説明

船内情報配信システム

【課題】船内警報・監視システム(検知器を含む)を他の装置から電気的に独立したシステムとしつつ、警報の内容を所望の乗員に伝達可能な船内情報配信システムを提供する。
【解決手段】情報配信システムは、情報配信装置2と、絶縁部12とを具備する。情報配信装置2は、船内の警報システム3が発信する警報信号に基づいて、警報信号に関する警報情報を生成し、警報情報に対応して予め設定された情報端末7に、警報情報を出力する。絶縁部12は、警報信号の送信用に警報システム3の内部から情報配信装置2の内部へ連なる第1配線の途中に設けられ、第1配線を電気的に絶縁し、信号を伝達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船内情報配信システムに関し、特に船舶内の乗員に情報を配信する船内情報配信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
船舶内に設けられた船内警報システムが知られている。船内警報システムは、船内に設けられた検知器で異常を検知して警報を発報する。従来の船内警報システムは、異常が検知された場合、乗員の所在に関わらず、船内の特定の場所に設置された、船内警報システムに属する機器に警報を通知する。従って、船内警報システムでしか警報を確認できず、乗員に直接警報を通知することができない。特定の乗員個人へ直接警報を連絡する手段も無い。また、音声やベルによる警報を用いると、いたずらに乗員全員へ知らせることになり、作業効率の悪化に繋がる。加えて、ベルだけの警報では、どの場所にどのような異常があるのかを判断することはできない。
【0003】
乗員に直接警報を通知する技術として特開2005−332247号公報に警報通知システムが提案されている。この警報通知システムでは、警報通知装置5が、船舶内に配置された異常を検知する検知器1からの検知信号を受信し、船舶内の作業者の保持する携帯端末4に無線通信装置2を介して警報を通知する。そのとき、警報通知装置5は、無線通信装置2により各携帯端末4の位置を把握し、異常の発生した区画内の携帯端4末を警報の通知先として選択する。
【0004】
【特許文献1】特開2005−332247号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、船舶やその搭載機器は、国際条約および船級規則に準拠している。ここで、船級規則は、海上における人命、財産及び環境を守るため、船舶やその搭載装置が遵守しなければならない規則である。すなわち、船舶やその搭載装置の設計、製作、運航稼動において満足すべき規則である。従って、船舶やその搭載機器の建造に際しては、適用する船級規則への適合を図る必要がある。
【0006】
上記船級規則では、火災警報装置や機関監視装置に代表される制御システム、警報システム及び安全システム(以下、船内警報・監視システムという)は可能な範囲において互いに独立したものとすることが要求されている。つまり、船内警報・監視システムは、できる限り1つの故障が他の故障へと拡大しないように、また、その機能が損なわれる範囲を最小限にとどめるように設計されなければならない。すなわち、この船内警報・監視システムに、他の装置を接続する場合、その追加の装置から船内警報・監視システムに異常信号が侵入して、船内警報・監視システムが誤作動したり、異常停止したり、故障したりすることを防止するような設計が要求されている。
【0007】
ところが、特開2005−332247号公報の警報通知システムは、検知器1、警報通報装置5、及び無線通信装置2が一体となっている。すなわち、警報システム(検知器1)と、情報配信システム(警報通報装置5及び無線通信装置2)とが電気的に各システムが混合されたシステムになっている。この場合、例えば、無線通信装置2から発生したノイズなどの不要信号は、警報通報装置5を経由して容易に検知器1へ伝播できることから、検知器1で誤作動や故障を引き起こす危険性がある。従って、このような警報通知システムを船舶に搭載しようとすれば、通常の船内警報・監視システムとは、全く別に独立して、この警報通知システム全てを設ける必要がある。そうなると、複数の検知器1を更に一組余計に設ける必要があり、非常に高いコストになり、搭載は困難である。船内警報・監視システム(検知器を含む)を他の装置から電気的に独立したシステムとしつつ、警報の内容を所望の乗員に低コストで伝達可能な技術が望まれる。
【0008】
本発明の目的は、船内警報・監視システムを他の装置から電気的に独立したシステムとしつつ、警報の内容を所望の乗員に伝達可能な船内情報配信システムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、船内警報・監視システムを他の装置から電気的に独立したシステムとしつつ、低コストで警報の詳細な内容を乗員に伝達可能な船内情報配信システムを提供することにある。
【0009】
この発明のこれらの目的とそれ以外の目的と利益とは以下の説明と添付図面とによって容易に確認することができる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
【0011】
本発明の情報配信システムは、情報配信装置(2)と、絶縁部(12)とを具備する。情報配信装置(2)は、船内の警報システム(3)が発信する警報信号に基づいて、警報信号に関する警報情報を生成し、警報情報に対応して予め設定された情報端末(7)に、警報情報を出力する。絶縁部(12)は、警報信号の送信用に警報システム(3)の内部から情報配信装置(2)の内部へ連なる第1配線(51)の途中に設けられ、第1配線(51)を電気的に絶縁し、信号を伝達する。
