説明

表示装置

【課題】表示素子に印加される電圧が変化することによる表示品位の低下、表示の切替時
における紙媒体との違和感を低減することのできる液晶表示装置を提供することを課題の
一とする。
【解決手段】第1の画像信号の書き込み期間及び第1の画像信号の保持期間を有する第1
の静止画表示期間と、第2の画像信号の書き込み期間及び第2の画像信号の保持期間を有
する第2の静止画表示期間と、を切り替えて表示させ、第1の静止画表示期間の書き込み
期間と、第2の静止画表示期間の書き込み期間と、の長さを異ならせるディスプレイコン
トローラを有する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置の駆動方法に関する。または、表示装置に関する。または、表示装置
を具備する電子書籍に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタル化技術の進歩に伴い、新聞、雑誌などの文字情報や画像情報を電子データ
として提供できるようになっている。この種の電子データは、一般に、テレビ、パーソナ
ルコンピュータ、または携帯型電子端末などが備える表示装置に表示されることで、その
内容が閲覧される。
【0003】
液晶表示装置等の表示媒体は、新聞、雑誌などの紙媒体とは大きく異なる。特に、表示装
置の画面上にてページの切替を行うという行為は、紙媒体の習慣的な取り扱い方からは、
かけ離れたものである。このような取り扱い方の違いに起因して、文字の読み取りや文章
理解、画像の認識などにおける視認効率が低下するという問題がある。
【0004】
液晶表示装置等の表示媒体は、視認効率の向上の他にも、利便を図る上で消費電力の低減
が重要である。その対策として、リフレッシュレート、すなわち画像信号の書き換え回数
を削減して消費電力を低減するものが開示されている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−182619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、静止画を表示する際のリフレッシュレートを削減することで低消費
電力化を図ることができる。しかしながら上記特許文献1の構成では、画素に用いるトラ
ンジスタがアモルファスシリコンを用いて作製されたものであるため、トランジスタのオ
フ電流に起因して、表示素子である液晶素子に印加された電圧が減少するおそれがある。
また上記特許文献1では、画像の書き換え時間が短いため、前後の期間で異なる画像信号
を供給することで異なる画像を切り替えて表示を行う際、新たに書き込まれた画像へと瞬
間的に更新されるため、先に述べた紙媒体との違和感が生じる。
【0007】
そこで本発明の一態様においては、表示素子に印加される電圧が変化することによる表示
品位の低下、表示の切替時における紙媒体との違和感を低減することのできる表示装置を
提供することを課題の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、第1の画像信号の書き込み期間及び第1の画像信号の保持期間を有す
る第1の静止画表示期間と、第2の画像信号の書き込み期間及び第2の画像信号の保持期
間を有する第2の静止画表示期間と、を切り替えて表示させ、第1の静止画表示期間の書
き込み期間と、第2の静止画表示期間の書き込み期間と、の長さを異ならせるディスプレ
イコントローラを有する表示装置である。
【0009】
本発明の一態様は、第1の画像信号の書き込み期間及び第1の画像信号の保持期間を有す
る第1の静止画表示期間と、第2の画像信号の書き込み期間及び第2の画像信号の保持期
間を有する第2の静止画表示期間と、を切り替えて表示させ、第1の静止画表示期間の書
き込み期間と、第2の静止画表示期間の書き込み期間と、の長さを異ならせるディスプレ
イコントローラを有し、ディスプレイコントローラは、第1のクロック信号、または第2
のクロック信号を切り替えて出力する切替回路と、表示モード制御回路と、を有し、表示
モード制御回路は、第1のクロック信号、または第2のクロック信号を切り替えて出力す
ることにより、第1の静止画表示期間の書き込み期間と、第2の静止画表示期間の書き込
み期間と、の長さを異ならせる表示装置である。
【0010】
本発明の一態様は、第1の画像信号の書き込み期間及び第1の画像信号の保持期間を有す
る第1の静止画表示期間と、第2の画像信号の書き込み期間及び第2の画像信号の保持期
間を有する第2の静止画表示期間と、を切り替えて表示させ、第1の静止画表示期間の書
き込み期間と、第2の静止画表示期間の書き込み期間と、の長さを異ならせるディスプレ
イコントローラと、を有し、ディスプレイコントローラは、第1のクロック信号を出力す
る基準クロック生成回路と、第1のクロック信号を分周して第2のクロック信号を出力す
る分周回路と、第1のクロック信号または第2のクロック信号を切り替えて出力する切替
回路と、表示モード制御回路を有し、表示モード制御回路は、第1のクロック信号、また
は第2のクロック信号を切り替えて出力することにより、第1の静止画表示期間の書き込
み期間と、第2の静止画表示期間の書き込み期間と、の長さを異ならせる表示装置である

【0011】
本発明の一態様において、第1の静止画表示期間における第1の画像信号は、直前の第1
の静止画表示期間において書き込んだ第1の画像信号と同じ画像信号であり、第2の静止
画表示期間における第2の画像信号は、直前の第1の静止画表示期間において書き込んだ
第1の画像信号、または第2の静止画表示期間において書き込んだ第2の画像信号、と異
なる画像信号である表示装置でもよい。
【0012】
本発明の一態様において、第1の静止画表示期間の書き込み期間は、16.6m秒以下で
あり、第2の静止画表示期間の書き込み期間は、1秒以上である表示装置でもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様により、表示素子に印加される電圧が変化することによる表示品位の低下
、表示切替時における紙媒体との違和感を低減することのできる表示装置を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一態様の表示装置の動作を説明するための概念図。
【図2】本発明の一態様の表示装置の動作を説明するためのタイミングチャート図。
【図3】本発明の一態様の表示装置の動作を説明するための(A)概念図、(B)タイミングチャート図。
【図4】本発明の一態様の表示装置を説明するためのブロック図。
【図5】本発明の一態様の表示装置の動作を説明するためのフローチャート図。
【図6】本発明の一態様の表示装置を説明するための概念図。
【図7】本発明の一態様の表示装置を説明するための断面図。
【図8】本発明の一態様の表示装置を説明するための(A1)、(A2)平面図、(B)断面図。
【図9】本発明の一態様の表示装置を説明するための断面図。
【図10】本発明の一態様の表示装置を説明するための斜視図。
【図11】本発明の一態様の電子書籍を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多く
の異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱すること
なくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従っ
て本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本
発明の構成において、同じ物を指し示す符号は異なる図面間において共通とする。
【0016】
なお、各実施の形態の図面等において示す各構成の、大きさ、層の厚さ、信号波形、又は
領域は、明瞭化のために誇張されて表記している場合がある。よって、必ずしもそのスケ
ールに限定されない。
【0017】
なお本明細書にて用いる第1、第2、第3乃至第N(Nは自然数)という用語は、構成要
素の混同を避けるために付したものであり、数的に限定するものではないことを付記する

【0018】
(実施の形態1)
本実施の形態では、表示装置の動作の概念図、タイミングチャート、ブロック図、フロ
ーチャート図等を示し、説明する。
【0019】
まず図1(A)乃至(C)では、表示装置の駆動方法の概念図について示す。本実施の形
態では表示装置として、液晶表示装置を一例に挙げて説明する。
【0020】
本実施の形態における液晶表示装置の動作は、図1(A)に示すように、第1の静止画表
示期間101(第1の期間ともいう)と第2の静止画表示期間102(第2の期間ともい
う)に大別される。
【0021】
第1の静止画表示期間101は1つの画像を表示する1フレーム期間が複数連続して1つ
の静止画を表示する期間である。第1の静止画表示期間101では、一定のリフレッシュ
レートにより画像信号(以下、第1の画像信号)が書き込まれる。従って、いずれか一の
第1の静止画表示期間101の1フレーム期間では、直前のフレーム期間における画像信
号と同じである第1の画像信号が書き込まれる期間103が連続して設けられる。なおこ
こで1フレーム期間とは、表示パネルの複数の画素に画像信号を順次書き込んで表示され
る画像が更新される間の期間のことをいう。
