臭い軽減物質
【課題】特定の不快臭を軽減する物質を使用して、臭い中和物質又は臭い軽減物質を提供すること。
【解決手段】臭いを軽減するため、又は、臭いを軽減するための補助物質としての、
(i)(a) 下記式(1)の単一アルコール又は
(i)(b) 下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記アルコールから成る混合物の使用を開示する。
（式中、各場合2つの基Ra又はRbの一方は水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方は2〜6個のC原子を有するアシル基を表す。）
【解決手段】臭いを軽減するため、又は、臭いを軽減するための補助物質としての、
(i)(a) 下記式(1)の単一アルコール又は
(i)(b) 下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記アルコールから成る混合物の使用を開示する。
（式中、各場合2つの基Ra又はRbの一方は水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方は2〜6個のC原子を有するアシル基を表す。）
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、下記式(1)の単一アルコール、又は下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記アルコールから成る混合物の、臭い、特に不快臭を軽減するため、又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質(臭い中和物質)としての使用に関する。
【０００２】
【化１】
【０００３】
本発明は、本発明で使用する式(1)の1種以上のアルコールに加え、1種以上の匂い物質を含み、任意にさらなる物質(例えば生産助剤)を含んでもよい特定製剤にも関する。本発明の製剤のさらなる特徴及びこの/これらの製剤の好ましい実施形態については、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照されたい。
以下、式(1)の1種以上のアルコールを含む試験物質によって不快臭の軽減を点検する方法であって、不快臭を有する物質を含むか又は不快臭を有する物質から成る悪臭基準混合物を、不快臭を有する物質及び指示試験物質をも含む試験混合物と比較する方法の説明をも提供する。この方法のさらなる特徴及び好ましい実施形態についてはさらに後述する。
【背景技術】
【０００４】
日常生活では頻繁に(不快な)臭いが問題になり、人々の幸福に悪影響を与える。不快臭(本明細書内における)は、特にヒトの発汗及び排泄由来の臭い、とりわけ汗、便及び尿の臭い、動物、特にペットの糞又は尿の臭い、動物の湿った毛、特にイヌ又はヒツジの湿った毛由来の臭い、湿った羊毛由来の臭い、例えばタマネギ、ニンニク、キャベツ又は魚の調理中に生じる調理臭並びにタバコの煙、特に新鮮でないタバコの煙、カビ及びゴミ由来の臭いである。本発明の用途は、特にこのタイプの臭いの軽減に関する。
不快臭は、化粧品、ボディケア製品、家庭用品又は洗浄製品で使用される多くの工業生産される基礎物質、特に洗剤（例えば洗濯洗剤及び布柔軟剤用）、又はボディケア製品（例えば、石鹸及び化粧品用）で使用される基礎物質でも生じる。
特有の化粧品、例えば毛髪染料、毛髪整形剤及び脱毛剤の使用も不快臭を生じさせるので人々の気分を悪くする。本発明の用途は、特にこのタイプの不快臭の軽減にも関する。
言及した臭い妨害又は不快臭は、大部分は特に臭いの強い物質によって生じ、これらは痕跡量のみで生じることが多い。このタイプの物質は、とりわけ、窒素含有化合物、例えばアンモニア及びアミン、N-へテロ環、例えばピリジン、ピラジン、インドール等、並びにイオウ含有化合物、例えば硫化水素、メルカプタン、スルフィド等である。特に、このタイプのN-含有化合物又はS-含有化合物の臭いの軽減が本発明の目的である。
臭い、特に不快臭の軽減は、香料組成の点で処理かつ解決しにくい問題である。特に、それぞれの不快臭の特有の性質が、多用な製剤、特に慣例的な種々の芳香タイプの香料の使用を大いに制限する。このタイプの不快臭の軽減は通常、よくても特別に開発された香油（それ自体、それ自体のかなり特有の芳香タイプを有する）を用いて達成される。この場合、(別の)心地よい匂いがする物質を利用して不快臭の印象をマスク又は「覆う」。
従って、当該物質又は原料は、それ自体明らかな嗅覚-香り強度なしで、不快臭の強度を軽減でき、或いは不快臭を完全に除去さえできるという大きい利点がある。このような(活性)物質は、それぞれの不快臭をマスクするのではなく、単にそれ自体の特有の匂いによって、不快臭を有利に中和できるだろう。このような(活性)物質の使用は、芳香剤又は香り体に対して利点を有し、或いは有するであろうから、不快臭を有する製剤又は製品、例えばいずれの芳香傾向の香油をも使用することができる。結果として、臭い妨害又は不快臭と「闘う」ため、消費者は、実質的に広い範囲の芳香剤タイプを選択できる。
【０００５】
例えば以下に示すように、文献は体臭及び他の不快臭と闘うための多くの提案を含む。
EP 0780132は、特有の匂い物質の混合物を用いた、不快臭、特に調理及びゴミの臭い、タバコの臭い及び排泄物由来の臭いの制御を開示する。ここで開示された混合物は、約20〜60質量%のマスク匂い物質、約30〜70質量%の柑橘類の匂い物質及び約1〜20質量%のペパーミントの匂い物質を含む。
US 5,559,271は、とりわけ、有機ポリスルフィドの不快臭を制御できるバニリン、酢酸メチル、イソプレゴール、メタノール、リナオール及び他の多くの匂い物質を開示する。
WO 98/27261は、臭いが軽減された動物の寝わらに関する。ここでは、多くの他の匂い物質に加え、清浄及び脱臭特性を有するであろう、動物の寝わら用香油の構成成分として、とりわけ、酢酸メチル、バニリン、ジヒドロミリセロール、ユーカリプトール、酢酸イソプレギル、シトロネロール、ゲラニオール及びベンジルアルコールが言及されている。
WO 01/43784及びUS 7,157,411は、最も変化のあるタイプの不快臭を軽減するための臭い軽減物質として、特有のエステル、特に酢酸イソメンチル等のイソメンチルエステルの使用を開示している。
EP 1447102は、不快臭を制御するため、特有のシクロヘキシルエタン-1-イル-エステル、特に酢酸エステル及びn-酪酸エステルの混合物を提案している。
JP-B 1056798は、2,6-ジメチル-ヘプチルアセテート及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシルイソブチレートといった選択された匂い物質を用いて漂白アルカリ液臭をマスクすることを開示している。
EP 1113105は、香料への添加物としてヒト体臭に対する混合物を開示する。とりわけ、以下の(活性)成分に言及している：β-ナフチルメチルエーテル、メチル-β-ナフチルケトン、ベンジルアセトン、γ-メチルイオノン、ゲラノニトリル、エチレンブラシレート、1-シクロヘキサデセン-5-オン及び1-シクロヘプタデセン-10-オン。
JP 2003113392は、体臭をマスクするための制汗剤として使用する組成物を開示している。この組成物で香りをつけるために使用される成分は、例えば、α-ピネン、リモネン、酢酸エチル、シネオール、アセチルセドレン、ゲラニオール、チモール、テトラデカナール、サリチル酸アミル、バニリン、ユーカリ油、ジャスミン油及びスペアミント油である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
製品の嗅覚的再評価を得ようとする従来の物質、すなわち(匂い)物質又は(匂い)物質混合物は、一般的に不快臭の臭い軽減に不十分である。
不快臭を中和又は軽減するため、匂い物質及び匂い物質組成物/混合物を使用する多くの場合、(匂い)物質又は(匂い)物質組成物の開発並びに不快臭を軽減するときのこれらの物質の効力の確認は、これまでは通常、試行錯誤によって行われていた。
【０００７】
本明細書の範囲内では、臭い、特に不快臭を中和又は軽減するという概念は、特有の物質による(不快な)臭い、特に汗、古い油、古い魚、煙、酪酸、排泄物のタイプの臭い又は同様の臭いの部分的軽減又は完全な軽減、すなわち排除を意味するものと解釈する。この関係の物質は、個々の物質又は物質の混合物である。
狭い意味において、(製品を)芳香で満たす(fragrancing)又は(製品に)香りをつける(perfuming)ことは、不快臭の中和又は軽減とは区別されるべきであり、中和/軽減に加えて起こり得る。芳香で満たす又は香りをつけるという用語は匂いの印象、すなわち妥当な場合、不快臭の完全又は部分的軽減の範囲を超えるさらなる嗅覚作用を与えることを意味するものと解釈する。
【０００８】
本明細書の範囲内では、より広い意味の匂い物質は、それ自体の匂いによって嗅覚印象を誘起するか又は別の物質の嗅覚認識を変えるいずれの物質でもある。しかし、本発明において、より狭い意味では、匂い物質は、嗅覚印象、特に人々の嗅覚印象を誘起する物質である。従って、匂い物質混合物は、より狭い意味又はより広い意味の2種以上の匂い物質を含む混合物である。
【０００９】
上で参照した先行技術に鑑み、代替物質又は改良物質、すなわち不快臭を中和又は軽減するため、好ましくはさらに製品、特に不快臭を有する製品を芳香で満たすか又は該製品に香りをつけるための物質又は物質の混合物を提供することが本発明の第一の目的である。
【００１０】
これらの物質は、好ましくは下記要件の1以上、好ましくは全てを満たすべきである：
−容易に入手できること、
−濃縮形態でも使用できること、
−実質的又は完全に無色なこと、
−不快臭を有するそれぞれの製品の高い安定性、特に変色及び/又は分離及び/又は濁りが発生しないこと、
−この/これらの製品に関して不活性な挙動、
−ヒトに対して毒性及び/又はアレルギー作用がないこと、
−わずかな固有の匂い。
【００１１】
さらに、本発明は、臭い中和物質又は臭い軽減物質を含む製剤に言及する。このタイプの製剤は、好ましくは物体又は製品、特に不快臭を有する物体又は製品を芳香で満たすか又は該製品に香りをつけることができるべきであり、かつ前記臭いは指示物質を用いて主に軽減すべきものである。
本明細書の範囲内では、製剤は、それ自体、所定プロセスに特有の基礎原料又は基礎物質からレシピ又は処方に従って製造される製品である。このタイプの製剤は、意図的に(特にその組成に関して)製造され、かつ処方に基づき；該製剤は、例えば、植物の出発原料からの抽出によって得られるような天然に存在する(物質)混合物ではない。
【００１２】
さらに、特有の臭い中和用途に対するその適合性を目的として特有物質を試験できるような、その(不快な)臭い軽減特性の点で関係しうる臭い中和又は臭い軽減物質を評価できる方法に言及すべきである。
本発明が基礎とするさらなる目的は、以下の情報及び添付の特許請求の範囲から明らかになる。
先行技術は、本発明で使用する予定であり、かつ以下に述べる化合物又は混合物を臭い中和物質又は臭い軽減物質として、特に不快臭を軽減する物質として使用できることを何ら示唆していない。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
上記第一の目的は、本発明に従い、
臭いを軽減するため
又は
臭いを軽減するための補助物質としての、
(i)(a) 下記式(1)の単一アルコール又は
(i)(b) 下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか若しくは前記2種以上の異なるアルコールから成る混合物の使用によって達成される。
【００１４】
【化２】
【００１５】
（式中、各場合2つの基Ra又はRbの一方は水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方は2〜6個のC原子を有するアシル基を表す。）
この目標設定において、臭いのタイプは好ましくは不快臭である。最初に述べたように、不快臭は人々の幸福（健康）に悪影響を及ぼす。このタイプの不快臭は、好ましくはヒトの発汗作用及び排泄由来、特に汗、大便及び尿の臭い、すなわち特にヒトの体臭、さらに詳しくはヒトの汗の臭い(特に腋下の汗の臭い)、又は動物、特にペットの糞若しくは尿の臭い、又は湿った動物の毛、特にイヌ若しくはヒツジの湿った毛の臭い、湿った羊毛の臭い、又は例えばタマネギ、ニンニク、キャベツ若しくは魚の調理中に生じるような調理臭、又はタバコの煙の臭い、特に新鮮でないタバコの煙の臭い、又はカビ及び/又はゴミの臭いである。特に、このタイプの不快臭は、ヒトの汗の臭い、トイレの臭い、特にヒトの大便と尿の臭い、動物、特にペットの糞又は尿の臭い、調理臭、特に古い脂肪、古い魚若しくは酪酸、又は煙、特に(新鮮でない)タバコの煙の臭いである。
【００１６】
本発明の使用で軽減されることが好ましいさらなる臭いは、化粧品、ボディケア製品、家庭用品又は洗浄製品で使用される工業生産される基礎原料由来の不快臭である(イントロダクションで述べたように)。
特に、上述したような不快臭は、特有の化粧品、例えば毛髪染料、毛髪整形剤及び脱毛剤の使用中に生じる臭いである。
【００１７】
本発明の適用では、各場合2つの基Ra又はRbの一方が好ましくは水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方の基は好ましくは4個のC原子を有するアシル基を表す。
【００１８】
さらに詳細には、前記本発明の適用に以下のことが当てはまる。
−選択肢(i)(a)におけるアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基又は
−選択肢(i)(b)における1、2以上又は全てのアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基が、
アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、クロトニル、n-ペンタノイル、イソペンタノイル、n-ヘキサノイル及びイソヘキサノイルから成る群より選択され、好ましくはn-ブチリル、イソブチリル及びクロトニルから成る群より選択される、
【００１９】
式(1)の化合物は、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのモノエステルである。式(1)のこのタイプの化合物は、ある程度までは、かなり長い期間既に商業的に入手可能であり(US 3,329,713参照)、或いは例えばLiebigs Ann. 1972, 756, 162-169又はUS 3,408,388に記載されているように、既知の方法で2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのエステル化によって得られる。式(1)の化合物の代替製造方法は、例えばUS 3,091,632、DE 3403696、US 5,166,413、WO 98/24752又はDE 10207747及びこれらの文献でそれぞ引用されている文献から公知であり、或いはこれらの方法に従って調製することができる。
【００２０】
本発明で使用する式(1)の化合物は、有利には非常に弱い固有の匂いしか持たない。従って、本来、式(1)のそれぞれのアルコールの特有の固有な匂いによっては、軽減すべき(不快な)臭いはマスクされない。本発明において起こる臭いの中和の作用機序は終結的に説明されていないというのが真実である。しかし、本発明の使用において、該作用は、おそらく、本発明で使用する式(1)のアルコールと、ヒトの鼻の嗅覚粘膜内の種々の受容体との間に相互作用が生じ、現在知覚している臭いの印象がもはや元の(不快臭の)原因と関係ないというような、(臭い)の知覚誤りをもたらすという事実に基づくと考えられる。本発明で使用する式(1)のアルコールの固有の匂いは、好ましくは非常にかすかであるか又は低い(芳香)強度の匂いなので、ほとんど(ヒトによって)知覚されない。これらの(非常にかすかな匂いの)式(1)のアルコールは、本発明では(香りを付ける)補助物質とみなされる。本発明で使用する式(1)のアルコール又は本発明で使用する対応混合物は、臭い、特に不快臭(例えば対応製品中、中和すべき臭い又は芳香で満たすべき製品の臭い)を軽減するため、及び/又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質として特に好適である。
【００２１】
式(1)の化合物を使用するとき、特に本発明に従って使用するとき、最も変化に富む匂い物質及び香油と式(1)の化合物を併用することによって、芳香物又は芳香製品、特に不快臭のある当該芳香物又は芳香製品をいずれの芳香傾向にも香りをつけることができるという利点をも有する。結果として、本発明によれば、不快臭を制御する場合、消費者に芳香タイプの広い選択を提供することができる。
【００２２】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、式(1)の第1のアルコール及び式(1)の第2のアルコールを含むか又は前記第1及び第2のアルコールから成る混合物の(上述したとおりの)使用であって、
第1のアルコールの基Raは第2のアルコールのRbの意味を有し、かつ
第1のアルコールの基Rbは第2のアルコールのRaの意味を有する、
使用に関する。
【００２３】
本発明の目的では、以下に示す式(1a)及び(1b)の化合物が特に好適である。従って、上述したような、本発明の使用は、
(i)(a) 式(1a)若しくは(1b)の単一アルコール、又は
(i)(b) 式(1a)のアルコールと式(1b)のアルコールを含むか又は式(1a)のアルコールと(1b)のアルコールとから成る混合物
を使用する。
【００２４】
【化３】
【００２５】
式(1)の第1のアルコールの、式(1)の第2のアルコールに対する質量比が、10：1〜1：10の範囲内、好ましくは5：1〜1：5の範囲内である、上述したような使用が特に好ましい。
【００２６】
式(1a)及び(1b)の化合物は、本発明内で特に良い臭い中和特性又は臭い軽減特性を有する。従って、本発明において、化合物(1a)及び(1b)の混合物を使用する、本発明の使用(上述したような)がさらに好ましい。上述したような使用では、2つの化合物の質量比(1a)：(1b)が好ましくは10：1〜1：10の範囲内、好ましくは5：1〜1：5の範囲内、さらに好ましくは2：1〜1：3の範囲内、最も好ましくは3：2〜1：2の範囲内である。
【００２７】
式(1a)の化合物(CAS番号18491-15-1)及び式(1b)の化合物(CAS番号77-68-9)は、それ自体既知である。同様に、化合物(1a)と化合物(1b)の混合物も既知である(CAS番号25165-77-4)。例えば、上述したように、このタイプの混合物を調製することができる。さらに、このタイプの混合物は、例えばBASF社、DSM社、Eestman社又はPerstorp社から商業的に入手可能である。
【００２８】
Yukagaku (1993), 42(1)(44〜48ページ)は、ウラボシ(Polypodiaceae)科の特有の植物中に上記式(1b)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルが存在することを開示している。匂い物質ヘキサナール、ヘプタナール、4-ヘキセン-1-オール、1-ヘプテン-3-オール、バニリン、セドロール、リナロール、β-イオノン、α-ピネン、イソブチルイソブチレート、α-テルピネオール及びケイ皮酸エチルも見つかった。この開示された混合物は、本発明の対象でない。開示された混合物は、上記定義の意味内の製剤でない。
【００２９】
Yukagaku (1989), 38(9)(589〜693ページ)、Nippon Nogei Kagaku Kaishi (1989), 63(7)(1231〜1234ページ)及びNippon Nogei Kagaku Kaishi (1988), 62(12)(1763〜1768ページ)は、異なるタイプの豆類中に上記式(1b)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルが存在することを報告している。とりわけ、ヘキサナール、2-フェニルエタノール、バニリン、マルトール、グアヤコール、4-ビニルグアヤコール、フルフリルアルコール、フルフラール、セドロール、酪酸ブチル及びケイ皮酸などの匂い物質も同定された。この開示された混合物は、本発明の対象でない。開示された混合物は、上記定義の意味内の製剤でない。
【００３０】
JP11222574は、本発明でも使用する特有化合物の、多孔性建築材料用の水ベースシーラントの構成成分としての使用について開示している。JP2003171635は、本発明でも使用する特有化合物の、建築材料用の接着剤の構成成分としての使用について開示している。しかし、本発明は、これらの開示された化合物及び混合物のいずれにも関係しない。本発明で使用する式(1)の化合物の、(多孔性)建築材料用の接着剤又はシーラントの構成成分としての使用は、特にJP11222574の多孔性建築材料用の水ベースシーラントの構成成分として、又はJP2003171635の建築材料用の接着剤の構成成分としての使用は、本発明では一般的に好ましくない。
FR2867972は、本発明で使用する特有化合物のマニキュア中での使用を開示している。このタイプのマニキュアは本発明の対象でない。ワニス、特にマニキュアでの使用は、本発明では一般的に好ましくない。
【００３１】
WO2004/062363は、表面上の殺菌膜を形成するための混合物中での上式(1b)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルの使用を開示している。この混合物は、任意に香油(香料)を含むことができるが、この文献では詳細に特定されていない。WO2004/062363で開示された混合物、特にWO2004/062363の実施例1の混合物は本発明の対象でない。本発明で使用する式(1)、特に式(1b)のアルコールの、表面上に殺菌膜を形成するための混合物、特に膜形成剤を含むような混合物中での使用は、本発明では一般的に好ましくない。
【００３２】
WO95/21606は、Rb=イソブチリルかつRa=Hである式(1)の化合物(3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレート)の、脱水による不飽和2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートの調製の出発原料としての使用を述べている。この関係では、特有の2,2,4-トリメチルペンテン-1-イル-エステル、例えば言及されている不飽和イソブチレートを匂い物質及び芳香物質として使用できることをここで特定している。言及されているブチレートは果物の柑橘類の青い、花の匂いを有する。式(1)の化合物を含有するWO95/21606で開示された混合物及び式(1)の化合物の使用は本発明の対象でない。3-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレートと2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートを含む混合物は、本発明では一般的に好ましくない。
【００３３】
US5,942,467では、この文献で述べられている実施形態により、上式(1b)の物質2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルを掘穿泥水の構成成分として提案している。本発明は、本発明で使用する式(1)のアルコールの、掘穿泥水の構成成分、特にUS5,942,467の掘穿泥水の構成成分としてのいずれの使用にも関係ない。この文献で開示されている混合物は本発明の対象でない。
【００３４】
Food Res. Int. 2001, 34, 473-481及びJ. Food Science 2002, 67, 848-854は上式(1a)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-プロピルエステルの調理済みクルマエビ又は調理済みイカの調味料への寄与について報告している。該文献で開示された混合物は本発明の対象でない。本発明では、本発明で使用する式(1)、特に式(1a)のアルコールの、調理済みクルマエビ又は調理済みイカを基礎とする混合物での使用は好ましくない。代わりに、本発明では、上述したような、またさらに後述する臭い軽減作用又は臭い中和作用を目的とする当該使用が好ましい。
引用した文献は、本発明で使用する化合物又は混合物を臭い中和物質又は臭い軽減物質として使用できることを何ら示唆しておらず、特にそれらを不快臭を軽減する物質として又は(不快な)臭い(上述したような)を軽減するための補助物質として使用できることを示唆していない。
【００３５】
本発明に従って行った実験(この点では以下の実施例を参照されたい)は、式(1)のそれぞれのアルコール又は対応混合物が、不快臭を有するか又は構成成分として不快臭に寄与する多様かつ構造的に非常に異なる物質を中和するため、すなわちこれらの物質によってもたらされる特に不快臭を軽減するために特に好適であることを示した。US5,538,719の情報から出発してもこのことは予測されなかった。US5,538,719には、構造的に類似した化合物によって、相互に関係のある臭いマスキングがもたらされる(交差適応)と記載されているからである。これに関連して、3-メチル-2-ヘキセン酸の構造的に類似したエステルによるマスキングが該文献に記載されている。従って、本発明で使用する化合物が、異なる(不快な)臭いの印象をもたらす物質の構造的な差異にもかかわらず、該物質によって引き起こされる(不快な)臭いを軽減するため又は該物質の臭いを中和するために適するのは、特に驚くべきことだった。
【００３６】
従って、本発明の使用(上述したような)で使用する式(1)の化合物又は対応混合物は、(不快な)臭いを軽減するため又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質として本発明の目的に特に好適である。本発明で使用する式(1)のアルコール又は対応混合物は、不快臭を軽減するため、又は補助物質として(例えば前記製剤の使用中の(本発明の)製剤の構成成分として)不快臭を軽減するため(例えば後述する本発明の製剤中で)特に好適である。本発明の製剤については以下を参照されたい。
【００３７】
驚くべきことに、本発明に従う発明者らの実験が示すように、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのジエステル(すなわちRaとRbが両方ともアシル基を表す)、例えば、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのジ-イソブチレートは、本発明で使用するモノエステルに比し、有意に不十分な臭い中和特性又は臭い軽減特性を有する。
本発明で使用する式(1)アルコール又は対応混合物をさらなる物質と組み合せて、本発明の製剤を形成することができる。本明細書の範囲内では、(本発明の)製剤は上述したように定義される。
【００３８】
このタイプの製剤は、好ましくは下記成分：
(i)(a) 式(1)の単一アルコール(上記定義どおり)、又は
(i)(b) 式(1)の2種以上の異なるアルコール(上記定義どおり)
及び
(ii) 1種以上、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9又は10種以上の匂い物質（これら物質は式(1)の化合物でない）
を含むか又は前記成分から成る
（但し、この製剤は3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレートと2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートを含む製剤でない）。
【００３９】
このタイプの製剤は、有利には不快臭を軽減するのに特に非常に好適である。この主目的に加え、本発明の製剤は、上記定義の意味で物体又は製品を芳香で満たすか又は物体又は製品に香りをつけるためにも特に好適である。
【００４０】
本発明のさらなる局面によれば、本発明の製剤は好ましくは香油である。香油は、通常合成又は(好ましくは)天然の風味と、高度に濃縮した形態の人工又は天然物質として芳香又は匂い物質(例えば特有植物由来)を含む(かつ任意に溶媒及び/又は補助物質に香りをつける)臭い中和担体油とを含むか或いは前記風味と前記担体油から成る。従って、香油は、香りをつける用途で頻繁に使用される。香油を使用する場合、例えば香油を(例えばアルコール)溶液中に導入することによって香料を製造し、該溶液が蒸発中に芳香又は匂い物質を「飛沫同伴」することによって、使用者、すなわち人の嗅覚器官に特有の匂いの感覚を与える。このタイプの混合物は、例えば香水、オーデパルファム(eau de perfume)又はオードトワレ(eau de toilette)でよい。さらに、例えばフラグランスライト、噴霧器又は拡散器で使用する場合のように、香油を用いて生活空間に特有の芳香を生じさせる。しかし、香油はさらに、無数の他の物品又は製剤、例えば靴磨きからシャンプーまで、生理用ナプキンからWCクリーナーまで、フェイスクリームから洗浄粉末まで及びネコの寝わらでも使用され得る。
【００４１】
本発明の製剤、特に本発明の香油の構成成分として有利に使用できる匂い物質の例は、例えば、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, Vol. I and II, Montclair, N. J., 1969, self-published or H. Surburg, J. Panten, Common Fragrance and Flavor Materials, 5th Ed., Wiley-VCH, Weinheim 2006で見つかる。
【００４２】
