説明

自己発電型電子錠

自己発電型電子錠(10)は、ハウジング(16)、前記ハウジング(16)に対しロック位置とアンロック位置との間で動作するための前記ハウジング(16)内に取り付けられている錠要素(24)、電子装置の第1セット(46)で動作するコード入力デバイス(14)、および電子装置の第2セット(44)で動作する電動アクチュエータ(92)を具備している。前記電動アクチュエータ(92)は、ロック位置からアンロック位置への前記錠要素(24)の動作を許容可能なように、前記錠要素(24)と結合されている。第1発電機(34)は、ユーザにより、前記コード入力デバイス(14)および前記電子装置の第1セット(46)を操作するための電力を供給可能である。第2発電機(32)は、前記電動アクチュエータ(92)および前記電子装置の第2セット(44)を操作するための電力を供給可能である。前記電子装置の第1および第2セット(46, 44)は、電気的に絶縁されており、また同期され、組み合わせコードのための通数を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠に関する。より具体的には、自己発電型電子錠に関する。
【背景技術】
【0002】
自己発電型錠は、従来から知られている。自己発電型錠は、一般に2つのタイプがある。第1のタイプにおいては、ノブやハンドルなどの部材の動きが前記錠に電力を提供する。組み合わせの入力は、例えば、コード(code)を保有するキーやカードまたは他のコード入力デバイスによってなされる。電力の生成は、前記コード入力デバイスからは分離している。
【0003】
そのような自己発電型錠他のタイプは、Millerらによる米国特許第5,061,923号に開示されている錠により例示されており、その全体が本明細書に参照により組み込まれている。このタイプの錠においては、同じ機構が、錠への発電および電子パルスの生成のために使用されている。このタイプの錠は、ダイヤルからステップモータへ持続的に係合(permanently engaged)されている、組み合わせの入力のための駆動装置を備えており、前記ステップモータは、回転の両方向における電圧パルスを出力し、同じパルスを、錠を制御するためのマイクロプロセッサに提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、電子装置の内部のなかの所望の組み合わせは、安全な容器、安全な扉の裏側、または他のアクセスできない場所で保守する必要がある。ナンバーおよびステータス表示装置は、当然、外部に配置されていなければならず、前記錠の操作者がアクセス可能でなければならない。このことから、自己発電型錠は、電子装置の外側と、通常であれば電子装置の内部に配置されている発電デバイスとの間を接続する導体を考慮して設計されることになる。この接続方法は、過去においてコスト効率が高いことが分かっているが、設置時におけるいくつかの課題や電子装置の内部および外部の間の導体が、ねじれたり、または電子装置の内部または外部から分離したりした場合の信頼性の問題につながっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、ハウジング、錠要素、およびコード入力デバイスを具備している自己発電型電子錠を提供する。前記コード入力デバイスは、ユーザがアクセス可能であり、電子装置の第1セットを操作する。前記錠要素は、前記ハウジング内に取り付けられており、前記ハウジングに対してロック位置とアンロック位置との間で動作する。電動アクチュエータは、電子装置の第2セットで動作し、前記ロック位置からアンロック位置への錠要素の動作を、錠要素に許容可能なように結合されている。第1発電機は、前記コード入力デバイスを操作するための電力を前記電子装置の第1セットに供給し、同時に第2発電機は、前記電動アクチュエータを操作するための電力を前記電子装置の第2セットに供給する。前記第1および第2発電機の双方は、ユーザにより操作可能である。前記電子装置の第1および第2セットは、電気的に絶縁されており、また同期しており、組み合わせコードのための通数を生成する.
【0006】
一実施形態において、無線通信デバイスは、組み合わせでない情報を転送し、前記電子装置の第1および第2セットを同期するために前記電子装置の第1および第2セット間で無線通信を許容するように構成されている。前記無線通信方法は、任意の無線通信、なかでも、Bluetooth(登録商標)技術を介した通信、通常の無線周波数通信を介した通信、パルス磁場を介した通信、パルス電場を介した通信、または赤外線信号を介した通信、などの無線通信を備えうる。
【0007】
前記自己発電型電子錠の実施形態の一部において、前記第2発電機および前記電子装置の第2セットは、前記ハウジングの内部に配置されている。このハウジングは、ユーザによりアクセスできない内側のハウジングであってもよい。前記自己発電型電子錠の実施形態は、外側のハウジングも備えていてもよく、前記錠要素がロックまたはアンロック位置の場合に、ユーザがアクセス可能なように構成されている。前記第1発電機および前記電子装置の第1セットは、前記外側のハウジングの内部に配置されうる。前記内部および外側のハウジングは、また、介在構造(intervening structure)の反対側に配置されるように構成されてもよい。
【0008】
前記コード入力デバイスは、ユーザがアクセス可能なように、近接して配置または前記外側のハウジングと結合されうる。前記コード入力デバイスは、ダイヤル、キーパッド、カードリーダ、無線タグ、指紋スキャナ、網膜スキャナ、または他の生体計測デバイスなどの、固有のコードを前記自己発電型電子錠に提供可能などんなタイプのデバイスであってもよい。前記自己発電型電子錠の実施形態は、前記コード入力デバイスに電気的に結合され、前記第1発電機により電力供給される表示装置もまた備えうる。前記表示装置は、ユーザにより前記コード入力デバイスに入力されたコードを表示可能である。前記コード入力デバイスと同様に、前記表示装置は、ユーザがアクセス可能なように、近接して配置または前記外側のハウジングと結合されうる。
【0009】
前記自己発電型電子錠のいくつかの実施形態において、前記錠は、回転可能なシャフトおよびダイヤルを具備している。前記ダイヤルは、前記回転可能なシャフトを通して前記第1発電機と結合され、前記ダイヤルの回転は、前記シャフトを通して回転運動が前記第1発電機に伝達し電力を生成する。同様に、前記ダイヤルは、前記回転可能なシャフトを通して前記第2発電機と付加的に結合されており、前記ダイヤルの回転は、前記シャフトを通して前記回転運動が前記第1および第2発電機に同時に伝達され電力を生成する。発電に加えて、前記ダイヤルは、前記コード入力デバイスとしても動作する。
【0010】
