説明

表示装置、情報処理装置、及び表示システム

【課題】簡易な処理により、無線端末に対して通信を許可する。
【解決手段】表示装置は、表示画面に画像を表示する表示手段と、通信を行う通信手段と、無線端末の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された前記無線端末の位置に従って、前記無線端末が前記表示画面に接触したか否かを判別する判別手段と、前記無線端末が前記表示画面に接触したと前記判別手段により判別された場合、前記通信手段による前記無線端末との間の通信を許可する制御手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、情報処理装置、及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、会議室でのプレゼンテーション資料を大画面で投影する表示装置として例えば、ディスプレイやプロジェクタが知られている。例えば、机面に投影するタイプのプロジェクタは、会議の参加者全員で投影画面をみて情報共有や、ディスッションしたりするコミニュケーションツールとして活用されている。また、ディスプレイであっても同様である。
【0003】
特許文献1には、画像処理装置100において、タッチパネル104上に携帯情報端末200が置かれた場合、無線通信応答701によってこれを認識することが記載されている(特許文献1の図10参照)。具体的には、画像処理装置100内のコントローラ部201は、タッチパネル104上に物体が置かれた場合に発生する入力信号を検出すると、無線通信部206を制御し、問い合わせのIQパケットをブロードキャスト送信させる(特許文献1の図7参照)。コントローラ部201は、無線通信部206を制御し、タッチパネル104上に置かれた物体からの通信応答の有無を検知させる。コントローラ部201は、通信応答があれば、タッチパネル104上に置かれた物体が携帯情報端末200であると判断して、処理を通信モードに遷移する。一方、コントローラ部201は、通信応答がなければ、タッチパネル104上に置かれた物体がユーザの指であると判断して、処理を操作モードに遷移する。これにより、特許文献1によれば、タッチパネル104への接触物が携帯情報端末かユーザの指であるかに応じた適切な表示を行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−123476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、コントローラ部201が、処理を通信モードに遷移した後に、携帯情報端末200との間にピコネット(ポイント・トゥ・ポイント接続のネットワーク)を形成している。すなわち、特許文献1の技術では、コントローラ部201が、携帯情報端末200に対して画像処理装置100との間の通信を許可するために、無線通信部206を制御して、問い合わせのIQパケットをブロードキャスト送信することが必要ある。また、コントローラ部201が、無線通信部206を制御して、送信したものと同じIQパケットの受信の有無を所定の期間中検知し続ける必要がある。このため、携帯情報端末200に対して画像処理装置100との間の通信を許可するための処理が全体として複雑になる。
【0006】
上記の机面に投影するタイプのプロジェクタにより画像が表示された投影画面内やディスプレイに表示された画面内に、さらに無線端末に関連した情報を表示したいとの要求がある。このとき、プロジェクタには、投影するための画像データをへ供給するPC(Personal Computer)が接続されているとする。この場合、上記の要求を満たすために、PCと無線端末との間の通信を許可するための複雑な認証処理が必要となる。
【0007】
本発明の目的は、簡易な処理により、無線端末に対して通信を許可することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1つの側面に係る表示装置は、表示画面に画像を表示する表示手段と、通信を行う通信手段と、無線端末の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段により検出された前記無線端末の位置に従って、前記無線端末が前記表示画面に接触したか否かを判別する判別手段と、前記無線端末が前記表示画面に接触したと前記判別手段により判別された場合、前記通信手段による前記無線端末との間の通信を許可する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、簡易な処理により、無線端末に対して通信を許可することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図。
【図2】第1実施形における表示装置の構成を示す図。
【図3】第1実施形における情報処理装置の構成を示す図。
【図4】投影画面までの距離の算出方法を示した図。
【図5】無線端末を認証する処理の流れ図。
【図6】表示装置の投影画面に無線端末が置かれたこと状態を示す図。
【図7】第2実施形態に係る表示システムの概略構成を示す図。
【図8】第2実施形態における表示装置の構成を示す図。
【図9】第2実施形態における情報処理装置の構成を示す図。
【図10】表示装置の投影画面のサイズを算出する処理の流れを示した図。
【図11】無線端末を認証する処理の流れ図。
【図12】第3実施形態における表示装置の構成を示す図。
【図13】無線端末が制御エリアに置かれたときの処理の流れを示した図。
【図14】表示オブジェクト及びその制御エリアを示す図。
【図15】表示オブジェクト及びその制御エリアを示す図。
【図16】無線端末が制御エリアに置かれたときの動作例を示した表。
【図17】無線端末が制御エリアに置かれたときの動作例を示した表。
【図18】第4実施形態における情報処理装置の構成を示す図。
【図19】第5実施形態における表示装置の構成を示す図。
【図20】処理メニュー表示処理の流れを示した図。
【図21】通信許可端末リストの一例を示す図。
【図22】パターンリストの一例を示す図。
【図23】第1の表示オブジェクト及び第2の表示オブジェクトを示す図。
【図24】第1の表示オブジェクト及び第2の表示オブジェクトを示す図。
【図25】第6実施形態における情報処理装置の構成を示す図。
【図26】変形例に係る表示システムの概略構成を示す図。
【図27】変形例における表示装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の第1実施形態に係る表示システムDS1の概略構成を、図1を用いて説明する。
【0012】
表示システムDS1は、無線端末200、表示装置100、情報処理装置400、及び少なくとも3つの通信機器301〜303を備える。
【0013】
無線端末200は、表示装置100や情報処理装置400との間でデータを送受信する通信が可能な装置である。無線端末200は、表示装置100との間で無線LANを介した通信が許可されれば、表示装置100と通信を行うことが可能になる。無線端末200は、例えば、デジタルカメラ、ビデオカメラ、PDAなどの携帯情報端末、携帯電話などの移動体通信端末、小型プリンタ、又は、ゲーム機を含む。あるいは、無線端末200は、音声、画像、制御データなどをやりとりする他の装置であってもよい。
【0014】
表示装置100は、画像データに従って変調された光を投影することにより、投影画面(表示画面)001を形成し、画像データに応じた画像を投影画面001に表示する。表示装置100は、例えば、プロジェクタを含む。画像データは、例えば、表示装置本体の記憶部(ストレージ)に記憶されている、あるいは、情報処理装置400から無線LANを介して表示装置100が画像データを受信してその記憶部に格納したものである。
【0015】
情報処理装置400は、例えばパソコンなどであり、表示装置100との間で無線LANを介して表示すべき画像の画像データを表示装置100へ送信する。また、VGAケーブルなどを介しても、USBケーブルを介しても良く、他のどのような通信手段で画像データを転送できればよい。
【0016】
各通信機器301〜303は、投影画面(表示画面)001の周囲に配されている。各通信機器301〜303は、表示装置100との間で通信が許可されている。各通信機器301〜303は、例えば、無線LANにおけるアクセスポイントを含む。表示装置100は、無線LANを介して各通信機器301〜303と通信を行うことが可能である。
【0017】
次に、表示装置100の構成を、図2を用いて説明する。
【0018】
表示装置100は、制御部101、メモリ102、記憶部110、画像処理部103、投影制御部(表示手段)104、距離検出部105、投影レンズ位置検出部106、画像入力部107、通信部120、及び入力制御部130を備える。表示装置100は、撮像部141、及び信号処理部142を備える。
【0019】
制御部101は、SRAM、DRAM等からなるメモリ102と協働して制御バス150を介して表示装置100における各部を制御するものである。メモリ102は、データやプログラムを一時的に記憶する。メモリ102は、制御部101の作業領又はバッファ領域として機能する。
【0020】
