説明

衛生用の流体圧力レギュレータ

例示の圧力レギュレータは、圧力入口及び圧力出口を有したケーシングを備えている。ピストンが、ケーシング内に配置され、圧力入口及び圧力出口と流体を通じて繋がっている。このピストンは、圧力制御出口を通じてピストンの面に加えられる圧力に応答して、圧縮により移動し、弁座と接触し、圧力入口から圧力出口に向かって流れる流体の流量を制御するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に流体圧力レギュレータに関するものであり、さらに詳細には飲料を分配供給するための衛生用の減圧レギュレータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
流体制御システムの多くには、配管内の流体の圧力を制御する圧力レギュレータ、または、アクチュエータ及び弁のような制御デバイスに入力される流体の圧力を制御する圧力レギュレータが用いられている。一般的に、減圧レギュレータは、流体供給源から比較的高圧の流体を受けて比較的低い流体圧力で流体を排出するようになっており、更に広範囲の出力負荷(すなわち、流れの必要条件、又は流体容量等の変更)を安定して出力する。当業者にとって明らかなように、圧力レギュレータは、通常、測定要素(measuring element)にバランス力を与えて、弁のような制限要素の位置を制御することにより動作するようになっている。一般的に、バランス力は、測定要素の一方の端部に与えられる流体の圧力により生じ、測定要素に結合された負荷要素によって生じる力に抗する。従来の圧力レギュレータでは、測定要素としてダイヤフラムまたはピストンを用い、負荷要素としてバネを用いることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のレギュレータの構造において共通の問題は、その構造が入口の供給圧力の変動の影響を受け易いということである。即ち、出口圧の安定性は、入口の供給圧の安定性に著しく依存しており、このことにより、制御中の流体の品質及び性質が影響を受ける場合がある。たとえば、米国特許出願公開第2004/0007269号には、入口の供給圧の感度を弱めるためにバランス構造を用いた減圧レギュレータが記載されている。この公開された特許出願に記載の減圧レギュレータは、インライン型の減圧レギュレータである。この減圧レギュレータは、測定要素として単一のピストンを用いており、ピストンは、複数のバネと結合されており、前記複数のバネは、出力圧を制御する測定要素に作用する制御圧に抗する負荷要素として動作している。残念なことに、用途によっては、複数のバネが問題となる場合がある。例えば、食品産業及び飲料産業において、茶分配装置のような飲み物を分配する用途では、飲み物の澱み及び汚染の可能性を防ぐために衛生用流路が更に形成されていなければならない。前述のような従来のレギュレータでは、流路内に負荷要素が配置されていることが多く、衛生作業を行なうことが困難である。したがって、製造費用が非常に安価であるとともに、圧力調整及び衛生作業が改善された減圧レギュレータを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
開示する一実施形態では、圧力レギュレータは、圧力入口及び圧力出口を有したケーシングを備えており、これらの圧力入口及び圧力出口は、ケーシング内の孔を通じて相互に連通されている。圧力入口及び圧力出口が相互に連通され、孔内に流路及び圧力室が形成されているケーシング内に、ピストンが配置されている。このピストンは、当該ピストンと結合された単一のバネにより与えられる負荷力に対抗すべく圧力出口からピストンの面に加えられる圧力に応じて、ケーシング内の弁座(142)と当接し、圧力入口から圧力出口に向かって流れる流体の流量を制御するように構成されている。
【0005】
開示する他の実施形態では、圧力レギュレータは、圧力入口及び圧力出口に流体を通じて繋がれているモジュール式の圧力レギュレータ弁組立体を備えている。このモジュール式の圧力レギュレータ弁組立体は、供給量に対する感度を弱めるために最小限の入口領域を備えていることに加えて、制御圧力に応じて弁座と係合し、弁座を介して圧力入口と圧力出口との間を流れる流体の流量を制御するように構成されたピストンを備えており、ピストン及び弁座のみが流体の流れに晒されるようになっている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】開弁位置におかれている例示の減圧レギュレータを示す断面図である。
