説明

蒸着装置および有機発光装置の製造方法

【課題】 有機発光装置などの薄膜をマスク蒸着で形成するにあたって、大判の膜厚を均一に保ちながら、画素のパターニングが精度良くできる蒸着装置を提供する。
【解決手段】 大判の膜厚を均一にするために、材料の蒸気を放出する放出口を複数備えた蒸着装置を用いる。この際、蒸着源からの輻射熱を受けて、基板およびマスクが熱膨張により伸びてアライメント位置からずれることを防ぐため、遮熱部材を配置する。このとき、遮熱部材が材料の流れを阻害しないよう、遮熱部材の開口が対応する放出口が熱膨張により水平方向に変動する範囲を含むよう設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸発または昇華した材料を被成膜物上に堆積させる蒸着装置であり、特に有機発光装置の製造に用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、有機発光表示パネルの製造において、製造コストを低減するために基板の大判化が求められている。特許文献1や特許文献2には、大判の基板上に均一な膜を形成する手段として、放出部に複数の放出口を有する蒸発源を用いた蒸着装置が提案されている。
【0003】
有機発光表示パネルの製造には、メタルマスク(以下、単にマスクと記述する。)を基板の被成膜面に配置して成膜する方法(マスク成膜法)が広く採用されている。高解像度の有機発光表示パネルを作製するためには、高精細なパターンを有するマスクが用いられる。
【0004】
このような高精細マスクを用いて蒸着装置で成膜する際、熱源である蒸発源からの輻射熱により、基板やマスクが膨張する。基板とマスクは互いに材質が異なる、つまり熱膨張係数が異なる場合が多いため夫々の膨張量が異なり、基板とマスクとの相対位置がずれてしまう。その結果、マスクによる蒸着パターンの精度が低下するという問題がある。
【0005】
特に、特許文献1や特許文献2に記載の蒸発源は、放出口を備えた放出部の面積が広いために輻射熱量が大きく、基板とマスクとの相対位置のずれも大きくなってしまう。
【特許文献1】特開2007−332458号公報
【特許文献2】特開2002−249868号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、蒸着源からの輻射熱が基板やマスクへ届かないように、放出口に対応する位置に開口を設けた遮熱部材を設置すれば、基板とマスクとの相対位置ずれを低減することができる。遮熱部材に水冷機構を設けることにより、より高い効果を得ることができる。
【0007】
ところが、蒸着源よりも遮熱部材の方が温度が低いため、熱膨張で放出口の位置が大きく変動するのに対して遮熱部材の開口の位置はほとんど変動しない。その結果、放出口が遮熱部材にぶつかったり、遮熱部材で遮られてしまったりする恐れが生じる。
【0008】
放出口が遮熱部材にぶつかると、放出口の基板に対する角度がずれて膜厚分布に影響を及ぼしたり、接触部からの伝熱により放出口の温度が低下して材料が堆積し、放出口を塞いだりしてしまう。また、放出口が遮熱部材で遮られると、材料の蒸気が基板へ届かず、所望の膜厚を得ることができなくなる。
【0009】
特に、放出部の面積が大きい場合、放出部が固定されている箇所から離れて配置された放出口ほど熱膨張による変動量は大きく、このような問題も起こりやすい。
【0010】
本発明は上記点を鑑みてなされたものであり、膜厚の均一性を保ちつつ、蒸着源から基板およびマスクへの輻射熱の量を最小限に抑えることが可能な蒸着装置を提供する。特に、高解像かつ品質ばらつきの少ない有機発光装置の製造に適した蒸着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
成膜材料を収容する材料収容部と、前記材料収容部を加熱する手段と、加熱により生じた成膜材料の蒸気を放出する複数の放出口と、前記材料収容部から前記各々の放出口へ成膜材料の蒸気を輸送する輸送管と、前記各々の放出口に対応する位置に開口を有する遮熱部材と、を備える蒸着装置であって、前記遮熱部材の各々の開口範囲は、対応する放出口が熱膨張により水平方向に変動する範囲を含んでいることを特徴とする。
【0012】
