説明

蒸気集束ノズル及び洗浄方法

【課題】
蒸気噴出後、処理基板上に蒸気を集中化させ、熱エネルギーと打力の集中化を利用して洗浄対象物を除去する蒸気ノズルを提供する。
【解決手段】
蒸気をノズル内部の分散板にて分散させ、分散蒸気をコアンダ効果によりテーパ状側壁にてノズル中心軸上の集束点に噴射する。この構造をもつ集束ノズルを使うことによって、一般的な円形ノズルにみられる高温流体の温度低下を防止し、温度効率のよい蒸気を処理基板上に噴射させることができる。また、集束ノズルにて集中化した蒸気の熱エネルギーと打力を効果的に利用することで、今まで除去が困難であったパーティクルの洗浄やレジスト膜等の除去が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板、液晶用ガラス基板、PDP用ガラス基板、プラスチック基板の洗浄やレジスト除去に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のレジスト除去方法として、薬液を利用するものが主であったが、近年、薬液を用いない蒸気によるレジスト除去方法が提案されている。
【0003】
特許文献1によると、レジスト除去装置内の容器にウエハを設置し、ノズルから蒸気を容器内に噴射、充填し、容器内の圧力を高くして蒸気を液化してウエハに浸透させる。その後、密封状態のままで減圧して一部を再度気化させることでレジストに亀裂を発生させて、レジストを除去する方法がある。しかし、この方法では密閉性の高い容器や加圧装置や減圧装置が必要になるため、半導体や液晶基板やPDP基板の大型化に伴い、装置コストが増大するという問題が考えられる。
【特許文献1】特開2005−259743号公報
【0004】
特許文献2で提案されているレジスト除去剤噴射装置は、縦長の円筒状中空容器の内部に除去剤の気化手段としての加熱板を備えており、該加熱板の表面まで、有機塩基と有機溶剤とを含有する除去剤を導入できるように構成されている。除去剤を蒸気化して、基板のレジスト膜形成面に向けて噴射することにより、レジスト膜を除去するものである。本発明の実施例のなかで、扇形ノズル(発散角80度程度)にて蒸気を噴射しレジスト膜の除去実験を実施している。まず蒸気のみでレジスト除去を実施したとき、ノズル先端と基板との距離を変えたが、距離が長いとレジスト膜は除去できず、距離を短くした場合にのみ除去できることが確認されている。しかし、この処理には時間を要する。これを改善するために、ノズル内に除去剤(剥離液)を導入し、加熱板にて気化し除去剤を蒸気とともに基板に噴射することによって、レジスト膜の除去時間を短縮している。しかし、この方法では温調されたチャンバーやノズル内に加熱板が必要であり構造が複雑になること、また半導体や液晶基板やPDP基板の大型化に伴い装置コストの増大、薬液使用量の増大等の問題が考えられる。
【特許文献2】特開2005−259862号公報
【0005】
特許文献2の実施例より、水蒸気のみでレジスト膜の除去を行った結果、ノズル先端と基板との距離がレジスト除去に関係することが明らかになっている。本実験で使用されたノズルは広角フラット型蒸気噴射ノズルであり、広角で蒸気を噴射させる。このノズルは常温の気体や液体を噴射する場合に適するノズルであるが、飽和蒸気や過熱蒸気などの高温流体を噴射する場合、周囲空気を巻き込む為、温度が低下するというデメリットをもっている。
【0006】
他のノズルとして末広形状ノズルやスリットノズルがある。末広形状ノズルは、ノズル入り口よりスロート状となり、断熱膨張により大気圧になるように設計した蒸気ノズルであり、鋼材表面の水分・油分の除去、熱間圧延時のデスケーリング等に利用される。このノズルは噴射打力を上げるのに適するが、噴流がある一定角度で広がるように設計されている為、周囲流体を巻き込み蒸気温度が低下する。また、スリットノズルは、幅方向に直線状のスリットをもち、幅方向に均一な噴流を得るノズルで、純水洗浄や基板乾燥用のノズルとして利用される。このノズルから出る噴流を幅方向と直交方向から見たとき、噴流は周囲流体を巻き込みながら広がる。このノズルの場合においても、蒸気温度は低下する。
