説明

蓋材

【課題】 ヒ−トシ−ル性とイ−ジ−ピ−ル性に優れ、その密封性と易開封性を有する蓋材を提供することである。
【解決手段】 基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層したことを特徴とする蓋材、更には、基材フィルムと、バリア性基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層したことを特徴とする蓋材に関するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋材に関し、更に詳しくは、プラスチック製成形容器の開口部をシ−ルする蓋材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の飲食料品、液体洗剤等の化成品ないし化粧品、医薬品、雑貨品、産業部材、その他の物品を充填包装するために、種々の形態からなるプラスチック製成形容器が開発され、提案されている。
而して、上記のプラスチック製成形容器においては、そのプラスチック製成形容器の開口部をシ−ルし、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の要請から、ヒ−トシ−ル性に優れ、密封性を十分に満足し得るものであると共に、更に、イ−ジ−ピ−ル性に優れ、消費時に容易に開封することができる易開封性を有する蓋材が要求されているものである。
そのため、近年、プラスチック製成形容器の開口部をシ−ルすべく、密封性と易開封性等を兼ね備えた蓋材として、種々の層構成からなる蓋材用材料が、開発され、提案されている。
例えば、少なくとも2層からなるヒ−トシ−ル性積層フィルムであって、(a)シ−ル層となる第1層は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマ−、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体およびエチレン・アクリル酸メチル共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマ−(S1)と、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびエチレン・プロピレン共重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマ−(S2)とのブレンドポリマ−を含有する層であって、該第1層の厚みが20μm以下であり、かつ、凝集破壊強度が50〜1,000g/15mm幅の範囲内にあり、(b)第1層に隣接する第2層は、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸メチル共重合体、アイオノマ−、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エチル共重合体、エチレン・アクリル酸メチル共重合体およびそれらのマレイン酸グラフト重合体からなる群より選ばれる少なくとも1種のポリマ−を含有する層であって、該第2層の凝集破壊強度が第1層の凝集破壊強度の1.5倍以上であり、(c)少なくとも第1層および第2層は共押出により積層されたものである、ことを特徴とするイ−ジ−ピ−ル性共押出積層フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポリプロピレンよりなる基材層に、ポリブテンとポリエチレンとポリプロピレンとを含有する組成物からなるヒ−ル層を積層してなることを特徴とするポリプロピレン容器用イ−ジ−ピ−ルフィルムも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
更に、外層、中間層、及びシ−ル層からなる多層フィルムであって、シ−ル層が50〜90重量%のエチレンメタクリル酸共重合体(EMAA)と10〜50重量%のポリプロピレン(PP)との混合物からなるクッション層とポリエチレン(PE)からなるシ−ラント層の両層からなり、かつ該シ−ラント層が10μm以下であり、かつクッション層のEMAAのメルトフロ−レイト(A)と該シ−ラント層のメルトフロ−レイト(B)が1.5≦B/A≦5.0であることを特徴とする多層フィルムも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平5−212835号公報
【特許文献2】特開平6−328639号公報
【特許文献3】特開2002−283513公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の特許文献1に係るイ−ジ−ピ−ル性共押出積層フィルムにおいては、上記のように、エチレンと不飽和カルボン酸またはそのエステル類との共重合体を含んでいる樹脂組成物を共押出すると、当該共重合体成分が、共押出ダイあるいは金型等を構成する金属表面との接着性が極めて高いということから、パ−ジ速度が遅くなり、異物混入の発生原因およびロスの発生原因等となって好ましくないものである。
また、上記の特許文献1に係るイ−ジ−ピ−ル性共押出積層フィルムにおいては、そもそも、エチレンと不飽和カルボン酸またはそのエステル類との共重合体等の1種のポリマ−(S1)と、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはエチレン・プロピレン共重合体1種の1種のポリマ−(S2)との押出温度帯域が異なり、そのことが異臭の発生原因となるばかりではなく、エチレンと不飽和カルボン酸またはそのエステル類との共重合体成分自体、臭気があることから、それを使用することは好ましくないものである。
次に、上記の特許文献2に係るポリプロピレン容器用イ−ジピ−ルフィルムにおいては、ポリブテンを使用し、低温シ−ル性を発現し、シ−ル強度の温度依存性を解決するために大きく役立つものではあるが、ポリブテン自身が、シ−ルの剥離界面において糸引を発生し、例えば、蓋材等を剥離し、その部分に口を当て飲食すると、唇等に傷等を発生し兼ねないという問題点があることから好ましくないものである。
また、上記の特許文献3に係る多層フィルムにおいては、上記の特許文献1に係るイ−ジ−ピ−ル性共押出積層フィルムと同様な問題点を有することから好ましくないものである。
而して、上記のような特許文献1〜3に係るフィルムは、総じて、材料コストが高く、また、例えば、ブレンド条件、製膜手段その他等の製膜条件において、その自由度が低く、更に、例えば、低温シ−ル性等を向上させる目的で配合されるポリブテン等は、糸引等の原因となることから好ましくないものである。
また、プラスチック製成形容器の開口部をシ−ルする蓋材としては、内容物の品質の保護、その保存期間の延長、その他等の観点から、密封性と易開封性等を兼ね備えると共に酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性、あるいは、太陽光あるいは蛍光灯の蛍光等を遮断する遮光性、その他の物性等を要求されるものである。
そこで本発明は、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の観点から、ヒ−トシ−ル性に優れ、その密封性を十分に満足し得るものであると共にイ−ジ−ピ−ル性に優れ、消費時にプラスチック製成形容器の開口部を容易に開封することができ、極めて美麗な剥離界面を構成し得る易開封性に優れ、更に、バリア性、遮光性等を有し、プラスチック製成形容器の開口部をシ−ルするに有用な蓋材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、上記のような問題点を解決すべく種々検討の結果、基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層した構成からなる蓋材、あるいは、基材フィルムと、バリア性基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層した構成からなる蓋材を製造し、他方、各種のプラスチック製成形容器、特に、ポリプロピレン系樹脂からなる成形容器内に、例えば、各種の飲食料品、液体洗剤等の化成品ないし化粧品、医薬品、雑貨品、産業部材、その他の物品を充填し、次いで、上記で製造した蓋材を使用し、その蓋材を構成する共押出多層積層フィルムの面を、上記の内容物を充填した各種のプラスチック製成形容器の開口部のフランジ部の面に対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をヒ−トシ−ルし、上記の各種のプラスチック製成形容器の開口部を密封して、種々の形態からなる各種のプラスチック製成形容器包装製品を製造したところ、ヒ−トシ−ル性に優れ、その安定した密封性を十分に満足し得るものであって、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の要請を充足すると共に、更に、所定のピ−ル強度を有し、そのイ−ジ−ピ−ル性に優れ、消費時に容易に開封することができる易開封性を有し、更に、糸引等の現象は認められず極めて美麗な剥離界面を形成し得ることができ、かつ、太陽光あるいは蛍光灯の蛍光等を遮断する遮光性、更には、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性、その他の物性等に優れ、各種のプラスチック製成形容器、特に、ポリプロピレン系樹脂からなる成形容器の開口部を密閉するに極めて有用な蓋材を製造し得ることを見出して本発明を見出したものである。
【0005】
すなわち、本発明は、基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層したことを特徴とする蓋材、更には、基材フィルムと、バリア性基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層したことを特徴とする蓋材に関するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る蓋材においては、それを構成する共押出多層積層フィルムが、ヒ−トシ−ル材として、ヒ−トシ−ル性に優れ、その安定した密封性を十分に満足し得るものであって、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の要請を充足すると共に、更に、所定のピ−ル強度を有し、そのイ−ジ−ピ−ル性に優れ、消費時に容易に開封することができる易開封性を有し、更に、剥離界面において糸引等の現象は認められない極めて美麗な剥離界面を形成し得るものであり、従って、該共押出多層積層フィルムを使用し、種々の層構成からなる蓋材を製造し得ることができるという利点を有するものである。
また、本発明に係る蓋材においては、そを構成する共押出多層積層フィルムが、その層構成中に遮光性樹脂層を有することから、遮光性材料として、太陽光あるいは蛍光灯の蛍光等を遮断する遮光性を有し、また、本発明に係る蓋材においては、バリア性基材フィルム等により、酸素ガス、水蒸気等の透過を阻止するバリア性を有し、更に、その他の物性等に優れ、各種のプラスチック製成形容器、特に、ポリプロピレン系樹脂からなる成形容器の開口部を密閉するに極めて有用な蓋材に係るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
上記の本発明に係る蓋材について以下に図面等を用いて更に詳しく説明する。
まず、図1、図2、図3、図4および図5は、本発明に係る蓋材についてその層構成の二三例を示す概略的断面図であり、図6は、上記の図1に示す本発明に係る蓋材を使用し、これを、内容物を充填した各種のプラスチック製成形容器の開口部のフランジ部の面に貼着して製造した各種のプラスチック製成形容器包装製品についてその構成の一例の概略を示す概略的断面図である。
【0008】
まず、本発明において、本発明に係る蓋材Aとしては、例えば、図1に示すように、基材フィルム1と、少なくとも遮光性樹脂層2とヒ−トシ−ル性樹脂層3とからなる共押出多層積層フィルム4とを、その共押出多層積層フィルム4を構成する遮光性樹脂層2の面を対向させて積層した層構成、あるいは、本発明に係る蓋材A1 としては、例えば、図2に示すように、基材フィルム1と、バリア性基材フィルム5と、少なくとも遮光性樹脂層2とヒ−トシ−ル性樹脂層3とからなる共押出多層積層フィルム4とを、その共押出多層積層フィルム4を構成する遮光性樹脂層2の面を対向させて積層した層構造からなることを基本構造とするものである。
【0009】
而して、本発明において、本発明に係る蓋材について、その具体例を例示すると、例えば、図3に示すように、上記の図1に示す本発明に係る蓋材Aにおいて、上記の共押出多層積層フィルム4として、白色樹脂層6と遮光性樹脂層2とヒ−トシ−ル性樹脂層3とからなる共押出多層積層フィルム4aを使用し、該共押出多層積層フィルム4aを、その共押出多層積層フィルム4aを構成する白色樹脂層6の面を対向させて積層した層構成からなる本発明に係る蓋材A2 を挙げることができる。
【0010】
また、本発明において、本発明に係る蓋材について、別の具体例を例示すると、例えば、図4に示すように、上記の図1に示す本発明に係る蓋材Aにおいて、上記の共押出多層積層フィルム4として、白色樹脂層6と遮光性樹脂層2と白色樹脂層6aとヒ−トシ−ル性樹脂層3とからなる共押出多層積層フィルム4bを使用し、該共押出多層積層フィルム4bを、その共押出多層積層フィルム4bを構成する白色樹脂層6の面を対向させて積層した層構成からなる本発明に係る蓋材A3 を挙げることができる。
