説明

自動車の前部車体構造

【課題】カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する構造において、カウルフロントの車幅方向両端部分の取付構造を改良して取付剛性を確実に高めることができる、自動車の前部車体構造を提供する。
【解決手段】ダッシュアッパ15のダッシュアッパ延出部18の上側に配置されて、ダッシュアッパ15のうちサスタワー5よりも上方に位置する部分の後部縦壁部17とサスタワー5とを連結する連結ブラケット60を備え、カウルフロント20は、左右1対のダッシュアッパ延出部間18を架橋するように配置された本体部材30と、本体部材30の車幅方向両端部に固定されて縦壁部22の車幅方向両端部分を構成し且つ左右1対の連結ブラケット60に結合された左右1対の側方部材40とを有し、側方部材40は、その下部に前方へ延出してサスタワー5に結合された延出補強部41を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の前部車体構造に関し、特に、カウルフロントの横壁部の前端から上側へ延びる縦壁部の車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置するもので、このカウルフロントの車幅方向両端部分の取付構造を改良して取付剛性を高め得るように構成した前部車体構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の前部車体構造では、特許文献1のように、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュロア及びその上端部に結合されたダッシュアッパが設けられ、このダッシュアッパの下部前端部にカウルフロントが結合されている。
【0003】
そして、特許文献1の構造もそうであるが、ダッシュアッパが、その車幅方向両端部分の下部に前方へ延出して左右1対のサスペンションタワーの上面に結合された左右1対のダッシュアッパ延出部を有し、カウルフロントが、ダッシュアッパから前側へ延びる横壁部と、この横壁部の前端から上側へ延びて車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する縦壁部とを有する構造が周知である。
【0004】
このような前部車体構造が構成される背景として、例えば、サスペンションタワーの高さ位置は自動車の性能に応じて決められる一方、フロントガラスやカウルグリルの位置、姿勢を含むデザインが関係することが挙げられる。
【0005】
尚、通常、カウルフロントの縦壁部は上方程前方へ移行する傾斜状に形成され、ダッシュアッパの後部にフロントガラスの下端部分を支持するカウル部材が結合され、ダッシュアッパ、カウルフロント、カウル部材等により、ボンネットとフロントガラスとの間で上方へ開口したカウル構造が形成され、このカウル構造の上方開口が合成樹脂製のカウルグリルによりカバーされている。
【0006】
ここで、特許文献1の前部車体構造では、ダッシュアッパの車幅方向外端部分がエプロン部材に結合され、カウルフロントの車幅方向外端部分がブラケットを介してダッシュアッパ、エプロン部材、エプロン部材に結合されたヒンジピラー部材に連結されている。
【0007】
このブラケットは、底板部と、底板部の前端から上方程前方へ移行するように傾斜する傾斜板部とを有し、このブラケットの底板部がダッシュアッパの上面に結合され、ブラケットの車幅方向内端部分にカウルフロントの車幅方向外端部が後方且つ上方から重ねられて、カウルフロントの上端部と下端部が夫々ボルト結合され、ブラケットの車幅方向外端部に形成されたフランジ部がエプロン部材、ヒンジピラー部材に結合されている。
【0008】
【特許文献1】特開2004−262290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のように、カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する前部車体構造では、カウルフロントの車幅方向両端部分を、ダッシュアッパ、エプロン部材(ヒンジピラー部材)に結合したとしても、このようなカウルフロントの車幅方向両端部分の取付構造では取付剛性を十分に高めることができないという虞がある。
【0010】
特許文献1の前部車体構造では、カウルフロントの車幅方向外端部分がブラケットを介してダッシュアッパ、エプロン部材、ヒンジピラー部材に結合されているが、このブラケットは、カウルフロントを延長したようなものであり、カウルフロントの車幅方向両端部分の基本的な取付構造を改善できるものではなく、前記同様の課題が生じる。
【0011】
