説明

荷役作業用産業車両の荷役装置

【課題】 所謂ハイブリッド型の荷役作業用産業車両において、燃費を向上させ、発電電動機の過負荷を防止する。
【解決手段】 エンジン111と、発電電動機113と、両者の間で動力を断接するクラッチ112と、バッテリー115と、フォーク118を駆動するための荷役ポンプ117と、を有する。発電電動機113は発電機モードと電動機モードのいずれかとされる。荷役負荷(荷役レバーポジションセンサ145等により検出)が小さいと、クラッチ112を切って、エンジン111を停止又はアイドリングさせるとともに、電動機モードの発電電動機113で荷役ポンプ117を駆動する。クラッチ112を切った状態での荷役作業中に負荷が所定以上に増大すると、発電電動機113の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、発電電動機113の回転数にエンジン回転数が追従するとクラッチ112を繋ぎ、エンジン111により荷役ポンプを駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷役作業用産業車両に供される所謂ハイブリッド型の荷役装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の荷役装置として、例えば、特許文献1に開示されるフォークリフトの荷役装置がある。この荷役装置は、エンジンと、発電電動機と、バッテリーと、フォークとを有する。そして、前記発電電動機は、前記エンジンにより駆動されて発電を行う発電機モードと、バッテリーから駆動電力を受けて電動機となる電動機モードと、のいずれかとされる。荷役手段は、エンジンによって駆動されて荷役作業を行う第1の駆動モードと、エンジンと電動機モードの発電電動機とによって駆動されて荷役作業を行う第2の駆動モードと、の間で切換可能とされている。
【0003】
上記構成によれば、従来において専ら発電機を駆動するために設けられていたエンジンをフォーク駆動用に併用することで、フォーク駆動のための荷役モータを省略でき、装置構成の合理化を図ることができる。
【0004】
また特許文献2には、いわゆるハイブリッド型の自動車においてエンジンと発電電動機との間にクラッチを介在させる構成とした上で、発電電動機を僅かに駆動させるとともにエンジンを停止させるモータクリープ状態において加速が行われた場合には、アクセル開度により緩加速か急加速かを判定し、急加速の場合は電動機の回転数を増大させてその回転数が所定の回転数になったときにクラッチを繋いでエンジンを始動する制御が開示されている。
【0005】
上記構成は、急加速要求時にはエンジンを始動させずに先ず発電電動機の回転数を上昇させることで、加速応答性の確保を図っている。
【特許文献1】特開2000−313600号公報(段落番号0005)
【特許文献2】特開2000−287305号公報(段落番号0051〜0053、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、フォークリフト等の荷役作業用産業車両においては、荷役作業の負荷が大きく変動する場合が多い。即ち、大重量の荷物を運ぶ場合には相当の高出力が要求される一方、比較的軽量の荷物を運ぶ場合は低出力で十分である。従って、荷役負荷が小さいときには、エンジンの大出力でフォークを駆動するのは効率が悪いことから、エンジンを停止し或いはアイドリング状態として発電電動機のみによってフォークを駆動することが好ましい。
【0007】
しかし、この観点からいうと、上記特許文献1の構成はエンジンと発電電動機が機械的に結合されている(上記特許文献1の段落番号0008第2文)ために、エンジンを停止した状態で発電電動機を駆動すると発電電動機にエンジン側から大きな負荷が加わってしまう。
【0008】
そこで、上記特許文献1の構成に、前記特許文献2の如くのエンジンと発電電動機との間にクラッチを設ける構成を適用し、エンジンを停止した状態ではクラッチを切って、発電電動機のみによりフォークを駆動する際の上述のような大負荷を避けることが考えられる(以下、この構成を「比較例」と称する)。
【0009】
しかしながら、上述したとおり、荷役作業はその負荷の増減が激しいため、以下のような課題が生じる。即ち、クラッチを切った状態でエンジンを停止させて発電電動機のみによりフォークを駆動して荷役作業を行っている際に、例えば重い荷物を持ち上げ始める等して荷役負荷が急激に増大する場合がある。この場合に、例えば上記比較例において特許文献2の急加速の場合の制御をそのまま当て嵌めて、クラッチを繋いでエンジンを始動することが考えられるが、停止中のエンジンを始動するためには大トルクが必要になるため、高出力で回転中の発電電動機にエンジン側から大きな負荷が急激に加わることになってしまい、上記特許文献1の課題を実質的に解決できるとは言い難い。またクラッチ接続時に発電電動機の回転数が一時的に低下し、荷役作業の応答性を低下させてしまうおそれもある。また、クラッチの負担も大きく、クラッチの寿命も短くなってしまう。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0011】
