説明

蒸気発生装置

【課題】タンクである容器の破損を抑制しつつ、効率的に溶剤蒸気を発生できる蒸気発生装置を提供する。
【解決手段】
この蒸気発生装置37では、フランジ75aを有する支持部材75、第1凹部75b、及び第1Oリング76により、タンク71を下側から支持しているので、従来のような加熱手段からの熱による熱応力により、接着シールが破損することもなく、タンク71の支持機能を維持することができる。また、支持部材75、支持部材75の側部に形成された第2凹部75c、及び第2Oリング77により、タンク71を側部から支持しているので、第2Oリング77によりタンク71の側部下側の熱変形に対応できる。さらに、上側アルミ板81の上部とタンク71との間には伝熱スポンジ84が設けられているので、タンク71の底面の反りとヒータ41の反りに対応できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハや液晶表示装置用のガラス基板(以下、単に基板と称する)等の基板に対して、処理液により洗浄、エッチング等の処理を行った後、溶剤蒸気を基板に供給して基板を乾燥させる基板処理装置に用いる溶剤蒸気を発生する蒸気発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、処理液を貯留する処理槽と、処理槽を囲うチャンバと、基板を支持して処理位置と乾燥位置とにわたって昇降自在のリフタと、チャンバ内の気体を排出する真空ポンプと、チャンバ内に窒素ガスを供給する窒素ガスノズルと、チャンバ内に溶剤蒸気を供給する溶剤ノズルとを備えた基板処理装置が提案されている。
【0003】
このような構成の基板処理装置では、窒素ガスノズルからチャンバ内に窒素ガスを供給し、チャンバ内の酸素をチャンバ底部の排出口から排出してチャンバ内を窒素ガス雰囲気にした後、処理槽に処理液を貯留した状態でリフタを処理位置に位置させて、基板に対して処理液による処理(例えば、純水洗浄)を行う。そして、処理液による処理が終了した後、窒素ガスノズルから窒素ガスを供給してチャンバ内の酸素を排出し、チャンバ内に溶剤ノズルから溶剤蒸気を供給して、チャンバ内を溶剤蒸気雰囲気とした後に、リフタを処理位置から乾燥位置に引き上げて溶剤蒸気により基板を乾燥する。
【0004】
このような基板処理装置では、基板を乾燥する際には、溶媒蒸気が用いられ、特許文献1〜特許文献4に示すように、基板を乾燥させるための溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置が必ず設けられている。
【0005】
図4は、従来の蒸気発生装置を示す概略構成図である。この従来の蒸気発生装置は、主として、防爆の囲い110と、防爆の囲い110内に収容されるタンク120と、このタンク120を載置するための支持部材130とを備えている。このタンク120は、直方体の形状であって、上部周囲に鍔部121が形成されており、イソプロピルアルコール(以下、単にIPAと称する)等の有機溶剤を内部に貯留する。支持部材130は、口字形状をしており、防爆の囲い110内の底部に載置されている。
【0006】
このタンク120の周囲には、タンク120の長辺側3本、短辺側2本の計10本の支柱140が配置されている(図4では2本のみ開示)。この支柱140の下端部は、ボルト131により、防爆の囲い110の底部及び支持部材130に取り付けられている。なお、タンク120の側部と支柱140のタンク120と接する側とは接着剤(図示省略)により、取り付けられている。
【0007】
口字の形状の支持部材130の内側で、防爆の囲い110の底部上には、上側アルミ板150及び下側アルミ板151に挟まれた板状のヒータ160が配置されている。上側アルミ板150の上部はタンク120の下部に接触しており、下側アルミ板151の下部は防爆の囲い110の底部に接触している。タンク120の下部周囲と支持部材130とは接着シール170により取り付けられている。この接着シール170は、タンク120の下部周囲を支持するという働きがあるとともに、もしタンク120からIPA液体が漏れ出た場合のシール機能も有している。
【0008】
タンク120の鍔部121上には、タンク120内を密閉するための蓋180が載置されている。このタンク120の鍔部121と蓋180とは、ボルト190とナット191とにより、複数個所において接合されている(図4では、2組のボルト190とナット191を開示)。
【0009】
