表示装置および表示方法
【課題】専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバを用いなくともよい、色校正用の領域を設けた表示パネルによる表示装置および表示方法を提供する。
【解決手段】表示パネル11は、情報表示領域を提示する情報表示領域12、色センサに対面して色校正用の画像を表示する色校正領域13を備える。表示コントローラ41は、入力された画像信号から表示コントローラ41で画像処理が施された画像データなどを、Xドライバ21に送信し、情報表示領域12に画像を表示する。疑似STB信号発生回路51は、各種のクロック信号を受信し、疑似的にSTB信号を生成する。そして、表示コントローラ41で生成されたSTB(ストローブ)信号に疑似STB信号を加え(ORし)たSTB2信号がXドライバ21に供給される。Xドライバ21に供給された疑似STB信号は、情報表示領域12の最後の水平ラインに描画された画像を色校正領域13に描画する。
【解決手段】表示パネル11は、情報表示領域を提示する情報表示領域12、色センサに対面して色校正用の画像を表示する色校正領域13を備える。表示コントローラ41は、入力された画像信号から表示コントローラ41で画像処理が施された画像データなどを、Xドライバ21に送信し、情報表示領域12に画像を表示する。疑似STB信号発生回路51は、各種のクロック信号を受信し、疑似的にSTB信号を生成する。そして、表示コントローラ41で生成されたSTB(ストローブ)信号に疑似STB信号を加え(ORし)たSTB2信号がXドライバ21に供給される。Xドライバ21に供給された疑似STB信号は、情報表示領域12の最後の水平ラインに描画された画像を色校正領域13に描画する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL:Electroluminescence Display)などの表示装置は、コンピュータの端末装置を始め、TVなどの放送受信用ディスプレイとして広く用いられている。
近年では、これらの表示装置は、医療の分野、印刷業務の分野、映画のCG製作の分野などにも使用されるようになってきた。しかし、これらの分野では、表示画面の色の再現性が厳しく求められている。
【0003】
これらの表示装置は、温度・湿度などの環境や経時変化により、制御回路の回路定数が変動する。これにより、表示画面に再現される色が変化する。そこで、頻繁に色校正が行われる。例えば、毎朝、表示装置を使用する前に、表示装置を色校正モードに設定すると共に、外付けの色度センサなどの色センサの受光面を表示画面に押し当てて、表示画面の色度などを測定し、表示装置のコントローラなどに設定されたγ特性やバックライトの色バランスなどを調整する。
しかし、この色校正は、頻繁に行う必要があると共に、定められた手順で行わなければならないため、きわめて煩雑である。また、このような外付けの色センサは、表示画面を覆い隠すため、表示画面上に常時セットしておくことができない。
【0004】
そこで、非特許文献1に示されているように、情報を表示する表示領域の他に、色校正用の画像を表示する色校正用の領域を設けた表示パネルが開発されている。この表示パネルの色校正用の領域に受光面を対面させた色センサを設け、色校正用の領域および色センサをベゼルと呼ばれるカバー(フロントカバー)で覆う。この結果、ユーザは、色度センサを取り付ける手間がなく、色校正モードに設定するだけで、色校正ができるようになる。また、ユーザは色校正用の領域を意識することなく、表示装置を使用することができる。
【0005】
【非特許文献1】Engineering Specification Type 21.3 QSXGA Monochrome TFT/LCD Module Model Name : IAQS80. Document Control Number : OEM I-980-03[Online]. International Display Technology, October 8, 2002. [retrieved on 2008-10-20]. Retrieved from the Internet: <http://www.idtech.co.jp/en/products/pdf/oem_i-980-03.pdf>.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、表示パネルの画素数や表示パネルを駆動するための入力信号は、標準化団体であるVESA(Video Electronics Standards Association)などにより規格化されている。例えば、XGA(Extended Graphics Array)の規格では、縦横の画素数が1024ドット×728ドット(以下、1024×728と記す。)と定められている。また、水平周波数47.816Hzなどと、さまざまなクロック周波数やさまざまな期間が定められている。このような規格に基づいて、コンピュータなどから表示装置に信号を供給するビデオカードや、コンピュータなどの装置にインストールされ、ビデオカードを制御して表示装置に適した信号を生成するビデオドライバと呼ばれるソフトウェアが作られている。
さて、色校正用の領域を設けた表示パネルは、設けない表示パネルに比べ、色校正用の領域の画素数が多くなっている。このため、標準化された規格に対応するビデオカードやビデオドライバが使用できないという問題があった。そこで、色校正用の領域を設けた表示パネルを駆動するには、専用のビデオカードや専用のビデオドライバで対応せざるを得なかった。
【0007】
さらに、Windows(登録商標)などのオペレーティングシステム(OS)は、表示画面の全面に画像を表示するように設計されている。したがって、色校正用の領域を設けた表示パネルを、専用のビデオカードや専用のビデオドライバを用いて駆動したとしても、OSは、表示画面の一部が色校正用の領域であることを認識しないため、色校正用の領域にも画像を描画してしまう。このため、ユーザはベゼルで覆われた色校正用の領域に描画された画像を見ることができない。また、このようなOSの管理下で動作する、いわゆるアプリケーションソフトウェアについても、同様のことが起こる。
【0008】
また、表示装置の解像度が高くなると、表示装置に送信される画像信号のビットレートが高くなり、規格に定められた最高のビットレートを超えてしまうことが生じうる。例えば、前述したVESAの規格であるUXGA(Ultra Extended Graphics Array)では、縦横の画素数が1600×1200である。このとき、フレームレートを60Hz、垂直ブランクを45水平ラインとすると、VESA CVTの規格においては、データクロック周波数は161.0MHzとなる。これにセンサエリアとして32水平ラインを設けるとすると、データクロック周波数は165.5MHzとなって、信号規格のTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)の上限である165MHzを超えることになる。
【0009】
これまで述べたように、色校正用の領域が設けられた表示装置を使用するには、専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバが用意され、専用のアプリケーションソフトウェアが開発されることが必要であった。
【0010】
本発明の目的は、専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバを用いなくともよい、色校正用の領域を設けた表示パネルによる表示装置および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明が適用される表示装置は、複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルと、表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を表示するタイミングを、第1の表示領域への画像の表示のために指示する第1のストローブ信号と、第2の表示領域への画像の表示のために指示する第2のストローブ信号とを生成し、ドライバ回路に供給するコントローラと、第2の表示領域に対面して設けられ、第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサとを備えている。
そして、コントローラは、第2のストローブ信号を、1水平ラインに画像を描画する期間に相当する複数の水平同期期間のうち、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間に、ドライバ回路に供給する。
また、コントローラは、第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の時点から経過した時点に、第2のストローブ信号をドライバ回路に供給する。
【0012】
本発明が適用される表示装置の表示パネルは、第2の表示領域が、第1の表示領域の下部に設けられ、第2の表示領域に表示される画像が、第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である。
また、表示パネルは、第2の表示領域が、第1の表示領域の上部に設けられ、第2の表示領域に表示される画像が、第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像であってよい。
【0013】
他の観点から捉えると、本発明は、画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルに画像を表示する表示方法であって、第1の表示領域への画像の表示における、表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される1水平ラインに画像を描画する期間である水平同期期間において、この水平同期期間の開始の時点から、1水平ラインに画像を描画するタイミングを指示する第1のストローブ信号の開始の時点までの期間を計測するステップと、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間において、水平同期期間の開始の時点から、計測するステップにおいて計測された期間が経過した時点に、第2のストローブ信号を表示パネルに供給して、第2の表示領域に画像を描画するステップとを含む。
【0014】
さらに、本発明が適用される表示装置は、複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備え、第2の表示領域が、第1の表示領域の下部に設けられ、第2の表示領域に表示される画像が、第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である表示パネルと、表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を描画するタイミングを、第1の表示領域への画像の描画のために指示する第1のストローブ信号と、第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の開始の時点から経過した時点で、第2の表示領域への画像の描画のために指示する第2のストローブ信号とを、ドライバ回路に供給するコントローラと、第2の表示領域に対面して設けられ、第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサとを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバを用いなくともよい、色校正用の領域を設けた表示パネルによる表示装置および表示方法を提供できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における表示装置10を示す図である。
表示装置10は、画素が格子状に配列された表示パネル11、表示パネル11上において横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ラインの画素列に画像データを供給する、ドライバ回路の一例としてのXドライバ21、画像データを供給する水平ラインを表示パネル11の上から下へ順に指定する、同じくドライバ回路の一例としてのYドライバ31を備える。さらに、表示装置10は、供給される入力信号(図示せず)から表示パネル11を制御する信号を生成する、コントローラの一例としての表示コントローラ41、ストローブ(STB:Strobe Signal)信号を擬似的に発生させる、コントローラの一例としての疑似STB信号発生回路51、表示装置10に外部から入力信号を供給する配線接続点であるコネクタ71を備える。なお、これらの信号については後述する。
【0017】
表示パネル11は、一例として3つの領域に分かれている。すなわち、情報を提示するための第1の表示領域(情報表示領域)12、色センサに対面して色を校正するための画像を表示する第2の表示領域(色校正領域)13、および情報表示用領域12と色校正領域13とに連続しているが、表示に使われていない領域(不使用領域)14である。
第1の実施の形態では、色校正領域13は情報表示領域12の左側下部に設けられている。なお、色校正領域13を下部の左側に設けたが、下部であればいずれの位置にあってもよい。
【0018】
表示パネル11は、格子状に配列された画素15を備える。例えば、図1中の拡大図に示すように、1つの画素15は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのサブ画素15a、15b、15cが横に並んで構成されている(ストライプ配列)。そして、画素15は、表示パネル11において、情報表示領域12の横方向にHp個、縦方向にVp個、さらに色校正領域13の横方向にHsp個、縦方向にVsp個並んでいる。ここでは、情報表示領域12の最上部の水平ラインを#1とし、最下部の水平ラインを#Vpとする。さらに、色校正領域13の最上部の水平ラインを@1とし、最下部の水平ラインを@Vspとする。
第1の実施の形態では、一例として、Hpが1024、Vpが768、さらにHspが32、Vspが16であるとする。すなわち、情報表示領域12は1024(Hp)×768(Vp)のXGAである。そして、色校正領域13は、32(Hsp)×16(Vsp)である。
【0019】
さらに、表示装置10は、図示しないが、色校正領域13に対面して受光面が設けられた色センサを備える。色センサには、色を計測するため、受光した光をR、G、Bのそれぞれの色信号別に検出するものを用いうる。例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタの上にR、G、Bのカラーフィルタを設けたものを用いうる。
また、表示装置10は、図示しないが、情報表示領域12が開口となっているベゼル(フロントカバー)およびXドライバ21、Yドライバ31、表示コントローラ41、疑似STB信号発生回路51などに電力を供給する電源回路を備える。
【0020】
そして、表示装置10は、同じく図示しないが、表示パネル11が一例として液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネルであれば、表示パネル11の裏面に設けられ、表示パネル11に光を供給するバックライトユニットを備える。このバックライトユニットは、冷陰極放電管(CCFL:Cold Cathode Florescent Lump)や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を光源とするものであってよい。さらに、これらの光源は、表示パネル11の裏面に配置されてもよく、表示パネル11の裏面に設けられた導光板のエッジに設置されてもよい。
