説明

脱粘液化した亜麻の芽及びその副生成物、並びにその製造及び利用

本発明は、それらの粘液が除去された亜麻仁から得られる脱粘液化した亜麻の芽に関する。本発明の亜麻の芽は容易に消化され、異なる分野、例えば食品工業、治療及び畜産において利用することができる。本発明は、脱粘液化した亜麻の芽の製造方法及び利用にも関する。本発明は、この製造方法で副生成物として生み出された粘液物質を回収する方法並びにその様々な利用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消化しやすく、直接的な食用に適した、異なる分野、例えば食品産業、治療及び畜産に利用可能な脱粘液化した亜麻の芽に関する。本発明は、脱粘液化した亜麻の芽の製造方法及び利用にも関する。本発明は、更に、製造方法中の副生成物に由来する粘液物質を回収する方法、並びにその様々な利用に関する。
【背景技術】
【0002】
亜麻は、栄養価の高い植物である。それは、その高いタンパク質及び油分により、ヒト用の食物中で有利に用いることができる。他の栄養物起源と比較して、人体に必須であるオメガ3タイプのアルファ・リノレン酸を含む不飽和脂肪酸を最も多く含むのは亜麻である[表1を参照のこと;Bene et al.:「Szappanok es mososzerek」(Soaps and detergents)、Muszaki Konyvkiado、Budapest、1957]。
【0003】
【表1】

【0004】
含有された栄養物質の組成に関する限り、亜麻仁は素晴らしい特性を有している[USDA National Nutrient Database for Standard References, Release 17(2004)を参照のこと]。更に、それは、証明された抗癌効果を有する植物ホルモン(リグナン)を大量に含んでいる(例えば、Carcinogenesis 20(9):1831−1835,1999;Nutr.Cancer 43(2):187−192,2002を参照のこと)。含有物の特性に基づいて、亜麻が栄養素の集積部分であり、幅広い食品産業において利用されるべきであることが望まれている。しかし、しばらくの間は、亜麻仁の利用は、多くの理由で制限されている。
【0005】
この状況の理由を、以下で概説する。
1.亜麻仁の油分は40〜50%に達し、この油分中に存在する油は、いわゆる乾性油に属する。相当な部分が不飽和であるので、それらの融点は非常に低く、それらは不飽和であるので、それらは空気中の酸素と素早く反応して、直ちに腐敗臭を放つようになる。腐敗臭により、いわゆる「ワニス」味が発生し、これが亜麻仁をより食用に適さなくしている。亜麻仁を粉砕することにより、活性成分は利用可能になるが、粉砕産物は保存が困難であり、必須のオメガ3タイプの脂肪酸の量は、粉砕の間に既に減少している。
【0006】
2.亜麻仁の利用を大きく制限する別の特性は、それが、種子の殻の外側表面に、今まで知られていなかった組成物と共に非常に複雑なペクチン様の物質を含むことである。この物質の役割は、動物の消化管を通る種子を保護することであり、それらの生存性は保たれる。同様に、ヒトの消化管は、生で未処理の種子を消化することもできない。1kgの亜麻仁は、5リットルの水を結合することができ、その結果として、胃液は種子の殻の表面に達することができず、このヌルヌルしたゲル状の物質は腸の活動を顕著に増大させ、多くの場合において下剤として機能する。しかし、種子の内部内容物は利用され得ない。
【0007】
3.更に、亜麻仁の粘液は、多くの消化阻害物質、例えばヒドロシアニド(hydrocyanid)及びトリプシン阻害剤を含むことが知られている。それらの効果は熱処理により減少され得るが、それらの阻害効果は完全には除去することはできない(Journal of the American Oil Chemists’ Society 70(9):899−904,1993)。この理由により、粘液の除去は、良好な消化及び吸収を確実にするために非常に望まれている。
【0008】
もちろん、上記の問題を除去する多くの試みがなされてきた。1つのこのようなプログラムは、亜麻仁を家畜の飼料に混合し、その後、亜麻仁で飼育した動物の肉を摂取及び消化することにより、ヒトは必須脂肪酸を吸収することができるだろう。しかし、この方法の効果は非常に低く、更に、この動物の肉は、酸敗臭の結果として「ワニス」味を有し得る。別の試みにおいて、亜麻仁はベーカリー製品に混合される。この場合、粘液物質は焼いている間にダメージを受けず、種子は未消化のままであり、それらの腸に対する有利な効果は繊維としてのものだけである。
【0009】
我々は、亜麻仁の表面からの粘液の除去に関して多くの試みがなされてきたことを言及する必要がある。Kalac J.及びRexova L.(Biochim.Biophys.Acta 167(3):590−596,1968)は、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)から単離された酵素を特徴付けるために、試験物質として粘液を利用した;この実験の際に、彼等は商業上利用可能な粘液を扱った。それらの実験の目的は本発明の目的とは異なるが、それらの結果は、亜麻仁のペクチン様粘液が部分的に分解され得ることを示した。Wanasundara P.及びShahidi F.(Food Chemistry 59(1):47−55,1997)は、亜麻仁の粉砕により得られた亜麻の食事のタンパク質分解を促進するために、酵素学的方法を用いた。この方法において、亜麻仁の粘液は、部分的に除去されるだけであり、発芽の能力は排除された。
