説明

表示装置用フィルタおよびこれを含んだ表示装置

【課題】明室条件でのコントラスト比を向上させ、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐことができる表示装置用フィルタおよびこれを含んだ表示装置が提供される。
【解決手段】表示装置用フィルタは、フィルタベース270と、透明樹脂材質の基材234と、基材234の一面に一定周期で互いに離隔して形成された遮光パターン236を備える外光遮断層230と、パネルアセンブリから供給された光を拡散させる拡散層280とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置用フィルタおよびこれを含んだ表示装置に関し、より詳細には、明室におけるコントラスト比を向上させ、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐことができる表示装置用フィルタおよびこれを含んだ表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の高度情報化に伴い、光エレクトロニクスに関する部品および機器が著しく進歩して普及している。その中でも画像を表示する表示装置は、テレビやパソコンモニターの装置用などとして普及している。また、このような表示装置の大型化とともに薄型化が進められている。
【0003】
一般的に、プラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」とする)装置は、既存の表示装置を代表するCRTに比べて大型化および薄型化を同時に満たし得る次世代型の表示装置として脚光を浴びている。このようなPDP装置は、ガス放電現象を用いて画像を表示するものであり、表示解像度、輝度、コントラスト比、残像、視野角など各種の表示能力が優れている。また、PDP装置は他の表示装置よりも大型化が容易であり、薄型の発光型表示装置として今後の高品質デジタルテレビに最適な特性を備えていると評価されている。さらに、CRTを代替することができる表示装置として注目されている。
【0004】
PDP装置は、電極に印加される直流または交流電圧によって電極間のガスから放電が発生し、これに伴う紫外線の放射によって蛍光体を励起させて発光するようになる。
【0005】
しかし、PDP装置駆動の特性上、電磁波および近赤外線の放出量が多く、蛍光体の表面反射が高い。それだけでなく、封入ガスであるヘリウム(He)やキセノン(Xe)から放出されるオレンジ光によって色純度が陰極線管まで及ばないという短所がある。
【0006】
したがって、PDP装置から発生する電磁波および近赤外線によって人体に有害な影響を及ぼしたり、無線電話やリモコンなどの精密機器の誤作動を誘発したりする恐れがある。このようなPDP装置を用いるためには、PDP装置から放出される電磁波や近赤外線を所定値以下に抑制することが要求されている。このため、電磁波および近赤外線を遮断するとともに反射光を減少させて色純度を向上させるために、電磁波遮断、近赤外線遮断、光の表面反射防止および/または色純度改善などの機能を有するPDPフィルタを採用している。
【0007】
このようなPDP装置は、ガス放電現象が起こる放電セルを含むパネルアセンブリと、電磁波および近赤外線を遮断するPDPフィルタとで構成される。PDPフィルタは、パネルアセンブリの前面部に装着されるため透明度も満たす必要がある。
【0008】
このような従来技術に係るPDP装置において、外部が明るいという条件、すなわち明室条件では、外部環境光がPDPフィルタを透過してパネルアセンブリ内に流入することがある。この場合、パネルアセンブリ内の放電セルから発生した入射光と、外部からPDPフィルタを透過して流入した外部環境光との重なり合いが発生する。この結果、明室条件ではコントラスト比が低下し、PDP装置の画面表示能力が劣下する。
【0009】
また、従来技術に係るPDPフィルタは、電磁波を遮断するためのメッシュパターンまたは他の機能性を有する周期的パターンを含む。このような周期的パターンがパネルアセンブリの前面基板で反射される場合、本来のパターンと反射光によるパターンとの間の相互干渉によってにモアレ現象が発生する。また、PDPフィルタとパネルアセンブリの前面基板間の離隔距離が不均一である場合は、ニュートンリング現象が発生する。モアレまたはニュートンリングなどのノイズによってPDP装置の画面表示能力が低下するようになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、明室条件におけるコントラスト比を向上させ、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐことができる表示装置用フィルタを提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、前記のような表示装置用フィルタを含む表示装置を提供することを他の目的とする。
【0012】
本発明の技術的な課題は上述に制限されるものではなく、言及されていないさらに他の技術的な課題は、以下の記載によって当業者が明確に理解することができるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る表示装置用フィルタは、フィルタベースと、透明樹脂材質の基材、基材の一面に一定周期で互いに離隔して形成された遮光パターンを備える外光遮断層と、パネルアセンブリから供給された光を拡散させる拡散層とを含む。
【0014】
上述の他の目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る表示装置は、互いに対向配置されるように結合する透明な前面基板および背面基板と、前面基板と背面基板との間に複数のセルを含むパネルアセンブリと、パネルアセンブリの前面基板と対向配置された表示装置用フィルタとを含む。
【0015】
