1つを前記燃料が通過する複数の指標剤構体であって、各指標剤構体は指標剤物質と、前記指標剤物質を収納する筐体とを含み、各指標剤構体の前記筐体は、前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち少なくとも一方の流路に配置され、且つ各指標剤構体の前記筐体内部の前記指標剤物質が前記燃料電池システムに配置された場合、前記指標剤物質が前記燃料電池システムの前記燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、各指標剤構体が前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成される複数の指標剤構体と、
前記複数の指標剤構体に対応し、それぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性及びそれぞれ対応する指標剤構体の前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化の少なくとも一方を検出する複数のセンサ構体とを更に具備し、
前記制御装置は、1つ以上の前記センサ構体による前記検出に基づいて前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定し且つ前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在する場合に所定の動作を実行することを特徴とする請求項45記載の燃料電池システム。
【請求項63】
前記燃料が前記複数の指標剤構体のうち1つの指標剤構体をまず通過し、その後、前記複数の指標剤構体のうち別の指標剤構体を通過するように前記複数の指標剤構体のうち前記1つの指標剤構体は、前記複数の指標剤構体のうち前記別の指標剤構体と直列に結合され及び前記燃料が前記複数の指標剤構体のうち1つの指標剤構体を通過するのと同時に前記複数の指標剤構体のうち別の指標剤構体を通過するように、前記複数の指標剤構体のうち前記1つの指標剤構体は、前記複数の指標剤構体のうち前記別の指標剤構体と並列に結合されていることを特徴とする請求項62記載の燃料電池システム。
【請求項64】
各監視構体の前記筐体は、前記監視構体の前記指標剤物質を観察できるようにするための透明又は半透明の材料、前記監視構体の前記指標剤物質の前記物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体及びオペレータのうち一方が検出可能であるようにするための観察手段のうち1つ以上を具備し、前記観察手段は、前記筐体の外側から前記監視構体の前記指標剤物質を観察できるようにするための前記筐体の観察窓及び透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓のうち少なくとも一方を具備することを特徴とする請求項62記載の燃料電池システム。
【請求項65】
前記筐体は、前記指標剤物質を観察できるようにするための透明又は半透明の材料、前記指標剤物質の前記物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体及びオペレータのうち一方が検出可能であるようにするための観察手段のうち1つ以上を具備し、前記観察手段は、前記筐体の外側から前記指標剤物質を観察できるようにするための前記筐体の観察窓及び透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓のうち少なくとも一方を具備することを特徴とする請求項45記載の燃料電池システム。
【請求項66】
脱硫燃料を発生するために燃料から硫黄含有化合物を除去し且つ前記燃料の中の硫黄含有化合物を監視する燃料電池システムにおいて使用するための脱硫器付指標剤構体であって、
前記燃料から硫黄含有化合物を除去するための吸着剤及び吸収剤のうち一方を含む脱硫剤物質と、指標剤物質とを含む少なくとも1つの脱硫器ユニットを具備し、前記脱硫剤物質及び前記指標剤物質は筐体により収納され、前記筐体は前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置されるように構成され且つ前記指標剤物質は稼動中の前記燃料電池システムに前記筐体が配置されると、前記指標剤物質が前記燃料電池システムの前記燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、前記指標剤構体が前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出可能であるように更に構成されていることを特徴とする脱硫器付指標剤構体。
【請求項67】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み且つ前記筐体の少なくとも一部は透明であり、前記硫黄含有化合物の所定の濃度が前記指標剤物質の所定の1つの色に対応することを特徴する請求項66記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項68】
前記指標剤物質はFSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、F8-01吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項67記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項69】
前記燃料が前記脱硫剤物質をまず通過し、その後、前記指標剤物質を通過するように前記指標剤物質及び前記脱硫剤物質は前記筐体の中に配置されていることを特徴とする請求項67記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項70】
前記指標剤構体は、前記燃料から硫黄含有化合物を除去するように構成され且つ前記指標剤物質及び前記脱硫剤物質は、前記燃料が前記指標剤物質をまず通過し、その後、前記脱硫剤物質を通過するように前記筐体の中に配置されていることを特徴とする請求項67記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項71】
前記指標剤物質は、複数の指標剤床を形成するように前記筐体の中に配置され、
前記脱硫剤物質は複数の脱硫剤床を形成するように前記筐体の中に配置され、隣接する脱硫剤床は少なくとも1つの指標剤床により分離されることを特徴とする請求項67記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項72】
