説明

表示媒体及びその製造方法

【課題】対向する電極間の放電が防止され、かつ、製造が容易な表示媒体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】表示媒体70は、対向する可撓性基板10,20にそれぞれ形成された一対の電極14,24間に設けられている表示要素30a,30bと、第1の電極14の一部に重なるとともに導電性接着材料46aを介して電気的に接続されている第1の電極端子45aと、第2の電極24の一部に重なるとともに導電性接着材料46bを介して電気的に接続されている第2の電極端子45bと、一方の基板側に設けられており、第1の電極端子を介して第1の電極を電気的に引き出す第1の端子孔43aと、第1の端子孔と同じ基板側に設けられており、第2の電極端子を介して第2の電極を電気的に引き出す第2の端子孔43bと、を含む。少なくとも一方の電極は、該電極が形成されている可撓性基板の端面で露出せずに一対の電極間が絶縁されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示媒体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶や有機エレクトロルミネッセンス素子等を用いた可撓性を有する表示媒体が種々開発されている。このような表示媒体は、例えば、樹脂フィルム上にITOなどの透明電極のパターンを形成した一対のフィルムを用い、各電極が形成されている面をそれぞれ内側に向け、その対向する電極間に表示要素を挟んで形成される。例えば光書き込み型の電子ペーパーでは、有機光導電材料からなる光導電層と液晶表示材料からなる液晶層とが積層された表示要素を表裏の透明電極で挟み込むように構成されており、表裏の透明電極に電圧を印加しながら光を照射すると、光の強弱が瞬間的に反射濃度に変換されて画像が表示される。
【0003】
このような表示媒体では、各電極から外部に配線を引き出して電圧を印加する必要がある。通常、一対のフィルムの外形を異型にして電極取り出し部(接続部)を露出させ、外部の配線と接続させる。例えば、図8(A)に示すように、一対の電極14,24間に表示要素30を挟み込むように重ねたときに各フィルム12,22上の電極14,24の各接続部14a,24aが重ならないようにパターニングするとともに、各接続部14a,24aが露出するように互いのフィルム12,22の一部12a,22aをそれぞれ切断する方法がある。
また、例えば図8(B)に示すように、一方のフィルム22上に、対向するフィルム12上の電極14と導電性部材25を介して接続させる接続部24bをパターニングする方法もある。このように電極をパターニングすれば、一方のフィルム22側に両電極14,24の接続部24a,24bがそれぞれ設けられた表示媒体となる。
【0004】
上記のような表示媒体は、例えば図9に示すような方法により連続的に製造される。まず、2枚の樹脂フィルム12,22の片面全体に透明電極14,24となるITO等の材料をスパッタリング等により形成した後(図9(A)、(G))、それぞれ所定の電極パターンとなるようにエッチングにより電極の一部を除去する(図9(B)、(H))。次いで、表示要素として、一方の電極14上には有機光導電層(感光体層)32を、他方の電極24上には液晶層36をそれぞれ設ける(図9(C)、(I))。次いで、各基板10,20を重ね合わせたときに対向する電極14,24の各接続部14a,24aを露出させるための孔(開口部)16,26をそれぞれ形成する(図9(D)、(J))。さらに、一方の基板10には、有機光導電層32以外の部分にマスク18を施し(図9(E))、有機光導電層32上にラミネート材料(接着剤)34を塗布した後、マスク18を剥離する(図9(F))。次いで、互いの電極14,24を対向させて位置合わせを行い、接着層34を介して有機光導電層32と液晶層36とが重なるように基板10,20を貼り合せる(図9(K))。貼り合わせ後、個々の表示媒体38の外形に打ち抜く(図9(L))。
【0005】
打ち抜き後は、例えば図10に示すように、各電極14,24に対応した配線64a,64bが表裏に形成されている配線部材60の配線64a,64bを、それぞれ導電性接着剤66を介して各電極接続部14a,24aに取り付ける。次いで、表示媒体38の外形に対応したコアシート56の孔56aに表示媒体38を挿入するとともに表裏のカバーシート52,54をラミネートする。さらに、所定のパッケージ形状に外形を打ち抜き、カバーシート52の所定の位置に配線部材の開口部を形成し、配線部材の開口部に電極端子部58a,58bを取り付ける。
【0006】
なお、電極と配線部材との接続方法は種々提案されている。例えば、基板上に露出する電極に対し、ホットメルト層を介して配線部材(フレキシブル基板)の配線(リード電極)を重ね合わせ、ヒータを備えたコテを押し当てて電極と配線を接続する方法(特許文献1参照)、露出する電極と配線部材の配線部を異方性導電膜を介して重ねた状態で加熱圧着する方法(特許文献2)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−249488号公報
【特許文献2】特開2000−19544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、対向する電極間の放電が防止され、かつ、製造が容易な表示媒体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下の表示媒体及び表示媒体の製造方法が提供される。
<1> 片面に透明な第1の電極が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板と、
片面に第2の電極が形成されており、前記第1の可撓性基板に対し、前記第2の電極が前記第1の電極と対向するように配置されている第2の可撓性基板と、
前記第1及び第2の電極からなる一対の電極間に設けられている表示要素と、
前記第1の電極の一部に重なるとともに導電性接着材料を介して電気的に接続されている第1の電極端子と、
前記第2の電極の一部に重なるとともに導電性接着材料を介して電気的に接続されている第2の電極端子と、
前記第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板側に設けられており、前記第1の電極端子を介して前記第1の電極を電気的に引き出す第1の端子孔と、
前記第1の端子孔と同じ基板側に設けられており、前記第2の電極端子を介して前記第2の電極を電気的に引き出す第2の端子孔と、
を含み、
前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、該電極が形成されている可撓性基板の端面で露出せずに前記一対の電極間が絶縁されていることを特徴とする表示媒体。
<2> 前記第1及び第2の可撓性基板のうち少なくとも一方の基板に形成されている電極は、該基板の端面で該電極が露出しないようにパターニングされており、該電極がパターニングされている一方の基板の前記電極のパターンが存在しない領域に、他方の基板に形成されている電極を電気的に引き出す前記端子孔が設けられていることを特徴とする<1>に記載の表示媒体。
<3> 前記第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板に形成されている電極は、該基板の端面で該電極が露出しないようにパターニングされており、他方の基板に形成されている電極は、該基板の片面全体にパターニングされずに形成されていることを特徴とする<2>に記載の表示媒体。
<4> 前記第1及び第2の端子孔が設けられている基板に形成されている電極に電気的に接続している電極端子と、他方の基板に形成されている電極との間に、絶縁部材が配置されていることを特徴とする<1>〜<3>のいずれかに記載の表示媒体。
【0010】
<5> 片面に透明な第1の電極が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板と、片面に第2の電極が形成されている第2の可撓性基板とを用意する工程と、
