説明

船舶の多軸推進装置

【課題】タービンと減速装置とを組み合わせて、高い出力効率を備えた2軸駆動の船舶の推進装置を提供する。
【解決手段】第1のプロペラ1を駆動する第1プロペラ軸2と減速を行い該第1プロペラ軸2に直結される出力歯車11とを備えた第1プロペラ駆動軸系100と、第2のプロペラ1aを駆動する第2プロペラ軸2aと減速を行い該第2プロペラ軸2aに直結される出力歯車11aとを備えた第2プロペラ駆動軸系200とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、第1のタービンにより駆動され減速歯車により減速を行った第1タービン回転軸系500と第2のタービンにより駆動され減速歯車により減速を行った第2タービン回転軸系400とを、前記第1プロペラ駆動軸系100及び第2プロペラ駆動軸系200に、それぞれ連結したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2本以上のプロペラをタービンにて駆動するようにした船舶の多軸推進装置に関する。
【背景技術】
【0002】
1本の推進軸により推進する1軸推進装置は、例えば特許文献1(特開2007−85468号公報)に示されるように、中間にギヤカップリングの手段を備えたもの等、多くの技術が提供されている。
しかしながら、複数のタービンによって、2本以上の推進軸を最高の推進効率で以って、推進する技術については、複数のタービンの駆動性能、減速機構の性能等の解決すべき課題が多い。
【0003】
【特許文献1】特開2007−85468号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
2本の推進軸を駆動する2軸駆動の船舶の推進装置は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えている。
【0005】
かかる2軸駆動の船舶の推進装置は、複数のタービンの組み合わせや減速機構の組み合わせによって、蒸気タービンの推進性能について、ベスト性能を探索することが要求されている。
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、タービンと減速装置とを組み合わせて、高い出力効率を備えた2軸駆動の船舶の推進装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するもので、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の推進装置において、
第1のタービンにより駆動され減速歯車により減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され減速歯車により減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結したことを特徴とする(請求項1)。
【0008】
かかる発明によれば、現状の船舶の1軸推進システムを並列に配置するのみであるので、構造が簡単であり、新規構造採用によるリスクはない。さらに1軸推進システムを個別に自由に配置することが可能である。
【0009】
また、本発明は、前記第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系とを、前記出力歯車を軸方向に相対的にずらすことにより干渉を回避して配置する。即ち第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを、それぞれの出力歯車を軸方向に相対的にずらすことにより干渉を回避して配置する(請求項2)。
これにより、前記第1プロペラ軸に直結される出力歯車と第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを軸方向に相対的にずらすことにより、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系との中心距離が小さくなって、その分装置を小型化できる。
【0010】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動され第1段減速歯車で減速を行った回転軸系を2組備えて、前記2組の回転軸系をそれぞれ第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系に連結したことを特徴とする(請求項3)。
かかる発明によれば、第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動され第1段減速歯車で減速を行った回転軸系を2組備えるので、タービン車室が第1のタービン及び第2タービンの2個ですむ。
【0011】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するともに、前記2つの出力歯車間に連結歯車を設置して該連結歯車により前記出力歯車を連結したことを特徴とする(請求項4)。
【0012】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系の、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇し、連結歯車で第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系の推力バランスを調整できる。
【0013】
また、本発明は、前記第1プロペラ駆動軸系と、第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系にそれぞれ発電機/モーターを設置し、該2つの発電機/モーターを電気的に接続したことを特徴とする(請求項5)。
【0014】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系の、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇し、電気的に接続した発電機/モーターで、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系の推力バランスを調整できる。
【0015】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に発電機を設置し他方にモーターを設置して、該2つの発電機及びモーターを電気的に接続したことを特徴とする(請求項6)。
【0016】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系のタービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に発電機を設置し他方にモーターを設置して、該2つの発電機及びモーターを電気的に接続したので、発電機及びモーターを第1、第2プロペラ駆動軸系よりも回転数の高い状態で使用できるので、発電機及びモーターを小型化できる。
また、電気的に接続した発電機及びモーターで、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系の推力バランスを調整できる。
【0017】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に油圧ポンプを設置し他方に該油圧ポンプの油圧により駆動される油圧モーターを設置して、該油圧ポンプ及び油圧モーターを配管で接続したことを特徴とする(請求項7)。