【0011】
更に、本発明において、本発明に係る蓋材について、別の具体例を例示すると、例えば、図5に示すように、上記の図1に示す本発明に係る蓋材Aにおいて、上記の共押出多層積層フィルム4として、透明ないし半透明の樹脂層7と白色樹脂層6と遮光性樹脂層2と白色樹脂層6aとヒ−トシ−ル性樹脂層3とからなる共押出多層積層フィルム4cを使用し、該共押出多層積層フィルム4cを、その共押出多層積層フィルム4cを構成する透明ないし半透明の樹脂層7の面を対向させて積層した層構成からなる本発明に係る蓋材A4 を挙げることができる。
【0012】
上記の例示は、本発明に係る蓋材についてその具体的な二三例を例示したものであり、本発明はこれによって限定されるものではないことは言うまでもないことである。
例えば、本発明にかかる蓋材は、例えば、充填包装する内容物、その包装目的、包装形態、各種のプラスチック製成形容器の種類あるいは形態、その他等により、各層間に更に他の基材を積層することができるものである。
勿論、本発明においては、図示しないが、上記の図2に示す本発明に係る蓋材においても、その共押出多層積層フィルムとして、上記の図3〜図5に示すような共押出多層積層フィルムを使用し、上記と同様に積層して、種々の形態からなる本発明に係る蓋材を製造することができるものである。
【0013】
次に、本発明において、上記のような本発明に係る蓋材を使用し、これを、内容物を充填した各種のプラスチック製成形容器の開口部のフランジ部の面に貼着して製造する各種のプラスチック製成形容器包装製品についてその一例を例示して説明すると、例えば、上記の図1に示す本発明に係る蓋材Aを使用する場合を例示して説明すると、図6に示すように、まず、上記の本発明に係る蓋材Aを用意し、他方、同様に、各種のプラスチック製成形容器11を用意し、次いで、該各種のプラスチック製成形容器11内に、その開口部から、例えば、飲食品、果汁、ジュ−ス、飲料水、酒、調理食品、水産練り製品、冷凍食品、肉製品、煮物、餅、液体ス−プ、調味料、その他等の各種の飲食料品、液体洗剤、化粧品、化成品、その他の物品からなる内容物12を充填し、次に、上記の本発明に係る蓋材Aを使用し、該本発明に係る蓋材Aを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層3の面、すなわち、最内層面Pの面を、上記の内容物を充填した各種のプラスチック製成形容器11の開口部のフランジ部13の面Qに対向させて重ね合わせ、しかる後、本発明に係る蓋材Aと各種のプラスチック製成形容器11の両者を、その重ね合わせた面において、ヒ−トシ−ルし、本発明に係る蓋材Aで各種のプラスチック製成形容器11の開口部を密封して、種々の形態からなる本発明に係る蓋材Aを使用した各種のプラスチック製成形容器包装製品Bを製造し得るものである。
なお、本発明においては、プラスチック製成形容器としては、上記に図示した例示のものに限定されるものでないことは言うまでもないことであり、その目的、用途等により、各種の角型、丸型、角錐型、円錐型、その他等の種々の形状からなるプラスチック製成形容器を使用することができることは言うまでもないことである。
また、本発明においては、上記の図2、図3、図4、図5等に示す本発明に係る蓋材を使用し、上記と同様に、本発明に係る蓋材を使用した各種のプラスチック製成形容器包装製品を製造し得るものである。
【0014】
次に、本発明において、本発明に係る蓋材を構成する材料、その製造法等について説明すると、まず、本発明に係る蓋材を構成する基材フィルムについて説明すると、かかる基材フィルムとしては、これが、本発明に係る蓋材を構成するを基本ないし補助素材となることから、機械的、物理的、化学的、その他等において優れた性質を有し、強度、強靱性等に優れ、更に、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性、透明性、その他等に優れた樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂、その他等の各種の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、上記の樹脂のフィルムないしシ−トとしては、未延伸フィルム、あるいは、一軸方向または二軸方向に延伸した延伸フィルム等のいずれのものでも使用することができる。
また、本発明において、その樹脂のフィルムないしシ−トの厚さとしては、強度、耐突き刺し性、剛性、その他等について必要最低限に保持され得る厚さであればよく、厚すぎると、コストを上昇するとい欠点もあり、逆に、薄すぎると、強度、耐突き刺し性、剛性、その他等が低下して好ましくないものである。
本発明においては、上記のような理由から、約10μmないし100μm位、好ましくは、約12μmないし50μm位が最も望ましい。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、特に、厚さ9μm〜30μm位の二軸延伸ポリエステル系樹脂、二軸延伸ポリアミド系樹脂、または、二軸延伸ポリプロピレン系樹脂のフィルムを使用することが好ましいものである。
【0015】
また、本発明において、上記の基材フィルムとしては、賦型性、耐屈曲性、剛性等を持たせるものとして、例えば、強サイズ性の晒または未晒の紙基材、あるいは純白ロ−ル紙、クラフト紙、板紙、加工紙等の紙基材、その他等を使用することができる。
上記において、紙層を構成する紙基材としては、坪量約80〜600g/m2 位のもの、好ましくは、坪量約100〜450g/m2 位のものを使用することが望ましい。
勿論、本発明においては、紙層を構成する紙基材と、上記に挙げた基材フィルムとしての各種の樹脂のフィルムないしシ−ト等を併用して使用することができる。
【0016】
次に、本発明において、本発明に係る蓋材を構成するバリア性基材フィルムについて説明すると、かかるバリア性基材フィルムとしては、例えば、遮光性と、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性を有するアルミニュウム箔またはそのアルミニウムの蒸着膜を有する樹脂のフィルム、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性を有する酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の蒸着膜を有する樹脂のフィルム、水蒸気、水等に対するバリア性を有する低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等の樹脂のフィルムないしシ−ト、酸素ガス、水蒸気等に対するバリア性を有するポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、または、ナイロンMXD6樹脂等の樹脂のフィルムないしシ−ト、その他等を使用することができる。
【0017】
上記において、アルミニウム箔としては、5μmないし30μm位の厚さのもの、また、アルミニウムまたは無機酸化物の蒸着膜としては、厚さ20Åないし2000Å位のものを使用することができる。
また、上記の蒸着膜を支持する樹脂のフィルムとしては、例えば、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、ポリカ−ボネ−ト系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニリデン系樹脂フィルム、ポリビニルアルコ−ル系樹脂フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物のフィルム、その他等を使用することができる。
【0018】
また、上記において、上記の無機酸化物の蒸着膜層を構成する無機酸化物としては、例えば、珪素酸化物(SiOx )、酸化アルミニウム、酸化インジウム、酸化スズ、酸化ジルコニウム等を使用することができる。
更に、本発明においては、無機酸化物としては、一酸化ケイ素と二酸化ケイ素との混合物、あるいはケイ素酸化物と酸化アルミニウムとの混合物であってもよい。
而して、本発明において、無機酸化物の薄膜層を形成する方法としては、イオンビ−ム法、電子ビ−ム法等の真空蒸着法、スパッタリング法、化学気相成長法等によって蒸着膜を構成することによって形成することができる。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さとしては、十分なバリア−性を得るために、通常、100Å〜2000Å位であることが好ましく、特に、本発明においては、150Å〜1500Å位が望ましい。
上記において、無機酸化物の薄膜層の厚さが、1500Åを超えると、特に、2000Åを超えると、無機酸化物の薄膜層にクラック等が入りやすくなり、そりによりバリア性が低下するという危険性があると共に、材料コストが高くなるという問題点であるので好ましくはなく、また、100Å未満、特に、150Å未満では、その効果が認められることが困難であることから好ましくない。
【0019】
次に、本発明において、本発明に係る蓋材を構成する共押出多層積層フィルムについて説明すると、かかる共押出多層積層フィルムとしては、前述のように、例えば、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルム、あるいは、少なくとも白色樹脂層と遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルム、更には、少なくとも白色樹脂層と遮光性樹脂層と白色樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルム、または、少なくとも透明ないし半透明の樹脂層と白色樹脂層と遮光性樹脂層と白色樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルム等から構成することができるものである。
【0020】
而して、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、遮光性樹脂層は、基本的には、主として、後述する白色樹脂層と相互に相乗的に作用し、その太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等を吸収し、その透過を阻止する遮光性ないし光遮断性層等として作用するものである。
また、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、ヒ−トシ−ル性樹脂層は、基本的には、主として、上記の遮光性樹脂層を保護ないし隠蔽する保護層ないし隠蔽層として作用すると共に、後述するように蓋材を構成し、これを使用し、包装用容器等の開口部を密閉する際に、例えば、シ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用するものである。
【0021】
更に、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、白色樹脂層は、基本的には、主として、上記の遮光性樹脂層を保護ないし隠蔽する保護層ないし隠蔽層として作用し、更に、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等を反射ないし拡散し、その透過を阻止する遮光性ないし光遮断性層等として作用するものであり、また、白色樹脂層の上に、例えば、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等の印刷模様を直接あるいは間接的に形成する場合、当該白色樹脂層は、その印刷模様を構成する所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等の印刷模様を鮮明にする下地層として作用し、更に、白色樹脂層は、後述するように蓋材を構成し、これを使用し、包装用容器等の開口部を密閉する際に、例えば、シ−ル部等を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用するものである。
【0022】
また、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、透明ないし半透明の樹脂層は、基本的には、主として、上記の遮光性樹脂層あるいは白色樹脂層等を保護する保護層として作用し、更に、場合によっては、これらを隠蔽する隠蔽層等として作用し、更に、透明ないし半透明の樹脂層の上に、例えば、所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等の印刷模様を直接あるいは間接的に形成する場合、当該透明ないし半透明のポリプロピレン系樹脂層は、その印刷模様を構成する所望の文字、記号、絵柄、図形、その他等の印刷模様を鮮明にする下地層として作用し、また、透明ないし半透明の樹脂層は、後述するように蓋材を構成し、これを使用し、包装用容器等の開口部を密閉する際に、例えば、シ−ル部を形成するヒ−トシ−ル性樹脂層等として作用するものである。
【0023】