◆本発明の第1の観点によれば、以下のように構成する、荷役作業用産業車両の荷役装置が提供される。エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接するクラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有する。前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を接状態の前記クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされる。前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記クラッチを断状態とし、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行う。前記クラッチを切った状態での荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従するとクラッチを繋いで前記荷役手段による荷役作業を行う。
【0012】
なお、「負荷の所定以上の増大」とは、負荷の増大の急激度が所定の急激度以上である場合を含み、また、負荷そのものが所定値以上である場合も含む。これは、以下の記述においても同様である。
【0013】
上記構成により、荷役負荷が小さいときはクラッチを切り、電動機モードの発電電動機によって荷役手段を駆動し、エンジンをアイドリング又は停止させることでエネルギー効率を向上できる。そして荷役負荷が増大したときは、まず発電電動機の出力を増大させる制御とすることで、応答性が確保される。また、荷役負荷の増大を検出するとエンジン回転数を増大させ、エンジン回転数が発電電動機の回転数に追従するとクラッチを繋ぐので、発電電動機にエンジン側から大負荷が加わることが防止される。また、エンジン回転数と発電電動機の回転数とが一致した状態でクラッチを繋ぐことから、クラッチの負担も小さくできる。
【0014】
◆本発明の第2の観点によれば、以下のように構成する、荷役作業用産業車両の荷役装置が提供される。エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接するクラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有する。前記エンジンと前記発電電動機との間にはCVTが介在されている。前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を接状態の前記クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされる。前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記クラッチを断状態とし、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行う。前記荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると、前記クラッチを繋いで前記荷役手段による荷役作業を行う。
【0015】
上記構成により、荷役負荷が小さいときはクラッチを切り、電動機モードの発電電動機によって荷役手段を駆動し、エンジンをアイドリング又は停止させることでエネルギー効率を向上できる。そして荷役負荷が増大したときは、まず発電電動機の出力を増大させる制御とすることで、応答性が確保される。また、荷役負荷の増大を検出するとエンジン回転数を増大させ、CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従するとクラッチを繋ぐので、発電電動機にエンジン側から大負荷が加わることが防止される。また、回転数の追従後にクラッチを繋ぐことから、クラッチの負担も小さくできる。更に、CVTの変速比を適切に設定することで、エンジン回転数が低い段階でクラッチを繋いで、エンジンの駆動力を荷役手段に伝達させることができる。従って、荷役負荷が増大しても、発電電動機を早い段階でエンジンによってアシストでき、発電電動機の過負荷を防止できる。
【0016】
◆前記の荷役作業用産業車両の荷役装置においては、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従して前記クラッチを接状態とした後、エンジン回転数の増大に応じてCVTの変速比を変更制御することが好ましい。
【0017】
これにより、エンジンの回転数が低い状態から増大して発電電動機の回転数に追従するまでの間も、エンジンの駆動力を荷役手段に伝達することができる。
【0018】
◆前記の荷役作業用産業車両の荷役装置においては、前記クラッチを接状態として前記発電電動機を電動機モードで駆動することで前記エンジンを始動させることが可能に構成されていることが好ましい。
【0019】
これにより、専用のスタータモータを廃止又は簡素なものとでき、製造コストを削減できるとともに、コンパクト化に寄与できる。
【0020】