【0018】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動され減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系を設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に油圧ポンプを設置し他方に該油圧ポンプの油圧により駆動される油圧モーターを設置して、該油圧ポンプ及び油圧モーターを配管で接続したことにより、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系の推力バランスを調整できる。
【0019】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系との一方側に逆転タービンを連結して、該第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系を前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、発電機を設置して該発電機を伝達歯車を介して、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端それぞれ連結したことを特徴とする(請求項8)。
【0020】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動され減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系の設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
逆転タービンは、前記第1のタービンまたは第2のタービンのいずれかに連結する。また、第1タービン回転軸系と第2タービン回転軸系との出力バランス時にも、伝達歯車の負荷がゼロにならないように、発電機を設置して軽負荷から負荷増大による損傷を回避する。
【0021】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系との一方側に逆転タービンを連結して、前記伝達歯車を介して2つの出力歯車を連結するとともに第1タービン回転軸系と第2タービン回転軸系を出力歯車にそれぞれ連結し、前記第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系のいずれかに発電機を設置したことを特徴とする(請求項9)。
【0022】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動され減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系の設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、中間伝達歯車の数を減少できるとともに、逆転タービンは、第1のタービンまたは第2のタービンのいずれかに連結すればよい。
【0023】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されて逆転タービンを連結してなる可逆的回転軸系を備え、該可逆的回転軸系の一方側を減速歯車列を介して前記第1プロペラ駆動軸系に接続するとともに、他方側を前記減速歯車列とは異なる減速比の減速歯車を介して前記第2プロペラ駆動軸系に接続することを特徴とする(請求項10)。
【0024】
かかる発明によれば、第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されて逆転タービンを連結してなる可逆的回転軸系つまり1機のタービンで駆動系を設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
従って、逆転タービンも1個で成立し、タービン車室も1個に低減できる。
【0025】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速傘歯車を備えた第1タービン傘歯車系と、第2のタービンにより駆動され第2段減速傘歯車を備えた第2タービン傘歯車系と、該第1タービン傘歯車系及び第2タービン傘歯車系に直角方向に噛み合い減速する減速傘歯車と、該減速傘歯車の同軸歯車を前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第2プロペラ駆動軸系の出力歯車に噛み合わせてなることを特徴とする(請求項11)。
【0026】
かかる発明によれば、互いに直角方向に噛み合い減速する3個の減速傘歯車に、第1のタービンにより駆動され第1段減速傘歯車を備えた第1タービン傘歯車系と第2のタービンにより駆動され第2段減速傘歯車を備えた第2タービン傘歯車系とを連結したので、軸方向の長さが短くなって構造がコンパクトになる。
【0027】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されるともに逆転タービンを連結した減速傘歯車を備えたタービン傘歯車系と、該タービン傘歯車系と噛み合い減速する減速傘歯車を該直角方向に2個設け、前記第1プロペラ駆動軸系の入口端に傘歯車を連結して前記減速傘歯車と噛み合わせ、前記第2プロペラ駆動軸系の入口端に減速歯車と傘歯車を連結して前記減速傘歯車と噛み合わせてなることを特徴とする(請求項12)。
【0028】
かかる発明によれば、第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されるともに逆転タービンを連結した減速傘歯車を備えたタービン傘歯車系の、1機で、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系の2軸を駆動するので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。また、逆転タービンも1個で成立し、タービン車室も1個に低減できる。
さらに、傘歯車を4個直交して設けるので、動力のバランスがよい。
【0029】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系の歯車及び、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系の歯車を1つの減速歯車に噛み合わせて第1段減速を行い、該1つの減速歯車の歯車列を介して、前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第2プロペラ駆動軸系の出力歯車にそれぞれ連結することを特徴とする(請求項13)。
【0030】
かかる発明によれば、第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の動力を1つの減速歯車に集約してから、第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第2プロペラ駆動軸系の出力歯車にそれぞれ連結するので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、前記のように1つの減速歯車に集約するので、歯車数を低減でき、また逆転タービンも1個でよい。
【0031】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
電動モーターの出力軸を太陽歯車に構成し、第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を第1の遊星歯車と、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を第2の遊星歯車に構成して、これらを前記太陽歯車に噛み合わせ、該第1の遊星歯車及び第2の遊星歯車を支持するキャリアを歯車に連結し、該歯車を第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第1プロペラ駆動軸系の出力歯車に噛み合わせたことを特徴とする(請求項14)。