本発明に係る共押出多層積層フィルムは、基本的には、遮光性材料であると共にヒ−トシ−ル性材としても作用し、遮光性に優れ、かつ、アルミニウムレスであり、また、ラミネ−ト強度、ヒ−トシ−ル性強度等にも優れ、更に、強度等を有し、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、その他等の諸堅牢性に優れ、特に、遮光性ないし光遮断性に優れ、例えば、太陽あるいは蛍光灯等による太陽光あるいは蛍光等の透過を阻止し、特に、完全遮光を要する産業部材としての感光性材料を充填包装する蓋材として極めて優れた有用性を有し、内容物が、分解ないし変質し、あるいは、褪色、その他等の光劣化を引き起こすということを防止する遮光性ないし光遮断性蓋材として作用する共に包装用容器の開口部を密閉するヒ−トシ−ラント層として作用し、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有害物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れたているというものであると共に金属(異物)探知機等に反応しないという利点を有するものである。
【0024】
次に、本発明に係る共押出多層積層フィルムについてその製造法、使用する材料等について説明すると、まず、本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層としては、例えば、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、無彩色の色素を含み、かつ、その無彩色の色素の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂層から構成することができる。
あるいは、本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層としては、例えば、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、有彩色の色素を含み、かつ、その有彩色の色素の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂層から構成することができる。
更に詳述すると、上記の遮光性樹脂層としては、具体的には、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、黒色ないし灰色の色素を含み、かつ、その黒色ないし灰色の色素の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂層から構成することができる。
上記の黒色の色素を含む樹脂組成物としては、具体的には、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、黒色顔料を含み、かつ、黒色顔料の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物、また、灰色の色素を含む樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、1.0重量%〜25.0重量%からなり、また、白色顔料の含有量が、上記の黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍からなる樹脂組成物を使用することができる。
【0025】
また、本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層としては、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層から構成することができる。
本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層としては、具体的には、ポリエチレン系樹脂、20〜60重量部とポリプロピレン系樹脂、40〜80重量部とをビヒクルの主成分とする樹脂組成物による樹脂層から構成することができる。
更に、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層としては、具体的には、メルトフロ−レイト(MFR)が1〜7g/10分(190℃)の高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とメルトフロ−レイト(MFR)が5〜20g/10分(230℃)のポリプロピレン系樹脂とをビヒクルの主成分とする樹脂組成物による樹脂層から構成することができ、更に詳述すると、上記のヒ−トシ−ル性樹脂層としては、メルトフロ−レイト(MFR)が1〜7g/10分(190℃)の高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とメルトフロ−レイト(MFR)が5〜20g/10分(230℃)のプロピレンとエチレンとのランダム共重合体またはメタロセン触媒により重合したプロピレンとエチレンとのランダム共重合体とをビヒクルの主成分とする樹脂組成物による樹脂層から構成することができる。
【0026】
次に、本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成する白色樹脂層としては、具体的には、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、これに、白色顔料を含み、かつ、白色顔料の含有量が、0.1重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂層から構成することができる。
また、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層としては、具体的には、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層から構成することができる。
【0027】
上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、上記の各樹脂層を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、熱によって溶融し、押出機等の押出ダイ等から押出可能であり、更に、相互に熱融着する熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(マルチサイト触媒を使用して重合したポリマー、LLDPE)、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン系樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸エチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体、エチレンープロピレン共合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテポリマー、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフイン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフイン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリアミド系樹脂、その他等の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上を使用することができる。
而して、本発明においては、上記の熱可塑性樹脂としては、メタロセン触媒(シングルサイト触媒)使用して重合したエチレンーα・オレフイン共重合体をビヒクルの主成分として使用することが好ましいものである。
【0028】
而して、本発明において、上記のような熱可塑性樹脂の1 種ないし2 種以上を使用して、本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層、ヒ−トシ−ル性樹脂層、白色樹脂層、透明ないし半透明の樹脂層等を形成することにより、各層の相互において親和性等を有し、後述する共押出成形時に、各層が強固に密接著し、その強度等に優れ、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、その他等の諸物性に優れた本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成し得るものである。
【0029】
次に、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、遮光性樹脂層を構成する上記の無彩色または有彩色の色素としては、例えば、無彩色の色素としては、黒色、灰色、白色等の各色素を使用することができ、また、有彩色の色素としては、赤色、黄色、橙色、緑色、青色、藍色、紫色、その他等の各種の有彩色素を使用することができる。
上記の黒色の色素としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を吸収し(主に近紫外から可視領域を吸収)、その透過を阻止ないし遮断し、包装袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないしその2種以上の混合物を使用することができる。
本発明において、上記の黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、鉄黒、黒鉛、または、カーボンブラック、電気伝導性顔料(ポリアニリン、ポリピロール)、その他等の黒色顔料の1種ないし2種以上の混合物を使用することができる。
その使用量としては、熱可塑性樹脂に対し、黒色顔料、0.1重量%〜25.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0030】
また、本発明において、上記の灰色の色素としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を反射あるいは拡散し、あるいは、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を吸収し(主に近紫外から可視領域を吸収)、その透過を阻止ないし遮断し、お茶包装用袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、例えば、上記の黒色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないしその2種以上の混合物と、白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤の1種ないし2種以上の混合物との混合色素を使用することが望ましいものである。
本発明においては、上記の白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤としては、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
而して、本発明において、灰色の色素として、その使用量としては、上記のような黒色顔料と白色顔料との混合色素からなり、かつ、熱可塑性樹脂に対し、黒色顔料の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位からなり、また、白色顔料の含有量が、上記の黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍、好ましくは、3倍〜15倍位添加して使用することができる。
【0031】
次にまた、本発明において、上記の白色の色素としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を反射あるいは拡散し、その透過を阻止ないし遮断し、包装袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、上記の白色系の各種の無機系ないし有機系の染料、顔料等の着色剤、例えば、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸鉛、塩基性けい酸鉛、亜鉛華、硫化亜鉛、リトポン、三酸化アンチモン、アナタス形酸化チタン、ルチル形酸化チタン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、その他等の白色顔料の1種ないし2種以上を使用することができる。
その使用量としては、熱可塑性樹脂に対し、白色顔料、0.1重量%〜30.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0032】
更にまた、本発明において、有彩色の色素としては、例えば、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等を吸収し(主に近紫外から可視領域を吸収)、その透過を阻止ないし遮断し、包装袋内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化を防止するものであり、具体的には、有彩色の染料・顔料等の着色剤、例えば、アゾ系染料・顔料、アントラキノン系染料・顔料、フタロシアニン系染料・顔料、キナクリドン系染料・顔料、キサジン系染料・顔料、その他等の有機系染料・顔料、黄鉛、クロムバーミリオン、紺青、弁柄、その他等の無機系顔料等を使用することができる。 その使用量としては、熱可塑性樹脂に対し、有彩色の色素、0.1重量%〜30.0重量%位、好ましくは、1.0重量%〜20.0重量%位添加して使用することが望ましいものである。
