説明

血液試料を自動的に調査する装置と方法

本発明は、血液が取出し装置(15)によってストック容器(40)から取出し可能な取出しステーション(I)、取り出された血液がヘッド部(46)を介して測定部品(9)内に配置されたアパーチャホルダ(30)のアパーチャ(26)を通して案内可能で、その場合に測定部品(9)がヘッド部(46)と結合されている測定ステーション(II)、使い捨て部品として形成されている測定部品(9)が準備可能であって、かつヘッド部(46)と結合可能な収容ステーション(III)、取出し装置(15)とヘッド部(46)を取出しステーション(I)、測定ステーション(II)、収容ステーション(III)の間で移動させるための装置(3)を有する、血液試料を自動的に調査するための装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液試料を自動的に調査するための装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の装置は、EP0522256B1に基づいている。その装置は、血液を有するストック容器がマガジン装置から、そして他のマガジン装置からアパーチャホルダが検査ヘッドに同時に供給される。検査ヘッドは、毛細管ホルダを有しており、その毛細管ホルダに、ストック容器内へ導入可能な少なくとも1つの毛細管が固定されている。さらに、検査ヘッドはヘッド部を有しており、そのヘッド部は毛細管ホルダに対する相対移動によって、アパーチャホルダが毛細管ホルダ上に配置されている第1の位置と第2の位置の間で移動され、その第2の位置においてはアパーチャホルダが毛細管ホルダとヘッド部との間に次のように、すなわち、ストック容器内へ入り込んだ毛細管を介して血液がストック容器から毛細管とアパーチャホルダのアパーチャを通って移動できるように、保持される。測定の実施後に、利用されたアパーチャホルダと利用されたストック容器は、ヘッド部が第1の位置へ移動した後に検査ヘッドから除去される。その後、検査ヘッドが他の装置によって浄化される。
【特許文献1】欧州特許明細書EP0522256B1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、血液試料を自動的に調査するこの種の装置を実質的に簡略化することにあり、その場合にさらにより安価な調査を可能にしようとしている。本発明によって、調査を実施するための方法が準備される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、特許請求項1の特徴を有する血液試料を自動的に調査する装置および特許請求項33の特徴を有する方法によって解決される。
【発明の効果】
【0005】
本発明の実質的な利点は、本発明装置が、EP0522256B1に記載されている比較装置よりも、ずっと簡単に構成されており、従ってより経済的に作業することができることにある。より安価な調査が効果的に可能となる。これは、実質的に、単にワンウェイ部品または使い捨て部品として形成された測定部品をアパーチャホルダと共にマガジン装置から供給できるということに起因している。他のマガジン装置からの血液ストック容器の供給は、本発明のヘッド部も測定部品も特殊な形態であるために省くことができる。本発明に基づく装置は、実質的に、本装置が種々のステーション、すなわち血液取出しステーション、測定ステーション、必要な場合には血小板形成あるいは凝固に影響を与える物質(たとえばADP)のための供給ステーション、洗浄ステーション、廃棄ステーションに予め定められた順序で到着するように考えられていることによって、既知の装置において設けられているヘッド部と検査ヘッド(これらは両方とも極めて複雑に構成されている)を省くことができる。これらの部分の煩雑な駆動と移動も、同様に省くことができる。
【0006】
本発明の好ましい形態が、従属請求項から明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、図との関連において本発明とその形態を詳細に説明する。
【0008】
図1に示すように、血液試料を自動的に調査するための本発明に基づく装置は、実質的に測定場所の作業プレート1などの上に、回転軸2を中心に複数のステーションI、II、IIIさらには必要に応じて他のステーションIV、Vの間で揺動可能な回転アーム3を有している。
【0009】
第1のステーションIは、血液取出しステーションであって、同ステーションおいて血液がストック容器40から取り出される。
【0010】
ステーションIIは、測定ステーションであって、同ステーションにおいてストック容器40から取り出された血液がヘッド部46を介して後に詳しく説明するように測定を実施するために、測定部品9(図3)のアパーチャホルダのアパーチャを通して案内される。測定部品9とヘッド部46は測定ステーションII内で互いに密に結合される。
【0011】
収容ステーションIII内で、アパーチャホルダ5(図3)をそれぞれ有する、ワンウェイ部品ないし使い捨て部品として形成されている測定部品9が、図式的に示すマガジン7から測定ヘッド46へ結合させるために連続して供給される。