【0010】
別の注目すべき試みは、ブロイラーの給餌に関する(Br.Poult.Sci.44(1):67−74,2003)。Alzueta R.等は、鶏の餌の中に一緒に粉砕した全亜麻仁(粘液を含む)の含有物は、亜麻仁の栄養価が非常に高いという事実に関わらず、質量増加の代わりに質量減少をもたらしたことを報告した。しかし、減少した粘液を有する粉砕した亜麻仁を食事に含ませることにより、その利用が改善された。この場合に、粘液のほんの部分的な除去(約83%)が達成され、その結果は完全な利用を反映していないことにも留意すべきである。更に、粘液の酸性除去及び適用した高温(80℃)は、種子の生存性を緩め、発芽をできなくする。
【0011】
活性成分の保存の観点から、最も成功した方法は、亜麻仁の発芽である。生きた種子中に大量に存在する油は悪臭を放つようにならず、有益な活性成分は、おそらくそれらがミセル中に封入されているので、外部の酸化過程から保護されていることが知られている。しかし、現時点で、亜麻仁の発芽はかなり制限を有している。殻の周りのゲル様物質(いわゆる粘液)は、直接的な発芽及び種子の外部の滅菌を防ぎ、これは、分配に必要な予防手段である。これは、周囲の溶液を用いることが必要であるためである。例えば、種子は、いくつかの種類の担体物質(土層、綿織物、おむつ用材料など)上で発芽することができ、植物の葉の部分は、子葉植物を収穫することによってのみ消費することができる。しかし、この利用は非常に複雑であり、その利用は大規模の製造に適していない。別の不利点は、子葉が緑になる時に、既にかなりのエネルギーが種子から引き出され、苦味の発達が開始し、複数の不飽和脂肪酸の分解が開始し、植物材料の制限された保存性(10〜12日)をもたらすという事実である。
【0012】
WO03/003854において、Barker D.等は、発芽製品中のアルファ−リノレン酸の相対的な量を増大させるために、発芽工程を導入した。我々はこれらの結果を繰り返すことができなかったという事実に加えて、上記のWO03/003854で概説された手順の目的は、消化を阻害する粘液の除去ではなかったので、この問題を全く解決していない。発芽材料の組成は、この導入された方法により改善されたが、これらの化合物の吸収は動物及びヒトにおいて起こらないようである。更に、Barker D.等により考えられた方法は、食品衛生の要求に従った表面滅菌を可能にしない。
【0013】
亜麻仁粘液は、それ自身、興味深く、有益な材料である。多くの論文は、その調査を行った(例えば、以下のものを参照のこと:Journal of Food Science 54(5):1302−1305,1989;Food Hydrocolloids 17(2):221,2003;Chromatographia 58(5−6):331−335,2003)。ヒトは亜麻仁粘液を消化することはできないので、この物質は、いわゆる水溶性繊維物質である(Philips CO.,Food Hydrocolloids 17(2):221,2003)。経験によると、この物質は、胃壁と絨毛に薄層を形成する;この層は、強い下剤効果を有し、栄養物質の吸収も妨害する。従って、これは減量薬への添加物として利用することができる。
【0014】
本発明の目的は、上記の問題を解決し、亜麻仁を直接的なヒトによる消費に適した形態とすることである。我々は、この目的が、亜麻仁の表面から粘液を除去することにより達成することができることを見出した。この工程を経ると、亜麻仁は粘液が除かれるので、種子は発芽する。発芽した亜麻仁は胃液に接近可能となり、消化が困難な油は、発芽した亜麻仁中に動員される。このようにして、亜麻の芽は、直接的なヒトによる消費に適したものとなり、或いは、基本的な食品材料として利用することができる。更なる目的は、種子の生存性を保ち、発芽する能力を保ち、それらの内在する価値にアクセスすることである。
【0015】
このように、本発明の目的は、亜麻仁の表面からゲル様の粘液を完全に除去するのに適した方法を考え出し、それにより亜麻仁の表面を直接的な滅菌及び発芽に適したものにすることである。
【0016】
亜麻仁の周りの粘液の組成は、部分的にだけ知られており、この問題は未だ完全に解決されていない。いずれにせよ、非常に複雑な組成を有する複雑な分子が問題になっており、その除去及び分解は、これまでに解決されていない問題を示す。これまでの結果は、粘液の部分的な分解を開始する酵素が存在するという事実を示すだけである。我々の実験の中で、異なる栽培亜麻品種の場合、それらが非常に異なる方法で酵素処理に反応するように、粘液の組成は、種によって相当に変わり得るということが証明された。
【0017】
