説明

自動製パン器

【課題】取消しキーの誤操作で調理が取り消され、食材が無駄になることのない、使い勝手の良い自動製パン器を提供する。
【解決手段】ヒータ3を有する焼成室2に着脱自在に載置されたパン焼き型5と、パン焼き型5内に配された練り羽根4を駆動するモータ6と、調理取消し用の取消しキー9dを含み、調理スタート等各種操作を行う操作部9と、各種情報を報知する報知部11と、ヒータ3とモータ6を制御するマイクロコンピュータ12とを備え、調理中に取消しキー9dが操作されると、それが誤操作かどうかを判断し、誤操作と判断すると調理を取り消さず、報知部11より報知する取消しキー判断部12aを設けたもので、調理中に取消しキー9dが誤操作されても、それが使用者に警告され、途中で調理が終了することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭で使用される自動製パン器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一般家庭でも簡単にパンを作ることができる自動製パン器がよく用いられるようになってきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7は、上記特許文献1に記載された従来の自動製パン器のブロック図であり、21は、自動製パン器本体、22は、ヒータ23とパン焼き型24を内部に有しパンを焼成する焼成室、25は、ベルト26とプーリー28により動力を伝達させ練り羽根27を回転させるモータ、27は、パン焼き型24の内手段に有ってパン生地を捏ね上げる練り羽根、30は、焼成室22内の温度を検知するサーミスタ29を含む温度検知手段、32は、モータ25を駆動制御するモータ駆動手段、31は、ヒータ23を駆動制御するヒータ駆動手段、33は、メニューコースの選択等各種操作を行う入力手段、34は、選択しているメニューコースやでき上がり時刻等を表示する液晶表示を搭載した表示手段、50は、温度検知手段30、ヒータ駆動手段31、モータ駆動手段32、入力手段33、表示手段34を制御するマイクロコンピュータを搭載した制御装置である。
【0004】
ここで、使用者がパン焼き型5をセッテイングして、スタートさせると、制御装置50は、記憶している調理シーケンスに従って、モータ駆動手段32を駆動して、材料を混練する。また、温度検知手段30の温度入力に従って、ヒータ駆動手段31を駆動して、焼成室22内の温度を一定に暖める。
【特許文献1】特開平1−104218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の自動製パン器の構成では、使用者が誤って調理中に取消しキーを操作して、調理をキャンセルした場合については対応しておらず、特に近年の自動製パン器はメニューの増加に伴い、使用者に調理途中で食材等を投入してもらった後、調理スタートのキー操作で調理続行を行うメニューも増え、従来に比べて調理中にキー操作を行う機会も増加している。その為、調理途中で、使用者が誤って取消しキーを操作して、調理を終了させてしまい、パン焼き型24内の食材が無駄になるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、自動製パン器の調理中に誤って取消しキーを操作しても、調理が途中で終了してしまうことのない自動製パン器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の自動製パン器は、加熱部を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室内の温度を検知する温度検知部と、メニューの選択や調理スタート等各種操作を行う操作部と、調理の終了等各種情報を報知する報知部と、前記温度検知部による検知温度によりメニュー毎に記憶している練り、ねかし、焼成等の工程を有する調理シーケンスに従って、前記加熱部と前記モータを制御する制御部とを備え、前記操作部は、調理の取消しを行う取消しキーを含み、調理中に前記取消しキーが操作されると、それが誤操作かどうかを判断し、誤操作と判断したならば調理の取消しを行わず、前記報知部より報知する取消しキー判断部とを設けたもので、調理中に使用者が誤って取消しキーを操作しても、その旨が使用者に警告されるので、調理途中で調理が終了するのを防ぎ、調理中の食材が無駄になることもなく使い勝手が良い。
【発明の効果】
【0008】