【0022】
第2の静止画表示期間102は、直前のフレーム期間の画像信号による画像とは異なる画
像を表示する1フレーム期間が1つまたは複数連続して設けられ、静止画を表示する期間
である。第2の静止画表示期間102では、直前のフレーム期間で書き込んだ画像信号が
第1の画像信号であれば、それとは異なる画像信号(第2の画像信号)が書き込まれる。
従って、第2の静止画表示期間102の1フレーム期間において、第2の画像信号が書き
込まれる期間104では、直前のフレーム期間にあたる期間105とは異なる第2の画像
信号が書き込まれる。なお、図1(A)の期間106では、直前のフレーム期間の画像信
号にあたる、期間104と同じ画像信号が書き込まれる点で、期間103と同じになる。
なお異なる画像を表示するフレーム期間が連続する場合には、第2の静止画表示期間にお
ける期間104が連続して設けられ、直前のフレーム期間の第2の画像信号とは異なる第
2の画像信号が書き込まれる。
【0023】
次いで、第1の静止画表示期間101における期間103について、図1(B)を用いて
説明する。第1の静止画表示期間101の1フレーム期間に相当する期間103は、書き
込み期間、保持期間でなる。なお図1(B)では、期間103は第1の画像信号を画素に
書き込む書き込み期間W1(図1(B)中「W1」で表記)、及び第1の画像信号を画素
に保持する保持期間H1(図1(B)中「H1」で表記)を有する。書き込み期間W1で
は、表示パネルにおける画素の1行目から順にn行目にかけて第1の画像信号を書き込む
。書き込み期間W1では、前に書き込んだ画像と同じ画像を表示するため、視認者に違和
感を与えないように短期間に第1の画像信号を書き込むことが好ましい。具体的には、第
1の静止画表示期間101における第1の画像信号の書き込み期間W1は、フリッカ(ち
らつき)が生じない程度の書き込み速度となる16.6m秒以下であることが好ましい。
また液晶素子に印加された第1の画像信号は、保持期間H1においてトランジスタをオフ
状態とすることで保持され続けることが好ましい。すなわち保持期間H1では、トランジ
スタからのリーク電流による電圧降下が極端に小さいことを利用して第1の画像信号を保
持し続けることが好ましい。第1の静止画表示期間101における第1の画像信号の保持
期間H1は、累積時間の経過により液晶素子に印加した電圧の降下が表示品位の低下を招
かない程度で、且つ人間の目の疲労を減らせる程度の期間である1秒以上であることが好
ましい。
【0024】
次いで、第2の静止画表示期間102における期間104について、図1(C)を用いて
説明する。第2の静止画表示期間102の1フレーム期間に相当する期間104は、書き
込み期間、保持期間でなる。なお図1(C)では、期間104は第2の画像信号を画素に
書き込む書き込み期間W2(図1(C)中「W2」で表記)、及び第2の画像信号を画素
に保持する保持期間H2(図1(C)中「H2」で表記)を有する。書き込み期間W2で
は、表示パネルにおける画素の1行目から順にn行目まで第2の画像信号を書き込む。書
き込み期間W2では前に書き込んだ画像と異なる画像を表示するため、書き込み期間W1
とは異なる方法で視認者が表示の切替を認識できるようにして紙媒体との違和感を低減す
る。そこで書き込み期間W2は、視認者が知覚出来る程度に書き込み期間W1よりも長い
期間をかけて第2の画像信号を画素に書き込むことが好ましい。具体的には、第2の静止
画表示期間102における第2の画像信号の書き込み期間W2は、視認者が表示の切替を
知覚出来る程度の書き込み速度となる1秒以上にかけて設けることが好ましい。また書き
込まれた第2の画像信号は、保持期間H2においてトランジスタをオフ状態とすることで
液晶素子に印加された電圧を保持し続けることが好ましい。すなわち保持期間H2では、
トランジスタからのリーク電流による電圧降下が極端に小さいことを利用して第2の画像
信号を保持し続けることが好ましい。第2の静止画表示期間102における第2の画像信
号の保持期間H2は、累積時間の経過により液晶素子に印加した電圧の降下が表示品位の
低下を招かない程度で、且つ人間の目の疲労を減らせる程度の期間である1秒以上である
ことが好ましい。
【0025】
次いで、第1の静止画表示期間101及び第2の静止画表示期間102における駆動回路
に供給する信号について、各期間におけるスタートパルス信号及びクロック信号の模式図
を図2(A)、(B)に示し説明する。なお図2(A)、(B)に示す模式図における各
信号の波形は、説明のために誇張して表記したものである。
【0026】
図2(A)に示すように、第1の静止画表示期間101における期間103の第1の画像
信号の書き込み期間W1では、表示パネルの各画素に第1の画像信号を供給するためのシ
フトレジスタ回路等の駆動回路を駆動するためのスタートパルス及びクロック信号が供給
される。前述の書き込み期間の長さ及び表示パネルでの走査する画素数等に応じて、スタ
ートパルス及びクロック信号の周波数等を適宜設定すればよい。なお第1の静止画表示期
間101における期間103の第1の画像信号の保持期間H1では、トランジスタをオフ
状態とすることで液晶素子に印加された電圧を保持し続ける構成とすることで、スタート
パルス信号及びクロック信号を停止することができる。そのため、保持期間H1中の消費
電力を低減することが出来る。なおスタートパルス信号及びクロック信号の停止に併せて
第1の画像信号D1の供給も停止し、保持期間H1においては、書き込み期間W1に書き
込んだ電圧の保持のみで画像を表示する構成とすればよい。
【0027】
また図2(B)に示すように、第2の静止画表示期間102における期間104の第2の
画像信号の書き込み期間W2では、表示パネルの各画素に第2の画像信号を供給するため
のシフトレジスタ回路等の駆動回路を駆動するためのスタートパルス及びクロック信号が
供給される。前述の書き込み期間の長さ及び表示パネルでの走査する画素数等に応じて、
スタートパルス及びクロック信号の周波数等を適宜設定すればよい。なお第2の静止画表
示期間102における期間104の第2の画像信号の保持期間H2では、トランジスタを
オフ状態とすることで液晶素子に印加された電圧を保持し続ける構成とすることで、スタ
ートパルス信号及びクロック信号を停止することができる。そのため、保持期間H2中の
消費電力を低減することが出来る。なおスタートパルス信号及びクロック信号の停止に併
せて第2の画像信号D2の供給も停止し、保持期間H2においては、書き込み期間W2に
書き込んだ電圧の保持のみで画像を表示する構成とすればよい。
【0028】
なお第2の静止画表示期間102において駆動回路に供給するクロック信号は、第1の静
止画表示期間101で駆動回路に供給するクロック信号を分周することで生成された信号
を用いればよい。当該構成によって、クロック信号を生成するためのクロック生成回路等
を複数設けることなく、複数の周波数のクロック信号を生成することができる。なお第1
の静止画表示期間101において駆動回路に供給するクロック信号の周波数は、第2の静
止画表示期間102で駆動回路に供給するクロック信号の周波数より大きくする構成とす
ればよい。
【0029】
前述したように、第2の静止画表示期間102における期間104は、書き込み期間W2
で画素を1行目からn行目で1秒間以上かけて走査し、第2の画像信号を供給する構成と
することにより、視認者は画像の切り替わりを認識することができる。このように紙媒体
におけるページの切替時の認識に相当するものとすることで、表示切替時における紙媒体
との違和感を低減することができる。
【0030】
なお図1(A)乃至(C)、図2(A)および(B)で説明した第1の静止画表示期間1
01と第2の静止画表示期間102との切り替えは、操作等により外部から入力される切
替信号により行われる構成でもよいし、画像信号をもとに第1の静止画表示期間101と
第2の静止画表示期間102を判定して切り替える構成としてもよい。なお第1の静止画
表示期間101及び第2の静止画表示期間102の他に動画表示期間を有する構成として
もよい。
【0031】
動画表示期間を説明する。図3(A)に示す期間301を動画表示期間の1フレーム期間
として説明する。動画表示期間の1フレーム期間に相当する期間301は、画像信号を画
素に書き込む書き込み期間W(図3(A)中「W」で表記)を有する。なお動画表示期間
でも書き込み期間Wの他に保持期間を有していてもよいが、フリッカが生じない程度に短
い期間であることが望ましい。書き込み期間Wでは、表示パネルにおける画素の1行目か
ら順にn行目まで画像信号を書き込む。書き込み期間Wでは、連続するフレーム期間で異
なる画像信号を画素に書き込むことで、視認者に動画と知覚させるものである。具体的に
は、動画表示期間における画像信号の書き込み期間Wは、フリッカ(ちらつき)が生じな
い程度の書き込み速度となる16.6m秒以下であることが好ましい。また図3(B)で
は、動画表示期間301における駆動回路に供給する信号について上述の図2(A)、図
2(B)と同様に説明するため、各期間におけるスタートパルス信号及びクロック信号の
模式図を示している。図3(B)に示すように、動画表示期間における期間301に相当