上述他の目的を達成するために、本発明の他の一実施形態に係る表示装置は、互いに対向配置されるように結合する透明な前面基板および背面基板と、前面基板と背面基板との間に複数のセルを含むパネルアセンブリと、パネルアセンブリの前面基板と対向配置された表示装置用フィルタとを含み、表示装置用フィルタと対向する前面基板の一面は、アンチグレア処理された表面であることが好ましい。
【0016】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【0017】
本発明にて用いられる表示装置は、格子パターンの画素(pixel:ピクセル)を有して赤色、緑色、及び青色(RGB)を具現するPDP装置、OLED(Organic Light Emitting Diode:有機発光ダイオード)装置、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)装置、またはFED(Field Emission Display:電界放出ディスプレイ)装置などに多様に適用されることができる。以下では説明の便宜上、PDP装置およびこれに用いられるPDPフィルタを用いて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、前記のような多様な表示装置およびこれに用いられる表示装置用フィルタに適用されることができる。
【0018】
また、本発明にて用いられる遮光パターンは、外部環境光を遮断するためのパターンであって、ブラックストライプパターン、ブラックマトリクスパターン、または波形パターンなどを挙げることができる。さらに、所定の基材に形成された遮光パターンは、くさび型またはフラット型などの断面を有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明の表示装置用フィルタおよびこれを含んだ表示装置によれば、表示装置用フィルタに遮光パターンを形成して表示装置の輝度およびコントラスト比を向上させることができる。また、アンチグレア処理によって光の干渉現象を抑制することで、モアレ現象およびニュートンリング現象を効率よく防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態に係るPDPフィルタおよびこれを含んだPDP装置について説明するが、本発明がこれらの実施形態によって制限または限定されることはない。図中、同じ参照符号は同じ部材を示す。
【0021】
図1は本発明の一実施形態に係るPDP装置を示した分解斜視図である。本発明の一実施形態に係るPDP装置100の構造は、図1に示すように、ケース110と、ケース110の上部を覆うカバー150と、ケース110内に収容される駆動回路基板120と、ガス放電現象が起こる放電セルを含むパネルアセンブリ130と、PDPフィルタ140とで構成される。PDPフィルタ140は、透明基板上に導電性が優れた材料で形成された導電層が備わっており、この導電層はカバー150を介してケース110に接地される。すなわち、パネルアセンブリ130から発生した電磁波が視聴者に到達する前に、PDPフィルタ140の導電層を用いて接地されたカバー150とケース110により遮断される。
【0022】
以下、図2および図3を参照して、電磁波、近赤外線、外部環境光などを遮断するPDPフィルタ140を説明した後、PDPフィルタ140とパネルアセンブリ130を含むPDP装置100を説明する。
【0023】
図2は本発明の一実施形態に係るPDPフィルタを示した断面図である。
【0024】
図2に示すように、本発明の一実施形態に係るPDPフィルタ200は、透明基板210に多様な遮断機能を有する層が形成されたフィルタベース270と、外光遮断層230とを含む。
【0025】
ここで、フィルタベース270は、透明基板210と、反射防止層250と、電磁波遮断層220とが無作為に積層されて形成される。以下、本発明の一実施形態では、電磁波遮断機能、反射防止機能に対応する層をそれぞれ別途に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明の一実施形態に係るフィルタベース270は、1つまたはそれ以上の層での構成が可能であり、各層は電磁波遮断機能、反射防止機能、またはこれらの総合機能を有したりする。また、フィルタベース270は、上述した電磁波遮断機能、反射防止機能、またはこれらの総合機能をすべて含んでも良いし、このうちの1つのみを含んでも良い。
【0026】
フィルタベース270の一面には外光遮断層230が配置される。図2に示した実施形態の外光遮断層230は、フィルタベース270のパネルアセンブリ側の面、すなわち、PDPフィルタ200がPDP装置に装着されたときに視聴者側とは反対側の面に配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。フィルタベース270の他面に外光遮断層230が配置される場合も同じような作用および効果を得ることができる。
【0027】
外光遮断層230は、支持体232と、支持体232の一面に形成された基材234と、基材234内に形成されて外部からパネルアセンブリに流入する外部環境光320を遮断する遮光パターン236とを含む。本実施形態において、遮光パターン236はくさび型ブラックストライプ形状で構成される。
【0028】
ここで、遮光パターン236が形成された基材234は、フィルタベース270に直接形成されても良いが、図2に示すように、支持体232に基材234を形成した後にフィルタベース270と結合しても良い。支持体232は、遮光パターン236が形成された基材234を支持する役割をする。図2に示された実施形態では、基材234とフィルタベース270の一面に支持体232を媒介として結合しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、支持体232は基材234を支持する役割を目的とするため、外光遮断層230がフィルタベース270の他面に配置される場合、基材234とフィルタベース270が直接結合しても良い。
【0029】
