説明

表示装置

【課題】回路構成を簡素化することが可能な表示装置を提供する。
【解決手段】この表示装置は、nチャネルトランジスタによって構成され、シフト信号SR2を出力する2段目のシフトレジスタ回路部52と、nチャネルトランジスタによって構成され、シフト信号SR3を出力する3段目のシフトレジスタ回路部53と、シフト信号SR2と、シフト信号SR3とを論理合成してシフト出力信号Dummyを出力する論理合成回路部81とを含むシフトレジスタ回路を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、表示装置に関し、特に、シフトレジスタ回路を有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、抵抗負荷型のインバータ回路が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。また、従来では、上記した抵抗負荷型のインバータ回路を含むシフトレジスタ回路が知られている。なお、シフトレジスタ回路は、たとえば、液晶表示装置や有機EL表示装置のゲート線やドレイン線を駆動する回路に用いられる。
【0003】
図18は、従来の抵抗負荷型のインバータ回路を含むシフトレジスタ回路の回路図である。図18を参照して、従来のシフトレジスタ回路1000aは、第1回路部1001aと第2回路部1002aとによって構成されている。また、2段目のシフトレジスタ回路1000bは、第1回路部1001bと第2回路部1002bとによって構成されている。
【0004】
1段目のシフトレジスタ回路1000aを構成する第1回路部1001aは、nチャネルトランジスタNT201およびNT202と、容量C201と、抵抗R201とを含む。以下、従来技術の説明においては、nチャネルトランジスタNT201およびNT202は、それぞれ、トランジスタNT201およびNT202と称する。トランジスタNT201のソースは、ノードND201に接続されているとともに、ドレインには、スタート信号STが入力される。このトランジスタNT201のゲートには、クロック信号CLK1が供給される。また、トランジスタNT202のソースは、負側電位VSSに接続されているとともに、ドレインは、ノードND202に接続されている。また、容量C201の一方の電極は、ノードND201に接続されているとともに、他方の電極は、負側電位VSSに接続されている。また、抵抗R201の一方端子は、正側電位VDDに接続されているとともに、他方端子は、ノードND202に接続されている。そして、トランジスタNT202と抵抗R201とによって、インバータ回路が構成されている。
【0005】
また、1段目のシフトレジスタ回路1000aを構成する第2回路部1002aは、nチャネルトランジスタNT203と、抵抗R202とを含む。以下、従来技術の説明においては、nチャネルトランジスタNT203は、トランジスタNT203と称する。トランジスタNT203のソースは、負側電位VSSに接続されているとともに、ドレインは、ノードND203に接続されている。また、抵抗R202の一方端子は、正側電位VDDに接続されているとともに、他方端子は、ノードND203に接続されている。そして、トランジスタNT203と抵抗R202とによって、インバータ回路が構成されている。
【0006】
また、2段目以降のシフトレジスタ回路も、上記した1段目のシフトレジスタ回路1000aと同様の回路構成を有する。なお、後段のシフトレジスタ回路の第1回路部は、前段のシフトレジスタ回路の出力ノードに接続されるように構成されている。また、奇数段に配置された第1回路部のトランジスタNT201のゲートには、上記したようにクロック信号CLK1が供給されるとともに、偶数段に配置された第1回路部のトランジスタNT201のゲートには、クロック信号CLK2が供給される。
【0007】
図19は、図18に示した従来のシフトレジスタ回路の動作を説明するための波形図である。次に、図18および図19を参照して、従来のシフトレジスタ回路の動作について説明する。
【0008】
まず、スタート信号STがHレベルになる。この後、クロック信号CLK1がHレベルになる。この際、1段目のシフトレジスタ回路1000aにおいて、トランジスタNT201がオン状態になるとともに、ノードND201の電位がHレベルに上昇するので、トランジスタNT202がオン状態になる。これにより、ノードND202の電位がLレベルに降下することによりトランジスタNT203がオフ状態になるので、ノードND203の電位がHレベルに上昇して1段目のシフトレジスタ回路1000aからHレベルの出力信号SR1が出力される。なお、クロック信号CLK1がHレベルである期間には、容量C201にHレベルの電位が蓄積される。
【0009】
次に、クロック信号CLK1がLレベルになる。この際、1段目のシフトレジスタ回路1000aのトランジスタNT201がオフ状態になる。この後、スタート信号STがLレベルになる。ここで、1段目のシフトレジスタ回路1000aにおいて、トランジスタNT201がオフ状態になったとしても、ノードND201の電位が容量C201に蓄積されたHレベルの電位によりHレベルに保持されているので、トランジスタNT202がオン状態に保持される。このため、ノードND202の電位がHレベルに上昇しないので、トランジスタNT203がオフ状態に保持される。これにより、1段目のシフトレジスタ回路1000aからHレベルの出力信号SR1が出力され続ける。
【0010】
次に、クロック信号CLK2がHレベルになる。これにより、2段目のシフトレジスタ1000bには、1段目のシフトレジスタ回路1000aのHレベルの出力信号SR1が入力されるので、上記した1段目のシフトレジスタ回路1000aと同様の動作が行われる。これにより、2段目のシフトレジスタ回路1000bからHレベルの出力信号SR2が出力される。
【0011】
この後、クロック信号CLK1が再度Hレベルになる。この際、1段目のシフトレジスタ回路1000aにおいて、トランジスタNT201がオン状態になるとともに、ノードND201の電位がLレベルに降下する。このため、トランジスタNT202がオフ状態になるとともに、ノードND202の電位がHレベルに上昇するので、トランジスタNT203がオン状態になる。これにより、ノードND203の電位がHレベルからLレベルに降下するので、1段目のシフトレジスタ回路1000aからLレベルの出力信号SR1が出力される。上記のような動作によって、各段のシフトレジスタ回路からタイミングのシフトしたHレベルの出力信号(SR1、SR2、SR3…)が順次出力される。
【0012】
【非特許文献1】岸野正剛著「半導体デバイスの基礎」、オーム社出版、1985年4月25日、pp.184−187
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
図18に示した従来のシフトレジスタ回路では、図19に示すように、各段のシフトレジスタ回路1000aおよび1000bから出力される前段の出力信号のHレベルの期間と、次段の出力信号のHレベルの期間とが重なるので、このような出力信号を表示装置のゲート線に出力して各段のゲート線を順次駆動する場合には、前段のゲート線と次段のゲート線とが重なって駆動されるという不都合が生じる。このような不都合を解消するため、Hレベルの期間が重ならない1段おきのシフトレジスタ回路の出力信号を各段のゲート線に入力することも考えられる。しかしながら、この場合には、各段のゲート線を順次駆動するために、ゲート線の数の2倍の段数のシフトレジスタ回路が必要になるという不都合がある。これにより、シフトレジスタ回路を含む表示装置の回路構成を簡素化するのが困難であるという問題点がある。
【0014】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、回路構成を簡素化することが可能な表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0015】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面における表示装置は、第1導電型のトランジスタによって構成され、第1シフト信号を出力する第1シフトレジスタ回路部と、第1導電型のトランジスタによって構成され、第2シフト信号を出力するとともに、第1シフトレジスタ回路部の次段に配置される第2シフトレジスタ回路部と、第1シフト信号と、第2シフト信号とを論理合成してシフト出力信号を出力する論理合成回路部と、を含むシフトレジスタ回路を備えている。
【0016】
この一の局面による表示装置では、上記のように、第1シフト信号を出力する第1シフトレジスタ回路部と、第2シフト信号を出力するとともに、第1シフトレジスタ回路部の次段に配置される第2シフトレジスタ回路部と、第1シフト信号と、第2シフト信号とを論理合成してシフト出力信号を出力する論理合成回路部とを含むように、シフトレジスタ回路を構成することによって、第1シフトレジスタ回路部の第1シフト信号と、次段の第2シフトレジスタ回路部の第2シフト信号とを用いて、シフトレジスタ回路の論理合成回路部から所定のシフト出力信号を出力させることができるとともに、第2シフトレジスタ回路部の第2シフト信号と、第2シフトレジスタ回路部の次段のシフトレジスタ回路部のシフト信号とを用いて、シフトレジスタ回路の論理合成回路部から上記の所定のシフト出力信号に対してタイミングの重ならない次段のシフト出力信号を出力させることができる。これにより、所定のシフト出力信号を出力するために用いる2段分のシフトレジスタ回路部と、所定の出力信号に対してタイミングの重ならない次段のシフト出力信号を出力するために用いる2段分のシフトレジスタ回路部とにおいて、1段分のシフトレジスタ回路部を共用することができる。このため、シフトレジスタ回路を構成するシフトレジスタ回路部の段数を少なくすることができるので、シフトレジスタ回路を含む表示装置の回路構成を簡素化することができる。また、第1シフトレジスタ回路部および第2シフトレジスタ回路部を両方とも第1導電型のトランジスタによって構成することにより、第1シフトレジスタ回路部および第2シフトレジスタ回路部を第1導電型および第2導電型の2種類のトランジスタによって構成する場合に比べて、第1シフトレジスタ回路部および第2シフトレジスタ回路部を形成する際、イオン注入工程の回数およびイオン注入マスクの枚数を低減することができる。これにより、製造プロセスが複雑化することを抑制することができるとともに、製造コストが増大することを抑制することができる。
【0017】
上記一の局面による表示装置において、好ましくは、論理合成回路部は、ソース/ドレインの一方が第1電位と第2電位とに切り替わる第1信号を供給する第1信号線に接続されるとともに、ゲートに第1シフト信号が入力される第1導電型の第1トランジスタと、第1トランジスタのソース/ドレインの他方にソース/ドレインの一方が接続されるとともに、ゲートに第2シフト信号が入力される第1導電型の第2トランジスタとを含み、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位のときに、第1トランジスタおよび第2トランジスタがオン状態になるとともに、第1信号線から第1トランジスタのソース/ドレインの一方に第1電位の第1信号が供給されることにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して第1電位のシフト出力信号が出力され、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化する際に、第1信号線から第1トランジスタのソース/ドレインの一方に第2電位の第1信号が供給されることにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して第2電位のシフト出力信号が出力される。このように構成すれば、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位のときに、論理合成回路部の第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して、第1電位の第1シフト信号と第1電位の第2シフト信号とを論理合成した第1電位のシフト出力信号を出力することができるとともに、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化する際に、論理合成回路部の第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して、第2電位の第1シフト信号と第1電位の第2シフト信号とを論理合成した第2電位のシフト出力信号を出力することができる。これにより、容易に、論理合成回路部から第1シフト信号と第2シフト信号とを論理合成したシフト出力信号を出力することができる。
【0018】
この場合において、好ましくは、第1信号が第2電位の期間は、シフト出力信号は強制的に第2電位に保持される。このように構成すれば、論理合成回路部が複数段設けられるとともに、複数段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号の電位が順次第2電位(たとえば、Lレベル)から第1電位(たとえば、Hレベル)に変化する場合に、第1信号が第2電位(Lレベル)の期間において、前段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号と、次段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号とを両方とも強制的に第2電位(Lレベル)にすることができる。これにより、前段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号が第1電位(Hレベル)で、次段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号が第2電位(Lレベル)のときに、第1信号を第2電位(Lレベル)にすることにより、前段および次段の論理合成回路部からそれぞれ出力されるシフト出力信号を共に第2電位(Lレベル)にすることができる。また、第1信号が第2電位(Lレベル)の期間の後に、次段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号のみを第1電位(Hレベル)に変化させれば、前段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号が第1電位(Hレベル)から第2電位(Lレベル)に変化するタイミングと、次段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号が第2電位(Lレベル)から第1電位(Hレベル)に変化するタイミングとが重なるのを抑制することができる。これにより、前段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号が第1電位(Hレベル)から第2電位(Lレベル)に変化するタイミングと、次段の論理合成回路部から出力されるシフト出力信号が第2電位(Lレベル)から第1電位(Hレベル)に変化するタイミングとが重なることに起因するノイズの発生を抑制することができる。
【0019】
上記第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化するときに、第2電位のシフト出力信号が出力される構成において、好ましくは、論理合成回路部は、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化した後、シフト出力信号を第2電位に固定するための電位固定回路部を含む。このように構成すれば、電位固定回路部により、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化した後、シフト出力信号を第2電位に固定することができるので、第1シフト信号が第2電位で第2シフト信号が第1電位のときに、シフト出力信号を第2電位に固定することができる。また、その後、第2シフト信号が第2電位に変化することにより第1シフト信号および第2シフト信号が両方とも第1電位になった場合にも、シフト出力信号を第2電位に固定することができる。
【0020】
上記電位固定回路部を含む構成において、好ましくは、電位固定回路部は、第2電位側と第2トランジスタとの間に接続され、第1シフト信号が第2電位のときに、第1電位の所定の信号がゲートに入力されることによりオン状態になる第1導電型の第3トランジスタを含む。このように構成すれば、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化した後、オン状態の第3トランジスタを介して、第2電位側から第2電位の信号を供給することができるので、この第2電位の信号をシフト出力信号として出力すれば、容易に、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化した後、シフト出力信号を第2電位に固定することができる。
【0021】
上記電位固定回路部が第3トランジスタを含む構成において、好ましくは、シフトレジスタ回路は、第2シフトレジスタ回路部の次段の第3シフトレジスタ回路部を含み、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化する際に、第3シフトレジスタ回路部から第1電位の出力信号が第3トランジスタのゲートに入力される。このように構成すれば、容易に、第1電位の第3シフト信号により、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化する際に、第3トランジスタをオン状態にすることができる。
【0022】
上記電位固定回路部が第3トランジスタを含む構成において、好ましくは、第3トランジスタのゲートには、第1電位と第2電位とに切り替わる第2信号を供給する第2信号線から第2信号が供給され、第1シフト信号が第2電位のときに、第2信号線から第1電位の第2信号が第3トランジスタのゲートに入力される。このように構成すれば、容易に、第1電位の第2信号により、第1シフト信号が第1電位から第2電位に変化する際に、第3トランジスタをオン状態にすることができる。
【0023】
上記電位固定回路部が第3トランジスタを含む構成において、好ましくは、第3トランジスタのゲートとソースとの間には、第1容量が接続されている。このように構成すれば、第3トランジスタのゲートに第1電位の所定の信号が入力されたときに、第1容量が充電されることにより、その後、第3トランジスタのゲート電位を第1電位に保持することができる。これにより、第1シフト信号が第2電位のときに、第3トランジスタのゲートに第1電位の所定の信号が入力されることにより第3トランジスタがオン状態になった後、第3トランジスタをオン状態に保持することができる。このため、第3トランジスタを介して出力されるシフト出力信号を第2電位に固定した状態で保持することができる。
【0024】
上記電位固定回路部が第3トランジスタを含む構成において、好ましくは、電位固定回路部は、第3トランジスタのゲートに接続され、ダイオード接続された第1導電型の第4トランジスタを含み、所定の信号は、第4トランジスタを介して第3トランジスタのゲートに入力される。このように構成すれば、所定の信号が第1電位と第2電位とに切り替わる場合にも、所定の信号が第1電位のときには、その第1電位の所定の信号は、ダイオード接続された第4トランジスタを介して第3トランジスタのゲートに入力される一方、所定の信号が第2電位のときには、その第2電位の所定の信号は、ダイオード接続された第4トランジスタを介して第3トランジスタのゲートに入力されないようにすることができる。これにより、所定の信号が第1電位と第2電位とに切り替わる場合にも、第1電位の所定の信号のみを第3トランジスタのゲートに入力することができる。
【0025】
上記電位固定回路部が第3トランジスタを含む構成において、好ましくは、第3トランジスタは、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位のときにオフ状態になる。このように構成すれば、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位であることにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタがオン状態のときに、第3トランジスタをオフ状態にすることができるので、第1トランジスタ、第2トランジスタおよび第3トランジスタを介して、第1信号線と第2電位側との間で貫通電流が流れるのを抑制することができる。これにより、シフトレジスタ回路を含む表示装置の消費電流が増大するのを抑制することができる。
【0026】
この場合において、好ましくは、電位固定回路部は、第2電位側と、第3トランジスタのゲートとの間に接続され、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位のときに、第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して、第1電位の出力信号がゲートに入力されることによりオン状態になる第1導電型の第5トランジスタを含む。このように構成すれば、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位のときに、オン状態の第5トランジスタを介して第2電位側から第3トランジスタのゲートに第2電位を供給することができる。これにより、容易に、第5トランジスタにより、第1シフト信号および第2シフト信号が第1電位のときに、第3トランジスタをオフ状態にすることができる。
【0027】
上記論理合成回路部が第1シフト信号がゲートに入力される第1トランジスタと、第2シフト信号がゲートに入力される第2トランジスタとを含む構成において、好ましくは、第1シフトレジスタ回路部は、ドレインに第1電位が供給されるとともに、第1シフト信号が出力されるノードにゲートが接続される第6トランジスタと、第6トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2容量とを含み、第2シフトレジスタ回路部は、ドレインに第1電位が供給されるとともに、第2シフト信号が出力されるノードにゲートが接続される第7トランジスタと、第7トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第3容量とを含み、第6トランジスタのゲート電位は、第2容量が接続された第6トランジスタのゲート−ソース間電圧を維持するように、第6トランジスタのソース電位の上昇または低下に伴って上昇または低下され、第7トランジスタのゲート電位は、第3容量が接続された第7トランジスタのゲート−ソース間電圧を維持するように、第7トランジスタのソース電位の上昇または低下に伴って上昇または低下される。
【0028】
このように構成すれば、たとえば、第6および第7トランジスタのドレインに正側電位VDDが供給されるとともに、第1トランジスタおよび第2トランジスタがnチャネルトランジスタの場合、第6および第7トランジスタのゲート電位をVDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vα)分高い電位まで上昇させることができるので、第1トランジスタおよび第2トランジスタのゲートに、それぞれ、VDD+Vtよりも高い電位(VDD+Vα)を有する第1シフト信号および第2シフト信号を供給することができる。これにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して出力されるシフト出力信号の電位が、VDDから第1トランジスタおよび第2トランジスタのしきい値電圧(Vt)分だけ低下するのを抑制することができる。また、第6および第7トランジスタのドレインに負側電位VBBが供給されるとともに、第1トランジスタおよび第2トランジスタがpチャネルトランジスタの場合、第6および第7トランジスタのゲート電位をVBBよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vα)分低い電位まで低下させることができるので、第1トランジスタおよび第2トランジスタのゲートに、それぞれ、VBB−Vtよりも低い電位(VDD−Vα)を有する第1シフト信号および第2シフト信号を供給することができる。これにより、第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して出力されるシフト出力信号の電位が、VBBから第1トランジスタおよび第2トランジスタのしきい値電圧(Vt)分だけ上昇するのを抑制することができる。