さらに、前記装置を用いた有機発光装置の製造方法であって、基板と複数の開口を有するマスクとの相対位置を決める工程と、前記蒸着源を加熱して前記基板上に前記マスクの開口に応じたパターンの膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、蒸着源から基板への輻射熱の量を低減するとともに、放出口が熱膨張して遮熱部材との接触によりその近傍の温度が低下して材料が堆積するのを防ぐことができる。また、放出口が遮熱部材によって遮られるのを防止することができる。これにより、安定して均一な膜厚を形成することができる。さらに本発明に係る蒸着装置を用いれば、高画質で品質バラツキのない有機発光素子の製造が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
まず、添付の図面を参照して本発明にかかる蒸着装置全体について説明する。
【0015】
図1は本発明にかかる蒸着装置の一実施形態を示す模式図である。
【0016】
基板101とマスク102は、不図示のアライメント室で位置あわせをした後、基板保持機構103によって保持されて成膜真空チャンバー104内へ搬送される。あらかじめアライメント室内と成膜真空チャンバー104とは同等の圧力まで減圧しておけば、アライメント位置のずれを防ぎ、タクトタイムも低減できる。
【0017】
成膜真空チャンバー104内には、成膜材料105が収容された材料収容部106、成膜材料105の蒸気を放出部108へ輸送する輸送管107、蒸気を放出する放出口109が配置されている。これらをまとめて蒸着源と呼ぶ。
【0018】
材料収容部106は、温度制御可能な不図示の加熱手段で加熱され、所望の蒸着速度を得るために温度調整される。放出口109とマスク102との間であって、放出口109から基板101の被成膜面へ向かう蒸着材料の蒸気の流れを遮らない位置に、膜厚モニター110が配置されている。この膜厚モニター110により計測された膜厚をもとに算出された蒸着速度の値が前記加熱手段の温度制御部へフィードバックされ、蒸着速度を一定に保つように、材料収容部106の温度が調整される。
【0019】
また、成膜材料105の蒸気が内部を流れる輸送管107、放出部108、放出口109には、それぞれ過熱手段と熱電対(いずれも不図示)が設けられている。これらの加熱手段と熱電対より、蒸気が流れる経路は、蒸着源内部で成膜材料105の蒸気が冷えて凝集もしくは固化しないよう成膜材料の蒸発温度近傍に制御される。
【0020】
蒸着源の加熱手段には、蒸着源の材質により抵抗加熱ヒーターや誘導加熱コイル等を用いることができる。
【0021】
放出口109と基板101およびマスク102との間には、蒸着源から基板への輻射熱を遮る遮熱部材111が設けられる。遮熱部材111は、遮熱効果を高めるために輻射率が0.1以下である金属材料で形成するのが望ましい。例えば、アルミニウムは輻射率が小さく、低コストで加工性が高い点で、遮熱部材111に好適な材料の一つである。さらに、遮熱部材111から基板101への輻射熱量をより低減するために、遮熱部材111に冷却機構を設けても良い。遮熱部材を冷却しすぎると、放出口の温度が低下して放出口に成膜材料が堆積してしまう。従って、遮熱部材は室温程度に冷却するのが好ましく、冷却機構としては、遮熱部材内部を室温程度の水を流す水冷管を好適に用いることができる。
【0022】
次に、本発明にかかる蒸着装置の放出口と遮熱部材の配置関係について、詳細に説明する。
【0023】
遮熱部材111は、材料を有効に利用すると共に、被成膜基板面内で均一な膜厚が得られるように配置する。すなわち、すべての放出口109から被成膜基板へ向かう蒸気の流れを遮らないように配置し、放出口109から放出された材料が遮熱部材に付着したり、付着した材料によって放出口109が塞がれないように配置する。そのため、遮熱部材111から放出口109の先端が突き出すように配置するのが好ましい。
【0024】
遮熱部材111に設ける各開口112は、それぞれに対応する放出口109が熱膨張により水平方向に変動する範囲を含むように設定する。遮熱部材の材質、蒸着源の材質、それぞれの部材が達する温度等から、熱膨張により遮熱部材の各開口が変動する範囲、各放出口が変動する範囲を算出する。そして、遮熱部材の各開口範囲を、対応する放出口が水平方向に変動する範囲を含むように設定する。
