説明

自動変速機のコーストダウンシフト制御装置

【課題】コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中にロックアップが解除されると予測される場合、締結側変速油圧を低下させて変速品質の悪化を防止する。
【解決手段】アクセル開度APO=0のコースト運転中故に、フューエルカット時間を長くすべくトルクコンバータがロックアップされている状態で、t1にダウンシフト指令が発せられ、自動変速機が解放側クラッチ油圧Poffの低下と締結側クラッチ油圧Ponの上昇とでダウンシフトされている間、ロックアップ解除予測がなされたt2以降は締結側クラッチ油圧Ponを一点鎖線のC部に示すごとく、破線図示の高いロックアップON時用油圧から低いロックアップOFF時用油圧へと低下させる。よって、イナーシャフェーズ開始時t5における変速機出力トルクの引きが大きくなるのを防止でき、その後における車両減速度Gの変化幅Dを一点鎖線で示すように小さなものにして、変速品質を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクコンバータを介してエンジンからの動力を伝達する自動変速機の変速制御装置に関し、
特にエンジン無負荷状態でのコースト伝動中故にトルクコンバータが入力要素および出力要素間を直結されたコーストロックアップ状態であって、自動変速機が変速摩擦要素の掛け替えによってダウンシフトを行う時の変速制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかるコーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト制御としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが提案されている。
この提案技術は、エンジン無負荷状態ではエンジンのフューエルカット(燃料噴射の停止)時間を長くして燃費の向上を図るために、エンジン回転数ができるだけ長くフューエルリカバー回転数(燃料噴射再開回転数)よりも高い回転数に保たれているよう、トルクコンバータを入力要素および出力要素間が直結されたロックアップ状態(コーストロックアップ状態)にしておくことが使命であることから、当該コーストロックアップ状態であることを前提に、掛け替えダウンシフト用変速摩擦要素の締結油圧を決定するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−078124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、掛け替えダウンシフト用変速摩擦要素のうち、解放状態から締結状態にすべき締結側変速摩擦要素の締結油圧を、コーストロックアップ状態であることを前提に定めてしまうのでは、以下のような懸念があることを確かめた。
【0005】
つまり、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが開始された後、同じエンジン無負荷状態のままであっても、トルクコンバータのロックアップ状態を解除すべき運転状態になることがある。
しかしこの場合も、上記した従来のコースト掛け替えダウンシフト制御にあっては、コーストロックアップ状態であることを前提に定めた締結側変速摩擦要素の締結油圧に基づき当該ダウンシフトを進行させることとなる。
【0006】
しかし実際にはトルクコンバータがロックアップ状態を解除されているため、自動変速機の伝達トルク(コーストトルク)がコーストロックアップ状態での伝達トルク(コーストトルク)よりも小さく、自動変速機の伝達トルクに対して締結側変速摩擦要素の締結油圧が高すぎることとなる。
このため、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時におけるトルクの引きが大きくなる傾向となったり、イナーシャフェーズ終了時におけるトルクの突き上げが大きくなる傾向となり、いずれにしてもコースト掛け替えダウンシフトの変速品質が低下するという問題を生ずる。
【0007】
本発明は、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが開始された後、同じエンジン無負荷状態のままであっても、トルクコンバータがロックアップ状態を解除されることがあるとの観点から、
当該ロックアップの解除が予測される場合は、当該ロックアップの解除予測に基づいて締結側変速摩擦要素の締結油圧を低下させ、これにより上記変速品質の低下に関する問題を回避し得るようにした自動変速機のコーストダウンシフト制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的のため、本発明による自動変速機のコーストダウンシフト制御装置は、これを以下のごとくに構成する。
先ず前提となる自動変速機を説明するに、これは、トルクコンバータを介してエンジンからの動力を伝達する自動変速機である。
そして、上記エンジンが無負荷状態にされたコースト伝動中は所定条件のもとで上記トルクコンバータを入力要素および出力要素間が直結されたコーストロックアップ状態となし、