【0029】
上記第6トランジスタのゲートとソースとの間に第2容量が接続されているとともに、第7トランジスタのゲートとソースとの間に第3容量が接続されている構成において、好ましくは、第6トランジスタのドレインには、第1電位と第2電位とに切り替わる第3信号を供給する第3信号線が接続されるとともに、ゲートには、第1クロック信号が供給され、第7トランジスタのドレインには、第3信号を供給する第3信号線が接続されるとともに、ゲートには、第2クロック信号が供給され、第3信号は、第1クロック信号が第2電位から第1電位になった後と、第2クロック信号が第2電位から第1電位になった後とに、それぞれ、第2電位から第1電位に切り替わる。
【0030】
このように構成すれば、第1クロック信号(第2クロック信号)により第6トランジスタ(第7トランジスタ)のゲート電位を第2電位から第1電位に変化させるのに伴って、第6トランジスタ(第7トランジスタ)をオン状態にさせた後、第3信号により第6トランジスタ(第7トランジスタ)のソース電位を第2電位から第1電位に変化させることができる。これにより、その際の第6トランジスタ(第7トランジスタ)のソース電位の変化分も第6トランジスタ(第7トランジスタ)のゲート電位を上昇または低下させることができる。すなわち、第6トランジスタ(第7トランジスタ)のドレインに固定的な電位である第1電位が供給されている場合の第6トランジスタ(第7トランジスタ)のゲートとソースとの間の第2容量(第3容量)による第6トランジスタ(第7トランジスタ)のゲート電位の上昇または低下に加えて、ソース電位を第2電位から第1電位に変化させるときの変化分も第6トランジスタ(第7トランジスタ)のゲート電位をより高くまたは低くすることができる。これにより、第6トランジスタおよび第7トランジスタのドレインに固定的な電位である第1電位が供給されている場合に比べて、第1シフト信号および第2シフト信号の電位を第1電位よりも高くまたは低くすることができるので、より容易に、第1および第2シフト信号の電位を、VDDよりもしきい値電圧(Vt)以上高い電位またはVBBよりもしきい値電圧(Vt)以上低い電位にすることができる。したがって、より容易に、第1トランジスタのゲートおよび第2トランジスタのゲートに、VDD+Vt以上の電位またはVBB−Vt以下の電位を有する第1シフト信号および第2シフト信号を供給することができるので、第1トランジスタおよび第2トランジスタを介して出力されるシフト出力信号の電位がしきい値電圧(Vt)分だけ低下または上昇するのをより抑制することができる。
【0031】
上記第6トランジスタのゲートとソースとの間に第2容量が接続されているとともに、第7トランジスタのゲートとソースとの間に第3容量が接続されている構成において、好ましくは、第6トランジスタのドレインには、第1電位と第2電位とに切り替わる第3信号を供給する第3信号線が接続されるとともに、ゲートには、第1クロック信号が供給され、第7トランジスタのドレインには、第1電位と第2電位とに切り替わる第4信号を供給する第4信号線が接続されるとともに、ゲートには、第2クロック信号が供給され、第3信号は、第1クロック信号が第2電位から第1電位になった後、第2電位から第1電位に切り替わり、第4信号は、第2クロック信号が第2電位から第1電位になった後、第2電位から第1電位に切り替わる。
【0032】
このように構成すれば、第1シフトレジスタ回路部の第6トランジスタと、第2シフトレジスタ回路部の第7トランジスタとが、それぞれ、第1クロック信号と第2クロック信号とに応答してオンするタイミングに合わせて第6および第7トランジスタのソース電位を第2電位から第1電位に変化させることができる。また、第1シフトレジスタ回路部の第6トランジスタと、第2シフトレジスタ回路部の第7トランジスタとがそれぞれ第1クロック信号と第2クロック信号とに応答してオフ状態になるまで、第6および第7トランジスタのソース電位をそれぞれ第1電位に保持することができる。これにより、第6および第7トランジスタが第1および第2クロック信号に応答してオフするまでの間に、第6および第7トランジスタのソース電位が第2電位になることに起因して、第6および第7トランジスタのゲート電位が変動するという不都合が発生するのを抑制することができる。この場合、第1シフトレジスタ回路部の第6トランジスタのゲートが接続されたノードから出力される第1シフト信号と、第2シフトレジスタ回路部の第7トランジスタのゲートが接続されたノードから出力される第2シフト信号とが変動するのを抑制することができるので、第1シフト信号がゲートに入力される論理合成回路部の第1トランジスタの動作と、第2シフト信号がゲートに入力される論理合成回路部の第2トランジスタの動作とが不安定になるのを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による液晶表示装置を示した平面図である。図2は、図1に示した第1実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【0035】
まず、図1を参照して、この第1実施形態では、基板1上に、表示部2が設けられている。この表示部2には、画素20がマトリクス状に配置されている。なお、図1では、図面の簡略化のため、1つの画素20のみを図示している。各々の画素20は、nチャネルトランジスタ21(以下、トランジスタ21という)、画素電極22、画素電極22に対向配置された各画素20に共通の対向電極23、画素電極22と対向電極23との間に挟持された液晶24、および、補助容量25によって構成されている。そして、トランジスタ21のソースは、画素電極22および補助容量25に接続されているとともに、ドレインは、ドレイン線に接続されている。このトランジスタ21のゲートはゲート線に接続されている。
【0036】
また、表示部2の一辺に沿うように、基板1上に、表示部2のドレイン線を駆動(スキャン)するための水平スイッチ(HSW)3およびHドライバ4が設けられている。また、表示部2の他の辺に沿うように、基板1上に、表示部2のゲート線を駆動(スキャン)するためのVドライバ5が設けられている。なお、図1の水平スイッチ3には、2つのスイッチのみを図示しているが、実際は画素数に応じた数のスイッチが配置されている。また、図1のHドライバ4およびVドライバ5には、それぞれ、シフトレジスタ回路部を2つのみ図示しているが、実際は画素数に応じた数のシフトレジスタ回路部が配置されている。
【0037】
また、基板1の外部には、駆動IC10が設置されている。この駆動IC10は、信号発生回路11および電源回路12を備えている。駆動IC10からHドライバ4へは、ビデオ信号Video、スタート信号STV、スキャン方向切替信号CSV、クロック信号CKV、イネーブル信号ENB、正側電位VDDおよび負側電位VBBが供給される。また、駆動IC10からVドライバ5へは、スタート信号STV、イネーブル信号ENB、スキャン方向切替信号CSV、クロック信号CKV、正側電位VDDおよび負側電位VBBが供給される。
【0038】
また、図2を参照して、第1実施形態では、Vドライバ5の内部に、複数段のシフトレジスタ回路部51〜55と、スキャン方向切替回路部60と、入力信号切替回路部70と、複数段の論理合成回路部81〜83とが設けられている。なお、図2では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部51〜55および3段分の論理合成回路部81〜83のみを図示しているが、実際は画素数に応じた数のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。
【0039】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部51は、第1回路部51aと第2回路部51bとによって構成されている。第1回路部51aは、nチャネルトランジスタNT1およびNT2と、ダイオード接続されたnチャネルトランジスタNT3と、容量C1とを含む。また、第2回路部51bは、nチャネルトランジスタNT4、NT5、NT6およびNT7と、ダイオード接続されたnチャネルトランジスタNT8と、容量C2とを含む。以下、nチャネルトランジスタNT1〜NT8は、それぞれ、トランジスタNT1〜NT8と称する。
【0040】
また、1段目のシフトレジスタ回路部51に設けられたトランジスタNT1〜NT8は、すべてn型のMOSトランジスタ(電界効果型トランジスタ)からなるTFT(薄膜トランジスタ)により構成されている。また、トランジスタNT1、NT2、NT6、NT7およびNT8は、互いに電気的に接続された2つのゲート電極を有する。また、第1回路部51aにおいて、トランジスタNT1のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND1に接続されている。また、容量C1の一方の電極は、負側電位VBBに接続されているとともに、他方の電極は、ノードND1に接続されている。また、トランジスタNT2のソースは、トランジスタNT3を介してノードND1に接続されているとともに、ドレインは、クロック信号線(CKV1)に接続されている。
【0041】
また、第2回路部51bにおいて、トランジスタNT4のソースは、ノードND3に接続されているとともに、ドレインは、正側電位VDDに接続されている。このトランジスタNT4のゲートは、ノードND2に接続されている。また、トランジスタNT5のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND3に接続されている。このトランジスタNT5のゲートは、第1回路部51aのノードND1に接続されている。また、トランジスタNT6のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND2に接続されている。このトランジスタNT6のゲートは、第1回路部51aのノードND1に接続されている。また、トランジスタNT6は、トランジスタNT5がオン状態のときに、トランジスタNT4をオフ状態にするために設けられている。また、トランジスタNT7のソースは、トランジスタNT8を介してノードND2に接続されているとともに、ドレインは、クロック信号線(CKV1)に接続されている。また、容量C2は、トランジスタNT4のゲートとソースとの間に接続されている。
【0042】
また、2段目以降のシフトレジスタ回路部52〜55は、上記した1段目のシフトレジスタ回路部51と同様の回路構成を有する。具体的には、2段目以降のシフトレジスタ回路部52〜55は、それぞれ、1段目のシフトレジスタ回路部51の第1回路部51aと同様の回路構成を有する第1回路部52a〜55aと、第2回路部51bと同様の回路構成を有する第2回路部52b〜55bとによって構成されている。
【0043】
2段目のシフトレジスタ回路部52は、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1〜NT8に対応するnチャネルトランジスタNT11〜NT18と、容量C1およびC2に対応する容量C11およびC12とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT14は、本発明の「第6トランジスタ」の一例であり、容量C12は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT11〜NT18は、それぞれ、トランジスタNT11〜NT18と称する。また、3段目のシフトレジスタ回路部53は、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1〜NT8に対応するnチャネルトランジスタNT21〜NT28と、容量C1およびC2に対応する容量C21およびC22とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT24は、本発明の「第6トランジスタ」または「第7トランジスタ」の一例であり、容量C22は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT21〜NT28は、それぞれ、トランジスタNT21〜NT28と称する。
【0044】
また、4段目のシフトレジスタ回路部54は、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1〜NT8に対応するnチャネルトランジスタNT31〜NT38と、容量C1およびC2に対応する容量C31およびC32とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT34は、本発明の「第6トランジスタ」または「第7トランジスタ」の一例であり、容量C32は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT31〜NT38は、それぞれ、トランジスタNT31〜NT38と称する。また、5段目のシフトレジスタ回路部55は、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1〜NT8に対応するnチャネルトランジスタNT41〜NT48と、容量C1およびC2に対応する容量C41およびC42とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT44は、本発明の「第6トランジスタ」または「第7トランジスタ」の一例であり、容量C42は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT41〜NT48は、それぞれ、トランジスタNT41〜NT48と称する。
【0045】
そして、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT12およびNT17と、4段目のシフトレジスタ回路部54のトランジスタNT32およびNT37とは、クロック信号線(CKV2)に接続されている。また、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT22およびNT27と、5段目のシフトレジスタ回路部55のトランジスタNT42およびNT47とは、クロック信号線(CKV1)に接続されている。すなわち、クロック信号線(CKV1)とクロック信号線(CKV2)とが1段毎に交互に接続されている。
【0046】
また、スキャン方向切替回路部60は、nチャネルトランジスタNT51〜NT60を含む。以下、nチャネルトランジスタNT51〜NT60は、それぞれ、トランジスタNT51〜NT60と称する。このトランジスタNT51〜NT60は、すべてn型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。
【0047】
また、トランジスタNT51〜NT55は、この順番でソース/ドレインの一方とソース/ドレインの他方とが互いに接続されている。また、トランジスタNT51、NT53およびNT55のゲートには、スキャン方向切替信号線(CSV)が接続されているとともに、トランジスタNT52およびNT54のゲートには、反転スキャン方向切替信号線(XCSV)が接続されている。すなわち、トランジスタNT51〜NT55のゲートには、それぞれ、スキャン方向切替信号線(CSV)と反転スキャン方向切替信号線(XCSV)とが交互に接続されている。
【0048】
また、トランジスタNT56〜NT60は、この順番でソース/ドレインの一方とソース/ドレインの他方とが互いに接続されている。トランジスタNT56、NT58およびNT60のゲートには、反転スキャン方向切替信号線(XCSV)が接続されているとともに、トランジスタNT57およびNT59のゲートには、スキャン方向切替信号線(CSV)が接続されている。すなわち、トランジスタNT56〜NT60のゲートには、それぞれ、反転スキャン方向切替信号線(XCSV)とスキャン方向切替信号線(CSV)とが交互に接続されている。
【0049】
なお、スキャン方向が順方向の場合には、スキャン方向切替信号CSVがHレベル(VDD)になるように、かつ、反転スキャン方向切替信号XCSVがLレベル(VBB)になるように制御される。このため、スキャン方向が順方向の場合には、トランジスタNT51、NT53、NT55、NT57およびNT59がオン状態になるように、かつ、トランジスタNT52、NT54、NT56、NT58およびNT60がオフ状態になるように制御される。また、スキャン方向が逆方向の場合には、スキャン方向切替信号CSVがLレベル(VBB)になるように、かつ、反転スキャン方向切替信号XCSVがHレベル(VDD)になるように制御される。このため、スキャン方向が逆方向の場合には、トランジスタNT51、NT53、NT55、NT57およびNT59がオフ状態になるように、かつ、トランジスタNT52、NT54、NT56、NT58およびNT60がオン状態になるように制御される。
【0050】
また、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1のゲートが、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT51のソース/ドレインの他方(トランジスタNT52のソース/ドレインの一方)に接続されているとともに、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND3が、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT56のソース/ドレインの他方(トランジスタNT57のソース/ドレインの一方)に接続されている。
【0051】
また、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT11のゲートが、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT57のソース/ドレインの他方(トランジスタNT58のソース/ドレインの一方)に接続されているとともに、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND3が、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT52のソース/ドレインの他方(トランジスタNT53のソース/ドレインの一方)に接続されている。
【0052】
また、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT21のゲートが、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT53のソース/ドレインの他方(トランジスタNT54のソース/ドレインの一方)に接続されているとともに、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND3が、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT58のソース/ドレインの他方(トランジスタNT59のソース/ドレインの一方)に接続されている。
【0053】
また、4段目のシフトレジスタ回路部54のトランジスタNT31のゲートが、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT59のソース/ドレインの他方(トランジスタNT60のソース/ドレインの一方)に接続されているとともに、4段目のシフトレジスタ回路部54のノードND3が、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT54のソース/ドレインの他方(トランジスタNT55のソース/ドレインの一方)に接続されている。
【0054】
また、5段目のシフトレジスタ回路部55のトランジスタNT41のゲートが、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT55のソース/ドレインの他方に接続されているとともに、5段目のシフトレジスタ回路部55のノードND3が、スキャン方向切替回路部60のトランジスタNT60のソース/ドレインの他方に接続されている。
【0055】
各段のシフトレジスタ回路部51〜55とスキャン方向切替回路部60とを上記のように接続することによって、スキャン方向に応じて、所定段のシフトレジスタ回路部の第1回路部にスキャン方向に対して前段のシフト出力信号(SR11〜SR15)が入力されるように制御される。ただし、初段のシフトレジスタ回路部51の第1回路部51aには、スタート信号STVが入力される。
【0056】
また、入力信号切替回路部70は、ゲートがスキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたnチャネルトランジスタNT61〜NT70と、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたnチャネルトランジスタNT71〜NT80とを含む。以下、nチャネルトランジスタNT61〜NT80は、それぞれ、トランジスタNT61〜NT80と称する。また、入力信号切替回路部70を構成するトランジスタNT61〜NT80は、すべてn型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。
【0057】
また、スキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたnチャネルトランジスタと、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたnチャネルトランジスタとは、各段のシフトレジスタ回路部51〜55に対して、それぞれ2つずつ配置されている。具体的には、1段目のシフトレジスタ回路部51に対応して、ゲートがスキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたトランジスタNT61およびNT62と、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたトランジスタNT71およびNT72とが配置されている。トランジスタNT61およびNT71のソース/ドレインの一方は、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT2のゲートに接続されている。トランジスタNT61のソース/ドレインの他方は、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT71のソース/ドレインの他方は、正側電位VDDに接続されている。また、トランジスタNT62およびNT72のソース/ドレインの一方は、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT7のゲートに接続されている。トランジスタNT62のソース/ドレインの他方は、スタート信号STVが供給されるスキャン方向切替回路部60のトランジスタNT51のソース/ドレインの他方(トランジスタNT52のソース/ドレインの一方)およびトランジスタNT1のゲートに接続されているとともに、トランジスタNT72のソース/ドレインの他方は、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND2に接続されている。
【0058】
また、2段目のシフトレジスタ回路部52に対応して、ゲートがスキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたトランジスタNT63およびNT64と、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたトランジスタNT73およびNT74とが配置されている。トランジスタNT63およびNT73のソース/ドレインの一方は、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT12のゲートに接続されている。トランジスタNT63のソース/ドレインの他方は、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT73のソース/ドレインの他方は、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2に接続されている。また、トランジスタNT64およびNT74のソース/ドレインの一方は、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT17のゲートに接続されている。トランジスタNT64のソース/ドレインの他方は、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT74のソース/ドレインの他方は、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND2に接続されている。