【0021】
表示コントローラ41には、DVI(Digital Visual Interface)などの信号規格に基づいて、表示パネル11に画像を描画するためのデータ(画像信号)および各種のクロック信号が供給される。このとき、画像信号は、一例として、TMDSと呼ばれるデータフォーマットで供給される。そして、画像信号は、一例として、R、G、Bのそれぞれが8ビットの階調(256階調)で供給されている。
【0022】
また、表示コントローラ41は、入力された画像信号から表示コントローラ41で画像処理が施された画像データなどを、Xドライバ21に送信する。また、表示コントローラ41は、クロック信号である水平同期(HS:Horizontal Synchronizing Signal)信号、垂直同期(VS:Vertical Synchronizing Signal)信号をYドライバ31に供給する。
疑似STB信号発生回路51は、表示コントローラ41と同時に、各種のクロック信号を受信し、疑似的にSTB信号(疑似STB信号)を生成する。そして、表示コントローラ41で生成した第1のストローブ信号であるSTB(Strobe)1信号と疑似STB信号発生回路51が生成した第2のストローブ信号である疑似STB信号とは、加えら(ORさ)れ、STB信号としてXドライバ21に供給される。これらの信号についても後述する。
【0023】
図2は、第1の実施の構成における表示コントローラ41の構成を示す図である。表示コントローラ41は、γ補正部42、γ補正データを収納するLUT(Lookup Table)43、タイミングコントロール信号発生部44を備える。
表示コントローラ41は、R、G、Bのそれぞれ8ビットの画像信号、データクロック(DCLK)信号、ディスプレイイネーブル(DSPEN:Display Enable)信号、HS信号およびVS信号を供給する。これらの信号についても後述する。
【0024】
γ補正部42は、画像信号を表示パネル11の表示特性に対応させるため、表示パネル11の特性に合わせて、画像信号を補正する。このとき、LUT43に予め補正値が収められているので、γ補正部42はLUT43を参照して、γ補正した画像信号を生成する。
タイミングコントロール信号発生部44は、γ補正した画像信号を、サブ画素15a、15b、15c毎に8ビットをパラレルに並べた画像データD0〜D23を生成する。さらに、新たにSTHR(Right shift start pulse)信号およびSTB1信号を生成する。これらの信号についても後述する。
【0025】
このようにして、表示コントローラ41は、DCLK、画像データ、STHR、STB1、DSPEN、HSの各信号を、Xドライバ21に送信し、HSおよびVSの各信号をYドライバ31に送信する。
【0026】
図3は、Xドライバ21およびYドライバ31の構成と、表示パネル11の画素15との接続関係を示す図である。ここでは、表示パネル11の一部を取り出して示している。なお、表示パネル11は、一例としてLCDパネルであるとする。
【0027】
始めに表示パネル11の構成を説明する。
表示パネル11のそれぞれの画素15は、前述したようにR、G、Bのサブ画素15a、15b、15cから構成されている。そして、それぞれのサブ画素15a、15b、15cは、ガラス基板(図示せず)上に形成された画素電極16と薄膜トランジスタ(TFT)17とを備えている。
そして、表示パネル11は、表示パネル11の横方向に並んだサブ画素15a、15b、15cのTFT17のそれぞれのゲート端子に接続されたX(ゲート)配線18を備える。さらに、表示パネル11は、表示パネル11の縦方向に並んだサブ画素15a(または、画素15b、15c)の薄膜トランジスタTFT12のソース端子に接続されたY(ソース)配線19を備える。
【0028】
ここでは、図示したX配線18をm番目および(m+1)番目のX配線18と呼び、図示したY配線19をn番目〜(n+4)番目のY配線19と呼ぶ。そして、表示パネル11の上端から下端に向けてmが1から順に並んでいるとし、表示パネル11の左端から右端に向けてnが1から順に並んでいるとする。ここでは、前述したように、Hpを1024、Vpを768、そしてHspを32、Vspを16としているので、mは1から784(768+16)で、nは1から3072(1024×3)である。
なお、図示しないが、画素電極16およびTFT17が形成されたガラス基板(TFT基板)に対向して、対向基板が設けられている。対向基板には、対向電極と、それぞれのサブ画素15a、15b、15cに対応して、R、G、Bの色を透過するカラーフィルタとが形成されている。
そして、表示パネル11は、TFT基板と対向電極基板の間に液晶が挟み込まれて構成されている。
【0029】
Xドライバ21は、表示パネル11の最下段(m=784)に横方向に並んだサブ画素15a、15b、15cにそれぞれ接続された電圧フォロア回路27、電圧フォロア回路27に接続されたレベルシフト(LS)回路26、さらにLS回路26に接続されたD/A変換器25、そしてD/A変換器25に接続されたラッチ回路24を備える。
そして、Xドライバ21は、すべてのラッチ回路24に共通に、データレジスタ23とシフトレジスタ22とを備える。
【0030】
Xドライバ21には、表示コントローラ41から、DCLK、画像データ、STHR、DSPEN、HSの各信号が供給される。なお、表示コントローラ41からのSTB1信号と、疑似STB信号発生回路51からの疑似STB信号とは、加えられ(ORされ)て、STB信号として、Xドライバ21に供給される。
それぞれのラッチ回路24は、サブ画素当たり8ビットの画像データを保持する。
D/A変換器25は、液晶セルを駆動するために、デジタル信号である画像信号をアナログ信号に変換する。D/A変換には、複数の抵抗をはしご状に構成した抵抗分圧型や、複数の基準電圧Vrefを設け、電圧を選択する電圧選択型などを用いうる。
LS回路26は、アナログ信号となった画像信号を、液晶駆動に必要な12V〜15Vの電圧にシフトさせる。
そして、電圧フォロア回路27は、出力を入力に負帰還させたOPアンプで、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスで、表示パネル11のY配線19に液晶駆動のための電圧を供給する。
【0031】
なお、Vdd1はシフトレジスタ22、データレジスタ23、ラッチ回路24のデジタル回路を駆動するための電源電圧(3.3V)である。Vrefは、前述したD/A変換器25の基準電位である。そして、Vdd2は、LS回路26、電圧フォロア回路27を駆動するための電源電圧(12V〜15V)である。
【0032】
Yドライバ31は、それぞれのX配線18に接続され電圧フォロア回路34、電圧フォロア回路34に接続されたLS(レベルシフト)回路33を備える。そして、Yドライバ31は、すべてのLS回路33に共通にシフトレジスタ32を備える。
Yドライバ31には、表示コントローラ41からHS信号およびVS信号が供給されている。
LS回路33は、例えば3.3VのHS信号などを液晶駆動に必要な12V〜40Vのゲート電圧にシフトする。
なお、Vdd1はシフトレジスタ32のデジタル回路を駆動するための電源電圧(3.3V)である。Veeは、LS回路33、電圧フォロア回路34を駆動するための電源電圧(12V〜40V)である。
そして、Xドライバ21およびYドライバ31は、それぞれLSIを複数並べて構成されている。
【0033】
図4は、第1の実施の形態における疑似STB信号発生回路51の構成を示す図である。
疑似STB信号発生回路51は、RSフリップフロップ(RS−F/F)52、56、カウンタ(Counter)53、比較器(Coparator)54、55、カウント(Count)部57、パルス発生(Pulse Generator)部58、AND回路59を備える。
それぞれの機能は、タイムチャートとともに後述する。
【0034】
図5は、第1の実施の形態における表示パネル11を駆動する信号についてのタイムチャートである。
VESAの規格(VESA CVT−rb(Reduced blanking))に基づいて、XGAの表示パネル11について1フレームの期間のタイムチャートを示した。
なお、図5においては、時間が右から左へと進むとし、1フレーム期間を時刻aから時刻iとして示した。1フレームの期間は、XGAの60Hzでは16.703msである。1フレーム期間は順次繰り返すので、時刻iで時刻aに戻って繰り返すことになる。
【0035】
始めに、表示装置10の外部から、表示コントローラ41および疑似STB信号発生回路51に供給されるデータクロック(DCLK)信号、VS信号、HS信号、ディスプレイイネーブル(DSPEN)信号について説明する。
DCLK信号は、1つの画素15(サブ画素15a、15b、15c)の画像データD0〜D23をXドライバ21に供給する時間を単位とするパルス信号である。DCLK信号の周期は、VESA CVT−rbの規格では、XGAにおいて、56.0MHzである。このDCLK信号は、1フレーム期間においてたえず供給されている。
なお、パルス信号とは、予め定められた時点で「H」になり、予め定められた短い時間の経過後、「L」になる信号をいう。パルス信号では、「H」になるタイミングが重要であるので、「L」になる時点については説明を省略する。
【0036】
VS信号は、1フレームの開始時に「H」となるパルス信号で、Yドライバ31に供給される。
HS信号は、表示パネル11の水平ライン毎の描画のタイミングを設定するパルス信号で、Yドライバ31に供給される。水平同期周期であるHS信号の周期(図5において、例えば時刻bから時刻eまでの期間)は、XGAで21.143μsである。そして、VESA CVT−rbの規格によると、XGAにおいて、HS信号は、時刻aから時刻iの1フレームあたり、790個供給される。
なお、情報表示領域12は768水平ラインであるので、情報表示領域12への描画は768個のHS信号で足りる。つまり、時刻bから時刻fまでの間の768個のHS信号が情報表示領域12に描画するために使用され、残りの22個は、時刻aから時刻bの間(バックポーチ)と時刻fから時刻iの間(フロントポーチ)とに分けて配置されている。そして、第1の実施の形態では、時刻fから時刻hの16個のHS信号の部分を色校正領域13に描画するために使用する。
【0037】
すなわち、第1の実施の形態においては、例えば、XGAの場合、768水平ラインに対して、VS信号が790個出力されていることから、余剰の22を用いて、色校正領域13に描画する。このことから、VESAの規格によるタイミングを用いても、色校正領域13に色校正用の画像を描画できる。
【0038】
DSPEN信号は、画像データD0〜D23が送信されていることを示す信号である。すなわち、DSPEN信号が「H」である期間(図5において、例えば時刻cから時刻dまでの期間)に送信された画像データD0〜D23がXドライバ21に受信される。ここでは、1水平ライン当たりの画素数Hpは1024であるので、時刻cから時刻dの期間に、1024個の画像データD0〜D23が供給されている。
【0039】
次に、表示コントローラ41が生成するSTHR(Right shift start pulse)信号およびSTB1信号について説明する。
STHR信号は、画像データD0〜D23の先頭を示すパルス信号であって、DSPEN信号が「H」となるタイミングに同期して生成される。一方、STB1信号は、DSPEN信号が「L」となるタイミングに同期して生成される。そして、STB1信号は、Xドライバ21が取り込んだ画像データD0〜D23を、液晶駆動のためのアナログ信号に変換して、表示パネル11の画素15に送出するように指示するパルス信号である。
【0040】
ここで、図3を参照しつつ、図5に基づいて、表示パネル11に画像がどのように描画されるかを説明する。
R、G、Bの画像信号は、表示装置10の外部から表示コントローラ41に供給される。そして、表示コントローラ41のγ補正部42で補正され、画像データD0〜D23として、Xドライバ21に供給される。ここで、画像データD0〜D23のうち、D0〜D7はサブ画素15a、画像データD8〜D15はサブ画素15b、画像データD16〜D23はサブ画素15cの画像データである。
【0041】
まず、水平ライン#1(m=1)に画像を描画する場合を説明する。
時刻aにおいて、Yドライバ31のシフトレジスタ32は、表示コントローラ41からVS信号を受信して、動作を開始する。そして、予め定められた個数のHS信号を受信した後の、時刻bにおいて、Yドライバ31のLS回路33と電圧フォロア回路34は、1水平ラインの1番目のX配線(m=1)の電位を、TFT17をオン状態にする電位に設定する。
一方、Xドライバ21のシフトレジスタ22は、時刻cにおいて、前述したSTHR信号を受信すると、DCLK信号のタイミングに同期して画像データD0〜D23を受信し、画像データD0〜D7をXドライバ21の1番目(n=1)のラッチ回路24に、D8〜D15を2番目(n=2)のラッチ回路24に、D16〜D23を3番目(n=3)のラッチ回路24に保持する。そして、次のDCLK信号のタイミングに同期して、新たに受信した画像データD0〜D23のうち、画像データD0〜D7をXドライバ21の4番目(n=4)のラッチ回路24に、D8〜D15を5番目(n=5)のラッチ回路24に、D16〜D23を6番目(n=6)のラッチ回路24に保持する。このようにして、n=1から3072(1024×3)個のラッチ回路24は、時刻cから時刻dまでの期間に、1水平ライン分の画像データD0〜D23を保持する。
なお、STHR信号が入力されない限り、それぞれのラッチ回路24は画像データD0〜D23をそのまま保持し続ける。
【0042】
そして、Xドライバ21のシフトレジスタ22が、STB信号に加えられたSTB1信号を受信すると、ラッチ回路24に保持された画像データD0〜D23に基づいて、D/A変換回路25、LS回路26、電圧フォロア回路27は、液晶駆動のための電位を生成し、1水平ラインの画像データをY配線19に一斉に送出する。そして、オン状態に設定されたTFT17を介して、液晶駆動のための電位がそれぞれのサブ画素15a、15b、15cの画素電極に供給される。
その後、1番目(m=1)のX配線18の電位が、TFT17をオフ状態にする電位に設定され、時刻eにおいて1水平ラインの画像の描画が終わる。
この操作が、X配線18について、m=1から768まで繰り返され、時刻fにおいて、情報表示領域12に対する1フレームの画像の描画が終了する。
【0043】
さて、情報表示領域12への画像の描画は、時刻bから時刻fまでの間に行われるので、画像データD0〜D23およびDPEN信号は、この間においてのみ設けられている。そして、STHR信号およびSTB1信号が生成される。よって、時刻bから時刻fまでの間の水平同期期間は、STB1信号を有している。
そして、時刻aから時刻bの期間および期間fから期間iの間は、画像データD0〜D23(破線で示した部分を除く)およびDSPEN信号はなく、STHR信号およびSTB信号も生成されない。よって、時刻aから時刻bの期間および期間fから期間iの間の水平同期期間は、STB1信号を有しない。
なお、D0〜D23において、破線で示した部分については、後述する。
【0044】
次に、疑似STB信号発生回路51の動作を説明する。
