説明

表示パネル、駆動回路、駆動方法、および電子機器

【課題】タッチ検出精度の低減を抑えつつ、短い時間でタッチ検出を行うことができる表示パネルを得る。
【解決手段】複数の表示素子と、複数の駆動電極と、各駆動電極との間に静電容量を形成する1または複数のタッチ検出電極と、互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、各駆動電極に対して複数の直流信号を選択的に印加する駆動部とを備える。この表示パネルでは、複数の駆動電極に対して駆動信号が印加され、その駆動信号が静電容量を介してタッチ検出電極に伝わる。その際、複数の直流信号が選択的に印加されることにより、駆動信号が印加される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外部近接物体によるタッチを検出する機能を有する表示パネル、そのような表示パネルに用いられる駆動回路および駆動方法、ならびにそのような表示パネルを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるタッチパネルと呼ばれる接触検出装置を液晶表示パネル等の表示パネル上に装着し、あるいはタッチパネルと表示パネルとを一体化し、その表示パネルに各種のボタン画像等を表示させることにより、通常の機械式ボタンの代わりとして情報入力を可能とした表示パネルが注目されている。このようなタッチ検出機能を有する表示パネルは、キーボードやマウス、キーパッドのような入力装置を必要としないため、コンピュータのほか、携帯電話のような携帯情報端末などでも、使用が拡大する傾向にある。
【0003】
タッチパネルの方式としては、光学式、抵抗式、静電容量式などいくつかの方式が存在する。例えば、特許文献1には、一方向に延伸する複数の電極を互いに交差するように配置した、静電容量式のタッチパネルが提案されている。このタッチパネルでは、各電極は、それぞれ制御回路と接続され、制御回路から励磁電流を供給することにより、外部近接物体を検出するようになっている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、表示パネルにもともと備えられている表示用の共通電極を、一対のタッチセンサ用電極のうちの一方として兼用し、他方の電極(タッチ検出電極)をこの共通電極と交差するように配置した、いわゆるインセルタイプの表示パネルが提案されている。また、表示パネルの表示面上にタッチパネルを形成した、いわゆるオンセルタイプの表示パネルもいくつか提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2006−511879号公報
【特許文献2】特開2009−258182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、表示パネルの高精細化や大型化が進んでいる。例えば、表示パネルとタッチパネルとを同期して動作させる場合には、水平ラインが増加することに伴い、1フレーム期間における、画素信号の書込期間の占める割合が多くなるため、タッチ検出のための時間が短くなってしまう。よって、タッチパネルでは、本来の目的であるタッチ検出精度を維持しつつ、短い時間でタッチ検出を行うことが望まれている。
【0007】
本開示はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、タッチ検出精度の低減を抑えつつ、短い時間でタッチ検出を行うことができる表示パネル、駆動回路、駆動方法、および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の表示パネルは、複数の表示素子と、複数の駆動電極と、1または複数のタッチ検出電極と、信号生成部と、駆動部とを備えている。1または複数のタッチ検出電極は、各駆動電極との間に静電容量を形成するものである。信号生成部は、互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成するものである。駆動部は、各駆動電極に対して複数の直流信号を選択的に印加するものである。
【0009】
本開示の駆動回路は、信号生成部と、駆動部とを備えている。信号生成部は、互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成するものである。駆動部は、1または複数のタッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極のそれぞれに対して、複数の直流信号を選択的に印加するものである。
【0010】
本開示の駆動方法は、互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成し、1または複数のタッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極のそれぞれに対して、複数の直流信号を選択的に印加するものである。
【0011】
本開示の電子機器は、上記表示パネルを備えたものであり、例えば、テレビジョン装置、デジタルカメラ、パーソナルコンピュータ、ビデオカメラあるいは携帯電話等の携帯端末装置などが該当する。
【0012】
本開示の表示パネル、駆動回路、駆動方法、および電子機器では、複数の駆動電極に対して駆動信号が印加され、その駆動信号が静電容量を介してタッチ検出電極に伝わる。その際、複数の直流信号が選択的に印加されることにより、駆動信号が印加される。
【発明の効果】
【0013】
本開示の表示パネル、駆動回路、駆動方法、および電子機器によれば、駆動電極に対して、複数の直流信号を選択的に印加するようにしたので、タッチ検出精度の低減を抑えつつ、短い時間でタッチ検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本開示の表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接していない状態を表す図である。
【図2】本開示の表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、指が接触または近接した状態を表す図である。
【図3】本開示の表示パネルにおけるタッチ検出方式の基本原理を説明するための図であり、駆動信号およびタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
【図4】本開示の実施の形態に係る表示パネルの一構成例を表すブロック図である。
【図5】図4に示した選択スイッチ部の一構成例を表すブロック図である。
【図6】図4に示したタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【図7】図4に示した液晶表示デバイスにおける画素配列を表す回路図である。
【図8】図4に示したタッチ検出デバイスにおける駆動電極およびタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。
【図9】図4に示した表示パネルにおけるタッチ検出走査の一動作例を表す模式図である。
【図10】図4に示した表示パネルにおける表示走査およびタッチ検出走査の一動作例を表す模式図である。
【図11】第1の実施の形態に係る駆動電極ドライバの一構成例を表すブロック図である。
【図12】図4に示した表示パネルの実装例を表す模式図である。
【図13】第1の実施の形態に係る表示パネルの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図14】第1の実施の形態に係る表示パネルにおけるタッチ検出動作の一例を表すタイミング波形図である。
【図15】比較例に係る表示パネルの実装例を表す模式図である。
【図16】他の比較例に係る表示パネルの一構成例を表すブロック図である。
【図17】図16に示した表示パネルの実装例を表す模式図である。
【図18】図16に示した表示パネルの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図19】図4に示した表示パネルの特性例を表す特性図である。
【図20】第1の実施の形態の変形例に係る表示パネルの一動作例を表す模式図である。
【図21】第1の実施の形態の変形例に係る表示パネルのタッチ検出動作の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図22】第1の実施の形態の他の変形例に係る表示パネルのタッチ検出動作の一動作例を表すタイミング波形図である。
【図23】第1の実施の形態の他の変形例に係る駆動電極ドライバの一構成例を表すブロック図である。
【図24】図23に示した駆動電極ドライバの一動作例を表す真理値表である。
【図25】第1の実施の形態の他の変形例に係る駆動電極ドライバの一構成例を表すブロック図である。
【図26】第1の実施の形態の他の変形例に係る駆動電極ドライバの一構成例を表すブロック図である。
【図27】図26に示した駆動電極ドライバの一動作例を表す真理値表である。
【図28】第2の実施の形態に係る駆動部の一構成例を表すブロック図である。
【図29】第2の実施の形態に係る表示パネルの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図30】第2の実施の形態に係る表示パネルの特性例を表す特性図である。
【図31】第2の実施の形態の変形例に係る表示パネルの一構成例を表すブロック図である。
【図32】図31に示した表示パネルの一動作例を表すタイミング波形図である。
【図33】第2の実施の形態に係る表示パネルの他の特性例を表す特性図である。
【図34】実施の形態に係る表示パネルが適用されたテレビジョン装置の外観構成を表す斜視図である。
【図35】変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.静電容量式タッチ検出の基本原理
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.適用例
【0016】
<1.静電容量式タッチ検出の基本原理>
まず最初に、図1〜図3を参照して、本開示の表示パネルにおけるタッチ検出の基本原理について説明する。このタッチ検出方式は、静電容量式のタッチセンサとして具現化されるものであり、例えば図1(A)に示したように、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極(駆動電極E1およびタッチ検出電極E2)を用い、容量素子を構成する。この構造は、図1(B)に示した等価回路として表される。駆動電極E1、タッチ検出電極E2および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されると共に、電圧検出器(タッチ検出回路)DETに接続される。交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数十kHz程度)の交流矩形波Sg(図3(B))を印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端P)に、図3(A)に示したような出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。
【0017】
指が接触(または近接)していない状態では、図1に示したように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V0のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。