【0059】
また、3段目のシフトレジスタ回路部53に対応して、ゲートがスキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたトランジスタNT65およびNT66と、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたトランジスタNT75およびNT76とが配置されている。トランジスタNT65およびNT75のソース/ドレインの一方は、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT22のゲートに接続されている。トランジスタNT65のソース/ドレインの他方は、4段目のシフトレジスタ回路部54のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT75のソース/ドレインの他方は、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND2に接続されている。また、トランジスタNT66およびNT76のソース/ドレインの一方は、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT27のゲートに接続されている。トランジスタNT66のソース/ドレインの他方は、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT76のソース/ドレインの他方は、4段目のシフトレジスタ回路部54のノードND2に接続されている。
【0060】
また、4段目のシフトレジスタ回路部54に対応して、ゲートがスキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたトランジスタNT67およびNT68と、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたトランジスタNT77およびNT78とが配置されている。トランジスタNT67およびNT77のソース/ドレインの一方は、4段目のシフトレジスタ回路部54のトランジスタNT32のゲートに接続されている。トランジスタNT67のソース/ドレインの他方は、5段目のシフトレジスタ回路部55のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT77のソース/ドレインの他方は、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND2に接続されている。また、トランジスタNT68およびNT78のソース/ドレインの一方は、4段目のシフトレジスタ回路部54のトランジスタNT37のゲートに接続されている。トランジスタNT68のソース/ドレインの他方は、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT78のソース/ドレインの他方は、5段目のシフトレジスタ回路部55のノードND2に接続されている。
【0061】
また、5段目のシフトレジスタ回路部55に対応して、ゲートがスキャン方向切替信号線(CSV)に接続されたトランジスタNT69およびNT70と、ゲートが反転スキャン方向切替信号線(XCSV)に接続されたトランジスタNT79およびNT80とが配置されている。トランジスタNT69およびNT79のソース/ドレインの一方は、5段目のシフトレジスタ回路部55のトランジスタNT42のゲートに接続されている。トランジスタNT69のソース/ドレインの他方は、図示しない6段目のシフトレジスタ回路部のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT79のソース/ドレインの他方は、4段目のシフトレジスタ回路部54のノードND2に接続されている。また、トランジスタNT70およびNT80のソース/ドレインの一方は、5段目のシフトレジスタ回路部55のトランジスタNT47のゲートに接続されている。トランジスタNT70のソース/ドレインの他方は、4段目のシフトレジスタ回路部54のノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT80のソース/ドレインの他方は、図示しない6段目のシフトレジスタ回路部のノードND2に接続されている。
【0062】
入力信号切替回路部70を構成するトランジスタNT61〜NT80を上記のように構成することによって、スキャン方向が順方向の場合には、トランジスタNT61〜NT70がオン状態になるように、かつ、トランジスタNT71〜NT80がオフ状態になるように制御される。また、各段のシフトレジスタ回路部51〜55と入力信号切替回路部70とを上記のように接続することによって、スキャン方向に応じて、所定段のシフトレジスタ回路部の第1回路部にスキャン方向に対して次段のシフト信号(SR1〜SR5)が入力されるように、かつ、所定段のシフトレジスタ回路部の第2回路部にスキャン方向に対して前段のシフト信号(SR1〜SR5)が入力されるように制御される。ただし、初段のシフトレジスタ回路部51の第1回路部51aには、スタート信号STVが入力される。
【0063】
また、論理合成回路部81〜83は、それぞれ、ダミーゲート線(Dummy)、1段目のゲート線(Gate1)および2段目のゲート線(Gate2)に接続されている。この論理合成回路部81〜83は、それぞれ、対応する所定段のシフトレジスタ回路部から出力されたシフト信号と、その所定段の次段のシフトレジスタ回路部から出力されたシフト信号とを論理合成して、各段のゲート線にシフト出力信号を出力するように構成されている。また、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81は、nチャネルトランジスタNT81〜NT84と、ダイオード接続されたnチャネルトランジスタNT85およびNT86と、容量C81とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT81は、本発明の「第1トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT82は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、nチャネルトランジスタNT83は、本発明の「第3トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT84は、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT85およびNT86は、本発明の「第4トランジスタ」の一例である。また、容量C81は、本発明の「第1容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT81〜NT86は、それぞれ、トランジスタNT81〜NT86と称する。
【0064】
また、トランジスタNT83〜NT86と、容量C81とによって、電位固定回路部81aが構成されている。この電位固定回路部81aは、論理合成回路部81からLレベルのシフト出力信号がダミーゲート線(Dummy)に出力される際、そのシフト出力信号のLレベルの電位を固定するために設けられている。また、論理合成回路部81を構成するトランジスタNT81〜NT86は、すべてn型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。また、トランジスタNT81のドレインは、イネーブル信号線(ENB)に接続されているとともに、ソースは、トランジスタNT82のドレインに接続されている。なお、イネーブル信号線(ENB)は、本発明の「第1信号線」の一例である。また、トランジスタNT82のソースは、ノードND4(ダミーゲート線)に接続されている。トランジスタNT81のゲートは、2段目のシフトレジスタ回路部52のシフト信号SR2が出力されるノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT82のゲートは、3段目のシフトレジスタ回路部53のシフト信号SR3が出力されるノードND2に接続されている。
【0065】
また、トランジスタNT83のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND4(ダミーゲート線)に接続されている。このトランジスタNT83のゲートは、ノードND5に接続されている。また、トランジスタNT84のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND5に接続されている。このトランジスタNT84のゲートは、ノードND4(ダミーゲート線)に接続されている。また、容量C81の一方の電極は、負側電位VBBに接続されているとともに、他方の電極は、ノードND5に接続されている。また、ノードND5は、トランジスタNT85を介して、1段目のシフトレジスタ回路部51のシフト出力信号SR11が出力されるノードND3に接続されているとともに、トランジスタNT86を介して、4段目のシフトレジスタ回路部54のシフト信号SR14が出力されるノードND3に接続されている。
【0066】
また、1段目のゲート線(Gate1)に接続される論理合成回路部82は、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81と同様の回路構成を有する。具体的には、1段目のゲート線(Gate1)に接続される論理合成回路部82は、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81のトランジスタNT81〜NT86と、容量C81とに対応するnチャネルトランジスタNT91〜NT96と、容量C91とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT91は、本発明の「第1トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT92は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、nチャネルトランジスタNT93は、本発明の「第3トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT94は、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT95およびNT96は、本発明の「第4トランジスタ」の一例である。また、容量C91は、本発明の「第1容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT91〜NT96は、それぞれ、トランジスタNT91〜NT96と称する。また、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81の電位固定回路部81aに対応する電位固定回路部82aが、トランジスタNT93〜NT96と、容量C91とによって構成されている。
【0067】
なお、1段目のゲート線(Gate1)に接続される論理合成回路部82において、トランジスタNT91のゲートは、3段目のシフトレジスタ回路部53のシフト信号SR3が出力されるノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT92のゲートは、4段目のシフトレジスタ回路部54のシフト信号SR4が出力されるノードND2に接続されている。また、ノードND5は、トランジスタNT95を介して、2段目のシフトレジスタ回路部52のシフト信号SR12が出力されるノードND3に接続されているとともに、トランジスタNT96を介して、5段目のシフトレジスタ回路部55のシフト信号SR15が出力されるノードND3に接続されている。
【0068】
また、2段目のゲート線(Gate2)に接続される論理合成回路部83は、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81と同様の回路構成を有する。具体的には、2段目のゲート線(Gate2)に接続される論理合成回路部83は、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81のトランジスタNT81〜NT86と、容量C81とに対応するnチャネルトランジスタNT101〜NT106と、容量C101とを含む。なお、nチャネルトランジスタNT101は、本発明の「第1トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT102は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、nチャネルトランジスタNT103は、本発明の「第3トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT104は、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、nチャネルトランジスタNT105およびNT106は、本発明の「第4トランジスタ」の一例である。また、容量C101は、本発明の「第1容量」の一例である。以下、nチャネルトランジスタNT101〜NT106は、それぞれ、トランジスタNT101〜NT106と称する。また、ダミーゲート線(Dummy)に接続される論理合成回路部81の電位固定回路部81aに対応する電位固定回路部83aが、トランジスタNT103〜NT106と、容量C101とによって構成されている。
【0069】
なお、2段目のゲート線(Gate2)に接続される論理合成回路部83において、トランジスタNT101のゲートは、4段目のシフトレジスタ回路部54のシフト信号SR4が出力されるノードND2に接続されているとともに、トランジスタNT102のゲートは、5段目のシフトレジスタ回路部55のシフト信号SR5が出力されるノードND2に接続されている。また、ノードND5は、トランジスタNT105を介して、3段目のシフトレジスタ回路部53のシフト信号SR13が出力されるノードND3に接続されているとともに、トランジスタNT106を介して、図示しない6段目のシフトレジスタ回路部のシフト信号が出力されるノードND3に接続されている。
【0070】
図3は、本発明の第1実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。次に、図2および図3を参照して、第1実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作について説明する。
【0071】
まず、図2中の順方向に沿って、各段のゲート線にタイミングのシフトしたシフト出力信号が順次出力される場合(順方向スキャンの場合)について説明する。この順方向スキャンの場合には、スキャン方向切替信号CSVがHレベルに保持されるとともに、反転スキャン方向切替信号XCSVがLレベルに保持される。これにより、順方向スキャン時には、スキャン方向切替信号CSVがゲートに入力されるトランジスタNT51、NT53、NT55、NT57、NT59およびNT61〜70がオン状態に保持される。また、反転スキャン方向切替信号XCSVがゲートに入力されるトランジスタNT52、NT54、NT56、NT58、NT60およびNT71〜80がオフ状態に保持される。そして、初期状態では、各段のシフトレジスタ回路部51〜55から出力されるシフト信号SR1〜SR5と、出力信号SR11〜SR15とは、Lレベルとなっている。また、各段のゲート線に論理合成回路部81〜83から出力されるシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2は、全て、Lレベルになっている。この状態で、図3に示すように、スタート信号STVをHレベルに上昇させる。これにより、オン状態のトランジスタNT51を介して1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1のゲートにHレベルのスタート信号STVが入力される。このため、トランジスタNT1がオン状態になる。この後、トランジスタNT2のドレインに入力されるクロック信号CKV1がHレベルに上昇する。
【0072】
この際、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT2のゲートに、2段目のシフトレジスタ回路部52から出力されるLレベルのシフト信号SR2がオン状態のトランジスタNT6を介して入力されている。これにより、トランジスタNT2はオフ状態になっている。このため、トランジスタNT1がオン状態であっても、トランジスタNT1およびNT2を介してクロック信号線(CKV1)と、負側電位VBBとの間で貫通電流が流れることはない。
【0073】
また、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1がオン状態でトランジスタNT2がオフ状態であるので、トランジスタNT1を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることによりノードND1の電位がLレベルに低下する。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND1にゲートが接続されるトランジスタNT5およびNT6がオフ状態になる。また、Hレベルのスタート信号STVは、オン状態のトランジスタNT51およびNT62を介して、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT7のゲートにも入力される。これにより、トランジスタNT7はオン状態になっている。そして、トランジスタNT7のドレインに入力されるクロック信号CKV1の電位がHレベルに上昇する。
【0074】
この際、トランジスタNT7がオン状態であっても、トランジスタNT6がオフ状態であるので、トランジスタNT7、NT8およびNT6を介してクロック信号線(CKV1)と、負側電位VBBとの間で貫通電流が流れることはない。また、Hレベルのクロック信号CKV1がトランジスタNT7と、ダイオード接続されたトランジスタNT8とを介して入力されることにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2の電位がHレベルに上昇する。これにより、トランジスタNT4がオン状態になる。そして、正側電位VDDからトランジスタNT4を介してノードND3にHレベル(VDD)の電位が供給される。
【0075】
この際、トランジスタNT4がオン状態であっても、トランジスタNT5がオフ状態であるので、トランジスタNT4およびNT5を介して、正側電位VDDと負側電位VBBとの間で貫通電流が流れることはない。そして、正側電位VDDからトランジスタNT4を介してノードND3にHレベル(VDD)の電位が供給されることにより、1段目のシフトレジスタ回路部のノードND3の電位は、VDD側に上昇する。この際、1段目のシフトレジスタ回路部のノードND2の電位は、容量C2によってトランジスタNT4のゲート−ソース間電圧が維持されるように、ノードND3の電位の上昇に伴ってブートされることにより上昇する。これにより、ノードND2の電位がVDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vα)分高い電位まで上昇する。その結果、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vα)を有するHレベルのシフト信号SR1が出力される。また、同時に、1段目のシフトレジスタ回路部のノードND3からHレベル(VDD)の出力信号SR11が出力される。
【0076】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部51のHレベル(VDD)の出力信号SR11は、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のダイオード接続されたトランジスタNT85を介して、トランジスタNT83のゲートに入力される。これにより、トランジスタNT83がオン状態になる。このとき、論理合成回路部81のトランジスタNT81のゲートには、2段目のシフトレジスタ回路部52からLレベルのシフト信号SR2が入力されているとともに、トランジスタNT82のゲートには、3段目のシフトレジスタ回路部53からLレベルのシフト信号SR3が入力されている。これにより、トランジスタNT81およびNT82は、両方ともオフ状態になっている。このため、トランジスタNT83を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、論理合成回路部81のノードND4からLレベルのシフト出力信号Dummyがダミーゲート線に続けて出力される。
【0077】
また、1段目のシフトレジスタ回路部51のHレベル(VDD)の出力信号SR11は、オン状態のトランジスタNT57を介して2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT11のゲートにも入力される。これにより、トランジスタNT11は、オン状態になる。そして、1段目のシフトレジスタ回路部51のHレベルのシフト信号SR1は、オン状態のトランジスタNT64を介して、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT17のゲートに入力される。これにより、トランジスタNT17は、オン状態になる。また、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT12のゲートには、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND2から出力されたLレベルのシフト信号SR3が入力される。これにより、トランジスタNT12は、オフ状態になっている。この後、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT12およびNT17のドレインにそれぞれ入力されるクロック信号CKV2の電位がHレベルに上昇する。
【0078】
この際、シフト信号SR1は、VDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧Vα分高い電位(VDD+Vα)になっている。このシフト信号SR1を2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT17のゲートに入力する場合、トランジスタNT64のゲート電圧はスキャン方向切替信号CSVの電位(VDD)に等しいので、トランジスタNT17のゲート電圧は(VDD−Vt)に充電される。この後、クロック信号CKV2がLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に立ち上がるので、トランジスタNT17では、トランジスタNT17のMOS容量によりゲート−ソース間電圧を保持しながら、ゲート電位がVDD−VtからVDDとVBBとの電位差分上昇する。このため、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND2の電位は、トランジスタNT17のしきい値電圧(Vt)分低下することなく、Hレベル(VDD)の電位に上昇する。この後、上記した1段目のシフトレジスタ回路部51の動作と同様にして、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND2からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vα)を有するHレベルのシフト信号SR2が出力される。また、同時に、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND3からHレベル(VDD)の出力信号SR12が出力される。