【0012】
さらに、後に詳しく説明するように、血小板形成または凝固に影響を与える物質のための添加ステーションと洗浄ステーションを設けることができる。
【0013】
回転アーム3は、図式的に示す駆動装置4によって回転させられる。駆動装置4は、好ましくは、個々のステーションに到着するために正確に駆動可能な、ステッピングモータである。
【0014】
なお、図1と2に示したステーションは、好ましくは円弧上に配置されていることが指摘される。しかし同様に、これらのステーションがたとえば直線的に配置され、回転アーム3が線形またはx−y−方向に移動されることも、考えられる。
【0015】
図1から明らかなように、回転アーム3のブーム部分31に駆動装置11が固定されており、その駆動装置によって保持部分13が、矢印Pで示唆するように、作業プレート1の平面に対して垂直に上方および下方へ移動可能である。好ましくは駆動装置11はそれ自体知られた機構であって、その機構によってねじロッド12が矢印Pの方向に移動可能であり、ねじロッドに保持部分13が固定されている。
【0016】
駆動装置11によって矢印Pの方向に往復移動可能な保持部分13は、ニードル部材15を有しており、そのニードル部材は作業プレート1へ向いた側に配置されており、かつその作業プレート1とは反対側の端部において、少なくとも部分的に蛇行してまたは螺旋状に延び、保持部分13に保持される配管16と結合されている。その配管はニードル部材15とは逆の側において導管14と結合されており、その導管は好ましくはチューブである。配管16とニードル部材15は、好ましくは内側および/または外側を疎水性に形成されているので、吸い込まれた血液成分が該当する内壁および/または外壁に付着しない。好ましくは配管16および/またはニードル部材15は、内側に疎水性または疎油性コーティングを有する材料、特に金属材料からなる。上述したコーティングは、好ましくはそれ自体知られたゾル−ゲル−ナノコンポジット層か、あるいはテフロン(登録商標)状のフルオロポリマー層である。ニードル部材15においては、この種のコーティングを外側にも設けることができる。
【0017】
保持部分13には、好ましくはニードル部材15から離れてヘッド部46が配置されており、そのヘッド部は、後で詳しく説明するように、測定部品9と選択的に結合させられる。
【0018】
ニードル部材15とヘッド部46は、弁部材10と接続されており、その弁部材は制御ユニット17によって駆動され、選択的にニードル部材15と配管16の間、あるいはヘッド部46と配管16の間に接続を形成させることができる。
【0019】
導管14は、制御ユニット17によって駆動可能な弁18へ通じており、その弁は導管141への接続を形成することができ、その導管は収容リザーバ、好ましくはピストン/シリンダユニット50と接続されている。このピストン/シリンダユニット50は、駆動装置51によって操作され、その駆動装置も制御ユニット17によって駆動される。弁18は、さらに、導管14と導管142の間に接続を形成することができ、その導管142はポンプ19と接続されており、そのポンプは導管43を介して容器42へ通じており、その容器内に洗浄液、好ましくはNaClがある。
【0020】
特に好ましくは、ステーションIIIにおいてマガジン装置7から連続的に測定部品9が回転アーム3の移動路内へ供給される。
【0021】
保持部分13は、図1から明らかなように、ニードル部材15と接続された配管16の他に、図式的に示唆される加熱装置33も有しており、その加熱装置は特に金属の加熱コアの形式を有しており、その加熱コアに配管16が蛇行して配置されて延びており、あるいはその加熱コア上に配管が螺旋形状に巻き付けられている。図1に示す蛇行の配置は、互いに連続するループ内で屈曲部161を介して互いに接続されている部分162の上側と下側がそれぞれ反転されるので、血液がこれらの部分を通過する際にほぼ「折り返され」ないしは「転覆される」、という利点を有している。従って血液の沈殿がほぼ、ないしは完全に回避される。測定部品46および/またはニードル部材15のために、後述するように、他の加熱装置を設けることができる。
【0022】
次に、図3と関連させて、測定部品9とヘッド部46の好ましい実施形態を説明する。ヘッド部46は、測定部品9の凹部21内へ密に導入することができる、下方領域23を有している。その場合にヘッド部46と測定部品9の間のシールは、好ましくはO−シールによって達成され、そのO−シールは下方領域23の段部47に配置されて、下方領域23が凹部21内へ進入すると凹部21の端縁領域の面48に密着する。
【0023】
ヘッド部46内には透孔24が延びており、その透孔は毛細管の形状を有し、かつ上側で弁部材10を介して配管16と接続されている。透孔24は、領域23の下側端部の前室27を形成する空間まで達している。凹部21の下方の底面49に、それ自体知られているように、透孔24に対して整合されたアパーチャ26を有するアパーチャホルダ30が設けられている。測定部品9の本体部25内において、アパーチャホルダ30の後方に空間が設けられており、その空間が後室28を形成し、かつ下方へ向かって血液流出室31へ移行している。ヘッド部46と測定部品9は、詳しく図示されていないロック機構を用いて、互いに対して近づくように移動することによって密に結合可能であり、かつ互いに離れるように移動することによって互いに分離可能である。
