説明

被分析物濃度検出の装置及び方法

身体的流体試料中の被分析物の存在及び/又は濃度を検出するための配列であり、拡散透過、拡散反射及び縁部又は導波路照明配列を含む。鉛直流アッセイ及び/又は検出機構成材(100)を光学検出機要素(24)のアレイの形態で提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、被分析物(analyte)の存在及び/又は濃度を検出するための技術及び装置に、及び小量の体液の効果的な収集、輸送及び素量化(quantization)のための技術及び装置に指向する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
従来技術の調査は被分析物の存在及び/又は濃度を定めるためにアッセイを実行するための多数の技術及び装置が開発されていることを明らかにする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
(発明の概要)
本発明によれば、到達水準は、正確に、効率的に、及び経済的に被分析物の存在及び/又は濃度を定めるために、本明細書に更に記載するもののような装置及び技術の提供を通して開発された。本発明によれば、到達水準は、特に、制限されないが、個人的なグルコース(ブドウ糖)を監視する装置及び技術の情況の中で開発された。
【0004】
1種の局面に従って、本発明は身体的流体(bodily fluid)中に存在する被分析物の濃度を監視するための装置を提供し、この装置には、検出機が含まれ、検出機にはセンサが含まれ、センサには、CMOSセンサ、CCDセンサ、光ダイオード、又は近接場及び中間場(mid-field)の双方の赤外線センサが包含(including)される、赤外線センサが含まれる。また、本発明の範囲内で企図される他の検知システムには、紫外線及び蛍光検知システム及び電気化学検知システムが包含され、試薬がより一層少ない検知アプローチが包含される。
【0005】
したがって、本発明にかかるセンサ又はセンサのアレイへの本明細書での参照には、任意の適切なセンサが包含され得ることを理解すべきである。本発明は、このように、CMOS又はCCDのセンサ、光ダイオード、赤外線、蛍光、紫外線又は電気化学センサを含む本発明の具体例には制限されない。
【0006】
さらなる局面に従って、本発明は、身体的流体の試料中の被分析物の濃度が定められるようにアッセイを行うための装置を提供し、装置には:少なくとも1種の開口部を有する底部を持っている試料収集チャネル(又はチャンバ);チャネル(又はチャンバ)の少なくとも1種の開口部と連通しているアッセイパッドであって、被分析物に曝されるとき化学反応が生成するように適合される試薬を含んでおり、化学反応がアッセイパッドにおける変色を生成させる、アッセイパッド;及び変色が検出されるように、アッセイパッドに対して配置されるCMOS又は他の適切な光学検出機の線形アレイが含まれる。しかしながら、センサアレイが線形アレイのみに限られないことを理解すべきである。また、非線形アレイが本発明の範囲内で企図される。
【0007】
さらなる局面に従って、本発明はアッセイパッドの構築物を提供し、それには:赤血球が血しょうから分離されるように構成成分(構成物)を含んでおり、及び拡散反射(diffuse reflective)物質の構成物を含んでいる第1の部材(構成材);化学試薬を含んでいる第2の構成材;及びポリアミド含有メッシュ(網)を含んでいる第3の構成材が含まれる。
【0008】
さらに別の局面に従って、本発明はアッセイパッドを提供し、それには:拡散反射物質を含んでいる第1の構成材;疎水性物質を含んでいる第2の構成材;試薬を含んでいる第3の構成材;及び網又は膜を含んでいる第4の構成材が含まれる。
【0009】
第1の、第2の、第3の、及び第4の構成材についての本明細書における参照が、本発明を、これらの構成材の各々が互いから物理的に分離可能である具体例に限るものでないことを理解すべきである。例えば、本発明にかかる単一の物理的な要素は、要求される第1の、第2の、第3の、又は第4の構成材の1種よりも多くの種類の特性を実行することができる。逆に、共に稼動する複数の分かれた物理的な要素は、要求される第1の、第2の、第3の、又は第4の構成材の1種の要求される特性を実行することができる。
【0010】
加えて、本発明を、種々の試薬のより一層少ない検知アプローチと共に用い得ることを理解すべきである。さらに、本発明は、全血又は種々の血液成分と共に用いることができる。例えば、試薬のより一層少ない赤外線技術を全血又はその構成物に対して用いることができ、そこでは、全血又はその構成物がそれを通じて伝えられるべき光(例えば:赤外線)を許容することによって分析される。
【0011】
別の局面に従って、本発明は、身体的流体の試料中の被分析物の濃度が定められるようにアッセイを実行する方法を提供し、方法には、(i)第1の容量を持つ試料収集チャネル(又はチャンバ)を提供する工程;(ii)身体的流体の試料をチャネル(又はチャンバ)中に導入する工程であって、チャネル中に導入する試料が第1の容量よりも少ない第2の容量を持っている工程;(iii)試料をチャネル(又はチャンバ)からアッセイパッド上に垂直に運ぶ工程;(iv)試料中の被分析物をアッセイパッド中の化学試薬と反応させ、それによって、アッセイパッドにおいて変色を生成させる工程;及び(v)CMOS又は他の適切なセンサのアレイを用い、アッセイパッドにおける変色の領域(area)に付帯する(incident upon)アレイでの各々個々のCMOS又は他の適切なセンサで変色を検出することによって、変色を検出する工程が含まれる。
【0012】
更に別の局面に従って、本発明は、アッセイにかけられる身体的流体の試料の見積もられる容量を定める方法を提供し、方法には、(i)細長い(elongated)試料収集チャネルであって、その長さに正比例する容量を持つものを提供する工程;(ii)身体的流体の試料をチャネル中に導入する工程;(iii)試料をチャネルからアッセイパッド上に垂直に運ぶ工程;(iv)試料中の被分析物をアッセイパッド中の化学試薬と反応させ、それによって、アッセイパッドにおいて変色を生成させる工程;(v)アッセイパッドに付随する(incident to)CMOS又は他の適切なセンサの線形アレイを、変色を検出するために配置する工程であって、センサアレイの長さが収集チャネル(又はチャンバ)の長さに相応する工程;(vi)アッセイパッドにおける変色の領域に付帯するアレイでの各々個々のセンサを用いて変色を検出する工程;及び(vii)収集チャネル中の試料の見積り容量を、色の変化を検出する線形アレイにおけるセンサの数に基づいて算出する工程が含まれる。
【0013】
本明細書において用いるような、試料の“垂直の”搬送は、アッセイパッドに関する試料の動きを称し、それ自体は“上下”の方向に関するものではないことを理解するべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(発明の詳細な記載)
ブドウ糖のような、被分析物の存在及び/又は濃度の検出及び測定のための模範的な配列を、添付図面を参照することによって、以下に説明する。
【0015】
図1はその1種の配列100であり、ブドウ糖のような被分析物の存在及び/又は濃度の光学的な検出のためのものである。配列100は概して拡散透過配列として説明することができる。
【0016】
本発明のこの具体例によれば、分析されるべき物質は導管12によって(via)輸送される。分析されるべき物質が全血、間質液、又はその混合物の試料を含むとき、導管12は、中空部材又はニードル(注射針)、又は限られないが、ランセットを包含する任意の他の皮膚貫通要素(skin piercing element)の形態でよい。針は、非常に狭いゲージ、又はいわゆるマイクロニードル(顕微針)でよい。かかる針は、典型的に、40〜100マイクロメータの程度の寸法を持つ。しかしながらまた、40マイクロメータよりも小さいか、又は100マイクロメータを超える直径のものも、本発明の範囲内で企図されることを理解すべきである。
【0017】
顕微針はまた、皮膚浸透部材(skin penetration member)並びに導管として働くことができる。代わりに、皮膚浸透部材は、固体ランセット(示していない)の形態でよく、それは、身体的流体の試料が生成されるように働き、それは、次いで導管、例えば、導管12によって輸送される。
【0018】
分析されるべき物質は導管12によりチャンバ(室)14に輸送される。室は任意の適切な形態を持つことができる。1具体例に従って、室14を下側部材16及び上側部材18によって形成する。これらの部材16,18は、光がそこを介して伝えられるように構築することができる。
【0019】
アッセイパッド20を室14内に提供する。パッド20は分析されるべき物質を受け取る。パッド20は被分析物と反応する物質を備える。この反応の結果は検出可能であり、及び検出を介して発生するデータを、被分析物の存在及び/濃度を定めるのに用いる。本発明の原理に従って、パッド20は、この目的を達成するための構築物、及びその他を備える。パッド20の特異性の議論は後述する。
【0020】