いくつかの実施形態において、前記内部および外側の電子装置は、前記シャフトの回転を通し前記第1および第2発電機を通して同期されている。いくつかの実施形態の前記自己発電型電子錠の前記第1および第2発電機は、電力のパルスを生成するように構成されているステップモータを備えている。他の実施形態は、リングマグネットにコイルおよびホールセンサを利用してもよい。前記第1および第2の電子装置の同期は、前記シャフトおよび前記第1および第2発電機に結合されている前記ダイヤルの回転による電力の同期したパルスを生成することにより確立され、電力の前記同期したパルスを前記電子装置の第1および第2セットを使用して対応するナンバーに同時に変換する。
【0011】
本明細書に組み込まれると共に、本明細書の一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、上述した本発明の一般的な記載および以下の発明を実施するための形態とともに、本発明の原理を説明するために供されている。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態における代表的な電子錠の斜視図を示している。
【図2】図1における前記電子錠の実施形態の構成要素を示しているブロック図である。
【図3】図2における前記電子錠の他の実施形態の構成要素を示しているブロック図である。
【図4】図2、3における前記電子錠の構成要素を示している他のブロック図である。
【図5】図1における前記電子錠の他の実施形態の構成要素を示しているブロック図である。
【図6】図5における前記電子錠の構成要素を示している他のブロック図である。
【図7】図1における前記電子錠の代表的な起動およびダイヤルシーケンスのフローチャートである。
【図8】図1における前記電子錠の代表的な再同期プロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態は、内側の電子装置から分離している外側の電子装置を備え、それらの間を有線での電気的接続の必要のない電子錠の新しい構造を提供する。いくつかの実施形態では、内部および外側の電子装置間で無線通信を利用してもよい。前記内側の電子装置は、開情報または鉤操作を前記外側の電子装置に無線で転送する。別々の内部および外側の発電機は、それぞれ前記内部および外側の電子装置の電力供給に利用される。前記内側の電子装置は、所望の組み合わせコードおよびボルトリトラクション構造を保持し、エンクロージャのセキュリティを確保する。前記外側の電子装置は、電子表示装置を駆動し、前記内側の電子装置にある乱数発生アルゴリズムと同期する。無線通信を利用する実施形態においては、内部および外側の電子装置間での前記無線通信において組み合わせ情報は転送されない。最小構成における実施形態では、前記錠における前記電子装置間で電力もデータもどちらも転送される必要はない。
【0014】
一般に符号が特徴を参照している図面を参照すると、図1は、前記自己発電型電子錠10の実施形態における、安全扉または金庫扉12に搭載された前記錠10を示している。他の実施形態において、前記錠10は、前記自己発電型電子錠10により保全される前記エンクロージャまたは部屋の前記扉12の近くの壁または他の表面に取り付けられてもよい。ダイヤル14は、ダイヤルリングなど前記ダイヤル14の周囲及び前記外側の電子装置(図2における46)をおおっている外側のハウジング16により囲まれている。いくつかの実施形態においては、前記外側の電子装置は、表示装置18も備えていてもよい。いくつかの実施形態においては、前記外側のハウジング16は、前記表示装置18を支持している。他の実施形態においては、前記表示装置18は、前記ダイヤル14とは別に取り付けられてもよい。前記表示装置18は、液晶ディスプレイ(LCD)モジュール、またはランダムに起動される機械的なダイヤルインジケータを備えている他の低消費電力表示デバイスであってよい。シャフト20には、前記ダイヤル14が取り付けられており、また前記ダイヤル14による前記シャフト20の回転が前記外側の発電機の発電を引き起こすように前記外側の発電機(図2における34)にも結合されている。いくつかの実施形態においては、前記シャフトは、前記外側のハウジング16の後ろから、保全される前記エンクロージャの壁または扉12を通って前記内側のハウジング22へ伸びており、他の実施形態においては、あるシャフトの回転が、1つまたは複数のシャフトの回転を引き起こすように他方と機械的につながっているオフセットシャフトを使用してもよい。前記内側のハウジング22は、前記錠上で入力された組み合わせナンバーを監視し(track)、そして有効な組み合わせコードが入力されたかどうかを判定する前記内側の電子装置(図2における44)を収容している。前記内側の電子装置は、内部発電機(図2における32)により電力が供給される。前記内部発電機は、前記シャフト20にも結合されており、前記ダイヤル14の回転が前記内部発電機による発電も引き起こす。
【0015】
ボルトなどの錠要素24は、前記内側のハウジング22から突き出す(extend)ことができ、突き出した場合に前記扉12が保全されるように使用される。前記自己発電型電子錠10の前記錠要素24を引き込む(retract)または突き出す(extend)機械的な結合および機構(図4および図6における94)も、前記内側のハウジング22内に含んでいてもよい。
【0016】
前記自己発電型電子錠30の一実施形態において、前記内側の発電機32および外側の発電機34からのパルスは、前記ダイヤルの動作を示すために利用される。同期化トランスデューサ36,38は、固有の、単一の、回転位置、および動作の方向を示す。前記同期化トランスデューサ36,38は、光学、赤外線、または磁気などの種々の技術を使用して実現される。マグネット40,42の使用は、一般に、オフセットギヤを必要とせず、実現するのにより安価でありうる。
【0017】
いくつかの実施形態において、表示されるコードと内部ナンバー間の対応の同期は、前記内側の電子装置44および前記外側の電子装置46内の共通乱数生成器を使用する方法で保守されている。一般に、前記内側の電子装置44のコンピュータ48および前記外側の電子装置のコンピュータ50内に存在する乱数シードは、適合する入力ナンバーが入力された後のみ増加する。ダイヤル入力の場合において、前記ダイヤル14は、所望のナンバーにおいて一時停止しなければならず、その後、前記ダイヤルの反転により前記ナンバーが前記コンピュータ48により受理される。前記コンピュータ50は、このナンバー入力を保持しない。前記コンピュータ50は、受理可能なコードが入力されたという事実だけを記録し、表示される次のナンバーのための乱数カーネルを増加する。
【0018】