【図2】閉弁位置におかれている例示の減圧レギュレータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一般的に、本明細書に例示される減圧レギュレータは、レギュレータを流れる流体の流量を制御する内部圧力調整弁を備える単一式の又は一体型のレギュレータケーシングを備えている。例示された圧力調整弁は、流体圧力、つまり流体流量を調節するピストン及びバネを備えるノーマリオープン型の弁である(即ち、予め定められた圧力又は設定値未満の圧力では、流体が妨げられることなく入口から出口に流れる弁)。このことは、圧力調整弁がレギュレータケーシングの単一の圧力源の入口から導かれる出力圧を用いることによって達成されている。即ち、この出力圧は、内部圧力調整弁における圧力降下に起因するものであり、このことにより、圧力調整弁が作動されて出口又は圧力出力側からの制御弁の位置が制御される。好ましい実施形態では、圧力調整弁は、単一式のまたは一体型のピストンを基にしている。単一式のピストンは、圧力調整弁を組み立てる際に必要とされる構成部品の数を著しく低減し、それ故、信頼性及び衛生作業が向上しつつより小型化を可能にすると共に、製造及び組立コストを低減する。また、当業者にとって明らかなように、減圧レギュレータの構造を以下に記載したもののようにすることより、レギュレータを衛生作業に容易に用いることできる。
【0008】
一般的に、この単純なモジュール構造は、圧縮状態において、ピストンの至る所における力のバランスを利用して動作することで、出口を予め定められた圧力に維持している。好ましい実施形態において例示された圧力レギュレータは、出口圧が所望の予め定められた圧力未満となったときに、測定要素の領域を増大するように(即ち、レギュレータにおいて、制御圧力に対するゲインまたは応答性が増大するように)構成されている。好ましい実施形態では、出力圧の安定性を入口圧の変動から効果的に切り離すために、最小限の入口領域をさらに有している。また、この実施形態は、以下においてさらに詳細に記載されているように、制限要素または弁を閉じたとき、弁座からの流体の漏れが発生すると、圧力駆動式の遮断機能を備えているという利点もある。
【0009】
ここで、図1を参照すると、アイオワ州のメーソン市にあるIMIコーネリアス(IMI Cornelius)が提供しているモデル3型茶分配装置のような茶分配装置の出力圧を調節する際に用いる例示の減圧レギュレータ[100]の断面図が示されている。例示のレギュレータは、公知の出力レギュレータと比べて比較的小さな外形寸法(例えば、約2.25インチ×1.50インチ×1.80インチ)を有し、部品の総数が非常に少ない。それ故、圧力レギュレータの信頼性が向上しており、また圧力レギュレータの価格が安価になっている。図示されているように、例示のレギュレータ[100]は、例えば、当該レギュレータが初めて操作される時、若しくは出力圧が予め定められた圧力又は設定値未満になっているときに、開位置又は第一の位置にある。これとは対照的に、図2は、例えば出力圧が設定値とほぼ等しいときに実質的に閉位置又は第二の位置にある例示の減圧レギュレータ[100]を示す断面図である。これらの図に示されているように、例示の減圧レギュレータ[100]は、単一、実質的に一体化されたレギュレータケーシング又はモジュール[110]の孔[140]内に配置されている減圧弁組立体またはモジュール[150]を備えている。ケーシング[110]は単一の圧力入口[125]を有しており、この圧力入口[125]が、レギュレータ[100]の圧力源となる。減圧弁組立体[150]は、入口[125]と出口[145]との間にある孔[140]内に配置されている。
【0010】
図示されているように、例示のレギュレータ[100]は、ボンネットキャップ[165]をさらに備えている。このボンネットキャップ[165]は、レギュレータのケーシングをシールするために孔の広くなった部分[190]により形成されたケーシング開口部に嵌合するように構成されている。これにより、孔[140]の出口側または出力側で、ボンネットキャップ[165]と弁組立体[140]との間に圧力室[137]が形成される。ケーシング内に耐圧シールを形成すべく、ボンネットキャップ[165]の溝[194]に、環状のシール[192]が配設されている。ボンネットキャップ[165]は、ボンネットキャップ保持器[187]によりケーシング内に保持されている。ボンネットキャップ保持器[187]は、共通のCリングのようなものであり、上側の環状の溝[189]と係合している。これに代えて、ボンネットキャップは、圧力室[137]を形成するようにレギュレータのケーシングに螺合されてもよい。また、ボンネットキャップ[165]は、レギュレータが第一の位置にあって完全に開いているとき(例えば、入口圧がないとき又は出口圧が入口圧に比べて著しく低いとき)に減圧弁組立体[150]と係合する一体式の移動阻止部[200](図2に示されている)を更に有してもよい。