する書き込み期間Wでは、表示パネルの各画素に画像信号(D、Dn+1、乃至Dn+
)を供給するためのシフトレジスタ回路等の駆動回路を駆動するためのスタートパルス
及びクロック信号が供給される。前述の書き込み期間の長さ及び表示パネルでの走査する
画素数等に応じて、スタートパルス及びクロック信号の周波数等を適宜設定すればよい。
【0032】
次いで、図1及び図2で説明した第1の静止画表示期間101及び第2の静止画表示期間
102について、切り替えて動作させるための液晶表示装置のブロック図を図4に示し説
明する。図4に示す液晶表示装置400は、表示パネル401、ディスプレイコントロー
ラ402、記憶回路403、CPU404(演算回路ともいう)、及び外部入力機器40
5を有する。
【0033】
表示パネル401は、表示部406、及び駆動回路部407を有する。表示部406は、
複数のゲート線408(走査線ともいう)、複数のソース線409(信号線ともいう)、
複数の画素410が設けられている。複数の画素410は、トランジスタ411、液晶素
子412、容量素子413を有する。駆動回路部407は、ゲート線駆動回路414(走
査線駆動回路ともいう)、ソース線駆動回路415(信号線駆動回路ともいう)を有する

【0034】
なおトランジスタ411は、半導体層として酸化物半導体を用いることが好ましい。酸化
物半導体は半導体中のキャリアを極めて少なくすることで、オフ電流を少なくすることが
できる。よって、画素においては画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ
、書き込み間隔も長く設定できる。またトランジスタの構造については逆スタガ型の構造
でもよいし、順スタガ型の構造でもよい。または、チャネル領域が複数の領域に分かれて
直列に接続された、ダブルゲート型の構造でもよい。または、ゲート電極がチャネル領域
の上下に設けられたデュアルゲート型の構造でもよい。また、トランジスタを構成する半
導体層を複数の島状の半導体層にわけて形成し、スイッチング動作を実現しうるトランジ
スタ素子としてもよい。
【0035】
なお液晶素子412は、第1の電極と第2の電極との間に液晶が挟持されて形成される。
なお、液晶素子412の第1の電極は、画素電極に相当する。なお液晶素子412の第2
の電極は、対向電極に相当する。液晶素子の第1の電極及び第2の電極は、多様な開口パ
ターンを有する形状としてもよい。なお液晶素子において第1の電極と第2の電極とに挟
持される液晶材料は、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液
晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いればよい。これらの液晶材料は、条件により
、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相
等を示す。また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。なお液晶素子4
12の第1の電極は、透光性を有する材料、または反射率の高い金属を用いて形成する。
透光性を有する材料とは、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化イ
ンジウム亜鉛(IZO)、ガリウムを添加した酸化亜鉛(GZO)等がある。反射率の高
い金属電極には、アルミニウム、銀等が用いられる。なお第1の電極、第2の電極、及び
液晶材料を併せて液晶素子と呼ぶこともある。
【0036】
なお容量素子413は、一例として画素電極と別途絶縁層を介して設けられる容量線とで
構成される。なおトランジスタ411でのオフ電流が十分低減されれば、画像信号等の電
気信号の保持時間を長くすることができるため、意図的に設ける容量素子をなくすことも
可能である。
【0037】
なお、画素410においては、表示素子として液晶素子を具備する液晶表示装置を想定し
て各素子を説明したが、液晶素子に限定されず、EL素子、又は電気泳動素子などの様々
な表示素子を用いることが可能である。
【0038】
ゲート線408には、ゲート線駆動回路414よりトランジスタ411の導通または非導
通を制御する信号が供給される。またソース線409には、ソース線駆動回路415より
液晶素子412に供給する画像信号が供給される。なお図4において、表示部406は、
ゲート線駆動回路414及びソース線駆動回路415と同じ基板上に設ける構成とするこ
とが好ましいが、必ずしも同じ基板上に設ける必要はない。表示部406と同じ基板上に
ゲート線駆動回路414、ソース線駆動回路415を設けることで、外部との接続端子数
を削減することができ、液晶表示装置の小型化を図ることができる。
【0039】
次いでディスプレイコントローラ402は、基準クロック生成回路416、分周回路41
7、切替回路418、表示モード制御回路419、制御信号生成回路420、及び画像信
号出力回路421を有する。
【0040】
基準クロック生成回路416は、一定の周波数のクロック信号を発振するための回路であ
る。基準クロック生成回路416は、例えばリングオシレータまたは水晶発振器などを有
する構成とすればよい。また分周回路417は入力されるクロック信号の周波数を変化さ
せるための回路である。分周回路417は、例えばカウンタ回路等を用いて構成すればよ
い。また切替回路418は、基準クロック生成回路416からのクロック信号(以下、第
1のクロック信号)または分周回路417からのクロック信号(以下、第2のクロック信
号)を切り替えて出力するための回路である。切替回路418は、例えばトランジスタに
より導通又は非導通を制御する構成とすればよい。
【0041】
表示モード制御回路419は、CPU404からの制御により、切替回路418から出力
されるクロック信号を切り替えるよう制御するための回路である。当該制御により、上記
第1のクロック信号または第2のクロック信号を切り替えることができ、前述の図2(A
)または図2(B)のような第1の静止画表示期間によるモードと第2の静止画表示期間
によるモードとを切り替えることができる。
【0042】
制御信号生成回路420は、第1のクロック信号または第2のクロック信号のうち、選択
されたクロック信号を基にして、ゲート線駆動回路414及びソース線駆動回路415を
駆動するための制御信号(スタートパルスGSP、SSP及びクロック信号GCK、SC
K)を生成するための回路である。画像信号出力回路421は、第1のクロック信号また
は第2のクロック信号の選択されたクロック信号を基にして、ソース線駆動回路415に
供給する画像信号(Data)を記憶回路403より読み出して出力するための回路であ
る。なお画像信号は、ドット反転駆動、ソースライン反転駆動、ゲートライン反転駆動、
フレーム反転駆動等に応じて適宜反転させて表示パネル401に出力する構成としてもよ
い。なお、図示しないが電源電位(高電源電位Vdd、低電源電位Vss、及び共通電位
Vcom)も表示パネル401に供給される。
【0043】
記憶回路403は、表示パネル401で表示を行うための画像信号を記憶するための回路
である。記憶回路403としては、一例として、スタティック型メモリ(SRAM)やダ
イナミック型メモリ(DRAM)、強誘電体メモリ(FeRAM)、EEPROM、フラ
ッシュメモリ等を用いて構成すればよい。
【0044】
CPU404は、外部入力機器405等からの信号に応じて、表示モード制御回路419
等の制御を行うためのものである。外部入力機器405は、入力ボタンまたは入力キーボ
ード、若しくはタッチパネルを用いればよい。
【0045】
次いで図4のブロック図における各ブロック間での具体的な動作について、図5に示すフ
ローチャートと併せて説明する。なお図5に示すフローチャートにおいては、上記図1(
A)乃至(C)、図2(A)および(B)で説明した第1の静止画表示期間と第2の静止
画表示期間を切り替えて動作する構成について説明するものである。また、図5に示すフ
ローチャートにおいては、第1の静止画表示期間から第2の静止画表示期間に切り替わる
動作の例について説明する。
【0046】
まず図5のステップ501について説明する。ステップ501では、第1の静止画表示期
間における第1の静止画書き込み動作が行われる。ステップ501は図2(A)での第1
の画像信号の書き込み期間W1での動作に相当する。このとき図4では、表示モード制御
回路419により切替回路418から出力されるクロック信号として、基準クロック生成
回路416からの第1のクロック信号が選択される。当該第1のクロック信号を用いて、
画像信号出力回路421による第1の画像信号の記憶回路403からの読み出し、及び制
御信号生成回路420での制御信号の生成が行われる。そして、表示パネル401では視
認者が書き込みに気づかない程度の書き込み速度で画像信号の書き込みがなされるものと
なる。
【0047】
次いで図5のステップ502について説明する。ステップ502では、第1の静止画表示
期間における第1の静止画保持動作が行われる。ステップ502は図2(A)での第1の
画像信号の保持期間H1での動作に相当する。このとき図4では、制御信号生成回路42
0及び画像信号出力回路421からの制御信号及び画像信号の表示パネル401への出力
