蓄電装置
【課題】 車両への搭載の自由度を向上させることができる蓄電装置を提供する。
【解決手段】 車両(1)に搭載される蓄電装置(101)であって、所定方向の両端部に正極端子および負極端子をそれぞれ有し、電気的に直列に接続された複数の蓄電素子(10,20)と、複数の蓄電素子を収容するケース(60)と、を備えている。複数の蓄電素子は、電気的に接続される正極端子および負極端子が互いに向かい合った状態で一方向に並んで配置されている。ケースは、複数の蓄電素子の配列方向に延びている。
【解決手段】 車両(1)に搭載される蓄電装置(101)であって、所定方向の両端部に正極端子および負極端子をそれぞれ有し、電気的に直列に接続された複数の蓄電素子(10,20)と、複数の蓄電素子を収容するケース(60)と、を備えている。複数の蓄電素子は、電気的に接続される正極端子および負極端子が互いに向かい合った状態で一方向に並んで配置されている。ケースは、複数の蓄電素子の配列方向に延びている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車では、車両に電池パックが搭載されている。電池パックは、電気的に直列に接続された複数の単電池(二次電池)を有している。そして、電池パックは、車両の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として蓄えたりする。
【0003】
特許文献1に記載の車両では、電池パックを車両のラゲージルームに配置している。また、特許文献2に記載の車両では、電池パックを車室内に設けられたコンソールボックス内に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−012471号公報(図1)
【特許文献2】特開2006−278201号公報(図1,2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電池パックでは、複数の単電池をまとめて配置している。具体的には、いわゆる角形の単電池を用いた場合には、複数の単電池を一方向に並べて配置して、直方体のスペースに収まるようにしている。また、いわゆる円筒形の単電池を用いた場合には、単電池の長手方向の軸が平行となるように複数の単電池を配置して、直方体のスペースに収まるようにしている。
【0006】
上述したように複数の単電池をまとめて配置すると、車両における電池パックの搭載位置が制限されてしまうことがある。具体的には、特許文献1,2に記載の車両のように、電池パックを搭載するスペースが、ラゲージルームやコンソールボックスに制限されてしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、車両への搭載の自由度を向上させることができる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両に搭載される蓄電装置であって、所定方向の両端部に正極端子および負極端子をそれぞれ有し、電気的に直列に接続された複数の蓄電素子と、複数の蓄電素子を収容するケースと、を備えている。複数の蓄電素子は、電気的に接続される正極端子および負極端子が互いに向かい合った状態で一方向に並んで配置されている。そして、ケースは、複数の蓄電素子の配列方向に延びている。
【0009】
ここで、ケースの両端部を、蓄電装置が接続される電子機器と隣り合う位置に配置することができる。すなわち、蓄電装置の端子(総プラス端子および総マイナス端子)を電子機器と隣り合う位置に配置することができる。これにより、蓄電装置および電子機器を長尺状の高圧ケーブルで接続する必要がなくなる。
【0010】
車両のうち、乗員の乗車スペースを画定するフロアパネルに沿ってケースを配置することができる。すなわち、長尺のケースをフロアパネルに沿って配置することにより、フロアパネルの上方に位置するスペースを乗員の居住スペースとして効率良く利用することができる。
【0011】
蓄電素子の外壁面およびケースの内壁面の間に、蓄電素子を付勢する付勢部材を配置して、蓄電素子の一部をケースの内壁面に密接させることができる。これにより、ケース内において、蓄電素子を位置決めすることができる。
【0012】
蓄電素子に、ケースを貫通してケースの外側に突出する突起部を設けるとともに、蓄電素子をケース内に組み込むときに、突起部を所定位置までガイドさせるガイド穴をケースに設けることができる。これにより、突起部を用いて、ケース内における所定の組み込み位置まで蓄電素子を容易に移動させることができる。
【0013】
ガイド穴は、ケースの長手方向に延びる第1領域と、第1領域に接続され、突起部との接触によりケースの長手方向において蓄電素子を位置決めするための複数の第2領域とで構成することができる。そして、第2領域を、ケースの長手方向と直交する面に対して傾斜させることができる。
【0014】
蓄電素子としては、正極端子を含む第1のコネクタと、負極端子を含む第2のコネクタとを備えた蓄電素子を用いることができる。ここで、第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有している。これにより、第1および第2のコネクタを連結させながら、複数の蓄電素子をケースに沿って配置することができる。
【0015】
また、正極端子を含む第1のコネクタおよび負極端子を備えた第1の蓄電素子と、負極端子を含む第2のコネクタおよび正極端子を備えた第2の蓄電素子とを用いることができる。第1の蓄電素子の負極端子は、第2の蓄電素子の正極端子とケーブルを介して接続されている。そして、第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有している。これにより、第1および第2のコネクタを連結させながら、第1および第2の蓄電素子をケースに沿って配置することができる。
【0016】
蓄電素子を、所定方向と直交する断面が円形状に形成することができる。この場合において、ケースを、蓄電素子の外周面に沿った形状に形成することができる。また、複数の蓄電素子のうち、隣り合って配置される2つの蓄電素子の間に、蓄電素子の間の電流経路を遮断するための遮断機構を設けることができる。さらに、蓄電素子との間で熱交換を行う気体を、ケースの長手方向における複数の位置からケース内に供給して、複数の蓄電素子の温度を調節するための温度調節構造を設けることができる。これにより、ケースの長手方向における温度のバラツキ、言い換えれば、複数の蓄電素子における温度のバラツキを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、長尺のケースを用いることにより、車両における蓄電装置の搭載位置を自由に設定することができる。すなわち、従来のように複数の蓄電素子をまとめて配置するためのスペースを車両に確保する必要がなくなり、車両ボディの形状に対応したケースを用いるだけで、蓄電装置を車両に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1である電池パックを備えた車両を示す概略図である。
【図2】電池モジュールの概略図である。
【図3】パックケースおよびインバータの配置関係を示す図である。
【図4】電池パックにおける一部の内部構成を示す図である。
【図5】電池パックにおける他の一部の内部構成を示す図である。
【図6】パックケース内における単電池の配置状態を示す図である。
【図7】単電池を組み込むためのパックケースの構造を示す外観図である。
【図8】単電池を組み込むためのパックケースの構造を示す断面図である。
【図9】電池パックで用いられるサービスプラグの構成を示す図である。
【図10】パックケースのうち、サービスプラグを設ける部分における外観図である。
【図11】リレーユニットの構成を示す外観図である。
【図12】単電池の電圧を検出する構成を示す図である。
【図13】実施例1の変形例である単電池の構成を示す図である。
【図14】実施例1の変形例において、単電池を組み込むためのパックケースの構造を示す図である。
【図15】実施例1の変形例において、パックケースに単電池を組み込むための動作を示す図である。
【図16】本発明の実施例2において、温度調節構造を備えた電池パックの断面図である。
【図17】実施例2の温度調節構造において、温度調節用の気体の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例1である電池パック(蓄電装置)について説明する。図1は、本実施例の電池パックを車両に搭載した構造を示す概略図である。
【0021】
車両1は、内燃機関(不図示)および電池パック101を備えたハイブリッド自動車である。電池パック101は、車両の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として充電したりする。なお、車両1としては、燃料電池および電池パック101を備えたハイブリッド自動車であってもよいし、電池パック101だけを備えた電気自動車であってもよい。
【0022】
車両1は、乗員の乗車するスペースである車室S1と、ラゲージルームS2とを有している。車室S1には、乗員が座るシート100が配置されている。本実施例の車両1では、車室S1およびラゲージルームS2が物理的に仕切られているが、これに限るものではない。例えば、車室S1およびラゲージルームS2が、連続したスペースで構成されていてもよい。
【0023】
車両1のフロアパネル上には、電池パック101が配置されている。電池パック101の一部の領域は、シート100の下方に位置している。ここで、従来のハイブリッド車(例えば、特許文献1に記載の車両)では、ラゲージルームS2に配置された電池パックと、エンジンルームに配置されたインバータとを、高圧ケーブルによって接続している。この構成では、高圧ケーブルを配置するためのスペースが車室S1(床下)に設けられている。そこで、高圧ケーブルを配置していたスペースを用いて、本実施例の電池パック101を配置することができる。
【0024】
電池パック101は、後述するように複数の単電池(蓄電素子)が電気的に直列に接続されたものである。また、電池パック101は、インバータ(電子機器)102に接続されている。インバータ102は、車両1の前方に設けられたエンジンルームに配置されており、電池パック100から出力された直流電力を交流電力に変換する。
【0025】
インバータ102は、モータ(不図示)に接続されており、モータは、インバータ102からの電力を受けて動作し、車両を走行させるための運動エネルギを発生させる。一方、車両の制動時には、モータで生成された電力(交流電力)がインバータ102に供給されて、直流電力に変換される。この直流電力は、電池パック101に蓄えられる。
