説明

表示装置及び表示方法

【課題】残像現象を利用して空間に画像を表示させる際に、スイング動作の速度に寄らず、画像を適切に表示させる。
【解決手段】表示装置は、筐体10に配置された複数のLED2、2、・・・と、画像の表示パターンを記憶する記憶部13と、表示パターンに基づきLED2、2、・・・の点滅を制御する制御部14とを備える。制御部14は、表示装置1をスイング動作させた際のスイング速度に応じて、LED2、2、・・・の点滅を制御する。スイング速度は、表示装置1が振り始め位置から振り始め位置に戻るまでの1サイクル時間から判断することができる。制御部14は、1サイクル時間を計測し、計測された1サイクル時間に基づき、複数のLED2、2、・・・の点滅時間を算出し、算出された点滅時間でLED2、2、・・・を点滅させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置及び表示方法に関し、特に、残像現象を利用して、空間に文字や図形等の画像を表示する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一列に並べられた複数のLED(Light Emitting Diode)が棒状部材等に設けられ、ユーザがスイング動作を行うことによって空間に文字や図形等の画像を表示させるスイング式の表示装置が知られている。このような表示装置には、通常、LEDを点灯又は消灯(以下、「点滅」とする)させるタイミングが予め設定され、ユーザがスイングした際に、予め設定された所定のタイミングでLEDを点滅させることにより、図7に示すような画像を、残像現象を利用して空間に表示させることができる(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【0003】
上記LEDの点滅タイミングは、ユーザが所定の速度で表示装置をスイングすることを想定して設定され、想定した速度で表示装置をスイングした場合には、振り始めの地点からスイング動作が反転する振り戻しの地点までの間に形成される空間の中心付近に画像を表示することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2524676号公報
【特許文献2】特許第4250667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、表示装置をスイングする速度は、使用するユーザや状況等によって異なることが考えられる。例えば、想定する速度よりも速い速度で表示装置をスイングさせた場合には、図8に示すように、表示される画像がスイング方向に間延びすると共に、振り戻し位置に偏ってしまう。
【0006】
また、例えば、想定する速度よりも遅い速度で表示装置をスイングした場合には、図9に示すように、表示される画像がスイング方向に圧縮されると共に、振り始め位置に偏ってしまう。
【0007】
このように、従来のスイング式表示装置では、想定した速度と異なる速度で表示装置をスイングすると、適切なタイミングでLEDを点滅させることができないため、画像を適切に表示させることが困難であるという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の技術における問題点に鑑みてなされたものであって、スイング動作の速度に寄らず、画像を適切に表示させることが可能な表示装置及び表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、スイング動作の際に、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置であって、複数の発光素子と、画像の表示パターンを記憶する記憶部と、前記表示パターンに基づき前記複数の発光素子の点滅を制御する制御部とを備え、前記制御部は、スイング速度に応じて前記複数の発光素子の点滅を制御することを特徴とする。
【0010】
そして、本発明によれば、スイング速度に応じて発光素子の点滅を制御するため、スイング動作に応じて画像を適切に表示させることができる。
【0011】
上記表示装置において、前記制御部は、スイング動作における振り始め位置から該振り始め位置に戻るまでの1サイクル時間に基づき前記スイング速度を判断することができる。これにより、スイング動作の1サイクル時間に応じて発光素子の点滅を制御でき、スイング動作に応じて画像を適切に表示させることができる。
【0012】
上記表示装置において、前記制御部は、前記1サイクル時間を計測し、前記計測された1サイクル時間に基づき、前記複数の発光素子の点滅時間を算出し、前記算出された点滅時間で前記複数の発光素子を点滅させることができる。これにより、発光素子の点滅時間を適切に設定することができる。