前記錠の代わりの図2の実施形態において、オプションの小さな「キープアライブ」バッテリー52,54が、コンピュータ48および50などの前記電子装置に電力供給するのに必要な前記ダイヤルの回転数を減らすために使用されうる。この特殊な実施形態において、前記バッテリーは、大きい抵抗器(図示せず)を通してキャパシタを充電する。例えば、スリープモードに前記コンピュータ48,50を保つように前記バッテリーを使用するなど、他の電子装置の構成を介して使用してもよい。前記ストレージキャパシタは、前記発電機32,34から供給される付加的な電力が入力されるまで、前記コンピュータ48,50へ開閉(gated)されない。前記キャパシタに格納されたエネルギーは、前記錠内の前記電子装置のすばやい起動をもたらし、ロック動作に1回または2回の半回転のみが潜在的に(potentially)要求される。しかし、前記内側および外側の発電機32は、ロックパワーと前記ボルトの引きあげ(pull)のためになお使用されている。バッテリー52,54の一方または双方が故障(fail)した場合、前記錠は、上述した実施形態において説明したように動作し、すべての電力は、前記発電機32,34および前記ダイヤル14の回転により提供される。
【0019】
無線伝送62−66する前記自己発電型電子錠60の一実施形態において、前記外側の電子装置46は、前記乱数カーネルを増加する場合、および表示されるナンバーを増加または減少する場合に指示されてもよい。無線送信機62は、無線信号64を無線受信機66に送信する。いくつかの実施形態において、前記送信機62および受信機66は、双方向通信が可能な送受信機であってよい。しかし、決して前記内側の電子装置44は、前記外側の電子装置46によって表示される前記実際のコードを送信しない。前記内側の電子装置44の前記コンピュータ48は、前記乱数カーネルを変更する命令だけを転送し、場合により他の命令および/または表示される情報を提供する。この付加情報は、前記表示の増加または減少することに限定されず、ロック変更キーが動作中、開錠の報告、および開錠中、などを有している。無線通信は、RF通信、Bluetooth(登録商標)通信、パルス磁場または電場、赤外線信号または他の型の無線伝送を利用してよい。
【0020】
いくつかの無線の実施形態において、前記外側の電子装置46は、前記外側の発電機34、トランスデューサ38、およびマグネット42などのエンコーダ技術を必要としない。前記実際のナンバーは前記コンピュータ50に依然として保持されており、前記コンピュータ48からは伝送されないが、代わりに、伝送は、前記内側の電子装置44からナンバーを変更することについて送信される。他の無線の実施形態においては、前記外側の電子装置46に保守されている前記エンコーダ電子装置を有しており、前記内側の電子装置44は、前記内部発電機32、トランスデューサ36、およびマグネット40などの前記エンコーディング電子装置がなくてもよい。この場合には、前記エンコーダ電子装置とともに前記外側の電子装置は、前記適切な情報を前記内側の電子装置に伝達する。しかし、前記外側の電子装置は、前記実際の開錠組み合わせを決して、保持しない。
【0021】
図2−4の実施形態のため、前記同期化パルスエリアは、前記磁石リングポールの1つと同一直線上に配置されており、磁気戻り止め(magnetic detents)と同じくらい正確であることだけを必要とする。なぜなら、前記ダイヤルは常に前記ポール位置の1つにおいて戻り止まる(detent)からである。この実施形態のための前記戻り止めは、前記ダイヤル周りの50における1として位置しており、ある戻り止めは、同期位置または"インデックス"ポジションである。前記インデックスポジションは、リングマグネット32a、34aの磁気ポールと合致(coincidence)する小さなマグネット40、42により確立され、単純なマグネティッククロージャ電子装置は、その後前記インデックスポジションおよび回転の方向の双方を示すために使用される。前記同期化パルスは、ホール効果トランスデューサ36,38またはリードスイッチでありうるコンタクトクロージャを介して受信される。前記ダイヤル動作の方向のほかにも前記インデックスポイントは、前記コンビネーションが入力されたとして決定される。なぜなら、前記パルスは、連続した方向への回転の極性が交互に切り替わり、あらゆる瞬間的な方向の変化は、データパルスのシーケンスから検出されうる。同じ極性の任意の2つの連続したパルスは、方向の変化を示している。
【0022】
二重発電(dual generator)錠のいくつかの実施形態において、ボルト-アップ、ボルト-ダウン、ボルト-レフト、またはボルト-ライトなどの前記内側のロックの向きを定義する必要がある。前記向きは、前記内側の電子装置に電気的に接続されているスイッチまたはダイヤルの使用を通じて伝達される。この向き情報は、その後前記内部及び外側の電子装置の同期に使用されうる。しかし、発電機戻り止めおよび共有シャフトを有する実施形態においては、例えば、方向および位置検出にリードスイッチを使用するなど、前記向き情報は、一般には必要ではない。
【0023】
図2−4の実施形態の発電機構成においては、前記マグネティックリング32a,34aが回転すると正と負の互いに異なるパルスが受信される。前記ダイヤル14の周りのそれぞれの戻り止めは、これらの他の正および負の両方のパルスを生成する。前記ダイヤル14の方向が反転した場合には、先のパルスと同じ極性の1つのパルスが生成される。これにより、ダイヤル方向の反転の発生を前記錠30、60が検出することを許容する。しかし、これらのパルスのみでは、前記ダイヤル14の初期方向を決定することができない。
【0024】
前記初期方向および“0”のインデックスポイントを決定するために、この実施形態では、2つのホールセンサ36a,38,36b、38bを使用する。他の実施形態において、先に説明したようにリードスイッチを使用してもよい。前記ホールセンサ36a,38,36b、38bは、前記小さなマグネット40、42がある状態下で通過し、その後他のホールセンサを通過するように磁気的に隣同士に配置されている。方向は、その後前記ホールセンサ36a,38,36b,38bにより受信された信号の順番により決定される。これは、インデックス開始ポイントおよび回転の方向の双方を提供する。乱数生成を表示するLCDを使用している実施形態には、ただ方向情報のみが必要とされる。しかし、前記錠と前記ダイヤルリング間で故障により、または設計により、通信しないのであれば、前記内側の電子装置44と前記外側の電子装置46との間の同期は、それらの通常の開始ポイントを知ることで保持されうる。
【0025】
ひとたび、開始ポイントおよび方向が分かったならば、位置カウンタは、次のダイヤルの反転まで、増加または減少される。LCD表示とともに、前記増加または減少は、上述したようにランダムな開始ポイントから生じる。前記ダイヤルの反転時において、最後のナンバーは、次の組み合わせナンバーとして入力される。任意のナンバーのシーケンスの実用的な量が入力されうるが、0−99からの通常3つのナンバーが入力される。LCDがなく、機械的なダイヤル面のみでは、前記インデックスポジションとの"0"における同期により、前記ダイヤルがどこを示しているかを知ることができる。
【0026】