【0011】
図示されているように、減圧弁組立体[150]は、流路[135]と圧力室[137]との間にある直径の小さな中間部分[136]と選択的に係合することができる。この部分は、ケーシング[110]内において、弁座[142]を形成している。例示の圧力レギュレータの減圧弁組立体[150]は、単一のピストン[160](即ち、測定要素)と、負荷要素[170]と、少なくとも一つの環状のシール[180]とを備えている。さらに詳細にいえば、ピストン[160]は、レギュレータのケーシングの孔[140]に摺動可能に嵌合する概ね円筒状の構成部材であり、孔[140]の流路[135]、中間部分[136]及び圧力室[137]を介して圧力入口[125]と圧力出口[145]とを選択可能に相互接続するようになっている。ピストン[160]は、圧力弁組立体[150]が完全に開いているとき、第一の位置(図1に示されている)において圧力出口[145]に通じる制御圧(即ち、チャンバ[137]内の圧力)を受ける第一の感知面[164]を有している。ピストン[160]は、圧力弁組立体[150]が実質的に閉弁したときのような圧力弁組立体[150]が完全には開弁していないとき、第二の位置(図2に示されている)において圧力出口[145]に通じる制御圧を受ける第二の感知面[168]をさらに有している。
【0012】
流体の流量を制御するために、ピストン[160]は、減圧レギュレータが実質的に閉位置にあるときに弁座[142]と当接するような形状に形成された拡大部分[146]を有している。また、好ましくは、ピストン[160]は、第一の感知面[164]及び/又は第二の感知面[168]に与えられた出口圧に抗する及び/又はそれとバランスを保つような予め定められた力を与える負荷要素またはバネ[170]を受けるように構成される受け部[175]をさらに有してよい。当業者が着目すべき点としては、図示されているように、例示のピストン[160]は、ピストン[160]の拡大部分[146]と受け部[175]との間において、軸方向に対向する第一及び第二の入口面[167],[169]を有し、これらの面に入口の流体圧が加えられたとき、ピストン[160]の入口力を実質的に相殺する(即ち、これらの面全体にわたって加えられる正味の力がゼロとなる)ことが挙げられる。これにより、第一の面[164]及び第二の面[168]に加えられる力と負荷要素からの力とを加えた力が、出力圧を制御し得る。
【0013】
衛生作業する必要がある場合では、ピストン[160]は、当該ピストン[160]の受け部に隣接する第一の環状のチャネル[182]をさらに有し、そこに環状のシール[180](たとえば、O−リング)を組み入れてピストンの負荷要素[170]及び受け部[175]を流体の流れから分離するべく密封された空間を形成するようになっていてよい。この構成により、レギュレータ[100]内で流体(例えば、お茶のような飲み物)のよどみの発生が防げる。これに代えて、O−リングのシール(図示せず)を収納するために、環状のチャンネルを孔に形成してもよい。ケーシング[110]は、空間が密封されることにより構成される「空気バネ」の影響を排除するために、ピストンの受け部[175]の下の領域に、圧力を均等化できる通気孔[153]をさらに有してもよい。また、弁座[142]と係合させるための弾性シール[148]を設けるべく、ピストン[160]の拡大部分[146]に更なるO−リングを組み入るための第二の環状のチャンネル[144]がさらに形成されてもよい。このようなシールは、適用することで、入口[125]から出口[145]までの流体の流れを実質的に阻止または停止するのに役立ち得る。
【0014】
他の実施形態では、着目すべき点として、弁座がケーシングの材料またはピストンの材料よりも柔らかい弾性材料から形成されてよいということが挙げられる。このことは、ケーシング内に環状のチャンネルまたは溝を配置して弾性材料を受けることによって柔軟な弁座を形成することでなされる。ピストンの対応する環状の部分は、弾性材料と係合して流れを止め易くするために、ピストン[160]の第一の面[164]の直径よりもわずかに大きくてよい(例えば、ピストンに対向するように柔軟なシールが配置されている)。
【0015】