本発明の製剤、特に本発明の香油の構成成分となり得る好ましいエーテル油、凝結物(concrete)、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム及び/又はチンキは、好ましくは下記成分から成る群より選択される：アンブラ(ambra)チンキ；アミリス(amyris)油；アンゲリカ種子油；アンゲリカ根油；アニス油；吉草根油；バジル油；ウッドモス(wood moss)アブソリュート；ベイ油；ヨモギ油；ベンゾイン樹脂；ベルガモット油；蜜蝋アブソリュート；カンバタール(birch tar)油；ビターアーモンド油；セイボリー(savoury)油；ブッコ葉(bucco leaf)油；カブリューバ(cabreuva)油；杜松油；カルムス(calmus)油；樟脳油；カナンガ(cananga)油；カルダモン油；カスカリラ油；カッシア油；カッシアアブソリュート；カストリューム(castoreum)アブソリュート；シーダー(cedar)葉油；シーダーウッド油；ゴジアオイ油；シトロネラ油；レモン油；コパイバ(copaiva)バルサム；コパイババルサム油；コリアンダー油；コスタスルート(costus root)油；クミン油；シプレス(cypress)油；ダバナ(Davana)油；ディルハーブ(dill herb)油；ディル種子油；オーデブロー(eau de brouts)アブソリュート；オークモス(oakmoss)アブソリュート；エレミ(elemi)油；エストラゴン(estragon)油；ユーカリ・スシトリオドラ(eucalyptus citriodora)油；ユーカリ油；ウイキョウ油；スプルースニードル(spruce needle)油；ガルバヌム(galbanum)油；ガルバヌム樹脂；ゲラニウム(geranium)油；グレープフルーツ油；グアイアクウッド；ガージャンバルサム(gurjun balsam)；ガージャンバルサム油；ヘリクリサム(helichrysum)アブソリュート；ヘリクリサム油；ジンジャー油；ショウガ油；イリスルート(iris root)アブソリュート；イリスルート油；ジャスミンアブソリュート；カラムス(calamus)油 oil；カモミールブルー(camomile blue)油；カモミールローマン(camomile Roman)油；ニンジン種子油；カスカリラ(cascarilla)油；松葉油；スペアミント油；カラウェー(caraway)油；ラブダナム(labdanum)油；ラブダナムアブソリュート；ラブダナム樹脂；ラバンジン(lavandin)アブソリュート；ラバンジン油；ラベンダーアブソリュート；ラベンダー油；レモングラス油；ロバージ(lovage)油；蒸留ライム油；絞りライム油；リナロエ油；リットシークベバ(litsea cubeba)油；月経樹葉(bayleaf)油；メイス(mace)油；マヨラナ(marjoram)油；マンダリン油；マソイバーク(massoi bark)油；ミモザ(mimosa)アブソリュート；ムスク(musk)種子油；ムスクチンキ；クラリーセージ(clary sage)油；ナツメッグ油；ミルラ(myrrh)アブソリュート；ミルラ油；ミルテノール(myrtenol)；チョウジ葉油；チョウジ花油；ネロリ(neroli)油；オリバナム(olibanum)アブソリュート；オリバナム油；オポパナックス(opopanax)油；オレンジ花アブソリュート；オレンジ油；オリガナム(origanum)油；パルマローザ(palmarosa)油；パッチョーリ(patchouli)油；ペリラ(perilla)油；ペルーバルサム油；パセリ葉油；パセリ種子油；ペティトグレイン(petitgrain)油；ペパーミント油；コショウ油；ピメンタ油；松根油；ペニーロイヤル油；ローズアブソリュート；シタン油；ローズ油；ローズマリー油；ダルメーションセージ(dalmation sage)油；スペインセージ油；サンダルウッド(sandalwood)油；セロリ種子油；スパイクラベンダー(spike lavender)油；日本アニス油；エゴノキ(styrax)油；センジュギク(tagetes)油；モミの葉油；ティーツリー(teatree)油；テレビン(turpentine)油；タイム油；トルーバルサム；トンカアブソリュート；チュベローズ(tuberose)アブソリュート；バニラアブソリュート；バイオレットリーフアブソリュート；バーベナ(verbena)油；カスカスソウ(vetiver)油；ビャクシン(juniper)油；ワイン澱油；ニガヨモギ(absinthe)油；ウィンターグリーン(wintergreen)油；イラン(ylang)油；ヒソップ(hyssop)油；ジャコウ(civet)アブソリュート；シナモン葉油；シナモン樹皮油。
【００４３】
本発明の製剤、特に本発明の香油の構成成分として好ましく使用される好ましい個々の匂い物質は下記物質：
炭化水素、好ましくは3-カレン；α-ピネン；β-ピネン；α-テルピネン；γ-テルピネン；p-シメン；ビサボレン；カンフェン；カリオフィレン；セドレン(cedrene)；ファルネセン(farnesene)；リモネン；ロンギホレン(longifolene)；ミルセン(myrcene)；オシメン(ocimene)；バレンセン(valencene)；(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン；スチレン；ジフェニルメタン；
【００４４】
脂肪族アルコール、好ましくはヘキサノール；オクタノール；3-オクタノール；2,6-ジメチルヘプタノール；2-メチル-2-ヘプタノール；2-メチル-2-オクタノール；(E)-2-ヘキセノール；(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール；1-オクテン-3-オール；3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物；(E,Z)-2,6-ノナジエノール；3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール；9-デセノール；10-ウンデセノール；4-メチル-3-デセン-5-オール；
【００４５】
脂肪族アルデヒドとそのアセタール、好ましくはヘキサナール；ヘキプタナール；オクタナール；ノナナール；デカナール；ウンデカナール；ドデカナール；トリデカナール；2-メチルオクタナール；2-メチルノナナール；(E)-2-ヘキセナール；(Z)-4-ヘプテナール；2,6-ジメチル-5-ヘプテナール；10-ウンデセナール；(E)-4-デセナール；2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール；2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール；ヘキプタナールジエチルアセタール；1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン；シトロネニルオキシアセトアルデヒド；1-(1-メトキシ-プロポキシ)-(E/Z)-3-ヘキセン;
【００４６】
脂肪族ケトンとそのオキシム、好ましくは2-ヘプタノン；2-オクタノン；3-オクタノン；2-ノナノン；5-メチル-3-ヘプタノン；5-メチル-3-ヘプタノンオキシム；2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン；6-メチル-5-ヘプテン-2-オン；
脂肪族イオウ含有化合物、好ましくは3-メチルチオ-ヘキサノール；3-メチルチオヘキシルアセテート；3-メルカプトヘキサノール；3-メルカプトヘキシルアセテート；3-メルカプトヘキシルブチレート；3-アセチルチオヘキシルアセテート；1-メンテン-8-チオール；
【００４７】
脂肪族ニトリル、好ましくは2-ノネン酸ニトリル；2-ウンデセン酸ニトリル；2-トリデセンサンニトリル；3,12-トリデカジエン酸ニトリル；3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル；3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリル；
【００４８】
脂肪族カルボン酸のエステル、好ましくは(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルミエート(formiate)；エチルアセトアセテート；イソアミルアセテート；ヘキシルアセテート；3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート；3-メチル-2-ブテニルアセテート；(E)-2-ヘキセニルアセテート；(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート；オクチルアセテート；3-オクチルアセテート；1-オクテン-3-イルアセテート；エチルブチレート；ブチルブチレート；イソアミルブチレート；ヘキシルブチレート；(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル-イソブチレート；ヘキシルクロトネート；エチルイソバレリアネート；エチル-2-メチルペンタノエート；エチルヘキサノエート；アリルヘキサノエート；エチルヘプタノエート；アリルヘプタノエート；エチルオクタノエート；エチル-(E,Z)-2,4-デカジエノエート；メチル-2-オクチネート；メチル-2-ノニネート；アリル-2-イソアミルオキシアセテート；メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート;4-メチル-2-ペンチル-クロトネート；
【００４９】
非環式テルペンアルコール、好ましくはシトロネロール(citronellol)；ゲラニオール；；ネロール；リナロール；ラバズロール(lavadulol)；ネロリドール；ファルネソール；テトラヒドロリナロール；テトラヒドロゲラニオール；2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール；2,6-ジメチルオクタン-2-オール；2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール；2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール；2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール；3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール；3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール；2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール；並びにそのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレリアネート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート(tiglinate)及び3-メチル-2-ブテノエート；
【００５０】
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、好ましくはゲラニアール；ネラール；シトロネラール；7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール；7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール；2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール；ゲラニルアセトン；並びにゲラニアール、ナラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタール；
【００５１】
環式テルペンアルコール、好ましくはイソプレゴール；α-テルピネオール；テルピネオール-4；メンタン-8-オール；メンタン-1-オール；メンタン-7-オール；ボルネオール；イソボルネオール；リナロールオキシド；ノポール(nopol)；セドロール；アンブリノール(ambrinol)；ベチベロール(vetiverol)；グアイオール(guaiol)；並びにそのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレリアネート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート；メンチルホルミエート；メンチルプロピオネート；メンチルブチレート；メンチルイソブチレート；メンチルイソバレリアネート；メンチルヘキサノエート；メンチルクロトネート；メンチルチグリネート；
【００５２】
環式テルペンアルデヒド及びケトン、好ましくはメントン；イソメントン；8-メルカプトメンタン-3-オン；カルボン；ショウノウ；フェンコン；α-イオノン(ionone)；β-イオノン；β-n-メチルイオノン；β-イソメチルイオノン；α-アイロン(iron)；α-ダマスコン(damascone)；β-ダマスコン；β-ダマセノン(damascenone；δ-ダマスコン；γ-ダマスコン；1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン；1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン；2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタナール；ヌートカトン(nootkatone)；ジヒドロヌートカトン；4,6,8-メガスチグマトリエン(megastigmatrien)-3-オン；α-シネンサール(sinensal)；β-シネンサール；アセチル化シーダーウッド油(メチルセドリルケトン)；
【００５３】
環式アルコール、好ましくは4-tert.-ブチルシクロヘキサノール；3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール；3-イソカムフィル(isocamphyl)シクロヘキサノール；2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール；2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール；
【００５４】
シクロ脂肪族アルコール、好ましくはα,3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール；1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール；2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール；2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール；2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール；3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-ペンタン-2-オール；3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール；3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール；1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール；1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール；
【００５５】
環式及びシクロ脂肪族エーテル、好ましくはシネオール；セドリルメチルエーテル；シクロドデシルメチルエーテル；1,1-ジメトキシシクロドデカン；(エトキシメトキシ)シクロドデカン；α-セドレンエポキシド(cedrenepoxide)；3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン；3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン；1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン；ローズオキシド；2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン；
【００５６】
環式及び大環式ケトン、好ましくは4-tert.-ブチルシクロヘキサノン；2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン；2-ヘプチルシクロペンタノン；2-ペンチルシクロペンタノン；2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン；3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン；3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン；3-メチル-4-シクロペンタデセノン；3-メチル-5-シクロペンタデセノン；3-メチルシクロペンタデカノン；4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン；4-tert.-ペンチルシクロヘキサノン；5-シクロヘキサデセン-1-オン；6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン；8-シクロヘキサデセン-1-オン；9-シクロヘプタデセン-1-オン；シクロペンタデカノン；シクロヘキサデカノン；
【００５７】
シクロ脂肪族アルデヒド、好ましくは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド；2-メチル-4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール；4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド；4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド；
【００５８】
シクロ脂肪族ケトン、好ましくは1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン；2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン；1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン；2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル メチル ケトン；メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン；tert.-ブチル-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル) ケトン；
【００５９】
環式アルコールのエステル、好ましくは2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート；4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート；2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート；4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート；3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート；デカヒドロ-2-ナフチルアセテート；2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート；3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート；デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート；4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、又は6-インデニルアセテート；4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、又は6-インデニルプロピオネート；4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、又は6-インデニルイソブチレート；4,7-メタノオクタヒドロ-5、又は6-インデニルアセテート；
【００６０】
シクロ脂肪族アルコールのエステル、好ましくは1-シクロヘキシルエチルクロトネート；
シクロ脂肪族カルボン酸のエステル、好ましくはアリル-3-シクロヘキシルプロピオネート；アリルシクロヘキシルオキシアセテート；cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモネート；cis-及びtrans-メチルジャスモネート；メチル-2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート；エチル-2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート；エチル-2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート；エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート；
【００６１】
アラリファチックアルコール、好ましくはベンジルアルコール；1-フェニルエチルアルコール；2-フェニルエチルアルコール；3-フェニルプロパノール；2-フェニルプロパノール；2-フェノキシエタノール；2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール；2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール；1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール；1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール；1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール；2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール；3-メチル-5-フェニルペンタノール；3-フェニル-2-プロペン-1-オール；4-メトキシベンジルアルコール；1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール;
【００６２】
アラリファチックアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、好ましくは酢酸ベンジル；プロピオン酸ベンジル；イソ酪酸ベンジル；イソ吉草酸ベンジル；酢酸2-フェニルエチル；プロピオン酸2-フェニルエチル；イソ酪酸2-フェニルエチル；イソ吉草酸2-フェニルエチル；酢酸1-フェニルエチル；α-トリクロロメチルベンジルアセテート；α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート；α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート；酢酸シンナミル；イソ酪酸2-フェノキシエチル；酢酸4-メトキシベンジル；
【００６３】
アラリファチックエーテル、好ましくは2-フェニルエチルメチルエーテル；2-フェニルエチル イソアミルエーテル；2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル；フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール；フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール；ヒドラトロプ(hydratrop)アルデヒドジメチルアセタール；フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール；2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン；4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン；4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン;
【００６４】
芳香族及びアラリファチックアルデヒド、好ましくはベンズアルデヒド；フェニルアセトアルデヒド；3-フェニルプロパナール；ヒドラトロプアルデヒド；4-メチルベンズアルデヒド；4-メチルフェニルアセトアルデヒド；3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール；2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール；2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール；2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール；3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール；シンナムアルデヒド；α-ブチルシンナムアルデヒド；α-アミルシンナムアルデヒド；α-ヘキシルシンナムアルデヒド；3-メチル-5-フェニルペンタナール；4-メトキシベンズアルデヒド；4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド；3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド；3,4-ジメトキシベンズアルデヒド；2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール；2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール；
【００６５】
芳香族及びアラリファチックケトン、好ましくはアセトフェノン；4-メチルアセトフェノン；4-メトキシアセトフェノン；4-tert.-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン；4-フェニル-2-ブタノン；4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン；1-(2-ナフタレニル)エタノン;2-ベンゾフラニルエタノン;(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン；ベンゾフェノン；1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニル メチル ケトン；6-tert.-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニル メチル ケトン；1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン；5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-アセトナフトン；
【００６６】
芳香族及びアラリファチックカルボン酸並びにそのエステル、好ましくは安息香酸；フェニル酢酸；安息香酸メチル；安息香酸エチル；安息香酸ヘキシル；フェニル酢酸メチル；フェニル酢酸エチル；フェニル酢酸ゲラニル；フェニル酢酸フェニルエチル；ケイ皮酸メチル；ケイ皮酸エチル；ケイ皮酸ベンジル；ケイ皮酸フェニルエチル；ケイ皮酸シンナミル；フェノキシ酢酸アリル；サリチル酸メチル；サリチル酸イソアミル；サリチル酸ヘキシル；サリチル酸シクロヘキシル；サリチル酸cis-3-ヘキセニル；サリチル酸ベンジル；サリチル酸フェニルエチル；メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート；エチル-3-フェニルグリシデート(glycidate)；エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデート；
【００６７】
窒素含有芳香族化合物、好ましくは2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert.-ブチルベンゼン；3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert.-ブチルアセトフェノン；ケイ皮酸ニトリル；3-メチル-5-フェニル-2-ペンテン酸ニトリル；3-メチル-5-フェニルペンタン酸ニトリル；アントラニル酸メチル；N-メチルアントラニル酸メチル；アントラニル酸メチルと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドのシッフ塩基；6-イソプロピルキノリン；6-イソブチルキノリン；6-sec.-ブチルキノリン;2-(3-フェニルプロピル)ピリジン；インドール；スカトール；2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン；2-イソブチル-3-メトキシピラジン；
【００６８】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、好ましくはエストラゴール(estragole)；アネトール；オイゲノール(eugenole)；オイゲニルメチルエーテル；イソオイゲノール；イソオイゲニルメチルエーテル；チモール；カルバクロール；ジフェニルエーテル；β-ナフチルメチルエーテル；β-ナフチルエチルエーテル；β-ナフチルイソブチルエーテル；1,4-ジメトキシベンゼン；酢酸オイゲニル；2-メトキシ-4-メチルフェノール；2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール；フェニル酢酸p-クレジル；
ヘテロ環式化合物、好ましくは2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン；2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン；3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン；2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン；
【００６９】
ラクトン、好ましくは1,4-オクタノリド；3-メチル-1,4-オクタノリド；1,4-ノナノリド；ノナノリド；1,4-デカノリド；8-デセン-1,4-オリド；1,4-ウンデカノリド；1,4-ドデカノリド；1,5-デカノリド；1,5-ドデカノリド；4-メチル-1,4-デカノリド；1,15-ペンタデカノリド；cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド；cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド；1,16-ヘキサデカノリド；9-ヘキサデセン-1,16-オリド；10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド；11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド；12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド；エチレン-1,13-トリデカンジオエート；クマリン；2,3-ジヒドロクマリン；オクタヒドロクマリン
の群から選択される。
【００７０】
上述したとおりの本発明の製剤は、好ましくは
(a) 臭いを軽減するための混合物
又は
(b) 個々の構成成分を使用すると、該構成成分は式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を生じさせる、混合物
又は