疑似STB信号発生回路51は、図4に示したように、DSPEN信号、HS信号、VS信号、DCLK信号が入力されている。
始めに、RS−F/F52について説明する。RS−F/F52は、セット(S)端子が「L」でリセット(R)端子が「H」のとき、出力が「L」になる。そして、RS−F/F52は、R端子が「L」のときにS端子が「H」になると出力が「H」になり、R端子が「H」になるまで「H」のままとなる。
RS−F/F52は、R端子にVS信号が、S端子にDSPEN信号が供給されている。したがって、図5のRS−F/F52(以下、RS−F/F52の出力端子の波形をRS−F/F52と表す。他の出力端子の波形についても同様とする。)に示すように、RS−F/F52の出力は、時刻aにおいて、R端子にVS信号(「H」)が入力されると、「L」になる。そして、時刻cにおいて、DSPEN信号(「H」)がS端子に入力されると「H」になる。
【0045】
次に、Counter53について説明する。Counter53は、R端子が「H」になると、出力が“0”にリセットされる。R端子が「L」のときにS端子が「H」になると、CLK端子の信号パルスをカウントし、カウントした数値を出力する。
Counter53のS端子にはRS−F/F52の出力、R端子にはVS信号、CLK端子にはHS信号が供給されている。したがって、時刻aにおいて、VS信号がR端子に入力されると、図5のCounter53に示すように、Counter53の出力は“0”になる。そして、時刻cでRS−F/F52の出力が「H」となると、CLK端子に供給されたHS信号のカウントを開始する。そして、RS−F/F52の出力が「H」の間(時刻cから時刻iの間)、HS信号の数をカウントする。したがって、Counter53の出力は、図5のCounter53に示すように、時刻aで“0”で、時刻eでHS信号(「H」)が入力されると “1”になる。そして、時刻fで“768”、次いで、時刻hで“784”となる。Counter53はその後もカウントを継続する。そして、Counter53の出力は、時刻i(a)において、VS信号がR端子に入力すると、“0”に戻る。
【0046】
さて、次にComparator54、55の動作について説明する。Comparator54、55は、−端子に数値が設定されると、+端子に入力された数値が、設定された数値より小さいと、出力として「L」を保ち、設定された数値以上となると、出力が「H」になる。逆に、+端子に数値が設定されると、−端子に入力された数値が、設定された数値より小さいと、出力として「H」を保ち、設定された数値以上になると、出力が「L」になる。
Comparator54は、比較の対象として“768”が−端子に設定されている。したがって、Comparator54の出力は、図5のComparator54に示すように、Counter53の出力が“768”より小さい、時刻aから時刻fまで「L」である。そして、Counter53の出力が“768”となった時刻fで「L」から「H」になる。さらに、Counter53の出力が“0”になる時刻i(a)で「L」に戻る。
一方、Comparator55は、比較の対象として“784”が+端子に設定されている。したがって、Comparator55の出力は、図5のComparator55に示すように、時刻aにおいて、Counter53の出力が“0”であるので、「H」になり、時刻hにおいて、Counter53の出力が“784”となると、「H」から「L」となる。そして、時刻i(a)において、Counter53の出力が“0”となると、「L」から「H」になる。
【0047】
次に、RS−F/F56について説明する。RS−F/F56の基本的な動作はRS−F/F52と同じである。
RS−F/F56のS端子にはHS信号が、R端子にはDSPEN信号が供給されている。RS−F/F56の出力は、図5のRS−F/F56に示すように、時刻aにおいて、HS信号(「H」)が入るので、「H」である。そして、時刻cにおいて、DSPEN信号が「H」となると、「L」になり、時刻eにおいて、HS信号が「H」となると、「H」になる。したがって、RS−F/F回路56の出力は、時刻cから時刻fの間は、DSPEN信号とHS信号に応じて、「H」と「L」を繰り返す。すなわち、RS−F/F56の出力は、例えば時刻dに示すように、STB1信号の存在する期間において、「L」になっている。
しかし、時刻fから時刻i(a)の間は、RS−F/F56の出力は、DSPEN信号が「L」であるので、「H」となる。
【0048】
次に、Count部57およびPulse Generation(以下、Pulse Gen.と略す。)部58について説明する。
Count部57は、HS信号、DSPEN信号が入力され、CLK端子にDCLK信号が入力されている。Count部57は、HS信号が「H」になるタイミングからDSPEN信号が終わるタイミング(DSPEN信号が「H」から「L」になる時点)の間のDCLK信号の数をカウントする。そして、Count部57は、カウントした数を保持し、出力しつづける。例えば、Count部57は、図5の時刻bから時刻dまでの期間のDCLK信号の数をカウントする。
【0049】
一方、Pulse Gen.部58は、Count部57の出力とHS信号とが入力され、CLK端子にDCLK信号が入力されている。そして、HS信号が「H」になるタイミングから、DCLK信号をカウントし、カウントしたDCLK信号の数とCount部57の出力とが一致したとき、DCLK信号の1クロック分の信号を発生する。
前述したように、Count部57の出力は、時刻bから時刻dまでの期間のDCLK信号の個数である。一方、Pulse Gen.部58も、時刻bからDCLK信号の数のカウントを開始する。そして、時刻dで、Pulse Gen.部58の出力は、Count部57の出力と同じとなる。したがって、Pulse Gen.部58は、図5のPulse Gen.58に示すように、時刻dにおいて、DCLK信号の1クロック分の信号を発生する。そして、Pulse Gen.部58の発生する信号は、DSPEN信号の終了時に発生されるSTB1信号と同じタイミングで発生する。すなわち、Count部57は、情報表示領域12への画像の描画における水平同期期間の開始から、STB1信号までの期間を計測していることになる。
【0050】
さらに、Count部57がHS信号からDSPEN信号の終了時までのDCLK信号の数を記憶しているので、Pulse Gen.部58は、DSPEN信号がなくとも、DCLK信号の1クロック分の信号を発生しうる(図5において、例えば時刻g)。そして、Pulse Gen.部58の発生する信号の間隔は、STB1信号の間隔と同じとなっている。
【0051】
さて、AND回路59について説明する。AND回路59には、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56、Pulse Gen.部58の出力が並列に入力されている。したがって、これらのすべての出力が「H」のとき、AND回路59の出力が「H」になる。
すると、図5から分かるように、Pulse Gen.部58を除く、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56のそれぞれの出力が、共に「H」である期間は、時刻fから時刻hの期間である。この期間は、色校正領域13に画像を描画する期間にあたる。
この結果、AND回路59の出力は、図5のANDに示すように、時刻fから時刻hの期間の、Pulse Gen.部58の出力となる。ここでは、時刻fから時刻hまでのPulse Gen.部58の出力は、STB1信号と同等の信号であって、擬似的に生成されていることから、疑似STB信号と呼ぶ。そして、疑似STB信号は、STB1信号を有しない水平同期期間に生成されている。
そして、疑似STB信号発生回路51が生成した疑似STB信号は、表示コントローラ41の生成するSTB1信号と加えられて(ORされて)、STB信号となって、Xドライバ21に供給される。すなわち、STB信号は、図5のSTBとして示すように、表示コントローラ41の生成するSTB1信号(時刻bから時刻f)と、疑似STB信号発生回路51が生成する疑似STB信号(時刻fから時刻h)とからなる。そして、これらの信号の発生する時間間隔は同じである。
【0052】
さて、前述したように、Xドライバ21は、シフトレジスタ22がSTB1信号を受信すると、ラッチ回路24に蓄積された画像データD0〜D23に基づいて、Y配線19に液晶駆動のための電位を送出する。そして、ラッチ回路24は、シフトレジスタ22がSTHR信号を受信して、新たな画像データD0〜D23を読み込むまで、画像データD0〜D23を保持している。よって、例えば、時刻gにおいても、ラッチ回路24は、情報表示領域12の最下段の水平ライン#768に表示された画像データD0〜D23を保持している。
【0053】
したがって、時刻gにおいて、シフトレジスタ22が疑似STB信号を受信すると、色校正領域13の最初の水平ライン@1に、図5のD0〜D23に破線で示すように、水平ライン#768の描画に使用され、ラッチ回路24に蓄積された画像データD0〜D23に基づいて、Y配線19に液晶駆動のための電位を送出する。そして、時刻fから時刻hまでの疑似STB信号に対応して、色校正領域13の水平ライン@1から@16に、情報表示領域12の最下段の水平ライン#768の画像が描画される。
【0054】
図6は、第1の実施の形態における情報表示領域12と色校正領域13とに描画された画像の一例を示す図である。
情報表示領域12の最下段である水平ライン#768に描画された画像が、色校正領域13の水平ライン@1から@16に描画されている。
【0055】
以上説明したように、第1の実施の形態において、表示装置10には、コネクタ71を介して、VESAなどの規格で定められた信号が供給されている。そして、表示コントローラ41から、Xドライバ21およびYドライバ31に、情報表示領域12に画像を描画する信号が送信されている。すなわち、表示装置10には、色校正領域13を備えない表示パネル11に送信される信号と同じ信号が供給されている。
【0056】
その一方、疑似STB信号発生回路51は、情報表示領域12に画像を描画する信号から、色校正領域13に画像を描画するための疑似STB信号を生成している。
しかも、色校正領域13には、情報表示領域12の最下段の水平ラインの画像データがそのまま繰り返して描画される。このため、色校正領域13に描画する画像のためのデータを別途入力するための回路を設けていない。
すなわち、色校正モードにおいて使用される画像は、情報表示領域12の最下段の水平ラインに設定すればよい。色校正に、R、G、Bのそれぞれの単色またはそれぞれの中間階調の画像が用いられる場合は、情報表示領域12の最下段の水平ラインにその画像を描画すればよい。
【0057】
これらのことにより、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、専用のビデオカードや専用のビデオドライバを用いなくともよく、色校正領域13を描画する画像データを別回路で供給する必要がない。すなわち、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、色校正領域13を設けない表示装置と同様に取り扱いうる。そして、例え、VESA CVTのUXGAであっても、DCLKの周波数がTMDS規格の上限を超えることはない。
【0058】
なお、専用のビデオカードや専用のビデオドライバにより、表示装置10に情報表示領域12に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されることがありうる。以下に、表示装置10に情報表示領域12および色校正領域13とに画像を描画する信号が供給された場合について説明する。
【0059】
この場合、第1の実施の形態において、表示装置10には、XGAの情報表示領域12の水平ライン#1〜#768に色校正領域13の水平ライン@1〜@16を加えた、水平ライン784本に対して、画像データD0〜D23などの信号が供給される。このため、色校正領域13へ画像を描画する期間にあたる、図5に示す時刻fから時刻hの期間にも、画像データD0〜D23およびDSPEN信号が存在する。これにより、表示コントローラ41は、この期間においても、STB1信号を生成し、Xドライバ21に供給する。一方、この期間において、疑似STB信号発生回路51は疑似STB信号を発生しないことが望ましい。
【0060】
さて、AND回路59には、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56、Pulse Gen.部58の出力が並列に入力されている。そして、図5に示す時刻fから時刻hの期間では、前述したように、Comparator54およびComparator55のそれぞれの出力は「H」である。一方、RS−F/F56の出力は、前述したように、STB1信号の存在する期間において、「L」になっている。疑似STB信号はSTB1信号と同じタイミングで発生する。このため、RS−F/F56の出力は、疑似STB信号が発生する期間において、「L」となる。これにより、AND回路59は、図5に示す時刻fから時刻hの期間において、疑似STB信号を発生しないようになっている。
【0061】
以上、説明したように、第1の実施の形態の表示装置10は、情報表示領域12に画像を描画する信号に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されても、供給された信号に基づいて、情報表示領域12および色校正領域13に画像を描画できるようになっている。
しかし、表示装置10に対して、情報表示領域12に画像を描画する信号に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されることがなければ、疑似STB信号発生回路51に、RS−F/F56を設けなくともよい。
【0062】
疑似STB信号発生回路51は、ASICなどで構成してもよく、個別の論理ICを用いて構成してもよい。さらに、表示コントローラ41と合わせて構成してもよい。そして、疑似STB信号発生回路51の機能を実現する回路は、通常のデジタル回路技術で構成することができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。ここでは、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、同じ部分には同じ記号を付与して説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態における表示装置10を示す図である。
第2の実施の形態における表示装置10の表示パネル11は、色校正領域13が情報表示領域12の上部右側に設けられている点で、第1の実施の形態における表示パネル11と異なる。
なお、ここでは、色校正領域13を上部の右側に設けたが、上部であればいずれの位置にあってもよい。
【0064】
そして、画素は、表示パネル11において、情報表示領域12の横方向にHp個、縦方向にVp個、そして、色校正領域13の横方向にHsp個、縦方向にVsp個並んでいる。そして、情報表示領域12の最上部の水平ラインを#1とし、最下部の水平ラインを#Vpとする。そして、色校正領域13の最上部の水平ラインを@1とし、最下部の水平ラインを@Vspとする。
ここでは、第1の実施の形態の表示パネル11と同様に、一例として、Hpが1024、Vpが768、そしてHspが32、Vspが16であるとする。すなわち、情報表示領域12は1024(Hp)×768(Vp)のXGAである。そして、色校正領域13は、32(Hsp)×16(Vsp)である。