【0012】
本発明では、警報システム(3)の内部から情報配信装置(2)の内部へ連なる第1配線(51)が電気的に絶縁されながら、信号を伝達する。そのため、警報システム(3)に対して異常信号などの電気的な悪影響を与えることなく、情報配信装置(2)は警報システム(3)から警報信号を得て、所定の情報端末(7)へ配信することが出来る。すなわち、電気的な絶縁を確保しつつ信号の伝達を行うことで、船内警報・監視システムを他の装置から電気的に独立させつつ、警報の内容を所望の乗員に伝達することが可能となる。なお、絶縁部(12)は、情報配信装置(2)の内部に設けても外部に設けても良い。外部としては、例えば、警報システム(3)と情報配信装置(2)との間や、警報システム(3)の内部であっても良い。
【0013】
上記の情報配信システムにおいて、絶縁部(12)は、光学的に信号を伝達する素子としてフォトカプラを含むことが好ましい。
本発明では、フォトカプラを用いることで、配線を適切に電気的に絶縁し且つ光学的に接続することができる。ここでフォトカプラは、入力された電気信号を光に変換し、その光で受光素子を導通させることにより信号を伝達するような素子一般であり、少なくとも入力側の発光素子と、出力側の受光素子とを備えていれば良い。
【0014】
上記の情報配信システムにおいて、情報配信装置(2)は、警報信号の種類と配信先の情報と情報端末(7)の情報とを関連付けた第1配信先情報(41、42)を有することが好ましい。警報システム(3)が発信する警報信号に基づいて、第1配信先情報(41、42)を参照して、配信先を決定し、配信先に対応する情報端末(7)に警報情報を出力することが好ましい。
本発明では、予め設定された第1配信先情報(41、42)を用いているので、高速かつ適切に配信先を決定でき、対応する情報端末(7)に警報情報を送信することができる。
【0015】
上記の情報配信システムにおいて、絶縁部(12)は、情報配信装置(2)の筐体の内部に設けられていることが好ましい。
本発明では、絶縁部(12)は情報配信装置(2)の筐体の内部に設けているので、情報配信システムをコンパクトに構成することができる。
【0016】
上記の情報配信システムにおいて、警報信号の種類は、火災警報信号、浸水警報信号、及び機関警報信号の少なくとも一つを含むことが好ましい。
本発明では、火災警報信号、浸水警報信号、及び機関警報信号のような重要な警報を、所望の乗員に情報端末(7)を介して確実に通知することができる。
【0017】
上記の情報配信システムにおいて、情報配信装置(2)は、船内の監視システム(4)が発信する監視信号に基づいて、監視信号に関する監視情報を生成し、監視情報に対応して予め設定された情報端末(7)に、監視情報を出力することが好ましい。絶縁部(12)は、監視信号の送信用に監視システム(4)の内部から情報配信装置(2)の内部へ連なる第2配線の途中に設けられ、第2配線(52)を電気的に絶縁し、信号を伝達することが好ましい。
本発明では、監視システム(4)の内部から情報配信装置(2)の内部へ連なる第2配線(52)が電気的に絶縁されながら、信号を伝達する。そのため、監視システム(4)に対して異常信号などの電気的な悪影響を与えることなく、情報配信装置(2)は監視システム(4)から監視信号を得て、所定の情報端末(7)へ配信することが出来る。すなわち、電気的な絶縁を確保しつつ信号の伝達を行うことで、船内警報・監視システムを他の装置から電気的に独立させつつ、監視の内容を所望の乗員に伝達することが可能となる。なお、絶縁部(12)は、情報配信装置(2)の内部に設けても外部に設けても良い。外部としては、例えば、監視システム(4)と情報配信装置(2)との間や、監視システム(4)の内部であっても良い。また、警報システム(2)用の絶縁部(12)と別に設けても良い。
【0018】
上記の情報配信システムにおいて、情報配信装置(2)は、監視信号の種類と出力条件と配信先の情報と情報端末(7)の情報とを関連付けた第2配信先情報(41、42)を有することが好ましい。監視システム(4)が発信する監視信号に基づいて、第2配信先情報(41、42)を参照して、出力するか否か及び配信先を決定し、出力する場合、配信先に対応する情報端末(7)に監視情報を出力することが好ましい。
本発明では、予め設定された第2配信先情報(41、42)を用いているので、高速かつ適切に配信先を決定でき、対応する情報端末(7)に監視情報を送信することができる。
【0019】
上記の情報配信システムにおいて、監視信号の種類は、機関監視信号を含むことが好ましい。
本発明では、機関監視信号のような重要な警報を、所望の乗員に情報端末(7)を介して確実に通知することができる。
【0020】
上記の情報配信システムにおいて、配信先の情報は、配信先としての乗員の業務に関する情報を含むことが好ましい。
本発明では、配信先としての乗員の業務に関する情報、例えば役職や勤務状態などに応じて配信先を決定するので、警報情報や監視情報をより適切な乗員に配信することができる。
【0021】
上記の情報配信システムにおいて、配信先の情報は、時刻に関する情報を更に含むことが好ましい。
本発明では、乗員の職務に関する情報に加えて、時刻(例示:世界標準時間、船内ローカルタイム(現地時間))に関する情報に応じて配信先を決定するので、警報情報や監視情報を更により適切な乗員に配信することができる。