を停止する。このとき液晶素子に印加された第1の画像信号は、酸化物半導体を半導体層
に用いたトランジスタをオフ状態とすることで保持され続けることができる。そのため、
制御信号生成回路420及び画像信号出力回路421を停止することによる低消費電力化
を図ることができる。なお累積時間の経過により液晶素子に印加した電圧の降下が表示品
位の低下を招かない範囲で、保持期間を1秒以上とすることには、人間の目の疲労を減ら
せるといった効果もある。
【0048】
次いで図5のステップ503について説明する。ステップ503では、表示モード制御回
路419が切替回路418の動作を切り替えるか否かの判定が行われる。具体的には電子
書籍のページを切り替える操作を外部入力機器405において操作ボタン等の操作で行う
か否かにより、CPU404により表示モード制御回路419を介して切替回路418の
動作を切り替えるかどうかが決まる。ステップ503に示す例では、外部入力機器405
による操作がなければCPU404が表示モード制御回路419による制御を行わないた
め、切替回路418より出力される第1のクロック信号は切り替わらない。すなわち、ス
テップ501の状態を保持するものとなる。一方、外部入力機器405による操作がある
場合、すなわち外部入力機器405において操作ボタン等の操作がある場合には、CPU
404により表示モード制御回路419を介して切替回路418を切り替える。具体的に
は、切替回路418より出力される第1のクロック信号が分周回路417より出力される
第2のクロック信号に切り替わる。
【0049】
次いで図5のステップ504について説明する。ステップ504では、第2の静止画表示
期間における第2の静止画書き込み動作が行われる。ステップ504は図2(B)での第
2の画像信号の書き込み期間W2での動作に相当する。このとき図4では、表示モード制
御回路419により切替回路418から出力されるクロック信号として、分周回路417
からの第2のクロック信号が選択される。当該第2のクロック信号を用いて、画像信号出
力回路421による第2の画像信号の記憶回路403からの読み出し、及び制御信号生成
回路420での制御信号等の生成が行われる。そして表示パネル401では、視認者が画
像の切り替わりを認識できる程度の書き換え速度とすることができる。これは紙媒体にお
けるページの切替時の認識に相当するため、表示切替時における紙媒体との違和感を低減
することができる。
【0050】
次いで図5のステップ505について説明する。ステップ505では、第2の静止画表示
期間における第2の静止画保持動作が行われる。ステップ505は図2(B)での第2の
画像信号の保持期間H2での動作に相当する。このとき図4では、制御信号生成回路42
0及び画像信号出力回路421からの制御信号及び画像信号の表示パネル401への出力
を停止する。このとき液晶素子に印加された第2の画像信号は、酸化物半導体を半導体層
に用いたトランジスタをオフ状態とすることで保持され続けることができる。そのため、
制御信号生成回路420及び画像信号出力回路421を停止することによる低消費電力化
を図ることができる。なお累積時間の経過により液晶素子に印加した電圧の降下が表示品
位の低下を招かない程度で、保持期間を1秒以上とすることには、人間の目の疲労を減ら
せるといった効果もある。
【0051】
なお再度ステップ501のように同じ第1の画像信号を表示する場合には、ステップ50
1及びステップ502と同様の処理を行えばよい。また再度ステップ503のように表示
モード制御回路419が切替回路418の動作を切り替える場合には、ステップ504及
びステップ505と同様の処理を行えばよい。
【0052】
次いで、本実施の形態の構成とすることによる利点について、図6(A)乃至(C)に概
念図を示し説明することにする。
【0053】
図6(A)には、紙媒体の書籍の斜視図を示し、ページをめくる動作について時間の経過
の様子を表している。図示するまでもないが、視認者には、紙媒体の書籍601ではペー
ジをめくる時間を経て次のページの文字602が視野に現れる。
【0054】
一方、液晶表示装置を具備する電子書籍は、例えば図6(B)に示すように操作ボタン6
11と表示パネル612を有する。図6(B)のように操作ボタン611を押すことで瞬
時に表示が切り替わる構成では、図6(A)と異なり表示の切り替わりによる違和感を生
じることがあり得る。また意図しないページの切り替わりが生じても、瞬時に認識できな
いといったこともあり得る。
【0055】
図6(B)の概念図に対し、本実施の形態の構成では、図6(C)に示すように、表示パ
ネルに表示される画像の更新を行う際、画像信号の書き込み期間に一定の時間をかけて行
うことができるため、表示が変化する領域621と、表示が変化していない領域622と
が混在する表示を経て、表示が切り替わる。本実施の形態の構成では、通常の書き込み動
作時には基準クロック生成回路による第1のクロック信号を用いて表示を行い、ページの
切り替わりのように、画像の更新を行う際の書き込み動作の時には分周回路を用いた第2
のクロック信号を用いることによって表示の切り替えを行う。その結果、ページめくりの
時には書き込みを徐々に行うため、視認者がページめくりを視覚的に捉えることができる

【0056】
以上説明したように、本発明の一態様により、表示素子に印加される電圧が変化すること
による表示品位の低下、表示切替時における紙媒体との違和感を低減することのできる表
示装置を提供することができる。
【0057】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0058】
(実施の形態2)
本実施の形態では、本明細書に開示する表示装置に適用できるトランジスタの例を示す。
【0059】
図7(A)乃至(D)にトランジスタの断面構造の一例を示す。
【0060】
図7(A)に示すトランジスタ1210は、ボトムゲート構造のトランジスタの一つであ
り、逆スタガ型トランジスタともいう。
【0061】
トランジスタ1210は、絶縁表面を有する基板1200上に、ゲート電極層1201、
ゲート絶縁層1202、半導体層1203、ソース電極層1205a、及びドレイン電極
層1205bを含む。また、トランジスタ1210を覆い、半導体層1203に積層する
絶縁層1207が設けられている。絶縁層1207上にはさらに保護絶縁層1209が形
成されている。
【0062】
図7(B)に示すトランジスタ1220は、チャネル保護型(チャネルストップ型ともい
う)と呼ばれるボトムゲート構造の一つであり逆スタガ型トランジスタともいう。
【0063】
トランジスタ1220は、絶縁表面を有する基板1200上に、ゲート電極層1201、
ゲート絶縁層1202、半導体層1203、半導体層1203のチャネル形成領域上に設
けられたチャネル保護層として機能する絶縁層1227、ソース電極層1205a、及び
ドレイン電極層1205bを含む。また、トランジスタ1220を覆い、保護絶縁層12
09が形成されている。
【0064】
図7(C)に示すトランジスタ1230はボトムゲート型のトランジスタであり、絶縁表
面を有する基板である基板1200上に、ゲート電極層1201、ゲート絶縁層1202
、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205b、及び半導体層1203を含む。
また、トランジスタ1230を覆い、半導体層1203に接する絶縁層1207が設けら
れている。絶縁層1207上にはさらに保護絶縁層1209が形成されている。
【0065】
トランジスタ1230においては、ゲート絶縁層1202は基板1200及びゲート電極
層1201上に接して設けられ、ゲート絶縁層1202上にソース電極層1205a、ド
レイン電極層1205bが接して設けられている。そして、ゲート絶縁層1202、及び
ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205b上に半導体層1203が設けられて
いる。
【0066】
図7(D)に示すトランジスタ1240は、トップゲート構造のトランジスタの一つであ
る。トランジスタ1240は、絶縁表面を有する基板1200上に、絶縁層1247、半
導体層1203、ソース電極層1205a、及びドレイン電極層1205b、ゲート絶縁
層1202、ゲート電極層1201を含み、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1
205bにそれぞれ配線層1246a、配線層1246bが接して設けられ電気的に接続
している。
【0067】
本実施の形態では、半導体層1203として酸化物半導体を用いる。
【0068】
酸化物半導体としては、四元系金属酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn−O系金属酸化
物や、三元系金属酸化物であるIn−Ga−Zn−O系金属酸化物、In−Sn−Zn−
O系金属酸化物、In−Al−Zn−O系金属酸化物、Sn−Ga−Zn−O系金属酸化
物、Al−Ga−Zn−O系金属酸化物、Sn−Al−Zn−O系金属酸化物や、二元系
金属酸化物であるIn−Zn−O系金属酸化物、Sn−Zn−O系金属酸化物、Al−Z