【0032】
かかる発明によれば、遊星歯車装置の入力軸に、第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系及び第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を合わせて入力するので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、第1タービン回転軸系と第2タービン回転軸系との出力バランス時にも、伝達歯車の負荷がゼロにならないように、太陽歯車に発電機を設置して軽負荷から負荷増大による損傷を回避する。また逆転タービンも1個でよい。
【0033】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と該第1のプロペラに対向して設置されポッドモータにより駆動されるポッドプロペラとを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系に連結するとともに、該第1プロペラ軸にプロペラ軸発電機を設け、
第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記ポッドモータに駆動電力を供給するポッドモータ用発電機を設け、前記プロペラ軸発電機とポッドモータ用発電機とを電気的に結合したことを特徴とする(請求項15)。
【0034】
かかる発明によれば、第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系に連結するとともにプロペラ軸発電機を設け、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を減速歯車で減速してポッドモータに駆動電力を供給するポッドモータ用発電機を駆動し、前記プロペラ軸発電機とポッドモータ用発電機とを電気的に結合して、推力バランスをとるので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。また、第1タービン回転軸系とポッドモータ用発電機による駆動系の二重反転効果により、省エネルギー効果が向上する。
また、ポッドモータ用発電機を逆転することにより逆転タービンは1個ですむ。
【0035】
また、本発明は、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第1プロペラ軸内に挿入された第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを同心に設けた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結するとともに第2減速歯車で減速して前記第2プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結し、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を第3減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結するとともに第4減速歯車で減速して前記第2プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結したことを特徴とする(請求項16)。
【0036】
かかる発明によれば、第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第1プロペラ軸内に挿入されて反転する第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを、同心に設けた2軸反転プロペラ駆動系を用いたので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、プロペラの逆転による駆動系の二重反転効果により、省エネルギー効果が向上する。また逆転タービンは1個ですむ。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、主々のタービンと減速歯車をこれらの配置を、多くの組み合わせを設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇するとともに、低燃費で大出力の2軸推進プラントを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【実施例1】
【0039】
図1は本発明の第1実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図1において、第1のプロペラ1を駆動する第1プロペラ軸2を船尾軸受3で回転自在に支持し、該第1プロペラ軸2には所定の減速比で減速を行い出力歯車11が直結されており、以上により第1プロペラ駆動軸系100を構成する。
また、第2のプロペラ1aを駆動する第2プロペラ軸2aを船尾軸受3で回転自在に支持し、該第2プロペラ軸2aには所定の減速比で減速を行い出力歯車11aが直結されており、以上により第2プロペラ駆動軸系200を構成する。
【0040】
この第1実施例においては、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とにより駆動され減速歯車8及び9により減速を行った第1タービン回転軸系500を減速歯車で再減速して、前記第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に連結する。
また、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンを直結したタービン駆動され減速歯車8b及び9により減速を行った第2タービン回転軸系400を減速歯車10で再減速して、前記第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aに連結する。
そしてかかる第1実施例においては、前記のように、前記第1タービン回転軸系500と第2タービン回転軸系400を、前記第1プロペラ駆動軸系100及び第2プロペラ駆動軸系200に、それぞれ連結している。
【0041】
かかる第1実施例によれば、現状の船舶の1軸推進システムを並列に配置するのみであるので、構造が簡単であり、新規構造採用によるリスクはない。さらに1軸推進システムを個別に自由に配置することが可能となる。
【実施例2】
【0042】
図2は本発明の第3実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図2において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、HP(高圧)タービン、IP(中圧)タービン、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結し、減速歯車で減速したタービン回転軸系300を2組備えて、前記2組のタービン回転軸系300を減速歯車10を介して再減速して、出力歯車11、出力歯車11aにそれぞれ連結する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0043】
かかる第3実施例によれば、HP(高圧)タービン、IP(中圧)タービン、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結したタービン回転軸系300を2組備えるので、タービン車室が、タービン回転軸系300のそれぞれに1個ですむ。
【実施例3】
【0044】