【0025】
このとき、余裕を見て遮熱部材111の開口範囲を大きく設定しすぎると、遮熱部材111が輻射熱を遮熱する効果が低下してしまう。そこで、放出口が水平方向に変動する範囲と開口範囲との差をできるだけ小さく設定するのが好ましいが、装置製作時の誤差や設計誤差、配管の歪みによる放出部全体の傾き等が発生しても対応できるようにしておく必要がある。従って、遮熱部材に設ける開口範囲は、放出口が変動する範囲に対して1〜5mmの余裕を設けておくのが好ましい。
【0026】
続いて、本発明の放出口109と遮熱部材111の配置について、具体例を挙げて説明する。
【0027】
図2は放出口109を放出部108の長尺方向に直線的に配置した蒸着源の例を示す概略図である。放出部108は中心で輸送管107に固定されている。
【0028】
放出口109は、基板上の膜厚分布が計算上±3%以下となるよう、放出部の中心を対称に6箇所に設けられている。
【0029】
遮熱部材111は、遮熱部材に設けられた開口内に放出口109が一つずつ含まれるように配置している。
【0030】
放出口109の先端は、遮熱部材によって蒸気の流れが遮られることのないよう、遮熱部材111から突き出す様に配置されている。
【0031】
遮熱部材111の開口112a、112b、112cは、放出口109が熱膨張によって水平方向に変動する範囲を含むように設定する。放出部が輸送管に固定されている放出部中心に最も近い2つの放出口109aは、熱による変動量が小さいため、109aに対応する開口112aの形状は略円形となる。
【0032】
開口112aの次に放出部中心に近い2つの放出口109bの熱による変動量は、放出部の長尺方向に大きくなるため、対応する開口112bの形状も放出部の長尺方向に長い略楕円形となる。同様に、放出部の中心から最も離れた2つの開口112cの形状も放出部の長尺方向に長い略楕円形となる。
【0033】
このとき、放出口の熱膨張による変動が放出部中心から離れる方向であることを考慮し、常温時において、放出口109bおよび109cを、対応する開口112bおよび112cの中心より放出部中心側にずらして配置するとよい。このようにすれば、放出口が水平方向に変動する範囲と開口範囲との差をよりさらに小さく設定することができ、遮熱板の遮熱効果も高まる。
【0034】
図3は、放出口を平面上に2次元的に配置した蒸着源の例を示す概略図である。(a)は蒸着源の斜視図、(b)は基板側から見た平面図である。
【0035】
基板上の膜厚分布が計算上±3%以下となるよう、放出口109が放出部108の中心を対称に10箇所に設けられている。
【0036】
放出部108は、中心で輸送管107に固定されているため、各放出口112は、熱膨張によって放出部中心から離れる方向に放射状に位置変動する。従って、各開口112は、図3(b)に示すように放出部108の中心とそれぞれの開口112の中心とを結ぶ線が長径と重なる略楕円形となる。放出部の中心から離れて位置する放出口ほど熱による位置変動が大きいため、楕円形の長径は大きくなる。
【0037】
また、図2の場合同様、放出口が熱膨張により変動する方向を考慮し、常温時において、放出口を、対応する開口の中心よりも放出部中心側にずらして配置すると、放出口が変動する範囲と開口範囲との差をより小さく設定することができる。
【0038】
以上、放出口の熱膨張による変動は、放出部中心で輸送管に固定されていることを前提として説明した。しかし、放出部中心以外の箇所で固定されている場合は、その固定箇所を基準として熱膨張による変動を考慮する。その場合も、実施例と同様に開口は放出部の固定箇所から近いほど小さく、離れるほど大きくすることにより、均一な膜厚を得ることができる。さらに基板、マスクの温度上昇を軽減し、高精度のパターニングが可能となる。
【0039】
続いて、成膜方法について説明する。ここでは、図3に示した蒸着源の場合について説明する。全体の概略は図1と同様の構成を採用することができるため、図1を用いる。
【0040】
