説明

自動車のマットの固定装置

【課題】自動車のマットを被取付部材に固定するため、自動車のマットを被取付部材の取付位置に正確に維持し固定できる、自動車のマットの固定装置を提供する。
【解決手段】自動車のマットの固定装置は、被取付部材5に固定される合成樹脂製の第1クリップ1と、マットに固定される合成樹脂製の第2クリップとから成り、第1クリップ1は、固定部15と、固定部から延びるように形成されて、第2クリップ2に連結される筒状の連結部17とを有し、第2クリップ2は、フランジ26と、フランジ上面に形成され、マット6に取付ノブ10を介して連結される支持部27と、フランジの下面側に形成され、第1クリップ1の連結部17に入れ子状に連結される筒状の連結部25を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のマットを、自動車のフロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に固定する、自動車のマットの固定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車のマットを、フロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に固定するには、マットの固定装置が用いられる。例えば、特開2001−088598号公報(特許文献1)には、マットを位置ずれしないように保持するマットのずれ防止装置が記載されている。特開2005−254939号公報(特許文献2)には、敷物のずれ止め装置が記載されている。これらの公知の装置は、一方の端部が押込みピン等のピン部材によってフロアパネル等の被取付部材に固定され且つ他方の端部にマットの取付穴に係止する係止ピンが立設された細長い板状部材を備えており、押込ピンを被取付部材に押込んで係止し、係止ピンにはマットあるいは敷物の取付穴に係止ピンを挿入して係止することによって、マット等をフロアパネル等の被取付部材に係止してマット等の位置ずれを防止する。
【0003】
【特許文献1】特開2001−088598号公報
【特許文献2】特開2005−254939号公報
【特許文献3】特開2002−193016号公報
【特許文献4】意匠登録第1296907号公報
【特許文献5】特許第2864036号公報(特開平2−245509号公報)
【0004】
特許文献3には、例えば、特許文献2に記載の敷物等の取付穴に取付けられて、取付穴の周囲を補強して被取付部材への取付けを強固にするとともにマットが取付穴周囲から破損するのを防止する、マット用固定具が記載されている。特許文献3の固定具は、アッパーグロメットとロワーグロメットとから構成され、マットの取付穴の周縁部をマットの両面から挟持して、取付穴の周囲を補強して被取付部材への取付けを強固にし取付穴周縁部の破損も防止せんとする。特許文献4には、特許文献2に記載の敷物のずれ止め装置に似た細長い板状のマットの固定装置が記載されている。特許文献4に記載の固定装置は、板状部材の一端には押込みピンが設けられ、他端には、係止ピンに代えて、特許文献3に記載のマット用固定具に似た固定具が設けられる構成にされている。更に、特許文献4の固定装置においては、固定具にマットを固定する取付ノブが用いられ、取付ノブを90度回転することで固定具にマットを固定している。特許文献5は、1/4回転(90度回転)型ファスナーを記載しており、上記特許文献4に記載の取付ノブに似た固定具の1例を示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び特許文献2に記載のマット等の係止装置や特許文献4に記載のマット固定装置は、全体として細長い板状部材として形成されており、マット等をフロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に取付けるにおいて、マットの取付穴のある位置で被取付部材に係止し又は固定する構成ではない。従って、マットの位置ずれの防止は可能であるが、マットを被取付部材の取付位置に正確に維持し固定する機能は欠けている。特許文献3及び特許文献5の固定具(ファスナー)は、マットの固定のための補助具であり、マットを被取付部材の取付位置に正確に維持し固定するものではない。
【0006】
従って、本発明の目的は、自動車のフロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に固定するため、自動車のマットを被取付部材の取付位置に正確に維持し固定できる、自動車のマットの固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によれば、自動車のマットを自動車のフロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に固定する、自動車のマットの固定装置であって、被取付部材に固定される合成樹脂製の第1クリップと、マットに固定される合成樹脂製の第2クリップとから成り、第1クリップは、被取付部材に押込みによって固定される固定部と、固定部から延びるように形成され、第2クリップに連結される筒状の連結部とを有し、第2クリップは、マットを保持するように大径に形成されたフランジと、フランジ上面に形成され、マットに連結手段を介して連結される支持部と、フランジの下面側に形成され、第1クリップの連結部に入れ子状に連結される筒状の連結部とを有し、第1クリップの連結部と第2クリップの連結部とは、相互に押込まれて入れ子状に連結されることによってマットが被取付部材に固定される構成である、ことを特徴とする固定装置が提供される。