【0018】
一方、指が接触(または近接)した状態では、図2に示したように、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、例えば図3(A)の波形V1のようになり、これが電圧検出器DETによって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも小さい値となる。電圧検出器DETは、検出した電圧を所定のしきい値電圧Vthと比較し、このしきい値電圧以上であれば非接触状態と判断する一方、しきい値電圧未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。
【0019】
<2.第1の実施の形態>
[構成例]
(全体構成例)
図4は、第1の実施の形態に係る表示パネルの一構成例を表すものである。この表示パネル1は、液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化した、いわゆるインセルタイプの表示パネルである。
【0020】
この表示パネル1は、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、選択スイッチ部14と、駆動信号生成部15と、駆動電極ドライバ16と、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、タッチ検出部40とを備えている。
【0021】
制御部11は、映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ16、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する回路である。
【0022】
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。具体的には、ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて走査信号Vscanを生成し、その走査信号Vscanを、走査信号線GCLを介して、画素PixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている画素Pixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。
【0023】
ソースドライバ13は、制御部11から供給される映像信号およびソースドライバ制御信号に基づいて、画素信号Vsigを生成し出力するものである。具体的には、ソースドライバ13は、後述するように、1水平ライン分の映像信号から、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の複数(この例では3つ)のサブ画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重した画素信号Vsigを生成し、選択スイッチ部14に供給するようになっている。また、ソースドライバ13は、画素信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)を生成し、画素信号Vsigとともに選択スイッチ部14に供給する機能も有している。なお、この多重化は、ソースドライバ13と選択スイッチ部14との間の配線数を少なくするために行われるものである。
【0024】
選択スイッチ部14は、ソースドライバ13から供給された画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて、画素信号Vsigに時分割多重された画素信号Vpixを分離し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20に供給するものである。
【0025】
図5は、選択スイッチ部14の一構成例を表すものである。選択スイッチ部14は、複数のスイッチグループ17を有する。各スイッチグループ17は、この例では、3つのスイッチSWR,SWG,SWBを有しており、それぞれの一端は互いに接続されソースドライバ13から画素信号Vsigが供給され、他端はタッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の画素信号線SGLを介して、画素Pixに係る3つのサブ画素SPix(R,G,B)にそれぞれ接続されている。この3つのスイッチSWR,SWG,SWBは、ソースドライバ13から供給されたスイッチ制御信号Vsel(VselR,VselG,VselB)によってそれぞれオンオフ制御されるようになっている。この構成により、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号Vselに応じてこの3つのスイッチSWR,SWG,SWBを時分割的に順次切り替えてオン状態にすることにより、多重化された画素信号Vsigから画素信号Vpix(VpixR,VpixG,VpixB)を分離するように機能する。そして、選択スイッチ部14は、これらの画素信号Vpixを、3つのサブ画素SPixにそれぞれ供給するようになっている。
【0026】
駆動信号生成部15は、2つの直流駆動信号VcomDC,VcomHを生成し、駆動電極ドライバ16に供給するものである。この例では、直流駆動信号VcomDCは、電圧が0Vの直流信号であり、直流駆動信号VcomHは、0Vより高い電圧VHの直流信号である。
【0027】
駆動電極ドライバ16は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の駆動電極COML(後述)に駆動信号Vcomを供給する回路である。具体的には、駆動電極ドライバ16は、表示動作では、駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDCを印加する。また、タッチ検出動作では、駆動電極ドライバ16は、直流駆動信号VcomDC,VcomHからパルス信号を生成し、タッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して印加するとともに、それ以外の駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDCを印加する。その際、駆動電極ドライバ16は、後述するように、所定の数の駆動電極COMLからなるブロック(後述する駆動電極ブロックB)ごとに駆動電極COMLを駆動するようになっている。
【0028】
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、タッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、液晶表示デバイス20と、タッチ検出デバイス30とを有する。液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。タッチ検出デバイス30は、上述した静電容量式タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力するものである。このタッチ検出デバイス30は、後述するように、駆動電極ドライバ16から供給される駆動信号Vcomに従って順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
【0029】
タッチ検出部40は、制御部11から供給されるタッチ検出制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40はLPF(Low Pass Filter)部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを有している。LPF部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタである。LPF部42の入力端子のそれぞれと接地との間には、直流電位(例えば0V)を与えるための抵抗Rが接続されている。なお、この抵抗Rに代えて、例えばスイッチを設け、所定の時間にこのスイッチをオン状態にすることにより直流電位(0V)を与えるようにしてもよい。A/D変換部43は、駆動信号Vcomのパルス信号に同期したタイミングで、LPF部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、これらの回路が同期して動作するように制御するようになっている。
【0030】
(タッチ検出機能付き表示デバイス10)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。
【0031】
図6は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の要部断面構造の例を表すものである。このタッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
【0032】
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、駆動電極COMLと、画素電極22とを有している。TFT基板21は、各種電極や配線(後述する画素信号線SGLや走査信号線GCL等)、薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)などが形成される回路基板として機能するものである。TFT基板21は例えばガラスにより構成されるものである。TFT基板21の上には、駆動電極COMLが形成される。駆動電極COMLは、複数の画素Pix(後述)に共通の電圧を供給するための電極である。この駆動電極COMLは、液晶表示動作のための共通駆動電極として機能するとともに、タッチ検出動作のための駆動電極としても機能するものである。駆動電極COMLの上には絶縁層23が形成され、その上に画素電極22が形成される。画素電極22は、表示を行うための画素信号を供給するための電極であり、透光性を有するものである。駆動電極COMLおよび画素電極22は、例えばITO(Indium Tin Oxide)により構成される。
【0033】
対向基板3は、ガラス基板31と、カラーフィルタ32と、タッチ検出電極TDLとを有している。カラーフィルタ32は、ガラス基板31の一方の面に形成されている。このカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色のカラーフィルタ層を周期的に配列して構成したもので、各表示画素にR、G、Bの3色が1組として対応付けられている。また、ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出電極TDLが形成されている。タッチ検出電極TDLは、例えばITOにより構成され、透光性を有する電極である。このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
【0034】
液晶層6は、表示機能層として機能するものであり、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものである。この電界は、駆動電極COMLの電圧と画素電極22の電圧との電位差により形成される。液晶層6には、FFS(フリンジフィールドスイッチング)やIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶が用いられる。