【0033】
また、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、ヒ−トシ−ル性樹脂層を構成するポリエチレン系樹脂としては、メルトフロ−レイト(MFR)が、1〜7g/10分(190℃)である高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂、具体的には、高圧重合法によって生成されるエチレンの単独重合体、あるいは、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、その他等のα・オレフィンとの共重合体等を使用することができる。
而して、本発明においては、上記の高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂としては、メルトフロ−レイト(MFR)が、1〜7.0g/10分(190℃)の範囲内のもの、また、密度が、0.900〜0.930g/cm3 の範囲内のものであって、比較的に溶融粘度が高い樹脂を使用することが好ましいものである。
【0034】
上記において、メルトフロ−レイト(MFR)が、1g/10分未満であると、流れ性低下による押出機での樹脂圧上昇、及び、高メルトフロ−レイト(MFR)のポリプロピレン系樹脂との相容性不良を起こし、目に見えるムラ、ブツ(完全分離)の可能性が高くなる等の理由から好ましくなく、また、メルトフロ−レイト(MFR)が、7.0/10分を越えると、ポリプロピレン系樹脂との相容性、流れムラの回避等はできるものの、ポリプロピレン系樹脂のメルトフロ−レイト(MFR)が近くなり、分散度が高く(微分散状態)になってしまい、目的としたイ−ジ−ピ−ル性能が発現できなくなる等の理由から好ましくないものである。
また、上記において、密度が、0.900g/cm3 未満であると、低温シ−ルが可能となるが、糸引き(フェザリング)の可能性、腰問題の低下等が発生する等の理由から好ましくなく、また、密度が、0.930g/cm3 を越えると、低温シ−ル性がなくなり、シ−ラントとしての優位性がなくなる等の理由から好ましくないものである。
なお、本発明において、メルトフロ−レイト(MFR)とは、JIS K6922に準拠した手法から測定したものであり、また、密度は、JIS K7112に準拠した手法から測定したものである。
【0035】
また、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、ヒ−トシ−ル性樹脂層を構成するポリプロピレン系樹脂としては、メルトフロ−レイト(MFR)が、5〜20g/10分(190℃)であるプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−としては、基本的には、プロピレンとエチレン等のα−オレフィンとのタンダム共重合体を使用することができる。
而して、本発明においては、上記のプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−としては、メルトフロ−レイト(MFR)が、5〜20.0g/10分(230℃)の範囲内のもの、また、密度が、0.9g/cm3 の範囲内のものであって、比較的に溶融粘度が低い樹脂を使用することが好ましいものである。
【0036】
上記において、メルトフロ−レイト(MFR)が、5g/10分未満であると、低メルトフロ−レイト(MFR)設定の高圧法低密度ポリエチレン系樹脂と比較的に相容して、微分散状態となってしまい、目的としたイ−ジ−ピ−ル性能が発現しない等の理由から好ましくなく、また、メルトフロ−レイト(MFR)が、20.0/10分を越えると、流れが良すぎて、高圧法低密度ポリエチレン系樹脂と完全分離してしまう可能性が懸念される等の理由から好ましくないものである。
なお、本発明において、メルトフロ−レイト(MFR)とは、JIS K6921に準拠した手法から測定したものであり、また、密度は、JIS K7112に準拠した手法から測定したものである。
而して、本発明において、上記のプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−としては、シングルサイト触媒を用いて重合したプロピレン−エチレンのランダム共重合体を使用することが好ましいものである。
上記のシングルサイト触媒を用いて重合したプロピレン−エチレンのランダム共重合体は、分子量分布が狭く、更に、低分子量・低結晶性成分が少なく、その溶融張力が低く延展性が良好であり、かつ、そのメルティング・ポイント(M・P)が低く、極めて低温ヒ−トシ−ル性に優れているという利点を有するものである。
【0037】
次に、本発明においては、上記のような高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを使用し、前者、20〜60重量%に対し、後者、40〜80重量%の範囲内で混合して、それらを主成分とする樹脂組成物を調製する。 上記の樹脂組成物において、更に詳述すると、上記のような高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂の1種ないしそれ以上と上記のようなプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−の1種ないしそれ以上とを使用し、これらを上記のような配合割合で混合し、それらをビヒクルの主成分とし、これらに、必要ならば、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、架橋剤、染料、顔料等の着色剤、更には、改質用樹脂、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物を調製する。
【0038】
上記において、高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂が、20重量%未満であると、シ−ル温度が高くなることと、プロピレン−エチレンのランダムコポリマ−の強度に影響されるため、強シ−ル状態(反イ−ジ−ピ−ル性)となる等の理由により好ましくなく、また、60重量を越えると、低強度となり、包装容器としての密封性が満足し得ない等の理由により好ましくないものである。
【0039】
次に、本発明において、上記の本発明に係る共押出多層積層フィルムの製造法について説明すると、まず、本発明においては、例えば、上記の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記の黒色顔料の1種ないし2種以上を添加し、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る遮光性樹脂層を構成する黒色の色素を含む樹脂組成物を調製する。
【0040】
また、本発明においては、例えば、上記の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記の黒色顔料の1種ないし2種以上と上記の白色顔料の1種ないし2種以上とを添加し、更に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る遮光性樹脂層を構成する灰色の色素を含む樹脂組成物を調製する。
【0041】
更に、本発明においては、例えば、上記の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、上記の白色顔料の1種ないし2種以上を添加し、要に、必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐侯性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、難燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明にかかる白色樹脂層を構成する白色の色素を含む樹脂組成物を調製する。
【0042】
また、本発明においては、例えば、上記の熱可塑性樹脂の1種ないし2種以上をビヒクルの主成分とし、これに、更に必要ならば、その製膜化に際して、例えば、フィルムの加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性、抗酸化性、滑り性、離形性、耕燃性、抗カビ性、電気的特性、強度、その他等を改良、改質する目的で、種々のプラスチック配合剤や添加剤等の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を構成する無色の樹脂組成物を調整する。
なお、本発明においては、上記の本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を構成する無色の樹脂組成物には、例えば、遮光性樹脂層、白色樹脂層等を隠蔽するため、あるいは、下地層等を構成するために、例えば、前述の有彩色の染料・顔料等の着色剤の1種ないし2種以上を添加して、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を調製することができる。
【0043】
更に、本発明においては、上記の高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを使用し、前者、20〜60重量%に対し、後者、40〜80重量%の範囲内で混合して、それらをビヒクルの主成分とし、これらに、必要ならば、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、滑剤(脂肪酸アミド等)、難燃化剤、無機ないし有機充填剤、架橋剤、染料、顔料等の着色剤、更には、改質用樹脂、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を添加し、更に、要すれば、溶剤、希釈剤等を添加し、十分に混練して、本発明に係るヒ−トシ−ル性樹脂層を構成する高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物を調製する。
【0044】
なお、本発明において、上記の本発明に係る共押出多層積層樹脂フィルムを構成する本発明に係る各樹脂組成物等において、上記のプラスチック配合剤や添加剤等としては、例えば、滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、帯竜防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料、染料、分散剤、界面活性剤、ブロッキング防止剤、その他等を使用することができ、更には、改質用樹脂等も使用することができ、更に、その添加量としては、極く微量から数十重量%まで、その目的に応じて、任意に添加することができる。
【0045】
更に、上記において、配合剤や添加剤等としては、具体的には、それ自身が滑性を有し、かつ、樹脂中における移行が少ない滑剤を使用することができ、例えば、流動パラフィン、白色ワセリン、石油系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、モンタンワックス、ポリエチレンワックス等のワックス類、炭素数が8〜22の高級脂肪酸、または、高級脂肪酸アルミニウム、高級脂肪酸カルシウム、高級脂肪酸マグネシウム高級脂肪酸亜鉛、高級脂肪酸リチウム等の高級脂肪酸またはその金属塩、炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコール、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール等の脂肪族アルコール類、炭素数が4〜22の高級脂肪酸と炭素数が8〜18の直鎖脂肪族1価アルコールとのエステル類、アセチルクエン酸ドリプチル、アジピン酸ジー2−エチルーヘキシル、アゼライン酸−n−ヘキシル、エタンジオールモンタン酸エステル、ポリ(1.3−ブタンジオールアジピン酸)エステル、アセチルリシノール酸メチル、ポリ(1.3−プチレングリコール、1.4−プチレングリコール、アジピン酸オクチルアルコール)エステル、糖ろう等のアルコールと脂肪酸とのエステル類、水添食用油脂、ひまし油、スパ−ムアセチワックス、アセチル化モノグリセライド糖のグリセライド類、炭素数が16〜18の例えばエチレンビスオレイルアミドに代表されるエチレンビス脂肪酸アミド、炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド、ステアリルエルカアミド、エルカ酸アミド、オレイルパルミトアミド等の高級脂肪酸アミド類、その他、メチルヒドロジエンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリオキシアルキレン・ジメチルポリシロキサン等のシリコーン油ヤロジンやマレイン酸変性ロジンのグリセリンエステル等の1種ないし2種以上を使用することができる。
なお、本発明においては、上記のような滑剤の中でも、特に、エルカ酸アミドやエチレンビスオレイルアミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド等は、それ自身が滑性をもち、極めて有効な材料である。
上記の滑剤の添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.08重量%〜10.0重量%位の割合で添加することが好ましいものである。
【0046】
