説明

脳波収集制御装置

【課題】医師や研究者などの専門家でない一般人でも容易に操作することができる脳波収集制御装置を提供する。
【解決手段】脳波収集制御装置1のハット型携行ユニット10は、カウボーイハット20と脳波検出デバイス21とを有する。脳波検出デバイス21は、電極パッド22と第1の信号処理回路24と第1の無線通信部25とを含む。カウボーイハット20は、脳波検出デバイス21を搭載して人体の頭部3に装着可能に構成されている。ベースユニット11は、第2の無線通信部30と、第2の信号処理手段31と、人体の感覚器官に対する刺激を生成する刺激生成部32とを有する。第2の信号処理部31は、第2の無線通信部30に接続されて、脳波信号を第1の信号処理部24と共に信号処理することにより、刺激生成部32により生成される刺激を脳波信号の変化に応じて変化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収集した脳波に基づいて人間の活動を制御する脳波収集制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、年齢、疲労、疾病などの各種要因によって、眠ってはいけない状態で眠ってしまうことがある。眠ってよい状況であれば眠りを促進することが健康上好ましい場合もあるが、自動車、大型機械、危険物などを取り扱う状況においては事故防止などの観点から、眠ろうとしていないのに眠ってしまうような不測の事態をできるだけ避ける必要がある。
【0003】
そこで、自動車分野においては、車載カメラによって居眠りの前兆を検知する移動体用運転支援装置(例えば、特許文献1)が知られている。特許文献1の移動体用運転支援装置は、運転者の居眠りを検出したときに運転者に対話形式の質問をして、運転者の回答が安全運転という観点から適正でないと判定した場合に、運転者に車間距離を確認させる質問をする。すなわち、引用文献1は、移動体用運転支援装置と運転者との対話を通して運転者の安全運転への意識を高めることにより、居眠りによる事故を防ぐ技術を開示している。
【0004】
しかしながら、自動車の運転という限られた環境の中で、居眠りという人間の限られた状態をカメラで検出する手法では、種々の環境にまたがって人間の状態を正確に把握することが困難である。人間の状態を正確に把握できなければ、人間の活動を所望の状態に近づけるために何をすればよいか判断することが困難である。
【0005】
そこで、脳波を検出し、検出した脳波に基づいて人間の活動を制御する技術が知られている。脳波による人間の活動の把握は、外見による把握に比較して正確であるという利点がある。しかしながら、脳波は、医師や研究者などの専門家でなければ検出及び理解が困難であるという欠点もある。更に、従来の脳波を測定する装置は専門家によって取り扱われることを前提としているため、構造や配線が複雑である。すなわち、自動車の運転中など、専門家がいない場所で人間の活動を把握するために脳波を使用することはあまり検討されていない。
【0006】
例えば、脳波を測定する装置を開示している特許文献2では、帽子に取り付けた電極から、観測機器まで配線が引き回されている。従って、配線を切断しないように、取扱いには細心の注意を払わなければならない。そのため、専門家が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−310729号公報
【特許文献2】米国特許第6574513号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、自動車の運転中に居眠りを防いだり、家事の途中に集中力を高めたりするなど、一般生活において人間を所望の状態に近づけたい場合、一般の利用者が専門家を同伴することは大変わずらわしいものである。
【0009】
本発明は、医師や研究者などの専門家でない一般人でも容易に取り扱うことができる脳波収集制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の脳波収集制御装置は、携行ユニットとベースユニットとを備えている。携行ユニットは、脳波検出デバイスと頭部装着体とを有する。脳波検出デバイスは、脳波を検出して脳波に応じた脳波信号を出力する電極と、脳波信号を信号処理する第1の信号処理手段と、第1の信号処理手段に接続された第1の無線通信手段とを含む。頭部装着体は、脳波検出デバイスを搭載して人体の頭部に装着可能に構成されている。ベースユニットは、第2の無線通信手段と刺激生成手段と第2の信号処理手段とを有する。第2の無線通信手段は、少なくとも第1の無線通信手段を相手に無線通信する。刺激生成手段は、人体の感覚器官に対する刺激を生成する。第2の信号処理手段は、第2の無線通信手段に接続されて、脳波信号を第1の信号処理手段と共に信号処理することにより、刺激生成手段により生成される刺激を脳波信号の変化に応じて変化させる。
【0011】
第1の脳波収集制御装置によれば、携行ユニットを、ベースユニットから分離して取り扱うことが可能となり、携行ユニットとベースユニットとを有線で接続する場合に比較して携行ユニットを装着する人の行動の自由度が高くなる。更に、頭部装着体に脳波検出デバイスの一式が搭載されているため、医師や研究者などの専門家でない一般人でも、頭部に容易に電極を装着することができる。
【0012】
なお、頭部装着体は、頭部の一部を覆うように形成されていればよい。頭部装着体は、野球帽のように開口に頭部を挿入するものであってもよいし、サンバイザーのように頭部を環状に囲うものであってもよく、頭部の首より上を覆うマスクであってもよく、頭頂部に乗せるような小さな皿状のものであってもよい。頭部装着体は、つばのある帽子であってもよいし、つばの無い帽子であってもよい。頭部装着体として、カウボーイハット、野球帽、麦わら帽子、サンバイザー、通学帽、スポーツ競技用の帽子、髪留め、髪飾り、かつら、ヘッドセットが例示される。
【0013】
第2の脳波収集制御装置は、第1の脳波収集制御装置において複数の脳波検出デバイスを備えている。更に、各脳波検出デバイスが、頭部装着体に対して着脱可能に構成されている。
【0014】
携行ユニットは、医師や研究者などの専門家でない一般人が使用すると故障しやすい。故障が発生した場合には原因を特定して対策を講じなければならない。しかしながら、原因を特定することは容易ではなく、特に、専門家でない一般人が原因を特定して対策を見出すことは極めて困難である。
【0015】
第2の脳波収集制御装置では、詳細な原因を特定しなくても故障した脳波検出デバイスを交換するだけで原因を排除することが可能となる。仮に、全ての電極を1つの脳波検出デバイスで処理するならば、原因を特定しなければ複数の電極を含む脳波検出デバイス全体を交換しなければならず、原因を特定するまで携行ユニット全体が使用できないこととなる。ところが、第2の脳波収集制御装置によれば、故障した脳波検出デバイスだけを取り外して、残りの脳波検出デバイスを引き続き動作させることが可能となるため、故障による影響を小さくすることができる。
【0016】
なお、着脱式電極部の故障を検出する方法として、脳波処理手段において、所定の故障パターンと検出された脳波とを比較することにより着脱式電極部の故障を検出し、更に、故障を報知する方法が例示される。また、外部の検査装置を使用して着脱式電極部の故障を検出する方法が例示される。
【0017】
第2の脳波収集制御装置によれば、電極、第1の信号処理手段及び第1の無線通信手段の一式を交換可能とすることにより、電気系統の接続関係を意識しなくても脳波検出デバイスを交換することができる。従って、医師や研究者などの専門家がいない場所であっても、一般の人が容易に脳波検出デバイスを交換することができる。