【0026】
なお、電池パック101およびインバータ102の間に、DC/DCコンバータ(不図示)を配置することもできる。この場合には、電池パック101の出力電圧をDC/DCコンバータで昇圧してからインバータ102に供給することができる。また、インバータ102からの出力電圧をDC/DCコンバータで降圧してから電池パック101に供給することができる。
【0027】
次に、電池パック101の構成について説明する。図2は、電池パック101で用いられる電池モジュールを示す概略図である。電池パック101は、図2に示す電池モジュール(蓄電モジュール)101Aを複数有している。また、電池モジュール101Aは、第1および第2の単電池(蓄電素子)10,20を有している。
【0028】
第1の単電池10は、発電要素を収容する電池ケース11を有しており、電池ケース11は、円筒状に形成されている。この単電池10を、いわゆる円筒形の単電池という。発電要素は、充放電を行うことができる要素であり、具体的には、正極素子と、負極素子と、正極素子および負極素子の間に配置されたセパレータ(電解液を含む)とを有している。ここで、正極素子、負極素子およびセパレータを積層したものを、所定の軸周りに巻くことにより、発電要素を構成することができる。単電池10としては、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池が用いられる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。
【0029】
電池ケース11の外周面には、板バネ(付勢部材)40が固定されている。また、電池ケース11の一端面11aには、正極端子を有するオスコネクタ12が設けられている。正極端子は、発電要素の正極素子と電気的に接続されている。オスコネクタ12の正極端子には、導電ポール(突起部)51が接続されており、導電ポール51の一部(基端部)は、絶縁部材52で覆われている。導電ポール51は、後述するように第1の単電池10の電圧を検出するために用いられる。絶縁部材52は、樹脂で形成することができる。
【0030】
電池ケース11の他端面11bには、負極端子13が設けられている。端面11bは、電池ケース11のうち、端面11aが位置する側とは反対側に位置している。負極端子13は、発電要素の負極素子と電気的に接続されている。負極端子13には、ボルト31によってケーブル30の一端が固定されている。
【0031】
第2の単電池20は、第1の単電池10と同様に、発電要素を収容する電池ケース21を有しており、電池ケース21は、円筒状に形成されている。また、電池ケース21の外周面には、板バネ40が固定されている。
【0032】
電池ケース21の一端面21aには、正極端子22が設けられており、正極端子22は、電池ケース21内に配置された発電要素の正極素子と電気的に接続されている。また、正極端子22には、導電ポール(突起部)53が接続されており、導電ポール53の一部(基端部)は、樹脂で形成された絶縁部材54で覆われている。導電ポール53は、第2の単電池20の電圧を検出するために用いられる。また、正極端子22には、ボルト31によってケーブル30の他端が固定されている。これにより、第1の単電池10の負極端子13と、第2の単電池20の正極端子22は、ケーブル30を介して電気的および機械的に直列に接続される。
【0033】
電池ケース21の他端面21bには、負極端子を備えたメスコネクタ23が設けられている。メスコネクタ23およびオスコネクタ12は、互いに連結可能な構造を有している。ここで、コネクタ12をメスコネクタとし、コネクタ23をオスコネクタとすることもできる。すなわち、コネクタを用いて単電池10,20を連結することができればよい。
【0034】
電池モジュール101Aは、図3に示す金属製のパックケース60に収容される。図3は、パックケース60の構成を示す概略図であり、車両1の上部からパックケース60を見たときの図である。パックケース60は、円筒状に形成されており、パックケース60の内周面は、電池ケース11,21の外周面と向かい合っている。また、パックケース60は、図3に示すように、曲げ部60cを有しており、パックケース60の両端部60a,60bは、インバータ102と隣り合う位置に配置されている。そして、パックケース60は、図1の斜線で示す領域に配置される。
【0035】
図4および図5は、本実施例である電池パック101の一部の構成を示す図である。本実施例の電池パック101では、図2に示した電池モジュール101Aを複数用意しておき、これらの電池モジュール101Aを接続している。各電池モジュール101Aにおける第1の単電池10のオスコネクタ12は、他の電池モジュール101Aにおける第2の単電池20のメスコネクタ23と接続される。これにより、2つの電池モジュール101Aが電気的に直列に接続される。
【0036】
図4に示す構成では、パックケース60が一方向(図4の左右方向)に延びており、単電池10,20は、パックケース60に沿って配置されている。ここで、パックケース60の長手方向において、電池ケース11の端面11aは、電池ケース21の端面21bと向かい合っている。また、電池ケース11の端面11bは、電池ケース21の端面21aと向かい合っている。
【0037】
図5に示す構成では、パックケース60が複数の段差部60dを有している。段差部60dには、電池モジュール101Aのケーブル30が配置されている。一方、パックケース60のうち、段差部60dとは異なる領域には、一方の電池モジュール101Aにおける単電池20と、他方の電池モジュール101Aにおける単電池10とが配置されている。ここで、段差部60dのように、パックケース60のうち単電池10,20を配置しにくい部分があっても、ケーブル30を用いることにより、複数の単電池10,20をパックケース60に収容することができる。
【0038】
パックケース60は、1つの部材として構成することもできるし、複数の部材を互いに接続して構成することもできる。
【0039】
単電池10,20の板バネ40は、パックケース60の内壁面に接触することにより、電池ケース11,21を一方向に付勢する。これにより、電池ケース11,21の一部は、パックケース60の内壁面に密接する。図6には、第1の単電池10をパックケース60内に配置した構成を示している。板バネ40の一端部がパックケース60の内壁面に接触して、板バネ40が変形することにより、電池ケース11は、矢印Fで示す方向に付勢される。
【0040】
このように電池ケース11,21をパックケース60の内壁面に密接させることにより、各単電池10,20がパックケース60内でずれてしまうのを抑制することができる。なお、板バネ40とは異なる形状を有するバネを用いることもできる。すなわち、単電池10,20を付勢して、パックケース60の内壁面に接触させることができればよい。
【0041】
また、複数の板バネ40を用いることにより、電池ケース11,21をパックケース60の内壁面から離れた位置で保持させることもできる。例えば、電池ケース11,21の外周面において、複数の板バネ40を等間隔に配置することができる。
【0042】
一方、パックケース60には、単電池10,20に設けられた導電ポール51,53を貫通させるための穴(後述するガイド穴)が形成されている。この穴は、導電ポール51,53の先端をパックケース60の外側に位置させるためと、パックケース60内に単電池10,20を組み込むために用いられる。
【0043】
単電池10,20をパックケース60内に組み込むための構造について、図7および図8を用いて説明する。図7は、パックケース60の長手方向と直交する方向からパックケース60を見たときの図であり、図8は、パックケース60の一端側からパックケース60を見たときの図である。
【0044】
パックケース60に形成されたガイド穴61は、パックケース60の長手方向に延びる第1領域61aと、第1領域61aと接続された複数の第2領域61bとを有している。第1領域61aの一端は、パックケース60の一端部62と同一面内に位置している。すなわち、第1領域61aの一端から、各単電池10,20の導電ポール51,53をガイド穴61に組み込むことができる。第2領域61bは、パックケース60の外周面に沿って延びており、パックケース60の長手方向と直交する面内に位置している。
【0045】
第1の単電池10をパックケース60内に組み込む場合には、まず、導電ポール51をガイド穴61の第1領域61aに進入させる。そして、第1領域61aに沿って導電ポール51(第1の単電池10)を移動させる。例えば、パックケース60の他端部63に最も近い位置に第1の単電池10を配置する場合には、他端部63に最も近い第2領域61bまで導電ポール51を移動させる。
【0046】
そして、導電ポール51を第2領域61bに沿って移動させる。具体的には、図8の矢印Rで示す方向に、導電ポール51を移動させる。これにより、パックケース60内において、単電池10を位置決めすることができる。ここで、第2領域61bは、導電ポール51がパックケース60の長手方向に移動するのを阻止するため、パックケース60の長手方向において、単電池10を位置決めすることができる。
【0047】
第2の単電池20は、第1の単電池10と同様の方法により、パックケース60内に組み込むことができる。具体的には、パックケース60の長手方向で隣り合う2つの第2領域62bに対して、各単電池10,20の導電ポール51,53を進入させればよい。これにより、電池モジュール101Aをパックケース60内に配置することができる。また、電池モジュール101Aは、パックケース60内に組み込む際に、他の電池モジュール101Aとコネクタ12,23を介して接続される。
【0048】
ここで、ガイド穴61に設けられた複数の第2領域61bは、パックケース60内に配置される各単電池10,20の位置に対応させて形成すればよい。
【0049】
一方、本実施例では、パックケース60内に電流遮断器70が配置されている。電流遮断器70は、円筒状に形成されたケース71と、ケース71の両端面71a,71bに設けられたコネクタ72,73とを有している。ケース71には、ヒューズ(不図示)が内蔵されている。コネクタ72は、第2の単電池20におけるメスコネクタ23と接続され、コネクタ73は、第1の単電池10におけるオスコネクタ12と接続されている。
【0050】