また、本発明においては、その他、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛等の酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の水酸化物、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸等のケイ酸塩、その他、カオリン、タルク、硅素土等の無機化合物系のブロッキング防止剤、あるいは、高密度ポリエチレン、分子量300000以上の超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、メラミン樹脂、ジアリルフタレト樹脂、アクリル系材脂、その他等の微粉末等からなる有機化合物系のブロッキング防止剤の1種ないし2種以上を添加することができる。
その添加量としては、熱可塑性樹脂100重量部に対し0.01〜3.0重量%位が好ましい。
【0047】
次に、本発明において、本発明に係る共押出多層積層樹脂フィルムを構成する上記のような本発明に係る遮光性樹脂層を構成する黒色の色素を含む樹脂組成物、同、本発明に係る遮光性樹脂層を構成する灰色の色素を含む樹脂組成物、同、本発明に係る白色樹脂層を構成する白色の色素を含む樹脂組成物、同、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を構成する無色の樹脂組成物、本発明に係るヒ−トシ−ル性樹脂層を構成する高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物等を使用して、それらを組み合わせて、それらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形し、本発明に係る共押出多層積層フィルムを製造することができる。
【0048】
而して、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用し、本発明に係る共押出多層積層フィルムを製造する具体的方法について説明すると、本発明においては、まず、例えば、上記の本発明に係る遮光性樹脂層を構成する灰色の色素を含む樹脂組成物、および、本発明に係るヒ−トシ−ル性樹脂層を構成する高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物を調整し、次いで、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形して、第1層が、灰色の色素を含む樹脂組成物による遮光性樹脂層からなり、第2層が、高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物によるヒ−トシ−ル性樹脂層からなり、それらの遮光性樹脂とヒ−トシ−ル性樹脂層の順で2層共押出積層した構成からなる本発明に係る2種2層からなる共押出多層積層フィルムを製造することができる。
【0049】
更に、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用し、本発明に係る共押出多層積層樹脂フィルムを製造する別の具体的方法について説明すると、本発明においては、まず、例えば、上記と同様に、本発明に係る遮光性樹脂層を構成する灰色の色素を含む樹脂組成物、本発明に係る白色樹脂層を構成する白色の色素を含む樹脂組成物、および、本発明に係るヒ−トシ−ル性樹脂層を構成する高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物を調整し、次いで、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形して、第1層が、白色の色素を含む樹脂組成物による白色樹脂層からなり、第2層が、灰色の色素を含む樹脂組成物による遮光性樹脂層からなり、第3層が、高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物によるヒ−トシ−ル性樹脂層からなり、それらの白色樹脂層と遮光性樹脂とヒ−トシ−ル性樹脂層の順で3層共押出積層した構成からなる本発明に係る3種3層からなる共押出多層積層フィルムを製造することができる。
【0050】
また、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用し、本発明に係る共押出多層積層樹脂フィルムを製造する更に別の具体的方法について説明すると、本発明においては、まず、例えば、上記と同様に、本発明に係る遮光性樹脂層を構成する灰色の色素を含む樹脂組成物、本発明に係る白色樹脂層を構成する白色の色素を含む樹脂組成物、および、本発明に係るヒ−トシ−ル性樹脂層を構成する高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物を調整し、次いで、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形して、第1層が、白色の色素を含む樹脂組成物による白色樹脂層からなり、第2層が、灰色の色素を含む樹脂組成物による遮光性樹脂層からなり、第3層が、白色の色素を含む樹脂組成物による白色樹脂層からなり、第4層が、高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物によるヒ−トシ−ル性樹脂層からなり、それらの白色樹脂層と遮光性樹脂と白色樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層の順で4層共押出積層した構成からなる本発明に係る3種4層からなる共押出多層積層フィルムを製造することができる。
【0051】
更にまた、本発明において、上記のような各樹脂組成物を使用し、本発明に係る共押出多層積層樹脂フィルムを製造する更に別の具体的方法について説明すると、本発明においては、まず、例えば、上記と同様に、本発明に係る遮光性樹脂層を構成する灰色の色素を含む樹脂組成物、本発明に係る白色樹脂層を構成する白色の色素を含む樹脂組成物、本発明に係る透明ないし半透明の樹脂層を構成する無色の樹脂組成物、および、本発明に係るヒ−トシ−ル性樹脂層を構成する高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物を調整し、次いで、これらを、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形して、第1層が、無色の樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂層からなり、該2層が、白色の色素を含む樹脂組成物による白色樹脂層からなり、第3層が、灰色の色素を含む樹脂組成物による遮光性樹脂層からなり、第4層が、白色の色素を含む樹脂組成物による白色樹脂層からなり、第5層が、高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とプロピレン−エチレンのランダムコポリマ−とを主成分とする樹脂組成物によるヒ−トシ−ル性樹脂層からなり、それらの透明ないし半透明の樹脂層と白色樹脂層と遮光性樹脂と白色樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層の順で5層共押出積層した構成からなる本発明に係る4種5層からなる共押出多層積層フィルムを製造することができる。
【0052】
上記の例示は、本発明にかかる共押出多層積層フィルムの製造法についてその二三例を例示したものであり、本発明は、これに限定されるものではないものである。
本発明においては、各樹脂組成物を任意に選択し、それらを組み合わせて、任意の層構成からなる共押出多層積層フィルムを製造法し得るものである。
例えば、本発明において、本発明に係る灰色の色素を含む樹脂層を形成する樹脂組成物を使用する代わりに、本発明に係る黒色の色素を含む樹脂層を形成する樹脂組成物を使用し、上記と同様に、例えば、Tダイ共押出機、インフレーション共押出機等を使用して共押出成形して、各種の層構成からなる本発明にかかる共押出多層積層フィルムを製造することができることは言うまでもないことである。
なお、一般的に、上記のような各樹脂組成物を使用して、本発明にかかる共押出多層積層フィルムを押出製膜化する場合、フィルム製膜化にとって、例えば、製品替え(パージ)時に、押出機等の分解清掃等の作業が負荷されるので、樹脂組成物中に顔料等の着色剤を使用することは回避したいものであり、着色剤無添加フィルムの製膜化が望まれるものである。
そこで本発明においては、押出機の顔料等の着色剤による汚れを回避できないものの一番分解が困難であるダイスにおいて、顔料等の着色剤による汚れが生じない共押出多層積層フィルムを製膜化すべく、外層として、顔料等の着色剤を添加しない熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物を使用し、これにより、顔料等の着色剤無添加の樹脂膜を5μm〜100μmとし、これにより、ダイスの汚れ等を保護するという利点を有するものである。
また、本発明においては、本発明にかかる共押出多層積層フィルムを製造するに際して、更に、その使用目的、用途等によって、他の材料を使用し、これを任意に共押出積層して、種々の形態からなる共押出多層積層フィルムを設計して製造することができるものである。
【0053】
而して、本発明において、上記のような遮光性樹脂層、および、白色樹脂層との2層を積層することにより、その一方の層で太陽光等を吸収すると共にその他方の層で太陽光等を反射ないし拡散し、その2層による相乗の作用効果により、太陽あるいは蛍光灯等からなる太陽光あるいは蛍光等の透過を完全に阻止ないし遮断して遮光性ないし光遮断性層として機能し、包装用容器内に充填包装した内容物の分解ないし変質、あるいは、褪色、その他等の光劣化をより一層防止するという作用効果を大ならしめるものである。
更に、本発明においては、上記の白色樹脂層の場合は、例えば、灰色の色素を含む遮光性樹脂層の両面に白色の色素を含む白色樹脂層を積層すると、その一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その白色の色素を含む白色樹脂層の他方が、蓋材として、シール部等を形成するヒ−トシール性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
また、本発明においては、上記の透明ないし半透明の樹脂層の場合、例えば、表裏両面に2層を積層すると、上記の灰色の色素を含む遮光性樹脂層、および、白色の色素を含む白色樹脂層等を保護、あるいは、隠蔽すると共にその透明ないし半透明の樹脂層の一方が、その上に直接的あるいは間接的に設ける印刷模様層の下地層等の機能を兼備することになり、印刷模様層を構成する文字、図形、記号、絵柄、その他等の印刷画像をより一層鮮明にし、美麗な印刷模様を再現ないし顕現することができるという効果を奏し、また、その透明ないし半透明の樹脂層の他方が、蓋材として、シール部等を形成するヒートシール性樹脂層としての機能を兼備するという作用効果を奏することができるものである。
【0054】
次に、本発明において、本発明に係る共押出多層積層フィルムを構成する各層の膜厚としては、遮光性樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜40μm位、好ましくは、10μm〜30μm位の範囲からなることが望ましいものである。
次に、ヒ−トシ−ル性樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜100μm位、好ましくは、10μm〜80μm位の範囲からなることが望ましいものである。
更に、白色樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜40μm位、好ましくは、10μm〜30μm位の範囲からなることが望ましいものである。
また、透明ないし半透明の樹脂層の膜厚としては、膜厚5μm〜100μm位、好ましくは、10μm〜80μm位が望ましいものである。
【0055】
上記において、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムを構成する各層の膜厚として、まず、遮光性樹脂層として、膜厚5μm未満であると、遮光性ないし光遮断性層等としての機能が低下し、更に、厚みムラに大きく左右されるという問題点を生じるおそれがあること等の理由から好ましくなく、また、膜厚40μmを越えると、遮光性ないし光遮断性等は高くなるが、それを隠蔽する白色樹脂層等の設定、選択等が困難になること等の理由から好ましくなく、次に、白色樹脂層の膜厚として、膜厚5μm未満であると、遮光性樹脂層等を隠蔽することが困難になり、外観上、美観性等が抵下することと、白色樹脂層の上に、印刷模様層等を設ける場合、印刷模様層等の階調あるいは色調等が影響を受けること等、更に、ヒートシール性樹脂層等としての機能も低下すること等の理由から好ましくなく、また、膜厚40μmを越えると、遮光性樹脂層等の隠蔽性等は高くなるものの、全体の厚みが大きくなり、包装ゴミ等として環境に与える影響等が大きくなる恐れがあること等の理由から好ましくなく、更に、ヒ−トシ−ル性樹脂層および透明ないし半透明の樹脂層の膜厚として、膜厚5μm未満であると、保護性、隠蔽性等の機能を奏することが困難になり、また、外観性、美観性等が低下し、更に、ヒートシール性樹脂層等としての機能も低下すること等の理由から好ましくなく、また、膜厚100μmを越えると、全体の層厚が大きくなり、廃棄する際に、環境対応等に好まし、くないことの理由から好ましくなくないものである。
