薄板状部品製造方法
【課題】正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる薄板状部品製造方法を提供する。
【解決手段】第2切れ目形成ローラ226よりも送り方向下流側には、一対の搬送ローラ232と一対の搬送ローラ234が配置されており、これら2組の搬送ローラ232,234に中間製品100が挟持されて張られた状態で搬送される。2組の搬送ローラ232,234の間の上方には、2台のCCDカメラ236、238が配置されている。2組の搬送ローラ232,234によって張られた状態で搬送されている中間製品100は、2台のCCDカメラ236、238によって所定の位置や寸法が測定され、この測定結果に基づいて、第2切れ目形成ローラ226が送り方向に直交する方向に移動すると共に、規格外の寸法の中間製品100には印が付けられる。
【解決手段】第2切れ目形成ローラ226よりも送り方向下流側には、一対の搬送ローラ232と一対の搬送ローラ234が配置されており、これら2組の搬送ローラ232,234に中間製品100が挟持されて張られた状態で搬送される。2組の搬送ローラ232,234の間の上方には、2台のCCDカメラ236、238が配置されている。2組の搬送ローラ232,234によって張られた状態で搬送されている中間製品100は、2台のCCDカメラ236、238によって所定の位置や寸法が測定され、この測定結果に基づいて、第2切れ目形成ローラ226が送り方向に直交する方向に移動すると共に、規格外の寸法の中間製品100には印が付けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の薄板が両面テープによって接着された構造をもつ薄板状部品を製造する薄板状部品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルムのような薄い板状のものが積層された部品が各種の産業分野で使用されている。このような部品は接着や切断、剥離等を繰り返し行って多量に製造されることが多い(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
【特許文献1】特許第3458943号公報
【特許文献2】特開2007−276364号公報
【特許文献3】特開2000−085089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような部品は通常、サイズ(長さや幅)が予め決められているものの、接着、切断、剥離等を繰り返し行って製造されるので、その長さや切断位置がばらつくことがあり、不良率が高くなるおそれがある。不良率を低減させるためには作業の熟練が必要であり、作業時間が長くなることもある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる薄板状部品製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の薄板状部品製造方法は、矩形状の下層薄板と、該下層薄板の上に配置されて該下層薄板よりもその長さと幅が短い矩形状の上層薄板と、前記下層薄板と前記上層薄板とに挟まれてこれらを接着すると共に前記上層薄板よりもその幅が短い矩形状の両面テープ層とを有する薄板状部品を製造する薄板状部品製造方法において、
(1)前記下層薄板に加工される下層薄板材料、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料、及び、前記両面テープ層材料の上面に接着する第2剥離紙を、所定の送り方向に送りながらこの順に積層させる初期工程と、
(2)この積層されたものを前記送り方向に送りながら加工することにより、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する中間工程と、
(3)前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出してこの位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記中間工程を調整し、続いて、前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する最終工程とからなることを特徴とするものである。
【0006】
ここで、前記初期工程は、
(4)その上面に第1剥離紙が付着されて前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料を引き出すと共に、前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記下層薄板に加工される下層薄板材料を引き出しながら、前記両面テープ層材料を前記下層薄板材料の上面に重ねて接着させる第1工程と、
(5)前記下層薄板材料とその上面に重ねられた前記両面テープ層材料を所定の送り方向に送りながら、前記第1剥離紙を前記両面テープ層材料から剥離する第2工程と、
(6)前記両面テープ層材料と同じ幅をもち前記第1剥離紙よりも弱い接着力で前記両面テープ層材料の前記上面に接着する第2剥離紙を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層材料の前記上面に接着させることにより、前記下層薄板材料、前記両面テープ層材料、及び前記第2剥離紙をこの順に積層する第3工程とからなってもよい。
【0007】
また、前記中間工程は、
(7)前記初期工程で積層されたもののうち前記両面テープ層の幅の縁に相当する部分に、前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面から前記下層薄板材料の途中まで第1切れ目を形成する第4工程と、
(8)前記第1切れ目が形成されて前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面に、片面に粘着剤が付けられた片面テープを粘着させることにより、前記両面テープ層材料のうち前記両面テープ層に加工される以外の部分及び前記第2剥離紙の全てを前記片面テープと共に取り除いて、前記下層薄板材料に前記両面テープ層が積層されたものを作製する第5工程と、
(9)前記上層薄板よりも長くて広い幅をもち前記上層薄板に加工される上層薄板材料を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層の上面に貼って、該上層薄板材料のうち前記上層薄板の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目を形成し、前記上層薄板材料のうち前記上層薄板以外の部分を取り除き、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する第6工程とからなってもよい。
【0008】
さらに、前記最終工程は、
(10)前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記送り方向に並んだ前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記送り方向に並んだ前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出して、この位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記第2切れ目を形成する位置を修正する第7工程と、
(11)前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する第8工程とからなってもよい。
【0009】
さらにまた、
(12)前記最終工程における、前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出すると共に前記両面テープ層一つずつの位置を検出する際は、これらを光学的に検出してもよい。
【0010】
さらにまた、
(13)前記最終工程における、所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付ける際は、この上層薄板をカッタで傷付けてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の薄板状部品製造方法によれば、薄板状部品を製造する際に、初期工程を経て中間工程で多量に製造された中間製品のうち上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された上層薄板に印を付けると共に、上層薄板に重なった両面テープ層一つずつの位置を検出してこの位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように中間工程を調整するので、正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、2枚の薄板が両面テープによって接着された構造をもつ薄板状部品の製造方法に実現された。