【0065】
第2の実施の形態における表示装置10のXドライバ21、Yドライバ31、表示コントローラ41は、第1の実施の形態における表示装置10と同じである。
一方、疑似STB信号発生回路51の構成が異なっている。
【0066】
図8は、第2の実施の形態における疑似STB信号発生回路51の構成を示す図である。
疑似STB信号発生回路51は、カウンタ(Counter)53、比較器(Coparator)回路54、55、RSフリップフロップ(RS−F/F)回路56、Count部(Count)57、パルス発生(Pulse Generation)部58、AND回路59、カウンタリセットパルス発生(Reset)部60を備える。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態のRSフリップフロップ(RS−F/F)52の代わりに、カウンタリセットパルス発生(Reset)部60を備える。
以下では、表示パネル11を駆動するタイムチャートとともに、これらの回路の動作を説明する。
【0067】
図9は、第2の実施の形態における表示パネル11を駆動する信号についてのタイムチャートである。
第2の実施の形態では、色校正領域13が情報表示領域12の上部に設けられているので、第1の実施の形態での、表示パネル11を駆動する信号のタイムチャートにおける時刻aから時刻bまでの期間(バックポーチ)に、色校正領域13への画像の描画を行うこととなる。
そこで、図9では、図5の時刻b以降を示し、連続する2つのフレーム#1とフレーム#2を示した。そして、時刻aから時刻bまでの期間に相当する期間(時刻iから時刻jまでの期間)において、色校正領域13へ画像を描画するとした。
なお、色校正領域13の垂直方向の画素数Vspは16であるので、時刻i(a)から時刻j(b)までの期間の16水平ラインにおいて、色校正領域13に画像が描画される。そして、時刻j(b)から時刻k(f)までの期間に、情報表示領域12に画像が描画される。この期間において768水平ラインに画像が描画される。すると、残りの時刻fから時刻i(a)までの期間は、VESAの規格による790水平ラインから、情報表示領域12と色校正領域13との水平ライン数を引いた、6水平ラインとなる。
【0068】
図9において、DCLK信号、VS信号、HS信号、DSPEN信号、画像データD0〜D23(破線で示す部分を除く)、STHR信号、STB1信号は、第1の実施の形態の場合と同じである。
【0069】
まず、Reset部60について説明する。
Reset部60には、HS信号、DSPEN信号、DCLK信号が入力されている。そして、Reset部60は、DCLK信号をカウントして、HS信号を受信した後、予め定められた期間においてDSPEN信号を受信しなかったときに、「H」のパルス信号(リセットパルス信号)を出力し、それ以外は「L」を維持する。すなわち、図9のReset60に示すように、時刻bから時刻fまでの期間では、HS信号の後、DSPEN信号が存在する。したがって、Reset部60の出力は、「L」を維持する。しかし、時刻gは、DSPEN信号があるとすると、DSPEN信号が終了する時点に相当する。しかし、DSPEN信号が存在しないため、Reset部60は、図9のReset60に示すように、時刻gにおいて、リセットパルス信号を送出する。そして、その他の期間において、Reset部60の出力は「L」を維持する。
【0070】
次に、Counter53について説明する。
第2の実施の形態のCounter53は、Reset部60の出力とHS信号が入力される。Counter53は、Reset部60からリセットパルス信号を受信すると、カウント数を“0”にリセットし、その後、HS信号の数をカウントする。したがって、Counter53の出力は、図9のCounter53に示すように、時刻gにおいて、“0”となり、時刻i(a)で“6”、そして、時刻j(b)で“22”となる。さらに、Counter53はカウントし続け、時刻k(f)で“790”となる。
【0071】
さて、Comparator54、55の機能は、設定された比較の対象が異なるが、第1の実施の形態の場合と同じである。
Comparator54は、比較の対象として“5”が−端子に設定されている。よって、Comparator54の出力は、図9のComparator54に示すように、時刻bでは、Counter53の出力が“5”を超えているため、「H」である。そして、時刻gにおいて、Counter53の出力が“0”になると、「L」になる。その後、Counter53の出力が“5”になる時刻i(a)までの期間、「L」を維持する。そして、Counter53の出力が“5”を超えた時刻i(a)において、「H」となり、そのまま維持される。
【0072】
Comparator55は、比較の対象として“21”が+端子に設定されている。よって、Comparator55の出力は、図9のComparator55に示すように、時刻bでは、Counter53の出力が“21”を超えているため、「L」である。そして、時刻gにおいて、Counter53の出力が“0”になると、「H」になる。その後、時刻j(b)において、Counter53の出力が“21”を超えると「L」となり、そのまま維持される。
【0073】
RS−F/F56、Count部57、Pulse Genenation(Pulse Gen.と略す。)部58の機能は、第1の実施の形態の場合と同じである。よって、RS−F/F56およびPulse Gen.58のそれぞれの出力は図9に示す通りとなる。
【0074】
さて、AND回路59について説明する。AND回路59には、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56、Pulse Gen.部58の出力が並列に入力されている。したがって、これらのすべての出力が「H」のとき、AND回路59の出力が「H」になる。
すると、図9から分かるように、Pulse Gen.部58を除く、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56のそれぞれの出力が、共に「H」である期間は、時刻i(a)から時刻j(b)までの期間である。
この結果、AND回路59の出力は、図9のANDに示すように、時刻i(a)から時刻j(b)の、Pulse Gen.部58の出力となる。その他の期間は、「L」である。
ここでは、時刻i(a)から時刻j(b)までのPulse Gen.部58の出力は、STB1信号と同等の信号であって、擬似的に生成されている。このことから、AND回路59の出力、すなわち疑似STB信号発生回路51が生成した信号を疑似STB信号と呼ぶ。
【0075】
そして、疑似STB信号発生回路51が生成した疑似STB信号は、表示コントローラ41の生成するSTB1信号と加えられて(ORされて)、STB信号となって、Xドライバ21に供給される。すなわち、したがって、Xドライバ21に供給されるSTB信号は、時刻i(a)から時刻j(b)までの、疑似STB信号発生回路51が発生する疑似STB信号と、これに引き続く、時刻j(b)から時刻k(f)までの、表示コントローラ41が発生するSTB1信号からなる。
【0076】
そして、第1の実施の形態で説明したように、フレーム#2の時刻iから時刻jまでの、色校正領域13に画像を描画する期間においては、1フレーム前(フレーム#1)の時刻bから時刻fまでの期間において、情報表示領域12の水平ライン#768に描画され、Xドライバのラッチ回路24に保持された画像データD0〜D23が、図9のD0〜D23に示すように、色校正領域13に繰り返して描画されることになる。そして、時刻jから時刻kまでの、情報表示領域12に描画する期間においては、画像データD0〜D23に基づいて画像が描画される。
【0077】
図10は、第2の実施の形態における、情報表示領域12と色校正領域13とに描画された画像の一例を示す図である。色校正領域13の水平ライン@1〜@16には、1フレーム前の情報表示領域12の最下段の水平ライン#768に描画された画像が描画されている。
【0078】
以上説明したように、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、専用のビデオカードや専用のビデオドライバを要しないとともに、色校正領域13を描画する画像データを別回路で供給する必要がない。すなわち、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、色校正領域13を設けない表示装置と同様に取り扱いうる。そして、例え、UXGAであっても、データクロックの周波数が規格の上限を超えることはない。
【0079】
なお、第2の実施の形態の表示装置10は、第1の実施の形態でと同様に、情報表示領域12に画像を描画する信号に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されても、供給された信号に基づいて、情報表示領域12および色校正領域13に画像を描画できるようになっている。
【0080】
疑似STB信号発生回路51は、ASICなどで構成してもよく、個別の論理ICを用いて構成してもよい。さらに、表示コントローラ41と合わせて構成してもよい。そして、疑似STB信号発生回路51の前述した機能を実現する回路は、通常のデジタル回路技術で構成することができることは明らかである。
【0081】
さらに、第1および第2の実施の形態においては、VESAの規格におけるXGAの場合を示したが、UXGAなどその他の規格であってもかまわない。いずれの規格においても、情報表示領域に画像を描画するのに必要なHS信号の数を超えるHS信号が設定されているので、その余剰の信号を使用すればよい。
また、第1および第2の実施の形態においては、色校正領域の水平ラインの数を16としたが、色校正領域に対向して配置される色センサが受光できる面積であればよく、16に限られない。
【0082】
そして、第1および第2の実施の形態において、表示装置に用いる表示パネルとしてLCDパネルとしたが、LCDパネルと同様にマトリクス駆動されるPDPやELパネルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施の形態における表示装置を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における表示コントローラの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態におけるXドライバおよびYドライバの構成と、表示パネルの画素との接続関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態における疑似STB信号発生回路の構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態における表示パネルを駆動する信号についてのタイムチャートである。
【図6】第1の実施の形態における情報表示領域と色校正領域とに描画された画像の一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における表示装置を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における疑似STB信号発生回路の構成を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における表示パネルを駆動する信号についてのタイムチャートである。
【図10】第2の実施の形態における情報表示領域と色校正領域とに描画された画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10…表示装置、11…表示パネル、12…情報表示領域、13…色校正領域、15…画素、21…Xドライバ、31…Yドライバ、41…表示コントローラ、51…疑似STB信号発生回路
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置およびその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(EL:Electroluminescence Display)などの表示装置は、コンピュータの端末装置を始め、TVなどの放送受信用ディスプレイとして広く用いられている。
近年では、これらの表示装置は、医療の分野、印刷業務の分野、映画のCG製作の分野などにも使用されるようになってきた。しかし、これらの分野では、表示画面の色の再現性が厳しく求められている。
【0003】
これらの表示装置は、温度・湿度などの環境や経時変化により、制御回路の回路定数が変動する。これにより、表示画面に再現される色が変化する。そこで、頻繁に色校正が行われる。例えば、毎朝、表示装置を使用する前に、表示装置を色校正モードに設定すると共に、外付けの色度センサなどの色センサの受光面を表示画面に押し当てて、表示画面の色度などを測定し、表示装置のコントローラなどに設定されたγ特性やバックライトの色バランスなどを調整する。
しかし、この色校正は、頻繁に行う必要があると共に、定められた手順で行わなければならないため、きわめて煩雑である。また、このような外付けの色センサは、表示画面を覆い隠すため、表示画面上に常時セットしておくことができない。
【0004】
そこで、非特許文献1に示されているように、情報を表示する表示領域の他に、色校正用の画像を表示する色校正用の領域を設けた表示パネルが開発されている。この表示パネルの色校正用の領域に受光面を対面させた色センサを設け、色校正用の領域および色センサをベゼルと呼ばれるカバー(フロントカバー)で覆う。この結果、ユーザは、色度センサを取り付ける手間がなく、色校正モードに設定するだけで、色校正ができるようになる。また、ユーザは色校正用の領域を意識することなく、表示装置を使用することができる。
【0005】
【非特許文献1】Engineering Specification Type 21.3 QSXGA Monochrome TFT/LCD Module Model Name : IAQS80. Document Control Number : OEM I-980-03[Online]. International Display Technology, October 8, 2002. [retrieved on 2008-10-20]. Retrieved from the Internet: <http://www.idtech.co.jp/en/products/pdf/oem_i-980-03.pdf>.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、表示パネルの画素数や表示パネルを駆動するための入力信号は、標準化団体であるVESA(Video Electronics Standards Association)などにより規格化されている。例えば、XGA(Extended Graphics Array)の規格では、縦横の画素数が1024ドット×728ドット(以下、1024×728と記す。)と定められている。また、水平周波数47.816Hzなどと、さまざまなクロック周波数やさまざまな期間が定められている。このような規格に基づいて、コンピュータなどから表示装置に信号を供給するビデオカードや、コンピュータなどの装置にインストールされ、ビデオカードを制御して表示装置に適した信号を生成するビデオドライバと呼ばれるソフトウェアが作られている。
