説明

表示駆動装置及び表示装置

【課題】階調アンプのオフセットの影響を軽減することが可能な表示駆動装置及びそのような表示駆動装置を備える表示装置を提供すること。
【解決手段】極性反転スイッチ部231の極性反転スイッチSWa、SWbにより、ガンマアンプ232a、232bに入力される電圧の極性を所定期間毎に反転させる。これにより、交流駆動を行うとともに、極性反転の前後で、表示データに対して同じ階調アンプが用いられるので、階調アンプにオフセットがあったとしても、極性反転の前後でその影響がキャンセルされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階調アンプ方式を用いた表示駆動を行うことができる表示駆動装置及びそのような表示駆動装置を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置において階調表示を行うための方式の一つとして、階調アンプ方式とよばれる方式がある。階調アンプ方式は、電源電圧を抵抗分割等の手法によって分割して生成される複数の階調電圧の中から表示データの示す階調レベルに応じた階調電圧を選択して表示画素に供給することで階調表示を行う方式である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図6は従来の階調アンプ方式のソースドライバの回路構成の一例を示す図である。図6に示すソースドライバにおいては、階調電圧を生成するための電圧を生成する電源VγH及びVγLとは電位が固定されている。これら電源VγHとVγLとの間に生じる電圧は、ガンマアンプ101a、101bを介してガンマ抵抗部102に印加される。ガンマ抵抗部102は、液晶のVT(電圧−透過率)特性に応じた抵抗値をそれぞれが有するn個の抵抗R1〜Rnを有し、これらの抵抗が直列に接続されて構成されている。ガンマ抵抗部102に印加された電源VγH及びVγLとの間に生じる電圧は、n個の抵抗R1〜Rnによって分割されて、階調アンプ部104に供給される。階調アンプ部104は、n個の階調アンプV1〜Vnを有している。階調アンプV1〜Vnは、供給された電圧に対してバッファ回路として動作し、供給された電圧(階調電圧)をデジタルアナログコンバータ(DAC)部105に供給する。DAC部105は、それぞれが階調アンプV1〜Vnに接続されたp個のDAC1〜DACpを有している。DAC1〜DACpにはmビットの表示データD1〜Dpが入力され、DAC1〜DACpは、入力された表示データの値に応じた階調電圧を選択し、選択した階調電圧Y1〜Ypを、ソースラインを介して表示画素に供給する。表示画素は、ソースラインに接続された画素電極と画素電極に対向配置された対向電極とを有し、画素電極に印加された階調電圧と対向電極に印加された共通電圧との差の電圧が液晶に印加されて階調表示が行われる。
【0004】
ここで、液晶には、一定時間以上の直流電圧の印加によって劣化する性質がある。このため、通常、液晶表示装置の駆動には、表示画素に印加される電圧の極性を所定時間(例えば、1フレームや1フィールド)毎に反転させる、所謂交流駆動を行う必要がある。図6においては、ガンマ抵抗部102の抵抗R1〜Rnと、階調アンプ部104の階調アンプV1〜Vnとの間に極性反転スイッチSW1a〜SWna及びSW1b〜SWnbからなる極性反転スイッチ部103を設けることで、極性反転スイッチ部103に供給される極性制御信号POLに応じて階調アンプV1〜Vpへの入力電圧の極性を反転させるようにしている。例えば、表示データ=0に対しては、POLがLowレベルのときに階調アンプV1に対応した階調電圧が画素電極に供給され、POLがHiレベルのときに階調アンプにVnに対応した階調電圧が画素電極に供給される。
【特許文献1】特開2007−17597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、図6の構成では、表示画素に印加される電圧の極性の反転前後で、1つの表示データ値(階調レベル)に対し、異なる2つの階調アンプによって表示画素に階調電圧が供給されることになる。ここで、階調アンプは、オフセットを有している場合が考えられる。階調アンプがオフセットを有していると、所望の階調での表示がなされない場合がある。
【0006】
例えば、図6で示すn個の階調アンプV1〜Vnのうち、階調アンプV2と階調アンプVn−1とがともに目的の階調電圧よりも高い電圧を出力してしまうようなオフセットを有しているとする。この場合、図7に示すように、POLがHiレベルのときに階調アンプVn−1に対応した電圧と共通電圧Vcomとの差である画素電圧VLCDが目的の電圧よりも小さくなる。また、POLがLowレベルのときに階調アンプV2に対応した電圧と共通電圧Vcomとの差である画素電圧VLCDが目的の電圧よりも小さくなる。即ち、階調電圧の極性反転の前後で何れも目的の電圧よりも小さくなるため、結果として、目的とする階調よりも明るい階調の表示なされてしまう。