【0056】
以上の説明で明らかなように、本発明に係る共押出多層積層フィルムは、強度等を有し、かつ、耐侯性、耐熱性、耐水性、その他等の諸物性に優れ、特に、遮光性ないし光遮断性に優れ、また、ヒートシール性等にも優れ、内容物の充填包装適性、保存適性等を有し、更に、使用後に焼却廃棄処理する際に有事物質等を発生することなく、廃棄処理適性、環境適性等に極めて優れているというものである。
特に、本発明に係る共押出多層積層フィルムは、無彩色または有彩色の色素、具体的には、黒色ないし灰色の色素、更に具体的には、黒色顔料あるいは白色顔料等を使用し、その黒色顔料による遮光性、白色顔料による遮光性、更には、それらの含有量による遮光性等により、遮光性ないし光遮断性等を現出した共押出多層積層フィルムにかかるものである。
因みに、本発明にかかる共押出多層積層樹脂フィルムは、例えば、これをスガ試験機株式会社製、機種名、ヘ−ズメ−タ(SM−C)を使用して全光線における透過率を測定すると、全光線透過率が、10.0%以下、好ましくは、5.0%以下からなるものである。
更に、本発明においては、上記のように遮光性ないし光遮断性等を現出すると共に白色顔料による外観美粧性等を現出した共押出多層積層フィルムは、遮光性ないし光遮断性材料として使用するものである。
また、本発明に係る共押出多層積層フィルムは、金属(異物)探知機等に反応せず、それによる金属片(異物)検査を容易にするという利点を有するも のである。
而して、本発明にかかる共押出多層積層フィルムは、これを遮光性ないし光遮断性材料あるいはヒ−トシール性を有する遮光性樹脂層等として使用し得るものである。
(ヒ−トシ−ル性樹脂層の効果) また、本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、それを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層としては、汎用性樹脂であると共に押出温度帯域が近似しているポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂の2成分系を使用することにより、Tダイ製膜法あるいはインフレ−ション製膜法等のいずれの製膜法でも製膜化可能なものであり、しかも、製膜時の安定性、製膜条件の自由度等に優れているものである。
また、本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、それを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層としては、汎用性樹脂であるポリエチレン系樹脂とポリプロピレン系樹脂等を使用し、それが有する特定の物性を利用し、2成分系により、ヒ−トシ−ル材としての共押出多層積層フィルムを製造するものであり、低廉化を可能とし、極めて優れたコスト的メリットを有するものである。
而して、本発明に係る共押出多層積層フィルムにおいて、その共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層としては、2〜20N/15mm幅の範囲の凝集破壊強度を有することが好ましいものである。
【0057】
ところで、本発明においては、通常、包装用容器は、物理的にも化学的にも過酷な条件におかれることから、包装用容器を構成する包装材料には、厳しい包装適性が要求され、変形防止強度、落下衝撃強度、耐ピンホール性、耐熱性、密封性、品質保全性、作業性、衛生性、その他等の種々の条件が要求され、このために、本発明においては、上記のような諸条件を充足する材料を任意に選択して、本発明に係る蓋材を構成する素材として使用することができる。
具体的には、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマ−樹脂、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマ−、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の公知の樹脂のフィルムないしシ−トから任意に選択して使用することができる。
その他、例えば、セロハン等のフィルム、合成紙等も使用することができる。
本発明において、上記のフィルムないしシ−トは、未延伸、一軸ないし二軸方向に延伸されたもの等のいずれのものでも使用することができる。
また、その厚さは、任意であるが、数μmから300μm位の範囲から選択して使用することができる。
更に、本発明においては、フィルムないしシ−トとしては、押し出し成膜、インフレ−ション成膜、コ−ティング膜等のいずれの性状の膜でもよい。
【0058】
次にまた、本発明において、本発明に係る蓋材を構成する他の基材としては、例えば、充填包装する内容物中に含まれる香料成分等の吸着が少なく保香性に富み、更に、変味、異臭等を生じない性質を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
具体的には、例えば、ポリアクリル系樹脂、ポリメタクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリメタクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂若しくはそのエチレン成分および/またはテレフタレ−ト成分の一部を他のジまたはたその以上の多価アルコ−ル成分またはジカルボン酸成分で共重合ないし変性した樹脂あるいはポリエチレンナフタレ−ト系樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ポリビニルアルコ−ル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、その他等の樹脂のフィルムないしシ−トを使用することができる。
而して、本発明においては、上記の樹脂のフィルムないしシ−トの中でも、保香性を有すると共に酸素ガスあるいは水蒸気等に対するバリア性を有する樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが望ましく、具体的には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体のケン化物、ナイロンMXD6樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、または、ポリエステル系樹脂等からなる保香性、バリア性等に富む樹脂のフィルムないしシ−トを使用することが望ましいものである。
これらの材料は、一種ないしそれ以上を組み合わせて使用することができる。 上記のフィルムないしシ−トの厚さとしては、任意であるが、通常、5μmないし300μm位、更には、10μmないし100μm位が望ましい。
【0059】
次に、本発明において、本発明に係る蓋材を構成する基材フィルム、あるいは、バリア性基材フィルム、その他の基材と、本発明に係る共押出多層積層フィルムとを積層する積層法としては、例えば、ラミネ−ト用接着剤等によるラミネ−ト用接着剤層を設け、次いで、該ラミネ−ト用接着剤層を介して積層するドライラミネ−ト積層方式、あるいは、アンカ−コ−ト剤等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を設け、次いで、該アンカ−コ−ト剤等による接着助剤層、溶融押出樹脂層等を介して積層する溶融押出積層方式等により行うことができる。
なお、本発明において、上記の積層法としては、その他、例えば、ウエットラミネ−ション法、無溶剤型ドライラミネ−ション法、その他等を利用することができる。
而して、本発明においては、上記の積層を行う際に、積層する基材の表面に、必要ならば、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、プラズマ処理、火炎処理、その他等の前処理を任意に施すことができる。
また、本発明においては、例えば、イソシアネ−ト系(ウレタン系)、ポリエチレンイミン系、ポリブタジェン系、有機チタン系等のアンカ−コ−ティング剤、あるいは、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、ポリ酢酸ビニル系、セルロ−ス系、その他等のラミネ−ト用接着剤等の公知のアンカ−コ−ト剤、接着剤等を任意に使用することができる。
【0060】
なお、本発明において、上記の本発明に係る蓋材においては、その蓋材を構成するいずれかの素材に任意の印刷模様層を設けることができるものである。
而して、本発明において、上記の印刷模様層としては、例えば、上記のプラスチック基材フィルムの上に、例えば、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、印刷模様層を形成することができるものである。
而して、上記の印刷模様層としては、具体的には、まず、樹脂等の1種ないし2種以上からなるインキ用ビヒクルを主成分とし、これに、必要ならば、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、硬化剤、架橋剤、滑剤、帯電防止剤、充填剤、その他等の添加剤の1種ないし2種以上を任意に添加し、更に、染料・顔料等の着色剤を添加し、溶媒、希釈剤等で充分に混練してインキ組成物を調整し、次いで、該インキ組成物を使用し、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、凸版印刷、スクリ−ン印刷、転写印刷、フレキソ印刷、その他等の印刷方式を使用し、上記の基材フィルムの上に、文字、図形、記号、絵柄、その他等からなる所望の印刷模様を印刷して、本発明にかかる印刷模様層を形成することができるものである。
【0061】
上記において、インキ用ビヒクルとしては、公知のもの、例えば、あまに油、きり油、大豆油、炭化水素油、ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂、シェラック、アルキッド樹脂、フェノ−ル系樹脂、マレイン酸樹脂、天然樹脂、炭化水素樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルブチラ−ル樹脂、アクリルまたはメタクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミノアルキッド系樹脂、フェノ−ル系樹脂、ニトロセルロ−ス、エチルセルロ−ス、塩化ゴム、環化ゴム、その他等の1種ないし2種以上を使用することができる。
【0062】
次に、本発明において、本発明に係る蓋材を使用し、これで密封する各種のプラスチック製成形容器としては、例えば、成形樹脂として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレン共重合体、ポリアクリル系あるいはポリメチルメタクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリアクリルニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル−ブタジェン−スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカ−ボネ−ト系樹脂、フッ素系樹脂、ジエン系樹脂、ポリアセタ−ル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロ−ス、その他等の成形樹脂を使用し、例えば、押出成形、射出成形、ブロ−成形、発泡成形、真空・圧空等の熱成形、注型成形、圧縮成形、その他等の成形加工法を用いて成形した各種のプラスチック製成形容器を使用することができる。
なお、本発明において、蓋材とプラスチック製成形容器とのヒ−トシ−ルの方法としては、例えば、バ−シ−ル、回転ロ−ルシ−ル、ベルトシ−ル、インパルスシ−ル、高周波シ−ル、超音波シ−ル等の公知の方法で行うことができる。
また、本発明において、プラスチック製成形容器内に充填包装する内容物としては、例えば、種々の飲食品、接着剤、粘着剤等の化学品、化粧品、洗剤、医薬品、ケミカルカイロ等の雑貨品、その他等の種々の物品を充填包装することができる。
次に、本発明について下記に具体例を例示して更に詳しく説明する。
【実施例1】
【0063】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
高圧重合法から重合した低密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、商品名、ミラソン16P、密度=0.923g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=3.7g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
第二層と同様の高圧重合法から重合した低密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、商品名、ミラソン16P、密度=0.923g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=3.7g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック1.5重量部と白色顔料として酸化チタン25.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