前記第1の電極の一部に第1の電極端子を、前記第2の電極の一部に第2の電極端子を、それぞれ導電性接着材料を介して接着させるとともに、前記第1及び第2の可撓性基板を、前記第1及び第2の電極からなる一対の電極を対向させて、該一対の電極間に表示要素を設けて貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせた第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板側に、前記第1の電極端子を介して前記第1の電極を電気的に引き出す第1の端子孔と、前記第2の電極端子を介して前記第2の電極を電気的に引き出す第2の端子孔をそれぞれ設ける工程と、
前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極を、該電極が形成されている可撓性基板の端面で露出させずに前記一対の電極間を絶縁する工程と、
を含むことを特徴とする表示媒体の製造方法。
<6> 前記第1及び第2の可撓性基板のうち少なくとも一方の基板は、該基板の端面で電極が露出しないようにパターニングされているものを用い、該電極がパターニングされている一方の基板側に前記第1及び第2の端子孔を設け、かつ、該第1及び第2の端子孔のうち、他方の基板に形成されている電極を電気的に引き出す前記端子孔は、前記一方の基板の前記電極のパターンが存在しない領域に設けることを特徴とする<5>に記載の表示媒体の製造方法。
<7> 前記第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板は、該基板の端面で電極が露出しないようにパターニングされているものを用い、他方の基板は、該基板の片面全体に電極がパターニングされずに形成されているものを用いることを特徴とする<6>に記載の表示媒体の製造方法。
<8> 前記第1及び第2の端子孔が設けられる基板に形成されている電極に電気的に接続している電極端子と、他方の基板に形成されている電極との間に、絶縁部材を配置することを特徴とする<5>〜<7>のいずれかに記載の表示媒体の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
前記<1>に係る発明によれば、対向する電極間の放電が防止され、かつ、製造が容易であるとともに、配線部材を用いる場合に比べ、パッケージ後のカバーシート表面段差が小さく、より高い機械的強度を有する表示媒体が提供される。
前記<2>に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、電極間の放電がより確実に防止される表示媒体が提供される。
前記<3>に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、電極間の放電がより確実に防止されるほか、電極のパターニングに要するコストが低減され、対向する電極同士の高精度な位置合わせを行わずに製造される表示媒体が提供される。
前記<4>に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、電極間の放電や短絡がより確実に防止される表示媒体が提供される。
【0012】
前記<5>に係る発明によれば、対向する電極間の放電が防止されるとともに、配線部材を用いる場合に比べ、パッケージ後のカバーシート表面段差が小さく、より高い機械的強度を有する表示媒体が容易に製造される表示媒体の製造方が提供される。
前記<6>に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、電極間の放電がより確実に防止される表示媒体の製造方法が提供される。
前記<7>に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、電極間の放電がより確実に防止されるほか、電極のパターニングに要するコストが低減され、対向する電極同士の高精度な位置合わせを行わずに表示媒体が製造される表示媒体の製造方法が提供される。
前記<8>に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べ、電極間の放電がより確実に防止される表示媒体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態に係る表示媒体の構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す表示媒体の断面を示す概略図である。(A)第1の可撓性基板の電極と配線部材の配線とが接続している部分 (B)第2の可撓性基板の電極と配線部材の配線とが接続している部分
【図3】他の実施形態に係る表示媒体の断面を示す概略図である。(A)第1の可撓性基板の電極と配線部材の配線とが接続している部分 (B)第2の可撓性基板の電極と配線部材の配線とが接続している部分
【図4】一方の電極の端面が絶縁処理された状態を示す概略断面図である。
【図5】両方の電極の端面が絶縁処理された状態を示す概略断面図である。
【図6】第1の実施形態に係る表示媒体を製造する工程の一例を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係る表示媒体をパッケージングする工程の一例を示す図である。
【図8】従来の表示媒体における電極のパターニングの例を示す図である。(A)両方の可撓性基板に配線部材を接続する場合 (B)片方の可撓性基板に配線部材を接続する場合
【図9】従来の表示媒体の両面から各電極を引き出す場合の製造工程の一例を示す図である。
【図10】従来の表示媒体をパッケージングする工程の一例を示す図である。
【図11】端面における両電極間の放電を示す図である。
【図12】配線部材の接続部分における両電極間の放電を示す図である。
【図13】第2の実施形態に係る表示媒体の構成を示す概略図である。
【図14】第2の実施形態に係る表示媒体の構成を示す概略平面図である。
【図15】図14に示す表示媒体の断面を示す概略図である。(A)A−A’線断面 (B)B−B’線断面
【図16】端子孔内の絶縁処理の例を示す概略図である。
【図17】端子孔内の絶縁処理の他の例を示す概略図である。
【図18】絶縁部材の配置の他の例を示す概略図である。
【図19】絶縁部材を配置しない例を示す概略図である。
【図20】第2の実施形態に係る表示媒体を製造する工程の一例を示す図である。
【図21】基板同士を貼り合せる方法の例を示す概略図である。
【図22】第2の実施形態に係る表示媒体にカバーシートを設ける工程の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図9に示すような方法により表示媒体38を製造する場合、表裏(表示側及び非表示側)の樹脂フィルム12,22上の電極14,24をそれぞれパターン形成するためのエッチング工程が必要であり、製造コストの上昇に繋がる。また、エッチング工程は、通常ウェットエッチングであり、フィルム上へのエッチャントの残渣やコンタミによるフィルム濡れ性のムラにより、表示要素30(有機光導電層32や液晶層36など)の塗布ムラが発生し易く、表示ムラの原因となる。
さらに、貼り合わせの際、表示側樹脂フィルムと非表示側樹脂フィルムの各電極パターンの位置あわせを行なう必要があるが、特にロール・ツー・ロール方式による連続貼り合わせ工程を行う場合、累積したズレを修正して位置あわせを行うことは現実的には困難であり、仮に出来たとしても装置の停止による生産性の低下が発生してしまう。
【0015】
そこで、フィルム上に全面に透明電極を形成した後、パターン形成せずに表示媒体を製造することができれば、製造コストの低下、表示ムラの防止、生産性の向上を図ることができる。しかし、表示側及び非表示側樹脂フィルムを共に透明電極を全面に形成した構成にして媒体外形の型抜きを行うと、両電極14,24が媒体外形端面で露出し、駆動の際、図11に示すように端面における電極14,24間で放電が起こってショートしてしまう。また、図12に示すような配線部材60の接続付近でも電極14,24間で放電が起こってショートし易い。