【実施例1】
【0013】
図1から図9までを参照して本願発明の薄板状部品製造方法の一例を説明する。図1は、本願発明の薄板状部品の製造装置を模式的に示す説明図である。図2(A1)は、図1のAの状態における材料を示す平面図であり、(A2)は、(A1)のa−a断面図であり、(B1)は、図1のBの状態における材料を示す平面図であり、(B2)は、(B1)のb―b断面図である。図3(C1)は、図1のCの状態における材料を示す平面図であり、(C2)は、(C1)のc−c断面図であり、(D1)は、図1のDの状態における材料を示す平面図であり、(D2)は、(D1)のd―d断面図である。図4(E1)は、図1のEの状態における材料を示す平面図であり、(E2)は、(E1)のe−e断面図であり、(F1)は、図1のFの状態における材料を示す平面図であり、(F2)は、(F1)のf―f断面図である。図5(G1)は、図1のGの状態における材料を示す平面図であり、(G2)は、(G1)のg−g断面図であり、(H1)は、図1のHの状態における材料を示す平面図であり、(H2)は、(H1)のh―h断面図である。図6(I1)は、図1のIの状態における材料を示す平面図であり、(I2)は、(I1)のi−i断面図であり、(J1)は、図1のJの状態における材料を示す平面図であり、(J2)は、(J1)のj―j断面図である。図7(K1)は、図1のKの状態における材料を示す平面図であり、(K2)は、(K1)のk−k断面図であり、(L1)は、図1のLの状態における材料を示す平面図であり、(L2)は、(L1)のl―l断面図である。図8(M1)は、図1のMの状態における材料を示す平面図であり、(M2)は、(M1)のm−m断面図である。図9(N1)は、完成した薄板状部品(製品)を示す平面図であり、(N2)は、(N1)のn―n断面図である。
【0014】
本願発明の薄板状部品製造方法に使用される製造装置200は、各種の搬送機器やローラなどから構成されている。ロール202には、図2(A1)、(A2)に示す下層薄板材料(フィルム状の薄い樹脂)10がロール状に巻かれている。この下層薄板材料10は、図9に示す製品300の下層薄板310に加工される。ロール202の上方にはロール204が配置されている。ロール204には、図2(B1)、(B2)に示す両面テープ層材料20がロール状に巻かれている。この両面テープ層材料20は厚さ0.16mm程度であり、基材20aと、この両面(表面及び裏面)に粘着剤が塗布されて形成された接着剤層20b1、20b2と、粘着剤層20b1の表面(上面)に貼り付けられた第1剥離紙20c1とからなる。下層薄板材料10と両面テープ層材料20の幅(図1の紙面に垂直な方向の長さであり、L10とL20)は同じである。ロール202から引き出された下層薄板材料10と、ロール204から引き出された両面テープ層材料20とは一対の第1搬送ローラ206に挟持されながら重ねられて送り方向(矢印X方向)に送られる(搬送される)。第1搬送ローラ206では、両面テープ層材料20を下層薄板材料10の上面に重ねて接着させる第1工程が行われる。なお、下層薄板材料10としては、ポリエステルフィルムにシリコンを塗布したものが使用されており、例えば、東山フィルム株式会社製のHY−US20が使用され、その厚さは0.075mm程度である。
【0015】
第1搬送ローラ206を通過した下層薄板材料10と両面テープ層材料20は第2搬送ローラ208に挟持される。第2搬送ローラ208の上方には、搬送中の両面テープ層材料20から第1剥離紙20c1を剥離するための第1剥離ローラ210が配置されている。第2搬送ローラ208を通過した直後の両面テープ層材料20からは第1剥離紙20c1が剥離されて、この剥離された第1剥離紙20c1は、図3(C1)、(C2)に示すように第1剥離ローラ210に巻き取られる(第2工程)。第2搬送ローラ208を通過して送り方向に送られるものは、図3(D1)、(D2)に示すように、下層薄板材料10の上面に接着剤層20b2、基材20a、及び接着剤層20b1がこの順に積層された積層材料30である。
【0016】
第2搬送ローラ208よりも送り方向下流側には一対の第3搬送ローラ212が配置されており、この第3搬送ローラ212の上方には、第1供給ローラ214が配置されている。第1供給ローラ214には、図4(E1)、(E2)に示す第2剥離紙40がロール状に巻かれている。第1供給ローラ214から引き出された第2剥離紙40は積層材料30と共に第3搬送ローラ212に挟持されて、第2剥離紙40は接着剤層20b1の上面に貼り付けられる(第3工程)。第2剥離紙40が接着剤層20b1に接着する接着力は、第1剥離紙20c1が接着剤層20b1に接着する接着力よりも弱い。この理由は、後述する第5工程で説明するように、接着剤層20b1から第2剥離紙40を剥離し易くするためである。第3搬送ローラ212を通過して送り方向に送られるものは、図4(F1)、(F2)に示すように、下層薄板材料10の上面に接着剤層20b2、基材20a,接着剤層20b1、及び第2剥離紙40がこの順に積層された積層材料50である。なお、図4(F1)、(F2)に示す材料をロール204に巻きつけておいて、第2工程と第3工程を省略しても良いが、材料調達の都合上、本実施例では上記のように実施している。また、上記した第1工程、第2工程、及び第3工程は、本願発明にいう初期工程である。
【0017】
第3搬送ローラ212よりも搬送方向下流側には、積層材料50に第1切れ目302を形成する第1切れ目形成ローラ216が配置されている。第3搬送ローラ212から送り出された積層材料50には第1切れ目形成ローラ216によって、図5(G1)、(G2)に示すように、製品300の両面テープ層320の幅の縁に相当する部分に第1切れ目302が形成される。この第1切れ目302は、第2剥離紙40の上面から下層薄板材料10の途中まで形成され、図4(F)に示す積層材料50が、図5(G)に示す積層材料60に加工される(第4工程)。この第1切れ目302は、後述するように、製品300の両面テープ層320を形成するためのものである。なお、第1切れ目形成ローラ216の外周面には、第1切れ目302に相当する切断刃が形成されており、この切断刃によって第1切れ目302が形成される。
【0018】
第1切れ目形成ローラ216よりも搬送方向下流側には、第1切れ目302の形成された積層材料60を送り方向(矢印X方向)に搬送しながら、「かす」を取り除くための一対の第4搬送ローラ218が配置されている。第4搬送ローラ218の上方には、図5(H1)、(H2)に示す片面テープ70が巻かれた第2供給ローラ220と、片面テープ70と共にその剥離したものを巻き取る第2剥離ローラ222が配置されている。片面テープ70は、基材70aと接着剤層70bとが積層されたものであり、第4搬送ローラ218によって接着剤層70bが第2剥離紙40に接着する。第1切れ目形成ローラ216によって加工された積層材料60は、片面テープ70と共に第4搬送ローラ218に挟持される。これと同時に、片面テープ70の接着剤層70bが第2剥離紙40に接着し、続いて、第4搬送ローラ218を通過した直後の片面テープ70が第2剥離ローラ222に巻き取られるので、図6(I1)、(I2)に示すように、片面テープ70と共に第2剥離紙40、両面テープ層材料20の大部分が下層薄板材料10から剥離される(第5工程)。ここでいう両面テープ層材料20の大部分とは、両面テープ層材料20のうち製品300の両面テープ層320に加工される以外の部分をいう。即ち、第5工程では、第1切れ目302が形成されて送り方向に送られている第2剥離紙40の上面に、片面テープ70の接着剤層70bが粘着されることにより、両面テープ層材料20のうち両面テープ層320に加工される以外の部分及び第2剥離紙40の全てが片面テープ70と共に取り除かれて、図6(J1)、(J2)に示すように、下層薄板材料10に両面テープ層320が積層された積層材料80が作製される。
【0019】
第4搬送ローラ218よりも搬送方向下流側には第5搬送ローラ224が配置されており、この第5搬送ローラ224よりも搬送方向下流側には、一対の第2切れ目形成ローラ226が配置されている。この第2切れ目形成ローラ226は、送り方向に直交する方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動できるように構成されている。第2切れ目形成ローラ226の上方には、図7(K1)、(K2)に示す上層薄板材料90が巻かれた第3供給ローラ228と、この上層薄板材料90のうち不要な部分を剥離して巻き取る第3剥離ローラ230が配置されている。上層薄板材料90は製品300の上層薄板330(図9参照)に加工されるものであり、第2切れ目形成ローラ226によって積層材料80の上面(接着剤層20b1)に貼り付けられると同時に、上層薄板材料90のうち上層薄板330の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目304が形成される。上層薄板材料90としては、厚さが0.050mm〜0.125mm程度のルミラーS(ポリエステルフィルム)やカプトン200H(ポリイミド)が使用される。