該コーストロックアップ状態で上記自動変速機が、或る変速摩擦要素の締結移行と、他の変速摩擦要素の解放移行とにより、低速段への掛け替えダウンシフトを行う時は、上記或る変速摩擦要素の締結油圧を、上記トルクコンバータが入力要素および出力要素間の直結を解かれたロックアップOFF状態での上記掛け替えダウンシフト時におけるロックアップOFF時用油圧よりも高いロックアップON時用油圧となすようにしたものである。
【0009】
本発明は、かかる自動変速機に対し、以下のようなロックアップ解除予測手段と、締結側変速油圧低下手段とを設けた構成に特徴づけられる。
前者のロックアップ解除予測手段は、上記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中に、該ロックアップ状態が解除されるのを予測するもので、
後者の締結側変速油圧低下手段は、上記ロックアップ解除予測手段により、上記掛け替えダウンシフト中のロックアップ解除が予測されるとき以降、上記或る変速摩擦要素の締結油圧を上記ロックアップON時用油圧から低下させるものである。
【発明の効果】
【0010】
かかる本発明による自動変速機のコーストダウンシフト制御装置においては、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中に、ロックアップ解除が予測される場合、この予測時以降において、締結側変速摩擦要素である上記或る変速摩擦要素の締結油圧を上記ロックアップON時用油圧から低下させるため、
ロックアップ状態が解除されるのに、上記或る変速摩擦要素の締結油圧が上記の高いロックアップON時用油圧のままにされることがなく、このロックアップON時用油圧よりも低い油圧に低下されることとなる。
【0011】
従って、ロックアップ状態の解除により自動変速機の伝達トルクが低下するとき、これに呼応して締結側変速摩擦要素である上記或る変速摩擦要素の締結油圧が低下され、当該或る変速摩擦要素の締結油圧が自動変速機の伝達トルクに対して高すぎないようにすることができる。
このため、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時におけるトルクの引きが大きくなる傾向や、イナーシャフェーズ終了時におけるトルクの突き上げが大きくなる傾向をなくし得て、これらによりコースト掛け替えダウンシフトの変速品質が悪化するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施例になる自動変速機のコーストダウンシフト制御装置を具えた車両用パワートレーンを、その制御システムとともに示すシステム図である。
【図2】図1における変速機コントローラが実行するコースト掛け替えダウンシフト制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図3】従来のコーストダウンシフト制御を示す動作タイムチャートである。
【図4】図2によるコースト掛け替えダウンシフト制御を、ロックアップ解除の予測がダウンシフト中の比較的遅いタイミングで行われた場合について示す動作タイムチャートである。
【図5】図2によるコースト掛け替えダウンシフト制御を、ロックアップ解除の予測がダウンシフト中の比較的早いタイミングで行われた場合について示す動作タイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例に基づき詳細に説明する。
<構成>
図1は、本発明の一実施例になる自動変速機のコーストダウンシフト制御装置を具えた車両用パワートレーンを、その制御システムとともに示すシステム図である。
図1のパワートレーンはエンジン1および自動変速機2を具え、これらエンジン1および自動変速機2間をトルクコンバータ3により相互に駆動結合する。
【0014】
自動変速機2を本実施例では、各種変速摩擦要素(クラッチやブレーキなど)の選択的な締結により対応変速段を選択可能な有段式の自動変速機とし、この自動変速機2は図示せざるディファレンシャルギヤ装置を内蔵した、前輪駆動車用のオートマチックトランスアクスルとする。
自動変速機2の出力軸に、上記ディファレンシャルギヤ装置を介して左右駆動輪(前輪)4L,4Rを結合する。
【0015】
トルクコンバータ3は、内部作動流体をポンプインペラ(入力要素)により遠心力で径方向外方へ向かわせてタービンランナ(出力要素)に衝突させ、その後ステータ(反力要素)を経てポンプインペラに戻す間、ステータによる反力下でタービンランナをトルク増大下に流体駆動するものである。
なおトルクコンバータ3は、必要に応じてロックアップクラッチによりポンプインペラ(入力要素)およびタービンランナ(出力要素)間を直結したロックアップ状態にし得るものとする。
【0016】
かくして、エンジン1からの動力はトルクコンバータ3を経て自動変速機2に入力され、自動変速機2は当該エンジン動力を選択変速段に応じ変速し、変速後の動力をディファレンシャルギヤ装置から左右駆動輪(前輪)4L,4Rに伝達して車両を走行させることができる。
【0017】
エンジン1は、図示しなかったが吸気管内に電子制御式スロットルバルブを具え、その開度を基本的にはアクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)APOに応じたスロットル開度となすが、アクセル開度APOとは別のエンジン出力(トルク)制御要求に応じても適宜スロットル開度を加減してエンジン1のトルクダウンや、トルクアップを行い得るものとする。