◆本発明の第3の観点によれば、以下のように構成する、荷役作業用産業車両の荷役装置が提供される。エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接する一方向クラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有する。前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を前記一方向クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされる。前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行う。前記荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると、自動的に繋がる前記一方向クラッチを介して前記エンジンの駆動力を前記荷役手段に伝達して荷役作業を行う。
【0021】
上記構成により、荷役負荷が小さいときはクラッチを切り、電動機モードの発電電動機によって荷役手段を駆動し、エンジンをアイドリング又は停止させることでエネルギー効率を向上できる。そして荷役負荷が増大したときは、まず発電電動機の出力を増大させる制御とすることで、応答性が確保される。また、一方向クラッチがエンジンから発電電動機側へのトルクを伝達し、逆の方向には遮断するので、発電電動機にエンジン側からの負荷が加わることは確実に防止される。また、発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると一方向クラッチは自動的に繋がることから、クラッチの断接のための特別な制御構成も不要とできる。
【0022】
◆本発明の第4の観点によれば、以下のように構成する、荷役作業用産業車両の荷役装置が提供される。エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接する一方向クラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有する。前記エンジンと前記発電電動機との間にはCVTが介在されている。前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を接状態の前記クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされる。前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行う。前記荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると、自動的に繋がる前記一方向クラッチを介して前記エンジンの駆動力を前記荷役手段に伝達して荷役作業を行う。
【0023】
上記構成により、荷役負荷が小さいときはクラッチを切り、電動機モードの発電電動機によって荷役手段を駆動し、エンジンをアイドリング又は停止させることでエネルギー効率を向上できる。そして荷役負荷が増大したときは、まず発電電動機の出力を増大させる制御とすることで、応答性が確保される。また、一方向クラッチがエンジンから発電電動機側へのトルクを伝達し、逆の方向には遮断するので、発電電動機にエンジン側からの負荷が加わることは確実に防止される。加えて、CVTの変速比を適切に設定することで、エンジン回転数が低い段階で一方向クラッチが繋がるようにして、エンジンの駆動力を荷役手段に伝達させることができる。従って、荷役負荷が増大しても、発電電動機を早い段階でエンジンによってアシストでき、発電電動機の過負荷を防止できる。また、CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると一方向クラッチは自動的に繋がることから、クラッチの断接のための特別な制御構成も不要とできる。
【0024】
◆前記の荷役作業用産業車両の荷役装置においては、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従して前記クラッチを接状態とした後、エンジン回転数の増大に応じてCVTの変速比を変更制御することが好ましい。
【0025】
これにより、エンジンの回転数が低い状態から増大して発電電動機の回転数に追従するまでの間も、エンジンの駆動力を荷役手段に伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1〜図3には、それぞれ、本発明を適用した実施形態例としてのフォークリフトの荷役装置がブロック図で示されている。
【0027】
〔第1実施形態〕
図1に示す第1実施形態のフォークリフト101の荷役装置Aは、主要には、エンジン111、発電電動機113、バッテリー(蓄電手段)115、荷役ポンプ117、荷役バルブ119、フォーク118、走行モータ121、走行ユニット123、インバータアッセンブリ131、ECU135によって構成されている。荷役手段は主要には、荷役ポンプ117、フォーク118、荷役ポンプ117によって構成される。
【0028】
エンジン111は、後述するECU135からスロットルアクチュエータ151に与えられる回転制御信号を介して駆動されるとともに、その図略の駆動軸は、発電電動機113の駆動軸(図示しない)と、動力断接のためのクラッチ112を介して同軸で連結される。
【0029】
発電電動機113は、エンジン111によって駆動されて発電を行い、バッテリー115に蓄電する発電機モードと、バッテリー115から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードとの間で適宜切換が可能とされている。この切換制御は、インバータアッセンブリ131を介して、ECU135の制御指令に基づいて行われる。