前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性を検出するステップと及び前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性の変化を検出するステップとのうち少なくとも一方を実行するセンサ構体を更に具備することを特徴とする請求項66記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項73】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記硫黄含有化合物の所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応し、
前記筐体の少なくとも一部は透明であり、
前記センサ構体は色検出光電センサを具備し、前記センサ構体は前記指標剤物質の前記色及び前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項72記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項74】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記硫黄含有化合物の所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応し、
前記筐体は透明であり、
前記センサ構体は光ファイバセンサを具備し、前記センサ構体が前記指標剤物質の前記色及び前記指標剤物質の前記色の変化のうち少なくとも一方を検出するように構成されていることを特徴とする請求項72記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項75】
前記指標剤物質はFSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、F8-01吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項72記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項76】
前記脱硫器付指標剤構体を制御し且つ前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化に基づいて前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合に所定の動作を実行する制御装置を更に具備することを特徴とする請求項66記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項77】
前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性を検出するステップと及び前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性の変化を検出するステップとのうち少なくとも一方を実行するセンサ構体を更に具備し、前記制御装置は、前記センサ構体による前記検出に基づいて前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定し且つ前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合に前記所定の動作を実行することを特徴とする請求項76記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項78】
前記センサ構体は、前記指標剤物質の長さに沿って配置された複数のセンサを具備し、前記制御装置は、前記センサ構体の前記複数のセンサによる前記検出に基づいて前記指標剤物質の前記長さに沿った硫黄含有化合物の濃度の進行速度を判定し、且つ前記進行速度に基づいて所定の時間のうちに前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が現れるか否かを更に判定することを特徴とする請求項77記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項79】
前記脱硫器構体は、少なくとも第1の脱硫器ユニット及び第2の脱硫器ユニットを含み、前記脱硫器ユニットは前記第2の脱硫器ユニットと並列に結合され、
前記燃料が前記第1の脱硫器ユニット及び前記第2の脱硫器ユニットのうち一方の脱硫器ユニットを通過する間に前記第1の脱硫器ユニット及び前記第2の脱硫器ユニットのうち他方の脱硫器ユニットは待機モードにあるように、複数の燃料流量制御部材は前記第1の脱硫器ユニット及び前記第2の脱硫器ユニットを通過する燃料の流れを制御し、
前記第1の脱硫器ユニット及び前記第2の脱硫器ユニットのうち前記一方の脱硫器ユニットを出た前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動するステップと及び前記第1の脱硫器ユニット及び前記第2の脱硫器ユニットのうち前記一方の脱硫器ユニットを通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器ユニット及び前記第2の脱硫器ユニットのうち前記他方の脱硫器ユニットに前記燃料を通過させるために前記燃料流量制御部材を制御するステップとのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項76記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項80】
前記燃料電池システムは、前記脱硫器−指標剤構体の下流側に、前記燃料電池システムの燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材を具備し、且つ前記制御装置により実行される前記所定の動作は、アラームを起動するステップと及び前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するために前記燃料供給制御部材を制御するステップとのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項76記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項81】