光源22を、パッド20の第1の側に入射する光が生成するように提供することができる。任意の適切な光源が構想される。好適例によれば、光源には、発光ダイオード(LED)が包含される(comprises)。LED又は光源22は任意の適切な波長の入射光を提供することができる。500〜700nm程度の波長が適切である。例えば、670nm程度の波長を有する入射光を光源22から伝えることができる。ほぼ670nmで、ヘモグロビンによる入射光の吸収が減少する傾向がある。
【0021】
パッド20の第2の側を通して伝えられる光が受け取られるように、光学的検出機24を位置付け、第2の側は第1の側の反対にある。光学的検出機は、相補型金属酸化物半導体(CMOS)装置、荷電結合素子(CCD)、又は任意の光ダイオード又は任意の他の適切な検出機であって、制限されないが、赤外線センサが包含され、近接場及び中間場の赤外線センサが包含されるもののようなデジタル画像処理装置でよい。電気化学及び試薬のより一層少ない検知技術もまた、本発明の範囲内で企図される。画像処理装置は個々の検出機のアレイを含むことができる。
【0022】
本発明によれば、デジタル画像処理装置の実施は、均一な容量でない試料の分析を可能にする。これは、読み(readings)を採取する個々の検出機の能力によって少なくとも1部分において達成され、次いで、それらが平均化されるか、又は全体的な読みが発生するように結合される。より一層大量の試料は、より一層大きな“スポット”をパッド20上に形成し、及びより一層多くの個々の検出機がパッド20において起こる反応の読みを獲得する。このように、通常の個人的なブドウ糖監視装置及び同様のものによって実行されるアッセイとは違って、本発明にかかるアッセイは分析される試料の容量に依存しない。アッセイが監視装置中に組み込まれ、そこで監視が自動化された様式で実行されるとき、利用者は特定の容量の体液の試料が得られたかどうか定めることができないことが多い。通常のアッセイでは、分析〔例えば-“微量滴定(microtitration)”〕を受ける試料の特定の容量に対して、アッセイの正確さが直接的に関連する。本発明はこの依存を遮断し、それによって、個人的なブドウ糖監視装置のような、強力な、信頼できる装置を提供し、それは潜在的な試料容量の範囲にわたって効果的に機能することができる。検出機24の他の細部、及び関連する構成材は後の本文に委ねる。
【0023】
配列100はより一層大きな全体的な装置中に組み込むことができる。1具体例によれば、配列100は個人的なブドウ糖監視装置中に組み込まれる。1種の代わりのものによれば、装置は移動式(ambulatory)である。例えば、装置は利用者によって身に付けられ、及びその動作において自立的である。配列100はU.S. Patent Publication(米国特許公開)第US2002/0087056号又は (出願第10/131,268号)において記述されているもので、それらの双方を、それらの全体において参考として本明細書に組み込むもののような装置に組み込むことができる。
【0024】
次の代わりとなる配列の説明では、既に前の配列(群)において説明した特性に対応するそれらの要素を、同じ参照番号で示している。
【0025】
代わりとなる配列200を図2において描写する。配列200は概して拡散反射配列として説明することができる。
【0026】
配列200は前に説明してある配列100に似ているが、光源22を提供し、それがアッセイパッド20の第1の側に入射する光を送る。この入射光の少なくとも1部分は第1の側から反射される。この反射される光は、次いで、光源22と同じ側に、テストパッド20に対して配置される光学的検出機24によって収集することができる。好ましくは、光源22及び光学的検出機24を、反応チャンバに対して、導管12が分析すべき物質を導入する反応チャンバの側と反対側の上に配置する。この方向付けは図2で示されている。
【0027】
入射光のテストパッドからの反射を改善するために、試験パッド20は阻止層(blocking layer)21を備えることができる。かかる層は、酸化ジルコニウム又は酸化チタンのような任意の適切な物質から形成することができる。
【0028】
テストパッドの1種の側しか検出機によって読まれないので、検出機24によって採取される読みは、室14の内容物に対し非感受性であり、その理由は、室14の内容物が読まれるテストパッド20の側と直接連通していないからである。
【0029】
本発明の原理に従って構築される別の代わりとなる配列を図3に例証する。配列300は概して縁部(edge)又は導波路(waveguide)照明配列として説明することができる。
【0030】
本発明のこの局面によれば、発散光線が、図3に含まれている破線によって例証されるように、透明な導波路部材32の縁部を打ち、及び導波路の内側の透過光線を連関させる(couples)ように、光源22を配列する。
【0031】
入射光の角度が臨界的な入射角、“θc”よりも大きいとき、反射による入射光の損失は最小になる。この臨界角はθc=sin-1(n2/n1)として表現することができ、ここで、θcは入射光が導波路中に捕捉されるようになる入射角であり、及びn2及びn1は光が横切って進行しようとする境界域を画成する第1の材料及び第2の材料[例えば-空気及び試験細条(ストリップ)材料]についての屈折率である。
【0032】
さらにかかる損失を最小にするために、導波路の連関縁部(coupling edge)を反射防止被膜又は屈折率整合媒体(index-matching medium)で処理することができる。例えば、酸化ケイ素の1種又はそれよりも多い種類の薄層を連関縁部に適用することができる。ほぼ200nmの厚さが模範的な厚さである。
【0033】
導波路の内側に捕捉される光は、導波路の表面に添えられているか、又はそれと連通しているアッセイパッド20にそれが遭遇するまで、図3に例証するように、総内部反射(TIR)によって伝播する。アッセイパッド20には、導波路の内側で反射される光と連通する表面が設けられるが、それは光散乱である。試験パッド20のこの表面34上の光の衝突はすべての角度で散乱する。図3の点線によって例証するように、光のいくつかは表面34の法線(normal)に対して大きな角度で散乱する。この光はまた、導波路の内側に捕捉される。しかし、いくらかの光は、図3の実線の二重矢印線によって例証するように、表面34の法線と比較して比較的小さな角度で散乱し、及び結果として導波路の外側に伝えられ、及び検出機24によって受け取られる。
【0034】
上述の種類の他の配列400をまた、図4に例証する。図3及び4で例証するように、この種類の配列(300,400)は、入射光が入射表面に対し比較的急な角度で提供される配列と比較するとき、光源22によって提供される光が導波路にその表面に対し比較的小さい角度で入射し、大量のこの入射光が導波路を通って伝えられるようなものである。したがって、光源がLEDタイプの供給源であるとき、アッセイを実行するのに必要な量の入射光を提供するために、より一層少ない電力しか求められず、そして電力消費を最小にすることができる。
【0035】
光源22を導波路32の縁部と密接して並べることができ、及びこのようにして緻密な設計(configuration)を規定することができる。加えて、検出機の要素24を、導波路32、アッセイパッド20及び光源22(図4)に近接近させて位置付けることができ、それによって、それが迷光供給源(stray light sources)からより一層保護されるのを可能にする。
【0036】
ある例では、図5に描写するように、配列500を提供するのが望ましいことがある。この配列500では、結像レンズ(imaging lens)52を設け、及びそれがアッセイパッド20から光学的検出機24の方に反射される光を捕獲し、及び集束させるように配置する。レンズ52には、屈折性又はデフラクティブ(defractive)要素(フレネルレンズ)が包含され得る。
【0037】
図5では、レンズ52は縁部照明タイプの配列に関連して利用される。
【0038】
レンズ52は、反応室14の上側部分を形成する導波路32からいくらかの距離を隔てて配置されるように例証しているが、レンズ部材はまた、検出機24の表面中か、又は上側部材(例えば、図1の-18、図1)又は導波路32中かのいずれかに統合することができる。
【0039】
図6は、上述のように、結像レンズ部材52を組み込む拡散反射タイプの配列を含む代わりとなる配列600を描写する。
【0040】
別の配列700を図7に描写する。配列700には、導波路32を含む縁部照明タイプの配列が含まれる。結像レンズ54もまた含まれる。この配列では、結像レンズを導波路32又は検出機24のいずれかの中に統合する。
【0041】
図8A及び8Bは本発明の追加の具体例のある局面を更に詳細に例証する。図8A及び8Bは、概して、鉛直流(vertical-flow)アッセイとして説明することができる配列800を例証する。
【0042】
配列800は、開口“底部”を持つチャネル部材82、チャネル部材82の開口底部と連通するアッセイパッド20、及び光学的検出機を含み、好ましくは、デジタル画像処理装置85のアレイ84の形態である。本発明の1種の好適な局面によれば、レンズ要素86を配列中に組み込む。レンズ要素86が個々の検出機要素又は画素(ピクセル、画像素子)85に近接近して別個の個々のレンズの形態であるように例証されているが、それは、代わりとなる構築物が可能である本発明の範囲内のものである。例えば、レンズ86は、検出機85から間隔を空けることができ、及び/又は単一の統合されたレンズの構築物を別個のレンズ86の代わりに利用することができる。