易開封層として高圧重合法から重合した低密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、商品名、ミラソン16P、密度=0.923g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=3.7g/10分)30.0重量部と、ポリプロピレン(エチレン−プロピレンのランダムコポリマ−樹脂、密度=0.9g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=18.0g/10分、引張弾性率=700MPa)70重量部を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、4種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を5μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して製膜化して、4種4層の総厚40μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る共押出多層積層フィルムを製造した。
上記で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムは、その表面が乳白色で美観性に優れていた。
更に、光線遮断性は、良好で、油脂の酸化に起因する光線をほとんど透過せず、極めて良好であった。
(3).次に、上記で製造した共押出多層積層フィルムを使用し、その厚さ5μmの(イ)の樹脂組成物による樹脂層の面にコロナ放電処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トし、更に、上記と同様に、上記で積層した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして、本発明に係る蓋材を製造した。
(4).次に、上記で製造した蓋材を使用し、まず、ポリプロピレン樹脂からなるカップ状成形容器に水を充填し、次いで、その開口部のフランジ部の表面に、上記で製造した蓋材を、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、平シ−ルからシ−ル温度200℃、1kg/cm2 、1秒の条件にてシ−ルし、カップ状成形容器内に水を充填包装した包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、内容物の漏れ、蓋材の破れ等は認められなかった。
更に、包装製品を1mから落下テストを3回行ったところ、破れ、漏れ等は認められなかった。
また、包装製品について、易開封性(イ−ジ−ピ−ル性)は良好であり、ピ−ル時の裂け、破れ、糸引等も認められなかった。
【実施例2】
【0064】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
第二層と同様の高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック1.5重量部と白色顔料として酸化チタン25.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
易開封層として高圧重合法から重合した低密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、商品名、ミラソン16P、密度=0.923g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=3.7g/10分)30.0重量部と、ポリプロピレン(エチレン−プロピレンのランダムコポリマ−樹脂、密度=0.9g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=18.0g/10分、引張弾性率=700MPa)70重量部を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、4種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を5μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して製膜化して、4種4層の総厚40μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る共押出多層積層フィルムを製造した。
上記で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムは、その表面が乳白色で美観性に優れていた。
更に、光線遮断性は、良好で、油脂の酸化に起因する光線をほとんど透過せず、極めて良好であった。
(3).次に、上記で製造した共押出多層積層フィルムを使用し、その厚さ5μmの(イ)の樹脂組成物による樹脂層の面にコロナ放電処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トし、更に、上記と同様に、上記で積層した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして、本発明に係る蓋材を製造した。
(4).次に、上記で製造した蓋材を使用し、まず、ポリプロピレン樹脂からなるカップ状成形容器に水を充填し、次いで、その開口部のフランジ部の表面に、上記で製造した蓋材を、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、平シ−ルからシ−ル温度200℃、1kg/cm2 、1秒の条件にてシ−ルし、カップ状成形容器内に水を充填包装した包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、内容物の漏れ、蓋材の破れ等は認められなかった。
更に、包装製品を1mから落下テストを3回行ったところ、破れ、漏れ等は認められなかった。
また、包装製品について、易開封性(イ−ジ−ピ−ル性)は良好であり、ピ−ル時の裂け、破れ、糸引等も認められなかった。
【実施例3】
【0065】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、および、(ニ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
第二層と同様の高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック1.5重量部と白色顔料として酸化チタン25.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
易開封層として高圧重合法から重合した低密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、商品名、ミラソン16P、密度=0.923g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=3.7g/10分)30.0重量部と、ポリプロピレン(シングルサイト触媒を使用して重合したエチレン−プロピレンのランダムコポリマ−樹脂、密度=0.9g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=7.0g/10分)70重量部を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、4種4層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を20μm、(ハ)の樹脂組成物による層を5μm、(ニ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して製膜化して、4種4層の総厚40μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る共押出多層積層フィルムを製造した。
上記で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムは、その表面が乳白色で美観性に優れていた。
更に、光線遮断性は、良好で、油脂の酸化に起因する光線をほとんど透過せず、極めて良好であった。
(3).次に、上記で製造した共押出多層積層フィルムを使用し、その厚さ5μmの(イ)の樹脂組成物による樹脂層の面にコロナ放電処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トし、更に、上記と同様に、上記で積層した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして、本発明に係る蓋材を製造した。
(4).次に、上記で製造した蓋材を使用し、まず、ポリプロピレン樹脂からなるカップ状成形容器に水を充填し、次いで、その開口部のフランジ部の表面に、上記で製造した蓋材を、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、平シ−ルからシ−ル温度200℃、1kg/cm2 、1秒の条件にてシ−ルし、カップ状成形容器内に水を充填包装した包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、内容物の漏れ、蓋材の破れ等は認められなかった。
更に、包装製品を1mから落下テストを3回行ったところ、破れ、漏れ等は認められなかった。
また、包装製品について、易開封性(イ−ジ−ピ−ル性)は良好であり、ピ−ル時の裂け、破れ、糸引等も認められなかった。
【実施例4】
【0066】
(1).まず、下記の(イ)、(ロ)、(ハ)、(ニ)、および、(ホ)の樹脂組成物を調製した。
(イ).第一層を構成する樹脂組成物
シングルサイト系触媒(メタロセン触媒)を使用して共重合したエチレン−α・オレフィン共重合体(三井化学株式会社製、商品名、エボリュ−SP2020、密度=0.916g/cm3 、メルトフロ−レイト、MFR=1.5g/10分)100.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ロ).第二層を構成する樹脂組成物
高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ハ).第三層を構成する樹脂組成物
第二層と同様の高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)73.5重量部と、黒色顔料としてカ−ボンブラック1.5重量部と白色顔料として酸化チタン25.0重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ニ).第四層を構成する樹脂組成物
第二層と同様の高密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社製、商品名、ノバテックHD−HY430、密度=0.955g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=0.8g/10分)80.0重量部と、白色顔料として酸化チタン20.0重量部と合成シリカ0.5重量部とエルカ酸アミド0.05重量部とエチレンビスオレイン酸アミド0.05重量部とを十分に混練して樹脂組成物を調製した。
(ホ).第五層を構成する樹脂組成物
易開封層として高圧重合法から重合した低密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、商品名、ミラソン16P、密度=0.923g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=3.7g/10分)30.0重量部と、ポリプロピレン(エチレン−プロピレンのランダムコポリマ−樹脂、密度=0.9g/m3 、メルトフロ−レイト:MFR=18.0g/10分、引張弾性率=700MPa)70重量部を充分に混練して樹脂組成物を調製した。
(2).次に、上記で調製した樹脂組成物を使用し、これらを、5種5層の上吹き空冷インフレ−ション共押出製膜機を用いて、(イ)の樹脂組成物による層を5μm、(ロ)の樹脂組成物による層を15μm、(ハ)の樹脂組成物による層を5μm、(ニ)の樹脂組成物による層を5μm、(ホ)の樹脂組成物による層を10μmにそれぞれ共押出して製膜化して、5種5層の総厚40μmの共押出インフレ−ションフィルムからなる本発明に係る共押出多層積層フィルムを製造した。
上記で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムは、その表面が乳白色で美観性に優れていた。
更に、光線遮断性は、良好で、油脂の酸化に起因する光線をほとんど透過せず、極めて良好であった。
(3).次に、上記で製造した共押出多層積層フィルムを使用し、その厚さ5μmの(イ)の樹脂組成物による樹脂層の面にコロナ放電処理し、次に、該コロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トし、更に、上記と同様に、上記で積層した2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムのコロナ処理面に、2液硬化型のポリウレタン系ラミネ−ト用接着剤を厚さ3.0g/m2 (ドライ)塗布して接着剤層を形成し、しかる後、該接着剤層の面に、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレ−トフィルムを、そのコナロ処理面を対向させて重ね合わせ、しかる後、その両者をドライラミネ−トして、本発明に係る蓋材を製造した。