【0035】
なお、液晶層6と画素基板2との間、および液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設され、また、画素基板2の下面側には入射側偏光板が配置されるが、ここでは図示を省略している。
【0036】
図7は、液晶表示デバイス20における画素構造の構成例を表すものである。液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の画素Pixを有している。各画素Pixは、3つのサブ画素SPixにより構成される。この3つのサブ画素SPixは、図6に示したカラーフィルタ32の3色(RGB)にそれぞれ対応するように配置されている。サブ画素SPixは、TFT素子Trおよび液晶素子LCを有している。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査信号線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
【0037】
サブ画素SPixは、走査信号線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。走査信号線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、サブ画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、選択スイッチ部14と接続され、選択スイッチ部14より画素信号Vpixが供給される。
【0038】
さらに、サブ画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他のサブ画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ16と接続され、駆動電極ドライバ16より駆動信号Vcomが供給される。
【0039】
この構成により、液晶表示デバイス20では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択され、その1水平ラインに属する画素Pixに対して、ソースドライバ13および選択スイッチ部14が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われるようになっている。
【0040】
図8は、タッチ検出デバイス30の一構成例を斜視的に表すものである。タッチ検出デバイス30は、画素基板2に設けられた駆動電極COML、および対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。駆動電極COMLは、図の左右方向に延在する帯状の電極パターンを有している。タッチ検出動作を行う際は、後述するように、各電極パターンには、所定の数の駆動電極COMLからなるブロック(後述する駆動電極ブロックB)ごとに駆動信号Vcomのパルス信号が順次供給され、時分割的に順次走査駆動が行われるようになっている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と直交する方向に延びる帯状の電極パターンを有している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のLPF部42の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を形成している。
【0041】
この構成により、タッチ検出デバイス30では、駆動電極ドライバ16が駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加することにより、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出が行われるようになっている。つまり、駆動電極COMLは、図1〜図3に示したタッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応し、タッチ検出電極TDLは、タッチ検出電極E2に対応するものであり、タッチ検出デバイス30はこの基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。図8に示したように、互いに交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
【0042】
駆動電極ドライバ16は、所定の数の駆動電極COMLからなるブロック(駆動電極ブロックB)ごとに駆動電極COMLを駆動して、タッチ検出走査を行う。
【0043】
図9は、タッチ検出走査を模式的に表すものである。図9では、タッチ検出面が20個の駆動電極ブロックB1〜B20により構成される場合の、各駆動電極ブロックB1〜B20に対する駆動信号Vcomの供給動作を示している。図9において、斜線で示した駆動電極ブロックBは、直流駆動信号VcomDC,VcomHから生成されるパルス信号が供給されていることを示し、その他の駆動電極ブロックBは、直流駆動信号VcomDCが供給されていることを示す。
【0044】
駆動電極ドライバ16は、駆動電極COMLに対して、駆動電極ブロックBごとに駆動信号Vcomを印加する。この駆動電極ブロックBは、例えば、ユーザの指の大きさに対応する幅(例えば5mm程度)に設定される。駆動電極ドライバ16は、図9に示したように、タッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBを順次選択して、その駆動電極ブロックBに属する駆動電極COMLにパルス信号を印加することにより、全ての駆動電極ブロックBにわたって走査する。なお、この例では、説明の便宜上、駆動電極ブロックBの個数を20個としているが、これに限定されるものではない。
【0045】
図10は、表示走査およびタッチ検出走査を模式的に表すものである。表示パネル1では、ゲートドライバ12が走査信号線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、表示走査Scandを行うとともに、駆動電極ドライバ16が駆動電極ブロックBを順次選択して駆動することにより、タッチ検出走査Scantを行う。この例では、タッチ検出走査Scantは、表示走査Scandの2倍の走査速度で行われる。このように、表示パネル1では、タッチ検出の走査速度を表示走査よりも速くすることにより、外部近接物体によるタッチにすぐに応答することができ、タッチ検出に対する応答特性を改善することができるようになっている。なお、これに限定されるものではなく、例えば、タッチ検出走査Scantは、表示走査Scandの2倍以上の走査速度で行われるようにしてもよいし、表示走査Scandの2倍以下の走査速度で行われるようにしてもよい。
【0046】
(駆動電極ドライバ16)
図11は、駆動電極ドライバ16の一構成例を表すものである。駆動電極ドライバ16は、走査制御部51と、タッチ検出走査部52と、駆動部530とを備えている。駆動部530は、20個の駆動部53(1)〜53(20)を有している。以後、20個の駆動部53(2)〜53(20)のうちの任意の一つをさす場合には、単に駆動部53を用いるものとする。
【0047】
走査制御部51は、制御部11より供給された制御信号に基づいて、タッチ検出走査部52に対して制御信号を供給するものである。また、走査制御部51は、直流駆動信号VcomDCと直流駆動信号VcomHのうちのどちらを駆動電極COMLに供給するかを指示するためのVcom選択信号VCOMSELを、駆動部530に対して供給する機能も有している。
【0048】
タッチ検出走査部52は、シフトレジスタを含んで構成され、直流駆動信号VcomHを印加する駆動電極COMLを選択するための走査信号Stを生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、後述するように、走査制御部51から供給された制御信号に基づいて、それぞれが各駆動電極ブロックBに対応する複数の走査信号Stを生成する。そして、タッチ検出走査部52が、例えば高レベルの信号をk番目の走査信号St(k)としてk番目の駆動部53(k)に供給した場合に、この駆動部53(k)は、k番目の駆動電極ブロックB(k)に属する複数の駆動電極COMLに直流駆動信号VcomHを印加するようになっている。
【0049】
駆動部530は、タッチ検出走査部52から供給された走査信号St、および走査駆動部51から供給されたVcom選択信号VCOMSELに基づいて、駆動信号生成部15から供給された直流駆動信号VcomDCまたは直流駆動信号VcomHを駆動電極COMLに印加するものである。駆動部53は、タッチ検出走査部52の出力信号に対応して1つずつ設けられており、対応する駆動電極ブロックBに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
【0050】
駆動部53は、論理積回路54と、インバータ55と、バッファ56,57と、スイッチSW1,SW2とを有している。論理積回路54は、タッチ検出走査部52から供給された走査信号St、および走査制御部51から供給されたVcom選択信号VCOMSELの論理積(AND)を生成して出力するものである。インバータ55は、論理積回路54の出力信号の反転論理を生成して出力するものである。バッファ56は、論理積回路54から供給された信号を、スイッチSW1をオンオフ制御することができる振幅レベルに増幅する機能を有している。スイッチSW1は、バッファ56から供給される信号に基づいてオンオフ制御されるものであり、一端には直流駆動信号VcomHが供給され、他端は駆動電極ブロックBを構成する複数の駆動電極COMLに接続されている。バッファ57は、インバータ55から供給される信号を、スイッチSW2をオンオフ制御することができる振幅レベルに増幅する機能を有している。スイッチSW2は、バッファ57から供給される信号に基づいてオンオフ制御されるものであり、一端には直流駆動信号VcomDCが供給され、他端はスイッチSW1の他端に接続されている。
【0051】
この構成により、駆動部53は、走査信号Stが高レベルの場合には、Vcom選択信号VCOMSELが高レベルのときに、直流駆動信号VcomHを駆動信号Vcomとして出力し、Vcom選択信号VCOMSELが低レベルのときに、直流駆動信号VcomDCを駆動信号Vcomとして出力する。また、駆動部53は、走査信号Stが低レベルの場合には、直流駆動信号VcomDCを駆動信号Vcomとして出力する。そして、駆動部53は、このようにして出力した駆動信号Vcomを、その駆動部53に対応する駆動電極ブロックBを構成する複数の駆動電極COMLに対して供給するようになっている。
【0052】
(表示パネル1の実装例)
図12は、表示パネル1の実装例を模式的に表すものである。制御部11、ソースドライバ13、および駆動信号生成部15は、画素基板2上にCOG(Chip On Glass)として実装される。選択スイッチ部14は、TFT基板21上の表示領域Adの近傍に、TFT素子を用いて形成されている。
【0053】
ゲートドライバ12(12A,12B)は、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。この例では、ゲートドライバ12は、図12において、画素基板2の上側(12A)と下側(12B)に配置され、表示領域Adにマトリックス状に配置された図示しない画素Pixを、両側から駆動することができるようになっている。