そしてエンジン1は、スロットルバルブにより制御された吸気量の空気と、インジェクタからの噴射により供給された燃料との混合気に、点火プラグからのスパークにより点火して運転を行うものとする。
【0018】
スロットルバルブの電子制御、インジェクタからの燃料噴射量、および点火プラグによる点火のタイミングは、他のエンジン制御(吸排気弁のバルブリフト量制御や圧縮比制御用のバルブ開閉タイミング制御)とともにエンジンコントローラ5によりこれらを実行する。
そのためエンジンコントローラ5には、アクセル開度APOを検出するアクセル開度センサ11からの信号と、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転センサ12からの信号とを入力する。
【0019】
自動変速機2の変速制御、およびトルクコンバータ3のロックアップ制御は、変速機コントローラ6によってこれらを行う。
そのため変速機コントローラ6には、エンジンコントローラ5を経由してアクセル開度APOに関した信号、およびエンジン回転数Neに関した信号を入力するほか、
変速機出力回転数No(車速VSP)を検出する変速機出力回転センサ13からの信号を入力する。
【0020】
変速機コントローラ6はこれら入力情報をもとに、予定の変速マップをもとに自動変速機2の目標変速段を求め、
自動変速機2を現在選択中の変速段から目標変速段への変速が行われるよう、対応する変速摩擦要素の締結、解放切り替えを行う。
【0021】
<コースト掛け替えダウンシフト制御>
変速機コントローラ6は更に、図2に示す制御プログラムを実行して、本発明が狙いとするコースト掛け替えダウンシフト制御を、後で詳述するごとくに行う。
図2のコースト掛け替えダウンシフト制御プログラムを説明する前に、この制御が必要な理由を、図3に基づき以下に説明する。
【0022】
図3は、アクセルペダルを釈放した(アクセル開度APO=0の)エンジン無負荷状態でのコースト(惰性)運転中故に、エンジン回転数Neの低下を抑制してフューエルカット時間を長くすべく、トルクコンバータ3が入出力要素間を直結されたコーストロックアップ状態にされており、この状態で瞬時t1に変速指令(ダウンシフト指令)が発せられ、これに呼応して、解放側クラッチ(解放側変速摩擦要素)を締結油圧Poffの図示するような低下により締結状態から解放状態に切り替えると共に、締結側クラッチ(締結側変速摩擦要素)を締結油圧Ponの図示するような上昇により解放状態から締結状態に切り替えることで、自動変速機2を掛け替えダウンシフトさせる場合の変速動作タイムチャートである。
【0023】
上記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト時は、締結側クラッチの油圧Ponを、トルクコンバータ3がコーストロックアップ状態であることから、この時における自動変速機2の大きな伝達トルク(コーストトルク)に見合うような図示のごとき高い値(ロックアップON時用油圧)に制御して、エンジン回転数Neの低下を抑制することによりフューエルカット時間を稼ぐようにする。
【0024】
ところで従来は前記したとおり、上記の掛け替えダウンシフト中、締結側クラッチの油圧Ponを、コーストロックアップ状態が保たれていることとして無条件に、図示のごとく上記の高いロックアップON時用油圧に決定し続けるため、以下のような問題を生ずる懸念がある。
【0025】
つまり、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが開始された瞬時t1の後、同じエンジン無負荷状態のままであっても、トルクコンバータ3のロックアップ状態を解除すべき運転状態になることがある。
例えば上記掛け替えダウンシフト中の瞬時t2に当該運転状態となって、トルクコンバータ3のロックアップ解除指令が発せられ、これに応答してトルクコンバータ3がコーストロックアップを解除されることがある。
当該ロックアップ解除後も従来のように締結側クラッチ油圧Ponを高いロックアップON時用油圧に決定した場合の問題を以下に説明する。
【0026】
つまり図3のごとく、トルクコンバータ3がコーストロックアップを解除された後も、従来のように締結側クラッチ油圧Ponを高いロックアップON時用油圧に決定するのでは、
ロックアップの解除により自動変速機の伝達トルク(コーストトルク)がコーストロックアップ状態での伝達トルク(コーストトルク)よりも小さくなり、自動変速機の伝達トルクに対して締結側クラッチ油圧Ponが高すぎる。
【0027】
このため先ず、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時t3における変速機出力トルクの引きが大きくなって、その後における車両減速度Gの変化幅Aが図示のごとき大きくなる。
【0028】
更に、イナーシャフェーズ開始時t3からイナーシャフェーズ終了時t4までのイナーシャフェーズ中におけるロックアップ解除状態が、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇に対して抵抗となるエンジン1と、自動変速機2との間の直結を解くことによって、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)が図示のごとくに急上昇し、この回転上昇分がイナーシャフェーズ終了時t4(実質的な変速終了時)に、変速機出力トルクの大きな突き上げとなって現れ、車両減速度GのBで示すような「ひげ」を出現させる。