【0016】
以下、本発明について詳細に説明する。
(1)第1の実施形態
図1は、第1の実施形態の表示媒体の各構成部材を概略的に示している。また、図2(A)(B)は、それぞれ図1におけるA、Bの位置の断面を概略的に示している。
本実施形態に係る表示媒体50は、
片面に透明な第1の電極14が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板10と、
片面に第2の電極24が形成されており、前記第1の可撓性基板10に対し、前記第2の電極24が前記第1の電極14と対向するように配置されている第2の可撓性基板20と、
前記第1及び第2の電極14,24からなる一対の電極間に設けられている表示要素30と、
絶縁基板42の両面に前記一対の電極14,24にそれぞれ対応する配線44a,44bが形成されており、該配線44a,44bの一部がそれぞれ対応する前記一対の電極14,24の一部と重なるように前記第1及び第2の可撓性基板10,20間に挟み込まれている配線部材(フレキシブル基板)40と、
前記配線44a,44bをそれぞれ対応する前記一対の電極14,24と電気的に接続する導電性接着材料46a,46bと、を含み、
前記第1及び第2の可撓性基板10,20間に前記配線部材40が挟み込まれている部分以外では、前記一対の電極14,24のうち一方の電極14は、該電極14が形成されている可撓性基板10の端面で露出せずに前記一対の電極14,24間が絶縁された構成となっている。
【0017】
本実施形態の表示媒体50は、対向する電極14,24が、それらの間に表示要素30が配置される部分のみならず、それぞれ配線44a,44bと接続する部分も上下で重なるように形成されているが、図2(A)(B)に示されるように、電極14,24はそれぞれ対応する配線44a,44bに導電性接着材料46a,46bを介して電気的に接続されているとともに、両電極14,24間は配線部材40(絶縁フィルム42)によって絶縁されている。なお、図3(A)(B)に示すように、第1及び第2の可撓性基板10,20の大きさが異なる表示媒体51としてもよい。
【0018】
一方、第1及び第2の可撓性基板10,20間に配線部材40が挟み込まれている部分以外では、図4で拡大して示したように、一対の電極14,24のうち一方の電極14は、該電極14が形成されている可撓性基板10の端面で露出しないようにパターニングされているとともに該電極14の端面が表示要素30で覆われることで絶縁処理が施されている。なお、両電極14,24間をより確実に絶縁するため、図5に示されるように、両電極14,24が各可撓性基板10,20の端面で露出しないようにパターニングされているとともに端面が表示要素30で覆われることで絶縁処理が施されていてもよい。
【0019】
なお、いずれの電極14,24もパターニングせずに、可撓性基板10,20の端面を絶縁材料でコートして両電極14,24間を絶縁することも可能であるが、例えば表示媒体50の端面の厚さが300μm又はそれ以下となるような薄い場合には絶縁コートは難しくなる。従って、図4及び図5に示したように、少なくとも一方の電極が、該電極が形成されている可撓性基板の端面で露出しないように可撓性基板の縁部よりも内側にパターニングされていることが望ましい。
以下、各構成部材について具体的に説明する。
【0020】
<可撓性基板>
第1及び第2の可撓性基板10,20としては、例えば樹脂フィルム(フィルム基板)12,22にそれぞれ電極14,24を形成したものを用いる。各フィルム12,22は、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート等の高分子フィルムを用いて構成されたものが用いられる。また、光導電層(感光体層)32に有機材料を用いる場合には高温で熱処理をする工程がなく、フレキシブル基板が得られること、成形が容易なこと、コストの点などから光透過性のプラスチック基板を用いることが有利である。
フィルムの厚みは特に限定されないが、例えば、表示媒体の可撓性、軽量性等の観点から、0.01mm〜0.5mmの範囲内とする。
【0021】
なお、光書き込み型表示媒体とする場合は、いわゆる表書き込みタイプと裏書き込みタイプがある。表書き込みタイプでは、表示側から、透明基板/液晶層/接着層/光導電層/遮光層/基板の順で積層された構成となり、非表示側の基板は必ずしも光透過性を有する必要はない。一方、裏書き込みタイプでは、表示側から、透明基板/液晶層/接着層/遮光層/光導電層/透明基板の順で積層された構成となり、表裏両面の基板(フィルム及び電極)として光透過性を有する基板を用いる必要がある。
【0022】
<電極>
両基板の電極14,24は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)を用いる。ITO以外にも、Auなどの金属薄膜、SnO、ZnOなどの酸化物、ポリピロールなどの導電性高分子の薄膜など、透光性の電気導電体を用いてもよい。各電極14,24は、例えばスパッタリングによってフィルム基板の片面全体に形成される。印刷、CVD、蒸着などにより各電極を形成してもよい。
【0023】
なお、電極14,24の形態及び駆動方式としては、例えば両電極共に各可撓性基板上で共通の電極とし、特開2003−140184号公報と特開2000−111942号公報とに記載の駆動方式を用いて駆動させる。あるいは、一対の電極14,24の一方を表示媒体に表示する画像の各画素に共通の電極とし、他方を各画素に個別の電極とするセグメント駆動方式、両電極14,24を互いに直交する方向に各々帯状に形成して、互いに対峙する位置を1つの画素に対応する領域とする単純マトリクス駆動方式、一方の電極を各画素に共通の電極とし、他方を互いに直交する帯状の走査電極及び信号電極からなるものとして、これにTFT等の能動素子を設けるアクティブマトリックス駆動方式等であってもよい。
【0024】
<表示要素>
表示要素30は、表示媒体50の用途、目的等に応じて選択すればよい。例えば、光書き込み型表示媒体とする場合は、電極14,24間に液晶層と光導電層とが積層された構成の表示要素30を設ける。
【0025】
液晶層には、例えばカイラルネマチック液晶(コレステリック液晶)をゼラチンバインダー中に分散させたPDLC(Polymer Network Liquid Crystal)構造を好適に採用できるが、この構造に限ることなく、コレステリック液晶をリブを介し電極間距離を固定したセルに配置する方式やカプセル液晶化することにより実現してもよい。また、液晶もコレステリック液晶に限ることなく、スメクチックA液晶、ネマチック液晶、ディスコティック液晶などが利用できる。
また、カイラルネマチック液晶、表面安定化カイラルスメクチックC液晶、双安定ねじれネマチック液晶、微粒子分散液晶などのメモリー性液晶を用いることにより、本実施形態の表示媒体50を、光記録媒体や画像記録媒体として利用することができる。
【0026】
液晶の光学的特性変化を補助する補助部材として、偏光板、位相差板、反射板などの受動光学部品と併用したり、液晶中に2色性色素を添加したりしてもよい。
なお、液晶層の膜厚は、例えば1〜50μmの範囲とする。
【0027】
液晶材料としては、シアノビフェニル系、フェニルシクロヘキシル系、フェニルベンゾエート系、シクロヘキシルベンゾエート系、アゾメチン系、アゾベンゼン系、ピリミジン系、ジオキサン系、シクロヘキシルシクロヘキサン系、スチルベン系、トラン系など公知の液晶組成物が利用できる。液晶材料には2色性色素などの色素、微粒子などの添加剤を加えてもよく、高分子マトリクス中に分散したものや、高分子ゲル化したものや、マイクロカプセル化したものでもよい。また、液晶は高分子、中分子、低分子のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
【0028】