(c) 群(ii)の1若しくは2種以上の匂い物質が、式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を有する、混合物
であり、
選択肢(b)及び(c)中の不快臭は、好ましくは下記不快臭：ヒトの汗の臭い、トイレの臭い、特にヒトの大便と尿の臭い、動物、特にペットの糞と尿の臭い、動物の湿った毛由来の臭い、特にイヌ又はヒツジの湿った毛由来の臭い、湿った羊毛由来の臭い、調理の臭い、特に古い脂肪、古い魚又は酪酸の臭い、煙、特に(新鮮でない)タバコの煙の臭い
から成る群より選択される。
【００７１】
しかし、さらなる不快臭(上述したような)もこのタイプの混合物に含まれることもあり、或いは使用中に発生し得る。
従って、第1の選択肢(a)の本発明の製剤は、臭い、特に不快臭を軽減するための混合物である。これは、このタイプの混合物は、好ましくは、式(1)の1種以上のアルコールと1種以上の匂い物質に加え、不快臭を有する(さらなる)物質を含まないことを意味する。選択肢(a)の本発明のこのタイプの混合物を特有の(不快な)臭いの物質と接触させるとき或いは対象若しくは製品を芳香で満たすか又は対象若しくは製品に香りをつける際、前記混合物は上記定義どおりの(好ましくは不快な)臭いを軽減するのに役立つ。
【００７２】
選択肢(b)により、(使用中)不快臭を生じさせる個々の構成成分を既に含む、本発明の混合物が特定される。この場合、本発明の混合物の目的は、該混合物中に含まれる式(1)のアルコールを用いて、この発生している不快臭を軽減することである。
選択肢(c)は、好ましい実施形態の1種以上の匂い物質(上述したような)を含む本発明の製剤は、1若しくは2種以上の含まれる群(ii)の匂い物質が既に不快臭を有し；このタイプの不快臭が、本発明で使用する式(1)のアルコールによって軽減されることを明らかにする。
【００７３】
本発明の目的のため、上述したような本発明の製剤、特に化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品の群から選択される製剤、最も特に本発明の香油の場合、式(1)の化合物の総量の、質量に基づく匂い物質の総量に対する比は、好ましくは10:1〜1:50の範囲内、好ましくは5:1〜1:30の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:20の範囲内、最も好ましくは3:2〜1:10の範囲内である。また、この計算の目的のため、式(1)の化合物は、匂い物質とみなされない。
【００７４】
発明者らの実験では、上述したような本発明の製剤、特に本発明の香油は、このタイプの製剤中に含まれる1種以上又は全ての匂い物質が以下に定義するとおりの群(B)から、好ましくは群(B')から選択される場合、本発明の目的に特に適することが分かった。
このタイプの組合せは、全体的な改良された臭い中和又は臭い軽減作用(及び任意に含まれる匂い物質によって、臭いマスキング作用)をもたらす。従って、本発明のさらなる局面は、1種以上又は全ての匂い物質が好ましくは下記群(B)から選択される(この観点では、ある程度まで、業界内の製品名慣例及び種々の会社の登録商標名が言及される)、上述したとおりの製剤に関する：
【００７５】
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート(フェニレート(phenirate))、ジヒドロミルセノール(myrcenol)(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモネート(好ましくはcis-異性体の含量>60質量%(ヘディオン(hedione)、ヘディオンHC))、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(ガラクソリド(galaxolide))、テトラヒドロリナロー(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロール、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール(リリアル(lilial))、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート(ハーバフロラット(herbaflorat))、スチロリルアセテート(1-フェニルエチルアセテート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタリン(イソEスーパー(super))、ヘキシルサリチレート、4-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート(オリクロン(oryclon))、2-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート(アグルメックス(agrumex)HC)、α-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、クマリン、テルピニル(terpinyl)アセテート、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(リラル(lyral))、α-アミルシンナムアルデヒド、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン (ムセノン(muscenone))、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド (グロバリド(globalide))、15-シクロペンタデカノリド(マクロリド(macrolide))、シクロヘキサデカノン(イソムスコン(isomuscone))、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(トナリド(tonalide))、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(フロロール(florol))、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(サンドレン(sandolene))、メントール(好ましくはl-メントール又はラセミメントール、さらに好ましくはl-メントール)、ユーカリプトール(1,8-シネオール)、アネトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナリルアセテート、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール(マジャントール)、ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチル-1-プロペニル)テトラヒドロピラン)、アリルヘプタノエート、4-メチルアセトフェノン、チンベロール(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール)、フロロパール(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン)、ベンジルアセトン、ケイ皮酸メチル、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン(アンブロキシド(ambroxide))、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール(ロサフェン(rosaphen))、2-フェニルエタノール、リナロール。
【００７６】
好ましくは、匂い物質2-フェニルエタノール及び/又はリナロール(特に群(B)由来のような)が選択される、すなわち本発明の製剤中に含まれる場合、本製剤は群(B)の少なくとも1種のさらなる匂い物質をも含むことを本発明の製剤に適用する。
【００７７】
しかし、1、2種以上又は全ての匂い物質が下記物質から成る群(B')より選択される、上述したとおりの本発明の製剤が特に好ましい：
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、ベンジルアセテート、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、シンナミル アルコール、1-フェニルエチルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタリン、4-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、α-イオノン、テルピニルアセテート、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、15-ペンタデカ-11-エノリド、15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノン、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メントール、ユーカリプトール、アネトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナリルアセテート、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール、ローズオキシド、アリルヘプタノエート、4-メチルアセトフェノン、チンベロール(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール)、ベンジルアセトン、ケイ皮酸メチル、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール、2-フェニルエタノール、リナロール。
【００７８】
好ましくは、匂い物質2-フェニルエタノール及び/又はリナロール(特に群(B)又は群(B')由来のような)が選択される、すなわち本発明の製剤中に含まれる場合、本製剤は群(B')の少なくとも1種のさらなる匂い物質をも含むことを本発明の製剤に適用する。
特に好ましい実施形態によれば、上述したとおりの本発明の製剤において、本発明で使用する式(1)のアルコール又は対応する混合物を1種以上、好ましくは2、3、4又は5種以上の群(B)、好ましくは群(B')の匂い物質と併用する。このタイプの併用は特に顕著な臭い中和又は臭い軽減作用を示す。既に述べたように、製剤に含まれる匂い物質は、本発明で使用する式(1)のアルコールに比し、軽減すべき(不快な)臭いについて有意な臭いマスキング作用を有する。このような併用では、我々自身の実験の範囲内で、特に上記(特に)好ましい質量比の式(1)の化合物と匂い物質、特に群(B)又は(B')の匂い物質では、臭い軽減について追加効果のみならず、相乗的に増強した効果をも観察することができた。
【００７９】
群(B)又は(B')の1種以上の匂い物質を含む製剤では、特にこのような化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品では、特にこのような本発明の香油では、好ましい質量比に関する上記詳細が適用されるが、特に質量に基づいて、式(1)の化合物の総量の(B)又は(B')の匂い物質の総量に対する比は、好ましくは12.5:1〜1:40の範囲内、好ましくは6.25:1〜1:24の範囲内、さらに好ましくは2.5:1〜1:16の範囲内、最も好ましくは3.75:2〜1:8の範囲内が適用される。
上記及び以下の本発明の製剤において、式(1)アルコールの総量は好ましくは0.01〜10質量%の範囲内、好ましくは0.025〜5質量%の範囲内、さらに好ましくは0.05〜2質量%の範囲内である(各場合、製剤の総質量に基づく)。
【００８０】
本発明(上述したとおり)の製剤のさらに好ましい実施形態によれば、製剤は、(iii)ジプロピレングリコール(DPG)、フタル酸ジエチル(DEP)、クエン酸トリエチル(TEC)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び安息香酸ベンジル(BB)から成る群(H)より選択される1、2又は3種以上の補助物質（以降、「生産助剤」と称する）をも含む。用語「生産助剤」は、本明細書の範囲内では、蒸発中に、匂い物質を「飛沫同伴」することによって、使用者、すなわち人の嗅覚器官に特有の匂いの感覚を与える物質、及び/又は1種以上の匂い物質が不溶性の場合に例えば可溶化剤として必要又は使用する物質、及び/又は完成製品の特有粘度を保証若しくは達成するために使用する物質、及び/又は(本発明の)製剤の製造のため固形匂い物質を溶かすために使用する物質などを示す。
【００８１】
従って、本発明で使用する式(1)の化合物の効力をさらに改良するため、本発明の製剤、特に香油又は上述した他の好ましい製剤は、好ましくは上述した生産助剤の群から選択される1、2又は3種以上の生産助剤を含む。このタイプの製剤は、好ましくは群(H)の2又は3種以上の生産助剤を含む。該製剤に含まれる式(1)の化合物の選択及び含まれる匂い物質の選択に上述した情報を適用する。
【００８２】
従って、特に好ましい製剤、特に香油は、本発明で使用する1種以上の式(1)のアルコールに加え、群(B)、好ましくは群(B')の少なくとも1種の匂い物質と、群(H)の少なくとも1種の生産助剤を含む。特に好ましくは、(上述したとおりの)製剤は、好ましくは特に本発明で好ましいとして述べた上記実施形態では、群(B)、さらに好ましくは群(B')の2種以上の匂い物質、及び/又は好ましくは群(H)から選択される2種以上の生産助剤を含む。
【００８３】
従って、本発明のさらなる局面は、以下の成分
(a) 群(B)若しくは(B')の1種以上の匂い物質及び群(H)の生産助剤
又は
(b) 群(B)若しくは(B')の2種以上の物質及び/又は群(H)の2種以上の生産助剤
を含む(上述したとおりの)製剤に関する。
【００８４】
既に述べたように、化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品が本発明の製剤として得に好ましい(上述したように)。従って、上述したとおりの本発明の製剤、好ましくは化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品から選択される製剤である。このタイプの(本発明の)製品は、上述した(本発明の)香油をも含むことができる。従って、該製品は、(上述したとおりの)本発明の製剤から成るか又は該製剤を含む。
本発明に従わないか又は本発明で好ましくない製剤又は好ましくない混合物は、さらに上で提供した情報中で言及される。
【００８５】
上述したとおりの本発明の製剤を用いて、不快臭を有する別の製品又は物体に、いずれの様式によっても有利に香りをつけることができ、かつ香りをつけると、不快臭の強度が軽減し、不快臭の印象が軽減した状態で(人によって)知覚されるのみならず、もはや全く知覚されない。この作用を達成するため、すなわち不快臭を軽減するため、(上述したような)不快臭は製剤に含まれる式(1)の化合物によって主に軽減されるので、過剰に大量の匂い物質は必要ない。
【００８６】
好ましい実施形態によれば、製品又は製剤中における該化合物の微細な分布を保証し、かつ使用中の制御放出をも保証する担体上に、本発明で使用する式(1)の化合物を吸着させる。このタイプの担体は、シリカゲル、ゼオライト、セッコウ、粘土、粘土粒、ガスコンクリート(gas concrete)等の多孔性無機材料、又は木及びセルロースを主成分とする材料等の有機材料でよい。
本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物をマイクロカプセル化し、噴霧乾燥させてよく、封入複合体又は押出製品でもよく、かつこの形態で製品、特に不快臭の軽減によってその臭いが改善される物質又は香りをつけるべき物質に添加することができる。
【００８７】
必要な場合、このように改変して本発明で使用する式(1)の該化合物の特性を、例えばポリビニルアルコールが好ましく使用されるろう様のプラスチック材料を目的とする適切な材料を用いていわゆる「コーティング」操作によって標的放出についてさらに最適化することができる。
本発明で使用する式(1)の化合物を、例えばポリウレタンタイプの材料又は軟ゼラチンから成るカプセル材料を用いて、いわゆるコアセルベーション法でマイクロカプセル化することができる。例えば本発明で使用する物質、すなわち式(1)の化合物のアルコール又は対応混合物を含有するエマルション又は分散系（担体として、変性デンプン、タンパク質、デキストリン及び/又は植物ガムを使用できる）を噴霧乾燥させて、噴霧乾燥した式(1)の化合物を生成することができる。例えば本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物であるか或いは前記化合物又は混合物、及びシクロデキストリン又はその誘導体を含む分散系を適切な溶媒、例えば水中に導入することによって、封入複合体を製造できる。本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物を適切なろう様材料と融解させ、かつ引き続き任意に適切な溶媒、例えばイソプロパノール中で押し出すことによって押出し製品を製造できる。
【００８８】
本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物を多くの製剤又は製品で使用することができ、この場合、該製剤又は製品は、好ましく1種以上の下記補助成分又は活性成分を併用する：
保存剤、研磨剤、にきび抑制剤、アンチエイジング剤、抗菌剤、抗セルライト剤、フケ防止剤、抗炎症薬、刺激予防薬、刺激抑制薬、抗微生物剤、抗微生物薬、抗酸化剤、収斂薬、発汗抑制剤、防腐剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、支持材料、キレート化剤、細胞刺激物、洗浄剤、ケア剤、脱毛剤、表面活性物質、脱臭剤、制汗剤、軟化剤、乳化剤、酵素、エーテル油、繊維、フィクサー、発泡剤、泡安定剤、泡止め物質、泡立ちブースター、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、毛髪整形剤、ヘアスムージング剤、モイスチャライザー、湿潤物質、水分保持物質、漂白剤、(織物)補強剤、しみ抜き剤、蛍光増白剤、含浸剤、よごれ忌避剤(dirt repelling agents)、摩擦軽減剤、潤沢剤、保湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、光沢剤、増白剤、ポリマー、粉末、タンパク質、保湿剤、研磨物質、シリコーン、スキンカーミング(skin calming)剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、スキンヒーリング剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、UV吸収剤、UVフィルター、洗濯用洗剤、布柔軟剤、懸濁剤、皮膚日焼け剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、一不飽和又は多不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防食剤、芳香、香味料、香料、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒又はシリコーン誘導体。
【００８９】
好ましい製品又は製剤は、香料エキス、オーデパルファム、オードトワレ、髭剃り後ローション、オーデコロン、髭剃り前製品、スプラッシュコロン(splash cologne)及び香り付きリフレッシュワイプ(perfumed freshen-up wipes)及び香り付き洗浄剤又は香りをつけるための酸性、アルカリ性及び中性洗浄剤、例えば床クリーナー、窓クリーナー、皿洗い洗浄剤、バス及びサニタリークリーナー、ソフトスクラブクリーナー(soft scrub cleaners)、固体及び液体WCクリーナー、WCスティック、WCブロック(液体又は固体)、粉及び泡カーペットクリーナー、液体洗剤、粉洗剤、洗濯前処理剤、例えば漂白剤、浸漬剤及びしみ抜き剤、布柔軟剤、洗濯石鹸、洗浄錠剤、消毒薬、表面消毒薬並びに特にエアコンディショニングシステム及び工業プロセスから抽出された空気を脱臭するための液体又はゲルタイプ形態又は固形担体に適用する空気清浄剤、及びエアロゾル又はポンプスプレーの形態の空気清浄剤、ワックス及び艶出し剤、例えば家具の艶出し剤、床のワックス、靴の艶出し剤、補強、含浸又は脱臭用布処理剤、オムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、膏薬(plaster)及びボディケア組成物、例えば固体及び液体石鹸、シャワーゲル、シャンプー、シェイビングソープ、シェイビングフォーム、バスオイル、ダンプクリーニングワイプ(damp cleansing wipe)、化粧用水中油、油中水及び水中油中水型エマルション、例えばスキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け止めクリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェイブクリーム及びローション、日焼けクリーム及びローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアセットローション、ヘアリンス、永久及び半永久エア着色剤、毛髪整形剤、例えばコールドウェイブ及びヘアスムージング剤、ヘアトニック、ヘアクリーム及びローション、脱臭剤及び制汗剤、例えば腋下スプレー、ロールオン(roll-on)、脱臭スティック、脱臭クリーム、装飾用化粧品、例えばアイシャドウ、メイクアップ、リップステッィク、マスカラ、並びにキャンドル、ランプオイル、線香、動物の寝わら、ネコの寝わら、殺虫剤、忌避薬、液体及び気体燃料、暖房用オイル及び暖房ガス。
【００９０】
好ましい実施形態では、本発明の製剤又は上述したような日用品は、1種以上の表面活性物質、好ましくは1種以上の界面活性剤及び/又は1種以上の乳化剤を含む。表面活性物質は、本発明で使用する式(1)の化合物をより容易に指定製剤又は日用品に組み込めるようにする。さらに、表面活性物質は式(1)の化合物の放出及び効力を改善する。
既に述べたように、本発明で使用する式(1)の化合物は、好ましくは化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品で使用される。洗浄剤、空気清浄剤、織物衛生製品、ボディケア組成物、ヘアケア製品、脱臭剤、制汗剤及び動物の寝わらから成る群より選択される本発明の製剤が特に好ましい。該製剤又は製品は、最も好ましくは以下の製剤又は製品から成る群より選択される：
- 洗浄剤、特に床クリーナー、窓クリーナー、皿洗い洗剤、バス及びサニタリークリーナー、ソフトスクラブクリーナー、固体及び液体WCクリーナー、WCスティック、WCブロック(液体又は固体)、粉及び泡カーペットクリーナー、液体洗剤、粉洗剤、洗濯前処理剤、漂白剤、浸漬剤、しみ抜き剤、布柔軟剤、洗濯石鹸、洗浄錠剤、消毒薬、表面消毒薬；
- 空気清浄剤、好ましくは膜ベースの液体又はゲルタイプの形態又は固形担体に適用するタイプ、又はエアロゾル若しくはポンプスプレーとして；
- 織物衛生製品、好ましくはオムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、クリーニングワイプ；
- ボディケア組成物、好ましくは固体及び液体石鹸、シャワーゲル、シャンプー、シェイビングソープ、シェイビングフォーム、バスオイル、ダンプクリーニングワイプ、脱毛クリーム及びローション、日焼けクリーム及びローション；
- ヘアケア製品、好ましくはヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアセットローション、ヘアリンス、永久及び半永久ヘア着色剤、ヘアクリーム及びローション；
- 脱臭剤及び制汗剤、好ましくは腋下スプレー、ロールオン、脱臭スティック、脱臭クリーム；
- 動物の寝わら、特にネコの寝わら。
【００９１】
さらに上で提供した情報を、上記製品で本発明により使用する式(1)の化合物又は対応混合物の割合に適用する。
(特に)好ましいとして上述した実施形態におけるような(上述したとおりの)本発明の特に好ましい製剤は、化粧品又はボディケア製品である。このタイプの製品は、スティック、クリーム、ゲル、ローション、フォーム、ロールオン製剤、散剤スプレー、エアロゾル又は非エアロゾルスプレーから成る群より選択される用途で有利に存在する。
【００９２】
本発明の特に好ましい製剤(上述したとおりの)は、ヒト(又は動物)の体に適用するためかつ好ましくは1種以上の(作用の所望態様によって決まる)下記活性成分を含む脱臭剤又は制汗剤である：
【００９３】
(1)汗の臭いの原因の微生物の発生を抑制する抗菌活性物質；例えばTriclosan(登録商標)(5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール)、トリクロカルバン(triclocarban)、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンヒドロクロリド、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジンジグルコネート、2-フェノキシエタノール、ファルネソール、グリセロールエステル及びエーテル、例えばグリセロールモノラウレート、グリセロールモノカプリネート、ヘキソキシグリセリン、オクトキシグリセリン(=エチルヘキシルグリセリン、3-(2-エチルヘキシルオキシ-1,2-プロパンジオール)又はSensiva(登録商標)SC 50(Schulke & Mayr製)、脂肪族1,2-ジオール、例えば1,2-デカンジオール(EP 1 269 983)、上述したようなアラリファティックアルコール、例えばEP 799 174、好ましくは4-メチル-4-フェニル-2-ペンタノール(ベチコール(vetikol)；WO 03/024907)又は2-メチル-4-フェニル-2-ブタノール(1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、α,α-ジメチルフェネチルカルビノール)、l-メンチルメチルエーテル(WO 02/41861に記載されているような)、2-ベンジルヘプタン-1-オール(ジャスモール(jasmol)；2-n-ペンチル-3-フェニルプロパン-1-オール)、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール(ミュゲ(muguet)アルコール；US 4,091,090参照)、抗菌活性の二級アルコール(例えばWO 2005/004601に記載されているような)、特に3-メチル-6-フェニル-2-ヘキサノール、4-(2,4-ジメチルフェニル)-2-ブタノール、6-(4-イソプロピルフェニル)-3-メチル-2-ヘキサノール、4-(2,4,5-トリメチルフェニル)-2-ブタノール、3,3-ジメチル-4-フェニル-2-ブタノール、3-メチル-4-(2-メチルフェニル)-2-ブタノール、6-(3,4-ジメチルフェニル)-2-ヘキサノール、脂肪族カルボン酸、例えば2-ヘキシルオクタン酸、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸又は2-ブチルデカン酸；
【００９４】
(2)汗の臭い形成の一部を担う酵素の作用を抑制する酵素抑制物質；例えばクエン酸エステル及び金属キレート物質、例えばEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸]及びDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸、ペンテト酸)；
(3)汗の臭いの原因物質を吸収する臭い吸収物質；例えばリシノール酸亜鉛、シクロデキストリン；
【００９５】
(4)汗の分泌を抑制し、ひいては温床から体臭の原因である細菌を除去する制汗剤。一般的に、制汗剤として、好ましくは収斂性金属塩、特に元素アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、スズ及びジルコニウムの無機及び有機金属塩並びにその混合物、ハロゲン化物、例えば塩化アルミニウム、塩基性アルミニウムヒドロキシクロリド、ジルコニルオキシクロリド及びジルコニルヒドロキシクロリド並びにその混合物が特に使用される。これらのアルミニウムとジルコニウムの塩及びその混合物は錯化形態で使用されることも多く、錯化剤としてプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリシンが使用される。
【００９６】
好ましくは、(上述したとおりの)本発明の製剤、さらに好ましくは(特に)好ましいとして上述したとおりの製剤を用いて不快臭を軽減し、又は(補助)混合物として用いて不快臭、特にヒトの体臭、特にヒトの汗の臭い、最も特に腋臭を軽減する。
これに関連して、本発明は、特有の物質の特有のマスキンング課題に適するか、すなわちこの物質を用いて、本発明の意味で(不快な)臭いを軽減できるかを評価するために使用できる方法に関係する。
【００９７】
不快臭を中和又は軽減するという点でその能力を試験すべき(匂い)物質又は(匂い)物質の混合物のサンプルを通常、規定空域内で不快臭混合物と共に蒸発させ、結果として生じた臭いの印象をテスターのパネルによって嗅覚様式で決定する。従って、不快臭を中和又は軽減する物質又は対応する物質の混合物の発生及び検出と点検は現在、非常に費用がかかる。
従って、我々自身の実験よれば、今や(i)(a) 式(1)の単一アルコール及び/又は(i)(b) さらに上記定義どおりの式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記アルコールから成る混合物を含む試験物質(任意に、試験すべき中和物質(N))の適合性を試験するため、以下の工程を含む、不快臭の軽減を点検するための方法を使用する：
【００９８】
a) 不快臭を有する物質(悪臭物質(M))、すなわち物質若しくは混合物を含むか又は前記物質若しくは混合物から成る悪臭基準混合物(不快な臭いがする基準混合物(S))の製造又は調製、
b) 同様に前記物質(M)を含み、かつ試験物質(N)を含む試験混合物(T)の製造又は調製、及び
c) 悪臭基準混合物(S)と試験混合物(T)の悪臭の印象の比較。
試験物質(N)及び/又は試験混合物(T)は、有利には本発明の製剤(さらに上述したとおり)である。さらに、試験物質(N)又は試験混合物(T)が、式(1)の1種以上のアルコールに加えて1種以上の匂い物質を含むことも好ましい。従って、さらに上述した詳細は、使用すべき匂い物質の数及び選択に当てはまる。しかし、本発明の方法では、試験物質(N)自体は、如何なる不快な臭いがする(悪臭)物質をも含まないことが好ましい。
【００９９】
この試験方法は、好ましくは20℃の温度及び1013mbarの圧力下で行われる。従って、上述したとおりの方法は、特に好ましくは工程c)の比較を20℃の温度及び1013mbarの圧力下で行う。妥当な場合、工程a)又はb)を上記反応条件下で行うこともできる。