【0007】
このように、図6の構成では、1つの階調電圧に対応する2個の階調アンプのオフセットによっては、目的としている階調よりも明るい表示がなされたり、目的としている階調よりも暗い表示がなされたりする場合がある。また、オフセット量が階調間の電圧差よりも大きくなるような場合には、階調の逆転が起こってしまうことになる。さらには、DCアンバランスも発生してしまう。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、階調アンプのオフセットの影響を軽減することが可能な表示駆動装置及びそのような表示駆動装置を備える表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の第1の態様の表示駆動装置は、表示画素をデジタル信号の表示データに基づいて駆動する表示駆動装置において、前記表示データが取り得る全ての階調レベルに対応する複数の階調電圧を生成するための階調電圧生成手段と、前記階調電圧生成手段から出力される前記複数の階調電圧をそれぞれ増幅して出力する複数の増幅手段と、前記各増幅手段が有するオフセットの影響を除去するオフセット除去手段とを具備することを特徴とする。
【0010】
また、上記の目的を達成するために、本発明の第2の態様の表示装置は、複数の走査ライン及び複数の信号ラインの各交点近傍にマトリクス状に配列された複数の表示画素を有する表示パネルをデジタル信号の表示データに基づいて駆動して画像表示を行う表示装置において、前記複数の走査ラインに走査信号を順次出力して前記表示画素を順次選択状態に設定する走査側駆動手段と、前記選択状態に設定された表示画素に前記表示データに対応した映像信号を出力する信号側駆動手段とを具備し、前記信号側駆動手段は、前記表示データが取り得る全ての階調レベルに対応する複数の階調電圧を生成するための階調電圧生成手段と、前記階調電圧生成手段から出力される前記複数の階調電圧をそれぞれ増幅して出力する複数の増幅手段と、前記各増幅手段が有するオフセットの影響を除去するオフセット除去手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、階調アンプのオフセットの影響を軽減することが可能な表示駆動装置及びそのような表示駆動装置を備える表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示駆動装置を適用した表示装置の構成を示す図である。図1に示す表示装置1は、表示パネル10と、ソースドライバ(信号側駆動手段)20と、ゲートドライバ(走査側駆動手段)30と、RGBデコーダ40と、共通電圧発生回路50と、コントローラ60と、電源電圧発生回路70とを有している。
【0013】
表示パネル10は、行方向に配設された複数のゲートラインと、列方向に配設された複数のソースラインとを備え、ゲートラインとソースラインとの各交点近傍に図2に示す表示画素が設けられて構成されている。
【0014】
図2は、表示パネル10に設けられる1つの表示画素の等価回路を示す図である。図2に示すゲートラインGには薄膜トランジスタ(TFT)11のゲート電極が接続され、ソースラインSにはTFT11のソース電極が接続されている。さらに、TFT11のドレイン電極には画素電極12と補助容量14の一方の電極とが接続されている。そして、共通電極13と補助容量14の他方の電極とは共通信号ラインCに接続されている。さらに、画素電極12と共通電極13との間には液晶が充填され、液晶層を構成している。このような構成の表示画素において、画素電極12と共通電極13との間に電圧が印加されると、この電圧の値に応じて画素電極12と共通電極13との間に充填された液晶の配向状態が変化して液晶層中における光の透過率が変化する。これにより、図2に示す表示画素の背面等に配置された図示しない光源からの光の透過状態が変化して画像表示が行われる。
【0015】
ソースドライバ20は、図2のソースラインSが接続され、コントローラ60から出力される水平制御信号(クロック信号SCK、スタート信号STH、ラッチ動作制御信号STB等)と極性制御信号POLとに基づいて、RGBデコーダ40から供給されるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の表示データを1行単位で取り込み、この取り込んだ表示データに対応する階調電圧を選択してソースラインSに供給する。このソースドライバ20については後で詳しく説明する。
【0016】
ゲートドライバ30は、図2のゲートラインGが接続され、コントローラ60からの垂直制御信号を受け、1行分のTFT11をオンするための走査信号を各ゲートラインGに順次印加して、TFT11をオン状態とし、ソースラインSと交差する位置の表示画素における画素電極12に、ソースドライバ20からソースラインSを介して供給された階調電圧を印加する。