本発明の自動製パン器は、誤った取消しキー操作によって調理が途中で取消しされるのを防ぐことができ、調理中の食材が無駄になることもなく使い勝手が良い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、加熱部を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室内の温度を検知する温度検知部と、メニューの選択や調理スタート等各種操作を行う操作部と、調理の終了等各種情報を報知する報知部と、前記温度検知部による検知温度によりメニュー毎に記憶している練り、ねかし、焼成等の工程を有する調理シーケンスに従って、前記加熱部と前記モータを制御する制御部とを備え、前記操作部は、調理の取消しを行う取消しキーを含み、調理中に前記取消しキーが操作されると、それが誤操作かどうかを判断し、誤操作と判断したならば調理の取消しを行わず、前記報知部より報知する取消しキー判断部とを設けたもので、調理中に使用者が誤って取消しキーを操作しても、その旨が使用者に警告されるので、調理途中で調理が終了するのを防ぎ、調理中の食材が無駄になることもなく使い勝手が良い。
【0010】
第2の発明は、特に、第1の発明の取消し判断部は、前記取消し判断部が動作中に操作される取消しキーは全て誤操作と判断するもので、使用者の誤操作による調理取消しを完全に防ぐことができる。
【0011】
第3の発明は、特に、第1の発明の取消し判断部は、前記取消し判断部が動作中、取消しキーの1回目の操作は誤操作と判断し、前記取消しキーの2回目の操作で、調理を取り消すもので、誤って取消しキーを操作した場合には、報知部で警告され調理は取消しされず、使用者が本当に調理を取消したい時は、2回目の取消しキー操作で実現できるので、使用者の取消キーの誤操作による調理終了を防ぎ、使い勝手も良い。
【0012】
第4の発明は、特に、第1の発明の取消し判断部は、前記取消し判断部が動作中、取消しキーの操作時間が所定時間未満の場合、誤操作と判断するもので、通常の取消しキーの操作では報知部で警告され調理は取消しされず、使用者が本当に調理を取消したい時は、取消しキーを、所定時間操作し続ければ実現できるので、使い勝手が良い。
【0013】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれかひとつの発明の取消し判断部は、使用者のキー操作を待つ調理工程でのみ動作するもので、一番誤って取消キーが操作されるタイミングで、取消しキーの誤操作を判断し、その他の調理工程では、通常の取消しキーの操作で調理を取消しできるので、使い勝手が良い。
【0014】
第6の発明は、特に、第1〜4のいずれかひとつの発明の取消し判断部は、調理開始から第1の所定の時間経過後から動作するもので、調理終盤等明らかに取消しキーで調理が取消されるのがおかしいタイミングでのみ、取消しキーの誤操作を判断し、その他の調理工程では、通常の取消しキーの操作で調理を取消しできるので、使い勝手が良い。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照にしながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
以下に、本発明の第1の実施の形態における自動製パン器について図1〜4を用いて説明する。図1は、本実施の形態における自動製パン器の全体構成図である。
【0017】
図1において、本体1は、本実施の形態における自動製パン器の外郭を示すものであり、この本体1の内部にパンを焼成する焼成室2を設けている。そして、焼成室2には、焼成室2を加熱する加熱部であるヒータ3と、パン生地を練る練り羽根4を有する着脱自在のパン焼き型5を設けている。練り羽根4は、モータ6によりベルト7を介して駆動され、焼成室2には、焼成室2内の温度を検知するサーミスタで構成された温度検知部8を設けている。
【0018】
その他本体1には、調理メニューの選択等調理条件の入力や調理の開始等の各種操作を行う操作部9と、選択されたメニューやでき上がり時間等の各種情報を表示する液晶で構成された表示部10と、同じく各種情報を音によって報知する報知部11が設けられている。
【0019】
本体1は、さらに、温度検知部8、操作部9からの信号を受けて、ヒータ3やモータ6、表示部10、報知部11を、選択されたメニューや状況に応じて制御する制御部としてマイクロコンピュータ12を備えている。
【0020】
図2は、操作部9、表示部10の詳細図であり、操作部9内には、調理するメニューを選択するメニューキー9a、でき上がり時間を設定するタイマーキー9b、メニューキー9aで選択したメニューの調理を開始するスタートキー9c、加熱調理や使用者が設定したメニュー等の情報をキャンセルする取消キー9dを備えている。これら各種キーは0.1秒間ONすると、マイクロコンピュータ12は、キー入力として受け付ける。
【0021】
図2の例では、メニューキー9aでデニッシュパンが選択され、このデニッシュパンが出来上がるのが、3時間後であることをマイクロコンピュータ12によって、表示部10に表示している。