水中に浸された亜麻仁からの粘液物質は、洗浄、圧迫及び強い撹拌によって除去することはできなかった。「除去」という表現は、ほぼ100%の除去を意味し、種子はこの方法においてのみ滅菌され得る。この事実に基づいて、粘液物質は安定なゲル構造を有しており、この構造は架橋により安定化されていると推定される。驚くべきことに、前もって水中に浸された亜麻仁の酵素処理は、何ら成果をもたらさない。外側からのゲルを対象とした消化の実験は失敗であった;しかしながら、この方法は、発芽能力を保持するという観点から最も適切であることが証明された。
【0018】
しかしながら、亜麻仁を、ペクチン分解酵素、セルロース分解酵素及び任意にタンパク質分解の少なくとも1つを含む酵素水溶液中に浸した場合に、粘液を種子の表面から分離することができ、種子はその生存性を保つことを、我々は見出した。これらの結果は、先行技術に基づいて全く予想されるものではなかった。発芽実験は、粘液が除かれた殻が、酵素処理により傷つけられる事を示しており(これは、リグナンが殻に結合しているため重要である)、事実、それは非常に安定であり、種子は、発芽の前に、高濃度の次亜塩素酸ナトリウムによって効果的に滅菌され得る。このような方法で得た亜麻の芽は、粘液を含まず、容易に消化され、直接的なヒトの消費に適しており、多くの異なる分野で利用することができる。
【0019】
本発明の酵素処理の効果の下で、粘液物質は、種子の表面から、穏やかな機械的作用により、濃厚な粘液溶液として分離する。我々の作業仮説によると、粘液と殻の間の複雑なゲル構造の架橋及び結合は、それぞれ酵素処理の影響を分ける。これは、分離された粘液物質の粘度が、強いインキュベーション(数日間続く)の後でも変化しないという我々の観察により裏付けられる。これは、亜麻仁から分離された粘液物質の更なる処理を可能にする。
【0020】
粘液物質の分離は、我々がこの物質の精製及び製剤のための迅速な方法を実施することを可能にする。低温(4℃)で、粘液物質は、既に40%のアルコール濃度の水溶液から沈殿することを我々は見出した。繰り返しのアルコール洗浄及び熱処理により、消化を阻害する物質(ヒドロシアニド(hydrocyanid)及び阻害剤)は除去される。
【発明の開示】
【0021】
発明の概要
本発明は、粘液が除かれた亜麻仁由来の脱粘液化した亜麻の芽に関する。我々は、明細書中で「粘液」と「粘液物質」の意味が同一であることに言及する必要がある。
【0022】
本発明は、以下の段階によって脱粘液化した亜麻の芽を生成するための方法に関する:
(i)ペクチン分解(ペクチン開裂)酵素及びセルロース分解(セルロース開裂)酵素及び任意にタンパク質分解(タンパク質分解)酵素の少なくとも1つを含む酵素水溶液で亜麻仁を処理する段階;
(ii)段階(i)の間に亜麻仁の表面から分離した粘液物質を除去する段階;
(iii)段階(ii)により得られた亜麻仁を粘液に関して洗浄によりクリーニングする段階;
(iv)段階(iii)で得られた亜麻仁を滅菌する段階;及び
(v)滅菌した亜麻仁を発芽させる段階。
【0023】
本発明は、更に、亜麻仁の酵素処理の間に分離された粘液物質の回収のための方法に関し、これは、本発明の方法により分離されたゲル様粘液物質を、その水溶液から、多糖類の沈殿に適した有機溶媒を用いて沈殿させること、脱水、粘液物質の乾燥及び粉状化、任意にそれを更に処理することを含んで成る。本発明は、更に、この方法で得られた粘液物質の、第一に化粧品用途、医薬用途、微生物学的用途及び工業用途の利用に関する。
【0024】
発明の詳細な説明
本発明の方法において、基本的材料として用いられる亜麻仁は、亜麻品種、例えばリナム・ウシタチシマム品種ブラウン(Linum usitatissimum cv. Brown)、L.ウシタチシマム品種ゴールドライン(L.usitatissimum cv. Goldline)などの種子であることができる。
【0025】
本発明の方法の1つの好ましい実施態様によると、所望の組成物の酵素水溶液は、必要な酵素から調製することができる。種子は、事前に調製した酵素溶液中で膨張する。亜麻仁は、小さな穴を有するビニール袋又はプラスチック網(そのメッシュは約0.2mmである)に置くことができる。酵素溶液は、ペクチン分解酵素及びセルロース分解酵素、任意のタンパク質分解酵素を含む。ペクチン分解酵素として、ペクチナーゼ、例えばMacerozyme R−10又はアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のペクチナーゼ;セルロース分解酵素として、セルラーゼ、例えばOnozuka R−10、グルクロナーゼ、ヘリカーゼ又はスルファターゼ;タンパク質分解酵素として、リゾチーム(lysosyme)、プロテアーゼなどを用いることができる。本発明の好ましい実施態様において、ペクチン分解(ペクチン開裂)酵素は、セルロース分解(セルロース開裂)、好ましくはアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来のペクチナーゼ及びグルクロナーゼと一緒に用いられる。別の好ましい実施態様によると、ペクチナーゼは、リゾチームと一緒に用いられ、これは多機能酵素であることが知られている。別の好ましい実施態様において、ペクチン分解酵素は、セルロース分解酵素、すなわちグルクロナーゼ及びスルファターゼと一緒に用いられる。酵素水溶液は、1−10U/ml、好ましくは1−5U/mlの濃度のペクチン分解酵素、2−50U/ml、好ましくは5−15U/mlの濃度のセルロース分解酵素、及び10−500U/ml、好ましくは50−200U/mlの濃度のタンパク質分解酵素を含む。酵素溶液の組成は、亜麻の品種に依存する。