記憶部110は、電源がきれた場合でも消去しないデータやプログラムを記憶する。記憶部110は、投影画面001に表示すべき画像データも記憶する。記憶部110には、位置検出プログラム111、投影サイズ算出プログラム112、物体識別プログラム113が記憶されている。位置検出プログラム111は、無線LANを介した通信機能を搭載している無線端末の位置を検出するためのプログラムである。投影サイズ算出プログラム112は、投影制御部104により投影中の投影画面のサイズを算出するためのプログラムである。物体識別プログラム113は、無線端末が投影画面001に接触したか否かを判別するためのプログラムである。なお、記憶部110には、他にもOperation System、投影制御、画像制御、無線LAN制御などのプログラムが記憶されている。
【0021】
制御部101は、画像処理部103を制御することで、画像データにおける各画素の色合いや輝度などを調整する。画像処理部103は、調整後の画像データを投影制御部104へ供給する。
【0022】
制御部101は、更に投影制御部104を制御することにより、レンズ駆動、ランプON/OFFなどの制御を行う。これにより、投影制御部104は、表示画面に画像を表示する。すなわち、投影制御部104は、画像データに従って変調された光を投影することにより、投影画面(表示画面)001を形成し、画像データに応じた画像を投影画面001に表示する。
【0023】
また、投影制御部104は、例えば、赤外線センサーなどを備えた距離検出部105を制御することにより、表示装置100から投影画面001までの距離を検出する。投影制御部104は、投影レンズ位置検出部106から定期的に送られてくるレンズの位置情報を取得することが可能である。
【0024】
画像入力部107は、例えば、接続されたVGAケーブルを介して情報処理装置400等の外部機器から受信した画像データを受信するためのインターフェースである。画像入力部107は、受信した画像データを画像処理部103へ供給する。
【0025】
また、制御部101は、通信部120を制御することにより、無線LAN規格に適合したパケットを送受信することが可能である。すなわち、通信部120は、通信を行う。通信部120は、アンテナ123、ベースバンド部121、及びRF部122を含む。不図示の基地局から伝送されてくる無線信号をアンテナ123により受信し、受信された信号がRF部122に入力される。RF部122は、例えば、高周波増幅器、周波数変換器、及び復調器を含む。RF部122は、アンテナ123から入力された信号を低雑音増幅器で低雑音増幅する。増幅後の信号は、ベースバンド部121により受信ベースバンド信号に周波数変換される。変換後の信号は、RF部122により復調される。
【0026】
入力制御部130では、リモコン131、キーボード132、マウス133などの入力デバイスからの入力信号を受信し制御部101へ供給する。制御部101は、入力信号に応じた適切な処理を実行する。
【0027】
撮像部141は、被写体を撮像して画像信号を生成して信号処理部142へ供給する。信号処理部142は、供給された画像信号を処理して画像データを生成する。さらに、信号処理部142は、記憶部110に対して画像データを読み書きする。例えば、信号処理部142は、記録時において画像データを周知の符号化方式で符号化することにより圧縮画像データを生成して記憶部110に送信する、再生時において周知の符号化方式で圧縮画像データを復号化することにより画像データを読み出す。信号処理部142は、読み出した画像データを投影制御部104へ供給する。
【0028】
また、制御部101は、さらに以下の機能を有する。後述のように、無線端末200の位置を検出する機能。検出された無線端末200の位置に従って、無線端末200が表示画面001に接触したか否かを判別する機能。無線端末200が表示画面001に接触したと判別された場合、通信部120による無線端末200との間の通信を許可する機能。
【0029】
これにより、予め無線端末200の情報を登録することなく、無線端末200に対する通信を許可することができる。また、問い合わせのIQパケットをブロードキャスト送信したり、送信したものと同じIQパケットの受信の有無を所定の期間中検知することなく、無線端末200に対する通信を許可することができる。すなわち、簡易な処理により、無線端末に対して通信を許可することができる。
【0030】
制御部101は、投影画面001の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたか否かを判別する(第2の判別)。制御部101は、投影画面001の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたと判別された場合、変更後の投影画面001に合うように、判別に用いるべき表示画面の情報を変更する。
【0031】
これにより、制御部101は、実際の投影画面001に合った表示画面の情報を用いて、無線端末200が表示画面001に接触したか否かを判別できる。この結果、無線端末200が表示画面001に接触したか否かを判別する際の精度を向上できる。
【0032】
次に、情報処理装置400の構成を、図3を用いて説明する。
【0033】
制御部401は、メモリ402と協働して、制御バス430を介して情報処理装置400の各部を制御する。
【0034】
メモリ402は、データやプログラムを一時的に記憶する。メモリ402は、制御部401の作業領又はバッファ領域として機能する。記憶部403は、電源がきれた場合でも消去しないデータやプログラムを記憶する。
【0035】
入力制御部410は、キーボード411、マウス412などの入力デバイスからの入力信号を受信し制御部401へ供給する。制御部401は、入力信号に応じた適切な処理を実行する。
【0036】
制御部401は、画像処理部406を制御することで、画像データにおける各画素の色合いや輝度などを調整する。画像処理部406は、調整後の画像データを表示制御部404へ供給する。
【0037】
制御部401は、更に表示制御部404を制御することにより、VGAケーブルやDVIケーブルなどを介して、ディスプレイなどの表示部405に対して画像データを表示する。
【0038】
制御部401は、通信部420を制御することにより、無線LAN規格に適合したパケットを送受信することが可能である。すなわち、通信部420は、通信を行う。ちなみに、本実施例の情報処理装置400は、この通信部420から画像データを、表示装置100の通信部120に送信することができる。通信部420は、アンテナ423、ベースバンド部421、及びRF部422を含む。不図示の基地局から伝送されてくる無線信号をアンテナ423により受信し、受信された信号がRF部422に入力される。RF部422は、高周波増幅器、周波数変換器、及び復調器を含む。RF部422は、アンテナ423から入力された信号を低雑音増幅器で低雑音増幅する。増幅後の信号は、ベースバンド部421により受信ベースバンド信号に周波数変換される。変換後の信号は、RF部422により復調される。
【0039】
ここで、図4を用いて、投影サイズ算出プログラム112(図2参照)に従った制御部101による投影画面サイズの算出方法について説明する。
【0040】
液晶画面1041のサイズ(例えば、長手方向の幅)をW0、液晶画面1041から投影レンズ1042までの距離をFとする。また、投影レンズ1042から投影画面001までの距離をLとし、求める投影画面001のサイズ(例えば、長手方向の幅)をW1とする。ここで液晶画面1041から投影レンズ1042までの距離Fは、投影レンズ位置検出部106により検出し、投影レンズ1042から投影画面001までの距離Lは上述したように距離検出部105により検出する。求めるW1は、
W1=W0 × (L / F)・・・数式1
で表すことができるので、W1を算出することが可能となる。なお、液晶画面1041及び投影レンズ1042は、投影制御部104に含まれている。表示装置の焦点調整に用いるラインセンサの出力結果と、レンズの位置を関連付けた所定のテーブルをあらかじめ用意しておき、テーブルで換算して距離を算出しても良い。
【0041】
次に、図5を用いて表示装置100の投影画面に無線端末200が置かれて認証されるまでの処理の流れを説明する。
【0042】
表示装置100の制御部101は、表示装置100が設置されている場所を基点として、部屋の中における表示装置100の投影画面の位置を概略的な検出エリア(無線端末の位置を検出する対象エリア)として設定する(S101)。これは、最初に投影している投影画面から表示装置100本体が移動したり、レンズがシフトしたり、拡大するなどにより投影画面の位置及び大きさが変更された場合において、部屋のどの範囲ならば検出エリアとして使用してよいのかを指定するためである。範囲の指定はリモコン131、キーボード132、マウス133などの入力デバイスからの入力を入力制御部130で受信して、所定の操作画面により実施する。
【0043】
次に、図4を用いて上述したように、距離検出部105により投影画面までの距離を算出する(S102)。制御部101は、投影レンズ位置検出部106より取得した投影レンズ位置の情報から、投影画面のサイズを投影サイズ算出プログラム112により算出する(S103)。
【0044】
制御部101は、算出された投影画面の範囲の中で、詳細な検出エリア(無線端末の位置を検出する対象エリア)を設定する(S104)。これもS101と同様に、リモコン131、キーボード132、マウス133などの入力デバイスからの入力を入力制御部130で受信して、所定の操作画面により実施する。
【0045】
制御部101は、無線端末の位置を検出するために各通信機器301〜303の位置をリモコン131、キーボード132、マウス133などの入力デバイスにより登録する。各通信機器301〜303は、表示画面001の周囲に配されている(図1参照)。登録された各通信機器301〜303の位置情報はメモリ102に格納される(S106)。