当業者にとって明らかなように、例示のレギュレータの動作中、ピストン[160]が第一の位置(図1に示されている)にあるとき、第二の感知面[168]は、一体化された移動阻止部[200]に当接している。このことにより、ピストン[160]の感知面全体の面積が小さくなる(即ち、弁組立体[150]が完全に開かれたとき)。その結果、ピストン[160]が第一の位置にあるとき、出力圧は、設定圧よりも著しく低くなっており、負荷力によりピストンの至る所の力のバランスが決まる。これに代えて、ピストン[160]が第二の位置(図2に示されているように)にあるとき、出力圧が第一及び第二の感知面[164],[168]に作用し、負荷力に抗する流体圧が上昇することになる。
【0016】
上述の記載から、圧力弁組立体[150]は、動作中、二つの応答特性又はゲインを有していることが明らかである。圧力弁組立体[150]が完全に開いているときの第一の応答特性又はゲインは、第一の感知面[164]の環状の領域に関連するものである。また、第二の応答特性またはゲインは、圧力弁組立体が移動阻止部[200]に当接していないときに生じるものであり、第一及び第二の感知面[164],[168]の領域に関連するものである。これらの二つの応答特性又はゲインにより、例示のレギュレータは、設定又は所望の出力圧の近くにあるとき(例えば、圧力調整弁組立体[150]が第二の位置におかれているとき)、出力圧の偏差に対する応答度が大きく又は高くなるように、抗する負荷力に応答することが可能となっている。
【0017】
動作においては、負荷要素[170]は、圧力を制御する前、弁座[142]から離れ且つ一体式の移動阻止部[200]と密着するようにピストン[160]を付勢しており、これにより圧力入口[125]から圧力出口[145]に流体が実質的制限なく流れるようになっている。流体は、入口[125]から流路[135]を通って流れ、一時的に、流路[135]及び圧力室[137]を入口圧とほぼ等しい圧力まで加圧する。圧力室[137]で出口圧が上昇するにつれて、上昇していく力が、ピストンの第一の感知面の[164]に加えられていく。この力は、第一の感知面[164]の環状の領域に関する力であって負荷要素[170]の負荷力に抗しており、ピストン[160]が圧縮されて負荷要素[170]と反対で且つ弁座[142]に向かって移動し始めるように予め定められた方法でピストンの第一の感知面の[164]に加えられる。制御圧力は、ピストンが第一の位置から移動する前において、ピストン[160]の第一の感知面[164]にだけ作用してレギュレータの第一のゲインに関連する力を生成する。いったん、圧力室[137]の圧力が初期負荷力より大きな力を生じることが十分できるようになると、ピストン[160]が第二の位置に向かって移動する。
【0018】
第二の位置(図2に示されている)では、ピストン[160]が移動阻止部[200]から離れるように移動し、出口圧がピストン[160]の第一及び第二の感知面[164],[168]に作用し、負荷要素[170]の負荷力より大きくなるようになっている。先に記載されているように、この第二の位置において作用し得る表面積が増大することにより、レギュレータの要求負荷に対するゲインまたは応答性が上昇し、レギュレータの「ドループ(droop)」(即ち、所望の圧力に対する出力の偏差)を減少させることが可能となる。第二の位置においては、環状の面[146]が、弁座[142]に向かって移動し続け、シール[148]が圧力入口[125]と圧力出口[145]との間で絞りを形成して流体の流れを減少させ、このことにより、出口[145]の圧力を減少させるようになっている。
【0019】
環状の面[146]が弁座[142]と係合すると(すなわち、弁が遮断されると)、シール[148]は、圧力弁組立体を実質的に閉じ、圧力入口[125]と圧力出口[145]との間の流れを実質的に止めることになるのは明らかである。シール[148]と弁座[142]との間に漏れが存在する場合、出力圧は、設定値を超えて上昇することになる。このような状態では、付加的な流体の流れが圧力弁組立体[150]の出口側の圧力を増大することになり、また、閉じるための付加的な力が第一及び第二の感知面[164],[168]に対して生じることになる。漏れにより生成される付加的な力は、弁座の前後における差圧に比例して上昇し、圧力弁組立体[150]を「確実に遮断」して出力圧を素早く設定値に戻すようになっている。
【0020】
以上の記載から、ピストン[160]の調節は、レギュレータを流れる流体の流量を出口圧に基づいて制御するため、レギュレータの動作中、継続的に行われることは明らかである。圧力調整中、ピストン[160]は、力のバランスが取れた状態の下で、圧縮により弁座[142]を中心として継続的に移動するようになっている。即ち、ピストンを弁座から離す力及び且つ弁座に向かわせる力のバランスが取れた状態であるとき、出口[145]の圧力は、感知面[164]、[168]及びバネまたは負荷要素[170]のバネ定数により実質的に決められる予め定められた設定値に略等しい。