【0029】
これら車両減速度Gの大きな変化幅Aおよび車両減速度Gの「ひげ」Bは、コースト掛け替えダウンシフトの変速ショックを大きくする要因となり、いずれにしてもコースト掛け替えダウンシフトの変速品質を著しく低下させてしまう。
【0030】
本実施例は、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが開始された瞬時t1の後、同じエンジン無負荷状態のままであっても、トルクコンバータ3がロックアップ状態を解除されることがあることから、このロックアップの解除が図3の瞬時t1におけるごとく予測される場合は、当該ロックアップの解除予測に基づいて変速機コントローラ6が図2の制御プログラムを実行することにより、締結側クラッチ油圧Ponを低下させて上記変速品質の低下に係わる問題解決を実現するようになしたものである。
【0031】
具体的には、先ず図2のステップS11において、トルクコンバータ3を前記コーストロックアップさせた状態で自動変速機2が、締結側クラッチ油圧Ponの上昇により締結側クラッチを解放状態から締結させると共に、解放側クラッチ油圧Poffの低下により解放側クラッチを締結状態から解放させることによって遂行する、掛け替えコースト掛け替えダウンシフト中か否かをチェックする。
【0032】
ステップS11で当該コースト掛け替えダウンシフト中でないと判定する間は、上記問題解決のための図2による締結側クラッチ油圧Ponの低下制御が不要であるから、制御をそのまま終了して、締結側クラッチ油圧Ponを通常通りの制御に任せる。
ステップS11でコースト掛け替えダウンシフト中であると判定する場合は、上記問題解決のための図2による締結側クラッチ油圧Ponの低下制御が必要であることから、制御をステップS12以降に進める。
【0033】
ステップS12においては、上記掛け替えダウンシフト中にトルクコンバータ3のロックアップ状態を解除すべき運転状態になるか否か、つまり掛け替えダウンシフト中にロックアップの解除が行われるか否かを予測する。
このステップS12は、本発明におけるロックアップ解除予測手段に相当するもので、例えば以下の(1)または(2)のようにして、掛け替えダウンシフト中のロックアップ解除を予測する。
【0034】
(1)コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが指令されるコーストロックアップダウンシフト指令車速(前記した変速マップ上の対応するダウンシフト変速線に基づくダウンシフト指令車速)と、トルクコンバータ3のロックアップ状態を解除すべきロックアップ解除車速との車速差が所定値以上になった時、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中にロックアップの解除が行われると予測する。
ここで上記車速差に関した所定値は、車両減速度Gの大きさに応じて、また、ブレーキペダル操作中(制動中)か否かに応じて、ロックアップ解除が行われ易くなるほど小さな値に定める。
【0035】
(2) コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中における実車速と、トルクコンバータ3のロックアップ状態を解除すべきロックアップ解除車速との車速差が所定値以上になった時、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中におけるロックアップ解除を予測する。
ここで上記車速差に関した所定値は、車両減速度Gの大きさに応じて、また、ブレーキペダル操作中(制動中)か否かに応じて、或いは掛け替えダウンシフトの変速進行度合いに応じて、ロックアップ解除が行われ易くなるほど小さな値に定める。
【0036】
ステップS12で掛け替えダウンシフト中にロックアップ解除が発生しないと予測する場合、ステップS13において、現在はトルクコンバータ3がロックアップ状態か、ロックアップOFF状態かをチェックする。
【0037】
ステップS13においてトルクコンバータ3がロックアップ状態であると判定する場合は、締結側クラッチ油圧Ponが前記した高いロックアップON時用油圧であっても前記した変速品質の低下を生じないから、また自動変速機2の伝達トルク(コーストトルク)が大きく、締結側クラッチ油圧Ponをこれに呼応して高くする必要があることから、ステップS14において締結側クラッチ油圧PonをロックアップON時用油圧となす。
【0038】
ステップS13においてトルクコンバータ3がロックアップ状態でないと判定する場合は、締結側クラッチ油圧Ponが前記した高いロックアップON時用油圧だと前記した変速品質の低下を生ずることから、これを防止するためステップS15において締結側クラッチ油圧Ponを、ロックアップON時用油圧よりも低く、ロックアップ解除状態での自動変速機2の伝達トルク(コーストトルク)に呼応したロックアップOFF時用油圧となす。
【0039】
ステップS12で掛け替えダウンシフト中にロックアップ解除が発生すると予測する場合、当該ロックアップの解除が実際に行われた時に締結側クラッチ油圧Ponが高いロックアップON時用油圧だと前記した変速品質の低下を生ずることから、これを防止するためステップS15において締結側クラッチ油圧Ponを、ロックアップON時用油圧よりも低いロックアップOFF時用油圧となす。