本発明の一実施形態において、支持体232は、紫外線透過性を有する透明な樹脂フィルムが好ましい。支持体232の材質の例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)などが用いられたりする。もちろん、支持体232としてフィルタの固有機能を有する膜、例えば、反射防止層250、色補正層240、または電磁波遮断層220などを用いることもできる。
【0030】
また、遮光パターン236断面はくさび型を有しており、パネルアセンブリ(図示せず)に対向する基材234の一面に形成されて、外部環境光320がパネルアセンブリ内部に流入することを防ぐ役割をする。
【0031】
基材234は紫外線硬化性樹脂で形成され、遮光パターン236は光吸収が可能な黒色無機物および/または有機物、金属で形成することができる。特に、金属で形成される場合は電気伝導度が高い。言い換えれば、電気抵抗が低い。よって、金属粉末を添加して遮光パターン236を形成する場合、金属粉末の濃度に応じた電気抵抗の調節が可能であるため、遮光パターン236は電磁波遮断機能を行うことができる。また、表面が黒く処理された金属、または黒色の金属を用いる場合、外光遮断機能および電磁波遮断機能を効率よく具現することができる。さらに、遮光パターン236として炭素を含む紫外線硬化性樹脂を用いても良い。
【0032】
本発明の遮光パターン236は、ロール成形法や熱可塑性樹脂を用いた熱プレス法、遮光パターン236と反対の形状が転写された基材234内に熱可塑性または熱硬化性樹脂を充填して成形する射出成形法などによって形成することができる。または、基材234を構成する紫外線硬化性樹脂が、反射防止機能、電磁波遮断機能、色調節機能、またはこれらの総合機能を有している場合、外光遮断層230は付加的に前記のような機能を実行することもできる。
【0033】
外光遮断層230を構成する遮光パターン236は、外部環境光320を吸収して外部環境光320がパネルアセンブリに流入することを防ぎ、パネルアセンブリからの入射光310を視聴者側に全体として反射する役割をする。したがって、可視光線に対する高い透過率と高いコントラスト比を得ることができる。
【0034】
PDP装置は、可視光線に対する高い透過率と高いコントラスト比を有するものが好ましい。ここで、コントラスト比は、次の数式1のように示すことができる。
【0035】
【数1】

【0036】
PDP装置の透過率を高めるために、パネルアセンブリから放出される光をPDPフィルタでろ過せずに透過させる場合、白色光の輝度だけでなく黒色光の輝度も高くなる。したがって、PDP装置の輝度を高める場合、全体的なコントラスト比は相対的に低くなる。従来技術に係るPDP装置の場合、黒色色素を含む色補正フィルムを含むPDPフィルタを用いてPDPフィルタの透過率をある程度まで低める代わりにコントラスト比を高める方法を採用している。このような従来技術に係るPDP装置の場合、約120:1のコントラスト比を得るために可視光線に対する透過率を約40〜45%まで低めなければならない。
【0037】
本発明のPDPフィルタ200は、黒色色素を含む色補正フィルムを用いる代わりに光を吸収する遮光パターン236を用いる。ここで、遮光パターン236は、パネルアセンブリから放出される入射光310の一部を吸収して白色光および黒色光の輝度を所定部分で低めることでコントラスト比を高める役割をする。また、数式1によれば、コントラスト比は反射光の輝度に対する関数であるが、反射光は外部環境光320がパネルアセンブリに流入した後に反射する光を含む。ここで、外部環境光320は、遮光パターン236に直接吸収されたり、パネルアセンブリに反射が起こっても再び遮光パターン236に吸収されたりするため、反射光の輝度を低めることができる。したがって、黒色光と白色光に対して同じ反射光が生成されても、数式1の分母に位置する「反射光の輝度」が低くなるためコントラスト比を高めることができる。
【0038】
基材234の一面に対して遮光パターン236の底面が占める面積の割合が20〜50%であるときに、透過量の損失を最小に抑えて最大のコントラスト比を得ることができる。さらに好ましくは、基材234の一面に対して遮光パターン236の底面が占める面積の割合が25〜35%であるときに、より優れた効果を得ることができる。このように、外光遮断層230を含むPDPフィルタ200を用いたPDP装置の場合、可視光線に対する透過率を50%以上で維持した状態で250:1以上のコントラスト比を得ることができる。
【0039】
一方、外光遮断層230は、それ自体が可視光線の波長帯で70%以上の透過率を有する。パネルアセンブリからの入射光310は、外光遮断層230に対してほぼ垂直方向で入射するようになる。このうち一部の入射光310は遮光パターン236に吸収されるが、大部分の入射光310は基材234を透過してそのまま透過するため、PDP装置の透過率を高める要因となる。
【0040】
前述したように、遮光パターン236としてくさび型ブラックストライプ形状を用いるが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、外部環境光を吸収して外部環境光がパネルアセンブリに流入することを防ぎ、パネルアセンブリからの入射光を視聴者側に反射することで可視光線に対する高い透過率と高いコントラスト比を得ることができる多様な形状の遮光パターンを用いることができる。例えば、遮光パターンには、ブラックストライプ形状、ブラックマトリクス形状、またはブラック波形状などを用いることができる。また、このような遮光パターンは所定の基材に形成され、くさび型またはフラット型などの断面を有することができる。以下では説明の便宜上、くさび型ブラックストライプ形状の遮光パターン236を用いて本発明を説明する。
【0041】
フィルタベース270は、透明基板210の一面に形成された電磁波遮断層220と、透明基板210の他面に形成された反射防止層250などが積層された構造を有する。ただし、本発明は、前記積層順に限定されるものではない。フィルタベース270は、透明基板210、反射防止層250、または電磁波遮断層220が無作為に積層された構造を有することができる。