ここで、特許文献1の前部車体構造では、ブラケットに膨出部を設けて剛性を高め、この膨出部の上端部にワイパが取付けられているが、このブラケット自体の取付剛性を十分に高めることができないので、ワイパの支持強度を十分に確保できない虞がある。故に、このブラケットにボンネットを取付けることは実用的に困難であると思われ、故に、ボンネットはヒンジピラー部材に支持されることになるが、そのために、ヒンジピラー部材の剛性を十分に高める必要が生じて構造も複雑化する虞がある。
【0012】
本発明の目的は、ダッシュアッパの車幅方向両端部分の取付剛性を確実に高めるとともに、カウルフロントの車幅方向両端部分の取付構造を改良して取付剛性を確実に高め、また、ボンネット、ワイパの取付構造を改善して支持剛性を確実に高めることも可能な、自動車の前部車体構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
請求項1の自動車の前部車体構造は、自動車のエンジンルームと車室とを仕切るダッシュロア及びその上端部に結合されたダッシュアッパと、このダッシュアッパの下部に結合されたカウルフロントとを備え、前記ダッシュアッパが、その車幅方向両端部分の下部に前方へ延出して左右1対のサスペンションタワーの上面に結合された左右1対のダッシュアッパ延出部を有し、前記カウルフロントが、ダッシュアッパから前側へ延びる横壁部と、この横壁部の前端から上側へ延びて車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する縦壁部とを有する自動車の前部車体構造において、前記1対のダッシュアッパ延出部の上方に各々配置されて、後端が前記サスペンションタワーの上面よりも上方位置となるダッシュアッパの後部縦壁部分に固定され、前端が前記サスペンションタワーの上面に連結された左右1対の連結ブラケットを備え、前記カウルフロントは、前記1対のダッシュアッパ延出部間を架橋するように配置された本体部材と、前記本体部材の縦壁部の車幅方向両端部に固定されて前記カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分を構成し且つ前記1対の連結ブラケットに結合された左右1対の側方部材とを有し、前記側方部材は、その下部に前方へ延出してサスペンションタワーに結合された延出補強部を有することを特徴とする。
【0014】
この自動車の前部車体構造では、エンジンルームと車室とを仕切るダッシュロア及びその上端部に結合されたダッシュアッパが設けられ、このダッシュアッパの下部にカウルフロントが結合されている。ダッシュアッパは、その車幅方向両端部分の下部に前方へ延出する左右1対のダッシュアッパ延出部を有し、これらダッシュアッパ延出部が左右1対のサスペンションタワーの上面に結合されている。サスペンションタワーは、大荷重を受け止めるために高い剛性に構成されており、ダッシュアッパは、そのダッシュアッパ延出部がサスペンションタワーに取付けられて取付剛性が高められる。
【0015】
カウルフロントは、ダッシュアッパから前側へ延びる横壁部と、この横壁部の前端から上側へ延びる縦壁部とを有する。ここで、ダッシュアッパに対してカウルフロントを着脱自在に結合(例えば、ボルト結合)するように構成することが望ましく、これにより、ダッシュアッパが車体の定位置に組付けられた状態で、ダッシュアッパに結合されたカウルフロントは前方のエンジンルーム側へ張出すが、カウルフロントをダッシュアッパから取外しておくことで、エンジンルームの作業性を良くすることができる。
【0016】
さて、カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分の上端はサスペンションタワーよりも上方に位置しており、このような構造は、例えば、サスペンションタワーの高さ位置が自動車の性能に応じて決められる一方、フロントガラスやカウルグリルの位置、姿勢を含むデザインが関係する背景によって構成される。
【0017】
そして、ダッシュアッパの1対のダッシュアッパ延出部の上方に左右1対の連結ブラケットが配置され、この連結ブラケットの後端がサスペンションタワーの上面よりも上方位置となるダッシュアッパの後部縦壁部分に固定され、連結ブラケットの前端がサスペンションタワーの上面に連結されているので、車幅方向両端部分におけるダッシュアッパと連結ブラケットの取付剛性が確実に高められる。ここで、連結ブラケットをダッシュアッパ延出部の上面に重ね合わせてサスペンションタワーに結合し、ダッシュアッパ延出部を含むダッシュアッパと連結ブラケット等により閉断面を形成することで、車幅方向両端部分におけるダッシュアッパと連結ブラケットの取付剛性は一層高められる。
【0018】
しかも、カウルフロントは、1対のダッシュアッパ延出部間を架橋するように配置された本体部材と、この本体部材の縦壁部の車幅方向両端部に固定されてカウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分を構成する左右1対の側方部材を有し、これら側方部材が1対の連結ブラケットに結合され、また、この側方部材は、その下部に前方へ延出する延出補強部を有し、この延出補強部がサスペンションタワーに結合されている。