【0017】
RGBデコーダ40は、例えば表示装置1の外部から供給される映像信号(例えばコンポジットビデオ信号)から水平同期信号H、垂直同期信号V、及び輝度・色差信号を抽出してコントローラ60に供給するとともに、輝度・色差信号からR、G、Bの各色の表示データを生成してソースドライバ20に出力する。
【0018】
共通電圧発生回路50には、図2の共通信号ラインCが接続されている。この共通電圧発生回路50は、コントローラ60から出力される極性制御信号POLに基づいて、所定期間(例えば、1フレームや1フィールド)毎に極性が反転する共通電圧Vcomを生成して、共通信号ラインCに印加する。
【0019】
コントローラ60は、RGBデコーダ40からの垂直同期信号Vを受けて極性制御信号POL及び垂直制御信号を生成し、極性制御信号POLをソースドライバ20及び共通電圧発生回路50に、垂直制御信号をゲートドライバ30に出力する。ここで、極性制御信号POLは、液晶層に印加される電圧の極性を所定期間毎に反転させるための制御信号である。また、コントローラ60は、RGBデコーダ40からの水平同期信号Hを受けて水平制御信号を生成してソースドライバ20に出力する。
【0020】
電源電圧発生回路70は、ソースドライバ20において階調電圧を生成するための電源電圧VγL及びVγHを生成してソースドライバ20に供給する。
【0021】
次に、図1のような構成を有する表示装置1の動作について説明する。
RGBデコーダ40から垂直同期信号Vが供給されるとコントローラ60において極性制御信号POL及び垂直制御信号が生成される。そして、極性制御信号POLはソースドライバ20及び共通電圧発生回路50に、垂直制御信号はゲートドライバ30に出力される。
【0022】
ソースドライバ20に極性制御信号POLが入力されると、階調電圧の極性が反転される。さらに、ゲートドライバ30は、垂直制御信号が入力されて、1行分のTFT11をオンするための走査信号を各ゲートラインGに順次印加する。
【0023】
また、RGBデコーダ40から水平同期信号Hが供給されるとコントローラ60において水平制御信号が生成されてソースドライバ20に出力される。また、これに伴って、RGBデコーダ40から表示データが出力される。ソースドライバ20は、水平制御信号を受けてRGBデコーダ40からの表示データを取り込み、この取り込んだ表示データに対応する階調電圧を選択して対応するソースラインSに印加する。
【0024】
ゲートラインGに走査信号が印加され、ソースラインSに階調電圧が印加されると、これらの交点付近に設けられたTFT11がオンし、オンしたTFT11を介して表示画素の画素電極12と補助容量14とにソースラインSからの階調電圧が印加される。そして、この印加された階調電圧と共通電圧との差に応じた電圧が液晶層と補助容量とに保持される。液晶層に発生した電界の強さによって液晶の配向状態が変化して液晶層における光の透過率が変化する。これにより、図2に示す表示画素の背面等に配置された図示しない光源からの光の透過状態が変化して画像表示が行われる。なお、補助容量14は、液晶に印加されている電圧を次の階調電圧の印加時まで保持しておくために設けられている。
【0025】
次に、ソースドライバ20についてさらに説明する。図3は、本実施形態におけるソースドライバ20の構成を示す図である。図3に示すソースドライバ20は、データレジスタ部21と、データラッチ部22と、階調電圧生成部23と、階調アンプ部24と、デジタルアナログコンバータ(DAC)部25とを有している。
【0026】
データレジスタ部21は、RGBデコーダ40から1表示画素分の表示データ(図3ではmbitの表示データ)が順次入力され、コントローラ60からのスタート信号STHを受けた場合に、RGBデコーダ40から入力される表示データを、クロック信号SCKに同期して順次取り込む。
【0027】
データラッチ部22は、コントローラ60からのラッチ動作制御信号STBを受ける毎にデータレジスタ部21に保持された表示データを一斉に取り込み、取り込んだ表示データD1〜Dpを、DAC部25の各表示画素に対応するDACに出力する。
【0028】
階調電圧生成部23は、表示データが取り得る全ての階調レベルに応じたn(=2)個の階調電圧を生成する。階調アンプ部24は、階調電圧生成部23で生成されたn個の階調電圧をそれぞれ増幅する。
【0029】
DAC部25は、ソースラインSの数に対応したp個のデジタルアナログコンバータDAC1〜DACpを有している。それぞれのDACは、データラッチ部22から入力される表示画素毎の表示データが示す階調レベルに対応する階調電圧Y1〜Ypを選択して対応するソースラインSに出力する。
【0030】