【0042】
ここで、透明基板210としては、一般的に厚さが約2.0〜3.5mmである強化または半強化ガラス、またはアクリルのような透明プラスチック材料を用いて製造される。ガラスは比重が2.6であるためフィルタ製造において軽量化し難く、厚さが厚いためプラズマ表示パネルシートの装着においてシート全体の重さが増加するという短所がある。しかし、破壊に対する安全性向上には高い効果を発揮する。ただし、フィルタベース270の仕様によっては、前記のような透明基板210は除外されることがある。
【0043】
本発明の一実施形態において、透明基板210としては、ガラス、石英などの無機化合物成形物と透明な有機高分子成形物とを挙げることができる。
【0044】
有機高分子成形物で成された透明基板210には、アクリルやポリカーボネートが一般的に用いられるが、本発明はこのような実施形態に限定されるものではない。透明基板210は高透明性や耐熱性を有するものが好ましく、高分子成形物および高分子成形物の積層体を透明基板210として用いることができる。透明基板210の透明性に関しては可視光線の透過率が80%以上であるものが好ましく、耐熱性に関してはガラス転移温度が50℃以上であるものが好ましい。高分子成形物は可視波長領域において透明であれば良い。この種類の具体的な例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリアクリル酸塩、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリイミド、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを挙げることができが、これに限定されるものではない。前記のうち、価格、耐熱性、透明性の面において、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0045】
また、電磁波を遮断するためには、表示表面を導電性が高い物質で覆う必要がある。本発明の一実施形態に係る電磁波を遮断するための電磁波遮断層220としては、導電性メッシュフィルムまたは金属薄膜と高屈折透明薄膜とを積層した多層透明導電膜を用いることができる。本発明の一実施形態において、電磁波遮断層220は透明基板210の一面、すなわちパネルアセンブリ側の面に形成されているが、本発明はこのような配置に限定されるものではない。
【0046】
ここで、一般的に導電性メッシュフィルムとしては、接地された金属メッシュや合成樹脂、または金属繊維のメッシュに金属被服したものを用いることができる。導電性メッシュフィルムを構成する金属の材料の例としては、銅、クロム、ニッケル、銀、モリブデン、タングステン、アルミニウムなど、電気伝導性が優れていて加工性がある金属であればすべて使用可能である。
【0047】
また、多層透明導電膜は、酸化インジウムスズ(ITO)に代表される高屈折透明薄膜を電磁波遮断のために用いることができる。多層透明導電膜としては、金、銀、銅、白金、パラジウムなどの金属薄膜と、酸化インジウム、酸化第二スズ、酸化亜鉛などの高屈折率透明薄膜を交互に積層した多層薄膜などが挙げられる。
【0048】
金属薄膜は、銀(Ag)または銀を含有した合金で成された薄膜層である。その中でも銀は、導電性、赤外線反射性および多層積層における可視光線の透過性が優れているため好ましく用いられる。しかし、銀は化学的かつ物理的な安定性が低く、周囲環境の汚染物質および水蒸気、熱、光などによって劣化するため、銀に金、白金、パラジウム、銅、インジウム、スズなどの周囲環境に安定的な金属を1種類以上含有した合金も好ましく用いられる。
【0049】
また、高屈折率透明薄膜層は可視光に対して透明性を有しており、金属薄膜との屈折率の差により、金属薄膜によって可視光線が反射することを防ぐ効果を有する。このような高屈折率透明薄膜を形成する具体的な材料としては、インジウム、チタン、ジルコニウム、ビスマス、スズ、亜鉛、アンチモン、タンタル、セリウム、ネオジウム、ランタン、トリウム、マグネシウム、カリウムなどの酸化物やこれら酸化物の混合物、または黄化亜鉛などを挙げることができる。
【0050】
図示してはいないが、本発明の一実施形態に係るフィルタベース270は、別途で近赤外線遮断層を含むことがある。近赤外線遮断層は、パネルアセンブリから発生して無線電話やリモコンなどの電子機器の誤作動を引き起こす強力な近赤外線を遮断する役割をする。
【0051】
本発明の一実施形態において、電磁波遮断層220として金属薄膜と高屈折率透明薄膜を積層した多層透明導電膜を用いる場合には、多層透明導電膜が近赤外線を遮断する効果を有する。したがって、この場合には、近赤外線遮断層を別途で形成せずに電磁波遮断層220のみで近赤外線と電磁波を遮断する2つの機能を実行することができる。もちろん、この場合にも後述する近赤外線遮断層を別途で形成することもできる。
【0052】
本発明の一実施形態において、電磁波遮断層220として導電性メッシュフィルムを用いる場合には、パネルアセンブリから放出される近赤外線を遮断するために、近赤外線領域の波長を吸収する近赤外線吸収色素を含有した高分子樹脂を用いることがある。例えば、近赤外線吸収色素として、シアニン系、アントラキノン系、ナフトキノン系、フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、ジイモニウム系、ニッケル−ジチオール系などの多様な成分の有機染料を用いることができる。PDP装置は、広い波長領域に渡って強力な近赤外線を発するために、広い波長領域に渡って近赤外線を吸収することができる近赤外線遮断層を用いる必要がある。
【0053】
本発明の一実施形態に係る反射防止層250は透明基板210の他面に形成されるが、本発明はこのような積層順に限定されるものではない。図2に示されたように、反射防止層250は、PDPフィルタ200がPDP装置に装着されたときに視聴者側となる面、すなわちパネルアセンブリ側とは反対側の面に形成されることが好ましい。前記のような反射防止層250は、外部光の反射を減らして視認性を良くすることができる。