【0019】
このように、カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分が、カウルフロントの本体部材とは別部材の1対の側方部材として、本体部材、連結ブラケット、サスペンションタワーに夫々結合可能な形状で設けられ、即ち、カウルフロントの車幅方向両端部分が、その側方部材によって、取付剛性が高い連結ブラケットと、剛性が高いサスペンションタワーに連結されている。つまり、カウルフロントの車幅方向両端部分の取付構造が改良されて取付剛性が確実に高められる。また、連結ブラケットの取付剛性が高いため、この連結ブラケットにボンネット、ワイパを取付けることで、ボンネット、ワイパの取付構造が改善されて支持剛性が確実に高められる。
【0020】
請求項1の発明の従属請求項として次の構成を採用可能である。
前記側方部材の車幅方向内方側部分が前記本体部材に結合され且つ車幅方向外方側部分が連結ブラケットに結合され、前記延出補強部がサスペンションタワーの車幅方向内端部に結合され、前記連結ブラケットの後端がダッシュアッパに結合されたカウル部材に結合される(請求項2)。前記1対のサスペンションタワーの上面を補強する左右1対のブレース部材を備え、前記1対の延出補強部が1対のブレース部材に結合さる(請求項3)。
【0021】
前記ブレース部材が、サスペンションタワーよりも車幅方向内方へ延びるブレース延出部を有し、このブレース延出部に延出補強部が結合される(請求項4)。前記1対の延出補強部と重ね合わせて1対のブレース部材に結合されるとともに、前記本体部材の横壁部の下面に結合された左右1対の補強ブラケットを備える(請求項5)。
【0022】
前記本体部材の車幅方向外端部分の縦壁部が上方程前方へ移行する傾斜状に形成され、前記連結ブラケットが下方程前方へ移行するように傾斜する傾斜壁部を有し、前記側方部材は、その車幅方向内方側部分に、前記本体部材の縦壁部の車幅方向外端部分に当接状に結合可能に上方程前方へ移行するように傾斜する第1傾斜部を有し、その車幅方向外方側部分に、前記傾斜壁部に当接状に結合可能に下方程前方へ移行するように傾斜する第2傾斜部を有する(請求項6)。前記ダッシュアッパ延出部を含むダッシュアッパとカウル部材と連結ブラケットとで形成された閉断面空間を仕切る節部材が設けられ、その節部材に連結ブラケットを介して側方部材が結合される(請求項7)。
【発明の効果】
【0023】
請求項1の自動車の前部車体構造によれば、ダッシュロア、ダッシュアッパ、カウルフロントを備え、カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する構造において、1対のダッシュアッパ延出部の上方に各々配置されて、後端がサスペンションタワーの上面よりも上方位置となるダッシュアッパの後部縦壁部分に固定され、前端がサスペンションタワーの上面に連結された左右1対の連結ブラケットを備え、カウルフロントは、1対のダッシュアッパ延出部間を架橋するように配置された本体部材と、この本体部材の縦壁部の車幅方向両端部に固定されてカウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分を構成し且つ1対の連結ブラケットに結合された左右1対の側方部材とを有し、側方部材は、その下部に前方へ延出してサスペンションタワーに結合された延出補強部を有する。
【0024】
つまり、車幅方向両端部分におけるダッシュアッパと連結ブラケットの取付剛性を確実に高めることができ、しかも、カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分を、カウルフロントの本体部材とは別部材の1対の側方部材として、本体部材、連結ブラケット、サスペンションタワーに夫々結合可能な形状で設け、カウルフロントの車幅方向両端部分を、その側方部材によって、取付剛性が高い連結ブラケットと、剛性が高いサスペンションタワーに連結できるので、カウルフロントの車幅方向両端部分の取付構造を改良して取付剛性を確実に高めることができ、また、連結ブラケットの取付剛性を高めることができるので、この連結ブラケットにボンネット、ワイパを取付けることで、ボンネット、ワイパの取付構造を改善して支持剛性を確実に高めることも可能になる。
【0025】
請求項2の自動車の前部車体構造によれば、側方部材の車幅方向内方側部分を本体部材に結合し且つ車幅方向外方側部分を連結ブラケットに結合したので、この側方部材によって、カウルフロントの車幅方向両端部分を連結ブラケットとサスペンションタワーに確実に連結でき、延出補強部をサスペンションタワーの車幅方向内端部に結合したので、ダッシュアッパと側方部材(カウルフロント)において、車幅方向外端部はエプロン部材やピラー部材に締結できるが、その車幅方向外端部から内方へ離隔する側の取付剛性を高く保つことができ、連結ブラケットの後端をダッシュアッパに結合されたカウル部材に結合したので、このカウル部材を介してダッシュアッパの後部縦壁部分に連結ブラケットを連結することができ、連結ブラケットとカウル部材とダッシュアッパとで閉断面を形成して、これら部材の剛性を高めることができる。
