説明

自動車の運転状態表示装置

【課題】ドライバに対して、より一層高い燃費向上の意識を持たせることのできる自動車の運転状態表示装置を提供する。
【解決手段】車両の運転状態を検出する運転状態検出部11と、運転状態検出部11で検出した検出結果を取り込んで、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断するとともに、燃費の良い運転状態であると判断したときは、その運転状態がどの程度良いのか判定する運転状態判定部12と、運転状態判定部12で判定した結果、燃費の悪い運転状態のときは、燃費の悪い運転状態である旨を表示部14上に表示させ、燃費の良い運転状態のときは、燃費の良い運転状態である旨を燃費の良さの程度に応じて表示部14上に定量的に表示させるよう制御する表示制御部13と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライバが燃費向上のための運転操作を行っているか否か検出して、その検出結果をディスプレイ上に表示することにより、ドライバに対して、より一層燃費を向上させるための運転操作を促すことのできる自動車の運転状態表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドライバの運転操作が燃費向上に適しているか否かを判断し、適しているとき(つまり、現在に運転状態が燃費の良い運転状態であるとき)は、例えばコンビネーションメータ上のランプを点灯させ、適していないとき(つまり、現在の運転状態が燃費の悪い運転状態であるとき)は、前記ランプを消灯させるようにした自動車の運転状態表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−220851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術では、単に燃費の良し悪しでランプを点灯させたり消灯させたりするだけであって、燃費の良い運転状態であっても、どの程度良い運転状態であるのかはドライバには分からない。すなわち、従来の運転状態表示装置においては、燃費レベルが所定値以上良ければ前記ランプは点灯しっぱなしになるだけで、燃費レベルがどの程度良いのかは、点灯しっぱなしのランプを見ても、ドライバには判断できない。
【0005】
燃料が少なく航続可能距離が短い場合などには、ドライバは、燃費を良くする運転を心掛けるが、上記従来の運転状態表示装置では、燃費レベルがどの程度良いのか表示されず、燃費向上に気を遣うよう促す表示とはなっていないという問題点がある。
【0006】
本発明の課題は、ドライバに対して、より一層高い燃費向上の意識を持たせることのできる自動車の運転状態表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の特徴は、燃費の良し悪しに応じて、単にランプを点灯させたり消灯させたりするだけでなく、ドライバが燃費の良い運転操作を行っているときは、その燃費の良さの程度に応じて運転状態の内容を定量的に表示し、ドライバにより一層高い燃費向上の意識を持たせるようにした点にある。
【0008】
すなわち、本発明は、車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、該運転状態検出手段で検出した検出結果を取り込んで、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断するとともに、燃費の良い運転状態であると判断したときは、その運転状態がどの程度良いのか判定する判定手段と、該判定手段で判定した結果、燃費の悪い運転状態のときは、燃費の悪い運転状態である旨を表示し、燃費の良い運転状態のときは、燃費の良い運転状態である旨を燃費の良さの程度に応じて定量的に表示する表示手段と、を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、燃費の良い運転操作を行っているとき、燃費の良さの程度が定量的に表示されるので、ドライバに対して、より一層高い燃費向上の意識を持たせることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る運転状態表示装置の概略構成図である。
【図2】燃費が良い運転状態のときに液晶表示部に表示される棒グラフの一例を示す図である。
【図3】燃費が更に良い運転状態のときに液晶表示部に表示される棒グラフの一例を示す図である。
【図4】実施例1による運転状態表示装置の概略構成図である。
【図5】実施例2による運転状態表示装置の概略構成図である。
【図6】実施例3による運転状態表示装置の概略構成図である。
【図7】実施例4による運転状態表示装置の概略構成図である。
【図8】図7の運転状態表示装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】液晶表示部に非エコ表示が表示されたことを示す図である。
【図10】液晶表示部にエコ表示が表示されたことを示す図である。
【図11】液晶表示部にエコ限界表示が表示されたことを示す図である。
【図12】液晶表示部にグラフ表示が表示されたことを示す図である。
【図13】液晶表示部にグラフ表示とエコ表示が表示されたことを示す図である。
【図14】液晶表示部にグラフ表示とエコ限界表示が表示されたことを示す図である。