いくつかの実施形態において、発電機/トランスデューサデバイスは、コイルまたは鉄無しの位置トランスデューサ単体として利用され、電圧パルスは存在しない。この場合において、2つのホールセンサ36a,38,36b,38bは、それらが約90度ずれた位相でパルスを生成するように前記リングマグネット32a,34aに向かい合って取り付けられている。これらのパルスが現れる方法から、それぞれの増加の方向および位置が検出される。しかし、開始ポイントまたは“0”が依然として要求される。前記開始ポイントを検出するために、ただ1つのホール素子が小さなインデックスマグネット40、42の基準として取り付けられている。この方法は、上述の発電機の場合においても利用されてもよい。
【0027】
電力制御およびパルス成形デバイス80,82は、パルス化された電力を直接前記内部および外側の電子装置44,46それぞれへ供給しうる。代替の実施形態においては、前記電力制御およびパルス成形デバイス80,82は、前記発電機32,34および電気コンポーネント88,90における前記リングマグネット32a,34の一部である交互(alternating)マグネットから生成された電気パルスで、内部キャパシタ84,86を充電してもよい。前記キャパシタ84,86の電圧は、その後、前記コンピュータ48,50のそれぞれに供給される。前記コンピュータ48,50は、前記キャパシタ電圧から限られた時間電力供給される。前記コンピュータ48,50の電力供給時間は、キャパシタ84,86の電気容量はもちろん、前記コンピュータ48、50の電流ドレイン、前記外側の電子装置46、および前記表示装置18の電流ドレインに依存する。同様に、前記内側の電子装置44内のラッチモータ92により必要とされる前記電圧および電流源は、内部キャパシタ84を決定する要素でありうる。前記キャパシタのサイズは、一定期間前記システムへ電力を提供した,例えば、前記ダイヤル14および前記発電機32,34の回転が終了後、およそ90秒などの、前記システムの残りの電力要求との調整により選択される。前記期間は、前記錠30、60を開錠するのに十分な時間または前記組み合わせの要素の先の入力を失うことなく前記組み合わせの入力中に一時中断するのに十分な時間を提供することが望ましい。前記期間は、また、種々の状態の発生が原因で前記錠が開錠できなくなった後に、前記錠電子装置のリセットにおいて有効な遅延を提供するのに十分に長くなければならない。この遅延期間は、前記安全なエンクロージャへの無許可の侵入のためのダイヤラの使用を破るための重要な要素である。いくつかの実施形態において、前記外側の電子装置46の前記電力要求は、前記内側の電子装置44とは異なる。これらの場合、前記キャパシタ84および86は、異なっていてもよく、前記錠30、60のそれぞれの側の前記電力要求にマッチするように選択される。しかし、いくつかの実施形態の要求は、インデックス通過の分解能の範囲内でのパワーアップ検出の同期を含みうる。
【0028】
コンピュータ48は、また、前記自己発電型電子錠30、60の前記ラッチ96を前記ボルトリトラクタ98へ結合するように動作する、前記ロックボルトリトラクション構造94のラッチモータ92への出力を備えてもよい。前記ラッチ96は、前記ボルトリトラクタ98と係合する場合のアームであってよく、それが動作する場合、前記ボルトリトラクタ980により引っ張られるかまたは押されうる。前記ラッチモータ92は、前記ラッチ96を動作させるための小さな回転構造の形状の回転アクチュエータ、または回転およびリフティングアクチュエータを具備しうる。前記錠要素24は、前記ラッチ96と接続されており、図1に示されているように、前記内側のハウジング22によりスライド移動するように固定されている。前記錠要素24は、金庫、金庫室、部屋、などの前記エンクロージャ100をロックまたはアンロックするのに必要なように突き出されまたは引き込まれうる。
【0029】
ボルトリトラクタ98は、図4および6によく示されているようにリンク104により前記リトラクタドライブ102と係合している。前記リンク104は、前記リトラクタドライブ102および係合ポイント106の動作を前記ボルトリトラクタ98の直線的な動作に変換する。前記リトラクタドライブ102は、前記ダイヤル14の回転が、前記組み合わせコードの入力が終了後、前記リトラクトドライブへ適切な動作を提供するように前記シャフト20に結合されている。代替的な実施形態において、前記ラッチモータまたは類似のモータは、前記組み合わせコードの入力の成功後、自動的に前記ボルトリトラクタ98が動作するように利用されうる。
【0030】
図5,6に最もよくみられる前記自己発電型電子錠110の代替的な実施形態において、発電機112,114は、エンコーダマグネット116,118の回転を駆動するために使用される。前記外側の電子装置120を参照すると、電気コンポーネント122は、回転位置情報を提供するために外部回転エンコーダマグネット118の下に配置されている。同様の電気要素124は、前記内側の電子装置126内に提供され、同様に内部回転エンコーダマグネット116とともに配置されている。この要素のタイプは、信頼でき、比較的一般のほこり、土、または湿度条件に影響されない。ピエゾ(piezo)に基づくまたは他の発電機の実装など他の実施形態における他の技術を、位置情報を提供するために使用してもよい。
【0031】
いくつかの実施形態において、前記ダイヤル14は、多くの用途に供される。図2−4の実施形態とともに上述したように、前記ダイヤル14は、前記内部および外部の発電機112,114にシャフト20を通って接続されており、前記ダイヤルを回転させることで、前記発電機112,114が電力を生成することになる。前記ダイヤルはまた、前記発電機112,114における前記シャフトの回転をエンコーダマグネット116,118に伝達するギヤを通して生成された、前記内部および外部のコンピュータ128,130により使用される磁気パルスを生成するためにも供される。前記内側および外側の発電機112,114は、前記内側および外側のコンピュータ128,130により使用される電力およびパルスの双方を生成するために使用される。これとは別に、前記エンコーダマグネット116,118は、前記シャフト20に直接結合されてもよく、発電のための前記発電機のための回転子(rotor)としても動作する。前記エンコーダマグネット116,118は、交互の極性を有する複数の仕切られた磁気的な部材128を具備している。前記エンコーダマグネット116条の仕切られた磁気的な部材128,118の数は、重大ではなく、前記エンコーダマグネット116,118の回転ごとのより少ないフィールド方向変化を提供するように選択してもよい。さらなるフィールドの変化は、前記システムの直径を増加することにより、または多数のマグネティックリングをオフセットすることにより、簡単に得ることができる。仕切られた磁気的な部材の前記磁気フィールドは、電気パルスを生成するために前記エンコーダマグネット116,118の近傍に配置されているコイルなどの内側および外側の電気コンポーネント132,134に広がるとともに相互作用する。
【0032】