【0046】
以上のステップにより、位置を検出する準備ができたので、制御部101は、無線端末の位置の検出を開始する(S107)。表示装置100と無線端末200との間の通信が許可されていない状態で無線端末200からは無線LANの802.11規格に定義されているMACフレームのビーコン信号(識別信号)が定期的に送られてくる。なお、ビーコン信号は無線伝送レートの一覧や無線チャンネルの番号、ビーコン周期などの情報を含む信号である。この信号を受信した場合には無線端末が存在すると判断することができる。S107では、制御部101が、このビーコン信号を受信するまで待ち続け(S107でN)、ビーコン信号を受けて無線端末である無線端末200を発見した場合(S107でY)にS108へ移る。なお、各通信機器301〜303も表示装置100と同様に無線端末200からのビーコン信号(識別信号)を受信する。
【0047】
具体的には、通信部120は、上記のビーコン信号を、無線端末200から受信するとともに、投影画面001の周囲に配された少なくとも3つの通信機器301〜303を介して無線端末200から受信する。制御部101は、無線端末200から通信部120で受信されたビーコン信号と無線端末200から少なくとも3つの通信機器301〜303を介して通信部120で受信されたビーコン信号とに従って、無線端末200の位置を検出する。
【0048】
より具体的には、表示装置100における制御部101は、通信部120を介して、次の処理により、無線端末200の位置を検出する。
【0049】
制御部101は、各通信機器を含む全ての機器に対して時刻あわせを行うための同期信号としてビーコン信号にタイムスタンプを入れて発信する。信号を受けた各通信機器301〜303は受信したタイムスタンプに基づいて時計を合わせる。次に、制御部101は、無線端末200からのビーコン信号を受信した各通信機器301〜303と表示装置100で受信した時刻を記録しておく。
【0050】
各通信機器の座標と表示装置100の座標とをそれぞれP1、P2、・・Pnとし、それぞれの通信機器が無線端末200から受信した時刻をt1、t2、・・tnとする。このとき、制御部101は、無線端末の位置Pを、下記の数式2及び3で表せる2乗誤差E(p, δ)を最小とする座標として求める。
【0051】
E(p、δ)=Σεi・・・数式2
としてi=1〜nについて合計したE(p、δ)を求める。ここで、εiは、
εi=Wi{c(ti−tb+δ)−|p−pi|}2・・・数式3
となる。なお、数式3において、Cは電波伝搬速度、Wiは非負の重み付け係数、tbはt1、t2、・・tnのうち基準として適当なひとつ、δは基準のクロック誤差、|X|はベクトルXの大きさとする。
【0052】
以上のように、制御部101は、各通信機器301〜303と表示装置100に対して返信された到達時間の差分から、無線端末200がどの位置に存在するかを位置検出プログラム111により算出する。
【0053】
なお、以上のようなTDOA(time difference of arrival)方式のほか、電界強度の違いから位置を検出するRSSI(received signal strength indicator)方式により位置を検出してもよい。
【0054】
次に、制御部101は、表示装置100本体が移動したり、レンズがシフトしたり、拡大するなどにより投影画面001の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されていないかを判別する(S108)。制御部101は、変更が発生している場合(S108でY,A)、処理をS102に戻して設定をやり直し、変更が発生していない場合(S108でN)、処理をS109へ進める。なお、S108の処理は、説明の簡略化のためS107の後に実施していることとしているが、本来は各ステップに実行するか、あるいは別のプロセスとして実施することが望ましい。
【0055】
制御部101は、検出された無線端末200が表示画面001に接触したか否かを判別する。具体的には、制御部101は、無線端末200が、S104で設定した検出エリア内にあるかどうかを判別する(S109)。本実施例では接触したか否かを判別するようにしたが、単に、略投影範囲内に無線端末が挿入されたか否かを判別しても良い。
【0056】
制御部101は、無線端末200が投影画面001の検出エリア内でなければ(S109でN)、処理をS108に戻し投影画面の変更をチェックする。制御部101は、無線端末200が検出エリア内であれば(S109でY)、処理をS110へ進める。
【0057】
制御部101は、表示装置100の設定において、投影画面001に置かれた場合に認証するのか、あるいは投影面の上に存在すれば認証するのかを判別する(S110)。すなわち、制御部101は、表示装置100の設定において、無線端末200を認証するために、ユーザの指でなく無線端末200が投影画面001に置かれたこと(図6参照)を識別することがさらに要求されているか否かを判別する。制御部101は、無線端末200が投影画面001に置かれたことを識別することがさらに要求されている場合(S110でY)、処理をS111へ進める。制御部101は、無線端末200が投影画面001に置かれたことを識別することがさらに要求されていない場合(S110でN)、処理をS113へ進める。
【0058】
S111において、制御部101は、無線端末200が置かれたことの識別を物体識別プログラム113にて判断する。
【0059】
物体識別プログラム113では、例えば表示装置100に備わっている撮像部により投影画面001を一定間隔で撮像する。撮像した画像を物体識別プログラムにより監視カメラなどで使用されている不動体検出技術を使用して判別する。例えば、撮像した画像を前フレームと比較して差分があった場合に物体を識別し、識別した物体が一定時間動かない場合にはその物体はユーザの指でなく置かれた物体すなわち無線端末であると認識する。他に、識別した物体が手と無線端末に分かれた場合に、無線端末が置かれたものと判断することも可能である。また、表示装置100が天井に吊り下げられている場合には、通信機器3つと合わせて3次元で無線端末の位置を特定できるので、無線端末が置かれていることを特定可能である。あるいは、ビームフォーミングで無線端末の測位を行っても良い。
【0060】
制御部101は、無線端末が置かれたことを識別できた場合(S111でY)、処理をS113へ進め、無線端末が置かれたことを識別できなかった場合(S111でN)、処理をS108に戻す。
【0061】
表示装置100の画像データを投影画面001に投影している場合には、無線端末200との通信相手が表示装置となり、情報処理装置400からの画像を受信して投影している場合は、無線端末200との通信相手は情報処理装置400であると考えられる。そこで、制御部101は、無線端末200と通信すべき相手が、表示装置100であるか、情報処理装置400であるかを判断する(S113)。制御部101は、無線端末200と通信すべき相手が表示装置100である場合(S113でY)、処理をS114へ進め、無線端末200と通信すべき相手が情報処理装置400である場合(S113でN)、処理をS115へ進める。
【0062】
S114において、制御部101は、通信部120による無線端末200との間の通信を許可する。すなわち、制御部101は、通信部120を制御して、無線LANの802.11規格に定義されているMACフレームのプローブ要求信号、認証信号などの一連の設定信号を無線端末200との間でやり取りする。これにより、制御部101は、無線端末200と通信可能な状態にセットアップする(S114)。以後は通常の無線機器間での認証方法により通信を行う。
【0063】
S115において、制御部101は、通信部120による情報処理装置400を介した無線端末200との間の通信を許可する。すなわち、通信部120は、情報処理装置400との間で通信が既に許可されている。制御部101は、通信部120を制御して、情報処理装置400に対して、無線端末200との通信を許可する信号を送信する。なお、情報処理装置400と表示装置100はあらかじめコネクションが確立されており、通信許可の信号は任意のコマンドを用いて行うものとする。通知を受けた情報処理装置400は、プローブ要求信号、認証信号などの一連の設定信号を無線端末200との間でやり取りする。これにより、情報処理装置400は、無線端末200と通信可能な状態にセットアップする(S115)。すなわち、画像データなどの通信の確率に必要なデータ以外のデータのやりとりを許可するようにするのである。
【0064】
以上の実施形態により、無線端末を認証する際に、投影画面に無線端末を置くだけで簡単に通信が可能となるシステムを提供することが可能となる。すなわち、本実施形態によれば、簡単な処理で無線端末と表示装置との接続を確立することができる。
【0065】
なお、本実施形態では認証の方法に関して、MACフレームで行ったが、MACレイヤでは認証を完了しておき、上位のプロトコルレイヤで通信の許可を判定しても良い。また、無線端末200は、複数あっても適用可能である。表示画面001の周囲に3つ以上の通信機器301〜303が配されてない場合においても、表示装置において位置を検出することは可能である。また、本実施例では、表示装置として、プロジェクタを使用する例について説明した。しかし、画面を表示できるものであれば、ディスプレイやテレビであっても良い。
【0066】
次に、本発明の第2実施形態に係る表示システムDS2の概略構成を、図7を用いて説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0067】