【図15】液晶表示部にグラフ表示と非エコ表示が表示されたことを示す図である。
【図16】実施例5における運転状態表示装置の動作を示すフローチャート図である。
【図17】実施例6の概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施例を図面に従って説明する。
【実施例】
【0012】
《実施例1》
図1は、本発明に係る自動車の運転状態表示装置の概略構成を示している。この運転状態表示装置10は、車両の運転状態を検出する運転状態検出部11と、運転状態検出部11で検出した検出結果を取り込んで、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断するとともに、燃費の良い運転状態であると判断したときは、その運転状態がどの程度良いのか判定する運転状態判定部12と、運転状態判定部12で判定した結果、燃費の悪い運転状態のときは、燃費の悪い運転状態である旨を表示部14に表示させ、燃費の良い運転状態のときは、燃費の良い運転状態である旨を表示部14に燃費の良さに応じて定量的に表示させる表示制御部13とを備えている。なお、運転状態検出部11は運転状態検出手段を、運転状態判定部12は判定手段を、表示制御部13と表示部14は表示手段をそれぞれ構成している。また、運転状態検出部11の詳細については後述する。
【0013】
表示部14は、コンビネーションメータ15上に設けられている。すなわち、コンビネーションメータ15には、フューエルメータ16、スピードメータ17、タコメータ18及び水温計19が設けられ、スピードメータ17とタコメータ18との間(コンビネーションメータ15の略中央部)に表示部14が設けられている。本実施例では、表示部14は矩形の液晶表示部で構成されている。以下、表示部14を液晶表示部14という。
【0014】
図2及び図3は、液晶表示部14に、車両の運転状態が棒グラフで表示される一例を示している。
【0015】
車両が燃費の良い運転状態(つまり、通常の運転状態)であるときは、図2に示すように、階段状に変化する3本の棒グラフを表示する。3本の棒グラフは、左側の棒グラフ21は高さが低く、その右側の棒グラフ22は高さが棒グラフ21よりは高く、更に右側の棒グラフ23は高さが棒グラフ22より高く、3本の棒グラフのうちで最も高くなっている。また、各棒グラフ21,22,23は水色で表示され、このとき背景24は黒色となっている。
【0016】
次に、燃費が更に良い運転状態(つまり、ドライバが燃費に気を遣って運転している状態)であるときは、図3に示すように、階段状の棒グラフの数を6本に増やして表示する。6本の棒グラフは、左側の棒グラフ25は高さが低く、その右側の棒グラフ26は高さが棒グラフ25よりは高く、更に右側の棒グラフ27は高さが棒グラフ26よりは高く、更に右側の棒グラフ28は高さが棒グラフ27よりは高く、更に右側の棒グラフ29は高さが棒グラフ28よりは高く、更に右側の棒グラフ30は高さが棒グラフ29よりは高く、6本の棒グラフのうちで最も高くなっている。また、各棒グラフ25,26,27,28,29,30は水色で表示され、このとき背景31は黒色となっている。
【0017】
なお、図には示してないが、燃費が更に良い運転状態であるとき、図2において、3本の階段状の棒グラフ21,22,23を一体化させて連続的に表示(つまり、棒グラフ21の右側縁部と棒グラフ22の左側縁部とを互いに密着させ、また棒グラフ22の右側縁部と棒グラフ23の左側縁部とを互いに密着させて表示)しても良い。
【0018】
燃費の悪い運転状態であるときは、液晶表示部14上には棒グラフ等は何も表示されない。
【0019】
次に、運転状態検出部11について詳細に説明する。
【0020】
本実施例では、図4に示すように、運転状態検出部11として、車両の走行速度を検出する車速センサ41と、ドライバがアクセルペダルを踏み込んだときのアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサ42とが設けられている。また、運転状態判定部12には、エコ度合い算出部43が設けられている。このエコ度合い算出部43は、車速センサ41からの検出信号とアクセル開度センサからの検出信号を取り込んで、燃料効率の値であるエコ度合いを算出するとともに、その算出結果を利用して、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断する。
【0021】
そして、車両が燃費の良い運転状態であるときは、図2のように階段状に変化する3本の棒グラフ21〜23が液晶表示部14上に表示され、燃費が更に良い運転状態であるときは、図3のように階段状に変化する6本の棒グラフ25〜30が液晶表示部14上に表示される。
【0022】
本実施例によれば、ドライバに対して、現在の燃費情報を視覚的に的確に伝えることができ、燃費を向上させる運転が必要であるという認識を持たせることが可能となる。
【0023】
また、運転状態が棒グラフ21〜23又は25〜30で幾何学的に表示されるので、ドライバは運転状態を容易に認識することができる。
【0024】
さらに、燃料効率の値であるエコ度合いを算出し、そのエコ度合いのデータを利用して、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断しているので、燃費に関する情報をドライバへの容易にフィードバックすることができる。