光導電層としては、(a)無機半導体材料として、アモルファス・シリコンや、ZnSe、CdSなどの化合物半導体からなる層、(b)有機半導体材料として、アントラセン、ポリビニルカルバゾールなどからなる層、(c)光照射によって電荷を発生する電荷発生材料及び電界によって電荷移動を生ずる電荷輸送材料の混合物や積層体からなるいわゆるOPC層などが挙げられる。本実施形態では、光導電層を塗布により形成することが望ましいため、(b)又は(c)の材料を用いることが好適である。
【0029】
前記電荷発生材料としては、例えば、ペリレン系、フタロシアニン系、ビスアゾ系、ジチオピトケロピロール系、スクワリリウム系、アズレニウム系、チアピリリウム・ポリカーボネート系化合物などが挙げられる。また、前記電荷輸送材料としては、例えば、トリニトロフルオレン系、ポリビニルカルバゾール系、オキサジアゾール系、ピラリゾン系、ヒドラゾン系、スチルベン系、トリフェニルアミン系、トリフェニルメタン系、ジアミン系化合物や、LiClOを添加したポリビニルアルコ−ルやポリエチレンオキシドのようなイオン導電性材料などが、また電荷発生材と電荷輸送材との複合体として、積層体、混合物、マイクロカプセルなど、が利用できる。
光導電層の膜厚は、例えば1〜100μmの範囲とし、露光光照射時と露光光非照射時の抵抗比は大きい方が望ましい。
【0030】
さらに、必要に応じて遮光層等を設けてもよい。遮光層は、非表示側からの透過光を遮光する目的で設けられ、外部光源等からなる読出光等の光やOPC層を透過した露光光の波長の少なくとも一部を吸収し、電気抵抗が高い材料が用いられる。遮光層に必要な光学濃度は、光導電層の感度と読出光の強度に依存するため一概に規定できないが、少なくとも遮光すべき波長範囲において、1以上、より好ましくは2以上が望ましい。また、遮光層の電気抵抗は、遮光層内の電流によって解像度の低下を引き起こさないように、少なくとも体積抵抗率で10Ω・cm以上とすることが望ましい。さらに、液晶層に加わる分圧の変化分を大きくするためには、遮光層の静電容量が大きい程よいので、誘電率が大きく膜厚が薄い方が好ましい。
遮光層の層厚は、例えば0.5〜3.0μmの範囲とする。
【0031】
遮光層の素材は、黒色の素材であれば特に限定されるものではないが、例えば、
1)カーボンブラック、アニリンブラックなどの有機顔料、CuO、MnO、Cr、Fe−Cr系顔料、Cu−Fe−Mn系顔料などの無機顔料などの黒色顔料を、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの樹脂バインダ中に分散した黒色塗料、
2)黒色染料で染色された樹脂、
3)カーボンブラックなど黒色素材の蒸着膜
などが利用できる。
この遮光層を水系塗料で形成する場合、そのバインダとしては水溶性樹脂、水/有機溶剤可溶樹脂、水系のエマルジョン・ディスパージョン・ラテックスなどが利用できる。
【0032】
さらに本実施形態においては、可撓性基板10,20上に、ガスバリア層を設けることが望ましい。ガスバリア層は、表示素子の両面側からの気体の透過を抑制し、液晶層等の安定性を高める役割を有する。
【0033】
ガスバリア層の形成としては、酸化ケイ素・酸化アルミニウム系薄膜層の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等の物理蒸着法、あるいはCVD等の化学蒸着法等が適宜用いられる。例えば真空蒸着法を採用する場合は、蒸着原料としてSiOとAlの混合物、あるいはSiOとAlの混合物等が用いられる。加熱には、抵抗加熱、誘導加熱、電子線加熱等を採用することができ、また、反応ガスとして酸素、窒素、水素、アルゴン、炭酸ガス、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を用いた反応性蒸着を採用することも可能である。更に、基材にバイアスを印加したり、基材を加 熱したり冷却する等、成膜条件も任意に変更することができる。上記蒸着材料、反応ガス、基材バイアス、加熱・冷却等は、スパッタリング法やCVD法を採用 する場合にも同様に変更可能である。
ガスバリア層の層厚は、通常10〜5000Åの範囲、好ましくは50〜2000Åの範囲とする。
【0034】
上記のような光導電層と液晶層とが積層された表示要素30とすれば、光導電層に画像情報に対応する露光光を照射すると同時に、電極14,24に電圧を印加することで、メモリー性を有する液晶層に画像パターンが記録される。この画像パターンは、外光を取り込んで反射させることで可視化される。これにより、本実施形態の表示媒体を反射型の画像記録媒体として利用することができる。
【0035】
<配線部材>
配線部材40は、PETやポリイミドのような可撓性を有する絶縁基板(絶縁フィルム)42の両面に、各可撓性基板10,20に形成されている一対の電極14,24にそれぞれ対応する配線44a,44bが形成されている。各配線44a,44bはそれぞれ絶縁基板42の反対側の面で各電極14,24と接続するが、一方の配線44aは絶縁基板42の両面に形成されており、絶縁基板42の厚さ方向に形成されているスルーホールを介して繋がっている。このような構成により、絶縁基板42の各面で導電性接着材料46a,46bを介して各電極14,24と互いに接続された各配線44a,44bは、絶縁基板42の片側の面で外部の配線と接続することができる。
【0036】
<導電性接着材料>
導電性接着材料46a,46bは、電極14,24と配線44a,44bをそれぞれ接着させるとともに、電気的に接続させる。このような接続方法を圧接工法といい、使用される導電性接着材料46a,46bとしては、基板10、基板20がプラスチック材料の場合、半田などの金属材料を用いることは適当でなく、ACF(異方性導電フィルム)やACP(異方性導電ペースト)やNCP(圧接ペースト)などの異方性導電接着材料が好適である。異方性導電接着材料を用いて圧接すれば、基板10と配線部材40を接着させるとともに、厚さ方向、すなわち電極14と配線44aとの間では導電性が確保され、面方向に対しては絶縁性が確保される。圧接ペーストでは、面方向に対しては絶縁性がない。このような異方性導電接着材料は市販されており、例えば、ACFとして、日立化成製のアニアソルムやソニーケミカル製ACF、ACPとしてスリーボンド製3373Cスクリーン印刷型異方導電性接着剤、NCPとして藤倉化成製ドータイト、東洋紡製バイロンなどが挙げられる
【0037】
−表示媒体の製造方法−
次に、本実施形態に係る表示媒体を製造する方法について説明する。本実施形態に係る表示媒体の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ロール・ツー・ロール方式により連続的に製造することが望ましい。
図6は、本実施形態に係る光書き込み型表示媒体を製造する方法の一例を示している。なお、図6(A)〜(L)は、連続的な表示媒体の配列の一部を示したものであり、ロール・ツー・ロール方式で製造する場合は、同様の構成の電極、表示要素等が連なった表示媒体ベースが製造される。
【0038】
まず、透明なフィルム12の片面に透明な第1の電極14が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板10と、他のフィルム22の片面に第1の電極14とは極性が異なる第2の電極24が形成されている第2の可撓性基板20とを用意する(図6(A)、(G))。
具体的には、ロール状に巻きつけた長尺の透明なフィルム12,22を用い、それぞれスパッタリング等により片面全体にITO透明電極14,24を形成する。
【0039】
次に、第1の可撓性基板10は、第1及び第2の可撓性基板10,20間に配線部材40が挟み込まれている部分以外では、該可撓性基板10に形成されている電極14が該可撓性基板10の端面で露出しないようにパターニングする(図6(B))。例えば、可撓性基板10の片面全体に形成されている電極14の一部を、フォトリソグラフィによりエッチングして除去することで所望のパターン形状とする。
【0040】
次いで、第1の可撓性基板10上の表示部となる領域に光導電層32を形成する(図6(C))。光導電層32となる材料を、第1の可撓性基板10上の電極14のうち配線部材40の配線44aと接続させる部分14aを除いて電極14を覆うように帯状に塗布し、乾燥させることで光導電層32が形成される。