n−O系金属酸化物、Zn−Mg−O系金属酸化物、Sn−Mg−O系金属酸化物、In
−Mg−O系金属酸化物や、In−O系金属酸化物、Sn−O系金属酸化物、Zn−O系
金属酸化物などを用いることができる。また、上記金属酸化物の半導体にSiOを含ん
でもよい。ここで、例えば、In−Ga−Zn−O系金属酸化物とは、少なくともInと
GaとZnを含む酸化物であり、その組成比に特に制限はない。また、InとGaとZn
以外の元素を含んでもよい。
【0069】
また、酸化物半導体は、化学式InMO(ZnO)(m>0)で表記される薄膜を用
いることができる。ここで、Mは、Zn、Ga、Al、MnおよびCoから選ばれた一ま
たは複数の金属元素を示す。例えばMとして、Ga、Ga及びAl、Ga及びMn、また
はGa及びCoなどがある。
【0070】
なお本実施の形態の構成において酸化物半導体は、n型不純物である水素を酸化物半導体
から除去し、酸化物半導体の主成分以外の不純物が極力含まれないように高純度化するこ
とにより真性(i型)とし、又は真性型としたものである。すなわち、不純物を添加して
i型化するのでなく、水素や水等の不純物を極力除去したことにより、高純度化されたi
型(真性半導体)又はそれに近づけたものである。加えて、酸化物半導体は、2.0eV
以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3.0eV以上のバンドギャップを有
する。そのため、酸化物半導体は、熱励起に起因するキャリアの発生を抑制することがで
きる。その結果、酸化物半導体によってチャネル形成領域が構成されたトランジスタの動
作温度の上昇に伴うオフ電流の増加を低減することができる。
【0071】
また、高純度化された酸化物半導体中にはキャリアが極めて少なく(ゼロに近い)、キャ
リア濃度は1×1014/cm未満、好ましくは1×1012/cm未満、さらに好
ましくは1×1011/cm未満である。
【0072】
酸化物半導体中にキャリアが極めて少ないため、トランジスタのオフ電流を少なくするこ
とができる。具体的には、上述の酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタは、チャ
ネル幅1μmあたりのオフ電流を10aA/μm(1×10−17A/μm)以下にする
こと、さらには1aA/μm(1×10−18A/μm)以下、さらには10zA/μm
(1×10−20A/μm)にすることが可能である。つまりトランジスタの非導通状態
において、酸化物半導体は絶縁体とみなせて回路設計を行うことができる。一方で、酸化
物半導体は、トランジスタの導通状態においては、非晶質シリコンで形成される半導体層
よりも高い電流供給能力を見込むことができる。
【0073】
酸化物半導体を半導体層1203に用いたトランジスタ1210、1220、1230、
1240は、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低くすることができる。よって、
画像イメージデータ等の電気信号の保持時間を長くすることができ、書き込み間隔も長く
設定できる。よって、リフレッシュレートを小さくすることができるため、より消費電力
を抑制する効果を高くできる。
【0074】
また、酸化物半導体を半導体層1203に用いたトランジスタ1210、1220、12
30、1240は、非晶質半導体を用いたものとしては比較的高い電界効果移動度が得ら
れるため、高速駆動が可能である。よって、表示装置の高機能化及び高速応答化が実現で
きる。
【0075】
絶縁表面を有する基板1200に使用することができる基板に大きな制限はないが、少な
くとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有していることが必要となる。バリウム
ホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板を用いることができる。
【0076】
また、ガラス基板としては、後の加熱処理の温度が高い場合には、歪み点が730℃以上
のものを用いると良い。また、ガラス基板には、例えば、アルミノシリケートガラス、ア
ルミノホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラスなどのガラス材料が用いられている
。なお、酸化ホウ素(B)より酸化バリウム(BaO)を多く含むガラス基板を用
いてもよい。
【0077】
なお、上記のガラス基板に代えて、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などの絶
縁体でなる基板を用いても良い。他にも、結晶化ガラスなどを用いることができる。また
、プラスチック基板等も適宜用いることができる。
【0078】
ボトムゲート構造のトランジスタ1210、1220、1230において、下地膜となる
絶縁膜を基板とゲート電極層の間に設けてもよい。下地膜は、基板からの不純物元素の拡
散を防止する機能があり、窒化シリコン膜、酸化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、又は
酸化窒化シリコン膜から選ばれた一又は複数の膜による積層構造により形成することがで
きる。
【0079】
ゲート電極層1201の材料は、モリブデン、チタン、クロム、タンタル、タングステン
、アルミニウム、銅、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする
合金材料を用いて、単層でまたは積層して形成することができる。
【0080】
例えば、ゲート電極層1201の2層の積層構造としては、アルミニウム層上にモリブデ
ン層が積層された2層の積層構造、または銅層上にモリブデン層を積層した2層構造、ま
たは銅層上に窒化チタン層若しくは窒化タンタル層を積層した2層構造、窒化チタン層と
モリブデン層とを積層した2層構造とすることが好ましい。3層の積層構造としては、タ
ングステン層または窒化タングステン層と、アルミニウムとシリコンの合金層またはアル
ミニウムとチタンの合金層と、窒化チタン層またはチタン層とを積層した積層とすること
が好ましい。なお、透光性を有する導電膜を用いてゲート電極層を形成することもできる
。透光性を有する導電膜としては、透光性導電性酸化物等をその例に挙げることができる

【0081】
ゲート絶縁層1202は、プラズマCVD法又はスパッタリング法等を用いて、酸化シリ
コン層、窒化シリコン層、酸化窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、酸化アルミニウム
層、窒化アルミニウム層、酸化窒化アルミニウム層、窒化酸化アルミニウム層、又は酸化
ハフニウム層を単層で又は積層して形成することができる。
【0082】
ゲート絶縁層1202は、ゲート電極層側から窒化シリコン層と酸化シリコン層を積層し
た構造とすることもできる。例えば、第1のゲート絶縁層としてスパッタリング法により
膜厚50nm以上200nm以下の窒化シリコン層(SiN(y>0))を形成し、第
1のゲート絶縁層上に第2のゲート絶縁層として膜厚5nm以上300nm以下の酸化シ
リコン層(SiO(x>0))を積層して、膜厚100nmのゲート絶縁層とする。ゲ
ート絶縁層1202の膜厚は、トランジスタに要求される特性によって適宜設定すればよ
く350nm乃至400nm程度でもよい。
【0083】
ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bに用いる導電膜としては、例えば、
Al、Cr、Cu、Ta、Ti、Mo、Wからから選ばれた元素、または上述した元素を
成分とする合金か、上述した元素を組み合わせた合金膜等を用いることができる。また、
Al、Cuなどの金属層の下側又は上側の一方または双方にCr、Ta、Ti、Mo、W
などの高融点金属層を積層させた構成としても良い。また、Si、Ti、Ta、W、Mo
、Cr、Nd、Sc、YなどAl膜に生ずるヒロックやウィスカーの発生を防止する元素
が添加されているAl材料を用いることで耐熱性を向上させることが可能となる。
【0084】
また、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bは、単層構造でも、2層以上
の積層構造としてもよい。例えば、シリコンを含むアルミニウム膜の単層構造、アルミニ
ウム膜上にチタン膜を積層する2層構造、Ti膜と、そのTi膜上に重ねてアルミニウム
膜を積層し、さらにその上にTi膜を成膜する3層構造などが挙げられる。
【0085】
ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bに接続する配線層1246a、配線
層1246bのような導電膜も、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205bと
同様な材料を用いることができる。
【0086】
また、ソース電極層1205a、ドレイン電極層1205b(これと同じ層で形成される
配線層を含む)となる導電膜を導電性の金属酸化物で形成しても良い。導電性の金属酸化
物としては酸化インジウム(In)、酸化スズ(SnO)、酸化亜鉛(ZnO)