図4は、階調電圧生成部23及び階調アンプ部24の構成を示す図である。
図4に示すように、階調電圧生成部23は、極性反転スイッチ部231と、ガンマアンプ232a、232bと、ガンマ抵抗部233とを有している。また、階調アンプ部24は、階調レベルに応じたn個の階調アンプV1〜Vnを有している。
【0031】
極性反転スイッチ部231は、極性反転スイッチSWa、SWbとを有している。極性反転スイッチSWaは一端が電源電圧発生回路70において生成された電圧VγL又はVγHの入力端子に接続され、他端がガンマアンプ232aに接続されている。極性反転スイッチSWbは一端が電源電圧発生回路70において生成された電圧VγH又はVγLの別の入力端子に接続され、他端がガンマアンプ232bに接続されている。これらの極性反転スイッチSWa、SWbは何れも極性制御信号POLの極性に応じて接続状態が切り替わるスイッチである。即ち、極性制御信号POLがHiレベルのときに極性反転スイッチSWaは電圧VγLの入力端子に接続され、極性反転スイッチSWbは電圧VγHの入力端子に接続される。逆に、極性制御信号POLがLowレベルのときに極性反転スイッチSWaは電圧VγHの入力端子に接続され、極性反転スイッチSWbは電圧VγLの入力端子に接続される。このような構成により、極性制御信号POLのレベル変化に応じてガンマアンプ232a、232bに入力される電圧の極性が反転する。
【0032】
ガンマアンプ232aは、バッファ回路として動作し、極性反転スイッチSWaを介して供給される電圧を増幅する。同様に、ガンマアンプ232bは、極性反転スイッチSWbを介して供給される電圧を増幅する。
【0033】
ガンマ抵抗部233は、表示パネル10の各表示画素の表示階調数に応じた数の抵抗R1〜Rnを有し、これら抵抗R1〜Rnが直列に接続されて構成されている。各抵抗R1〜Rnは、ガンマアンプ232a及び232bを介して供給される電圧VγHと電圧VγLとの間に発生する電圧を分割してn個の階調電圧を生成する。
【0034】
上述したように、階調アンプ部24は、ガンマ抵抗部233によって生成されるn個の階調電圧にそれぞれ対応したn個の階調アンプV1〜Vnを有している。各階調アンプV1〜Vnは、バッファ回路として動作し、ガンマ抵抗部233の各抵抗間に発生する階調電圧をそれぞれ増幅する。
【0035】
以下、図5を参照して図4の階調電圧生成部23の動作について説明する。図5は、本実施形態における階調アンプのオフセットと、表示画素に印加される画素電圧との関係を示す図である。なお、ここでは、図5で示すn個の階調アンプV1〜Vnのうち、階調アンプV2と階調アンプVn−1がオフセットを有しているとする。
【0036】
上述したように、本実施形態においては、極性制御信号POLがHiレベルのときに極性反転スイッチSWaは電圧VγLの入力端子に接続されるとともに、極性反転スイッチSWbは電圧VγHの入力端子に接続される。逆に、極性制御信号POLがLowレベルのときに極性反転スイッチSWaは電圧VγHの入力端子に接続されるとともに、極性反転スイッチSWbは電圧VγLの入力端子に接続される。即ち、本実施形態では、極性の反転時において、ガンマ抵抗部233の各抵抗R1〜Rnの接続を切り替えずに、ガンマ抵抗部233へ入力する電圧の極性を切り替えるようにしている。これにより、同一の階調レベルに対しては常に同一の階調アンプからの階調電圧をDAC部25において選択することができる。即ち、階調電圧の極性反転の前後において、表示データ(階調レベル)に対して階調アンプが固定となる。例えば、階調アンプV1は常に表示データ=0の場合に選択されることになる。
【0037】
図5で示す階調アンプVn−1(表示データ=2−2に対応)に着目すると、極性制御信号POLがLowレベルの場合に、階調アンプVn−1は、目的とする電圧よりも低い電圧を出力し、結果として画素電圧VLCDは目的とする電圧よりも低くなる。一方、極性制御信号POLがHiレベルの場合に、階調アンプVn−1は、目的とする電圧よりも高い電圧を出力し、結果として画素電圧VLCDは目的とする電圧よりも高くなる。したがって、極性制御信号POLがLowレベルの場合には、目的とする階調よりも低い階調の表示(暗い表示)がなされ、極性制御信号POLがHiレベルの場合には、目的とする階調よりも高い階調の表示(明るい表示)がなされる。ここで、オフセットの量は、極性制御信号POLの変化の前後で同じであるので、実際には、ユーザの目には、極性制御信号POLがLowレベルのときとHiレベルのときの中間の階調の表示がなされていると認識される。
【0038】