既に述べたように、本発明で使用する試験物質(N)は、好ましくは1種以上の匂い物質をも含み、さらに好ましくは任意にさらなる補助成分又は活性成分(特に上述したとおりの成分)をも含む。この様式では、匂い物質とエーテル油又は香油のコード(chord)のような、より複雑な(匂い)物質の混合物を、臭い、特に不快臭を中和又は軽減するという観点でその適合性について試験することができる。従って、さらに上で提供した情報は、本発明で使用する不快臭に適用される。
【０１００】
上記(試験)方法を実施するにおいて、好ましくは規定量の、不快な臭いがする混合物、すなわち物質(M)を使用する。これは、悪臭基準混合物(S)と試験混合物(T)中の物質(M)の濃度が同一であるように、本発明の上記(試験)方法を行うのが好ましいことを意味する。これは、特にこれら2つの混合物の良い比較を可能にする。
このタイプの方法は、他の試験混合物に比べ、及び/又は悪臭基準混合物(S)に比べて(物質(M)の)不快臭を軽減するか又は中和するためのその適合性に関して、物質(M)と試験物質(N)を含むそれぞれの試験混合物(T)を同サイズの容器内で試験するという点で好ましく行われる。
【０１０１】
悪臭基準混合物(S)及び試験混合物(T)の悪臭の印象、かつ好ましくはこれらの混合物の香り又は芳香の強度をも好ましくは各場合相互に、結果として生じた臭いと芳香をかぐ8人以上のテスター(専門家)によって評価される。この評価では悪臭基準混合物(S)を強度6と割り当てる。テスターは再現可能様式で匂いの強度を評価する能力の関数として選択される。一連の試験の前、テスターは(軽減すべき)不快臭を認識するための訓練をする。
このタイプの本発明の方法のさらなる詳細及び特徴は、以下の実施例から明らかになる
【実施例】
【０１０２】
特に断らない限り、全ての量は質量に関する。
以下、本発明で使用する臭い中和又は臭い軽減混合物「PI 24902」(表1参照)は、2種の材料2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-プロピルエステル(式(1a)の化合物)と2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステル(式(1b)の化合物)から成る物質である。ここで、本発明で使用する混合物は、(不快な)臭いを軽減するため又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質として式(1a)又は(1b)の上述した2種の物質から成る。
【０１０３】
表1：
構成異性体(1a)及び(1b)の混合物「PI 24902」
【０１０４】
既に前述したように、本発明で使用するアルコール、ひいては前述した混合物「PI 24902」は、非常にわずかな固有の匂いしか持たない。結果として、いずれの芳香傾向でも「PI 24902」を使用できる。
本試験方法では、強度尺度1=「無臭」から9=「非常に強い」についてそれぞれの臭い又は臭いの印象を評価した。個々の評価のそれぞれの算術平均を以下の表に示す。
【０１０５】
実施例1：
実施例1.1：テスターの選択と訓練
A. 選択判定基準1：テスターは、種々の悪臭を無臭溶媒(ジプロピレングリコール=DPG)と区別できなければならない。本明細書では、悪臭は、以前に与えた定義の意味の不快臭である。
試験「A」では、いくつかの臭い細片(無臭紙の薄板紙細片)を、1種以上の悪臭を含む、すなわち不快臭の印象(ヒトに)を生じさせる1種以上の物質を含む混合物中に浸漬する。さらに、いくつかの臭い細片をDPG(無臭)に浸漬する。試験「悪臭−悪臭−DPG及びDPG−DPG−悪臭」で臭い細片を正確に識別できる当該テスターだけがさらなる試験に参加する。これは、テスターがとにかく一様に悪臭に気づくかどうかを点検する。本明細書の範囲内で言及する全ての悪臭についてこの試験を行った。
中和物質を知覚する能力についてはテスターを試験しなかった。これらは実際には無臭であり、DPG、Abalyn DE又はクエン酸トリエチル等の香水類で慣用的な溶媒から困難を伴って区別され得るだけである。これらの物質を検出できないことが分かるテスターは、臭いの軽減を検出できないだろう。
【０１０６】
B. 選択判定基準2：テスターは、悪臭又は該悪臭の印象を与える対応物質の異なる強度又は濃度を区別できなければならない。この目的のため、それぞれの悪臭の異なる濃度のサンプルを規定空域中に導入する。これらのサンプルは、各場合、不快臭を有する異なる濃度の物質(M)を含む異なる悪臭基準混合物(S)である。従って、これらの混合物は、強さが異なる、それぞれの悪臭の強度を有するので、強度が異なる悪臭の印象を有する。テスターは、これらのサンプルを強度(臭いの強さ)に応じて選別する。テスターは、臭いをかいで濃度の順序を認識し、かつ正確に評価しなければならない。両試験(A、B)に合格したテスターは、以下に述べる原材料試験に参加することができる。
【０１０７】
特に断らない限り、以下で特定する試験は、褐色ガラス製の500mlの広口フラスコで行われた。悪臭モデル、すなわち不快臭を有する物質を、各場合、被験物質(N)(例えば混合物「PI 24902」)とはろ紙の異なる点又は異なるろ紙上に適用する。これは、本試験方法における物質と別の物質との間の化学的相互作用を不可能にした。他言すれば、本発明で使用する試験混合物(T)は、好ましくはサンプル容器内(例えばガラス内)に、不快臭を有する物質(M)と試験物質(N)を含むが、(M)と(N)は好ましくは混ざった状態ではなく、相互に隣に存在する(上述したように)。全てのサンプルを1=「無臭」から9=「非常に強い」という尺度で評価する。悪臭のみ有するサンプル(無香料かつそのまま特徴づけられる)(すなわち悪臭基準混合物)は、各場合、テスターにとって標準物質として役に立つ。本明細書では、「無香料サンプル」は、不快臭を有する物質(M)を含むが、本発明で使用する式(1)のアルコール又は対応混合物を含まない混合物である。このサンプルは、悪臭のタイプによって異なり得るが、通常「6」という値で定義される。全てのサンプルは、好ましくはコード化様式で提供される。コード化サンプルの少なくとも1つは通常、から(ろ紙のみ)であるか、又は無香料の悪臭を備える(標準物質；上述したとおり)。これは、テスター及び得られる結果のさらなる点検を提供する。
【０１０８】
実施例1.2：汗の臭い試験
種々のショート(short)、有機酸、アルデヒド及び無臭溶媒から成る1μlの模倣汗溶液(不快臭を有する物質(M))をろ紙に適用した。各場合、それぞれ異なる被験物質(N)1μlをも該ろ紙に適用し、汗サンプル、すなわち模倣汗溶液と一緒にガラス内に導入した。各サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを香り/芳香の強度と汗の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１０９】
表2：汗試験
【０１１０】
本発明で使用する混合物「PI 24902」は、ほんのわずかな香り強度、すなわち検出可能な固有の匂いがわずかしかないか又はほとんどなく、(不快な)汗の臭いを45質量%だけ軽減する。
【０１１１】
実施例1.3：トイレ臭試験
スカトール、ショート、有機酸、チオナフトール及び無臭溶媒から成り、ちょうど使用したトイレの臭いを模倣した臭いの1μlの溶液(不快臭を有する物質(M))を各場合ろ紙に適用した。各場合、それぞれ異なる被験物質(N)1μlをもろ紙に適用し、トイレ臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを香り/芳香の強度とトイレ臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１１２】
実施例3：トイレ臭試験
【０１１３】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)トイレ臭を58%だけ軽減する。
【０１１４】
実施例1.4：調理臭試験
脂肪、種々のフライイングアロマ及び無臭溶媒から成る、キッチンで頻繁に使用される臭いを模倣した臭いの1μlの溶液(不快臭を有する物質(M))を各場合ろ紙に適用した。それぞれ異なる被験物質(N)1μlをもろ紙に適用し、調理臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と調理臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１１５】
表4：調理臭試験
【０１１６】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)調理臭を28%だけ軽減する。
【０１１７】
実施例1.5：魚臭試験
それぞれ異なる被験物質(N)1μlをろ紙に適用し、ガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。各場合、トリメチルアミンと無臭溶媒から成る、古い魚の臭いを模倣した臭いの400μlの溶液(不快臭を有する物質(M))をピペットで生綿パッド上に移し、評価前約10分にガラス内に導入した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と魚臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１１８】
表5：魚臭試験
【０１１９】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、魚臭を45%だけ軽減する。
【０１２０】
実施例1.6：煙臭試験
複数の化粧用生綿パッドをフレームから吊り下げた。フレームをビーカーで覆った。下から喚起される該ひっくり返したビーカーの下に半分のタバコを放置し、ビーカーを煙で満たした。すると、生綿パッドは煙臭を強く吸収した。それぞれ1つの生綿パッドをビーカー内に置いた。それぞれ異なる被験物質(N)1μlをろ紙に適用し、かつ煙臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と煙臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１２１】
表6：煙臭試験
【０１２２】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)煙臭を30%だけ軽減する。
【０１２３】
実施例1.7：酪酸臭試験
それぞれ異なる被験物質(N)1μlをろ紙に適用し、ガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。酪酸と無臭溶媒から成る、400μlの溶液(不快臭を有する物質(M))をピペットで生綿パッド上に移し、これをも評価前約10分にガラス内に導入した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と酪酸臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１２４】
表7：酪酸臭試験
【０１２５】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)酪酸臭を42%だけ軽減する。
【０１２６】
実施例2：(群(B)の)匂い物質の併用
下表に列挙する(匂い)原料又は物質を指定割合で一緒に混合して、対応混合物(A1、A2；B1、B2)を生成した。
【０１２７】
表8：「ラベンデル(Lavendel)」芳香タイプ
【０１２８】
表9：「柑橘類」芳香タイプの混合物
【０１２９】
褐色ガラス製の500mlの広口フラスコ内で混合物A1、A2、B1及びB2をも試験した。悪臭モデルを、各場合、被験物質(上述したとおり)とはろ紙の異なる点又は異なるろ紙上に適用して、物質と別の物質との間の化学的相互作用を不可能にした。全てのサンプルを1=「無臭」から9=「非常に強い」という尺度で評価する。悪臭のみ有するサンプル(無香料かつそのまま特徴づけられる)(悪臭基準混合物(S))は、各場合、テスターにとって標準物質として役に立つ。このサンプルは、悪臭のタイプによって異なり得るが、通常「6」という値で定義される。全てのサンプルは、好ましくはコード化様式で提供される。コード化サンプルの少なくとも1つは通常、から(ろ紙のみ)であるか、又は無香料の悪臭を備える(標準物質)。複合香油又は混合物は、通常、不快臭について個々の化学薬品に比べて強い作用を有するので、個々の化学薬品より少ない量で混合物を試験することが好ましい。
【０１３０】
実施例2.1：酪酸に関する混合物A1〜B2(A1、A2、B1、B2)の試験
0.5μlの各混合物A1〜B2をろ紙に適用し、ガラス内に導入した。サンプルを置いたまま15時間封鎖した。酪酸と無臭溶媒(実施例1.7参照)から成る400μlの溶液をピペットで生綿パッド上に移し、これをも評価の約10分前にガラス内に導入した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と酪酸臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１３１】
表10：酪酸臭に対する混合物
【０１３２】
驚くべきことに、本発明の香油A2及びB2の混合物は、(不快な)酪酸臭の特に高い軽減をもたらす。
【０１３３】
実施例2.2：汗臭に関する混合物A1〜B2の試験
種々のショート、有機酸、アルデヒド及び無臭溶媒から成る1μlの各模倣汗溶液(実施例1.2参照)をろ紙に適用した。0.5μlの各混合物A1〜B2をもろ紙に適用し、汗サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と汗の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１３４】
表11：汗臭に対する混合物
【０１３５】
驚くべきことに、本発明の香油A2及びB2の添加は、香油A1及びB1の添加に比べて(不快な)汗臭を大いに軽減することとなる。
【０１３６】
実施例2.3：煙臭に関する混合物A1〜B2の試験
複数の化粧用生綿パッドをフレームから吊り下げた。フレームをビーカーで覆った。下から喚起される該ひっくり返したビーカーの下に半分のタバコを放置し、ビーカーを煙で満たした。すると、生綿パッドは煙臭を強く吸収した(実施例1.6参照)。それぞれ1つの生綿パッドをビーカー内に置いた。0.5μlの各混合物A1〜B2をろ紙に適用し、かつ煙臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と煙臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１３７】
表12：煙臭に対する混合物
【０１３８】
驚くべきことに、本発明の香油A2及びB2のそれぞれの混合物は、香油A1及びB1のそれぞれの混合物に比べて(不快な)煙臭を大いに軽減することとなる。
【０１３９】
実施例3：「PI 24902」を含有するローズの香りの香油
【０１４０】
実施例4：「PI 24902」を含有するホワイトブロッサムの香りの香油
【０１４１】
実施例5：完成製品の製剤及び適用例：
実施例F1：ロールオンゲル形態の脱臭製剤
【０１４２】
実施例F2：クリーム
【０１４３】
実施例F3：O/Wローション
【０１４４】
実施例F4：ゲル形態の空気清浄剤
【０１４５】
実施例F5：ゲル形態の空気清浄剤
5gのアクレル(Accurel)(75%の空隙率を有する多孔性ホモ-ポリプロピレン粉末、Akzo Noble Faser AG, Obernburg, Germany製)を15gの実施例4の香油と共に両成分を真空下で混合するこによって装填する。結果として生じた粉末を4.5gの水と常圧下で撹拌する(ミックス1)。別の容器で、2.5gのカラギーナン、0.3gのクロロアセトアアミド及び0.5gの無水塩化カルシウムを62gの水に最大75℃で加熱しながら溶かす。この溶液に撹拌しながらミックス1を導入し、均質化する。結果として生じた、好ましくは未だ温かい混合物を所望の型(ボール、半球、パッド、円筒、直方体、立方体、シェル等)に注ぐ。約20℃に冷却後、該空気清浄剤の総質量に基づいて約20%の実施例4の香油を装填して空気清浄剤をゲル形態で得る。
【０１４６】
実施例F6：フットクリーム
【０１４７】
実施例F7：セットローション
【０１４８】
実施例F8：フェイスマスク
【０１４９】
実施例F9：スキンオイル
【０１５０】
実施例F10：軟膏
【０１５１】
実施例F11：ウェットクリーニングワイプ
ウェットクリーニングワイプ中の不快臭を中和するための組成物又は混合物の調製：
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。乳化剤を用いて、この組成物から0.05%の水溶液を生成し、ウェットクリーニングワイプを処理するために使用する。処理したウェットクリーニングワイプは、未処理ワイプに比べて有意に中性の匂いを有する。これは、湿った板紙の典型的な(不快な)臭いをもはや検出できないことを意味する。
【０１５２】
実施例F12：織物上のタバコ煙臭に対して作用するエアロゾルスプレー
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：20質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、5質量部の安息香酸ベンジル及び20質量部の香油(48質量%の群(B)の匂い物質含有)。1質量%のこの組成物を含有する水ベースのエアロゾルスプレーを、タバコ煙臭がついてとれないカーテンに噴霧する。噴霧後、カーテンは有意に中性の匂いを有し、(不快な)タール質の煙臭をもはや検出できない。衣服及び家具のクッションのアイテムのような織物上に該臭い中和組成物を噴霧すると、同様の効果が達成される。
【０１５３】
実施例F13：織物上の調理臭に対して作用するエアロゾルスプレー
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：20質量部のジプロピレングリコール、30質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、10質量部の安息香酸ベンジル及び10質量部の香油(55質量%の群(B)の匂い物質含有)。1質量%のこの組成物を含有する水ベースのエアロゾルスプレーを、フライドオイニンと熱いフライ油の強い調理臭がついてとれないカーテン又は衣服のアイテム上に噴霧する。噴霧後、カーテンは有意に中性の匂いを有し、(不快な)脂肪、オニオンの臭いをもはや検出できない。
【０１５４】
実施例F14：尿臭(例えばオムツの中)に対して作用するマイクロカプセル
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：25質量部の「PI 24902」、10質量部の酢酸イソメンチル、20質量部のミリスチン酸イソプロピル、30質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。噴霧乾燥法を利用して、この組成物をデンプンナトリウムオクテニルスクシネート(E 1450)と糖アルコールでマイクロカプセル形態(平均粒径：78μm)にする。このときマイクロカプセルの上記組成物による装填が50質量%になるようにする。縁で結合した紙の二層間にマイクロカプセルを置き、紙オムツの中に組み入れる。水分と接触すると、臭い中和組成物が放出され、未処理オムツに比べて、発生する尿臭を有意に軽減する。
【０１５５】
実施例F15：無香料洗浄粉末の臭いの中和
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：20質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、5質量部の安息香酸ベンジル及び20質量部の香油(35質量%のの群(B)の匂い物質含有)。この組成物の0.3%溶液を無香料洗浄粉末上に噴霧する。噴霧後、臭い(洗浄粉末の)は有意に中性になり、脂肪性酸敗臭をもはや検出できない。
【０１５６】
実施例F16：WC臭の中和
実施例F16.1：人工WC臭
以下の成分を混ぜ合わせることによって、米国特許第4,719,105号に記載の実施例13に従って人工WC臭を生成した：
【０１５７】
【０１５８】
実施例F16.2：
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。この組成物1質量%と新鮮な針葉樹の匂いの香油組成物4質量%をWCスティックに組み入れる。比較のため、5質量%の純粋香油組成物を別のWCスティックに組み入れる。試験のため、約2.5m3の大きさのスメリングチャンバーを実施例F16.1のWC臭で充填した。このスメリングチャンバー内にあるWCボウルにWCスティックを吊るす。水を流した後、チャンバー内の空気の品質を専門家グループによって30分後に評価した。臭い中和組成物を含有するWCスティックは、有意に中性の臭いの印象をもたらし、香油の匂いプロフィールがはっきりかつきれいに出現した。臭い中和組成物と花又は柑橘類のさわやかなタイプの香油とで同様の効果を達成できる。
【０１５９】
実施例F16.3：
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。この組成物2.5質量%と新鮮な柑橘類の匂いの香油組成物7.5質量%をステアレート又はカラギーナンタイプの空気清浄剤に組み入れる。比較のため、10質量%の純粋香油組成物を別の空気清浄剤に組み入れる。試験のため、約2.5m3の大きさのスメリングチャンバーを人工WC臭で充填する(実施例F16.1に従う)。空気清浄剤を設置後、チャンバー内の空気の品質を専門家グループによって30分後に評価した。臭い中和組成物を含有する空気清浄剤は、有意に中性の臭いの印象をもたらした。香油の匂いプロフィールが、よりはっきりかつきれいである。
【０１６０】
実施例F17：無香料の布柔軟剤の中和
70質量部の脱塩水、0.25質量部の濃塩酸、1質量部の無水塩化カルシウム、0.5質量部のポリソルベート20及び27質量部のヴァリソフト(Varisoft)315(Witco)から調製した布柔軟剤ベースを1.25質量部の香油(44質量%の群(B)の匂い物質含有)と混合した。0.15質量部の「PI 24902」の添加の結果として、完成製品の匂いは実質的に中性であり、製品全体は、よりきれいかつさわやかな匂いがする。
【０１６１】
実施例F18：ネコの尿(臭)の中和
70質量部の香油(64質量%の群(B)の匂い物質含有)と、30質量%の「PI 24902」とから成る混合物1質量部を、混合しながら、3000質量部のネコの寝わら(ベントナイト)上に噴霧する。比較のため、「PI 24902」無しの同一香油を同量適用する。ネコの尿の添加後、香油のみで処理した寝わらはネコの尿の不快を不十分な程度にしか軽減しないが、「PI 24902」をも含むネコの寝わらはかなり中性の臭いを有し、ひいてはネコの尿の強い臭いによる不快臭を大いに軽減することが分かった。
【０１６２】
実施例F19：腋下スプレー
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、10質量部の安息香酸ベンジル及び5質量部の酢酸l-メンチル。この組成物0.6質量部、40質量部の80%アルコール、1質量部の香油(37質量%の群(B)の匂い物質含有)及び55質量%の噴霧剤(プロパン-フタン混合物)から、保湿作用を有する脱臭スプレーを調製する。比較のため、臭い中和組成物を含まないが、1.2質量部の香油を含有する同一組成のスプレーを調製する。腋下部に噴霧すると、臭い中和組成物のあるスプレーはかなり良い様式で不快な汗の臭いを軽減し、かつ香油の芳香がさらに際立つことが分かる。
【０１６３】
実施例F20：UV防護するヘアコンディショナー
【０１６４】
実施例F21：脱臭スティック
【０１６５】
実施例F22：マイクロエマルションゲル
【０１６６】
実施例F23：制汗製剤
【０１６７】
実施例F24：サスペンションスティック
【０１６８】
実施例F25：脱臭スプレー
【０１６９】
実施例F26：ワックスクレヨン
【０１７０】
実施例F27：脱臭スティック
【０１７１】
実施例F28：制汗スティック
【技術分野】
【０００１】
本発明は、下記式(1)の単一アルコール、又は下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記アルコールから成る混合物の、臭い、特に不快臭を軽減するため、又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質(臭い中和物質)としての使用に関する。
【０００２】
【化１】
【０００３】
本発明は、本発明で使用する式(1)の1種以上のアルコールに加え、1種以上の匂い物質を含み、任意にさらなる物質(例えば生産助剤)を含んでもよい特定製剤にも関する。本発明の製剤のさらなる特徴及びこの/これらの製剤の好ましい実施形態については、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照されたい。
以下、式(1)の1種以上のアルコールを含む試験物質によって不快臭の軽減を点検する方法であって、不快臭を有する物質を含むか又は不快臭を有する物質から成る悪臭基準混合物を、不快臭を有する物質及び指示試験物質をも含む試験混合物と比較する方法の説明をも提供する。この方法のさらなる特徴及び好ましい実施形態についてはさらに後述する。
【背景技術】
【０００４】
日常生活では頻繁に(不快な)臭いが問題になり、人々の幸福に悪影響を与える。不快臭(本明細書内における)は、特にヒトの発汗及び排泄由来の臭い、とりわけ汗、便及び尿の臭い、動物、特にペットの糞又は尿の臭い、動物の湿った毛、特にイヌ又はヒツジの湿った毛由来の臭い、湿った羊毛由来の臭い、例えばタマネギ、ニンニク、キャベツ又は魚の調理中に生じる調理臭並びにタバコの煙、特に新鮮でないタバコの煙、カビ及びゴミ由来の臭いである。本発明の用途は、特にこのタイプの臭いの軽減に関する。
不快臭は、化粧品、ボディケア製品、家庭用品又は洗浄製品で使用される多くの工業生産される基礎物質、特に洗剤（例えば洗濯洗剤及び布柔軟剤用）、又はボディケア製品（例えば、石鹸及び化粧品用）で使用される基礎物質でも生じる。
特有の化粧品、例えば毛髪染料、毛髪整形剤及び脱毛剤の使用も不快臭を生じさせるので人々の気分を悪くする。本発明の用途は、特にこのタイプの不快臭の軽減にも関する。
言及した臭い妨害又は不快臭は、大部分は特に臭いの強い物質によって生じ、これらは痕跡量のみで生じることが多い。このタイプの物質は、とりわけ、窒素含有化合物、例えばアンモニア及びアミン、N-へテロ環、例えばピリジン、ピラジン、インドール等、並びにイオウ含有化合物、例えば硫化水素、メルカプタン、スルフィド等である。特に、このタイプのN-含有化合物又はS-含有化合物の臭いの軽減が本発明の目的である。
臭い、特に不快臭の軽減は、香料組成の点で処理かつ解決しにくい問題である。特に、それぞれの不快臭の特有の性質が、多用な製剤、特に慣例的な種々の芳香タイプの香料の使用を大いに制限する。このタイプの不快臭の軽減は通常、よくても特別に開発された香油（それ自体、それ自体のかなり特有の芳香タイプを有する）を用いて達成される。この場合、(別の)心地よい匂いがする物質を利用して不快臭の印象をマスク又は「覆う」。
従って、当該物質又は原料は、それ自体明らかな嗅覚-香り強度なしで、不快臭の強度を軽減でき、或いは不快臭を完全に除去さえできるという大きい利点がある。このような(活性)物質は、それぞれの不快臭をマスクするのではなく、単にそれ自体の特有の匂いによって、不快臭を有利に中和できるだろう。このような(活性)物質の使用は、芳香剤又は香り体に対して利点を有し、或いは有するであろうから、不快臭を有する製剤又は製品、例えばいずれの芳香傾向の香油をも使用することができる。結果として、臭い妨害又は不快臭と「闘う」ため、消費者は、実質的に広い範囲の芳香剤タイプを選択できる。
【０００５】
例えば以下に示すように、文献は体臭及び他の不快臭と闘うための多くの提案を含む。
EP 0780132は、特有の匂い物質の混合物を用いた、不快臭、特に調理及びゴミの臭い、タバコの臭い及び排泄物由来の臭いの制御を開示する。ここで開示された混合物は、約20〜60質量%のマスク匂い物質、約30〜70質量%の柑橘類の匂い物質及び約1〜20質量%のペパーミントの匂い物質を含む。
US 5,559,271は、とりわけ、有機ポリスルフィドの不快臭を制御できるバニリン、酢酸メチル、イソプレゴール、メタノール、リナオール及び他の多くの匂い物質を開示する。
WO 98/27261は、臭いが軽減された動物の寝わらに関する。ここでは、多くの他の匂い物質に加え、清浄及び脱臭特性を有するであろう、動物の寝わら用香油の構成成分として、とりわけ、酢酸メチル、バニリン、ジヒドロミリセロール、ユーカリプトール、酢酸イソプレギル、シトロネロール、ゲラニオール及びベンジルアルコールが言及されている。
WO 01/43784及びUS 7,157,411は、最も変化のあるタイプの不快臭を軽減するための臭い軽減物質として、特有のエステル、特に酢酸イソメンチル等のイソメンチルエステルの使用を開示している。
EP 1447102は、不快臭を制御するため、特有のシクロヘキシルエタン-1-イル-エステル、特に酢酸エステル及びn-酪酸エステルの混合物を提案している。
JP-B 1056798は、2,6-ジメチル-ヘプチルアセテート及び3,3,5-トリメチルシクロヘキシルイソブチレートといった選択された匂い物質を用いて漂白アルカリ液臭をマスクすることを開示している。
EP 1113105は、香料への添加物としてヒト体臭に対する混合物を開示する。とりわけ、以下の(活性)成分に言及している：β-ナフチルメチルエーテル、メチル-β-ナフチルケトン、ベンジルアセトン、γ-メチルイオノン、ゲラノニトリル、エチレンブラシレート、1-シクロヘキサデセン-5-オン及び1-シクロヘプタデセン-10-オン。
JP 2003113392は、体臭をマスクするための制汗剤として使用する組成物を開示している。この組成物で香りをつけるために使用される成分は、例えば、α-ピネン、リモネン、酢酸エチル、シネオール、アセチルセドレン、ゲラニオール、チモール、テトラデカナール、サリチル酸アミル、バニリン、ユーカリ油、ジャスミン油及びスペアミント油である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
製品の嗅覚的再評価を得ようとする従来の物質、すなわち(匂い)物質又は(匂い)物質混合物は、一般的に不快臭の臭い軽減に不十分である。
不快臭を中和又は軽減するため、匂い物質及び匂い物質組成物/混合物を使用する多くの場合、(匂い)物質又は(匂い)物質組成物の開発並びに不快臭を軽減するときのこれらの物質の効力の確認は、これまでは通常、試行錯誤によって行われていた。
【０００７】
本明細書の範囲内では、臭い、特に不快臭を中和又は軽減するという概念は、特有の物質による(不快な)臭い、特に汗、古い油、古い魚、煙、酪酸、排泄物のタイプの臭い又は同様の臭いの部分的軽減又は完全な軽減、すなわち排除を意味するものと解釈する。この関係の物質は、個々の物質又は物質の混合物である。
狭い意味において、(製品を)芳香で満たす(fragrancing)又は(製品に)香りをつける(perfuming)ことは、不快臭の中和又は軽減とは区別されるべきであり、中和/軽減に加えて起こり得る。芳香で満たす又は香りをつけるという用語は匂いの印象、すなわち妥当な場合、不快臭の完全又は部分的軽減の範囲を超えるさらなる嗅覚作用を与えることを意味するものと解釈する。
