被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置
【課題】乾燥処理を必要とすることなく、処理時間や処理スペースの短縮化および設備の廃止や簡略化、設備費の低減を図ることのできる被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置を提供する。
【解決手段】被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように塗布部材を保持するホルダー部材と、上記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を設置するとともに、該提部材の上記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、上記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする。
【解決手段】被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように塗布部材を保持するホルダー部材と、上記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を設置するとともに、該提部材の上記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、上記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば木質系単板や合板などの被塗布板の表面に、塗布剤を塗布する方法、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の被塗布板の塗布方法や装置として、水系または溶剤系の塗布剤を、ロールコーターやナイフコーターなどを用いて、凹部欠陥をもつ被塗布板の表面を平滑で良好な仕上がりに塗装するものがあった(特許文献1)。
【0003】
近年では塗布剤にも高生産性や安全性、環境に優しいことが求められており、水系樹脂では乾燥に費やす時間とコスト、溶剤系では乾燥時の揮発性有機化合物が問題となっている。
【0004】
上記問題点より、冷却で直ちに固化し、溶剤を含まず、耐熱性も有する反応性ホットメルトへの転換が図られている。
【0005】
しかしながら、反応性ホットメルトを塗布剤として使用した場合、反応性ホットメルトの性状によっては、該塗布剤は被塗布板表面に供給された直後より冷却による粘度上昇が起こるため、溶液状態での液溜まりの形成が不可能であったり、ナイフコーターを使用する場合には該塗布剤が被塗布板表面に広がらず端部への供給が不十分となるばかりか、場合によってはナイフに接する前に固化してしまい、塗布が困難となる。故にこれら不具合を解消した塗布方法および装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−79165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる不具合を解消した塗布方法及び装置の開発の要望に応えるためになされたもので、その目的とするところは、乾燥処理を必要とすることなく、処理時間や処理スペースの短縮化および設備の廃止や簡略化、設備費の低減を図ることのできる被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置を提供することにある。
また、ナイフコーター等の塗布部材のところまで塗布剤の十分な流動性を確保することができ、塗布後に塗布剤の馴致や平滑化や乾燥処理を必要とすることなく、初期の塗布目的を達成することができる被塗布板表面への塗布剤の塗布方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、塗布部材を用いて被塗布板表面に塗布剤を塗布する方法および装置において、上記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように該塗布部材を保持するホルダー部材と、上記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を設置するとともに、該提部材の上記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、上記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置は、ナイフコーター等の塗布部材にまで塗布剤の十分な流動性を確保することができ、塗布後に塗布剤の馴致や平滑化や乾燥処理を必要とすることなく、初期の塗布目的を達成することができ、また、塗布後に塗布剤の被塗布板表面への馴致や平滑化や乾燥処理を必要とすることなく、処理時間や処理スペースの短縮化及び設備の廃止や簡略化、設備費の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第1の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端がブレード)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図2】図1の装置の平面図である。図中、ブレード押さえシリンダーは省略されている。
【図3】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第2の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が半円状)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図4】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第3の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が円に切り込みを入れた形状)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図5】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第4の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が三角形)。図中、サイドガイドは省略されている