【0026】
別の好ましい実施態様によると、ペクチン分解酵素、セルロース分解酵素及びタンパク質分解酵素のような具体的な細胞外酵素を産生する微生物の発酵培養液起源の上清は、酵素水溶液として用いられる。上清は、ペクチナーゼ酵素活性に対して調整される。発酵培養液は、発酵性細菌又は真菌、例えばトリコデルマ種(Trichoderma sp.)、例えばトリコデルマ・ロゼア(Trichoderma rosea)、グリオクラジウム・カテヌラタム(Glyocladium catenulatum)に由来し得る。本発明の方法から得られる粘液物質は、発酵培地としても用いることができる。発酵培養液は遠心分離され、上清が分離され、任意に、滅菌ろ過又はクロロホルムを用いた処理などにより滅菌される。発酵培養液は、任意にろ過して無細胞とされる。本発明の方法における酵素の天然源としての発酵培養液の利用は、製造コスト、第一に工業規模の製造コストの著しい減少を可能にする。
【0027】
酵素溶液のpHは弱酸性、好ましくは6.5であり、有機酸又は無機酸或いは酸性塩を用いて調整することができる。この目的のために、塩酸、酢酸又はリン酸二水素カリウム、好ましくは酢酸を用いることができる。種子は、種子の1容積単位に対して計算した場合、1.5〜2、好ましくは1.5の割合の体積比の酵素溶液で処理される。この処理の間、種子は酵素溶液を占め、その後、それらは、20〜30℃、好ましくは25〜28℃の温度で、6〜24時間、好ましくは18〜20時間インキュベートされる。その後、種子は、それらの水吸収度まで膨張する(乾燥種子体積の約5倍)。膨張は、穏やかな機械的撹拌、好ましくはスターリング(stirring)により促進され得る。水性ゲル様粘液物質は、弱い圧力を適用することにより、好ましくは湿潤種子体積まで圧縮することにより種子から分離される。この方法で、約90%の粘液物質を分離することができる。種子の滅菌は発芽に必要であるので、残りの粘液物質は種子から除去される必要がある。それは、強い水洗浄により達成することができる。種子の洗浄は、洗浄液が透明になり(乳白色でない)、接触又は化学的方法により洗浄液中で検出できなくなるまで続ける。その後、亜麻仁の間の自由水は、脱水、真空吸引又は遠心分離により除去することができ、この方法で得られた種子は、直接的に発芽に用いられる。
【0028】
その後、粘液が完全に除去された種子は滅菌される。この目的のために、異なる滅菌剤、例えば次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素、ハイアミンなどが用いられる。種子は、好ましくは、連続的な撹拌の間、低濃度の次亜塩素酸ナトリウム溶液中で、30〜50分間、好ましくは40〜45分間滅菌され、その後、滅菌剤は、水による洗浄、好ましくは繰り返しの洗浄により除去され、自由水は上記の手順の1つにより除去される。この方法で得られた種子は、それらを2〜3cmの層に広げることにより発芽される。
【0029】
発芽は、通常の方法において、好ましくは暗闇で、18〜30℃で、6〜48時間で実施することができる。種子上に残された湿気は、それらが発芽するのに十分である。芽は、約1〜5mm、好ましくは2〜4mmの長さまで成長し、その後、それらは収穫され、直接的に又は乾燥した後に使用される。この方法で得られた亜麻の芽は、粘液物質を含んでいない。これは、亜麻の芽を繰り返し水に浸した後に流出する液体が、酸処理後に糖様物質を含んでないという事実により証明される。それらは、十分に保存することができ、直接的に消費に又は食品調製において利用することができる。例えば、芽をプラスチックホイル中に包み、4℃の温度で60日間保存することによっても、質の低減は起こらず、例えば元の風味及び稠度は保存されることが見出された。
【0030】
新鮮な亜麻の芽を含む工業的な食品の調製の目的は、添加物として用いられる亜麻の芽が、可能な限り長い期間、活性であるが腐敗した条件でないように保たれるべきであるということである。我々の目的は、新鮮な亜麻の芽が、製品中で元の風味及び稠度を保つべきであるということである。この目的のために、処理の間の温度は、40〜45℃を超えるべきでないということが考慮される必要がある;この方法において、亜麻の芽の早期の腐敗及び多数の不飽和脂肪酸の酸化を防ぐことができる。しかし、別の非常に重要な観点は、亜麻の芽が添加される食品(水性媒体、例えばチーズの中)の全浸透圧は、等浸透圧値を超えるべきでないということである。高い浸透圧の場合、保存の間に亜麻の芽は水を失い、その稠度は変化する。
【0031】