前記筐体は、前記指標剤物質を観察できるようにするための透明又は半透明の材料、前記指標剤物質の前記物理的特性のうち少なくとも1つ特性の変化をセンサ構体又はオペレータのうち一方が検出可能であるようにするための観察手段のうち1つ以上を具備し、前記観察手段は、前記筐体の外側から前記指標剤物質を観察できるようにするための前記筐体の観察窓及び透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓のうち少なくとも一方を具備することを特徴とする請求項66記載の脱硫器付指標剤構体。
【請求項82】
燃料電池システムにおいて使用するための燃料中の硫黄含有化合物を監視する方法であって、
前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置された筐体により収納され、硫黄含有化合物にさらされた場合に少なくとも1つの物理的特性を変化させる指標剤物質に前記燃料を通過させるステップであって、前記筐体が前記指標剤物質の前記物理的特性の変化を検出可能であるように構成されるステップと、
前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性が検出された変化に基づいて、前記燃料の中に所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項83】
前記検出及び前記判定は、オペレータ、及びセンサ構体及び前記センサ構体に応答する制御装置のうち1つ以上により実行されることを特徴とする請求項82記載の方法。
【請求項84】
前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合に所定の動作を実行するステップを更に含むことを特徴とする請求項83記載の方法。
【請求項85】
前記所定の動作はアラームを起動するステップを含むことを特徴とする請求項84記載の方法。
【請求項86】
前記燃料電池システムは、前記指標剤物質の下流側に、燃料電池への前記燃料の流れを制御する燃料供給制御部材を含み、且つ前記所定の動作は、アラームを起動するステップと及び前記燃料電池への燃料の流れを阻止又は制限するために前記燃料供給制御部材を制御するステップとのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項84記載の方法。
【請求項87】
前記燃料を前記指標剤物質に通過させる前に前記燃料から硫黄含有化合物を除去するように構成された脱硫器構体に前記燃料を通過させるステップを更に含み、
前記脱硫器構体は第1の脱硫器及び第2の脱硫器を少なくとも具備し、前記第1の脱硫器は前記第2の脱硫器と並列に結合され、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち一方の脱硫器を前記燃料が通過する間に前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち他方の脱硫器は待機モードにあるように、複数の燃料流量制御部材が前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器を通過する燃料の流れを制御し、
前記判定するステップにおいて、前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を出た前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在すると判定された場合、実行される前記所定の動作は、アラームを起動するステップと及び前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記一方の脱硫器を通過する燃料の流れを阻止し且つ前記脱硫器構体の前記第1の脱硫器及び前記第2の脱硫器のうち前記他方の脱硫器に前記燃料を通過させるために前記複数の燃料流量制御部材を制御するステップとのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項84記載の方法。
【請求項88】
前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、前記筐体の少なくとも一部は透明であり、且つ前記硫黄含有化合物の前記所定の濃度は、前記指標剤物質の所定の1つの色に対応することを特徴とする請求項82記載の方法。
【請求項89】
前記指標剤物質はFSK-A吸着剤、Ag400吸着剤、TOSPIX 94吸着剤、Selectra(登録商標) Sulf-X CNG-2吸着剤、F8-01吸着剤及びSulfaTrapTM-R6吸着剤のうち1つを含むことを特徴とする請求項88記載の方法。
【請求項90】
少なくとも1つのセンサ構体を使用して、前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性及び前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化を検出するステップを更に含み、前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が存在するか否かを判定する前記ステップは、前記検出に基づいて実行される請求項82記載の方法。
【請求項91】
前記センサ構体は、前記指標剤物質の長さに沿って配置された複数のセンサを具備し、前記方法は、前記指標剤物質の前記長さに沿った硫黄含有化合物の濃度の進行速度を判定するステップと、前記進行速度に基づいて所定の時間のうちに前記燃料の中に前記所定の濃度の硫黄含有化合物が現れるか否かを判定するステップとを更に含むことを特徴とする請求項90記載の方法。
【請求項92】
前記燃料から硫黄含有化合物を除去するように構成された脱硫剤物質に前記燃料を通過させるステップを更に含み、前記燃料は前記脱硫剤物質及び前記指標剤物質のうち一方をまず通過し、その後、前記脱硫剤物質及び前記指標剤物質のうち他方を通過することを特徴とする請求項82記載の方法。
【請求項93】
前記指標剤物質を使用して、前記燃料から前記硫黄含有化合物を除去するステップを更に含むことを特徴とする請求項82記載の方法。
【請求項94】
硫黄含有化合物の前記所定の濃度は30ppbv以上であることを特徴とする請求項82記載の方法。
【請求項95】