【0024】
血液が配管16からヘッド部46および測定部品9内へ流入する場合に、血液が透孔24から前室27を介してアパーチャホルダ30のアパーチャ26内へ達し、その後に後室28と血液流出室31内へ達する。その場合にステーションIIにおいて、血液流出室31から流出した血液を受入容器47内に受ける。
【0025】
次に、本発明の装置の駆動を詳細に説明する。その場合にまず、血液と関係をもつ、本発明装置のすべての部品ないし部材は浄化されていると仮定される。
【0026】
まず、回転アーム3が駆動装置4によってステーションIへ移動させられ、保持部分13を下降させるために駆動装置11が操作される(矢印P)。ニードル部材15がストック容器40の閉鎖部材41を突き破って、中に含まれている血液内へ進入すると、ピストン/シリンダユニット50のピストン53が駆動装置51によって移動させられる。好ましくは閉鎖部材41は、ゴム材料からなる栓である。
【0027】
ストック容器40内の凝固を回避するために、好ましくは、ストック容器40を連続的に移動させ、反転させ、あるいは回動させる、詳しく図示されない装置が設けられている。
【0028】
なお、配管16や導管14、141、142、43の系内には、前もってニュートラルな液体が含まれていることが指摘される。その液体はたとえば導管43を介して容器42から取り出された洗浄液、たとえば生理学的NaCl溶液である。その場合に、吸い込まれた血液と上述した液体の間に分離媒体として、図1に拡大して示される気泡44が、弁18と配管33の間の領域に設けられている。ポンプ19の操作によって、吸い込まれた血液を、測定の実施まで連続的に目的に合わせて往復移動させることができるので、血液は常に移動されており、沈殿しない。蛇行に延びる配管16の利点については、すでに指摘してある。血液を上述したように吸い込むために、弁18が配管16と導管141の間を接続する。血液を往復移動させるために、弁18のこの位置においてピストン53がシリンダ室52内で常に往復移動される。その場合に血液は、加熱装置33によって連続して、たとえば37℃の、必要な温度にされる。
【0029】
回転アーム3がステーションIIIへ移動し、マガジン装置7から測定部品9を取り出す。この目的のために、回転アーム3をマガジン装置7の上方へ移動させるために、まず駆動装置4が操作される。その後、駆動装置11が操作されて、ヘッド部46が、上述したようにすでにセットされている測定部品9に密にロックされるまで下降させられる。測定部品9の収容後に、駆動装置11が新たに操作され、ヘッド部46とそれに結合された測定部品9が持ち上げられて、マガジン装置7から取り除かれる。なお、マガジン装置7は、他の形状を有することもできることを指摘しておく。たとえば、マガジン装置がベルトコンベアなどを有することができ、それによって連続的に測定部品9が場所IIIへ移送される。ここで、測定部品が上述したようにヘッド部46と結合される。
【0030】
次に、回転アーム3が駆動装置4によってステーションIIへ移動する。そこで、本来の測定が実施される。その場合にピストン/シリンダユニット50のピストン53は、血液が測定部品9のアパーチャ26を通って流れ、血液流出室31を通って測定部品を出るように、移動する。その場合に弁部材10がヘッド部46を配管16と接続する。測定部品9から滴り落ちる血液は、受入容器47内に受けられる。この測定プロセスの間、常に体積流が圧力センサ48による圧力の測定によって測定されて、所定の圧力/体積流特性曲線を発生させるように、既知の方法を介してピストン53の移動がそれに応じて制御される。その場合にアパーチャ26内に血栓が形成される。次に、ヘッド部46が駆動装置11の操作によって上述したように測定部品9から引き出されて、測定部品9はたとえば受入容器47内へ放出される。
【0031】
導管16、14とニードル部材15を洗浄するために、測定を実施してその中に含まれる血液を放出した後に、好ましくはポンプ19の操作によって容器42から取り出される洗浄手段が上述した導管ないし導管部分とニードル部材15を通してポンピングされる。弁部材10がそれに応じて切り替えられる。上述した疎水性ないし疎油性のコーティングに基づいて、迅速な洗浄効果が得られる。ニードル部材15の外側を浄化するために、ニードル部材が駆動装置4の操作によって専用の洗浄ステーションIVへ移動させられ、洗浄手段または浄化手段を含む容器54(図2)内へ挿入させられる。その際、駆動装置11が操作される。
【0032】
測定ヘッド46を浄化するために、弁部材10のそれに応じた位置で、洗浄手段が測定ヘッド46を通してポンピングされる。測定ヘッド46の外側を浄化するために、この測定ヘッドはステーションIVにおいて好ましくはニードル部材15と同時に他の容器55(図2)の浄化手段ないし洗浄手段内へ挿入させられる。