蓋180には、窒素ガス(Nガス)をタンク120内に導入するための窒素ガス導入穴181と、IPA液体をタンク120内に供給するためのIPA液体供給穴182と、IPA蒸気を基板処理部(図示省略)へ供給するためのIPA蒸気供給穴183とがそれぞれ形成されている。また、防爆の囲い110の上側には、窒素ガスを防爆の囲い110内に導入するための窒素ガス導入穴111と、IPA液体を防爆の囲い110内に供給するためのIPA液体供給穴112と、IPA蒸気を基板処理部(図示省略)へ供給するためのIPA蒸気供給穴113とがそれぞれ形成されている。
【0010】
防爆の囲い110の窒素ガス導入穴111と蓋180の窒素ガス導入穴182とには、窒素ガス導入配管185が接続されている。防爆の囲い110のIPA液体供給穴112と蓋180のIPA液体供給穴181とには、IPA液体供給配管186が接続されている。防爆の囲い110のIPA蒸気供給穴113と蓋180のIPA蒸気供給穴183とには、IPA蒸気供給配管187が接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2009−21420号公報
【特許文献2】特開2009−21421号公報
【特許文献3】特開2010−67811号公報
【特許文献4】特開2010−86981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、このような構成を有する従来の蒸気発生装置には、次のような問題がある。通常、IPA液体をIPA蒸気にするためには、ヒータ160は約120℃の温度に加熱させられる。このとき、タンク120の下部は、ヒータ160からの熱により左右に伸びようとする力が働く。また、支持部材130そのものは、常温に近い温度なので、タンク120の底部と支持部材130とには温度差がある。
【0013】
このタンク120の下部が伸びようとする力と上述した温度差とにより、接着シール170には熱応力がかかってしまい、接着シール170が破損することがある。この接着シール170が破損すれば、防爆の囲い110内のタンク120の支持機能が低下してしまうことになる。その結果、このタンク120の支持機能が低下すれば、防爆の囲い110内でタンク120が破損してしまう可能性がある。
【0014】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、容器の破損を抑制しつつ、効率的に溶剤蒸気を発生できる蒸気発生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、溶剤液体を加熱して溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置において、溶剤液体を貯留する容器と、前記容器の下側に配置され、前記容器内に貯留された溶剤液体を加熱する加熱手段と、前記容器を収容する囲いと、前記囲い内において前記囲いの底部に取り付けられ、前記容器を載置するためのフランジを有する支持部材と、前記支持部材の上部に取り付けられ、前記容器を外周側から支えるための複数の支柱とを備え、前記フランジにおいて、前記容器の下側と接触する側に凹部を形成し、前記凹部に前記容器の下側と接触するOリングを嵌め込ませたことを特徴とするものである。
【0016】
請求項2に記載の蒸気発生装置は、請求項1に記載の蒸気発生装置において、前記支持部材の前記容器の側部と接触する側に凹部を形成し、前記凹部に前記容器の側部と接触するOリングを嵌め込ませたことを特徴とするものである。
【0017】
請求項3に記載の蒸気発生装置は、請求項1または請求項2に記載の蒸気発生装置において、前記加熱手段が板状であり、前記支持部材が平面視で口字状であるとともに、前記フランジが前記支持部材の内側に設けられており、前記支持部材の内側に、前記加熱手段が配置されていることを特徴とするものである。
【0018】
請求項4に記載の蒸気発生装置は、請求項3に記載の蒸気発生装置において、前記容器の下側と前記加熱手段との間に配置された伝熱スポンジをさらに備えることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る蒸気発生装置によれば、容器を載置するためのフランジを有する支持部材を備え、この支持部材のフランジにおいて、容器の下側と接触する側に凹部を形成にし、凹部に容器の下側と接触するOリングを嵌め込ませているので、従来のような加熱手段からの熱による熱応力により、接着シールが破損することもなく、容器の支持機能を維持することができ、その結果、容器の破損を抑制できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】この発明の実施形態に係る蒸気発生装置を備える基板処理装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】この発明の実施形態に係る蒸気発生装置の断面図である。