図3は本発明の第3実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図3において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを、前記出力歯車11と11aを、互いに干渉することなく軸方向に相対的にずらすことによって配置する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0045】
かかる第2実施例によれば、前記第1プロペラ軸100に直結される出力歯車11と第2プロペラ軸200に直結される出力歯車11aとを軸方向に相対的にずらすことにより、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系との中心距離Sが小さくなって、その分装置を小型化できる。
【実施例4】
【0046】
図4は本発明の第4実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図4において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結し減速歯車で減速した第2タービン回転軸系500を減速歯車10で2段に減速し、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンとを直列に連結し減速歯車で減速した第1タービン回転軸系400を減速歯車10で2段に減速し、第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11、出力歯車11aにそれぞれ連結する。
【0047】
そして、前記2つの出力歯車11、出力歯車11a間に2つの連結歯車12,13を設置して、該連結歯車12,13により前記出力歯車11,11aを連結する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0048】
かかる第4実施例によれば、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン回転軸系500に接続される第1プロペラ駆動軸系100と、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンとを直列に連結した第1タービン回転軸系400に接続される第2プロペラ駆動軸系200とにより駆動されるので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇し、連結歯車12,13で第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200の推力バランスを調整できる。
【実施例5】
【0049】
図5は本発明の第5実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図5において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン回転軸系500に接続される第1プロペラ駆動軸系100と、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第1タービン回転軸系600に接続される第2プロペラ駆動軸系200とを並設し、前記第1プロペラ駆動軸系100に発電機/モーター14及び前記第2プロペラ駆動軸系200に発電機/モーター15をそれぞれ設置し、該2つの発電機/モーター14,15を電気的に接続している。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0050】
かかる第5実施例によれば、第2タービン回転軸系500により駆動され第1段減速歯車で減速を行った回転軸系と、第1タービン回転軸系600に接続され第1段減速歯車で減速を行った回転軸系の、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、電気的に接続した発電機/モーター14、15で、第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200の推力バランスを調整できる。
【実施例6】
【0051】
図6は本発明の第6実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図6において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結し減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系500と、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第1タービン回転軸系に接続され減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系600とを、前記第1プロペラ駆動軸系100及び第2プロペラ駆動軸系200にそれぞれ連結する。
そして、前記第1タービン回転軸系の出力端に発電機17を設置し、他方の第2タービン回転軸系にモーター16を設置して、該2つの発電機17及びモーター16を電気的に接続している。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0052】
かかる第6実施例によれば、第2タービン回転軸系500に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と、第1タービン回転軸系600に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系とを構成したことにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に発電機17を設置し他方にモーター16を設置して、該2つの発電機17及びモーター16を電気的に接続したので、発電機17及びモーター16を第1、第2プロペラ駆動軸系200よりも回転数の高い状態で使用できるので、発電機17及びモーター16を小型化できる。
また、電気的に接続した発電機17及びモーター16で、第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系の推力バランスを調整できる。
【実施例7】
【0053】
図7は本発明の第7実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図7において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系500と、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第1タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系600とを、前記第1プロペラ駆動軸系100及び第2プロペラ駆動軸系200にそれぞれ連結する。
【0054】
そして、前記第2タービン回転軸系600に油圧ポンプ18を設置し、第1タービン回転軸系500に油圧モーター16を設置し、該油圧ポンプ18及び油圧モーター16を配管で接続している。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0055】
かかる第7実施例によれば、第2タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系500と、第1タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系600とを構成したことにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に油圧ポンプ18を設置し他方に油圧モーター16を設置して、該2つの油圧ポンプ18および油圧モーター16を電気的に接続したので、油圧ポンプ18および油圧モーター16を、第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200の推力バランスを調整できる。