【0022】
上記の情報配信システムにおいて、配信先の情報は、乗員の位置に関する情報を更に含むことが好ましい。
本発明では、乗員の職務に関する情報に加えて、乗員の位置に関する情報に応じて配信先を決定するので、警報情報や監視情報を更により適切な乗員に配信することができる。
【0023】
上記の情報配信システムにおいて、情報配信装置(2)は、第1配線(51)の途中に設けられ、受信専用である入力部(11)を備えることが好ましい。
それにより、監視システム(4)に対して異常信号などの電気的な悪影響をより与え難くすることが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明により、船級規則における船内警報・監視システムの要件を踏まえつつ、警報の内容を所望の乗員に伝達することが可能となる。また、船級規則における船内警報・監視システムの要件を踏まえつつ、低コストで警報の詳細な内容を乗員に伝達することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の船内情報配信システムの実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
まず、本発明の第1の実施の形態に係る船内情報配信システムの構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る船内情報配信システムの構成を示すブロック図である。この船内情報配信システム9は、情報配信装置2と絶縁部12とを具備している。本実施の形態では、絶縁部12が情報配信装置2の内部に設けられている場合を例として説明する。ただし、本発明は、この例に限定されるものではなく、情報配信装置2の外部、例えば、後述される警報システム3や監視システム4と情報配信装置2との間や、警報システム3や監視システム4の内部であっても良い。
【0027】
船内情報配信システム9は、コンピュータに例示される情報処理装置である。船内情報配信システム9は、警報システム3、監視システム4、無線制御装置5と接続されている。船内情報配信システム9は、警報システム3からの警報信号(検知器21で検知された異常を示す)や監視システム4からの監視信号(検知器31の計測値(読取値)を示す)をそれぞれ受信する。そして、警報信号に関する警報情報や監視信号に関する監視情報としてそれぞれ無線制御装置5(及び複数の基地局6)を介して複数の無線端末7へ通報(配信)する。情報配信装置2は、入力部11と、絶縁部12と、信号判定部13と、信号処理部14と、記憶部15と、宛先判定部16と、信号レベル判定部17と、出力部18とを具備している。
【0028】
入力部11(11−1、11−2、11−3、・・・)は、入力インターフェースであり、外部からの信号を受信する。たとえば、船内の警報システム3や監視システム4の信号形態に対応したインターフェイス(ポート)を設ける(例示:RS232C、RS422/485、接点信号)。入力部11は信号を出力する機能を有さず、受信専用として設けられている。例えば、入力部11−1は、警報システム3からの通信回線51aに接続され、警報システム3から一方通行に警報信号を受信する。入力部11−2は、監視システム4からの通信回線52aに接続され、監視システム4から一方通行に監視信号を受信する。航法受信装置8からの通信回線53aに接続され、航法受信装置8から一方通行に時刻信号を受信する。このような受信専用(answer only)の入力インターフェースを設けることにより、船内の警報システム3や監視システム4に対して誤動作による信号出力がなされるおそれが無く、両システムへ悪影響を及ぼさず好ましい。
【0029】
絶縁部12は、外部の信号(例示:警報信号、監視信号、時刻信号)の送信用に外部のシステム(例示:警報システム3、監視システム4、航法受信装置8)の内部から情報配信装置2の内部へ連なる配線(例示:通信回線51a+51b、52a+52b、53a+53b)の途中に設けられている。絶縁部12は、その配線(例示:通信回線51a+51b、52a+52b、53a+53b)を電気的に絶縁し、信号を伝達する。そして、その配線及び入力部11を介して受信された外部の信号(例示:警報信号、監視信号、時刻信号)を信号判定部13へ出力する。配線が複数ある場合には、絶縁部12も配線毎に設けられていることが好ましい。より確実に電気的に絶縁し、信号を伝達することができる。
【0030】
絶縁部12は、配線を電気的に絶縁し、信号を伝達する素子として、光学的に信号を伝達する素子であるフォトカプラを含む。フォトカプラは、例えば、入力側に発光ダイオード(実質的に発信専用の素子)、出力側にフォトトランジスタ(実質的に受信専用の素子)を含み、電気信号を一度光信号に変換し、その光信号を再び電気信号に変換する。そのため、出力側に電気的な雑音や異常電流・電圧などが発生しても、入力側に電気的に悪影響を及ぼすことが無い。すなわち、フォトカプラを用いることで、配線を適切に電気的に絶縁し且つ光学的に接続することができる。
【0031】
フォトカプラのような光学的方法は、入力側に電気的影響をまったく与えないと考えることができ、また素子単価や寸法などを考慮すると、絶縁部12として非常に好ましい。ただし、フォトカプラのような光学的方法の他にも、入力側に電気的に悪影響を及ぼさなければ、例えば、絶縁部12としてフェライトによる磁気的方法や絶縁トランスによる電磁誘導を用いた方法も用いることができる。例えば、絶縁部12の入力側に磁気的方法や電磁誘導を用いた方法による発信専用素子を用い、絶縁部12の出力側に同方法による受信専用素子を用いる。