【0007】
よって、蒸気温度低下を防止し、処理基板上に蒸気を集中化させ、熱エネルギーと打力の集中化を利用して洗浄対象物を除去する蒸気ノズルの開発が期待されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のごとく、従来のノズルは、蒸気噴出後、周囲流体を巻き込みながら発散角を有する構造であるため、蒸気噴射後、蒸気温度が低下し処理基板上に温度効率のよい蒸気が噴射されないという問題がある。
【0009】
そこで、従来のノズルにみられる蒸気温度低下を防止し、処理基板上に蒸気を集中化させ、熱エネルギーと打力の集中化を利用して洗浄対象物を除去する蒸気ノズルを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
非特許文献1によれば、一般的な円形ノズル(3次元軸対象ノズル)から噴流を無限に広い空間中に噴出させると、周囲流体との間の大きな速度勾配(速度差)と粘性作用の結果、周囲の流体を巻き込み噴流幅を広げながら下流方向に流れていく。円形ノズルはこのような特性を持つため、蒸気を噴射したとき、噴出口から処理基板表面の間で周囲流体を巻き込み温度が低下する。本発明のノズルにおいて蒸気はノズル内部で一度分散し、コアンダ効果によりテーパ面に沿って噴出口より下流位置の集束点に案内する流路をとり、従来のノズルにおける発散角がないため、噴出口から処理基板表面の間での蒸気温度の低下を防ぐことが可能である。
【非特許文献1】社河内 敏彦著、「噴流工学」 p3、森北出版株式会社、2004年3月発行。
【0011】
以下、具体的に図を使って、一般的な円形ノズルと本発明の集束ノズルの違いを説明する。図1に一般的な円形ノズルの蒸気噴流説明図、図2に集束ノズルの蒸気噴流説明図を示す。図1の円形ノズルにおいて流量Qの蒸気は、直径dの円孔(パイプ)を速度変化なしに通過し噴出口42より噴射され、噴出口42から距離hの処理基板表面6に到達する。噴出口より出た噴流は周囲の流体(矢印a)を巻き込み、発散角を広げながら処理基板表面に到達する。このとき処理基板表面上に噴射される蒸気の噴射面積はAである。一方、図2の集束ノズルでは、流量Qの蒸気は直径dの円孔を通過し、分散板31に衝突後、コアンダ効果により分散板傾斜面及び半球状形状側壁31、及びテーパ状側壁41の側壁を経由して、噴出口42から距離hの処理基板表面に集束する。このときの蒸気の噴射面積はBである。一般的な円形ノズルの場合、発散角を有するので噴射面積Aは円孔直径dより大きくなるが、集束ノズルの場合、集束することから噴射面積Bは円孔直径dより小さくなる。したがって、同一流量の飽和蒸気を同一穴径dに導入した場合、噴射面積の小さい集束ノズルにおいて打力の集中化が可能である。
【0012】
本発明の集束ノズルにおいて蒸気の集中化を確認する為、噴出口近傍の蒸気温度分布の測定を行った。図3に集束ノズルにおける噴出口近傍の温度分布測定結果を示す。蒸気導入部円孔の直径をd=2mmとし、102℃の飽和蒸気を導入した。噴出口42の中心を座標原点(r=0, h=0)とし、下流方向h=0〜8mm及び半径方向r=0〜3mmとr=0〜−3mmの範囲にて、クロメル-アルメル熱電対を用いて蒸気温度の測定を行った。灰色部イは蒸気温度が100〜102℃の領域であり、噴射口のテーパ側面ロ及びハの位置から集束点二を経由してホまでの領域である。これは、本発明ノズルの設計上の蒸気流路白線ロ〜ニ及びハ〜二及びニ〜ホと一致することから、蒸気はこの流路を通り、集束点二にて合流し、ホまで蒸気温度を維持していることがわかる。以上より、集束ノズルにおいて、蒸気の集中化、及び蒸気温度低下防止が可能であることがされた。
【0013】
次に比較として円形ノズルにおいての蒸気温度低下を確認するため、噴出口近傍の蒸気温度分布の測定を行った。図4に円形ノズルにおける噴出口近傍の温度分布測定結果を示す。ノズル導入部円孔の直径をd=2mmとし、102℃の飽和蒸気を導入した。噴出口42の中心を座標原点(r=0, h=0)とし、下流方向h=0〜8mm及び半径方向r=0〜3mmとr=0〜−3mmの範囲にて、クロメル-アルメル熱電対を用いて蒸気温度の測定を行った。蒸気温度は噴射口ヘで102℃、噴射口より5mmはなれた地点トで90℃であった。よって円形ノズルの場合、噴射口からの距離が遠くなるにつれ蒸気温度が低下することが確認できた。