【0020】
第2切れ目304が形成された直後に、上層薄板材料90の不要部分(かす)が第3剥離ローラ230に巻き取れらるので、図8(M1)、(M2)に示すように、上層薄板材料90の一部が両面テープ層320から剥離される(第6工程)。ここでいう上層薄板材料90の一部とは、上層薄板材料90のうち上層薄板330以外の部分をいう。即ち、第6工程では、上層薄板330よりも長くて広い幅をもち上層薄板330に加工される上層薄板材料90が、送り方向に送られている両面テープ層320の上面に貼られ、上層薄板材料90のうち上層薄板330の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目304が形成され、上層薄板材料90のうち上層薄板330以外の部分が取り除かれ、図7(L1)、(L2)に示すように、両面テープ層320と上層薄板330とが積層された中間製品100が下層薄板材料10の上に、送り方向に所定間隔離して複数作製される。第6工程では、上層薄板材料90のうち上層薄板330になる部分は、両面テープ層320に貼り付けられており、それ以外の部分とは第2切れ目304で区切られているので、上層薄板材料90のうち上層薄板330以外の部分は容易に剥離されることとなる。上記した第4工程、第5工程、及び第6工程は、本願発明にいう中間工程である。
【0021】
第2切れ目形成ローラ226よりも送り方向下流側には、一対の搬送ローラ232と一対の搬送ローラ234が配置されており、これら2組の搬送ローラ232,234に中間製品100が挟持されて張られた状態で(所定の張力を保ちながら)搬送される。2組の搬送ローラ232,234の間(2組の搬送ローラ232,234に挟まれた領域)の上方には、2台のCCDカメラ236、238が配置されている。2組の搬送ローラ232,234によって張られた状態で搬送されている中間製品100は、2台のCCDカメラ236(第1CCDカメラ)、238(第2CCDカメラ)によって所定の位置や寸法が測定され、この測定結果に基づいて、第2切れ目形成ローラ226が送り方向に直交する方向に移動すると共に、規格外の寸法の中間製品100には印が付けられる。この点について図10と図11を参照して説明する。
【0022】
図10(a)は、2台のCCDカメラが中間製品を測定する位置等を模式的に示す平面図であり、(b)は、一つの中間製品のうち送り方向上流側部分を示す拡大図であり、(c)は、一つの中間製品のうち送り方向下流側を示す拡大図であり、(d)は、上層薄板についての測定結果の一例を示す説明図であり、(e)は、両面テープ層についての測定結果の一例を示す説明図である。図11は、2台のCCDカメラと第2切れ目形成ローラの移動機構を制御する制御系を示す模式図である。
【0023】
上述したように中間製品100は、両面テープ層320と上層薄板330とが下層薄板材料10の上に積層されたものであり、図7(L1)に示すように、複数の中間製品100は送り方向に並んで下層薄板材料10の上に貼り付けられている。第1CCDカメラ236は、図10(b)に示すように、一つの中間製品100のうち送り方向(矢印X方向)上流側の部分が視野Vとなり、上層薄板330の左端(2つの短辺のうち送り方向上流側の辺)を含む領域R1、両面テープ層320の幅方向の長さを含む領域R2が計測される。一方、第2CCDカメラ238は、図10(c)に示すように、一つの中間製品100のうち送り方向(矢印X方向)下流側の部分が視野V’となり、上層薄板330の右端(2つの短辺のうち送り方向上流側の辺)を含む領域R1’、両面テープ層320の幅方向の長さを含む領域R2’が計測される。この計測は、全ての中間製品100に対して実施される。
【0024】
上記のようにして2台のCCDカメラ236、238によって領域R1、R1’、R2、R2’が計測されて、図11に示すように、この計測結果がCCDドライバ240を経由して制御器242(プログラマブル ロジック コントローラ)に送られる。制御器242では、領域R1、R1’の計測結果に基づいて、一つの中間製品100の上層薄板330の送り方向長さY(図10(d)参照)が演算されると共に、領域R2、R2’の計測結果に基づいて、両面テープ層320の幅方向一辺から上層薄板330の幅方向一辺(長辺)までの長さZ(図10(e)参照)が演算される。
【0025】
ここで、2台のCCDカメラ236、238の撮像に基づく演算について図12を参照して説明する。図12は、2台のCCDカメラの撮像に基づく演算を説明するための説明図である。
【0026】
2台のCCDカメラ236,238の座標軸の横軸(X軸)は一直線上にあって、且つ、搬送中の中間製品100の長辺に平行であることが理想である。上記の一直線上及び平行を満たしている場合は、2台のCCDカメラ236,238によって撮影された画像の距離Y(図10(d)参照)に相当する画素数に基づいて、公知方法によって距離Yが得られる。
【0027】
しかし、2台のCCDカメラ236,238の設置環境や中間製品100の搬送条件などによって、上記の一直線上及び平行が満たされないことがある。そこで、下記のような補正を実行して距離Yを得る。なお、距離Z(図10(e)参照)も同様である。また、距離Y、Zを得るに当たっては、周知の三角法に基づいて演算することが最も良いが、この三角法に基づく演算は複雑であり、長い演算時間となる。このため、一つの中間製品100の距離Y、Zを得るための時間が長くなり、カッタ248の動作が間に合わないことがある。
【0028】
図12に示すように中間製品100の搬送方向(矢印X方向)に対して、2台のCCDカメラ236,238の座標軸の横軸が一直線上に無くて距離Aだけずれており、且つ、この座標軸の横軸は搬送中の中間製品100の長辺に平行ではないとする。
【0029】
この場合、図10(d)に示すY1を2台のCCDカメラ236,238の画素数に基づいて得る。次に、このY1が測定された中間製品100のY1を2次元測定器によって再び測定する。例えば2台のCCDカメラ236,238の1画素が1mm四方(1mm/画素)のとき、2台のCCDカメラ236,238の画素数に基づいて得られたY1が190mmであり、2次元測定器によって得られたY1が200mmのときは、2台のCCDカメラ236,238を0.95mm/画素に補正して演算する。距離Zについても同様に演算する。
【0030】
上記のような演算は全ての中間製品100について行われる。上層薄板330の送り方向長さYが、図10(d)に示されるように、一つの中間製品100ではY1=200.00mmであり、他の中間製品100ではY2=198.00mmであり、さらに他の中間製品100ではY3=201.00mmであった場合、規格長さが200±1.00mmのときは、Y2=198.00mmとなった他の中間製品100は不合格(規格外)となるが、残りの中間製品100は合格となる。他の中間製品100が規格外となった旨の信号は、制御器242から搬送ローラ234よりも送り方向やや上流側に配置されたカッタ248に送られる。この信号を受信したカッタ248は、規格外の他の中間製品100の上層薄板330に傷を付け、これにより、他の中間製品100が規格外であることが一目で誰にでも判断できる。従って、規格外の製品を見抜く熟練した作業は必要とされない。
【0031】
両面テープ層320の幅方向一辺から上層薄板330の幅方向一辺(長辺)までの長さZ(図10(e)参照)が演算された場合、上層薄板330における両面テープ層320の位置が判断できる。この位置は予め決められており、両面テープ層320が上層薄板330の幅方向中央に偏り過ぎている場合、長さZは規格長さよりも長くなり、この逆に、両面テープ層320が上層薄板330の幅方向一辺に偏り過ぎている場合、長さZは規格長さよりも短くなる。従って、いずれの場合であっても、長さZが規格内に収まるように、一対の第2切れ目形成ローラ226を左右(送り方向に直交する方向)に移動させる。この移動は、図11に示すように、制御器242がサーボアンプ244を介してサーボモータ246を駆動することにより行われる。これにより、上層薄板330における適切な位置に両面テープ層320が位置するように制御でき、不良品を減少できる。この場合も、規格外の製品を見抜く熟練した作業は必要とされない。
【0032】