【0008】
上記マット固定装置によれば、フロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に固定された第1クリップに、マットを保持した第2クリップが直接連結されるので、マットを被取付部材の取付位置に正確に維持し固定できる。マットの固定作業は、第1クリップが被取付部材に押込みで取付けられ、第2クリップは連結手段を介してマットを保持でき、更に、第2クリップの筒状の連結部を第1クリップの筒状の連結部に入れ子状に押込むだけで連結でき、簡単な作業でマットを被取付部材に固定できる。
【0009】
上記固定装置において、第1クリップの連結部は円筒形状に形成されており、第2クリップの連結部は、第1クリップの連結部を受入れる中空の円筒形状に形成されており、第1クリップの連結部には一対の弾性係止片が形成され、第2クリップの連結部には、弾性係止片に係止する一対の係止肩が形成されて、第2クリップの連結部が第1クリップの連結部を受入れるように押込まれると係止肩が弾性係止片に係止して第2クリップが第1クリップに連結される。従って、第1クリップへの第2クリップの連結作業は極めて簡単である。また、弾性係止片は、係止肩に係止する面が、ほぼ45度の斜面に形成され、第2クリップの強い抜き出しによって弾性係止片と係止肩との係止を解除でき、第2クリップを第1クリップから連結解除できるように構成でき、これにより、マットの清掃や交換ののときのマットの取外し作業が極めて簡単にでき、再取付けも第2クリップの筒状の連結部を第1クリップの筒状の連結部に入れ子状に押込むだけで、簡単にマットを被取付部材に固定できる。更に、第1クリップの連結部の外面には長手方向に延びるリブが半径方向外方に突出して形成され、第2クリップの連結部の内壁面には、リブを受入れる凹溝が長手方向に形成されて、リブが凹溝内に収容されることによって弾性係止片と係止肩とが係止を確実にする位置に支持される構成にできる。これとは別に、第1クリップの連結部は楕円の円筒形状に形成され、第2クリップの連結部は、第1クリップの連結部を受入れる中空の楕円の円筒形状に形成され、楕円の第1クリップの連結部を楕円の第2クリップの連結部に受入れることによって弾性係止片と係止肩とが係止を確実にする位置に支持される構成にもできる。後者の楕円構成の場合、前者のリブ及び凹溝の形成が不要になる。
【0010】
そして、上記固定装置において、更に、マットを両面において挟持するマット固定具を有し、マット固定具は、マットの取付穴の周縁を、上面から押さえるアッパーグロメットと、下面から押さえるロワーグロメットとから成り、アッパーグロメットの筒状部がロワーグロメットの筒状部に入れ子状に連結することによってアッパーグロメットのフランジとロワーグロメットのフランジとがマットを両面において挟持する構成にできる。また、第2クリップをマットに連結する連結手段は取付ノブであり、取付ノブは、頭部のつまみ部と、該つまみ部から垂下する一対の係止脚とを有し、マット固定具の一方のグロメットには、係止脚は通過するがつまみ部は通過できない板状の保持部が形成されており、第2クリップには、係止脚の先端の係止部に係止する係止肩を有する支持部が設けられ、係止脚が保持部を通過して延びて係止脚の係止部が支持部の係止肩に係止することによって第2クリップがマットに取付けられる構成にできる。その取付ノブは、係止脚を第2クリップの支持部まで押込んだ後軸心回りに90度回転させられることによって係止脚の係止部が支持部の係止肩に係止する構成であり、支持部には、係止脚の90度回転によって係止脚外面の凸部に嵌合する凹部を有し、該凹部に凸部が嵌合することによって第2クリップがマットに固定されるのを知るとともに、その固定が維持される構成にできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。図1〜図13には、本発明の第1実施形態に係る、自動車のマットをフロアパネルに固定されたパッド等の被取付部材に取付ける取付装置が示されている。本発明において、自動車のマットの取付装置は、基本的には、図1に示される第1クリップ1と、図2に示される第2クリップ2とから構成される。第1クリップ1は、フロアパネル3に固定されたパッド5(図10〜図13参照)に固定され、第2クリップ2は、マット6(図9及び図12参照)に固定される。図12に図示のように、第2クリップ2が押込みによって第1クリップ1に連結されると、マット6がパッド5に取付けられて、マット6は、パッド5が固定されたフロアパネル3に取付けられる。上記のように、本発明に係る自動車のマットの取付装置は、基本的には、第1クリップ1と第2クリップ2とで構成されるが、図示の、好ましい第1実施形態においては、マットの取付装置は、第1クリップ1(図1)及び第2クリップ2(図2)の外に、図6〜図13に示すように、ゴム等の柔軟な材料で成るマット6を両面から挟持して剛性を与えて、第2クリップ2がマット6に連結されるのを補助する、アッパーグロメット7(図3)とロワーグロメット9(図4)で成るマット固定具11(図7参照)と、マット6を挟持したマット固定具11を介して、第2クリップ2にマット6を取外し可能に連結する取付ノブ10(図5参照)とを備えている。なお、図14〜図17に示す第2実施形態に係る固定装置も、基本的には、第1クリップ101と第2クリップ102とで構成されるが、第1クリップ及び第2クリップの外に、アッパーグロメット7とロワーグロメット9で成るマット固定具11と、マット6を挟持したマット固定具11を介して、第2クリップ2にマット6を取外し可能に連結する取付ノブ10とを備えている。