【0079】
そして、2段目のシフトレジスタ回路部52のHレベル(VDD+Vα>VDD+Vt)のシフト信号SR2は、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のトランジスタNT81のゲートに入力される。また、Hレベル(VDD+Vα>VDD+Vt)のシフト信号SR2は、ゲートにVDDのスキャン方向切替信号CSVが入力されることによりオンしているトランジスタNT61およびNT66のドレインに入力される。これにより、トランジスタNT61およびNT66のソース電位は、(VDD−Vt)になるので、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT2のゲートと、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT27とには、(VDD−Vt)の電位が入力される。また、Hレベル(VDD)の出力信号SR12は、オン状態のトランジスタNT53を介して3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT21のゲートに入力されるとともに、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82のダイオード接続されたトランジスタNT95を介してトランジスタNT93のゲートに入力される。そして、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のトランジスタNT81は、Hレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR2がゲートに入力されることにより、オン状態になる。このとき、トランジスタNT82は、オフ状態に保持されるとともに、トランジスタNT83は、オン状態に保持されている。このため、トランジスタNT83を介して負側電位VBBから供給されるLレベルの電位により、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のノードND4の電位はLレベルに保持される。その結果、Lレベルのシフト出力信号Dummyが論理合成回路部81のノードND4からダミーゲート線に続けて出力される。
【0080】
また、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT2は、(VDD−Vt)の電位がトランジスタNT61からゲートに入力されることにより、オン状態になる。そして、シフト信号SR2の電位がHレベル(VDD+Vα)に上昇するのと同時に、トランジスタNT2およびNT7のドレインに入力されるクロック信号CKV1の電位はLレベルに低下する。この際、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND1の電位は、Lレベルに保持される。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT5およびNT6は、オフ状態に保持される。また、クロック信号CKV1がLレベルに低下することにより、トランジスタNT7のゲート電圧はLレベルになるので、トランジスタNT7はオフ状態になる。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2の電位は、Hレベル(VDD+Vα)に保持されるので、1段目のシフトレジスタ回路部51からHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR1が続けて出力される。また、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2の電位がHレベル(VDD+Vα)に保持されることにより、トランジスタNT4はオン状態に保持されるので、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND3からHレベル(VDD)の出力信号SR11が続けて出力される。
【0081】
また、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT27は、ゲートに(VDD−Vt)の電位が入力されることによりオン状態になるとともに、トランジスタNT21は、ゲートにHレベル(VDD)の出力信号SR12が入力されることによりオン状態になる。このとき、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT22のゲートに、4段目のシフトレジスタ回路部54のLレベルのシフト信号SR4が入力されている。これにより、トランジスタNT22は、オフ状態になっている。この後、スタート信号STVの電位がLレベルに低下する。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1がオフ状態になる。このため、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND1の電位は、Lレベルに保持されるので、トランジスタNT5およびNT6は、オフ状態に保持される。また、スタート信号STVの電位がLレベルに低下することにより、スタート信号STVがゲートに入力されるトランジスタNT7もオフ状態になる。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2の電位は、Hレベル(VDD+Vα)に保持されるとともに、ノードND3の電位は、Hレベル(VDD)に保持される。このため、1段目のシフトレジスタ回路部51から、Hレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR1と、Hレベル(VDD)の出力信号SR11とが続けて出力される。
【0082】
この後、3段目のシフトレジスタ回路部53のトランジスタNT22およびNT27のドレインに入力されるクロック信号CKV1がHレベルに上昇する。これにより、上記した1段目のシフトレジスタ回路部51の動作と同様にして、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND2からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vα)を有するHレベルのシフト信号SR3が出力されるとともに、3段目のシフトレジスタ回路部53のノードND3からHレベル(VDD)の出力信号SR13が出力される。そして、Hレベル(VDD+Vα>VDD+Vt)のシフト信号SR3は、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のトランジスタNT82のゲートと、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82のトランジスタNT91のゲートとに入力される。また、Hレベル(VDD+Vα>VDD+Vt)のシフト信号SR3は、オン状態のトランジスタNT63のドレインに入力されるとともに、オン状態のトランジスタNT68のドレインに入力される。また、Hレベル(VDD)の出力信号SR13は、オン状態のトランジスタNT59を介して4段目のシフトレジスタ回路部54のトランジスタNT31のゲートに入力されるとともに、2段目のゲート線に繋がる論理合成回路部83のダイオード接続されたトランジスタNT105を介してトランジスタNT103のゲートに入力される。
【0083】
そして、第1実施形態では、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81において、トランジスタNT81およびNT82のゲートにそれぞれ入力されるシフト信号SR2とシフト信号SR3とが両方ともHレベル(VDD+Vα)になるので、トランジスタNT81とトランジスタNT82とが両方ともオン状態になる。これにより、イネーブル信号線からトランジスタNT81およびNT82を介してイネーブル信号ENBが供給される。このイネーブル信号ENBは、シフト信号SR1およびSR2が両方ともHレベルになった時点では、Lレベルであり、その後わずかな期間後にLレベルからHレベルに電位が切り替わる。これにより、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のノードND4の電位がHレベルに上昇するので、論理合成回路部81からダミーゲート線にHレベルのシフト出力信号Dummyが出力される。すなわち、イネーブル信号ENBがLレベルの間は、シフト出力信号Dummyの電位は、強制的にLレベルに保持されるとともに、イネーブル信号ENBの電位がLレベルからHレベルに上昇するのに伴って、Hレベルに上昇される。
【0084】
なお、この際、第1実施形態では、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のノードND4の電位(シフト出力信号Dummyの電位)がHレベルに上昇するのに伴って、ノードND4にゲートが接続されたトランジスタNT84がオン状態になる。これにより、トランジスタNT84を介して負側電位VBBからLレベルの電位がトランジスタNT83のゲートに供給されるので、トランジスタNT83は、オフ状態になる。このため、トランジスタNT81およびNT82が両方ともオン状態になった場合にも、トランジスタNT83がオフ状態になるので、トランジスタNT81、NT82およびNT83を介して、イネーブル信号線(ENB)と負側電位VBBとの間で貫通電流が流れるのが抑制される。
【0085】
また、第1実施形態では、トランジスタNT81およびNT82のゲートに、VDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vα)分高い電位(VDD+Vα)のHレベルのシフト信号SR2およびSR3がそれぞれ入力される。これにより、トランジスタNT81のドレインにVDDの電位を有するHレベルのイネーブル信号ENBが供給された場合に、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のノードND4に現れる電位が、VDDからトランジスタNT81およびNT82のしきい値電圧(Vt)分低下するのが抑制される。このため、論理合成回路部81からダミーゲート線に出力されるシフト出力信号Dummyの電位がHレベルから低下するのが抑制される。
【0086】
また、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82では、トランジスタNT91のゲートに3段目のシフトレジスタ回路部53のHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR3が入力されるとともに、トランジスタNT92のゲートに4段目のシフトレジスタ回路部54のLレベルのシフト信号SR4が入力される。また、トランジスタNT93のゲートには、2段目のシフトレジスタ回路部52のHレベル(VDD)の出力信号SR12が入力されている。これにより、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82では、トランジスタNT91およびNT93がオン状態になるとともに、トランジスタNT92がオフ状態になる。このため、トランジスタNT93を介して負側電位VBBから供給されるLレベルの電位により、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82のノードND4の電位はLレベルに保持される。これにより、Lレベルのシフト出力信号Gate1が論理合成回路部82のノードND4から1段目のゲート線に続けて出力される。
【0087】
また、Hレベル(VDD+Vα>VDD+Vt)のシフト信号SR3が、ゲートにVDDのスキャン方向切替信号CSVが入力されることによりオンしているトランジスタNT63のドレインに入力されることにより、トランジスタNT63のソース電位は、(VDD−Vt)になる。これにより、2段目のシフトレジスタ回路部52のトランジスタNT12のゲートには、(VDD−Vt)の電位が入力される。このため、トランジスタNT12がオン状態になる。この際、クロック信号CKV1の電位がHレベルであり、クロック信号CKV2の電位がLレベルである。これにより、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND1の電位はLレベルに保持されるので、トランジスタNT15およびNT16はオフ状態に保持される。また、この際、トランジスタNT18のゲート電圧はクロック信号CKV2によりLレベルになるので、トランジスタNT18はオフしている。したがって、ノードND2の電位は、Hレベル(VDD+Vα)に保持される。これにより、2段目のシフトレジスタ回路部52からHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR2が続けて出力される。また、トランジスタNT15がオフ状態に保持されることにより、2段目のシフトレジスタ回路部52のノードND3の電位は、Hレベル(VDD)に保持される。これにより、2段目のシフトレジスタ回路部52からHレベル(VDD)の出力信号SR12が続けて出力される。
【0088】
また、1段目のシフトレジスタ回路部51では、Hレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR2がドレインに入力されるトランジスタNT61から続けて(VDD−Vt)の電位がゲートに入力されることにより、トランジスタNT2がオン状態に保持される。この状態で、クロック信号CKV1がLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に立ち上がるので、トランジスタNT2では、トランジスタNT2のMOS容量によりゲート−ソース間電圧を保持しながら、ゲート電位が(VDD−Vt)からVDDとVBBとの電位差分上昇する。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND1の電位は、トランジスタNT2のしきい値電圧(Vt)分低下することなく、Hレベル(VDD)の電位に上昇する。
【0089】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND1の電位がHレベルに上昇することにより、トランジスタNT5およびNT6がオン状態になる。この際、トランジスタNT7がオフ状態であるので、トランジスタNT6を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND2の電位はLレベルに低下する。これにより、1段目のシフトレジスタ回路部51から出力されるシフト信号SR1の電位は、Lレベルに低下する。また、ノードND2の電位がLレベルに低下することにより、トランジスタNT4はオフ状態になる。これにより、トランジスタNT5を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND3の電位はLレベルに低下する。このため、1段目のシフトレジスタ回路部51から出力される出力信号SR11の電位は、Lレベルに低下する。また、1段目のシフトレジスタ回路部51のノードND1の電位がHレベルに上昇した際、容量C1が充電される。これにより、次にトランジスタNT1がオン状態になって、トランジスタNT1を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されるまで、ノードND1の電位がHレベルに保持される。このため、次にトランジスタNT1がオン状態になるまで、トランジスタNT5およびNT6がオン状態に保持されるので、シフト信号SR1および出力信号SR11の電位はLレベルに保持される。
【0090】
また、図3に示すように、上記したシフト信号SR1の電位がLレベルに低下する前に、イネーブル信号ENBの電位がHレベルからLレベルに低下する。これにより、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81では、トランジスタNT81およびNT82を介して、Lレベルの電位が供給されることにより、ノードND4の電位がLレベルに低下する。このため、論理合成回路部81からダミーゲート線に出力されるシフト出力信号Dummyの電位は、Lレベルに低下する。
【0091】
そして、4段目のシフトレジスタ回路部54では、Hレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR3がドレインに入力されるトランジスタNT68から、(VDD−Vt)の電位がトランジスタNT37のゲートに入力される。また、トランジスタNT31のゲートにHレベル(VDD)の出力信号SR13が入力される。また、トランジスタNT32のゲートには、5段目のシフトレジスタ回路部55からLレベルのシフト信号SR5が入力される。この状態で、トランジスタNT32およびNT37のドレインに入力されるクロック信号CKV2の電位がHレベルに上昇する。これにより、上記した1段目のシフトレジスタ回路部51の動作と同様にして、4段目のシフトレジスタ回路部54からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vα)を有するHレベルのシフト信号SR4と、Hレベル(VDD)の出力信号SR14とが出力される。
【0092】
そして、第1実施形態では、Hレベル(VDD)の出力信号SR14は、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のトランジスタNT83のゲートにダイオード接続されたトランジスタNT86を介して入力される。これにより、トランジスタNT83は、オン状態になる。このため、トランジスタNT83を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81のノードND4の電位は、Lレベルに固定される。これにより、論理合成回路部81からダミーゲート線に出力されるシフト出力信号Dummyの電位は、Lレベルに固定される。また、第1実施形態では、Hレベル(VDD)の出力信号SR14がトランジスタNT83のゲートに入力された際、容量C81が充電される。これにより、次に、トランジスタNT84がオン状態になって負側電位VBBからトランジスタNT84を介してLレベルの電位が供給されるまで、ノードND5の電位(トランジスタNT83のゲート電位)は、Hレベルに保持される。このため、次にトランジスタNT84がオン状態になるまで、トランジスタNT83はオン状態に保持されるので、論理合成回路部81からダミーゲート線に出力されるシフト出力信号Dummyの電位はLレベルに固定された状態で保持される。
【0093】
また、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82では、トランジスタNT91のゲートにHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR3が入力されるととともに、トランジスタNT92のゲートにHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR4が入力される。これにより、トランジスタNT81とトランジスタNT82とが両方ともオン状態になるので、イネーブル信号線からトランジスタNT81およびNT82を介してイネーブル信号ENBが供給される。このイネーブル信号ENBは、シフト信号SR1およびSR2が両方ともHレベルになることによりトランジスタNT81およびNT82が両方ともオン状態になった時点では、Lレベルであり、その後わずかな期間後にLレベルからHレベルに電位が切り替わる。これにより、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部82のノードND4の電位がHレベルに上昇するので、論理合成回路部82から1段目のゲート線にHレベルのシフト出力信号Gate1が出力される。すなわち、シフト出力信号Gate1の電位は、イネーブル信号ENBがLレベルの間は、強制的にLレベルに保持されるとともに、イネーブル信号ENBの電位がLレベルからHレベルに上昇するのに伴って、LレベルからHレベルに上昇される。したがって、イネーブル信号ENBがLレベルの際、論理合成回路部81からダミーゲート線に出力されるシフト出力信号Dummyも強制的にLレベルに保持されているので、シフト出力信号DummyがHレベルからLレベルに立ち下がるタイミングと、シフト出力信号Gate1がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングとが重なるのが抑制される。これにより、シフト出力信号DummyがHレベルからLレベルに立ち下がるタイミングと、シフト出力信号Gate1がLレベルからHレベルに立ち上がるタイミングとが重なることに起因して、ノイズが発生するのが抑制される。
【0094】
この後、上記した1〜3段目のシフトレジスタ回路部51〜53と同様の動作が、4段目以降のシフトレジスタ回路部54および55において順次行われる。また、上記したダミーゲート線に繋がる論理合成回路部81と同様の動作が、1段目以降のダミーゲート線に繋がる論理合成回路部82および83において行われる。そして、各段のシフトレジスタ回路部からHレベルのシフト信号と、Hレベルの出力信号とが出力されるタイミングがシフトする。これに伴って、前段のシフト信号と次段のシフト信号とが両方ともHレベルになるタイミングも後段に進むにつれてシフトする。これにより、前段のHレベルのシフト信号と、次段のHレベルのシフト信号とが重なる期間において、イネーブル信号ENBがHレベルに上昇することにより、各段の論理合成回路部から対応するゲート線にHレベルのシフト出力信号が出力されるタイミングも後段に進むにつれてシフトする。そして、このタイミングのシフトしたHレベルのシフト出力信号により、各段のゲート線が順次駆動される。
【0095】
上記のようにして、第1実施形態による液晶表示装置の各段のゲート線が、順次、駆動(走査)される。そして、上記の動作が最後のゲート線の走査が終了されるまで繰り返される。その後、再度、1段目のシフトレジスタ回路部51から上記の動作が繰り返し行われる。
【0096】
次に、図2中の逆方向に沿って、各段のゲート線にタイミングのシフトしたシフト出力信号が順次出力される場合(逆方向スキャンの場合)には、スキャン方向切替信号CSVがLレベルに保持されるとともに、反転スキャン方向切替信号XCSVがHレベルに保持される。これにより、逆方向スキャン時には、スキャン方向切替信号CSVがゲートに入力されるトランジスタNT51、NT53、NT55、NT57、NT59およびNT61〜70がオフ状態に保持されるとともに、反転スキャン方向切替信号XCSVがゲートに入力されるトランジスタNT52、NT54、NT56、NT58、NT60およびNT71〜80がオン状態に保持される。そして、逆方向スキャン時には、上記した順方向スキャン時と同様の動作が、図2中の逆方向に沿って各段のシフトレジスタ回路部と、各段のゲート線に繋がる論理合成回路部とにおいて行われる。この際、前段のシフトレジスタ回路部から次段のシフトレジスタ回路部にシフト信号および出力信号が入力される場合や、次段のシフトレジスタ回路部から前段のシフトレジスタ回路部にシフト信号および出力信号が入力される場合には、上記したHレベルの反転スキャン方向切替信号XSCVによってオン状態にされたトランジスタNT52、NT54、NT56、NT58、NT60およびNT71〜80を介してそれぞれ入力される。
【0097】