以上説明したように、第7工程では、送り方向(矢印X方向)に送られている中間製品100のうち送り方向に並んだ上層薄板330一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された上層薄板330に印が付けられると共に、送り方向に並んだ上層薄板330に重なった両面テープ層320一つずつの位置を検出して、この位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように第2切れ目を形成する位置が修正される。従って、正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる。
【0033】
搬送ローラ234を通過した中間製品100は、下層薄板材料10を切断して下層薄板310に加工するシートカッタ250に搬送される。このシートカッタ250は、中間製品100が下層薄板材料10の上面に配置されるように下層薄板材料10が切断される(第8工程)。即ち、下層薄板材料10のうち、互いに隣り合う2つの中間製品100の間の部分が切断されて製品300(図9参照)が製造される。また、上記した第7工程及び第8工程は、本願発明にいう最終工程である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明の薄板状部品の製造装置を模式的に示す説明図である。
【図2】(A1)は、図1のAの状態における材料を示す平面図であり、(A2)は、(A1)のa−a断面図であり、(B1)は、図1のBの状態における材料を示す平面図であり、(B2)は、(B1)のb―b断面図である。
【図3】(C1)は、図1のCの状態における材料を示す平面図であり、(C2)は、(C1)のc−c断面図であり、(D1)は、図1のDの状態における材料を示す平面図であり、(D2)は、(D1)のd―d断面図である。
【図4】(E1)は、図1のEの状態における材料を示す平面図であり、(E2)は、(E1)のe−e断面図であり、(F1)は、図1のFの状態における材料を示す平面図であり、(F2)は、(F1)のf―f断面図である。
【図5】(G1)は、図1のGの状態における材料を示す平面図であり、(G2)は、(G1)のg−g断面図であり、(H1)は、図1のHの状態における材料を示す平面図であり、(H2)は、(H1)のh―h断面図である。
【図6】(I1)は、図1のIの状態における材料を示す平面図であり、(I2)は、(I1)のi−i断面図であり、(J1)は、図1のJの状態における材料を示す平面図であり、(J2)は、(J1)のj―j断面図である。
【図7】(K1)は、図1のKの状態における材料を示す平面図であり、(K2)は、(K1)のk−k断面図であり、(L1)は、図1のLの状態における材料を示す平面図であり、(L2)は、(L1)のl―l断面図である。
【図8】(M1)は、図1のMの状態における材料を示す平面図であり、(M2)は、(M1)のm−m断面図である。
【図9】(N1)は、完成した薄板状部品(製品)を示す平面図であり、(N2)は、(N1)のn―n断面図である。
【図10】(a)は、2台のCCDカメラが中間製品を測定する位置等を模式的に示す平面図であり、(b)は、一つの中間製品のうち送り方向上流側部分を示す拡大図であり、(c)は、一つの中間製品のうち送り方向下流側を示す拡大図であり、(d)は、上層薄板についての測定結果の一例を示す説明図であり、(e)は、両面テープ層についての測定結果の一例を示す説明図である。
【図11】2台のCCDカメラと第2切れ目形成ローラの移動機構を制御する制御系を示す模式図である。
【図12】2台のCCDカメラの撮像に基づく演算を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10 下層薄板材料
20 両面テープ層材料
90 上層薄板材料
236、238 CCDカメラ
248 カッタ
300 製品
302 第1切れ目
304 第2切れ目
310 下層薄板
320 両面テープ層
330 上層薄板
【技術分野】
【0001】
本発明は、2枚の薄板が両面テープによって接着された構造をもつ薄板状部品を製造する薄板状部品製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
樹脂フィルムのような薄い板状のものが積層された部品が各種の産業分野で使用されている。このような部品は接着や切断、剥離等を繰り返し行って多量に製造されることが多い(例えば、特許文献1、2、3参照。)。
【特許文献1】特許第3458943号公報
【特許文献2】特開2007−276364号公報
【特許文献3】特開2000−085089号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような部品は通常、サイズ(長さや幅)が予め決められているものの、接着、切断、剥離等を繰り返し行って製造されるので、その長さや切断位置がばらつくことがあり、不良率が高くなるおそれがある。不良率を低減させるためには作業の熟練が必要であり、作業時間が長くなることもある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる薄板状部品製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の薄板状部品製造方法は、矩形状の下層薄板と、該下層薄板の上に配置されて該下層薄板よりもその長さと幅が短い矩形状の上層薄板と、前記下層薄板と前記上層薄板とに挟まれてこれらを接着すると共に前記上層薄板よりもその幅が短い矩形状の両面テープ層とを有する薄板状部品を製造する薄板状部品製造方法において、
(1)前記下層薄板に加工される下層薄板材料、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料、及び、前記両面テープ層材料の上面に接着する第2剥離紙を、所定の送り方向に送りながらこの順に積層させる初期工程と、
(2)この積層されたものを前記送り方向に送りながら加工することにより、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する中間工程と、
(3)前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出してこの位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記中間工程を調整し、続いて、前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する最終工程とからなることを特徴とするものである。
【0006】
ここで、前記初期工程は、
(4)その上面に第1剥離紙が付着されて前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料を引き出すと共に、前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記下層薄板に加工される下層薄板材料を引き出しながら、前記両面テープ層材料を前記下層薄板材料の上面に重ねて接着させる第1工程と、
(5)前記下層薄板材料とその上面に重ねられた前記両面テープ層材料を所定の送り方向に送りながら、前記第1剥離紙を前記両面テープ層材料から剥離する第2工程と、
(6)前記両面テープ層材料と同じ幅をもち前記第1剥離紙よりも弱い接着力で前記両面テープ層材料の前記上面に接着する第2剥離紙を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層材料の前記上面に接着させることにより、前記下層薄板材料、前記両面テープ層材料、及び前記第2剥離紙をこの順に積層する第3工程とからなってもよい。
【0007】
また、前記中間工程は、
(7)前記初期工程で積層されたもののうち前記両面テープ層の幅の縁に相当する部分に、前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面から前記下層薄板材料の途中まで第1切れ目を形成する第4工程と、
(8)前記第1切れ目が形成されて前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面に、片面に粘着剤が付けられた片面テープを粘着させることにより、前記両面テープ層材料のうち前記両面テープ層に加工される以外の部分及び前記第2剥離紙の全てを前記片面テープと共に取り除いて、前記下層薄板材料に前記両面テープ層が積層されたものを作製する第5工程と、
(9)前記上層薄板よりも長くて広い幅をもち前記上層薄板に加工される上層薄板材料を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層の上面に貼って、該上層薄板材料のうち前記上層薄板の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目を形成し、前記上層薄板材料のうち前記上層薄板以外の部分を取り除き、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する第6工程とからなってもよい。