【0018】
第3の脳波収集制御装置は、第2の脳波収集制御装置において、携行ユニットが第1の着脱部材と第2の着脱部材とを有する。第1の着脱部材は、頭部装着体における脳波検出デバイスの取り付け位置として頭部装着体に搭載されている。第2の着脱部材は、脳波検出デバイスを第1の着脱部材に対して取り外し可能に取り付ける。
【0019】
従来の脳波計測技術を使用する場合は、数十もの電極を頭部に取り付ける必要があるため、電極を装着された人の行動が狭い範囲に制限される。更に、従来の信号処理装置はかなり大掛かりでかつ高価なものが一般的であるため、医療機関や専門機関以外の環境において脳波を計測することは考えられていない。また更に、従来の電極の構造及び装着方法は複雑であるため、医療関係者、研究者などの専門家に頼らずに一般人だけで頭部に電極を装着することは困難である。しかしながら、一般生活においては、携行ユニットが汗、雨、ほこりなどの異物に晒されるため、専門家でない一般人が電極を取り換えなければならない。
【0020】
第3の脳波収集制御装置によれば、第1の着脱部材によって位置決めされた場所に、第2の着脱部材を取り付けるだけで、脳波検出デバイスを頭部装着体の所定の位置に搭載することが可能となる。従って、医師や研究者などの専門家がいない場所であっても、一般の人が容易に脳波検出デバイスを交換することができる。
【0021】
第4の脳波収集制御装置は、第1から第3のいずれかの脳波収集制御装置において、携行ユニットが、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段との少なくとも一方に対し、頭部装着体における電極の位置を示す位置情報を出力する位置確認デバイスを更に有する。
【0022】
第4の脳波収集制御装置によれば、適宜、電極の位置を確認することが可能となる。従って、携行ユニットが交換された場合、脳波検出デバイスが交換された場合、脳波検出デバイスの取り付け位置が変わった場合などにおいて、脳波信号と電極の位置との対応関係を正確に把握することが可能となる。
【0023】
例えば、脳波検出デバイスを頭部装着体への搭載位置にかかわらず共用可能にしておくことで、搭載位置を気にすることなく一般の人でも容易に脳波検出デバイスを頭部装着体に取り付けることが可能となる。また、例えば、脳波を検出しなければいけない位置に電極が取り付けられていない場合に、音声などの警告を発することによって確実に必要な脳波信号を取得することが可能となる。
【0024】
第5の脳波収集制御装置は、第4の脳波収集制御装置において、位置確認デバイスが、電磁波及び超音波の少なくとも一方を走査することにより頭部装着体における電極の位置を検出する。
【0025】
第5の脳波収集制御装置によれば、位置確認デバイスによって複数の電極の位置を包括的に把握することが可能となり、電極と位置確認デバイスとを一対一で対応させる必要がなくなるため、構成を簡素化することができる。なお、脳波検出デバイスから位置確認デバイスに脳波信号の識別情報を送信することによって、電極の位置と脳波信号とを対応付けるようにしてもよい。
【0026】
第6の脳波収集制御装置は、第4の脳波収集制御装置において、複数の脳波検出デバイスと、複数の位置確認デバイスとを備える。更に、位置確認デバイスが、外部から読み取り可能に位置情報を記憶する。また更に、各脳波検出デバイスが、少なくとも一の位置確認デバイスから位置情報を読み取る。
【0027】
第6の脳波収集制御装置によれば、複数の位置確認デバイスに位置情報の送信を分担させることが可能となるため、位置確認デバイス側の構成を簡素化することが可能となる。例えば、位置確認デバイスとしては、ICカード(integrated circuit card;ICC)が例示される。
【0028】
第7の脳波収集制御装置は、第1から第6のいずれかの脳波収集制御装置において、複数の脳波検出デバイスを備える。更に、携行ユニットが、脳波信号を検出する複数の検出位置から少なくとも一の検出位置を指定する指定情報を、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段との少なくとも一方に出力する検出位置指定デバイスを更に有する。また更に、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段とが協働して、指定情報により指定される少なくとも一の検出位置で検出される脳波信号の変化に応じて、刺激生成手段により生成される刺激を変化させる。
【0029】
第7の脳波収集制御装置によれば、利用者は、携行ユニットを取り変えたり、携行ユニットの検出位置指定デバイスを取り変えたりすることにより、制御目標に応じて、容易に最適な検出位置を指定することができる。なお、制御目標とは、感覚器官に刺激を与えることによって達成される種々の結果を意味する。制御目標とは、例えば、眠り防止、眠り促進、緊張度緩和、緊張度上昇、集中力上昇、集中力緩和である。
【0030】
例えば、居眠り防止を制御目標とする場合には、居眠りの状態を把握するのに適した検出位置を指定情報として記憶した検出位置指定デバイスを携行ユニットに搭載する。集中力の向上を制御目標とする場合には、集中力の状態を把握するのに適した検出位置を指定情報として記憶した検出位置確認デバイスを携行ユニットに搭載する。この例によれば、専門知識のない一般の利用者でも、検出位置確認デバイスを交換するだけで、制御目標に応じた最適な検出位置を設定することができる。
【0031】
第8の脳波収集制御装置は、第7の脳波収集制御装置において、刺激生成手段により生成される刺激を脳波信号の変化に応じて変化させる制御方法を、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段とが指定情報に応じて変更する。
【0032】
第8の脳波収集制御装置によれば、利用者は、携行ユニットを取り変えたり、携行ユニットの検出位置指定デバイスを取り変えたりすることにより、制御目標に応じて、容易に第1の信号処理手段と第2の信号処理手段とにより協働して実行される制御方法を変更することができる。
【0033】
例えば、居眠り防止を制御目標とする場合と、集中力の向上を制御目標とする場合とでは、同じ波形の脳波信号に対する制御内容を変更することにより異なる刺激を生成しなければならない場合がある。そのような場合でも、検出位置指定デバイスから指定情報を取得することによって、専門知識のない一般の利用者でも、制御目標に応じて処理方法を容易に変更することができる。
【0034】
第9の脳波収集制御装置は、第1から第7のいずれかの脳波収集制御装置において、携行ユニットが、ノイズ除去フィルタに関するフィルタ情報を、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段との少なくとも一方に出力するフィルタ情報デバイスを更に有している。更に、第1の信号処理手段と第2の信号処理手段とが協働して、フィルタ情報によって示されるノイズ除去フィルタを脳波信号に適用する。
【0035】
第9の脳波収集制御装置によれば、環境のノイズに合わせてノイズ除去フィルタを変更することができるため、環境のノイズの変化による脳波信号への影響を小さくすることができる。これにより、環境が変化しても正確に刺激を生成することができる。更に、ノイズに関する専門知識のない一般の利用者でも、携行ユニットを取り変えたり、携行ユニットのフィルタ情報デバイスを取り変えたりすることにより、使用環境に応じたフィルタを容易に選択することができる。
【0036】