また、ケース71の外周面には、板バネ74が固定されている。板バネ74は、ケース71を一方向に付勢して、ケース71の一部をパックケース60の内周面に密接させる。また、ケース71の外周面には、ポール75が設けられている。ポール75は、パックケース60内に電流遮断器70を組み込むために用いられる。すなわち、パックケース60のガイド穴61(図7参照)に沿ってポール75を移動させることにより、パックケース60内における所定位置に電流遮断器70を配置することができる。なお、ポール75は、樹脂といった、絶縁性を有する材料で形成することができる。
【0051】
ケース71には、サービスプラグ76が着脱可能な状態で取り付けられている。サービスプラグ76がケース71に装着されているときには、電流遮断器70が導通状態となっており、単電池10,20は、電流遮断器70を介して電気的に直列に接続されている。一方、ケース71からサービスプラグ76を取り外すと、電流遮断器70が非導通状態となり、単電池10,20の間における電気的な接続が遮断される。
【0052】
サービスプラグ76は、パックケース60を貫通した状態で、ケース71に取り付けられる。そして、パックケース60には、図10に示すように、サービスプラグ76を貫通させるための開口部64が形成されている。開口部64は、サービスプラグ76の形状に対応した形状に形成されている。
【0053】
なお、図10に示す構成では、ガイド穴61と重なるように開口部64を形成しているが、ガイド穴61とは異なる位置に開口部64を形成することもできる。また、パックケース60内における電流遮断器70の位置は、適宜設定することができる。例えば、サービスプラグ76を操作しやすい位置に電流遮断器70を配置することができる。また、パックケース60内に配置される複数の電池モジュール101Aを、同一数の電池モジュール101Aで二分したときの境界位置に電流遮断器70を配置したりすることができる。
【0054】
一方、パックケース60には、図11に示すリレーユニット80が配置されている。リレーユニット80は、円筒状に形成されたケース81と、ケース81内に収容されたリレー82とを有している。リレー82は、コントローラ(不図示)からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。リレー82がオンであれば、複数の電池モジュール101Aの充放電が許容される。また、リレー82がオフであれば、複数の電池モジュール101Aの充放電が禁止される。
【0055】
ケース81の両端には、コネクタ83,84が配置されている。一方のコネクタ83は、電池モジュール101Aと接続され、他方のコネクタ84は、インバータ102(図1および図3参照)に接続される。ここで、パックケース60の両端部60a,60b(図3参照)に、図11に示すリレーユニット80が配置される。
【0056】
また、ケース81の外周面には、板バネ85およびポール86が設けられている。板バネ85は、ケース81をパックケース60の内周面に接触させるために用いられる。また、ポール86は、パックケース60内にリレーユニット80を組み込むために用いられる。すなわち、パックケース60のガイド穴61(図7参照)に沿ってポール86を移動させることにより、パックケース60内における所定位置にリレーユニット80を配置することができる。なお、ポール86は、樹脂といった、絶縁性を有する材料で形成することができる。
【0057】
次に、単電池10,20の電圧を検出するための構造について、図12を用いて説明する。
【0058】
ホルダ201には、導電ポール51,53の先端部と連結される複数の連結部材202が設けられている。本実施例では、各導電ポール51,53および連結部材202の連結が、ボールジョイントによって行われている。なお、ボールジョイント以外の連結構造を用いることもできる。ここで、導電ポール51,53は、パックケース60に形成されたガイド穴61の第2領域61bによって位置決めされているため、複数の連結部材202を、対応する導電ポール51,53に容易に連結することができる。
【0059】
ホルダ201は、樹脂といった、絶縁性を有する材料で形成されている。また、ホルダ201は、パックケース60に沿った形状に形成されている。連結部材202は、導電性を有しており、配線203を介して電圧検出回路204に接続されている。これにより、電圧検出回路204において、単電池10,20の電圧を検出することができる。
【0060】
なお、本実施例では、ガイド穴61に沿って移動させるポール51を電圧検出のために用いているが、ポール51は、電圧検出の機能を有していなくてもよい。すなわち、単電池10,20をパックケース60に組み込むためだけに、ポール51を用いることができる。この場合には、ポール51は、導電性を有していなくてもよく、例えば、樹脂で形成することができる。
【0061】
本実施例によれば、複数の電池モジュール101Aをパックケース60に沿って配置することができる。そして、パックケース60を用いることにより、従来のように、複数の単電池をまとめて配置する場合に比べて、車両1における電池パック101の搭載位置を自由に設定することができる。
【0062】
また、図1に示すように、複数の電池モジュール101Aを車両1のフロアパネルに沿って配置すれば、車室S1の居住スペースを確保しつつ、電池パック101を配置することができる。具体的には、車両1の上下方向(図1の上下方向)において、電池パック101を小型化することができ、コンソールボックス内に電池パックを配置する従来の構成に比べて、フロアパネルの上方に位置するスペースを有効活用することができる。
【0063】
さらに、本実施例では、パックケース60の形状を異ならせるだけで、様々なタイプの車両に電池パック101を搭載することができる。そして、車種にかかわらず、同一構造の電池モジュール101Aを用いることができる。また、コネクタ12,23を連結することにより、コネクタ12内の正極端子およびコネクタ23内の負極端子を直接、接触させることができる。これにより、正極端子および負極端子を、バスバーを介して接続する構造(従来の構造)に比べて、バスバーの導体抵抗等の分だけ、抵抗値を低減させることができる。
【0064】
また、パックケース60の両端部60a,60bは、図3に示すように、インバータ102と隣り合う位置に配置されている。これにより、電池パック101の総プラス端子および総マイナス端子を、インバータ102と隣り合う位置に配置することができる。したがって、電池パック101およびインバータ102を長尺の高圧ケーブルを用いて接続する必要が無くなる。
【0065】
本実施例では、2つの単電池10,20で構成された電池モジュール101Aを用いているが、これに限るものではない。例えば、3つ以上の単電池を用いて、電池モジュールを構成することができる。この場合には、図2に示すケーブル30を用いて、隣り合う単電池を電気的に直列に接続すればよい。
【0066】
また、図13に示す単電池10を用いることができる。具体的には、図13に示す単電池10だけを用いて電池パック101を構成することもできるし、図13に示す単電池10および図2に示す電池モジュール101Aを用いて電池パック101を構成することもできる。なお、図13において、図2で説明した部材と同一の部材については、同一符号を用いている。
【0067】
図13に示す単電池10では、電池ケース11の他端面11bに、負極端子を有するメスコネクタ14が設けられている。メスコネクタ14は、オスコネクタ12と連結可能な構造を有している。
【0068】
一方、本実施例では、ガイド穴61の第2領域61bを、パックケース60の長手方向と直交する面内に位置させているが、これに限るものではない。例えば、図14に示すように、第2領域61bを、パックケース60の長手方向と直交する面に対して、傾斜させることができる。また、図14において、第2領域61bのうち、第1領域61aとの接続部分は、パックケース60の一端部62の側に位置しており、第2領域61bの先端部は、他端部63の側に位置している。なお、図14では、パックケース60に対して、図13に示す単電池10を組み込むときの図を示している。
【0069】
単電池10をパックケース60に組み込む場合には、まず、導電ポール51をガイド穴61の第1領域61aに進入させる。そして、導電ポール51を第1領域61aに沿って移動させた後に、第2領域61bに沿って移動させる。これにより、パックケース60内において、単電池10を位置決めすることができる。
【0070】
導電ポール51を第2領域61bに沿って移動させると、パックケース60の長手方向に単電池10を移動させることができる。具体的には、図15に示すように、単電池10を矢印Dで示す方向(組み込み方向)に移動させることができる。この単電池10の移動を用いることにより、一方の単電池10のオスコネクタ12と他方の単電池10のメスコネクタ14とを互いに連結することができる。
【0071】
図15に示す状態において、左側に位置する単電池10は、パックケース60内で位置決めされている。一方、右側に位置する単電池10では、導電ポール51を第2領域61bに進入させる前の状態となっている。ここで、右側の単電池10における導電ポール51を第2領域61bに沿って移動させると、右側の単電池10が左側の単電池10に近づいて、右側の単電池10におけるオスコネクタ12が、左側の単電池10におけるメスコネクタ14と連結する。このとき、オスコネクタ12は、メスコネクタ14に対して回転しながら連結する。
【0072】
なお、図7および図14に示す構成では、ガイド穴61を、第1領域61aおよび第2領域61bで構成しているが、これに限るものではない。例えば、第2領域61bを省略して、第1領域61aだけで、ガイド穴61を構成することができる。この場合には、板バネ40を用いることにより、パックケース60の長手方向において単電池10を位置決めすることができる。
【0073】
また、本実施例では、円筒形の単電池10,20と、円筒状に形成されたパックケース60とを用いているが、これに限るものではない。例えば、単電池10,20の電池ケース11,21を直方体又は立方体で構成することができる。この場合において、正極端子および負極端子は、電池ケース11,21のうち、相反する方向を向く端面に設ければよい。また、パックケース60は、上述した電池ケース11,21の外面に沿った形状に形成されていればよい。
【0074】
さらに、本実施例では、図3に示すように、パックケース60に曲げ部60cを設け、両端部60a,60bをインバータ102と隣り合う位置に配置しているが、これに限るものではない。例えば、パックケース60の一端部60aをインバータ102と隣り合う位置に配置し、パックケース60の他端部60bをインバータ102から最も離れた位置に配置することができる。