【0033】
他のステーションVにおいて、上ですでに述べたように、好ましくはマガジン装置7から取り出された測定部品9が容器56(図2)内へ挿入される。その容器はたとえばADPまたは他の液状の媒体を含んでおり、挿入すると、その媒体がアパーチャホルダ30の多孔質の材料内とアパーチャ26の壁に達する。この媒体は、アパーチャ26を貫流する血液の凝固ないし凝結挙動を測定する場合に、予め定められたように影響する。
【0034】
容器42と、ピストン/シリンダユニット50を備えた駆動装置51とは、好ましくは保持装置58を介してアーム3と相対回動不能に結合されている。
【0035】
図1に示すように、好ましくは保持部分33に配置された他の加熱装置60を設けることができ、その加熱装置によってニードル部材15を暖めることができる。その場合に、図式的にだけ示されている、この加熱装置60は、好ましくはニードル部材15を部分的に包囲する発熱体または温風送風機の形状を有することができる。同様の加熱装置を、ヘッド部46のためにも設けることができる。
【0036】
次に、図4との関連において測定部品90の他の好ましい実施形態を説明する。その測定部品はニードル部材15に直接結合可能である。このようにして、ヘッド部46と弁10を省くことができる。測定部品90は、本体部91内に中央開口部92を有しており、駆動装置11を操作することで、ニードル部材15がこの開口部内へ進入し、この開口部から退出する。本体部91の長手方向に延びる透孔、好ましくは孔92の内部に、小管93が設けられており、この小管は開口部92と本体部91内でこの開口部に連続する前室95の間の下方の段部93’まで延びている。前室95は、本体部91の拡幅された空間94へ移行しており、その空間がまた本体部91の後室96内へ開口しており、その後室が血液流出室として用いられる。前室95と拡幅された空間94の間の段部97にアパーチャホルダ98が、前室95と後室96の間に密な分離をもたらすように、当接されている。従ってアパーチャホルダ98のアパーチャ99が、前室95と後室96を接続している。アパーチャホルダ98は、多孔質の材料から、あるいは多孔質でない材料からなることができる。
【0037】
ニードル部材15は、孔92へ向いた側に円錐状の終端領域104を有しており、その終端領域が孔92内へ密に導入可能である。この目的のために、孔92はその上方の端部にリング状のシール105を有しており、そのシールはシール隆起部またはO−リングの形状を有することができる。また、孔92の、ニードル部材15へ向いた端部領域が、ニードル部材を密に収容するために円錐104に応じて円錐状に形成されることによって、密閉をもたらすことも、考えられる。
【0038】
小管93は、好ましくは比較的大きい内径Dを有するか、あるいは毛細管を模擬するためにそれに応じた小さい内径dを有する、円形リング状の横断面を有することができる。好ましくは小管の外径は0.8−2.0mmであり、内径は150−500μmである。
【0039】
好ましくは、使い捨て部品ないしワンウェイ部品として形成された測定部品90の本体部91は、プラスチック材料からなり、その場合にアパーチャホルダ98は超音波溶接または接着によって段部97に密に固定させることができる。
【0040】
小管93は、好ましくは、特殊鋼またはフルオロ樹脂(たとえば登録商標Tefzel)からなる。小管は、好ましくは接着剤101を用いて開口部92の内周面に固定されている。本体部91の横方向に延びる通路102を介して接着剤空間として用いられる、開口部92の内壁に設けられた湾入部103内へ接着剤を注入することができる。好ましくは湾入部は、特に堅固かつ均一な結合を形成するためにリング状に形成されている。
【0041】
上述した接着の代りに、小管93を孔92内へ面プレスによって固定することもできる。
【0042】
測定を実施する場合に、まず、ニードル部材15を介して上述したように血液がリザーバ40から吸い込まれる(ステーションI)。回転アーム3が収容ステーションIIIへ移動した後に、ニードル部材15が直接マガジン装置7の測定部品90内へ挿入されて、この測定部品と密に結合される。アーム3が測定ステーションIIへ移動した後に、その前に吸い込まれた血液がニードル部材15から透孔ないし孔92内へ、そしてそこから小管93内、ないしは孔92内へ移送される。その後血液は、前室95とアパーチャ99を貫流して、そこから後室96内へ達する。
【0043】
なお、測定する場合のニードル部材15とアパーチャ99および生じる血流の方位付けを、図示の方向の代りに上から下へ反転させ、あるいは水平にすることもできることが指摘される。他の方位付けも考えられる。
【0044】
代替的な実施形態において、小管93を省くことができ、その場合には孔92がそれに応じた200−1000μmの内径を有する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に基づく装置を図式的に表示している。
【図2】図1の装置を上から示している。