【0014】
したがって、本発明の集束ノズルを使用することによって、一般的な円形ノズルにみられる蒸気温度低下を防止でき、蒸気を集中化させ、熱エネルギーと打力の集中化が可能となる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように本発明のノズルを用いることで、処理基板上に蒸気を集中化させ、熱エネルギーと打力の集中化を利用した洗浄や対象物除去が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
【0017】
図5〜7は本発明の第一の実施形態に係り、図5は本発明ノズルの最良の実施形態を示す集束ノズル構成断面図、図6は噴流モデル図、図7は集束点における衝撃力Fを示すモデル図である。
【0018】
図5に示すように、本発明のノズル1は蒸気導入部2、分散部3、集束部4の3部位から構成される3次元軸対象ノズルである。蒸気導入部2は直径d長さLの円筒管からなる蒸気流路を備えている。分散部3は、半径rの半球状空洞内に円錐形の分散板32を中心軸上に配値しており、分散板32斜面と半球状空洞内側壁31との隙間に蒸気流路を備えている。集束部4は、テーパ状に狭まる流路を備えている。
【0019】
本発明のノズルの機能を説明するために、蒸気を導入した際の蒸気流路を説明する。蒸気5は導入部2の導入口21より導入され、円孔22を通過し、分散部3の円錐形の分散板32の頂点aに衝突し軸対象形に分散される。分散蒸気は、コアンダ効果によって円錐形の分散板の傾斜面に沿って流れ、半球状空洞内側壁31のbに衝突する。ここでもコアンダ効果によって半球状空洞内側壁31及びテーパ状側壁41に沿い噴出口42まで案内され出口より噴射される。噴射蒸気は、ノズル中心軸上で噴射口から距離hの地点61に集束する。
【0020】
分散蒸気はb点にて半球状空洞内側壁31にT32の角度をなして衝突するが、その際の噴流の分流について説明する。図6は噴流が壁に対し斜めに当たる場合の噴流モデル図を示す。非特許文献2によると、噴流が壁とTをなす角で壁に衝突する際、衝突前の噴流Qと衝突後の噴流Qa及びQbとの関係は式1及び式2であらわされる。式より蒸気の進行方向への噴流Qaを多くし、逆方向への噴流Qbを少なくし、進行方向へのスムーズな蒸気流を得るには、本発明ノズルにおいて入射角T32を極力小さくすればよいことが判る。
【0021】
【数1】

【0022】
【数2】

【非特許文献2】前田 昌信著、「はじめて学ぶ流体力学」 p84、オーム社出版局、2002年10月発行。
【0023】
集束部にてコアンダ効果によりテーパ状側壁に沿って噴出口に案内された分散蒸気は直進噴流となって処理基板とT41の角度をなして衝突する。図7は処理基板への打力Fyを示すモデル図である。図は噴流Qaが処理基板とT41の角度をなして衝突する場合の、打力を示しており、処理基板鉛直下方向への打力FyはFy=FsinT41であらわされる。したがって、テーパ状側壁のテーパ角T41を大きくすることによって、処理基板鉛直下方向への打力を大きくすることが可能となる。
【0024】
また、非特許文献3には、噴流をある角度で衝突させる傾斜2噴流衝突において、衝突角T41が大きい程、噴流幅が狭くなることを示している。
【非特許文献3】辻本公一、社河内敏彦、安藤俊剛著、「噴流の混合制御に関する数値シュミレーション」、大阪大学サイバーメディアセンター大規模計算機システム利用者報告 vol.1,No.1, 2005.5第1号。
【0025】
以上のことから、集束ノズルの寸法を以下のようにした。円孔22の直径d=2mm、円孔22の長さL=10mm、半球状空洞31の半径r=10mm、円錐形分散板32の分散角T31=60度、b点での衝突角T32=45度、分散板底面の直径f=6.8mm、テーパ状側壁41のテーパ角T41=60度、円孔22の噴射口と円錐形分散板の頂点aまでの距離e=2mmとした。