【0013】
上記表示装置において、前記制御部は、前記計測された1サイクル時間を前記記憶部に記憶させ、前記記憶部に記憶された前回の1サイクル時間に基づき、次回のスイング動作の際の前記複数の発光素子の点滅を制御することができる。これにより、連続するスイング動作によって表示される画像の表示精度を高めることができる。
【0014】
上記表示装置において、前記筐体の位置を検出する検出部と、時間をカウントするタイマとをさらに備え、前記制御部は、前記スイング動作が反転した振り戻し動作の間に、前記検出部により検出された、前記筐体が垂直となる地点から前記タイマによるカウントを開始させ、前記タイマによるカウント値が前記1サイクル時間の1/4となる時間となった場合に、前記複数の発光素子の点滅を開始することができる。これにより、次のスイング動作において、発光素子の点滅開始時間を適切に設定することができる。
【0015】
上記表示装置において、前記制御部は、前記振り始め位置から、前記スイング動作が反転する振り戻し開始位置に達するまでの間に、前記複数の表示素子の点滅を制御することができる。
【0016】
また、本発明は、スイング動作の際に、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示方法であって、スイング速度に応じて、記憶部に記憶された画像の表示パターンに基づき複数の発光素子の点滅を制御することを特徴とする。本発明によれば、前記発明と同様に、スイング動作に応じて画像を適切に表示させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、スイング動作の速度に寄らず、画像を適切に表示させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明にかかる表示装置の一実施の形態を示す外観図であり、(a)は正面図、(b)は(a)に示すA−A間を矢印方向に見た断面図、(c)は側面図である。
【図2】表示装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】表示パターンについて説明するための略線図である。
【図4】1サイクル時間の計測について説明するための略線図である。
【図5】LEDの点滅について説明するための略線図である。
【図6】LEDの点滅動作の流れについて説明するためのフローチャートである。
【図7】従来のスイング式の表示装置によって表示される画像について説明するための略線図である。
【図8】スイング動作の速度が速い場合に表示される画像について説明するための略線図である。
【図9】スイング動作の速度が遅い場合に表示される画像について説明するための略線図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明にかかる表示装置の一実施の形態を示し、表示装置1は、同図(a)に示すように、棒状等の筐体10に、発光素子である複数のLED2、2、・・・と、各種操作を行うスイッチ3とが設けられる。
【0020】
筐体10は、上部側の発光部10aと、下部側の把持部10bとで構成される。発光部10aは、LED2、2、・・・が配置される部分であり、例えば、LED2、2、・・・の周囲が透明の部材で形成されると共に、発光部10a全体が半透明の部材で形成される。また、把持部10bは、ユーザがこの表示装置1を把持するための部分であり、例えば白色の部材で形成される。把持部10bには、スイッチ3(3a〜3d)が配置される。
【0021】
LED2、2、・・・は、例えば24個又は32個のLEDが筐体10の長手方向に沿うように1列に並べられ、図1(b)及び(c)に示すように、筐体10から露出するようにして発光部10aに配置される。発光部10aにおけるLED2、2、・・・の周囲が透明の部材で形成されると共に、LED2、2、・・・が露出するようにして配置されることにより、LED2、2、・・・を点灯させた際の光を外部に効率的に照射できるようにされている。
【0022】
スイッチ3は、ユーザが操作するための操作子であり、ユーザが表示装置1を把持した状態で操作できるように配置されている。スイッチ3としては、例えば、電源スイッチ3a、発光パターン選択スイッチ3b、バックライト選択スイッチ3c及び表示パターン選択スイッチ3dが設けられる。
【0023】
電源スイッチ3aは、電源のON/OFFを行うためのスイッチであり、例えば、筐体10の長手方向を軸とした回転式のスイッチである。この電源スイッチ3aを所定の角度だけ回転させることにより、電源のON及びOFFが繰り返される。
【0024】