前記発電機112,114の先の実施は、発電機として駆動されるシェルフ(shelf)ステップモータのオフを利用し、電力及び通常の回転運動および方向情報を生成する性能を提供する。本発明の実施形態で使用されている発電機112,114は、概念的に、追加的なインデックシングマグネティック要素とともに1/2改良されたステップモータで構成されている。それぞれの発電機112,114は、例えば50ポジション(図示せず)のちょっとした戻り止めを有している。前記発電機112,114は、50の戻り止めと一致するように直接構成されているか、または、他の実施形態においては、前記ダイヤルの周りの100の戻り止めポジションに伸ばすために1/2戻り止めポジションにより斜めに取り付けられている。意図したものではないが、先の自己発電型錠の実施は、歯車装置が利用されているのは確実であるが、前記発電機112,114は、任意の歯車装置をひつようとする。前記錠110の歯車装置の使用は、潜在的に複雑性を増加させ、さらなる空間を必要とし、また追加の費用がかかりうる。前記付加的な戻り止め構成は、付加的な戻り止め位置が、回転角度が与えられる前にさら素早いナンバーを許容するため、前記自己発電型電子錠110の具体的な実施形態において役にたつ。先の実施形態は、回転位置のかわりに、回転のスピードを当てにしている。いくつかの実施形態においては、レート(rate)入力がロック110に実装されてもよい。一般に、1つの戻り止めは、回転の方向に従って1つの数を増加または減少させる。
【0033】
前記ダイヤルの周りに100の戻り止め位置を有する実施形態のためのエンコーダは、前記ダイヤルの回転ごとに100ダイヤルポジションの所望の動作を成し遂げるために、回転ごとに最小100のインクリメントを有していなければならない。いくつかの実施形態において、例えば200から400といった付加的なインクリメントが所望されうるように、前記ダイヤル回転入力に何らかの可変性を有することが可能であることが望ましい。回転ごとに1000またはそれ以上のインクリメントを有しているエンコーダの実施形態は、所望のナンバー位置のどちらかの側上のポジションを最小5つ識別しうる。
【0034】
一般に利用可能な任意の回転エンコーダは、製造番号AS5040およびAustria Micro Systemsにより販売されたような使用のために受け入れられる。前記AS5040は、非接触型磁気要素を利用し、低消費電力、および直径が小さく、本出願のためによく適合する。加えて、このハードウェアは、等価的な光学的な実施よりも費用効果がより一層高い。
【0035】
前記ダイヤル14およびシャフト20により前記エンコーダマグネット116,118が回転させられるため、一連のアブソリュートエンコーダの読み出しが得られる。電圧および電力生成パルスは、電力制御および図6に示されているパルス成形デバイス136,138のそれぞれに供給され、電力および整形のために双方とも整流され、増加および減少を検出する。前記パルスの整形は、本発明の一部ではない、通常のおよび形状の回路により遂行されうる。前記パルスは、その後位相線140−146を越えてマイクロプロセッサデバイスなどのそれぞれのコンピュータ128,130に供給され、方向変更検出、シンク、または方向検出とともにインデックスパルスとともにデータパルスを解釈する。前記インデックスパルスは、位相がずれており、したがって、それらは、前記エンコーダマグネット116,118の回転の方向を決定するために使用されうる。
【0036】
前記電力制御およびパルス成形デバイス136,138は、パルス化電力を直接前記内部および外側の電子装置126,120に供給する。代替的な実施形態において、前記電力制御およびパルス成形デバイス136,138は、前記エンコーダマグネット116,118 および電気コンポーネント122,124から生成される電気的パルスにより内部キャパシタ148,150も充電する。前記キャパシタ148,150の電圧は、先に説明した図2−4と同様に決定される。
【0037】
外側のコンピュータ130も外側のコンピュータ50も前記表示装置18への出力を提供する。前記表示装置は、少なくとも2デジットの数字および反対方向を示している矢印を表示可能である。反対方向を示している矢印、エラーシンボルのための電光(lightning)ボールド、またはキーシンボルなどのシンボルは、前の電子錠と同様に、組み合わせ変更モードの選択を示すために使用してもよい。LCDドットマトリクスディスプレイもまた、上述した情報や、より読みやすいフォーマットでの付加的なステータス情報を表示するために利用してもよい。例えば、時刻およびより読みやすい報告がティッカーテープ様式により、バックライト付きディスプレイで表示される。カラーディスプレイがいくつかの実施形態では望ましい。
【0038】
上述したように、前記表示装置18は、液晶ディスプレイまたはLCDデバイスであり、比較的電力消費が低いという利点を有している。低消費電力は、重要な考慮事項である。なぜなら、前記ロックダイヤルの回転により生成される電力は、比較的小さく、また外側の電力制御の前記電子装置のコンポーネントおよび、前記システムのパルス成形コンポーネント138および82内に格納されなければならない。
【0039】
上で説明した実施形態のように、コンピュータ128,130は前記電子錠110内にそれぞれ別々の機能を備えている。前記外側のコンピュータ130は、前記組み合わせナンバー入力を表示し、この情報を前記表示装置18へ送信する。付加的に、前記外側のコンピュータ130は、前記表示装置18に関して先に説明したような他の指標を前記表示装置18へ送信してもよい。内側のコンピュータ128もまた前記組み合わせナンバー入力をトラックし、いくつかの実施形態においては、前記外部コンピュータ130と同時である。
【0040】
コンピュータ128,130は、図5および6の実施形態に図示されているような機械的手段を通して情報のやりとりをする。この実施形態において、コンピュータ128,130は、前記シャフト20の機械的な回転を通して無線で情報のやりとりをし、同期したパルスを前記エンコーダマグネット116,118および電気的コンポーネント122,124を通してそれぞれのコンピュータ128,130に提供する。コンピュータ128,130の常駐ソフトウェアは、前記コンピュータ128,130間で前記同期したパルスを対応するナンバーに変換する。先の電子錠でやったように、前記外側のコンピュータ130は前記ナンバーを表示している間に、前記内側のコンピュータ128は、その後入力された組み合わせナンバーのチェックを実行する。この構成は、前記内部および外部 コンピュータ128,130間または他の内部および外側の電子装置126,120間に電気的コンダクタを必要としない。この構成は、それらが機械的にリンクされている限りは、前記内部および外側の電子装置126,120が軸からかなりはずれて取り付けられる実施形態、および/またはかなり離れた距離において取り付けられる実施形態を許容する。この実施形態のボルトリトラクタ構造は、先に説明した図2−4の実施形態と類似している。
【0041】
前記コンピュータ48,50,128,130は、日本の東京にある沖電気工業株式会社で製造され販売されている80C51Fや、または米国のマイクロチップ社により製造されているいくつかのマイクロコントローラの1つなどの、製造され市場で売られている任意の適合するマイクロプロセッサでよい。