、酸化インジウムスズ、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In―ZnO)または前記
金属酸化物材料にシリコン若しくは酸化シリコンを含ませたものを用いることができる。
【0087】
絶縁層1207、1227、1247、保護絶縁層1209としては、酸化絶縁層、又は
窒化絶縁層などの無機絶縁膜を好適に用いることができる。
【0088】
絶縁層1207、1227、1247は、代表的には酸化シリコン膜、酸化窒化シリコン
膜、酸化アルミニウム膜、または酸化窒化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いること
ができる。
【0089】
保護絶縁層1209は、窒化シリコン膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化シリコン膜、窒
化酸化アルミニウム膜などの無機絶縁膜を用いることができる。
【0090】
また、保護絶縁層1209上にトランジスタ起因の表面凹凸を低減するために平坦化絶縁
膜を形成してもよい。平坦化絶縁膜としては、ポリイミド、アクリル、ベンゾシクロブテ
ン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上
記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リン
ガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料
で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜を形成してもよい。
【0091】
このように、本実施の形態において、酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタを用
いる表示装置を提供することができる。
【0092】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0093】
(実施の形態3)
本実施の形態では、液晶表示装置の外観及び断面等を示し、その構成について説明する。
具体的には、トランジスタを作製し、該トランジスタを画素部、さらには駆動回路に用い
て表示機能を有する液晶表示装置を作製することができる。また、トランジスタを用いた
駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを
形成することができる。
【0094】
なお液晶表示装置とは、コネクター、例えばFPC(Flexible printed
circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)
テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられた
モジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、また
は表示素子にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接
実装されたモジュールも全て液晶表示装置に含むものとする。
【0095】
液晶表示装置の外観及び断面について、図8(A1)(A2)(B)を用いて説明する。
図8(A1)(A2)は、トランジスタ4010、4011、及び液晶素子4013を、
第1の基板4001と第2の基板4006との間にシール材4005によって封止した、
パネルの平面図であり、図8(B)は、図8(A1)(A2)のM−Nにおける断面図に
相当する。
【0096】
第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲む
ようにして、シール材4005が設けられている。また画素部4002と、走査線駆動回
路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって画素部4002と、走査
線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006
とによって、液晶層4008と共に封止されている。また第1の基板4001上のシール
材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶
半導体膜又は多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。
【0097】
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に限定されるものではなく、COG方法、
ワイヤボンディング方法、或いはTAB方法などを用いることができる。図8(A1)は
、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図8(A2)は、TA
B方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
【0098】
また第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、
トランジスタを複数有しており、図8(B)では、画素部4002に含まれるトランジス
タ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示してい
る。トランジスタ4010、4011上には絶縁層4041a、4041b、4042a
、4042b、4020、4021が設けられている。
【0099】
トランジスタ4010、4011は、酸化物半導体を半導体層に用いたトランジスタを適
用することができる。本実施の形態において、トランジスタ4010、4011はnチャ
ネル型トランジスタである。
【0100】
絶縁層4021上において、駆動回路用のトランジスタ4011の酸化物半導体を用いた
チャネル形成領域と重なる位置に導電層4040が設けられている。導電層4040を酸
化物半導体を用いたチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、BT(Bia
s Temperature)試験前後におけるトランジスタ4011のしきい値電圧の
変化量を低減することができる。また、導電層4040は、電位がトランジスタ4011
のゲート電極層と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能
させることもできる。また、導電層4040の電位がGND、0V、或いはフローティン
グ状態であってもよい。
【0101】
また、液晶素子4013が有する画素電極層4030は、トランジスタ4010と電気的
に接続されている。そして液晶素子4013の対向電極層4031は第2の基板4006
上に形成されている。画素電極層4030と対向電極層4031と液晶層4008とが重
なっている部分が、液晶素子4013に相当する。なお、画素電極層4030、対向電極
層4031はそれぞれ配向膜として機能する絶縁層4032、4033が設けられ、絶縁
層4032、4033を介して液晶層4008を挟持している。
【0102】
なお、第1の基板4001、第2の基板4006としては、透光性基板を用いることがで
き、ガラス、セラミックス、プラスチックを用いることができる。プラスチックとしては
、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PV
F(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィ
ルムを用いることができる。
【0103】
また4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、
画素電極層4030と対向電極層4031との間の距離(セルギャップ)を制御するため
に設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。また、対向電極層4031
は、トランジスタ4010と同一基板上に設けられる共通電位線と電気的に接続される。
共通接続部を用いて、一対の基板間に配置される導電性粒子を介して対向電極層4031
と共通電位線とを電気的に接続することができる。なお、導電性粒子はシール材4005
に含有させることができる。
【0104】
また、配向膜を用いないブルー相を示す液晶を用いてもよい。ブルー相は液晶相の一つで
あり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直
前に発現する相である。ブルー相は狭い温度範囲でしか発現しないため、温度範囲を改善
するために5重量%以上のカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて液晶層4008に
用いる。ブルー相を示す液晶とカイラル剤とを含む液晶組成物は、応答速度が1msec
以下と短く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。
【0105】
なお透過型液晶表示装置の他に、半透過型液晶表示装置でも適用できる。
【0106】