【0054】
もちろん、反射防止層250をパネルアセンブリ側となる面に形成しても、PDPフィルタ200の外光反射をより一層減らすことができる。また、反射防止層250を形成してPDPフィルタ200の外光反射を減らすことで、パネルアセンブリからの可視光線の透過率を向上させてコントラスト比を高めることができる。
【0055】
本発明の一実施形態に係るPDPフィルタ200は、580〜600nmの波長帯にて60%以上の透過率を有する色補正層240をさらに含むこともある。このような色補正層240は、赤色R、緑色G、青色Bの量を減少および調節することで色均衡を変化させたり校正したりする。
【0056】
一般的にパネルアセンブリ内のプラズマから発生する赤色の可視光線がオレンジ色で表れる傾向がある。主に従来技術に係る色補正層は、580〜600nmの波長帯を有するオレンジ光を赤色に色補正する役割を行う。しかし、本発明の一実施形態に係る色補正層240は、580〜600nmの波長帯を有するオレンジ光に対して60%以上の透過率を有することで、オレンジ色を赤色に色補正する役割を縮小したり除外することができる。
【0057】
パネルアセンブリからオレンジ色が強く放出される要因としては、プラズマ自体から出る光と外部環境光とがパネルアセンブリで再反射し、これによって発生する光がオレンジ色を帯びる傾向があるためである。本発明の一実施形態に係るPDPフィルタ200は、外光遮断層230を形成して外部環境光320がパネルアセンブリに流入することを遮断することで、オレンジ色の入射光310の量を根本的に減らすことができるようになる。したがって、本発明のPDPフィルタ200は、追加してオレンジ色を色補正するための色素の使用量を減らしたり用いなくても色純度を向上させることができる。例えば、明室(150ルクス)においてRGB色相を中間調表示(50IRE)としておき、各色相に対して測定器で色座標を求めて固有の色相の色座標に対する面積と測定色座標の面積との割合を求めると、パネルアセンブリで直接測定するときは66%の面積割合が得られることに比べて、PDPフィルタ200を経て測定すると86%の面積割合を有するようになり、高い色純度を得ることができる。
【0058】
色補正層240は、表示の色再現範囲を増加させて画面の鮮明度を向上させるために多様な色素を用いる。このような色素としては、染料あるいは顔料を用いたりする。色素の種類は、アントラキノン系、シアニン系、アゾ系、スチルベン系、フタロシアニン系、メタン系などのネオン光遮断機能を有する有機色素があるが、本発明はこれに限定されるものではない。色素の種類と濃度は色素の吸収波長、吸収係数、表示において要求される透過特性によって決定されるものであるため、特定の数値に限定されて用いられるものではない。
【0059】
また、PDPフィルタ200は、モアレ模様およびニュートンリングを防止するための拡散層280を含む。外光遮断層230の遮光パターン236または電磁波遮断層220のメッシュパターンのような周期的なパターンがパネルアセンブリの前面基板に反射する場合、本来のパターンと反射光によるパターンとの間の相互干渉によってモアレ現象が発生したり、PDPフィルタ200とこれと結合するパネルアセンブリの前面基板との間の離隔距離が不均一である場合、ニュートンリング現象が発生する恐れがある。ここで、拡散層280は、このような反射光によるパターンを拡散させることで本来のパターンと反射光によるパターンとの干渉現象が発生しなくなり、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐことができる。拡散層280は、パネルアセンブリと隣合ったPDPフィルタ200の一面に形成されるのが好ましいが、モアレ模様およびニュートンリングを防ぐことができる範囲内であれば、PDPフィルタ200内の任意の位置に配置されることができる。すなわち、拡散層280はPDPフィルタ200の視聴者に向かった面、すなわち反射防止層250上に形成されることもできる。これだけでなく、後述のように、拡散層280は外光遮断層230とともにパネルアセンブリに直接付着することもできる。
【0060】
拡散層280は、アンチグレア処理された表面を有するフィルムで構成される。ここで、アンチグレア処理とは、例えば、サンドブラストおよびエンボス加工による粗面化処理方法、または透明微粒子配合方法などの適合した方法を用いてフィルムの表面に微細な凹凸構造を形成する工程である。このような透明微粒子の例として、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化スズ、酸化インジウム、酸化カドニウム、酸化アンチモンなどを含む伝導性を有する無機型微粒子および架橋、または非架橋重合体を含む有機型微粒子のように、平均粒子直径が約0.1〜約50μmである透明微粒子が用いられることができる。
【0061】
本発明の各層または膜を接着させるときには、透明な粘着剤または接着剤を用いる。具体的な材料としては、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール接着剤(PMB)、エチレン−酢酸ビニル系接着剤(EVA)、ポリビニルエーテル、飽和無定形ポリエステル、メラミン樹脂などを挙げることができる。
【0062】
このように形成された本発明のPDPフィルタ200は、可視光線波長帯で50%以上の透過率を有しながら、明室で250:1以上のコントラスト比を有することができる。また、表面がアンチグレア処理された拡散層280は、外光遮断層230または電磁波遮断層220によって発生する恐れのあるモアレ現象およびニュートンリング現象を効率よく防ぐことができる。
【0063】
以上では、本発明の一実施形態に係るPDPフィルタ200を説明した。以下、図3aおよび図3bを参照して、このようなPDPフィルタ200を用いたPDP装置を説明する。図3aは本発明の一実施形態に係るPDP装置を示した分解斜視図であり、図3bは図3aのB−Bに沿って切断した断面図である。