【0030】
フォークリフト101は、シフトポジションセンサー141、アクセルスイッチ142、アクセルポジションセンサ143、荷役レバースイッチ144、荷役レバーポジションセンサ(荷役負荷検出手段)145、イグニッションスイッチ146等のセンサ類が配設され、これらはECU135に電気的に接続されている。
【0031】
発電電動機113が発電機モードにある場合は、エンジン111は、同軸上に配置された発電電動機113と荷役ポンプ117の駆動源となる。一方、発電電動機113が電動機モードにある場合には、エンジン111と発電電動機113が荷役ポンプ117の駆動源となる。ただし、上記電動機モードにおいてクラッチ112を切り、エンジン111ではなく発電電動機113のみを荷役ポンプ117の駆動源とすることも可能である。クラッチの断接制御はECU135の制御信号によって行われる。
【0032】
バッテリー115は、発電機モードの発電電動機113によって発電された電気を蓄電するとともに、フォークリフト101の走行動作や荷役動作のために、必要に応じて適宜駆動電力を供給する。バッテリー115への蓄電及びバッテリー115からの放電は、ECU135に接続されたインバータアッセンブリ131を介して制御される。
【0033】
フォークリフト101の走行動作は、走行モータ121、及び、走行モータ121によって駆動される走行ユニット123を介して行われる。走行モータ121は、インバータアッセンブリ131を介しバッテリー115から駆動電力を供給されて駆動される。またフォークリフト101の荷役作業は、荷役ポンプ117と、荷役手段としての前記フォーク118と、荷役ポンプ117から作動用流体をフォーク118に適宜分配するための荷役バルブ119を介して行われる。
【0034】
ECU135は、フォークリフト101全体のシステム制御を司るものであって、その制御の中には、バッテリー115の蓄電・放電制御が含まれる。ECU135は、シフトポジションセンサー141からのシフト位置情報、アクセルスイッチ142からのアクセルON/OFF情報、アクセルポジションセンサ143からのアクセル開度情報、荷役レバースイッチ144からの荷役レバーON/OFF情報、荷役レバーポジションセンサ145からの荷役レバー開度情報、イグニッションスイッチ146からのON/OFF情報、エンジン111の回転数(回転数検出センサ152で取得できる)、温度等の情報、バッテリー115からの電圧・温度情報、発電電動機113からの回転数(回転数検出センサ153で取得できる)・出力・温度等の情報等が適宜入力される。
【0035】
そして上記ECUからは、上記各入力情報に基づいて、エンジン111の制御信号をスロットルアクチュエータ151に出力し、発電電動機113のモード切換信号、バッテリー115の蓄電制御信号、走行モータ121の制御信号等といった各種の制御信号をインバータアッセンブリ131に出力して、フォークリフト101のシステム制御を遂行する。
【0036】
次に、本実施形態における作用を説明する。特に荷役作業に高出力を要さない場合、前記クラッチ112は接状態とされるとともに、発電電動機113は発電機モードとされる。この状態では、エンジン111は、発電機モードの発電電動機113と荷役ポンプ117の双方の駆動源とされる。以下、この状態を「第1モード」という。なお本実施形態では、荷役作業に高出力を要するか否かの判断は、荷役レバーポジションセンサ145からの情報により、荷役駆動要求が高いか否かをECU135が適宜チェックすることにより行われる。
【0037】
上記の第1モードにおいて、エンジン111の駆動力は、接状態のクラッチ112を介して発電機モードの発電電動機113に伝達され、この発電電動機113が発電した電気はバッテリー115に逐次蓄電される。また荷役ポンプ117は、エンジン111の駆動軸の回動に伴って常時駆動されており、荷役バルブ119に作動流体(本実施形態では、圧油)を送る。荷役作業を行わない場合には、作動流体は荷役バルブ119を通過し、図示しないタンクに還流する。
【0038】
この第1モードでは、ECU135は荷役負荷が小さい場合はバッテリー115への発電量を増やすなどの制御を行っており、エンジン111に加わる負荷が、予め定められた最適条件でエンジン111を運転するのに好適な負荷となるように制御している。なお、この最適条件は、エンジンを最適な燃費で運転できる条件(回転数や燃料噴射量など)をいい、予め実験などで定められる。なお、荷役負荷が小さく、またバッテリー115の充電量が一杯に近い場合等では、発電電動機113が発電を行わないようにECU135によって制御される場合もある。
【0039】
フォークリフト101を走行させる場合、ECU135はインバータアッセンブリ131を介してバッテリー115を放電させて、走行モータ121に駆動電力を供給する。走行モータ121が駆動されることによって、走行モータ121に連結された走行ユニット123が走行動作を行う。
【0040】
荷役作業に高出力を要する場合、すなわち荷役レバーポジションセンサ145からの情報により荷役駆動要求が高いとECU135が判断した場合、ECU135は制御信号を送信して、発電電動機113を電動機モードに切り換える。なお、この際は、クラッチ112は接状態としておく。以下、この状態を「第2モード」という。