【0043】
上記に注目したように、図8A及び8Bで描写する種類の配列は、比較的小量の物質の信頼できる、有効な分析を可能にし、それは特定の反復可能な容量に依存しない。
【0044】
チャネル部材82は細長い。言い換えれば、体液の試料のような、分析される物質は、チャネル部材82の1種の端部81に導入され、及びそれを介して側方(laterally)にか、又は軸方向に流れる。次いで、分析される物質はその下に配置される試験パッド20に浸透する。開口チャネル部材82は特定の容量を画成するが、正確な分析を行うためにチャネル部材82が完全に満たされることは必要でない。例えば、図8Aで例証するように、試験すべき特定の容量の物質は部分的にしかチャネル部材82を満たさなくてよく、例えば、それはチャンネル部材82をライン83に沿って画成される点までしか満たさなくてよい。分析を行うとき、一旦、分析下の物質が存在する被分析物が、試験パッド20に含まれる化学薬品と反応すれば、ライン83の左側上でアレイ84の独立した検出機画素85が活性化され、及び試験パッド20の分析の側面から読みを採取する。ライン83の左側にあるアレイのそれらの個々の検出機要素は、この反応の存在を表す信号を発生させる。ライン83の右側にあるアレイ84のそれらの個々の検出機要素85はそのような読みを発生させない。このように、アレイ84の各々の個々の検出機要素85によって発生する読み又はデータは、分析下の物質中に含まれる特定の被分析物の存在及び/又は濃度の全体的な読みを発生させるように、採取され、及び平均によってのように、分析される。
【0045】
チャネル部材82の容量が既知であり、及びアレイ84中に含まれる検出機要素の長さ、並びにレンズ要素86の存在による任意の修正が既知であるので、分析下の試料の容量は、被分析物と試験パッド20中に含まれる化学試薬との間の反応を検出する画素の数に基づいて見積もることができる。模範的な、制限されない具体例を、本発明の原理を更に例証するために次に説明する。
【0046】
アレイ84の検出機85によって採取される読みの間の時間はまた、配列の電子工学によって監視することができる。この監視を実施する特定の手段は、この技術におけるものの技能の十分な範囲内である。したがって、本発明にかかる配列はまた、被分析物と化学試薬の間の反応の動力学を分析することができ、それによって、試料の洞察に満ちた分析を提供するのに用いることができる追加の有用な情報を提供する可能性が与えられる。
【0047】
図8A乃至図8Bに描写する種類の配列800は、極めて小量の試験すべき物質を分析するのに有利に利用することができる。例えば、配列を、1〜500ナノリッター(nL)の容量をアッセイするのに利用することができる。試験すべき物質には全血、間質液、又はその組合せが包含され得る。
【0048】
公称250ナノリッターの最大容量を仮定して、体液の試料を、方向B1に沿ってチャネル部材82の左側81から、導管12(例えば-図1から2参照)のような任意の適切な手段を介し導入する。試料は細長いチャネル部材82中に側方に延びる。(代わりの具体例では、チャネル部材82の容量は300ナノリッターである)。試料は比較的長い長さにわたって延び、それは数ミリメータ程度の場合もある。1種の特定の例によれば、チャネルはほぼ250マイクロメータ(幅)×140マイクロメータ(高さ)×7,000マイクロメータ(長さ)である。次いで、体液の試料は方向B2に沿ってチャネル82の開口底部部分を通り、及びアッセイパッド20へ鉛直に流れる。アッセイパッド20における変色は、ブドウ糖のような、体液の試料中に含有される特定の被分析物の存在によって引き金を引かれる化学反応によって生成させることができる。この変色は体液の試料が導入されるアッセイパッドの反対側で検出することができる。この変色は、複数のデジタル画像処理検出機85で構成することができる光学的検出機のアレイ84のような適切な検出装置によって検出される。1種の局面によれば、これらのデジタル検出機は、CMOS、CCD、又は光ダイオードのアレイ又は赤外線、紫外線又は蛍光センサのいずれかを含むことができる。しかしながら、他のセンサを用いることができ、すべてが本発明の範囲内で保たれることを理解すべきである。
【0049】
全血のような試料体液が、試験パッド20を介して鉛直に流れるとき、赤血球を、試験パッド20の反対側から、ろ過するか、又は遮断することができ、概してそれは、試料中に存在する被分析物のレベルのより一層正確に読みを可能にするのに望ましいとみなされる。試験パッド20において利用される化学試薬及び染料生産物は任意の数のよく知られている物質から選定することができる。いずれにしても、これらの化学的性質は被分析物の濃度レベルの適切な範囲にわたって認識できる及び判読できる反応を提供すべきである。装置が、主として全血を含む試料中に含有されるブドウ糖の濃度を監視するのに利用される場合、これらの化学的性質は、反応を生成させ、次いで検出することができ、例えば、40〜500mg/dLに及ぶブドウ糖濃度を示す必要がある。
【0050】
好ましい局面に従って、検出機のアレイ84を複数の個々のCMOSタイプ検出機85から形成する。CMOS検出機は他の種類のデジタル画像装置よりも費用が少なくて済む。上述するように、CMOS検出機85を含むことができる配列800の時間依存性の局面によって、種々の“時計”又は時間駆動(time-driven)電子装置を組み込むことができる。データを検出機85から採取し、及びかかる装置に供給し(直接的にか、又は記憶装置から)、それによって、被分析物と試薬の間の反応の動力学及び他の局面の監視及び解釈が可能になる。
【0051】
個々の検出機85のアレイ84の利用によって、アッセイの均一性及び正確性がまた促進される。例えば、読みを、アッセイパッドの材料の均一性、又は他の局在する異常性における変動をより一層受け易くない、多重の個々の検出機要素、又は画素から採取し、及び利用し、検出機のアレイ84の個々の画素85によって発生するデータの解釈及び操作によって明らかにし、及び修正することができる。例えば、統計学的分析及び関連するアルゴリズムを用いて、かかる局在化する欠陥を修正し、及び従って、装置によって発生する全体的な読みの正確性を改善することができる。
【0052】
図9及び10は図8A及び8Bに描写するもののような配列800によって実行されるスキャンを表し、図9は商業上入手できるアッセイパッド上で形成される試験スポットの映像である。図10は、それらを図9に含むダッシュ線(dashed line)に沿ってスキャンするとき、検出機要素84のアレイによって発生する信号のプロットである。図10に例証するように、より一層低い電圧の読みはダッシュ線に沿う図9の試験スポットによって占められる領域に対応する。
【0053】
図11はアッセイパッド20についての1種の可能な構築物の図式的な実例である。アッセイパッドの構築物1100は、試料適用側SA並びに分析側Aを持つ。1種の構築物によれば、アッセイパッド1100は、少なくとも3種の構成物の構成材:阻止構成材1102;膜構成材1104;及び化学試薬構成材1106から構成される。分析すべき試料が全血の少なくとも1部分で構成されるとき、赤血球を血しょうから分離し、次いで、それを試料中に存在する1種又はそれよりも多い種類の被分析物と化学反応を生成させるように選定される酵素化学的性質を含む試薬構成材1106に対して輸送する。
【0054】
阻止構成材1102は、赤血球をろ過するか、プレろ過するための薬剤を含むことができる。例証としては、阻止構成材1102は酸化ジルコニウム(ZrO2)を含むことができる。
【0055】
膜構成材1104は任意の適切な物質から形成することができる。例えば、膜は高光伝達物質でよく、又は随意に、不透明な又は実質的に不透明な物質であってよい。適切な物質には、スチレン及び/又はナイロンが包含され得る。膜構成材1104は織られるか、又は不織の形態でよい。1種の局面によれば、膜は織られた網の形態である。
【0056】
上記に示すように、試薬構成材1106は、研究下の被分析物と反応するその能力に従って選定される。任意の適切な試薬の化学的性質でも利用することができる。適切な物質の特定の例には、ブドウ糖酸化酵素[例えば、-Biocatalysts(バイオカタリスツ社)の製品G575Pから]、ダイズ過酸化酵素[例えば、-Organic Technologies(オーガニック・テクノロジーズ社)からの、製品73930.1、医学的診断等級]、塩酸アミノアンチピリン[例えば、-TCI(ティーシーアイ社)からの製品A0257]及び“Trinder(トリンダー)”反応のためのアニリン誘導体染料(Aniline derivative dye)[例えば、 P. Trinderの“Determination of Glucose in Blood Using Glucose Oxidase with an Alternative Oxygen Acceptor(代替酸素受容体を有するブドウ糖酸化酵素を用いる血中のブドウ糖の定量)”を参照]が包含される。
【0057】