例えば、第2の信号処理手段に自動車から出る電磁波を除去する自動車用フィルタと、航空機から出る電磁波を除去する航空機用フィルタとを予め記憶しておき、携行ユニットを自動車内で使用する場合には、自動車用フィルタを脳波信号に適用する指示をフィルタ情報として記憶したフィルタ情報デバイスを携行ユニットに搭載し、航空機内で使用する場合には、航空機フィルタを脳波信号に適用する指示を記憶したフィルタ情報デバイスを携行ユニットに搭載する。この例によれば、専門知識のない一般の利用者でも、使用環境に応じたノイズ除去フィルタを容易に選択することができる。
【発明の効果】
【0037】
本発明の脳波収集制御装置によれば、医師や研究者などの専門家でない一般人でも容易に操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、コンボイの車室とコンボイの運転手とに搭載した第1の実施形態に係る脳波収集制御装置の概略構成図である。
【図2】図2は、図1の脳波収集制御装置の動作を説明するための機能ブロック図である。
【図3】図3は、第2の実施形態に係るキャップ型携行ユニットの斜視図である。
【図4】図4は、頭部に装着された図3のキャップ型携行ユニットの正面図である。
【図5】図5は、図4のキャップ型携行ユニット及び頭部のV−V断面図である。
【図6】図6は、第2の実施形態に係る脳波収集制御装置の動作を説明するための機能ブロック図である。
【図7】図7は、第2の実施形態に係るキャップ型携行ユニットの変形性及びベースユニットの動作を説明するための機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(第1の実施形態)
図1は、脳波を収集する対象者をコンボイの運転手2とした場合の、第1の実施形態に係る脳波収集制御装置1の概略構成図である。脳波収集制御装置1は、運転手2の脳波を検出し、運転手2に対して各種刺激を与える。運転手2に与える刺激は、運転手2に対する制御目標によって変わる。運転手2に対する制御目標には、例えば、眠り防止、眠り促進、緊張度緩和、緊張度上昇、集中力上昇、集中力緩和などが含まれる。なお、制御目標は本実施形態で列挙するものに限られるものではない。以下、脳波収集制御装置1の具体的な構成及び動作を説明する。
【0040】
(脳波収集制御装置1の概略構成)
脳波収集制御装置1は、ハット型携行ユニット10とベースユニット11と外部制御装置12とにより構成されている。なお、本発明は、本実施形態と同一の脳波収集制御装置1に限られるものではない。
【0041】
(ハット型携行ユニット10の概略構成)
ハット型携行ユニット10は、カウボーイハット20に脳波検出デバイス21を搭載して構成されている。脳波検出デバイス21は、複数の電極パッド22と1つのフレキシブル基板23とにより構成されている。
【0042】
複数の電極パッド22は、運転手2の頭部3にカウボーイハット20をかぶせた状態において、頭部3に接触するように配設されている。各電極パッド22とフレキシブル基板23との間には図示されていない配線が接続されている。フレキシブル基板23には、第1の信号処理回路24と第1の無線通信部25とが搭載されている。電極パッド22及びフレキシブル基板23は、カウボーイハット20の形状に沿うように形成されている。ハット型携行ユニット10の詳細な構成については後述する。
【0043】
(ベースユニット11の概略構成)
ベースユニット11は、コンボイの車室4に搭載された第2の無線通信部30と第2の信号処理回路31と刺激生成部32とスイッチ33とにより構成されている。なお、ベースユニット11を構成する各種機器の車室4内における位置は、本実施形態で例示された位置に限られるものではない。ベースユニット11は、運転手2が携行可能に形成されていてもよい。
【0044】
第2の無線通信部30と第2の信号処理回路31とスイッチ33とは、一緒に1つのボックスに収容されている。ベースユニット11は、コンボイから電源供給を受けるものであってもよいし、内蔵電源によって駆動するものであってもよく、他の装置から電源供給を受けるものであってもよい。
【0045】
刺激生成部32は、ランプ34と匂い発生器35とスピーカー36とショック印加電極37と温度調節器38と振動発生器39とにより構成されている。刺激生成部32は、第2の信号処理回路31から指示信号を受信して、指示信号によって示された動作を実行する。ランプ34は、運転手2の視野に入りやすい場所に配設されており、指示信号に応じて明るさ、色、点滅速度などを変化させる。匂い発生器35は、運転手2付近に配置されており、あらかじめ種々の匂いを発する複数の薬品が収容されており、指示信号に応じて匂いの種類、匂いの強さなどを変化させる。スピーカー36は、運転手2付近に配置されており、指示信号に応じて音を変化させる。ショック印加電極37は、運転手2の体に装着されており、指示信号に応じて電気ショックの強さ、印加継続時間などを変化させる。温度調節器38は、座席5に内蔵されており、指示信号に応じて温度を変化させる。温度調節器38は、例えば、ヒーター、送風機、ペルチェ素子などによって構成される。振動発生器39は、指示信号に応じて振動する。
【0046】
なお、本実施形態のランプ34、匂い発生器35、スピーカー36、ショック印加電極37、温度調節器38及び振動発生器39は、人間の感覚器官に刺激を与える刺激生成手段としての一例を示すものであり、刺激生成手段は本実施形態で列挙したものに限られない。刺激生成手段により実現される刺激の変化は本実施形態に示されたものに限られない。
【0047】
(外部制御装置12の概略構成)
外部制御装置12は、第3の無線通信部50とディスプレイ51と入力装置52とにより構成されている。外部制御装置12は、コンボイから離れた場所に設置されている。例えば、運転手2の家族がいる場所、運転手2の雇用者がいる場所、交通管理をする機関などに設置されている。外部制御装置12は、汎用コンピュータにより構成されていてもよいし、専用の装置により構成されていてもよい。外部制御装置12は、音声を伝送する業務用無線機であってもよいし、さらに単純又は複雑な信号を伝送するものであってもよい。
【0048】
(脳波収集制御装置1の動作)
図2は、脳波収集制御装置1の機能ブロック図である。
【0049】
ハット型携行ユニット10では、まず、複数の電極パッド22が、各設置箇所において頭部3から脳波を検出し、脳波信号として出力する。以下、脳波信号は、電極パッド22において検出される脳波の波形をアナログ信号又はデジタル信号で表現したもの、脳波を周波数に変換したもの、その他の脳波の変化を示す信号を意味する。
【0050】
第1の信号処理回路24は、複数の電極パッド22から出力される複数の脳波信号を、アナログ信号処理回路、AD(Analog−Digital)変換回路、デジタル信号処理回路により順に処理する。本実施形態では、第1の信号処理回路24においてアナログ信号の脳波信号をデジタル信号に変換した後、第2の信号処理回路31においてデジタル信号の脳波信号を処理するように構成されている。なお、第1の信号処理回路24と第2の信号処理回路31とは、協働して脳波処理手段として機能していればよく、機能の分担は本実施形態に示された方法に限られるものではない。
【0051】
第1の信号処理回路24において処理された複数の脳波信号は、第1の無線通信部25から送信される。各脳波信号には、頭部3における電極の位置を示す位置情報が付加されている。
【0052】
ベースユニット11では、まず、第2の無線通信部30が、第1の無線通信部25から複数の脳波信号を受信する。第1の無線通信部25と第2の無線通信部30との通信に使用される規格は、例えば、Bluetooth、Zigbeeなどが挙げられる。