【0012】
図6及び図7は、アッパーグロメット7(図3)及びロワーグロメット9(図4)で成るマット固定具11がマット6を挟持する様子を示している。図8及び図9は、マット固定具11によって挟持されたマット6に、取付ノブ10を用いて第2クリップ2を連結する様子を示している。図10及び図11は、第1クリップ1が、パッド5に固定される様子を示している。図12及び図13は、マット固定具11及び取付ノブ10を介してマット6に連結された第2クリップ2が、パッド5に固定された第1クリップ1に押付けられて第2クリップ2に連結されてマット6がパッド5に取付けられ、パッド5が固定されたフロアパネル3にマット6が取付けられる様子を示している。図示の実施形態において、パッド5の上には、遮音や断熱等の機能を有するインシュレータ13及びそのカバー(カーペット等)70が配置され、第2クリップ2によってマット6の下方に保持される。以下、第1クリップ1、第2クリップ2、アッパーグロメット7、ロワーグロメット9、及び、取付ノブ10について、図1〜図5を参照して説明する。
【0013】
第1クリップは、硬質の合成樹脂材料で一体成形される。図1において、第1クリップ1は、細長い板状アームで成る、ほぼC形状の固定部15と、固定部15の上部アーム側に円筒状に形成された連結部17とから成る。固定部15は、パッド5の上下面を側面からの挿入によって挟持するように、ほぼC形状に形成され、パッド5の側面からパッド5に形成されたガイド溝14(図10及び図16参照)に沿ってスライドするだけで、パッドの上下面を挟持してパッド5に固定される。固定部15のC形状の内側には、パッド5の側面からガイド溝14を固定方向にスライドでき、ガイド溝の途中に形成された係止凹部69A、69Bに係止して戻りを阻止する一対の弾性逆止爪18が形成されている。固定部15の外側には中央を長手方向に延びて固定部15に剛性を与えるリブ19が形成され、パッド5への挟持力を高く維持して、パッド5への固定力を強固にする。
【0014】
連結部17は、固定部15の上部アームから上方に延びる円筒状に形成され、第2クリップ2の円筒状の連結部25の内側に挿入されて、第2クリップ2に連結される。連結部17には、第1クリップ1を第2クリップ2に連結するため、第2クリップ2の円筒状連結部25の一対の係止肩29に係止する一対の弾性係止片21が設けられている。更に、弾性係止片21は、下方側の面22(図1(F)参照)が、第2クリップ2の強い引き抜き力で第2クリップ2の連結部の係止肩29が乗り越えられるように、ほぼ45度の傾斜面として形成されている。これによって、第1クリップ1に連結した第2クリップ2を強い力で引き抜くことができ、マットの清掃や交換のときに、第2クリップ2に連結されたマット6を、パッド5が固定されたフロアパネル3から取外すことができる。また、連結部17には、その外面に一対の係止片21に対して周方向に90度離れた位置に、長手方向に延びる一対のリブ23が形成されている。リブ23は連結部17の強度を高くし、更に、リブ23は、第2クリップ2の円筒状連結部25の内側に形成された一対の凹溝31に受入れられる。凹溝31とリブ23との組合せによって、第2クリップ2が、第1クリップ1に連結されるときの方向を適正にして係止片21と係止肩29との係合を確実にして、第2クリップ2が第1クリップ1に押込まれるだけで第1クリップ1に連結するのが確保され、第1クリップ1への誤組み付けを防止できる。
【0015】
図2において、第2クリップ2は、第1クリップ1と同様に硬質の合成樹脂材料で一体成形される。第2クリップ2は、第1クリップ1に連結される連結部25と、連結部25の上端に形成されて、マット6を保持するとともにインシュレータ13(図13参照)等を押圧するように張り出す大径のフランジ26と、フランジ26の上方に形成されて、取付ノブ10を介してマット6に取付けられてマット6を支持する支持部27とを有する。連結部25は、第1クリップ1の連結部17を受入れる中空の円筒形状に形成され、連結部25には、第1クリップ1の連結部17の弾性係止片21に係止するための係止肩29(図2(E)参照)を形成する穴30が直径方向に対向して一対形成されている。また、連結部25の内側には、第1クリップ1の連結部17のリブ23を受入れる長手方向方向に延びる凹溝31が、一対形成されている。フランジ26は、マット6をその下面側から保持し、また、インシュレータ13を下方に押圧して保持できるように大径の円板形に形成される。
【0016】