他の利用に関して、亜麻の芽は乾燥及び破砕をすることができ、この方法で得られた生成物は、一種の穀類、例えばコムギ又は小麦全粒粉と同様に保存することができる。乾燥は、穏やかに、好ましくは30℃の温度で実施され、このような方法では、亜麻仁の芽は、初期の種子質量の75〜90パーセント、好ましくは80〜85質量パーセントまで乾燥される。この方法で得られた生成物は、そのまま消費することができ、或いは、それは食品又は動物の飼料に混合することができる。ヒトを目的とする場合、それは、フード・サプリメント又は栄養素として或いは食品調製物中で、第一に必須脂肪酸及び植物ホルモンの補給としても使用することができる。この目的のために、それは、食品工業又は医薬品の調製において通常用いられる補助物質、例えばマルトース、マルトデキストリン、結合物質、芳香物質、甘味料、食品着色剤などと一緒に、或いは、滋養物の調製において通常用いられる物質、例えばタンパク質、炭水化物、ミネラル、ビタミンなどと一緒にインスタント顆粒として使用することができ、或いは、それは、それ自体知られた方法で錠剤化又はカプセル化することができる。
【0032】
本発明の方法の利点の1つは、この方法で得られた亜麻の芽が粘液を含んでおらず、従って良く吸収されるようであり、そして、その有益な成分が生物中で利用され得ることである。
【0033】
本発明の方法の別の利点は、副生成物として由来する分離された粘液物質の90%が回収され利用され得ることである。圧搾、濃縮された粘液物質は、多糖類の沈殿に適した有機溶媒を用いて沈殿させることができ、従って、例えば、それはアルコール又はクロロホルムを用いて沈殿させることができる。圧搾、濃縮された粘液物質は、好ましくは50%(v/v)のエタノール水溶液中で、4℃の温度で、それを少なくとも12時間静置した後に沈殿し、それは遠心分離により十分に分離され得る。沈殿剤(例えば、エタノール)は、ろ液から回収することができる。遠心分離により得られた沈殿は、96%のエタノールで脱水をすることができ、脱水した沈殿を再び遠心分離し、その後、この方法で得られた沈殿を乾燥させる。この工程の終わりに、非晶質物質が生成され、これは、粉砕し充填することができる。この方法で得られた亜麻粘液物質は、再び水に完全に溶解することができる。
【0034】
この方法で得られた粘液物質は、多くの分野で利用することができる。これは、化粧剤中で、例えば乳化剤及び発泡剤としてボディーローション中で利用することができる。これは、稠度改良剤として、食品産業の目的で利用することもできる。これは、ペクチン分解微生物及び/又は多糖類を利用する微生物、例えばアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)又はグリオクラジウム・カテヌラタム(Glyocladium catenulatum)を培養するための培地又は培地成分として、微生物学的方法において用いることができる。実際に、これは、例えば回転装置の潤滑のための、水を含む潤滑剤として用いることができる。
【0035】
本発明の利点は、以下のように要約することができる。
【0036】
本発明の脱粘液化した亜麻の芽は、食品産業及び他の分野において亜麻仁の利用可能性を妨害する妨害要素を取り除く。脱粘液化した亜麻の芽は、消化を妨害し、栄養素の吸収を妨害する物質を含まない。脱粘液化した亜麻の芽は、穀物から作った生成物と同様に、乾燥形態及び粉の形態で、冷蔵せずに長期間保存することができる。本発明の脱粘液化した亜麻の芽は、その有益な活性成分及び風味物質が生物学的に保護されており、保存中に変化しないため、好評であり得る。
【0037】
脱粘液化した亜麻の芽の製造のために実施される方法は、この方法を機械化し、大規模の製造を可能にすることを完全に可能にする。この事実の結果として、高い生物価を有する新規の生成物は、食品及び飼料市場、並びに医薬品においても出現し得る。
【0038】
更に、本発明によると、得られた副生成物を更に利用することができるので、亜麻の芽の調製の間の損失を伴わずに亜麻仁を製造することが可能である。
【0039】
本発明を以下の実施例によって説明するが、これは、本明細書中で開示された発明を限定するものとして考えられるべきではない。
【実施例】
【0040】
実施例1
亜麻仁の脱粘液化
食品工業の目的のために精製した高い発芽能を有する品種リナム・ウシタチシマム品種ブラウン(Linum usitatissimum cv. Brown)の種子(1kg)を、0.2mmのメッシュを有する10リットルのビニール袋(密に編まれたカーテン材料に類似した)中に置く。この袋を、閉形式で1.5リットルの酵素溶液中に置く。この溶液は、以下のものを含む:2%のMacerozyme R−10(製造業者:Kinki Yakult MFG Co.,Japan)、0.5%のセルラーゼ「Ozonuka」R−10(製造業者:Kinki Yakult MFG Co.,Japan)及び1500mlの水道水、pH6.5(1Nの酢酸で調整した)。全量の液体が吸収されるまで、種子を穏やかに撹拌する(一般的に、20〜30分間)。この時、種子は一般的に1つのブロックに落ち着く。袋と一緒に種子を25℃で24時間インキュベートする。インキュベーション期間の終了後に、種子を含む袋を生ぬるい水の中に置き、穏やかに撹拌すると、種子は完全に水で飽和する。その後、袋をプレス機中に置き、軽い圧力で種子体積を圧縮する(例えば、ブドウ搾り器を用いて)。この圧縮の結果、90%の粘液物質を分離することができる。この圧縮した物質は、更なる工程に適している。残りの粘液物質は、約15分間、流水中で強く洗浄することにより、種子及び袋それぞれから洗い流される。流動液体が乳白色でなくなり、粘液物質が触感で検出することができなくなるまで、種子の洗浄を続ける。滅菌を可能にするためには、粘液物質の形跡を、殻の表面に残すことはできない。袋の中の脱粘液化した種子から自由水を排出し、その後、種子を更なる工程に用いる。