アッセイパッド構築物1100の種々の構成物の構成材を別々の層として図11に例証するが、本発明はかかる構築物に限られないことを理解すべきである。例えば、阻止構成材1102及び/又は試薬構成材1106は膜構成材1104内で部分的にか、又は完全に包摂され(subsumed)、及び包含される(contained)場合がある。したがって、阻止構成材1102及び/又は試薬構成材1106の表面の“層”が存在してもよいことは、まったく可能である。代わりに、別々の阻止構成材の“層”又は試薬構成材の“層”がまったく存在しないように、阻止構成材1102及び/又は試薬構成材1106は、膜構成材1104内に完全に包摂され、包含されるか、又は含侵させる(impregnated)ことができる。そのようなものとして、本発明は、要求される(第1の、第2の、第3の、第4の)構成材の1種よりも多くの種類が同じ物理的な要素によって実行される具体例を包含する(encompasses)。逆に、本発明はまた、要求される(第1の、第2の、第3の、第4の)構成材の1種の特性を実行するために複数の異なる物理的な要素が一緒に働く具体例をも包含する。本発明はまた、まったく試料パッドを有しない具体例も包含する。
【0058】
図11に描写する具体例に関してだけでなく、本発明に従う次の代わりとなる試験細条の構築物のすべてと同様に(例えば-図12〜16)、明示的に上述する同じような代わりとなる構築物は、本発明の範囲内で把握されることに注目すべきである。例として、本明細書に記載する構成物の構成材は別々の“層”に限られない。むしろ、本明細書に記載する試験細条の構築物の1種又はそれよりも多い種類の構成物の構成材が、部分的にか、又は完全に試験細条の構築物の他の構成物の構成材内に包摂されるか、包含されるか、又は含侵され、及び従って別々の“層”として存在しなくてよい。
【0059】
図11に描写する具体例に関し、阻止構成材1102及び/又は試薬構成材1106を、任意の適切な様式において膜構成材1104に対し適用することができる。例えば、阻止構成材1102及び/又は試薬構成材1106を膜1104上に被覆することができる。適切な被覆技術の例には、回転塗布が含まれる。
【0060】
図12はアッセイパッド20のための1種の可能な代わりとなる構築物1200を例証する。1種の構築物によれば、アッセイパッド構築物1200は少なくとも4種の構成材:プレフィルタ及び反射構成材1202、膜構成材1204、試薬構成材1206、及び網構成材1208から構成される。上述の構造を用い、分析すべき物質が全血の少なくとも1部分で構成される試料である場合、赤血球を血しょうから分離し、結果として、構成材1202及び/又は1204が赤血球を溶解させないで保つ。次いで、血しょうを、垂直に酵素の化学的性質を含む試薬構成材1206に対して輸送する。これらの物質には、この技術で一般に既知の任意の適切な材料が包含され得る。特定の例の適切な材料には、ブドウ糖酸化酵素(例えば-Biocatalystsからの、製品G575P)、ダイズ過酸化酵素(例えば-Organic Technologiesからの、製品73930.1医学的診断等級)、塩酸アミノアンチピリン(例えば、-TCIからの、製品A0257)及び“Trinder”反応のためのアニリン誘導体染料(例えば、P. Trinderの“Determination of Glucose in Blood Using Glucose Oxidase with an Alternative Oxygen Acceptor”を参照)が包含される。
【0061】
構成材1204は任意の適切な血液ろ過構成材又は材料を含むことができる。いくつかの材料で、赤血球を血しょう及び全血の試料から分離するのに用いられているものには、ガラス繊維、網クロス、不織マット、不整膜(asymmetric membrane)、及び多孔質ポリマーを含む。
【0062】
構成材1204としてどのような種類の材料が選ばれるかにかかわらず、広がり又は側方拡散の回避が望ましく、それはポリ(エーテルスルホン)膜としてのかかる材料で起こすことができる。模範的で適切な材料は、親水性のポリ(フッ化ビニリデン)不織膜である。かかる膜はMillipore Corporation(ミリポア社)から商業上入手できる[例えば-0.1ミクロン(μm)の開口を有する]。他の適切な材料には、ポリアミドを含む不織膜が包含される。他の材料を、ポリ(アクリル酸)(PAA)、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、及びゼラチンのように、種々の性能目標を達成するために組み込むことができる。
【0063】
パッド1200は更にプレフィルタ及び/又は拡散反射構成材のような構成材1202を含むことができる。このように、構成材1202は、含まれるとき、全血を含む試料からの赤血球の分離を改善するのに役立ち、及び/又は光学分析を受けるときにパッドの反対側上に入射する光の反射を高める。構成材1202として用いるのに適切な材料には、酸化ジルコニウム(ZrO2)が包含され、随意に、重合体結合剤物質と組み合わせられる。構成材1202は、膜、又は構成材1204に対し、任意の適切な技術を用いることにより適用することができる。このような適切な技術の1種は回転塗布である。回転塗布は膜構成材1204上及び/又はその中への構成材1202の均一な分布を促進する。上述するように、構成材1202及び1204は別々の層として例証するが、構成材1202を、部分的にか、又は完全に膜構成材1204内含み、このようにして、例証する別々の層よりはむしろ、これらの2種の構成材を単一の単位の部材中に効果的に組み合わせることができる。上述の代わりとなる具体例によれば、構成材1202がプレフィルタ及び拡散反射物質及び重合体結合剤を含むとき、重合体結合剤の存在は、膜構成材1204上にわたって少なくとも薄い層又は薄膜(フィルム)を形成する傾向がある。この薄い薄膜は任意の適切な厚さを持つことができ、例えば、構成材1202は部分的に膜構成材1204を通り抜け、及び5マイクロメータ未満程度の厚さを持つ薄い薄膜を膜構成材1204の頂部上に残すことができる。
【0064】
構成材1206は、上述の化学薬品のような、任意の適切な組成から形成され得る試薬を含み、及び随意に、分析を受ける基質又は試料の側方への広がりを減少させる、ポリ(アクリル酸)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)又は同様の重合体の結合剤において提供することができる。
【0065】
網構成材1208及び試薬1206の構成材はまた、試験パッド20の単一層又は構成物要素中に統合することができる。例えば、試薬材料1206を網構成材1208上に被覆することができる。任意の適切な被覆技術を利用することができる。回転塗布技術は、試薬を網構成材1208上に提供するためのかかる技術の1種であり、網構成材1208に適用すべき試薬構成材1206の正確で、及び比較的薄い被膜を可能にする。1種の構築物によれば、この“被膜”は網構成材1208内に完全に吸収され、及び含まれる。被分析物と化学試薬構成材1206との反応を促進するために、網構成材1208は酸素に対する透過性を有すべきである。1種の局面によれば、網構成材1208は、ナイロンのような高い反射率の織られた網から形成することができる。このように、1種の局面によれば、網構成材1208を開放性ポリアミド又はナイロンの網材料から形成する。このナイロン網材料で、その中に組み込まれる試薬を持つものは、アッセイの感受性を増加させると思われる。ナイロン網の開放性構造は、そこに組み込まれる試薬構成材材料1206の制御された量と併せて、その上に入射する光の拡散反射を増加させる。この高められた拡散反射は、開放性ナイロン網の構造により提供される多重反射及び増加する路長によって生じると思われる。図13に示す1種の模範的な具体例によれば、網構成材1208は、68ミクロン程度である寸法を持つ開口部、及びほぼ50ミクロン程度である寸法のフィラメント直径を持つ。円A1によって表す区域は、網内での試薬材料の不存在を例証し、そこでは、試薬材料が被分析物との化学反応によって消費されている。円A2は試薬材料がまだ網の上に配置される領域を表す。
【0066】
ナイロン網の筒状繊維は、外部の露出する層又はそれによって多重反射及び高まる路連結(path link)がもたらされる表面上で光を散乱させることができる。入射光の散乱は、網のフィラメントを形成する筒状体(シリンダー)の屈折率に大きく依存する。ナイロンの屈折率は、比較的大きく、1.53程度であり、及びこれが有利である。さらに、試薬構成材1206の網構成材1208への上述する適用は、製造を簡単にすることができる。
【0067】
別の代わりとなる試験パッド又は試験細条の構築物1400を図14に例証する。1種の局面によれば、試験パッド構築物1400には、3種の基本的な構成材:フィルタ及び/又は拡散反射構成材1402、化学試薬構成材1404、及び膜構成材1406が含まれる。上述の論議のように、分析すべき試料を試験パッド1400の試料適用側SAに適用する。試料が、少なくとも1部分で、全血を含むとき、赤血球を構成材1402によって血しょうから分離し、及び試薬構成材1404にまで輸送し、それは、それを膜構成材1406に含侵させることができる。
【0068】