支持部27は、マット6を第2クリップ2に支持する部分である。図示の実施形態において、マット6は、アッパーグロメット7とロワーグロメット9で成るマット固定具11によって挟持されて、柔軟なマット6に保持のための剛性が付与されている。支持部27は、マット固定具11が固定されたマット6の部分を、取付ノブ10を用いて支持する。支持部27は、取付ノブ10の一対の係止脚54を受入れて、係止脚54の係止部58に係止する、ほぼ楕円形の、伏せた容器形状に形成されている。支持部27の上部には、取付ノブ10の一対の係止脚54を受入れる穴33が形成されている。穴33は、ほぼ正四角形に形成されている。また、図2(B)に最もよく示されるように、楕円筒容器形状の支持部27の頂部において、四角形の穴33は、一対の対角線が水平に延び、他の一対の対角線が垂直に延びるように形成されている。穴33は、水平に対向する一対の角の部分のそれぞれが、外側に延びるT字形状のスリット34に連続している。更に、穴33において、垂直に対向する一対の角の部分は、取付ノブ10の一対の係止脚に形成された外側に突出する凸部59を受入れる凹部35として形成されている。四角形の穴33には、水平に対向する一対の角の部分に合わせて取付ノブ10の一対の係止脚54が挿入される。取付ノブ10が軸心回りに90度回転させられると、スリット34によって与えられた弾性によって穴33が拡大して、取付ノブ10の90度の回転が可能になり、90度の回転を終えると、取付ノブ10の一対の係止脚54の凸部59が、穴33の凹部35に嵌合して係止脚54がその位置に留まり、穴33は元の大きさに復帰して、取付ノブ10の姿勢を90度回転した状態に維持する。取付ノブ10の係止脚54の凸部59と凹部35との嵌合は、取付ノブ10を操作する作業者の手にその感触(クリック)を与えて、90度の回転の終了を報せる。取付ノブ10は、90度回転したとき、係止脚54の係止部58が支持部27の係止肩37に係止して、取付ノブ10が支持部27に取付けられる。係止肩37は、支持部27の下端に形成されている。支持部27の上面は、マット6を支持するときロワーグロメット9を支持する面となる。なお、取付ノブ10を受入れる穴33は、取付ノブ10の向きを規制しているので、フランジ26の表面には矢印マーク38が形成されて、作業者にその向きを表示し、作業を助けている。矢印マーク38は、また、第2クリップ2の連結部25を第1クリップ1の連結部17に押込むときの第2クリップ2の向きも表示している。
【0017】
図3及び図4を参照して、アッパーグロメット7とロワーグロメット9とから構成されるマット固定具11を説明する。かかる固定具の基本構成は、特許文献3(特開2002−193016号公報)に記載されており、参照されたい。アッパーグロメット7及びロワーグロメット9は、それぞれ、合成樹脂材料で一体成形される。合成樹脂材料は、硬質の材料であっても、弾性係数が低く且つ塑性変形し易い樹脂材料であってもよい。アッパーグロメット7とロワーグロメット9は、図6及び図7に図示のように、マット6を上下面から挟持して、マット6に固定され、柔軟なマット6、とりわけ、マット6の穴の周囲を補強して、他の部材への取付けを強固にするとともに、穴周囲からの破損を防止する。
【0018】
図3において、アッパーグロメット7は、ロワーグロメット9の外筒部に挿入される内側の筒としての、両端が開口した内筒部39と、内筒部39の一端の外周に形成されてマットの一方の面に接するフランジ41と、内筒部39の内側の中間高さ位置に内側に張り出した板状の保持部42とを有する。内筒部39の軸線方向の長さは、マット6の厚さ程度に短くされる。内筒部39の外周面には、アッパーグロメット7とロワーグロメット9とを相互に連結するため、複数段の係止爪43が設けられている。係止爪43の形状は、挿入は容易であるが抜き出しには抵抗する形状になっている。
【0019】
内筒部39は中空に形成され、内筒部39の中間高さ位置には、板状の保持部42が形成されている(特許文献3の固定具にはない)。保持部42には、取付ノブ10の係止脚54が貫通する楕円の穴45が形成されている。フランジ41は、マット6の取付穴周縁の上面に当接する一定の大きさの円板に形成されている。フランジ41の下面には、アッパーグロメット7とロワーグロメット9を相互に連結した状態でマット6のおもて面に食い込む突起46が複数個形成されており、アッパーグロメット7の回転を阻止する。
【0020】
図4において、ロワーグロメット9は、マット6の取付穴に挿入されるとともに、アッパーグロメット7の内筒部39を受入れ外側の筒となるように、中空の外筒部47と、外筒部の一端の外周に形成されてマットの下方の面に接するフランジ49とを有する。外筒部47の軸線方向長さは、アッパーグロメット7の内筒部39を安定して受入れることができれば短いほうが好ましい。外筒部47の外径は、マット6の取付穴に挿入できるように形成され、内径は、アッパーグロメット内筒部39が挿入し易く且つ挿入後がたつかない大きさに形成されている。外筒部47の内側のフランジ49に隣接する部分には、アッパーグロメット7とロワーグロメット9を相互に連結するため、複数の弾性係止爪50が設けられている。各係止爪50は、アッパーグロメット7の内筒部39の係止爪43に係止する。各係止爪50は、内筒部39の挿入は許すが、抜き出し方向には係止爪43への係止によって阻止するように弾性をもって撓む形状に形成されている。フランジ49は、マットの取付穴の周縁の、アッパーグロメット7のフランジ41と反対側のマット面に当接する一定の大きさの円板に形成されている。フランジ49の上面には、マット6に食い込むように複数の突起51が三角形状に突出して周方向に間隔をおいて形成されている。突起51はマットに食い込むのでマットへの保持力が向上する。