【0075】
この場合には、電池パック101の総プラス端子および総マイナス端子のうち、一方の端子がインバータ102と隣り合う位置に配置され、他方の端子がインバータ102から最も離れた位置に配置される。また、他方の端子は、高圧ケーブルを介してインバータ102に接続することができ、高圧ケーブルは、パックケース60に沿って配置することができる。
【実施例2】
【0076】
次に、本発明の実施例2である電池パックについて、図16および図17を用いて説明する。図16は、電池パックの長手方向と直交する断面を示す図である。図17は、電池パックの長手方向に沿った断面を示す図である。なお、実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用いている。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0077】
本実施例の電池パック101は、単電池10,20の温度を調節するための温度調節構造を有している。複数の電池モジュール101Aを収容するパックケース60には、温度調節用の気体を供給するためのダクト90が取り付けられている。ダクト90は、樹脂で形成されており、一対の腕部91を有している。
【0078】
腕部91は、パックケース60の外周面に沿った形状に形成されている。また、各腕部91の先端には、パックケース60の外周面に密接する爪部92が設けられている。ここで、一対の腕部91を弾性変形させることにより、ダクト90をパックケース60に取り付けることができる。
【0079】
ダクト90は、複数の開口部93を有しており、ダクト90の内周面には、樹脂層65が形成されている。また、パックケース60は、ガイド穴61が形成された領域とは異なる領域に、複数の吸気口66を有している。より具体的には、吸気口66は、パックケース60のうち、電池ケース11,21やケース71と接触しない領域に形成されている。なお、吸気口66の数や形成位置は、後述する吸気口66の機能を満たす範囲内において、適宜設定することができる。
【0080】
ここで、ダクト90は、各開口部93が各吸気口66と重なるように、パックケース60に装着される。これにより、ダクト90の通路Cに導かれた気体を、開口部93および吸気口66を介して、パックケース60内に移動させることができる。なお、図16に示す通路Cの断面形状は、適宜設定することができる。
【0081】
ダクト90に導かれる気体としては、例えば、車室S1又はラゲージルームS2内に存在する空気を用いることができる。具体的には、ファンを駆動することにより、上記空気をダクト90の通路Cに導くことができる。通路Cに導かれた空気は、ダクト90の開口部93およびパックケース60の吸気口66を通過して、パックケース60内に移動する。これにより、パックケース60内の単電池10,20に空気が接触して、単電池10,20および空気の間で熱交換が行われる。ここで、図17に示す矢印は、空気の移動方向を示している。
【0082】
単電池10,20との間で熱交換された空気は、パックケース60の外部に排出される。例えば、熱交換後の空気は、ガイド穴61を介してパックケース60の外部に排出される。また、熱交換後の空気を排出させるための排出口をパックケース60に設けることもできる。
【0083】
単電池10,20の入出力特性は、単電池10,20の温度が所定の温度範囲外にあるときに、劣化してしまうおそれがある。そこで、単電池10,20の温度を、所定の温度範囲内に維持することが好ましい。具体的には、単電池10,20が発熱している場合には、冷却用の空気を単電池10,20に供給することにより、単電池10,20の温度上昇を抑制することができる。また、単電池10,20が過度に冷えている場合には、加温用の空気を単電池10,20に供給することにより、単電池10,20の温度低下を抑制することができる。
【0084】
本実施例によれば、ダクト90を用いて単電池10,20の温度を調節することにより、単電池10,20の入出力特性が劣化してしまうのを抑制することができる。ここで、ダクト90を用いずに、パックケース60内に直接、気体を供給することもできるが、この場合には、パックケース60の長手方向において、温度分布のバラツキが生じてしまうことがある。そこで、本実施例では、パックケース60に沿ってダクト90を配置し、ダクト90内の気体を、各単電池10,20に対して供給している。これにより、パックケース60の長手方向において、温度分布のバラツキが発生してしまうのを抑制することができる。
【0085】
また、本実施例では、図14に示すように、単電池10のオスコネクタ(正極端子を含む)12や単電池20のメスコネクタ(負極端子を含む)23に対して、通路Cからの気体を接触させている。正極端子および負極端子は、電池ケース11,21内の発電要素と接続されているため、これらの電極端子の温度を調節すれば、発電要素の温度も容易に調節することができる。これにより、単電池10の温度調節を効率良く行うことができる。
【0086】
さらに、通路Cおよびパックケース60の間には、樹脂で形成されたダクト90の一部が位置している。言い換えれば、通路Cおよびパックケース60の間に、樹脂で形成された断熱層を配置している。これにより、通路C内を移動する気体が、単電池10,20との間で熱交換される前に、パックケース60との間で熱交換されてしまうのを防止することができる。
【0087】
同様に、パックケース60の内周面には、断熱層となる樹脂層65が形成されているため、パックケース60内に移動した気体が、パックケース60の内周面との間で熱交換されてしまうのを防止することができる。これにより、温度調節用の気体および単電池10,20の間で効率良く温度調節することができる。
【0088】
なお、本実施例では、一対の腕部91を用いて、ダクト90をパックケース60に取り付けているが、これに限るものではない。すなわち、通路Cを形成するダクトを、パックケース60に固定できればよい。例えば、ボルトといった締結部材を用いて、通路Cを有するダクトをパックケース60に固定することができる。
【符号の説明】
【0089】
1:車両 10,20:単電池(蓄電素子)
11,21:電池ケース 12:オスコネクタ
13:負極端子 22:正極端子
23:メスコネクタ 30:ケーブル
31:ボルト 40:板バネ
51,53:導電ポール 52,54:絶縁部材
60:パックケース 62:ガイド穴
62a:第1領域 62b:第2領域
70:電流遮断器 75:ポール
76:サービスプラグ 80:リレーユニット
90:ダクト 91:腕部
92:爪部 93:開口部
100:シート 101:電池パック(蓄電装置)
101A:電池モジュール(蓄電モジュール) 102:インバータ(電子機器)
S1:車室 S2:ラゲージルーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され、複数の蓄電素子が電気的に直列に接続された蓄電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド自動車では、車両に電池パックが搭載されている。電池パックは、電気的に直列に接続された複数の単電池(二次電池)を有している。そして、電池パックは、車両の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として蓄えたりする。
【0003】
特許文献1に記載の車両では、電池パックを車両のラゲージルームに配置している。また、特許文献2に記載の車両では、電池パックを車室内に設けられたコンソールボックス内に配置している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−012471号公報(図1)
【特許文献2】特開2006−278201号公報(図1,2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の電池パックでは、複数の単電池をまとめて配置している。具体的には、いわゆる角形の単電池を用いた場合には、複数の単電池を一方向に並べて配置して、直方体のスペースに収まるようにしている。また、いわゆる円筒形の単電池を用いた場合には、単電池の長手方向の軸が平行となるように複数の単電池を配置して、直方体のスペースに収まるようにしている。
【0006】
上述したように複数の単電池をまとめて配置すると、車両における電池パックの搭載位置が制限されてしまうことがある。具体的には、特許文献1,2に記載の車両のように、電池パックを搭載するスペースが、ラゲージルームやコンソールボックスに制限されてしまうことがある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、車両への搭載の自由度を向上させることができる蓄電装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、車両に搭載される蓄電装置であって、所定方向の両端部に正極端子および負極端子をそれぞれ有し、電気的に直列に接続された複数の蓄電素子と、複数の蓄電素子を収容するケースと、を備えている。複数の蓄電素子は、電気的に接続される正極端子および負極端子が互いに向かい合った状態で一方向に並んで配置されている。そして、ケースは、複数の蓄電素子の配列方向に延びている。
【0009】
ここで、ケースの両端部を、蓄電装置が接続される電子機器と隣り合う位置に配置することができる。すなわち、蓄電装置の端子(総プラス端子および総マイナス端子)を電子機器と隣り合う位置に配置することができる。これにより、蓄電装置および電子機器を長尺状の高圧ケーブルで接続する必要がなくなる。
【0010】
車両のうち、乗員の乗車スペースを画定するフロアパネルに沿ってケースを配置することができる。すなわち、長尺のケースをフロアパネルに沿って配置することにより、フロアパネルの上方に位置するスペースを乗員の居住スペースとして効率良く利用することができる。
【0011】
蓄電素子の外壁面およびケースの内壁面の間に、蓄電素子を付勢する付勢部材を配置して、蓄電素子の一部をケースの内壁面に密接させることができる。これにより、ケース内において、蓄電素子を位置決めすることができる。
【0012】
蓄電素子に、ケースを貫通してケースの外側に突出する突起部を設けるとともに、蓄電素子をケース内に組み込むときに、突起部を所定位置までガイドさせるガイド穴をケースに設けることができる。これにより、突起部を用いて、ケース内における所定の組み込み位置まで蓄電素子を容易に移動させることができる。