【0026】
請求項3の自動車の前部車体構造によれば、1対のサスペンションタワーの上面を補強する左右1対のブレース部材を備え、1対の側方部材の延出補強部を1対のブレース部材に結合したので、サスペンションタワー補強用のブレース部材を利用し、側方部材の延出補強部をブレース部材に確実に結合することができ、カウルフロントの車幅方向両端部分の取付剛性を確実に高めることができる。
【0027】
請求項4の自動車の前部車体構造によれば、ブレース部材が、サスペンションタワーよりも車幅方向内方へ延びるブレース延出部を有し、このブレース延出部に延出補強部を結合したので、ブレース部材の形状を少し変更(工夫)することで、側方部材の延出補強部をブレース部材に確実に結合することができ、しかも、その結合位置をより車幅方向内方へ位置させることができるので、ダッシュアッパと側方部材において、その車幅方向外端部からより内方へ離隔する側の取付剛性を高く保つことができる。
【0028】
請求項5の自動車の前部車体構造によれば、1対の延出補強部と重ね合わせて1対のブレース部材に結合するとともに、カウルフロントの本体部材の横壁部の下面に結合した左右1対の補強ブラケットを設けたので、側方部材の本体部材及びブレース部材への取付強度を高め、本体部材と側方部材(カウルフロント)の捩じれ剛性を高めることができる。
【0029】
請求項6の自動車の前部車体構造によれば、カウルフロントの本体部材の車幅方向外端部分の縦壁部が上方程前方へ移行する傾斜状に形成し、連結ブラケットが下方程前方へ移行するように傾斜する傾斜壁部を有し、側方部材は、その車幅方向内方側部分に、カウルフロントの本体部材の縦壁部の車幅方向外端部分に当接状に結合可能に上方程前方へ移行するように傾斜する第1傾斜部を有し、その車幅方向外方側部分に、連結ブラケットの傾斜壁部に当接状に結合可能に下方程前方へ移行するように傾斜する第2傾斜部を有するので、側方部材を本体部材と連結ブラケットの両方に確実に結合することができる。
【0030】
請求項7の自動車の前部車体構造によれば、ダッシュアッパ延出部を含むダッシュアッパとカウル部材と連結ブラケットとで形成された閉断面空間を仕切る節部材を設け、その節部材に連結ブラケットを介して側方部材を結合したので、連結ブラケットの剛性を高めるとともに、側方部材の連結ブラケットへの取付強度を確実に高め、また、連結ブラケットの剛性が高くなることから、この連結ブラケットにボンネット、ワイパを取付けた場合、ボンネット、ワイパの支持剛性を一層確実に高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の自動車の前部車体構造は、自動車のエンジンルームと車室とを仕切るダッシュロア及びその上端部に結合されたダッシュアッパと、このダッシュアッパの下部前端部に結合されたカウルフロントとを備え、ダッシュアッパが、その車幅方向両端部分の下部に前方へ延出して左右1対のサスペンションタワーの上面に結合された左右1対のダッシュアッパ延出部を有し、カウルフロントが、ダッシュアッパから前側へ延びる横壁部と、この横壁部の前端から上側へ延びて車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する縦壁部とを有する自動車の前部車体構造に適用されるものである。
【実施例】
【0032】
図1に示すように、自動車の前部車体構造1は、左右1対のフロントサイドフレーム2、左右1対のエプロン部材3、左右1対のピラー部材4、左右1対のサスペンションタワー5(以下、サスタワー5という)、ダッシュパネル6、カウル構造7等を備えている。フロントサイドフレーム2の後端部分がダッシュパネル6に結合され、エプロン部材3の後端部分がピラー部材4に結合され、サスタワー5がフロントサイドフレーム2とエプロン部材3に結合されている。
【0033】
図1〜図8に示すように、ダッシュパネル6は、エンジンルーム1aと車室1bとを仕切るものであり、ダッシュロア10(ダッシュロアパネル10)と、ダッシュロア10の上端部に結合されたダッシュアッパ15(ダッシュアッパパネル15)とを有する。
【0034】
ダッシュロア10は、その車幅方向両端部が1対のピラー部材4等に結合され、このダッシュロア10の上下方向中央部分に1対のフロントサイドフレーム2の後端部分が結合され、ダッシュロア10の下端部にフロアパネル(図示略)の前端部に結合されている。ダッシュロア10の車幅方向両端部分の前方に1対のサスタワー5が配置され、サスタワー5の上端とダッシュロア10の上端の高さ位置は略同じである。
