説明

被固定部材の固定構造

【課題】 特別の潤滑油案内部材を必要とせずに、軸の内部から供給された潤滑油を該軸の外周に配置された被潤滑部に案内する。
【解決手段】 メインシャフト16の外周面に形成された環状溝16aにコッター部材96を嵌合させ、このコッター部材96の外周をリテーナ97で覆って環状溝16aに保持することで、メインシャフト16の外周面に嵌合するサンギヤ72をコッター部材96で軸線L方向移動不能に固定することができる。メインシャフト16の内部に形成された潤滑油供給通路16bから該メインシャフト16の外周面に開口する潤滑油供給孔16cを通して供給された潤滑油は、リテーナ97の潤滑油案内部97cによりメインシャフト16の外周に配置されたフォワードクラッチ78に案内されるので、特別の潤滑油案内部材を設けることなく潤滑油をフォワードクラッチ78に案内することが可能になって部品点数が削減される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸の外周面に嵌合する被固定部材を軸線方向移動不能に固定すべく、前記軸の外周面に形成された環状溝と、前記環状溝に嵌合して前記被固定部材の軸線方向の移動を規制する固定部材と、前記固定部材の外周を覆って該固定部材を前記環状溝に保持する環状の保持部材とを備える被固定部材の固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルト式無段変速機のカウンタシャフトの外周面に嵌合させた発進クラッチ装置のボス部材を軸線方向に抜け止めして固定するために、カウンタシャフトの外周面に形成した環状溝にボス部材の側面に当接する2個のコッター部材を嵌合させ、カウンタシャフトに圧入した環状の規制部材でコッター部材の外周面を覆って該コッター部材の環状溝からの脱落を防止するものが、下記特許文献1により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−200911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ベルト式無段変速機の変速軸の内部から供給した潤滑油を変速軸の外周に配置された被潤滑部に供給して潤滑する場合に、潤滑油を被潤滑部に無駄なく導いて潤滑効果を高めるためには、変速軸から出た潤滑油を被潤滑部に案内する潤滑油案内部材が必要になる。しかしながら、特別の潤滑油案内部材を設けると、その分だけ部品点数や組付工数が増加してコストアップの要因となる問題がある。
【0005】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、特別の潤滑油案内部材を必要とせずに、軸の内部から供給された潤滑油を該軸の外周に配置された被潤滑部に案内することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、軸の外周面に嵌合する被固定部材を軸線方向移動不能に固定すべく、前記軸の外周面に形成された環状溝と、前記環状溝に嵌合して前記被固定部材の軸線方向の移動を規制する固定部材と、前記固定部材の外周を覆って該固定部材を前記環状溝に保持する環状の保持部材とを備える被固定部材の固定構造において、前記保持部材の外周部に径方向外側に向かって延びる潤滑油案内部を突設し、前記軸の内部に形成された潤滑油供給通路から該軸の外周面に開口する潤滑油供給孔を通して供給された潤滑油を、前記保持部材の前記潤滑油案内部により前記軸の外周に配置された被潤滑部に案内することを特徴とする被固定部材の固定構造が提案される。
【0007】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記保持部材の前記潤滑油案内部と前記被潤滑部との間に、前記軸に対して相対回転する回転部材が配置されることを特徴とする被固定部材の固定構造が提案される。
【0008】
尚、実施の形態のメインシャフト16は本発明の軸に対応し、実施の形態のサンギヤ72は本発明の被固定部材に対応し、実施の形態のフォワードクラッチ78は本発明の被潤滑部に対応し、実施の形態のコッター部材96は本発明の固定部材に対応し、実施の形態のリテーナ97は本発明の保持部材に対応し、実施の形態の隔壁部材100は本発明の回転部材に対応する。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の構成によれば、軸の外周面に形成された環状溝に固定部材を嵌合させ、この固定部材の外周を保持部材で覆って環状溝に保持することで、軸の外周面に嵌合する被固定部材を固定部材で軸線方向移動不能に固定することができる。軸の内部に形成された潤滑油供給通路から該軸の外周面に開口する潤滑油供給孔を通して供給された潤滑油は、保持部材の潤滑油案内部により軸の外周に配置された被潤滑部に案内されるので、特別の潤滑油案内部材を設けることなく潤滑油を被潤滑部に案内することが可能になって部品点数が削減される。
【0010】
また請求項2の構成によれば、保持部材の潤滑油案内部と被潤滑部との間に、軸に対して相対回転する回転部材を配置したので、潤滑油案内部から回転部材に供給された潤滑油を遠心力で径方向外側に飛散させて被潤滑部を効果的に潤滑することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】ベルト式無段変速機の縦断面図。