【0054】
駆動電極ドライバ16(16A,16B)は、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。この例では、駆動電極ドライバ16は、図12において、画素基板2の上側(16A)と下側(16B)に配置され、駆動信号生成部15から、太いパターンを有する配線LDCを介して直流駆動信号VcomDCの供給を受けるとともに、同様に太いパターンを有する配線LHを介して直流駆動信号VcomHの供給を受ける。そして、駆動電極ドライバ16A,16Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。
【0055】
また、タッチ検出部40は、フレキシブルプリント基板T上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されている。
【0056】
ここで、駆動信号生成部15は、本開示における「信号生成部」の一具体例に対応する。直流駆動信号VcomDC,VcomHは、本開示における「直流信号」の一具体例に対応する。駆動電極ドライバ16は、本開示における「駆動部」の一具体例に対応する。直流駆動信号VcomDCは、本開示における「第1の直流信号」の一具体例に対応し、直流駆動信号VcomHは、本開示における「第2の直流信号」の一具体例に対応する。ソースドライバ13および選択スイッチ部14は、本開示における「画素信号生成部」の一具体例に対応する。画素信号線SGLは、本開示における「信号線」の一具体例に対応する。
【0057】
[動作および作用]
続いて、本実施の形態の表示パネル1の動作および作用について説明する。
【0058】
(全体動作概要)
まず、図4を参照して、表示パネル1の全体動作概要を説明する。制御部11は、映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ16、およびタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらがお互いに同期して動作するように制御する。
【0059】
ゲートドライバ12は、液晶表示デバイス20に走査信号Vscanを供給し、表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する。ソースドライバ13は、画素信号Vpixが多重化された画素信号Vsigと、それに対応したスイッチ制御信号Vselを生成し、選択スイッチ部14に供給する。選択スイッチ部14は、画素信号Vsigおよびスイッチ制御信号Vselに基づいて画素信号Vpixを分離生成し、その画素信号Vpixを、1水平ラインを構成する各サブ画素SPixに供給する。駆動信号生成部15は、直流駆動信号VcomDC,VcomHCを生成する。駆動電極ドライバ16は、駆動電極ブロックBごとに、駆動信号Vcomを印加する。具体的には、駆動電極ドライバ16は、表示動作では、駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDCを印加する。また、タッチ検出動作では、タッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDC,VcomHからパルス信号を生成して印加するとともに、それ以外の駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDCを印加する。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示動作を行うとともにタッチ検出動作を行い、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。
【0060】
タッチ検出部40は、タッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチを検出する。具体的には、LPF部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出して出力する。A/D変換部43は、LPF部42から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換する。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10に対するタッチの有無を検出する。座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチ検出がなされたときに、そのタッチパネル座標を求める。検出タイミング制御部46は、LPF部42、A/D変換部43、信号処理部44、座標抽出部45が同期して動作するように制御する。
【0061】
(詳細動作)
次に、表示パネル1の詳細動作を説明する。
【0062】
図13は、表示パネル1のタイミング波形例を表すものであり、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)はスイッチ制御信号Vselの波形を示し、(D)は画素信号Vpixの波形を示し、(E)はVcom選択信号VCOMSELの波形を示し、(F)は駆動信号Vcomの波形を示し、(G)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0063】
表示パネル1では、各1水平期間(1H)において、タッチ検出動作を行うタッチ検出期間Ptと、表示動作の際に画素信号Vpixの書き込みを行う書込期間Pwとが設けられる。タッチ検出動作では、駆動電極ドライバ16が、駆動電極ブロックBごとに、タッチ検出動作に係る駆動電極COMLに対して、直流駆動信号VcomDC,VcomHから生成されるパルス信号を順次印加することによりタッチ検出走査を行い、タッチ検出部40が、タッチ検出電極TDLから出力されるタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチを検出する。表示動作では、ゲートドライバ12が、走査信号線GCLに対して走査信号Vscanを順次印加し、ソースドライバ13および選択スイッチ部14が、選択された水平ラインを構成する各サブ画素SPixに対して画素信号Vpixを書き込む。以下にその詳細を説明する。
【0064】
まず、タイミングt1において、1水平期間(1H)が開始するとともに、タッチ検出期間Ptが開始する。
【0065】
まず、駆動電極ドライバ16の走査制御部51は、タイミングt1において、Vcom選択信号VCOMSELの電圧を低レベルから高レベルに変化させる(図13(E))。これにより、駆動電極ドライバ16では、タッチ検出動作に係るk番目の駆動部53(k)において、スイッチSW1がオン状態になるとともにスイッチSW2がオフ状態となり、直流駆動信号VcomHが、そのスイッチSW1を介して、対応するk番目の駆動電極ブロックB(k)を構成する駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcom(B(k))として印加される(図13(F))。これにより、駆動信号Vcom(B(k))は、低レベル(0V)から高レベル(電圧VH)に変化する。この駆動信号Vcom(B(k))は、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図13(G))。
【0066】
次に、タッチ検出部40のA/D変換部43が、サンプリングタイミングtsにおいて、このタッチ検出信号Vdetが入力されたLPF部42の出力信号をA/D変換する(図13(G))。タッチ検出部40の信号処理部44は、後述するように、複数の水平期間において収集したこのA/D変換結果に基づいて、タッチ検出を行う。
【0067】
なお、駆動部53(k)以外の駆動部53では、タイミングt1〜t2の期間において、スイッチSW1がオフ状態になるとともに、スイッチSW2がオン状態になっており、直流駆動信号VcomDCが、そのスイッチSW2を介して、対応する駆動電極ブロックBを構成する駆動電極COMLに対して印加される(図13(F))。これにより、例えば駆動信号Vcom(B(k-1)),Vcom(B(k+1))は、低レベル(VcomDC)を維持する。
【0068】
次に、駆動電極ドライバ16の走査制御部51は、タイミングt2において、Vcom選択信号VCOMSELの電圧を高レベルから低レベルに変化させる(図13(E))。これにより、駆動電極ドライバ16では、駆動部53(k)において、スイッチSW1がオフ状態になるとともにスイッチSW2がオン状態となり、直流駆動信号VcomDCが、そのスイッチSW2を介して、対応する駆動電極ブロックB(k)を構成する駆動電極COMLに対して、駆動信号Vcom(B(k))として印加される(図13(F))。
【0069】
この時、駆動電極ブロックB(k)の駆動電極COMLに充電されていた電荷が、タイミングt2以降において、駆動部53(k)のスイッチSW2を介して他の駆動電極ブロックBに移動することにより、図13(F)に示したように、駆動信号Vcom(Vcom(B(k-1)),Vcom(B(k)),Vcom(B(k+1))など)がやや上昇する(波形部分W1)。そして、駆動信号生成部15がこの電荷をシンクすることにより、これらの駆動信号Vcomは、直流駆動信号VcomDCの電圧レベル(0V)に収束する。
【0070】
次に、タイミングt3において、タッチ検出期間Ptが終了するとともに、書き込み期間Pwが開始する。
【0071】
まず、ゲートドライバ12は、タイミングt3において、表示動作に係るn行目の走査信号線GCL(n)に対して、走査信号Vscanを印加し、走査信号Vscan(n)が低レベルから高レベルに変化する(図13(A))。これにより、ゲートドライバ12は、表示動作の対象となる1水平ラインを選択する。
【0072】
そして、ソースドライバ13が、画素信号Vsigとして、赤色のサブ画素SPixのための画素電圧VRを選択スイッチ部14に供給するとともに(図13(B))、その画素電圧VRを供給している期間において高レベルとなるスイッチ制御信号VselRを生成する(図13(C))。そして、選択スイッチ部14は、このスイッチ制御信号VselRが高レベルとなる期間においてスイッチSWRをオン状態にすることにより、ソースドライバ13から供給された画素電圧VRを画素信号Vsigから分離し、画素信号VpixRとして、画素信号線SGLを介して、赤色のサブ画素SPixに対して供給する(図13(D))。なお、スイッチSWRがオフ状態になった後には、この画素信号線SGLがフローティング状態になるために、この画素信号線SGLの電圧は保持される(図13(D))。
【0073】
同様に、ソースドライバ13は、緑色のサブ画素Spixのための画素電圧VGを、対応するスイッチ制御信号VselGとともに選択スイッチ部14に供給し(図13(B),(C))、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号VselGに基づいて、この画素電圧VGを画素信号Vsigから分離して、画素信号VpixGとして、画素信号線SGLを介して、緑色のサブ画素SPixに供給する(図13(D))。
【0074】