【０００８】
本明細書の範囲内では、より広い意味の匂い物質は、それ自体の匂いによって嗅覚印象を誘起するか又は別の物質の嗅覚認識を変えるいずれの物質でもある。しかし、本発明において、より狭い意味では、匂い物質は、嗅覚印象、特に人々の嗅覚印象を誘起する物質である。従って、匂い物質混合物は、より狭い意味又はより広い意味の2種以上の匂い物質を含む混合物である。
【０００９】
上で参照した先行技術に鑑み、代替物質又は改良物質、すなわち不快臭を中和又は軽減するため、好ましくはさらに製品、特に不快臭を有する製品を芳香で満たすか又は該製品に香りをつけるための物質又は物質の混合物を提供することが本発明の第一の目的である。
【００１０】
これらの物質は、好ましくは下記要件の1以上、好ましくは全てを満たすべきである：
−容易に入手できること、
−濃縮形態でも使用できること、
−実質的又は完全に無色なこと、
−不快臭を有するそれぞれの製品の高い安定性、特に変色及び/又は分離及び/又は濁りが発生しないこと、
−この/これらの製品に関して不活性な挙動、
−ヒトに対して毒性及び/又はアレルギー作用がないこと、
−わずかな固有の匂い。
【００１１】
さらに、本発明は、臭い中和物質又は臭い軽減物質を含む製剤に言及する。このタイプの製剤は、好ましくは物体又は製品、特に不快臭を有する物体又は製品を芳香で満たすか又は該製品に香りをつけることができるべきであり、かつ前記臭いは指示物質を用いて主に軽減すべきものである。
本明細書の範囲内では、製剤は、それ自体、所定プロセスに特有の基礎原料又は基礎物質からレシピ又は処方に従って製造される製品である。このタイプの製剤は、意図的に(特にその組成に関して)製造され、かつ処方に基づき；該製剤は、例えば、植物の出発原料からの抽出によって得られるような天然に存在する(物質)混合物ではない。
【００１２】
さらに、特有の臭い中和用途に対するその適合性を目的として特有物質を試験できるような、その(不快な)臭い軽減特性の点で関係しうる臭い中和又は臭い軽減物質を評価できる方法に言及すべきである。
本発明が基礎とするさらなる目的は、以下の情報及び添付の特許請求の範囲から明らかになる。
先行技術は、本発明で使用する予定であり、かつ以下に述べる化合物又は混合物を臭い中和物質又は臭い軽減物質として、特に不快臭を軽減する物質として使用できることを何ら示唆していない。
【課題を解決するための手段】
【００１３】
上記第一の目的は、本発明に従い、
臭いを軽減するため
又は
臭いを軽減するための補助物質としての、
(i)(a) 下記式(1)の単一アルコール又は
(i)(b) 下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか若しくは前記2種以上の異なるアルコールから成る混合物の使用によって達成される。
【００１４】
【化２】
【００１５】
（式中、各場合2つの基Ra又はRbの一方は水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方は2〜6個のC原子を有するアシル基を表す。）
この目標設定において、臭いのタイプは好ましくは不快臭である。最初に述べたように、不快臭は人々の幸福（健康）に悪影響を及ぼす。このタイプの不快臭は、好ましくはヒトの発汗作用及び排泄由来、特に汗、大便及び尿の臭い、すなわち特にヒトの体臭、さらに詳しくはヒトの汗の臭い(特に腋下の汗の臭い)、又は動物、特にペットの糞若しくは尿の臭い、又は湿った動物の毛、特にイヌ若しくはヒツジの湿った毛の臭い、湿った羊毛の臭い、又は例えばタマネギ、ニンニク、キャベツ若しくは魚の調理中に生じるような調理臭、又はタバコの煙の臭い、特に新鮮でないタバコの煙の臭い、又はカビ及び/又はゴミの臭いである。特に、このタイプの不快臭は、ヒトの汗の臭い、トイレの臭い、特にヒトの大便と尿の臭い、動物、特にペットの糞又は尿の臭い、調理臭、特に古い脂肪、古い魚若しくは酪酸、又は煙、特に(新鮮でない)タバコの煙の臭いである。
【００１６】
本発明の使用で軽減されることが好ましいさらなる臭いは、化粧品、ボディケア製品、家庭用品又は洗浄製品で使用される工業生産される基礎原料由来の不快臭である(イントロダクションで述べたように)。
特に、上述したような不快臭は、特有の化粧品、例えば毛髪染料、毛髪整形剤及び脱毛剤の使用中に生じる臭いである。
【００１７】
本発明の適用では、各場合2つの基Ra又はRbの一方が好ましくは水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方の基は好ましくは4個のC原子を有するアシル基を表す。
【００１８】
さらに詳細には、前記本発明の適用に以下のことが当てはまる。
−選択肢(i)(a)におけるアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基又は
−選択肢(i)(b)における1、2以上又は全てのアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基が、
アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、クロトニル、n-ペンタノイル、イソペンタノイル、n-ヘキサノイル及びイソヘキサノイルから成る群より選択され、好ましくはn-ブチリル、イソブチリル及びクロトニルから成る群より選択される、
【００１９】
式(1)の化合物は、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのモノエステルである。式(1)のこのタイプの化合物は、ある程度までは、かなり長い期間既に商業的に入手可能であり(US 3,329,713参照)、或いは例えばLiebigs Ann. 1972, 756, 162-169又はUS 3,408,388に記載されているように、既知の方法で2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのエステル化によって得られる。式(1)の化合物の代替製造方法は、例えばUS 3,091,632、DE 3403696、US 5,166,413、WO 98/24752又はDE 10207747及びこれらの文献でそれぞ引用されている文献から公知であり、或いはこれらの方法に従って調製することができる。
【００２０】
本発明で使用する式(1)の化合物は、有利には非常に弱い固有の匂いしか持たない。従って、本来、式(1)のそれぞれのアルコールの特有の固有な匂いによっては、軽減すべき(不快な)臭いはマスクされない。本発明において起こる臭いの中和の作用機序は終結的に説明されていないというのが真実である。しかし、本発明の使用において、該作用は、おそらく、本発明で使用する式(1)のアルコールと、ヒトの鼻の嗅覚粘膜内の種々の受容体との間に相互作用が生じ、現在知覚している臭いの印象がもはや元の(不快臭の)原因と関係ないというような、(臭い)の知覚誤りをもたらすという事実に基づくと考えられる。本発明で使用する式(1)のアルコールの固有の匂いは、好ましくは非常にかすかであるか又は低い(芳香)強度の匂いなので、ほとんど(ヒトによって)知覚されない。これらの(非常にかすかな匂いの)式(1)のアルコールは、本発明では(香りを付ける)補助物質とみなされる。本発明で使用する式(1)のアルコール又は本発明で使用する対応混合物は、臭い、特に不快臭(例えば対応製品中、中和すべき臭い又は芳香で満たすべき製品の臭い)を軽減するため、及び/又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質として特に好適である。
【００２１】
式(1)の化合物を使用するとき、特に本発明に従って使用するとき、最も変化に富む匂い物質及び香油と式(1)の化合物を併用することによって、芳香物又は芳香製品、特に不快臭のある当該芳香物又は芳香製品をいずれの芳香傾向にも香りをつけることができるという利点をも有する。結果として、本発明によれば、不快臭を制御する場合、消費者に芳香タイプの広い選択を提供することができる。
【００２２】
本発明のさらなる好ましい実施形態は、式(1)の第1のアルコール及び式(1)の第2のアルコールを含むか又は前記第1及び第2のアルコールから成る混合物の(上述したとおりの)使用であって、
第1のアルコールの基Raは第2のアルコールのRbの意味を有し、かつ
第1のアルコールの基Rbは第2のアルコールのRaの意味を有する、
使用に関する。
【００２３】
本発明の目的では、以下に示す式(1a)及び(1b)の化合物が特に好適である。従って、上述したような、本発明の使用は、
(i)(a) 式(1a)若しくは(1b)の単一アルコール、又は
(i)(b) 式(1a)のアルコールと式(1b)のアルコールを含むか又は式(1a)のアルコールと(1b)のアルコールとから成る混合物
を使用する。
【００２４】
【化３】
【００２５】
式(1)の第1のアルコールの、式(1)の第2のアルコールに対する質量比が、10：1〜1：10の範囲内、好ましくは5：1〜1：5の範囲内である、上述したような使用が特に好ましい。
【００２６】
式(1a)及び(1b)の化合物は、本発明内で特に良い臭い中和特性又は臭い軽減特性を有する。従って、本発明において、化合物(1a)及び(1b)の混合物を使用する、本発明の使用(上述したような)がさらに好ましい。上述したような使用では、2つの化合物の質量比(1a)：(1b)が好ましくは10：1〜1：10の範囲内、好ましくは5：1〜1：5の範囲内、さらに好ましくは2：1〜1：3の範囲内、最も好ましくは3：2〜1：2の範囲内である。
【００２７】
式(1a)の化合物(CAS番号18491-15-1)及び式(1b)の化合物(CAS番号77-68-9)は、それ自体既知である。同様に、化合物(1a)と化合物(1b)の混合物も既知である(CAS番号25165-77-4)。例えば、上述したように、このタイプの混合物を調製することができる。さらに、このタイプの混合物は、例えばBASF社、DSM社、Eestman社又はPerstorp社から商業的に入手可能である。
【００２８】
Yukagaku (1993), 42(1)(44〜48ページ)は、ウラボシ(Polypodiaceae)科の特有の植物中に上記式(1b)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルが存在することを開示している。匂い物質ヘキサナール、ヘプタナール、4-ヘキセン-1-オール、1-ヘプテン-3-オール、バニリン、セドロール、リナロール、β-イオノン、α-ピネン、イソブチルイソブチレート、α-テルピネオール及びケイ皮酸エチルも見つかった。この開示された混合物は、本発明の対象でない。開示された混合物は、上記定義の意味内の製剤でない。
【００２９】
Yukagaku (1989), 38(9)(589〜693ページ)、Nippon Nogei Kagaku Kaishi (1989), 63(7)(1231〜1234ページ)及びNippon Nogei Kagaku Kaishi (1988), 62(12)(1763〜1768ページ)は、異なるタイプの豆類中に上記式(1b)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルが存在することを報告している。とりわけ、ヘキサナール、2-フェニルエタノール、バニリン、マルトール、グアヤコール、4-ビニルグアヤコール、フルフリルアルコール、フルフラール、セドロール、酪酸ブチル及びケイ皮酸などの匂い物質も同定された。この開示された混合物は、本発明の対象でない。開示された混合物は、上記定義の意味内の製剤でない。
【００３０】
JP11222574は、本発明でも使用する特有化合物の、多孔性建築材料用の水ベースシーラントの構成成分としての使用について開示している。JP2003171635は、本発明でも使用する特有化合物の、建築材料用の接着剤の構成成分としての使用について開示している。しかし、本発明は、これらの開示された化合物及び混合物のいずれにも関係しない。本発明で使用する式(1)の化合物の、(多孔性)建築材料用の接着剤又はシーラントの構成成分としての使用は、特にJP11222574の多孔性建築材料用の水ベースシーラントの構成成分として、又はJP2003171635の建築材料用の接着剤の構成成分としての使用は、本発明では一般的に好ましくない。
FR2867972は、本発明で使用する特有化合物のマニキュア中での使用を開示している。このタイプのマニキュアは本発明の対象でない。ワニス、特にマニキュアでの使用は、本発明では一般的に好ましくない。
【００３１】
WO2004/062363は、表面上の殺菌膜を形成するための混合物中での上式(1b)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルの使用を開示している。この混合物は、任意に香油(香料)を含むことができるが、この文献では詳細に特定されていない。WO2004/062363で開示された混合物、特にWO2004/062363の実施例1の混合物は本発明の対象でない。本発明で使用する式(1)、特に式(1b)のアルコールの、表面上に殺菌膜を形成するための混合物、特に膜形成剤を含むような混合物中での使用は、本発明では一般的に好ましくない。
【００３２】
WO95/21606は、Rb=イソブチリルかつRa=Hである式(1)の化合物(3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレート)の、脱水による不飽和2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートの調製の出発原料としての使用を述べている。この関係では、特有の2,2,4-トリメチルペンテン-1-イル-エステル、例えば言及されている不飽和イソブチレートを匂い物質及び芳香物質として使用できることをここで特定している。言及されているブチレートは果物の柑橘類の青い、花の匂いを有する。式(1)の化合物を含有するWO95/21606で開示された混合物及び式(1)の化合物の使用は本発明の対象でない。3-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレートと2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートを含む混合物は、本発明では一般的に好ましくない。
【００３３】
US5,942,467では、この文献で述べられている実施形態により、上式(1b)の物質2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステルを掘穿泥水の構成成分として提案している。本発明は、本発明で使用する式(1)のアルコールの、掘穿泥水の構成成分、特にUS5,942,467の掘穿泥水の構成成分としてのいずれの使用にも関係ない。この文献で開示されている混合物は本発明の対象でない。
【００３４】
Food Res. Int. 2001, 34, 473-481及びJ. Food Science 2002, 67, 848-854は上式(1a)の2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-プロピルエステルの調理済みクルマエビ又は調理済みイカの調味料への寄与について報告している。該文献で開示された混合物は本発明の対象でない。本発明では、本発明で使用する式(1)、特に式(1a)のアルコールの、調理済みクルマエビ又は調理済みイカを基礎とする混合物での使用は好ましくない。代わりに、本発明では、上述したような、またさらに後述する臭い軽減作用又は臭い中和作用を目的とする当該使用が好ましい。
引用した文献は、本発明で使用する化合物又は混合物を臭い中和物質又は臭い軽減物質として使用できることを何ら示唆しておらず、特にそれらを不快臭を軽減する物質として又は(不快な)臭い(上述したような)を軽減するための補助物質として使用できることを示唆していない。
【００３５】
本発明に従って行った実験(この点では以下の実施例を参照されたい)は、式(1)のそれぞれのアルコール又は対応混合物が、不快臭を有するか又は構成成分として不快臭に寄与する多様かつ構造的に非常に異なる物質を中和するため、すなわちこれらの物質によってもたらされる特に不快臭を軽減するために特に好適であることを示した。US5,538,719の情報から出発してもこのことは予測されなかった。US5,538,719には、構造的に類似した化合物によって、相互に関係のある臭いマスキングがもたらされる(交差適応)と記載されているからである。これに関連して、3-メチル-2-ヘキセン酸の構造的に類似したエステルによるマスキングが該文献に記載されている。従って、本発明で使用する化合物が、異なる(不快な)臭いの印象をもたらす物質の構造的な差異にもかかわらず、該物質によって引き起こされる(不快な)臭いを軽減するため又は該物質の臭いを中和するために適するのは、特に驚くべきことだった。
【００３６】
従って、本発明の使用(上述したような)で使用する式(1)の化合物又は対応混合物は、(不快な)臭いを軽減するため又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質として本発明の目的に特に好適である。本発明で使用する式(1)のアルコール又は対応混合物は、不快臭を軽減するため、又は補助物質として(例えば前記製剤の使用中の(本発明の)製剤の構成成分として)不快臭を軽減するため(例えば後述する本発明の製剤中で)特に好適である。本発明の製剤については以下を参照されたい。
【００３７】
驚くべきことに、本発明に従う発明者らの実験が示すように、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのジエステル(すなわちRaとRbが両方ともアシル基を表す)、例えば、2,2,4-トリメチルペンタン-1,3-ジオールのジ-イソブチレートは、本発明で使用するモノエステルに比し、有意に不十分な臭い中和特性又は臭い軽減特性を有する。
本発明で使用する式(1)アルコール又は対応混合物をさらなる物質と組み合せて、本発明の製剤を形成することができる。本明細書の範囲内では、(本発明の)製剤は上述したように定義される。
【００３８】
このタイプの製剤は、好ましくは下記成分：
(i)(a) 式(1)の単一アルコール(上記定義どおり)、又は
(i)(b) 式(1)の2種以上の異なるアルコール(上記定義どおり)
及び
(ii) 1種以上、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9又は10種以上の匂い物質（これら物質は式(1)の化合物でない）
を含むか又は前記成分から成る
（但し、この製剤は3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレートと2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートを含む製剤でない）。
【００３９】
このタイプの製剤は、有利には不快臭を軽減するのに特に非常に好適である。この主目的に加え、本発明の製剤は、上記定義の意味で物体又は製品を芳香で満たすか又は物体又は製品に香りをつけるためにも特に好適である。
【００４０】
本発明のさらなる局面によれば、本発明の製剤は好ましくは香油である。香油は、通常合成又は(好ましくは)天然の風味と、高度に濃縮した形態の人工又は天然物質として芳香又は匂い物質(例えば特有植物由来)を含む(かつ任意に溶媒及び/又は補助物質に香りをつける)臭い中和担体油とを含むか或いは前記風味と前記担体油から成る。従って、香油は、香りをつける用途で頻繁に使用される。香油を使用する場合、例えば香油を(例えばアルコール)溶液中に導入することによって香料を製造し、該溶液が蒸発中に芳香又は匂い物質を「飛沫同伴」することによって、使用者、すなわち人の嗅覚器官に特有の匂いの感覚を与える。このタイプの混合物は、例えば香水、オーデパルファム(eau de perfume)又はオードトワレ(eau de toilette)でよい。さらに、例えばフラグランスライト、噴霧器又は拡散器で使用する場合のように、香油を用いて生活空間に特有の芳香を生じさせる。しかし、香油はさらに、無数の他の物品又は製剤、例えば靴磨きからシャンプーまで、生理用ナプキンからWCクリーナーまで、フェイスクリームから洗浄粉末まで及びネコの寝わらでも使用され得る。
【００４１】
本発明の製剤、特に本発明の香油の構成成分として有利に使用できる匂い物質の例は、例えば、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, Vol. I and II, Montclair, N. J., 1969, self-published or H. Surburg, J. Panten, Common Fragrance and Flavor Materials, 5th Ed., Wiley-VCH, Weinheim 2006で見つかる。
【００４２】
本発明の製剤、特に本発明の香油の構成成分となり得る好ましいエーテル油、凝結物(concrete)、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム及び/又はチンキは、好ましくは下記成分から成る群より選択される：アンブラ(ambra)チンキ；アミリス(amyris)油；アンゲリカ種子油；アンゲリカ根油；アニス油；吉草根油；バジル油；ウッドモス(wood moss)アブソリュート；ベイ油；ヨモギ油；ベンゾイン樹脂；ベルガモット油；蜜蝋アブソリュート；カンバタール(birch tar)油；ビターアーモンド油；セイボリー(savoury)油；ブッコ葉(bucco leaf)油；カブリューバ(cabreuva)油；杜松油；カルムス(calmus)油；樟脳油；カナンガ(cananga)油；カルダモン油；カスカリラ油；カッシア油；カッシアアブソリュート；カストリューム(castoreum)アブソリュート；シーダー(cedar)葉油；シーダーウッド油；ゴジアオイ油；シトロネラ油；レモン油；コパイバ(copaiva)バルサム；コパイババルサム油；コリアンダー油；コスタスルート(costus root)油；クミン油；シプレス(cypress)油；ダバナ(Davana)油；ディルハーブ(dill herb)油；ディル種子油；オーデブロー(eau de brouts)アブソリュート；オークモス(oakmoss)アブソリュート；エレミ(elemi)油；エストラゴン(estragon)油；ユーカリ・スシトリオドラ(eucalyptus citriodora)油；ユーカリ油；ウイキョウ油；スプルースニードル(spruce needle)油；ガルバヌム(galbanum)油；ガルバヌム樹脂；ゲラニウム(geranium)油；グレープフルーツ油；グアイアクウッド；ガージャンバルサム(gurjun balsam)；ガージャンバルサム油；ヘリクリサム(helichrysum)アブソリュート；ヘリクリサム油；ジンジャー油；ショウガ油；イリスルート(iris root)アブソリュート；イリスルート油；ジャスミンアブソリュート；カラムス(calamus)油 oil；カモミールブルー(camomile blue)油；カモミールローマン(camomile Roman)油；ニンジン種子油；カスカリラ(cascarilla)油；松葉油；スペアミント油；カラウェー(caraway)油；ラブダナム(labdanum)油；ラブダナムアブソリュート；ラブダナム樹脂；ラバンジン(lavandin)アブソリュート；ラバンジン油；ラベンダーアブソリュート；ラベンダー油；レモングラス油；ロバージ(lovage)油；蒸留ライム油；絞りライム油；リナロエ油；リットシークベバ(litsea cubeba)油；月経樹葉(bayleaf)油；メイス(mace)油；マヨラナ(marjoram)油；マンダリン油；マソイバーク(massoi bark)油；ミモザ(mimosa)アブソリュート；ムスク(musk)種子油；ムスクチンキ；クラリーセージ(clary sage)油；ナツメッグ油；ミルラ(myrrh)アブソリュート；ミルラ油；ミルテノール(myrtenol)；チョウジ葉油；チョウジ花油；ネロリ(neroli)油；オリバナム(olibanum)アブソリュート；オリバナム油；オポパナックス(opopanax)油；オレンジ花アブソリュート；オレンジ油；オリガナム(origanum)油；パルマローザ(palmarosa)油；パッチョーリ(patchouli)油；ペリラ(perilla)油；ペルーバルサム油；パセリ葉油；パセリ種子油；ペティトグレイン(petitgrain)油；ペパーミント油；コショウ油；ピメンタ油；松根油；ペニーロイヤル油；ローズアブソリュート；シタン油；ローズ油；ローズマリー油；ダルメーションセージ(dalmation sage)油；スペインセージ油；サンダルウッド(sandalwood)油；セロリ種子油；スパイクラベンダー(spike lavender)油；日本アニス油；エゴノキ(styrax)油；センジュギク(tagetes)油；モミの葉油；ティーツリー(teatree)油；テレビン(turpentine)油；タイム油；トルーバルサム；トンカアブソリュート；チュベローズ(tuberose)アブソリュート；バニラアブソリュート；バイオレットリーフアブソリュート；バーベナ(verbena)油；カスカスソウ(vetiver)油；ビャクシン(juniper)油；ワイン澱油；ニガヨモギ(absinthe)油；ウィンターグリーン(wintergreen)油；イラン(ylang)油；ヒソップ(hyssop)油；ジャコウ(civet)アブソリュート；シナモン葉油；シナモン樹皮油。
【００４３】
本発明の製剤、特に本発明の香油の構成成分として好ましく使用される好ましい個々の匂い物質は下記物質：
炭化水素、好ましくは3-カレン；α-ピネン；β-ピネン；α-テルピネン；γ-テルピネン；p-シメン；ビサボレン；カンフェン；カリオフィレン；セドレン(cedrene)；ファルネセン(farnesene)；リモネン；ロンギホレン(longifolene)；ミルセン(myrcene)；オシメン(ocimene)；バレンセン(valencene)；(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン；スチレン；ジフェニルメタン；
【００４４】
脂肪族アルコール、好ましくはヘキサノール；オクタノール；3-オクタノール；2,6-ジメチルヘプタノール；2-メチル-2-ヘプタノール；2-メチル-2-オクタノール；(E)-2-ヘキセノール；(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール；1-オクテン-3-オール；3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物；(E,Z)-2,6-ノナジエノール；3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール；9-デセノール；10-ウンデセノール；4-メチル-3-デセン-5-オール；
【００４５】
脂肪族アルデヒドとそのアセタール、好ましくはヘキサナール；ヘキプタナール；オクタナール；ノナナール；デカナール；ウンデカナール；ドデカナール；トリデカナール；2-メチルオクタナール；2-メチルノナナール；(E)-2-ヘキセナール；(Z)-4-ヘプテナール；2,6-ジメチル-5-ヘプテナール；10-ウンデセナール；(E)-4-デセナール；2-ドデセナール;2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール；2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール；ヘキプタナールジエチルアセタール；1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン；シトロネニルオキシアセトアルデヒド；1-(1-メトキシ-プロポキシ)-(E/Z)-3-ヘキセン;
【００４６】
脂肪族ケトンとそのオキシム、好ましくは2-ヘプタノン；2-オクタノン；3-オクタノン；2-ノナノン；5-メチル-3-ヘプタノン；5-メチル-3-ヘプタノンオキシム；2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン；6-メチル-5-ヘプテン-2-オン；
脂肪族イオウ含有化合物、好ましくは3-メチルチオ-ヘキサノール；3-メチルチオヘキシルアセテート；3-メルカプトヘキサノール；3-メルカプトヘキシルアセテート；3-メルカプトヘキシルブチレート；3-アセチルチオヘキシルアセテート；1-メンテン-8-チオール；
【００４７】
脂肪族ニトリル、好ましくは2-ノネン酸ニトリル；2-ウンデセン酸ニトリル；2-トリデセンサンニトリル；3,12-トリデカジエン酸ニトリル；3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル；3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリル；
【００４８】
脂肪族カルボン酸のエステル、好ましくは(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルミエート(formiate)；エチルアセトアセテート；イソアミルアセテート；ヘキシルアセテート；3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート；3-メチル-2-ブテニルアセテート；(E)-2-ヘキセニルアセテート；(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート；オクチルアセテート；3-オクチルアセテート；1-オクテン-3-イルアセテート；エチルブチレート；ブチルブチレート；イソアミルブチレート；ヘキシルブチレート；(E)-及び(Z)-3-ヘキセニル-イソブチレート；ヘキシルクロトネート；エチルイソバレリアネート；エチル-2-メチルペンタノエート；エチルヘキサノエート；アリルヘキサノエート；エチルヘプタノエート；アリルヘプタノエート；エチルオクタノエート；エチル-(E,Z)-2,4-デカジエノエート；メチル-2-オクチネート；メチル-2-ノニネート；アリル-2-イソアミルオキシアセテート；メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート;4-メチル-2-ペンチル-クロトネート；
【００４９】