【実施例8】
【0056】
図8は本発明の第8実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図8において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系500と、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンとを直列に連結した第1タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系700とを、前記第1プロペラ駆動軸系100系及び第2プロペラ駆動軸系200に、それぞれ減速歯車9,10にて減速して連結する。
【0057】
また、前記第1プロペラ駆動軸系100系と第2プロペラ駆動軸系200との間に、複数の伝達歯車19,20,21を設けて、該第1プロペラ駆動軸系100系と第2プロペラ駆動軸系200を連結している。そして、前記伝達歯車21に発電機14´を連結している。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0058】
かかる第8実施例によれば、第1タービン回転軸系500と第2タービン回転軸系700を設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
逆転タービン7は、前記第1タービン回転軸系500(または第1タービン回転軸系700でもよい)に連結する。また、第1タービン回転軸系500と第2タービン回転軸系700との出力バランス時にも、伝達歯車19,20,21の負荷がゼロにならないように、発電機14´を設置して軽負荷から負荷増大による損傷を回避する。
【実施例9】
【0059】
図9は本発明の第9実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図9において、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系500を減速歯車8a,9,10を第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に連結し、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンを直列に連結した第1タービン軸系に接続され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系700を、減速歯車8a,9,10,21を通して、第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aに連結する。
【0060】
そして、第9実施例においては、前記第1プロペラ駆動軸系100(第2プロペラ駆動軸系200でもよい)に発電機17を設置する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0061】
かかる第9実施例によれば、前記第1タービン回転軸系500と、第2タービン回転軸系700を設定することにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、中間伝達歯車の数を減少できるとともに、逆転タービン7は、前記第1タービン回転軸系500または第2タービン回転軸系700のいずれかに連結すればよい。
【実施例10】
【0062】
図10は本発明の第10実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図10においては、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、HP(高圧)タービン、IP(中圧)タービン、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結し、減速歯車8で減速した可逆的なタービン回転軸系300を備え、該可逆的なタービン回転軸系300の一方側を2段の減速歯車8,22と23及び減速歯車8,22´と23´の歯車列を介して前記第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に接続するとともに、該可逆的なタービン回転軸系300の他方側を2段の減速歯車8,22と23及び減速歯車8,22´と23´の歯車列を介して前記第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aに接続する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0063】
かかる第10実施例によれば、前記可逆的なタービン回転軸系300、つまり1機のタービンで駆動系を設定できることにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
従って、逆転タービン7も1個で成立し、タービン車室も1個に低減できる。
【実施例11】
【0064】
図11は本発明の第11実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図11においては、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、HP(高圧)タービン、IP(中圧)タービン、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結し、減速歯車8で減速した可逆的なタービン回転軸系300を備え、該可逆的なタービン回転軸系300の一方側を1段の減速歯車8,22と23の歯車列を介して前記第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に接続するとともに、該可逆的なタービン回転軸系300の他方側を1段の減速歯車8,22と23の歯車列を介して前記第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aに接続する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0065】
かかる第11実施例によれば、前記可逆的なタービン回転軸系300、つまり1機のタービンで駆動系を設定できることにより、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
従って、逆転タービン7も1個で成立し、タービン車室も1個に低減できる。
【実施例12】
【0066】
図12は本発明の第12実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図12においては、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、HP(高圧)タービン、IP(中圧)タービンを直列に連結して減速傘歯車28を備えた第1タービン傘歯車系701と、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結して減速傘歯車28を備えた第2タービン傘歯車系702とを備えている。
【0067】