その後、同様に、ソースドライバ13は、青色のサブ画素Spixのための画素電圧VBを、対応するスイッチ制御信号VselBとともに選択スイッチ部14に供給し(図13(B),(C))、選択スイッチ部14は、スイッチ制御信号VselBに基づいて、この画素電圧VBを画素信号Vsigから分離して、画素信号VpixBとして、画素信号線SGLを介して、青色のサブ画素SPixに供給する(図13(D))。
【0075】
次に、ゲートドライバ12は、タイミングt4において、n行目の走査信号線GCLの走査信号Vscan(n)を高レベルから低レベルに変化させる(図13(A))。これにより、表示動作に係る1水平ラインのサブ画素Spixは、画素信号線SGLから電気的に切り離される。以上で書込期間Pwが終了する。
【0076】
そして、タイミングt5において1水平期間(1H)が終了するとともに、新たな1水平期間(1H)が開始する。
【0077】
これ以降、上述した動作を繰り返すことにより、表示パネル1では、線順次走査により、表示面全体における表示動作が行われるとともに、以下に示すように駆動電極ブロックBずつ走査することにより、タッチ検出面全体におけるタッチ検出動作が行われる。
【0078】
図14は、タッチ検出走査の動作例を表すものであり、(A)はVcom選択信号VCOMSELの波形を示し、(B)は走査信号Stの波形を示し、(C)は駆動信号Vcomの波形を示し、(D)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。なお、この図では、説明の便宜上、信号電圧が遷移する際の過渡的な振る舞い(立ち上がり時間tr,立ち下がり時間tf等)を省略している。
【0079】
駆動電極ドライバ16は、図14に示したように、タッチ検出走査部52が生成する走査信号St(図14(B))に基づいて、対応する駆動電極ブロックBに直流駆動信号VcomHを順次印加することにより(図14(C))、タッチ検出走査を行う。その際、駆動電極ドライバ16は、タッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBに対して、所定の複数の水平期間にわたり、直流駆動信号VcomDC,VcomHから生成されるパルス信号を印加する(図14(C))。タッチ検出部40は、各1水平期間において、このパルス信号に基づくタッチ検出信号Vdetをサンプリングし、この所定の複数の水平期間のうちの最後の水平期間におけるサンプリングが終了した後に、信号処理部44が、これらの複数のサンプリング結果に基づいて、その駆動電極ブロックBに対応する領域に対するタッチの有無などを検出する。このように、複数のサンプリング結果に基づいてタッチ検出を行うようにしたので、サンプリング結果を統計的に解析することが可能となり、サンプリング結果のばらつきに起因するS/N比の劣化を抑えることができ、タッチ検出の精度を高めることができる。
【0080】
表示パネル1では、駆動信号生成部15が、駆動電極ドライバ16に対して、配線LDC,LHを介して直流駆動信号VcomDC,VcomHを供給し、駆動電極ドライバ16が、これらに基づいて駆動信号Vcomを生成している。よって、駆動信号生成部15は、例えば、駆動電極ドライバ16がタッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBに対して直流駆動信号VcomH(パルス信号)を印加する際、配線LHにはすでに電圧VHが印加されているため、その駆動電極ブロックBのみを駆動すればよい。これにより、表示パネル1では、以下にいくつかの比較例と対比して説明するように、駆動信号Vcomの遷移時間(例えば立ち上がり時間tr)を短くすることができる。
【0081】
また、このように、駆動信号Vcomの遷移時間を短くすることにより、表示パネル1の高精細化や大型化などにも対応できるようになる。具体的には、例えば表示パネル1が高精細化した場合には、水平ラインの数が増加することに伴い、1フレーム期間における、画素信号の書込期間の占める割合が多くなるため、長い時間幅のタッチ検出時間Ptを確保することが難しくなる。表示パネル1では、上述したように、駆動信号Vcom(パルス信号)の遷移時間を短くすることができるため、タッチ検出時間Ptを短くすることができ、表示パネル1の高精細化や大型化などにも対応できるようになる。
【0082】
次に、いくつかの比較例と対比して、本実施の形態の作用を説明する。
【0083】
(比較例1)
まず最初に、比較例1に係る表示パネル1Qについて説明する。表示パネル1Qは、本実施の形態の場合(図12)と異なり、駆動電極ドライバ16が、制御部11等とともにCOGとして実装されたものである。
【0084】
図15は、表示パネル1Qの実装例を模式的に表すものである。図15に示したように、駆動電極ドライバ16が、制御部11、ソースドライバ13、および駆動信号生成部15とともにCOGとして実装され、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれと、長い配線Lを介して接続されている。駆動電極ドライバ16は、この配線Lを介して、各駆動電極ブロックBに対して、例えば、図14(C)に示したような駆動信号Vcomを供給する。
【0085】
本比較例1に係る表示パネル1Qでは、COGとして実装された駆動電極ドライバ16が、直接、長い配線Lを介して各駆動電極ブロックBを駆動する。図15に示したように、配線Lは、駆動電極ブロックBの数だけ必要になるため、各配線Lの幅は細くなり、配線抵抗が大きくなってしまう。これにより、駆動電極ドライバ16が、各駆動電極ブロックBに対して、図14(C)に示したような駆動信号Vcom(パルス信号)を供給する場合、配線Lの時定数が大きいため、その信号の立ち上がり時間trおよび立ち下がり時間tfが増大してしまい、そのパルス波形が潰れてしまうおそれがある。この場合には、その潰れたパルス信号がタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetとして出力されるため、タッチ検出の精度が低下するおそれがある。
【0086】
一方、本実施の形態に係る表示パネル1では、図12に示したように、駆動電極ドライバ16(16A,16B)は、表示領域Adの近傍のTFT基板21上に、TFT素子を用いて形成されている。そして、駆動信号生成部15は、駆動電極ドライバ16に対して、太い配線LDCを介して直流駆動信号VcomDCを供給するとともに、太い配線LHを介して直流駆動信号VcomHを供給し、駆動電極ドライバ16は、このようにして供給された直流駆動信号VcomDC,VcomHに基づいて、図14(C)に示したような駆動信号Vcom(パルス信号)を生成し、駆動電極ブロックBに対して供給する。すなわち、配線LDC,LHは、太く形成されており、かつ直流信号を伝えることから、表示パネル1では、駆動信号Vcomのパルス波形が、配線LDC,LHの時定数により潰れるおそれを低減することができる。
【0087】
(比較例2)
次に、比較例2に係る表示パネル1Rについて説明する。表示パネル1Rは、本実施の形態の場合(図12)と異なり、駆動信号生成部が交流の駆動信号を生成するものである。
【0088】
図16は、表示パネル1Rの一構成例を表すものである。表示パネル1Rは、駆動信号生成部15Rと、制御部11Rを備えている。駆動信号生成部15Rは、直流駆動信号VcomDCおよび交流駆動信号VcomACを生成し、駆動電極ドライバ16に対して供給するものである。駆動電極ドライバ16は、これらの直流駆動信号VcomDCおよび交流駆動信号VcomACに基づいて、上記実施の形態の場合と同様に、駆動電極ブロックBに対して駆動信号Vcomを供給する。制御部11Rは、制御部11の機能に加え、この駆動信号制御部15Rに対して、交流駆動信号VcomACの遷移タイミングなどを指示するための制御信号を供給する機能を有している。
【0089】
図17は、表示パネル1Rの実装例を模式的に表すものである。図17に示したように、駆動信号生成部15Rは、制御部11、ソースドライバ13とともに、画素基板2上にCOGとして実装されている。駆動電極ドライバ16は、駆動信号生成部15Rから、太いパターンを有する配線LDCにより直流駆動信号VcomDCの供給を受けるとともに、太いパターンを有する配線LACにより交流駆動信号VcomACの供給を受ける。すなわち、表示パネル1Rでは、配線LACを太く形成することにより、配線の時定数を小さくしている。
【0090】
図18は、表示パネル1Rのタイミング波形例を表すものであり、(A)は交流駆動信号VcomACの波形を示し、(B)は直流駆動信号VcomDCの波形を示し、(C)は走査信号Vscanの波形を示し、(D)は画素信号Vsigの波形を示し、(E)はスイッチ制御信号Vselの波形を示し、(F)は画素信号Vpixの波形を示し、(G)はVcom選択信号VCOMSELの波形を示し、(H)は駆動信号Vcomの波形を示し、(I)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0091】
本比較例2に係る駆動電極ドライバ16では、走査制御部51は、図18に示したように、交流駆動信号VcomACのパルス幅(タイミングt12〜t13の時間)より広いパルス幅(タイミングt11〜t14の時間)を有するVcom選択信号VCOMSELを生成する。そして、各駆動部53は、このVcom選択信号VCOMSELが高レベルの期間において、交流駆動信号VcomACのパルス波形部分を、タッチ検出駆動の対象となる駆動電極ブロックBに印加する(図18(H))。
【0092】
本比較例2に係る表示パネル1Rでは、図17に示したように、COGとして実装された駆動信号生成部15Rが、駆動電極ドライバ16に対して、長い配線LACを介して交流駆動信号VcomACを供給する。この配線LACは、上記比較例1に係る表示パネル1Qの場合(図15)と異なり、太く形成されているため、配線抵抗を小さくすることができる。しかしながら、配線LACは交流駆動信号VcomACを伝えるため、この配線LACの配線容量に起因してパルス信号の遷移時間が大きくなるおそれがある。
【0093】
図19は、比較例2に係る表示パネル1Rと、本実施の形態に係る表示パネル1における、駆動信号Vcomの立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfの特性例を表すものである。
【0094】
このように、比較例2に係る表示パネル1Rでは、駆動信号生成部15Rは、タッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBに対して交流駆動信号VcomACを印加する際、その駆動電極ブロックBに加え、配線LACをも駆動する必要があるため、立ち上がり時間trおよび立ち下がり時間tfが長くなるおそれがある。
【0095】
一方、表示パネル1では、駆動信号生成部15が、駆動電極ドライバ16に対して、配線LDC,LHを介して直流駆動信号VcomDC,VcomHを供給し、駆動電極ドライバ16が、これらに基づいてパルス信号を生成している。よって、駆動信号生成部15は、例えば、タッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBに対して直流駆動信号VcomHを印加する際、配線LHにはすでに電圧VHが印加されているため、その駆動電極ブロックBのみを駆動すればよく、これにより、立ち上がり時間trを短くすることができる。
【0096】