【0021】
なお、アッパーグロメット7の内筒部39の外形とロワーグロメット9の外筒部47の外形とは、円筒形状であってもよいが、図3(D)及び図4(B)に図示のように、内筒部39が外筒部47にほぼぴたりと収容できるような長円に形成するのが好ましく、両グロメット7、9の連結において回転方向における向き(角度)を規制すことができる。これによって、アッパーグロメット7の係止爪43とロワーグロメット9の係止爪5の係合を確実にすることができる。
【0022】
図5を参照して取付ノブ10を説明する。取付ノブ10は、硬質の合成樹脂材料で一体成形される。取付ノブ10に類似の公知のノブは、例えば、特許文献4(意匠登録第1296907号公報)等において、その一部が記載されている。取付ノブ10は、アッパーグロメット7とロワーグロメット9で挟持されたマット6を第2クリップ2に取付けるのに用いられる。取付ノブ10は、上部のつまみ部53と、つまみ部53から下方に垂下する一対の係止脚54とを有する。つまみ部53は、図9、図12及び図13に図示のように、全体が、アッパーグロメット7の内筒部39及びフランジ41の内側に収まる大きさに形成されている。つまみ部53は、上部が、作業者が指等でつかんで操作できる形状に形成されており、下面側は、マット6を挟持したマット固定具11のアッパーグロメット7の保持部42に当接するフランジとして形成されており、更に、下面側には軸心回りに円形状に下方に出っ張るストッパ55が形成されている。ストッパ55は、第2クリップ2の支持部27の四角形の穴33の周囲に形成された、浅い円形凹部57(図2(B)、(F)等を参照されたい)に収容されて、取付ノブ10がそれ以上第2クリップ2の支持部27の中にしずむのを阻止(ストップ)するともに、取付ノブ10の軸心回りの回転を滑らかにガイドする。
【0023】
取付ノブ10の一対の係止脚54は、マット6を挟持したアッパーグロメット7とロワーグロメット9を貫通し、各係止脚54の先端が、第2クリップ2の支持部27の穴33を通って係止肩37に係止するように延びる。各係止脚54の先端には、係止部58が形成されている。係止部58は、マット6を挟持したアッパーグロメット7とロワーグロメット9を貫通し更に第2クリップ2の支持部27の穴33を貫通して延びた状態においてつまみ部53の操作によって係止脚54が軸心回りに90度回転させられると、で2クリップ2の支持部27の係止肩37に係止して、マット固定具11が保持したマット6が第2クリップ2に連結される。各係止脚54には、つまみ部53の下面から係止部58に至る手前までの部分に、半径方向外側に突出する長手方向に延びるリブ状の凸部59が形成されている。凸部59は、各係止脚の剛性を高く維持するとともに、取付ノブ10が90度回転させられると該凸部59が第2クリップ2の支持部27の穴33の凹部35に嵌合して、係止部58が係止肩37に係止した状態が維持されて、マット6を第2クリップ2に取付ける。また、凸部59が凹部35に嵌合するときのクリックの感触が作業者に90度の回転作業の完了を報せる。
【0024】
上記の第1実施形態のように、第1クリップ1と、第2クリップ2と、アッパーグロメット7及びロワーグロメット9で成るマット固定具11と、取付ノブ10とから構成される、マット取付装置を用いて、フロアパネル3に固着されたパッド5にマット6を係止する操作を、図6〜図13を参照して説明する。
【0025】
図6に図示のように、アッパーグロメット7が、マット6の取付穴61の上方に配置され、ロワーグロメット9が、取付穴61の下方に配置されて、矢印62及び矢印63のように軸方向に押込まれる。この軸方向の押込みによって、アッパーグロメット7とロワーグロメット9は、係止爪43と係止爪50とが係合して、図7に図示のように、マット6を挟持した状態に固定される。なお、マット6の取付穴61は、アッパーグロメット7及びロワーグロメット9の形状に合わせて、大径穴と小径穴とで形成されるようにしてもよい。
【0026】
図8は、取付ノブ10を、第2クリップ2の連結のために、マット固定具11の中に、配置した様子を示している。図9に図示のように、第2クリップ2が、マット6の下方であってロワーグロメット9の真下に配置され、フランジ26をロワーグロメット9に接面させる。図8の位置に配置された取付ノブ10は、その係止脚53がアッパーグロメット7の保持部42を貫通し更にロワーグロメット9を通って第2クリップ2の支持部27の穴30を貫通するように、第2クリップ2に押込まれる(矢印65及び66)。その押込み後、図9の矢印67に示すように、取付ノブ10が、作業者がつまみ部53をもって、軸心回りに90度回転させられる。この回転によって、係止脚54の係止部58が支持部27の係止肩29に係止して、第2クリップ2がマット6に連結される。この連結後の状態が、図12の上方に示されている。本実施形態において、第2クリップ2をマット6に連結する作業は、マットのメーカで行われる。従って、自動車の組み付けラインでは、第2クリップ2が取付けられたマット6を受取って、第2クリップ2を第1クリップ1に押込みで取付ければ、マット6が被取付部材に取付けられるので、自動車の組み付けラインでの組み付け作業を簡単にでき且つ作業時間を短縮できる。
【0027】