【0032】
このように、絶縁部12を設けることにより、情報配信装置2は、警報システム3や監視システム4などに対して、通信回線51(51a+51b)、52(52a+52b)を介して異常信号などの電気的な悪影響を与えることを防止することができる。それにより、船内の警報システム3や監視システム4などを他の装置から電気的に独立させることが可能となる。
【0033】
信号判定部13は、絶縁部12を介して入力された信号(例示:警報信号、監視信号)に基づいて、例えば、その信号の通信プロトコルを解析することにより、その入力された信号の種類を判定する。通信プロトコルを解析は、既存の方法を用いることができる。そして、判明した信号の種類を、当該信号と共に信号処理部14へ出力する。
【0034】
信号処理部14は、信号判定部13から入力された信号の種類及び信号に基づいて、所定の処理を行う。例えば、信号が警報信号の場合、警報信号に関する警報情報を生成し、宛先判定部16が決定した宛先(配信先)の情報と共に、その警報情報を出力する。また、信号が監視信号の場合、信号レベル判定部17による信号レベルの判定に基づいて、監視信号に関する監視情報を生成し、宛先判定部16が決定した宛先(配信先)の情報と共に、その監視情報を出力する。
【0035】
宛先判定部16は、信号処理部14からの信号の種類や信号、信号レベル判定部17による信号レベルの判定結果に基づいて、記憶部15に記憶された配信先情報テーブル41、42を参照して、警報情報や監視情報の配信先を判定する。信号レベル判定部17は、信号処理部14からの信号の種類や信号に基づいて、その信号のレベルを判定する。記憶部15は、信号判定部13、信号処理部14、宛先判定部16、信号レベル判定部17において用いられる情報やプログラムや情報処理結果を格納している。
【0036】
出力部18は、出力インターフェースであり、信号処理部18から出力された警報情報又は監視情報、及び宛先(配信先)情報を無線制御装置5へ出力する。無線制御装置5は、例えばメールサーバの機能及び交換局としての機能を有し、宛先情報に基づいて、警報情報又は監視情報を、基地局6(6−1、6−2、6−3、・・・)を介して宛先情報で示される無線端末7(7−1、7−2、7−3、・・・)へメール形式で送信する。無線端末7は、携帯電話やPHSのような携帯機器である。無線端末7の使用者は、そのメールを無線端末7で受信し、その警報情報や監視情報に対してしかるべき処理を行う。
【0037】
警報システム3は、船内の異常(例示:火災、浸水)を検知して、船内に向け警報を発報する。警報システム3は、絶縁部12の機能により、情報配信装置2やその他の装置と電気的に絶縁され、情報配信装置2やその他の装置から独立している。ただし、警報に関する情報を、通信回線51a、51b及び絶縁部12を介して情報配信装置2へ一方通行的に送信している。警報システム3は、複数の検知器21−1、21−2、・・・と、警報装置22を備える。なお、警報システムは、船級規則において可能な範囲において互いに独立したものとすることが要求されているもので異常に対し警報を発信するものであれば、上記例示した異常に対応するものに限定されるものではない。
【0038】
複数の検知器21−1、21−2、・・・は、それぞれ船内の所定の場所に配置され、当該場所付近に発生する異常(例示:火災、浸水)を検知する。そして、異常を検知したら異常検知信号を警報装置22へ出力する。警報装置22は、複数の検知器21のいずれかからの異常検知信号を受信した場合、その検知器21の配置された場所を異常発生場所として特定する。そして、異常発生場所や異常発生時刻を示す異常発生信号を含む警報信号を情報処理装置2へ通信回線51を介して出力する。
【0039】
監視システム4は、船内の機器等(例示:主機)の状態を監視して、通常は所定の場所にその状態を表示し、異常の場合には警報を発報する。警報を発するという点では、一種の警報システムとみることもできる。監視システム4は、絶縁部12の機能により、情報配信装置2やその他の装置と電気的に絶縁され、情報配信装置2やその他の装置から独立している。ただし、監視に関する情報を、通信回線52a、52b及び絶縁部12を介して情報配信装置2へ一方通行的に送信している。監視システム4は、複数の検知器31−1、31−2、・・・と、監視装置32を備える。
【0040】
複数の検知器31−1、31−2、・・・は、それぞれ船内の所定の機器(例示:主機)に配置され、当該機器の動作状況(例示:エンジン回転数、エンジン圧力)を監視する。そして、定期的にその動作状況を示す監視信号を監視装置32へ出力する。監視装置32は、複数の検知器31からの監視信号を受信し、通常は所定の場所にその状態を表示する。その監視信号に示される動作状態が、上下限値を超えるなど異常の場合には警報を発報する。そして、監視内容(計測値名、計測値)や計測時刻を示す監視内容信号を含む監視信号を情報処理装置2へ通信回線52を介して出力する。
【0041】