さて、色校正用の領域を設けた表示パネルは、設けない表示パネルに比べ、色校正用の領域の画素数が多くなっている。このため、標準化された規格に対応するビデオカードやビデオドライバが使用できないという問題があった。そこで、色校正用の領域を設けた表示パネルを駆動するには、専用のビデオカードや専用のビデオドライバで対応せざるを得なかった。
【0007】
さらに、Windows(登録商標)などのオペレーティングシステム(OS)は、表示画面の全面に画像を表示するように設計されている。したがって、色校正用の領域を設けた表示パネルを、専用のビデオカードや専用のビデオドライバを用いて駆動したとしても、OSは、表示画面の一部が色校正用の領域であることを認識しないため、色校正用の領域にも画像を描画してしまう。このため、ユーザはベゼルで覆われた色校正用の領域に描画された画像を見ることができない。また、このようなOSの管理下で動作する、いわゆるアプリケーションソフトウェアについても、同様のことが起こる。
【0008】
また、表示装置の解像度が高くなると、表示装置に送信される画像信号のビットレートが高くなり、規格に定められた最高のビットレートを超えてしまうことが生じうる。例えば、前述したVESAの規格であるUXGA(Ultra Extended Graphics Array)では、縦横の画素数が1600×1200である。このとき、フレームレートを60Hz、垂直ブランクを45水平ラインとすると、VESA CVTの規格においては、データクロック周波数は161.0MHzとなる。これにセンサエリアとして32水平ラインを設けるとすると、データクロック周波数は165.5MHzとなって、信号規格のTMDS(Transition Minimized Differential Signaling)の上限である165MHzを超えることになる。
【0009】
これまで述べたように、色校正用の領域が設けられた表示装置を使用するには、専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバが用意され、専用のアプリケーションソフトウェアが開発されることが必要であった。
【0010】
本発明の目的は、専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバを用いなくともよい、色校正用の領域を設けた表示パネルによる表示装置および表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明が適用される表示装置は、複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルと、表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を表示するタイミングを、第1の表示領域への画像の表示のために指示する第1のストローブ信号と、第2の表示領域への画像の表示のために指示する第2のストローブ信号とを生成し、ドライバ回路に供給するコントローラと、第2の表示領域に対面して設けられ、第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサとを備えている。
そして、コントローラは、第2のストローブ信号を、1水平ラインに画像を描画する期間に相当する複数の水平同期期間のうち、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間に、ドライバ回路に供給する。
また、コントローラは、第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の時点から経過した時点に、第2のストローブ信号をドライバ回路に供給する。
【0012】
本発明が適用される表示装置の表示パネルは、第2の表示領域が、第1の表示領域の下部に設けられ、第2の表示領域に表示される画像が、第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である。
また、表示パネルは、第2の表示領域が、第1の表示領域の上部に設けられ、第2の表示領域に表示される画像が、第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像であってよい。
【0013】
他の観点から捉えると、本発明は、画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルに画像を表示する表示方法であって、第1の表示領域への画像の表示における、表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される1水平ラインに画像を描画する期間である水平同期期間において、この水平同期期間の開始の時点から、1水平ラインに画像を描画するタイミングを指示する第1のストローブ信号の開始の時点までの期間を計測するステップと、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間において、水平同期期間の開始の時点から、計測するステップにおいて計測された期間が経過した時点に、第2のストローブ信号を表示パネルに供給して、第2の表示領域に画像を描画するステップとを含む。
【0014】
さらに、本発明が適用される表示装置は、複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備え、第2の表示領域が、第1の表示領域の下部に設けられ、第2の表示領域に表示される画像が、第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である表示パネルと、表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を描画するタイミングを、第1の表示領域への画像の描画のために指示する第1のストローブ信号と、第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の開始の時点から経過した時点で、第2の表示領域への画像の描画のために指示する第2のストローブ信号とを、ドライバ回路に供給するコントローラと、第2の表示領域に対面して設けられ、第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサとを備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、専用のビデオカードおよび専用のビデオドライバを用いなくともよい、色校正用の領域を設けた表示パネルによる表示装置および表示方法を提供できる効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態における表示装置10を示す図である。
表示装置10は、画素が格子状に配列された表示パネル11、表示パネル11上において横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ラインの画素列に画像データを供給する、ドライバ回路の一例としてのXドライバ21、画像データを供給する水平ラインを表示パネル11の上から下へ順に指定する、同じくドライバ回路の一例としてのYドライバ31を備える。さらに、表示装置10は、供給される入力信号(図示せず)から表示パネル11を制御する信号を生成する、コントローラの一例としての表示コントローラ41、ストローブ(STB:Strobe Signal)信号を擬似的に発生させる、コントローラの一例としての疑似STB信号発生回路51、表示装置10に外部から入力信号を供給する配線接続点であるコネクタ71を備える。なお、これらの信号については後述する。
【0017】
表示パネル11は、一例として3つの領域に分かれている。すなわち、情報を提示するための第1の表示領域(情報表示領域)12、色センサに対面して色を校正するための画像を表示する第2の表示領域(色校正領域)13、および情報表示用領域12と色校正領域13とに連続しているが、表示に使われていない領域(不使用領域)14である。
第1の実施の形態では、色校正領域13は情報表示領域12の左側下部に設けられている。なお、色校正領域13を下部の左側に設けたが、下部であればいずれの位置にあってもよい。
【0018】
表示パネル11は、格子状に配列された画素15を備える。例えば、図1中の拡大図に示すように、1つの画素15は、赤(R)、緑(G)、青(B)の3つのサブ画素15a、15b、15cが横に並んで構成されている(ストライプ配列)。そして、画素15は、表示パネル11において、情報表示領域12の横方向にHp個、縦方向にVp個、さらに色校正領域13の横方向にHsp個、縦方向にVsp個並んでいる。ここでは、情報表示領域12の最上部の水平ラインを#1とし、最下部の水平ラインを#Vpとする。さらに、色校正領域13の最上部の水平ラインを@1とし、最下部の水平ラインを@Vspとする。
第1の実施の形態では、一例として、Hpが1024、Vpが768、さらにHspが32、Vspが16であるとする。すなわち、情報表示領域12は1024(Hp)×768(Vp)のXGAである。そして、色校正領域13は、32(Hsp)×16(Vsp)である。
【0019】
さらに、表示装置10は、図示しないが、色校正領域13に対面して受光面が設けられた色センサを備える。色センサには、色を計測するため、受光した光をR、G、Bのそれぞれの色信号別に検出するものを用いうる。例えば、フォトダイオードやフォトトランジスタの上にR、G、Bのカラーフィルタを設けたものを用いうる。
また、表示装置10は、図示しないが、情報表示領域12が開口となっているベゼル(フロントカバー)およびXドライバ21、Yドライバ31、表示コントローラ41、疑似STB信号発生回路51などに電力を供給する電源回路を備える。
【0020】
そして、表示装置10は、同じく図示しないが、表示パネル11が一例として液晶表示(LCD:Liquid Crystal Display)パネルであれば、表示パネル11の裏面に設けられ、表示パネル11に光を供給するバックライトユニットを備える。このバックライトユニットは、冷陰極放電管(CCFL:Cold Cathode Florescent Lump)や発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)を光源とするものであってよい。さらに、これらの光源は、表示パネル11の裏面に配置されてもよく、表示パネル11の裏面に設けられた導光板のエッジに設置されてもよい。
【0021】
表示コントローラ41には、DVI(Digital Visual Interface)などの信号規格に基づいて、表示パネル11に画像を描画するためのデータ(画像信号)および各種のクロック信号が供給される。このとき、画像信号は、一例として、TMDSと呼ばれるデータフォーマットで供給される。そして、画像信号は、一例として、R、G、Bのそれぞれが8ビットの階調(256階調)で供給されている。
【0022】
また、表示コントローラ41は、入力された画像信号から表示コントローラ41で画像処理が施された画像データなどを、Xドライバ21に送信する。また、表示コントローラ41は、クロック信号である水平同期(HS:Horizontal Synchronizing Signal)信号、垂直同期(VS:Vertical Synchronizing Signal)信号をYドライバ31に供給する。
疑似STB信号発生回路51は、表示コントローラ41と同時に、各種のクロック信号を受信し、疑似的にSTB信号(疑似STB信号)を生成する。そして、表示コントローラ41で生成した第1のストローブ信号であるSTB(Strobe)1信号と疑似STB信号発生回路51が生成した第2のストローブ信号である疑似STB信号とは、加えら(ORさ)れ、STB信号としてXドライバ21に供給される。これらの信号についても後述する。
【0023】
図2は、第1の実施の構成における表示コントローラ41の構成を示す図である。表示コントローラ41は、γ補正部42、γ補正データを収納するLUT(Lookup Table)43、タイミングコントロール信号発生部44を備える。
表示コントローラ41は、R、G、Bのそれぞれ8ビットの画像信号、データクロック(DCLK)信号、ディスプレイイネーブル(DSPEN:Display Enable)信号、HS信号およびVS信号を供給する。これらの信号についても後述する。
【0024】
γ補正部42は、画像信号を表示パネル11の表示特性に対応させるため、表示パネル11の特性に合わせて、画像信号を補正する。このとき、LUT43に予め補正値が収められているので、γ補正部42はLUT43を参照して、γ補正した画像信号を生成する。
タイミングコントロール信号発生部44は、γ補正した画像信号を、サブ画素15a、15b、15c毎に8ビットをパラレルに並べた画像データD0〜D23を生成する。さらに、新たにSTHR(Right shift start pulse)信号およびSTB1信号を生成する。これらの信号についても後述する。
【0025】
このようにして、表示コントローラ41は、DCLK、画像データ、STHR、STB1、DSPEN、HSの各信号を、Xドライバ21に送信し、HSおよびVSの各信号をYドライバ31に送信する。
【0026】
図3は、Xドライバ21およびYドライバ31の構成と、表示パネル11の画素15との接続関係を示す図である。ここでは、表示パネル11の一部を取り出して示している。なお、表示パネル11は、一例としてLCDパネルであるとする。
【0027】
始めに表示パネル11の構成を説明する。
表示パネル11のそれぞれの画素15は、前述したようにR、G、Bのサブ画素15a、15b、15cから構成されている。そして、それぞれのサブ画素15a、15b、15cは、ガラス基板(図示せず)上に形成された画素電極16と薄膜トランジスタ(TFT)17とを備えている。
そして、表示パネル11は、表示パネル11の横方向に並んだサブ画素15a、15b、15cのTFT17のそれぞれのゲート端子に接続されたX(ゲート)配線18を備える。さらに、表示パネル11は、表示パネル11の縦方向に並んだサブ画素15a(または、画素15b、15c)の薄膜トランジスタTFT12のソース端子に接続されたY(ソース)配線19を備える。
【0028】
ここでは、図示したX配線18をm番目および(m+1)番目のX配線18と呼び、図示したY配線19をn番目〜(n+4)番目のY配線19と呼ぶ。そして、表示パネル11の上端から下端に向けてmが1から順に並んでいるとし、表示パネル11の左端から右端に向けてnが1から順に並んでいるとする。ここでは、前述したように、Hpを1024、Vpを768、そしてHspを32、Vspを16としているので、mは1から784(768+16)で、nは1から3072(1024×3)である。
なお、図示しないが、画素電極16およびTFT17が形成されたガラス基板(TFT基板)に対向して、対向基板が設けられている。対向基板には、対向電極と、それぞれのサブ画素15a、15b、15cに対応して、R、G、Bの色を透過するカラーフィルタとが形成されている。
そして、表示パネル11は、TFT基板と対向電極基板の間に液晶が挟み込まれて構成されている。
【0029】
Xドライバ21は、表示パネル11の最下段(m=784)に横方向に並んだサブ画素15a、15b、15cにそれぞれ接続された電圧フォロア回路27、電圧フォロア回路27に接続されたレベルシフト(LS)回路26、さらにLS回路26に接続されたD/A変換器25、そしてD/A変換器25に接続されたラッチ回路24を備える。