【0025】
《実施例2》
図5は実施例2を示している。本実施例では、図5に示すように、運転状態検出部11として、エンジンに対する燃料噴射量を検出する燃料噴射量センサ44と、燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサ45とが設けられている。また、運転状態判定部12には、平均燃費算出部46及び航続可能距離算出部47が設けられている。平均燃費算出部46は、燃料噴射量センサ44からの検出信号を取り込んで平均燃費を算出し、その平均燃費のデータを用いて、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断する。
【0026】
そして、本実施例においても、車両が燃費の良い運転状態であるときは、図2のように階段状に変化する3本の棒グラフ21〜23が液晶表示部14上に表示され、燃費が更に良い運転状態であるときは、図3のように階段状に変化する6本の棒グラフ25〜30が液晶表示部14上に表示される。
【0027】
また、運転状態判定部12の航続可能距離算出部47は、燃料残量センサ45から取り込んだ燃料残量のデータと、平均燃費算出部46で算出した平均燃費とから航続可能距離を求める。この航続可能距離のデータは、表示制御部13によって液晶表示部14(表示部14)に表示される。例えば、図2においては棒グラフ21〜23の上方又は下方に、図3においては棒グラフ25〜30の上方又は下方に、それぞれ航続可能距離が表示される。
【0028】
本実施例によれば、平均燃費のデータを用いているので、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かの判断が容易である。
【0029】
また、航続可能距離が表示されるので、ドライバは安心して運転に集中することができる。
【0030】
《実施例3》
図6は実施例3を示している。本実施例は車両が電気自動車の場合である。本実施例では、運転状態検出部11として、バッテリの残電力量を検出するバッテリ残電力量センサ48が設けられている。また、運転状態判定部12にはエコ度合い算出部49が設けられている。エコ度合い算出部49は、バッテリ残電力量センサ48からの検出信号である残電力量のデータを取り込んで、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断するとともに、燃費の良い運転状態であると判断したときは、その運転状態がどの程度良いのかを判定する。
【0031】
表示制御部13は、エコ度合い算出部49で判定した結果、燃費の悪い運転状態のときは、燃費の悪い運転状態である旨を液晶表示部14(表示部14)表示させ、燃費の良い運転状態のときは、燃費の良い運転状態である旨を燃費の良さに応じて液晶表示部14(表示部14)に定量的に表示させるよう制御を行う。
【0032】
そして、車両が燃費の良い運転状態(つまり、通常の運転状態)であるときは、図2に示したように、階段状に変化する3本の棒グラフを液晶表示部14上に表示し、燃費が更に良い運転状態(つまり、ドライバが燃費に気を遣って運転している状態)であるときは、図3に示したように、階段状の棒グラフの数を6本に増やして液晶表示部14上に表示する。また、燃費の悪い運転であるときは、液晶表示部14には何も表示しない。
【0033】
また、エコ度合い算出部49は、バッテリ残電力量センサ48で検出したバッテリの残電力量のデータに基づいて航続可能距離を算出し、その航続可能距離のデータは、例えば、図2においては棒グラフ21〜23の上方又は下方に、図3においては棒グラフ25〜30の上方又は下方に、それぞれ表示される。
【0034】
本実施例によれば、ドライバに対して、現在の燃費情報を視覚的に的確に伝えることができ、燃費を向上させる運転が必要であるという認識を持たせることが可能となる。
【0035】
また、航続可能距離が表示されるので、ドライバは安心して運転に集中することができる。
【0036】
《実施例4》
図7は実施例4を示している。本実施例では、運転状態検出部11として、車速センサ41、アクセル開度センサ42、燃料噴射量センサ44及び燃料残量センサ45が設けられている。また、運転状態判定部12には、エコ度合い算出部43、平均燃費算出部46及び航続可能距離算出部47が設けられている。
【0037】
エコ度合い算出部43は、車速センサ41及びアクセル開度センサ42からの検出信号を取り込んで、エコ度合いを算出する。平均燃費算出部46は、燃料噴射量センサ44からの検出信号を取り込んで、平均燃費を算出する。航続可能距離算出部47は、燃料残量センサ45から取り込んだ燃料残量のデータと、平均燃費算出部46で算出した平均燃費のデータとから航続可能距離を求める。そして、運転状態判定部12は、エコ度合い算出部43で算出したエコ度合いのデータ、及び平均燃費算出部46で算出した平均燃費のデータから、車両の運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを総合的に判断する。
【0038】
図8は、本実施例における動作を示すフローチャートである。
【0039】
先ず、燃料残量センサ45によって燃料残量が、燃料噴射量センサ44によって燃料噴射量が、車速センサ41によって車速が、アクセル開度センサ42によってアクセル開度がそれぞれ検出される(ステップS11)。