【図3】図2における矢印Iが示す方向から見た図である。
【図4】従来の蒸気発生装置を示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る蒸気発生装置を備える基板処理装置の概略構成を示したブロック図である。
【0022】
この基板処理装置は、純水などの処理液を貯留する処理槽1を備えている。この処理槽1は、処理液を貯留し、起立姿勢とされた複数枚の基板Wを収容可能である。処理槽1の底部には、複数枚の基板Wが整列されている方向(紙面方向)に沿って長軸を有し、処理液を供給するための二本の噴出管7が配設されている。各噴出管7には、供給管11の一端側が接続されている。供給管11の他端側は、処理液供給源15に連通接続されており、その流量が制御弁からなる処理液弁17で制御される。処理液供給源15は、フッ化水素酸(HF)や、硫酸・過酸化水素水(HSO・H)の混合液などの薬液や、純水などを処理液として供給管11に供給する。
【0023】
処理槽1は、その周囲がチャンバ27で囲われている。チャンバ27は、上部に開閉自在の上部カバー29を備えている。起立姿勢で複数枚の基板Wを保持するリフタ31は、駆動機構(図示省略)によりチャンバ27の上方にあたる「待機位置」と、処理槽1の内部にあたる「処理位置」と、処理槽1の上方であってチャンバ27の内部にあたる「乾燥位置」とにわたって移動可能である。チャンバ27の側面の一部位には、排気管28aが配設されている。この排気管28aには、排気ポンプ28bが接続されており、排気弁28cにより開閉される。
【0024】
上部カバー29の下方であってチャンバ27の上部内壁には、一対の溶剤ノズル33と、一対の不活性ガスノズル34とが配設されている。溶剤ノズル33には、IPA供給管35の一端側が連通接続されている。その他端側は、蒸気発生装置37に連通接続されている。このIPA供給管35には、その上流側から順に、溶剤蒸気の流量を調整するための制御弁からなる蒸気弁38と、溶剤蒸気を加熱するためのインラインヒータ40とが配設されている。なお、IPA供給管35は、従来からある基板処理装置の供給管よりも大径(9.52mm程度)で構成され、IPA供給管35の中における溶剤蒸気の流路抵抗を小さくして溶剤ノズル33への溶剤蒸気の供給が円滑に行われる。IPA供給管35がインラインヒータ40を備えていることにより、発生された溶剤蒸気がIPA供給管35で凝縮することを軽減でき、溶剤濃度が低下することを防止できる。
【0025】
蒸気発生装置37は、蒸気発生空間である内部空間を所定温度に温調し、加熱して溶剤の蒸気を発生させるヒータ41が内部に付設されている。蒸気発生装置37の内部空間には、溶剤を供給するための溶剤供給源43が連通接続されている。この例では、溶剤としてイソプロピルアルコール(IPA)が利用されているものとする。なお、溶剤としては、イソプロピルアルコールの他に、例えば、ハイドロフルオロエーテル(HFE)がある。蒸気発生装置の詳細な内容については後述する。
【0026】
不活性ガスノズル34には、供給管45の一端側が連通接続されている。その他端側は、不活性ガスを供給する不活性ガス供給源47に連通接続されている。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスが挙げられる。不活性ガスの供給量は、不活性ガス弁49によって調整される。不活性ガス弁49の下流側には、インラインヒータ50が取り付けられている。このインラインヒータ50は、不活性ガス供給源47からの不活性ガスを所定温度に加熱する。
【0027】
チャンバ27には、チャンバ27内のガスの圧力がこもらないようにするために減圧状態を解消するための制御弁からなる呼吸弁53が取り付けられている。
【0028】
処理槽1の底部には、排出口57が配設されている。この排出口57には、QDR弁59が取り付けられている。このQDR弁59から処理槽1内の処理液を排出すると、処理液がチャンバ27内の底部に一旦排出される。チャンバ27の底部には、気液分離部61に連通接続された排出管63が取り付けられ、この排出管63には排液弁65が取り付けられている。気液分離部61は、排出管63から気体と液体を取り込むとともに、それらを分離して排出する。
【0029】