【0013】
ガイド穴は、ケースの長手方向に延びる第1領域と、第1領域に接続され、突起部との接触によりケースの長手方向において蓄電素子を位置決めするための複数の第2領域とで構成することができる。そして、第2領域を、ケースの長手方向と直交する面に対して傾斜させることができる。
【0014】
蓄電素子としては、正極端子を含む第1のコネクタと、負極端子を含む第2のコネクタとを備えた蓄電素子を用いることができる。ここで、第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有している。これにより、第1および第2のコネクタを連結させながら、複数の蓄電素子をケースに沿って配置することができる。
【0015】
また、正極端子を含む第1のコネクタおよび負極端子を備えた第1の蓄電素子と、負極端子を含む第2のコネクタおよび正極端子を備えた第2の蓄電素子とを用いることができる。第1の蓄電素子の負極端子は、第2の蓄電素子の正極端子とケーブルを介して接続されている。そして、第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有している。これにより、第1および第2のコネクタを連結させながら、第1および第2の蓄電素子をケースに沿って配置することができる。
【0016】
蓄電素子を、所定方向と直交する断面が円形状に形成することができる。この場合において、ケースを、蓄電素子の外周面に沿った形状に形成することができる。また、複数の蓄電素子のうち、隣り合って配置される2つの蓄電素子の間に、蓄電素子の間の電流経路を遮断するための遮断機構を設けることができる。さらに、蓄電素子との間で熱交換を行う気体を、ケースの長手方向における複数の位置からケース内に供給して、複数の蓄電素子の温度を調節するための温度調節構造を設けることができる。これにより、ケースの長手方向における温度のバラツキ、言い換えれば、複数の蓄電素子における温度のバラツキを抑制することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、長尺のケースを用いることにより、車両における蓄電装置の搭載位置を自由に設定することができる。すなわち、従来のように複数の蓄電素子をまとめて配置するためのスペースを車両に確保する必要がなくなり、車両ボディの形状に対応したケースを用いるだけで、蓄電装置を車両に搭載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1である電池パックを備えた車両を示す概略図である。
【図2】電池モジュールの概略図である。
【図3】パックケースおよびインバータの配置関係を示す図である。
【図4】電池パックにおける一部の内部構成を示す図である。
【図5】電池パックにおける他の一部の内部構成を示す図である。
【図6】パックケース内における単電池の配置状態を示す図である。
【図7】単電池を組み込むためのパックケースの構造を示す外観図である。
【図8】単電池を組み込むためのパックケースの構造を示す断面図である。
【図9】電池パックで用いられるサービスプラグの構成を示す図である。
【図10】パックケースのうち、サービスプラグを設ける部分における外観図である。
【図11】リレーユニットの構成を示す外観図である。
【図12】単電池の電圧を検出する構成を示す図である。
【図13】実施例1の変形例である単電池の構成を示す図である。
【図14】実施例1の変形例において、単電池を組み込むためのパックケースの構造を示す図である。
【図15】実施例1の変形例において、パックケースに単電池を組み込むための動作を示す図である。
【図16】本発明の実施例2において、温度調節構造を備えた電池パックの断面図である。
【図17】実施例2の温度調節構造において、温度調節用の気体の流れを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0020】
本発明の実施例1である電池パック(蓄電装置)について説明する。図1は、本実施例の電池パックを車両に搭載した構造を示す概略図である。
【0021】
車両1は、内燃機関(不図示)および電池パック101を備えたハイブリッド自動車である。電池パック101は、車両の走行に用いられるエネルギを出力したり、車両の制動時に発生する運動エネルギを回生電力として充電したりする。なお、車両1としては、燃料電池および電池パック101を備えたハイブリッド自動車であってもよいし、電池パック101だけを備えた電気自動車であってもよい。
【0022】
車両1は、乗員の乗車するスペースである車室S1と、ラゲージルームS2とを有している。車室S1には、乗員が座るシート100が配置されている。本実施例の車両1では、車室S1およびラゲージルームS2が物理的に仕切られているが、これに限るものではない。例えば、車室S1およびラゲージルームS2が、連続したスペースで構成されていてもよい。
【0023】
車両1のフロアパネル上には、電池パック101が配置されている。電池パック101の一部の領域は、シート100の下方に位置している。ここで、従来のハイブリッド車(例えば、特許文献1に記載の車両)では、ラゲージルームS2に配置された電池パックと、エンジンルームに配置されたインバータとを、高圧ケーブルによって接続している。この構成では、高圧ケーブルを配置するためのスペースが車室S1(床下)に設けられている。そこで、高圧ケーブルを配置していたスペースを用いて、本実施例の電池パック101を配置することができる。
【0024】
電池パック101は、後述するように複数の単電池(蓄電素子)が電気的に直列に接続されたものである。また、電池パック101は、インバータ(電子機器)102に接続されている。インバータ102は、車両1の前方に設けられたエンジンルームに配置されており、電池パック100から出力された直流電力を交流電力に変換する。
【0025】
インバータ102は、モータ(不図示)に接続されており、モータは、インバータ102からの電力を受けて動作し、車両を走行させるための運動エネルギを発生させる。一方、車両の制動時には、モータで生成された電力(交流電力)がインバータ102に供給されて、直流電力に変換される。この直流電力は、電池パック101に蓄えられる。
【0026】
なお、電池パック101およびインバータ102の間に、DC/DCコンバータ(不図示)を配置することもできる。この場合には、電池パック101の出力電圧をDC/DCコンバータで昇圧してからインバータ102に供給することができる。また、インバータ102からの出力電圧をDC/DCコンバータで降圧してから電池パック101に供給することができる。
【0027】
次に、電池パック101の構成について説明する。図2は、電池パック101で用いられる電池モジュールを示す概略図である。電池パック101は、図2に示す電池モジュール(蓄電モジュール)101Aを複数有している。また、電池モジュール101Aは、第1および第2の単電池(蓄電素子)10,20を有している。
【0028】
第1の単電池10は、発電要素を収容する電池ケース11を有しており、電池ケース11は、円筒状に形成されている。この単電池10を、いわゆる円筒形の単電池という。発電要素は、充放電を行うことができる要素であり、具体的には、正極素子と、負極素子と、正極素子および負極素子の間に配置されたセパレータ(電解液を含む)とを有している。ここで、正極素子、負極素子およびセパレータを積層したものを、所定の軸周りに巻くことにより、発電要素を構成することができる。単電池10としては、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池が用いられる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることもできる。
【0029】
電池ケース11の外周面には、板バネ(付勢部材)40が固定されている。また、電池ケース11の一端面11aには、正極端子を有するオスコネクタ12が設けられている。正極端子は、発電要素の正極素子と電気的に接続されている。オスコネクタ12の正極端子には、導電ポール(突起部)51が接続されており、導電ポール51の一部(基端部)は、絶縁部材52で覆われている。導電ポール51は、後述するように第1の単電池10の電圧を検出するために用いられる。絶縁部材52は、樹脂で形成することができる。
【0030】
電池ケース11の他端面11bには、負極端子13が設けられている。端面11bは、電池ケース11のうち、端面11aが位置する側とは反対側に位置している。負極端子13は、発電要素の負極素子と電気的に接続されている。負極端子13には、ボルト31によってケーブル30の一端が固定されている。
【0031】
第2の単電池20は、第1の単電池10と同様に、発電要素を収容する電池ケース21を有しており、電池ケース21は、円筒状に形成されている。また、電池ケース21の外周面には、板バネ40が固定されている。
【0032】
電池ケース21の一端面21aには、正極端子22が設けられており、正極端子22は、電池ケース21内に配置された発電要素の正極素子と電気的に接続されている。また、正極端子22には、導電ポール(突起部)53が接続されており、導電ポール53の一部(基端部)は、樹脂で形成された絶縁部材54で覆われている。導電ポール53は、第2の単電池20の電圧を検出するために用いられる。また、正極端子22には、ボルト31によってケーブル30の他端が固定されている。これにより、第1の単電池10の負極端子13と、第2の単電池20の正極端子22は、ケーブル30を介して電気的および機械的に直列に接続される。
【0033】
電池ケース21の他端面21bには、負極端子を備えたメスコネクタ23が設けられている。メスコネクタ23およびオスコネクタ12は、互いに連結可能な構造を有している。ここで、コネクタ12をメスコネクタとし、コネクタ23をオスコネクタとすることもできる。すなわち、コネクタを用いて単電池10,20を連結することができればよい。
【0034】
電池モジュール101Aは、図3に示す金属製のパックケース60に収容される。図3は、パックケース60の構成を示す概略図であり、車両1の上部からパックケース60を見たときの図である。パックケース60は、円筒状に形成されており、パックケース60の内周面は、電池ケース11,21の外周面と向かい合っている。また、パックケース60は、図3に示すように、曲げ部60cを有しており、パックケース60の両端部60a,60bは、インバータ102と隣り合う位置に配置されている。そして、パックケース60は、図1の斜線で示す領域に配置される。