【0053】
第2の信号処理回路31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種演算用IC(Integrated Circuit)及び各種入出力インターフェースによって構成されている。第2の信号処理回路31は、フィルタ部40、フィルタ選択部41、脳波選択部42、組み合わせ変更部43、指示信号生成部44及びプロセス変更部45として機能する。説明の便宜上、第2の信号処理回路31を処理機能に応じた機能ブロックに分割して図示しているが、各機能ブロックを実現する構成が構造的に分離している必要はない。
【0054】
フィルタ部40は、ノイズフィルタを使用し、第2の無線通信部30において受信した脳波信号のノイズを低減する。脳波信号からノイズを除去する具体的な方法としては、複数の環境毎に固定値のノイズ量を値として予め記憶しておき、電極パッド22において検出された波形から記憶されたノイズ量を引き算処理する方法が例示される。
【0055】
フィルタ選択部41は、複数種類のノイズフィルタからフィルタ部40において適用されるノイズフィルタを選択する。フィルタ選択部41は、環境に応じた複数のノイズフィルタを予め用意している。例えば、コンボイの車両から出るノイズを低減するノイズフィルタ、列車から出るノイズを低減するノイズフィルタ、飛行機から出るノイズを低減するノイズフィルタなどである。コンボイ内で使用される本実施形態の脳波収集制御装置1では、フィルタ選択部41は、コンボイの車両から出るノイズを低減するノイズフィルタを選択する。なお、フィルタ選択部41は、複数のノイズフィルタを同時に選択するように構成されていてもよい。
【0056】
フィルタ選択部41によるフィルタの選択を可能とすることにより、脳波収集制御装置1の使用環境が1箇所に限定されなくなり、脳波収集制御装置1を様々な環境で使用することが容易となる。
【0057】
脳波選択部42は、まず、ノイズを多く含む脳波信号と信号強度が十分でない脳波信号とを除去する。ノイズを多く含む脳波信号と信号強度が十分でない脳波信号とを除去することにより、ノイズが少なく信号強度が強い脳波信号を使用して正確な指示信号を生成することができる。具体的な選択方法として、脳波信号の検出位置ごとに、予め記憶された脳波信号と検出された脳波信号とをマッチング処理し、予め記憶された脳波信号と検出された脳波信号との差が許容範囲に収まっていると判断された脳波信号を選択する方法が例示される。
【0058】
脳波選択部42は、更に、ノイズを低減した複数の脳波信号の中から、指示信号の生成に利用する脳波信号を選択する。図1の運転手2に対する制御目標に応じて、指示信号の生成に利用する脳波信号の組み合わせは異なる。言い方を変えると、制御目標に応じ、頭部3における電極パッド22の最適な検出位置が異なる。脳波信号と電極パッド22の位置の対応関係は、脳波信号に含まれる位置情報によって知ることができる。
【0059】
組み合わせ変更部43は、脳波選択部42によって選択される脳波信号の組み合わせを変更する。例えば、第1の制御目標が設定された場合には、図示されていない電極パッドAと電極パッドBとから出力された脳波信号の組み合わせに変更し、第2の制御目標が設定された場合には図示されていない電極パッドCと電極パッドDとから出力された脳波信号の組み合わせに変更する。組み合わせ変更部43は、制御目標ごとに電極パッド22の組み合わせを予め記憶している。
【0060】
指示信号の生成に利用する脳波信号の組み合わせを変更可能とすることにより、1台の脳波収集制御装置1によって複数の制御目標を実現することができる。すなわち、組み合わせ変更部43により、制御目標に応じて最適な脳波信号を選択することが可能となるため、眠りの防止といった1種類の制御目標に限らず、眠りの促進及び集中力の向上などの複数の種類の制御目標を実現することができる。
【0061】
指示信号生成部44は、脳波処理プログラムを実行し、脳波選択部42から入力された脳波信号を参照して指示信号を生成し、刺激生成部32に動作を指示する。
【0062】
プロセス変更部45は、指示信号生成部44が実行する脳波処理プログラムを切り替える。プロセス変更部45は、制御目標ごとに脳波処理プログラムを予め記憶している。各脳波処理プログラムは、事前に測定した運転手2の脳波、一般的なデータ、その他の情報に基づいて予め設定されている。
【0063】
指示信号の内容は、刺激の強度を変化させること、刺激を与える間隔を変化させること、刺激の種類を変化させることなどが含まれる。急激な刺激及び過度の刺激は運転の妨げとなるため、段階的に刺激を強くすることが好ましい。例えば、制御目標が眠り防止である場合には、運転手2が眠る直前に急激に刺激を与えるのではなく、眠る前兆が検出された段階で早めに刺激を与え、その後、徐々に刺激を強くすることが好ましい。
【0064】
スイッチ33は、使用環境及び制御目標を手動で設定することを可能にしている。スイッチ33において設定された使用環境に基づいて、フィルタ選択部41がフィルタを選択する。スイッチ33において設定された制御目標に基づいて、脳波選択部42が最適な脳波信号の組み合わせを選択する。スイッチ33において設定された制御目標に応じて、指示信号生成部44が指示信号を生成する。スイッチ33は、第2の信号処理回路31の処理内容を変更することができれば、その構成はどのようなものであってもよい。
【0065】
例えば、スイッチ33により制御目標を眠り防止に設定した場合、指示信号生成部44は、眠り防止用の脳波処理プログラムに基づいて指示信号を生成する。具体例としては、入力された脳波信号から運転手2が眠りかけていると判断した場合、ランプ34を赤く点灯させたり、匂い発生器35から強い匂いを発生させたり、スピーカー36から警告音を出力させたり、ショック印加電極37から強い電圧を印加したり、温度調節器38の温度を下げたり、振動発生器39を振動させたりする。脳波信号を解析することにより、完全に眠る前の状態で制御対象者に対して警告及び警報を発することができ、その結果、危険をより確実に回避することができる。
【0066】
例えば、スイッチ33により制御目標を眠り促進に設定した場合、指示信号生成部44は、眠り促進用の脳波処理プログラムに基づいて指示信号を生成する。具体例としては、入力された脳波信号から運転手2が眠れないと判断した場合、ランプ34を消灯させたり、匂い発生器35から心地よい匂いを発生させたり、スピーカー36の音量を下げたり、ショック印加電極37の動作を停止したり、温度調節器38の温度を上げたり、振動発生器39を停止させたりする。制御目標が集中力の向上である場合の例では、入力された脳波信号から運転手2の集中力が低下していると判断した場合、匂い発生器35から強い匂いを発生させる。
【0067】
指示信号生成部44は、更に、脳波信号に関する情報を第2の無線通信部30から送信する。脳波信号に関する情報として、脳波信号そのもの、運転手2が眠りに近づいていること、運転手2の意識が朦朧としていること、運転手2の脳波信号が所定条件に合致すること、警報などが例示される。
【0068】
外部制御装置12は、第3の無線通信部50において脳波信号に関する情報を受信する。第2の無線通信部30と第3の無線通信部50との通信手段は、例えば、電話回線、インターネット、業務用無線、専用通信回線である。なお、第2の無線通信部30と第3の無線通信部50との通信は有線通信でおきかえられてもよい。受信された脳波信号に関する情報は、ディスプレイ51に表示されて報知される。ディスプレイ51に表示された脳波信号に関する情報を確認して、管理者が入力装置52を通じて外部指示を入力する。入力装置52としては、キーボード、マウス、タッチパネル、各種スイッチ、マイク、撮像装置などが例示される。外部指示としては、例えば、スピーカー36を操作して管理者の音声を運転手2に聞かせる指示、使用環境及び制御目標の設定指示などが挙げられる。