従ってステップS15は、本発明における締結側変速油圧低下手段に相当する。
【0040】
<効果>
上記した実施例の効果を、本実施例の動作タイムチャートである図4および図5に基づき以下に説明する。
図4は、ロックアップ解除の予測(ステップS12)がコースト掛け替えダウンシフト中の比較的遅いタイミングでなされた場合の動作タイムチャート、図5は、ロックアップ解除の予測(ステップS12)がコースト掛け替えダウンシフト中の比較的早いタイミングでなされた場合の動作タイムチャートである。
【0041】
<図4の場合の効果>
図4は、図3と同じ条件での本実施例の動作波形を一点鎖線および実線により示し、比較のため図3の動作波形を破線で示すように移記した。
【0042】
図4は、アクセルペダルを釈放した(アクセル開度APO=0の)エンジン無負荷状態でのコースト運転中故に、エンジン回転数Neの低下を抑制してフューエルカット時間を長くすべく、トルクコンバータ3がコーストロックアップ状態にされており、この状態で瞬時t1に変速指令(ダウンシフト指令)が発せられ、これに呼応して、解放側クラッチ(解放側変速摩擦要素)を締結油圧Poffの図示するような低下により締結状態から解放状態へ切り替えると共に、締結側クラッチ(締結側変速摩擦要素)を締結油圧Ponの、一点鎖線で図示するような上昇により解放状態から締結状態へ切り替えることで、自動変速機2を掛け替えダウンシフトさせる場合の変速動作タイムチャートである。
【0043】
上記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト時は、締結側クラッチの油圧Ponを、トルクコンバータ3がコーストロックアップ状態であることから、この時における自動変速機2の大きな伝達トルク(コーストトルク)に見合うような高い値(ロックアップON時用油圧)に制御して、エンジン回転数Neの低下を抑制することによりフューエルカット時間を稼ぐようにする。
【0044】
ところで本実施例においては前記したとおり、上記の掛け替えダウンシフト中、締結側クラッチの油圧Ponを、破線で示すごとく無条件に高いロックアップON時用油圧とせず、ロックアップ解除予測時t2以降は(ステップS12)、一点鎖線のC部に示すごとく高いロックアップON時用油圧から低いロックアップOFF時用油圧へと低下させる(ステップS15)。
このため、以下の説明するような効果が奏し得られる。
【0045】
なお締結側クラッチ油圧Ponを、破線で示すごとくロックアップ解除予測時t2以降も高いロックアップON時用油圧に定めると、その後、掛け替えダウンシフト中の瞬時t3にロックアップ解除指令でトルクコンバータ3がコーストロックアップを解除された場合、自動変速機の伝達トルクに対して締結側クラッチ油圧Ponが高すぎる。
【0046】
このため、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時t4における変速機出力トルクの引きが大きくなって、その後における車両減速度Gの変化幅Aが破線で示すように大きくなる。
【0047】
また、イナーシャフェーズ開始時t4からイナーシャフェーズ終了時t6までのイナーシャフェーズ中におけるロックアップ解除状態が、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇に対して抵抗となるエンジン1と、自動変速機2との間の直結を解くことによって、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)が破線図示のごとくに急上昇し、この回転上昇分がイナーシャフェーズ終了時t6(実質的な変速終了時)に、変速機出力トルクの大きな突き上げとなって現れ、車両減速度GのBで示すような「ひげ」を出現させる。
【0048】
これら車両減速度Gの大きな変化幅Aおよび車両減速度Gの「ひげ」Bは、コースト掛け替えダウンシフトの変速ショックを大きくする要因となり、いずれにしてもコースト掛け替えダウンシフトの変速品質を著しく低下させてしまう。
【0049】
しかし本実施例では、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが開始された瞬時t1の後、ロックアップ解除予測がなされた瞬時t2以降は(ステップS12)、締結側クラッチ油圧Ponを一点鎖線のC部に示すごとく、破線図示の高いロックアップON時用油圧から低いロックアップOFF時用油圧へと低下させるため(ステップS15)、
ロックアップを解除された場合における自動変速機の伝達トルク(コーストトルク)に対して締結側クラッチ油圧Ponが高すぎず、適切なものとなる。
【0050】
このため、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時t5における変速機出力トルクの引きが大きくなるのを防止することができ、その後における車両減速度Gの変化幅Dを一点鎖線で示すように小さなものにすることができる。
【0051】