【0035】
ダッシュロア10の上端部に前方へ張出す上端フランジ部10aが形成され、この上端フランジ部10aがダッシュアッパ15に結合されている。尚、ダッシュロア10の下部は、下方程後方へ移行する傾斜状に形成されるとともに、ダッシュロア10の下部の車幅方向中央部分には、上方へ膨らむトンネル部10bが形成され、このトンネル部10bにエンジン排気管(図示略)が配設される。
【0036】
ダッシュアッパ15は、底壁部16と、底壁部16の後端から上側へ延びる後部縦壁部17とを有する。底壁部16は、その後端部分が水平に形成されて、この底壁部16の後端部分の下面にダッシュロア10の上端フランジ部10aが結合され、底壁部16の前部が前方程上方へ移行する傾斜状に形成され、底壁16の前端部(ダッシュアッパ11の下部前端部)にカウルフロント20がシール部材25を介して結合されている。
【0037】
ダッシュアッパ15は、その車幅方向両端部分の下部に底壁部16から前方へ延出する左右1対のダッシュアッパ延出部18を有し、これらダッシュアッパ延出部18が1対のサスタワー5の上面に結合されている。ここで、サスタワー5の上面には後述のブレース部材50が結合されているが、ダッシュアッパ延出部18は、サスタワー5の上面のうちブレース部材50の結合部以外の後端部分の車幅方向外端部分に結合されている。
【0038】
図1〜図8に示すように、カウル構造7は、ダッシュアッパ10、カウル部材19(カウルパネル19)、カウルフロント20(カウルフロントパネル20)を有する。
【0039】
ダッシュアッパ15は、底壁部16と後部縦壁部17とを有し、後部縦壁部17は、車幅方向両端部分において略鉛直に形成され、それ以外の部分において前方へ張出すように形成されている。底壁部16の前端部に前方へ張出す前端フランジ部16aが形成され、縦壁部17の上端部に後方へ張出す上端フランジ部17aが形成されている。
【0040】
カウル部材19は、ダッシュアッパ15の底壁部16の上側かつ縦壁部17の前側に配設され、車幅方向両端部分において略鉛直に形成され、それ以外の部分においてダッシュアッパ15の後部縦壁部17よりも前方へ張出すように形成されている。カウル部材19の下端部に前方へ張出す下端フランジ部19aが形成され、カウル部材19の上端部に後方へ張出す上端フランジ部19bが形成されている。
【0041】
ダッシュアッパ15とカウル部材19の上端フランジ部17a,19b同士が結合され、カウル部材19の下端フランジ部19aが、ダッシュアッパ15の底壁部16にダッシュロア10の上端フランジ部10aと共に結合され、このダッシュアッパ15とカウル部材19とで閉断面が形成されている。
【0042】
カウルフロント20は、ダッシュアッパ15の底壁部16から前側へ延びる横壁部21と、横壁部21の前端から上側へ延びて車幅方向両端部分の上端がサスタワー5よりも上方に位置する縦壁部22とを有する。ここで、図1〜図11に示すように、前部車体構造1は、左右1対のブレース部材50、左右1対の連結ブラケット60、左右1対の補強ブラケット70、左右1対の節部材80を備えている。
【0043】
1対のブレース部材50は、1対のサスタワー5の上面を補強するもので、厚肉リング状に形成され、サスタワー5の上壁上面に、その上壁頂部(サスペンションダンパの連結穴部)を囲むように結合されている。ブレース部材50は、ブレース本体部51と、ブレース本体部51からサスタワー5よりも車幅方向内方へ延びるブレース延出部52を有する。ブレース延出部52はブレース本体部51に一体形成され、後方程上方へ移行する傾斜状に形成されている。
【0044】
1対の連結ブラケット60は、1対のダッシュアッパ延出部18の上方に各々配置されて、後端がサスタワー5の上面よりも上方位置となるダッシュアッパ15の後部縦壁部17に固定され、前端がサスタワー5の上面に連結され、上壁部61と、上壁部61の前端から下方程前方へ移行するように傾斜して延びる傾斜壁部62とを有する。
【0045】
上壁部61の上端部に上方へ張出す上端フランジ部61aが形成され、この上端フランジ部61aがカウル部材19の前面に結合されている。つまり、連結ブラケット60は、カウル部材19を介してダッシュアッパ15の後部縦壁部17に連結されている。傾斜壁部62の下端部に前方へ張出す下端フランジ部62aが形成され、この下端フランジ部62aがダッシュアッパ延出部18の上面に結合されている。
【0046】
つまり、サスタワー5の上面には、ダッシュアッパ延出部18と連結ブラケット60の下端フランジ部62aとが重ね合わせて結合され、ダッシュアッパ延出部18を含むダッシュアッパ15とカウル部材19と連結ブラケット60とで閉断面が形成されている。上壁部61と傾斜壁部62の車幅方向外端部に側端フランジ部61b,62bが形成され、この側端フランジ部61b,62bがエプロン部材3に結合されている。