他方、第1クリップ1は、図10及び図11に示すように、パッド5に取付けられる。図10において、第1クリップ1は、パッド5に形成されたガイド溝14(その全体形状は図16の斜視図に示されている)に合わせて、パッド5の側面に位置合わせされる。位置合わせ後、矢印67の方向に押込むと、固定部15の上下のアーム部分がガイド溝14をスライドするように移動する。押込みの終了時には、弾性逆止爪18が、パッド5に形成された係止凹部69A及び69Bに係合して、第1クリップ1は、パッド5に固定される。第1クリップ1のパッド5への固定はスライド作業だけなので、作業は簡単で作業時間も短い。
【0028】
図12に示すように、マット6をフロアパネル3等の被取付部材に取付ける際、図示の実施形態においては、パッド5の上及びパッド5に固定された第1クリップ1の固定部15の上部アームの上に、遮音や断熱等の目的でインシュレータ13が配置され、更にカーペット等のカバー70がインシュレータ13の上に配置される。例えば、自動車の組み付けラインにおいて、第1クリップ1が固定されたパッド5のある場所に第2クリップ2が固定されたマット6が搬入される。マット6に固定された第2クリップ2の連結部25がパッド5に固定された第1クリップ1の連結部17を収容できるように、マット6がパッド5の第1クリップ1に位置決めされる。位置決め後、矢印71に示すように、マット6とともに第2クリップ2が、第1クリップ1に押込められる。この押込みによって、第2クリップ2の連結部25の中に第1クリップ1の連結部17が挿入され、連結部17の一対の弾性係止片21が連結部25の一対の係止肩19にそれぞれ係合して、第1クリップ1と第2クリップ2とが連結される。
【0029】
図13(A)及び(B)に図示のように、第1クリップ1と第2クリップ2との連結によって、マット6が、第1クリップ1を介してパッド5に固定され、更に、パッド5が固定されたフロアパネル3に固定される。また、パッド5の上及び第1クリップ1の固定部15の上部アーム上に配置されたインシュレータ13及びカバー70は、第2クリップ2のフランジ26に押圧されてパッド5の上に固定される。上記のように、第1クリップ1に第2クリップ2を位置決めして押込むだけの簡単な操作でマット6をパッド5(ひいてはフロアパネル3)等の被取付部材に固定することができ、作業時間も短い。
【0030】
マット6の清掃や交換等のためにマット6をパッド5から取外す場合は、マット6を強く引上げて第2クリップ2を第1クリップ1から強く引き抜けばよい。これは、弾性係止片21の下方側の面22(図1(F)参照)がほぼ45度の傾斜面として形成されているからである。すなわち、第2クリップ2の強い引き抜き力で第2クリップ2の連結部25の係止肩29が乗り越えられるように、ほぼ45度の傾斜面として形成され、第1クリップ1に連結した第2クリップ2を強い力で引き抜くことができ、第2クリップ2に連結されたマット6を、パッド5が固定されたフロアパネル3から取外すことができる。この取外し作業は、マット6を手で強く引き抜くことによってもできるが、マイナスドライバ等の工具先端を、マット6とカバー70の間に入れて、こじることによってもできる。清掃後、取外したマット6を、再度フロアパネル等の被取付部材に取付けるには、第2クリップ2の連結部25が第1クリップ1の連結部17に収容できるように、マット6をパッド5に位置決めし、マット6とともに第2クリップ2を第1クリップ1に押込めばよい。なお、マット6の交換等のため、取外したマット6から第2クリップ2を取外すには、取付ノブ10を90度回転させれば、第2クリップ2をマット6から取外すことができる。
【0031】
図14〜図17は本発明の第2実施形態に係るマットの固定装置を示している。第2実施形態においても、第1実施形態に係るマットの固定装置と同様に、基本的には、図14に示される第1クリップ101と、図15に示される第2クリップ102とから構成される。また、第2実施形態に係るマットの取付装置も、第1実施形態に係るマットの固定装置と同様に、第1クリップ101及び第2クリップ102の外に、マット6を両面から挟持して第2クリップ102がマット6に連結されるのを補助する、アッパーグロメット7(図3)とロワーグロメット9(図4)で成るマット固定具11(図7参照)と、マット6を挟持したマット固定具11を介して、第2クリップ102にマット6を取外し可能に連結する取付ノブ10(図5参照)とを有する。図16は、他の部材(マット、アッパーグロメット、ロワーグロメット、取付ノブ等の部材)が省略された状態で、パッド5に第1クリップ101が取付けられ、第2クリップ102が第1クリップ101に連結される操作が示されている。図17(A)及び(B)は、第1クリップ101がパッド5に固定され、第2クリップ102が、取付ノブ10を介してアッパーグロメット7とロワーグロメット9とで挟持されたマット6に固定され、第1クリップ101に第2クリップ102が連結されることによって、マット6がインシュレータ13及びカバー70とともに、パッド5(ひいてはフロアパネル3)に固定された様子を示している。なお、マット6の取付け及び取外し並びに再取付けに関係する構成と操作は、第1実施形態に係るマットの固定装置のそれと同じであるので、説明を省略する。図14〜図17において、第1実施形態に係るマットの固定装置と同じ構成要素には同じ符号が付されている。
【0032】