【実施例】
【0026】
(実施例1)
(レジスト除去実験)
【0027】
以下に本発明のノズルを用いてレジスト除去実験を行った結果を説明する。
ノズル1の蒸気導入口21に、蒸気ボイラにて発生させた飽和蒸気(蒸気流量100L/min)を導入し、集束点61にノズル中心軸と直交するようにレジスト膜付き基板を置き、基板表面に向けて蒸気を噴射した。このとき使用したレジストはポジ型のg線波長用フォトレジストであり、予めスピンコータにて塗布後、ホットプレートにて100℃で10分間焼成したものである。図8にレジスト除去過程を示す写真図を示す。蒸気噴射開始10秒後レジスト膜表面に亀裂が発生し、20秒経過後、レジスト膜が局所的に除去できたことを示している。円形ノズルにて集束ノズルと同様の実験をおこなったが、レジスト表面に全く変化がみられなかった。
【0028】
この様に、本発明の集束ノズルを使うことで、処理基板上に蒸気を集中化させ、熱エネルギーと打力の集中化を利用してレジスト膜の除去ができることが証明できた。
(実施例2)
【0029】
本発明の第一の実施例の集束ノズルにおいて、軸中心部に新たに液ノズルを設置し、蒸気とともに液ノズルより界面活性剤やエッチング溶剤やレジスト剥離液などの薬液或いは純水やアルカリ電解水や水素水などの機能水などを一定比率で流すことにより、蒸気による温度効果を利用したより効果の高い洗浄やエッチングやレジスト剥離が実施できる。この2流体ノズルを使うことにより、薬液の温調設備が不要となり、薬液使用量の減少及び装置コストの低減化が期待される。
【0030】
以上、本発明の実施の形態及び実施例を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではない。本発明の第一の実施例のノズルにおいて、分散部の分散板は円錐形状であるが、半円状あるいは、角錐形状または2次曲面あるいは3次曲面の傾斜面をもつ形状であってもよく、頂点或いは中心部に蒸気を衝突させ、コアンダ効果により傾斜面に沿い蒸気を案内するもの機構であればよい。
【0031】
また、本発明の第一の実施例のノズルにおいて分散部は半球状空洞であり分散蒸気は曲面側壁に衝突するが、テーパ状側壁をもつ一定割合で拡径変化する円筒状空洞であってもよく、または分散蒸気が進入しやすいように、テーパ角を多段展開した空洞であってもよい。
【0032】
また、本発明の第一の実施例のノズルにおいて集束部は一定割合で縮径変化する円筒状空洞でテーパ状側壁をもち、蒸気はコアンダ効果によってテーパ状側壁に沿い集束点に導かれるが、テーパ角が一定の直線状側壁でなくてもよく、テーパ角が2段以上となる直線状側壁の組み合わせあるいは曲面状側壁であってもよい。
(実施例3)
【0033】
図9に断熱スカート付き集束ノズルの構成断面図を示す。断熱スカート51は噴射口下部に増設し、内径R51、外形R52、厚さ数mm程度の中空円板状である。断熱スカートを増設することで、周囲流体の巻き込みを防止し、集束後の蒸気流を処理基板表面に沿って放射状に流すことが可能となる。この蒸気流を利用して、処理基板表面を過熱するだけでなく、汚染物やレジスト等の剥離物を気流に乗せて処理対象領域外部に運ぶことが可能となる。さらに、断熱スカートの外径R52を大きくすることで、処理基板表面の大面積を加熱できるため、洗浄やレジスト剥離等の処理時間を短縮する効果がある。断熱スカートの形状はこれに限定されない。但し、コアンダ効果によりテーパ状側壁に沿って流れる分散蒸気の流路を妨害しない形状にする必要がある。図9においては、流路を妨害しないように、中空円板の内径R51を噴射口直径R41より大きくした。
【0034】
また、本発明の第一の実施例のノズルは3次元軸対象ノズルであるが、直線搬送式装置に応用した2次元広幅ノズルであってもよい。分散板の断面形状は、三角形や半円形で横幅方向に長いものでよい。
【0035】
さらに、本発明のノズルは、半導体、液晶用ガラス基板、PDP用ガラス基板、LCD実装基板の洗浄工程やエッチング工程やレジスト除去工程に使用する洗浄装置、エッチング装置、レジスト除去装置に実施されるものであり、スピン回転装置や直線搬送式装置などに装着して使用する。その際、ノズルは基板の大きさに応じてさらに大きいノズルにしても良いし、同一ノズルを複数個の多段に配置してもよい。