また、イナーシャフェーズ開始時t5からイナーシャフェーズ終了時t7までのイナーシャフェーズ中におけるロックアップ解除状態が、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇に対して抵抗となるエンジン1と、自動変速機2との間の直結を解くことによって生ずる、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇を一点鎖線で示すごとく、締結側クラッチ油圧Ponの低下(ステップS15)により緩やかなものにすることができる。
【0052】
かかるタービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇は、イナーシャフェーズ終了時t7(実質的な変速終了時)に、変速機出力トルクの突き上げとなって現れる傾向にあるが、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇が緩やかであることから、イナーシャフェーズ終了時t7(実質的な変速終了時)における変速機出力トルクの突き上げが殆ど発生せず、イナーシャフェーズ終了時t7に車両減速度Gが実線で示すごとく滑らかなものとなり、「B」のような「ひげ」を持ったものにならない。
【0053】
これら車両減速度Gの小さな変化幅Dおよび車両減速度Gの滑らかな時系列変化は、コースト掛け替えダウンシフトの変速ショックを大きくすることがなく、コースト掛け替えダウンシフトの変速品質を向上させることができる。
【0054】
<図5の場合の効果>
図5は、図4の場合と同様、図3と同じ条件での本実施例の動作波形を一点鎖線および実線により示し、比較のため図3の動作波形を破線で示すように移記したものであるが、図4の場合よりも早期の変速指令瞬時t1にロックアップ解除予測(ステップS12)がなされた場合の動作タイムチャートである。
【0055】
ここで、変速指令瞬時t1の直後における締結側クラッチ油圧Ponの上昇制御態様を先ず説明する。
変速指令瞬時t1の直後においては、締結側クラッチが解放状態であって、締結し始めるまでのロスストローク中は、ショックに関与しないことから、また当該クラッチの締結応答を高める意味合いにおいて、締結側クラッチ油圧Ponを当該ロスストロークが速やかに完遂するような態様で上昇させる必要がある。
【0056】
かかる変速指令瞬時t1の直後における締結側クラッチ油圧Ponの上昇制御はプリチャージ制御と俗称され、例えば図5の瞬時t1〜t2間に破線および一点鎖線で示すように、締結側クラッチ油圧Pon(指令値)をステップ状に上下変化するプリチャージ圧に設定して、締結側クラッチがロスストロークを速やかに完遂し、且つ、ショック無しに締結を開始し得るようになす。
【0057】
ところで締結側クラッチ油圧Ponのプリチャージ制御は、その目的に照らして当然であるが、トルクコンバータがロックアップ状態であるか、ロックアップOFF状態であるかに関係なく、締結側クラッチ油圧Pon(指令値)を、図5の瞬時t1〜t2間における締結側クラッチ油圧Ponの破線特性(ロックアップON時用油圧)および一点鎖線特性(ロックアップOFF時用油圧)の比較から明らかなように、同じプリチャージ圧に定めるものである。
【0058】
図5のようにプリチャージ期間t1〜t2中に(図5では変速指令瞬時t1に)ロックアップ解除予測(ステップS12)がなされた場合、このロックアップ解除予測瞬時t1より締結側クラッチ油圧Ponを、図5の破線特性(ロックアップON時用油圧)から一点鎖線特性(ロックアップOFF時用油圧)に低下させる(ステップS15)。
【0059】
しかしプリチャージ期間t1〜t2においては、締結側クラッチ油圧Ponの破線特性(ロックアップON時用油圧)と、締結側クラッチ油圧Ponの一点鎖線特性(ロックアップOFF時用油圧)とが同じであることから、実質的に締結側クラッチ油圧Ponが低下されるのは、プリチャージ制御終了時t2(図5ではロックアップ解除指令瞬時に同じ)以降である。
よって当該瞬時t2以降、締結側クラッチ油圧Ponは、破線で示すロックアップON時用油圧から、一点鎖線で示すロックアップOFF時用油圧へと低下され(ステップS15)、以下の説明するような効果が奏し得られる。
【0060】
なお締結側クラッチ油圧Ponを、破線で示すごとくプリチャージ制御終了時t2以降も高いロックアップON時用油圧に定めると、ロックアップ解除状態での自動変速機の伝達トルクに対して締結側クラッチ油圧Ponが高すぎる。
【0061】
このため、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時t3における変速機出力トルクの引きが大きくなって、その後における車両減速度Gの変化幅Aが破線で示すように大きくなる。
【0062】
また、イナーシャフェーズ開始時t3からイナーシャフェーズ終了時t5までのイナーシャフェーズ中におけるロックアップ解除状態が、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇に対して抵抗となるエンジン1と、自動変速機2との間の直結を解くことによって、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)が破線図示のごとくに急上昇し、この回転上昇分がイナーシャフェーズ終了時t5(実質的な変速終了時)に、変速機出力トルクの大きな突き上げとなって現れ、車両減速度GのBで示すような「ひげ」を出現させる。