第1実施形態では、上記のように、シフト信号SR2〜SR5を出力する前段のシフトレジスタ回路部52〜55と、シフト信号SR3〜SR5を出力する次段のシフトレジスタ回路部53〜55と、前段のシフト信号と、次段のシフト信号とを論理合成してシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2を出力する論理合成回路部81〜83とを含むように、Vドライバ5のシフトレジスタ回路を構成することによって、たとえば、2段目のシフトレジスタ回路部52のシフト信号SR2と、3段目のシフトレジスタ回路部53のシフト信号SR3とを論理合成して、論理合成回路部81からシフト出力信号Dummyを出力させることができるとともに、3段目のシフトレジスタ回路部53のシフト信号SR3と、4段目のシフトレジスタ回路部54のシフト信号SR4とを論理合成して、論理合成回路部82から上記のシフト出力信号Dummyに対してHレベルになるタイミングの重ならない次段のシフト出力信号Gate1を出力させることができる。これにより、シフト出力信号Dummyを出力するために用いる2段分のシフトレジスタ回路部と、次段のシフト出力信号Gate1を出力するために用いる2段分のシフトレジスタ回路部とにおいて、1段分のシフトレジスタ回路部53を共用することができる。このため、Vドライバ5のシフトレジスタ回路を構成するシフトレジスタ回路部の段数を少なくすることができるので、Vドライバを含む液晶表示装置の回路構成を簡素化することができる。
【0098】
また、Vドライバ5をnチャネルトランジスタのみによって構成することにより、Vドライバ5をnチャネルトランジスタとpチャネルトランジスタとによって構成する場合に比べて、Vドライバ5を形成する際、イオン注入工程の回数およびイオン注入マスクの枚数を低減することができる。これにより、製造プロセスが複雑化することを抑制することができるとともに、製造コストが増大することを抑制することができる。
【0099】
また、第1実施形態では、論理合成回路部において、トランジスタNT81(NT91、NT101)のゲートに入力されるシフト信号SR2(SR3、SR4)と、トランジスタNT82(NT92、NT102)のゲートに入力されるシフト信号SR3(SR4、SR5)とがHレベルのときに、トランジスタNT83(NT93、NT103)がオフ状態になるように構成することによって、トランジスタNT81(NT91、NT101)およびトランジスタNT82(NT92、NT102)がオン状態のときに、トランジスタNT83(NT93、NT103)をオフ状態にすることができる。これにより、トランジスタNT81(NT91、NT101)、トランジスタNT82(NT92、NT102)およびトランジスタNT83(NT93、NT103)を介して、イネーブル信号線(ENB)と負側電位VBBとの間で貫通電流が流れるのを抑制することができる。これにより、Vドライバを含む液晶表示装置の消費電流が増大するのを抑制することができる。
【0100】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態による液晶表示装置を示した平面図である。図5は、図4に示した第2実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。図4および図5を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態のVドライバをpチャネルトランジスタで構成する場合について説明する。
【0101】
まず、図4を参照して、この第2実施形態では、基板1a上に、表示部2aが設けられている。この表示部2aには、画素20aがマトリクス状に配置されている。なお、図4では、図面の簡略化のため、1つの画素20aのみを図示している。各々の画素20aは、pチャネルランジスタ21a(以下、トランジスタ21aという)、画素電極22a、画素電極22aに対向配置された各画素20aに共通の対向電極23a、画素電極22aと対向電極23aとの間に挟持された液晶24a、および、補助容量25aによって構成されている。そして、トランジスタ21aのソースは、ドレイン線に接続されているとともに、ドレインは、画素電極22aおよび補助容量25aに接続されている。このトランジスタ21aのゲートはゲート線に接続されている。
【0102】
また、表示部2aの一辺に沿うように、基板1a上に、表示部2aのドレイン線を駆動(スキャン)するための水平スイッチ(HSW)3aおよびHドライバ4aが設けられている。また、表示部2aの他の辺に沿うように、基板1a上に、表示部2aのゲート線を駆動(スキャン)するためのVドライバ5aが設けられている。なお、図4の水平スイッチ3aには、2つのスイッチのみを図示しているが、実際は画素数に応じた数のスイッチが配置されている。また、図4のHドライバ4aおよびVドライバ5aには、それぞれ、シフトレジスタ回路部を2つのみ図示しているが、実際は画素数に応じた数のシフトレジスタ回路部が配置されている。また、基板1aの外部には、上記第1実施形態と同様、信号発生回路11および電源回路12を含む駆動IC10が設置されている。
【0103】
また、図5を参照して、第2実施形態では、Vドライバ5aの内部に、複数段のシフトレジスタ回路部501〜505と、スキャン方向切替回路部600と、入力信号切替回路部700と、複数段の論理合成回路部801〜803とが設けられている。なお、図5では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部501〜505および3段分の論理合成回路部801〜803のみを図示しているが、実際は画素数に応じた数のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。
【0104】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部501は、第1回路部501aと第2回路部501bとによって構成されている。第1回路部501aは、pチャネルトランジスタPT1およびPT2と、ダイオード接続されたpチャネルトランジスタPT3と、容量C1とを含む。また、第2回路部501bは、pチャネルトランジスタPT4、PT5、PT6およびPT7と、ダイオード接続されたpチャネルトランジスタPT8と、容量C2とを含む。以下、pチャネルトランジスタPT1〜PT8は、それぞれ、トランジスタPT1〜PT8と称する。
【0105】
また、第1回路部501aおよび第2回路部501bに設けられたトランジスタPT1〜PT8は、すべてp型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。また、トランジスタPT1、PT2、PT6、PT7およびPT8は、互いに電気的に接続された2つのゲート電極を有する。そして、1段目のシフトレジスタ回路部501を構成するトランジスタPT1〜PT8は、それぞれ、図2に示した第1実施形態の1段目のシフトレジスタ回路部51のトランジスタNT1〜NT8に対応した位置に接続されている。ただし、上記第1実施形態と異なり、トランジスタPT1のソースは、正側電位VDDに接続されているとともに、トランジスタPT4のドレインは、負側電位VBBに接続されている。また、トランジスタPT5およびPT6のソースは、正側電位VDDに接続されている。
【0106】
また、2段目以降のシフトレジスタ回路部502〜505は、上記した1段目のシフトレジスタ回路部501と同様の回路構成を有する。具体的には、2段目以降のシフトレジスタ回路部502〜505は、それぞれ、1段目のシフトレジスタ回路部501の第1回路部501aと同様の回路構成を有する第1回路部502a〜505aと、第2回路部501bと同様の回路構成を有する第2回路部502b〜505bとによって構成されている。
【0107】
2段目のシフトレジスタ回路部502は、1段目のシフトレジスタ回路部501のトランジスタPT1〜PT8に対応するpチャネルトランジスタPT11〜PT18と、容量C1およびC2に対応する容量C11およびC12とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT14は、本発明の「第6トランジスタ」の一例であり、容量C12は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT11〜PT18は、それぞれ、トランジスタPT11〜PT18と称する。また、3段目のシフトレジスタ回路部503は、1段目のシフトレジスタ回路部501のトランジスタPT1〜PT8に対応するpチャネルトランジスタPT21〜PT28と、容量C1およびC2に対応する容量C21およびC22とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT24は、本発明の「第6トランジスタ」または「第7トランジスタ」の一例であり、容量C22は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT21〜PT28は、それぞれ、トランジスタPT21〜PT28と称する。
【0108】
また、4段目のシフトレジスタ回路部504は、1段目のシフトレジスタ回路部501のトランジスタPT1〜PT8に対応するpチャネルトランジスタPT31〜PT38と、容量C1およびC2に対応する容量C31およびC32とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT34は、本発明の「第6トランジスタ」または「第7トランジスタ」の一例であり、容量C32は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT31〜PT38は、それぞれ、トランジスタPT31〜PT38と称する。また、5段目のシフトレジスタ回路部505は、1段目のシフトレジスタ回路部501のトランジスタPT1〜PT8に対応するpチャネルトランジスタPT41〜PT48と、容量C1およびC2に対応する容量C41およびC42とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT44は、本発明の「第6トランジスタ」または「第7トランジスタ」の一例であり、容量C42は、本発明の「第2容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT41〜PT48は、それぞれ、トランジスタPT41〜PT48と称する。
【0109】
また、スキャン方向切替回路部600は、pチャネルトランジスタPT51〜PT60を含む。以下、pチャネルトランジスタPT51〜PT60は、それぞれ、トランジスタPT51〜PT60と称する。このトランジスタPT51〜PT60は、すべてp型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。そして、スキャン方向切替回路部600を構成するトランジスタPT51〜PT60は、それぞれ、図2に示した第1実施形態のスキャン方向切替回路部60のトランジスタNT51〜NT60に対応した位置に接続されている。
【0110】
また、入力信号切替回路部700は、pチャネルトランジスタPT61〜PT80を含む。以下、pチャネルトランジスタPT61〜PT80は、それぞれ、トランジスタPT61〜PT80と称する。このトランジスタPT61〜PT80は、すべてp型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。そして、入力信号切替回路部700を構成するトランジスタPT61〜PT80は、それぞれ、図2に示した第1実施形態の入力信号切替回路部70のトランジスタNT61〜NT80に対応した位置に接続されている。ただし、上記第1実施形態と異なり、トランジスタPT71のソース/ドレインの他方は、負側電位VBBに接続されている。
【0111】
また、論理合成回路部801〜803は、それぞれ、ダミーゲート線、1段目のゲート線および2段目のゲート線に接続されている。ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801は、pチャネルトランジスタPT81〜PT84と、ダイオード接続されたpチャネルトランジスタPT85およびPT86と、容量C81とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT81は、本発明の「第1トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT82は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、pチャネルトランジスタPT83は、本発明の「第3トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT84は、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT85およびPT86は、本発明の「第4トランジスタ」の一例である。また、容量C81は、本発明の「第1容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT81〜PT86は、それぞれ、トランジスタPT81〜PT86と称する。
【0112】
また、トランジスタPT83〜PT86と、容量C81とによって、電位固定回路部801aが構成されている。また、論理合成回路部801を構成するトランジスタPT81〜PT86は、すべてp型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。そして、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801を構成するトランジスタPT81〜PT86は、それぞれ、図2に示した第1実施形態のダミーゲート線に接続される論理合成回路部81のトランジスタNT81〜NT86に対応した位置に接続されている。ただし、トランジスタPT83のソースは、正側電位VDDに接続されている。
【0113】
また、1段目のゲート線に接続される論理合成回路部802は、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801と同様の回路構成を有する。具体的には、1段目のゲート線に接続される論理合成回路部802は、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801のトランジスタPT81〜PT86に対応するpチャネルトランジスタPT91〜PT96と、容量C81に対応する容量C91とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT91は、本発明の「第1トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT92は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、pチャネルトランジスタPT93は、本発明の「第3トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT94は、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT95およびPT96は、本発明の「第4トランジスタ」の一例である。また、容量C91は、本発明の「第1容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT91〜PT96は、それぞれ、トランジスタPT91〜PT96と称する。また、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801の電位固定回路部801aに対応する電位固定回路部802aが、トランジスタPT93〜PT96と、容量C91とによって構成されている。そして、1段目のゲート線に接続される論理合成回路部802を構成するトランジスタPT91〜PT96は、それぞれ、図2に示した第1実施形態の1段目のゲート線に接続される論理合成回路部82のトランジスタNT91〜NT96に対応した位置に接続されている。ただし、トランジスタPT93のソースは、正側電位VDDに接続されている。
【0114】
また、2段目のゲート線に接続される論理合成回路部803は、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801と同様の回路構成を有する。具体的には、2段目のゲート線に接続される論理合成回路部803は、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801のトランジスタPT81〜PT86に対応するpチャネルトランジスタPT101〜PT106と、容量C81に対応する容量C101とを含む。なお、pチャネルトランジスタPT101は、本発明の「第1トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT102は、本発明の「第2トランジスタ」の一例である。また、pチャネルトランジスタPT103は、本発明の「第3トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT104は、本発明の「第5トランジスタ」の一例であり、pチャネルトランジスタPT105およびPT106は、本発明の「第4トランジスタ」の一例である。また、容量C101は、本発明の「第1容量」の一例である。以下、pチャネルトランジスタPT101〜PT106は、それぞれ、トランジスタPT101〜PT106と称する。また、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部801の電位固定回路部801aに対応する電位固定回路部803aが、トランジスタPT103〜PT106と、容量C101とによって構成されている。そして、2段目のゲート線に接続される論理合成回路部803を構成するトランジスタPT101〜PT106は、それぞれ、図2に示した第1実施形態の2段目のゲート線に接続される論理合成回路部803のトランジスタNT101〜NT106に対応した位置に接続されている。ただし、トランジスタPT103のソースは、正側電位VDDに接続されている。
【0115】
図6は、本発明の第2実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。次に、図5および図6を参照して、第2実施形態によるVドライバ5aの動作を説明する。この第2実施形態によるVドライバ5aでは、図3に示した第1実施形態のスタート信号STV、クロック信号CKV1、CKV2およびイネーブル信号ENBのHレベルとLレベルとを反転させた波形の信号を、それぞれ、スタート信号STV、クロック信号CKV1、CKV2およびイネーブル信号ENBとして入力する。これにより、第2実施形態によるシフトレジスタ回路部501〜505からは、図2に示した第1実施形態によるシフトレジスタ回路部51〜55から出力されるシフト信号SR1〜SR5および出力信号SR11〜SR15のHレベルとLレベルとを反転させた波形を有する信号がそれぞれ出力される。また、第2実施形態による論理合成回路部801〜803からは、図2に示した第1実施形態による論理合成回路部81〜83から出力されるシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2のHレベルとLレベルとを反転させた波形を有する信号が出力される。この第2実施形態によるVドライバ5aの上記以外の動作は、図2に示した上記第1実施形態によるVドライバ5の動作と同様である。
【0116】
なお、第2実施形態では、トランジスタPT4、PT14、PT24、PT34およびPT44のゲートとソースとの間に、それぞれ、容量C2、C12、C22、C32およびC42を接続することによって、以下のような動作が行われる。たとえば、2段目のシフトレジスタ回路部502において、容量C12が接続されたトランジスタPT14のゲート−ソース間電圧を維持するように、トランジスタPT14のソース電位の低下に伴ってトランジスタPT14のゲート電位(シフト信号SR2の電位)が低下する。また、3段目のシフトレジスタ回路部503において、容量C22が接続されたトランジスタPT24のゲート−ソース間電圧を維持するように、トランジスタPT24のソース電位の低下に伴ってトランジスタPT24のゲート電位(シフト信号SR3の電位)が低下する。上記のようにして、トランジスタPT14のゲート電位(シフト信号SR2の電位)と、トランジスタPT24のゲート電位(シフト信号SR3の電位)とがVBBよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vα)分低い電位まで降下するので、ダミーゲート線に繋がる論理合成回路部801のトランジスタPT81およびトランジスタPT82のゲートに、それぞれ、VBB−Vtよりも低い電位(VBB−Vα)を有するシフト信号SR2およびSR3が供給される。これにより、論理合成回路部801のトランジスタPT81およびPT82を介してダミーゲート線に出力されるシフト出力信号Dummyの電位が、VBBからトランジスタPT81およびPT82のしきい値電圧(Vt)分だけ上昇するのが抑制される。
【0117】
また、第2実施形態では、上記のように構成することによって、Vドライバを含む液晶表示装置の回路構成を簡素化することができるなどの上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0118】
(第3実施形態)
図7は、本発明の第3実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。図7を参照して、この第3実施形態では、上記第1実施形態の構成において、3段目以降のシフトレジスタ回路部の出力信号が出力されるノードに接続されたトランジスタのドレインに、正側電位に代えてイネーブル信号を供給するとともに、反転イネーブル信号を用いて論理合成回路部から出力するシフト出力信号をLレベルに固定した状態で保持する場合について説明する。
【0119】
すなわち、この第3実施形態によるVドライバでは、図7に示すように、複数段のシフトレジスタ回路部511〜515と、スキャン方向切替回路部610と、入力信号切替回路部710と、複数段の論理合成回路部811〜813とが設けられている。なお、図7では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部511〜515および3段分の論理合成回路部811〜813のみを図示しているが、実際は画素数に応じた数のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。
【0120】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部511は、図2に示した第1実施形態の1段目のシフトレジスタ回路部51の第1回路部51aおよび第2回路部51bと同様の回路構成を有する第1回路部511aおよび第2回路部511bによって構成されている。また、2段目のシフトレジスタ回路部512は、図2に示した第1実施形態の2段目のシフトレジスタ回路部52の第1回路部52aおよび第2回路部52bと同様の回路構成を有する第1回路部512aおよび第2回路部512bによって構成されている。
【0121】
ここで、第3実施形態では、3段目のシフトレジスタ回路部513、4段目のシフトレジスタ回路部514および5段目のシフトレジスタ回路部515のそれぞれに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。具体的には、3段目のシフトレジスタ回路部513は、第1回路部513aと第2回路部513bとによって構成されている。第1回路部513aおよび第2回路部513bは、それぞれ、図2に示した第1実施形態の3段目のシフトレジスタ回路部53の第1回路部53aおよび第2回路部53bと同様の回路構成を有する。そして、この第3実施形態では、トランジスタNT24のドレインに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。
【0122】
また、4段目のシフトレジスタ回路部514は、第1回路部514aと第2回路部514bとによって構成されている。第1回路部514aおよび第2回路部514bは、それぞれ、図2に示した第1実施形態の4段目のシフトレジスタ回路部54の第1回路部54aおよび第2回路部54bと同様の回路構成を有する。そして、この第3実施形態では、トランジスタNT34のドレインに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。
【0123】
また、5段目のシフトレジスタ回路部515は、第1回路部515aと第2回路部515bとによって構成されている。第1回路部515aおよび第2回路部515bは、それぞれ、図2に示した第1実施形態の5段目のシフトレジスタ回路部55の第1回路部55aおよび第2回路部55bと同様の回路構成を有する。そして、この第3実施形態では、トランジスタNT44のドレインに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。