第1実施形態においては、表示装置100により無線端末200の位置を判別して認証を行っている。本第2実施形態においては、情報処理装置により無線端末の位置を判別して認証を行う。
【0068】
表示システムDS2は、図7に示すように、表示装置500及び情報処理装置600を備える。情報処理装置600は、表示装置500との間の通信が許可されている。情報処理装置600は、表示装置500へ画像データを送信する。これにより、表示装置500は、情報処理装置600から画像データを受信し、その受信した画像データに応じた画像を投影画面001に投影表示する。
【0069】
表示装置500は、図8に示すように、記憶部510及び制御部501を備える。
【0070】
記憶部510は、位置検出プログラム111及び物体識別プログラム113(図2参照)を記憶していない。位置検出プログラム及び物体識別プログラムは、後述のように、情報処理装置600の記憶部610に記憶されている。
【0071】
位置検出部、判別部、及び制御部は、後述のように、情報処理装置600のCPU601に含まれている。
【0072】
情報処理装置600は、図9に示すように、記憶部610及び制御部601を備える。
【0073】
記憶部610は、無線端末200の位置を特定するための位置検出プログラム611と、無線端末200が表示装置500の投影画面001におかれたかどうかを判断する物体識別プログラム612とを記憶している。
【0074】
制御部601は、通信部(第2の通信手段)420を介して、表示装置500の投影制御部104により画像が投影表示される投影画面(表示画面)001を管理する。ここで、通信部420は、表示装置500との間の通信が許可されている。
【0075】
また、制御部601は、無線端末200の位置を検出する。具体的には、通信部(第2の通信手段)420は、無線端末200との間の通信が許可されていない状態で無線端末200から定期的に送信されているビーコン信号を、無線端末200から受信する。それとともに、通信部420は、ビーコン信号を、投影画面001の周囲に配された少なくとも3つの通信機器301〜303を介して無線端末200から受信する。
【0076】
そして、制御部601は、検出された無線端末200の位置と管理された表示画面001とに従って、無線端末200が表示画面001に接触したか否かを判別する。
【0077】
制御部601は、無線端末200が表示画面001に接触したと判別された場合、通信部420による無線端末200との間の通信を許可する。
【0078】
次に、図10を用いて表示装置500の投影サイズを算出して情報処理装置600に通知するまでの処理の流れを説明する。
【0079】
表示装置500における制御部501は、投影している投影画面から表示装置500の本体が移動したり、レンズがシフトしたり、拡大するなどにより投影画面の位置および大きさの少なくとも一方が変更されたかどうかを判別する(S201)。制御部501は、投影画面の位置および大きさの少なくとも一方が変更された場合(S201でY)、処理をS202へ進め、投影画面の位置および大きさの両方とも変更されていない場合(S201でN)、待ち続ける。なお、最初にプログラムが起動した場合には、すぐに次のステップを実行する。
【0080】
制御部501は、第1実施形態において図4を用いて上述した処理と同様の処理により、投影画面のサイズを算出する。すなわち、S202及びS203では、それぞれ、図5に示すS102及びS103と同様の処理が行われる。
【0081】
S204において、通信部(第1の通信手段)120は、投影画面の位置および大きさの情報を制御部501から受ける。通信部120は、投影画面の位置および大きさの情報を情報処理装置600へ送信する。
【0082】
次に、図11を用いて情報処理装置600がデジタルカメラを認証するまでの処理の流れを説明する。
【0083】
あらかじめ表示装置500と情報処理装置600とは無線通信可能な状態であって、情報処理装置600から表示装置500の位置がわかるように設定済みであるものとする。情報処理装置600の制御部601は、表示装置500が設置されている場所を基点として、部屋の中における表示装置500の投影画面の位置を概略的な検出エリアとして、情報処理装置600のアプリケーションにより設定する(S301)。これは、最初に投影している投影画面から表示装置500本体が移動したり、レンズがシフトしたり、拡大するなどにより投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更された場合において、部屋のどの範囲ならば検出エリアとして使用してよいのかを指定するためである。範囲の指定は情報処理装置600に接続されているキーボード631、マウス632などの入力デバイスからの入力を入力制御部630で受信して、所定の操作画面により実施する。
【0084】
次に、制御部601は、無線端末の位置を検出するために、各通信機器301〜303の位置の情報をキーボード631、マウス632などの入力デバイスから受けてメモリ602に登録する(S302)。すなわち、登録された各通信機器301〜303の位置情報はメモリ602に格納される。
【0085】
制御部601は、設定が終わった後、表示装置500から投影画面の情報を通信部(第2の通信手段)420により受信していない場合(S303でN)、待ち続ける。制御部601は、表示装置500から投影画面の情報を受信した場合(S303でY)、処理をS304へ進める。
【0086】
制御部601は、受信された投影画面の情報に応じて、投影画面の範囲の中で、詳細な検出エリア(無線端末の位置を検出する対象エリア)を設定する(S304)。設定は入力デバイスから入力制御部630を介して実施する。
【0087】
以上のステップにより、位置を検出する準備ができたので、制御部101は、位置検出プログラム111に従って、無線端末の位置の検出を開始する(S305)。
【0088】
具体的には、通信部420は、ビーコン信号を、無線端末200から受信するとともに、投影画面001の周囲に配された少なくとも3つの通信機器301〜303を介して無線端末200から受信する。制御部601は、無線端末200から通信部420で受信されたビーコン信号と無線端末200から少なくとも3つの通信機器301〜303を介して通信部420で受信されたビーコン信号とに従って、無線端末200の位置を検出する。
【0089】
次に、制御部601は、検出された無線端末200の位置に従って、無線端末200が表示画面001に接触したか否かを判別する。具体的には、制御部601は、無線端末200が、S304で設定した検出エリア内にあるかどうかを判別する(S306)。判別の方法は、図5に示すS109と同様である。
【0090】
制御部601は、無線端末200が投影画面001の検出エリア内でなければ(S306でN)、処理をS303に戻し投影画面の変更をチェックする。制御部101は、無線端末200が検出エリア内であれば(S306でY)、処理をS307へ進める。
【0091】
制御部601は、表示装置500の設定において、無線端末200を認証するために、ユーザの指でなく無線端末200が投影画面001に置かれたこと(図6参照)を識別することがさらに要求されているか否かを判別する(S307)。制御部601は、無線端末200が投影画面001に置かれたことを識別することがさらに要求されている場合(S307でY)、処理をS308へ進める。制御部601は、無線端末200が投影画面001に置かれたことを識別することがさらに要求されていない場合(S307でN)、処理をS309へ進める。
【0092】
S308において、制御部601は、無線端末200が置かれたことの識別を物体識別プログラム612にて判断する。処理の具体的な内容は、図5に示すS111と同様である。制御部601は、無線端末が置かれたことを識別できた場合(S308でY)、処理をS309へ進め、無線端末が置かれたことを識別できなかった場合(S308でN)、処理をS303に戻す。
【0093】
S309において、制御部601は、通信部420による無線端末200との間の通信を許可する。
【0094】
次に、本発明の第3実施形態に係る表示システムDS1iを説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0095】
表示システムDS1iは、表示装置100iを備える。表示装置100iは、図12に示すように、投影制御部104i、記憶部110i、及び制御部101iを備える。
【0096】
投影制御部104iは、表示画面001(図1参照)内(表示画面内)に、所定の手段又は装置が関連付けられた表示オブジェクトを表示する。
【0097】
記憶部110iは、表示オブジェクト管理プログラム114iを記憶している。表示オブジェクト管理プログラム114iは、投影制御部104iが投影画面001上に投影している表示オブジェクトを管理するためのプログラムである。表示オブジェクト管理プログラム114iは、例えば、表示オブジェクトの位置情報から、オブジェクト投影位置に無線端末の置かれた場合に、オブジェクトの種類、無線端末の種類、無線端末の状態に応じて様々な動作を行うためのプログラムである。
【0098】
制御部101iは、検出された無線端末200の位置に従って、無線端末200が、表示画面001内における表示オブジェクトを含む制御エリアに重なっているか否かを判別する。
【0099】