また、液晶表示装置では、基板の外側(視認側)に偏光板を設け、内側に着色層、表示素
子に用いる電極層という順に設ける例を示すが、偏光板は基板の内側に設けてもよい。ま
た、偏光板と着色層の積層構造も本実施の形態に限定されず、偏光板及び着色層の材料や
作製工程条件によって適宜設定すればよい。また、表示部以外にブラックマトリクスとし
て機能する遮光膜を設けてもよい。
【0107】
トランジスタ4011は、チャネル保護層として機能する絶縁層4041aと、酸化物半
導体を用いた半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層4041bとが形成さ
れている。同様にトランジスタ4010は、チャネル保護層として機能する絶縁層404
2aと、酸化物半導体を用いた半導体層の積層の周縁部(側面を含む)を覆う絶縁層40
42bとが形成されている。
【0108】
酸化物半導体を用いた半導体層の周縁部(側面を含む)を覆う酸化物絶縁層である絶縁層
4041b、4042bは、ゲート電極層と、その上方または周辺に形成される配線層(
ソース配線層や容量配線層など)との距離を大きくし、寄生容量の低減を図ることができ
る。また、トランジスタの表面凹凸を低減するため平坦化絶縁膜として機能する絶縁層4
021で覆う構成となっている。ここでは、絶縁層4041a、4041b、4042a
、4042bとして、一例としてスパッタ法により酸化珪素膜を形成する。
【0109】
また、絶縁層4041a、4041b、4042a、4042b上に絶縁層4020が形
成されている。絶縁層4020は、一例としてRFスパッタ法により窒化珪素膜を形成す
る。
【0110】
また、平坦化絶縁膜として絶縁層4021を形成する。絶縁層4021としては、ポリイ
ミド、アクリル、ベンゾシクロブテン、ポリアミド、エポキシ等の、耐熱性を有する有機
材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)
、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いる
ことができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁層
4021を形成してもよい。
【0111】
なおシロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−S
i結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキ
ル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有してい
ても良い。
【0112】
本実施の形態では、画素部の複数のトランジスタをまとめて窒化物絶縁膜で囲む構成とし
てもよい。絶縁層4020とゲート絶縁層とに窒化物絶縁膜を用いて、図8(B)に示す
ように少なくともアクティブマトリクス基板の画素部の周縁を囲むように絶縁層4020
とゲート絶縁層とが接する領域を設ける構成とすればよい。この製造プロセスでは、外部
からの水分の侵入を防ぐことができる。また、液晶表示装置としてデバイスが完成した後
にも長期的に、外部からの水分の侵入を防ぐことができデバイスの長期信頼性を向上する
ことができる。
【0113】
絶縁層4021の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタ法、SOG法
、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法、スクリーン
印刷、オフセット印刷等)等の方法、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコータ
ー、ナイフコーター等のツールを用いることができる。絶縁層4021の焼成工程と半導
体層のアニールを兼ねることで効率よく液晶表示装置を作製することが可能となる。
【0114】
画素電極層4030、対向電極層4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物
、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、
酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウムスズ、インジウム亜鉛酸化物、酸
化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの透光性の導電性材料を用いることができる

【0115】
また、画素電極層4030、対向電極層4031として、導電性高分子(導電性ポリマー
ともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性組成物を用いて形
成した画素電極は、シート抵抗が10000Ω/□以下、波長550nmにおける透光率
が70%以上であることが好ましい。また、導電性組成物に含まれる導電性高分子の抵抗
率が0.1Ω・cm以下であることが好ましい。
【0116】
導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例え
ば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンま
たはその誘導体、若しくはこれらの2種以上の共重合体などがあげられる。
【0117】
また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4
002に与えられる各種信号及び電位は、FPC4018から供給されている。
【0118】
接続端子電極4015が、液晶素子4013が有する画素電極層4030と同じ導電膜か
ら形成され、端子電極4016は、トランジスタ4010、4011のソース電極層及び
ドレイン電極層と同じ導電膜で形成されている。
【0119】
接続端子電極4015は、FPC4018が有する端子と、異方性導電膜4019を介し
て電気的に接続されている。
【0120】
また図8においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装
している例を示しているがこの構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装
しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実
装しても良い。
【0121】
図9は、液晶表示装置を構成する一例を示している。
【0122】
図9は液晶表示装置の一例であり、TFT基板2600と対向基板2601がシール材2
602により固着され、その間にTFT等を含む画素部2603、液晶層を含む表示素子
2604、着色層2605が設けられ表示領域を形成している。着色層2605はカラー
表示を行う場合に必要であり、RGB方式の場合は、赤、緑、青の各色に対応した着色層
が各画素に対応して設けられている。TFT基板2600と対向基板2601の外側には
偏光板2606、偏光板2607、拡散板2613が配設されている。光源は冷陰極管2
610と反射板2611により構成される。回路基板2612は、フレキシブル配線基板
2609によりTFT基板2600の配線回路部2608と接続され、コントロール回路
や電源回路などの外部回路が組みこまれている。また偏光板と、液晶層との間に位相差板
を有した状態で積層してもよい。
【0123】
液晶表示装置の駆動方式には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS
(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field
Switching)モード、MVA(Multi−domain Vertical
Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Al
ignment)モード、ASM(Axially Symmetric aligne
d Micro−cell)モード、OCB(Optically Compensat
ed Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric L
iquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric
Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
【0124】
以上の工程により、液晶表示装置を作製することができる。
【0125】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【0126】
(実施の形態4)
本実施の形態では、上記実施の形態で示す液晶表示装置において、タッチパネル機能を付
加した液晶表示装置の構成について、図10(A)、(B)を用いて説明する。
【0127】
図10(A)は、本実施の形態の液晶表示装置の概略図である。図10(A)には、上記
実施の形態の液晶表示装置である液晶表示パネル1501にタッチパネルユニット150