航法受信装置8は、船舶に搭載されるGPS(Global Positioning System)装置である。航法受信装置8は、世界標準時間(UTC:Coordinated Universal Time)を受信して、情報処理装置2へ通信回線51を介して出力する。それにより、情報配信装置2内において、世界標準時間を用いて情報の管理を行うことができる。それにより、時系列ファイルの取扱を、より容易にすることができる。例えば、後述される配信先情報テーブルの時間(例示:時間帯45−4)に関する情報を世界標準時にすることで、情報配信する上で、当直者だけなど時間を利用した情報配信をすることができる。いたずらに船員全員へ配信するのではなく、当直者など作業に従事している船員へのみ情報配信が可能となる。ただし、各警報システム3・監視システム4には通常ローカルな内部時計が備えられているので、それを用いても良いし、両方用いても良い。例えば、ローカルな内部時計を用いる場合には、出力部18からは、警報システム3・監視システム4の内部時計によるローカルな日時を含む出力情報となる。
【0042】
なお、世界標準時間及び船内ローカルタイムを出力する装置は、上記各装置に限定されるものではない。世界標準時間及び船内ローカルタイムを出力する装置としては、舶用親時計(MASTER CLOCK)が例示される。
【0043】
本発明では、警報システム3や監視システム4の内部から情報配信装置2の内部へ連なる配線(通信回線51、52)が電気的に絶縁され、光学的に接続されている。そのため、警報システム3や監視システム4に対して異常信号などの電気的な悪影響を与えることなく、情報配信装置2は警報システム3や監視システム4から警報信号や監視信号を得て、所定の情報端末7へ配信することが出来る。すなわち、電気的な絶縁を確保しつつ信号の伝達を行うことで、船内の警報システム3や監視システム4を他の装置から独立させつつ、警報や監視の内容を所望の乗員に伝達することが可能となる。
【0044】
図2及び図3は、本発明の第1の実施の形態に係る船内情報配信システムの配信先情報テーブルの一例を示す表である。これらの配信先情報テーブル41、42は、記憶部15に予め記憶され、宛先判定部16及び信号レベル判定部17により参照される。
【0045】
図2に示されるように、配信先情報テーブル41は、宛先(配信先)を決定するための条件を示し、種類44、配信対象者条件45、出力条件46を含む。種類44は、情報配信装置2に入力された信号の種類(警報信号44−1a(火災警報信号44−2a、浸水警報信号、…)、監視信号44−1b(主機監視信号44−2b、…)、…)を示している。配信対象者条件45は、各信号の種類に対応して選択される配信先対象者の条件(役職(職務など)、勤務状態(常勤/当直/休日など)、場所(対象者の船内位置、目的場所への距離(近さ))、時間帯(配信対象となる時間帯、世界標準時間でも良い)、…)を示している。出力条件46は、信号の種類に対応して配信対象者へ即時配信するのか、所定の周期で定期的に配信するのか、所定の基準値を超えた場合に出力するのかを示している。
【0046】
図3に示されるように、配信先情報テーブル42は、現在の乗員に関する情報を示し、乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2、役職(職務)48−3、勤務状態48−4、場所48−5、…を含む。乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2、役職48−3は、例えば、乗員を管理する情報処理装置又はデータベース(図示されず)から情報を予め取得することができる。勤務状態48−4は、例えば、乗員の勤務を管理する情報処理装置又はデータベース(図示されず)から情報を随時取得して更新することができる。場所48−5は、例えば、以下のようにする。すなわち、交換局としても機能する無線制御装置5は、基地局6−1、6−2、6−3、…から各基地局6がカバーエリアに含む無線端末7を適宜取得している。従って、カバーエリアを担当する基地局6の位置を、そのカバーエリアに含まれる無線端末7の位置とし、その無線端末7の位置を、その無線端末7に対応する乗員の位置として随時更新する。各基地局6がカバーエリアに含む無線端末7は、無線制御装置5から随時取得し更新することができる。
【0047】
次に、本発明の第1の実施の形態に係る船内情報配信システムの動作について説明する。図4は、本発明の第1の実施の形態に係る船内情報配信システムの動作を示すフロー図である。
【0048】
情報配信装置2の絶縁部12は、入力部11を介して警報信号(警報システム3より)又は監視信号(監視システム4)のいずれかとしての通報信号を受信する。警報システム3の内部から情報配信装置2の内部へ連なる配線や、監視システム4の内部から情報配信装置2の内部へ連なる配線は、いずれも電気的に絶縁され、信号を伝達する。そのため、その通報信号は、電気的に絶縁されながら信号伝達され、絶縁部12から出力される。例えば、その通報信号は、フォトカプラにより、一度光信号に変換された後、再び電気信号となり、絶縁部12から出力される。これにより、警報システム3や監視システム4に対して電気的な悪影響を与えることなく、情報配信装置2はその通報信号を得ることができる。信号判定部13は、その通報信号を受信する(ステップS01)
【0049】
信号判定部13は、受信した通報信号が、警報信号か否かを判定する(ステップS02)。例えば、信号判定部13は、通信プロトコルを解析し、信号の種類(警報信号/監視信号)を判定する。そして、判明した信号の種類とその通報信号とを信号処理部14へ出力する。
【0050】