発光パターン選択スイッチ3bは、LED2、2、・・・及び後述するバックライト6の発光を選択するためのスイッチである。例えば、電源スイッチ3aを操作して表示装置1の電源がONとされた場合には、LED2、2、・・・が発光状態となっており、この発光パターン選択スイッチ3bを1回操作すると、LED2、2、・・・が消灯すると共にバックライト6が点灯する。また、発光パターン選択スイッチ3bをさらにもう1回操作すると、LED2、2、・・・が点灯し、LED2、2、・・・及びバックライト6の両方が同時に点灯する。バックライト選択スイッチ3cは、バックライト6の発光や点滅、発光する色等、バックライト6の種類を選択することができる。
【0025】
表示パターン選択スイッチ3dは、表示パターンを選択するためのスイッチであり、表示装置1に予め設定された複数の表示パターンの中から所定の表示パターンを選択することができる。例えば、表示パターン選択スイッチ3dを操作することにより、複数の表示パターンから表示パターン#1、表示パターン#2、・・・というように、所定の表示パターンが順次選択される。ここで、選択された表示パターンは、例えば、LED2、2、・・・を用いて表示するようにしてもよい。具体的には、例えば、表示パターン#1が選択された場合には、LED2、2、・・・のうち一番上のLEDを点灯させ、表示パターン#2が選択された場合には、2番目のLEDを点灯させる。
【0026】
また、表示装置1の筐体10内には、図1(c)に示すように、回路基板4、センサ5及びバックライト6が設けられる。回路基板4は、LED2、2、・・・や回路を構成する各種素子が搭載されると共に、センサ5やバックライト6、各種スイッチ3等が接続される。センサ5は、例えば発光部10a内の上部側に設けられ、表示装置1のスイング動作を検出するための素子である。バックライト6は、バックライト選択スイッチ3cに対する操作に基づき発光する。発光部10aが半透明の部材で形成されているため、このバックライト6を発光させた際には、発光部10a全体が発光する。
【0027】
図2は、表示装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。同図に示すように、表示装置1は、大別して、動作検出部11、操作部12、記憶部13、制御部14及び表示部15で構成される。
【0028】
動作検出部11は、スイング動作による表示装置1の位置や、表示装置1の振り始め動作、スイング動作が反転する振り戻し動作等を検出し、検出結果を示す動作情報を制御部14に供給する。動作検出部11としては、例えば加速度センサ(図1のセンサ5)を用いることができる。
【0029】
操作部12は、表示装置1の筐体に設けられた各種キーやボタン等の操作子からなり、ユーザの操作に応じた操作子情報を出力し、制御部14に供給する。操作部12としては、例えば、図1に示す電源スイッチ3a、発光パターン選択スイッチ3b、バックライト選択スイッチ3c及び表示パターン選択スイッチ3dを用いることができる。
【0030】
記憶部13は、例えばメモリからなり、表示部15によって表示される画像の表示パターンを示す1つ又は複数の表示パターンデータが予め記憶される。記憶部13は、制御部14からの要求に応じて、記憶された表示パターンデータから所定の表示パターンデータを読み出し、制御部14に供給する。
【0031】
記憶部13に記憶される表示パターンデータは、図3に示すように、行及び列方向に並べられたドットで表現される。表示パターンは、空間に表示させる画像が設定された表示領域21と、この表示領域21の前後に設けられ、空間に画像を適切に表示させるためのマージンである非表示領域22a及び22bとで構成される。
【0032】
非表示領域22a及び22bを設けるのは、表示装置1をスイングさせた際に、スイングの速度によっては、スイング動作における振り始め直後や、スイング動作が反転する振り戻しの直前で画像が潰れてしまう等、画像を適切に表示できなくなるのを防ぐためである。
【0033】
表示パターンにおける行方向のドットは、図1に示す一列に並べられた複数のLED2、2、・・・の各LEDに対応し、各々のLEDの点滅状態を示す。行方向のドット数は、LED2、2、・・・と同数であり、例えば、24ドット又は32ドットである。
【0034】
表示パターンにおける列方向のドットは、所定の時間における各LEDの点滅状態を示す。列方向のドット数は、例えば、表示領域21が128ドットであり、非表示領域22a及び22bが各々15ドットである。
【0035】
このように設定された表示パターンに基づき、各列毎に所定の時間でLEDを順次点滅させることにより、表示パターンの表示領域21に設定された画像を空間に表示することができる。
【0036】