【0041】
この第2モードでは、荷役ポンプ117は、エンジン111及び電動機モードの発電電動機113の双方によって駆動される。従って、エンジン111による荷役ポンプ117の駆動を電動機モードの発電電動機113がアシストする形となり、低出力タイプのエンジン111であっても高出力の荷役作業を十分に遂行できる。
【0042】
荷役駆動要求が相対的に低く、エンジン111と電動機モードの発電電動機113の協動によらなければならない程の出力は要しないとECU135が判断した場合、ECU135は制御信号を発して発電電動機113を電動機モードとするとともに、クラッチ112を断状態とする。この場合、電動機モードの発電電動機113は荷役ポンプ117を駆動するものの、エンジン111は荷役ポンプ117の駆動に関与しない。以下、この状態を「第3モード」という。
【0043】
この第3モードでは、エンジン111をアイドリング状態又は停止状態とすることで、荷役ポンプ117の駆動の際のエネルギー効率を向上できる。また、クラッチ112が断状態とされているので、発電電動機113が駆動する際に大きな負荷(エンジンブレーキ)が加わってしまうこともない。
【0044】
なお、上記第3モードでの荷役作業中に、荷役レバーポジションセンサ145の開度が増大される等して、荷役負荷が大きくなる場合が考えられる。ECU135は、この荷役負荷の増大を検出すると、その荷役負荷の増大の度合い(急激さ)を調べる。例えば所定時間内に所定の角度以上荷役レバーが傾動された場合は、荷役負荷の増大の度合い(急激度)が大きいと判断する。
【0045】
荷役負荷の増大の度合いが所定値を下回るとECU135が判断した場合は、ECU135はインバータアッセンブリ131に制御信号を送り、電動機モードの発電電動機113の出力を単純に増大させることで、荷役負荷の増大に対応する。このとき、前記クラッチ112は断状態のままとし、エンジン111はアイドリング状態又は停止状態とすることで、エネルギー効率を向上できる。
【0046】
一方、荷役負荷の増大の度合いが所定値以上であった場合は、電動機モードの発電電動機113の出力を増大させるとともに、直ちにエンジン111の回転数の増大を開始するよう制御する(エンジン111が停止中である場合は、図略のセルモーターによってエンジン111を直ちに始動させるとともに、エンジン回転数の増大を開始する)。発電電動機113はエンジン111に比べて高出力状態に素早く移行させることができるため、荷役作業の遅れは小さく抑えることができ、あるいは遅れをほぼゼロとすることができる。なお、エンジン回転数の増大を開始した時点では、クラッチ112は断状態のままとしておく。
【0047】
その後ECU135は、発電電動機113の回転数を回転数検出センサ152で監視するとともに、エンジン111の回転数を回転数検出センサ153で監視する。そして、エンジン111の回転数が発電電動機113の回転数に追従(同期)すると、ECU135はクラッチ112を接状態として、エンジン111の大出力で荷役ポンプ117を駆動させるように制御する。クラッチ112を繋いだ後は、発電電動機113の電動機モードでの駆動を停止させても良いし、駆動を継続してエンジン111の出力をアシストさせるようにしても良い。
【0048】
以上に説明したように、荷役負荷の比較的少ない場合は前記第3モードとしてエンジン111をアイドリング又は停止としてエネルギー効率(燃費)を向上させるとともに、この第3モードにおいて負荷が所定以上に(急激に)増大した場合は、エンジン111による荷役ポンプ117の駆動(または、エンジン111及び電動機モードの発電電動機113による荷役ポンプ117の駆動)に切り換えることで、エンジン111による大出力を利用して軽快に荷役作業を行うことができる。また、アイドリング状態や停止状態にあったエンジン111を高出力状態に移行させてクラッチ112を繋ぐまでには若干のタイムラグが生じることは避けられないが、その間は発電電動機113の出力を素早く増大させることで対応できるから、操作応答性の低下による荷役作業の遅れの心配もなく、荷役作業の効率が低下することはない。
【0049】
また、エンジン111の回転数が発電電動機113の回転数に追従してからクラッチ112を繋いで接状態にする制御であるから、クラッチ112を繋ぐと同時に荷役ポンプ117の入力回転数が一時的に低下することも回避される。従って、荷物を持ち上げる作業中にフォーク118の上昇スピードが一時的に落ちて、機台に不快な振動を発生させたり、荷役作業を遅らせたりすることもない。更に、両回転数が一致した状態でクラッチ112を繋ぐ制御であるから、クラッチ112の焼付きや摩滅等も回避でき、寿命を長くすることができる。
【0050】
なお、エンジン111が停止状態であるときにイグニッションスイッチ146がON操作を検知すると、ECU135がクラッチ112を繋ぎ発電電動機113を電動機モードで駆動して、エンジン111を始動させるように構成することもできる。こうすることで専用のスタータモータを廃止することができ、フォークリフト101の小型化に貢献できるとともに、部品点数や製造コストを低減できる。また電動機モードの発電電動機113はスタータモータよりもトルクを大きく設計しているのが通例であるから、クランキング時の振動を小さくすることができる。