上述した処理液弁17、排気弁28c、排気ポンプ28b、上部カバー29、リフタ31、蒸気発生装置37、蒸気弁38、インラインヒータ40、ヒータ41、不活性ガス弁49、インラインヒータ50、呼吸弁53、QDR弁59、排液弁65などの動作は、制御部67によって統括的に制御される。制御部67は、上述した各部を制御するとともに、記憶部69に記憶されているデータなどを参照する。この記憶部69は、予め行われた実験によって得られた低減所要時間を記憶している。制御部67は、図示しないタイマを備えており、適宜に時間を計時する。
【0030】
低減所要時間とは、排気ポンプ28bを作動させ、チャンバ27内から気体を排気することにより、チャンバ27内における所定の酸素濃度にまで低減させるのに要する時間である。所定の酸素濃度は、酸素濃度の低減目標であり、例えば、基板Wに対してプロセス的に悪影響が生じないとされる100ppm以下、好ましくは1ppm以下である。この濃度以下となるのに要する時間が上記の低減所要時間であり、例えば、40〜60秒程度である。この実施の形態では、60秒であるとする。
【0031】
上述した制御部67は、処理液による処理を終えた後、酸素濃度低減処理を行うが、その際に記憶部69を参照し、チャンバ27内における酸素濃度が100ppm以下となったに等しい、低減所要時間が経過した時点で減圧を停止させるように上述した各部を操作する。
【0032】
次に、本発明の実施の形態に係る蒸気発生装置の具体的な構成について、図2及び図3に基づいて説明する。図2は、この発明の実施形態に係る蒸気発生装置の断面図であり、図3は、図2における矢印Iが示す方向から見た図である。
【0033】
この蒸気発生装置37は、主として、防爆の囲い70と、防爆の囲い70内に収容されているタンク71とを備えている。この防爆の囲い70は、ステンレス製の筺体であり、下側に凹部が形成されている。このタンク71は、直方体の形状であって、上部周囲に口字状の鍔部72が形成されており、溶剤液体としてのIPA液体を内部に貯留する。防爆の囲い70の凹部に対応させるように、凸状の台座73が設けられている。この台座73は、ステンレス製である。なお、タンク71は、本発明の容器に相当する。
【0034】
凸状の台座73上面の周囲には、複数の取付部材74(図2では、2個開示)により防爆の囲い70の下部と支持部材75とが取り付けられている。支持部材75は、口字状の形状としているとともに、内側に突出したフランジ75aを備えている。支持部材75のフランジ75a上にタンク71が載置される。なお、支持部材75は、ステンレス製である。
【0035】
フランジ75aにおいて、タンク71の下部側に口字状の第1凹部75bが形成されている。この第1凹部75bには、第1Oリング76が嵌め込まれている。支持部材75の内側側部には口字状の第2凹部75cが形成されている。この第2凹部75cには、第2Oリング77が嵌め込まれている。第1Oリング76及び第2Oリング77は、いずれもゴム状の弾力性部材であるエラストマーである。
【0036】
このタンク71の周囲には、タンク71の長辺側3本、短辺側2本の計10本の支柱79が配置されている(図2では、2本のみ開示、図3では、10本開示)。この支柱79の下端部は、ボルト80により、支持部材75の上端部に取り付けられている。この10本の支柱79は、ステンレス製である。なお、タンク71の側部と支柱79のタンク71と接触する側とは、接着剤(図示省略)により、取り付けられている。
【0037】
口字の形状の支持部材75の内側で、台座73上には上側アルミ板81及び下側アルミ板82に挟まれた板状のヒータ41が配置されている。上側アルミ板81の上部とタンク71との間には伝熱スポンジ84が設けられている。この伝熱スポンジ84は、シリコーン主原料のゲルである。
【0038】
タンク71の鍔部72には上には、タンク71内を密閉するための蓋85が載置されている。図2及び図3に示すように、タンク71の鍔部72と蓋85とは、10組のボルト86とナット87とにより、接合されている。
【0039】
蓋85には、窒素ガスをタンク71内に導入するための窒素ガス導入穴85aと、IPA液体をタンク71内に供給するためのIPA液体供給穴85bと、IPA蒸気を溶剤ノズル33へ供給するためのIPA蒸気供給穴85cとがそれぞれ形成されている。また、防爆の囲い70の上側には、窒素ガスをタンク71内に導入するための窒素ガス導入穴70aと、IPA液体をタンク71内に供給するためのIPA液体供給穴70bと、IPA蒸気を溶剤ノズル33へ供給するためのIPA蒸気供給穴70cとがそれぞれ形成されている。
【0040】
蓋85の窒素ガス導入穴85aと防爆の囲い70の窒素ガス導入穴70aとには、窒素ガス導入配管89が接続されている。蓋85のIPA液体供給穴85bと防爆の囲い70のIPA液体供給穴70bとには、上流側のIPA供給管35が接続されている。蓋85のIPA蒸気供給穴85cと防爆の囲い70のIPA蒸気供給穴70cとには、下流側のIPA供給管35が接続されている。