そして、Xドライバ21は、すべてのラッチ回路24に共通に、データレジスタ23とシフトレジスタ22とを備える。
【0030】
Xドライバ21には、表示コントローラ41から、DCLK、画像データ、STHR、DSPEN、HSの各信号が供給される。なお、表示コントローラ41からのSTB1信号と、疑似STB信号発生回路51からの疑似STB信号とは、加えられ(ORされ)て、STB信号として、Xドライバ21に供給される。
それぞれのラッチ回路24は、サブ画素当たり8ビットの画像データを保持する。
D/A変換器25は、液晶セルを駆動するために、デジタル信号である画像信号をアナログ信号に変換する。D/A変換には、複数の抵抗をはしご状に構成した抵抗分圧型や、複数の基準電圧Vrefを設け、電圧を選択する電圧選択型などを用いうる。
LS回路26は、アナログ信号となった画像信号を、液晶駆動に必要な12V〜15Vの電圧にシフトさせる。
そして、電圧フォロア回路27は、出力を入力に負帰還させたOPアンプで、高入力インピーダンス、低出力インピーダンスで、表示パネル11のY配線19に液晶駆動のための電圧を供給する。
【0031】
なお、Vdd1はシフトレジスタ22、データレジスタ23、ラッチ回路24のデジタル回路を駆動するための電源電圧(3.3V)である。Vrefは、前述したD/A変換器25の基準電位である。そして、Vdd2は、LS回路26、電圧フォロア回路27を駆動するための電源電圧(12V〜15V)である。
【0032】
Yドライバ31は、それぞれのX配線18に接続され電圧フォロア回路34、電圧フォロア回路34に接続されたLS(レベルシフト)回路33を備える。そして、Yドライバ31は、すべてのLS回路33に共通にシフトレジスタ32を備える。
Yドライバ31には、表示コントローラ41からHS信号およびVS信号が供給されている。
LS回路33は、例えば3.3VのHS信号などを液晶駆動に必要な12V〜40Vのゲート電圧にシフトする。
なお、Vdd1はシフトレジスタ32のデジタル回路を駆動するための電源電圧(3.3V)である。Veeは、LS回路33、電圧フォロア回路34を駆動するための電源電圧(12V〜40V)である。
そして、Xドライバ21およびYドライバ31は、それぞれLSIを複数並べて構成されている。
【0033】
図4は、第1の実施の形態における疑似STB信号発生回路51の構成を示す図である。
疑似STB信号発生回路51は、RSフリップフロップ(RS−F/F)52、56、カウンタ(Counter)53、比較器(Coparator)54、55、カウント(Count)部57、パルス発生(Pulse Generator)部58、AND回路59を備える。
それぞれの機能は、タイムチャートとともに後述する。
【0034】
図5は、第1の実施の形態における表示パネル11を駆動する信号についてのタイムチャートである。
VESAの規格(VESA CVT−rb(Reduced blanking))に基づいて、XGAの表示パネル11について1フレームの期間のタイムチャートを示した。
なお、図5においては、時間が右から左へと進むとし、1フレーム期間を時刻aから時刻iとして示した。1フレームの期間は、XGAの60Hzでは16.703msである。1フレーム期間は順次繰り返すので、時刻iで時刻aに戻って繰り返すことになる。
【0035】
始めに、表示装置10の外部から、表示コントローラ41および疑似STB信号発生回路51に供給されるデータクロック(DCLK)信号、VS信号、HS信号、ディスプレイイネーブル(DSPEN)信号について説明する。
DCLK信号は、1つの画素15(サブ画素15a、15b、15c)の画像データD0〜D23をXドライバ21に供給する時間を単位とするパルス信号である。DCLK信号の周期は、VESA CVT−rbの規格では、XGAにおいて、56.0MHzである。このDCLK信号は、1フレーム期間においてたえず供給されている。
なお、パルス信号とは、予め定められた時点で「H」になり、予め定められた短い時間の経過後、「L」になる信号をいう。パルス信号では、「H」になるタイミングが重要であるので、「L」になる時点については説明を省略する。
【0036】
VS信号は、1フレームの開始時に「H」となるパルス信号で、Yドライバ31に供給される。
HS信号は、表示パネル11の水平ライン毎の描画のタイミングを設定するパルス信号で、Yドライバ31に供給される。水平同期周期であるHS信号の周期(図5において、例えば時刻bから時刻eまでの期間)は、XGAで21.143μsである。そして、VESA CVT−rbの規格によると、XGAにおいて、HS信号は、時刻aから時刻iの1フレームあたり、790個供給される。
なお、情報表示領域12は768水平ラインであるので、情報表示領域12への描画は768個のHS信号で足りる。つまり、時刻bから時刻fまでの間の768個のHS信号が情報表示領域12に描画するために使用され、残りの22個は、時刻aから時刻bの間(バックポーチ)と時刻fから時刻iの間(フロントポーチ)とに分けて配置されている。そして、第1の実施の形態では、時刻fから時刻hの16個のHS信号の部分を色校正領域13に描画するために使用する。
【0037】
すなわち、第1の実施の形態においては、例えば、XGAの場合、768水平ラインに対して、VS信号が790個出力されていることから、余剰の22を用いて、色校正領域13に描画する。このことから、VESAの規格によるタイミングを用いても、色校正領域13に色校正用の画像を描画できる。
【0038】
DSPEN信号は、画像データD0〜D23が送信されていることを示す信号である。すなわち、DSPEN信号が「H」である期間(図5において、例えば時刻cから時刻dまでの期間)に送信された画像データD0〜D23がXドライバ21に受信される。ここでは、1水平ライン当たりの画素数Hpは1024であるので、時刻cから時刻dの期間に、1024個の画像データD0〜D23が供給されている。
【0039】
次に、表示コントローラ41が生成するSTHR(Right shift start pulse)信号およびSTB1信号について説明する。
STHR信号は、画像データD0〜D23の先頭を示すパルス信号であって、DSPEN信号が「H」となるタイミングに同期して生成される。一方、STB1信号は、DSPEN信号が「L」となるタイミングに同期して生成される。そして、STB1信号は、Xドライバ21が取り込んだ画像データD0〜D23を、液晶駆動のためのアナログ信号に変換して、表示パネル11の画素15に送出するように指示するパルス信号である。
【0040】
ここで、図3を参照しつつ、図5に基づいて、表示パネル11に画像がどのように描画されるかを説明する。
R、G、Bの画像信号は、表示装置10の外部から表示コントローラ41に供給される。そして、表示コントローラ41のγ補正部42で補正され、画像データD0〜D23として、Xドライバ21に供給される。ここで、画像データD0〜D23のうち、D0〜D7はサブ画素15a、画像データD8〜D15はサブ画素15b、画像データD16〜D23はサブ画素15cの画像データである。
【0041】
まず、水平ライン#1(m=1)に画像を描画する場合を説明する。
時刻aにおいて、Yドライバ31のシフトレジスタ32は、表示コントローラ41からVS信号を受信して、動作を開始する。そして、予め定められた個数のHS信号を受信した後の、時刻bにおいて、Yドライバ31のLS回路33と電圧フォロア回路34は、1水平ラインの1番目のX配線(m=1)の電位を、TFT17をオン状態にする電位に設定する。
一方、Xドライバ21のシフトレジスタ22は、時刻cにおいて、前述したSTHR信号を受信すると、DCLK信号のタイミングに同期して画像データD0〜D23を受信し、画像データD0〜D7をXドライバ21の1番目(n=1)のラッチ回路24に、D8〜D15を2番目(n=2)のラッチ回路24に、D16〜D23を3番目(n=3)のラッチ回路24に保持する。そして、次のDCLK信号のタイミングに同期して、新たに受信した画像データD0〜D23のうち、画像データD0〜D7をXドライバ21の4番目(n=4)のラッチ回路24に、D8〜D15を5番目(n=5)のラッチ回路24に、D16〜D23を6番目(n=6)のラッチ回路24に保持する。このようにして、n=1から3072(1024×3)個のラッチ回路24は、時刻cから時刻dまでの期間に、1水平ライン分の画像データD0〜D23を保持する。
なお、STHR信号が入力されない限り、それぞれのラッチ回路24は画像データD0〜D23をそのまま保持し続ける。
【0042】
そして、Xドライバ21のシフトレジスタ22が、STB信号に加えられたSTB1信号を受信すると、ラッチ回路24に保持された画像データD0〜D23に基づいて、D/A変換回路25、LS回路26、電圧フォロア回路27は、液晶駆動のための電位を生成し、1水平ラインの画像データをY配線19に一斉に送出する。そして、オン状態に設定されたTFT17を介して、液晶駆動のための電位がそれぞれのサブ画素15a、15b、15cの画素電極に供給される。
その後、1番目(m=1)のX配線18の電位が、TFT17をオフ状態にする電位に設定され、時刻eにおいて1水平ラインの画像の描画が終わる。
この操作が、X配線18について、m=1から768まで繰り返され、時刻fにおいて、情報表示領域12に対する1フレームの画像の描画が終了する。
【0043】
さて、情報表示領域12への画像の描画は、時刻bから時刻fまでの間に行われるので、画像データD0〜D23およびDPEN信号は、この間においてのみ設けられている。そして、STHR信号およびSTB1信号が生成される。よって、時刻bから時刻fまでの間の水平同期期間は、STB1信号を有している。
そして、時刻aから時刻bの期間および期間fから期間iの間は、画像データD0〜D23(破線で示した部分を除く)およびDSPEN信号はなく、STHR信号およびSTB信号も生成されない。よって、時刻aから時刻bの期間および期間fから期間iの間の水平同期期間は、STB1信号を有しない。
なお、D0〜D23において、破線で示した部分については、後述する。
【0044】
次に、疑似STB信号発生回路51の動作を説明する。
疑似STB信号発生回路51は、図4に示したように、DSPEN信号、HS信号、VS信号、DCLK信号が入力されている。
始めに、RS−F/F52について説明する。RS−F/F52は、セット(S)端子が「L」でリセット(R)端子が「H」のとき、出力が「L」になる。そして、RS−F/F52は、R端子が「L」のときにS端子が「H」になると出力が「H」になり、R端子が「H」になるまで「H」のままとなる。
RS−F/F52は、R端子にVS信号が、S端子にDSPEN信号が供給されている。したがって、図5のRS−F/F52(以下、RS−F/F52の出力端子の波形をRS−F/F52と表す。他の出力端子の波形についても同様とする。)に示すように、RS−F/F52の出力は、時刻aにおいて、R端子にVS信号(「H」)が入力されると、「L」になる。そして、時刻cにおいて、DSPEN信号(「H」)がS端子に入力されると「H」になる。
【0045】
次に、Counter53について説明する。Counter53は、R端子が「H」になると、出力が“0”にリセットされる。R端子が「L」のときにS端子が「H」になると、CLK端子の信号パルスをカウントし、カウントした数値を出力する。
Counter53のS端子にはRS−F/F52の出力、R端子にはVS信号、CLK端子にはHS信号が供給されている。したがって、時刻aにおいて、VS信号がR端子に入力されると、図5のCounter53に示すように、Counter53の出力は“0”になる。そして、時刻cでRS−F/F52の出力が「H」となると、CLK端子に供給されたHS信号のカウントを開始する。そして、RS−F/F52の出力が「H」の間(時刻cから時刻iの間)、HS信号の数をカウントする。したがって、Counter53の出力は、図5のCounter53に示すように、時刻aで“0”で、時刻eでHS信号(「H」)が入力されると “1”になる。そして、時刻fで“768”、次いで、時刻hで“784”となる。Counter53はその後もカウントを継続する。そして、Counter53の出力は、時刻i(a)において、VS信号がR端子に入力すると、“0”に戻る。
【0046】
さて、次にComparator54、55の動作について説明する。Comparator54、55は、−端子に数値が設定されると、+端子に入力された数値が、設定された数値より小さいと、出力として「L」を保ち、設定された数値以上となると、出力が「H」になる。逆に、+端子に数値が設定されると、−端子に入力された数値が、設定された数値より小さいと、出力として「H」を保ち、設定された数値以上になると、出力が「L」になる。
Comparator54は、比較の対象として“768”が−端子に設定されている。したがって、Comparator54の出力は、図5のComparator54に示すように、Counter53の出力が“768”より小さい、時刻aから時刻fまで「L」である。そして、Counter53の出力が“768”となった時刻fで「L」から「H」になる。さらに、Counter53の出力が“0”になる時刻i(a)で「L」に戻る。
一方、Comparator55は、比較の対象として“784”が+端子に設定されている。したがって、Comparator55の出力は、図5のComparator55に示すように、時刻aにおいて、Counter53の出力が“0”であるので、「H」になり、時刻hにおいて、Counter53の出力が“784”となると、「H」から「L」となる。そして、時刻i(a)において、Counter53の出力が“0”となると、「L」から「H」になる。
【0047】
次に、RS−F/F56について説明する。RS−F/F56の基本的な動作はRS−F/F52と同じである。
RS−F/F56のS端子にはHS信号が、R端子にはDSPEN信号が供給されている。RS−F/F56の出力は、図5のRS−F/F56に示すように、時刻aにおいて、HS信号(「H」)が入るので、「H」である。そして、時刻cにおいて、DSPEN信号が「H」となると、「L」になり、時刻eにおいて、HS信号が「H」となると、「H」になる。したがって、RS−F/F回路56の出力は、時刻cから時刻fの間は、DSPEN信号とHS信号に応じて、「H」と「L」を繰り返す。すなわち、RS−F/F56の出力は、例えば時刻dに示すように、STB1信号の存在する期間において、「L」になっている。
しかし、時刻fから時刻i(a)の間は、RS−F/F56の出力は、DSPEN信号が「L」であるので、「H」となる。
【0048】
次に、Count部57およびPulse Generation(以下、Pulse Gen.と略す。)部58について説明する。
Count部57は、HS信号、DSPEN信号が入力され、CLK端子にDCLK信号が入力されている。Count部57は、HS信号が「H」になるタイミングからDSPEN信号が終わるタイミング(DSPEN信号が「H」から「L」になる時点)の間のDCLK信号の数をカウントする。そして、Count部57は、カウントした数を保持し、出力しつづける。例えば、Count部57は、図5の時刻bから時刻dまでの期間のDCLK信号の数をカウントする。
【0049】
一方、Pulse Gen.部58は、Count部57の出力とHS信号とが入力され、CLK端子にDCLK信号が入力されている。そして、HS信号が「H」になるタイミングから、DCLK信号をカウントし、カウントしたDCLK信号の数とCount部57の出力とが一致したとき、DCLK信号の1クロック分の信号を発生する。