【0022】
また、図1のマイクロコンピュータ12内には、調理中取消しキー9dが入力されると、取消しキー9dの誤操作かどうかを判断し、誤操作と判断したならば調理の取消しを行わず、報知部11より報知する取消しキー判断部12aを内蔵している。
【0023】
以上のように構成された自動製パン器について、以下その動作、作用を説明する。
【0024】
使用者が、例えば、デニッシュパンを作りたいときには、パン焼き型5内に、デニッシュパンの食材である強力粉、薄力粉、バター、砂糖、粉ミルク、塩、溶き卵、ドライイースト、水をセット後、図2の、メニューキー9aで「デニッシュパン」を選択し、スタートキー9cをONすると、マイクロコンピュータ12は、図3に示すような、記憶しているデニッシュパンの調理シーケンスに従って、調理を開始する。
【0025】
まず、練り工程(1)では、マイクロコンピュータ12は、モータ6を回転させ、ベルト7を介して、練り羽根4を回転することで生地を練り上げる。15分経過すると、次のねかし工程(2)に移行する。ねかし工程(2)では、温度検知部8による検知温度が27℃未満の場合には、ヒータ3を通電率10%で駆動し、温度検知部9による検知温度が27℃以上の場合には、ヒータ3への通電をオフする。
【0026】
5分経過すると、次のバター投入工程(3)に移行する。バター投入工程(3)は、使用者に、予め準備しておいた後入れ用の食材である冷凍バターをパン焼き型5に投入してもらう工程なので、マイクロコンピュータ12は、報知部11を用いてバター投入工程になった旨を報知して、冷凍バターの投入を促す。
【0027】
使用者は、冷凍バターをパン焼き型5に投入した後、スタートキー9cを操作するか、そのままバター投入工程が10分経過すると、次の後練り工程(4)に移行する。後練り工程(4)でも、モータ6を回転させ、ベルト7を介して、練り羽根4を10分間回転することで、投入したバターを生地に練り込んでデニッシュパンの生地を作成し、発酵工程(5)では、ねかし工程(2)と同様に、温度検知部8の検知温度に応じて、ヒータ3の制御を行う。
【0028】
5分経過すると、次のガス抜き工程(6)に移行する。ガス抜き工程(6)では、モータ6を1分駆動する。その後同様に調理シーケンスの工程時間、ヒータ通電率、制御温度、モータ制御に従って、成形発酵工程(7)、焼き上げ工程(8)と処理を行い、調理シーケンスが終了する。
【0029】
本実施の形態では、取消キー判断部12aは、使用者によるキー操作を待つこのバター投入工程(3)で動作する。この動作について、本実施の形態における取消キー判断部12aの動作図である図4を用いて説明する。
【0030】
図4のステップ1にて、取消キー9dが操作されたか判断する。もし取消しキー9dが操作されたならYESとなり、ステップ2に移行する。ステップ2で取消キー判断手段12aは、報知部11を駆動してピッピッピッと警告報知を行い、バター投入後のスタートキー9cの操作と間違っているとの警告を行い、調理終了の処理を行わない。そして、またステップ1に戻り、同様の処理を繰り返す。
【0031】
以上のように本実施の形態によれば、ヒータ3を有する焼成室2と、焼成室2内に着脱自在に載置されたパン焼き型5と、パン焼き型5の内部に配設された練り羽根4と、練り羽根4を駆動するモータ6と、焼成室2内の温度を検知する温度検知部8と、メニューの選択や調理スタート等各種操作を行う操作部9と、調理の終了等各種情報を報知する報知部11と、温度検知部8の検知温度により、メニュー毎に記憶している練り、ねかし、焼成等の工程を有する調理シーケンスに従って、ヒータ3とモータ6を制御するマイクロコンピュータ12を備え、操作部9は、調理の取消しを行う取消しキー9dを含み、マイクロコンピュータ12内には、使用者がスタートキー9cを操作するバター投入工程でのみ動作し、このバター投入工程で取消キー9dが操作されると、報知部11より警告報知を行い、調理終了の処理を防止する取消キー判断部12aを備えたことにより、スタートキー9cの操作がある為、一番誤って取消キー9dが操作される工程であるバター投入工程では、取消しキー9dを受け付けず、その他の調理工程では、通常の取消しキー9dの操作で調理を取消しできるので、使い勝手が良く、また、バター投入工程での誤操作による調理取消しを完全に防ぐことができるので、取消キーの誤操作により調理中の食材が無駄になることもない。
【0032】
なお、本実施の形態において、取消キー判断部12aが動作するのは、スタートキー9cを操作するデニッシュパンのバター投入工程としたが、その他自動製パン器に搭載するメニューで、調理中、使用者が取消キー以外の何らかのキー操作を行う工程で動作するようにしても、効果は同じである。