【図6】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第5の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端がブレード。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図7】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第6の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端がブレード。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図8】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第7の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が半円状。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図9】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第8の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が円に切り込みを入れた形状。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図10】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第9の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が三角形。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図11】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第10の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフロールコーター)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図12】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第11の実施例を示す側面図である(塗布部材がスクイズコーター)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図13】クランク状に貼り合わせた合板による塗布剤の試験片の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法は、塗布部材を用いて被塗布板の表面に塗布剤を塗布する方法において、上記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を配置すると共に該提部材の上記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、上記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする。
【0012】
上記被塗布板としては、単板や合板、パーティクルボード、木質繊維板(MDF=ミディアム デンシティー ファイバーボード、ハードボード、インシュレーションボード)、LVL、OSB、ウッドプラスチックボードなどの木質板、ケイカル板やセメント板などの無機板、無機繊維板(ロックウールボード、グラスウールボードなど)、軽量発泡コンクリート、フェノールフォーム、ウレタンフォーム、スタイロフォームなどの発泡体及び無機・有機のチップ等の成形素材や充填剤、界面活性剤、繊維状および板状の補強素材などを組み合わせた複合板などが挙げられる。被塗布板は、2種類以上の被塗布板を接着剤などで複合化したものでもよい。
【0013】
上記塗布剤としては、塗布目的に応じて、補修剤、接着剤および塗装剤が含まれる。ここに、補修剤とは、板表面のワレや虫食い穴、抜け節、目ボレおよび年輪などの欠陥凹部や、反り、あばれ部に塗布されて、該欠陥凹部等を塞いで平滑な表面を補修形成する塗布剤である。また、上記接着剤とは、木質類、プラスチック類、シート類、金属類、ガラス類などの有機・無機の被着体と被着体を接着するにあたり、一方又は両方の被着体に塗布し、接着を行なう塗布剤である。そして、上記塗装剤とは、上記補修剤や接着剤を除く塗布剤であって、例えば、化粧仕上げやコンクリート型枠表面の剥離仕上げをする塗装剤である。同じ材料が、上記補修剤、接着剤及び塗装剤の複数の役割を兼ねる場合もある。
【0014】
上記塗布剤の組成としては、例えば、ウレタン樹脂、低密度および高密度のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ホルマリン系樹脂のいずれか一種または二種以上を配合したものをベース樹脂とし、このベース樹脂に対し必要に応じて粘着付与剤、ワックス、可塑剤、界面活性剤、充填剤、硬化剤のいずれか一種または二種以上を配合したものが挙げられる。中でも硬化と乾燥の促進、耐熱性および耐水性、耐候性の向上の目的で硬化剤を配合することが好ましい。塗布剤は100℃での溶融状態の粘度が1〜1000Pa・sが好ましい。二種類以上の樹脂を配合してベース樹脂とする場合は、少なくとも一種をNCO含有率1%以上(重量%)の湿気硬化型ウレタン樹脂とし、塗布剤中に、0.5〜50重量%配合することが好ましい。
【0015】
上記塗布剤に用いられる粘着付与剤としては、特に限定されず、例えばロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂等が含まれる。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン、およびこれらの誘導体(例えば、水素添加ロジン、不均化ロジン、脱水素ロジン、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル、マレイン酸付加物、ロジン金属塩)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテル、ミルセン、ボルニレン、カンフェン等のテルペン類の重合体であるテルペン樹脂、これらテルペン類をフェノール類で変性したフェノール変性テルペン系樹脂等が挙げられる。石油系樹脂には、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ベンチレン等の溜分を原料とした脂肪族石油系樹脂、脂環族石油系樹脂または芳香族石油系樹脂、シクロペンタジエンの単独または共重合体等が含まれる。石油系樹脂は、C5〜C9 程度の溜分を主成分として用いた重合体である場合が多く、水素添加シクロペンタジエン樹脂等のように水素添加されても良い。スチレン系樹脂としては、スチレンの低分子量単独重合体、スチレンと、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、ブタジエンゴム等との共重合体等が挙げられる。クマロン系樹脂には、例えばクマロン−インデン樹脂、フェノール変性クマロン−インデン樹脂等が含まれる。フェノール系樹脂としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、トルエン、p−t−ブチルフェノール、pフェニルフェノール等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応生成物、ロジン変性フェノール樹脂等が含まれる。粘着付与剤は、2種以上の粘着付与剤を併用して配合しても良い。
【0016】