【0021】
したがって、着目すべき点は、レギュレータの複数の応答特性又はゲインにより負荷変動に対する出口圧の調整の感度を全体として向上することができ、入口領域の縮小及びオフセットにより、入口圧力の変動に対する出口圧力の変動の影響の受けやすさを実質的に排除することができるということである。さらなる着目すべき点は、レギュレータのケーシング、ピストン及びボンネットキャップが、例えば真鍮、ステンレス鋼のような金属、またはデラウェア州のウィルミントンにあるデュポン・イー・アイ・デ・ネモワ社(DuPont.E.I.De Nemours & Co.Inc.) から入手可能なデルリン(Delrin、登録商標)のようなきエンジニアリング‐プラスチック材料を含む減圧レギュレータの意図した用途に適したその他の金属又は材料からなっていてよい。
【0022】
本明細書では、いくつかの装置、方法及び製品が記載されているが、本発明の技術範囲はこれらに限定されるものではない。本発明は、公正に文字通りまたは均等論に従って添付の特許請求の範囲に含まれるすべての実施形態を含むものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力レギュレータ[100]であって、
圧力入口[125]、圧力出口[145]、前記圧力出口[145]を前記圧力入口[125]に相互接続させる孔[140]、及び該孔[140]に設けられた弁座[142]を有しているケーシングと、
前記圧力入口[125]から前記圧力出口[145]まで流れる流体を制御するために前記孔[140]の前記弁座[142]と選択的に係合すべく前記孔[140]内に配置されたピストン[160]と、
前記ピストン[160]と作用可能に結合された負荷要素[170]とを備えており、
前記負荷要素[170]は、前記ピストン[160]に負荷力を与えて前記負荷要素[170]に予め定められたバランス力を生じさせ、前記圧力レギュレータを流れる流体の流れにより生じた出口圧によって生成される出口力に対抗するように構成されてなる、圧力レギュレータ[100]。
【請求項2】
前記ピストン[160]が実質的に単一の部材である、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項3】
前記ピストン[160]が、前記出口力に抗する入口側の流体力を著しく減少させるように構成された第一の入口面[167]及び第二の入口面[169]を少なくとも有してなる、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項4】
前記負荷要素[170]がバネである、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項5】
前記ピストンが[160]、前記負荷要素[170]を前記流体の流れから分離するための第一のシールをさらに有してなる、請求項4に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項6】
前記ピストン[160]が、前記弁座[142]に当接するシール用のリング[54]をさらに有してなる、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項7】
前記ピストン[160]に作用する力は、相互に対向しており、圧縮により前記ピストン[160]が前記弁座[142]を横切って移動するようになる、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項8】
前記ピストン[160]には、第一の感知面[164]が形成されており、第一の感知面[164]は、前記ピストン[160]が第一の位置にあるときに前記第一の感知面[164]に加えられている前記流体力が前記負荷要素[170]により及ぼされている力に抗するように配置されてなる、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項9】
前記ピストン[160]には、第二の感知面[168]が形成されており、第二の感知面[168]は、前記ピストンが第二の位置にあるときに前記第一の感知面[164]及び前記第二の感知面[168]に加えられている前記流体力が前記負荷要素[170]により及ぼされている前記負荷力に対抗するように形成されてなる、請求項8に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項10】
前記ピストン[160]が前記弁座[142]と係合して前記圧力入口[125]と前記圧力出口[145]との間にある前記孔[140]を実質的に閉じ、前記弁座[142]の前後から漏洩する流体により前記ピストン[160]に対して更なる出口力が生成されてなる、請求項1に記載の圧力レギュレータ[100]。