【0033】
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態における自動製パン器の取消キー判断部12aの動作図である。なお、本実施の形態における自動製パン器の全体構成は、上記第1の実施の形態と同じであるため、同一符号を付して動作等その説明を省略する。
【0034】
図5において、バター投入工程(3)が始まると、取消キー判断部12aが動作し、ステップ3にて、取消キー9dがONされたか判断する。もし取消しキー9dがONされたならYESとなり、ステップ4に移行する。ステップ4で、取消キー判断手段12aは、ステップ3で取消キー9dがONしてからの時間のカウントを開始し、ステップ5に移行する。
【0035】
ステップ5では、報知部11を駆動してピッピッピッと警告報知を行い、バター投入後に要求されるスタートキー9cの操作と間違っているとの警告を行い、調理終了の処理を行わずステップ6に移行する。
【0036】
ステップ6ではステップ3で取消キー9dがONしてからの時間が、所定の時間、例えば、10秒経過したかどうかを判断する。もし10秒経過していないなら、NOとなりステップ7に移行し、ステップ7では、再度取消キー9dが操作されかどうかを判断する。もし取消しキー9dがONしていないならNOとなり、ステップ6に戻る。反対に取消しキー9dがONされたなら、ステップ8に移行して、ステップ8で取消しキー判断手段12aは、1回目の取消キー9dによるステップ5の警告音報知後、10秒以内に2回目の取消キー9dが操作されたので、使用者による明確な調理取り消しの操作と判断して、デニッシュパンの調理を終了する。
【0037】
ステップ6に戻り、ステップ3で取消キー9dが操作されてからの時間が10秒経過したならYESとなり、ステップ3に戻って処理を繰り返す。
【0038】
以上のように本実施の形態によれば、取消し判断部12aは、取消キー9dが1回目のONで報知部11にて警告報知を行い、10秒以内に再度取消キー9dがONされると調理を取消す事ができるので、誤って取消しキー9dを操作した場合には、報知部11で警告され調理は取消しされず、使用者が本当に調理を取消したい時は、10秒以内の2回目の取消しキー9d操作で実現できるので、使用者の取消キー9dの誤操作による調理終了を防ぎ、使い勝手も良い。
【0039】
なお、本実施の形態において、取消キー9dが有効になる1回目から2回目までのキー入力のリミットを10秒以内としたが、適宜調節しても何ら問題ない。
【0040】
(実施の形態3)
図6は、本発明の第3の実施の形態における自動製パン器の取消キー判断部12aの動作図である。なお、本実施の形態における自動製パン器の全体構成について、上記第1の実施の形態と同じであるため、同一符号を付して動作等その説明を省略する。
【0041】
図6において、デニッシュパンの調理が開始して、第1の所定の時間、例えば、2時間10分経過後すると、取消キー判断部12aが動作し、ステップ9にて、取消キー9dがONされたか判断する。もし取消しキー9dがONされたならYESとなり、ステップ10に移行する。ステップ4で取消キー判断手段12aは、ステップ9で取消キー9dがONされてからの時間のカウントを開始し、ステップ11に移行する。ステップ11では、ステップ9で取消キー9dがONされてからの時間が、所定時間、例えば、4秒経過したかどうかを判断する。
【0042】
もし4秒経過していないなら、NOとなりステップ12に移行する。ステップ12では、ステップ9でONされたと判断した取消キー9dが、OFFされたかを判断し、OFFされたならYESとなりステップ13にて報知部11を駆動してピッピッピッと警告報知を行い、調理は継続する。
【0043】
ステップ12で反対に取消しキー9dがOFFしていないならNOとなり、ステップ11に戻る。ステップ11で取消しキー9dがONの状態が4秒経過するとYESとなり、ステップ14に移行し、ステップ14では4秒間取り消しキー9dがONしつづけたので、使用者による明確な調理取り消しの操作と判断して、デニッシュパンの調理を終了する。
【0044】
以上のように本実施の形態によれば、取消し判断部12aは、取消キー9dが通常のキーの受付時間0.1秒では、報知部11にて警告報知を行い、4秒以上取消キー9dがONし続けると調理を取消す事ができるので、誤って取消しキー9dを通常のキー受付時間の0.1秒ONした場合には、報知部11で警告され調理は取消しされず、使用者が本当に調理を取消したい時は、取消しキー9dを4秒間ONすることで実現できるので、使用者の取消キー9dの誤操作による調理終了を防ぎ、使い勝手も良い。
【0045】