非環式テルペンアルコール、好ましくはシトロネロール(citronellol)；ゲラニオール；；ネロール；リナロール；ラバズロール(lavadulol)；ネロリドール；ファルネソール；テトラヒドロリナロール；テトラヒドロゲラニオール；2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール；2,6-ジメチルオクタン-2-オール；2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール；2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール；2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール；3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール；3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール；2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール；並びにそのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレリアネート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート(tiglinate)及び3-メチル-2-ブテノエート；
【００５０】
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、好ましくはゲラニアール；ネラール；シトロネラール；7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール；7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール；2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール；ゲラニルアセトン；並びにゲラニアール、ナラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル及びジエチルアセタール；
【００５１】
環式テルペンアルコール、好ましくはイソプレゴール；α-テルピネオール；テルピネオール-4；メンタン-8-オール；メンタン-1-オール；メンタン-7-オール；ボルネオール；イソボルネオール；リナロールオキシド；ノポール(nopol)；セドロール；アンブリノール(ambrinol)；ベチベロール(vetiverol)；グアイオール(guaiol)；並びにそのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレリアネート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート；メンチルホルミエート；メンチルプロピオネート；メンチルブチレート；メンチルイソブチレート；メンチルイソバレリアネート；メンチルヘキサノエート；メンチルクロトネート；メンチルチグリネート；
【００５２】
環式テルペンアルデヒド及びケトン、好ましくはメントン；イソメントン；8-メルカプトメンタン-3-オン；カルボン；ショウノウ；フェンコン；α-イオノン(ionone)；β-イオノン；β-n-メチルイオノン；β-イソメチルイオノン；α-アイロン(iron)；α-ダマスコン(damascone)；β-ダマスコン；β-ダマセノン(damascenone；δ-ダマスコン；γ-ダマスコン；1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン；1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン；2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブタナール；ヌートカトン(nootkatone)；ジヒドロヌートカトン；4,6,8-メガスチグマトリエン(megastigmatrien)-3-オン；α-シネンサール(sinensal)；β-シネンサール；アセチル化シーダーウッド油(メチルセドリルケトン)；
【００５３】
環式アルコール、好ましくは4-tert.-ブチルシクロヘキサノール；3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール；3-イソカムフィル(isocamphyl)シクロヘキサノール；2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール；2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール；
【００５４】
シクロ脂肪族アルコール、好ましくはα,3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール；1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール；2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール；2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール；2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール；3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-ペンタン-2-オール；3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール；3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール；1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール；1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール；
【００５５】
環式及びシクロ脂肪族エーテル、好ましくはシネオール；セドリルメチルエーテル；シクロドデシルメチルエーテル；1,1-ジメトキシシクロドデカン；(エトキシメトキシ)シクロドデカン；α-セドレンエポキシド(cedrenepoxide)；3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン；3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン；1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン；ローズオキシド；2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン；
【００５６】
環式及び大環式ケトン、好ましくは4-tert.-ブチルシクロヘキサノン；2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン；2-ヘプチルシクロペンタノン；2-ペンチルシクロペンタノン；2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン；3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン；3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン；3-メチル-4-シクロペンタデセノン；3-メチル-5-シクロペンタデセノン；3-メチルシクロペンタデカノン；4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン；4-tert.-ペンチルシクロヘキサノン；5-シクロヘキサデセン-1-オン；6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン；8-シクロヘキサデセン-1-オン；9-シクロヘプタデセン-1-オン；シクロペンタデカノン；シクロヘキサデカノン；
【００５７】
シクロ脂肪族アルデヒド、好ましくは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド；2-メチル-4-(2,2,6-トリメチル-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール；4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド；4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド；
【００５８】
シクロ脂肪族ケトン、好ましくは1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン；2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン；1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン；2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル メチル ケトン；メチル-2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン；tert.-ブチル-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル) ケトン；
【００５９】
環式アルコールのエステル、好ましくは2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート；4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート；2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート；4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート；3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート；デカヒドロ-2-ナフチルアセテート；2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート；3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート；デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート；4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、又は6-インデニルアセテート；4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、又は6-インデニルプロピオネート；4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5、又は6-インデニルイソブチレート；4,7-メタノオクタヒドロ-5、又は6-インデニルアセテート；
【００６０】
シクロ脂肪族アルコールのエステル、好ましくは1-シクロヘキシルエチルクロトネート；
シクロ脂肪族カルボン酸のエステル、好ましくはアリル-3-シクロヘキシルプロピオネート；アリルシクロヘキシルオキシアセテート；cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモネート；cis-及びtrans-メチルジャスモネート；メチル-2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート；エチル-2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート；エチル-2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート；エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート；
【００６１】
アラリファチックアルコール、好ましくはベンジルアルコール；1-フェニルエチルアルコール；2-フェニルエチルアルコール；3-フェニルプロパノール；2-フェニルプロパノール；2-フェノキシエタノール；2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール；2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール；1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール；1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール；1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール；2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール；3-メチル-5-フェニルペンタノール；3-フェニル-2-プロペン-1-オール；4-メトキシベンジルアルコール；1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール;
【００６２】
アラリファチックアルコールと脂肪族カルボン酸のエステル、好ましくは酢酸ベンジル；プロピオン酸ベンジル；イソ酪酸ベンジル；イソ吉草酸ベンジル；酢酸2-フェニルエチル；プロピオン酸2-フェニルエチル；イソ酪酸2-フェニルエチル；イソ吉草酸2-フェニルエチル；酢酸1-フェニルエチル；α-トリクロロメチルベンジルアセテート；α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート；α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート；酢酸シンナミル；イソ酪酸2-フェノキシエチル；酢酸4-メトキシベンジル；
【００６３】
アラリファチックエーテル、好ましくは2-フェニルエチルメチルエーテル；2-フェニルエチル イソアミルエーテル；2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル；フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール；フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール；ヒドラトロプ(hydratrop)アルデヒドジメチルアセタール；フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール；2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン；4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン；4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン;
【００６４】
芳香族及びアラリファチックアルデヒド、好ましくはベンズアルデヒド；フェニルアセトアルデヒド；3-フェニルプロパナール；ヒドラトロプアルデヒド；4-メチルベンズアルデヒド；4-メチルフェニルアセトアルデヒド；3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール；2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール；2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール；2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール；3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール；シンナムアルデヒド；α-ブチルシンナムアルデヒド；α-アミルシンナムアルデヒド；α-ヘキシルシンナムアルデヒド；3-メチル-5-フェニルペンタナール；4-メトキシベンズアルデヒド；4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド；3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド；3,4-ジメトキシベンズアルデヒド；2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール；2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール；
【００６５】
芳香族及びアラリファチックケトン、好ましくはアセトフェノン；4-メチルアセトフェノン；4-メトキシアセトフェノン；4-tert.-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン；4-フェニル-2-ブタノン；4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン；1-(2-ナフタレニル)エタノン;2-ベンゾフラニルエタノン;(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン；ベンゾフェノン；1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニル メチル ケトン；6-tert.-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニル メチル ケトン；1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン；5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-アセトナフトン；
【００６６】
芳香族及びアラリファチックカルボン酸並びにそのエステル、好ましくは安息香酸；フェニル酢酸；安息香酸メチル；安息香酸エチル；安息香酸ヘキシル；フェニル酢酸メチル；フェニル酢酸エチル；フェニル酢酸ゲラニル；フェニル酢酸フェニルエチル；ケイ皮酸メチル；ケイ皮酸エチル；ケイ皮酸ベンジル；ケイ皮酸フェニルエチル；ケイ皮酸シンナミル；フェノキシ酢酸アリル；サリチル酸メチル；サリチル酸イソアミル；サリチル酸ヘキシル；サリチル酸シクロヘキシル；サリチル酸cis-3-ヘキセニル；サリチル酸ベンジル；サリチル酸フェニルエチル；メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート；エチル-3-フェニルグリシデート(glycidate)；エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデート；
【００６７】
窒素含有芳香族化合物、好ましくは2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert.-ブチルベンゼン；3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert.-ブチルアセトフェノン；ケイ皮酸ニトリル；3-メチル-5-フェニル-2-ペンテン酸ニトリル；3-メチル-5-フェニルペンタン酸ニトリル；アントラニル酸メチル；N-メチルアントラニル酸メチル；アントラニル酸メチルと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert.-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドのシッフ塩基；6-イソプロピルキノリン；6-イソブチルキノリン；6-sec.-ブチルキノリン;2-(3-フェニルプロピル)ピリジン；インドール；スカトール；2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン；2-イソブチル-3-メトキシピラジン；
【００６８】
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、好ましくはエストラゴール(estragole)；アネトール；オイゲノール(eugenole)；オイゲニルメチルエーテル；イソオイゲノール；イソオイゲニルメチルエーテル；チモール；カルバクロール；ジフェニルエーテル；β-ナフチルメチルエーテル；β-ナフチルエチルエーテル；β-ナフチルイソブチルエーテル；1,4-ジメトキシベンゼン；酢酸オイゲニル；2-メトキシ-4-メチルフェノール；2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール；フェニル酢酸p-クレジル；
ヘテロ環式化合物、好ましくは2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン；2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン；3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン；2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン；
【００６９】
ラクトン、好ましくは1,4-オクタノリド；3-メチル-1,4-オクタノリド；1,4-ノナノリド；ノナノリド；1,4-デカノリド；8-デセン-1,4-オリド；1,4-ウンデカノリド；1,4-ドデカノリド；1,5-デカノリド；1,5-ドデカノリド；4-メチル-1,4-デカノリド；1,15-ペンタデカノリド；cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド；cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド；1,16-ヘキサデカノリド；9-ヘキサデセン-1,16-オリド；10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド；11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド；12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド；エチレン-1,13-トリデカンジオエート；クマリン；2,3-ジヒドロクマリン；オクタヒドロクマリン
の群から選択される。
【００７０】
上述したとおりの本発明の製剤は、好ましくは
(a) 臭いを軽減するための混合物
又は
(b) 個々の構成成分を使用すると、該構成成分は式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を生じさせる、混合物
又は
(c) 群(ii)の1若しくは2種以上の匂い物質が、式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を有する、混合物
であり、
選択肢(b)及び(c)中の不快臭は、好ましくは下記不快臭：ヒトの汗の臭い、トイレの臭い、特にヒトの大便と尿の臭い、動物、特にペットの糞と尿の臭い、動物の湿った毛由来の臭い、特にイヌ又はヒツジの湿った毛由来の臭い、湿った羊毛由来の臭い、調理の臭い、特に古い脂肪、古い魚又は酪酸の臭い、煙、特に(新鮮でない)タバコの煙の臭い
から成る群より選択される。
【００７１】
しかし、さらなる不快臭(上述したような)もこのタイプの混合物に含まれることもあり、或いは使用中に発生し得る。
従って、第1の選択肢(a)の本発明の製剤は、臭い、特に不快臭を軽減するための混合物である。これは、このタイプの混合物は、好ましくは、式(1)の1種以上のアルコールと1種以上の匂い物質に加え、不快臭を有する(さらなる)物質を含まないことを意味する。選択肢(a)の本発明のこのタイプの混合物を特有の(不快な)臭いの物質と接触させるとき或いは対象若しくは製品を芳香で満たすか又は対象若しくは製品に香りをつける際、前記混合物は上記定義どおりの(好ましくは不快な)臭いを軽減するのに役立つ。
【００７２】
選択肢(b)により、(使用中)不快臭を生じさせる個々の構成成分を既に含む、本発明の混合物が特定される。この場合、本発明の混合物の目的は、該混合物中に含まれる式(1)のアルコールを用いて、この発生している不快臭を軽減することである。
選択肢(c)は、好ましい実施形態の1種以上の匂い物質(上述したような)を含む本発明の製剤は、1若しくは2種以上の含まれる群(ii)の匂い物質が既に不快臭を有し；このタイプの不快臭が、本発明で使用する式(1)のアルコールによって軽減されることを明らかにする。
【００７３】
本発明の目的のため、上述したような本発明の製剤、特に化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品の群から選択される製剤、最も特に本発明の香油の場合、式(1)の化合物の総量の、質量に基づく匂い物質の総量に対する比は、好ましくは10:1〜1:50の範囲内、好ましくは5:1〜1:30の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:20の範囲内、最も好ましくは3:2〜1:10の範囲内である。また、この計算の目的のため、式(1)の化合物は、匂い物質とみなされない。
【００７４】
発明者らの実験では、上述したような本発明の製剤、特に本発明の香油は、このタイプの製剤中に含まれる1種以上又は全ての匂い物質が以下に定義するとおりの群(B)から、好ましくは群(B')から選択される場合、本発明の目的に特に適することが分かった。
このタイプの組合せは、全体的な改良された臭い中和又は臭い軽減作用(及び任意に含まれる匂い物質によって、臭いマスキング作用)をもたらす。従って、本発明のさらなる局面は、1種以上又は全ての匂い物質が好ましくは下記群(B)から選択される(この観点では、ある程度まで、業界内の製品名慣例及び種々の会社の登録商標名が言及される)、上述したとおりの製剤に関する：
【００７５】
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート(フェニレート(phenirate))、ジヒドロミルセノール(myrcenol)(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモネート(好ましくはcis-異性体の含量>60質量%(ヘディオン(hedione)、ヘディオンHC))、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(ガラクソリド(galaxolide))、テトラヒドロリナロー(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロール、ベンジルアセテート、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール(リリアル(lilial))、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート(ハーバフロラット(herbaflorat))、スチロリルアセテート(1-フェニルエチルアセテート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタリン(イソEスーパー(super))、ヘキシルサリチレート、4-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート(オリクロン(oryclon))、2-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート(アグルメックス(agrumex)HC)、α-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、クマリン、テルピニル(terpinyl)アセテート、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(リラル(lyral))、α-アミルシンナムアルデヒド、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン (ムセノン(muscenone))、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド (グロバリド(globalide))、15-シクロペンタデカノリド(マクロリド(macrolide))、シクロヘキサデカノン(イソムスコン(isomuscone))、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(トナリド(tonalide))、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(フロロール(florol))、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(サンドレン(sandolene))、メントール(好ましくはl-メントール又はラセミメントール、さらに好ましくはl-メントール)、ユーカリプトール(1,8-シネオール)、アネトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナリルアセテート、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール(マジャントール)、ローズオキシド(4-メチル-2-(2-メチル-1-プロペニル)テトラヒドロピラン)、アリルヘプタノエート、4-メチルアセトフェノン、チンベロール(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール)、フロロパール(2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン)、ベンジルアセトン、ケイ皮酸メチル、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン(アンブロキシド(ambroxide))、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール(ロサフェン(rosaphen))、2-フェニルエタノール、リナロール。
【００７６】
好ましくは、匂い物質2-フェニルエタノール及び/又はリナロール(特に群(B)由来のような)が選択される、すなわち本発明の製剤中に含まれる場合、本製剤は群(B)の少なくとも1種のさらなる匂い物質をも含むことを本発明の製剤に適用する。
【００７７】
しかし、1、2種以上又は全ての匂い物質が下記物質から成る群(B')より選択される、上述したとおりの本発明の製剤が特に好ましい：