制御部101iは、検出された無線端末200の位置に従って、無線端末200が制御エリアに重なったと制御部101iにより判別された場合、次のような制御を行う。制御部101iは、無線端末200及び表示オブジェクトに関連した動作を行うように、無線端末200及び所定の手段又は装置を制御する。ここで、無線端末200に関連した動作は、無線端末200の種類と無線端末200の状態との少なくとも一方に関連した動作を含む。表示オブジェクトに関連した動作は、所定の手段又は装置の種類と所定の手段又は装置の状態との少なくとも一方に関連した動作を含む。
【0100】
例えば、所定の手段又は装置が投影制御部(表示手段)104iを含む場合を考える。制御部101iは、検出された無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、次のような制御を行う。制御部101iは、通信部120が無線端末200からデータを受信し、投影制御部(表示手段)104iがその受信されたデータに応じた画像を表示画面001に投影表示するように制御する。
【0101】
例えば、所定の手段又は装置が記憶部(記憶手段)110iを含む場合を考える。制御部101iは、検出された無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、次のような制御を行う。制御部101iは、通信部120が無線端末200からデータを受信し、記憶部(記憶手段)110iがその受信されたデータを記憶するように制御する。
【0102】
例えば、所定の手段又は装置が情報処理装置400を含む場合を考える。制御部101iは、検出された無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、次のような制御を行う。制御部101iは、通信部120が無線端末200からデータを受信し、通信部120がその受信されたデータを情報処理装置400へ送信するように制御する。
【0103】
制御部101iは、投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたか否かを判別する。そして、制御部101iは、投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたと判別された場合、変更後の投影画面に合うように、用いるべき制御エリアの情報を変更する。
【0104】
次に、図13を用いて無線端末200が、投影画面001に表示しているオブジェクトによって規定される制御エリアに配置されたときに、表示装置100i、または情報処理装置400とデータ送受信等の動作処理を行う流れを説明する。
【0105】
制御部101iは、通信許可が与えられた無線端末200が、投影画面001内における表示オブジェクトの制御エリア内に存在しているかどうか(制御エリアに重なったかどうか)を判別する(S416)。
【0106】
ここで、投影されている表示オブジェクトとは、投影画面001に表示装置100iの画像データを投影している場合であれば、例えば図14に示した表示オブジェクト002である。これらの表示オブジェクト002は表示オブジェクト管理プログラム114iによって生成され、投影制御部104iを介して投影画面001に投影表示される。この場合の制御エリアとは、表示オブジェクトの種類に応じてそれぞれ規定されている範囲である。表示オブジェクト管理プログラム114iは、位置検出プログラム111によって取得される無線端末200がこの制御エリアの範囲内であるか否かを判断して、その後の処理を行うかどうかを判定する。なお、図14に示した表示オブジェクト002であれば、制御エリアは表示オブジェクト002がそれぞれ投影表示されている場所とすることができる。
【0107】
また、投影画面001に情報処理装置400からの画像を投影している場合であれば、投影されている表示オブジェクトとは、例えば図15に示した各種アイコンやウィンドウ003〜005である。これらの表示オブジェクト003〜005は、情報処理装置400からの画像に含まれていたものであり、投影制御部104iを介して投影画面001に投影表示される。このとき、制御部101iは、表示オブジェクト管理プログラム114iに応じて、情報処理装置400からの画像とは別に、表示オブジェクトの種類、位置に関する情報を取得することで、現在投影画面001に表示投影中の表示オブジェクトの情報を管理している。この場合の制御エリアとは、前述のように表示オブジェクトの種類に応じてそれぞれ規定される範囲である。ここで、例えばプリンタアイコン004においては、無線端末200を置いた時に検出しやすいように、図15に示す制御エリア006のように、プリンタアイコン004の表示範囲よりも大きめに設定してもよい。この場合でも、表示オブジェクト管理プログラム114iは、位置検出プログラム111によって取得される無線端末200の位置に従って無線端末200がこの制御エリアの範囲内であるか否かを判断して、その後の処理を行うかどうかを判定する。
【0108】
制御部101iは、無線端末200が表示オブジェクトの制御エリア内に存在すると判別した場合(S416でY)、処理をS417へ進める。制御部101iは、無線端末200が表示オブジェクトの制御エリア内に存在すると判別した場合(S416でN)、処理をS416へ進める。
【0109】
制御部101iは、無線端末200が投影画面001に接触した場合にその後の処理を行うのか、それとも投影画面の上に存在すればその後の処理を行うのかを、表示装置100iの設定において判別する(S417)。
【0110】
制御部101iは、投影画面001に接触した場合にその後の処理を行う場合(S417でY)、ユーザの指でなく無線端末200が投影画面001に接触したことを物体識別プログラム113により検出する(S418)。この処理は、図5に示すS111における処理と同様である。制御部101iは、無線端末200が投影画面001に接触していることを検出できた場合(S418でY)、処理をS419へ進め、無線端末200が投影画面001に接触していることを検出できなかった場合(S418でN)、処理をS416へ進める。
【0111】
S419において、制御部101iは、無線端末200及び表示オブジェクトに関連した動作を行うように、無線端末200及び所定の手段又は装置を制御する。例えば、制御部101iは、無線端末200が存在する制御エリアに関連付けられた表示オブジェクトの種類や無線端末200の状態などに応じた処理を行う。
【0112】
図14に示したように、表示装置100iの画像データを投影している投影画面001に無線端末200を接触させる場合であれば、制御部101iは、表示オブジェクト管理プログラム114iによって、次のような処理を行う。制御部101iは、図16に示した表のように、各種条件に応じて無線端末200と表示装置100iとの間での処理を行う。
【0113】
また、図15に示したように、情報処理装置400からの画像データを投影している投影画面001に無線端末200を接触させる場合であれば、制御部101iは、表示オブジェクト管理プログラム114iによって、次のような処理を行う。制御部101iは、図17に示した表のように、各種条件に応じて無線端末200と情報処理装置400との間での処理を行う。
【0114】
なお、図16及び図17によって示した各種条件に応じた処理は一例であり本実施形態を限定するものではない。
【0115】
例えば、情報処理装置内のフォルダを示すアイコンの制御エリアに無線端末が接触した場合、情報処理装置と無線端末との間でデータの送受信を行ったりデータの同期をとったりするように処理してもよい。
【0116】
例えば、プリンタを示すアイコンの制御エリアに無線端末が接触した場合、無線端末からプリンタへデータを送信してそのデータの印刷又は印刷予約を行うように処理しても良い。あるいは、同じ画像ならその印刷枚数を指定する(何度も画像を送らない)ように処理しても良い。
【0117】
例えば、情報処理装置内のデスクトップの制御エリアに無線端末が接触した場合、デスクトップのスクリーンキャプチャを行ったり、無線端末用のフォルダ生成及び表示(ショートカットになっていて、データが入れられると自動転送)するように処理しても良い。
【0118】
例えば、無線端末が携帯電話であれば、ブラウザアイコン上の携帯電話を配置させることで双方のブックマークのインポート、エクスポートを行う構成が考えられる。すなわち、ブラウザの制御エリアに無線端末が接触した場合、お気に入りのインポート又はエクスポートを行うように処理しても良い。あるいは、無線端末の情報を表示するホームページが開く(通信装置側から表示装置へURLを転送)ように処理しても良い。
【0119】
例えば、表示装置(プロジェクタ)で何らかのキャラクタ等を投影し、そのキャラクタ等の制御エリアに無線端末が接触した場合、無線端末からキャラクタに関連する情報(ゲームデータ等)を表示装置又は情報処理装置へ送信するように処理しても良い。
【0120】
例えば、IPフォンを示すアイコンの制御エリアに無線端末(携帯電話)が接触した場合、その無線端末をIPフォン用の電話機として使えるように処理しても良い。。
【0121】
例えば、投影中のデスクトップ領域に配置させることで、情報処理装置が現在表示中の画面を受信して携帯電話側のディスプレイで表示するといった構成も考えられる。
【0122】
その他にも無線端末が情報処理装置と同等の機能を持ったPersonal Digital Assistant(以下PDA)であれば、次の処理も考えられる。投影中のデスクトップ領域に配置させることで、現在PDAで起動中のアプリケーションと同様の機能を持つアプリケーションを情報処理装置側でも起動させ、情報処理装置はPDAから現在PDAのアプリケーションが使用中のデータを受信する。そして、受信したデータを情報処理装置のアプリケーションで処理することで、情報処理装置とPDAの動作状態を同等のものにするといった構成も考えられる。