光導電層32を形成するための塗布液は、例えば、前述の電荷発生層、電荷輸送層に好適に用いられる材料を各々溶剤に溶解または分散させて作製する。
この場合、溶剤としては水、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、クロルベンゼン、トルエン等の通常の溶剤を単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0041】
光導電層32としては、前記のように塗布により膜形成が行われることから、前記OPC層であることが望ましく、OPC層としては電荷輸送層の上部及び下部に各々電荷発生層(CGL)を設けたいわゆるデュアルCGL構造とすることが望ましい。
【0042】
表示要素30を構成する各層の形成方法としては、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、ダイコート法、インクジェット法、などの塗布法が用いられる。
表示要素30の膜厚は、10〜100μmの範囲程度とすることが望ましい。
【0043】
光導電層32を形成した後、ラミネート用マスキングを施す(図6(D))。具体的には、配線部材40の配線44aと電気的に接続させる電極14の接続部14aを除き、配線部材40を接着させる領域12bと光導電層32にラミネート材料(接着剤)34が塗布されるようにマスキング18を施す。
【0044】
ラミネート材料34を塗布した後、マスク18を剥離する(図6(E))。ラミネート材料34は、絶縁性のものであれば特に限定されず、アクリレート系、ウレタン系、シアノアクリレート系、シリコーン系、イソプレンなどのゴム系、エチレン−酢酸ビニル共重合体など、公知の接着剤が利用できる。接着剤のタイプは、2液硬化型、熱硬化型、湿気硬化型、紫外線硬化型、ホットメルト型、感圧型(粘着剤)など特に限定しない。
なお、このようなラミネート材料34を設けることは必須ではないが、配線部材40を接着させる領域12bにも塗布しておくことで、可撓性基板10に配線部材40をより確実に接着させることができる。ラミネート材料は遮光層を兼ねることができる。
【0045】
マスク18を剥離した後、配線部材40を貼り合わせる(図6(F))。
配線部材40は、絶縁フィルム42の両面に各可撓性基板10,20に形成されている一対の電極14,24にそれぞれ対応する配線44a,44bが形成されている。第1の可撓性基板10の電極14の接続部(端子)14aが配線部材40の対応する配線44aの一部と重なるように、ACPやACFなどの導電性接着材料46aを介して配線部材40を貼り合わせる。
【0046】
一方、第2の可撓性基板20は、可撓性基板20の片面全体に形成した電極24をパターニングせずに、電極24上に液晶層36を形成する。ここで、液晶層36は、第1の可撓性基板10上に設けた光導電層32と重なって表示要素30を構成する位置に形成する(図6(H))。
【0047】
液晶層36は、バインダ中に前述の液晶材料を分散して構成される。液晶材料には色素、微粒子などの添加物を加えてもよい。また、架橋性高分子や水素結合性ゲル化剤などを用いてゲル化したものでもよく、また、高分子液晶、中分子液晶、低分子液晶のいずれでもよく、またこれらの混合物でもよい。
【0048】
液晶材料は固相、液相のいずれでもよい。また、液晶材料はバインダ中で孤立分散していても、連通してバインダ中で連続相をなしていてもよい。
バインダは表示材料を分散保持するためのもので、透光性を有し、適度な強度を持つ素材を用いる。このような素材としてはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン樹脂、ビニル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂などの樹脂や、ガラス、セラミックなどが利用できる。バインダは必ずしも無色である必要はなく、表示効果を考慮して所望の色に着色してもよい。バインダの硬さは、ある程度軟質の方が貼合時に変形して気泡が残留しにくいため好ましい。
【0049】
液晶層36を形成するための塗布液としては、液晶材料が固相の場合には、バインダまたはその溶液へ撹拌・混合することでこれをバインダ中に分散することにより得られる。表示材料が液晶の場合には以下の方法でバインダ中に分散できる。
(1)液晶材料を芯材料としたマイクロカプセルを形成してこれをバインダ中に分散する方法、
(2)液晶材料と非相溶なバインダ溶液中に分散してこれを乾燥する方法、
(3)バインダと液晶材料とを溶媒・加熱等の相溶化手段を用いて一旦均一に溶解し、次いで熱や光などの外部刺激を加えて表示材料とバインダとを相分離させる方法、
などがある。
【0050】
(1)のマイクロカプセルを作製する方法としては、相分離法、液中乾燥法、融解分散冷却法、スプレードライング法、パンコーティング法、気中懸濁被覆法、粉床法などの各種界面沈積法や、界面重合法、in situ重合法、液中硬化被覆法などの界面反応法などを用いることができる。マイクロカプセルの殻の材料としては、ゼラチン−アラビアゴム系、ポリビニルアルコール基剤系、ポリアミド基剤系、ポリウレタン、ポリウレア基剤系、尿素ホルムアルデヒド基剤系などを用いることができる。
【0051】
(2)の方法としては、ポリビニルアルコール、アルキルセルロース、ゼラチンなど水溶性高分子の水溶液中に、液晶材料のような非水溶性の表示材料を分散して、これを塗布・乾燥する方法が一例として挙げられる。
【0052】
(3)の相分離方法としては、
(a)溶媒誘起相分離法:樹脂と液晶材料とを共溶媒に溶解して均一溶液として溶媒乾燥によって相分離を誘起する方法、
(b)熱誘起相分離法:樹脂と液晶材料とを加熱・溶融して均一溶液として冷却によって相分離を誘起する方法、
(c)重合相分離法:重合性モノマーやオリゴマーと液晶材料との混合溶液を、光、熱、電子線、硬化剤添加などで重合を開始せしめ、相分離を誘起する方法、などが利用できる。
【0053】
第2の可撓性基板20上に液晶層36を形成した後、後の工程において、配線部材40の配線44a,44bの一部を露出させ易いように可撓性基板20の所定の位置に切り込み26を入れる(図6(I))。このような切り込み26を入れておくことは必須ではないが、第1及び第2の可撓性基板10,20を貼りあわせたときに、第2の可撓性基板20上の配線部材40の各配線44a,44bが位置する部分に予め切り込み26を入れておくことで、後に行う型抜き工程において配線部材40の各配線44a,44bの露出が容易となる。
【0054】
次いで、第1の可撓性基板10に設けたラミネート材料34を介して、第1及び第2の電極14,24が対向するように第1及び第2の可撓性基板10,20を貼り合わせる(図6(J))。このとき、第2の可撓性基板20上の電極14はパターニングされずに可撓性基板20の片面全体に形成されているため、電極同士14,24の位置合わせを行う必要はなく、液晶層36を設けた領域以外で電極24の一部が配線部材40の対応する配線44bの一部と重なるように貼り合わせればよい。
一方、第2の可撓性基板20上の電極24と配線部材40の対応する配線44bは、ACPやACFなど異方性導電接着材料46bを介して貼り合わせることで接着されるともに電気的に接続される。
【0055】
貼り合わせの際、必要に応じ、圧着、加熱、光照射等により第1及び第2の可撓性基板10,20を確実に貼り合わせる。これにより、第1及び第2の可撓性基板10,20にそれぞれ形成されている一対の電極14,24間に表示要素30(32,36)が設けられることになる。また、電極14,24はそれぞれ導電性接着材料46a,46bを介して対応する配線44a,44bと電気的に接続されるとともに、配線部材40(絶縁フィルム42)が第1及び第2の可撓性基板10,20間に挟み込まれていることで、電極14,24間は絶縁が確保される。なお、配線部材40が第1及び第2の可撓性基板10,20と重なってそれぞれ接続されているので、いずれか一方の可撓性基板に接続している場合よりも強固に接続される。