構成材1402を、ろ過及び/又は拡散反射機能を提供する任意の適切な構築物から形成することができる。例えば、適切な構築物を上述している。1種の特定の例によれば、構成材1402は、HPMC のような、透過性の重合体結合剤材料を組み合わせる酸化ジルコニウム材料を含むことができ、それは側方拡散を制限する。別の適切な例には、ビニルブチラールのような透過性重合体結合剤と組み合わせる酸化ジルコニウム材料が包含される。酸化ジルコニウム及び重合体結合剤は、20:80のような、任意の適切な割合において組み合わせられる。
【0069】
試薬構成材1404には、研究下の被分析物(群)との適切な反応を提供するように選定する少なくとも1種の化学試薬が含まれる。任意の適切な試薬でも選ぶことができる。例えば、試薬には、ブドウ糖酸化酵素、ダイズ過酸化酵素、塩酸アミノアンチピリン、及び/又はアニリン誘導体染料が包含され得る。随意に、化学試薬は、結合剤構成材と組み合わせることができる。存在するとき、結合剤構成材は、試験パッド1400内の試料の側方の広がりについての傾向を減少させる材料から形成するのが好ましい。適切な例の結合剤材料の例には、HPMC及びPAAが包含される。
【0070】
また、適切な膜構成材1406を提供することもできる。具体例の1種では、膜構成材1406には、繊維状の不織材料が包含され得る。1種の特定の例には、酢酸セルロースの不織繊維状膜材料が包含される。
【0071】
フィルタ/拡散反射構成材1402の双方、並びに試薬構成材1404は、任意の適切な技術によって膜構成材1406に適用することができる。1種の例によれば、試薬構成材1404を回転塗布のような被覆技術によって膜構成材1406に対し適用する。試薬構成材1404を、膜構成材1406内に、部分的にか、又は完全に含侵させることができる。このように、試薬構成材1404の薄い薄膜又は層は、膜構成材1406の頂部表面(すなわち、-試験パッド1400の試料適用側SAに最も近い側)上に存在し得る。存在するとき、この薄い頂部層は、数ミクロン程度の厚さでよい。代わりに、試薬構成材は、膜構成材1406中に、完全に包摂されるか、包含されるか、又は含侵され得、そして、別々の層が膜構成材1406の頂部表面(すなわち、-パッド1400の表面適用側SAに最も近い膜構成材1406の表面)上に存在しなくなる。
【0072】
次いで、フィルタ/拡散反射構成材1402を、試薬構成材1404の適用に続けて適用することができる。また、構成材1402は、回転塗布のような、任意の適切な技術によって適用することができる。1種の特定の例によれば、酸化ジルコニウム及び疎水性の透過性重合体結合剤材料を含むフィルタ/拡散反射構成材を、膜/試薬構成材1406/1404上にほぼ1000rpmで回転塗布する。フィルタ/拡散反射構成材1402を膜1406内で部分的に含侵させ、組み合わせられる膜及び試薬構成材1406及び1404の表面適用側SAで薄い薄膜層を残すことができる。存在するとき、この薄い表面層は、数ミクロンの厚さ、例えば、5ミクロン未満程度の厚さでよい。代わりに、フィルタ/拡散反射構成材1402を、組み合わせられる試薬及び膜構成材1404及び1406内で、完全に包摂させるか、包含させるか、又は含侵させることができる。
【0073】
本発明の原理と矛盾しない付加的な試験パッド構築物1500を図15に例証する。1種の局面によれば、試験パッド構築物1500は、少なくとも4種の基本的な構成材:フィルタ/拡散反射構成材1502、透過性物質構成材1504、試薬構成材1506、及び膜構成材1508で構成される。試験パッド1500の一般的な機能性及びその個々の構成材の機能性は前述するのと類似する。
【0074】
構成材1502は任意の適切なフィルタ及び/又は拡散反射材料を含むことができる。例えば、構成材1502は、重合体結合剤と共にか、又はそれを含まずに酸化ジルコニウムを含むことができる。含まれるとき、重合体結合剤は透過性材料が好ましい。適切な透過性重合体結合剤の例には、HPMC及びElvacite(エルバサイト)(R)(商標)のようなアクリル樹脂が包含される。
【0075】
構成材1504は、好ましくは、疎水性であり得る適切な透過性材料から構成される。疎水性材料は任意の適切な形態から成り立つことができる。1種の例によれば、構成材1504は、PAAのような疎水性重合体材料の薄膜を含むことができる。薄膜は任意の適切な技術によって形成することができる。例えば、PAAの薄膜を迅速に蒸発する溶媒/PAAの混合物によって形成する。1種の特定の例によれば、混合物は重量で10%(溶媒の重量に関連して)のPAAを含有することができる。
【0076】
構成材1506は適切な試薬材料を含むことができる。試薬材料は結合剤と組み合わせることができる。試薬構成材は、上述したように、任意の適切な物質又は物質の組合せから選定することができる。存在するとき、結合剤材料は透過性の疎水性結合剤材料を含む。1種の適切な例はHPMCである。
【0077】
膜構成材1508を任意の適切な材料から形成することができる。 1種の可能な構築物によれば、膜構成材1508を不織繊維状マットから形成する。例えば、試薬構成材1506を膜構成材1508上に回転塗布することができる。上記で論議するように、試薬構成材1506を、膜構成材1508内で、部分的にか、又は完全に含侵させることができる。このように、試薬構成材1506は、膜構成材1508の頂部(試験パッド1500の表面適用側SAに最も近い頂部側)上に形成される薄い表面層を含み得るし、又は含まないことがある。
【0078】
次いで、疎水性物質構成材1504を適用することができる。1種の可能な技術に従い、疎水性材料を、メタノールのような迅速に蒸発する溶媒とのスラリ又は混合物として形成することができる。次いで、混合物を、組み合わせられる膜及び試薬構成材1508及び1506上に被覆する。蒸発の後、疎水性材料の薄い薄膜を組み合わせる試薬/膜構成材上に残す。
【0079】
次いで、構成材1502を前述の組合せの構成材に適用することができる。1種の例によれば、フィルタ/拡散反射材料の組合せ、例えば、-ZrO2、及び上述のもののような重合体結合剤材料を、スラリ又は混合物の形態で組み合わせて、及び次いで上記組合せの構成材上に被覆することができる。1種の特定の例によれば、ZrO2を重量によって10%まで含有するスラリを形成し、及び次いで、上記組合せの構成物の構成材1504、1506、及び1508上に回転塗布することができる。上記の論議のように、構成材1502を、上記組合せの構成材内で、部分的にか、又は完全に含侵させるか、又は包摂することができる。このように、構成材1502は、上記組合せの構成材から識別不可能であり得るか、又は上記組合せ構成材の頂部上の薄い薄膜又は層を形成することができる。
【0080】
本発明の原理に従って形成される更に別の代わりとなる試験パッド構築物1600を図16に例証する。そこに例証する試験パッド構築物1600は、少なくとも3種の基本的な構成物の構成材:フィルタ/拡散反射構成材1602、透過性の疎水性材料構成材1604及び組合せ試薬/網構成材1606から形成される。試験パッド構築物1600の、個々の、並びに組合せの構成物構成材の基本的な機能性は、上記で論議されるものに類似する。
【0081】
フィルタ/拡散反射構成材1602は、任意の適切な材料から形成し、及び任意の適切な構築物を包含することができる。1種の可能な具体例によれば、構成材1602は、随意に結合剤材料と組み合わせ得る、酸化ジルコニウム材料を含む。存在するとき、結合剤材料は、好ましくは、アクリル樹脂のような透過性の疎水性結合剤材料である。かかる材料は商業上入手でき、例えば、-Elvacite(R)として販売されている。
【0082】
同様に、透過性の疎水性材料構成材1604は、任意の適切な材料で構成され、及び任意の適切な形態を取ることができる。例証として、透過性の疎水性材料は薄膜又は層を含むことができる。1種の特定の例によれば、透過性の疎水性材料はPAAを含むことができる。
【0083】
示すように、組合せの試薬/網構成材1606は、好ましくは、2種の別々の部分又は構成物の組合せである。即ち、上述のもののような試薬材料、並びに網材料の構成物である。好ましくは、これらの構成物は、単一の、複合的な(integral)構成材1606中に組み合わせられる。網材料は、任意の適切な材料から形成し、及び適切な形態を取ることができる。例えば、網材料は織られたナイロン網のような織られたポリアミド材料から形成することができる。網は、30ミクロンの開口部又は41ミクロンの開口部のいずれかのような、任意の適切な寸法の開口部を持つことができる。
【0084】
上述の構成物を互いに適用するか、又は任意の適切な様式で組み合わせることができる。
【0085】
1種の特定の例によれば、試薬及び網の構成材は、試薬材料から形成されるスラリ中に網材料を浸漬することによって組み合わせられるか、又は統合される。例えば、スラリ又は混合物を形成することができ、これには、重量で20%のHPMC結合剤材料に加え適切な試薬の化学的性質が含まれる。網材料は、この液状スラリ中に浸漬される。次いで、網材料を取り出し、及び乾燥させ、それによって、統合された網/試薬構成材1606を残す。
【0086】