また、取消キー判断部12aは、デニッシュパンの調理が開始して、2時間10分経過後からつまり、図3に示すよう焼き上げ工程で動作することにより、調理の最後の工程で明らかに取消しキー9dで調理が取消されるのがおかしいタイミングでのみ取消しキー9dの誤操作を判断し、その他の調理工程では、通常の取消しキー9dの操作で調理を取消しできるので、使い勝手が良い。
【0046】
なお、本実施の形態において、デニッシュパンの調理が開始して、2時間10分経過後から調理取消し判断部12aが動作するようにしたが、その他メニューの調理工程及び調理時間、使用実態に応じて適宜変更しても何ら問題ない。
【0047】
また、本実施の形態において、取消しキー9dを4秒ONすることで調理を取消すようにしたが、適宜な時間にしても生じる効果は同じである。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上のように、本発明にかかる自動製パン器は、調理中に使用者が取消しキーを操作しても、誤操作かどうかを判断し、誤操作と判断したならば取消しキーを受け付けず、使用者に報知を行うようにしたもので、使用者の誤操作による調理の取消しを防止でき、自動製パン器に限らず調理途中に使用者によるキー操作を行う工程をもつ加熱調理機器にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の実施の形態1における自動製パン器の全体構成図
【図2】同自動製パン器の操作部と表示部の詳細図
【図3】同自動製パン器におけるデニッシュパンの調理シーケンス図
【図4】同自動製パン器における取消キー判断部の動作図
【図5】本発明の実施の形態2における自動製パン器の取消キー判断部の動作図
【図6】本発明の実施の形態3における自動製パン器の取消キー判断部の動作図
【図7】従来の自動製パン器のブロック図
【符号の説明】
【0050】
1 本体
2 焼成室
3 ヒータ(加熱部)
4 練り羽根
5 パン焼き型
6 モータ
7 ベルト
8 温度検知部
9 操作部
9a メニューキー
9b タイマーキー
9c スタートキー
9d 取消しキー
10 表示部
11 報知部
12 マイクロコンピュータ(制御部)
12a 取消キー判断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部を有する焼成室と、前記焼成室内に着脱自在に載置されたパン焼き型と、前記パン焼き型の内部に配設された練り羽根と、前記練り羽根を駆動するモータと、前記焼成室内の温度を検知する温度検知部と、メニューの選択や調理スタート等各種操作を行う操作部と、調理の終了等各種情報を報知する報知部と、前記温度検知部による検知温度によりメニュー毎に記憶している練り、ねかし、焼成等の工程を有する調理シーケンスに従って、前記加熱部と前記モータを制御する制御部とを備え、前記操作部は、調理の取消しを行う取消しキーを含み、調理中に前記取消しキーが操作されると、それが誤操作かどうかを判断し、誤操作と判断したならば調理の取消しを行わず、前記報知部より報知する取消しキー判断部とを設けた自動製パン器。
【請求項2】
取消し判断部は、前記取消し判断部が動作中に操作される取消しキーは全て誤操作と判断することを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
【請求項3】
取消し判断部は、前記取消し判断部が動作中、取消しキーの1回目の操作は誤操作と判断し、前記取消しキーの2回目の操作で、調理を取り消すことを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
【請求項4】
取消し判断部は、前記取消し判断部が動作中、取消しキーの操作時間が所定時間未満の場合、誤操作と判断することを特徴とする請求項1に記載の自動製パン器。
【請求項5】
取消し判断部は、使用者のキー操作を待つ調理工程でのみ動作することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動製パン器。
【請求項6】
取消し判断部は、調理開始から第1の所定の時間経過後から動作することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動製パン器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−284055(P2008−284055A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−130108(P2007−130108)
【出願日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】