【0040】
次に、燃料噴射量のデータから平均燃費が算出され、この平均燃費のデータと燃料残量のデータから航続可能距離が、車速のデータとアクセル開度のデータからエコ度合いがそれぞれ算出される(ステップS12)。
【0041】
そして、航続可能距離が一定値以下か否か判断される(ステップS13)。航続可能距離が一定値以下の場合は、図12に示すように、液晶表示部14上に、エコ度合いを示す2色の棒グラフ50を表示してグラフ表示を行う(ステップS14)。棒グラフ50の中には、エコ度合いの良好性に応じて、着色部分51と着色部分52とが表示される。着色部分51は緑色で、着色部分52は青色である。そして、緑色の着色部分51はエコ度合いが良好かどうかを示しており、この緑色の着色部分51の高さが高くなる程、エコ度合いがより良好であることを示す。また、青色の着色部分52の高さはエコ度合いの閾値を示しており、青色の着色部分52の高さが図13における場合よりも低くなると、エコ度合いが良好ではないことを示す。
【0042】
次に、図8のステップS13において、航続可能距離が一定値を超えていると判断された場合は、引き続いて平均燃費が一定値以下か否か判断される(ステップS15)。そして、一定値以下の場合は、ステップS14に進み、上述したのと同様の処理が実行される。
【0043】
ステップS15において、平均燃費が一定値を超えていると判断された場合は、引き続いてエコ度合いが良好か否か判断される(ステップS16)。エコ度合いが良好と判断された場合は、さらにエコ度合いが一定値以下か否か判断される(ステップS17)。エコ度合いが一定値以下と判断された場合は、図11に示すように、液晶表示部14の上部に、楕円表示53と、この楕円表示53を表示しない無表示54(二点鎖線の楕円部分)とを交互に繰り返し、点滅表示させてエコ限界表示を行う(ステップS18)。楕円表示53は輪郭及びその内部が緑色で表示され、緑色楕円表示53という。
【0044】
図8のステップS17において、エコ度合いが一定値を超えていると判断された場合は、図10に示すように、液晶表示部14の上部に長楕円表示55の静止画を表示させ、エコ表示を行う(ステップS19)。長楕円表示55は輪郭及びその内部が緑色で表示され、緑色長楕円表示55という。
【0045】
また、図8のステップS16において、エコ度合いが良好でないと判断された場合は、図9に示すように、液晶表示部14の上部に、楕円表示56の静止画を表示させ、非エコ表示を行う(ステップS20)。楕円表示56は輪郭及びその内部が黄色で表示され、黄色楕円表示56という。
【0046】
そして、図8のステップS14,S18,S19,S20における表示制御が、車両の運転状態が変化するまで続行される(ステップS21,S22)。
【0047】
本実施例によれば、ドライバに対して、現在の燃費情報を視覚的に的確に伝えることができ、燃費を向上させる運転が必要であるという認識を持たせることが可能となる。
【0048】
《実施例5》
図13〜図15は実施例5を示している。本実施例では、グラフ表示に、エコ表示、非エコ表示及びエコ限界表示のいずれかを組み合わせて表示するようにしたものである。図16は、本実施例における動作を示すフローチャートである。
【0049】
図16において、ステップS11,S12,S13,S14,S15は図8の場合と同様である。本実施例では、ステップS14においてグラフ表示を行った後、ステップS16に進むよう構成されている。そして、ステップS16においてエコ度合いが良好か否か、ステップS17においてエコ度合いが一定値以下か否かがそれぞれ判断される。
【0050】
エコ表示を行う場合は、図13に示すように、2色からなる棒グラフ50の上方に緑色長楕円表示55が表示される。エコ限界表示を行う場合は、図14に示すように、2色からなる棒グラフ50の上方に、緑色楕円表示53が表示されたり、その緑色楕円表示53が表示されない無表示54となったり、交互に繰り返し表示される。非エコ表示を行う場合は、図15に示すように、2色からなる棒グラフ50の上方に黄色楕円表示56が表示される。
【0051】
図13の場合はエコ表示であるから、棒グラフ50の中の緑色着色部分51の高さが高くなっている。青色着色部分52の高さはエコ度合いの閾値の高さと等しくなっている。図14の場合はエコ限界表示であるから、棒グラフ50の中の緑色着色部分51の高さが低くなっている。青色着色部分52の高さはエコ度合いの閾値の高さと等しくなっている。図15の場合は非エコ表示であるから、棒グラフ50の中の緑色着色部分51は無く、しかも青色着色部分52の高さもエコ度合いの閾値の高さよりも低くなっている。
【0052】
本実施例によれば、ドライバに対して、燃費に関する現在の各種情報を同時にかつ的確に伝えることができる。
【0053】
《実施例6》
図17は実施例6を示している。本実施例では、コンビネーションメータ61に、2つの液晶表示部14A,14Bがそれぞれ設けられ、これら液晶表示部14A,14B上にそれぞれ異なった情報を表示するように構成されている。例えば、液晶表示部14A上にはグラフ表示が表示され、液晶表示部14B上には、エコ限界表示、エコ表示及び非エコ表示のいずれかが表示されるようになっている。
【0054】