【0051】
また、スタータモータと発電電動機113の協動によりエンジン111を始動させる構成とすることもできる。この場合は、専用のスタータモータをトルクの小さい小型なもの(安価なもの)とすることができ、フォークリフト101のコンパクト化を図れるとともに、製造コストを低減できる。
【0052】
〔第2実施形態〕
図2には第2実施形態のフォークリフトの構成がブロック図として示される。この第2実施形態は、前記の第1実施形態に比して、発電電動機113とエンジン111との間にCVT(無段変速機)114が介在されている点が異なっている。このCVT114は、ECU135の制御信号によって、その変速比を制御することが可能になっている。
【0053】
この構成で、上記第3モード(クラッチ112は断状態、エンジン111はアイドリング状態又は停止状態)での荷役作業中に荷役レバーポジションセンサ145の開度が増大される等して荷役負荷が大きくなり、その荷役負荷の増大の度合いが所定値以上であった場合は、電動機モードの発電電動機113の出力を増大させるとともに、直ちにエンジン111の回転数の増大を開始するよう制御する(エンジン111が停止中である場合は、エンジン111を直ちに始動させるとともに、エンジン回転数の増大を開始する)。
【0054】
この第2実施形態では上記第1実施形態と同様に、前記のエンジン回転数の増大制御が行われた当初ではクラッチ112は断状態のままとしておくが、エンジン111の回転数が発電電動機113の回転数より小さい段階でも、CVT114により増速された場合のエンジン回転数が発電電動機113の回転数に追従した場合には、クラッチ112を繋いで、エンジン111による荷役ポンプ117の駆動に移行させる制御を行うこととしている。なお、エンジン111の回転数増大制御の開始当初はクラッチ112が切られているため、エンジン111の動力がCVT114には伝達されないが、ECU135は、クラッチ112を繋いでエンジン111の動力をCVT114で変速したと仮定した場合の変速後の回転数を前記検出センサ152やCVT114の変速比を基に計算し、得られた回転数が発電電動機113の回転数に追従したと判断された場合に、クラッチ112を繋ぐことになる。
【0055】
この図2の構成によれば、CVT114の変速比を適切に設定することで、エンジン111と発電電動機113の同期が容易になる。特に、エンジン111の回転数増大制御を開始してからあまり時間が経過せずエンジン回転数が低い状態でも、CVT114の変速比を適宜設定した上でクラッチ112を繋いでエンジン111の駆動力を荷役ポンプ117に伝達させ、発電電動機113を早い段階でアシストすることができる。従って、負荷が急激に増大した場合でも発電電動機113の大負荷下での単独での運転が長時間継続することを回避でき、発電電動機113の寿命を長くできる。また、CVT114により増速された場合のエンジン回転数が発電電動機113の回転数に追従した場合にクラッチ112を繋ぐので、クラッチ112を繋ぐと同時に荷役ポンプ117の入力回転数が一時的に低下することも回避され、またクラッチ112の焼付きや摩滅等も回避できる。
【0056】
図2の構成では、クラッチ112が接続された後、ECU135は、エンジン111及び発電電動機113の回転数の変化を回転数検出センサ152・153によって監視し、それに応じてCVT114の変速比を変更する。即ち、CVT114の変速比を、エンジン111と発電電動機113との同期状態を維持するように変更制御する。これにより、エンジン111の回転数が低い状態から増大して発電電動機113の回転数に追従するまでの間も、エンジン111の駆動力を荷役ポンプ117に伝達することができる。
【0057】
なお、この第2実施形態の構成では、前記第3モードではエンジン111をアイドリングではなく停止状態としておき、急激な荷役負荷の増大が検出されたときは、電動機モードの発電電動機113の出力を増大させるとともに、それとほぼ同時に前記クラッチ112を繋いで、発電電動機113によるエンジン111の始動を行わせることも可能である。この構成では、CVT114の変速比を適宜設定することにより、発電電動機113の出力がCVT114によって減速・トルク増強された形でエンジン111の出力軸を回転させて始動させる形となる。従って、発電電動機113に過剰な負荷が加わることなくエンジン111を始動させることができる。また、上記構成において専用のセルモータを上記第1実施形態と同様に省略あるいは小型化し、コスト低減などに寄与できることはいうまでもない。
【0058】
なお、図2の構成においてCVT114はクラッチ112と発電電動機113との間に介在されているが、CVT114の位置はこの構成に限定されるものではなく、例えばクラッチ112とエンジン111との間にCVT114が介在される構成であってもよい。
【0059】
〔第3実施形態〕
図3には第3実施形態のフォークリフトが示される。このフォークリフト101は、図1R>1の構成におけるクラッチ112に代えて、発電電動機113とエンジン111の間に一方向クラッチ112’を設けたものとして構成される。
【0060】