【0064】
図3aおよび図3bに示されたように、本発明の一実施形態に係るPDP装置は、PDPフィルタ200と、パネルアセンブリ600とを含む。PDPフィルタ200は上述した内容と同じものであるため、以下ではパネルアセンブリ600についてのみ詳細に説明する。
【0065】
図3aに示されたように、前面基板610の表面上には複数の維持電極615がストライプ状に配置されている。各維持電極615には信号遅延を減らすためにバス電極620が形成されている。維持電極615が配置された面の上には、全体を覆うように誘電体層625が形成されている。また、誘電体層625の面上には誘電体保護膜630が形成されている。例えば、本発明の一実施形態において、誘電体保護膜630はスパッタリング法などを用いて誘電体層625の表面上を酸化マグネシウム(MgO)の薄膜で覆うことで形成することができる。
【0066】
一方、背面基板635の前面基板610と対向する面には、複数のアドレス電極640がストライプ状に配置されている。アドレス電極640の配置方向は、前面基板610と背面基板635とを対向配置するときに維持電極615と交差する方向である。アドレス電極640が配置された面の上には、全体を覆うように誘電体層645が形成されている。また、誘電体層645の面上には、アドレス電極640と平行しながら前面基板610側に向かった複数の隔壁650が突出設置されている。隔壁650は隣合うアドレス電極640とアドレス電極640との間の領域に配置されている。
【0067】
隣合う隔壁650と隔壁650および誘電体層645で形成される溝部分の横面には蛍光体層655が配置されている。蛍光体層655は隔壁650で区画される溝部分ごとに赤色蛍光体層655R、緑色蛍光体層655G、青色蛍光体層655Bが配置されている。この蛍光体層655は、スクリーン印刷法やインクジェット法、またはフォトレジストフィルム法などの厚膜形成法を用いて形成された蛍光体粒子群で成される層である。このような蛍光体層655の材質としては、例えば、赤色蛍光体として(Y、Gd)BO:Eu、緑色蛍光体としてZnSiO:Mn、青色蛍光体としてBaMgAl1017:Euを用いることができる。
【0068】
このような構造を有する前面基板610と背面基板635を対向配置するとき、溝部分と誘電体保護膜630とで形成される放電セル660には放電ガスが封入されている。すなわち、放電セル660は、パネルアセンブリ600では前面基板610と背面基板635との間における維持電極615とアドレス電極640が交差するそれぞれの部分に形成される。放電ガスの例としては、Ne−Xe系ガス、He−Xe系ガスなどを用いることができる。
【0069】
以上のような構成を有するパネルアセンブリ600は、基本的に蛍光灯のような発光原理を有し、放電セル660の内部における放電によって放電ガスから放出された紫外線が蛍光体層655を励起発光させて可視光に変換される。
【0070】
ただし、パネルアセンブリ600に用いる各セルの蛍光体層655R、655G、655Bには、それぞれ他の可視光への変換効率を有する蛍光体材料が用いられている。そのため、パネルアセンブリ600にて画像を表示するときは、一般的に各蛍光体層655R、655G、655Bの輝度を調節することで色バランスの調節が成されている。具体的には、輝度が最も低い色の蛍光体層を基準として、他の蛍光体層の輝度を色ごとに保存された割合で低下させている。
【0071】
このようなパネルアセンブリ600の駆動は、アドレス放電のための駆動と維持放電のための駆動とに大別される。アドレス放電はアドレス電極640と1つの維持電極との間で起こり、壁電荷が形成される。維持放電は壁電荷が形成された放電セル660に位置する2つの維持電極615の間の電位置によって起こる。この維持放電のときに放電ガスから発生する紫外線によって該当する放電セル660の蛍光体層655が励起されて可視光が発散されると、この可視光が前面基板610を介して出射されながら視聴者が認識することができる画像が形成されるようになる。
【0072】
以下、図3bを参照して、パネルアセンブリ600とPDPフィルタ200の関係を説明する。
【0073】
図3bに示すように、PDPフィルタ200は、パネルアセンブリ600の前面基板610上部に配置される。PDPフィルタ200は、図3aに示すように、パネルアセンブリ600の前面基板610と離隔して配置されても良いし、接触して配置されても良い。さらに、パネルアセンブリ600とPDPフィルタ200との間に異物が流入するなどの副作用を防いだり、PDPフィルタ200自体の強度を補強するために、図3bに示すように、前面基板610と接着剤または粘着剤690で結合しても良い。
【0074】
PDPフィルタ200には、外部環境光がパネルアセンブリ600内に流入することを防ぐために外光遮断層230が形成されている。外部環境光は主に外光遮断層230によって吸収され、外部環境光が前面基板610を透過して再反射することを防ぐことができる。したがって、明室条件でPDP装置のコントラスト比を向上させることができる。
【0075】
遮光パターン236のピッチP2は、パネルアセンブリ600に形成された放電セル660(またはピクセル)のピッチP1より小さいことが好ましい。すなわち、1つの放電セル660に複数の遮光パターン236を配置することで入射光を均一に分散させることができ、効率よく外部環境光を吸収することができる。パネルアセンブリ600のピクセルのピッチP1は約0.5mm〜約2.5mmであり、遮光パターン236のピッチP2は約0.07〜約0.11mmであることが好ましい。一方、この場合、電磁波遮断層220のメッシュパターンのピッチは約0.25mm〜約0.35mmであることが好ましい。
【0076】
また、PDPフィルタ200の一面に拡散層280を形成することがある。拡散層280は、パネルアセンブリ600の放電セル660からの入射光またはパネルアセンブリ600の前面基板610での反射光を分散させることで光が周期的なパターンを有することを防ぎ、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐことができる。