2を重畳して設け、筐体1503(ケース)にて合着させる構成について示している。タ
ッチパネルユニット1502は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式
等を適宜用いることができる。
【0128】
図10(A)に示すように、液晶表示パネル1501とタッチパネルユニット1502
とを別々に作製し重畳することにより、タッチパネル機能を付加した液晶表示装置の作製
に係るコストの削減を図ることができる。
【0129】
図10(A)とは異なるタッチパネル機能を付加した液晶表示装置の構成について、図
10(B)に示す。図10(B)に示す液晶表示装置1504は、複数設けられる画素1
505に光センサ1506、液晶素子1507を有する。そのため、図10(A)とは異
なり、タッチパネルユニット1502を重畳して作製する必要がなく、液晶表示装置の薄
型化を図ることができる。なお、画素1505とともにゲート線駆動回路1508、信号
線駆動回路1509、光センサ用駆動回路1510を画素1505と同じ基板上に作製す
ることで、液晶表示装置の小型化を図ることができる。なお光センサ1506は、アモル
ファスシリコン等で形成し、酸化物半導体を用いたトランジスタと重畳して形成する構成
としてもよい。
【0130】
なお、本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0131】
(実施の形態5)
本実施の形態においては、上記実施の形態で説明した液晶表示装置を具備する電子機器の
例について説明する。
【0132】
図11(A)は電子書籍(E−bookともいう)であり、筐体9630、表示部963
1、操作キー9632、太陽電池9633、充放電制御回路9634を有することができ
る。図11(A)に示した電子書籍は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)
を表示する機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示
した情報を操作又は編集する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制
御する機能、等を有することができる。なお、図11(A)では充放電制御回路9634
の一例としてバッテリー9635、DCDCコンバータ(以下、コンバータ9636と略
記)を有する構成について示している。
【0133】
図11(A)に示す構成とすることにより、表示部9631として半透過型の液晶表示装
置を用いる場合、比較的明るい状況下での使用も予想され、太陽電池9633による発電
、及びバッテリー9635での充電を効率よく行うことができ、好適である。なお太陽電
池9633は、筐体9630の表面及び裏面でバッテリー9635の充電を行う構成とす
ることができるため好適である。なおバッテリー9635としては、リチウムイオン電池
を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
【0134】
また図11(A)に示す充放電制御回路9634の構成、及び動作について図11(B)
にブロック図を示し説明する。図11(B)は、太陽電池9633、バッテリー9635
、コンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部963
1について示しており、バッテリー9635、コンバータ9636、コンバータ9637
、スイッチSW1乃至SW3が充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
【0135】
まず外光により太陽電池9633による発電がされる場合の動作の例について説明する。
太陽電池で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようコンバ
ータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9
633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で
表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をする。また、表示部9631での表示を
行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行
う構成とすればよい。
【0136】
次いで外光により太陽電池9633により発電がされない場合の動作の例について説明す
る。バッテリー9635に蓄電された電力は、スイッチSW3をオンにすることでコンバ
ータ9637により昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作にバッテ
リー9635からの電力が用いられる。
【0137】
なお太陽電池9633については、充電手段の一例として示したが、他の手段によるバッ
テリー9635の充電を行う構成であってもよい。また他の充電手段を組み合わせて行う
構成としてもよい。
【0138】
本実施の形態は、他の実施の形態に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能
である。
【符号の説明】
【0139】
101 第1の静止画表示期間
102 第2の静止画表示期間
103 期間
104 期間
105 期間
106 期間
301 期間
400 液晶表示装置
401 表示パネル
402 ディスプレイコントローラ
403 記憶回路
404 CPU
405 外部入力機器
406 表示部
407 駆動回路部
408 ゲート線
409 ソース線
410 画素
411 トランジスタ
412 液晶素子
413 容量素子
414 ゲート線駆動回路
415 ソース線駆動回路
416 基準クロック生成回路
417 分周回路
418 切替回路
419 表示モード制御回路
420 制御信号生成回路
421 画像信号出力回路
501 ステップ
502 ステップ
503 ステップ
504 ステップ
505 ステップ
601 書籍
602 文字
611 操作ボタン
612 表示パネル
621 領域
622 領域
1200 基板
1201 ゲート電極層
1202 ゲート絶縁層
1203 半導体層
1205a ソース電極層
1205b ドレイン電極層
1246a 配線層
1246b 配線層
1207 絶縁層
1209 保護絶縁層
1210 トランジスタ
1220 トランジスタ
1227 絶縁層
1230 トランジスタ
1240 トランジスタ
1247 絶縁層
1501 液晶表示パネル
1502 タッチパネルユニット
1503 筐体
1504 液晶表示装置
1505 画素
1506 光センサ
1507 液晶素子
1508 ゲート線駆動回路
1509 信号線駆動回路
1510 光センサ用駆動回路
2600 TFT基板
2601 対向基板
2602 シール材
2603 画素部
2604 表示素子
2605 着色層
2606 偏光板
2607 偏光板
2608 配線回路部
2609 フレキシブル配線基板
2610 冷陰極管
2611 反射板
2612 回路基板
2613 拡散板
4001 基板
4002 画素部
4003 信号線駆動回路
4004 走査線駆動回路
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 トランジスタ
4011 トランジスタ
4013 液晶素子
4015 接続端子電極
4016 端子電極
4018 FPC
4019 異方性導電膜
4020 絶縁層
4021 絶縁層
4030 画素電極層
4031 対向電極層
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4040 導電層
4041a 絶縁層
4041b 絶縁層
4042a 絶縁層
4042b 絶縁層
9630 筐体
9631 表示部
9632 操作キー
9633 太陽電池
9634 充放電制御回路
9635 バッテリー
9636 コンバータ
9637 コンバータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の画像信号の書き込み期間及び前記第1の画像信号の保持期間を有する第1の静止画表示期間と、第2の画像信号の書き込み期間及び前記第2の画像信号の保持期間を有する第2の静止画表示期間と、を切り替えて表示させるためのディスプレイコントローラを有し、前記ディスプレイコントローラは、前記第1の静止画表示期間の書き込み期間と、前記第2の静止画表示期間の書き込み期間と、の長さを異ならせることを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−252346(P2012−252346A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−162585(P2012−162585)
【出願日】平成24年7月23日(2012.7.23)
【分割の表示】特願2011−35824(P2011−35824)の分割
【原出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】