【0056】
貼り合わせ後、複数の表示媒体が配列された表示媒体ベースを、切断、打ち抜き等により、それぞれ所望の大きさ及び形状28を有する表示媒体50に成形する(図6(K))。切断による場合、切断方法としては、YAGレーザや炭酸ガスレーザを用いる方法、打ち抜きによる場合、打抜き法としては、金型抜き打ち法、トムソン刃を用いる方法、押し切り刃を用いる方法等が挙げられる。
【0057】
打ち抜き等により、第2の可撓性基板20は、予め設けた切り込み26と打ち抜かれた部分28により囲まれ、かつ、接着していない部分が容易に離脱することで、配線部材40の各配線44a,44bの一部が露出する。これにより、個々の表示媒体50が得られる(図6(L))。
【0058】
打ち抜かれた表示媒体50は既に配線部材40が取り付けられているため、図7に示されるように、表示媒体50をそのままコアシート56の孔56aに挿入するとともに、それぞれ窓52a,54aが形成された表裏のカバーシート52,54でコアシート56を挟み込んで真空ヒートプレス等によりラミネートする。さらに、所定のパッケージ形状に外形を打ち抜き、YAGレーザや炭酸ガスレーザーを用いたレーザ加工等により表面のカバーシート52における所定の位置に孔を形成し、必要に応じて配線部材40の配線44a,44bに電極端子部58a,58bを取り付ける。
【0059】
以上のようにして、本実施形態の表示媒体を得ることができる。
なお、光導電層及び液晶層の積層順は限定されず、目的に応じて形成すればよい。また、液晶層36を第1の可撓性基板10上に、光導電層32を第2の可撓性基板20上に設けて貼りあわせてもよいし、一方の可撓性基板上に光導電層32及び液晶層36を設けて、これに他方の可撓性基板を貼りあわせてもよい。また、適宜、遮光層、密着力を向上させるためのアンカーコート層、絶縁層等、種々の機能層を設けてもよい。また、表示部以外の透明電極に導電性インクを塗布して、透明電極を保強してもよい。
【0060】
(2)第2の実施形態
図13は、第2の実施形態の表示媒体の各構成部材を概略的に示している。また、図14は、本実施形態に係る表示媒体の平面を概略的に示している。さらに、図15(A)は、図14におけるA−A’線の断面を、図15(B)は、図14におけるB−B’線の断面をそれぞれ概略的に示している。なお、第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と実質的に同様の機能を有する部材については第1の実施形態と同じ符号を用い、説明を適宜省略する。
【0061】
本実施形態に係る表示媒体70は、
片面に透明な第1の電極14が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板10と、
片面に第2の電極24が形成されており、前記第1の可撓性基板10に対し、前記第2の電極24が前記第1の電極14と対向するように配置されている第2の可撓性基板20と、
前記第1及び第2の電極14,24からなる一対の電極間に設けられている表示要素30a,30bと、
前記第1の電極14の一部14aに重なるとともに、導電性接着材料46aを介して電気的に接続されている第1の電極端子45aと、
前記第2の電極24の一部に重なるとともに、導電性接着材料46bを介して電気的に接続されている第2の電極端子45bと、
前記第1及び第2の可撓性基板10,20のうち一方の基板10側に設けられており、前記第1の電極端子45aを介して前記第1の電極14を電気的に引き出す第1の端子孔43aと、
前記第1の端子孔43aと同じ基板10側に設けられており、前記第2の電極端子45bを介して前記第2の電極24を電気的に引き出す第2の端子孔43bと、
を含み、
前記一対の電極14,24のうち少なくとも一方の電極14は、該電極14が形成されている可撓性基板10の端面で露出せずに前記一対の電極14,24間が絶縁された構成となっている。
【0062】
図13及び図14に示されるように、一方の基板10側の電極14は基板10(樹脂フィルム12)の端面で露出しないようにパターニングされており、他方の基板20側の電極24はパターニングされずに基板20(樹脂フィルム22)の片面全体に形成されている。
また、各表示要素30a,30bは、表示エリア領域(例えばパターン電極14が形成されている領域)以上で、かつ、各電極端子45a,45bに重ならない位置に形成されている。
【0063】
一方、接着層(粘着層)34は、表示要素30a,30b及び両基板10,20を一体化させるとともに、絶縁層を兼ねており、電極端子45a、45bがそれぞれ配置される領域も含めて両基板10,20全体に重なるように形成されている。これにより、図15(A)に示されるように、パターン電極14は可撓性基板10の端面で露出せず、電極14,24間では絶縁されている。なお、両電極14,24が各可撓性基板10,20の端面で露出しないようにパターニングされているとともに、各電極14,24の端面が表示要素30a,30b又は接着層34で覆われることで絶縁されていてもよい。
【0064】
表示エリアの外では、図15(B)に示されるように電極端子45aは導電性材料46aを介してパターン電極14の一部14aと電気的に接続されており、電極端子45bは非パターン電極24の一部と電気的に接続されている。また、基板10には、各電極端子45a,45bをそれぞれ外部に露出させるための孔43a,43bが形成されている。
非パターン電極24用の電極端子45bの位置は、表示エリア外であれば特に限定されないが、対向するパターン電極14や電極端子45aと重なるように配置されると、電極端子45bとパターン電極14又は電極端子45aとが接触して短絡するおそれがある。従って、電極端子45bは、パターン電極14や電極端子45aと重ならないように配置され、電極端子45bを露出させて電極24を電気的に引き出す端子孔43bは、パターン電極14が存在しない領域に形成されていることが好ましい。
【0065】
ただし、非パターン電極24用の端子孔43bが形成されたときに端子孔43b内でパターン電極14が露出した場合は、図16に示すように、端子孔43b内で電極14が露出している部分に絶縁処理を施せばよい。絶縁処理としては、例えば電極14の露出部を高圧放電によって破壊(消滅)する方法、端子孔43b内をアクリル樹脂、エポキシ樹脂などの絶縁膜41でコーティングする方法などが挙げられる。
また、非パターン電極24が形成されている基板20側に端子孔43a,43bを設けてもよい。この場合は、パターン電極14用の端子孔43a内で非パターン電極24が露出することになるが、図17に示すように、絶縁膜41などにより絶縁処理を施すことで電極14,24間の短絡が防止される。なお、図16及び図17では導電性接着材料46a,46bは省略されている。
【0066】
電極端子45aと非パターン電極24との間には絶縁部材47が配置されている。電極端子45aと非パターン電極24との間には絶縁層を兼ねた接着層34が介在し、さらに絶縁部材47が配置されていることで、電極端子45aと非パターン電極24との絶縁状態がより確実に確保される。
絶縁部材47は、図18に示されるように、電極端子45aを覆うように絶縁部材47aを設けてもよい。なお、絶縁部材を設けなくても、図19に示すように、絶縁層を兼ねた接着層34によって電極端子45aと非パターン電極24との絶縁状態は確保される。ただし、電極端子45aと非パターン電極24との間では接着層34の厚みが一層薄くなるため、絶縁部材47,47aを設けることが好ましい。
【0067】