【0008】
さらに、前記最終工程は、
(10)前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記送り方向に並んだ前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記送り方向に並んだ前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出して、この位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記第2切れ目を形成する位置を修正する第7工程と、
(11)前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する第8工程とからなってもよい。
【0009】
さらにまた、
(12)前記最終工程における、前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出すると共に前記両面テープ層一つずつの位置を検出する際は、これらを光学的に検出してもよい。
【0010】
さらにまた、
(13)前記最終工程における、所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付ける際は、この上層薄板をカッタで傷付けてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の薄板状部品製造方法によれば、薄板状部品を製造する際に、初期工程を経て中間工程で多量に製造された中間製品のうち上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された上層薄板に印を付けると共に、上層薄板に重なった両面テープ層一つずつの位置を検出してこの位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように中間工程を調整するので、正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、2枚の薄板が両面テープによって接着された構造をもつ薄板状部品の製造方法に実現された。
【実施例1】
【0013】
図1から図9までを参照して本願発明の薄板状部品製造方法の一例を説明する。図1は、本願発明の薄板状部品の製造装置を模式的に示す説明図である。図2(A1)は、図1のAの状態における材料を示す平面図であり、(A2)は、(A1)のa−a断面図であり、(B1)は、図1のBの状態における材料を示す平面図であり、(B2)は、(B1)のb―b断面図である。図3(C1)は、図1のCの状態における材料を示す平面図であり、(C2)は、(C1)のc−c断面図であり、(D1)は、図1のDの状態における材料を示す平面図であり、(D2)は、(D1)のd―d断面図である。図4(E1)は、図1のEの状態における材料を示す平面図であり、(E2)は、(E1)のe−e断面図であり、(F1)は、図1のFの状態における材料を示す平面図であり、(F2)は、(F1)のf―f断面図である。図5(G1)は、図1のGの状態における材料を示す平面図であり、(G2)は、(G1)のg−g断面図であり、(H1)は、図1のHの状態における材料を示す平面図であり、(H2)は、(H1)のh―h断面図である。図6(I1)は、図1のIの状態における材料を示す平面図であり、(I2)は、(I1)のi−i断面図であり、(J1)は、図1のJの状態における材料を示す平面図であり、(J2)は、(J1)のj―j断面図である。図7(K1)は、図1のKの状態における材料を示す平面図であり、(K2)は、(K1)のk−k断面図であり、(L1)は、図1のLの状態における材料を示す平面図であり、(L2)は、(L1)のl―l断面図である。図8(M1)は、図1のMの状態における材料を示す平面図であり、(M2)は、(M1)のm−m断面図である。図9(N1)は、完成した薄板状部品(製品)を示す平面図であり、(N2)は、(N1)のn―n断面図である。
【0014】
本願発明の薄板状部品製造方法に使用される製造装置200は、各種の搬送機器やローラなどから構成されている。ロール202には、図2(A1)、(A2)に示す下層薄板材料(フィルム状の薄い樹脂)10がロール状に巻かれている。この下層薄板材料10は、図9に示す製品300の下層薄板310に加工される。ロール202の上方にはロール204が配置されている。ロール204には、図2(B1)、(B2)に示す両面テープ層材料20がロール状に巻かれている。この両面テープ層材料20は厚さ0.16mm程度であり、基材20aと、この両面(表面及び裏面)に粘着剤が塗布されて形成された接着剤層20b1、20b2と、粘着剤層20b1の表面(上面)に貼り付けられた第1剥離紙20c1とからなる。下層薄板材料10と両面テープ層材料20の幅(図1の紙面に垂直な方向の長さであり、L10とL20)は同じである。ロール202から引き出された下層薄板材料10と、ロール204から引き出された両面テープ層材料20とは一対の第1搬送ローラ206に挟持されながら重ねられて送り方向(矢印X方向)に送られる(搬送される)。第1搬送ローラ206では、両面テープ層材料20を下層薄板材料10の上面に重ねて接着させる第1工程が行われる。なお、下層薄板材料10としては、ポリエステルフィルムにシリコンを塗布したものが使用されており、例えば、東山フィルム株式会社製のHY−US20が使用され、その厚さは0.075mm程度である。
【0015】
第1搬送ローラ206を通過した下層薄板材料10と両面テープ層材料20は第2搬送ローラ208に挟持される。第2搬送ローラ208の上方には、搬送中の両面テープ層材料20から第1剥離紙20c1を剥離するための第1剥離ローラ210が配置されている。第2搬送ローラ208を通過した直後の両面テープ層材料20からは第1剥離紙20c1が剥離されて、この剥離された第1剥離紙20c1は、図3(C1)、(C2)に示すように第1剥離ローラ210に巻き取られる(第2工程)。第2搬送ローラ208を通過して送り方向に送られるものは、図3(D1)、(D2)に示すように、下層薄板材料10の上面に接着剤層20b2、基材20a、及び接着剤層20b1がこの順に積層された積層材料30である。
【0016】
第2搬送ローラ208よりも送り方向下流側には一対の第3搬送ローラ212が配置されており、この第3搬送ローラ212の上方には、第1供給ローラ214が配置されている。第1供給ローラ214には、図4(E1)、(E2)に示す第2剥離紙40がロール状に巻かれている。第1供給ローラ214から引き出された第2剥離紙40は積層材料30と共に第3搬送ローラ212に挟持されて、第2剥離紙40は接着剤層20b1の上面に貼り付けられる(第3工程)。第2剥離紙40が接着剤層20b1に接着する接着力は、第1剥離紙20c1が接着剤層20b1に接着する接着力よりも弱い。この理由は、後述する第5工程で説明するように、接着剤層20b1から第2剥離紙40を剥離し易くするためである。第3搬送ローラ212を通過して送り方向に送られるものは、図4(F1)、(F2)に示すように、下層薄板材料10の上面に接着剤層20b2、基材20a,接着剤層20b1、及び第2剥離紙40がこの順に積層された積層材料50である。なお、図4(F1)、(F2)に示す材料をロール204に巻きつけておいて、第2工程と第3工程を省略しても良いが、材料調達の都合上、本実施例では上記のように実施している。また、上記した第1工程、第2工程、及び第3工程は、本願発明にいう初期工程である。
【0017】
第3搬送ローラ212よりも搬送方向下流側には、積層材料50に第1切れ目302を形成する第1切れ目形成ローラ216が配置されている。第3搬送ローラ212から送り出された積層材料50には第1切れ目形成ローラ216によって、図5(G1)、(G2)に示すように、製品300の両面テープ層320の幅の縁に相当する部分に第1切れ目302が形成される。この第1切れ目302は、第2剥離紙40の上面から下層薄板材料10の途中まで形成され、図4(F)に示す積層材料50が、図5(G)に示す積層材料60に加工される(第4工程)。この第1切れ目302は、後述するように、製品300の両面テープ層320を形成するためのものである。なお、第1切れ目形成ローラ216の外周面には、第1切れ目302に相当する切断刃が形成されており、この切断刃によって第1切れ目302が形成される。
【0018】