【0124】
また、スキャン方向切替回路部610は、図2に示した第1実施形態のスキャン方向切替回路部60と同様の回路構成を有する。ただし、第3実施形態では、トランジスタNT56のソース/ドレインの一方と、トランジスタNT57のソース/ドレインの一方とが接続されていない。また、第3実施形態の入力信号切替回路部710は、図2に示した第1実施形態の入力信号切替回路部70と同様の回路構成を有する。
【0125】
また、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部811は、トランジスタNT81〜NT84と、ダイオード接続されたトランジスタNT85と、容量C81とを含む。すなわち、第3実施形態の論理合成回路部811は、図2に示した第1実施形態の論理合成回路部81の回路構成において、ダイオード接続されたトランジスタNT86が設けられていない回路構成を有する。また、トランジスタNT83〜NT85と、容量C81とによって、電位固定回路部811aが構成されている。また、第3実施形態では、反転イネーブル信号線(XENB)がダイオード接続されたトランジスタNT85を介して、トランジスタNT83のゲート(ノードND5)に接続されている。
【0126】
また、1段目のゲート線に接続される論理合成回路部812は、トランジスタNT91〜NT94と、ダイオード接続されたトランジスタNT95と、容量C91とを含む。すなわち、第3実施形態の論理合成回路部812は、図2に示した第1実施形態の論理合成回路部82の回路構成において、ダイオード接続されたトランジスタNT96が設けられていない回路構成を有する。また、トランジスタNT93〜NT95と、容量C91とによって、電位固定回路部812aが構成されている。また、第3実施形態では、反転イネーブル信号線(XENB)がダイオード接続されたトランジスタNT95を介して、トランジスタNT93のゲート(ノードND5)に接続されている。
【0127】
また、2段目のゲート線に接続される論理合成回路部813は、トランジスタNT101〜NT104と、ダイオード接続されたトランジスタNT105と、容量C101とを含む。すなわち、第3実施形態の論理合成回路部813は、図2に示した第1実施形態の論理合成回路部83の回路構成において、ダイオード接続されたトランジスタNT106が設けられていない回路構成を有する。また、トランジスタNT103〜NT105と、容量C101とによって、電位固定回路部813aが構成されている。また、第3実施形態では、反転イネーブル信号線(XENB)がダイオード接続されたトランジスタNT105を介して、トランジスタNT103のゲート(ノードND5)に接続されている。
【0128】
また、第3実施形態では、複数段のシフトレジスタ回路部511〜515と、スキャン方向切替回路部610と、入力信号切替回路部710と、複数段の論理合成回路部811〜813とに加えて、回路部910が設けられている。この回路部910は、nチャネルトランジスタNT111〜NT113と、ダイオード接続されたnチャネルトランジスタNT114と、容量C111とを含む。以下、nチャネルトランジスタNT111〜NT114は、それぞれ、トランジスタNT111〜NT114と称する。また、回路部910を構成するトランジスタNT111〜NT114は、すべてn型のMOSトランジスタからなるTFTにより構成されている。
【0129】
そして、トランジスタNT111のドレインは、イネーブル信号線(ENB)に接続されているとともに、ソースは、ノードND6に接続されている。このトランジスタNT111のゲートは、2段目のシフトレジスタ回路部512のノードND2に接続されている。トランジスタNT112のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND6に接続されている。このトランジスタNT112のゲートは、ノードND7に接続されている。トランジスタNT113のソースは、負側電位VBBに接続されているとともに、ドレインは、ノードND7に接続されている。このトランジスタNT113のゲートは、ノードND6に接続されている。容量C111の一方の電極は、負側電位VBBに接続されているとともに、他方の電極は、ノードND7に接続されている。また、ノードND6は、スキャン方向切替回路部610のトランジスタNT56のソース/ドレインの他方に接続されている。また、ノードND7は、トランジスタNT114を介して、反転イネーブル信号線(XENB)に接続されている。
【0130】
図8は、本発明の第3実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。次に、図7および図8を参照して、第3実施形態によるVドライバの動作について説明する。
【0131】
この第3実施形態によるVドライバの動作は、基本的には、上記第1実施形態によるVドライバの動作と同様である。ただし、この第3実施形態によるVドライバでは、上記第1実施形態と異なり、3段目以降のシフトレジスタ回路部513〜515の出力信号SR13〜SR15が出力されるノードND3に接続されたトランジスタNT24〜NT44のドレインに、正側電位VDDに代えてイネーブル信号ENBを供給する。また、各段の論理合成回路部811〜813の負側電位VBBと、シフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2を出力するノードND4との間に接続されたトランジスタNT83、NT93およびNT103のゲートに反転イネーブル信号XENBを入力する。
【0132】
具体的には、1段目および2段目のシフトレジスタ回路部511および512(図7参照)における動作は、図2に示した第1実施形による1段目および2段目のシフトレジスタ回路部51および52における動作と同様である。そして、2段目のシフトレジスタ回路部512からHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR2がトランジスタNT66のドレインに入力される。これにより、ゲートにVDDの電位のスキャン方向切替信号CSVが入力されることによりオンしているトランジスタNT66のソース電位は、(VDD−Vt)の電位になる。このため、3段目のシフトレジスタ回路部513のトランジスタNT27のゲートに(VDD−Vt)の電位が入力される。また、トランジスタNT21のゲートにHレベル(VDD)の出力信号SR12が入力される。また、トランジスタNT22のゲートには、4段目のシフトレジスタ回路部514からLレベルのシフト信号SR4が入力される。これにより、トランジスタNT21およびNT27は、オン状態になるとともに、トランジスタNT22はオフ状態になる。このため、トランジスタNT21を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、3段目のシフトレジスタ回路部513のノードND1の電位はLレベルに低下する。これにより、トランジスタNT25およびNT26は、オフ状態になる。この状態で、トランジスタNT27のドレインに入力されるクロック信号CKV1がLレベルからHレベルに上昇する。これにより、3段目のシフトレジスタ回路部513のノードND2の電位はHレベルに上昇するので、トランジスタNT24はオン状態になる。このとき、トランジスタNT24のドレインにLレベルのイネーブル信号ENBが供給されているので、トランジスタNT24のソース電位(ノードND3の電位)はLレベルに保持される。
【0133】
この後、第3実施形態では、イネーブル信号ENBの電位がLレベルからHレベルに上昇する。これにより、3段目のシフトレジスタ回路部513のノードND3の電位がHレベルに上昇する。この際、3段目のシフトレジスタ回路部513のノードND2の電位は、容量C22によってトランジスタNT24のゲート−ソース間電圧が維持されるように、ノードND3の電位の上昇に伴ってブートされることにより上昇する。これにより、3段目のシフトレジスタ回路部513のノードND2の電位がVDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vβ)分高い電位(VDD+Vβ>VDD+Vt)まで上昇する。なお、このときのノードND2の電位(VDD+Vβ)は、上記第1実施形態において、上昇した後のノードND2の電位(VDD+Vα)よりもさらに高い電位となる。そして、3段目のシフトレジスタ回路部513のノードND2からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vβ)を有するHレベルのシフト信号SR3が出力される。そして、4段目以降のシフトレジスタ回路部514および515においても、上記した3段目のシフトレジスタ回路部513と同様の動作により、上記第1実施形態によるシフトレジスタ回路部から出力されるHレベル(VDD+Vα)のシフト信号よりもさらに高いVDD+Vt以上の電位(VDD+Vβ)を有するHレベルのシフト信号SR4およびSR5が出力される。
【0134】
そして、3段目のシフトレジスタ回路部513のHレベル(VDD+Vβ>VDD+Vt)のシフト信号SR3は、トランジスタNT63およびNT68のドレインにそれぞれ入力される。これにより、ゲートにVDDの電位のスキャン方向切替信号CSVが入力されることによりオンしているトランジスタNT63およびNT68のソース電位は、共に、(VDD−Vt)の電位になる。このため、2段目のシフトレジスタ回路部512のトランジスタNT12のゲートと、4段目のシフトレジスタ回路部514のトランジスタNT37のゲートとに(VDD−Vt)の電位が入力される。この状態で、クロック信号CKV2がLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に立ち上がることにより、2段目のシフトレジスタ回路部512のトランジスタNT12では、トランジスタNT12のMOS容量によりゲート−ソース間電圧を保持しながら、ゲート電位が(VDD−Vt)からVDDとVBBとの電位差分上昇する。これにより、トランジスタNT12のノードND1側に発生する電位がVDDからトランジスタNT12のしきい値電圧(Vt)分低下するのが抑制される。このため、2段目のシフトレジスタ回路部512のノードND1に生じるHレベルの電位が低下するのが抑制される。また、4段目のシフトレジスタ回路部514のトランジスタNT37のゲートに(VDD−Vt)の電位が入力された状態で、クロック信号CKV2がLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に立ち上がることにより、トランジスタNT37では、トランジスタNT37のMOS容量によりゲート−ソース間電圧を保持しながら、ゲート電位が(VDD−Vt)からVDDとVBBとの電位差分上昇する。これにより、トランジスタNT37のノードND2側に発生する電位がVDDからトランジスタNT37のしきい値電圧(Vt)分低下するのが抑制される。このため、4段目のシフトレジスタ回路部514のノードND2に生じるHレベルの電位が低下するのが抑制される。上記のようにして、各段のシフトレジスタ回路部において、クロック信号CKV1またはCKV2の電位がHレベル(VDD)に上昇するのに伴って、ノードND1またはND2の電位が上昇する場合に、ノードND1およびND2に生じるHレベルの電位が低下するのが抑制される。
【0135】
また、3段目のシフトレジスタ回路部513のHレベル(VDD+Vβ)のシフト信号SR3は、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部812のトランジスタNT91のゲートにも入力される。また、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部812のトランジスタNT92のゲートには、4段目のシフトレジスタ回路部のHレベル(VDD+Vβ)のシフト信号SR4が入力される。これにより、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部812において、トランジスタNT91のドレインに入力されるイネーブル信号ENBの電位がHレベル(VDD)の電位に上昇した場合に、ノードND4に発生する電位がVDDからトランジスタNT91およびNT92のしきい値電圧(Vt)分低下するのが抑制される。このようにして、2段目以降のゲート線に繋がる論理合成回路部においても同様に、イネーブル信号ENBの電位がHレベル(VDD)に上昇するのに伴って、ノードND4の電位が上昇する場合に、ノードND4に生じるHレベルの電位が低下するのが抑制される。これにより、各段のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1およびGate2のHレベルの電位が低下するのが抑制される。
【0136】
また、第3実施形態では、論理合成回路部811〜813から各段のゲート線に出力するシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2の電位をLレベルに固定する際、反転イネーブル信号XENBを用いて電位を固定する。たとえば、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部812において、共にオン状態になっているトランジスタNT91およびNT92を介してHレベルのイネーブル信号ENBが供給されることにより、1段目のゲート線に出力するシフト出力信号Gate1がHレベルになっている。この後、イネーブル信号ENBの電位がLレベルに低下するとともに、反転イネーブル信号XENBの電位がHレベルに上昇する。これにより、Lレベルのイネーブル信号ENBがトランジスタNT91およびNT92を介して供給されることにより、1段目のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1の電位がLレベルに低下する。
【0137】
そして、第3実施形態では、反転イネーブル信号XENBの電位がHレベルに上昇することにより、Hレベルの反転イネーブル信号XENBが論理合成回路部812のダイオード接続されたトランジスタNT95を介してトランジスタNT93のゲートに入力される。これにより、トランジスタNT93はオン状態になる。そして、トランジスタNT93を介して負側電位VBBからノードND4側へLレベルの電位が供給される。これにより、論理合成回路部812から1段目のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1の電位がLレベルに固定される。
【0138】
また、第3実施形態では、トランジスタNT93のゲートにHレベルの反転イネーブル信号XENBが供給される際、容量C91が充電される。これにより、トランジスタNT93のゲート電位(ノードND5の電位)は、次にトランジスタNT94がオン状態になることにより、トランジスタNT94を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されるまで、Hレベルに保持される。このため、次にトランジスタNT94がオン状態になるまで、トランジスタNT93はオン状態に保持されるので、トランジスタNT93を介して負側電位VBBから供給されるLレベルの電位により、シフト出力信号Gate1はLレベルに固定された状態で保持される。
【0139】
そして、各段の論理合成回路部において、上記した1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部812の動作と同様の動作により、反転イネーブル信号XENBを用いてシフト出力信号の電位がLレベルに固定される。第3実施形態によるVドライバの上記以外の動作は、上記第1実施形態によるVドライバの動作と同様である。
【0140】
第3実施形態では、上記のように、シフトレジスタ回路部513〜515において、トランジスタNT24、NT34およびNT44のドレインにイネーブル信号線を接続するとともに、ゲートにクロック信号CKV1(CKV2)を供給し、イネーブル信号ENBは、クロック信号CKV1(CKV2)がLレベルからHレベルに上昇した後に、LレベルからHレベルに切り替わるように構成することによって、たとえば、3段目のシフトレジスタ回路部513において、クロック信号CKV1によりトランジスタNT24のゲート電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させるのに伴って、トランジスタNT24をオン状態にさせた後、イネーブル信号ENBによりトランジスタNT24のソース電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させることができる。これにより、その際のトランジスタNT24のソース電位の上昇分(Vβ)だけトランジスタNT24のゲート電位を上昇させることができる。また、4段目のシフトレジスタ回路部514において、クロック信号CKV2によりトランジスタNT34のゲート電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させるのに伴って、トランジスタNT34をオン状態にさせた後、イネーブル信号ENBによりトランジスタNT34のソース電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させることができる。これにより、その際のトランジスタNT34のソース電位の上昇分(Vβ)だけトランジスタNT34のゲート電位を上昇させることができる。これにより、トランジスタNT24およびNT34のドレインが固定的な正側電位VDDに接続されている場合に比べて、シフト信号SR3およびSR4の電位(VDD+Vβ>VDD+Vt)をより高くすることができるので、より容易に、シフト信号SR3およびSR4の電位を、VDDよりもしきい値電圧(Vt)以上高い電位にすることができる。したがって、より容易に、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部812のトランジスタNT91のゲートおよびトランジスタNT92のゲートに、それぞれ、VDD+Vt以上の電位を有するシフト信号SR3およびSR4を供給することができる。これにより、論理合成回路部812のトランジスタNT91およびNT92を介して1段目のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1の電位が、しきい値電圧(Vt)分だけ低下するのをより抑制することができる。
【0141】
第3実施形態では、上記の効果以外にも、Vドライバを含む液晶表示装置の回路構成を簡素化することができるなどの上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0142】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。図9を参照して、この第4実施形態では、上記第3実施形態のVドライバをpチャネルトランジスタで構成する場合について説明する。
【0143】
すなわち、この第4実施形態によるVドライバでは、図9に示すように、複数段のシフトレジスタ回路部521〜525と、スキャン方向切替回路部620と、入力信号切替回路部720と、複数段の論理合成回路部821〜823と、回路部920とが設けられている。なお、図9では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部521〜525および3段分の論理合成回路部821〜823のみを図示しているが、実際は画素数に応じた数のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。
【0144】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部521は、図5に示した第2実施形態の1段目のシフトレジスタ回路部501の第1回路部501aおよび第2回路部501bと同様の回路構成を有する第1回路部521aおよび第2回路部521bによって構成されている。また、2段目のシフトレジスタ回路部522は、図5に示した第2実施形態の2段目のシフトレジスタ回路部502の第1回路部502aおよび第2回路部502bと同様の回路構成を有する第1回路部522aおよび第2回路部522bによって構成されている。
【0145】
ここで、第4実施形態では、3段目のシフトレジスタ回路部523、4段目のシフトレジスタ回路部524および5段目のシフトレジスタ回路部525のそれぞれに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。具体的には、3段目のシフトレジスタ回路部523は、第1回路部523aと第2回路部523bとによって構成されている。第1回路部523aおよび第2回路部523bは、それぞれ、図5に示した第2実施形態の3段目のシフトレジスタ回路部503の第1回路部503aおよび第2回路部503bと同様の回路構成を有する。そして、この第4実施形態では、トランジスタPT24のドレインに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。
【0146】
また、4段目のシフトレジスタ回路部524は、第1回路部524aと第2回路部524bとによって構成されている。第1回路部524aおよび第2回路部524bは、それぞれ、図5に示した第2実施形態の4段目のシフトレジスタ回路部504の第1回路部504aおよび第2回路部504bと同様の回路構成を有する。そして、この第4実施形態では、トランジスタPT34のドレインに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。また、5段目のシフトレジスタ回路部525は、第1回路部525aと第2回路部525bとによって構成されている。第1回路部525aおよび第2回路部525bは、それぞれ、図5に示した第2実施形態の5段目のシフトレジスタ回路部505の第1回路部505aおよび第2回路部505bと同様の回路構成を有する。そして、この第4実施形態では、トランジスタPT44のドレインに、イネーブル信号線(ENB)が接続されている。
【0147】
また、スキャン方向切替回路部620は、図5に示した第2実施形態のスキャン方向切替回路部600と同様の回路構成を有する。ただし、第4実施形態では、トランジスタPT56のソース/ドレインの一方と、トランジスタPT57のソース/ドレインの一方とが接続されていない。また、入力信号切替回路部720は、図5に示した第2実施形態の入力信号切替回路部700と同様の回路構成を有する。
【0148】
また、ダミーゲート線に接続される論理合成回路部821は、トランジスタPT81〜PT84と、ダイオード接続されたトランジスタPT85と、容量C81とを含む。すなわち、第4実施形態の論理合成回路部821は、図5に示した第2実施形態の論理合成回路部801の回路構成において、ダイオード接続されたトランジスタPT86が設けられていない回路構成を有する。また、トランジスタPT83〜PT85と、容量C81とによって、電位固定回路部821aが構成されている。また、第4実施形態では、反転イネーブル信号線(XENB)がダイオード接続されたトランジスタPT85を介して、トランジスタPT83のゲート(ノードND5)に接続されている。
【0149】
また、1段目のゲート線に接続される論理合成回路部822は、トランジスタPT91〜PT94と、ダイオード接続されたトランジスタPT95と、容量C91とを含む。すなわち、第4実施形態の論理合成回路部822は、図5に示した第2実施形態の論理合成回路部802の回路構成において、ダイオード接続されたトランジスタPT96が設けられていない回路構成を有する。また、トランジスタPT93〜PT95と、容量C91とによって、電位固定回路部822aが構成されている。また、第4実施形態では、反転イネーブル信号線(XENB)がダイオード接続されたトランジスタPT95を介して、トランジスタPT93のゲート(ノードND5)に接続されている。
【0150】