説明は図1に戻り、制御部14は、図示しないROM(Read Only Memory)に予め格納されたプログラムに従い、RAM(Random Access Memory)をワークメモリとして各部を制御する。制御部14は、操作部12から供給された操作子情報に基づき、選択された表示パターンに対応する表示パターンデータを記憶部13から読み出す。また、制御部14は、動作検出部11から供給された動作情報に基づき、表示装置1のスイング動作における振り始め位置から表示装置1が振り始め位置に戻るまでの1サイクルの時間を計測する。そして、計測された1サイクル時間に基づきLED2、2、・・・の点滅時間を算出し、読み出した表示パターンデータに従い、算出した点滅時間で、表示部15におけるLED2、2、・・・の点滅を制御する。
【0037】
また、制御部14は、図示しないタイマを有する。制御部14は、計測された1サイクル時間に基づき、1サイクル時間の1/4の時間である1/4サイクル時間を算出し、所定のタイミングでタイマによるカウントを開始する。そして、タイマのカウント値が算出された1/4サイクル時間となった際に、LED2、2、・・・の点滅を開始させる。尚、この1/4サイクル時間によるLED2、2、・・・の点滅開始の詳細については、後述する。
【0038】
尚、制御部14は、初期値としての1サイクル時間を記憶部13等に予め記憶しておき、表示装置1の電源が初めてONとされた場合には、この初期値である1サイクル時間に基づくLEDの点滅時間に従って、LED2、2、・・・の点滅時間を制御する。そして、スイング動作を行うことによって1サイクル時間が計測された際には、この1サイクル時間を更新して記憶し、次回のスイング動作が行われる際に、記憶された1サイクル時間に基づいてLED2、2、・・・の点滅を制御する。
【0039】
表示部15は、例えば、一列に並べられた複数のLED2、2、・・・からなり、制御部14の制御に基づきLED2、2、・・・の点滅を行う。表示部15は、表示装置1をスイングさせた状態でLED2、2、・・・を点滅させるため、残像現象を利用することにより、表示パターンに基づく画像を空間に表示する。
【0040】
次に、上記構成を有する表示装置1の動作について説明する。本実施の形態による表示装置1は、振り始めからスイング動作が反転する振り戻し動作までの間に、設定された表示パターンに基づいてLED2、2、・・・を点滅させることにより、残像現象を利用して、表示パターンに基づく画像を空間に表示させる。
【0041】
このとき、表示装置1は、この表示装置1のスイング速度に応じてLED2、2、・・・を点滅させることにより、空間に画像を適切に表示する。スイング速度は、例えば、振り始め位置からスイング動作が反転する振り戻し位置を経由し、表示装置1が振り始め位置に戻るまでの時間である1サイクル時間から判断することができる。
【0042】
すなわち、表示装置1は、1サイクル時間に基づきLED2、2、・・・の点滅時間を算出し、算出した点滅時間でLED2、2、・・・を点滅させることにより、空間に画像を適切に表示する。
【0043】
このようにLED2、2、・・・を点滅させるために、まず、表示装置1の制御部14は、1サイクル時間を計測する。1サイクル時間は、表示装置1の位置に基づき計測することができる。ここでは、図4に示すように、表示装置1が垂直となる地点を「G0」、振り始めの地点を「G+」、スイング動作が反転する振り戻し開始地点を「G−」とし、地点「G0」から地点「G+」及び地点「G−」に達するまでの時間が同等であると共に、地点「G+」から地点「G−」に達するまでの時間と、地点「G−」から地点「G+」に達するまでの時間とが同等である場合の1サイクル時間について考える。
【0044】
この場合、1サイクル時間は、表示装置1が垂直となる地点「G0」を起点とし、地点「G0」から地点「G−」に達するまでの時間T1と、地点「G−」から地点「G0」に戻るまでの時間T2と、地点「G0」から地点「G+」に達するまでの時間T3と、地点「G+」から地点「G0」に戻るまでの時間T4とを合計した時間「T1+T2+T3+T4」となる。
【0045】
制御部14は、動作検出部11からの動作情報に基づき、地点「G+」において1回目のスイング動作が開始され、最初に表示装置1が垂直となる地点「G0」が検出されると、1サイクル時間の計測を開始する。そして、制御部14は、地点「G−」を通過してスイング動作が反転して振り戻し動作となり、地点「G0」を経由して1回のスイング動作が終了する地点「G+」を通過し、2回目のスイング動作が開始され、再度、地点「G0」に到達した時点で、1サイクル時間の計測を終了する。このように、この例における1サイクル時間は、地点「G0」から計測を開始し、地点「G0」を2回検出するまでの時間となる。