【図2】図1の2部拡大図。
【図3】図2の3部拡大図。
【図4】コッター部材およびリテーナの周辺の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図4に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1および図2に示すように、車両用のベルト式無段変速機Tは、右ケーシング11、中間ケーシング12および左ケーシング13を備えており、中間ケーシング12および左ケーシング13にそれぞれボールベアリング14,15を介してメインシャフト16が支持され、右ケーシング11、中間ケーシング12および左ケーシング13にそれぞれローラベアリング17、ボールベアリング18およびローラベアリング19を介してカウンタシャフト20が支持され、右ケーシング11および中間ケーシング12にそれぞれアンギュラローラベアリング21,22を介してリダクションシャフト23が支持される。メインシャフト16の右端内周に左端外周を相対回転自在に嵌合するインプットシャフト24の右端は、右ケーシング11の開口部においてエンジンEのクランクシャフト25の左端に同軸に対向する。
【0014】
右ケーシング11の内部には、インプットシャフト24の右端外周を囲むようにトルクコンバータ26が配置され、中間ケーシング12の内部には、インプットシャフト24およびメインシャフト16の嵌合部の外周を囲むように前後進切替機構27が配置されるとともに、前後進切替機構27の径方向外側に隣接するようにオイルポンプ28が配置される。
【0015】
中間ケーシング12に内部において、メインシャフト16の外周に設けられたドライブプーリ29とカウンタシャフト20の外周に設けられたドリブンプーリ30とに、無端状の金属ベルト31が巻き掛けられる。ドライブプーリ29は固定側プーリ半体29aと、その固定側プーリ半体29aに対して接近・離間可能な可動側プーリ半体29bとを備え、油室32に作用する油圧により溝幅を制御可能である。同様に、ドリブンプーリ30は固定側プーリ半体30aと、その固定側プーリ半体30aに対して接近・離間可能な可動側プーリ半体30bとを備え、油室33に作用する油圧により溝幅を制御可能である。
【0016】
右ケーシング11および中間ケーシング12にそれぞれアンギュラローラベアリング34,35を介してディファレンシャルギヤ36が支持される。カウンタシャフト20に設けた第1リダクションギヤ37がリダクションシャフト23に設けた第2リダクションギヤ38に噛合し、リダクションシャフト23に設けたファイナルドライブギヤ39がディファレンシャルギヤ36の外周に設けたファイナルドリブンギヤ40に噛合する。そしてディファレンシャルギヤ36から左右に延出する左右のドライブシャフト41,42が左右の車輪に接続される。
【0017】
トルクコンバータ26はエンジンEのクランクシャフト25の左端にドライブプレート51およびトルクコンバータカバー52を介して接続されたポンプ53と、ベルト式無段変速機Tのインプットシャフト24の右端に接続されたタービン54と、中間ケーシング12に一方向クラッチ55を介して支持されたステータ56と、ポンプ53およびタービン54を一体に結合可能なロックアップクラッチ57とを備える。
【0018】
エンジンEのクランクシャフト25に接続されたポンプ53が回転すると、ポンプ53から押し出されたオイルがタービン54に流入し、タービン54にトルクを与えてベルト式無段変速機Tのインプットシャフト24を回転させた後、ステータ56を通過してポンプ53に還流することで、クランクシャフト25の回転が減速され、かつトルク増幅されてインプットシャフト24に伝達される。
【0019】
ロックアップクラッチ57はトルクコンバータカバー52の内面に当接可能なクラッチピストン58を備えており、油圧でクラッチピストン58がトルクコンバータカバー52に当接するとロックアップクラッチ57が係合し、クランクシャフト25のトルクが直接インプットシャフト24に伝達される。
【0020】
トルクコンバータ26のステータ56を一方向クラッチ55を介して支持する筒状のステータシャフト61は、その左端外周に板状のステータシャフトフランジ62の開口部62aが圧入により一体に結合されており、ステータシャフトフランジ62はボルト63…で中間ケーシング12に締結される。トルクコンバータ26のポンプ53と一体の筒状のポンプシャフト64がステータシャフト61の外周に嵌合しており、ポンプシャフト64の外周にスプライン結合された駆動スプロケット65がボールベアリング81を介してステータシャフトフランジ62に回転自在に支持される。
【0021】
中間ケーシング12の内部に配置されたステータシャフトフランジ62の一端部にオイルポンプ28が固定されており、そのロータシャフト94にスプライン結合した従動スプロケット66と前記駆動スプロケット65とが無端チェーン67で接続される。従って、クランクシャフト25に接続されたトルクコンバータ26のポンプ53の回転は、ポンプシャフト64→駆動スプロケット65→無端チェーン67→従動スプロケット66→ロータシャフト94の経路でオイルポンプ28に伝達される。