この構成で、上記第3モードにおいてエンジン111をアイドリング状態又は停止状態として発電電動機113を駆動すると、エンジン111の回転数は発電電動機113の回転数より小さいので、一方向クラッチ112’が自動的に断状態となる。従って、この第3モードにおいて発電電動機113の駆動して荷役ポンプ117を駆動する際に、大きな負荷(エンジンブレーキ)が加わってしまうことは回避される。
【0061】
そして、上記第3モードでの荷役作業中に荷役レバーポジションセンサ145の開度が増大される等して荷役負荷が大きくなり、その荷役負荷の増大の度合いが所定値以上であった場合は、電動機モードの発電電動機113の出力を増大させるとともに、直ちにエンジン111の回転数の増大を開始するよう制御する(エンジン111が停止中である場合は、エンジン111を直ちに始動させるとともに、エンジン回転数の増大を開始する)。
【0062】
この第3実施形態では、エンジン111の回転数が徐々に増大し、発電電動機113の回転数に追従した段階で、前記一方向クラッチ112’が自動的に接続され、エンジン111の駆動力が荷役ポンプ117に伝達されることになる。この図3の構成によれば、上述のような、エンジン回転数の追従を待ってクラッチを接続する制御をECU側で行う必要がなくなり、ECUの負荷を軽減でき、その電気的構成を簡素とすることができる。また、電気的な制御を行う必要がないので、故障の頻度を低減でき、メンテナンスの必要頻度も低減することができる。
【0063】
なお、この第3実施形態でも、第2実施形態で説明したようなCVT114を、例えば一方向クラッチ112’と発電電動機113との間に介在させて用いることができる。ただしこの第3実施形態では、発電電動機113側からエンジン111を始動しようとしても、一方向クラッチ112’が断状態となるために不可能である。専用のスタータモータによってエンジン111を始動することになる。
【0064】
以上に本発明の複数の実施形態及びその変形例を示したが、本発明は更に以下のように変更して実施することができる。
【0065】
(1)図4の構成のように、発電電動機113をエンジン111と同軸上に配置せず、エンジン111の側部に配設することもできる。この場合は、クラッチ112を例えばベルト式のクラッチとして、エンジン111と発電電動機113との間で動力断接を行わせるようにすれば良い。
【0066】
(2)荷役負荷検出手段は本実施形態では荷役レバーポジションセンサ145としたが、これに限定されない。例えば、荷役ポンプ117から吐出される圧油の圧力を圧力センサで検知し、検出圧力が高いことをもって荷役負荷が高いと判断しても良い。また、フォーク118の適宜位置に荷重センサを設けて、フォーク118で荷物を持ち上げる際に荷物の重量を検出し、荷物の検出重量が大きいことをもって荷役負荷が高いと判断しても良い。勿論、前記荷役レバーポジションセンサ145と前記圧力センサや前記荷重センサの検出値を組み合わせて、荷役負荷を総合的に判断する構成であっても良い。
【0067】
(3)前記の実施形態では、荷役負荷検出手段によって検出される負荷の増大の急激度を計算して前述の発電電動機113の出力の増大やエンジン回転数の増大制御を行っている。しかしながらこれに限らず、検出される負荷の値そのものが所定値以上であることを条件に、発電電動機113の出力の増大やエンジン回転数の増大制御を行うようにしても良い。
【0068】
(4)前記荷役ポンプ117は荷役バルブ119へ作動流体(圧油)を圧送するように構成しているが、フォークリフト101に油圧によるパワーステアリング装置やブレーキ装置等を備えさせ、荷役バルブ119のほか、上記装置に対しても圧油を分配して圧送する構成とすることもできる。この場合、パワーステアリング装置やブレーキ装置等に対する圧油供給源を単一の荷役ポンプ117で兼ねることが可能になり、部品点数を削減してコンパクトとでき、またコストを低減することができる。
【0069】
(5)本発明の荷役装置は、フォークリフトに限らず、他の荷役作業用の産業車両一般に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1実施形態の荷役装置を示すブロック図。
【図2】第2実施形態の荷役装置を示すブロック図。
【図3】第3実施形態の荷役装置を示すブロック図。
【図4】荷役装置の変形例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0071】
101 フォークリフト(荷役作業用産業車両)
111 エンジン
112 クラッチ
113 発電電動機
115 バッテリー
117 荷役ポンプ(荷役手段の一部)
118 フォーク(荷役手段の一部)
145 荷役レバーポジションセンサ(荷役負荷検出手段)
A 荷役装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接するクラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有し、
前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を接状態の前記クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされ、
前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記クラッチを断状態とし、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行い、