これら車両減速度Gの大きな変化幅Aおよび車両減速度Gの「ひげ」Bは、コースト掛け替えダウンシフトの変速ショックを大きくする要因となり、いずれにしてもコースト掛け替えダウンシフトの変速品質を著しく低下させてしまう。
【0063】
しかし本実施例では、コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが開始されると同時のロックアップ解除予測(ステップS12)瞬時t1に開始された締結側クラッチ油圧Ponのプリチャージ制御が終了する瞬時t2より、締結側クラッチ油圧Ponを一点鎖線で示すごとく、破線図示の高いロックアップON時用油圧から低いロックアップOFF時用油圧へと低下させるため(ステップS15)、
ロックアップを解除された場合における自動変速機の伝達トルク(コーストトルク)に対して締結側クラッチ油圧Ponが高すぎず、適切なものとなる。
【0064】
このため、掛け替えダウンシフト中のイナーシャフェーズ開始時t4における変速機出力トルクの引きが大きくなるのを防止することができ、その後における車両減速度Gの変化幅Dを一点鎖線で示すように小さなものにすることができる。
【0065】
また、イナーシャフェーズ開始時t4からイナーシャフェーズ終了時t6までのイナーシャフェーズ中におけるロックアップ解除状態が、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇に対して抵抗となるエンジン1と、自動変速機2との間の直結を解くことによって生ずる、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇を一点鎖線で示すごとく、締結側クラッチ油圧Ponの低下(ステップS15)により緩やかなものにすることができる。
【0066】
かかるタービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇は、イナーシャフェーズ終了時t6(実質的な変速終了時)に、変速機出力トルクの突き上げとなって現れる傾向にあるが、タービン回転数Nt(変速機入力回転数)の上昇が緩やかであることから、イナーシャフェーズ終了時t6(実質的な変速終了時)における変速機出力トルクの突き上げが殆ど発生せず、イナーシャフェーズ終了時t6に車両減速度Gが実線で示すごとく滑らかなものとなり、「B」のような「ひげ」を持ったものにならない。
【0067】
これら車両減速度Gの小さな変化幅Dおよび車両減速度Gの滑らかな時系列変化は、コースト掛け替えダウンシフトの変速ショックを大きくすることがなく、コースト掛け替えダウンシフトの変速品質を向上させることができる。
【0068】
なお本実施例においては更に、図4,5に基づき上述した効果に加えて、以下の効果をも奏し得る。
【0069】
つまり、ステップS12でロックアップ解除を予測するに際し、前記(1)のように、コーストロックアップダウンシフト指令車速と、ロックアップ解除車速との車速差が所定値以上になった時、ロックアップの解除が行われると予測する場合、
この予測を予定のダウンシフト線に基づいて行い得ることとなり、予測を早期に、且つ確実に行うことができる。
またこの際、上記車速差に関した所定値を、車両減速度Gの大きさに応じて、また、ブレーキペダル操作中(制動中)か否かに応じて、ロックアップ解除が行われ易くなるほど小さな値に定めることで、ロックアップ解除の予測精度を高めることができる。
【0070】
また、ステップS12でロックアップ解除を予測するに際し、前記(2)のように、コースト掛け替えダウンシフト中の実車速と、ロックアップ解除車速との車速差が所定値以上になる時、ロックアップの解除が行われると予測する場合、
この予測を実車速に基づいて行うこととなり、外乱を考慮した予測を行うことができて、この予測を実態に即したものとなし得る。
またこの際、上記車速差に関した所定値を、車両減速度Gの大きさに応じて、また、ブレーキペダル操作中(制動中)か否かに応じて、或いは掛け替えダウンシフトの変速進行度合いに応じて、ロックアップ解除が行われ易くなるほど小さな値に定めることで、ロックアップ解除の予測精度を高めることができる。
【0071】
<他の実施例>
なお上記の実施例においては、ステップS15で締結側クラッチ油圧PonをロックアップON時用油圧から低下させるに際し、ロックアップOFF時用油圧へと低下させることとしたが、低下させる油圧値はこれに限られない。
しかし、上記した効果を確実なものにするためには、締結側クラッチ油圧PonをロックアップON時用油圧からロックアップOFF時用油圧へと低下させるのが良いのは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
1 エンジン
2 自動変速機
3 トルクコンバータ
4L,4R 左右駆動輪
5 エンジンコントローラ
6 変速機コントローラ
11 アクセル開度センサ
12 エンジン回転センサ
13 変速機出力回転センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トルクコンバータを介してエンジンからの動力を伝達する自動変速機であって、前記エンジンが無負荷状態にされたコースト伝動中は所定条件のもとで前記トルクコンバータを入力要素および出力要素間が直結されたコーストロックアップ状態となし、該コーストロックアップ状態で前記自動変速機が、或る変速摩擦要素の締結移行と、他の変速摩擦要素の解放移行とにより、低速段への掛け替えダウンシフトを行う時は、前記或る変速摩擦要素の締結油圧を、前記トルクコンバータが入力要素および出力要素間の直結を解かれたロックアップOFF状態での前記掛け替えダウンシフト時におけるロックアップOFF時用油圧よりも高いロックアップON時用油圧となすようにした自動変速機において、