疎水性構成材1604を、任意の適切な技術によって同様に適用することができる。例えば、上述のように、疎水性材料を、メタノールのような迅速に蒸発する溶媒から形成される薄膜として適用することができる。1種の特定の例によれば、PAAのような疎水性材料を溶媒と組み合わせて、スラリを形成する。1種の具体例によれば、スラリは重量で10%のPAA材料を含有することができる。次いで、溶媒を組合せ試薬/網構成材1606に適用する。溶媒の蒸発により、疎水性材料の薄い薄膜又は層が後に残り、それによって、疎水性材料の構成材1604が形成される。
【0087】
フィルタ/拡散反射構成材1602を、前述するもののような任意の適切な技術によって同様に適用することができる。1種の局面の例によれば、酸化ジルコニウム材料を疎水性結合剤に添加し、トルエンのような蒸発性(evaporative)溶媒においてスラリを形成する。この特定の例によれば、スラリは、Elvacite(R)のようなアクリル樹脂を重量によってほぼ10%含む。次いで、このスラリを、組合せの疎水性及び試薬/網構成材1604及び1606上に塗布する。任意の適切な被覆技術を、前述の回転塗布技術のように、利用することができる。
【0088】
1種の可能な構築物によれば、フィルタ/拡散反射構成材1602を組合せの疎水性材料及び試薬/網構成材1604及び1606の頂部上に薄い層又は薄膜の形態で提供する。
【0089】
本発明の更なる局面は、血液のような、体液の比較的小量の信頼できる収集及び輸送を可能にする、効果的で、及び効率的な構築物及び技術を提供する。
【0090】
本明細書で用いるように、用語“体液”には、少なくとも次の構成材:血液、間質液、及びそれらの組合せが包含される。用語“皮膚浸透部材”には、中空針及び固体ランセット、並びに、同心針(concentric needle)又は同心中空管状(hollow tubular)収集部材及び針の配列のような多重の構成材の構築物が包含される。用語の針には、必ずしも限られないが、いわゆる“顕微針”又は小ゲージ針が包含される。例えば、かかる顕微針は40〜200μm程度の外径及び25〜160μm程度の内径を有することができる。同様に、これらの“顕微針”は34又は36ゲージ程度の針のような、小さなゲージである場合もある。
【0091】
さらに、体液の試料を、皮膚の表面下の傷内から及び/又は皮膚の表面自体を離れて、いずれかで得ることができることを、次の説明を通して理解すべきである。
【0092】
図17及び18は、血液のような体液2108の試料の収集及び分析のための配列2100の実例となるものである。例証する配列2100には、概して、皮膚浸透部材2102、分析室2104、分析構成材2106、及び皮膚浸透部材2102の内側穿孔2110が含まれる。図2に例証するように、体液2108を、毛管力によって太い矢印の方向に、内側穿孔2110を通して引き上げることができる。十分に評価できるように、図17から23に例証する本発明の具体例は、図1から16を参照して上述するものと同じ様式において動作する。
【0093】
図17及び18に例証するように、連続的で、及び途切れない通路が、体液取得の点から分析室までの間の内側穿孔2110によって画成される。本発明のこの原理が、配列2100のすべての細部に必ずしも依存しておらず、及び従って他の情況において明らかに有用性を持ち得ることを理解すべきである。
【0094】
本発明の更なる局面によれば、毛管の流れを促進し、及び体液2108の流れを妨げる分析室2104内の背圧の蓄積を防ぐため、分析室2104にベントを付ける。
【0095】
別の局面によれば、内側穿孔2110を、毛管作用を促進する様式で修飾することができる。例えば、内側穿孔2110を、毛管作用を促進する物質で被覆することができる。
【0096】
図19は図17及び18で上記に例証するものに類似する配列を例証するが、図19の配列2100は、体液取得の点から分析室2104までの連続的で途切れない通路を提供しない。その代り、図19の配列2100では、2112で毛管の中断(capillary break)が含まれる。
【0097】
図20に描写する配列にはまた、毛管中断2114が含まれるが、毛管中断2114は、体液2108の毛管流に及ぼす悪影響を最小にするように設計される構築物を持つ。このように、図20の配列は、少なくともこの点で、図19の配列に勝る改善と考えられる。
【0098】
図21には、本発明の原理に従って構築される別の配列2100を例証した。図21の配列と前述する配列の間の主要な差異は、体液の収集及び輸送を支援するために、減圧(vacuum、真空)発生装置2116によって適用される減圧の使用である。
【0099】
本発明のこの局面が図21に例証する以外の配列の適用を見出せ得ることを十分に評価すべきである。
【0100】
図21に例証するように、例証される具体例の内側穿孔2110は体液取得の点から分析室2104までの連続的で、途切れない通路を提供する。真空発生装置は、この途切れない通路に沿う体液の流れを促進する。しかしながら、真空の適用もまた、毛管中断(例えば-2112、2114)を持つ図19に例証するもののような配列において有利であり得ることに注目すべきである。
【0101】
図22に描写する配列は、分析室2104が静的であることを除き、前の配列に類似しているが、皮膚浸透部材2102はそれに関連して双頭の矢印2118で示す方向に沿って移動可能である。この構築物は皮膚浸透部材2102と毛管流を維持するように設計される分析室2104との間の移動可能なシールを要する。
【0102】
前述する配列とは違って、皮膚浸透部材2102及び分析室2104は、図23に例証するように相対的に固定してある。これらの2種の部材は互いに相対的に固定され、及び従って、皮膚浸透部材の挿入の際に一緒に動くが、これらの部材はヒンジ又は並進(translation)ステージ(示されていない)への接続を介して移動可能であり得る。
【0103】
このように、種々の具体例において、本発明は身体的流体の試料中の被分析物の存在及び/又は濃度の検出のための配列を提供し、これには、拡散透過、拡散反射及び縁部又は導波路照明配列が包含される。鉛直流のアッセイ配列及び/又は技術を更に開示し、及びこれは光学的検出要素のアレイの形態であり得る検出構成材を包含する。多数のアッセイパッド構築物を記載し、これらは、少なくとも1種又はそれよりも多い種類の次の構成材:プレフィルタ構成材、反射構成材、膜構成材、試薬構成材、網構成材、及び側方の広がりを防ぐための構成材を包含することができる。代わりの具体例において、本発明がアッセイパッドを用いずに動作させ得ることを理解すべきである。
【0104】
さらなる代わりの局面において、本発明はまた:アルゴリズムを用いる被分析物の濃度の量的な測定を可能にする効果的で、及び効率的な技術及び構築物のためのシステムを提供する。示すように、かかるアルゴリズムは、CMOS系検出機装置を用いるナノリッターサイズの体液の試料中に存在するブドウ糖レベルの濃度の測定に関する、ピーク平均、ピーク領域(面積)、又はピーク値に基づくことができる。好ましい局面では、アルゴリズムは優れたアッセイ統計量をもたらす測定からのデータを選定するために構築される。上記に説明するように、非CMOS系検出機をまた用いることができ、すべてが本発明の範囲内に保たれる。
【0105】
本発明の模範的な局面によれば、3種のアルゴリズムを、CMOSデータを用いる量的なブドウ糖測定のために利用することができる。
【0106】
実例となる具体例によれば、ブドウ糖測定を、狭い波長のLEDがアッセイ装置上に光を放出し、及び信号がCMOSアレイを用いて記録される拡散反射モードにおいて行った。ブドウ糖の存在において、色はアッセイ装置上で発現し、及びCMOSによって検出される拡散反射率信号は光の吸収によって減少する。減少のレベルはブドウ糖濃度に左右される。図24はCMOS検出のための典型的な曲線を示す。この図では、背景線はブドウ糖がアッセイ装置に送達される前のCMOS信号を示す。ブドウ糖の点線はブドウ糖がアッセイ装置に送達された後の信号を示す。
【0107】
色の幅はブドウ糖の点線により示される吸収の長さによって表される。AからBまでの拡散反射率における変動は、赤い痕跡(red trace)で示される基線変動にある程度起因することに注目される。Cはアッセイの近似幅を表す。幅は画素の数に変換することができる。アッセイの統計量を改善するために、このアッセイを、背景、アッセイの幅及びエッジ効果について修正することができる。本発明によれば、3種の方法を、CMOSデータの評価のために利用することができる。これらのアルゴリズムから得られるデータはブドウ糖濃度に相関する。
【0108】
図25はCMOSブドウ糖アッセイのオーバーレイを示す。この場合、300ナノリッターの各ブドウ糖濃度をアッセイ装置に送達した。実際のブドウ糖濃度は、信頼でき、正確なように十分に確立しているYellow Spring Instrument(イエロー・スプリング・インスツルメンツ)を用いる測定によって定められる。このグラフの各曲線は2種の測定値の平均を表示する。
【0109】
3種のアルゴリズムを利用して上記の測定値の正確さを評価した。第1のものは、“ピーク平均化”に基づくもので、平均値を吸収領域、図24におけるCの平坦部分内で採取した。上記の場合、それは画素450から画素550までである。次いで、この平均値を背景から差し引く。本発明者等は、図26に示すようにブドウ糖濃度に対するこの正味値をプロットする。この曲線における誤差のバーは標準偏差である。