【0069】
なお、外部制御装置12は、運転手2の脳波を定期的に収集する機能を有していてもよい。運転手2の脳波を定期的に収集することにより、運転手2の状態を統計的に管理することができる。更に、収集した脳波を解析し、指示信号生成部44の処理に反映させることにより、より正確な指示信号を生成することができるようになる。外部制御装置12は、複数の脳波収集制御装置1から複数人の脳波に関する情報を収集する機能を有していてもよい。例えば、運送会社の安全管理システムにおいて、複数の運転手2の脳波に関する情報を収集することにより、複数の運転手2の健康状態に応じて複数の車両の走行時間及び停車時間を管理することができ、その結果、複数の運転手2の健康管理、危険予防、安全管理を集中的に実現することができる。
【0070】
本実施形態の脳波収集制御装置1は、第1の信号処理回路24と第2の信号処理回路31とが処理を分担している。本実施形態の第1の信号処理回路24は、主としてアナログ信号の脳波信号をデジタル信号に変換する役割を担っている。第1の信号処理回路24は、第2の信号処理回路31の処理を更に多く担当するように構成されていてもよい。ただし、第1の信号処理回路24の処理を少なくしたほうが、第1の信号処理回路24の消費電力を小さくすることができるとともに、ハット型携行ユニット10の構成を簡素化することができる。ハット型携行ユニット10の構成が簡素であるほど、ハット型携行ユニット10を身に着けることが容易となる。
【0071】
本実施形態の脳波収集制御装置1では、ベースユニット11がコンボイの車室4に搭載されている。他の例として、脳波収集制御装置1が小型ボックスに収容して持ち歩けるように構成されていてもよい。複数のベースユニット11が、複数の使用環境下に配設されていてもよい。
【0072】
本実施形態の脳波収集制御装置1は、医師や研究者などの専門家でない一般人でも容易に取り扱うことができる。
【0073】
(ハット型携行ユニット10の構成)
本実施形態では、複数の電極パッド22を搭載する頭部装着体が、図1に示すカウボーイハット20により構成されている。カウボーイハット20は、視覚的及び触覚的に装着位置を確認することが容易であるため、制御対象者が、装着する度に、ほぼ同じ位置を把持することができるとともに、同じ動作で頭部3のほぼ同じ位置に装着することができる。従って、パッドカウボーイハット20には予め複数の電極パッド22を装着しておくことにより、装着の度に、複数の電極パッド22を適正な位置に装着することが容易となる。装着する度に、頭部3においてカウボーイハット20の位置がほぼ同じになることで、電極パッド22の装着位置が安定し、その結果として、従来よりも正確に指示信号を生成することができる。なお、制御対象者が装着位置を確認しやすくなるよう、カウボーイハット20に印をつけておくことが好ましい。
【0074】
カウボーイハット20を髪に固定することができるように、髪止めピンがカウボーイハット20に取り付けられている。カウボーイハット20を頭部3に固定する固定具は、髪止めピンに限るものではなく、例えば、かんざし、櫛、ネットなどであってもよい。
【0075】
電極パッド22と第1の信号処理回路24とを接続している配線は、カウボーイハット20の縁に装着されている。他の実施形態において、配線がカウボーイハット20に予め縫いこまれたものであってもよい。配線をカウボーイハット20に予め縫いこんでおくことにより、配線が切れたり外れたりする可能性を低くすることができる。
【0076】
頭部装着体は、カウボーイハット20に限られない。頭部装着体は、制御対象者が日常的に身に着ける物であることが好ましく、例えば、めがね、サングラス、サンバイザー、帽子が挙げられる。制御対象者が航空機の操縦士であれば、操縦士用の帽子を頭部装着体とすることが好ましい。制御対象者が日常的に身につける物を頭部装着体とすることにより、装着忘れの減少、装着位置の安定化、装着時の違和感の解消、などを実現することができる。
【0077】
頭部装着体は、制御対象者の頭部3からずれないように、伸縮性のある素材で形成されていることが好ましい。
【0078】
複数の電極パッド22に含まれる一の電極パッド22が基準の電圧(GND又はRef)を定めるために使用され、残りの電極パッド22が脳波信号の検出に使用される。基準の電圧を定める電極パッド22は、頭部3の中央に配置され、残りの電極パッド22は、頭部3に、電極パッド22を左右対称に配置されている。他の実施形態として、電極パッド22を2つずつ組み合わせて、各組の電極パッド22間の電位差又は電流値を検出してもよい。
【0079】
ハット型携行ユニット10は、1つの第1の信号処理回路24に対して複数の電極パッド22が接続されている構造を有している。電極パッド22に搭載する電源として、シート電極が例示される。
【0080】
ハット型携行ユニット10は、図示しない太陽電池や充電池などの電源を搭載している。電源として太陽電池を搭載することにより、ハット型携行ユニット10が電池切れになるおそれを低減することができる。電極パッド22、第1の信号処理回路24及び第1の無線通信部25は、ハット型携行ユニット10に搭載された電源から電力の供給を受けるように構成されているため、ベースユニット11から離れた場所でも使用することができる。なお、ハット型携行ユニット10は、近接して配置されたベースユニット11及び他の機器から電力供給を受けてもよい。また、ハット型携行ユニット10は、ペーパー電池を搭載することによって薄さを実現したものであってもよい。また、ハット型携行ユニット10は、人体の発熱を利用して電力を生成するものであってもよい。
【0081】
電極パッド22は、非接触式の電極構造を有している。電極パッド22は、表面と裏面とを有する板状の導電体を有し、導電体の表面に絶縁体と布とを順に積層した構造を有している。装着時に布が頭部3に触れるため、金属及び絶縁体が皮膚に触れる場合に比較して、痛み及び不快感が生じにくい。
【0082】
なお、他の実施形態として、電極パッド22が導電体を皮膚に接触させる構造であってもよい。電極パッド22の導電体と皮膚との間に、導電性布、導電性ペーストなどを介在させることにより、皮膚のインピーダンスを低下させることが好ましい。
【0083】
電極パッド22の導電体の裏面にはマジックテーブが取り付けられている。面ファスナーが取り付けられていることにより電極パッド22をカウボーイハット20に対して着脱することが容易となる。電極パッド22をカウボーイハット20に取り外し可能に取り付ける取付部材は、面ファスナーに限られない。取付部材としては、例えば、各種ボタン、線ファスナー、鉤状フックなどが例示される。電極パッド22は、更に、配線を着脱する端子を有している。配線及びカウボーイハット20から電極パッド22を取り外すことができるため、電極パッド22が配線及びカウボーイハット20に固定されている場合に比較して、電極パッド22の交換が容易となる。他の実施形態として、電極パッド22は、配線とともに交換されるものであってもよい。
【0084】
電極パッド22は、インピーダンス変換用バッファを搭載している。インピーダンス変換用バッファは、導電体と配線との間に介在している。インピーダンス変換用バッファを搭載することにより電極のインピーダンスを低下させることができる。
【0085】