基板101は、不図示のアライメント室にてマスク102との相対位置を合わせた後、基板保持機構103によって保持され、成膜真空チャンバー104内に搬入される。アライメント室および成膜真空チャンバー104は、不図示の排気系により1×10−4〜1×10−5Pa程度に排気されている。
【0041】
成膜真空チャンバー104内では、放出口109と基板101の被成膜面とが対向するように配置する。不図示の熱源により、材料収容部106内部で加熱され蒸気となった成膜材料は、輸送管107を経由して放出口109から放出され、マスク102の開口を通って基板101に堆積する。これにより、基板101にはマスク102の開口パターンに応じたパターンの膜を形成することができる。
【0042】
放出口109とマスク102との間には、各放出口109から基板101の被成膜面へ向かう蒸気の流れを遮らない位置に配設された膜厚モニターにより、蒸着速度が算出される。蒸着速度は材料収容部106を加熱する不図示の加熱手段の温度制御部へフィードバックされ、加熱温度が調整される。これにより、蒸着速度をほぼ一定に保つことができる。
【0043】
以下、有機発光表示パネルを例にとり、本発明にかかる蒸着装置を用いた製造方法の実施例を説明するが、本発明にかかる蒸着装置は本実施例に限られるものではなく、蒸着一般に広く用いることができる。
【0044】
(実施例)
図1に示す蒸着装置に図2に示す蒸着源を配置して有機発光表示パネルを作製した。有機化合物としてAlq3を用い、サイズが400mm×500mmの無アルカリガラス基板上に、発光領域サイズが30μm×120μm、表示領域が350mm×450mmの有機発光表示パネルを作製した。
【0045】
本実施例では、Alq3を蒸着速度10[Å/s]、膜厚1000[Å]を目標にして成膜を行うため、蒸着源は330〜360℃に加熱する必要がある。そこで、蒸着源の到達温度を360℃に設定して遮熱部材の開口範囲を設定した。なお、蒸着源および輸送管は、ステンレスで作製し、遮熱部材111には水冷管を配置し、約26℃の水を流した。
【0046】
放出口109は、基板上の膜厚分布が計算上±3%以下になる位置に6本、輸送管107に固定されている放出部の中心で対称となるように配置した。
【0047】
遮熱部材111は、放出口109の先端が遮熱部材から2mm突き出す位置に配置した。また、遮熱部材111には、放出口109が熱膨張によって水平方向に変動する範囲を含むように開口112a、112b、112cを設けた。
【0048】
輸送管107に最も近い2つの開口112aの形状は略円形であり、その径は放出口109の外径+2mmとした。開口112aの次に輸送管107に近い2つの開口112bの形状は略楕円形とし、長径が放出口109が配置されるラインに平行となるように配置した。開口112bの短径は放出口の外径+2mm、長径は外径+4mmとした。放出口109の中心は、開口112の中心から長径に沿っての輸送管側へ1mmずらして配置した。
【0049】
輸送管107から最も離れた2つの開口112cの形状も略楕円形とし、放出口109が配置されるラインに対して短径が垂直、長径が平行となるように配置した。短径は放出口の外径+2mmとし、長径は外径+5mmとした。放出口109の中心も、開口112の真ん中から長軸に沿って1.5[mm]ずらして配置した。
【0050】
まず、公知の手法を用いてガラス基板402上に、薄膜トランジスタ(TFT)からなる回路401と電極配線とをマトリクス状に形成した。回路401や配線の凹凸を緩和するために、アクリル樹脂をスピンコートし、ガラス基板402の回路401形成面全体に平坦化層403を形成した。平坦化層403には、回路401と後に形成する下部電極404とを電気的に接続するためのコンタクトホール405を複数形成した。
【0051】
次に、AlとITOとの積層からなる下部電極404を形成した。まず、Alをスパッタリング法にて70nm堆積した後、フォトリソにてパターニングした。さらにITOをスパッタリング法にて70nm堆積し、フォトリソにてパターニングした。図4に示すように、下部電極404と回路401はコンタクトホール405を通して電気的に接続された。
【0052】