【0110】
図26におけるデータは、図27に例証するように、信号に関し線形であるブドウ糖濃度の対数でプロットすることができる。最小二乗係数を定めて、予測される、測定値に関連する最小二乗値の正確性を評価する。これらの最小二乗係数を、図27上に、すべての点について、及び“低い”点を伴わないセットについて示す。
【0111】
第2の模範的なアルゴリズムは、“ピーク値”に基づくもので、画素450と画素550の間の最小値を、本発明者等の信号として用いる;次いで、この値を背景から差し引く。本発明者等は、図28に示すように、ブドウ糖濃度に対するこの正味値をプロットする。
【0112】
第3の模範的なアルゴリズムは、“ピーク領域”に基づく。各画素で、本発明者等は、背景と信号の間での差分(difference)を採取し、及び次いで、本発明者等は画素450から画素550までのこの正味値を加算する。本発明者等は、ブドウ糖濃度に対してこれをプロットした。結果を図29に示す。最後に、図30は本発明にかかる容量非依存性の利点を例証する4種の試験容量についてのブドウ糖濃度対検出機信号のプロットである。
【0113】
次の表に、すべての3種の方法について分析した結果を要約する。“予測されるブドウ糖”は対数適合関数(logarithmic fit function)を用いて算出されたブドウ糖値である。“r-平方(r-square)”は対数適合を用いる最良適合r-平方値である。“誤差”は、YSI読みを用いる本発明者等の算出したブドウ糖と比較される誤差率(percentage error)である。
【0114】
【表1】

【0115】
本発明を上述の具体例を参照して説明したが、一定の修飾及び変形は当業者にとって明白である。したがって、本発明は添付する特許請求の範囲の範囲及び精神によってのみ制限される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】本発明に従う被分析物検出配列の図式的な実例である。
【図2】本発明の別の局面に従う被分析物検出配列の図式的な実例である。
【図3】本発明の更なる局面に従う被分析物検出配列の図式的な実例である。
【図4】本発明の別の局面に従う被分析物検出配列の図式的な実例である。
【図5】本発明の更なる局面に従う被分析物検出配列の図式的な実例である。
【図6】本発明の別の局面に従う被分析物検出の図式的な実例である。
【図7】本発明の更なる局面に従う被分析物検出配列の図式的な実例である。
【図8A】本発明に従うアッセイ配列及び技術の図式的な実例である。
【図8B】線8B-8Bに沿って採取される図8Aの横断面図である。
【図9】本発明に従う模範的な反応スポットの画像である。
【図10】図9のダッシュ線に沿うスキャンである。
【図11】本発明に従い構築される層状試験細条の図式的な実例である。
【図12】本発明に従う別の層状試験細条構築物の図式的な実例である。
【図13】網の画像であり、そこでは少なくともその1部分が保持される試薬を含有する。
【図14】本発明に従う更なる層状試験細条構築物の図式的な実例である。
【図15】本発明に従う更に別の層状試験細条構築物の図式的な実例である。
【図16】本発明に従う更なる層状試験細条構築物の図式的な実例である。
【図17】体液の収集及び分析のための配列の図式的な実例である。
【図18】図17の配列の情況内での体液の運搬の図式的な実例である。
【図19】体液の輸送及び分析のための配列の模式図であり、及び代わりの構築物を例証する。
【図20】体液の輸送及び分析のための配列の図式的な実例であり、及び好ましい構築物を例証する。
【図21】代わりの具体例に従う体液の輸送及び分析のための配列の図式的な実例である。
【図22】更に別の代わりの具体例に従う体液の輸送及び分析のための配列の図式的な実例である。
【図23】体液の輸送及び分析のための別の代わりとなる配列の図式的な実例である。
【図24】被分析物の存在によって生じる比色分析反応を伴うか、又は伴わない検出機アレイによって発生する信号を比較するグラフによる表示である。
【図25】ブドウ糖の種々の濃度について検出機によって発生する信号を比較するグラフによる表示である。
【図26】ピーク平均化の技術に従うブドウ糖濃度に対する検出機信号のプロットである。
【図27】ブドウ糖濃度の対数を用いてプロットされる図26のデータのプロットである。
【図28】ピーク値技術に従うブドウ糖濃度に対する検出機信号のプロットである。
【図29】ピーク領域技術に従うブドウ糖濃度に対する検出機信号のプロットである。
【図30】本発明の容量非依存性を示す4種の異なる試験容量についての検出機信号に対するブドウ糖濃度のプロットである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体的流体中に存在する被分析物の濃度を監視するための装置であって、検出機を含んでおり、検出機がセンサを含んでおり、センサが、CMOSセンサ、CCDセンサ、又は光ダイオードを含んでいる、装置。
【請求項2】
センサがCMOSセンサを含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項3】
被分析物にグルコースが包含される、請求項1記載の装置。
【請求項4】
身体的流体に全血が包含される、請求項1記載の装置。
【請求項5】
装置が複数のセンサから形成されるアレイを含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項6】
装置がセンサのアレイを含んでいる、請求項5記載の装置。
【請求項7】
装置が更にマイクロニードルを含んでいる、請求項1記載の装置。
【請求項8】
装置が移動式である、請求項1記載の装置。
【請求項9】
さらに、分析すべき身体的流体の試料を受け取るための反応チャンバが包含される、請求項1記載の装置。
【請求項10】
反応チャンバがマイクロチャネルを含んでいる、請求項9記載の装置。
【請求項11】
さらに、分析すべき試料が受け取られるように適合される反応チャンバ内に設置されるアッセイパッドが包含される、請求項9記載の装置。
【請求項12】
さらに、アッセイパッドへの入射光が提供されるように適合される光源が包含される、請求項9記載の装置。
【請求項13】
光源から伝えられる光が少なくとも部分的に反応チャンバ及びアッセイパッドを介して伝えられるように、光源が反応チャンバ及びアッセイパッドに対して配列されており、伝えられる光がセンサによって受け取られるような方法で、センサが配列されている、請求項12記載の装置。
【請求項14】
光源が、光が光源から伝えられ及び少なくとも部分的にアッセイパッドから反射されるように、反応チャンバ及びアッセイパッドに対して配列されており、及びセンサが、アッセイパッドから反射する光が受け取られるように反応チャンバ及びアッセイパッドに対して配列されている、請求項12記載の装置。
【請求項15】
アッセイパッドに関連する導波路が包含されており、光源が、そこから放たれる光が導波路に入射するように、配列されており、導波路が、そこで光源から伝えられる光がアッセイパッドを照らすように、アッセイパッドに対して配列されており、アッセイパッドが、そこへの入射光が少なくとも部分的に反射されるように構築されており、及び検出機が、アッセイパッドによって反射される光が受け取られるように配列されている、請求項12記載の装置。
【請求項16】
導波路が、アッセイパッドの側方縁が照らされるように配列されており、及びセンサが、反射される光が導波路によって受け取られるように配列されている、請求項15記載の装置。
【請求項17】
導波路が、導波路の少なくとも1種の側に反射防止被膜を設けられている、請求項15記載の装置。
【請求項18】
さらに、センサとアッセイパッドの間に配置されるレンズを含んでいる、請求項11記載の装置。
【請求項19】
レンズが屈折性レンズである、請求項18記載の装置。
【請求項20】
レンズが回折レンズである、請求項18記載の装置。
【請求項21】
レンズがセンサと一体的である、請求項18記載の装置。
【請求項22】
身体的流体の試料中の被分析物の濃度が定められるようにアッセイを行うための装置であって:
少なくとも1種の開口部を有する底部を持っている試料収集チャンバ;
そのチャンバの少なくとも1種の開口部と連通しているアッセイパッドで、被分析物に曝されるとき化学反応が生成するように適合される試薬を含んでおり、化学反応がアッセイパッドにおいて変色を生成させる、アッセイパッド;及び
変色が検出されるように、アッセイパッドに対して配置される光学検出機のアレイ
を含む、装置。
【請求項23】
装置が移動式である、請求項22記載の装置。
【請求項24】
装置が更に、着用者から身体的流体の試料を抽出するための皮膚浸透部材を含んでいる、請求項23記載の装置。
【請求項25】
被分析物がグルコースであり、及び身体的流体が全血である、請求項22記載の装置。
【請求項26】
チャンバが、装置内のその動作可能な位置に配置されるとき、細長い逆U型の一般的な形を持つ、請求項22記載の装置。
【請求項27】
チャンバが300ナノリッター以下の容量を画成している、請求項22記載の装置。
【請求項28】
チャンバがある長さを画成しており、及びアレイが、チャンバの長さに相応するアレイの長さを画成する複数のCMOSセンサを持っている、請求項22記載の装置。