信号処理部14は、その通報信号が警報信号の場合(ステップS02:Yes)、警報信号を解析して、警報信号に関する警報情報を生成する(ステップS03)。警報情報は、例えば、警報内容(例示:火災警報、浸水警報)、発生時刻、発生場所などを含む。そして、警報信号に対応した電文を記憶部15から抽出し、上記の警報情報を付与して警報用の電子メールを作成する。
【0051】
宛先判定部16は、警報情報の内容に基づいて、記憶部15の配信先情報テーブル41、42を参照して、警報情報の配信先を決定する。例えば、まず、配信先情報テーブル41を参照して、警報情報の警報内容と一致する種類44を判定し、その種類44及び発生時刻、発生場所に対応する配信対象者条件45を抽出する。そして、配信先情報テーブル42を参照して、抽出された配信対象者条件45に適合する少なくとも一人の乗員(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を配信先として抽出する。以上のようにして決定した配信先の情報(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を信号処理部14へ出力する。
信号処理部14は、宛先判定部16からの配信先の情報に基づいて、ステップS03で生成された警報用の電子メールに乗員ID48−1を付与し、宛先を無線端末アドレス48−2と設定する。そして、出力条件46にある即時出力に対応して、警報用の電子メールを出力部18経由で出力する(ステップS04)。警報用の電子メールの内容は、記憶部15に格納される。
【0052】
信号処理部14は、その通報信号が警報信号でない(監視信号である)場合(ステップS02:No)、監視信号を解析して、監視信号に関する監視情報を生成する(ステップS05)。監視情報は、例えば、監視内容(例示:主機のエンジン回転数、エンジン圧力)、計測時刻などを含む。そして、監視信号に対応した電文を記憶部15から抽出し、上記の監視情報を付与して監視用の電子メールを作成する。
【0053】
宛先判定部16は、監視情報の内容に基づいて、記憶部15の配信先情報テーブル41、42を参照して、監視情報の配信先を決定する。例えば、まず、配信先情報テーブル41を参照して、監視情報の監視内容と一致する種類44を判定し、その種類44及び計測値、計測時刻に対応する配信対象者条件45を抽出する。そして、配信先情報テーブル42を参照して、抽出された配信対象者条件45に適合する少なくとも一人の乗員(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を配信先として抽出する。以上のようにして決定した配信先の情報(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を信号処理部14へ出力する。
信号処理部14は、宛先判定部16からの配信先の情報に基づいて、ステップS03で生成された監視用の電子メールに乗員ID48−1を付与し、宛先を無線端末アドレス48−2と設定する。そして、出力条件46にある定期出力に対応して、監視用の電子メールを出力部18経由で出力する(ステップS06)。監視用の電子メールの内容は記憶部15に格納される。
【0054】
以上のようにして、本実施の形態の船内情報配信システムが動作する。
【0055】
ただし、監視システム4は、監視信号に基づく監視情報を定期的に出力することが好ましい。緊急事態が発生する前に、異常の発生、又は異常の発生のおそれを早期に発見でき、適切に対応することが可能だからである。また、監視システム4に関しては、船級規則に抵触しない範囲で、検知器31からの監視信号を直接、情報配信装置2へ入力してもよい。
【0056】
本発明では、火災警報システムのような船内の警報システム(、監視システム)の内部から情報配信装置の内部へ連なる配線が電気的に絶縁され、信号を伝達する。そのため、警報システム(、監視システム)に対して異常信号などの電気的な悪影響を及ぼすことなく、情報配信装置は警報システム(、監視システム)から信号を得て、所定の情報端末へ安全に配信することが出来る。すなわち、電気的な絶縁を確保しつつ信号の伝達を行うことで、船内警報・監視システムを他の装置から独立させつつ、信号の内容を所望の乗員に安全に伝達することが可能となる。また、いたずらに船員全員へ情報配信するのではなく、警報信号や監視信号の種類に応じて情報配信する無線端末を選択することができる。
【0057】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る船内情報配信システムについて説明する。本実施の形態では、船内情報配信システムの構成は第1の実施の形態と同様である(図1〜図3)が、船内情報配信システムの動作が、第1の実施の形態とは異なる。従って、本発明の第2の実施の形態に係る船内情報配信システムの構成(図1〜図3)の説明は省略する。
【0058】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る船内情報配信システムの動作について説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態に係る船内情報配信システムの動作を示すフロー図である。
【0059】