【0042】
先のいくつかの電子錠と同様に、前記自己発電型電子錠30,60,110の実施形態において、前記ロック組み合わせコードは、チェンジキー160の使用により変更される。前記ロックの現在の組み合わせコードが正しく入力されたならば、ポート162にチェンジキー160が挿入されているかどうかを見るために、内側のコンピュータ48,128の前記ポート162がチェックされる。前記チェンジキー162が挿入されている場合には、前記錠のための新たな組み合わせコードが生成されると共に確認される。前記錠のための前記組み合わせは、前記内側のハウジング22内の前記内側のコンピュータ48,128にのみ格納されるため、前記外側のハウジング16内の前記外側のコンピュータ50,130に前記チェンジキー160が挿入される必要はない。図3に示されている実施形態において、前記無線通信64は、前記チェンジキー160が前記ポート162に挿入されていることを前記表示装置18上に示すために使用される。
【0043】
上述した実施形態において、前記ダイヤル14は、前記組み合わせコードを構成する複数の組み合わせナンバーを入力するために利用される。代替的な実施形態において、前記組み合わせナンバーの入力に、キーパッド、磁気カードリーダ、または無線周波数IDかーとまたはタグなどの他のデバイスを利用してもよい。さらに他の実施形態においては、前記錠は、組み合わせコードを併用して、または、組み合わせコードや個人識別ナンバー(PIN)を入力しないで、指紋または網膜スキャンなどのバイオメトリック装置により生物学的特性に応答してもよい。これらの代替的な実施形態において、前記ダイヤル14は、前記内部および外側の電子装置44,46,126,120への電力を生成するのに利用され、前記錠要素24を動作させるのにも使用される.
【0044】
図7は、パワーアップおよび前記自己発電型電子錠30,60,110のダイヤルシーケンスの例示している。前記プロセスは、前記ダイヤルが回転されたときに開始する。前記内部および外側の電子装置間の前記シーケンスは、類似したステップ、類似した時間における実行からなり、前記内部および外側の電子装置間の同期の保持に役立つ。いくつかの実施形態では、前記キャパシタを充電するために、前記ダイヤルの回転の開始のときに、遅延が、前記内部および外側の電子装置に与えられる(ブロック202,232)。前記遅延は、前記電子装置を起動させるのに不十分な電圧の場合には延長されうる(判定ブロック204,234の「N」の枝)。電圧がパワーアップ電子装置に電力供給するのに十分である場合には(判定ブロック204,234の「Y」の枝)、前記センサが、電力供給がこれらのコンポーネントに可能になった後のインデックスまたはシンクパルスの完成のためのテストができるようにイネーブルされる(ブロック206,236)。前記シンクまたはインデックス位置が示された後、前記コンピュータは、使用可能となる。いくつかの実施形態においては、前記インデックスポイント後、前記マイクロプロセッサ(CPU)は、起動し、自身を初期化する時間を有する。前記パワーアップシーケンスのこの時点において、双方のCPUは、起動され、次のシンクまたはインデックス位置を待つ。前記インデックス位置の通過を検出後、次の乱数が表示され、218,248において内部的に検査される。内側および外側のコンピュータの双方は、ダイヤル反転が検出されるまで一致して増加または減少させる。この時点において、指示されたナンバーは前記内側のコンピュータに格納され、次の乱数が表示および内部計算するために計算され、前記内側のコンピュータにより比較される。
【0045】
乱数は、前記内側および外側のコンピュータ双方における開始ポイントとして、先のシード値に基づき生成される(ブロック214,244)。電気的に互いに通信しない前記2つのコンピュータ間で同じ乱数生成を保つために、同じ乱数生成アルゴリズムおよびシード値が前記内側および外側のコンピュータで使用される。他の無線通信を利用するいくつかの実施形態において、交互無線通信方法は、前記内部および外側の電子装置の同期に必要はないので、前記外側のコンピュータが、乱数を生成する必要のある唯一のコンピュータである。
【0046】
いくつかの実施形態において、再同期のために、シード値が、所定のシード値テーブルにより決定される。次の乱数のための前記シード値は、現在生成されている乱数であってもよい。前記内部および外側の電子装置間の同期がはずれた場合において、再同期のための1つの方法は、右への連続的なダイヤルにより前記錠を起動させるものである。前記錠が電力供給された後、00−00−00の組み合わせコードが入力されうる。これが、前記錠が前記テーブルの次のシード番号へ乱数生成器に再シードすることになり、また前記トランスデューサを再びゼロにする。前記トランスデューサは、前記コンポーネントのお互いの物理的な動作により発生する、機械的な磨耗のため、または外側のダイヤルリングまたはダイヤルのミスアライメントのため、再びゼロにされなければならない。
【0047】
組み合わせナンバーの入力は、前記ダイヤルの反転または所定の数の回転の反転動作を続けることにより検出される。前記ダイヤルが反転された場合(判定ブロック216,246の「Y」の枝)、その後前記ランダムシードカウンタが増加され(ブロック218,248)、前記組み合わせナンバーが前記内側のコンピュータに格納される(ブロック220)。前記ナンバーが前記組み合わせコードの最後のナンバーでない場合(判定ブロック222,252の「N」の枝)、前記処理はブロック212,242を続ける。前記ナンバーが前記組み合わせコードの最後のナンバーだった場合(判定ブロック222,252の「Y」の枝)、その後、前記内側のコンピュータは、前記組み合わせコードを存在する定義されて組み合わせに対しチェックし、Millerらによる米国特許第5,061,923号に開示されている前記電子錠のような従来技術の錠と類似した動作をする。ひとたび、組み合わせナンバーが入力されたならば、内側および外側の電子装置双方の内部カウンタは増加され、持続的に格納される。このカウンタは、表示される次の乱数の基礎として使用される。いくつかの実施形態においては、修正されたランダム遅延シーケンスが実施され、最後のナンバー入力が次の開始ナンバーであり、ダイヤル回転および表示の間のランダム性は、内側および外側の電子装置の双方に配置されているファームウェアを通して成し遂げられる。上述したように、無線でない通信が保持されている場合、前記外側のコンピュータは、適切なストール(stall)により前記ダイヤルの開位置において開を検出する。無線通信がない場合において、この事実は、次に表示される乱数の生成に使用されず、このことは、いかなるナンバーであっても、受け入れられるナンバーが入力されたというだけである。
【0048】