【請求項29】
アッセイパッドが:
赤血球が血しょうから分離されるように構築され、及び更に拡散反射物質を含んでいる第1部材;
化学試薬を含んでいる第2部材;及び
ポリアミド含有メッシュを含んでいる第3部材
を含む、請求項22記載の装置。
【請求項30】
拡散反射物質に酸化ジルコニウムが包含される、請求項29記載の装置。
【請求項31】
第2部材が化学試薬を回転塗布される膜を含んでいる、請求項29記載の装置。
【請求項32】
第2及び第3部材が、化学試薬をポリアミド含有膜中に組み込むことによって統合されている、請求項29記載の装置。
【請求項33】
アッセイパッド構築物であって:
赤血球が血しょうから分離されるように構成成分を含んでおり、及び更に拡散反射物質の構成成分を含んでいる第1部材;
化学試薬を含んでいる第2部材;及び
ポリアミド含有メッシュを含んでいる第3部材
を含む、アッセイパッド構築物。
【請求項34】
拡散反射物質に酸化ジルコニウムが包含される、請求項33記載のパッド。
【請求項35】
第1部材が拡散反射物質構成成分を被覆される不織膜を含んでいる、請求項33記載のパッド。
【請求項36】
第2部材が第3部材上に被覆されている、請求項33記載のパッド。
【請求項37】
第2部材が、完全に第3部材によって包摂されているか、又は第3部材内に保持されている、請求項36記載のパッド。
【請求項38】
第2部材が、少なくとも部分的に第3部材によって包摂されているか、又は第3部材内に保持されており、及び第3部材の表面上の薄膜を形成している、請求項36記載のパッド。
【請求項39】
拡散反射物質構成成分が、完全に膜によって包摂されているか、又は膜内に保持されている、請求項35記載のパッド。
【請求項40】
拡散反射物質構成成分が、少なくとも部分的に膜によって包摂されているか、又は膜内に保持されており、及び膜の表面上の薄膜を形成している、請求項35記載のパッド。
【請求項41】
第1部材が親水性フィルター材を含んでいる、請求項33記載のパッド。
【請求項42】
フィルター材に、ポリフッ化ビニル又はポリアクリル酸が包含される、請求項41記載のパッド。
【請求項43】
フィルター材が酸化ジルコニウム及び重合体結合剤を含有する混合物で被覆されている、請求項42記載のパッド。
【請求項44】
被覆混合物がフィルター材の頂部上の薄膜を形成しており、薄膜が5μm以下の厚さを持っている、請求項43記載のパッド。
【請求項45】
第3部材が、68ミクロン(μm)程度のメッシュ開口部及び50ミクロン程度の直径を有するフィラメントを持つ織りメッシュを含んでいる、請求項41記載のパッド。
【請求項46】
重合体結合剤が透過性重合体結合剤である、請求項43記載のパッド。
【請求項47】
結合剤にHPMC(ヒドロキシポリメチルセルロース)又はビニルブチルが包含される、請求項46記載のパッド。
【請求項48】
第2部材に更に結合剤物質が包含される、請求項33記載のパッド。
【請求項49】
結合剤にHPMC又はPAA(ポリアクリル酸)が包含される、請求項48記載のパッド。
【請求項50】
アッセイパッドであって:
拡散反射物質を含んでいる第1部材;
透過性の疎水性物質を含んでいる第2部材;
試薬を含んでいる第3部材;及び
メッシュ又は膜を含んでいる第4部材
を含む、アッセイパッド。
【請求項51】
第1部材が更に透過性の疎水性結合剤を含んでいる、請求項50記載のパッド。
【請求項52】
結合剤にHPMC又はアクリル樹脂が包含される、請求項51記載のパッド。
【請求項53】
第2部材がポリアクリル酸の薄膜を含んでいる、請求項50記載のパッド。
【請求項54】
第3部材が更に結合剤を含んでいる、請求項50記載のパッド。
【請求項55】
第4部材が少なくとも一部分でポリフッ化ビニルから構築されるメッシュ又は膜を含んでいる、請求項50記載のパッド。
【請求項56】
第3部材が、完全に第4部材によって包摂されているか、又は第4部材内に保持されている、請求項50記載のパッド。
【請求項57】
身体的流体の試料中の被分析物の濃度が定められるようにアッセイを実行する方法であって:
(i)第1の容量を持つ試料収集チャンバを提供する工程;
(ii)身体的流体の試料をチャンバ中に導入する工程で、チャンバ中に導入する試料が第1の容量よりも少ない第2の容量を持っている工程;
(iii)試料をチャンバからアッセイパッド上に垂直に運ぶ工程;
(iv)試料中の被分析物をアッセイパッド中の化学試薬と反応させ、それによって、アッセイパッドにおいて変色を生成させる工程;及び
(v)センサのアレイを用い、アッセイパッドにおける変色の領域に付帯するアレイでの各々個々のセンサで変色を検出することによって、変色を検出する工程
を含む、方法。
【請求項58】
アッセイにかけられる身体的流体の試料の見積もられる容量を定める方法であって:
(i)細長い試料収集チャンバで、その長さに正比例する容量を持つものを提供する工程;
(ii)身体的流体の試料をチャンバ中に導入する工程;
(iii)試料をチャンバからアッセイパッド上に垂直に運ぶ工程;
(iv)試料中の被分析物をアッセイパッド中の化学試薬と反応させ、それによって、アッセイパッドにおいて変色を生成させる工程;
(v)アッセイパッドに付随するセンサのアレイを、変色を検出するために配置する工程で、アレイの長さが収集チャンバの長さに相応する工程;
(vi)アッセイパッドにおける変色の領域に付帯するアレイでの各々個々のセンサを用いて変色を検出する工程;及び
(vii)収集チャンバ中の試料の見積り容量を、色の変化を検出するアレイにおけるセンサの数に基づいて算出する工程
を含む、方法。
【請求項59】
マイクロニードルの内側穿孔が毛管作用を促進する物質で被覆されている、請求項7記載の装置。
【請求項60】
さらに:
試料収集チャンバから延びるマイクロニードル
が包含される、請求項22記載の装置。
【請求項61】
マイクロニードルの内側穿孔が毛管作用を促進する物質で被覆されている、請求項60記載の装置。
【請求項62】
試料収集チャンバがベントを付けられている、請求項22記載の装置。
【請求項63】
さらに:
アイクロニードルと試料収集チャンバの間の毛管の中断
が包含される、請求項7記載の装置。
【請求項64】
さらに:
アイクロニードルと試料収集チャンバの間の毛管の中断
が包含される、請求項60記載の装置。
【請求項65】
さらに:
試料収集チャンバと連通する減圧発生装置
が包含される、請求項22記載の装置。
【請求項66】
マイクロニードルが試料収集チャンバに対してスライド可能に可動である、請求項60記載の装置。
【請求項67】
体液中に存在する被分析物の濃度を検出機により発生するデータから定める方法であって、データを、1種又はそれよりも多くの種類の:ピーク領域、ピーク値及びピーク平均に基づくアルゴリズムを用いて操作する工程を含む、方法。
【請求項68】
検出機にCMOS系検出機が包含される、請求項67記載の装置。
【請求項69】
体液に血液が包含され、及び被分析物にグルコースが包含される、請求項67記載の装置。
【請求項70】
方法が更に、濃度を定めるのに最良の統計学的手段を評価する工程を含む、請求項67記載の方法。
【請求項71】
被分析物監視装置であって、処理装置及び検出機を含み、1種又はそれよりも多くの種類の:ピーク領域、ピーク値及びピーク平均に基づくアルゴリズムを用いてデータを操作することによって、検出機により発生するデータから体液中に存在する被分析物の濃度を定めるのに適合されている、監視装置。
【請求項72】
ピーク平均に基づくアルゴリズムを用いてデータを操作する工程が:
検出機のアレイからの信号を平均化する工程;及び
平均信号値を背景信号から減算する工程
を含む、請求項67記載の方法。
【請求項73】
ピーク値に基づくアルゴリズムを用いてデータを操作する工程が:
検出機のアレイからの信号から最小信号値を定める工程;及び
最小信号値を背景信号から減算する工程
を含む、請求項67記載の方法。
【請求項74】
ピーク領域に基づくアルゴリズムを用いてデータを操作する工程が:
検出機のアレイにおいて各検出機で採取される検出信号と背景信号の間の差分を加算する工程;及び
信号の加重を背景信号から減算する工程
を含む、請求項67記載の方法。
【請求項75】
試料収集チャンバがマイクロチャネルである、請求項22記載の装置。
【請求項76】
マイクロニードル及び試料収集チャンバが互いにスライド可能に可動である、請求項60記載の装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公表番号】特表2006−521555(P2006−521555A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507469(P2006−507469)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/008798
【国際公開番号】WO2004/085995
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(504301214)ローズデイル メディカル インコーポレイテッド (4)
【出願人】(505359285)
【Fターム(参考)】