【0123】
このように、本実施形態では、無線端末の種類、状態、無線端末を配置する投影中の表示オブジェクトの種類によって、様々な構成が可能となる。すなわち、本実施形態によれば、投影装置によって投影画面に表示されたオブジェクトに関連した処理を、無線端末を投影画面に置くという動作で行うことが可能になる。これにより、ユーザは簡単な操作で投影装置と無線端末との間のデータのやり取りを行うことができる。
【0124】
次に、本発明の第4実施形態に係る表示システムDS2iを説明する。以下では、第2実施形態及び第3実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0125】
表示システムDS2iは、情報処理装置600iを備える。情報処理装置600iは、図18に示すように、記憶部610i、プリンタ(印刷手段)640i、及び制御部601iを備える。
【0126】
記憶部610iは、表示オブジェクト管理プログラム613iを記憶している。表示オブジェクト管理プログラム613iは、投影制御部104が投影画面001上に投影している表示オブジェクトを管理するためのプログラムである。表示オブジェクト管理プログラム613iは、例えば、表示オブジェクトの位置情報から、オブジェクト投影位置に無線端末の置かれた場合に、オブジェクトの種類、無線端末の種類、無線端末の状態に応じて様々な動作を行うためのプログラムである。
【0127】
プリンタ640iは、制御部601iから印刷指示及び印刷すべきデータを受けた際に、印刷指示に応じて、印刷すべきデータを印刷する。
【0128】
制御部601iは、所定の手段又は装置が関連付けられた表示オブジェクトを表示画面001内に表示するように、通信部420を介して表示装置100における投影制御部104を制御する。
【0129】
また、制御部601iは、検出された無線端末200の位置と管理された表示画面001とに従って、無線端末200が表示画面001内における表示オブジェクトを含む制御エリアに重なったか否かを判別する。
【0130】
制御部601iは、無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、無線端末200及び表示オブジェクトに関連した動作を行うように、無線端末200及び所定の手段又は装置を制御する。
【0131】
例えば、所定の手段又は装置が表示装置100における投影制御部(表示手段)104を含む場合を考える。制御部601iは、位置検出部601aにより検出された無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、次のような制御を行う。制御部601iは、通信部420が無線端末200からデータを受信し、通信部420を介して投影制御部(表示手段)104がその受信されたデータに応じた画像を表示画面001に表示するように制御する。
【0132】
例えば、所定の手段又は装置が記憶部(記憶手段)610iを含む場合を考える。制御部601i検出された無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、次のような制御を行う。制御部601iは、通信部420が無線端末200からデータを受信し、記憶部(記憶手段)610iがその受信されたデータを記憶するように制御する。
【0133】
例えば、所定の手段又は装置がプリンタ(印刷手段)640iを含む場合を考える。制御部601iは、検出された無線端末200が制御エリアに重なったと判別された場合、次のような制御を行う。制御部601iは、通信部420が無線端末200からデータを受信し、プリンタ(印刷手段)640iがその受信されたデータを印刷するように制御する。
【0134】
次に、本発明の第5実施形態に係る表示システムDS1jを説明する。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0135】
表示システムDS1jは、表示装置100jを備える。表示装置100jは、記憶部110j、制御部101j、及び投影制御部104jを備える。
【0136】
記憶部110jは、処理メニュー描画プログラム115jを記憶する。処理メニュー描画プログラム115jは、表示装置100jの投影画面001上に無線端末が置かれた場合に、無線端末と対応付けた処理メニューを表示するためプログラムである。
【0137】
制御部101jの制御部101cjは、通信部120による複数の無線端末200a,200bとの間の通信を許可することができる(図24参照)。
【0138】
投影制御部104jは、通信部120による複数の無線端末200a,200bとの間の通信が制御部101jにより許可された場合、制御部101jにより制御されて、次のような動作を行う。投影制御部104jは、表示画面001内に、複数の無線端末200a,200bを識別する複数の第1の表示オブジェクト500a1,500b1を互いに異なる形態で表示する(図24参照)。それとともに、投影制御部104jは、複数の無線端末が関連付けられた複数の第2の表示オブジェクト500a2,500b2を、それぞれ、関連付けられた無線端末の第1の表示オブジェクトと対応した形態で表示する(図24参照)。
【0139】
続いて、図20を用いて、無線端末200が投影画面001に接触した際の、表示装置100jでの処理メニュー表示処理について説明する。
【0140】
制御部101jは、処理メニューを表示するモードであるか否かを判断する(S516)。通信許可時に処理メニューを表示するモードにするか否かは、あらかじめ表示装置100jで設定しておくものとする。なお、本実施形態では、処理メニューの表示、非表示を表示装置100jで設定するとしたが、無線端末200で設定するようにしても良い。
【0141】
制御部101jは、処理メニューを表示するモードでない場合(S516でN)、処理を終了する。制御部101jは、処理メニューを表示するモードである場合(S516でY)、処理をS517へ進める。
【0142】
制御部101jは、無線端末の情報が、図21に示される通信許可端末リストに登録済みか判定する(S517)。制御部101jは、無線端末の情報が登録済みならば(S517でY)、処理をS519へ進め、無線端末の情報が未登録ならば(S517でN)、処理をS518へ進める。
【0143】
S518において、制御部101jは、無線端末の情報を通信許可端末リストに登録する。登録処理で登録する色とパターン(模様)とは、無線端末ごとに判別が容易となるように、すでに通信許可端末リストで使用されている色、パターンと似たようなものは極力使用しないようにして、色、パターンを登録する。
【0144】
ここで、図21に示される通信許可端末リストについて、具体的に説明する。通信許可端末リストには、無線端末を一意に識別するためのMACアドレスと、その無線端末に関連付いたメニューの色やパターン(模様)の番号を登録しておく。図21では、色を16進数で表し、最初の1バイトをRのデータ、次の1バイトをGのデータ、最後の1バイトをBのデータとして記録している。図21のパターンの番号は、図22に示されるパターンリストのパターンの番号と対応付けられている。
【0145】
なお、本実施形態では、無線端末を一意に識別するためにMACアドレスを用いているが、無線端末を一意に認識できるデータならば、MACアドレス以外のデータを用いても良い。また、処理メニューと対応付けるために、色の値とパターンの番号との両方を用いているが、どちらか一方を用いても良い。また、色、パターン以外にも、処理メニューの形状、輝度、透過度などを変更しても良い。
【0146】
次に、制御部101jは、処理メニューの色とパターンとを通信許可端末リストから検索し、処理メニューの色及びパターンを得る(S519)。制御部101jは、処理メニュー描画プログラム115jに従って、処理メニューを無線端末の付近に描画し(S520)、無線端末の上又は近傍に、同様の色及びパターンを有する処理メニューを描画するように投影し(S521)処理を終了する。
【0147】
なお、本実施形態では、処理メニューの色及びパターンと同様の色及びパターンを端末に投影したが、無線端末と処理メニューとが対応付いている事が判別できるような範囲ならば、同系色の色や似たようなパターンを用いても良い。
【0148】
図23は、無線端末200aが通信許可された場合の様子を示す図である。表示装置100jによって、無線端末200aに関連付いた処理メニュー500a2が描画され、無線端末200aの上又は近傍に同一のパターンを有する表示オブジェクト500a1が投影されている。図23では、処理メニュー500a2の外枠の色及びパターンと同様の色及びパターンを有する表示オブジェクト500a1を無線端末200aの上又は近傍に投射している。
【0149】
図23の500a2は、処理メニューの一例である。図23の500a2では、ファイルの転送、画像閲覧、切断というメニューを一例として図示したが、無線端末に関連付いたものならば、どのようなメニュー構成であっても良い。
【0150】
なお、本実施形態では、処理メニューの外枠を通信許可端末リストに登録した色、パターンで描画しているが、処理メニュー全体を通信許可端末リストに登録した色、パターンで描画しても良い。また、処理メニューのタイトルバーもしくは処理メニューの一部分だけを通信許可端末リストで登録した色、パターンで描画しても良い。
【0151】