【0035】
図4および図5は、本実施例である電池パック101の一部の構成を示す図である。本実施例の電池パック101では、図2に示した電池モジュール101Aを複数用意しておき、これらの電池モジュール101Aを接続している。各電池モジュール101Aにおける第1の単電池10のオスコネクタ12は、他の電池モジュール101Aにおける第2の単電池20のメスコネクタ23と接続される。これにより、2つの電池モジュール101Aが電気的に直列に接続される。
【0036】
図4に示す構成では、パックケース60が一方向(図4の左右方向)に延びており、単電池10,20は、パックケース60に沿って配置されている。ここで、パックケース60の長手方向において、電池ケース11の端面11aは、電池ケース21の端面21bと向かい合っている。また、電池ケース11の端面11bは、電池ケース21の端面21aと向かい合っている。
【0037】
図5に示す構成では、パックケース60が複数の段差部60dを有している。段差部60dには、電池モジュール101Aのケーブル30が配置されている。一方、パックケース60のうち、段差部60dとは異なる領域には、一方の電池モジュール101Aにおける単電池20と、他方の電池モジュール101Aにおける単電池10とが配置されている。ここで、段差部60dのように、パックケース60のうち単電池10,20を配置しにくい部分があっても、ケーブル30を用いることにより、複数の単電池10,20をパックケース60に収容することができる。
【0038】
パックケース60は、1つの部材として構成することもできるし、複数の部材を互いに接続して構成することもできる。
【0039】
単電池10,20の板バネ40は、パックケース60の内壁面に接触することにより、電池ケース11,21を一方向に付勢する。これにより、電池ケース11,21の一部は、パックケース60の内壁面に密接する。図6には、第1の単電池10をパックケース60内に配置した構成を示している。板バネ40の一端部がパックケース60の内壁面に接触して、板バネ40が変形することにより、電池ケース11は、矢印Fで示す方向に付勢される。
【0040】
このように電池ケース11,21をパックケース60の内壁面に密接させることにより、各単電池10,20がパックケース60内でずれてしまうのを抑制することができる。なお、板バネ40とは異なる形状を有するバネを用いることもできる。すなわち、単電池10,20を付勢して、パックケース60の内壁面に接触させることができればよい。
【0041】
また、複数の板バネ40を用いることにより、電池ケース11,21をパックケース60の内壁面から離れた位置で保持させることもできる。例えば、電池ケース11,21の外周面において、複数の板バネ40を等間隔に配置することができる。
【0042】
一方、パックケース60には、単電池10,20に設けられた導電ポール51,53を貫通させるための穴(後述するガイド穴)が形成されている。この穴は、導電ポール51,53の先端をパックケース60の外側に位置させるためと、パックケース60内に単電池10,20を組み込むために用いられる。
【0043】
単電池10,20をパックケース60内に組み込むための構造について、図7および図8を用いて説明する。図7は、パックケース60の長手方向と直交する方向からパックケース60を見たときの図であり、図8は、パックケース60の一端側からパックケース60を見たときの図である。
【0044】
パックケース60に形成されたガイド穴61は、パックケース60の長手方向に延びる第1領域61aと、第1領域61aと接続された複数の第2領域61bとを有している。第1領域61aの一端は、パックケース60の一端部62と同一面内に位置している。すなわち、第1領域61aの一端から、各単電池10,20の導電ポール51,53をガイド穴61に組み込むことができる。第2領域61bは、パックケース60の外周面に沿って延びており、パックケース60の長手方向と直交する面内に位置している。
【0045】
第1の単電池10をパックケース60内に組み込む場合には、まず、導電ポール51をガイド穴61の第1領域61aに進入させる。そして、第1領域61aに沿って導電ポール51(第1の単電池10)を移動させる。例えば、パックケース60の他端部63に最も近い位置に第1の単電池10を配置する場合には、他端部63に最も近い第2領域61bまで導電ポール51を移動させる。
【0046】
そして、導電ポール51を第2領域61bに沿って移動させる。具体的には、図8の矢印Rで示す方向に、導電ポール51を移動させる。これにより、パックケース60内において、単電池10を位置決めすることができる。ここで、第2領域61bは、導電ポール51がパックケース60の長手方向に移動するのを阻止するため、パックケース60の長手方向において、単電池10を位置決めすることができる。
【0047】
第2の単電池20は、第1の単電池10と同様の方法により、パックケース60内に組み込むことができる。具体的には、パックケース60の長手方向で隣り合う2つの第2領域62bに対して、各単電池10,20の導電ポール51,53を進入させればよい。これにより、電池モジュール101Aをパックケース60内に配置することができる。また、電池モジュール101Aは、パックケース60内に組み込む際に、他の電池モジュール101Aとコネクタ12,23を介して接続される。
【0048】
ここで、ガイド穴61に設けられた複数の第2領域61bは、パックケース60内に配置される各単電池10,20の位置に対応させて形成すればよい。
【0049】
一方、本実施例では、パックケース60内に電流遮断器70が配置されている。電流遮断器70は、円筒状に形成されたケース71と、ケース71の両端面71a,71bに設けられたコネクタ72,73とを有している。ケース71には、ヒューズ(不図示)が内蔵されている。コネクタ72は、第2の単電池20におけるメスコネクタ23と接続され、コネクタ73は、第1の単電池10におけるオスコネクタ12と接続されている。
【0050】
また、ケース71の外周面には、板バネ74が固定されている。板バネ74は、ケース71を一方向に付勢して、ケース71の一部をパックケース60の内周面に密接させる。また、ケース71の外周面には、ポール75が設けられている。ポール75は、パックケース60内に電流遮断器70を組み込むために用いられる。すなわち、パックケース60のガイド穴61(図7参照)に沿ってポール75を移動させることにより、パックケース60内における所定位置に電流遮断器70を配置することができる。なお、ポール75は、樹脂といった、絶縁性を有する材料で形成することができる。
【0051】
ケース71には、サービスプラグ76が着脱可能な状態で取り付けられている。サービスプラグ76がケース71に装着されているときには、電流遮断器70が導通状態となっており、単電池10,20は、電流遮断器70を介して電気的に直列に接続されている。一方、ケース71からサービスプラグ76を取り外すと、電流遮断器70が非導通状態となり、単電池10,20の間における電気的な接続が遮断される。
【0052】
サービスプラグ76は、パックケース60を貫通した状態で、ケース71に取り付けられる。そして、パックケース60には、図10に示すように、サービスプラグ76を貫通させるための開口部64が形成されている。開口部64は、サービスプラグ76の形状に対応した形状に形成されている。
【0053】
なお、図10に示す構成では、ガイド穴61と重なるように開口部64を形成しているが、ガイド穴61とは異なる位置に開口部64を形成することもできる。また、パックケース60内における電流遮断器70の位置は、適宜設定することができる。例えば、サービスプラグ76を操作しやすい位置に電流遮断器70を配置することができる。また、パックケース60内に配置される複数の電池モジュール101Aを、同一数の電池モジュール101Aで二分したときの境界位置に電流遮断器70を配置したりすることができる。
【0054】
一方、パックケース60には、図11に示すリレーユニット80が配置されている。リレーユニット80は、円筒状に形成されたケース81と、ケース81内に収容されたリレー82とを有している。リレー82は、コントローラ(不図示)からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。リレー82がオンであれば、複数の電池モジュール101Aの充放電が許容される。また、リレー82がオフであれば、複数の電池モジュール101Aの充放電が禁止される。
【0055】
ケース81の両端には、コネクタ83,84が配置されている。一方のコネクタ83は、電池モジュール101Aと接続され、他方のコネクタ84は、インバータ102(図1および図3参照)に接続される。ここで、パックケース60の両端部60a,60b(図3参照)に、図11に示すリレーユニット80が配置される。
【0056】
また、ケース81の外周面には、板バネ85およびポール86が設けられている。板バネ85は、ケース81をパックケース60の内周面に接触させるために用いられる。また、ポール86は、パックケース60内にリレーユニット80を組み込むために用いられる。すなわち、パックケース60のガイド穴61(図7参照)に沿ってポール86を移動させることにより、パックケース60内における所定位置にリレーユニット80を配置することができる。なお、ポール86は、樹脂といった、絶縁性を有する材料で形成することができる。
【0057】
次に、単電池10,20の電圧を検出するための構造について、図12を用いて説明する。
【0058】
ホルダ201には、導電ポール51,53の先端部と連結される複数の連結部材202が設けられている。本実施例では、各導電ポール51,53および連結部材202の連結が、ボールジョイントによって行われている。なお、ボールジョイント以外の連結構造を用いることもできる。ここで、導電ポール51,53は、パックケース60に形成されたガイド穴61の第2領域61bによって位置決めされているため、複数の連結部材202を、対応する導電ポール51,53に容易に連結することができる。
【0059】
ホルダ201は、樹脂といった、絶縁性を有する材料で形成されている。また、ホルダ201は、パックケース60に沿った形状に形成されている。連結部材202は、導電性を有しており、配線203を介して電圧検出回路204に接続されている。これにより、電圧検出回路204において、単電池10,20の電圧を検出することができる。
【0060】