【0046】
次に、制御部14は、計測された1サイクルの時間に基づき、LED2、2、・・・の点滅時間を算出する。LED2、2、・・・は、図5に示すように、振り始めの地点「G+」からスイング動作が反転する振り戻し動作の開始地点「G−」までの間に点滅されるため、LED2、2、・・・の点滅時間は、式(1)に基づき算出することができる。
点滅時間=1サイクル時間/表示パターンにおける列方向のドット数/2
・・・(1)
【0047】
従って、図3に示すような表示パターンにおける列方向のドット数を、表示領域128ドット、表示領域前後の非表示領域15ドットとすると、1ドット当たりのLED2、2、・・・の点滅時間は、式(1)に基づき、以下のようになる。
点滅時間=(T1+T2+T3+T4)/(128+15×2)/2
【0048】
このようにして算出されたLED2、2、・・・の点滅時間に基づき、表示パターンに従ってLED2、2、・・・を点滅させる。これにより、表示装置1が地点「G+」から地点「G−」に達するまでの間にLED2、2、・・・が点滅し、残像現象を利用した画像の表示が可能となる。
【0049】
ここで、LED2、2、・・・は、スイング動作が開始される地点「G+」から点滅が開始される。このLED2、2、・・・の点滅が開始される時間は、振り戻し動作中に地点「G0」を通過してから時間T3だけ経過したときである。従って、1サイクル時間の計測が開始され、振り戻し動作中に地点「G0」が検出されてから時間T3、すなわち1サイクル時間の1/4(以下、1/4サイクル時間とする)だけ経過した時点で、LED2、2、・・・の点滅が開始される。
【0050】
次に、図6のフローチャートを参照して、LED2、2、・・・の点滅動作の流れについて説明する。図6に示す処理に先立ち、ユーザが図1に示す電源スイッチ3aを操作して電源がONとされ、表示パターン選択スイッチ3dを操作することにより表示パターンが選択される。
【0051】
表示パターンが選択された状態で、図4に示す地点「G+」から1振り目のスイング動作が開始されると、予め記憶された1サイクル時間に基づくLEDの点滅時間に従って、LED2、2、・・・の点滅が開始される(ステップS1)。表示装置1が垂直となる地点「G0」を通過すると、制御部14による1サイクル時間の計測が開始される(ステップS2)。
【0052】
そして、スイング動作が反転する(振り戻し動作)地点「G−」を通過し(ステップS3)、振り戻し動作中に地点「G0」を通過すると、タイマにより1/4サイクル時間のカウントが開始される(ステップS4)。ここでは、ステップS2における1サイクル時間の計測が終了していないため、予め記憶された1サイクル時間に基づいて算出された1/4サイクル時間のカウントを行う。
【0053】
次に、1振り目のスイング動作が終了する地点「G+」を通過すると、2振り目のスイング動作が開始されると同時に、タイマによるカウント値が1/4サイクル時間となるため、LED2、2、・・・の点滅が開始される(ステップS5)。尚、2振り目のスイング動作が開始される時点では、ステップS2における1サイクル時間の計測が終了していないため、予め記憶された1サイクル時間に基づくLEDの点滅時間に従って、LED2、2、・・・が点滅する。
【0054】
次に、地点「G0」を通過すると、制御部14による1サイクル時間の計測が終了され、計測された1サイクル時間に基づき、LEDの点滅時間が算出されると共に、1/4サイクル時間が算出される。また、この時点において、1サイクル時間の計測が再度開始される(ステップS6)。
【0055】
そして、地点「G−」を通過し(ステップS7)、振り戻し動作中に地点「G0」を通過すると、タイマにより、ステップS6で算出された1/4サイクル時間のカウントが開始され(ステップS8)、処理がステップS5に戻る。
【0056】
ステップS5において、2振り目のスイング動作が終了する地点「G+」を通過すると、3振り目のスイング動作が開始されると同時に、タイマによるカウント値が1/4サイクル時間となるため、LED2、2、・・・の点滅が開始される。このとき、ステップS2からステップS6までの処理により、直前のスイング動作による1サイクル時間が計測されているため、LED2、2、・・・は、算出されたLEDの点滅時間に従って点滅が制御される。
【0057】
以下、3振り目以降のスイング動作が継続されている間は、ステップS5からステップS8までの処理が巡回的に繰り返される。
【0058】
このように、3振り目以降は、直前のスイング動作に基づく1サイクル時間から算出されたLEDの点滅時間に従ってLED2、2、・・・が点滅するため、空間に対して画像を適切に表示させることができる。