本実施形態のハット型携行ユニット10は、電極パッド22、第1の信号処理回路24、第1の無線通信部25、配線及び電源を含む全ての電子部品が防水構造を有している。ハット型携行ユニット10が防水構造を有することにより、汗や雨などによって電子部品が破壊されることを防ぐことができる。脳波収集制御装置1は、医療行為として脳波を収集することを目的としていないため、制御対象者が必ずしも安静にしているわけではなく、更に、必ずしも室内にいるとは限られない。従って、制御対象者に装着されるハット型携行ユニット10が濡れる可能性は少なくないため、電子部品を防水構造とすることが重要である。
【0086】
ハット型携行ユニット10には、電磁波遮蔽部材が取り付けられている。電磁波遮蔽部材として、例えば、ノイズシールド用のフィルム、ノイズシールド用のテープなどがある。電磁波遮蔽部材により電極パッド22、第1の信号処理回路24、第1の無線通信部25、配線及び電源を含む電子部品の一部又は全部を覆うことにより、脳波を正確に検出することが可能となる。脳波収集制御装置1の使用環境が予め明らかであれば、使用環境下で発生するノイズを低減するのに最適な電磁波遮蔽部材を選択しておくことが好ましい。
【0087】
(第2の実施形態)
図3は、第2の実施形態に係るキャップ型携行ユニット60の斜視図である。キャップ型携行ユニット60は、第1の実施形態に係るハット型携行ユニット10の変形例に相当する。ベースユニット11及び外部制御装置12の構成については、第1の実施形態と重複する説明を省略する。
【0088】
キャップ型携行ユニット60は、キャップ61、2つの独立型脳波検出デバイス62、位置確認デバイス63、検出位置指定デバイス64及びフィルタ情報デバイス65により構成されている。
【0089】
(キャップ型携行ユニット60の構造)
キャップ61は、中空の略半球状の本体70と略平面状のつば71とにより構成されている。本体70は、略半球状の外面72と略半球状の内面73との共通の端部である円環状の端縁部74を有する。つば71は、三日月形状に形成されている。つば71の三日月形状の短辺全体が本体70の端縁部74に縫合され、つば71の三日月形状の長辺側が本体70の外側に向けて突出するよう配設されている。位置確認デバイス63、検出位置指定デバイス64及びフィルタ情報デバイス65は、本体70の外面72に装着されている。2つの独立型脳波検出デバイス62、は、本体70の内面73に装着されている。
【0090】
本体70の外面72は、図示されていない電磁波遮蔽部材により覆われている。キャップ61は、脳波の検出を妨げるノイズを遮蔽するとともに、第1の無線通信部25と第2の無線通信部30との通信に使用される電磁波を透過する。脳波の検出を妨げるノイズとは、脳波に含まれる周波数の電磁波が例示される。電磁波遮蔽部材は、板金、金属メッシュ、金属インクなどが例示される。なお、電磁波遮蔽部材は、本体70の内面73を覆うように形成されていてもよく、外面72と内面73との間に挟まれていてもよく、キャップ61の繊維として織り込まれていてもよい。なお、キャップ型携行ユニット60を使用する環境に応じて複数のキャップ61を用意し、各キャップ61が異なる周波数のノイズを遮蔽するように構成してもよい。
【0091】
図4は、図3のキャップ型携行ユニット60を頭部3に装着したときの、キャップ型携行ユニット60及び頭部3の前面図である。説明の便宜上、図4の十字型矢印で示す通り、正面視した紙面に沿う上下方向を、キャップ型携行ユニット60及び頭部3の上下方向とし、正面視した紙面に沿う左右方向を、キャップ型携行ユニット60及び頭部3の左右方向とする。更に、紙面から垂直手前に向かう方向を前方向とし、紙面から垂直奥側に向かう方向を後方向とする。
【0092】
キャップ型携行ユニット60は、本体70の内面73及び端縁部74を下方に臨ませるとともにつば71を本体70の前方に配置したときに、上下方向及び前後方向に沿った仮想的な平面100を中心として略左右対称となるように形成されている。
【0093】
つば71の長辺中央部75は、最も前方に位置する。2つの独立型脳波検出デバイス62は、額6の前方において左右対称となるように位置決めされている。位置確認デバイス63は、本体70の最上部に搭載されている。検出位置指定デバイス64及びフィルタ情報デバイス65は、本体70の最上部付近に搭載されている。
【0094】
キャップ型携行ユニット60を装着する人は、つば71の長辺中央部75を額6の中央の下方に位置させることにより、キャップ型携行ユニット60を適正な位置に装着することができる。なお、キャップ61に色、形状及びその他の目印の少なくとも一つを付けておくことにより、運転手2が触覚、視覚及びその他の感覚の少なくとも一つによってキャップ61の位置を容易に認識することができる。キャップ61に目印を付けておくことにより、専門家でなくても容易にキャップ61を頭部3における所定の位置に装着することができる。本実施形態では、つば71の長辺中央部75が目印として機能する。
【0095】
図5は、図4のV−V線におけるキャップ型携行ユニット60及び頭部3の断面図である。
【0096】
キャップ61の本体70には、2つの位置決め部76が固定されている。各位置決め部76は、図4に示す各独立型脳波検出デバイス62に重なるように、本体70の内面73に固定されている。図5に示すように、位置決め部76は、キャップ61の内面73に密着した裏面77と、面ファスナーとして機能するように加工された表面78とを有している。
【0097】
独立型脳波検出デバイス62は、フレキシブル基板で形成された回路基板80と、導電性布で形成された電極部81と、面ファスナーとして機能するよう加工された薄膜状の着脱部82とにより構成されており、薄板円盤形状を有している。回路基板80は、電極部81と着脱部82とによりサンドウィッチ状に挟まれている。
【0098】
回路基板80は、キャップ61の内面73に沿ってあらかじめ湾曲形成されている。回路基板80があらかじめ湾曲形成されているため、回路基板80が平板である場合に比較して、回路基板80によって額6が傷つくおそれが少なくなる。更に、回路基板80が電極部81と着脱部82との間に挟まれているため、独立型脳波検出デバイス62の交換時及び使用時に回路基板80が破壊され難くすることができる。回路基板80には、図2に示す第1の実施形態の第1の信号処理回路24及び第1の無線通信部25として機能する回路が搭載されている。
【0099】
図5の電極部81は、脳波を検出し、検出した脳波をアナログの脳波信号として回路基板80に入力する。電極部81は、突起の無い滑らかな表面を有している。導電性布は金属プレートに比較して柔らかいため、金属プレートに比較して額6を傷つけるおそれが少ない。回路基板80より柔らかい電極部81が回路基板80と額6との間に挟まれているため、回路基板80によって額6を傷つけるおそれが少ない。
【0100】
着脱部82の面ファスナーは、キャップ61の位置決め部76の面ファスナーに対して着脱可能に形成されている。独立型脳波検出デバイス62をキャップ61に装着する人は、位置決め部76を目印として独立型脳波検出デバイス62の装着位置を確認できるため、医療関係者などの専門家でなくても容易に独立型脳波検出デバイス62を交換することができる。
【0101】
頭部3に対するキャップ型携行ユニット60の位置をつば71の長辺中央部75により位置決め可能であり、更にキャップ61に対する独立型脳波検出デバイス62の位置を位置決め部76により位置決め可能であるため、キャップ型携行ユニット60の着脱を繰り返しても、頭部3の略同じ位置に電極部81を接触させることが可能である。
【0102】