本実施例によれば、液晶表示部14A,14Bにそれぞれ異なった燃費情報が同時に表示されるので、ドライバはそれらの情報を直感的に読み取ることができ、その結果、ドライバの運転に対する集中力が向上する。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、上記各実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであり、本発明は上記各実施例の構成にのみ限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【0056】
例えば、車両の運転状態の判定には、無線通信によって得られた燃費情報、車両のメモリに記憶されている過去の燃費情報、前方車両との車間距離、後続車との車間距離、または電装品の電力負荷を用いても良い。
【0057】
また、表示部として、液晶表示部14の代わりに、LED等を用いることもできる。
【0058】
さらに、表示部は、コンビネーションメータ以外の箇所に設けても良い。ドライバの前方で、運転中にドライバが視認できるエリアに表示部が配置されていれば問題はない。
【符号の説明】
【0059】
10 運転状態表示装置
11 運転状態検出部(運転状態検出手段)
12 運転状態判定部(判定手段)
13 表示制御部(表示手段)
14 表示部又は液晶表示部(表示手段)
15 コンビネーションメータ
21〜23,25〜30 棒グラフ
41 車速センサ
42 アクセル開度センサ
43 エコ度合い算出部
44 燃料噴射量センサ
45 燃料残量センサ
46 平均燃費算出部
47 航続可能距離算出部
48 バッテリ残電力量センサ
49 エコ度合い算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
該運転状態検出手段で検出した検出結果を取り込んで、運転状態が燃費の良い運転状態であるか否かを判断するとともに、燃費の良い運転状態であると判断したときは、その運転状態がどの程度良いのか判定する判定手段と、
該判定手段で判定した結果、燃費の悪い運転状態のときは、燃費の悪い運転状態である旨を表示し、燃費の良い運転状態のときは、燃費の良い運転状態である旨を燃費の良さの程度に応じて定量的に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする自動車の運転状態表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、燃費が良い運転状態であるときは、階段状に変化する棒グラフを表示し、燃費が更に良い運転状態であるときは、前記階段状の棒グラフを一体化させて連続的に表示するか、または、前記階段状の棒グラフの数を増やして表示することを特徴とする請求項1に記載の自動車の運転状態表示装置。
【請求項3】
前記運転状態検出手段として、車速を検出する車速センサ、及びアクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサが設けられ、
前記判定手段は、前記車速センサからの検出結果及び前記アクセル開度センサからの検出結果を取り込んで、燃料効率の値であるエコ度合いを算出するとともに、その算出したエコ度合いのデータを利用して、燃費に関する現在の運転状態のレベルを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の運転状態表示装置。
【請求項4】
前記運転状態検出手段として、燃料噴射量を検出する燃料噴射量センサが設けられ、
前記判定手段は、前記燃料噴射量センサからの検出結果を取り込んで、平均燃費を算出するとともに、その算出した平均燃費のデータを利用して、燃費に関する現在の運転状態のレベルを判断することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の自動車の運転状態表示装置。
【請求項5】
前記運転状態検出手段として、燃料タンク内の燃料残量を検出する燃料残量センサが設けられ、
前記判定手段は、前記燃料残量センサからの検出結果と前記平均燃費のデータとから航続可能距離を算出し、
前記表示手段は、燃費に関する前記表示に合わせて前記航続可能距離を表示することを特徴とする請求項4に記載の自動車の運転状態表示装置。
【請求項6】
電気自動車の場合、前記運転状態検出手段として、バッテリの残電力量を検出するバッテリ残電力量センサが設けられ、
判定手段は、前記バッテリ残電力量センサからの検出結果を利用して、燃費に関する現在の運転状態のレベルを判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動車の運転状態表示装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記バッテリ残電力量センサで検出した残電力量のデータから航続可能距離を算出し、
前記表示手段は、燃費に関する前記表示に合わせて前記航続可能距離を表示することを特徴とする請求項6に記載の自動車の運転状態表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−251598(P2011−251598A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125556(P2010−125556)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】