そして、前記該第1タービン傘歯車系701及び第2タービン傘歯車系702に直角方向に噛み合い減速する減速傘歯車27と、該減速傘歯車27の同軸歯車25を、一方は前記第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に連結し、他方はもう一つの減速歯車26を介して第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aに噛み合わせて構成される。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0068】
かかる第12実施例によれば、互いに直角方向に噛み合い減速する3個減速傘歯車28,28,27に、前記のように構成された第1タービン傘歯車系701と第2タービン傘歯車系702とを連結したので、軸方向の長さが短くなって構造がコンパクトになる。
【実施例13】
【0069】
図13は本発明の第13実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図13においては、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、HP(高圧)タービン、IP(中圧)タービン、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結し、減速傘歯車35で減速したタービン回転軸系301を備えている。
【0070】
そして、前記タービン回転軸系301の減速傘歯車35に噛み合い減速する減速傘歯車33、33´を直角方向に2個設けてバランス傘歯車34を噛み合わせ、直角方向の4個の傘歯車列を構成する。
そして、前記減速傘歯車33と同軸の傘歯車32を前記第1プロペラ駆動軸系100の入口端に設けた傘歯車31に噛み合わせ、第1プロペラ駆動軸系100に伝達する。
また、前記減速傘歯車33´と同軸の傘歯車32´を前記第2プロペラ駆動軸系200の入口端に設けた傘歯車31´に噛み合わせ、減速歯車29,30を介して第2プロペラ駆動軸系200に伝達する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0071】
かかる第13実施例によれば、第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されるともに逆転タービンを連結した減速傘歯車を備えたタービン傘歯車系301の1機で、第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200の2軸を駆動するので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。また、逆転タービン7も1個で成立し、タービン車室も1個に低減できる。
さらに、傘歯車を4個35,33,33´,34直交して設けるので、動力のバランスがよい。
【実施例14】
【0072】
図14は本発明の第14実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図14においては、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系に接続され歯車8aを備えた第1タービン回転軸系500と、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンとを直列に連結した第1タービン軸系に接続され歯車8bを備えた第2タービン回転軸系700とを、1つの減速歯車36に噛み合わせて第1段減速を行っている。
そして、前記1つの減速歯車36と同軸の歯車37を介して前記第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に連結し、前記1つの減速歯車36と同軸の歯車37及び歯車38を介して前記第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11aに連結する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0073】
かかる第14実施例によれば、前記第1タービン回転軸系500及び第2タービン回転軸系700の動力を1つの減速歯車36に集約してから、第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11及び第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aにそれぞれ連結するので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、前記のように1つの減速歯車36に集約するので、歯車数を低減でき、また逆転タービン7も1個でよい。
【実施例15】
【0074】
図15は本発明の第15実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図15においては、前記第1プロペラ駆動軸系100と第2プロペラ駆動軸系200とを並設した2軸駆動の船舶の推進装置において、電動モーター39の出力軸を太陽歯車40に構成し、該太陽歯車40に噛み合う第1の遊星歯車41に、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系を連結し、該太陽歯車40に噛み合う第2の遊星歯車41´に、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンとを直列に連結した第1タービン軸系を連結して、これらの3つの歯車を支持するキャリア42によって遊星歯車装置800を構成する。
【0075】
そして、前記遊星歯車装置800のキャリア42及び出力軸43を歯車37に連結し、該歯車37を第1プロペラ駆動軸系100の出力歯車11に連結する。また、歯車37及び歯車38を介して第2プロペラ駆動軸系200の出力歯車11aに連結する。
その他の構成は前記第1実施例と同様であり、これと同一の部材は同一の符号で示す。
【0076】
かかる第15実施例によれば、遊星歯車装置800の入力軸に、LP(低圧)タービン6と逆転タービン(AST)7を直列に連結した第2タービン軸系と、HP(高圧)タービン4とIP(中圧)タービ5ンとを直列に連結した第1タービン軸系を合わせて入力するので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、前記第1タービン回転軸系と第2タービン回転軸系との出力バランス時にも、伝達歯車の負荷がゼロにならないように、太陽歯車40に発電機39を設置して軽負荷から負荷増大による損傷を回避する。また逆転タービン7も1個でよい。
【実施例16】
【0077】
図16は本発明の第16実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図16においては、LP(低圧)タービンと逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系に接続され歯車8aを備えた第1タービン回転軸系500を減速歯車9,10で減速して前記第1プロペラ駆動軸系100(プロペラ軸発電機46を備えている)に連結するとともに、HP(高圧)タービンとIP(中圧)タービンを直列に連結した第1タービン軸系に接続され歯車8bを備えた第2タービン回転軸系700を減速歯車9で減速して前記ポッドモータ46に駆動電力を供給するポッドモータ用発電機47に連結している。
そして、前記プロペラ軸発電機46とポッドモータ用発電機47とを電気的に結合(48は電線)して、推力バランスをとっている。
【0078】