続いて、下部電極404が設けられた面にアクリル樹脂をスピンコートして約2μm厚のアクリル膜を形成した後、フォトリソにて発光領域となる30μm×120μmサイズの開口を複数設けた。基板上に残るアクリル膜はバンク406と呼ばれ、コンタクトホール405の孔と下部電極404の端部を覆い、後に積層する膜が段差部で不連続となるのを防止する。以下、バンクまでが設けられたガラス基板402を、基板101と記述する。
【0053】
次に、アライメント室内で発光領域に対応する開口が複数設けられたマスク102と基板101のバンクの開口とを位置合わせした後、基板保持機構にてマスク102と基板101とを保持した。
【0054】
基板保持機能にて保持されたマスク102と基板101とを、図2の蒸着装置の成膜真空チャンバー104内へ搬送した。成膜真空チャンバー内では、ライン状に配置された放出口109との距離が300[mm]となるように水平に保ちながら一定速度4[mm/sec]で搬送した。基板の搬送方向は、図2の蒸着源の長尺と垂直な方向である。
【0055】
蒸着速度10[Å/s]、膜厚1000[Å]を目標としてAlq3の成膜を行った。蒸着速度は膜厚モニター110によってモニタリングし、材料収容部106を加熱する不図示のヒーター制御部にフィードバックし、ヒーターの温度制御を行った。
【0056】
このとき、材料収容部105の温度は約340℃でほぼ一定となった。また、輸送流路107から放出口109までは、不図示のヒーターと熱電対により、ほぼ330℃で一定となるように制御した。
【0057】
最後に、ITOをスパッタリング法により30nm堆積して上部電極とし、有機発光表示パネルを形成した。
【0058】
前述のように、有機発光表示パネルの形成に本発明にかかる蒸着装置を用いたところ、放出口と遮熱部材が接触することなく、蒸着源からの輻射熱を遮熱部材で遮断して蒸着を終えることができた。その結果、有機発光表示パネルは、発光層の膜厚分布が約±2.0%以内で、輝度のバラツキや画素欠陥の少ない有機発光表示パネルを作成することができた。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明にかかる蒸着装置の概略構成の一例を示す図。
【図2】本発明にかかる装置装置に用いる蒸着源の一構成例を示す概略図。
【図3】本発明にかかる装置装置に用いる蒸着源の一構成例を示す概略図。
【図4】本発明にかかる蒸着装置を用いて製造する有機発光表示パネルの一例を示す概略断面図。
【符号の説明】
【0060】
101 基板
102 マスク
103 基板保持機構
104 成膜真空チャンバー
105 成膜材料
106 材料収容部
107 輸送管
108 放出部
109 放出口
110 膜厚モニター
111 遮熱部材
112 開口
401 回路
402 ガラス基板
403 平坦化層
404 下部電極
405 コンタクトホール
406 バンク
407 発光層
408 電子輸送層
409 電子注入層
410 上部電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成膜材料を収容する材料収容部と、前記材料収容部を加熱する手段と、加熱により生じた成膜材料の蒸気を放出する複数の放出口と、前記材料収容部から前記各々の放出口へ成膜材料の蒸気を輸送する輸送管と、前記各々の放出口に対応する位置に開口を有する遮熱部材と、を備える蒸着装置であって、前記遮熱部材の各々の開口範囲は、対応する放出口が熱膨張により水平方向に変動する範囲を含んでいることを特徴とする蒸着装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置を用いた有機発光装置の製造方法であって、基板と複数の開口を有するマスクとの相対位置を決める工程と、前記蒸着源を加熱して前記基板上に前記マスクの開口に応じたパターンの膜を成膜する工程と、を有することを特徴とする有機発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−126753(P2010−126753A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301211(P2008−301211)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】