第1切れ目形成ローラ216よりも搬送方向下流側には、第1切れ目302の形成された積層材料60を送り方向(矢印X方向)に搬送しながら、「かす」を取り除くための一対の第4搬送ローラ218が配置されている。第4搬送ローラ218の上方には、図5(H1)、(H2)に示す片面テープ70が巻かれた第2供給ローラ220と、片面テープ70と共にその剥離したものを巻き取る第2剥離ローラ222が配置されている。片面テープ70は、基材70aと接着剤層70bとが積層されたものであり、第4搬送ローラ218によって接着剤層70bが第2剥離紙40に接着する。第1切れ目形成ローラ216によって加工された積層材料60は、片面テープ70と共に第4搬送ローラ218に挟持される。これと同時に、片面テープ70の接着剤層70bが第2剥離紙40に接着し、続いて、第4搬送ローラ218を通過した直後の片面テープ70が第2剥離ローラ222に巻き取られるので、図6(I1)、(I2)に示すように、片面テープ70と共に第2剥離紙40、両面テープ層材料20の大部分が下層薄板材料10から剥離される(第5工程)。ここでいう両面テープ層材料20の大部分とは、両面テープ層材料20のうち製品300の両面テープ層320に加工される以外の部分をいう。即ち、第5工程では、第1切れ目302が形成されて送り方向に送られている第2剥離紙40の上面に、片面テープ70の接着剤層70bが粘着されることにより、両面テープ層材料20のうち両面テープ層320に加工される以外の部分及び第2剥離紙40の全てが片面テープ70と共に取り除かれて、図6(J1)、(J2)に示すように、下層薄板材料10に両面テープ層320が積層された積層材料80が作製される。
【0019】
第4搬送ローラ218よりも搬送方向下流側には第5搬送ローラ224が配置されており、この第5搬送ローラ224よりも搬送方向下流側には、一対の第2切れ目形成ローラ226が配置されている。この第2切れ目形成ローラ226は、送り方向に直交する方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動できるように構成されている。第2切れ目形成ローラ226の上方には、図7(K1)、(K2)に示す上層薄板材料90が巻かれた第3供給ローラ228と、この上層薄板材料90のうち不要な部分を剥離して巻き取る第3剥離ローラ230が配置されている。上層薄板材料90は製品300の上層薄板330(図9参照)に加工されるものであり、第2切れ目形成ローラ226によって積層材料80の上面(接着剤層20b1)に貼り付けられると同時に、上層薄板材料90のうち上層薄板330の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目304が形成される。上層薄板材料90としては、厚さが0.050mm〜0.125mm程度のルミラーS(ポリエステルフィルム)やカプトン200H(ポリイミド)が使用される。
【0020】
第2切れ目304が形成された直後に、上層薄板材料90の不要部分(かす)が第3剥離ローラ230に巻き取れらるので、図8(M1)、(M2)に示すように、上層薄板材料90の一部が両面テープ層320から剥離される(第6工程)。ここでいう上層薄板材料90の一部とは、上層薄板材料90のうち上層薄板330以外の部分をいう。即ち、第6工程では、上層薄板330よりも長くて広い幅をもち上層薄板330に加工される上層薄板材料90が、送り方向に送られている両面テープ層320の上面に貼られ、上層薄板材料90のうち上層薄板330の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目304が形成され、上層薄板材料90のうち上層薄板330以外の部分が取り除かれ、図7(L1)、(L2)に示すように、両面テープ層320と上層薄板330とが積層された中間製品100が下層薄板材料10の上に、送り方向に所定間隔離して複数作製される。第6工程では、上層薄板材料90のうち上層薄板330になる部分は、両面テープ層320に貼り付けられており、それ以外の部分とは第2切れ目304で区切られているので、上層薄板材料90のうち上層薄板330以外の部分は容易に剥離されることとなる。上記した第4工程、第5工程、及び第6工程は、本願発明にいう中間工程である。
【0021】
第2切れ目形成ローラ226よりも送り方向下流側には、一対の搬送ローラ232と一対の搬送ローラ234が配置されており、これら2組の搬送ローラ232,234に中間製品100が挟持されて張られた状態で(所定の張力を保ちながら)搬送される。2組の搬送ローラ232,234の間(2組の搬送ローラ232,234に挟まれた領域)の上方には、2台のCCDカメラ236、238が配置されている。2組の搬送ローラ232,234によって張られた状態で搬送されている中間製品100は、2台のCCDカメラ236(第1CCDカメラ)、238(第2CCDカメラ)によって所定の位置や寸法が測定され、この測定結果に基づいて、第2切れ目形成ローラ226が送り方向に直交する方向に移動すると共に、規格外の寸法の中間製品100には印が付けられる。この点について図10と図11を参照して説明する。
【0022】
図10(a)は、2台のCCDカメラが中間製品を測定する位置等を模式的に示す平面図であり、(b)は、一つの中間製品のうち送り方向上流側部分を示す拡大図であり、(c)は、一つの中間製品のうち送り方向下流側を示す拡大図であり、(d)は、上層薄板についての測定結果の一例を示す説明図であり、(e)は、両面テープ層についての測定結果の一例を示す説明図である。図11は、2台のCCDカメラと第2切れ目形成ローラの移動機構を制御する制御系を示す模式図である。
【0023】
上述したように中間製品100は、両面テープ層320と上層薄板330とが下層薄板材料10の上に積層されたものであり、図7(L1)に示すように、複数の中間製品100は送り方向に並んで下層薄板材料10の上に貼り付けられている。第1CCDカメラ236は、図10(b)に示すように、一つの中間製品100のうち送り方向(矢印X方向)上流側の部分が視野Vとなり、上層薄板330の左端(2つの短辺のうち送り方向上流側の辺)を含む領域R1、両面テープ層320の幅方向の長さを含む領域R2が計測される。一方、第2CCDカメラ238は、図10(c)に示すように、一つの中間製品100のうち送り方向(矢印X方向)下流側の部分が視野V’となり、上層薄板330の右端(2つの短辺のうち送り方向上流側の辺)を含む領域R1’、両面テープ層320の幅方向の長さを含む領域R2’が計測される。この計測は、全ての中間製品100に対して実施される。
【0024】
上記のようにして2台のCCDカメラ236、238によって領域R1、R1’、R2、R2’が計測されて、図11に示すように、この計測結果がCCDドライバ240を経由して制御器242(プログラマブル ロジック コントローラ)に送られる。制御器242では、領域R1、R1’の計測結果に基づいて、一つの中間製品100の上層薄板330の送り方向長さY(図10(d)参照)が演算されると共に、領域R2、R2’の計測結果に基づいて、両面テープ層320の幅方向一辺から上層薄板330の幅方向一辺(長辺)までの長さZ(図10(e)参照)が演算される。
【0025】
ここで、2台のCCDカメラ236、238の撮像に基づく演算について図12を参照して説明する。図12は、2台のCCDカメラの撮像に基づく演算を説明するための説明図である。
【0026】
2台のCCDカメラ236,238の座標軸の横軸(X軸)は一直線上にあって、且つ、搬送中の中間製品100の長辺に平行であることが理想である。上記の一直線上及び平行を満たしている場合は、2台のCCDカメラ236,238によって撮影された画像の距離Y(図10(d)参照)に相当する画素数に基づいて、公知方法によって距離Yが得られる。
【0027】
しかし、2台のCCDカメラ236,238の設置環境や中間製品100の搬送条件などによって、上記の一直線上及び平行が満たされないことがある。そこで、下記のような補正を実行して距離Yを得る。なお、距離Z(図10(e)参照)も同様である。また、距離Y、Zを得るに当たっては、周知の三角法に基づいて演算することが最も良いが、この三角法に基づく演算は複雑であり、長い演算時間となる。このため、一つの中間製品100の距離Y、Zを得るための時間が長くなり、カッタ248の動作が間に合わないことがある。
【0028】
図12に示すように中間製品100の搬送方向(矢印X方向)に対して、2台のCCDカメラ236,238の座標軸の横軸が一直線上に無くて距離Aだけずれており、且つ、この座標軸の横軸は搬送中の中間製品100の長辺に平行ではないとする。
【0029】
この場合、図10(d)に示すY1を2台のCCDカメラ236,238の画素数に基づいて得る。次に、このY1が測定された中間製品100のY1を2次元測定器によって再び測定する。例えば2台のCCDカメラ236,238の1画素が1mm四方(1mm/画素)のとき、2台のCCDカメラ236,238の画素数に基づいて得られたY1が190mmであり、2次元測定器によって得られたY1が200mmのときは、2台のCCDカメラ236,238を0.95mm/画素に補正して演算する。距離Zについても同様に演算する。