電極部81が額6に面接触するので、電極部81が点接触する場合に比較して、電極部81から額6に加わる圧力が小さく、更に、キャップ型携行ユニット60を頭部3に対して着脱する際に頭部3を傷つけるおそれが少ない。
【0103】
コンボイの運転、航空機の操縦、家事など、医療機関以外で脳波を検出する場合には、独立型脳波検出デバイス62の汚れ、故障などの不慮の事故が発生した場合に、専門家以外の人が独立型脳波検出デバイス62を交換しなければならない。第2の実施形態のキャップ型携行ユニット60によれば、利用関係者などの専門家でなくても正確に位置決めしながら独立型脳波検出デバイス62を交換することができる。
【0104】
なお、本実施形態では、独立型脳波検出デバイス62をキャップ61に対して着脱可能にする着脱機構として、面ファスナーを採用しているが、他の着脱機構を採用してもよい。着脱機構としては、各種ボタン、鉤状フック、線ファスナーが例示される。本実施形態のキャップ型携行ユニット60は、2つの位置決め部76と2つの独立型脳波検出デバイス62とを備えているが、更に多くの位置決め部76及び独立型脳波検出デバイス62を備えていてもよい。
【0105】
検出位置指定デバイス64及びフィルタ情報デバイス65は、それぞれ、図示しない回路基板と回路基板を覆う布とにより構成されている。回路基板を覆う布は、面ファスナー構造を有しており、予め本体70の外面72に搭載された他の面ファスナーに対して着脱することができる。
【0106】
なお、独立型脳波検出デバイス62に文字、色、形及びその他の目印の少なくとも一つを付けることにより、複数の位置決め部76に対する各独立型脳波検出デバイス62の装着位置を区別することができる。更に、各独立型脳波検出デバイス62から識別信号を送信することにより、複数の独立型脳波検出デバイス62の位置をベースユニット11が区別することができる。なお、第2の無線通信部30において受信された脳波信号と、第2の信号処理回路31において予め記憶された脳波信号とを比較することにより、各独立型脳波検出デバイス62から識別信号を送信しなくても脳波信号の検出位置を特定してもよい。
【0107】
図6は、第2の実施形態に係るキャップ型携行ユニット60及びベースユニット11の動作を説明するための機能ブロック図である。
【0108】
各独立型脳波検出デバイス62は、電極部81、第1の信号処理回路24及び第1の無線通信部25を備えている。従って、各第1の信号処理回路24は、1つの電極部81から脳波信号を入力して信号処理する。
【0109】
位置確認デバイス63は、走査部90と第4の無線通信部91とを備えている。
【0110】
走査部90は、電波を走査することにより各独立型脳波検出デバイス62の位置を検出する。キャップ61には適宜基準となる電極が配置されている。走査部90は、基準となる電極に対する相対的な位置として各独立型脳波検出デバイス62の位置を検出する。
【0111】
走査部90が各独立型脳波検出デバイス62の位置を把握する方法として、種々の方法を採用することができる。例えば、送信アンテナから指向方向を変化させながら電波を送信するとともに、受信アンテナにより受信方向を変化させながら反射波を受信することにより、独立型脳波検出デバイス62により反射した電波の飛来方向及び飛来距離を検出する方法が例示される。また、走査部90において、各独立型脳波検出デバイス62の第1の無線通信部25から出力される電波の飛来方向及び飛来距離を計測する方法が例示される。また、複数の走査部90から送信される電波の遅延量を独立型脳波検出デバイス62において検出する方法が例示される。走査部90は、電極部81の位置を把握することができれば、種々の構成によって実現することができる。なお、走査とは、電磁波と超音波との少なくとも一方について、受信方向と送信方向との少なくとも一方を変化させることを含む概念である。
【0112】
走査部90において検出された各独立型脳波検出デバイス62の位置は、位置情報として第4の無線通信部91から送信される。位置情報は、第1の信号処理回路24に送信されてもよいし、独立型脳波検出デバイス62を識別する情報とともに第2の無線通信部30に送信されてもよい。いずれにしても、各脳波信号と、その脳波信号を測定した位置を示す位置情報とが正確に対応付けられているようにする。
【0113】
キャップ型携行ユニット60に位置確認デバイス63を備えることにより、独立型脳波検出デバイス62が位置情報を記憶していなくても、脳波信号と位置情報とを対応づけることが可能となる。すなわち、2つの独立型脳波検出デバイス62の搭載位置を入れ替えても、脳波信号と位置情報とを対応づけることが可能となる。従って、利用者が、各独立型脳波検出デバイス62の装着位置を確認する必要がなくなり、専門知識のない一般の利用者が容易に独立型脳波検出デバイス62を取り付けることが可能となる。
【0114】
検出位置指定デバイス64は、指定情報記憶部92に記憶された指定情報を、第5の無線通信部93から第2の無線通信部30に送信する。指定情報は、眠り防止、眠り促進、その他の制御目標を示す情報である。第2の信号処理回路31は、指定情報により通知される制御目標を、図2に示す組み合わせ変更部43及びプロセス変更部45に通知する。なお、指定情報は、脳波信号の組み合わせを指示する内容を含んでいれば、制御目標でなくてもよい。例えば、指定情報が、電極部81の位置をいくつか指定するものであってもよい。この場合、脳波選択部42は、指定された位置に搭載された電極部81において検出された脳波信号を、位置情報に基づいて選択する。
【0115】
キャップ型携行ユニット60に検出位置指定デバイス64を備えることにより、スイッチ33を使用しなくても制御目標を設定することができる。なお、スイッチ33と検出位置指定デバイス64とを共存させてもよい。異なる制御目標を指定情報として記憶した複数の検出位置指定デバイス64を予め用意しておくことにより、利用者は、検出位置指定デバイス64を取り換えるだけで容易に制御目標を変更することができる。また、異なる制御目標を指定情報として記憶した複数のキャップ型携行ユニット60を用意しておけば、キャップ型携行ユニット60を取り換えるだけで容易に制御目標を変更することができる。
【0116】
フィルタ情報デバイス65は、フィルタ情報記憶部94に記憶されたフィルタ情報を、第6の無線通信部95から第2の無線通信部30に送信する。フィルタ情報は、自動車、航空機、その他の使用環境を示す情報である。第2の信号処理回路31は、フィルタ情報により通知されるフィルタ情報を、図2に示すフィルタ選択部41に通知する。なお、フィルタ情報は、フィルタ部40において使用されるノイズフィルタを指定する内容を含んでいれば、使用環境でなくてもよい。例えば、フィルタ情報は、コンボイの車両から発生するノイズを低減するノイズフィルタを選択するように直接指示する情報であってもよい。また、フィルタ情報は、ノイズフィルタとして参照される数値データや関数などであってもよい。
【0117】
キャップ型携行ユニット60にフィルタ情報デバイス65を備えることにより、スイッチ33を使用しなくても使用環境を設定することができる。なお、スイッチ33とフィルタ情報デバイス65とを共存させてもよい。異なる使用環境をフィルタ情報として記憶した複数のフィルタ情報デバイス65を予め用意しておくことにより、利用者は、フィルタ情報デバイス65を取り換えるだけで容易に制御目標を変更することができる。また、異なる使用環境をフィルタ情報として記憶した複数のキャップ型携行ユニット60を用意しておけば、キャップ型携行ユニット60を取り換えるだけで容易に使用環境を変更することができる。
【0118】