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは、図14に図示のように、第1クリップ101において、連結部117が、楕円の円筒形状に形成されていることであり、図15に図示のように、第2クリップ102において、連結部125が、連結部117を受入れて収容するように、楕円の内筒部を有する楕円の円筒形状に形成されていることである。このように、第1クリップ101の連結部117及び第2クリップ102の連結部105が楕円の筒状に形成されているので、組み付け方向が規制されて、連結部117の弾性係止片21は、確実に、連結部125の係止肩29に係止する。従って、第1実施形態の第1クリップ1の連結部17のリブ23及び第2クリップ2の連結部25の凹溝31は不要になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1実施形態に係る、マットの固定装置の第1クリップを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図、(D)は底面図、(E)は(B)の1E−1E線断面図、(F)は(C)の1F−1F線断面図、(G)は右側面図、(H)は(C)の1H−1H線断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る、マットの固定装置の第2クリップを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図、(D)は底面図、(E)は(C)の2E−2E線断面図、(F)は(B)の2F−2F線断面図、(G)は右側面図、(H)は(C)の2H−2H線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係るマットの固定装置に用いられるアッパーグロメットを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は半断面正面図、(D)は底面図、(E)は(C)の3E−3E線断面図、(F)は(B)の3F−3F線断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係るマットの固定装置に用いられるロワーグロメットを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は(B)の4C−4C線断面図、(D)は(B)の4D−4D線断面図、(E)は右側面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るマットの固定装置に用いられる取付ノブを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は平面図、(E)は右側面図、(F)は(B)の5F−5F線断面図、(G)は(B)の5G−5G線断面図である。
【図6】マットをアッパーグロメットとロワーグロメットで挟持する前の様子を示す断面図である。
【図7】マットをアッパーグロメットとロワーグロメットで挟持した後の様子を示す断面図である。
【図8】マットをアッパーグロメットとロワーグロメットで挟持した後であって取付ノブを位置合わせした状態を示す断面図である。
【図9】第2クリップをマットに固定する前の様子を示す断面図である。
【図10】パッドに第1クリップを固定する前の様子を示す断面図である。
【図11】パッドに第1クリップを固定した後の様子を示す断面図である。
【図12】マットに固定した第2クリップを、パッドに固定した第1クリップに連結する前の様子を示す断面図である。
【図13】(A)は第1実施形態に係るマット固定装置を用いてマットをフロアパネルに固定した後の断面図、(B)は(A)の13B−13B線断面図である。
【図14】本発明の第2実施形態に係る、マットの固定装置の第1クリップを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図である。
【図15】本発明の第2実施形態に係る、マットの固定装置の第2クリップを示す図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は正面図、(D)は底面図、(E)は(C)の15E−15E線断面図である。
【図16】図14の第1クリップをパッドに取付け、図15の第2クリップを第1クリップに連結する操作を、他の部材を省略して示す図である。
【図17】(A)は第2実施形態に係るマット固定装置を用いてマットをフロアパネルに固定した後の断面図、(B)は(A)の上方から見た平面図である。
【符号の説明】
【0034】
1:101 第1クリップ
2:102 第2クリップ
3 フロアパネル
5 パッド
6 マット
7 アッパーグロメット
9 ロワーグロメット
10 取付ノブ
11 マット固定具
13 インシュレータ
14 パッドのガイド溝
15 第1クリップの固定部
17:117 第1クリップの連結部
18 逆止爪
21 弾性係止片
22 傾斜面
25:125 第2クリップの連結部
26 フランジ
27 支持部
29 係止肩
31 凹溝
35 凹部
37 係止肩
39 内筒部
42 保持部
47 外筒部
53 つまみ部
54 係止脚
69A、69B 係止凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のマットを自動車のフロアパネルやフロアパネルに固着されたパッド等の被取付部材に固定する、自動車のマットの固定装置であって、