【0059】
以上のように、本実施の形態によれば、スイング動作の1サイクル時間を計測し、計測された1サイクル時間に基づきLEDの点滅時間を算出し、算出された点滅時間に従ってLEDを点滅させるため、空間に対して適切に画像を表示させることができる。
【0060】
また、算出された1サイクル時間に基づくLEDの点滅時間を、次のスイング動作の際のLEDの点滅時間とするため、連続するスイング動作によって表示される画像の表示精度を高めることができる。
【0061】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、本発明は、上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。例えば、表示装置1の位置を検出するセンサとしては、加速度センサに限られず、位置を検出できるセンサであれば、いずれのものを適用することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 表示装置
2、2、・・・ LED
3 スイッチ
3a 電源スイッチ
3b 発光パターン選択スイッチ
3c バックライト選択スイッチ
3d 表示パターン選択スイッチ
4 回路基板
5 センサ
6 バックライト
10 筐体
10a 発光部
10b 把持部
11 動作検出部
12 操作部
13 記憶部
14 制御部
15 表示部
21 表示領域
22(22a、22b) 非表示領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スイング動作の際に、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示装置であって、
複数の発光素子と、
画像の表示パターンを記憶する記憶部と、
前記表示パターンに基づき前記複数の発光素子の点滅を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、スイング速度に応じて前記複数の発光素子の点滅を制御することを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、スイング動作における振り始め位置から該振り始め位置に戻るまでの1サイクル時間に基づき前記スイング速度を判断することを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記1サイクル時間を計測し、
前記計測された1サイクル時間に基づき、前記複数の発光素子の点滅時間を算出し、
前記算出された点滅時間で前記複数の発光素子を点滅させることを特徴とする請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記計測された1サイクル時間を前記記憶部に記憶させ、
前記記憶部に記憶された前回の1サイクル時間に基づき、次回のスイング動作の際の前記複数の発光素子の点滅を制御することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記筐体の位置を検出する検出部と、
時間をカウントするタイマとをさらに備え、
前記制御部は、
前記スイング動作が反転した振り戻し動作の間に、前記検出部により検出された、前記筐体が垂直となる地点から前記タイマによるカウントを開始させ、
前記タイマによるカウント値が前記1サイクル時間の1/4となる時間となった場合に、前記複数の発光素子の点滅を開始することを特徴とする請求項2、3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記振り始め位置から、前記スイング動作が反転する振り戻し開始位置に達するまでの間に、前記複数の表示素子の点滅を制御することを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の表示装置。
【請求項7】
スイング動作の際に、残像現象を利用して空間に画像を表示させる表示方法であって、
スイング速度に応じて、記憶部に記憶された画像の表示パターンに基づき複数の発光素子の点滅を制御することを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−163807(P2012−163807A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24799(P2011−24799)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(511034550)株式会社アイ・シー・ティー (2)
【Fターム(参考)】