図24は、図23の状態から、もう一台の無線端末200bが通信許可された場合の様子を示す図である。200bが通信許可されると、表示装置100jは、新たな色及びパターンを無線端末200bに割り当て、処理メニュー500b2を描画する。その後、同一の色及びパターンを有する表示オブジェクト500b1を無線端末200bの上又は近傍に投射する。
【0152】
上記の処理によって、表示装置100jと通信可能な無線端末が複数存在した場合にも、どの処理メニューがどの無線端末に関連付いているか容易に判別可能となる。すなわち、本実施形態によれば、複数の無線端末に対応付けられたオブジェクトが表示される場合でも、無線端末と表示されているオブジェクトとの対応関係を容易に把握することができる。
【0153】
なお、本実施形態では通信許可時に、無線端末に関連付いた処理メニューを描画するものとして説明を行ったが、無線端末内に保存されたファイルを表示するようにしても良い。ファイルを表示する場合も本実施形態と同様に、無線端末とファイルとの関連性が分かるように、同様の色及びパターンで枠などを表示する。また、無線端末内のファイル以外にも、無線端末に関連付いたコンテンツなどを表示するようにしても良い。無線端末に関連付いたコンテンツとは、その無線端末のサポートページや、静止画や動画のアップロードサイトなどの無線端末に関連のあるWebページ、ヘルプ画面などである。無線端末に関連付いたコンテンツを表示する場合にも、本実施形態と同様に、無線端末とコンテンツとの対応関係が分かるように、無線端末とコンテンツとの両方に、同様の色及びパターンで枠を表示するようにしても良い。
【0154】
次に、本発明の第6実施形態に係る表示システムDS2jを説明する。以下では、第1実施形態及び第5実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0155】
表示システムDS2jは、情報処理装置600jを備える。情報処理装置600jは、図25に示すように、記憶部610j、及び制御部601jを備える。
【0156】
記憶部610jは、処理メニュー描画プログラム614jを記憶する。処理メニュー描画プログラム614jは、表示装置100の投影画面001上に無線端末が置かれた場合に、無線端末と対応付けた処理メニューを表示するためプログラムである。
【0157】
制御部601jは、通信部420による複数の無線端末200a,200bとの間の通信を許可することができる(図24参照)。
【0158】
制御部601jは、通信部420による複数の無線端末200a,200bとの間の通信が許可された場合、次のような動作を行うように、通信部420を介して表示装置100における投影制御部104を制御する。制御部601jは、表示画面001内に、複数の無線端末200a,200bを識別する複数の第1の表示オブジェクト500a1,500b1を互いに異なる形態で表示する(図24参照)ように制御する。それとともに、制御部601jは、複数の無線端末が関連付けられた複数の第2の表示オブジェクト500a2,500b2を、それぞれ、関連付けられた無線端末の第1の表示オブジェクトと対応した形態で表示する(図24参照)ように制御する。なお、上記の第1実施形態〜第6実施形態において、表示装置は、表示画面を有していてもよい。このような表示画面は、例えば、テレビやディスプレイを含む。すなわち、表示装置は、画像データに従って変調された光を投影画面に投影する代わりに、図26に示すように、タッチパネル機能を含む表示画面001’を有していてもよい。すなわち、図26に示す表示装置700は、図27に示すように、表示制御部704、記憶部710、圧力検出部705を備える。
【0159】
表示制御部704は、CPU701による制御に応じて、液晶パネルの制御、バックライトのON/OFFなどの制御を行い、表示画面001’上に画像を表示する。
【0160】
記憶部710は、投影サイズ算出プログラムを記憶しておらず、位置検出プログラム711を記憶する。位置検出プログラム711は、圧力検出部705を介して無線端末の位置を検出するためのプログラムである。
【0161】
圧力検出部705は、例えば、表示画面の裏側に配置された圧力センサーを含む。圧力検出部705は、タッチパネル機能を含む表示画面001’上に物体(無線端末)が触れた際の接触状態の分布、すなわち位置情報を取得することが可能である。
【0162】
なお、本実施形態では、圧力センサーを用いてタッチパネル機能を含む表示画面001’上に物体(無線端末)が触れたことを検出しているが、次の方法を用いて、無線端末による表示画面への接触状態の分布を検出してもよい。例えば、赤外光の反射を用いた方法や、静電容量の変化を検出する方法など、タッチディスプレイで一般的に用いられるその他の接触検出方法を用いても良い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面に画像を表示する表示手段と、
通信を行う通信手段と、
無線端末の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記無線端末の位置に従って、前記無線端末が前記表示画面に接触したか否かを判別する判別手段と、
前記無線端末が前記表示画面に接触したと前記判別手段により判別された場合、前記通信手段による前記無線端末との間の通信を許可する制御手段と、
を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記表示手段は、画像データに従って変調された光を投影することにより、投影画面を前記表示画面として形成し、前記画像データに応じた画像を前記投影画面に表示し、
前記通信手段は、前記無線端末との間の通信が許可されていない状態で前記無線端末から定期的に送信されている、前記無線端末を識別する識別信号を、前記無線端末から受信するとともに、前記投影画面の周囲に配された少なくとも3つの通信機器を介して前記無線端末から受信し、
前記位置検出手段は、前記無線端末から前記通信手段で受信された前記識別信号と前記無線端末から前記少なくとも3つの通信機器を介して前記通信手段で受信された前記識別信号とに従って、前記無線端末の位置を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたか否かを判別する第2の判別手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたと前記第2の判別手段により判別された場合、変更後の前記投影画面に合うように、前記判別手段が判別に用いるべき前記表示画面の情報を変更する
ことを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示手段は、前記表示画面を有し、
前記位置検出手段は、前記無線端末による前記表示画面への接触状態の分布を検出することにより、前記無線端末の位置を検出する
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記表示画面内に、所定の手段又は装置が関連付けられた表示オブジェクトを表示し、
前記判別手段は、前記通信手段による前記無線端末との間の通信が前記制御手段により許可された場合、さらに、前記位置検出手段により検出された前記無線端末の位置に従って、前記無線端末が前記表示画面内における前記表示オブジェクトを含む制御エリアに重なったか否かを判別し、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記無線端末及び前記表示オブジェクトに関連した動作を行うように、前記無線端末及び前記所定の手段又は装置を制御する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項6】
前記無線端末に関連した動作は、前記無線端末の種類と前記無線端末の状態との少なくとも一方に関連した動作を含み、
前記表示オブジェクトに関連した動作は、前記所定の手段又は装置の種類と前記所定の手段又は装置の状態との少なくとも一方に関連した動作を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記所定の手段又は装置は、前記表示手段を含み、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記通信手段が前記無線端末からデータを受信し、前記表示手段が前記受信されたデータに応じた画像を前記表示画面に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項8】
データを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記所定の手段又は装置は、前記記憶手段を含み、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記通信手段が前記無線端末からデータを受信し、前記記憶手段が前記受信されたデータを記憶するように制御する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項9】
前記通信手段は、データを処理する情報処理装置と通信し、
前記所定の手段又は装置は、前記情報処理装置を含み、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記通信手段が前記無線端末からデータを受信し、前記通信手段が前記受信されたデータを前記情報処理装置へ送信するように制御する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の表示装置。
【請求項10】