また、表示パネル1Rでは、その太く形成された配線LACにおける信号が交流信号(交流駆動信号VcomAC)であるため、その交流成分が、表示領域Adに並設されたタッチ検出電極TDLのうちの一番外側のタッチ検出電極TDLに、寄生容量などを介してノイズN1として伝わるおそれがある(図17)。この寄生容量は、配線抵抗を小さくするための配線LACを太く形成した場合にはより大きくなる。このようにタッチ検出電極TDLにノイズが伝わる場合には、このノイズが重畳されたタッチ検出信号Vdetに基づいてタッチ検出が行われるため、タッチ検出の精度が低下するおそれがある。
【0097】
一方、本実施の形態に係る表示パネル1では、図12に示したように、太く形成された2本の配線LDC,LHにおける信号は、ともに直流信号(直流駆動信号VcomDC,VcomH)であるため、この配線LDC,LHの信号が、タッチ検出電極TDLに、寄生容量などを介してノイズとして伝わるおそれを低減することができる。これにより、表示パネル1では、タッチ検出の精度が低下するおそれを低減することができる。
【0098】
[効果]
以上のように本実施の形態では、駆動信号生成部が2つの直流駆動信号を生成し、駆動電極ブロックの近傍に配置された駆動電極ドライバがそれらに基づいて駆動信号を生成するようにしたので、駆動信号の遷移時間を短くすることができ、各駆動電極ブロックを、より短い時間で駆動することができる。
【0099】
また、本実施の形態では、駆動信号の遷移時間を短くするようにしたので、駆動信号のパルス波形が潰れるおそれを低減でき、タッチ検出の精度の低下を抑えることができる。
【0100】
また、本実施の形態では、駆動信号生成部が、配線を介して駆動電極ドライバに対して直流駆動信号を供給するようにしたので、これらの配線の信号が、タッチ検出電極に対してノイズとして伝わるおそれを低減することができ、タッチ検出の精度の低下を抑えることができる。
【0101】
[変形例1−1]
上記実施の形態では、各水平ラインを表示するごとにタッチ検出を行ったが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、複数の水平ラインを表示するごとにタッチ検出を行ってもよい。具体的には、例えば、表示面を、タッチ検出面と同様に複数の領域(部分表示領域)に区分し、各部分表示領域における表示動作ごとに、タッチ検出動作を行ってもよい。以下に、表示面を20個の部分表示領域A1〜A20に区分した場合の例について、詳細に説明する。
【0102】
図20は、本変形例に係る表示パネル1Bの動作を模式的に表すものであり、(A)はタッチ検出動作を示し、(B)は表示動作を示す。この例では、1フレーム期間(1F)において、20個のタッチ検出期間Ptと、20個の表示期間Pdとが交互に配置されている。
【0103】
まず、最初のタッチ検出期間Ptでは、駆動電極ブロックB1,B2に対するタッチ検出動作が行われ、続く表示期間Pdでは、部分表示領域A1における複数の水平ラインに対する表示動作(書込動作)が行われる。そして、次のタッチ検出期間Ptでは、駆動電極ブロックB3,B4に対するタッチ検出動作が行われ、続く表示期間Pdでは、部分表示領域A2における複数の水平ラインに対する表示動作(書込動作)が行われる。その後、同様に交互にタッチ検出動作と表示動作が行われる。
【0104】
図21は、表示パネル1Bのタッチ検出期間Ptにおけるタッチ検出動作を表すものである。駆動電極ドライバ16は、タッチ検出期間Ptにおいて、まず駆動電極ブロックB(k)に対して、直流駆動信号VcomDC,VcomHを交互に所定回数印加する(図21(A))。この駆動信号Vcomは、静電容量を介してタッチ検出電極TDLに伝わり、タッチ検出信号Vdetが変化する(図21(B))。タッチ検出部40のA/D変換部43は、これらのパルス信号に同期したサンプリングタイミングtsにおいて、タッチ検出信号Vdetが入力されたアナログLPF部42の出力信号をA/D変換する(図21(B))。そして、信号処理部44は、これらのA/D変換結果に基づいて、駆動電極ブロックB(k)におけるタッチ検出を行う。
【0105】
その後、駆動電極ドライバ16は、駆動電極ブロックB(k+1)に対して、同様に直流駆動信号VcomDC,VcomHを所定回数交互に印加し(図21(A))、タッチ検出部40が、タッチ検出信号Vdetに基づいて、駆動電極ブロックB(k+1)におけるタッチ検出を行う。
【0106】
なお、図21に示した例では、タッチ検出期間Ptの最後の所定の期間において、駆動電極ドライバ16は、駆動信号ブロックB(k),B(k+1)に対して、直流駆動信号VcomDCを印加している。これにより、図13に示した波形部分W1のような現象が生じる場合でも、駆動信号Vcomが直流駆動信号VcomDCの電圧レベル(0V)に収束するまでの時間を確保することができる。
【0107】
また、上記実施の形態では、駆動信号生成部15は、2つの直流駆動信号VcomDC,VcomHを生成し、駆動電極ドライバ16は、これらを駆動電極ブロックBに対して選択的に印加したが、これに限定するものではなく、これに代えて、例えば、駆動信号生成部が3つの直流駆動信号VcomDC,VcomH,VcomLを生成し、駆動電極ドライバが、これらを駆動電極ブロックBに対して選択的に印加してもよい。ここで、直流駆動信号VcomLは、0Vより低い電圧VLの直流信号である。この場合には、本変形例に係る表示パネルは、例えば、図22に示したようにタッチ検出動作を行うことができる。
【0108】
[変形例1−2]
上記実施の形態では、駆動電極ドライバ16のタッチ検出走査部52を、シフトレジスタを用いて構成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、デコーダを用いて構成してもよい。以下に、詳細に説明する。
【0109】
図23は、本変形例に係る駆動電極ドライバ16Cの要部の一構成例を表すものである。駆動電極ドライバ16Cは、デコーダ62と、走査制御部61とを備えている。デコーダ62は、5ビットのデコーダであり、図24において真理値表を用いて示したように、5ビットの入力コードDI(DI4(MSB)〜DI0(LSB))に基づいて、20個の駆動電極ブロックB1〜B20のうちの1つを選択できるようになっている。走査制御部61は、制御部11より供給された制御信号に基づいて、デコーダ62に対して5ビットのコードDIを供給するとともに、Vcom選択信号VCOMSELを、駆動部530に対して供給するものである。
【0110】
このように、デコーダ62を用いて駆動電極ドライバ16Cを構成することにより、タッチ検出走査の際、駆動電極ブロックBを、任意の順番で順次駆動することができる。具体的には、例えば、駆動電極ブロックB1,B3,B5,…,B19のように、飛び越しながら駆動することによりタッチ検出走査を行うことも可能である。
【0111】
なお、本変形例に係る駆動電極ドライバは、図23の構成に限定されるものではなく、これに代えて、例えば図25のように構成してもよい。すなわち、図23に示したデコーダ62の最終段回路64と、駆動部53の論理積回路54とを組み合わせて、よりシンプルに構成し直してもよい。この例では、インバータ67と、論理積回路68,69を設けることにより、全ての最終段回路64を削除でき、回路規模を小さくすることができる。
【0112】
また、以上では、入力コードDIに基づいて、20個の駆動電極ブロックB1〜B20のうちの1つを選択するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、複数の駆動電極ブロックBを同時に選択する機能をも有するように構成してもよい。以下に、この場合の例を詳細に説明する
【0113】
図26は、本変形例に係る駆動電極ドライバ16Eの一構成例を表すものである。駆動電極ドライバ16Eは、20個の駆動電極ブロックB1〜B20のうちの1つを選択する動作モードM1と、2つを同時に選択する動作モードM2との2つの動作モードを有している。
【0114】
駆動電極ドライバ16Eは、走査制御部71と、論理和回路78,79とを備えている。走査制御部71は、走査制御部61の有する機能に加えて、モード選択信号ENを出力する機能を有している。モード選択信号ENがLレベルである場合には、駆動電極ドライバ16Eは動作モードM1で動作する。すなわち、この場合には、一方の端子にLレベルが入力された論理和回路78,79は、論理動作の観点からは意味をなさないため、この駆動電極ドライバ16Eの構成は、図25に示した駆動電極ドライバ16Dの構成と同等になる。また、モード選択信号ENがHレベルである場合には、論理和回路78,79の出力は強制的に高レベルになり、入力コードDIのLSBビットであるビットDI0の設定が無視されるため、図27において真理値表を用いて示したように、5ビットの入力コードDIのうちの上位4ビット(DI4〜DI1)を用いて、駆動電極ブロックBを2つずつ選択できるようになる。
【0115】
<3.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態に係る表示パネル7について説明する。本実施の形態は、タッチ検出期間Ptにおいて、タッチ検出動作の対象外の駆動電極ブロックBをフローティングにするものである。すなわち、表示パネル7は、駆動電極ブロックBをフローティングにすることができる駆動部73を有する駆動電極ドライバ18を用いて構成されたものである。その他の構成は、上記第1の実施の形態(図4)と同様である。なお、上記第1の実施の形態に係る表示パネル1と実質的に同一の構成部分には同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0116】
図28は、本実施の形態に係る駆動部73の一構成例を表すものである。なお、ここでは、k番目の駆動部73(k)について説明するが、他の駆動部も同じ構成である。
【0117】
駆動部73は、論理和回路72と、論理積回路73,74とを備えている。論理和回路72は、タッチ検出走査部52から供給された走査信号St、およびインピーダンス制御信号ZSELの論理積を生成して出力するものである。ここで、インピーダンス制御信号ZSELは、後述するように、タッチ検出期間PtのみLレベルとなり、その他の期間ではHレベルとなる論理信号である。このインピーダンス制御信号ZSELは、例えば、走査制御部51が生成してもよいし、他の回路が生成してもよい。論理積回路73は、論理積回路54の出力信号、および論理和回路72の出力信号の論理積を生成して、バッファ56に供給するものである。また、論理積回路74は、インバータ55の出力信号、および論理和回路72の出力信号の論理積を生成して、バッファ57に供給するものである。
【0118】
この構成により、駆動部73は、走査信号Stおよびインピーダンス制御信号ZSELがともにLレベルである場合には、スイッチSW1,SW2の両方をオフ状態にすることにより、その駆動部73に接続された駆動電極ブロックBをフローティング状態にする。また、駆動部73は、走査信号Stおよびインピーダンス制御信号ZSELのすくなくとも一方がHレベルである場合には、上記第1の実施の形態に係る駆動部53と同等の動作を行う。
【0119】
図29は、表示パネル7のタイミング波形例を表すものであり、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は画素信号Vsigの波形を示し、(C)はスイッチ制御信号Vselの波形を示し、(D)は画素信号Vpixの波形を示し、(E)はVcom選択信号VCOMSELの波形を示し、(F)はインピーダンス制御信号ZSELの波形を示し、(G)は駆動信号Vcomの波形を示し、(H)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0120】