【0041】
実施例2
亜麻仁の脱粘液化
この方法は、実施例1と実質的に同じであるが、種子は、以下の組成を有する酵素溶液に浸される:
3U/mlのペクチナーゼ(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来)(Serva)
10U/mlのグルクロナーゼ(Industrie Biologisque Francais SA)
30U/mlのスルファターゼ(Industrie Biologisque Francais SA)。
【0042】
上記の組成の場合、同様の結果を得るためには、種子は、より高温の28℃でインキュベートされる必要がある。
【0043】
実施例3
亜麻仁の脱粘液化
食品工業の目的のために精製した高い発芽能を有する品種リナム・ウシタチシマム品種ゴールデンライン90(Linum usitatissimum cv. Goldenline 90)の種子(1kg)を、0.2mmの目打ちを有する10リットルのプラスチックネットバッグ中に置く。このバッグを、閉形式で1.5リットルの酵素溶液中に置く。酵素溶液の組成は、以下の通りである:
2U/mlのペクチナーゼ(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来)(Fluka)
100U/mlのリゾチーム(Lysosyme)(卵白由来)(Fluka)
pH6.5、KH2PO4により調整。
【0044】
インキュベーションは、実施例1に従って実施する。インキュベーション期間の終了後に、このバッグ(3回の1kgの処理種子)を、5回の遠心分離期間により割り込まれる機械的洗浄により洗い流される。洗浄液を、乳白色については視覚により、粘度については触覚により確認する。洗浄液が水のように透明であるように見える場合には、洗浄を止める。排水又は遠心分離により、バッグから自由水を除去し、その後、バッグの内容物を更なる工程に用いる。
【0045】
実施例4
発酵による酵素溶液の生成
2リットルの亜麻粘液の最初の圧縮物を、8リットルのジャガイモ抽出物に添加し、New Brunswick M−100発酵槽に置く。40分間の121℃、〜1,2.105Pa(1、2バール)において、滅菌を達成する。滅菌後に、発酵培養液を25℃まで冷却する。24時間撹拌機上で生育させる前に、発酵培養液を、100mlのグリオクラジウム・カテヌラタム(Glyocladium catenulatum)接種懸濁液を用いて接種する。発酵槽中のグリオクラジウム・カテヌラタム(Glyocladium catenulatum)(細胞外酵素を産生する、微生物寄生(microparasitic)であるが非植物性寄生の真菌)を生育させるために、レジーム(regime)は以下の通りであるべきである:温度:27℃、撹拌150rpm、pHは全発酵サイクルの間6.5に調整されるべきである、相対的酸素飽和率は60%に保たれるべきである、通気量の制御は酸素の制御からカスケードされるべきである。発酵の間、泡のコントロールが必要である。発酵レジームは、ML−100マルチループコントローラーにより制御されるべきである。発酵期間は36〜48時間である。発酵の完了後に、全発酵培養液を16000rpmで40分間、Sorwall Highspeed遠心分離機中で遠心分離する。上清を酵素溶液として用いる。(ペレットは、生物学的抗真菌剤として用いることができる)
【0046】
或いは、2mlのクロロホルムを10リットルの上清に添加して、残存する胞子と細胞を殺すか、又は上清をろ過により滅菌し、その後、ろ液を10時間室温で静置する。酵素を含む上清に関して滅菌工程を用いない場合には、粘液物質の除去の後に、更に繰り返しの亜麻仁の次亜塩素酸ナトリウム処理が必要である。酵素活性は、Kalac J.and Rexova L.(Biochim.Biophys.Acta 167(3):590−596,1968)に従って、測定及び調整することができる。
【0047】
更なる工程は、実施例1〜3と同様である。この代替方法を用いて、脱粘液化した亜麻の芽の大規模な工業的製造における製造コストを顕著に減少させることができる。
【0048】
実施例5
脱粘液化した亜麻の芽の調製
ビニール袋中の粘液物質が完全に除去された種子の保持(実施例1〜3により)は、連続的な動き中で、40分間の5%(w/v)の次亜塩素酸ナトリウム溶液中でのそれらの表面の滅菌の目的で浸され、その後、袋の中の種子は2回洗い流され、十分に水抜きされる。その後、袋をトレイの中に置き、種子を均一の層に広げる(袋の中で)。この方法で平らにした種子(約3cmの厚さの層)を、暗闇で、18〜22℃で、24〜48時間インキュベートする。一般的に、酵素処理及び更なる処理の間に種子により吸収された水の量は、インキュベーション期間に発芽し、2〜5mmの長さの芽に発達するのに十分である。インキュベーション期間に、種子の塊は、種子に接着した水を消費し、通常更なる乾燥は必要でない。インキュベーション期間の終わりに、発芽と非発芽種子の比率が確立される(300個の種子サンプルは、正しい結果を与え得る)。実施例1〜5の脱粘液化した種子の98〜100%は発芽し、脱粘液化した亜麻仁が生きていることを証明する。亜麻の芽は、この段階で少しヘーゼルナッツの風味を有し、不愉快な風味を有さない。