なお、本実施例では、ガイド穴61に沿って移動させるポール51を電圧検出のために用いているが、ポール51は、電圧検出の機能を有していなくてもよい。すなわち、単電池10,20をパックケース60に組み込むためだけに、ポール51を用いることができる。この場合には、ポール51は、導電性を有していなくてもよく、例えば、樹脂で形成することができる。
【0061】
本実施例によれば、複数の電池モジュール101Aをパックケース60に沿って配置することができる。そして、パックケース60を用いることにより、従来のように、複数の単電池をまとめて配置する場合に比べて、車両1における電池パック101の搭載位置を自由に設定することができる。
【0062】
また、図1に示すように、複数の電池モジュール101Aを車両1のフロアパネルに沿って配置すれば、車室S1の居住スペースを確保しつつ、電池パック101を配置することができる。具体的には、車両1の上下方向(図1の上下方向)において、電池パック101を小型化することができ、コンソールボックス内に電池パックを配置する従来の構成に比べて、フロアパネルの上方に位置するスペースを有効活用することができる。
【0063】
さらに、本実施例では、パックケース60の形状を異ならせるだけで、様々なタイプの車両に電池パック101を搭載することができる。そして、車種にかかわらず、同一構造の電池モジュール101Aを用いることができる。また、コネクタ12,23を連結することにより、コネクタ12内の正極端子およびコネクタ23内の負極端子を直接、接触させることができる。これにより、正極端子および負極端子を、バスバーを介して接続する構造(従来の構造)に比べて、バスバーの導体抵抗等の分だけ、抵抗値を低減させることができる。
【0064】
また、パックケース60の両端部60a,60bは、図3に示すように、インバータ102と隣り合う位置に配置されている。これにより、電池パック101の総プラス端子および総マイナス端子を、インバータ102と隣り合う位置に配置することができる。したがって、電池パック101およびインバータ102を長尺の高圧ケーブルを用いて接続する必要が無くなる。
【0065】
本実施例では、2つの単電池10,20で構成された電池モジュール101Aを用いているが、これに限るものではない。例えば、3つ以上の単電池を用いて、電池モジュールを構成することができる。この場合には、図2に示すケーブル30を用いて、隣り合う単電池を電気的に直列に接続すればよい。
【0066】
また、図13に示す単電池10を用いることができる。具体的には、図13に示す単電池10だけを用いて電池パック101を構成することもできるし、図13に示す単電池10および図2に示す電池モジュール101Aを用いて電池パック101を構成することもできる。なお、図13において、図2で説明した部材と同一の部材については、同一符号を用いている。
【0067】
図13に示す単電池10では、電池ケース11の他端面11bに、負極端子を有するメスコネクタ14が設けられている。メスコネクタ14は、オスコネクタ12と連結可能な構造を有している。
【0068】
一方、本実施例では、ガイド穴61の第2領域61bを、パックケース60の長手方向と直交する面内に位置させているが、これに限るものではない。例えば、図14に示すように、第2領域61bを、パックケース60の長手方向と直交する面に対して、傾斜させることができる。また、図14において、第2領域61bのうち、第1領域61aとの接続部分は、パックケース60の一端部62の側に位置しており、第2領域61bの先端部は、他端部63の側に位置している。なお、図14では、パックケース60に対して、図13に示す単電池10を組み込むときの図を示している。
【0069】
単電池10をパックケース60に組み込む場合には、まず、導電ポール51をガイド穴61の第1領域61aに進入させる。そして、導電ポール51を第1領域61aに沿って移動させた後に、第2領域61bに沿って移動させる。これにより、パックケース60内において、単電池10を位置決めすることができる。
【0070】
導電ポール51を第2領域61bに沿って移動させると、パックケース60の長手方向に単電池10を移動させることができる。具体的には、図15に示すように、単電池10を矢印Dで示す方向(組み込み方向)に移動させることができる。この単電池10の移動を用いることにより、一方の単電池10のオスコネクタ12と他方の単電池10のメスコネクタ14とを互いに連結することができる。
【0071】
図15に示す状態において、左側に位置する単電池10は、パックケース60内で位置決めされている。一方、右側に位置する単電池10では、導電ポール51を第2領域61bに進入させる前の状態となっている。ここで、右側の単電池10における導電ポール51を第2領域61bに沿って移動させると、右側の単電池10が左側の単電池10に近づいて、右側の単電池10におけるオスコネクタ12が、左側の単電池10におけるメスコネクタ14と連結する。このとき、オスコネクタ12は、メスコネクタ14に対して回転しながら連結する。
【0072】
なお、図7および図14に示す構成では、ガイド穴61を、第1領域61aおよび第2領域61bで構成しているが、これに限るものではない。例えば、第2領域61bを省略して、第1領域61aだけで、ガイド穴61を構成することができる。この場合には、板バネ40を用いることにより、パックケース60の長手方向において単電池10を位置決めすることができる。
【0073】
また、本実施例では、円筒形の単電池10,20と、円筒状に形成されたパックケース60とを用いているが、これに限るものではない。例えば、単電池10,20の電池ケース11,21を直方体又は立方体で構成することができる。この場合において、正極端子および負極端子は、電池ケース11,21のうち、相反する方向を向く端面に設ければよい。また、パックケース60は、上述した電池ケース11,21の外面に沿った形状に形成されていればよい。
【0074】
さらに、本実施例では、図3に示すように、パックケース60に曲げ部60cを設け、両端部60a,60bをインバータ102と隣り合う位置に配置しているが、これに限るものではない。例えば、パックケース60の一端部60aをインバータ102と隣り合う位置に配置し、パックケース60の他端部60bをインバータ102から最も離れた位置に配置することができる。
【0075】
この場合には、電池パック101の総プラス端子および総マイナス端子のうち、一方の端子がインバータ102と隣り合う位置に配置され、他方の端子がインバータ102から最も離れた位置に配置される。また、他方の端子は、高圧ケーブルを介してインバータ102に接続することができ、高圧ケーブルは、パックケース60に沿って配置することができる。
【実施例2】
【0076】
次に、本発明の実施例2である電池パックについて、図16および図17を用いて説明する。図16は、電池パックの長手方向と直交する断面を示す図である。図17は、電池パックの長手方向に沿った断面を示す図である。なお、実施例1で説明した部材と同一の機能を有する部材については、同一符号を用いている。以下、実施例1と異なる点について説明する。
【0077】
本実施例の電池パック101は、単電池10,20の温度を調節するための温度調節構造を有している。複数の電池モジュール101Aを収容するパックケース60には、温度調節用の気体を供給するためのダクト90が取り付けられている。ダクト90は、樹脂で形成されており、一対の腕部91を有している。
【0078】
腕部91は、パックケース60の外周面に沿った形状に形成されている。また、各腕部91の先端には、パックケース60の外周面に密接する爪部92が設けられている。ここで、一対の腕部91を弾性変形させることにより、ダクト90をパックケース60に取り付けることができる。
【0079】
ダクト90は、複数の開口部93を有しており、ダクト90の内周面には、樹脂層65が形成されている。また、パックケース60は、ガイド穴61が形成された領域とは異なる領域に、複数の吸気口66を有している。より具体的には、吸気口66は、パックケース60のうち、電池ケース11,21やケース71と接触しない領域に形成されている。なお、吸気口66の数や形成位置は、後述する吸気口66の機能を満たす範囲内において、適宜設定することができる。
【0080】
ここで、ダクト90は、各開口部93が各吸気口66と重なるように、パックケース60に装着される。これにより、ダクト90の通路Cに導かれた気体を、開口部93および吸気口66を介して、パックケース60内に移動させることができる。なお、図16に示す通路Cの断面形状は、適宜設定することができる。
【0081】
ダクト90に導かれる気体としては、例えば、車室S1又はラゲージルームS2内に存在する空気を用いることができる。具体的には、ファンを駆動することにより、上記空気をダクト90の通路Cに導くことができる。通路Cに導かれた空気は、ダクト90の開口部93およびパックケース60の吸気口66を通過して、パックケース60内に移動する。これにより、パックケース60内の単電池10,20に空気が接触して、単電池10,20および空気の間で熱交換が行われる。ここで、図17に示す矢印は、空気の移動方向を示している。
【0082】
単電池10,20との間で熱交換された空気は、パックケース60の外部に排出される。例えば、熱交換後の空気は、ガイド穴61を介してパックケース60の外部に排出される。また、熱交換後の空気を排出させるための排出口をパックケース60に設けることもできる。
【0083】
単電池10,20の入出力特性は、単電池10,20の温度が所定の温度範囲外にあるときに、劣化してしまうおそれがある。そこで、単電池10,20の温度を、所定の温度範囲内に維持することが好ましい。具体的には、単電池10,20が発熱している場合には、冷却用の空気を単電池10,20に供給することにより、単電池10,20の温度上昇を抑制することができる。また、単電池10,20が過度に冷えている場合には、加温用の空気を単電池10,20に供給することにより、単電池10,20の温度低下を抑制することができる。
【0084】
本実施例によれば、ダクト90を用いて単電池10,20の温度を調節することにより、単電池10,20の入出力特性が劣化してしまうのを抑制することができる。ここで、ダクト90を用いずに、パックケース60内に直接、気体を供給することもできるが、この場合には、パックケース60の長手方向において、温度分布のバラツキが生じてしまうことがある。そこで、本実施例では、パックケース60に沿ってダクト90を配置し、ダクト90内の気体を、各単電池10,20に対して供給している。これにより、パックケース60の長手方向において、温度分布のバラツキが発生してしまうのを抑制することができる。