【0030】
上記のような演算は全ての中間製品100について行われる。上層薄板330の送り方向長さYが、図10(d)に示されるように、一つの中間製品100ではY1=200.00mmであり、他の中間製品100ではY2=198.00mmであり、さらに他の中間製品100ではY3=201.00mmであった場合、規格長さが200±1.00mmのときは、Y2=198.00mmとなった他の中間製品100は不合格(規格外)となるが、残りの中間製品100は合格となる。他の中間製品100が規格外となった旨の信号は、制御器242から搬送ローラ234よりも送り方向やや上流側に配置されたカッタ248に送られる。この信号を受信したカッタ248は、規格外の他の中間製品100の上層薄板330に傷を付け、これにより、他の中間製品100が規格外であることが一目で誰にでも判断できる。従って、規格外の製品を見抜く熟練した作業は必要とされない。
【0031】
両面テープ層320の幅方向一辺から上層薄板330の幅方向一辺(長辺)までの長さZ(図10(e)参照)が演算された場合、上層薄板330における両面テープ層320の位置が判断できる。この位置は予め決められており、両面テープ層320が上層薄板330の幅方向中央に偏り過ぎている場合、長さZは規格長さよりも長くなり、この逆に、両面テープ層320が上層薄板330の幅方向一辺に偏り過ぎている場合、長さZは規格長さよりも短くなる。従って、いずれの場合であっても、長さZが規格内に収まるように、一対の第2切れ目形成ローラ226を左右(送り方向に直交する方向)に移動させる。この移動は、図11に示すように、制御器242がサーボアンプ244を介してサーボモータ246を駆動することにより行われる。これにより、上層薄板330における適切な位置に両面テープ層320が位置するように制御でき、不良品を減少できる。この場合も、規格外の製品を見抜く熟練した作業は必要とされない。
【0032】
以上説明したように、第7工程では、送り方向(矢印X方向)に送られている中間製品100のうち送り方向に並んだ上層薄板330一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された上層薄板330に印が付けられると共に、送り方向に並んだ上層薄板330に重なった両面テープ層320一つずつの位置を検出して、この位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように第2切れ目を形成する位置が修正される。従って、正確なサイズの薄板状部品を安定して製造できる。
【0033】
搬送ローラ234を通過した中間製品100は、下層薄板材料10を切断して下層薄板310に加工するシートカッタ250に搬送される。このシートカッタ250は、中間製品100が下層薄板材料10の上面に配置されるように下層薄板材料10が切断される(第8工程)。即ち、下層薄板材料10のうち、互いに隣り合う2つの中間製品100の間の部分が切断されて製品300(図9参照)が製造される。また、上記した第7工程及び第8工程は、本願発明にいう最終工程である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本願発明の薄板状部品の製造装置を模式的に示す説明図である。
【図2】(A1)は、図1のAの状態における材料を示す平面図であり、(A2)は、(A1)のa−a断面図であり、(B1)は、図1のBの状態における材料を示す平面図であり、(B2)は、(B1)のb―b断面図である。
【図3】(C1)は、図1のCの状態における材料を示す平面図であり、(C2)は、(C1)のc−c断面図であり、(D1)は、図1のDの状態における材料を示す平面図であり、(D2)は、(D1)のd―d断面図である。
【図4】(E1)は、図1のEの状態における材料を示す平面図であり、(E2)は、(E1)のe−e断面図であり、(F1)は、図1のFの状態における材料を示す平面図であり、(F2)は、(F1)のf―f断面図である。
【図5】(G1)は、図1のGの状態における材料を示す平面図であり、(G2)は、(G1)のg−g断面図であり、(H1)は、図1のHの状態における材料を示す平面図であり、(H2)は、(H1)のh―h断面図である。
【図6】(I1)は、図1のIの状態における材料を示す平面図であり、(I2)は、(I1)のi−i断面図であり、(J1)は、図1のJの状態における材料を示す平面図であり、(J2)は、(J1)のj―j断面図である。
【図7】(K1)は、図1のKの状態における材料を示す平面図であり、(K2)は、(K1)のk−k断面図であり、(L1)は、図1のLの状態における材料を示す平面図であり、(L2)は、(L1)のl―l断面図である。
【図8】(M1)は、図1のMの状態における材料を示す平面図であり、(M2)は、(M1)のm−m断面図である。
【図9】(N1)は、完成した薄板状部品(製品)を示す平面図であり、(N2)は、(N1)のn―n断面図である。
【図10】(a)は、2台のCCDカメラが中間製品を測定する位置等を模式的に示す平面図であり、(b)は、一つの中間製品のうち送り方向上流側部分を示す拡大図であり、(c)は、一つの中間製品のうち送り方向下流側を示す拡大図であり、(d)は、上層薄板についての測定結果の一例を示す説明図であり、(e)は、両面テープ層についての測定結果の一例を示す説明図である。
【図11】2台のCCDカメラと第2切れ目形成ローラの移動機構を制御する制御系を示す模式図である。
【図12】2台のCCDカメラの撮像に基づく演算を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0035】
10 下層薄板材料
20 両面テープ層材料
90 上層薄板材料
236、238 CCDカメラ
248 カッタ
300 製品
302 第1切れ目
304 第2切れ目
310 下層薄板
320 両面テープ層
330 上層薄板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の下層薄板と、該下層薄板の上に配置されて該下層薄板よりもその長さと幅が短い矩形状の上層薄板と、前記下層薄板と前記上層薄板とに挟まれてこれらを接着すると共に前記上層薄板よりもその幅が短い矩形状の両面テープ層とを有する薄板状部品を製造する薄板状部品製造方法において、
前記下層薄板に加工される下層薄板材料、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料、及び、前記両面テープ層材料の上面に接着する第2剥離紙を、所定の送り方向に送りながらこの順に積層させる初期工程と、
この積層されたものを前記送り方向に送りながら加工することにより、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する中間工程と、
前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出してこの位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記中間工程を調整し、続いて、前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する最終工程とからなることを特徴とする薄板状部品製造方法。
【請求項2】
前記初期工程は、
その上面に第1剥離紙が付着されて前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料を引き出すと共に、前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記下層薄板に加工される下層薄板材料を引き出しながら、前記両面テープ層材料を前記下層薄板材料の上面に重ねて接着させる第1工程と、
前記下層薄板材料とその上面に重ねられた前記両面テープ層材料を所定の送り方向に送りながら、前記第1剥離紙を前記両面テープ層材料から剥離する第2工程と、
前記両面テープ層材料と同じ幅をもち前記第1剥離紙よりも弱い接着力で前記両面テープ層材料の前記上面に接着する第2剥離紙を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層材料の前記上面に接着させることにより、前記下層薄板材料、前記両面テープ層材料、及び前記第2剥離紙をこの順に積層する第3工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項3】
前記中間工程は、