かかる第16実施例によれば、前記第1タービン回転軸系500の動力を前記第1プロペラ駆動軸系100に連結するとともに、該駆動軸系100のプロペラ軸発電機46を設け、第2タービン回転軸系700ポッドモータに駆動電力を供給するポッドモータ用発電機47を駆動し、前記プロペラ軸発電機46とポッドモータ用発電機47とを電気的に結合して、推力バランスをとるのでタービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。また、第1タービン回転軸系とポッドモータ用発電機47による駆動系の二重反転効果により、省エネルギー効果が向上する。
また、ポッドモータ用発電機47を逆転することにより、逆転タービン7は1個ですむ。
【実施例17】
【0079】
図17は本発明の第17実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
図17においては、LP(低圧)タービン6と逆転タービン(AST)7とを直列に連結した第2タービン軸系に接続され歯車8aを備えた第1タービン回転軸系500と、HP(高圧)タービン4とIP(中圧)タービン5とを直列に連結した第1タービン軸系に接続され歯車8bを備えた第2タービン回転軸系700とを備え、第1のプロペラ1を駆動する第1プロペラ軸2と、減速を行い該第1プロペラ軸2に直結される出力歯車11cとを備えた第1プロペラ駆動軸系901に前記第1タービン回転軸系500を連結し、
第1プロペラ軸2内に挿入された第2のプロペラ51を駆動する第2プロペラ軸50と減速を行い該第2プロペラ軸50に直結される出力歯車52とを備えた第2プロペラ駆動軸系902に第2タービン回転軸系700を連結して、互いに逆転する2軸反転プロペラを構成する。
【0080】
前記第1タービン回転軸系500を減速歯車9,10,10aで減速して前記第1プロペラ駆動軸系901の出力歯車11cに連結し、前記第2タービン回転軸系700を減速歯車54,53,10bで減速して第2減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系902の出力歯車52に連結する。
また、前記第1タービン回転軸系500の他方の出力端を減速歯車57,56を介して前記出力歯車52に連結し、前記第2タービン回転軸系700を減速歯車54,53,10bを介して前記出力歯車11cに連結する。
【0081】
かかる第17実施例によれば、第1のプロペラ1を駆動する第1プロペラ軸2と該第1プロペラ軸2に直結される出力歯車11cとを備えた第1プロペラ駆動軸系901と、第1プロペラ軸2内に挿入されて反転する第2のプロペラ51を駆動する第2プロペラ軸50と第2プロペラ軸50に直結される出力歯52とを備えた第2プロペラ駆動軸系902とを同心に設けた2軸反転プロペラ駆動系を用いたので、タービン1機当たりの容量を大きく出来てプラント効率が上昇する。
また、プロペラの逆転による駆動系の二重反転効果により、省エネルギー効果が向上する。また逆転タービン7は1個ですむ。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明によれば、タービンと減速装置とを組み合わせて、高い出力効率を備えた2軸駆動の船舶の推進装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図2】本発明の第2実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図3】本発明の第3実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図4】本発明の第4実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図5】本発明の第5実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図6】本発明の第6実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図7】本発明の第7実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図8】本発明の第8実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図9】本発明の第9実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図10】本発明の第10実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図11】本発明の第11実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図12】本発明の第12実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図13】本発明の第13実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図14】本発明の第14実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図15】本発明の第14実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図16】本発明の第16実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【図17】本発明の第17実施例にかかる船舶の2軸推進装置の平面構成図である。
【符号の説明】
【0084】
1、1a 第1のプロペラ
2、2a 第1プロペラ軸
3、3a 船尾軸受
4 HP(高圧)タービン
5 IP(中圧)タービン
6 LP(低圧)タービン
7 逆転タービン(AST)
11、11a 出力歯車
100 第1プロペラ駆動軸系
200 第2プロペラ駆動軸系
300 タービン回転軸系
400 第2タービン回転軸系
500 第1タービン回転軸系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され減速歯車により減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され減速歯車により減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項2】
前記第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系とを、前記出力歯車を軸方向に相対的にずらすことにより干渉を回避して、配置したことを特徴とする請求項1記載の船舶の多軸推進装置。
【請求項3】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動され第1段減速歯車で減速を行った回転軸系を2組備えて、前記2組の回転軸系をそれぞれ第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系に連結したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項4】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するともに、前記2つの出力歯車間に連結歯車を設置して該連結歯車により前記出力歯車を連結したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項5】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系にそれぞれ発電機/モーターを設置し、該2つの発電機/モーターを電気的に接続したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項6】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に発電機を設置し他方にモーターを設置して