図7は、キャップ型携行ユニット60の変形例及びベースユニット11を示す機能ブロック図である。変形例のキャップ型携行ユニット60は、外部から読み取り可能に位置情報を記憶した受動型位置確認デバイス66を2つ備えている。受動型位置確認デバイス66は、例えばICカードであり、外部から無線通信によって位置情報を読み取り可能に構成されている。一方の受動型位置確認デバイス66は、図4に示す一方の独立型脳波検出デバイス62に重なるように配置され、他方の受動型位置確認デバイス66は、図4に示す他方の独立型脳波検出デバイス62に重なるように配置されている。各受動型位置確認デバイス66は、図5に示す位置決め部76と本体70との間に配置されている。2つの受動型位置確認デバイス66はそれぞれ異なる位置情報を記憶している。
【0119】
各独立型脳波検出デバイス62は、読み取り部67により、最も近くに配置された受動型位置確認デバイス66から位置情報を読み取る。各第1の信号処理回路24は、位置情報を脳波信号に含めて第1の無線通信部25から送信する。
【0120】
独立型脳波検出デバイス62と受動型位置確認デバイス66とが一対一で対応するとともに、近接配置されていることにより、電極部81の位置と、検出された脳波信号とを正確に対応づけることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明の制御対象者はコンボイの運転手に限らず、農業用トラックの運転手、航空機操縦士、自動車の運転手、トラックの運転手、バスドライバー、タクシードライバー、その他の車両のドライバー、鉄道運転手、パイロット、ガードマン、船舶操舵手、陸海軍の見張り、夜勤労働者、管制官なども含む。制御対象者が眠ってはいけない職業に従事する人である場合に本発明は好適であるが、幅広い人を制御対象とすることができる。
【0122】
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限られるものではない。本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変形及び組み合わせが可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 脳波収集制御装置
2 運転手
3 頭部
4 車室
5 座席
6 額
10 ハット型携行ユニット
11 ベースユニット
12 外部制御装置
20 カウボーイハット
21 脳波検出デバイス
22 電極パッド
23 フレキシブル基板
24 第1の信号処理回路
25 第1の無線通信部
30 第2の無線通信部
31 第2の信号処理回路
32 刺激生成部
33 スイッチ
34 ランプ
35 匂い発生器
36 スピーカー
37 ショック印加電極
38 温度調節器
39 振動発生器
40 フィルタ部
41 フィルタ選択部
42 脳波選択部
43 組み合わせ変更部
44 指示信号生成部
45 プロセス変更部
50 第3の無線通信部
51 ディスプレイ
52 入力装置
60 キャップ型携行ユニット
61 キャップ
62 独立型脳波検出デバイス
63 位置確認デバイス
64 検出位置指定デバイス
65 フィルタ情報デバイス
66 受動型位置確認デバイス
67 読み取り部
70 本体
71 つば
72 外面
73 内面
74 端縁部
75 長辺中央部
76 位置決め部
77 裏面
78 表面
80 回路基板
81 電極部
82 着脱部
90 走査部
91 第4の無線通信部
92 指定情報記憶部
93 第5の無線通信部
94 フィルタ情報記憶部
95 第6の無線通信部
100 仮想的な平面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脳波を検出して前記脳波に応じた脳波信号を出力する電極と前記脳波信号を信号処理する第1の信号処理手段と前記第1の信号処理手段に接続された第1の無線通信手段とを含む脳波検出デバイスと、前記脳波検出デバイスを搭載して人体の頭部に装着可能に構成された頭部装着体と、を有する携行ユニットと、
少なくとも前記第1の無線通信手段を相手に無線通信する第2の無線通信手段と、人体の感覚器官に対する刺激を生成する刺激生成手段と、前記第2の無線通信手段に接続されて、前記脳波信号を前記第1の信号処理手段と共に信号処理することにより、前記刺激生成手段により生成される刺激を前記脳波信号の変化に応じて変化させる第2の信号処理手段と、を有するベースユニットと、を備える、
脳波収集制御装置。
【請求項2】
複数の前記脳波検出デバイスを備え、
各前記脳波検出デバイスが、前記頭部装着体に対して着脱可能に構成されている、
請求項1に記載の脳波収集制御装置。
【請求項3】
前記携行ユニットが、前記頭部装着体における前記脳波検出デバイスの取り付け位置として前記頭部装着体に搭載された第1の着脱部材と、前記脳波検出デバイスを前記第1の着脱部材に対して取り外し可能に取り付ける第2の着脱部材と、を更に有する、
請求項2に記載の脳波収集制御装置。
【請求項4】
前記携行ユニットが、前記第1の信号処理手段と前記第2の信号処理手段との少なくとも一方に対し、前記頭部装着体における前記電極の位置を示す位置情報を出力する位置確認デバイスを更に有する、
請求項1から請求項3のいずれかに記載の脳波収集制御装置。
【請求項5】
前記位置確認デバイスが、電磁波及び超音波の少なくとも一方を走査することにより前記頭部装着体における前記電極の位置を検出する、
請求項4に記載の脳波収集制御装置。
【請求項6】
複数の前記脳波検出デバイスと、複数の前記位置確認デバイスと、を備え、
前記位置確認デバイスが、外部から読み取り可能に前記位置情報を記憶し、
各前記脳波検出デバイスが、少なくとも一の前記位置確認デバイスから位置情報を読み取る、
請求項4に記載の脳波収集制御装置。
【請求項7】
複数の前記脳波検出デバイスを備え、
前記携行ユニットが、前記脳波信号を検出する複数の検出位置から少なくとも一の検出位置を指定する指定情報を、前記第1の信号処理手段と前記第2の信号処理手段との少なくとも一方に出力する検出位置指定デバイスを更に有し、
前記第1の信号処理手段と前記第2の信号処理手段とが協働して、前記指定情報により指定される前記少なくとも一の検出位置で検出される前記脳波信号の変化に応じて、前記刺激生成手段により生成される前記刺激を変化させる、
請求項1から請求項6のいずれかに記載の脳波収集制御装置。
【請求項8】
前記刺激生成手段により生成される刺激を前記脳波信号の変化に応じて変化させる制御方法を、前記第1の信号処理手段と前記第2の信号処理手段とが前記指定情報に応じて変更する
請求項7に記載の脳波収集制御装置。
【請求項9】
前記携行ユニットが、ノイズ除去フィルタに関するフィルタ情報を、前記第1の信号処理手段と前記第2の信号処理手段との少なくとも一方に出力するフィルタ情報デバイスを更に有し、
前記第1の信号処理手段と前記第2の信号処理手段とが協働して、前記フィルタ情報によって示されるノイズ除去フィルタを前記脳波信号に適用する、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の脳波収集制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−182973(P2011−182973A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51837(P2010−51837)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(304030497)株式会社プロアシスト (22)
【Fターム(参考)】