【0041】
この蒸気発生装置37では以下のようにして、IPA蒸気を発生する。まず、溶剤供給源43(図1)から上流側のIPA供給管35を介して、蒸気発生装置37内のタンク71にIPA液体を供給する。次に、ヒータ41を作動させて、タンク71内に貯留されたIPA液体を加熱する。これによりタンク71内のIPA液体の上方の空間にIPA蒸気を発生させる。最後に、窒素ガス供給源(図示省略)から窒素ガス導入配管89を介して、タンク71内に窒素ガスを導入する。この窒素ガスのタンク71への導入にともなって、タンク71内にあるIPA蒸気が下流側のIPA供給管35を介して溶剤ノズル33へ供給される。
【0042】
上述した本発明の実施の形態に係る蒸気発生装置37によれば、以下のような顕著な効果がある。まず、この蒸気発生装置37では、フランジ75aを有する支持部材75、第1凹部75b、及び第1Oリング76により、タンク71を下側から支持しているので、従来のような加熱手段からの熱による熱応力により、接着シールが破損することもなく、タンク71の支持機能を維持することができ、その結果、タンク71の破損を抑制でき、効率的に溶剤蒸気を発生できるという顕著な効果がある。
【0043】
また、この蒸気発生装置37では、支持部材75、支持部材75の側部に形成された第2凹部75c、及び第2Oリング77により、タンク71を側部から支持しているので、第2Oリング77によりタンク71の側部下側の熱変形に対応できるという顕著な効果がある。
【0044】
さらに、この蒸気発生装置37では、上側アルミ板81の上部とタンク71との間には伝熱スポンジ84が設けられているので、タンク71の底面の反りとヒータ41の反りに対応できるという顕著な効果もある。
【0045】
なお、上述した本発明の実施の形態にかぎるものではない。たとえば、上述した発明の実施形態は、処理槽1を備えたバッチ式の洗浄装置であったが、基板を回転させながら1枚ずつ処理する枚葉式の洗浄装置でも利用することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
35 IPA供給管
37 蒸気発生装置
41 ヒータ
70 防爆の囲い
71 タンク
73 台座
75 支持部材
75a フランジ
75b 第1凹部
75c 第2凹部
76 第1Oリング
77 第2Oリング
79 支柱
84 伝熱スポンジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶剤液体を加熱して溶剤蒸気を発生させる蒸気発生装置において、
溶剤液体を貯留する容器と、
前記容器の下側に配置され、前記容器内に貯留された溶剤液体を加熱する加熱手段と、
前記容器を収容する囲いと、
前記囲い内において前記囲いの底部に取り付けられ、前記容器を載置するためのフランジを有する支持部材と、
前記支持部材の上部に取り付けられ、前記容器を外周側から支えるための複数の支柱とを備え、
前記フランジにおいて、前記容器の下側と接触する側に凹部を形成し、前記凹部に前記容器の下側と接触するOリングを嵌め込ませたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蒸気発生装置において、
前記支持部材の前記容器の側部と接触する側に凹部を形成し、前記凹部に前記容器の側部と接触するOリングを嵌め込ませたことを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の蒸気発生装置において、
前記加熱手段は板状であり、
前記支持部材は、平面視で口字状であるとともに、前記フランジは、前記支持部材の内側に設けられており、
前記支持部材の内側に、前記加熱手段が配置されていることを特徴とする蒸気発生装置。
【請求項4】
請求項3に記載の蒸気発生装置において、
前記容器の下側と前記加熱手段との間に配置された伝熱スポンジをさらに備えることを特徴とする蒸気発生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−154599(P2012−154599A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−16379(P2011−16379)
【出願日】平成23年1月28日(2011.1.28)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】