【0047】
ここで、1対の連結ブラケット60には、ボンネット(図示略)の後端部を回動自在に支持するボンネット取付ヒンジ65が固定されるとともに、少なくとも一方(例えば、運転席側(右側))の連結ブラケット60には、ワイパ66の基端部を支持するワイパ取付部材67が固定されている(図3参照)。
【0048】
ここで、カウル部材19の上端部分の前部に、フロントガラス26の下端部分がシール27を介して支持され、カウル部材19とカウルフロント20の前上端部間(ボンネット(図示略)とフロントガラス26との間)が上方へ開口され、この上方開口が合成樹脂製のカウルグリル28によりカバーされている。尚、ダッシュアッパ15の後部縦壁部17やカウル部材19には、車室1b側への空気導入口等が形成されている。
【0049】
さて、カウルフロント20は、1対のダッシュアッパ延出部18間を架橋するように配置された本体部材30と、本体部材30の縦壁部22の車幅方向両端部に固定されてカウルフロント20の縦壁部22の車幅方向両端部分を構成し且つ1対の連結ブラケット60に結合された左右1対の側方部材40とを有する。
【0050】
本体部材30に、カウルフロント20の横壁部21の全部と縦壁部22の大部分が形成され、本体部材30の車幅方向両端部分を含む縦壁部22は上方程前方へ移行する傾斜状に形成され、この縦壁部22の上端に前方へ張出す上端フランジ部22aが形成され、この上端フランジ部22aにカウルグリル28の前端部が固定されている。
【0051】
側方部材40は、その車幅方向内方側部分が本体部材30の縦壁部22に結合され、その車幅方向外方側部分が連結ブラケット60に結合され、その下部に前方へ延出してサスタワー5に結合された延出補強部41を有する。側方部材40は、その車幅方向内方側部分に、本体部材30の縦壁部22の車幅方向外端部分に当接状に結合可能に上方程前方へ移行するように傾斜する第1傾斜部42を有し、その車幅方向外方側部分に、連結ブラケット60の傾斜壁部62に当接状に結合可能に下方程前方へ移行するように傾斜する第2傾斜部43を有する。
【0052】
延出補強部41は、側方部材40の車幅方向内端部分に第1傾斜部42の下端から前方斜め下側へ張出すように形成され、この延出補強部42が、ブレース部材50のブレース延出部52に上側から当接した状態でボルト・ナット45により結合されて、ブレース部材50を介してサスタワー5の車幅方向内端部に結合されている。第2傾斜部43の下端部にシール44が係合装着され、そのシール44により、側方部材40と連結ブラケット60との間がシールされている。
【0053】
ここで、補強ブラケット70は断面ヘ字状に形成され、補強ブラケット70の前端部分がブレース部材50のブレース延出部52の上面に当接するとともに、この補強ブラケット70の前端部分の上面に側方部材40の延出補強部41が当接され、前記ボルト・ナット45により、補強ブラケット70の前端部分が延出補強部41と重ね合わせてブレース延出部52に結合されている。補強ブラケット70の後部は、カウルフロント20の本体部材30の横壁部21の下面に結合されている。
【0054】
ここで、節部材80は、ダッシュアッパ延出部18を含むダッシュアッパ15とカウル部材19と連結ブラケット60とで形成された閉断面空間を仕切るもので、その閉断面と同形状の鉛直壁81と、この鉛直壁81の端縁から車幅方向外方へ張出すフランジ81a,81bとを有する。この節部材80には、フランジ81aに連結ブラケット60の傾斜壁部62を介して側方部材40の第2傾斜部43がボルト・ナット82で締結され、フランジ81bに連結ブラケット60の上壁61を介してボンネット取付ヒンジ65がボルト・ナット83で締結されている。
【0055】
以上説明した前部車体構造1によれば次の効果を奏する。
ダッシュロア10、ダッシュアッパ15、カウルフロント20を備え、カウルフロント20の縦壁部22の車幅方向両端部分の上端がサスタワー5よりも上方に位置する構造において、1対のダッシュアッパ延出部18の上方に各々配置されて、後端がサスタワー5の上面よりも上方位置となるダッシュアッパ15の後部縦壁部17に固定され、前端が1対のサスタワー5の上面に連結され左右1対の連結ブラケット60を備え、カウルフロント20は、1対のダッシュアッパ延出部18間を架橋するように配置された本体部材30と、この本体部材30の縦壁部22の車幅方向両端部に固定されてカウルフロント20の縦壁部22の車幅方向両端部分を構成し且つ1対の連結ブラケット60に結合された左右1対の側方部材40とを有し、側方部材40は、その下部に前方へ延出してサスタワー5に結合された延出補強部41を有する。
【0056】