【0085】
また、本実施例では、図14に示すように、単電池10のオスコネクタ(正極端子を含む)12や単電池20のメスコネクタ(負極端子を含む)23に対して、通路Cからの気体を接触させている。正極端子および負極端子は、電池ケース11,21内の発電要素と接続されているため、これらの電極端子の温度を調節すれば、発電要素の温度も容易に調節することができる。これにより、単電池10の温度調節を効率良く行うことができる。
【0086】
さらに、通路Cおよびパックケース60の間には、樹脂で形成されたダクト90の一部が位置している。言い換えれば、通路Cおよびパックケース60の間に、樹脂で形成された断熱層を配置している。これにより、通路C内を移動する気体が、単電池10,20との間で熱交換される前に、パックケース60との間で熱交換されてしまうのを防止することができる。
【0087】
同様に、パックケース60の内周面には、断熱層となる樹脂層65が形成されているため、パックケース60内に移動した気体が、パックケース60の内周面との間で熱交換されてしまうのを防止することができる。これにより、温度調節用の気体および単電池10,20の間で効率良く温度調節することができる。
【0088】
なお、本実施例では、一対の腕部91を用いて、ダクト90をパックケース60に取り付けているが、これに限るものではない。すなわち、通路Cを形成するダクトを、パックケース60に固定できればよい。例えば、ボルトといった締結部材を用いて、通路Cを有するダクトをパックケース60に固定することができる。
【符号の説明】
【0089】
1:車両 10,20:単電池(蓄電素子)
11,21:電池ケース 12:オスコネクタ
13:負極端子 22:正極端子
23:メスコネクタ 30:ケーブル
31:ボルト 40:板バネ
51,53:導電ポール 52,54:絶縁部材
60:パックケース 62:ガイド穴
62a:第1領域 62b:第2領域
70:電流遮断器 75:ポール
76:サービスプラグ 80:リレーユニット
90:ダクト 91:腕部
92:爪部 93:開口部
100:シート 101:電池パック(蓄電装置)
101A:電池モジュール(蓄電モジュール) 102:インバータ(電子機器)
S1:車室 S2:ラゲージルーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される蓄電装置であって、
所定方向の両端部に正極端子および負極端子をそれぞれ有し、電気的に直列に接続された複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子を収容するケースと、を備え、
前記複数の蓄電素子は、電気的に接続される前記正極端子および前記負極端子が互いに向かい合った状態で一方向に並んで配置されており、
前記ケースは、前記複数の蓄電素子の配列方向に延びていることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記蓄電装置は、電子機器に接続されており、
前記ケースの両端部が、前記電子機器と隣り合う位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記車両のうち、乗員の乗車スペースを画定するフロアパネルに沿って配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記蓄電素子の外壁面および前記ケースの内壁面の間に配置されており、前記蓄電素子を付勢して前記蓄電素子の一部を前記ケースの内壁面に密接させる付勢部材を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記蓄電素子は、前記ケースを貫通して前記ケースの外側に突出する突起部を有しており、
前記ケースは、前記蓄電素子を前記ケース内に組み込むときに、前記突起部を所定位置までガイドさせるガイド穴を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記ガイド穴は、前記ケースの長手方向に延びる第1領域と、前記第1領域に接続され、前記突起部との接触により前記ケースの長手方向において前記蓄電素子を位置決めするための複数の第2領域とを有することを特徴とする請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記第2領域は、前記ケースの長手方向と直交する面に対して傾斜していることを特徴とする請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記蓄電素子は、前記正極端子を含む第1のコネクタと、前記負極端子を含む第2のコネクタとを有し、
前記第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記複数の蓄電素子のうち、第1の蓄電素子は、前記正極端子を含む第1のコネクタと、前記負極端子とを有し、
第2の蓄電素子は、前記負極端子を含む第2のコネクタと、前記第1の蓄電素子の前記負極端子とケーブルを介して接続される前記正極端子とを有し、
前記第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記蓄電素子は、前記所定方向と直交する断面が円形状に形成されており、
前記ケースは、前記蓄電素子の外周面に沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記複数の蓄電素子のうち、隣り合って配置される2つの前記蓄電素子の間に位置し、前記蓄電素子の間の電流経路を遮断するための遮断機構を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項12】
前記蓄電素子との間で熱交換を行う気体を、前記ケースの長手方向における複数の位置から前記ケース内に供給して、前記複数の蓄電素子の温度を調節するための温度調節構造を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項1】
車両に搭載される蓄電装置であって、
所定方向の両端部に正極端子および負極端子をそれぞれ有し、電気的に直列に接続された複数の蓄電素子と、
前記複数の蓄電素子を収容するケースと、を備え、
前記複数の蓄電素子は、電気的に接続される前記正極端子および前記負極端子が互いに向かい合った状態で一方向に並んで配置されており、
前記ケースは、前記複数の蓄電素子の配列方向に延びていることを特徴とする蓄電装置。
【請求項2】
前記蓄電装置は、電子機器に接続されており、
前記ケースの両端部が、前記電子機器と隣り合う位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記ケースは、前記車両のうち、乗員の乗車スペースを画定するフロアパネルに沿って配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
前記蓄電素子の外壁面および前記ケースの内壁面の間に配置されており、前記蓄電素子を付勢して前記蓄電素子の一部を前記ケースの内壁面に密接させる付勢部材を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記蓄電素子は、前記ケースを貫通して前記ケースの外側に突出する突起部を有しており、
前記ケースは、前記蓄電素子を前記ケース内に組み込むときに、前記突起部を所定位置までガイドさせるガイド穴を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記ガイド穴は、前記ケースの長手方向に延びる第1領域と、前記第1領域に接続され、前記突起部との接触により前記ケースの長手方向において前記蓄電素子を位置決めするための複数の第2領域とを有することを特徴とする請求項5に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記第2領域は、前記ケースの長手方向と直交する面に対して傾斜していることを特徴とする請求項6に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記蓄電素子は、前記正極端子を含む第1のコネクタと、前記負極端子を含む第2のコネクタとを有し、
前記第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項9】
前記複数の蓄電素子のうち、第1の蓄電素子は、前記正極端子を含む第1のコネクタと、前記負極端子とを有し、
第2の蓄電素子は、前記負極端子を含む第2のコネクタと、前記第1の蓄電素子の前記負極端子とケーブルを介して接続される前記正極端子とを有し、
前記第1および第2のコネクタは、互いに連結可能な構造を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項10】
前記蓄電素子は、前記所定方向と直交する断面が円形状に形成されており、
前記ケースは、前記蓄電素子の外周面に沿った形状に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項11】
前記複数の蓄電素子のうち、隣り合って配置される2つの前記蓄電素子の間に位置し、前記蓄電素子の間の電流経路を遮断するための遮断機構を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【請求項12】
前記蓄電素子との間で熱交換を行う気体を、前記ケースの長手方向における複数の位置から前記ケース内に供給して、前記複数の蓄電素子の温度を調節するための温度調節構造を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1つに記載の蓄電装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−287498(P2010−287498A)
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−141417(P2009−141417)
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月12日(2009.6.12)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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