前述したように、Count部57の出力は、時刻bから時刻dまでの期間のDCLK信号の個数である。一方、Pulse Gen.部58も、時刻bからDCLK信号の数のカウントを開始する。そして、時刻dで、Pulse Gen.部58の出力は、Count部57の出力と同じとなる。したがって、Pulse Gen.部58は、図5のPulse Gen.58に示すように、時刻dにおいて、DCLK信号の1クロック分の信号を発生する。そして、Pulse Gen.部58の発生する信号は、DSPEN信号の終了時に発生されるSTB1信号と同じタイミングで発生する。すなわち、Count部57は、情報表示領域12への画像の描画における水平同期期間の開始から、STB1信号までの期間を計測していることになる。
【0050】
さらに、Count部57がHS信号からDSPEN信号の終了時までのDCLK信号の数を記憶しているので、Pulse Gen.部58は、DSPEN信号がなくとも、DCLK信号の1クロック分の信号を発生しうる(図5において、例えば時刻g)。そして、Pulse Gen.部58の発生する信号の間隔は、STB1信号の間隔と同じとなっている。
【0051】
さて、AND回路59について説明する。AND回路59には、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56、Pulse Gen.部58の出力が並列に入力されている。したがって、これらのすべての出力が「H」のとき、AND回路59の出力が「H」になる。
すると、図5から分かるように、Pulse Gen.部58を除く、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56のそれぞれの出力が、共に「H」である期間は、時刻fから時刻hの期間である。この期間は、色校正領域13に画像を描画する期間にあたる。
この結果、AND回路59の出力は、図5のANDに示すように、時刻fから時刻hの期間の、Pulse Gen.部58の出力となる。ここでは、時刻fから時刻hまでのPulse Gen.部58の出力は、STB1信号と同等の信号であって、擬似的に生成されていることから、疑似STB信号と呼ぶ。そして、疑似STB信号は、STB1信号を有しない水平同期期間に生成されている。
そして、疑似STB信号発生回路51が生成した疑似STB信号は、表示コントローラ41の生成するSTB1信号と加えられて(ORされて)、STB信号となって、Xドライバ21に供給される。すなわち、STB信号は、図5のSTBとして示すように、表示コントローラ41の生成するSTB1信号(時刻bから時刻f)と、疑似STB信号発生回路51が生成する疑似STB信号(時刻fから時刻h)とからなる。そして、これらの信号の発生する時間間隔は同じである。
【0052】
さて、前述したように、Xドライバ21は、シフトレジスタ22がSTB1信号を受信すると、ラッチ回路24に蓄積された画像データD0〜D23に基づいて、Y配線19に液晶駆動のための電位を送出する。そして、ラッチ回路24は、シフトレジスタ22がSTHR信号を受信して、新たな画像データD0〜D23を読み込むまで、画像データD0〜D23を保持している。よって、例えば、時刻gにおいても、ラッチ回路24は、情報表示領域12の最下段の水平ライン#768に表示された画像データD0〜D23を保持している。
【0053】
したがって、時刻gにおいて、シフトレジスタ22が疑似STB信号を受信すると、色校正領域13の最初の水平ライン@1に、図5のD0〜D23に破線で示すように、水平ライン#768の描画に使用され、ラッチ回路24に蓄積された画像データD0〜D23に基づいて、Y配線19に液晶駆動のための電位を送出する。そして、時刻fから時刻hまでの疑似STB信号に対応して、色校正領域13の水平ライン@1から@16に、情報表示領域12の最下段の水平ライン#768の画像が描画される。
【0054】
図6は、第1の実施の形態における情報表示領域12と色校正領域13とに描画された画像の一例を示す図である。
情報表示領域12の最下段である水平ライン#768に描画された画像が、色校正領域13の水平ライン@1から@16に描画されている。
【0055】
以上説明したように、第1の実施の形態において、表示装置10には、コネクタ71を介して、VESAなどの規格で定められた信号が供給されている。そして、表示コントローラ41から、Xドライバ21およびYドライバ31に、情報表示領域12に画像を描画する信号が送信されている。すなわち、表示装置10には、色校正領域13を備えない表示パネル11に送信される信号と同じ信号が供給されている。
【0056】
その一方、疑似STB信号発生回路51は、情報表示領域12に画像を描画する信号から、色校正領域13に画像を描画するための疑似STB信号を生成している。
しかも、色校正領域13には、情報表示領域12の最下段の水平ラインの画像データがそのまま繰り返して描画される。このため、色校正領域13に描画する画像のためのデータを別途入力するための回路を設けていない。
すなわち、色校正モードにおいて使用される画像は、情報表示領域12の最下段の水平ラインに設定すればよい。色校正に、R、G、Bのそれぞれの単色またはそれぞれの中間階調の画像が用いられる場合は、情報表示領域12の最下段の水平ラインにその画像を描画すればよい。
【0057】
これらのことにより、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、専用のビデオカードや専用のビデオドライバを用いなくともよく、色校正領域13を描画する画像データを別回路で供給する必要がない。すなわち、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、色校正領域13を設けない表示装置と同様に取り扱いうる。そして、例え、VESA CVTのUXGAであっても、DCLKの周波数がTMDS規格の上限を超えることはない。
【0058】
なお、専用のビデオカードや専用のビデオドライバにより、表示装置10に情報表示領域12に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されることがありうる。以下に、表示装置10に情報表示領域12および色校正領域13とに画像を描画する信号が供給された場合について説明する。
【0059】
この場合、第1の実施の形態において、表示装置10には、XGAの情報表示領域12の水平ライン#1〜#768に色校正領域13の水平ライン@1〜@16を加えた、水平ライン784本に対して、画像データD0〜D23などの信号が供給される。このため、色校正領域13へ画像を描画する期間にあたる、図5に示す時刻fから時刻hの期間にも、画像データD0〜D23およびDSPEN信号が存在する。これにより、表示コントローラ41は、この期間においても、STB1信号を生成し、Xドライバ21に供給する。一方、この期間において、疑似STB信号発生回路51は疑似STB信号を発生しないことが望ましい。
【0060】
さて、AND回路59には、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56、Pulse Gen.部58の出力が並列に入力されている。そして、図5に示す時刻fから時刻hの期間では、前述したように、Comparator54およびComparator55のそれぞれの出力は「H」である。一方、RS−F/F56の出力は、前述したように、STB1信号の存在する期間において、「L」になっている。疑似STB信号はSTB1信号と同じタイミングで発生する。このため、RS−F/F56の出力は、疑似STB信号が発生する期間において、「L」となる。これにより、AND回路59は、図5に示す時刻fから時刻hの期間において、疑似STB信号を発生しないようになっている。
【0061】
以上、説明したように、第1の実施の形態の表示装置10は、情報表示領域12に画像を描画する信号に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されても、供給された信号に基づいて、情報表示領域12および色校正領域13に画像を描画できるようになっている。
しかし、表示装置10に対して、情報表示領域12に画像を描画する信号に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されることがなければ、疑似STB信号発生回路51に、RS−F/F56を設けなくともよい。
【0062】
疑似STB信号発生回路51は、ASICなどで構成してもよく、個別の論理ICを用いて構成してもよい。さらに、表示コントローラ41と合わせて構成してもよい。そして、疑似STB信号発生回路51の機能を実現する回路は、通常のデジタル回路技術で構成することができる。
【0063】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。ここでは、第1の実施の形態と異なる部分のみを説明し、同じ部分には同じ記号を付与して説明を省略する。
図7は、第2の実施の形態における表示装置10を示す図である。
第2の実施の形態における表示装置10の表示パネル11は、色校正領域13が情報表示領域12の上部右側に設けられている点で、第1の実施の形態における表示パネル11と異なる。
なお、ここでは、色校正領域13を上部の右側に設けたが、上部であればいずれの位置にあってもよい。
【0064】
そして、画素は、表示パネル11において、情報表示領域12の横方向にHp個、縦方向にVp個、そして、色校正領域13の横方向にHsp個、縦方向にVsp個並んでいる。そして、情報表示領域12の最上部の水平ラインを#1とし、最下部の水平ラインを#Vpとする。そして、色校正領域13の最上部の水平ラインを@1とし、最下部の水平ラインを@Vspとする。
ここでは、第1の実施の形態の表示パネル11と同様に、一例として、Hpが1024、Vpが768、そしてHspが32、Vspが16であるとする。すなわち、情報表示領域12は1024(Hp)×768(Vp)のXGAである。そして、色校正領域13は、32(Hsp)×16(Vsp)である。
【0065】
第2の実施の形態における表示装置10のXドライバ21、Yドライバ31、表示コントローラ41は、第1の実施の形態における表示装置10と同じである。
一方、疑似STB信号発生回路51の構成が異なっている。
【0066】
図8は、第2の実施の形態における疑似STB信号発生回路51の構成を示す図である。
疑似STB信号発生回路51は、カウンタ(Counter)53、比較器(Coparator)回路54、55、RSフリップフロップ(RS−F/F)回路56、Count部(Count)57、パルス発生(Pulse Generation)部58、AND回路59、カウンタリセットパルス発生(Reset)部60を備える。
第2の実施の形態では、第1の実施の形態のRSフリップフロップ(RS−F/F)52の代わりに、カウンタリセットパルス発生(Reset)部60を備える。
以下では、表示パネル11を駆動するタイムチャートとともに、これらの回路の動作を説明する。
【0067】
図9は、第2の実施の形態における表示パネル11を駆動する信号についてのタイムチャートである。
第2の実施の形態では、色校正領域13が情報表示領域12の上部に設けられているので、第1の実施の形態での、表示パネル11を駆動する信号のタイムチャートにおける時刻aから時刻bまでの期間(バックポーチ)に、色校正領域13への画像の描画を行うこととなる。
そこで、図9では、図5の時刻b以降を示し、連続する2つのフレーム#1とフレーム#2を示した。そして、時刻aから時刻bまでの期間に相当する期間(時刻iから時刻jまでの期間)において、色校正領域13へ画像を描画するとした。
なお、色校正領域13の垂直方向の画素数Vspは16であるので、時刻i(a)から時刻j(b)までの期間の16水平ラインにおいて、色校正領域13に画像が描画される。そして、時刻j(b)から時刻k(f)までの期間に、情報表示領域12に画像が描画される。この期間において768水平ラインに画像が描画される。すると、残りの時刻fから時刻i(a)までの期間は、VESAの規格による790水平ラインから、情報表示領域12と色校正領域13との水平ライン数を引いた、6水平ラインとなる。
【0068】
図9において、DCLK信号、VS信号、HS信号、DSPEN信号、画像データD0〜D23(破線で示す部分を除く)、STHR信号、STB1信号は、第1の実施の形態の場合と同じである。
【0069】
まず、Reset部60について説明する。
Reset部60には、HS信号、DSPEN信号、DCLK信号が入力されている。そして、Reset部60は、DCLK信号をカウントして、HS信号を受信した後、予め定められた期間においてDSPEN信号を受信しなかったときに、「H」のパルス信号(リセットパルス信号)を出力し、それ以外は「L」を維持する。すなわち、図9のReset60に示すように、時刻bから時刻fまでの期間では、HS信号の後、DSPEN信号が存在する。したがって、Reset部60の出力は、「L」を維持する。しかし、時刻gは、DSPEN信号があるとすると、DSPEN信号が終了する時点に相当する。しかし、DSPEN信号が存在しないため、Reset部60は、図9のReset60に示すように、時刻gにおいて、リセットパルス信号を送出する。そして、その他の期間において、Reset部60の出力は「L」を維持する。
【0070】
次に、Counter53について説明する。
第2の実施の形態のCounter53は、Reset部60の出力とHS信号が入力される。Counter53は、Reset部60からリセットパルス信号を受信すると、カウント数を“0”にリセットし、その後、HS信号の数をカウントする。したがって、Counter53の出力は、図9のCounter53に示すように、時刻gにおいて、“0”となり、時刻i(a)で“6”、そして、時刻j(b)で“22”となる。さらに、Counter53はカウントし続け、時刻k(f)で“790”となる。
【0071】
さて、Comparator54、55の機能は、設定された比較の対象が異なるが、第1の実施の形態の場合と同じである。
Comparator54は、比較の対象として“5”が−端子に設定されている。よって、Comparator54の出力は、図9のComparator54に示すように、時刻bでは、Counter53の出力が“5”を超えているため、「H」である。そして、時刻gにおいて、Counter53の出力が“0”になると、「L」になる。その後、Counter53の出力が“5”になる時刻i(a)までの期間、「L」を維持する。そして、Counter53の出力が“5”を超えた時刻i(a)において、「H」となり、そのまま維持される。
【0072】
Comparator55は、比較の対象として“21”が+端子に設定されている。よって、Comparator55の出力は、図9のComparator55に示すように、時刻bでは、Counter53の出力が“21”を超えているため、「L」である。そして、時刻gにおいて、Counter53の出力が“0”になると、「H」になる。その後、時刻j(b)において、Counter53の出力が“21”を超えると「L」となり、そのまま維持される。
【0073】
RS−F/F56、Count部57、Pulse Genenation(Pulse Gen.と略す。)部58の機能は、第1の実施の形態の場合と同じである。よって、RS−F/F56およびPulse Gen.58のそれぞれの出力は図9に示す通りとなる。
【0074】