【請求項11】
モジュール式の圧力レギュレータ[100]であって、
圧力入口[125]、圧力出口[145]、及び貫通する孔[140]を有しているケーシングモジュール[110]と、
前記孔[140]に配置され、前記圧力入口[125]及び前記圧力出口[145]と流体的に結合されている圧力調整弁モジュール[150]とを備えており、
前記圧力調整弁モジュール[150]が、前記圧力入口[125]から前記圧力出口[145]まで流れる流体の流量を制御するために前記孔[140]内に配置された弁座[142]を横切って移動するように構成されており、
前記圧力調整弁モジュール[150]が、
出口圧力により生成される前記流体力に応答するように構成された測定要素[160]と、
前記測定要素[160]に作用可能に結合され、該測定要素[160]に加えられている前記流体の力とは反対の向きの対抗力を生成するように構成された負荷要素[170]とを有してなる、モジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項12】
前記圧力調整弁モジュール[150]が、前記出口圧力により生成される前記流体の力に対抗する入口側の流体力を著しく減少させるように構成された少なくとも第一の入口面[167]及び第二の入口面[169]を有してなる、請求項11に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項13】
前記圧力調整弁モジュール[150]が、前記流体の流れから前記負荷要素[170]を分離するための第一のシールをさらに有してなる、請求項11に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項14】
前記圧力調整弁モジュール[150]が、前記弁座[142]をシール状態で係合するためのシール用のリング[54]をさらに有してなる、請求項11に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項15】
前記圧力調整弁モジュール[150]に作用する力は、相互に対向し、前記圧力調整弁モジュール[150]が圧縮により前記弁座[142]を横切って移動するようになる、請求項11に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項16】
前記圧力レギュレータ[100]は、前記圧力調整弁モジュール[150]が第一の位置にあるときの第一のレギュレータゲインと、前記圧力調整弁モジュール[150]が第二の位置にあるときの第二のレギュレータゲインとをさらに有してなる、請求項11に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項17】
前記第一のレギュレータゲインは、前記圧力調整弁モジュール[150]が第一の位置にあるとき、第一の感知面[164]により定義されてなる、請求項16に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項18】
前記第二のレギュレータゲインは、前記圧力調整弁モジュール[150]が第二の位置にあるとき、少なくとも第二の感知面[168]により定義されてなる、請求項16に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。
【請求項19】
前記圧力調整弁モジュール[150]が、前記弁座[142]と係合して前記圧力入口[125]と前記圧力出口[145]との間にある前記孔[140]を実質的に閉弁し、前記弁座[142]の前後から漏洩する流体により前記圧力調整弁モジュール[150]に対して更なる出口力が生成されてなる、請求項11に記載のモジュール式の圧力レギュレータ[100]。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−538472(P2009−538472A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512026(P2009−512026)
【出願日】平成19年5月9日(2007.5.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/011243
【国際公開番号】WO2007/139670
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(503246934)テスコム・コーポレーション (14)
【Fターム(参考)】