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、ベンジルアセテート、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、シンナミル アルコール、1-フェニルエチルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタリン、4-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、α-イオノン、テルピニルアセテート、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、15-ペンタデカ-11-エノリド、15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノン、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メントール、ユーカリプトール、アネトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナリルアセテート、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール、ローズオキシド、アリルヘプタノエート、4-メチルアセトフェノン、チンベロール(1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール)、ベンジルアセトン、ケイ皮酸メチル、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール、2-フェニルエタノール、リナロール。
【００７８】
好ましくは、匂い物質2-フェニルエタノール及び/又はリナロール(特に群(B)又は群(B')由来のような)が選択される、すなわち本発明の製剤中に含まれる場合、本製剤は群(B')の少なくとも1種のさらなる匂い物質をも含むことを本発明の製剤に適用する。
特に好ましい実施形態によれば、上述したとおりの本発明の製剤において、本発明で使用する式(1)のアルコール又は対応する混合物を1種以上、好ましくは2、3、4又は5種以上の群(B)、好ましくは群(B')の匂い物質と併用する。このタイプの併用は特に顕著な臭い中和又は臭い軽減作用を示す。既に述べたように、製剤に含まれる匂い物質は、本発明で使用する式(1)のアルコールに比し、軽減すべき(不快な)臭いについて有意な臭いマスキング作用を有する。このような併用では、我々自身の実験の範囲内で、特に上記(特に)好ましい質量比の式(1)の化合物と匂い物質、特に群(B)又は(B')の匂い物質では、臭い軽減について追加効果のみならず、相乗的に増強した効果をも観察することができた。
【００７９】
群(B)又は(B')の1種以上の匂い物質を含む製剤では、特にこのような化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品では、特にこのような本発明の香油では、好ましい質量比に関する上記詳細が適用されるが、特に質量に基づいて、式(1)の化合物の総量の(B)又は(B')の匂い物質の総量に対する比は、好ましくは12.5:1〜1:40の範囲内、好ましくは6.25:1〜1:24の範囲内、さらに好ましくは2.5:1〜1:16の範囲内、最も好ましくは3.75:2〜1:8の範囲内が適用される。
上記及び以下の本発明の製剤において、式(1)アルコールの総量は好ましくは0.01〜10質量%の範囲内、好ましくは0.025〜5質量%の範囲内、さらに好ましくは0.05〜2質量%の範囲内である(各場合、製剤の総質量に基づく)。
【００８０】
本発明(上述したとおり)の製剤のさらに好ましい実施形態によれば、製剤は、(iii)ジプロピレングリコール(DPG)、フタル酸ジエチル(DEP)、クエン酸トリエチル(TEC)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び安息香酸ベンジル(BB)から成る群(H)より選択される1、2又は3種以上の補助物質（以降、「生産助剤」と称する）をも含む。用語「生産助剤」は、本明細書の範囲内では、蒸発中に、匂い物質を「飛沫同伴」することによって、使用者、すなわち人の嗅覚器官に特有の匂いの感覚を与える物質、及び/又は1種以上の匂い物質が不溶性の場合に例えば可溶化剤として必要又は使用する物質、及び/又は完成製品の特有粘度を保証若しくは達成するために使用する物質、及び/又は(本発明の)製剤の製造のため固形匂い物質を溶かすために使用する物質などを示す。
【００８１】
従って、本発明で使用する式(1)の化合物の効力をさらに改良するため、本発明の製剤、特に香油又は上述した他の好ましい製剤は、好ましくは上述した生産助剤の群から選択される1、2又は3種以上の生産助剤を含む。このタイプの製剤は、好ましくは群(H)の2又は3種以上の生産助剤を含む。該製剤に含まれる式(1)の化合物の選択及び含まれる匂い物質の選択に上述した情報を適用する。
【００８２】
従って、特に好ましい製剤、特に香油は、本発明で使用する1種以上の式(1)のアルコールに加え、群(B)、好ましくは群(B')の少なくとも1種の匂い物質と、群(H)の少なくとも1種の生産助剤を含む。特に好ましくは、(上述したとおりの)製剤は、好ましくは特に本発明で好ましいとして述べた上記実施形態では、群(B)、さらに好ましくは群(B')の2種以上の匂い物質、及び/又は好ましくは群(H)から選択される2種以上の生産助剤を含む。
【００８３】
従って、本発明のさらなる局面は、以下の成分
(a) 群(B)若しくは(B')の1種以上の匂い物質及び群(H)の生産助剤
又は
(b) 群(B)若しくは(B')の2種以上の物質及び/又は群(H)の2種以上の生産助剤
を含む(上述したとおりの)製剤に関する。
【００８４】
既に述べたように、化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品が本発明の製剤として得に好ましい(上述したように)。従って、上述したとおりの本発明の製剤、好ましくは化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品から選択される製剤である。このタイプの(本発明の)製品は、上述した(本発明の)香油をも含むことができる。従って、該製品は、(上述したとおりの)本発明の製剤から成るか又は該製剤を含む。
本発明に従わないか又は本発明で好ましくない製剤又は好ましくない混合物は、さらに上で提供した情報中で言及される。
【００８５】
上述したとおりの本発明の製剤を用いて、不快臭を有する別の製品又は物体に、いずれの様式によっても有利に香りをつけることができ、かつ香りをつけると、不快臭の強度が軽減し、不快臭の印象が軽減した状態で(人によって)知覚されるのみならず、もはや全く知覚されない。この作用を達成するため、すなわち不快臭を軽減するため、(上述したような)不快臭は製剤に含まれる式(1)の化合物によって主に軽減されるので、過剰に大量の匂い物質は必要ない。
【００８６】
好ましい実施形態によれば、製品又は製剤中における該化合物の微細な分布を保証し、かつ使用中の制御放出をも保証する担体上に、本発明で使用する式(1)の化合物を吸着させる。このタイプの担体は、シリカゲル、ゼオライト、セッコウ、粘土、粘土粒、ガスコンクリート(gas concrete)等の多孔性無機材料、又は木及びセルロースを主成分とする材料等の有機材料でよい。
本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物をマイクロカプセル化し、噴霧乾燥させてよく、封入複合体又は押出製品でもよく、かつこの形態で製品、特に不快臭の軽減によってその臭いが改善される物質又は香りをつけるべき物質に添加することができる。
【００８７】
必要な場合、このように改変して本発明で使用する式(1)の該化合物の特性を、例えばポリビニルアルコールが好ましく使用されるろう様のプラスチック材料を目的とする適切な材料を用いていわゆる「コーティング」操作によって標的放出についてさらに最適化することができる。
本発明で使用する式(1)の化合物を、例えばポリウレタンタイプの材料又は軟ゼラチンから成るカプセル材料を用いて、いわゆるコアセルベーション法でマイクロカプセル化することができる。例えば本発明で使用する物質、すなわち式(1)の化合物のアルコール又は対応混合物を含有するエマルション又は分散系（担体として、変性デンプン、タンパク質、デキストリン及び/又は植物ガムを使用できる）を噴霧乾燥させて、噴霧乾燥した式(1)の化合物を生成することができる。例えば本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物であるか或いは前記化合物又は混合物、及びシクロデキストリン又はその誘導体を含む分散系を適切な溶媒、例えば水中に導入することによって、封入複合体を製造できる。本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物を適切なろう様材料と融解させ、かつ引き続き任意に適切な溶媒、例えばイソプロパノール中で押し出すことによって押出し製品を製造できる。
【００８８】
本発明で使用する式(1)の化合物又は対応混合物を多くの製剤又は製品で使用することができ、この場合、該製剤又は製品は、好ましく1種以上の下記補助成分又は活性成分を併用する：
保存剤、研磨剤、にきび抑制剤、アンチエイジング剤、抗菌剤、抗セルライト剤、フケ防止剤、抗炎症薬、刺激予防薬、刺激抑制薬、抗微生物剤、抗微生物薬、抗酸化剤、収斂薬、発汗抑制剤、防腐剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、支持材料、キレート化剤、細胞刺激物、洗浄剤、ケア剤、脱毛剤、表面活性物質、脱臭剤、制汗剤、軟化剤、乳化剤、酵素、エーテル油、繊維、フィクサー、発泡剤、泡安定剤、泡止め物質、泡立ちブースター、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、毛髪整形剤、ヘアスムージング剤、モイスチャライザー、湿潤物質、水分保持物質、漂白剤、(織物)補強剤、しみ抜き剤、蛍光増白剤、含浸剤、よごれ忌避剤(dirt repelling agents)、摩擦軽減剤、潤沢剤、保湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、光沢剤、増白剤、ポリマー、粉末、タンパク質、保湿剤、研磨物質、シリコーン、スキンカーミング(skin calming)剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、スキンヒーリング剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤、皮膚加温剤、安定剤、UV吸収剤、UVフィルター、洗濯用洗剤、布柔軟剤、懸濁剤、皮膚日焼け剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、一不飽和又は多不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、色保護剤、顔料、防食剤、芳香、香味料、香料、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒又はシリコーン誘導体。
【００８９】
好ましい製品又は製剤は、香料エキス、オーデパルファム、オードトワレ、髭剃り後ローション、オーデコロン、髭剃り前製品、スプラッシュコロン(splash cologne)及び香り付きリフレッシュワイプ(perfumed freshen-up wipes)及び香り付き洗浄剤又は香りをつけるための酸性、アルカリ性及び中性洗浄剤、例えば床クリーナー、窓クリーナー、皿洗い洗浄剤、バス及びサニタリークリーナー、ソフトスクラブクリーナー(soft scrub cleaners)、固体及び液体WCクリーナー、WCスティック、WCブロック(液体又は固体)、粉及び泡カーペットクリーナー、液体洗剤、粉洗剤、洗濯前処理剤、例えば漂白剤、浸漬剤及びしみ抜き剤、布柔軟剤、洗濯石鹸、洗浄錠剤、消毒薬、表面消毒薬並びに特にエアコンディショニングシステム及び工業プロセスから抽出された空気を脱臭するための液体又はゲルタイプ形態又は固形担体に適用する空気清浄剤、及びエアロゾル又はポンプスプレーの形態の空気清浄剤、ワックス及び艶出し剤、例えば家具の艶出し剤、床のワックス、靴の艶出し剤、補強、含浸又は脱臭用布処理剤、オムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、膏薬(plaster)及びボディケア組成物、例えば固体及び液体石鹸、シャワーゲル、シャンプー、シェイビングソープ、シェイビングフォーム、バスオイル、ダンプクリーニングワイプ(damp cleansing wipe)、化粧用水中油、油中水及び水中油中水型エマルション、例えばスキンクリーム及びローション、フェイスクリーム及びローション、日焼け止めクリーム及びローション、アフターサンクリーム及びローション、ハンドクリーム及びローション、フットクリーム及びローション、脱毛クリーム及びローション、アフターシェイブクリーム及びローション、日焼けクリーム及びローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアセットローション、ヘアリンス、永久及び半永久エア着色剤、毛髪整形剤、例えばコールドウェイブ及びヘアスムージング剤、ヘアトニック、ヘアクリーム及びローション、脱臭剤及び制汗剤、例えば腋下スプレー、ロールオン(roll-on)、脱臭スティック、脱臭クリーム、装飾用化粧品、例えばアイシャドウ、メイクアップ、リップステッィク、マスカラ、並びにキャンドル、ランプオイル、線香、動物の寝わら、ネコの寝わら、殺虫剤、忌避薬、液体及び気体燃料、暖房用オイル及び暖房ガス。
【００９０】
好ましい実施形態では、本発明の製剤又は上述したような日用品は、1種以上の表面活性物質、好ましくは1種以上の界面活性剤及び/又は1種以上の乳化剤を含む。表面活性物質は、本発明で使用する式(1)の化合物をより容易に指定製剤又は日用品に組み込めるようにする。さらに、表面活性物質は式(1)の化合物の放出及び効力を改善する。
既に述べたように、本発明で使用する式(1)の化合物は、好ましくは化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品で使用される。洗浄剤、空気清浄剤、織物衛生製品、ボディケア組成物、ヘアケア製品、脱臭剤、制汗剤及び動物の寝わらから成る群より選択される本発明の製剤が特に好ましい。該製剤又は製品は、最も好ましくは以下の製剤又は製品から成る群より選択される：
- 洗浄剤、特に床クリーナー、窓クリーナー、皿洗い洗剤、バス及びサニタリークリーナー、ソフトスクラブクリーナー、固体及び液体WCクリーナー、WCスティック、WCブロック(液体又は固体)、粉及び泡カーペットクリーナー、液体洗剤、粉洗剤、洗濯前処理剤、漂白剤、浸漬剤、しみ抜き剤、布柔軟剤、洗濯石鹸、洗浄錠剤、消毒薬、表面消毒薬；
- 空気清浄剤、好ましくは膜ベースの液体又はゲルタイプの形態又は固形担体に適用するタイプ、又はエアロゾル若しくはポンプスプレーとして；
- 織物衛生製品、好ましくはオムツ、生理用ナプキン、パンティーライナー、クリーニングワイプ；
- ボディケア組成物、好ましくは固体及び液体石鹸、シャワーゲル、シャンプー、シェイビングソープ、シェイビングフォーム、バスオイル、ダンプクリーニングワイプ、脱毛クリーム及びローション、日焼けクリーム及びローション；
- ヘアケア製品、好ましくはヘアスプレー、ヘアゲル、ヘアセットローション、ヘアリンス、永久及び半永久ヘア着色剤、ヘアクリーム及びローション；
- 脱臭剤及び制汗剤、好ましくは腋下スプレー、ロールオン、脱臭スティック、脱臭クリーム；
- 動物の寝わら、特にネコの寝わら。
【００９１】
さらに上で提供した情報を、上記製品で本発明により使用する式(1)の化合物又は対応混合物の割合に適用する。
(特に)好ましいとして上述した実施形態におけるような(上述したとおりの)本発明の特に好ましい製剤は、化粧品又はボディケア製品である。このタイプの製品は、スティック、クリーム、ゲル、ローション、フォーム、ロールオン製剤、散剤スプレー、エアロゾル又は非エアロゾルスプレーから成る群より選択される用途で有利に存在する。
【００９２】
本発明の特に好ましい製剤(上述したとおりの)は、ヒト(又は動物)の体に適用するためかつ好ましくは1種以上の(作用の所望態様によって決まる)下記活性成分を含む脱臭剤又は制汗剤である：
【００９３】
(1)汗の臭いの原因の微生物の発生を抑制する抗菌活性物質；例えばTriclosan(登録商標)(5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール)、トリクロカルバン(triclocarban)、クロロヘキシジン、クロロヘキシジンヒドロクロリド、クロロヘキシジンジアセテート、クロロヘキシジンジグルコネート、2-フェノキシエタノール、ファルネソール、グリセロールエステル及びエーテル、例えばグリセロールモノラウレート、グリセロールモノカプリネート、ヘキソキシグリセリン、オクトキシグリセリン(=エチルヘキシルグリセリン、3-(2-エチルヘキシルオキシ-1,2-プロパンジオール)又はSensiva(登録商標)SC 50(Schulke & Mayr製)、脂肪族1,2-ジオール、例えば1,2-デカンジオール(EP 1 269 983)、上述したようなアラリファティックアルコール、例えばEP 799 174、好ましくは4-メチル-4-フェニル-2-ペンタノール(ベチコール(vetikol)；WO 03/024907)又は2-メチル-4-フェニル-2-ブタノール(1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、α,α-ジメチルフェネチルカルビノール)、l-メンチルメチルエーテル(WO 02/41861に記載されているような)、2-ベンジルヘプタン-1-オール(ジャスモール(jasmol)；2-n-ペンチル-3-フェニルプロパン-1-オール)、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール(ミュゲ(muguet)アルコール；US 4,091,090参照)、抗菌活性の二級アルコール(例えばWO 2005/004601に記載されているような)、特に3-メチル-6-フェニル-2-ヘキサノール、4-(2,4-ジメチルフェニル)-2-ブタノール、6-(4-イソプロピルフェニル)-3-メチル-2-ヘキサノール、4-(2,4,5-トリメチルフェニル)-2-ブタノール、3,3-ジメチル-4-フェニル-2-ブタノール、3-メチル-4-(2-メチルフェニル)-2-ブタノール、6-(3,4-ジメチルフェニル)-2-ヘキサノール、脂肪族カルボン酸、例えば2-ヘキシルオクタン酸、2-ヘキシルデカン酸、2-ブチルオクタン酸又は2-ブチルデカン酸；
【００９４】
(2)汗の臭い形成の一部を担う酵素の作用を抑制する酵素抑制物質；例えばクエン酸エステル及び金属キレート物質、例えばEDTA(エチレンジアミン四酢酸)、EGTA(エチレンビス(オキシエチレンニトリロ)四酢酸]及びDTPA(ジエチレントリアミン五酢酸、ペンテト酸)；
(3)汗の臭いの原因物質を吸収する臭い吸収物質；例えばリシノール酸亜鉛、シクロデキストリン；
【００９５】
(4)汗の分泌を抑制し、ひいては温床から体臭の原因である細菌を除去する制汗剤。一般的に、制汗剤として、好ましくは収斂性金属塩、特に元素アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、スズ及びジルコニウムの無機及び有機金属塩並びにその混合物、ハロゲン化物、例えば塩化アルミニウム、塩基性アルミニウムヒドロキシクロリド、ジルコニルオキシクロリド及びジルコニルヒドロキシクロリド並びにその混合物が特に使用される。これらのアルミニウムとジルコニウムの塩及びその混合物は錯化形態で使用されることも多く、錯化剤としてプロピレングリコール、ポリエチレングリコール又はグリシンが使用される。
【００９６】
好ましくは、(上述したとおりの)本発明の製剤、さらに好ましくは(特に)好ましいとして上述したとおりの製剤を用いて不快臭を軽減し、又は(補助)混合物として用いて不快臭、特にヒトの体臭、特にヒトの汗の臭い、最も特に腋臭を軽減する。
これに関連して、本発明は、特有の物質の特有のマスキンング課題に適するか、すなわちこの物質を用いて、本発明の意味で(不快な)臭いを軽減できるかを評価するために使用できる方法に関係する。
【００９７】
不快臭を中和又は軽減するという点でその能力を試験すべき(匂い)物質又は(匂い)物質の混合物のサンプルを通常、規定空域内で不快臭混合物と共に蒸発させ、結果として生じた臭いの印象をテスターのパネルによって嗅覚様式で決定する。従って、不快臭を中和又は軽減する物質又は対応する物質の混合物の発生及び検出と点検は現在、非常に費用がかかる。
従って、我々自身の実験よれば、今や(i)(a) 式(1)の単一アルコール及び/又は(i)(b) さらに上記定義どおりの式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記アルコールから成る混合物を含む試験物質(任意に、試験すべき中和物質(N))の適合性を試験するため、以下の工程を含む、不快臭の軽減を点検するための方法を使用する：
【００９８】
a) 不快臭を有する物質(悪臭物質(M))、すなわち物質若しくは混合物を含むか又は前記物質若しくは混合物から成る悪臭基準混合物(不快な臭いがする基準混合物(S))の製造又は調製、
b) 同様に前記物質(M)を含み、かつ試験物質(N)を含む試験混合物(T)の製造又は調製、及び
c) 悪臭基準混合物(S)と試験混合物(T)の悪臭の印象の比較。
試験物質(N)及び/又は試験混合物(T)は、有利には本発明の製剤(さらに上述したとおり)である。さらに、試験物質(N)又は試験混合物(T)が、式(1)の1種以上のアルコールに加えて1種以上の匂い物質を含むことも好ましい。従って、さらに上述した詳細は、使用すべき匂い物質の数及び選択に当てはまる。しかし、本発明の方法では、試験物質(N)自体は、如何なる不快な臭いがする(悪臭)物質をも含まないことが好ましい。
【００９９】
この試験方法は、好ましくは20℃の温度及び1013mbarの圧力下で行われる。従って、上述したとおりの方法は、特に好ましくは工程c)の比較を20℃の温度及び1013mbarの圧力下で行う。妥当な場合、工程a)又はb)を上記反応条件下で行うこともできる。
既に述べたように、本発明で使用する試験物質(N)は、好ましくは1種以上の匂い物質をも含み、さらに好ましくは任意にさらなる補助成分又は活性成分(特に上述したとおりの成分)をも含む。この様式では、匂い物質とエーテル油又は香油のコード(chord)のような、より複雑な(匂い)物質の混合物を、臭い、特に不快臭を中和又は軽減するという観点でその適合性について試験することができる。従って、さらに上で提供した情報は、本発明で使用する不快臭に適用される。
【０１００】
上記(試験)方法を実施するにおいて、好ましくは規定量の、不快な臭いがする混合物、すなわち物質(M)を使用する。これは、悪臭基準混合物(S)と試験混合物(T)中の物質(M)の濃度が同一であるように、本発明の上記(試験)方法を行うのが好ましいことを意味する。これは、特にこれら2つの混合物の良い比較を可能にする。
このタイプの方法は、他の試験混合物に比べ、及び/又は悪臭基準混合物(S)に比べて(物質(M)の)不快臭を軽減するか又は中和するためのその適合性に関して、物質(M)と試験物質(N)を含むそれぞれの試験混合物(T)を同サイズの容器内で試験するという点で好ましく行われる。
【０１０１】
悪臭基準混合物(S)及び試験混合物(T)の悪臭の印象、かつ好ましくはこれらの混合物の香り又は芳香の強度をも好ましくは各場合相互に、結果として生じた臭いと芳香をかぐ8人以上のテスター(専門家)によって評価される。この評価では悪臭基準混合物(S)を強度6と割り当てる。テスターは再現可能様式で匂いの強度を評価する能力の関数として選択される。一連の試験の前、テスターは(軽減すべき)不快臭を認識するための訓練をする。
このタイプの本発明の方法のさらなる詳細及び特徴は、以下の実施例から明らかになる
【実施例】
【０１０２】
特に断らない限り、全ての量は質量に関する。
以下、本発明で使用する臭い中和又は臭い軽減混合物「PI 24902」(表1参照)は、2種の材料2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-1-(1-メチルエチル)-プロピルエステル(式(1a)の化合物)と2-メチルプロピオン酸-3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルエステル(式(1b)の化合物)から成る物質である。ここで、本発明で使用する混合物は、(不快な)臭いを軽減するため又は(不快な)臭いを軽減するための補助物質として式(1a)又は(1b)の上述した2種の物質から成る。
【０１０３】
表1：
構成異性体(1a)及び(1b)の混合物「PI 24902」
【０１０４】
既に前述したように、本発明で使用するアルコール、ひいては前述した混合物「PI 24902」は、非常にわずかな固有の匂いしか持たない。結果として、いずれの芳香傾向でも「PI 24902」を使用できる。
本試験方法では、強度尺度1=「無臭」から9=「非常に強い」についてそれぞれの臭い又は臭いの印象を評価した。個々の評価のそれぞれの算術平均を以下の表に示す。
【０１０５】
実施例1：
実施例1.1：テスターの選択と訓練
A. 選択判定基準1：テスターは、種々の悪臭を無臭溶媒(ジプロピレングリコール=DPG)と区別できなければならない。本明細書では、悪臭は、以前に与えた定義の意味の不快臭である。
試験「A」では、いくつかの臭い細片(無臭紙の薄板紙細片)を、1種以上の悪臭を含む、すなわち不快臭の印象(ヒトに)を生じさせる1種以上の物質を含む混合物中に浸漬する。さらに、いくつかの臭い細片をDPG(無臭)に浸漬する。試験「悪臭−悪臭−DPG及びDPG−DPG−悪臭」で臭い細片を正確に識別できる当該テスターだけがさらなる試験に参加する。これは、テスターがとにかく一様に悪臭に気づくかどうかを点検する。本明細書の範囲内で言及する全ての悪臭についてこの試験を行った。
中和物質を知覚する能力についてはテスターを試験しなかった。これらは実際には無臭であり、DPG、Abalyn DE又はクエン酸トリエチル等の香水類で慣用的な溶媒から困難を伴って区別され得るだけである。これらの物質を検出できないことが分かるテスターは、臭いの軽減を検出できないだろう。
【０１０６】
B. 選択判定基準2：テスターは、悪臭又は該悪臭の印象を与える対応物質の異なる強度又は濃度を区別できなければならない。この目的のため、それぞれの悪臭の異なる濃度のサンプルを規定空域中に導入する。これらのサンプルは、各場合、不快臭を有する異なる濃度の物質(M)を含む異なる悪臭基準混合物(S)である。従って、これらの混合物は、強さが異なる、それぞれの悪臭の強度を有するので、強度が異なる悪臭の印象を有する。テスターは、これらのサンプルを強度(臭いの強さ)に応じて選別する。テスターは、臭いをかいで濃度の順序を認識し、かつ正確に評価しなければならない。両試験(A、B)に合格したテスターは、以下に述べる原材料試験に参加することができる。
【０１０７】
特に断らない限り、以下で特定する試験は、褐色ガラス製の500mlの広口フラスコで行われた。悪臭モデル、すなわち不快臭を有する物質を、各場合、被験物質(N)(例えば混合物「PI 24902」)とはろ紙の異なる点又は異なるろ紙上に適用する。これは、本試験方法における物質と別の物質との間の化学的相互作用を不可能にした。他言すれば、本発明で使用する試験混合物(T)は、好ましくはサンプル容器内(例えばガラス内)に、不快臭を有する物質(M)と試験物質(N)を含むが、(M)と(N)は好ましくは混ざった状態ではなく、相互に隣に存在する(上述したように)。全てのサンプルを1=「無臭」から9=「非常に強い」という尺度で評価する。悪臭のみ有するサンプル(無香料かつそのまま特徴づけられる)(すなわち悪臭基準混合物)は、各場合、テスターにとって標準物質として役に立つ。本明細書では、「無香料サンプル」は、不快臭を有する物質(M)を含むが、本発明で使用する式(1)のアルコール又は対応混合物を含まない混合物である。このサンプルは、悪臭のタイプによって異なり得るが、通常「6」という値で定義される。全てのサンプルは、好ましくはコード化様式で提供される。コード化サンプルの少なくとも1つは通常、から(ろ紙のみ)であるか、又は無香料の悪臭を備える(標準物質；上述したとおり)。これは、テスター及び得られる結果のさらなる点検を提供する。
【０１０８】
実施例1.2：汗の臭い試験
種々のショート(short)、有機酸、アルデヒド及び無臭溶媒から成る1μlの模倣汗溶液(不快臭を有する物質(M))をろ紙に適用した。各場合、それぞれ異なる被験物質(N)1μlをも該ろ紙に適用し、汗サンプル、すなわち模倣汗溶液と一緒にガラス内に導入した。各サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを香り/芳香の強度と汗の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１０９】
表2：汗試験
【０１１０】
本発明で使用する混合物「PI 24902」は、ほんのわずかな香り強度、すなわち検出可能な固有の匂いがわずかしかないか又はほとんどなく、(不快な)汗の臭いを45質量%だけ軽減する。
【０１１１】
実施例1.3：トイレ臭試験
スカトール、ショート、有機酸、チオナフトール及び無臭溶媒から成り、ちょうど使用したトイレの臭いを模倣した臭いの1μlの溶液(不快臭を有する物質(M))を各場合ろ紙に適用した。各場合、それぞれ異なる被験物質(N)1μlをもろ紙に適用し、トイレ臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを香り/芳香の強度とトイレ臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１１２】
実施例3：トイレ臭試験
【０１１３】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)トイレ臭を58%だけ軽減する。
【０１１４】
実施例1.4：調理臭試験
脂肪、種々のフライイングアロマ及び無臭溶媒から成る、キッチンで頻繁に使用される臭いを模倣した臭いの1μlの溶液(不快臭を有する物質(M))を各場合ろ紙に適用した。それぞれ異なる被験物質(N)1μlをもろ紙に適用し、調理臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と調理臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１１５】
表4：調理臭試験
【０１１６】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)調理臭を28%だけ軽減する。
【０１１７】
実施例1.5：魚臭試験
それぞれ異なる被験物質(N)1μlをろ紙に適用し、ガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。各場合、トリメチルアミンと無臭溶媒から成る、古い魚の臭いを模倣した臭いの400μlの溶液(不快臭を有する物質(M))をピペットで生綿パッド上に移し、評価前約10分にガラス内に導入した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と魚臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１１８】
表5：魚臭試験
【０１１９】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、魚臭を45%だけ軽減する。
【０１２０】
実施例1.6：煙臭試験