さて、AND回路59について説明する。AND回路59には、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56、Pulse Gen.部58の出力が並列に入力されている。したがって、これらのすべての出力が「H」のとき、AND回路59の出力が「H」になる。
すると、図9から分かるように、Pulse Gen.部58を除く、Comparator54、Comparator55、RS−F/F56のそれぞれの出力が、共に「H」である期間は、時刻i(a)から時刻j(b)までの期間である。
この結果、AND回路59の出力は、図9のANDに示すように、時刻i(a)から時刻j(b)の、Pulse Gen.部58の出力となる。その他の期間は、「L」である。
ここでは、時刻i(a)から時刻j(b)までのPulse Gen.部58の出力は、STB1信号と同等の信号であって、擬似的に生成されている。このことから、AND回路59の出力、すなわち疑似STB信号発生回路51が生成した信号を疑似STB信号と呼ぶ。
【0075】
そして、疑似STB信号発生回路51が生成した疑似STB信号は、表示コントローラ41の生成するSTB1信号と加えられて(ORされて)、STB信号となって、Xドライバ21に供給される。すなわち、したがって、Xドライバ21に供給されるSTB信号は、時刻i(a)から時刻j(b)までの、疑似STB信号発生回路51が発生する疑似STB信号と、これに引き続く、時刻j(b)から時刻k(f)までの、表示コントローラ41が発生するSTB1信号からなる。
【0076】
そして、第1の実施の形態で説明したように、フレーム#2の時刻iから時刻jまでの、色校正領域13に画像を描画する期間においては、1フレーム前(フレーム#1)の時刻bから時刻fまでの期間において、情報表示領域12の水平ライン#768に描画され、Xドライバのラッチ回路24に保持された画像データD0〜D23が、図9のD0〜D23に示すように、色校正領域13に繰り返して描画されることになる。そして、時刻jから時刻kまでの、情報表示領域12に描画する期間においては、画像データD0〜D23に基づいて画像が描画される。
【0077】
図10は、第2の実施の形態における、情報表示領域12と色校正領域13とに描画された画像の一例を示す図である。色校正領域13の水平ライン@1〜@16には、1フレーム前の情報表示領域12の最下段の水平ライン#768に描画された画像が描画されている。
【0078】
以上説明したように、第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、専用のビデオカードや専用のビデオドライバを要しないとともに、色校正領域13を描画する画像データを別回路で供給する必要がない。すなわち、色校正領域13を設けた表示パネル11を用いた表示装置10であっても、色校正領域13を設けない表示装置と同様に取り扱いうる。そして、例え、UXGAであっても、データクロックの周波数が規格の上限を超えることはない。
【0079】
なお、第2の実施の形態の表示装置10は、第1の実施の形態でと同様に、情報表示領域12に画像を描画する信号に加え、色校正領域13に画像を描画する信号が供給されても、供給された信号に基づいて、情報表示領域12および色校正領域13に画像を描画できるようになっている。
【0080】
疑似STB信号発生回路51は、ASICなどで構成してもよく、個別の論理ICを用いて構成してもよい。さらに、表示コントローラ41と合わせて構成してもよい。そして、疑似STB信号発生回路51の前述した機能を実現する回路は、通常のデジタル回路技術で構成することができることは明らかである。
【0081】
さらに、第1および第2の実施の形態においては、VESAの規格におけるXGAの場合を示したが、UXGAなどその他の規格であってもかまわない。いずれの規格においても、情報表示領域に画像を描画するのに必要なHS信号の数を超えるHS信号が設定されているので、その余剰の信号を使用すればよい。
また、第1および第2の実施の形態においては、色校正領域の水平ラインの数を16としたが、色校正領域に対向して配置される色センサが受光できる面積であればよく、16に限られない。
【0082】
そして、第1および第2の実施の形態において、表示装置に用いる表示パネルとしてLCDパネルとしたが、LCDパネルと同様にマトリクス駆動されるPDPやELパネルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】第1の実施の形態における表示装置を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における表示コントローラの構成を示す図である。
【図3】第1の実施の形態におけるXドライバおよびYドライバの構成と、表示パネルの画素との接続関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態における疑似STB信号発生回路の構成を示す図である。
【図5】第1の実施の形態における表示パネルを駆動する信号についてのタイムチャートである。
【図6】第1の実施の形態における情報表示領域と色校正領域とに描画された画像の一例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における表示装置を示す図である。
【図8】第2の実施の形態における疑似STB信号発生回路の構成を示す図である。
【図9】第2の実施の形態における表示パネルを駆動する信号についてのタイムチャートである。
【図10】第2の実施の形態における情報表示領域と色校正領域とに描画された画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0084】
10…表示装置、11…表示パネル、12…情報表示領域、13…色校正領域、15…画素、21…Xドライバ、31…Yドライバ、41…表示コントローラ、51…疑似STB信号発生回路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルと、
前記表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、
前記表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を描画するタイミングを、前記第1の表示領域への画像の描画のために指示する第1のストローブ信号と、前記第2の表示領域への画像の描画のために指示する第2のストローブ信号とを生成し、前記ドライバ回路に供給するコントローラと、
前記第2の表示領域に対面して設けられ、当該第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサと
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記第2のストローブ信号を、1水平ラインに画像を描画する期間に相当する複数の水平同期期間のうち、前記第1のストローブ信号を有しない水平同期期間に、前記ドライバ回路に供給する請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から前記第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、当該第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の時点から経過した時点に、
前記第2のストローブ信号を前記ドライバ回路に供給する請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、
前記第2の表示領域が、前記第1の表示領域の下部に設けられ、
前記第2の表示領域に表示される画像が、前記第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、
前記第2の表示領域が、前記第1の表示領域の上部に設けられ、
前記第2の表示領域に表示される画像が、前記第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルに画像を表示する表示方法であって、
第1の表示領域への画像の表示における、前記表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される1水平ラインに画像を描画する期間である水平同期期間において、当該水平同期期間の開始の時点から、1水平ラインに画像を描画するタイミングを指示する第1のストローブ信号の開始の時点までの期間を計測するステップと、
前記第1のストローブ信号を有しない水平同期期間において、水平同期期間の開始の時点から、前記計測するステップにおいて計測された期間が経過した時点に、第2のストローブ信号を前記表示パネルに供給して、前記第2の表示領域に画像を描画するステップと
を含む表示方法。
【請求項7】
複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備え、
前記第2の表示領域が、前記第1の表示領域の下部に設けられ、
前記第2の表示領域に表示される画像が、前記第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である表示パネルと、
前記表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、
前記表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を描画するタイミングを、前記第1の表示領域への画像の描画のために指示する第1のストローブ信号と、
第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、前記第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の時点から経過した時点で、前記第2の表示領域への画像の描画のために指示する第2のストローブ信号とを、前記ドライバ回路に供給するコントローラと、
前記第2の表示領域に対面して設けられ、当該第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサと
を備えた表示装置。
【請求項1】
複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルと、
前記表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、
前記表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を描画するタイミングを、前記第1の表示領域への画像の描画のために指示する第1のストローブ信号と、前記第2の表示領域への画像の描画のために指示する第2のストローブ信号とを生成し、前記ドライバ回路に供給するコントローラと、
前記第2の表示領域に対面して設けられ、当該第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサと
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記コントローラは、
前記第2のストローブ信号を、1水平ラインに画像を描画する期間に相当する複数の水平同期期間のうち、前記第1のストローブ信号を有しない水平同期期間に、前記ドライバ回路に供給する請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記コントローラは、
第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から前記第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、当該第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の時点から経過した時点に、
前記第2のストローブ信号を前記ドライバ回路に供給する請求項2記載の表示装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、
前記第2の表示領域が、前記第1の表示領域の下部に設けられ、
前記第2の表示領域に表示される画像が、前記第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記表示パネルは、
前記第2の表示領域が、前記第1の表示領域の上部に設けられ、
前記第2の表示領域に表示される画像が、前記第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備えた表示パネルに画像を表示する表示方法であって、
第1の表示領域への画像の表示における、前記表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される1水平ラインに画像を描画する期間である水平同期期間において、当該水平同期期間の開始の時点から、1水平ラインに画像を描画するタイミングを指示する第1のストローブ信号の開始の時点までの期間を計測するステップと、
前記第1のストローブ信号を有しない水平同期期間において、水平同期期間の開始の時点から、前記計測するステップにおいて計測された期間が経過した時点に、第2のストローブ信号を前記表示パネルに供給して、前記第2の表示領域に画像を描画するステップと
を含む表示方法。
【請求項7】
複数の画素が格子状に配列され、ユーザに提示するための画像を表示する第1の表示領域と色を校正するための画像を表示する第2の表示領域とを備え、
前記第2の表示領域が、前記第1の表示領域の下部に設けられ、
前記第2の表示領域に表示される画像が、前記第1の表示領域の最下段の水平ラインに表示される画像である表示パネルと、
前記表示パネルに画像を描画するドライバ回路と、
前記表示パネルの横方向に一列に並んだ画素で構成される水平ライン毎に画像を描画するタイミングを、前記第1の表示領域への画像の描画のために指示する第1のストローブ信号と、
第1の表示領域の描画における水平同期期間の開始の時点から第1のストローブ信号の開始の時点までの期間に相当する期間が、前記第1のストローブ信号を有しない水平同期期間の開始の時点から経過した時点で、前記第2の表示領域への画像の描画のために指示する第2のストローブ信号とを、前記ドライバ回路に供給するコントローラと、
前記第2の表示領域に対面して設けられ、当該第2の表示領域に表示された画像の色を計測する色センサと
を備えた表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−139978(P2010−139978A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318749(P2008−318749)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
【復代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
【復代理人】
【識別番号】100118201
【弁理士】
【氏名又は名称】千田 武
【復代理人】
【識別番号】100118108
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 洋之
【Fターム(参考)】
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