前記筐体は、前記指標剤物質を観察できるようにするための透明又は半透明の材料、前記指標剤物質の物理的特性のうち少なくとも1つの特性の変化をセンサ構体及びオペレータのうち一方が検出可能であるようにするための観察手段のうち1つ以上を具備し、前記観察手段は、前記筐体の外側から前記指標剤物質を観察できるようにするための前記筐体の観察窓及び透明又は半透明の内側筐体層により形成された内側観察窓のうち少なくとも一方を具備することを特徴とする請求項82記載の方法。
【請求項96】
燃料中の硫黄含有化合物を検出する燃料電池システムにおいて使用するための監視構体であって、
指標剤物質と、前記指標剤物質を収納する筐体とを含み、前記燃料が通過する指標剤構体であって、前記筐体は、前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置されるように構成され且つ前記指標剤物質は、稼動中の前記燃料電池システムに前記筐体が配置されると、前記指標剤物質が前記燃料電池システムの前記燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、前記指標剤構体が前記指標剤物質を観察可能であるように更に構成される指標剤構体と、
前記指標剤物質の画像を観察し且つ取り込むことが可能な画像撮像装置とを具備することを特徴とする監視構体。
【請求項97】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、
前記画像撮像装置は、前記指標剤物質のカラー画像を取り込み且つオペレータが前記カラー画像を観察可能な状態にするように構成されたカメラ及びウェブカムのうち一方であることを特徴とする請求項96記載の監視構体。
【請求項98】
制御装置と、
前記画像撮像装置と前記制御装置との通信、前記制御装置と前記オペレータとの通信、及び前記画像撮像装置と前記オペレータとの通信のうち1つ以上を実行する通信システムとを更に具備し、
取り込まれた前記カラー画像は、前記画像撮像装置から前記制御装置へ及び前記制御装置から前記オペレータへの通信、及び前記画像撮像装置から前記オペレータへの通信のうち1つ以上により前記オペレータへ送信され、
前記オペレータは、取り込まれた前記指標剤物質の前記カラー画像に基づいて前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化が前記燃料の中に少なくとも所定の濃度の硫黄含有化合物が存在することを示すと判定し且つ前記通信システムを介して命令を送信し、
前記監視構体は、前記命令に応答して、アラームを起動するステップと、前記燃料電池システムの燃料電池への脱硫燃料の流れを制限又は阻止するステップと、及び前記燃料電池システムの第1の脱硫器構体及び第2の脱硫器構体の使用を切り替えることのうち1つ以上を実行することを特徴とする請求項97記載の監視構体。
【請求項99】
前記オペレータが配置されるオペレータステーションを更に具備することを特徴とする請求項98記載の監視構体。
【請求項100】
燃料中の硫黄含有化合物を検出する燃料電池システムにおいて使用するための監視構体を動作させる方法であって、
指標剤物質と、前記指標剤物質を収納する筐体とを含み、前記燃料が通過する指標剤構体であって、前記筐体は前記燃料電池システムにおける前記燃料のほぼすべてを受け入れる主流路及び前記燃料の一部のみを受け入れるバイパス流路のうち一方の流路に配置されるように構成され且つ前記指標剤物質は稼動中の前記燃料電池システムに前記筐体が配置されると、前記指標剤物質が前記燃料電池システムの前記燃料の中の硫黄含有化合物にさらされたときに前記指標剤物質の少なくとも1つの物理的特性が変化するような物質であり、前記指標剤構体が前記指標剤物質の観察を可能にするように更に構成される指標剤構体を提供するステップと、
前記指標剤物質の画像を観察し且つ取り込むことが可能な画像撮像装置を提供するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項101】
前記少なくとも1つの物理的特性は前記指標剤物質の色を含み、
前記画像撮像装置は、前記指標剤物質のカラー画像を取り込み且つ前記カラー画像をオペレータが観察可能な状態にするように構成されたカメラ及びウェブカムのうち一方であることを特徴とする請求項100記載の方法。
【請求項102】
制御装置を提供するステップと、
前記画像撮像装置と前記制御装置との通信、前記制御装置と前記オペレータとの通信、及び前記画像撮像装置と前記オペレータとの通信のうち1つ以上を実行する通信システムを提供するステップとを更に含み、
取り込まれた前記カラー画像は、前記画像撮像装置から前記制御装置へ及び前記制御装置から前記オペレータへの通信、及び前記画像撮像装置から前記オペレータへの通信のうち1つ以上により前記オペレータへ送信され、
前記オペレータは、取り込まれた前記指標剤物質の前記カラー画像に基づいて前記指標剤物質の前記少なくとも1つの物理的特性の変化が前記燃料の中に少なくとも所定の濃度の硫黄含有化合物が存在することを示すと判定し且つ前記通信システムを介して命令を送信し、
前記監視構体は、前記命令に応答して、アラームを起動するステップと、前記燃料電池システムの燃料電池への脱硫燃料の流れを制限又は阻止するステップと、及び前記燃料電池システムの第1の脱硫器構体及び第2の脱硫器構体の使用を切り替えるステップとのうち1つ以上を実行することを特徴とする請求項101記載の方法。
【請求項103】
前記オペレータが配置されるオペレータステーションを提供するステップを更に含むことを特徴とする請求項102記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−534401(P2010−534401A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518250(P2010−518250)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【国際出願番号】PCT/US2008/066943
【国際公開番号】WO2009/014822
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(502197161)フュエルセル エナジー, インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】FUELCELL ENERGY, INC.
【住所又は居所原語表記】3 Great Pasture Road, Danbury, CT 06813, U.S.A.
【Fターム(参考)】