前記被取付部材に固定される合成樹脂製の第1クリップと、前記マットに固定される合成樹脂製の第2クリップとから成り、
前記第1クリップは、前記被取付部材に押込みによって固定される固定部と、該固定部から延びるように形成され、前記第2クリップに連結される筒状の連結部とを有し、
前記第2クリップは、前記マットを保持するように大径に形成されたフランジと、該フランジの上面に形成され、前記マットに連結手段を介して連結される支持部と、前記フランジの下面側に形成され、前記第1クリップの連結部に入れ子状に連結される筒状の連結部とを有し、
前記第1クリップの連結部と前記第2クリップの連結部とは、相互に押込まれて入れ子状に連結されることによって前記マットが前記被取付部材に固定される構成である、
ことを特徴とする固定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の固定装置において、前記第1クリップの連結部は円筒形状に形成されており、前記第2クリップの連結部は、前記第1クリップの連結部を受入れる中空の円筒形状に形成されており、第1クリップの連結部には一対の弾性係止片が形成され、第2クリップの連結部には、前記弾性係止片に係止する一対の係止肩が形成されており、前記第2クリップの連結部が前記第1クリップの連結部を受入れるように押込まれると前記係止肩が前記弾性係止片に係止して第2クリップが第1クリップに連結される、ことを特徴とする固定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の固定装置において、前記弾性係止片は、前記係止肩に係止する面が、ほぼ45度の斜面に形成されており、第2クリップの強い抜き出しによって前記弾性係止片と前記係止肩との係止を解除でき、第2クリップを第1クリップから連結解除できる、ことを特徴とする固定装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の固定装置において、前記第1クリップの連結部の外面には長手方向に延びるリブが半径方向外方に突出して形成され、前記第2クリップの連結部の内壁面には、前記リブを受入れる凹溝が長手方向に形成されており、前記リブが前記凹溝内に収容されることによって前記弾性係止片と前記係止肩とが前記係止を確実にする位置に支持される、ことを特徴とする固定装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の固定装置において、前記第1クリップの連結部は楕円の円筒形状に形成され、前記第2クリップの連結部は、前記第1クリップの連結部を受入れる中空の楕円の円筒形状に形成されており、前記楕円の第1クリップの連結部を前記楕円の第2クリップの連結部に受入れることによって前記弾性係止片と前記係止肩とが前記係止を確実にする位置に支持される、ことを特徴とする固定装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の固定装置において、更に、前記マットを両面において挟持するマット固定具を有し、該マット固定具は、マットの取付穴の周縁を、上面から押さえるアッパーグロメットと、下面から押さえるロワーグロメットとから成り、アッパーグロメットの筒状部がロワーグロメットの筒状部に入れ子状に連結することによってアッパーグロメットのフランジとロワーグロメットのフランジとが前記マットを両面において挟持する、ことを特徴とする固定装置。
【請求項7】
請求項6に記載の固定装置において、前記第2クリップを前記マットに連結する前記連結手段は取付ノブであり、該取付ノブは、頭部のつまみ部と、該つまみ部から垂下する一対の係止脚とを有し、前記マット固定具の一方のグロメットには、前記係止脚は通過するが前記つまみ部は通過できない板状の保持部が形成されており、前記第2クリップには、前記係止脚の先端の係止部に係止する係止肩を有する支持部が設けられており、前記係止脚が前記保持部を通過して延びて前記係止脚の係止部が前記支持部の係止肩に係止することによって前記第2クリップが前記マットに取付けられる、ことを特徴とする固定装置。
【請求項8】
請求項7に記載の固定装置において、前記取付ノブは、前記係止脚を第2クリップの支持部まで押込んだ後軸心回りに90度回転させられることによって前記係止脚の係止部が前記支持部の係止肩に係止する構成であり、前記支持部には、前記係止脚の90度回転によって係止脚外面の凸部に嵌合する凹部を有し、該凹部に前記凸部が嵌合することによって第2クリップがマットに固定されるのを知るとともに、その固定が維持される、ことを特徴とする固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2008−308085(P2008−308085A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−159138(P2007−159138)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(390025243)ポップリベット・ファスナー株式会社 (159)
【出願人】(598025555)株式会社岡田製作所 (11)
【Fターム(参考)】