【図3】アパーチャホルダと測定部品内へ進入するヘッド部とを備えた測定部品の側面図である。
【図4】他の好ましい測定部品を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血液試料を自動的に調査する装置であって、
ストック容器(40)から取出し装置によって血液が取出しされる取出しステーション(I)と、
取り出された血液を、測定部品(9;90)内に配置されたアパーチャホルダ(30;98)のアパーチャ(26;99)を通して案内され、その際、測定部品(9;90)が取出し装置と結合されている測定ステーション(II)と、
使い捨て部品として形成されている測定部品(9;90)を準備し、取出し装置に結合させる収容ステーション(III)と、
取出しステーション(I)、測定ステーション(II)、収容ステーション(III)の間で取出し装置(15)を移動させる装置(3)と
を有することを特徴とする、血液試料を自動的に調査する装置。
【請求項2】
取出し装置が、
ニードル部材(15)を有し、前記ニードル部材が収容ステーション(III)内で準備された測定部品(90)と結合されあり、あるいは
ニードル部材(15)とヘッド部(46)を有しており、前記ヘッド部が収容ステーション(III)内で準備された測定部品(9)と結合され、取出しステーション(I)内で血液がニードル部材(15)内へ導入され、測定ステーション(II)内で血液がヘッド部(46)を通して測定部品(9)へ供給され、代替的にニードル部材(15)またはヘッド部(46)への接続を形成するために第2の弁(10)が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
取出し装置を移動させるための装置(3)が、第1の駆動装置(4)によって移動可能なアーム(3)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
アーム(3)が、取出しステーション(I)、測定ステーション(II)、収容ステーション(III)に到着するためにステッピングモータによって駆動されることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
アーム(3)が、第1の駆動装置(4)によって回転軸(2)を中心に回転され、かつ
取出しステーション(I)のストック容器(40)と、収容ステーション(III)の測定部品(9)のためのマガジン装置(7)が、それぞれ第1ないし第2の半径によって回転軸(2)から隔たっていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
ニードル部材(15)とヘッド部(46)が、ストック容器(40)とマガジン装置(7)の間の間隔に従って回転軸(2)に対して半径方向に互いに変位してアーム(3)に配置されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
取出しステーション(I)、測定ステーション(II)、収容ステーション(III)が直線的に並べて配置されており、かつ
アーム(3)が、線形に移動可能な他の第1の駆動装置によって取出しステーション(I)、測定ステーション(II)ないし収容ステーション(III)へ移動させられることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
他の第1の駆動装置(4)が、取出しステーション(I)、測定ステーション(II)、収容ステーション(III)に到着するように駆動するステッピングモータであることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
アーム(3)のブーム部分(31)に、保持部分(13)を昇降させるための第2の駆動装置(11)が配置されており、保持部分(13)が取出し装置を有していることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
第2の駆動装置(11)が、ボルト−ナット−機構であることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
取出し装置がニードル部材(15)を有しており、前記ニードル部材が、ストック容器(40)とは反対の側において、保持部分(13)に少なくとも部分的に蛇行または螺旋形状に延びる配管(16)と接続されており、前記配管が、ニードル部材(15)とは反対の側において導管(14)と接続されており、前記導管がニードル部材(15)と配管(16)を介して血液を吸い込むために第1の弁(18)を介して血液のための収容リザーバ(50)と接続され、ストック容器(40)から収容リザーバ(50)内へ血液を吸い込むため、あるいは収容リザーバ(50)から血液を測定部品(9;90)内へ放出するために、前記収容リザーバが第3の駆動装置(51)によって操作されることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
収容リザーバが、第3の駆動装置(51)によって操作可能なピストン/シリンダユニットであることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