、該2つの発電機及びモーターを電気的に接続したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項7】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系とを、前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端の一方に油圧ポンプを設置し他方に該油圧ポンプの油圧により駆動される油圧モーターを設置して、該油圧ポンプ及び油圧モーターを配管で接続したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項8】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系との一方側に逆転タービンを連結して、該第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系を前記第1プロペラ駆動軸系及び第2プロペラ駆動軸系に、それぞれ連結するとともに、発電機を設置して該発電機を伝達歯車を介して、前記第1タービン回転軸系及び第2タービン回転軸系の出力端それぞれ連結したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項9】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第1タービン回転軸系と第2のタービンにより駆動され第1段減速歯車で減速を行った第2タービン回転軸系との一方側に逆転タービンを連結して、前記伝達歯車を介して2つの出力歯車を連結するとともに第1タービン回転軸系と第2タービン回転軸系を出力歯車にそれぞれ連結し、前記第1プロペラ駆動軸系と第2プロペラ駆動軸系のいずれかに発電機を設置したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項10】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されて逆転タービンを連結してなる可逆的回転軸系を備え、該可逆的回転軸系の一方側を減速歯車列を介して前記第1プロペラ駆動軸系に接続するとともに、他方側を前記減速歯車列とは異なる減速比の減速歯車を介して前記第2プロペラ駆動軸系に接続することを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項11】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動され第1段減速傘歯車を備えた第1タービン傘歯車系と、第2のタービンにより駆動され第2段減速傘歯車を備えた第2タービン傘歯車系と、該第1タービン傘歯車系及び第2タービン傘歯車系に直角方向に噛み合い減速する減速傘歯車と、該減速傘歯車の同軸歯車を前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第2プロペラ駆動軸系の出力歯車に噛み合わせてなることを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項12】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービン及び第2タービンを直結して駆動されるともに逆転タービンを連結した減速傘歯車を備えたタービン傘歯車系と、該タービン傘歯車系と噛み合い減速する減速傘歯車を該直角方向に2個設け、前記第1プロペラ駆動軸系の入口端に傘歯車を連結して前記減速傘歯車と噛み合わせ、前記第2プロペラ駆動軸系の入口端に減速歯車と傘歯車を連結して前記減速傘歯車と噛み合わせてなることを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項13】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系の歯車及び、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系の歯車を1つの減速歯車に噛み合わせて第1段減速を行い、該1つの減速歯車の歯車列を介して、前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第2プロペラ駆動軸系の出力歯車にそれぞれ連結することを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項14】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
電動モーターの出力軸を太陽歯車に構成し、第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を第1の遊星歯車と、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を第2の遊星歯車に構成して、これらを前記太陽歯車に噛み合わせ、該第1の遊星歯車及び第2の遊星歯車を支持するキャリアを歯車に連結し、該歯車を第1プロペラ駆動軸系の出力歯車及び第1プロペラ駆動軸系の出力歯車に噛み合わせたことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項15】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と該第1のプロペラに対向して設置されポッドモータにより駆動されるポッドプロペラとを備えた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系に連結するとともに、該第1プロペラ軸にプロペラ軸発電機を設け、
第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記ポッドモータに駆動電力を供給するポッドモータ用発電機を設け、前記プロペラ軸発電機とポッドモータ用発電機とを電気的に結合したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。
【請求項16】
第1のプロペラを駆動する第1プロペラ軸と、減速を行い該第1プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第1プロペラ駆動軸系と、第1プロペラ軸内に挿入された第2のプロペラを駆動する第2プロペラ軸と、減速を行い該第2プロペラ軸に直結される出力歯車とを備えた第2プロペラ駆動軸系とを同心に設けた2軸駆動の船舶の多軸推進装置において、
第1のタービンにより駆動される第1タービン回転軸系を減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結するとともに第2減速歯車で減速して前記第2プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結し、第2のタービンにより駆動される第2タービン回転軸系を第3減速歯車で減速して前記第1プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結するとともに第4減速歯車で減速して前記第2プロペラ駆動軸系の出力歯車に連結したことを特徴とする船舶の多軸推進装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2009−279975(P2009−279975A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−131390(P2008−131390)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】