また、2段目のゲート線に接続される論理合成回路部823は、トランジスタPT101〜PT104と、ダイオード接続されたトランジスタPT105と、容量C101とを含む。すなわち、第4実施形態の論理合成回路部823は、図5に示した第2実施形態の論理合成回路部803の回路構成において、ダイオード接続されたトランジスタPT106が設けられていない回路構成を有する。また、トランジスタPT103〜PT105と、容量C101とによって、電位固定回路部823aが構成されている。また、第4実施形態では、反転イネーブル信号線(XENB)がダイオード接続されたトランジスタPT105を介して、トランジスタPT103のゲート(ノードND5)に接続されている。
【0151】
また、第4実施形態の回路部920は、pチャネルトランジスタPT111〜PT113と、ダイオード接続されたpチャネルトランジスタPT114と、容量C111とを含む。以下、pチャネルトランジスタPT111〜PT114は、それぞれ、トランジスタPT111〜PT114と称する。そして、回路部920を構成するトランジスタPT111〜PT114は、それぞれ、図7に示した第3実施形態のトランジスタNT111〜NT114に対応した位置に接続されている。ただし、トランジスタPT112のソースは、正側電位VDDに接続されている。
【0152】
図10は、本発明の第4実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。次に、図9および図10を参照して、第4実施形態によるVドライバの動作を説明する。この第4実施形態によるVドライバでは、図8に示した第3実施形態のスタート信号STV、クロック信号CKV1、CKV2、イネーブル信号ENBおよび反転イネーブル信号XENBのHレベルとLレベルとを反転させた波形の信号を、それぞれ、スタート信号STV、クロック信号CKV1、CKV2、イネーブル信号ENBおよび反転イネーブル信号XENBとして入力する。これにより、第4実施形態によるシフトレジスタ回路部521〜525からは、図7に示した第3実施形態によるシフトレジスタ回路部511〜515から出力されるシフト信号SR1〜SR5のHレベルとLレベルとを反転させた波形を有する信号がそれぞれ出力される。また、第4実施形態による論理合成回路部821〜823からは、図7に示した第3実施形態による論理合成回路部811〜813から出力されるシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2のHレベルとLレベルとを反転させた波形を有する信号が出力される。この第4実施形態によるVドライバの上記以外の動作は、図7に示した上記第3実施形態によるVドライバの動作と同様である。
【0153】
第4実施形態では、上記のように構成することによって、Vドライバを含む液晶表示装置の回路構成を簡素化することができるなどの上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0154】
なお、第4実施形態では、シフトレジスタ回路部523〜525のトランジスタPT24、PT34およびPT44のゲートにクロック信号CKV1(CKV2)を供給するとともに、ドレインにHレベル(VDD)とLレベル(VBB)とに切り替わるイネーブル信号ENBを供給することによって、以下のような動作が行われる。たとえば、3段目のシフトレジスタ回路部523において、クロック信号CKV1によりトランジスタPT24がオン状態になった後、イネーブル信号ENBによりトランジスタPT24のソース電位がVDDからVBBに低下するので、その電位の低下分(Vβ)だけトランジスタPT24のゲート電位が降下する。また、4段目のシフトレジスタ回路部524において、クロック信号CKV2によりトランジスタPT34がオン状態になった後、イネーブル信号ENBによりトランジスタPT34のソース電位がVDDからVBBに低下するので、その電位の低下分(Vβ)だけトランジスタPT24のゲート電位が降下する。これにより、トランジスタPT24およびPT34のドレインが固定的な負側電位VBBに接続されている場合に比べて、シフト信号SR3およびSR4の電位(VBB−Vβ<VBB−Vt)をより低くすることができるので、より容易に、シフト信号SR3およびSR4の電位を、VBBよりもしきい値電圧(Vt)以上低い電位にすることができる。したがって、より容易に、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部822のトランジスタPT91およびPT92のゲートに、それぞれ、VBB−Vt以下の電位(VBB−Vβ)を有するシフト信号SR3およびSR4を供給することができる。これにより、論理合成回路部822のトランジスタPT91およびPT92を介して1段目のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1の電位が、しきい値電圧(Vt)分だけ上昇するのをより抑制することができる。
【0155】
(第5実施形態)
図11は、本発明の第5実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。図11を参照して、この第5実施形態では、上記第3実施形態の構成において、3段目以降のシフトレジスタ回路部の出力信号が出力されるノードに接続されたトランジスタのドレインに、タイミングの異なる2つのイネーブル信号を1つずつ交互に供給する場合について説明する。
【0156】
すなわち、この第5実施形態では、図11に示すように、複数段のシフトレジスタ回路部531〜535と、スキャン方向切替回路部630と、入力信号切替回路部730と、論理合成回路部831〜833と、回路部930とが設けられている。なお、図11では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部531〜535および3段分の論理合成回路部831〜833のみを図示しているが、実際は画素数に応じた段数分のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。
【0157】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部531は、図2に示した第1実施形態の1段目のシフトレジスタ回路部51の第1回路部51aおよび第2回路部51bと同様の回路構成を有する第1回路部531aおよび第2回路部531bによって構成されている。また、2段目のシフトレジスタ回路部532は、図2に示した第1実施形態の2段目のシフトレジスタ回路部52の第1回路部52aおよび第2回路部52bと同様の回路構成を有する第1回路部532aおよび第2回路部532bによって構成されている。
【0158】
ここで、第5実施形態では、3段目以降のシフトレジスタ回路部533〜535に、イネーブル信号線(ENB1)とイネーブル信号線(ENB2)とが1つずつ交互に接続されている。なお、このイネーブル信号線(ENB1)は、本発明の「第3信号線」の一例であり、イネーブル信号線(ENB2)は、本発明の「第4信号線」の一例である。このイネーブル信号線(ENB1)を介して、所定のタイミングで電位がLレベルからHレベルに切り替わるイネーブル信号ENB1が供給されるとともに、イネーブル信号線(ENB2)を介して、イネーブル信号ENB1と異なるタイミングで電位がLレベルからHレベルに切り替わるイネーブル信号ENB2が供給されるように構成されている。
【0159】
また、3段目のシフトレジスタ回路部533は、第1回路部533aと第2回路部533bとによって構成されている。第1回路部533aおよび第2回路部533bは、それぞれ、図2に示した第1実施形態の3段目のシフトレジスタ回路部53の第1回路部53aおよび第2回路部53bと同様の回路構成を有する。そして、この第5実施形態では、トランジスタNT24のドレインに、イネーブル信号線(ENB1)が接続されている。
【0160】
また、4段目のシフトレジスタ回路部534は、第1回路部534aと第2回路部534bとによって構成されている。第1回路部534aおよび第2回路部534bは、それぞれ、図2に示した第1実施形態の4段目のシフトレジスタ回路部54の第1回路部54aおよび第2回路部54bと同様の回路構成を有する。そして、この第5実施形態では、トランジスタNT34のドレインに、イネーブル信号線(ENB2)が接続されている。
【0161】
また、5段目のシフトレジスタ回路部535は、第1回路部535aと第2回路部535bとによって構成されている。第1回路部535aおよび第2回路部535bは、それぞれ、図2に示した第1実施形態の5段目のシフトレジスタ回路部55の第1回路部55aおよび第2回路部55bと同様の回路構成を有する。そして、この第5実施形態では、トランジスタNT44のドレインに、イネーブル信号線(ENB1)が接続されている。
【0162】
また、スキャン方向切替回路部630は、トランジスタNT51〜NT55と、トランジスタNT57〜NT60とを含む。すなわち、第5実施形態のスキャン方向切替回路部630は、図7に示した第3実施形態のスキャン方向切替回路部610の回路構成において、トランジスタNT56が設けられていない回路構成を有する。また、入力信号切替回路部730は、図7に示した第3実施形態の入力信号切替回路部70と同様の回路構成を有する。また、論理合成回路部831〜833は、それぞれ、図7に示した第3実施形態の論理合成回路部811〜813と同様の回路構成を有する。また、回路部930は、図7に示した第3実施形態の回路部910と同様の回路構成を有する。
【0163】
図12は、本発明の第5実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。次に、図11および図12を参照して、第5実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作について説明する。
【0164】
この第5実施形態によるVドライバの動作は、基本的には、上記第3実施形態によるVドライバの動作と同様である。ただし、この第5実施形態によるVドライバでは、上記第3実施形態と異なり、3段目以降の各段のシフトレジスタ回路部533〜535の出力信号SR13〜SR15が出力されるノードND3に接続されたトランジスタNT24〜NT44のドレインに、それぞれ、タイミングの異なるイネーブル信号ENB1およびENB2を交互に供給する。
【0165】
具体的には、1段目および2段目のシフトレジスタ回路部531および532(図11参照)における動作は、図7に示した第3実施形態による1段目および2段目のシフトレジスタ回路部511および512における動作と同様である。そして、2段目のシフトレジスタ回路部532からHレベル(VDD+Vα)のシフト信号SR2がトランジスタNT66のドレインに入力される。これにより、ゲートにVDDの電位のスキャン方向切替信号CSVが入力されることによりオンしているトランジスタNT66のソース電位は、(VDD−Vt)の電位になる。このため、3段目のシフトレジスタ回路部533のトランジスタNT27のゲートに(VDD−Vt)の電位が入力される。また、トランジスタNT21のゲートにHレベル(VDD)の出力信号SR12が入力される。また、トランジスタNT22のゲートには、4段目のシフトレジスタ回路部534からLレベルのシフト信号SR4が入力される。これにより、トランジスタNT21およびNT27は、オン状態になるとともに、トランジスタNT22はオフ状態になる。このため、トランジスタNT21を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND1の電位はLレベルに低下する。これにより、トランジスタNT25およびNT26は、オフ状態になる。この状態で、トランジスタNT27のドレインに入力されるクロック信号CKV1がLレベルからHレベルに上昇する。これにより、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND2の電位はHレベルに上昇するので、トランジスタNT24はオン状態になる。このとき、トランジスタNT24のドレインにLレベルのイネーブル信号ENB1が供給されているので、トランジスタNT24のソース電位(ノードND3の電位)はLレベルに保持される。
【0166】
この後、第5実施形態では、イネーブル信号ENB1の電位がLレベルからHレベルに上昇する。これにより、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND3の電位がHレベルに上昇する。この際、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND2の電位は、容量C22によってトランジスタNT24のゲート−ソース間電圧が維持されるように、ノードND3の電位の上昇に伴ってブートされることにより上昇する。これにより、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND2の電位がVDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vβ)分高い電位(VDD+Vβ>VDD+Vt)まで上昇する。なお、このときのノードND2の電位(VDD+Vβ)は、上記第1実施形態において、上昇した後のノードND2の電位(VDD+Vα)よりもさらに高い電位となる。そして、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND2からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vβ)を有するHレベルのシフト信号SR3が出力される。
【0167】
Hレベル(VDD+Vβ)のシフト信号SR3は、トランジスタNT68のドレインに入力される。これにより、ゲートにVDDの電位のスキャン方向切替信号CSVが入力されることによりオンしているトランジスタNT68のソース電位は、(VDD−Vt)の電位になる。このため、4段目のシフトレジスタ回路部534のトランジスタNT37のゲートに(VDD−Vt)の電位が入力される。また、トランジスタNT31のゲートにHレベル(VDD)の出力信号SR13が入力される。また、トランジスタNT32のゲートには、5段目のシフトレジスタ回路部535からLレベルのシフト信号SR5が入力される。これにより、トランジスタNT31およびNT35は、オン状態になるとともに、トランジスタNT32はオフ状態になる。このため、トランジスタNT31を介して負側電位VBBからLレベルの電位が供給されることにより、ノードND1の電位はLレベルに低下する。これにより、トランジスタNT34およびNT38は、オフ状態になる。この後、トランジスタNT35のドレインに入力されるクロック信号CKV2がLレベルからHレベルに上昇する。これにより、4段目のシフトレジスタ回路部534のノードND2の電位はHレベルに上昇するので、トランジスタNT37はオン状態になる。このとき、トランジスタNT37のドレインにLレベルのイネーブル信号ENB2が供給されているので、トランジスタNT37のソース電位(ノードND3の電位)はLレベルに保持される。
【0168】
この後、第5実施形態では、イネーブル信号ENB2の電位がLレベルからHレベルに上昇する。これにより、4段目のシフトレジスタ回路部534のノードND3の電位がHレベルに上昇する。この際、4段目のシフトレジスタ回路部534のノードND2の電位は、容量C2によってトランジスタNT37のゲート−ソース間電圧が維持されるように、ノードND3の電位の上昇に伴ってブートされることにより上昇する。これにより、4段目のシフトレジスタ回路部534のノードND2の電位がVDDよりもしきい値電圧(Vt)以上の所定の電圧(Vβ)分高い電位(VDD+Vβ>VDD+Vt)まで上昇する。そして、4段目のシフトレジスタ回路部534のノードND2からVDD+Vt以上の電位(VDD+Vβ)を有するHレベルのシフト信号SR4が出力される。
【0169】
5段目以降の各段のシフトレジスタ回路部においても、上記の3段目および4段目のシフトレジスタ回路部533および534による動作と同様の動作を行う。すなわち、所定段のシフトレジスタ回路部では、クロック信号CKV1をHレベルに上昇させることにより、ノードND2の電位を上昇させた後、イネーブル信号ENB1をHレベルに上昇させることにより、ノードND2の電位をさらに上昇させてHレベル(VDD+Vβ>VDD+Vt)の電位にする。そして、所定段の次段のシフトレジスタ回路部では、クロック信号CKV2をHレベルに上昇させることにより、ノードND2の電位を上昇させた後、イネーブル信号ENB2をHレベルに上昇させることにより、ノードND2の電位をさらに上昇させてHレベル(VDD+Vβ>VDD+Vt)の電位にする。この動作を各段のシフトレジスタ回路部で交互に行う。これにより、各段のシフトレジスタ回路部から出力されるシフト信号の電位を、順次、Hレベル(VDD+Vβ>VDD+Vt)に上昇させる。
【0170】
この第5実施形態によるVドライバの上記以外の動作は、上記した第3実施形態によるVドライバの動作と同様である。
【0171】
第5実施形態では、上記のように、シフトレジスタ回路部533〜535において、トランジスタNT24、NT34およびNT44のゲートにクロック信号CKV1およびCKV2を交互に供給するとともに、ドレインにタイミングの異なるイネーブル信号ENB1およびENB2を交互に供給することによって、たとえば、3段目のシフトレジスタ回路部533において、クロック信号CKV1によりトランジスタNT24のゲート電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させるのに伴って、トランジスタNT24をオン状態にさせた後、イネーブル信号ENB1によりトランジスタNT24のソース電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させることができる。これにより、その際のトランジスタNT24のソース電位の上昇分(Vβ)だけトランジスタNT24のゲート電位を上昇させることができる。また、4段目のシフトレジスタ回路部534において、クロック信号CKV2によりトランジスタNT34のゲート電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させるのに伴って、トランジスタNT34をオン状態にさせた後、イネーブル信号ENB2によりトランジスタNT34のソース電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させることができる。これにより、その際のトランジスタNT34のソース電位の上昇分(Vβ)だけトランジスタNT34のゲート電位を上昇させることができる。これにより、トランジスタNT24およびNT34のドレインが固定的な正側電位VDDに接続されている場合に比べて、シフト信号SR3およびSR4の電位(VDD+Vβ>VDD+Vt)をより高くすることができるので、より容易に、シフト信号SR3およびSR4の電位を、VDDよりもしきい値電圧(Vt)以上高い電位にすることができる。したがって、より容易に、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部832のトランジスタNT91のゲートおよびトランジスタNT92のゲートに、それぞれ、VDD+Vt以上の電位を有するシフト信号SR3およびSR4を供給することができる。これにより、論理合成回路部832のトランジスタNT91およびNT92を介して1段目のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1の電位が、しきい値電圧(Vt)分だけ低下するのをより抑制することができる。
【0172】
また、第5実施形態では、タイミングの異なる2つのイネーブル信号ENB1およびENB2を用いることによって、たとえば、3段目のシフトレジスタ回路部533のトランジスタNT27と、4段目のシフトレジスタ回路部534のトランジスタNT37とが、それぞれ、オンするタイミングに合わせてトランジスタNT27およびNT37のソース電位をLレベル(VBB)からHレベル(VDD)に上昇させることができる。また、シフトレジスタ回路部533のトランジスタNT27と、シフトレジスタ回路部534のトランジスタNT37とがそれぞれオフ状態になるまで、トランジスタNT27およびNT37のソース電位をHレベルに保持することができる。これにより、トランジスタNT27およびNT37がそれぞれオフするまでの間に、トランジスタNT27およびNT37のソース電位がLレベル(VBB)に低下することに起因して、トランジスタNT27およびNT37のゲート電位が低下するという不都合が発生するのを抑制することができる。この場合、3段目のシフトレジスタ回路部533のノードND2から出力されるシフト信号SR3の電位と、4段目のシフトレジスタ回路部534のノードND2から出力されるシフト信号SR4の電位とが低下するのを抑制することができる。これにより、シフト信号SR3がゲートに入力される論理合成回路部832のトランジスタNT91の動作と、シフト信号SR4がゲートに入力される論理合成回路部832のトランジスタNT92の動作とが不安定になるのを抑制することができる。
【0173】
なお、第5実施形態の上記以外の効果は、上記第3実施形態による効果と同様である。
【0174】
(第6実施形態)
図13は、本発明の第6実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。図13を参照して、この第6実施形態では、上記第5実施形態のVドライバをpチャネルトランジスタで構成する場合について説明する。
【0175】
すなわち、この第6実施形態では、図13に示すように、複数段のシフトレジスタ回路部541〜545と、スキャン方向切替回路部640と、入力信号切替回路部740と、複数段の論理合成回路部841〜843と、回路部940とが設けられている。なお、図13では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部541〜545および3段分の論理合成回路部841〜843のみを図示しているが、実際は画素数に応じた段数分のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。
【0176】
そして、1段目のシフトレジスタ回路部541は、図5に示した第2実施形態の1段目のシフトレジスタ回路部501の第1回路部501aおよび第2回路部501bと同様の回路構成を有する第1回路部541aおよび第2回路部541bによって構成されている。また、2段目のシフトレジスタ回路部542は、図5に示した第2実施形態の2段目のシフトレジスタ回路部502の第1回路部502aおよび第2回路部502bと同様の回路構成を有する第1回路部542aおよび第2回路部542bによって構成されている。
【0177】
ここで、第6実施形態では、3段目以降のシフトレジスタ回路部543〜545に、それぞれ、イネーブル信号線(ENB1)とイネーブル信号線(ENB2)とが交互に接続されている。このイネーブル信号線(ENB1)を介して、所定のタイミングで電位がLレベルからHレベルに切り替わるイネーブル信号ENB1が供給されるとともに、イネーブル信号線(ENB2)を介して、イネーブル信号ENB1と異なるタイミングで電位がLレベルからHレベルに切り替わるイネーブル信号ENB2が供給されるように構成されている。
【0178】
具体的には、3段目のシフトレジスタ回路部543は、第1回路部543aと第2回路部543bとによって構成されている。第1回路部543aおよび第2回路部543bは、それぞれ、図5に示した第2実施形態の3段目のシフトレジスタ回路部503の第1回路部503aおよび第2回路部503bと同様の回路構成を有する。そして、この第6実施形態では、トランジスタPT24のドレインに、イネーブル信号線(ENB1)が接続されている。
【0179】
また、4段目のシフトレジスタ回路部544は、第1回路部544aと第2回路部544bとによって構成されている。第1回路部544aおよび第2回路部544bは、それぞれ、図5に示した第2実施形態の4段目のシフトレジスタ回路部504の第1回路部504aおよび第2回路部504bと同様の回路構成を有する。そして、この第6実施形態では、トランジスタPT34のドレインに、イネーブル信号線(ENB2)が接続されている。
【0180】
また、5段目のシフトレジスタ回路部545は、第1回路部545aと第2回路部545bとによって構成されている。第1回路部545aおよび第2回路部545bは、それぞれ、図5に示した第2実施形態の5段目のシフトレジスタ回路部505の第1回路部505aおよび第2回路部505bと同様の回路構成を有する。そして、この第6実施形態では、トランジスタPT44のドレインに、イネーブル信号線(ENB1)が接続されている。