複数の化粧用生綿パッドをフレームから吊り下げた。フレームをビーカーで覆った。下から喚起される該ひっくり返したビーカーの下に半分のタバコを放置し、ビーカーを煙で満たした。すると、生綿パッドは煙臭を強く吸収した。それぞれ1つの生綿パッドをビーカー内に置いた。それぞれ異なる被験物質(N)1μlをろ紙に適用し、かつ煙臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と煙臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１２１】
表6：煙臭試験
【０１２２】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)煙臭を30%だけ軽減する。
【０１２３】
実施例1.7：酪酸臭試験
それぞれ異なる被験物質(N)1μlをろ紙に適用し、ガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。酪酸と無臭溶媒から成る、400μlの溶液(不快臭を有する物質(M))をピペットで生綿パッド上に移し、これをも評価前約10分にガラス内に導入した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と酪酸臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１２４】
表7：酪酸臭試験
【０１２５】
本発明で使用する物質混合物「PI 24902」は、(不快な)酪酸臭を42%だけ軽減する。
【０１２６】
実施例2：(群(B)の)匂い物質の併用
下表に列挙する(匂い)原料又は物質を指定割合で一緒に混合して、対応混合物(A1、A2；B1、B2)を生成した。
【０１２７】
表8：「ラベンデル(Lavendel)」芳香タイプ
【０１２８】
表9：「柑橘類」芳香タイプの混合物
【０１２９】
褐色ガラス製の500mlの広口フラスコ内で混合物A1、A2、B1及びB2をも試験した。悪臭モデルを、各場合、被験物質(上述したとおり)とはろ紙の異なる点又は異なるろ紙上に適用して、物質と別の物質との間の化学的相互作用を不可能にした。全てのサンプルを1=「無臭」から9=「非常に強い」という尺度で評価する。悪臭のみ有するサンプル(無香料かつそのまま特徴づけられる)(悪臭基準混合物(S))は、各場合、テスターにとって標準物質として役に立つ。このサンプルは、悪臭のタイプによって異なり得るが、通常「6」という値で定義される。全てのサンプルは、好ましくはコード化様式で提供される。コード化サンプルの少なくとも1つは通常、から(ろ紙のみ)であるか、又は無香料の悪臭を備える(標準物質)。複合香油又は混合物は、通常、不快臭について個々の化学薬品に比べて強い作用を有するので、個々の化学薬品より少ない量で混合物を試験することが好ましい。
【０１３０】
実施例2.1：酪酸に関する混合物A1〜B2(A1、A2、B1、B2)の試験
0.5μlの各混合物A1〜B2をろ紙に適用し、ガラス内に導入した。サンプルを置いたまま15時間封鎖した。酪酸と無臭溶媒(実施例1.7参照)から成る400μlの溶液をピペットで生綿パッド上に移し、これをも評価の約10分前にガラス内に導入した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と酪酸臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１３１】
表10：酪酸臭に対する混合物
【０１３２】
驚くべきことに、本発明の香油A2及びB2の混合物は、(不快な)酪酸臭の特に高い軽減をもたらす。
【０１３３】
実施例2.2：汗臭に関する混合物A1〜B2の試験
種々のショート、有機酸、アルデヒド及び無臭溶媒から成る1μlの各模倣汗溶液(実施例1.2参照)をろ紙に適用した。0.5μlの各混合物A1〜B2をもろ紙に適用し、汗サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と汗の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１３４】
表11：汗臭に対する混合物
【０１３５】
驚くべきことに、本発明の香油A2及びB2の添加は、香油A1及びB1の添加に比べて(不快な)汗臭を大いに軽減することとなる。
【０１３６】
実施例2.3：煙臭に関する混合物A1〜B2の試験
複数の化粧用生綿パッドをフレームから吊り下げた。フレームをビーカーで覆った。下から喚起される該ひっくり返したビーカーの下に半分のタバコを放置し、ビーカーを煙で満たした。すると、生綿パッドは煙臭を強く吸収した(実施例1.6参照)。それぞれ1つの生綿パッドをビーカー内に置いた。0.5μlの各混合物A1〜B2をろ紙に適用し、かつ煙臭サンプルと一緒にガラス内に導入した。サンプルを置いたまま、15時間封鎖した。8〜12名のテスターがサンプルを芳香の強度と煙臭の強度(悪臭の印象)について評価した。個々の評価の平均を示す。
【０１３７】
表12：煙臭に対する混合物
【０１３８】
驚くべきことに、本発明の香油A2及びB2のそれぞれの混合物は、香油A1及びB1のそれぞれの混合物に比べて(不快な)煙臭を大いに軽減することとなる。
【０１３９】
実施例3：「PI 24902」を含有するローズの香りの香油
【０１４０】
実施例4：「PI 24902」を含有するホワイトブロッサムの香りの香油
【０１４１】
実施例5：完成製品の製剤及び適用例：
実施例F1：ロールオンゲル形態の脱臭製剤
【０１４２】
実施例F2：クリーム
【０１４３】
実施例F3：O/Wローション
【０１４４】
実施例F4：ゲル形態の空気清浄剤
【０１４５】
実施例F5：ゲル形態の空気清浄剤
5gのアクレル(Accurel)(75%の空隙率を有する多孔性ホモ-ポリプロピレン粉末、Akzo Noble Faser AG, Obernburg, Germany製)を15gの実施例4の香油と共に両成分を真空下で混合するこによって装填する。結果として生じた粉末を4.5gの水と常圧下で撹拌する(ミックス1)。別の容器で、2.5gのカラギーナン、0.3gのクロロアセトアアミド及び0.5gの無水塩化カルシウムを62gの水に最大75℃で加熱しながら溶かす。この溶液に撹拌しながらミックス1を導入し、均質化する。結果として生じた、好ましくは未だ温かい混合物を所望の型(ボール、半球、パッド、円筒、直方体、立方体、シェル等)に注ぐ。約20℃に冷却後、該空気清浄剤の総質量に基づいて約20%の実施例4の香油を装填して空気清浄剤をゲル形態で得る。
【０１４６】
実施例F6：フットクリーム
【０１４７】
実施例F7：セットローション
【０１４８】
実施例F8：フェイスマスク
【０１４９】
実施例F9：スキンオイル
【０１５０】
実施例F10：軟膏
【０１５１】
実施例F11：ウェットクリーニングワイプ
ウェットクリーニングワイプ中の不快臭を中和するための組成物又は混合物の調製：
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。乳化剤を用いて、この組成物から0.05%の水溶液を生成し、ウェットクリーニングワイプを処理するために使用する。処理したウェットクリーニングワイプは、未処理ワイプに比べて有意に中性の匂いを有する。これは、湿った板紙の典型的な(不快な)臭いをもはや検出できないことを意味する。
【０１５２】
実施例F12：織物上のタバコ煙臭に対して作用するエアロゾルスプレー
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：20質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、5質量部の安息香酸ベンジル及び20質量部の香油(48質量%の群(B)の匂い物質含有)。1質量%のこの組成物を含有する水ベースのエアロゾルスプレーを、タバコ煙臭がついてとれないカーテンに噴霧する。噴霧後、カーテンは有意に中性の匂いを有し、(不快な)タール質の煙臭をもはや検出できない。衣服及び家具のクッションのアイテムのような織物上に該臭い中和組成物を噴霧すると、同様の効果が達成される。
【０１５３】
実施例F13：織物上の調理臭に対して作用するエアロゾルスプレー
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：20質量部のジプロピレングリコール、30質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、10質量部の安息香酸ベンジル及び10質量部の香油(55質量%の群(B)の匂い物質含有)。1質量%のこの組成物を含有する水ベースのエアロゾルスプレーを、フライドオイニンと熱いフライ油の強い調理臭がついてとれないカーテン又は衣服のアイテム上に噴霧する。噴霧後、カーテンは有意に中性の匂いを有し、(不快な)脂肪、オニオンの臭いをもはや検出できない。
【０１５４】
実施例F14：尿臭(例えばオムツの中)に対して作用するマイクロカプセル
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：25質量部の「PI 24902」、10質量部の酢酸イソメンチル、20質量部のミリスチン酸イソプロピル、30質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。噴霧乾燥法を利用して、この組成物をデンプンナトリウムオクテニルスクシネート(E 1450)と糖アルコールでマイクロカプセル形態(平均粒径：78μm)にする。このときマイクロカプセルの上記組成物による装填が50質量%になるようにする。縁で結合した紙の二層間にマイクロカプセルを置き、紙オムツの中に組み入れる。水分と接触すると、臭い中和組成物が放出され、未処理オムツに比べて、発生する尿臭を有意に軽減する。
【０１５５】
実施例F15：無香料洗浄粉末の臭いの中和
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：20質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、5質量部の安息香酸ベンジル及び20質量部の香油(35質量%のの群(B)の匂い物質含有)。この組成物の0.3%溶液を無香料洗浄粉末上に噴霧する。噴霧後、臭い(洗浄粉末の)は有意に中性になり、脂肪性酸敗臭をもはや検出できない。
【０１５６】
実施例F16：WC臭の中和
実施例F16.1：人工WC臭
以下の成分を混ぜ合わせることによって、米国特許第4,719,105号に記載の実施例13に従って人工WC臭を生成した：
【０１５７】
【０１５８】
実施例F16.2：
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。この組成物1質量%と新鮮な針葉樹の匂いの香油組成物4質量%をWCスティックに組み入れる。比較のため、5質量%の純粋香油組成物を別のWCスティックに組み入れる。試験のため、約2.5m3の大きさのスメリングチャンバーを実施例F16.1のWC臭で充填した。このスメリングチャンバー内にあるWCボウルにWCスティックを吊るす。水を流した後、チャンバー内の空気の品質を専門家グループによって30分後に評価した。臭い中和組成物を含有するWCスティックは、有意に中性の臭いの印象をもたらし、香油の匂いプロフィールがはっきりかつきれいに出現した。臭い中和組成物と花又は柑橘類のさわやかなタイプの香油とで同様の効果を達成できる。
【０１５９】
実施例F16.3：
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル及び15質量部の安息香酸ベンジル。この組成物2.5質量%と新鮮な柑橘類の匂いの香油組成物7.5質量%をステアレート又はカラギーナンタイプの空気清浄剤に組み入れる。比較のため、10質量%の純粋香油組成物を別の空気清浄剤に組み入れる。試験のため、約2.5m3の大きさのスメリングチャンバーを人工WC臭で充填する(実施例F16.1に従う)。空気清浄剤を設置後、チャンバー内の空気の品質を専門家グループによって30分後に評価した。臭い中和組成物を含有する空気清浄剤は、有意に中性の臭いの印象をもたらした。香油の匂いプロフィールが、よりはっきりかつきれいである。
【０１６０】
実施例F17：無香料の布柔軟剤の中和
70質量部の脱塩水、0.25質量部の濃塩酸、1質量部の無水塩化カルシウム、0.5質量部のポリソルベート20及び27質量部のヴァリソフト(Varisoft)315(Witco)から調製した布柔軟剤ベースを1.25質量部の香油(44質量%の群(B)の匂い物質含有)と混合した。0.15質量部の「PI 24902」の添加の結果として、完成製品の匂いは実質的に中性であり、製品全体は、よりきれいかつさわやかな匂いがする。
【０１６１】
実施例F18：ネコの尿(臭)の中和
70質量部の香油(64質量%の群(B)の匂い物質含有)と、30質量%の「PI 24902」とから成る混合物1質量部を、混合しながら、3000質量部のネコの寝わら(ベントナイト)上に噴霧する。比較のため、「PI 24902」無しの同一香油を同量適用する。ネコの尿の添加後、香油のみで処理した寝わらはネコの尿の不快を不十分な程度にしか軽減しないが、「PI 24902」をも含むネコの寝わらはかなり中性の臭いを有し、ひいてはネコの尿の強い臭いによる不快臭を大いに軽減することが分かった。
【０１６２】
実施例F19：腋下スプレー
下記成分を混合して組成物又は混合物を形成する：30質量部のジプロピレングリコール、25質量部の「PI 24902」、15質量部のミリスチン酸イソプロピル、15質量部のクエン酸トリエチル、10質量部の安息香酸ベンジル及び5質量部の酢酸l-メンチル。この組成物0.6質量部、40質量部の80%アルコール、1質量部の香油(37質量%の群(B)の匂い物質含有)及び55質量%の噴霧剤(プロパン-フタン混合物)から、保湿作用を有する脱臭スプレーを調製する。比較のため、臭い中和組成物を含まないが、1.2質量部の香油を含有する同一組成のスプレーを調製する。腋下部に噴霧すると、臭い中和組成物のあるスプレーはかなり良い様式で不快な汗の臭いを軽減し、かつ香油の芳香がさらに際立つことが分かる。
【０１６３】
実施例F20：UV防護するヘアコンディショナー
【０１６４】
実施例F21：脱臭スティック
【０１６５】
実施例F22：マイクロエマルションゲル
【０１６６】
実施例F23：制汗製剤
【０１６７】
実施例F24：サスペンションスティック
【０１６８】
実施例F25：脱臭スプレー
【０１６９】
実施例F26：ワックスクレヨン
【０１７０】
実施例F27：脱臭スティック
【０１７１】
実施例F28：制汗スティック
【特許請求の範囲】
【請求項１】
臭いを軽減するため
又は
臭いを軽減するための補助物質としての、
(i)(a) 下記式(1)の単一アルコール又は
(i)(b) 下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか若しくは前記2種以上の異なるアルコールから成る混合物の使用。
【化１】
（式中、各場合2つの基Ra又はRbの一方は水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方は2〜6個のC原子を有するアシル基を表す。）
【請求項２】
前記臭いが不快臭である、請求項1に記載の使用。
【請求項３】
−選択肢(i)(a)におけるアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基又は
−選択肢(i)(b)における1、2以上又は全てのアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基が、
アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、クロトニル、n-ペンタノイル、イソペンタノイル、n-ヘキサノイル及びイソヘキサノイルから成る群より選択され、好ましくはn-ブチリル、イソブチリル及びクロトニルから成る群より選択される、
請求項1〜2のいずれか1項に記載の使用。
【請求項４】
式(1)の第1のアルコール及び式(1)の第2のアルコールを含むか又は前記第1及び第2のアルコールから成る混合物の使用であって、
前記第1のアルコールの基Raが前記第2のアルコールのRbの意味を有し、
かつ
前記第1のアルコールの基Rbが前記第2のアルコールのRaの意味を有する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項５】
(i)(a) 下記式(1a)若しくは(1b)の単一アルコール、又は
(i)(b) 下記式(1a)のアルコールと下記式(1b)のアルコールとを含むか又は下記式(1a)のアルコールと下記式(1b)のアルコールとから成る混合物の、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【化２】
【請求項６】
前記式(1)の第1のアルコールの、前記式(1)の第2のアルコールに対する質量比が、10:1〜1:10の範囲内、好ましくは5:1〜1:5の範囲内である、請求項5又は6に記載の使用。
【請求項７】
前記2つの化合物の質量比(1a):(1b)が、10:1〜1:10の範囲内、好ましくは5:1〜1:5の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:3の範囲内、最も好ましくは3:2〜1:2の範囲内である、請求項5に記載の使用。
【請求項８】
(i)(a) 請求項1、2、3若しくは5のいずれか1項に記載の式(1)の単一アルコール、又は
(i)(b) 請求項1〜7のいずれか1項で定義したとおりの式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記(i)(a)若しくは(i)(b)のアルコールから成る混合物
及び
(ii)1種以上、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9又は10種以上の匂い物質であって、式(1)の化合物でない匂い物質
を含むか又は前記混合物と前記匂い物質から成る製剤
（但し、この製剤は3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレートと2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートを含む製剤でない）。
【請求項９】
前記製剤が、
(a) 臭いを軽減するための混合物であるか又は
(b) 使用中、個々の構成成分が、式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を発生する混合物であるか又は
(c) 前記群(ii)の1若しくは2種以上の匂い物質が、式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を有する混合物である、
請求項8に記載の製剤。
【請求項１０】
前記匂い物質の総質量に対する式(1)の化合物の総質量の比が、10:1〜1:50の範囲内、好ましくは5:1〜1:30の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:20の範囲内、最も好ましくは3:2〜1:10の範囲内である、請求項8又は9に記載の製剤。
【請求項１１】
前記匂い物質の1、2以上又は全てが下記物質：
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、ベンジルアセテート、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、シナモンアルコール、1-フェニルエチルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタリン、4-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、α-イオノン、テルピニルアセテート、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、15-ペンタデカ-11-エノリド、15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノン、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メントール、ユーカリプトール、アネトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナリルアセテート、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール、ローズオキシド、アリルヘプタノエート、4-メチルアセトフェノン、チンベロール、ベンジルアセトン、メチルシンナメート、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール、2-フェニルエタノール、リナロール
から成る群(B')から選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１２】
前記製剤が、(iii)ジプロピレングリコール(DPG)、フタル酸ジエチル(DEP)、クエン酸トリエチル(TEC)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び安息香酸ベンジル(BB)から成る群(H)より選択される1、2又は3種以上の生産助剤をも含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１３】
(a) 群(B')の1種以上の匂い物質及び群(H)の1種以上の生産助剤
又は
(b) 群(B')の2種以上の匂い物質及び/又は群(H)の2種以上の生産助剤
を含む、請求項11〜12のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１４】
前記製剤が、化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品から成る群より選択される、請求項8〜13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１５】
前記製剤が、洗浄剤、空気清浄剤、織物衛生製品、ボディケア組成物、ヘアケア製品、脱臭剤、制汗剤及び動物の寝わらから成る群より選択される、請求項8〜14のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１】
臭いを軽減するため
又は
臭いを軽減するための補助物質としての、
(i)(a) 下記式(1)の単一アルコール又は
(i)(b) 下記式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか若しくは前記2種以上の異なるアルコールから成る混合物の使用。
【化１】
（式中、各場合2つの基Ra又はRbの一方は水素を表し、かつ各場合Ra又はRbの他方は2〜6個のC原子を有するアシル基を表す。）
【請求項２】
前記臭いが不快臭である、請求項1に記載の使用。
【請求項３】
−選択肢(i)(a)におけるアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基又は
−選択肢(i)(b)における1、2以上又は全てのアルコールの2〜6個のC原子を有するアシル基が、
アセチル、プロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、クロトニル、n-ペンタノイル、イソペンタノイル、n-ヘキサノイル及びイソヘキサノイルから成る群より選択され、好ましくはn-ブチリル、イソブチリル及びクロトニルから成る群より選択される、
請求項1〜2のいずれか1項に記載の使用。
【請求項４】
式(1)の第1のアルコール及び式(1)の第2のアルコールを含むか又は前記第1及び第2のアルコールから成る混合物の使用であって、
前記第1のアルコールの基Raが前記第2のアルコールのRbの意味を有し、
かつ
前記第1のアルコールの基Rbが前記第2のアルコールのRaの意味を有する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項５】
(i)(a) 下記式(1a)若しくは(1b)の単一アルコール、又は
(i)(b) 下記式(1a)のアルコールと下記式(1b)のアルコールとを含むか又は下記式(1a)のアルコールと下記式(1b)のアルコールとから成る混合物の、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【化２】
【請求項６】
前記式(1)の第1のアルコールの、前記式(1)の第2のアルコールに対する質量比が、10:1〜1:10の範囲内、好ましくは5:1〜1:5の範囲内である、請求項5又は6に記載の使用。
【請求項７】
前記2つの化合物の質量比(1a):(1b)が、10:1〜1:10の範囲内、好ましくは5:1〜1:5の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:3の範囲内、最も好ましくは3:2〜1:2の範囲内である、請求項5に記載の使用。
【請求項８】
(i)(a) 請求項1、2、3若しくは5のいずれか1項に記載の式(1)の単一アルコール、又は
(i)(b) 請求項1〜7のいずれか1項で定義したとおりの式(1)の2種以上の異なるアルコールを含むか又は前記(i)(a)若しくは(i)(b)のアルコールから成る混合物
及び
(ii)1種以上、好ましくは2、3、4、5、6、7、8、9又は10種以上の匂い物質であって、式(1)の化合物でない匂い物質
を含むか又は前記混合物と前記匂い物質から成る製剤
（但し、この製剤は3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチルイソブチレートと2,2,4-トリメチルペンタ-3-エン-1-イル-イソブチレートを含む製剤でない）。
【請求項９】
前記製剤が、
(a) 臭いを軽減するための混合物であるか又は
(b) 使用中、個々の構成成分が、式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を発生する混合物であるか又は
(c) 前記群(ii)の1若しくは2種以上の匂い物質が、式(1)のアルコールの存在によって軽減される不快臭を有する混合物である、
請求項8に記載の製剤。
【請求項１０】
前記匂い物質の総質量に対する式(1)の化合物の総質量の比が、10:1〜1:50の範囲内、好ましくは5:1〜1:30の範囲内、さらに好ましくは2:1〜1:20の範囲内、最も好ましくは3:2〜1:10の範囲内である、請求項8又は9に記載の製剤。
【請求項１１】
前記匂い物質の1、2以上又は全てが下記物質：
α-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート、ジヒドロミルセノール、メチルジヒドロジャスモネート、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン、テトラヒドロリナロール、ベンジルアセテート、2-メチル-3-(4-tert-ブチル-フェニル)プロパナール、シナモンアルコール、1-フェニルエチルアセテート、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン、2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタリン、4-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert.-ブチルシクロヘキシルアセテート、α-イオノン、テルピニルアセテート、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、15-ペンタデカ-11-エノリド、15-ペンタデカ-12-エノリド、15-シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノン、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メントール、ユーカリプトール、アネトール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、リナリルアセテート、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)-プロパノール、ローズオキシド、アリルヘプタノエート、4-メチルアセトフェノン、チンベロール、ベンジルアセトン、メチルシンナメート、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、2-メチル-5-フェニルペンタン-1-オール、2-フェニルエタノール、リナロール
から成る群(B')から選択される、請求項8〜10のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１２】
前記製剤が、(iii)ジプロピレングリコール(DPG)、フタル酸ジエチル(DEP)、クエン酸トリエチル(TEC)、ミリスチン酸イソプロピル(IPM)及び安息香酸ベンジル(BB)から成る群(H)より選択される1、2又は3種以上の生産助剤をも含む、請求項8〜11のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１３】
(a) 群(B')の1種以上の匂い物質及び群(H)の1種以上の生産助剤
又は
(b) 群(B')の2種以上の匂い物質及び/又は群(H)の2種以上の生産助剤
を含む、請求項11〜12のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１４】
前記製剤が、化粧品、ボディケア製品、家庭用品及び洗浄製品から成る群より選択される、請求項8〜13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項１５】
前記製剤が、洗浄剤、空気清浄剤、織物衛生製品、ボディケア組成物、ヘアケア製品、脱臭剤、制汗剤及び動物の寝わらから成る群より選択される、請求項8〜14のいずれか1項に記載の製剤。
【公開番号】特開２００９−２２７６７８（Ｐ２００９−２２７６７８Ａ）
【公開日】平成２１年１０月８日（２００９．１０．８）
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願２００９−９７４３２（Ｐ２００９−９７４３２）
【出願日】平成２１年３月１９日（２００９．３．１９）
【出願人】（５０３２３６２２３）シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年１０月８日（２００９．１０．８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−９７４３２（Ｐ２００９−９７４３２）
【出願日】平成２１年３月１９日（２００９．３．１９）
【出願人】（５０３２３６２２３）シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Ｆターム（参考）】
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