自動ダイヤラ操作の検出は、前記内側の電子装置において成し遂げられる。例えば、開錠せずに、非常に多くの組み合わせが入力された場合、または非常に早く組み合わせが入力された場合、前記内側の電子装置は、適正な組み合わせ入力のためのチェックを停止する。前記外側の電子装置およびコンピュータは、非無線操作の場合において適正な組み合わせが入力されたと判定されるように作られるが、ボルト引き上げシーケンスは発生しない。この場合において、実際の組み合わせがダイヤルされうるが、自動ダイヤルされた場合、最初の数回のダイヤリングの試みで組み合わせがダイヤルされない限り、前記内側のコンピュータはそれが適正であると検出しない。継続的なランダムな起動の組み合わせのダイヤルの試みのため、ランダムな組み合わせの入力の許容を禁止するように遅延が組み込まれ、開錠するためには、複数回、正しい組み合わせを入力しなければならない。
【0049】
前記自己発電型電子錠が、コンポーネントの一時的な故障またはプリント基板上のトレースの問題を経験する場合、前記錠の故障により、前記内側および外側の電子装置は、同期しない。前記自己発電型電子錠は、前記故障を解消するために図8のフローダイアグラムに示すように再同期する。故障がない場合(判定ブロック302の「N」の枝)には、前記錠は、十条の状態のもと動作を続ける(ブロック304)。故障状態の場合(判定ブロック302の「Y」の枝)には、前記錠は、例えば、右への連続的な前記錠のダイヤリングにより起動される(ブロック306)。一度パワーアップすると、ダイヤル入力オプションが選択されること、例えば、追加的な組み合わせ00−00−00をダイヤルすることにより、により再同期する(ブロック308)。このオプションは、This option causes the internal random number generators in 前記内側および外側のコンピュータの内部乱数生成器に、内部テーブルから次の乱数を再シードすることになり(ブロック310)、したがって、前記内側および外側の電子装置が再同期する。前記錠は、その後、通常の状態の下動作を続ける(ブロック312)。
【0050】
本発明がいくつもの実施形態の説明により例示され、これらの実施形態が詳細に説明されてきたが、出願人は、添付の特許請求の範囲の範囲をそのような細部で制限または限定する趣旨ではない。付加的な利点及び修正は、当業者により可能である。本発明は、その広い特徴は、したがって本明細書の特定な詳細によって限定されず、代表的な装置および方法、およびが示されるとともに説明された。したがって、通常の発明の概念の精神および範囲から逸脱することなく、そのような詳細が作製される。
【符号の説明】
【0051】
10 自己発電型電子錠
12 扉
14 ダイヤル
18 表示装置
20 シャフト
24 錠要素
44 内側の電子装置
46 外側の電子装置16、22 ハウジング
36,38 同期化トランスデューサ
40,42 マグネット
48,50 コンピュータ
32,34 発電機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自己発電型電子錠であって、
ハウジングと、
ロック位置とアンロック位置の間で前記ハウジングに対して動作するための前記ハウジング内に取り付けられる錠要素と、
電子装置の第1セットで動作するコード入力デバイスと、
電子装置の第2セットで動作する電動アクチュエータと、
前記コード入力デバイスと電子装置の第1セットを動作させるための電力を供給するためにユーザにより作動する第1発電機と、
前記電動アクチュエータと前記電子装置の第2セットを動作させるための電力を供給するために前記ユーザにより作動する第2発電機と、
を具備し、
前記電動アクチュエータは、前記ロック位置から前記アンロック位置への錠の動作を許容するように、前記錠要素と動作可能なように結合されており、
前記電子装置の第1および第2セットは、電気的に絶縁されており、
前記電子装置の第1および第2セットは、組み合わせコードのための通数を生成するために同期されていることを特徴とする自己発電型電子錠。
【請求項2】
前記電子装置の第1セットと電気的に接続されている第1バッテリーをさらに具備し、
前記第1バッテリーは、ロック動作を開始するために、前記電子装置の第1セットに電力を提供し、前記第1発電機により供給される電力を補うことを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項3】
前記電子装置の第2セットと電気的に接続されている第2バッテリーをさらに具備し、
前記第2バッテリーは、ロック動作を開始するために、前記電子装置の第2セットに電力を提供し、前記第2発電機により供給される電力を補うことを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項4】
電子装置の前記第1および第2セット間で組み合わせでない情報を転送し、電子装置の前記第1および第2セットを同期させる無線通信を許容するように構成されている無線通信デバイスをさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項5】
前記電子装置の第1セットは、前記通数を表示可能であり、
前記電子装置の第2セットは、前記通数を、前記電子装置の第2セット内に格納されている前記組み合わせコードと照合可能であることを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項6】
前記第2発電機および前記電子装置の第2セットは、前記ハウジングの内部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項7】
前記ハウジングは、内側のハウジングをさらに具備し、
前記自己発電型電子錠は、前記錠要素がロックまたはアンロック位置である場合に、前記自己発電型電子錠の前記ユーザにアクセス可能となるように構成されている外側のハウジングをさらに具備し、
前記内側のハウジングおよび外側のハウジングは、介在構造の反対側に配置されることを特徴とする請求項6に記載の自己発電型電子錠。
【請求項8】
第1発電機および前記電子装置の第1セットは、前記外側のハウジングの内部に配置されていることを特徴とする請求項7に記載の自己発電型電子錠。
【請求項9】
前記コード入力デバイスは、前記外側のハウジングに近接した位置に配置されているかまたは接続されており、前記ユーザがアクセス可能であることを特徴とする請求項7に記載の自己発電型電子錠。
【請求項10】
前記コード入力デバイスは、ダイヤル、キーパッド、カードリーダ、無線タグ、指紋スキャナ、網膜スキャナ、または他の生体計測デバイスの少なくとも1つをさらに具備していることを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項11】
回転可能なシャフトと、
前記第1発電機と前記回転可能なシャフトを通じて結合されているダイヤルと、
をさらに具備し、
前記ダイヤルが回転することにより、回転運動が前記シャフトを通じて前記第1発電機に伝達し、電力が生成されることを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項12】