【0022】
シングルピニオン型の遊星歯車機構からなる前後進切替機構27は、リングギヤ71と、サンギヤ72と、プラネタリキャリヤ73と、複数のピニオン74…とを備え、リングギヤ71はクラッチアウター75を介してインプットシャフト24の左端に結合され、サンギヤ72はメインシャフト16の右端に結合され、ピニオン74…を支持するプラネタリキャリヤ73はサンギヤ72の外周にボールベアリング76を介して相対回転自在に支持される。サンギヤ72と一体のクラッチインナー77と前記クラッチアウター75とがフォワードクラッチ78を介して結合可能であり、またプラネタリキャリヤ73と中間ケーシング12とがリバースブレーキ79を介して結合可能である。
【0023】
従って、フォワードクラッチ78およびリバースブレーキ79を共に係合解除するとインプットシャフト24およびメインシャフト16は切り離されるが、フォワードクラッチ78を係合すると、インプットシャフト24の回転がクラッチアウター75→フォワードクラッチ78→クラッチインナー77→サンギヤ72の経路でメインシャフト16に伝達され、メインシャフト16はインプットシャフト24と同一回転数で同一方向に回転する。
【0024】
一方、リバースブレーキ79を係合するとプラネタリキャリヤ73が中間ケーシング12に回転不能に拘束されるため、インプットシャフト24の回転がクラッチアウター75→リングギヤ71→ピニオン74…→サンギヤ72の経路でメインシャフト16に伝達され、メインシャフト16はインプットシャフト24に対して増速されて逆方向に回転する。
【0025】
しかして、エンジンEのクランクシャフト25の回転がトルクコンバータ26からインプットシャフト24および前後進切替機構27を介してメインシャフト16に伝達されると、メインシャフト16の回転がドライブプーリ29が、金属ベルト31およびドリブンプーリ30を介してカウンタシャフト20に伝達される。このとき、ドライブプーリ29の溝幅を広げてドリブンプーリ30の溝幅を狭めると、変速比がLOW側に連続的に変化し、逆にドライブプーリ29の溝幅を狭めてドリブンプーリ30の溝幅を広げると、変速比がOD側に連続的に変化する。
【0026】
そしてカウンタシャフト20の回転は、第1リダクションギヤ37→第2リダクションギヤ38→リダクションシャフト23→ファイナルドライブギヤ39→ファイナルドリブンギヤ40→ディファレンシャルギヤ36→ドライブシャフト41,42の経路で左右の車輪に伝達される。
【0027】
ベーンポンプよりなる可変吐出容量のオイルポンプ28の外郭は、ポンプケース84にポンプカバー85を重ね合わせてボルト86…で締結して構成される。ポンプケース84およびポンプカバー85の内部には一対のサイドプレート87,88に挟まれたカムリング89が配置されており、カムリング89の内部に複数のベーン(不図示)を出没自在に備えたロータ90が配置される。ロータ90を貫通するロータシャフト94はポンプケース84およびポンプカバー85に回転自在に支持される。
【0028】
ポンプケース84に突設した嵌合部84aをステータシャフトフランジ62のポンプ取付部62bにインロー嵌合した状態で、ステータシャフトフランジ62を貫通する図示せぬボルトをポンプケース84に螺合することで、オイルポンプ28がステータシャフトフランジ62に固定される。ステータシャフトフランジ62のポンプ取付部62bの近傍に従動スプロケット66がボールベアリング93を介して回転自在に支持されており、駆動スプロケット65および従動スプロケット66に無端チェーン67が巻き掛けられる。
【0029】
図3および図4から明らかなように、メインシャフト16の外周にスプライン嵌合するサンギヤ72に加わる左方向のスラスト荷重は、ボールベアリング76、プラネタリキャリヤ73およびスラストベアリング95を介して、メインシャフト16に固定されたボールベアリング14の右側面に支持される。また前記サンギヤ72に加わる右方向のスラスト荷重は、メインシャフト16の外周面に形成した環状溝16aに嵌合する2個のコッター部材96,96の左側面に支持される。
【0030】
コッター部材96,96は平ワッシャをその直径線で2分割したような形状を有しており、内周部が環状溝16aに嵌合した状態で外周部がサンギヤ72の右側面に当接することで、サンギヤ72がメインシャフト16から右方向に抜けないように固定する。2分割されたコッター部材96,96が径方向に分離して環状溝16aから脱落しないように、環状のリテーナ97がコッター部材96,96の外周を覆うように装着され、サークリップ98でメインシャフト16に固定される。
【0031】
リテーナ97は、コッター部材96,96およびサークリップ98間に介在する側壁部97aと、側壁部97aに連なってコッター部材96,96の外周面を覆う周壁部97bと、周壁部97bの左端から径方向外側かつ右方向に延びる潤滑油案内部97cとを一体に備える。潤滑油案内部97cの径方向先端は、サンギヤ72に固定されたフォワードクラッチ78のクラッチインナー77の右側面と、フォワードクラッチ78のキャンセラ油室99を区画する隔壁部材100の左側面との間に延びている。