【0049】
実施例4により製造された新鮮な亜麻仁の芽の利用に関する範囲内では、多くの可能性が存在する。既知の充填技術の使用に関して試験がなされ、本発明により得られた生成物がどのくらいの期間保存することができるかについて比較した。実験結果を以下の表2にまとめる。
【0050】
【表2】

【0051】
生成物を真空ホイル中に充填することにより、質を低下させることなく保存及び販売することが可能である。
【0052】
実施例6
脱粘液化した亜麻の芽の使用
実施例4で調製した亜麻の芽を、新鮮な状態で又は更なる処理をせずに保存した後に用いた。
【0053】
500グラムのケーキ・プレーティング(cake−plating)の予熱チョコレートを、32℃の水浴中で溶解し、その後、チョコレート融解型を、薄層中に形成する(約1mmの厚さ)。その後、チョコレート層を少し冷やし、固める。この層上に、300gの亜麻の芽を均一に広げ、全量の亜麻の芽が覆われるように、この層を再び融解したチョコレートにより覆い、同時に、注ぐチョコレートの温度が32℃を超えないように注意する。この層が固まった後、最後に、薄い上層をチョコレートから注ぐ。生成物は、質を低下させずに、室温で、少なくとも60日間保存することができる。
【0054】
この実施例は、工業的な食品の調製においては、可能な限り長い期間、亜麻仁の元の値を保つためには、新鮮な亜麻の芽を空気に接触させないこのような技術を適用する必要があることを示している。乳製品及び肉製品の場合、この方法は同様である。
【0055】
実施例7
軽く乾燥した、脱粘液化した亜麻の芽の調製
食品工業の目的のために精製した高い発芽能を有する品種リナム・ウシタチシマム品種ゴールデンライン90(Linum usitatissimum cv. Goldenline 90)の亜麻仁(1kg)を、0.2mmのメッシュを有する10リットルのプラスチックネットで作ったバッグの中に置く。閉形式のこのバッグを、1.5リットルの酵素溶液中に置く。酵素溶液の組成は、以下の通りである:
3U/mlのペクチナーゼ(アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)由来)(Serva)
10U/mlのグルクロナーゼ(Industrie Biologisque Francais SA)
30U/mlのスルファターゼ(Industrie Biologisque Francais SA)。
【0056】
18時間のインキュベーション後に、亜麻仁から粘液を完全に除去する。洗浄した種子を、実施例4に従って、滅菌し、発芽させる。芽の大きさが2〜5mmの長さになったら(約18時間)、発芽した亜麻仁を、薄層(少なくとも1cm)に広げ、通常の方法又は機械装置の助けにより(例えば、真空ポンプ)、それらを30℃未満の温度で初期の質量の85パーセントまで乾燥する。この穏やかな方法で乾燥した脱粘液化した亜麻の芽は、そのまま又は食品の添加物として用いることができる。例えば、これらの生成物から調製したチョコレートは、室温で18ヶ月間保存することができる。
【0057】
実施例8
亜麻の芽からの粉(grist)の調製
実施例7に従って乾燥した脱粘液化した亜麻の芽から、粗調製物をクイック・ブレード(quick−blade)粉砕機中で調製する。クイック・ブレード粉砕機は、確実に粉砕の間の温度が30℃を超えないようにすることができるので、この目的に適している。この方法で得られる粉は、穀物から調製した粉と同様に、長期間保存することができる。
【0058】
実施例9
粘液物質(副生成物)の回収
水中で完全に膨張し、バッグの中に保持された実施例1〜3に従って処理された亜麻仁を、圧縮機(例えば、ブドウ搾り器が適している)中に置き、その後、粘液物質の90%が圧縮され、種子が傷つけられない程度に圧縮する。圧縮されて濃縮された粘液物質を、95%のエタノールと1:1の比率で混合する。約50−50%の水−エタノール溶液から、4℃で少なくとも12時間静置して、粘液物質を沈殿させる。沈殿後に、粘液物質を遠心分離により(例えば、調製用遠心分離機、分離機)除去することができ、アルコールは回収することができる。この方法で得られた沈殿は、96%のアルコールでほぼ脱水され、その後、純粋な沈殿は乾燥される(約120℃)。乾燥後に、硬いアモルファス物質が得られ、これは充填して利用することができる。このようにして得られた粘液物質は、水に完全に溶解することができる。
【0059】
粘液物質の使用
実施例10
実施例8に従って調製した10gの乾燥及び微粉砕した粘液物質を、100mlの生ぬるい牛乳に溶解する。粘液物質を再び溶解するためには、40℃では30分間が必要とされ、15℃では一定の撹拌下で2時間が必要とされる。溶解後に、200mlの新鮮なヨーグルトを添加し、この混合物に、製造業者の要望に従って、香辛料を加える。この混合物を泡立てる。この方法では、500mlの安定なヨーグルトの泡が得られ、これは、4℃で6日間保存することができる。この生成物は、下剤としても作用する。
【0060】
実施例11