このような構成により、本実施形態に係る表示媒体70では、各電極14,24の一部にそれぞれ電極端子45a,45bが重なって電気的に接続しているとともに、各電極端子45a,45bは、一方の基板10に形成されている孔43a,43bを通じて外部の配線と接続される。これにより、電極14,24も電極端子45a,45bを介して外部に電気的に接続されることになる。そして、本実施形態に係る表示媒体70は、第1の実施形態と同様に、基板10,20の端面において電極14,24間が絶縁されているため放電や短絡が効果的に抑制されるとともに、一方の基板10側から各電極14,24が取り出される。さらに、基板10,20間に電極端子45a,45bが挟み込まれる構造のため、第1の実施形態のような表示媒体50を製造する際、図6及び図7に示したように対向する基板10,20間に配線部材40を挟み込み、一方の基板20の一部をカットして配線部材40を外部の配線と接続させる構成と比較して、パッケージ後のカバーシート表面段差が小さく、電極周辺の剛性が高いものとなる。
【0068】
−表示媒体の製造方法−
次に、本実施形態に係る表示媒体を製造する方法について説明する。本実施形態に係る表示媒体の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、図20に示すような工程に従って製造される。
【0069】
片面に透明な第1の電極14が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板10と、片面に第2の電極24が形成されている第2の可撓性基板20を用意する(図20(A)、(G))。
例えば、樹脂フィルム12の片面全体にITO膜が形成されている可撓性基板10,20を用意し(図20(A))、一方の基板10の表示エリア外に基準位置用の孔13を加工するとともに(図20(B))、フォトリソグラフィ法等によりITO膜をエッチングして所定の形状にパターニングする(図20(C))。ここで、電極14は基板10の端面で露出しないようにパターニングする。
【0070】
次いで、第1の電極(パターン電極)14の一部14aに第1の電極端子45aを、第2の電極(非パターン電極)24の一部に第2の電極端子45bを、それぞれ導電性接着材料46a,46bを介して接着させるとともに、第1及び第2の可撓性基板10,20を、第1及び第2の電極14,24からなる一対の電極を対向させて、該一対の電極14,24間に表示要素30a,30bを設けて貼り合わせる(図20(D)〜(I))。
【0071】
電極端子45a、45bとしては、銅箔などの金属板(金属フィルム)もしくはポリイミドなどの樹脂に銅箔などの金属板を張り合わせたもの(フレキシブル基板)が好適である。ここで、図21(A)〜(D)は、それぞれ第1及び第2の可撓性基板10,20を貼り合せる方法を示しており、これらのいずれかの方法を採用すればよい。
(A)パターン電極14の接続部14aに電極端子45aを、非パターン電極24の一部に電極端子45bをそれぞれ接着し、パターン電極14側に設けた接着層34を介して両基板10,20を貼り合わせる(図21(A))。
(B)パターン電極14の接続部14aに電極端子45aを、非パターン電極24の一部に電極端子45bをそれぞれ接着し、非パターン電極24側に設けた接着層34を介して両基板10,20を貼り合わせる(図21(B))。
(C)パターン電極14の接続部14aに電極端子45aを接着した後、基板10に接着層34を設け、該接着層34に非パターン電極24用の電極端子45bを貼り付けてから両基板10,20を貼り合わせる(図21(C))。
(D)非パターン電極24の接続部に電極端子45bを接着した後、非パターン電極24側に接着層34を設け、該接着層34にパターン電極14用の電極端子45aを貼り付けてから両基板10,20を貼り合わせる(図21(D))。
上記(A)、(B)、(D)の各方法は、基板10,20を貼り合わせる際、位置合わせが必要であるが、(C)の方法では位置合わせが不要であるため、有利である。
【0072】
例えば、電極端子45aの片面に導電性接着材料46aを設け、導電性接着材料46aを介して電極端子45aを基板10のパターン電極14の接続部14aにヒートプレス機82によって仮止めする(図20(D))。
次いで、パターン電極14に接着した電極端子45aの露出面を覆うように絶縁部材47を配置する(図20(E))。
【0073】
なお、基板10のパターン電極14側の表示エリアには表示要素30a(図20では不図示)を設けておく。また、第2の可撓性基板20の非パターン電極24側の表示エリアには表示要素30b(図20では不図示)を設けておく。
【0074】
次いで、基板10の電極14が形成されている側の全体に粘着材(接着層)34を付与する(図20(F))。さらに、基板10側の接着層34を介して非パターン電極24側の電極端子45bを設ける(図20(G))。
【0075】
次いで、第1及び第2の可撓性基板10,20を、第1及び第2の電極14,24からなる一対の電極を対向させ、該一対の電極14,24間に表示要素30a,30bが挟まれるように貼り合わせる。このとき、図13に示したように、絶縁層を兼ねた接着層34が、表示要素30a,30b間に位置するとともに、両基板10,20の全体に配置されるようにする。これにより、パターン電極14は可撓性基板10の端面で露出せず、かつ、電極14,24間の絶縁が確保される。
【0076】
例えば、重ね合わせた基板10,20を対向する2つのローラ84の間に通して貼り合わせる(図20(H))。次いで、両基板10,20の外側からヒートプレス機80によって加熱及び加圧を施し、各電極端子45a,45bを各電極14,24に確実に接着させる(図20(I))。このとき、基板10側のパターン電極14に電気的に接続している電極端子45aと、基板20側の非パターン電極24との間には、絶縁層を兼ねた接着層34が配置されているため、絶縁が確保され、さらに、絶縁部材47も配置されていることで絶縁がより確実に確保される。
【0077】
次いで、貼り合わせた第1及び第2の可撓性基板10,20のうち一方の基板10側に、第1の電極端子45aを介して第1の電極14を電気的に引き出す第1の端子孔43aと、第2の電極端子45bを介して第2の電極24を電気的に引き出す第2の端子孔43bをそれぞれ設ける(図20(J))。
例えば、各電極端子45a,45bの中央部を狙って基板10側から2箇所にレーザー加工を施して端子孔43a,43bを形成する。レーザマーカのパワーを調整することで、電極端子45a,45bにはほとんどダメージを与えずに孔43a,43bが形成される。
【0078】
端子孔43a,43bを形成した後、各孔43a,43bの底部に残留する炭化物49a,49bを除去する(図20(K))。炭化物49a,49bを除去する方法としては、例えば、有機溶剤などを含浸したウェブやブラシで拭い取り除去する方法などが挙げられる。
炭化物49a,49bを除去した後、不要部分を切断する(図20(L))。これにより、表示媒体70が得られる。
【0079】
これらの工程は、例えばロールツーロールによって連続的に行われる。具体的には、樹脂フィルム12に基準位置用の孔13とパターン電極14を予め形成した可撓性基板10、絶縁部材(絶縁フィルム)47、粘着材料(粘着フィルム)34、樹脂フィルム22に非パターン電極24を予め形成した可撓性基板20をそれぞれ巻いたロールを用意し、各ロールから各部材を巻き出す。巻き出された可撓性基板10に対し、電極端子45a、絶縁部材47、粘着材料34、電極端子45b、可撓性基板20を順次貼り付ける。このとき、電極端子45a、粘着材料34、及び電極端子45bについては、可撓性基板10の基準位置用の孔もしくはマーク13を検出することで精度良く貼り付けられる。
【0080】
表示媒体70は、両面にカバーシートを設けてパッケージする。カバーシートも表示媒体70に対してロール・ツー・ロールによってラミネートしてもよい。
例えば、基板10,20同士を貼り合わせた後、端子孔43a,43bを形成する前に、基準位置用の孔13を含むように切断する。次いで、図22に示すように、ロール57からカバーシート54を巻き出して搬送ロール90によって搬送するとともにセパレータ54bが剥離されたカバーシート54上に表示媒体70を配置して貼り合せる(図22(A))。表示媒体70の反対側の面にも、同様にしてロール53から巻き出されてセパレータ52bが剥離されたカバーシート52を貼り合せて貼り合わせローラ92を通過させる(図22(B))。
【0081】