以上説明したように、本実施形態によれば、ガンマアンプ232a、232bに入力される電圧の極性を反転して交流駆動を行うようにしたことで、階調アンプのオフセットの影響をキャンセルすることが可能である。これにより、階調アンプにオフセットがあっても自然な表示が可能で且つDCアンバランスも起きることがない。また、ガンマアンプ232a、232bに入力される電圧の極性を反転して交流駆動を行うようにしたことで、ガンマアンプ232a、232bにもオフセットがあった場合に、その影響をもキャンセルすることが可能である。
【0039】
以上実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0040】
さらに、上記した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、上述したような課題を解決でき、上述したような効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示駆動装置を適用した表示装置の構成を示す図である。
【図2】表示パネルに設けられる1つの表示画素の等価回路を示す図である。
【図3】ソースドライバの構成を示す図である。
【図4】階調電圧生成部及び階調アンプ部の構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態における階調アンプのオフセットと、表示画素に印加される画素電圧との関係を示す図である。
【図6】従来の階調電圧生成部及び階調アンプ部の構成を示す図である。
【図7】従来の構成における階調アンプのオフセットと、表示画素に印加される画素電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1…表示装置、10…表示パネル、20…ソースドライバ、21…データレジスタ部、22…データラッチ部、23…階調電圧生成部、24…階調アンプ部、25…デジタルアナログコンバータ(DAC)部、30…ゲートドライバ、40…RGBデコーダ、50…共通電圧発生回路、60…コントローラ、70…電源電圧発生回路、231…極性反転スイッチ部、232a,232b…ガンマアンプ、233…ガンマ抵抗部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画素をデジタル信号の表示データに基づいて駆動する表示駆動装置において、
前記表示データが取り得る全ての階調レベルに対応する複数の階調電圧を生成するための階調電圧生成手段と、
前記階調電圧生成手段から出力される前記複数の階調電圧をそれぞれ増幅して出力する複数の増幅手段と、
前記各増幅手段が有するオフセットの影響を除去するオフセット除去手段と、
を具備することを特徴とする表示駆動装置。
【請求項2】
前記オフセット除去手段は、前記階調電圧生成手段に供給される電源電圧の極性を所定期間毎に反転させる極性反転部を有することを特徴とする請求項1に記載の表示駆動装置。
【請求項3】
前記極性反転部と、前記階調電圧生成手段との間に接続され、前記階調電圧生成手段に供給される電源電圧を増幅する電源電圧増幅手段をさらに具備し、
前記オフセット除去手段は、前記電源電圧増幅手段が有するオフセットの影響をさらに除去することを特徴とする請求項2に記載の表示駆動装置。
【請求項4】
前記表示画素は、液晶画素であり、
前記所定期間は、前記液晶画素に印加される電圧の極性反転期間に対応した期間であることを特徴とする請求項2に記載の表示駆動装置。
【請求項5】
前記階調電圧生成手段は、複数の抵抗が直列に接続されてなり、
前記階調電圧生成手段に供給される電圧は、前記直列に接続された複数の抵抗の両端に供給される電圧であることを特徴とする請求項1に記載の表示駆動装置。
【請求項6】
複数の走査ライン及び複数の信号ラインの各交点近傍にマトリクス状に配列された複数の表示画素を有する表示パネルをデジタル信号の表示データに基づいて駆動して画像表示を行う表示装置において、
前記複数の走査ラインに走査信号を順次出力して前記表示画素を順次選択状態に設定する走査側駆動手段と、
前記選択状態に設定された表示画素に前記表示データに対応した映像信号を出力する信号側駆動手段と、
を具備し、
前記信号側駆動手段は、前記表示データが取り得る全ての階調レベルに対応する複数の階調電圧を生成するための階調電圧生成手段と、
前記階調電圧生成手段から出力される前記複数の階調電圧をそれぞれ増幅して出力する複数の増幅手段と、
前記各増幅手段が有するオフセットの影響を除去するオフセット除去手段と、
を有することを特徴とする表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−139441(P2009−139441A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−312803(P2007−312803)
【出願日】平成19年12月3日(2007.12.3)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】