【0036】
また、本発明のノズルは、上記分野の技術範囲に留まらす、食器洗浄や自動車洗浄などの一般的な洗浄用ノズルとしても活用可能である。本ノズルは蒸気洗浄のみに留まらず、高温流体を用いた洗浄用ノズルとしても使用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は導体、液晶用ガラス基板、FPD用ガラス基板、マスク用石英基板、シリコンウェハー、メディア用各種基板などの製造分野での洗浄工程やレジスト除去工程で利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一般的な円形ノズルの蒸気噴流説明図である。
【図2】本発明の集束ノズルの蒸気噴流説明図である。
【図3】本発明の集束ノズルにて噴出口近傍の蒸気温度分布を示すグラフ図である。
【図4】円形ノズルにて噴出口近傍の蒸気温度分布を示すグラフ図である。
【図5】本発明の集束ノズルの最良の実施形態を示す構成断面図である。
【図6】噴流が壁に対し斜めに流れが当たる場合の噴流モデル図である。
【図7】集束点における蒸気噴流の処理基板への衝撃力Fyを示すモデル図である。
【図8】レジスト除去実験結果を示す写真図である。
【図9】断熱スカート付き集束ノズルの構成断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 ノズル
2 蒸気導入部
3 分散部
4 集束部
5 蒸気
6 処理基板
21 導入口
22 円孔
31 半球状空洞内側壁
32 円錐形の分散板
41 テーパ状側壁
42 噴出口
51 断熱スカート
61 集束点

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気を分散し、テーパ状側壁にてノズル中心軸上の集束点に案内させる構造をもつことを特徴とする蒸気ノズル。
【請求項2】
蒸気導入部、分散部、集束部を有し、円孔、分散板、テーパ状側壁よりなる請求項1に記載の蒸気ノズル。
【請求項3】
前記分散板は、円錐形状または多角錐形状または球面形状または2次曲面あるいは3次曲面の傾斜面をもつ形状であることを特徴とする請求項1及び請求項2記載の蒸気ノズル。
【請求項4】
前記テーパ状側壁は、テーパ角が一定の直線状側壁またはテーパ角が2段以上となる直線状側壁の組み合わせまたは曲面状側壁または直線状側壁と曲面状側壁の組み合わせであることを特徴とする請求項1〜3記載の蒸気ノズル。
【請求項5】
前記蒸気ノズルの下部に周囲流体の巻き込みを防止し、断熱性を上げる為に、中空円板状の断熱スカートを設置することを特徴とする請求項1〜4記載の蒸気ノズル。
【請求項6】
前記集束部内中心近傍に液ノズルを設け、液ノズルより導入した液を集束部付近で混合する機能をもつことを特徴とする請求項1〜5記載の蒸気ノズル。
【請求項7】
3次元軸対象ノズルまたは2次元広幅ノズルであることを特徴とする請求項1〜6記載の蒸気ノズル。
【請求項8】
請求項1〜請求項7記載の蒸気ノズルを用い、パーティクルや油脂、有機物、ガラスカレット、レジスト等を除去することを特徴とする洗浄方法やレジスト除去方法。
【請求項9】
請求項6記載の液ノズルより導入する液は界面活性剤やエッチング溶剤やレジスト剥離液などの薬液或いは純水や機能水などであり、この液を集束部付近にて蒸気と一定割合で混合することにより、温度効果を利用したパーティクルや油脂、有機物、ガラスカレット、レジスト等を除去することを特徴とする洗浄方法やレジスト除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−119560(P2008−119560A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−302861(P2006−302861)
【出願日】平成18年11月8日(2006.11.8)
【出願人】(500487837)ミクロ技研株式会社 (16)
【Fターム(参考)】