【0077】
以上、本発明の一実施形態においては、くさび型ブラックストライプ形状の遮光パターン236が形成された外光遮断層230を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図4a〜図4hに示された多様な形状の遮光パターンが形成された外光遮断層を用いることもできる。図4a〜図4hは本発明の外光遮断層の変形例を示した斜視図である。
【0078】
図4a〜図4eに示すように、外光遮断層430a〜430eは、多様な形状の遮断パターン436a〜436eを用いて外部環境光を吸収して外部環境光がパネルアセンブリに流入することを防ぎ、パネルアセンブリからの入射光を視聴者側に反射することで可視光線に対する高い透過率と高いコントラスト比を得ることができる。このような遮光パターンは、図4aのくさび型ブラックマトリクス形状遮光パターン436aと、図4bのくさび型ブラック波形状遮光パターン436bと、図4cのフラット型ブラックストライプ形状遮光パターン436cと、図4dのフラット型ブラックマトリクス形状遮光パターン436dと、図4eのフラット型ブラック波形状遮光パターン436eとを例として挙げることができる。
【0079】
また、図4f〜図4hに示す外光遮断層430f〜430hは、外部環境光を遮断するとともにパネルアセンブリからの入射光を効率よく集束して視聴者側に伝達することで、可視光線に対する高い透過率と高いコントラスト比を得ることができる。
【0080】
具体的には、図4fに示された外光遮断層430fは、基材234と、基材234でパネルアセンブリと対向する一面に形成されて入射光を集束する複数の半シリンダ型レンチキュラレンズ510と、基材234の他面に形成されて外部環境光を遮断するフラット型ブラックストライプ形状遮光パターン436cとを含む。図4gに示された外光遮断層430gは、基材234と、基材234でパネルアセンブリと対向する一面に形成されて入射光を集束する複数の半球型レンチキュラレンズ512と、基材234の他面に形成されて外部環境光を遮断するフラット型ブラックマトリクス形状遮光パターン436dとを含む。また、図4hに示された外光遮断層430hは、基材234と、基材234の一面に形成されて入射光を集束する複数の楕円形面のビーズレンズ514と、基材234とビーズレンズ514との間を満たして外部環境光を遮断する遮光パターン524とを含む。
【0081】
ここで、図4hの遮光パターン524は、図2の遮光パターン236と同じ物質で成されているため同じ機能を実行し、規則的に配列されたビーズレンズ514によって遮光パターン524も周期的なパターンを有するようになる。また、レンチキュラレンズ510、512とビーズレンズ514は高い光透過率、例えば70%以上の光透過率を有する透明材質で形成することができる。例えば、ガラスまたは透明樹脂で形成しても良く、ネオン光および/または近赤外線吸収剤を含んでも良い。
【0082】
以下、図5を参照して、本発明の他の実施形態に係るPDP装置を説明する。図5は本発明の他の実施形態に係るPDP装置を示した分解斜視図である。説明の便宜上、図1〜図3bの図面に示された各部材と同じ機能を有する部材は同じ符合で示し、それについての説明は省略する。本実施形態のPDP装置は、図5に示すように、図1〜図3bに示された実施形態のPDP装置と後述の内容を除いては同じ構造を有する。
【0083】
すなわち、図5に示すように、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐためにPDPフィルタ200に拡散層280を形成する代わりに、パネルアセンブリ600の前面基板610を上述したアンチグレア処理することがある。言い換えれば、PDPフィルタ200に対向する前面基板610の乱反射表面611はアンチグレア処理された表面であるため、前面基板610における反射光が一定したパターンを有さないように乱反射させることで干渉現象を抑制する。したがって、モアレ現象およびニュートンリング現象を防ぐことができる。また、本実施形態のPDP装置にも、前記実施形態にて説明した拡散層を含むPDPフィルタを適用することができる。
【0084】
上述したように、本発明の好ましい実施形態を参照して説明したが、該当の技術分野において熟練した当業者にとっては、特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正および変更させることができることを理解することができるであろう。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に基づいて定められ、発明を実施するための最良の形態により制限されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態に係るPDP装置を示した分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタを示した断面図である。
【図3a】本発明の一実施形態に係るPDP装置を示した分解斜視図である。
【図3b】図3aのB−Bに沿って切断した断面図である。
【図4a】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その1)を示した斜視図である。
【図4b】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その2)を示した斜視図である。
【図4c】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その3)を示した斜視図である。
【図4d】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その4)を示した斜視図である。
【図4e】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その5)を示した斜視図である。