30グラムの乾燥及び微粉砕した粘液物質を、80℃の300mlの水に溶解し、200mlのトウモロコシ胚芽油を添加し、この混合物を50℃まで冷却する。この混合物を、高速回転によりホモゲナイザー中で撹拌し、その後、この方法で得られた白いクリームを5℃まで冷却する。この方法で調製する塩基性のボディーローションの中に、任意の活性成分を入れ、所望の製品とすることができる。
【0061】
実施例12
実施例8に従って調製した5〜10グラムの乾燥及び微粉砕した粘液物質を、1リットルのジャガイモ抽出物(ゆでたジャガイモの液体)に添加する。この混合物を120℃で滅菌し、冷却後にアスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の接種菌液を用いて接種し、この液体を、それ自体既知の方法で発酵させる。アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)の培養液を48時間後に採取し、更に加工する。
【0062】
本発明は上記の具体的な実施態様との関連で説明されたが、それらの多くの代替案、変更及び他のバリエーションは、当業者に明らかであるだろう。全てのこのような代替案、変更及びバリエーションは、本発明の精神及び範囲内であることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘液が除去された亜麻仁由来の亜麻の芽。
【請求項2】
生の形態又は乾燥形態又は乾燥粉末形態の請求項1の亜麻の芽。
【請求項3】
(i)ペクチン分解酵素及びセルロース分解酵素及び任意のタンパク質分解酵素の少なくとも1つを含む酵素水溶液で亜麻仁を処理する段階;
(ii)段階(i)の間に亜麻仁の表面から分離した粘液物質を除去する段階;
(iii)この方法で得られた脱粘液化された亜麻仁を洗浄する段階;
(iv)段階(iii)で得られた亜麻仁を滅菌する段階;及び
(v)滅菌した亜麻仁を発芽させる段階、
を含んで成る、脱粘液化した亜麻の芽の調製方法。
【請求項4】
酵素溶液がペクチナーゼ、グルクロナーゼ及びスルファターゼ酵素を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
酵素溶液が、ペクチナーゼ及びリゾチーム(lysosyme)酵素を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
細胞外ペクチン分解酵素、セルロース分解酵素及びタンパク質分解酵素を産生する微生物の発酵培養液から得られる上清を、段階(i)の酵素溶液として用いる、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
酵素処理後に、種子が水飽和まで浸漬される、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
更なる段階として、脱粘液化した亜麻の芽を、初期の種子の質量の75〜90パーセントまで乾燥させる、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
乾燥後に、脱粘液化した亜麻の芽が粉末化され、任意に更に処理される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
食品工業的な使用のための、請求項1又は2に記載した或いは請求項3〜9のいずれか一項に記載のように調製した亜麻の芽。
【請求項11】
請求項1又は2に記載した或いは請求項3〜9のいずれか一項に記載のように調製した脱粘液化した亜麻の芽を含む食品サプリメント。
【請求項12】
医薬としての使用のための、請求項1又は2に記載した或いは請求項3〜9のいずれか一項に記載のように調製した亜麻の芽。
【請求項13】
飼料又は飼料の添加物としての使用のための、請求項1又は2に記載した或いは請求項3〜9のいずれか一項に記載のように調製した亜麻の芽。
【請求項14】
タンパク質分解酵素及びセルロース分解酵素及び任意のタンパク質分解酵素の少なくとも1つを含む酵素水溶液中で処理された亜麻仁の表面から分離されたゲル様粘液物質を、多糖類の沈殿に適した有機溶媒を用いて沈殿、脱水、乾燥及び微粉砕することを特徴とする、亜麻仁の酵素処理の間に分離される粘液物質の回収のための方法。
【請求項15】
乳化剤、発泡剤及び稠度改善剤としての、請求項14に従って調製された粘液物質の使用。
【請求項16】
実験目的及び/又は工業目的の、ペクチン分解微生物又は多糖類を利用する微生物を培養するための培地又は培地成分としての、請求項14に従って調製された粘液物質の微生物学的使用。

【公表番号】特表2009−506766(P2009−506766A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528587(P2008−528587)
【出願日】平成17年9月6日(2005.9.6)
【国際出願番号】PCT/HU2005/000095
【国際公開番号】WO2007/029045
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(508067585)バイオグリーン アクティーゼルスカブ (2)
【Fターム(参考)】