【0181】
また、スキャン方向切替回路部640は、トランジスタPT51〜PT55と、トランジスタPT57〜PT60とを含む。すなわち、第6実施形態の入力信号切替回路部640は、図9に示した第4実施形態のスキャン方向切替回路部620の回路構成において、トランジスタPT56が設けられていない回路構成を有する。また、入力信号切替回路部740は、図9に示した第4実施形態の入力信号切替回路部720と同様の回路構成を有する。また、論理合成回路部841〜843は、それぞれ、図9に示した第4実施形態の論理合成回路部821〜823と同様の回路構成を有する。また、回路部940は、図9に示した第4実施形態の回路部920と同様の回路構成を有する。
【0182】
図14は、本発明の第6実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。次に、図13および図14を参照して、第6実施形態によるVドライバの動作を説明する。この第6実施形態によるVドライバでは、図12に示した第5実施形態のスタート信号STV、クロック信号CKV1、CKV2、イネーブル信号ENB、ENB1、ENB2および反転イネーブル信号XENBのHレベルとLレベルとを反転させた波形の信号を、それぞれ、スタート信号STV、クロック信号CKV1、CKV2、イネーブル信号ENB、ENB1、ENB2および反転イネーブル信号XENBとして入力する。これにより、第6実施形態によるシフトレジスタ回路部541〜545からは、図11に示した第5実施形態によるシフトレジスタ回路部531〜535から出力されるシフト信号SR1〜SR5および出力信号SR11〜SR15のHレベルとLレベルとを反転させた波形を有する信号が出力される。また、第6実施形態による論理合成回路部841〜843からは、図11に示した第5実施形態による論理合成回路部831〜833から出力されるシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2のHレベルとLレベルとを反転させた波形を有する信号が出力される。この第6実施形態によるVドライバの上記以外の動作は、図11に示した上記第5実施形態によるVドライバの動作と同様である。
【0183】
なお、第6実施形態では、シフトレジスタ回路部543〜545のトランジスタPT24、PT34およびPT44のゲートにクロック信号CKV1およびCKV2を交互に供給するとともに、ドレインにタイミングの異なるイネーブル信号ENB1およびENB2を交互に供給することによって、以下のような動作が行われる。たとえば、3段目のシフトレジスタ回路部543において、クロック信号CKV1によりトランジスタPT24がオン状態になった後、イネーブル信号ENB1によりトランジスタPT24のソース電位がVDDからVBBに低下するので、その電位の低下分(Vβ)だけトランジスタPT24のゲート電位が降下する。また、4段目のシフトレジスタ回路部544において、クロック信号CKV2によりトランジスタPT34がオン状態になった後、イネーブル信号ENB2によりトランジスタPT34のソース電位がVDDからVBBに低下するので、その電位の低下分(Vβ)だけトランジスタPT34のゲート電位が降下する。これにより、トランジスタPT24およびPT34のドレインが固定的な負側電位VBBに接続されている場合に比べて、シフト信号SR3およびSR4の電位(VBB−Vβ<VBB−Vt)をより低くすることができるので、より容易に、シフト信号SR3およびSR4の電位を、VBBよりもしきい値電圧(Vt)以上低い電位にすることができる。したがって、より容易に、1段目のゲート線に繋がる論理合成回路部842のトランジスタPT91およびPT92のゲートに、それぞれ、VBB−Vt以下の電位(VBB−Vβ)を有するシフト信号SR3およびSR4を供給することができる。これにより、論理合成回路部842のトランジスタPT91およびPT92を介して1段目のゲート線に出力されるシフト出力信号Gate1の電位が、しきい値電圧(Vt)分だけ上昇するのをより抑制することができる。
【0184】
第6実施形態による上記以外の効果は、上記第5実施形態による効果と同様である。
【0185】
(第7実施形態)
図15は、本発明の第7実施形態による液晶表示装置の水平スイッチおよびHドライバの内部の回路図である。図15を参照して、この第7実施形態では、図1に示した第1実施形態の液晶表示装置において、ドレイン線を駆動(スキャン)するためのHドライバに本発明を適用する場合について説明する。
【0186】
この第7実施形態による液晶表示装置のHドライバ4の内部には、図15に示すように、図2に示した第1実施形態のVドライバ5と同様、複数段のシフトレジスタ回路部51〜55と、スキャン方向切替回路部60と、入力信号切替回路部70と、複数段の論理合成回路部81〜83とが設けられている。なお、図15では、図面の簡略化のため、5段分のシフトレジスタ回路部51〜55および3段分の論理合成回路部81〜83のみを図示しているが、実際は画素数に応じた段数分のシフトレジスタ回路部および論理合成回路部が設けられている。そして、この第7実施形態では、論理合成回路部81〜83と水平スイッチ3とが接続されている。具体的には、水平スイッチ3は、論理合成回路部81〜83の段数に応じた数のnチャネルトランジスタNT121〜123を含む。以下、nチャネルトランジスタNT121〜NT123は、それぞれ、トランジスタNT121〜NT123と称する。
【0187】
そして、トランジスタNT121のソースは、ダミードレイン線に接続されているとともに、ドレインは、ビデオ信号線(Video)に接続されている。このトランジスタNT121のゲートは、論理合成回路部81のノードND4に接続されている。また、トランジスタNT122のソースは、1段目のドレイン線に接続されているとともに、ドレインは、ビデオ信号線(Video)に接続されている。このトランジスタNT122のゲートは、論理合成回路部82のノードND4に接続されている。また、トランジスタNT123のソースは、2段目のドレイン線に接続されているとともに、ドレインは、ビデオ信号線(Video)に接続されている。このトランジスタNT123のゲートは、論理合成回路部83のノードND4に接続されている。
【0188】
次に、図15を参照して、第7実施形態によるHドライバのシフトレジスタ回路の動作を説明する。この第7実施形態によるHドライバ4では、各段の論理合成回路部81〜83から順次出力されるHレベルのシフト出力信号Dummy、Gate1およびGate2が、対応する水平スイッチ3のトランジスタNT121〜NT123のゲートにそれぞれ入力される。これにより、水平スイッチ3の各段のトランジスタNT121〜NT123が順次オン状態になる。このため、ビデオ信号線(Video)から映像信号が水平スイッチ3の各段のトランジスタNT121〜NT123を介して、順次各段のドレイン線に出力される。この第7実施形態によるHドライバ4の上記以外の動作は、図2に示した上記第1実施形態によるVドライバ5の動作と同様である。
【0189】
第7実施形態では、上記のように構成することによって、Hドライバを含む液晶表示装置の回路構成を簡素化することができるなどの上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0190】
(第8実施形態)
図16は、本発明の第8実施形態による有機EL表示装置を示した平面図である。図16を参照して、この第8実施形態では、本発明を、nチャネルトランジスタを有する画素を含む有機EL表示装置に適用する場合について説明する。
【0191】
すなわち、この第8実施形態では、図16に示すように、基板1b上に、表示部6が形成されている。この表示部6には、nチャネルトランジスタ61および62(以下、トランジスタ61および62という)と、補助容量63と、陽極64と、陰極65と、陽極64と陰極65との間に挟持された有機EL素子66とを含む画素60がマトリクス状に配置されている。なお、図16の表示部6には、1画素分の構成を示している。そして、トランジスタ61のソースは、トランジスタ62のゲートと補助容量63の一方の電極とに接続されているとともに、ドレインは、ドレイン線に接続されている。このトランジスタ61のゲートは、ゲート線に接続されている。また、トランジスタ62のソースは、陽極64に接続されているとともに、ドレインは、電流供給線(図示せず)に接続されている。
【0192】
また、Hドライバ4内部の回路構成は、図15に示した第7実施形態のHドライバ4の回路構成と同様である。また、Vドライバ5内部の回路構成は、図1に示した第1実施形態のVドライバ5の回路構成と同様である。第8実施形態による有機EL表示装置のこれら以外の部分の構成は、図1に示した第1実施形態による液晶表示装置と同様である。
【0193】
第8実施形態では、上記のように構成することによって、有機EL表示装置において、VドライバおよびHドライバの回路構成を簡素化することができるなどの上記第1および第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0194】
(第9実施形態)
図17は、本発明の第9実施形態による有機EL表示装置を示した平面図である。図17を参照して、この第9実施形態では、本発明を、pチャネルトランジスタを有する画素を含む有機EL表示装置に適用する場合について説明する。
【0195】
すなわち、この第9実施形態では、図17に示すように、基板1c上に、表示部6aが形成されている。この表示部6aには、pチャネルトランジスタ61aおよび62a(以下、トランジスタ61aおよび62aという)と、補助容量63aと、陽極64aと、陰極65aと、陽極64aと陰極65aとの間に挟持された有機EL素子66aとを含む画素60aがマトリクス状に配置されている。なお、図17の表示部6aには、1画素分の構成を示している。そして、トランジスタ61aのソースは、ドレイン線に接続されているとともに、ドレインは、トランジスタ62aのゲートと補助容量63aの一方の電極とに接続されている。このトランジスタ61aのゲートは、ゲート線に接続されている。また、トランジスタ62aのソースは、電流供給線(図示せず)に接続されているとともに、ドレインは、陽極64aに接続されている。
【0196】
また、Vドライバ5a内部の回路構成は、図4に示した第2実施形態のVドライバ5aの回路構成と同様である。第9実施形態による有機EL表示装置のこれら以外の部分の構成は、図4に示した第2実施形態による液晶表示装置と同様である。
【0197】
第9実施形態では、上記のように構成することによって、有機EL表示装置において、Vドライバの回路構成を簡素化することができるなどの上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0198】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0199】
たとえば、上記第1〜第9実施形態では、本発明を液晶表示装置または有機EL表示装置に適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、液晶表示装置および有機EL表示装置以外の表示装置にも適用可能である。
【0200】
また、上記第1〜第7実施形態では、VドライバまたはHドライバのいずれか一方にのみ本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限らず、VドライバおよびHドライバの両方に、本発明を適用するようにしてもよい。
【0201】
また、上記第7実施形態では、本発明によるHドライバに用いるトランジスタを全てnチャネルトランジスタで構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、本発明によるHドライバに用いるトランジスタを全てpチャネルトランジスタで構成してもよい。
【0202】
また、nチャネルトランジスタを用いた第1、第3、第5、第7および第8実施形態において、全ての容量をnチャネルトランジスタにより構成してもよい。また、pチャネルトランジスタを用いた第2、第4、第6および第9実施形態において、全ての容量をpチャネルトランジスタにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0203】
【図1】本発明の第1実施形態による液晶表示装置を示した平面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【図3】本発明の第1実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。
【図4】本発明の第2実施形態による液晶表示装置を示した平面図である。
【図5】図4に示した第2実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【図6】本発明の第2実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。
【図7】本発明の第3実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【図8】本発明の第3実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。
【図9】本発明の第4実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【図10】本発明の第4実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。
【図11】本発明の第5実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【図12】本発明の第5実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。
【図13】本発明の第6実施形態による液晶表示装置のVドライバ内部の回路図である。
【図14】本発明の第6実施形態による液晶表示装置のVドライバの動作を説明するための電圧波形図である。
【図15】本発明の第7実施形態による液晶表示装置のHドライバ内部の回路図である。
【図16】本発明の第8実施形態による有機EL表示装置を示した平面図である。
【図17】本発明の第9実施形態による有機EL表示装置を示した平面図である。
【図18】従来の抵抗負荷型のインバータ回路を含むシフトレジスタ回路の回路図である。
【図19】図18に示した従来のシフトレジスタ回路の動作を説明するための波形図である。
【符号の説明】
【0204】
52、53、54、55、502、503、504、505、512、513、514、515、522、523、524、525、532、533、534、535、542、543、544、545 シフトレジスタ回路部(第1シフトレジスタ回路部、第2シフトレジスタ回路部)
81、82、83、801、802、803、811、812、813、821、822、823、831、832、833、841、842、843 論理合成回路部
81a、82a、83a、801a、802a、803a、811a、812a、813a、821a、822a、823a、831a、832a、833a、841a、842a、843a 電位固定回路部
NT14、NT24、NT34、NT44 nチャネルトランジスタ(第6トランジスタ、第7トランジスタ)
PT14、PT24、PT34、PT44 pチャネルトランジスタ(第6トランジスタ、第7トランジスタ)
NT81、NT91、NT101 nチャネルトランジスタ(第1トランジスタ、第2トランジスタ)
PT81、PT91、PT101 pチャネルトランジスタ(第1トランジスタ、第2トランジスタ)
NT83、NT93、NT103 nチャネルトランジスタ(第3トランジスタ)
PT83、PT93、PT103 pチャネルトランジスタ(第3トランジスタ)
NT84、NT94、NT104 nチャネルトランジスタ(第5トランジスタ)
PT84、PT94、PT104 pチャネルトランジスタ(第5トランジスタ)
NT85、NT86、NT95、NT96、NT105、NT106 nチャネルトランジスタ(第4トランジスタ)
PT85、PT86、PT95、PT96、PT105、PT106 pチャネルトランジスタ(第4トランジスタ)
C12、C22、C32、C42 容量(第2容量、第3容量)
C81、C91、C101 容量(第1容量)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1導電型のトランジスタによって構成され、第1シフト信号を出力する第1シフトレジスタ回路部と、
第1導電型のトランジスタによって構成され、第2シフト信号を出力するとともに、前記第1シフトレジスタ回路部の次段に配置される第2シフトレジスタ回路部と、
前記第1シフト信号と、前記第2シフト信号とを論理合成してシフト出力信号を出力する論理合成回路部と、
を含むシフトレジスタ回路を備えた、表示装置。
【請求項2】
前記論理合成回路部は、
ソース/ドレインの一方が第1電位と第2電位とに切り替わる第1信号を供給する第1信号線に接続されるとともに、ゲートに前記第1シフト信号が入力される第1導電型の第1トランジスタと、
前記第1トランジスタのソース/ドレインの他方にソース/ドレインの一方が接続されるとともに、ゲートに前記第2シフト信号が入力される第1導電型の第2トランジスタとを含み、
前記第1シフト信号および前記第2シフト信号が前記第1電位のときに、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタがオン状態になるとともに、前記第1信号線から前記第1トランジスタのソース/ドレインの一方に前記第1電位の前記第1信号が供給されることにより、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタを介して前記第1電位の前記シフト出力信号が出力され、
前記第1シフト信号が前記第1電位から前記第2電位に変化する際に、前記第1信号線から前記第1トランジスタのソース/ドレインの一方に前記第2電位の前記第1信号が供給されることにより、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタを介して前記第2電位の前記シフト出力信号が出力される、請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1信号が前記第2電位の期間は、前記シフト出力信号は強制的に前記第2電位に保持される、請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記論理合成回路部は、前記第1シフト信号が前記第1電位から前記第2電位に変化した後、前記出力信号を前記第2電位に固定するための電位固定回路部を含む、請求項2または3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記電位固定回路部は、前記第2電位側と前記第2トランジスタとの間に接続され、前記第1シフト信号が前記第2電位のときに、前記第1電位の所定の信号がゲートに入力されることによりオン状態になる第1導電型の第3トランジスタを含む、請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記シフトレジスタ回路は、前記第2シフトレジスタ回路部の次段の第3シフトレジスタ回路部を含み、
前記第1シフト信号が前記第1電位から前記第2電位に変化する際に、前記第3シフトレジスタ回路部から前記第1電位の出力信号が前記第3トランジスタのゲートに入力される、請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第3トランジスタのゲートには、前記第1電位と前記第2電位とに切り替わる第2信号を供給する第2信号線から前記第2信号が供給され、
前記第1シフト信号が前記第2電位のときに、前記第2信号線から前記第1電位の前記第2信号が前記第3トランジスタのゲートに入力される、請求項5に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第3トランジスタのゲートとソースとの間には、第1容量が接続されている、請求項5〜7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記電位固定回路部は、前記第3トランジスタのゲートに接続され、ダイオード接続された第1導電型の第4トランジスタを含み、
前記所定の信号は、前記第4トランジスタを介して前記第3トランジスタのゲートに入力される、請求項5〜8のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第3トランジスタは、前記第1シフト信号および前記第2シフト信号が前記第1電位のときに、オフ状態になる、請求項5〜9のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記電位固定回路部は、前記第2電位側と、前記第3トランジスタのゲートとの間に接続され、前記第1シフト信号および前記第2シフト信号が前記第1電位のときに、前記第1トランジスタおよび前記第2トランジスタを介して、前記第1電位の前記出力信号がゲートに入力されることによりオン状態になる第1導電型の第5トランジスタを含む、請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記第1シフトレジスタ回路部は、ドレインに前記第1電位が供給されるとともに、前記第1シフト信号が出力されるノードにゲートが接続される第6トランジスタと、前記第6トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第2容量とを含み、
前記第2シフトレジスタ回路部は、ドレインに前記第1電位が供給されるとともに、前記第2シフト信号が出力されるノードにゲートが接続される第7トランジスタと、前記第7トランジスタのゲートとソースとの間に接続された第3容量とを含み、
前記第6トランジスタのゲート電位は、前記第2容量が接続された前記第6トランジスタのゲート−ソース間電圧を維持するように、前記第6トランジスタのソース電位の上昇または低下に伴って上昇または低下され、
前記第7トランジスタのゲート電位は、前記第3容量が接続された前記第7トランジスタのゲート−ソース間電圧を維持するように、前記第7トランジスタのソース電位の上昇または低下に伴って上昇または低下される、請求項2〜10のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第6トランジスタのドレインには、前記第1電位と前記第2電位とに切り替わる第3信号を供給する第3信号線が接続されるとともに、ゲートには、第1クロック信号が供給され、
前記第7トランジスタのドレインには、前記第3信号を供給する前記第3信号線が接続されるとともに、ゲートには、第2クロック信号が供給され、
前記第3信号は、前記第1クロック信号が前記第2電位から前記第1電位になった後と、前記第2クロック信号が前記第2電位から前記第1電位になった後とに、それぞれ、前記第2電位から前記第1電位に切り替わる、請求項12に記載の表示装置。
【請求項14】
前記第6トランジスタのドレインには、前記第1電位と前記第2電位とに切り替わる第3信号を供給する第3信号線が接続されるとともに、ゲートには、第1クロック信号が供給され、
前記第7トランジスタのドレインには、前記第1電位と前記第2電位とに切り替わる第4信号を供給する第4信号線が接続されるとともに、ゲートには、第2クロック信号が供給され、
前記第3信号は、前記第1クロック信号が前記第2電位から前記第1電位になった後、前記第2電位から前記第1電位に切り替わり、
前記第4信号は、前記第2クロック信号が前記第2電位から前記第1電位になった後、前記第2電位から前記第1電位に切り替わる、請求項12に記載の表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2006−146094(P2006−146094A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−339746(P2004−339746)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】