図29に示したように、タイミングt21〜t22の期間(タッチ検出期間Pt)において、インピーダンス制御信号ZSELが低レベルになる(図29(F))。このとき、タッチ検出動作の対象の駆動電極ブロックB(k)には、上記第1の実施の形態の場合と同様に、直流駆動信号VcomDC,VcomHから生成されるパルス信号が印加される(図29(G))。一方、タッチ検出動作の対象外の駆動電極ブロックB(k-1),B(k+1)は、これらの駆動電極ブロックに接続された駆動部73(k-1),73(k+1)内のスイッチSW1,SW2がともにオフ状態になるため、フローティング状態になる(波形部分W2)。
【0121】
これにより、表示パネル7では、上記第1の実施の形態に係る表示パネル1の場合(図13の波形部分W1)とは異なり、駆動電極ブロックB(k)の駆動電極COMLに充電されていた電荷が、タイミングt22以降において、他の駆動電極ブロックBに移動することがないため、駆動信号Vcomは、短い時間で0Vに収束する。このように、表示パネル7では、書込期間Pwにおいて、駆動信号Vcomの電圧がすぐに0Vに収束するため、表示画質に影響を及ぼすおそれを低減することができる。
【0122】
また、表示パネル7では、駆動電極ドライバ18は、タッチ検出期間Ptにおいて、タッチ検出動作の対象外の駆動電極ブロックBをフローティング状態にする。すなわち、駆動信号生成部15の負荷は、20個の駆動電極ブロックB1〜B20のうち、タッチ検出動作の対象の駆動電極ブロックBのみとなる。これにより、表示パネル7では、駆動信号Vcomの遷移時間を短くすることができる。
【0123】
図30は、比較例2に係る表示パネル1Rと、本実施の形態に係る表示パネル7における、駆動信号Vcomの立ち上がり時間trと立ち下がり時間tfの特性例を表すものである。図30に示したように、表示パネル7では、タッチ検出動作の対象外の駆動電極ブロックBをフローティング状態にしたので、駆動信号生成部15の負荷を小さくすることができ、駆動信号Vcomの遷移時間(立ち上がり時間tr,立ち下がり時間tf)を短くすることができる。
【0124】
また、表示パネル7では、タッチ検出期間Ptにおいて、スイッチ制御信号Vselを低レベルにして(図29(C))、選択スイッチ部14の各スイッチSWR,SWG,SWBを全てオフ状態にしている。すなわち、画素信号線SGLは、タッチ検出期間Ptにおいて、フローティング状態になっている。これにより、画素信号線SGLに電圧が印加されている場合(後述する変形例2−1)と比較して、駆動電極COMLの容量や、タッチ検出電極TDLの容量を減らすことができ、タッチ検出に要する時間ttotalを短くすることができる。
【0125】
以上のように本実施の形態では、タッチ検出動作の対象外の駆動電極ブロックをフローティング状態にしたので、表示画質に影響を及ぼすおそれを低減することができる。
【0126】
また、本実施の形態では、タッチ検出期間において、タッチ検出動作の対象の駆動電極ブロックのみを駆動信号生成部の負荷にしたので、駆動信号生成部の負荷が軽くなるので、駆動信号の遷移時間を短くすることができる。
【0127】
また、本実施の形態では、タッチ検出期間において、画素信号線をフローティングにしたので、タッチ検出に要する時間を短くすることができる。
【0128】
その他の効果は、上記第1の実施の形態の場合と同様である。
【0129】
[変形例2−1]
上記実施の形態では、選択スイッチ部14を設けたが、これに限定するものではなく、これに代えて、ソースドライバが画素信号Vpixを直接生成してもよい。以下に、本変形例の詳細を説明する。
【0130】
図31は、本変形例に係る表示パネル7Bの一構成例を表すものである。図32は、表示パネル7Bのタイミング波形例を表すものであり、(A)は走査信号Vscanの波形を示し、(B)は画素信号Vpixの波形を示し、(C)はVcom選択信号VCOMSELの波形を示し、(D)はインピーダンス制御信号ZSELの波形を示し、(E)は駆動信号Vcomの波形を示し、(F)はタッチ検出信号Vdetの波形を示す。
【0131】
表示パネル7Bは、図31に示したように、ソースドライバ13Bを備えている。ソースドライバ13Bは、制御部11から供給される映像信号およびソースドライバ制御信号に基づいて、画素信号Vpix(VpixR,VpixG,VpixB)を生成し、出力するものである。すなわち、ソースドライバ13Bは、上記実施の形態に係るソースドライバ13とは異なり、画素信号Vsigを生成するのではなく、画素信号Vpixを直接生成し、その画素信号Vpixを、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20に供給する。その際、ソースドライバ13Bは、図32に示したように、画素信号線SGLをフローティングにさせることなく、常に、画素信号線SGLに対して画素信号Vpixを印加する。
【0132】
この場合でも、上記実施の形態に係る表示パネル7と同様に、タッチ検出動作の対象の駆動電極ブロックのみが駆動信号生成部の負荷となるので、駆動信号の遷移時間を短くすることができる。
【0133】
なお、上記実施の形態に係る表示パネル7では、本変形例に係る表示パネル7Bとは異なり、タッチ検出期間Ptにおいて、画素信号線SGLをフローティングにしている。これにより、タッチ検出電極TDLの容量を減らすことができる。具体的には、駆動電極COMLがフローティング状態の場合には、タッチ検出電極TDLの容量は、タッチ検出電極TDLとその駆動電極COMLとの間の容量と、その駆動電極COMLとその下に配設された画素信号線SGL間の容量との直列容量になる。すなわち、容量の直列接続により、タッチ検出電極TDLの容量を小さくすることができる。
【0134】
このように、表示パネル7では、タッチ検出電極TDLの時定数が小さくなるため、タッチ検出信号Vdetの遷移時間(立ち上がり時間trおよび立ち下がり時間tf)を小さくすることができ、表示パネル全体でのタッチ検出に要する時間ttotalを短くすることができる。
【0135】
図33は、表示パネル7B,7における、タッチ検出に要する時間ttotalを表すものである。時間ttxは、タッチ検出に要する時間ttotalのうち、駆動電極COMLに起因する時間を示し、時間trxは、タッチ検出電極TDLに起因する時間を示す。
【0136】
このように、表示パネル7では、タッチ検出電極TDLの時定数を小さくすることができるため、タッチ検出電極TDLに起因する時間trxを短くすることができ、表示パネル全体でのタッチ検出に要する時間ttotalを短くすることができる。
【0137】
[変形例2−2]
上記実施の形態に係る表示パネル7に、上記第1の実施の形態の変形例1−1,1−2を適用してもよい。
【0138】
<4.適用例>
次に、上記実施の形態および変形例で説明した表示パネルの適用例について説明する。
【0139】
図34は、上記実施の形態等の表示パネルが適用されるテレビジョン装置の外観を表すものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511およびフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、上記実施の形態等に係る表示パネルにより構成されている。
【0140】
上記実施の形態等の表示パネルは、このようなテレビジョン装置の他、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置、携帯型ゲーム機、あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、上記実施の形態等の表示パネルは、映像を表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
【0141】
以上、いくつかの実施の形態および変形例、ならびに電子機器への適用例を挙げて本技術を説明したが、本技術はこれらの実施の形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
【0142】
例えば、上記実施の形態等では、図6に示したように、TFT基板21の上に駆動電極COMLを形成し、その上に絶縁膜23を介して画素電極22を形成したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば、TFT基板21の上に画素電極22を形成し、その上に絶縁膜23を介して駆動電極COMLを形成してもよい。
【0143】
また、例えば、上記実施の形態等では、FFSやIPS等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化したが、これに代えて、TN(ツイステッドネマティック)、VA(垂直配向)、ECB(電界制御複屈折)等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイスとタッチ検出デバイスとを一体化してもよい。このような液晶を用いた場合には、タッチ検出機能付き表示デバイスを、図35に示したように構成可能である。図35は、本変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10Dの要部断面構造の一例を表すものであり、画素基板2Bと対向基板3Bとの間に液晶層6Bを挟持された状態を示している。その他の各部の名称や機能等は図6の場合と同様なので、説明を省略する。この例では、図6の場合とは異なり、表示用とタッチ検出用の双方に兼用される駆動電極COMLは、対向基板3Bに形成されている。
【0144】
また、例えば、上記各実施の形態では、液晶表示デバイスと静電容量式のタッチ検出デバイスとを一体化したいわゆるインセルタイプとしたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば液晶表示デバイスの表面に静電容量式のタッチ検出デバイスを形成した、いわゆるオンセルタイプであってもよい。オンセルタイプでは、例えば、液晶表示デバイスから、タッチ検出デバイスに表示駆動のノイズが伝搬する場合には、上記実施の形態のように駆動することにより、そのノイズを低減することができるため、タッチ検出精度の低下を抑えることができる。
【0145】
また、例えば、上記各実施の形態では、表示素子は液晶素子としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えばEL(Electro Luminescence)素子であってもよい。
【0146】
なお、本技術は以下のような構成とすることができる。
【0147】
(1)複数の表示素子と、
複数の駆動電極と、
各駆動電極との間に静電容量を形成する1または複数のタッチ検出電極と、
互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、
各駆動電極に対して前記複数の直流信号を選択的に印加する駆動部と
を備えた表示パネル。
【0148】
(2)前記複数の直流信号は、第1の直流信号および第2の直流信号であり、
前記駆動部は、前記表示素子に画素信号が書き込まれる書込期間において、前記複数の駆動電極に対して前記第1の直流信号を印加し、前記書込期間とは異なるタッチ検出期間のうちの少なくとも一部の期間において、前記複数の駆動電極のうちのタッチ検出の対象である1または複数の駆動対象電極に対して、前記第2の直流信号を印加する