つまり、車幅方向両端部分におけるダッシュアッパ15と連結ブラケット60の取付剛性を確実に高めることができ、しかも、カウルフロント20の縦壁部22の車幅方向両端部分を、カウルフロント20の本体部材30とは別部材の1対の側方部材40として、本体部材30、連結ブラケット60、サスタワー5に夫々結合可能な形状で設け、カウルフロント20の車幅方向両端部分を、その側方部材40によって、取付剛性が高い連結ブラケット60と、剛性が高いサスタワー5に連結できるので、カウルフロント20の車幅方向両端部分の取付構造を改良して取付剛性を確実に高めることができ、また、連結ブラケット60の取付剛性を高めることができるので、この連結ブラケット60にボンネット取付ヒンジ65、ワイパ取付部材67を取付けて、ボンネット、ワイパの取付構造を改善して支持剛性を確実に高めることも可能になる。
【0057】
側方部材40の車幅方向内方側部分を本体部材30に結合し且つ車幅方向外方側部分を連結ブラケット60に結合したので、この側方部材40によって、カウルフロント20の車幅方向両端部分を連結ブラケット60とサスタワー5に確実に連結でき、延出補強部41をサスタワー5の車幅方向内端部に結合したので、ダッシュアッパ15と側方部材40(カウルフロント20)において、車幅方向外端部はエプロン部材3やピラー部材4に締結できるが、その車幅方向外端部から内方へ離隔する側の取付剛性を高く保つことができ、連結ブラケット60の後端をダッシュアッパ15に結合されたカウル部材19に結合したので、このカウル部材19を介してダッシュアッパ15の後部縦壁部17に連結ブラケット60を連結することができ、連結ブラケット60とカウル部材19とダッシュアッパ15とで閉断面を形成して、これら部材の剛性を高めることができる。
【0058】
1対のサスタワー5の上面を補強する左右1対のブレース部材50を備え、1対の側方部材40の延出補強部41を1対のブレース部材50に結合したので、サスタワー5の補強用のブレース部材50を利用し、側方部材40の延出補強部41をブレース部材50に確実に結合することができ、カウルフロント20の車幅方向両端部分の取付剛性を確実に高めることができる。
【0059】
ブレース部材50が、サスタワー5よりも車幅方向内方へ延びるブレース延出部52を有し、このブレース延出部52に延出補強部41を結合したので、ブレース部材50の形状を少し変更(工夫)することで、側方部材40の延出補強部41をブレース部材50に確実に結合することができ、しかも、その結合位置をより車幅方向内方へ位置させることができるので、ダッシュアッパ20と側方部材40において、その車幅方向外端部からより内方へ離隔する側の取付剛性を高く保つことができる。
【0060】
1対の延出補強部41と重ね合わせて1対のブレース部材50に結合するとともに、カウルフロント20の本体部材30の横壁部21の下面に結合した左右1対の補強ブラケット70を設けたので、側方部材40の本体部材30及びブレース部材50への取付強度を高め、本体部材30と側方部材40(カウルフロント20)の捩じれ剛性を高めることができる。
【0061】
カウルフロント20の本体部材30の車幅方向外端部分の縦壁部22が上方程前方へ移行する傾斜状に形成し、連結ブラケット60が下方程前方へ移行するように傾斜する傾斜壁部62を有し、側方部材40は、その車幅方向内方側部分に、カウルフロント20の本体部材30の縦壁部22の車幅方向外端部分に当接状に結合可能に上方程前方へ移行するように傾斜する第1傾斜部42を有し、その車幅方向外方側部分に、連結ブラケット60の傾斜壁部62に当接状に結合可能に下方程前方へ移行するように傾斜する第2傾斜部43を有するので、側方部材40を本体部材30と連結ブラケット60の両方に確実に結合することができる。
【0062】
ダッシュアッパ延出部18を含むダッシュアッパ15とカウル部材19と連結ブラケット60とで形成された閉断面空間を仕切る節部材80を設け、その節部材80に連結ブラケット60を介して側方部材40を結合したので、連結ブラケット60の剛性を高めるとともに、側方部材40の連結ブラケット60への取付強度を確実に高め、また、連結ブラケット60の剛性が高くなることから、この連結ブラケット60にボンネット取付ヒンジ65、ワイパ取付部材67を取付けた場合、ボンネット、ワイパの支持剛性を一層確実に高めることができる。
【0063】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前記開示事項以外の種々の変更を付加して実施可能であり、カウルフロントの横壁部の前端から上側へ延びる縦壁部の車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する、自動車の前部車体構造に、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】自動車の前部車体構造の前上方からの斜視図である。
【図2】前部車体構造の要部の前上方からの斜視図である。
【図3】前部車体構造の要部の前上方からの斜視図である。