前記初期工程で積層されたもののうち前記両面テープ層の幅の縁に相当する部分に、前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面から前記下層薄板材料の途中まで第1切れ目を形成する第4工程と、
前記第1切れ目が形成されて前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面に、片面に粘着剤が付けられた片面テープを粘着させることにより、前記両面テープ層材料のうち前記両面テープ層に加工される以外の部分及び前記第2剥離紙の全てを前記片面テープと共に取り除いて、前記下層薄板材料に前記両面テープ層が積層されたものを作製する第5工程と、
前記上層薄板よりも長くて広い幅をもち前記上層薄板に加工される上層薄板材料を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層の上面に貼って、該上層薄板材料のうち前記上層薄板の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目を形成し、前記上層薄板材料のうち前記上層薄板以外の部分を取り除き、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する第6工程とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項4】
前記最終工程は、
前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記送り方向に並んだ前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記送り方向に並んだ前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出して、この位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記第2切れ目を形成する位置を修正する第7工程と、
前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する第8工程とからなることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項5】
前記最終工程における、前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出すると共に前記両面テープ層一つずつの位置を検出する際は、これらを光学的に検出することを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項6】
前記最終工程における、所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付ける際は、この上層薄板をカッタで傷付けることを特徴とする請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項1】
矩形状の下層薄板と、該下層薄板の上に配置されて該下層薄板よりもその長さと幅が短い矩形状の上層薄板と、前記下層薄板と前記上層薄板とに挟まれてこれらを接着すると共に前記上層薄板よりもその幅が短い矩形状の両面テープ層とを有する薄板状部品を製造する薄板状部品製造方法において、
前記下層薄板に加工される下層薄板材料、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料、及び、前記両面テープ層材料の上面に接着する第2剥離紙を、所定の送り方向に送りながらこの順に積層させる初期工程と、
この積層されたものを前記送り方向に送りながら加工することにより、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する中間工程と、
前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出してこの位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記中間工程を調整し、続いて、前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する最終工程とからなることを特徴とする薄板状部品製造方法。
【請求項2】
前記初期工程は、
その上面に第1剥離紙が付着されて前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記両面テープ層に加工される両面テープ層材料を引き出すと共に、前記下層薄板と同じ幅をもちロール状に巻かれた、前記下層薄板に加工される下層薄板材料を引き出しながら、前記両面テープ層材料を前記下層薄板材料の上面に重ねて接着させる第1工程と、
前記下層薄板材料とその上面に重ねられた前記両面テープ層材料を所定の送り方向に送りながら、前記第1剥離紙を前記両面テープ層材料から剥離する第2工程と、
前記両面テープ層材料と同じ幅をもち前記第1剥離紙よりも弱い接着力で前記両面テープ層材料の前記上面に接着する第2剥離紙を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層材料の前記上面に接着させることにより、前記下層薄板材料、前記両面テープ層材料、及び前記第2剥離紙をこの順に積層する第3工程とからなることを特徴とする請求項1に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項3】
前記中間工程は、
前記初期工程で積層されたもののうち前記両面テープ層の幅の縁に相当する部分に、前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面から前記下層薄板材料の途中まで第1切れ目を形成する第4工程と、
前記第1切れ目が形成されて前記送り方向に送られている前記第2剥離紙の上面に、片面に粘着剤が付けられた片面テープを粘着させることにより、前記両面テープ層材料のうち前記両面テープ層に加工される以外の部分及び前記第2剥離紙の全てを前記片面テープと共に取り除いて、前記下層薄板材料に前記両面テープ層が積層されたものを作製する第5工程と、
前記上層薄板よりも長くて広い幅をもち前記上層薄板に加工される上層薄板材料を、前記送り方向に送られている前記両面テープ層の上面に貼って、該上層薄板材料のうち前記上層薄板の周辺の縁に相当する部分に第2切れ目を形成し、前記上層薄板材料のうち前記上層薄板以外の部分を取り除き、前記両面テープ層と前記上層薄板とが積層された中間製品を前記下層薄板材料の上に、前記送り方向に所定間隔離して複数作製する第6工程とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項4】
前記最終工程は、
前記送り方向に送られている前記中間製品のうち前記送り方向に並んだ前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出して所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付けると共に、前記送り方向に並んだ前記上層薄板に重なった前記両面テープ層一つずつの位置を検出して、この位置が所定範囲外のときは所定範囲内になるように前記第2切れ目を形成する位置を修正する第7工程と、
前記中間製品が前記下層薄板材料の上面に配置されるように該下層薄板材料を切断する第8工程とからなることを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項5】
前記最終工程における、前記上層薄板一つずつの送り方向長さを検出すると共に前記両面テープ層一つずつの位置を検出する際は、これらを光学的に検出することを特徴とする請求項1から4までのうちのいずれか一項に記載の薄板状部品製造方法。
【請求項6】
前記最終工程における、所定範囲外の長さが検出された前記上層薄板に印を付ける際は、この上層薄板をカッタで傷付けることを特徴とする請求項1から5までのうちのいずれか一項に記載の薄板状部品製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2010−5846(P2010−5846A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165894(P2008−165894)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(591124374)千代田インテグレ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(591124374)千代田インテグレ株式会社 (19)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]