前記表示手段は、画像データに従って変調された光を投影することにより、投影画面を前記表示画面として形成し、前記画像データに応じた画像を前記投影画面に表示し、
前記表示装置は、前記投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたか否かを判別する第2の判別手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたと前記第2の判別手段により判別された場合、変更後の前記投影画面に合うように、前記判別手段が用いるべき前記制御エリアの情報を変更する
ことを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記表示オブジェクトは、アイコン、フォルダ、ウィンドウ、及びデスクトップ領域の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項5から10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項12】
前記無線端末は、複数存在し、
前記表示手段は、前記通信手段による複数の前記無線端末との間の通信が前記制御手段により許可された場合、前記表示画面内に、複数の前記無線端末を識別する複数の第1の表示オブジェクトを互いに異なる形態で表示するとともに、複数の前記無線端末が関連付けられた複数の第2の表示オブジェクトを、それぞれ、関連付けられた前記無線端末の前記第1の表示オブジェクトと対応した形態で表示する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記形態は、色、模様、形状、輝度、及び透過度の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第2の表示オブジェクトは、前記無線端末を操作するための処理メニュー、前記無線端末内に保存されたファイル、及び前記無線端末に関連付いたコンテンツの少なくとも1つを含む
ことを特徴とした請求項12又は13に記載の表示装置。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか1項に記載の表示装置と、
前記表示装置との間で通信が許可されるべき無線端末と、
を備えたことを特徴とする表示システム。
【請求項16】
表示画面に画像を表示する表示手段と第1の通信手段とを有する表示装置と通信する情報処理装置であって、
前記表示装置との間の通信が許可されている第2の通信手段と、
前記第2の通信手段を介して前記表示画面を管理する管理手段と、
無線端末の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記無線端末の位置と、前記管理手段により管理された前記表示画面とに従って、前記無線端末が前記表示画面に接触したか否かを判別する判別手段と、
前記無線端末が前記表示画面に接触したと前記判別手段により判別された場合、前記第2の通信手段による前記無線端末との間の通信を許可する制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項17】
前記第2の通信手段は、前記無線端末との間の通信が許可されていない状態で前記無線端末から定期的に送信されている、前記無線端末を識別する識別信号を、前記無線端末から受信するとともに、前記表示画面の周囲に配された少なくとも3つの通信機器を介して前記無線端末から受信し、
前記位置検出手段は、前記無線端末から前記通信手段で受信された前記識別信号と前記無線端末から前記少なくとも3つの通信機器を介して前記通信手段で受信された前記識別信号とに従って、前記無線端末の位置を検出する
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記管理手段は、所定の手段又は装置が関連付けられた表示オブジェクトを前記表示画面内に表示するように、前記第2の通信手段を介して前記表示装置における前記表示手段を制御し、
前記判別手段は、前記第2の通信手段による前記無線端末との間の通信が前記制御手段により許可された場合、さらに、前記位置検出手段により検出された前記無線端末の位置と前記管理手段により管理された前記表示画面とに従って、前記無線端末が前記表示画面内における前記表示オブジェクトを含む制御エリアに重なったか否かを判別し、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記無線端末及び前記表示オブジェクトに関連した動作を行うように、前記無線端末及び前記所定の手段又は装置を制御する
ことを特徴とする請求項16又は17に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記無線端末に関連した動作は、前記無線端末の種類と前記無線端末の状態との少なくとも一方に関連した動作を含み、
前記表示オブジェクトに関連した動作は、前記所定の手段又は装置の種類と前記所定の手段又は装置の状態との少なくとも一方に関連した動作を含む
ことを特徴とする請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記所定の手段又は装置は、前記表示手段を含み、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記第2の通信手段が前記無線端末からデータを受信し、前記管理手段及び前記第2の通信手段を介して前記表示手段が前記受信されたデータに応じた画像を前記表示画面に表示するように制御する
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の情報処理装置。
【請求項21】
データを記憶する記憶手段をさらに備え、
前記所定の手段又は装置は、前記記憶手段を含み、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記第2の通信手段が前記無線端末からデータを受信し、前記記憶手段が前記受信されたデータを記憶するように制御する
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の情報処理装置。
【請求項22】
データを印刷する印刷手段をさらに備え、
前記所定の手段又は装置は、前記印刷手段を含み、
前記制御手段は、前記無線端末が前記制御エリアに重なったと前記判別手段により判別された場合、前記第2の通信手段が前記無線端末からデータを受信し、前記印刷手段が前記受信されたデータを印刷するように制御する
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の情報処理装置。
【請求項23】
前記表示手段は、画像データに従って変調された光を投影することにより、投影画面を前記表示画面として形成し、前記画像データに応じた画像を前記投影画面に表示し、
前記情報処理装置は、前記投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたか否かを判別する第2の判別手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記投影画面の位置及び大きさの少なくとも一方が変更されたと前記第2の判別手段により判別された場合、変更後の前記投影画面に合うように、前記判別手段が判別に用いるべき前記制御エリアの情報を変更する
ことを特徴とする請求項18から22のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項24】
前記表示オブジェクトは、アイコン、フォルダ、ウィンドウ、及びデスクトップ領域の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項18から23のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項25】
前記無線端末は、複数存在し、
前記管理手段は、前記通信手段による複数の前記無線端末との間の通信が前記制御手段により許可された場合、前記表示画面内に、複数の前記無線端末を識別する複数の第1の表示オブジェクトを互いに異なる形態で表示するとともに、複数の前記無線端末が関連付けられた複数の第2の表示オブジェクトを、それぞれ、関連付けられた前記無線端末の前記第1の表示オブジェクトと対応した形態で表示するように、前記表示装置における前記表示手段を制御する
ことを特徴とする請求項16又は17に記載の情報処理装置。
【請求項26】
前記形態は、色、模様、形状、輝度、及び透過度の少なくとも1つを含む
ことを特徴とする請求項25に記載の情報処理装置。
【請求項27】
前記第2の表示オブジェクトは、前記無線端末を操作するための処理メニュー、前記無線端末内に保存されたファイル、及び前記無線端末に関連付いたコンテンツの少なくとも1つを含む
ことを特徴とした請求項25又は26に記載の情報処理装置。
【請求項28】
請求項16から27のいずれか1項に記載の情報処理装置と、
前記情報処理装置との間で通信が許可されるべき無線端末と、
前記情報処理装置との間で通信が許可されている表示装置と、
を備えたことを特徴とする表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−134015(P2011−134015A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−291400(P2009−291400)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】