【図4】前部車体構造の要部の前上方からの分解斜視図である。
【図5】前部車体構造の要部の平面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】図5のB−B線断面図である。
【図8】図5のC−C線断面図である。
【図9】連結ブラケットと側方部材の前上方からの斜視図である。
【図10】側方部材と補強ブラケット等の底面図である。
【図11】側方部材と連結ブラケットと節部材等の下方からの斜視図である。
【符号の説明】
【0065】
1 自動車の前部車体構造
1a エンジンルーム
1b 車室
5 サスペンションタワー
10 ダッシュロア
15 ダッシュアッパ
17 後部縦壁部
18 ダッシュアッパ延出部
19 カウル部材
20 カウルフロント
21 横壁部
22 縦壁部
30 本体部材
40 側方部材
41 延出補強部
42 第1傾斜部
43 第2傾斜部
50 ブレース部材
52 ブレース延出部
60 連結ブラケット
62 傾斜壁部
70 補強ブラケット
80 節部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車のエンジンルームと車室とを仕切るダッシュロア及びその上端部に結合されたダッシュアッパと、このダッシュアッパの下部に結合されたカウルフロントとを備え、前記ダッシュアッパが、その車幅方向両端部分の下部に前方へ延出して左右1対のサスペンションタワーの上面に結合された左右1対のダッシュアッパ延出部を有し、前記カウルフロントが、ダッシュアッパから前側へ延びる横壁部と、この横壁部の前端から上側へ延びて車幅方向両端部分の上端がサスペンションタワーよりも上方に位置する縦壁部とを有する自動車の前部車体構造において、
前記1対のダッシュアッパ延出部の上方に各々配置されて、後端が前記サスペンションタワーの上面よりも上方位置となるダッシュアッパの後部縦壁部分に固定され、前端が前記サスペンションタワーの上面に連結された左右1対の連結ブラケットを備え、
前記カウルフロントは、前記1対のダッシュアッパ延出部間を架橋するように配置された本体部材と、前記本体部材の縦壁部の車幅方向両端部に固定されて前記カウルフロントの縦壁部の車幅方向両端部分を構成し且つ前記1対の連結ブラケットに結合された左右1対の側方部材とを有し、
前記側方部材は、その下部に前方へ延出してサスペンションタワーに結合された延出補強部を有することを特徴とする自動車の前部車体構造。
【請求項2】
前記側方部材の車幅方向内方側部分が前記本体部材に結合され且つ車幅方向外方側部分が連結ブラケットに結合され、前記延出補強部がサスペンションタワーの車幅方向内端部に結合され、前記連結ブラケットの後端がダッシュアッパに結合されたカウル部材に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の前部車体構造。
【請求項3】
前記1対のサスペンションタワーの上面を補強する左右1対のブレース部材を備え、
前記1対の延出補強部が1対のブレース部材に結合されたことを特徴とする請求項1に記載の自動車の前部車体構造。
【請求項4】
前記ブレース部材が、サスペンションタワーよりも車幅方向内方へ延びるブレース延出部を有し、このブレース延出部に延出補強部が結合されたことを特徴とする請求項3に記載の自動車の前部車体構造。
【請求項5】
前記1対の延出補強部と重ね合わせて1対のブレース部材に結合されるとともに、前記本体部材の横壁部の下面に結合された左右1対の補強ブラケットを備えたことを特徴とする請求項3又は4に記載の自動車の前部車体構造。
【請求項6】
前記本体部材の車幅方向外端部分の縦壁部が上方程前方へ移行する傾斜状に形成され、
前記連結ブラケットが下方程前方へ移行するように傾斜する傾斜壁部を有し、
前記側方部材は、その車幅方向内方側部分に、前記本体部材の縦壁部の車幅方向外端部分に当接状に結合可能に上方程前方へ移行するように傾斜する第1傾斜部を有し、その車幅方向外方側部分に、前記傾斜壁部に当接状に結合可能に下方程前方へ移行するように傾斜する第2傾斜部を有することを特徴とする請求項2に記載の自動車の前部車体構造。
【請求項7】
前記ダッシュアッパ延出部を含むダッシュアッパとカウル部材と連結ブラケットとで形成された閉断面空間を仕切る節部材が設けられ、その節部材に連結ブラケットを介して側方部材が結合されたことを特徴とする請求項6に記載の自動車の前部車体構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2008−168687(P2008−168687A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−1640(P2007−1640)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】