情報配信装置2の絶縁部12は、入力部11を介して警報信号(警報システム3より)又は監視信号(監視システム4)のいずれかとしての通報信号を受信する。警報システム3の内部から情報配信装置2の内部へ連なる配線や、監視システム4の内部から情報配信装置2の内部へ連なる配線は、いずれも電気的に絶縁され、信号を伝達する。そのため、その通報信号は、電気的に絶縁されながら信号伝達され、絶縁部12から出力される。例えば、その通報信号は、フォトカプラにより、一度光信号に変換された後、再び電気信号となり、絶縁部12から出力される。これにより、警報システム3や監視システム4に対して電気的な悪影響を与えることなく、情報配信装置2はその通報信号を得ることができる。信号判定部13は、その通報信号を受信する(ステップS11)
【0060】
信号判定部13は、受信した通報信号が、警報信号か否かを判定する(ステップS12)。例えば、信号判定部13は、通信プロトコルを解析し、信号の種類(警報信号/監視信号)を判定する。そして、判明した信号の種類とその通報信号とを信号処理部14へ出力する。
【0061】
信号処理部14は、その通報信号が警報信号の場合(ステップS12:Yes)、警報信号を解析して、警報信号に関する警報情報を生成する(ステップS13)。警報情報は、例えば、警報内容(例示:火災警報、浸水警報)、発生時刻、発生場所などを含む。そして、警報信号に対応した電文を記憶部15から抽出し、上記の警報情報を付与して警報用の電子メールを作成する。
また、ステップS15がYesの場合、監視信号を解析して、監視信号に関する監視情報を生成する(ステップS13)。監視情報は、例えば、監視内容(例示:主機における所定値(上限値/下限値)を超えたエンジン回転数やエンジン圧力)、計測時刻などを含む。そして、監視信号に対応した電文を記憶部15から抽出し、上記の監視情報を付与して、ステップS16とは異なる警報用の電子メールを作成する。
【0062】
宛先判定部16は、警報情報/監視情報(ステップS15:Yesの場合、以下同じ)の内容に基づいて、記憶部15の配信先情報テーブル41、42を参照して、警報情報/監視情報の配信先を決定する。例えば、まず、配信先情報テーブル41を参照して、警報情報/監視情報の警報内容/監視内容と一致する種類44を判定し、その種類44及び発生時刻、発生場所/計測値、計測時刻に対応する配信対象者条件45を抽出する。そして、配信先情報テーブル42を参照して、抽出された配信対象者条件45に適合する少なくとも一人の乗員(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を配信先として抽出する。以上のようにして決定した配信先の情報(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を信号処理部14へ出力する。
信号処理部14は、宛先判定部16からの配信先の情報に基づいて、ステップS13で生成された警報用の電子メールに乗員ID48−1を付与し、宛先を無線端末アドレス48−2と設定する。そして、出力条件46にある即時出力に対応して、警報用の電子メールを出力部18経由で出力する(ステップS14)。
【0063】
信号処理部14は、その通報信号が警報信号でない(監視信号である)場合(ステップS12:No)、監視信号を解析して、監視信号に含まれる監視内容(例示:主機のエンジン回転数、エンジン圧力)の値が、記憶部15に格納された予め設定された所定値(上限値/下限値)を越えているか否かを判定する(ステップS15)。所定値(上限値/下限値)を越えている場合(ステップS15:Yes)、ステップS13へ処理を移す。所定値(上限値/下限値)を越えていない場合(ステップS15:No)、監視信号を解析して、監視信号に関する監視情報を生成する(ステップS16)。監視情報は、例えば、監視内容(例示:主機のエンジン回転数、エンジン圧力)、計測時刻などを含む。そして、監視信号に対応した電文を記憶部15から抽出し、上記の監視情報を付与して監視用の電子メールを作成する。
【0064】
宛先判定部16は、監視情報の内容に基づいて、記憶部15の配信先情報テーブル41、42を参照して、監視情報の配信先を決定する。例えば、まず、配信先情報テーブル41を参照して、監視情報の監視内容と一致する種類44を判定し、その種類44及び計測値、計測時刻に対応する配信対象者条件45を抽出する。そして、配信先情報テーブル42を参照して、抽出された配信対象者条件45に適合する少なくとも一人の乗員(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を配信先として抽出する。以上のようにして決定した配信先の情報(乗員ID48−1、無線端末アドレス48−2)を信号処理部14へ出力する。
信号処理部14は、宛先判定部16からの配信先の情報に基づいて、ステップS03で生成された監視用の電子メールに乗員ID48−1を付与し、宛先を無線端末アドレス48−2と設定する。そして、出力条件46にある定期出力に対応して、監視用の電子メールを出力部18経由で出力する(ステップS17)。
【0065】
以上のようにして、本発明の船内情報配信システムが動作する。
【0066】
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることが出来る。
更に、本実施の形態では、所定値(上限値/下限値)を複数の段階に設定しておくことで、警報レベルに達していなくとも、船舶の運航上、問題と判断できる段階で警報情報を所望の乗員に配信することができる。それにより、装置の異常発生を予防することができ、初期活動精度を向上させることができる。
【0067】