前記(1)に記載の表示パネル。
【0149】
(3)前記駆動部は、前記複数の駆動電極の近傍に配置されている
前記(2)に記載の表示パネル。
【0150】
(4)前記駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記複数の駆動電極のうちの前記駆動対象電極以外の駆動電極を、電気的にフローティング状態にする
前記(2)または(3)に記載の表示パネル。
【0151】
(5)前記駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記複数の駆動電極のうちの前記駆動対象電極以外の駆動電極に対して、前記第1の直流信号を印加する
前記(2)または(3)に記載の表示パネル。
【0152】
(6)前記画素信号を生成する画素信号生成部と
前記画素信号を伝える複数の信号線と
を備え、
前記画素信号生成部は、前記書込期間において、前記複数の信号線に対して前記画素信号を印加し、前記タッチ検出期間において、前記複数の信号線をフローティング状態にする
前記(2)から(5)のいずれかに記載の表示パネル。
【0153】
(7)前記画素信号を生成する画素信号生成部と
前記画素信号を伝える複数の信号線と
を備え、
前記画素信号生成部は、前記書込期間および前記タッチ検出期間において、前記複数の信号線に対して前記画素信号を印加する
前記(2)から(5)のいずれかに記載の表示パネル。
【0154】
(8)1の前記書込期間が1つの水平期間に存在し、
前記タッチ検出期間は、複数の書込期間に1つの割合で設けられている
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示パネル。
【0155】
(9)1の前記書込期間が1つの水平期間に存在し、
前記タッチ検出期間は、1つの書込期間に1つの割合で設けられている
前記(2)から(7)のいずれかに記載の表示パネル。
【0156】
(10)前記駆動部は、前記複数の駆動電極を、所定本数の駆動電極からなる電極ブロックを単位として駆動する
前記(1)から(9)のいずれかに記載の表示パネル。
【0157】
(11)前記表示素子は、
液晶層と、
前記液晶層および前記駆動電極の間に形成され、もしくは前記駆動電極を挟んで前記液晶層と対向するように配置された画素電極と
を含んで構成される
前記(1)から(10)のいずれかに記載の表示パネル。
【0158】
(12)前記表示素子は、
液晶層と、
前記液晶層を挟んで前記駆動電極と対向するように配置された画素電極と
を含んで構成される
前記(1)から(10)のいずれかに記載の表示パネル。
【0159】
(13)互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、
1または複数のタッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極のそれぞれに対して、前記複数の直流信号を選択的に印加する駆動部と
を備えた駆動回路。
【0160】
(14)互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成し、1または複数のタッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極のそれぞれに対して、前記複数の直流信号を選択的に印加する
駆動方法。
【0161】
(15)表示パネルと、
前記表示パネルを利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示パネルは、
複数の表示素子と、
複数の駆動電極と、
各駆動電極との間に静電容量を形成する1または複数のタッチ検出電極と、
互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、
各駆動電極に対して前記複数の直流信号を選択的に印加する駆動部と
を有する
電子機器。
【符号の説明】
【0162】
1,7,7B…表示パネル、2,2B…画素基板、3,3B…対向基板、6,6B…液晶層、10…タッチ検出機能付き表示デバイス、11…制御部、12,12A,12B…ゲートドライバ、13…ソースドライバ、14…選択スイッチ部、15…駆動信号生成部、16,16A,16B,16C,16D,18…駆動電極ドライバ、17…スイッチグループ、20…液晶表示デバイス、21…TFT基板、22…画素電極、23…絶縁層、30…タッチ検出デバイス、31…ガラス基板、32…カラーフィルタ、35…偏光板、40…タッチ検出部、42…LPF部、43…A/D変換部、44…信号処理部、45…座標抽出部、46…検出タイミング制御部、51,61,71…走査制御部、52…タッチ検出走査部、53,530,73…駆動部、54,68,69,73,74…論理積回路、55,67…インバータ、56,57…バッファ、62…デコーダ、63…4bitデコーダ、72,78,79…論理和回路、A,A1〜A20…部分表示領域、B,B1〜B20…駆動電極ブロック、COML…駆動電極、DI…入力コード、GCL…走査信号線、LC…液晶素子、LDC,LH…配線、Out…出力信号、Pd…表示期間、Pix…画素、Pt…タッチ検出期間、Pw…書込期間、SPix…サブ画素、Scand…表示走査、Scant…タッチ検出走査、SGL…画素信号線、St…走査信号、SWR,SRG,SWB,SW1,SW2…スイッチ、T…フレキシブルプリント基板、TDL…タッチ検出電極、Tr…TFT素子、tr…立ち上がり時間、tf…立ち下がり時間、ts…サンプリングタイミング、ttotal…時間、Vcom…駆動信号、VcomDC,VcomH…直流駆動信号、VCOMSEL…Vcom選択信号、Vdet…タッチ検出信号、VH…電圧、Vscan…走査信号、Vsel,VselR,VselG,VselB…スイッチ制御信号、Vsig,Vpix,VpixR,VpixG,VpixB…画素信号、ZSEL…インピーダンス制御信号。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示素子と、
複数の駆動電極と、
各駆動電極との間に静電容量を形成する1または複数のタッチ検出電極と、
互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、
各駆動電極に対して前記複数の直流信号を選択的に印加する駆動部と
を備えた表示パネル。
【請求項2】
前記複数の直流信号は、第1の直流信号および第2の直流信号であり、
前記駆動部は、前記表示素子に画素信号が書き込まれる書込期間において、前記複数の駆動電極に対して前記第1の直流信号を印加し、前記書込期間とは異なるタッチ検出期間のうちの少なくとも一部の期間において、前記複数の駆動電極のうちのタッチ検出の対象である1または複数の駆動対象電極に対して、前記第2の直流信号を印加する
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
前記駆動部は、前記複数の駆動電極の近傍に配置されている
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項4】
前記駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記複数の駆動電極のうちの前記駆動対象電極以外の駆動電極を、電気的にフローティング状態にする
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記駆動部は、前記タッチ検出期間において、前記複数の駆動電極のうちの前記駆動対象電極以外の駆動電極に対して、前記第1の直流信号を印加する
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記画素信号を生成する画素信号生成部と
前記画素信号を伝える複数の信号線と
を備え、
前記画素信号生成部は、前記書込期間において、前記複数の信号線に対して前記画素信号を印加し、前記タッチ検出期間において、前記複数の信号線をフローティング状態にする
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記画素信号を生成する画素信号生成部と
前記画素信号を伝える複数の信号線と
を備え、
前記画素信号生成部は、前記書込期間および前記タッチ検出期間において、前記複数の信号線に対して前記画素信号を印加する
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項8】
1の前記書込期間が1つの水平期間に存在し、
前記タッチ検出期間は、複数の書込期間に1つの割合で設けられている
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項9】
1の前記書込期間が1つの水平期間に存在し、
前記タッチ検出期間は、1つの書込期間に1つの割合で設けられている
請求項2に記載の表示パネル。
【請求項10】
前記駆動部は、前記複数の駆動電極を、所定本数の駆動電極からなる電極ブロックを単位として駆動する
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項11】
前記表示素子は、
液晶層と、
前記液晶層および前記駆動電極の間に形成され、もしくは前記駆動電極を挟んで前記液晶層と対向するように配置された画素電極と
を含んで構成される
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項12】
前記表示素子は、
液晶層と、
前記液晶層を挟んで前記駆動電極と対向するように配置された画素電極と
を含んで構成される
請求項1に記載の表示パネル。
【請求項13】
互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、
1または複数のタッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極のそれぞれに対して、前記複数の直流信号を選択的に印加する駆動部と
を備えた駆動回路。
【請求項14】
互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成し、1または複数のタッチ検出電極との間に静電容量を形成する複数の駆動電極のそれぞれに対して、前記複数の直流信号を選択的に印加する
駆動方法。
【請求項15】
表示パネルと、
前記表示パネルを利用した動作制御を行う制御部と
を備え、
前記表示パネルは、
複数の表示素子と、
複数の駆動電極と、
各駆動電極との間に静電容量を形成する1または複数のタッチ検出電極と、
互いに電圧が異なる複数の直流信号を生成する信号生成部と、
各駆動電極に対して前記複数の直流信号を選択的に印加する駆動部と
を有する
電子機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2012−230657(P2012−230657A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242794(P2011−242794)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(598172398)株式会社ジャパンディスプレイウェスト (90)
【Fターム(参考)】