【図4f】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その6)を示した斜視図である。
【図4g】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その7)を示した斜視図である。
【図4h】本発明の一実施形態に係るPDPフィルタに用いられる外光遮断層の変形例(その8)を示した斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係るPDP装置を示した分解斜視図である。
【符号の説明】
【0086】
100…PDP装置
110…ケース
120…駆動回路基板
130…パネルアセンブリ
140…PDPフィルタ
150…カバー
200…PDPフィルタ
210…透明基板
220…電磁波遮断層
230…外光遮断層
232…支持体
234…基材
236…遮光パターン
240…色補正層
250…反射防止層
270…フィルタベース
280…拡散層
310…入射光
320…外部環境光
430a〜430h…外光遮断層
436a〜436e…遮断パターン
510…半シリンダ型レンチキュラレンズ
512…半球型レンチキュラレンズ
514…ビーズレンズ
524…遮光パターン
600…パネルアセンブリ
610…前面基板
611…乱反射表面
615…維持電極
620…バス電極
625…誘電体層
630…誘電体保護膜
635…背面基板
640…アドレス電極
645…誘電体層
650…隔壁
655…蛍光体層
655R…赤色蛍光体層
655G…緑色蛍光体層
655B…青色蛍光体層
660…放電セル
690…接着剤または粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタベースと、
透明樹脂材質の基材と、前記基材の一面に一定周期で互いに離隔して形成された遮光パターンとを備える外光遮断層と、
パネルアセンブリから供給された光を拡散させる拡散層と
を含むことを特徴とする表示装置用フィルタ。
【請求項2】
前記拡散層はアンチグレア処理された表面を有するフィルムで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項3】
前記表示装置用フィルタは、複数の放電セルを含む前記パネルアセンブリに対応して配置され、
前記パネルアセンブリの前記複数の放電セルのピッチは0.5〜2.5mm、前記遮光パターンのピッチは0.07〜0.11mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項4】
前記フィルタベースは、金属メッシュパターンが形成されている電磁波遮断層を含み、前記メッシュパターンのピッチは0.25〜0.35mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項5】
前記拡散層は、前記外光遮断層と前記フィルタベースとの間に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項6】
前記拡散層は、前記外光遮断層を基準として前記フィルタベースの反対側に形成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項7】
前記拡散層は、前記パネルアセンブリと向き合うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項8】
前記遮光パターンは、くさび型ブラックストライプ形状、くさび型ブラックマトリクス形状、くさび型ブラック波形状、フラット型ブラックストライプ形状、フラット型ブラックマトリクス形状、またはフラット型ブラック波形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項9】
前記基材上に前記遮光パターン間に配置されて光を集光する半シリンダ型レンチキュラレンズまたは半球型レンチキュラレンズをさらに含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項10】
前記基材の一面に配列されたビーズレンズをさらに含み、
前記遮光パターンは、前記基材と前記ビーズレンズとの間を満たすことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項11】
前記遮光パターンは、少なくとも黒色無機物および有機物の一方、並びに金属で構成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の表示装置用フィルタ。
【請求項12】
互いに対向配置されるように結合する透明な前面基板および背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に複数のセルを含むパネルアセンブリと、
前記パネルアセンブリの前記前面基板と対向配置された請求項1〜11のいずれか1項に記載の前記表示装置用フィルタとを含むことを特徴とする表示装置。
【請求項13】
互いに対向配置されるように結合する透明な前面基板および背面基板と、前記前面基板と前記背面基板との間に複数のセルを含むパネルアセンブリと、
前記パネルアセンブリの前記前面基板と対向配置された表示装置用フィルタとを含み、
前記表示装置用フィルタと対向する前記前面基板の一面は、アンチグレア処理された表面であることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図4h】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−298996(P2007−298996A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−120958(P2007−120958)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(504275513)三星コーニング株式会社 (40)
【Fターム(参考)】