両面にカバーシート52,54が貼り合わされた表示媒体70に対し、位置検出手段94によって基準孔13を検出し、レーザー加工手段96により端子孔43a,43bを形成する(図22(C))。続いて、基準孔13に基づき端子孔43a,43b内の炭化物を除去する(図22(D))。さらに、表示媒体70の外形に沿ってカバーシートを切断する(図22(E))。
【0082】
以上の説明では、両基板に共通電極を設けた主に光書込型の表示媒体(電子ペーパー)の場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、両電極間に、例えば、有機EL層、マイクロカプセル等の表示要素を設けて表示を行う表示媒体であればいずれにも適用することができる。例えば、電極をストライプ状に加工して単純マトリクス型の表示素子としてもよい。あるいは表示と反対側の面の基板上に薄膜トランジスタ、薄膜ダイオードなどの能動素子を設けてアクティブマトリクス駆動型の表示媒体としてもよい。
【0083】
また、本発明は、一方の可撓性基板の電極をパターニングする場合に限定されるものではなく、例えば、第1の実施形態では、両方の可撓性基板の電極をパターニングすることで、両基板間に配線部材が挟み込まれている部分以外でも両電極間の端部がより確実に絶縁されている表示媒体としてもよい。あるいは、両基板の電極ともパターニングを行わず全面に電極を形成したまま表示要素となる各層を形成して両基板間に配線部材を挟み込むとともに、両基板間に配線部材が挟み込まれている部分以外では、少なくとも一方の電極の端面を絶縁シールすることで電極間が絶縁されている表示媒体としてもよい。
【符号の説明】
【0084】
10 可撓性基板
12 フィルム
13 基準孔もしくはマーク
14,24 電極
14a,24a 接続部
18 マスク
20 可撓性基板
22 フィルム
24a,24b 接続部
30 表示要素
30a,30b 表示要素
32 光導電層
34 ラミネート材料(接着層)
36 液晶層
40 配線部材(フレキシブル基板)
41 絶縁膜
42 絶縁基板(絶縁フィルム)
43a,43b 端子孔
44a,44b 配線
45a,45b 電極端子
46a,46b 導電性接着材料
47,47a 絶縁部材
49a,49b 炭化物
50,51 表示媒体
52b,54b セパレータ
53 ロール
57 ロール
70 表示媒体
80 ヒートプレス機
82 ヒートプレス機
84 ローラ
90 搬送ロール
92 ローラ
94 位置検出手段
96 レーザー加工手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
片面に透明な第1の電極が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板と、
片面に第2の電極が形成されており、前記第1の可撓性基板に対し、前記第2の電極が前記第1の電極と対向するように配置されている第2の可撓性基板と、
前記第1及び第2の電極からなる一対の電極間に設けられている表示要素と、
前記第1の電極の一部に重なるとともに導電性接着材料を介して電気的に接続されている第1の電極端子と、
前記第2の電極の一部に重なるとともに導電性接着材料を介して電気的に接続されている第2の電極端子と、
前記第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板側に設けられており、前記第1の電極端子を介して前記第1の電極を電気的に引き出す第1の端子孔と、
前記第1の端子孔と同じ基板側に設けられており、前記第2の電極端子を介して前記第2の電極を電気的に引き出す第2の端子孔と、
を含み、
前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極は、該電極が形成されている可撓性基板の端面で露出せずに前記一対の電極間が絶縁されていることを特徴とする表示媒体。
【請求項2】
前記第1及び第2の可撓性基板のうち少なくとも一方の基板に形成されている電極は、該基板の端面で該電極が露出しないようにパターニングされており、該電極がパターニングされている一方の基板の前記電極のパターンが存在しない領域に、他方の基板に形成されている電極を電気的に引き出す前記端子孔が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示媒体。
【請求項3】
前記第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板に形成されている電極は、該基板の端面で該電極が露出しないようにパターニングされており、他方の基板に形成されている電極は、該基板の片面全体にパターニングされずに形成されていることを特徴とする請求項2に記載の表示媒体。
【請求項4】
前記第1及び第2の端子孔が設けられている基板に形成されている電極に電気的に接続している電極端子と、他方の基板に形成されている電極との間に、絶縁部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の表示媒体。
【請求項5】
片面に透明な第1の電極が形成されており、光透過性を有する第1の可撓性基板と、片面に第2の電極が形成されている第2の可撓性基板とを用意する工程と、
前記第1の電極の一部に第1の電極端子を、前記第2の電極の一部に第2の電極端子を、それぞれ導電性接着材料を介して接着させるとともに、前記第1及び第2の可撓性基板を、前記第1及び第2の電極からなる一対の電極を対向させて、該一対の電極間に表示要素を設けて貼り合わせる工程と、
前記貼り合わせた第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板側に、前記第1の電極端子を介して前記第1の電極を電気的に引き出す第1の端子孔と、前記第2の電極端子を介して前記第2の電極を電気的に引き出す第2の端子孔をそれぞれ設ける工程と、
前記一対の電極のうち少なくとも一方の電極を、該電極が形成されている可撓性基板の端面で露出させずに前記一対の電極間を絶縁する工程と、
を含むことを特徴とする表示媒体の製造方法。
【請求項6】
前記第1及び第2の可撓性基板のうち少なくとも一方の基板は、該基板の端面で電極が露出しないようにパターニングされているものを用い、該電極がパターニングされている一方の基板側に前記第1及び第2の端子孔を設け、かつ、該第1及び第2の端子孔のうち、他方の基板に形成されている電極を電気的に引き出す前記端子孔は、前記一方の基板の前記電極のパターンが存在しない領域に設けることを特徴とする請求項5に記載の表示媒体の製造方法。
【請求項7】
前記第1及び第2の可撓性基板のうち一方の基板は、該基板の端面で電極が露出しないようにパターニングされているものを用い、他方の基板は、該基板の片面全体に電極がパターニングされずに形成されているものを用いることを特徴とする請求項6に記載の表示媒体の製造方法。
【請求項8】
前記第1及び第2の端子孔が設けられる基板に形成されている電極に電気的に接続している電極端子と、他方の基板に形成されている電極との間に、絶縁部材を配置することを特徴とする請求項5〜請求項7のいずれか一項に記載の表示媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図6】
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【図9】
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【図13】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−191142(P2010−191142A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−34928(P2009−34928)
【出願日】平成21年2月18日(2009.2.18)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】