本発明は上記各実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る船内情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る船内情報配信システムの配信先情報テーブルの一例を示す表である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態に係る船内情報配信システムの配信先情報テーブルの一例を示す表である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態に係る船内情報配信システムの動作を示すフロー図である。
【図5】図5は、本発明の第2の実施の形態に係る船内情報配信システムの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0069】
2 情報配信装置
3 警報システム
4 監視システム
5 無線制御装置
6、6−1、6−2、6−3 基地局
7、7−1、7−2、7−3 無線端末
8 航法受信装置
9 船内情報配信システム
11 入力部
12 絶縁部
13 信号判定部
14 信号処理部
15 記憶部
16 宛先判定部
17 信号レベル判定部
18 出力部
21、21−1、21−2、21−3 検知器
22 警報装置
31、31−1、31−2、31−3 検知器
32 監視装置
41、42 配信先情報テーブル
51、51a、51b、52、52a、52b、53、53a、53b 通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
船内の警報システムが発信する警報信号に基づいて、前記警報信号に関する警報情報を生成し、前記警報情報に対応して予め設定された情報端末に、前記警報情報を出力する情報配信装置と、
前記警報信号の送信用に前記警報システムの内部から前記情報配信装置の内部へ連なる第1配線の途中に設けられ、前記第1配線を電気的に絶縁し、信号を伝達する絶縁部と
を具備する
情報配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報配信システムにおいて、
前記絶縁部は、光学的に信号を伝達する素子としてフォトカプラを含む
情報配信システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、
前記警報信号の種類と配信先の情報と情報端末の情報とを関連付けた第1配信先情報を有し、
前記警報システムが発信する前記警報信号に基づいて、前記第1配信先情報を参照して、前記配信先を決定し、前記配信先に対応する情報端末に前記警報情報を出力する
情報配信システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報配信システムにおいて、
前記絶縁部は、前記情報配信装置の筐体の内部に設けられている
情報配信システム。
【請求項5】
請求項3に記載の情報配信システムにおいて、
前記警報信号の種類は、火災警報信号、浸水警報信号、及び機関警報信号の少なくとも一つを含む
情報配信システム。
【請求項6】
請求項3又は5に記載の情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、前記船内の監視システムが発信する監視信号に基づいて、前記監視信号に関する監視情報を生成し、前記監視情報に対応して予め設定された情報端末に、前記監視情報を出力し、
前記絶縁部は、前記監視信号の送信用に前記監視システムの内部から前記情報配信装置の内部へ連なる第2配線の途中に設けられ、前記第2配線を電気的に絶縁し、信号を伝達する
情報配信システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、
前記監視信号の種類と出力条件と配信先の情報と情報端末の情報とを関連付けた第2配信先情報を有し、
前記監視システムが発信する前記監視信号に基づいて、前記第2配信先情報を参照して、出力するか否か及び前記配信先を決定し、出力する場合、前記配信先に対応する情報端末に前記監視情報を出力する
情報配信システム。
【請求項8】
請求項6に記載の情報配信システムにおいて、
前記監視信号の種類は、機関監視信号を含む
情報配信システム。
【請求項9】
請求項3又は7に記載の情報配信システムにおいて、
前記配信先の情報は、配信先としての乗員の業務に関する情報を含む
情報配信システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報配信システムにおいて、
前記配信先の情報は、時刻に関する情報を更に含む
情報配信システム。
【請求項11】
請求項9又は10に記載の情報配信システムにおいて、
前記配信先の情報は、前記乗員の位置に関する情報を更に含む
情報配信システム。
【請求項12】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報配信システムにおいて、
前記情報配信装置は、前記第1配線の途中に設けられ、受信専用である入力部を備える
情報配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−111348(P2010−111348A)
【公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−287644(P2008−287644)
【出願日】平成20年11月10日(2008.11.10)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】