前記クラッチを切った状態での荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従するとクラッチを繋いで前記荷役手段による荷役作業を行うことを特徴とする、荷役作業用産業車両の荷役装置。
【請求項2】
エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接するクラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有し、
前記エンジンと前記発電電動機との間にはCVTが介在されており、
前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を接状態の前記クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされ、
前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記クラッチを断状態とし、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行い、
前記荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると、前記クラッチを繋いで前記荷役手段による荷役作業を行うことを特徴とする、荷役作業用産業車両の荷役装置。
【請求項3】
請求項2に記載の荷役作業用産業車両の荷役装置であって、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従して前記クラッチを接状態とした後、エンジン回転数の増大に応じてCVTの変速比を変更制御することを特徴とする、荷役作業用産業車両の荷役装置。
【請求項4】
前記クラッチを接状態として前記発電電動機を電動機モードで駆動することで前記エンジンを始動させることが可能に構成されている、請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の荷役作業用産業車両の荷役装置。
【請求項5】
エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接する一方向クラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有し、
前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を前記一方向クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされ、
前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行い、
前記荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると、自動的に繋がる前記一方向クラッチを介して前記エンジンの駆動力を前記荷役手段に伝達して荷役作業を行うことを特徴とする、荷役作業用産業車両の荷役装置。
【請求項6】
エンジンと、発電電動機と、前記エンジンと前記発電電動機との間で動力を断接する一方向クラッチと、蓄電手段と、荷役手段と、荷役負荷検出手段と、を有し、
前記エンジンと前記発電電動機との間にはCVTが介在されており、
前記発電電動機は、前記エンジンの駆動力を接状態の前記クラッチを介して発電電動機に伝達して発電を行い前記蓄電手段に蓄電する発電機モードと、前記蓄電手段から駆動電力の供給を受けて電動機となる電動機モードのいずれかのモードとされ、
前記荷役負荷検出手段により検出された負荷が小さい場合は、前記エンジンを停止又はアイドリング状態とするとともに、前記電動機モードの発電電動機によって前記荷役手段を駆動して荷役作業を行い、
前記荷役作業中に前記荷役負荷検出手段が負荷の所定以上の増大を検出すると、前記電動機モードの発電電動機の出力を増大させつつエンジン回転数の増大を開始し、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従すると、自動的に繋がる前記一方向クラッチを介して前記エンジンの駆動力を前記荷役手段に伝達して荷役作業を行うことを特徴とする、荷役作業用産業車両の荷役装置。
【請求項7】
請求項6に記載の荷役作業用産業車両の荷役装置であって、前記CVTによる変速後の発電電動機の回転数にエンジン回転数が追従して前記クラッチを接状態とした後、エンジン回転数の増大に応じてCVTの変速比を変更制御することを特徴とする、荷役作業用産業車両の荷役装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2005−298163(P2005−298163A)
【公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−118222(P2004−118222)
【出願日】平成16年4月13日(2004.4.13)
【出願人】(000003218)株式会社豊田自動織機 (4,162)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】