配管(16)とニードル部材(15)の内側および/または外側が疎水性に形成されていることを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
配管(16)および/またはニードル部材(15)が、内側に疎水性または疎油性のコーティングを有する金属材料からなることを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項15】
コーティングが、ゾル−ゲル−ナノコンポジット−層あるいはテフロン(登録商標)状のフルオロポリマー層であることを特徴とする請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
保持部分(13)が、配管(16)内へ吸い込まれた血液を暖めるための加熱装置(33)を有していることを特徴とする請求項9から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
加熱装置(33)が、金属の加熱コアの形状を有しており、前記加熱コアに配管(16)が蛇行または螺旋形状に配置されることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
配管(16)は、互いに連続するループ内で、屈曲部(161)を介してそれぞれ結合されている部分(162)がそれぞれ反転されるように蛇行して配置され、吸い込まれた血液は前記部分を通過する際に沈殿を回避するために流れ方向に対して垂直に見て互いに連続する部分内でほぼ部分内の上側と下側に反転されることを特徴とする請求項9から17のいずれか1項に記載の装置。
【請求項19】
測定ステーション(II)内で、血液が、配管(16)から測定部品(19)を介して第3の駆動装置(51)による収容リザーバの操作によって測定部品(9;90)のアパーチャ(26、99)を通って案内され、測定ヘッド(46)から流出する血液が受入容器(47)内に受けられることを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
ヘッド部(46)が、測定部品(9)の凹部(21)内へ密に導入可能な領域(23)を有しており、
ヘッド部(46)内に、配管(16)に接続された透孔(24)が領域(23)内の前室(27)へ延びており、前記前室が領域(23)の端部において測定部品(9)の凹部(21)の底面(49)の方向に開口しており、底面(49)上にアパーチャホルダ(30)が、領域(23)が凹部(21)内へ進入した後に前室(27)がアパーチャホルダ(30)のアパーチャ(26)と接続されるように配置されており、透孔(24)を介して前室(27)へ移送された血液が、前室(27)からアパーチャ(26)を通して血液流出室(31)内へ移送され、前記血液流出室が測定部品(9)内でアパーチャ(26)の、前室(27)とは反対の側に配置されていることを特徴とする請求項2から19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
ヘッド部(46)と測定部品(9)の間のシールがO−シール(22)によって達成され、前記O−シールは領域(23)の、前室(27)とは反対の側に形成された段部(47)に当接し、かつ領域(23)が測定部品(9)の凹部(21)内へ進入した場合に、凹部(21)の端縁領域の面(48)に密着することを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
測定部品(90)が本体部(91)内に開口部、すなわち孔(92)を有しており、前記孔が本体部(91)の一方の側へ開放しており、
本体部(91)内の孔(92)が前室(95)へ移行し、前記前室が拡幅された空間(94)へ移行し、空間(94)と前室(95)の間に段部(97)が設けられて、前記段部にアパーチャホルダ(98)が密着し、
前記空間(94)に本体部(91)の他方の側へ開口する後室(96)が連続しており、前室(95)と後室(96)がアパーチャホルダ(98)のアパーチャ(99)を介して接続されており、かつ
ニードル部材(15)が孔(92)内へ密に導入されることを特徴とする請求項1から21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
ニードル部材(15)が、孔(92)へ向いた側に、進入斜面として用いられる円錐状の領域(104)を有しており、かつ
孔(92)が、ニードル部材(15)へ向いた側にシール部材(105)を有しており、前記シール部材が孔(92)とこの孔内へ進入可能なニードル部材(15)との間に密な結合を形成することを特徴とする請求項22に記載の装置。
【請求項24】
シール部材(105)が、O−シールまたはシール隆起部であることを特徴とする請求項23に記載の装置。
【請求項25】
アパーチャホルダ(98)が段部(97)に超音波溶接または接着によって固定されていることを特徴とする請求項22から24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