前記ダイヤルは、前記回転可能なシャフトを通じて前記第2発電機と付加的に結合されており、
前記ダイヤルが回転することにより、その回転運動が前記シャフトを通じて前記第1および第2発電機に伝達し、電力が生成されることを特徴とする請求項11に記載の自己発電型電子錠。
【請求項13】
前記回転可能なダイヤルは、コード入力デバイスとしてさらに動作することを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項14】
前記コード入力デバイスと電気的に接続されているとともに前記第1発電機により電力供給されている表示装置をさらに具備し、
前記表示装置は、前記ユーザによって前記コード入力デバイスにより入力されたコードを表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項15】
前記表示装置は、液晶ディスプレー(LCD)をさらに具備することを特徴とする請求項14に記載の自己発電型電子錠。
【請求項16】
前記第1および第2発電機は、ステップモータを具備することを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項17】
前記第1および第2発電機は、リングマグネットと、コイルと、ホールセンサと、を具備することを特徴とする請求項1に記載の自己発電型電子錠。
【請求項18】
自己発電型電子錠の動作方法であって、
前記自己発電型電子錠は、錠要素と、電動アクチュエータと、コード入力デバイスと、第1および第2発電機と、電子装置の第1および第2セットと、を具備し、
前記方法は、
前記第1発電機により電力を生成するステップと、
前記第2発電機により電力を生成するステップと、
前記第1発電機により生成される電力を使用して前記電子装置の第1セットで動作する前記コード入力デバイスへ、適切なコードを入力するステップと、
前記電子装置の第1セットと同期される前記電子装置の第2セット内に情報を同時に生成するステップと、
前記第2発電機により生成された電力を使用して、前記電子装置の第2セット内に生成された前記情報の結果として前記電動アクチュエータを起動し、それによりロック位置からアンロック位置に錠要素が動作することを許容するステップと、
を具備し、
前記情報は、前記コード入力デバイスに前記適切なコードが入力されていることを示すことを特徴とする自己発電型電子錠の操作方法。
【請求項19】
前記適切なコードを入力するステップは、ダイヤルを回転させる、キーパッドを押圧する、カードリーダにカードを挿入する、無線タグを読む、指紋をスキャンする、網膜をスキャンする、または他の生体計測情報を入力することの少なくとも1つをさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記自己発電型錠は、回転可能なシャフトを通じて前記第1発電機と結合されているダイヤルをさらに具備し、
電力を生成するステップは、前記ダイヤルが回転することにより、回転運動が前記シャフトを通じて前記第1発電機に伝達し、電力が生成されるステップを具備していることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記ダイヤルは、前記回転可能なシャフトを通じて前記第2発電機にも結合されており、
前記電力を生成するステップは、前記ダイヤルが回転することにより、回転運動が前記シャフトを通じて前記第1および第2発電機に伝達し、電力が生成されるステップを具備していることを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記適切なコードを入力するステップは、前記ダイヤルを回転することにより前記コードを入力するステップをさらに具備することを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記適切なコードは、一連の数字を備えており、
前記自己発電型電子錠は、前記第1発電機により電力供給される表示装置をさらに具備しており、
前記適切なコードを入力するステップは、
前記一連の数字における第1ナンバーに対応する位置に前記ダイヤルを回転するステップと、
前記ダイヤルの回転に対応する前記第1ナンバーを前記表示装置上に表示するステップと、
前記ダイヤルの回転を反転させ、前記一連の数字における前記第1ナンバーの入力をするステップと、
を具備し、
前記ダイヤルの回転の反転は、前記一連の数字における第2ナンバーの入力の開始を示すことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記第1および第2発電機は、電力のパルスを生成するように構成されているステップモータを具備し、
同時に情報を生成するステップは、
前記シャフトに結合されている前記ダイヤルの回転と、前記第1および第2発電機により、前記ステップモータで、同期した電力のパルスを生成するステップと、
電力の前記同期したパルスを、前記電子装置の第1および第2セットを使用して、対応する数字に同時に変換するステップと、
を具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記第1および第2発電機は、リングマグネット、コイル、およびホールセンサを具備し、
前記シャフトに結合された前記ダイヤルの回転、それによる前記リングマグネットの回転により前記コイル内に電力の同期したパルスを生成するステップと、
前記ホールセンサにより前記ダイヤルの回転方向を決定するステップと、
電力の前記同期したパルスを、前記電子装置の第1および第2セットを使用して、対応する数字に同時に変換するステップと、
を具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項26】
同期化情報および前記適切なコードに関係しない情報を、前記電子装置の第1および第2セット間で、無線で通信するステップをさらに具備し、
無線で通信するステップは、Bluetooth(登録商標)技術を介した情報通信ステップ、通常の無線周波数通信ステップ、パルス磁場を介した情報通信ステップ、パルス電場を介した情報通信ステップ、または赤外線信号を介した情報通信ステップの少なくとも1つを具備することを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−515860(P2012−515860A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−546289(P2011−546289)
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/020600
【国際公開番号】WO2010/085384
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(511056770)ロック・セカンド・エル・エル・シー (2)
【Fターム(参考)】