前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中に、該ロックアップ状態が解除されるのを予測するロックアップ解除予測手段と、
該手段により、前記掛け替えダウンシフト中のロックアップ解除が予測されるとき以降、前記或る変速摩擦要素の締結油圧を前記ロックアップON時用油圧から低下させる締結側変速油圧低下手段とを具備してなることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記締結側変速油圧低下手段は、前記或る変速摩擦要素の締結油圧を前記ロックアップON時用油圧から前記ロックアップOFF時用油圧へと低下させるものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項3】
前記或る変速摩擦要素が解放状態から締結し始めるまでのロスストローク中は、該或る変速摩擦要素の締結油圧を、前記ロスストロークが速やかに完遂されるよう、トルクコンバータのロックアップ状態、ロックアップOFF状態に関係なく、同じプリチャージ圧となすものである、請求項1または2に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記ロックアップ解除予測手段が前記掛け替えダウンシフト中のロックアップ解除を前記ロスストローク中に予測した場合、前記締結側変速油圧低下手段は、前記或る変速摩擦要素に係わる締結油圧の低下を、前記ロスストローク終了時から行って、前記掛け替えダウンシフトに供するものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記ロックアップ解除予測手段が前記掛け替えダウンシフト中のロックアップ解除を前記ロスストローク後に予測した場合、前記締結側変速油圧低下手段は、前記或る変速摩擦要素に係わる締結油圧の低下を、前記ロックアップ解除の予測時から行って、前記掛け替えダウンシフトに供するものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記ロックアップ解除予測手段は、前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフトが指令されるコーストロックアップダウンシフト指令車速と、前記ロックアップ状態を解除すべきロックアップ解除車速との車速差に基づいて、前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中におけるロックアップ状態の解除を予測するものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項6】
請求項5に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記ロックアップ解除予測手段は、前記車速差が車両減速度および制動状態の少なくとも1つに応じ定めた所定値になった時、前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中におけるロックアップ状態が解除されると予測するものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれか1項に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記ロックアップ解除予測手段は、前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中における実車速と、前記ロックアップ状態を解除すべきロックアップ解除車速との車速差に基づいて、前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中におけるロックアップ状態の解除を予測するものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。
【請求項8】
請求項7に記載された、自動変速機のコーストダウンシフト制御装置において、
前記ロックアップ解除予測手段は、前記車速差が車両減速度、制動状態、および前記掛け替えダウンシフトの変速進行度合いの少なくとも1つに応じ定めた所定値になった時、前記コーストロックアップ状態での掛け替えダウンシフト中におけるロックアップ状態が解除されると予測するものであることを特徴とする自動変速機のコーストダウンシフト制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−57330(P2013−57330A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194559(P2011−194559)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(000231350)ジヤトコ株式会社 (899)
【Fターム(参考)】