(4).次に、上記で製造した蓋材を使用し、まず、ポリプロピレン樹脂からなるカップ状成形容器に水を充填し、次いで、その開口部のフランジ部の表面に、上記で製造した蓋材を、その共押出多層積層フィルムの面を対向させて重ね合わせ、しかる後、平シ−ルからシ−ル温度200℃、1kg/cm2 、1秒の条件にてシ−ルし、カップ状成形容器内に水を充填包装した包装製品を製造した。
上記で製造した包装製品は、内容物の漏れ、蓋材の破れ等は認められなかった。
更に、包装製品を1mから落下テストを3回行ったところ、破れ、漏れ等は認められなかった。
また、包装製品について、易開封性(イ−ジ−ピ−ル性)は良好であり、ピ−ル時の裂け、破れ、糸引等も認められなかった。
【0067】
(実験例)
上記の実施例1〜4で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムを使用して製造した本発明に係る蓋材について、下記の物性を測定した。
(1).膜厚の測定
これは、実施例1〜4で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムを使用して製造した本発明に係る蓋材について、ソニ−株式会社製、μ−メ−タにより測定した。
(2).ピ−ル強度の測定
これは、15mm幅の短冊状試験片を切り出し、ポリプロピレン樹脂製カップ状成形容器の開口部のフランジ部の表面に、平シ−ルからシ−ル温度200℃、1kg/cm2 、1秒の条件にてシ−ルした。
次いで、引張試験機で300mm/minにて引張試験を実施して測定した。
(3).全光線透過率の測定
これは、実施例1〜4で製造した本発明に係る共押出多層積層フィルムを使用して製造した本発明に係る蓋材について、スガ試験機株式会社製のヘ−ズメ−タ(機種名、SM−C)を使用し、これから全光線の透過率を測定した。
上記の測定結果について、下記の表1に示す。
【0068】
(表1)
┌────┬──────┬──────────┬────────┐ │ │ 膜厚 │ カップ製品の │ 全光線透過率 │ │ │ (μm) │ ピ−ル強度(N) │ (%) │ ├────┼──────┼──────────┼────────┤ │実施例1│ 64 │ 10.0 │ 1.5 │ ├────┼──────┼──────────┼────────┤ │実施例2│ 64 │ 10.0 │ 1.5 │ ├────┼──────┼──────────┼────────┤ │実施例3│ 64 │ 13.0 │ 1.5 │ ├────┼──────┼──────────┼────────┤ │実施例4│ 64 │ 10.0 │ 1.5 │ └────┴──────┴──────────┴────────┘
【0069】
上記の表1に示す結果より明らかなように、本発明に係る共押出多層積層フィルムを使用して製造した本発明に係る蓋材は、ヒ−トシ−ル性、イ−ジ−ピ−ル性、遮光性等において優れているものであった。
【産業上の利用可能性】
【0070】
更に、本発明に係る蓋材は、ヒ−トシ−ル材として、ヒ−トシ−ル性に優れ、その密封性を十分に満足し得るものであって、内容物の品質の保護、保存期間の延長、その他等の要請を充足すると共に、更に、イ−ジ−ピ−ル性に優れ、消費時に包装用袋を容易に開封することができる易開封性を有し、更に、剥離界面において糸引等の現象は認められない極めて美麗な剥離界面を形成し得るものであり、各種のプラスチック製成形容器用蓋材等に適用することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明に係る蓋材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図2】本発明に係る蓋材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図3】本発明に係る蓋材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図4】本発明に係る蓋材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図5】本発明に係る蓋材についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【図6】図1に示す本発明に係る蓋材を使用して製造した本発明に係るプラスチック製成形容器包装製品についてその一例の層構成を示す概略的断面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 基材フィルム
2 遮光性樹脂膜
3 ヒ−トシ−ル性樹脂膜
4、4a、4b、4c 共押出多層積層フィルム
5 バリア性基材フィルム
6、6a 白色樹脂層
7 透明ないし半透明の樹脂層
A、A1 、A2、A3 、A4、A5 蓋材
11 プラスチック製成形容器
12 内容物
13 フランジ部
B プラスチック製成形容器包装製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層したことを特徴とする蓋材。
【請求項2】
基材フィルムと、バリア性基材フィルムと、少なくとも遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムとを、その共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層の面を対向させて積層したことを特徴とする蓋材。
【請求項3】
共押出多層積層フィルムが、白色樹脂層と遮光性樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムであることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項4】
共押出多層積層フィルムが、白色樹脂層と遮光性樹脂層と白色樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムであることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項5】
共押出多層積層フィルムが、透明ないし半透明の樹脂層と白色樹脂層と遮光性樹脂層と白色樹脂層とヒ−トシ−ル性樹脂層とからなる共押出多層積層フィルムであることを特徴とする上記の請求項1〜2のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項6】
共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層が、無彩色または有彩色の色素を含む樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項7】
共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層が、黒色ないし灰色の色素を含む樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜5のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項8】
共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料を含み、かつ、黒色顔料の含有量が、0.1重量%〜25.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜7のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項9】
共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、黒色顔料と白色顔料とを含み、かつ、黒色顔料の含有量が、1.0重量%〜25.0重量%からなり、また、白色顔料の含有量が、黒色顔料の含有量に対し1倍〜30倍からなる樹脂組成物による樹脂膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜8のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項10】
共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層が、ポリエチレン系樹脂、20〜60重量部とポリプロピレン系樹脂、40〜80重量部とをビヒクルの主成分とする樹脂組成物による樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜9のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項11】
共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層が、メルトフロ−レイト(MFR)が1〜7g/10分(190℃)の高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とメルトフロ−レイト(MFR)が5〜20g/10分(230℃)のポリプロピレン系樹脂とをビヒクルの主成分とする樹脂組成物による樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項12】
共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層が、メルトフロ−レイト(MFR)が1〜7g/10分(190℃)の高圧重合法低密度ポリエチレン系樹脂とメルトフロ−レイト(MFR)が5〜20g/10分(230℃)のプロピレンとエチレンとのランダム共重合体またはメタロセン触媒により重合したプロピレンとエチレンとのランダム共重合体とをビヒクルの主成分とする樹脂組成物による樹脂層からなることを特徴とする上記の請求項1〜10のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項13】
共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層が、2〜20N/15mm幅の範囲の凝集破壊強度を有することを特徴とする上記の請求項1〜12のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項14】
共押出多層積層フィルムを構成する白色樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とし、更に、白色顔料を含み、かつ、白色顔料の含有量が、0.1重量%〜30.0重量%からなる樹脂組成物による樹脂膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜13のいずれが1項に記載する蓋材。
【請求項15】
共押出多層積層フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層が、熱可塑性樹脂をビヒクルの主成分とする樹脂組成物による透明ないし半透明の樹脂膜からなることを特徴とする上記の請求項1〜14のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項16】
共押出多層積層フィルムを構成する遮光性樹脂層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜15のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項17】
共押出多層積層フィルムを構成するヒ−トシ−ル性樹脂層が、膜厚5μm〜100μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜16のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項18】
共押出多層積層フィルムを構成する白色樹脂層が、膜厚5μm〜40μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜17のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項19】
共押出多層積層フィルムを構成する透明ないし半透明の樹脂層が、膜厚5μm〜100μmからなることを特徴とする上記の請求項1〜18のいずれか1項に記載する蓋材。
【請求項20】
共押出多層積層樹脂フィルムが、全光線透過率10.0%以下からなることを特徴とする上記の請求項1〜19のいずれか1項に記載する蓋材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−290435(P2006−290435A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−115649(P2005−115649)
【出願日】平成17年4月13日(2005.4.13)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】