孔(92)内に小管(93)が密に固定されており、前記小管を介して血液が孔(92)からアパーチャ(99)へ流れることを特徴とする請求項22から25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
小管(93)が、孔(92)の内壁に接着され、あるいは面プレスによって固定されていることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
小管(93)の外径が、0.8から2.0mmであることを特徴とする請求項26または27に記載の装置。
【請求項29】
小管(93)の内径が、150から500μmであることを特徴とする請求項26から28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
小管が、特殊鋼またはフルオロ樹脂からなることを特徴とする請求項26から29のいずれか1項に記載の装置。
【請求項31】
アーム(3)によって接近される洗浄ステーション(IV)が設けられており、前記洗浄ステーションは、洗浄手段を含む容器(42)を有しており、前記容器からポンプ(19)を介して洗浄手段が取出され、前記洗浄手段が洗浄のために導管(14)の導管部分(142)、配管(16)、取出し装置(15)を介して供給されることを特徴とする請求項1から30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
アーム(3)によって接近可能な他の洗浄ステーション(V)内で、ニードル部材(15)、および/または場合によっては測定ヘッド(46)が、外側を浄化するために、第2駆動装置(11)の操作によって、洗浄手段または浄化手段を含む他の容器(55)内へ進入されることを特徴とする請求項1から31のいずれか1項に記載の装置。
【請求項33】
請求項1から32のいずれか1項に記載の装置によって血液試料を自動的に調査する方法において、
取出し装置を移動させるための装置(3)が、第1の駆動装置(4)によって取出しステーション(I)へ移動し、取出しステーション(I)内で第2の駆動装置(11)が保持部分(13)とニードル部材(15)を下降させるように操作され、ニードル部材(15)がストック容器(40)内に含まれる血液内へ沈められた後に、収容リザーバ(50)の第3の駆動装置(51)が、ニードル部材(15)、配管(16)、導管(14)を介して血液が収容リザーバ(50)内へ吸い込まれるように、操作され、その際、第1の弁(18)が導管(14)と収容リザーバ(50)の間に接続を形成し、
アーム(3)が第1の駆動装置(4)の操作によって収容ステーション(III)へ移動し、マガジン(7)から測定部品(9)を取り出すために、前もって第2の駆動装置(11)によって上方へ移動していた保持部分(13)が、第2の駆動装置(11)の操作によって、測定部品(9)がヘッド部(46)またはニードル部材(15)と密に結合されるように、降ろされ、
測定部品(9)の取出し後に、測定部品(9)をマガジン装置(7)から取り出すように、保持部分(13)を移動させるように第2の駆動装置(11)が操作され、
アーム(3)が第1の駆動装置(4)によって測定ステーション(II)へ移動し、収容リザーバ(50)が第3の駆動装置(51)によって、血液が測定部品(9)のアパーチャ(26)を通って流れ、かつ血液流出室(31)を通って前記測定部品から出て行くように、操作されることを特徴とする血液試料を自動的に調査する方法。
【請求項34】
測定操作を実施する前に、洗浄液、好ましくは生理学的NaCl溶液が容器(42)から導管(142)内へ、かつ第1の弁(18)を介してその第1の位置において配管(16)とニードル部材(15)内へ移送され、
その後、血液がストック容器(40)から、血液と洗浄液との間に気泡(44)があるように、吸い込まれて、
第1の弁(18)の第1の位置において、測定操作を実施するまで、血液と洗浄液が血液の凝固を回避するために、導管(142)と配管(16)内で往復移動され、
測定操作を実施するために、第1の弁(18)を介してその弁の第2の位置において、収容リザーバ(50)を血液で満たすために血液と収容リザーバとの間に接続が形成されることを特徴とする請求項33に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−506128(P2008−506128A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520658(P2007−520658)
【出願日】平成17年7月12日(2005.7.12)
【国際出願番号】PCT/DE2005/001228
【国際公開番号】WO2006/005326
【国際公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【出願人】(506272932)ブイディジイ−フォン・デア・ゴルツ・ゲーエムベーハー (3)
【出願人】(504416747)
【Fターム(参考)】