【0032】
メインシャフト16の内周面とインプットシャフト24の外周面との間に形成された潤滑油供給通路16bは、メインシャフト16を径方向に貫通する潤滑油供給孔16cを介してリテーナ97の潤滑油案内部97cの内周面に対向する。
【0033】
しかして、サンギヤ72をメインシャフト16に固定するには、メインシャフト16の外周面にサンギヤ72を嵌合させた状態で、メインシャフト16の環状溝16aに2個のコッター部材96,96を嵌合させた後に、その周囲を覆うようにリテーナ97を嵌合させ、サークリップ98でリテーナ97を軸線L方向に抜け止めする。これにより、リテーナ97の周壁部97bで2個のコッター部材96,96の外周面を覆い、環状溝16aからのコッター部材96,96の脱落を防止することができる。
【0034】
さて、メインシャフト16の潤滑油供給通路16bに供給された潤滑油が潤滑油供給孔16cを通過してメインシャフトの外周面に流出すると、その潤滑油は潤滑油供給孔16cの径方向外側を覆うリテーナ97の潤滑油案内部97cの内周面に案内されて軸線L方向右側に向きを変えてフォワードクラッチ78の隔壁部材100の左側面に供給される。メインシャフト16と一体のリテーナ97とインプットシャフト24と一体の隔壁部材100とは相対回転するため、リテーナ97から隔壁部材100に供給された潤滑油は径方向外側に飛散してクラッチインナー77の内周面に供給され、クラッチインナー77に形成された油孔77a…を通過してフォワードクラッチ78の摩擦係合要素101…(図3参照)を効果的に潤滑することができる。
【0035】
このように、板金プレス製品であるリテーナ97に潤滑油案内部97cを一体に形成したので、潤滑油案内部97cを別部材で構成する場合に比べて部品点数および組付工数を削減し、かつリテーナ97自体の製造コストを殆ど増加させることなく、フォワードクラッチ78の摩擦係合要素の潤滑性能を高めることができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0037】
例えば、実施の形態ではリテーナ97の潤滑油案内部97cで案内した潤滑油を一旦フォワードクラッチ78の隔壁部材100に接触させてからフォワードクラッチ78の摩擦係合要素に供給しているが、潤滑油案内部97cで案内した潤滑油を直接フォワードクラッチ78の摩擦係合要素に供給しても良い。
【0038】
また本発明の固定部材は実施の形態のコッター部材96,96に限定されるものではなく、その個数は必ずしも2個である必要はない。
【0039】
また本発明の軸は実施の形態のメインシャフト16に限定されず、本発明の被固定部材は実施の形態のサンギヤ72に限定されず、本発明の被潤滑部は実施の形態のフォワードクラッチ78に限定されず、本発明の回転部材は実施の形態の隔壁部材100に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0040】
16 メインシャフト(軸)
16a 環状溝
16b 潤滑油供給通路
16c 潤滑油供給孔
72 サンギヤ(被固定部材)
78 フォワードクラッチ(被潤滑部)
96 コッター部材(固定部材)
97 リテーナ(保持部材)
97c 潤滑油案内部
100 隔壁部材(回転部材)
L 軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸(16)の外周面に嵌合する被固定部材(72)を軸線(L)方向移動不能に固定すべく、
前記軸(16)の外周面に形成された環状溝(16a)と、前記環状溝(16a)に嵌合して前記被固定部材(72)の軸線(L)方向の移動を規制する固定部材(96)と、前記固定部材(96)の外周を覆って該固定部材(96)を前記環状溝(16a)に保持する環状の保持部材(97)とを備える被固定部材の固定構造において、
前記保持部材(97)の外周部に径方向外側に向かって延びる潤滑油案内部(97c)を突設し、前記軸(16)の内部に形成された潤滑油供給通路(16b)から該軸(16)の外周面に開口する潤滑油供給孔(16c)を通して供給された潤滑油を、前記保持部材(97)の前記潤滑油案内部(97c)により前記軸(16)の外周に配置された被潤滑部(78)に案内することを特徴とする被固定部材の固定構造。
【請求項2】
前記保持部材(97)の前記潤滑油案内部(97c)と前記被潤滑部(78)との間に、前記軸(16)に対して相対回転する回転部材(100)が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の被固定部材の固定構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−117508(P2011−117508A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−274327(P2009−274327)
【出願日】平成21年12月2日(2009.12.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】