上記塗布剤に用いられるワックスとしては、特に限定されず、例えば天然ワックスと合成ワックスがあり、天然ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、カルボニル基含有ワックスおよびこれらの混合物、合成ワックスとしてはポリオレフィンワックス等が挙げられる。ワックスは、2種以上のワックスを併用して配合しても良い。
【0017】
上記塗布剤に用いられる可塑剤としては、特に限定されず、例えばジブチルフタレート 、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリノルマルアルキル等が挙げられる。可塑剤は、2種以上の可塑剤を併用して配合しても良い。
【0018】
上記塗布剤に用いられる界面活性剤としては、特に限定されず、例えばカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は、2種以上の界面活性剤を併用して配合しても良い。カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられる。非イオン界面活性剤としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0019】
上記塗布剤に用いられる充填剤としては、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、焼成シリカ、溶融シリカ、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、けいそう土、ベントナイト、酸化チタン、酸化マグレシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化亜鉛、マイカ、カオリンクレー、ろう石クレー、焼成クレー、タルク、カーボンブラック、セルロシン、パルプ、ヤシ殻粉、小麦粉、菜種粕、蒟蒻粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、コーングルテン、ミルクカゼイン、木粉、卵白粉、米粉、大豆蛋白などの無機または有機充填剤が挙げられ、またこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。充填剤は、2種以上の充填剤を併用して配合しても良い。
【0020】
上記塗布剤に用いられる硬化剤としては、配合成分のいずれか1種もしくは2種以上と反応するものであれば特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、含水酸基化合物、酸、アルカリ、などが挙げられる。硬化剤は、2種以上の硬化剤を併用して配合しても良い。中でも、NCO含有率30%以上(重量%)の化合物を塗布剤中に、0.5〜50重量%配合することが好ましい。
【0021】
上記塗布剤は、100℃での溶融状態の粘度が1〜1000Pa・sが好ましく、20℃の雰囲気においてセットタイム(ST)が5秒〜30分、オープンタイム(OT)が5秒〜30分、タックフリータイム(TFT)が5秒〜18時間の範囲に入る性能を有する接着剤や塗料であればいずれでも良い。なお、ST、OT、TFTは、以下の方法で測定した。
<セットタイム(ST)の測定>材温20℃の2.5cm×10cm×5.5cm(厚さ)の南洋材合板の先端2.5cm×2.5cmに120℃に温調した塗布剤を約0.09g塗布し、約3秒後にもう一枚の合板(材温20℃)をクランク状に貼り合わせ(図13参照)、3kgf/cm2で5秒間冷圧した後、任意の時間放置後にプッシュプルゲージで試験片の端から25mmの地点を500mm/min.以上の速度で押し、強度と材破率を測定した。木部破段率が100%になる時間をセットタイムとした。
<オープンタイム(OT)の測定>材温20℃の2.5cm×10cm×5.5cm(厚さ)の南洋材合板の先端2.5cm×2.5cmに120℃に温調した塗布剤を約0.09g塗布し、任意の時間放置後にもう一枚の合板(材温20℃)をクランク状に貼り合わせ(図13参照)、3kgf/cm2で5秒間冷圧した後、セットタイムより長い時間放置後にプッシュプルゲージで試験片の端から25mmの地点を500mm/min.以上の速度で押し、強度と材破率を測定した。木部破段率が100%になる時間をオープンタイムとした。
<タックフリータイム(TFT)>材温20℃の2.5cm×10cm×5.5cm(厚さ)の南洋材合板の先端2.5cm×2.5cmに120℃に温調した塗布剤を約0.09g塗布し、任意の時間放置後に指触にて塗布剤のタックを確認した。タックが完全になくなるまでの時間をタックフリータイムとした。
【0022】
上記塗布剤は、40℃以下で固形(固体)の場合には、例えばペレット固形物などとし、加熱溶融して上記提部材の傾斜面上に提供する。
【0023】
上記提部材の傾斜面は70〜250℃に加熱調整され、ここに供給された塗布剤を加熱して、その流動性を保ちながら、搬送されてくる被塗布板の表面に供給する。
【0024】
被塗布板の表面は、予め加熱されていて、供給される塗布剤が流動性を保持するようになっている。該被塗布板の表面の予熱用法としては、上記提部材の底面部(下側面)を被塗布板の表面に近接せしめ、該底面部を温度調整可能に加熱し、搬送される被塗布板の表面を10℃〜60℃に加温する。
【0025】
上記塗布部材は、例えば、従来周知のナイフコーターやスクイズコーターである。これらの塗布部材は、ホルダー部材により保持されている。上記塗布部材は、適当な加熱手段により70〜250℃に調温可能に加熱する。上記ホルダー部材に加熱手段を設けたほうが生産上有利な場合は、該ホルダー部材に加熱手段を設けて、上記塗布部材を70〜250℃に調温可能に加熱する。該塗布部材を加熱しておくことにより、塗布剤をその流動性を保ちながら、確実にならい加圧することができる。
【0026】
また、本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置は、塗布部材を用いて被塗布板の表面に塗布剤を塗布する装置において、上記被塗布板を送る搬送手段と、上記塗布部材の先端部を上記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように、該塗布部材を保持するホルダー部材と、該塗布部材に対してその上流側に間隔を空けて設置する提部材と、該提部材の上記塗布部材側に設けられた傾斜面に塗布剤を供給落下せしめる塗布剤供給手段とから構成され、上記塗布部材を加熱する加熱手段を上記ホルダー部材に設けるとともに、上記傾斜面を加熱する加熱手段を上記提部材に設けることを特徴とする。
【0027】
上記塗布部材が、ナイフコーターで先端がブレードである場合には、そのブレードの厚みは0.3〜5mmであることが好ましい。ブレードの厚みが0.3mm未満では塗布量を絞ることができず、経済的に不利である。ブレードの厚みが5mmを超えると、被塗布板の屑などで刃詰まりを起こし塗布ムラが発生しやすくなる。ナイフコーターの先端は曲線又は半円状でも良く、円に切込みを入れた形状でも良い。塗布剤をしごくナイフコーターのブレード部分や先端部、ナイフロールコーターのナイフロール、スクイズコーターのスクイズロールは均質に焼入れした鋼よりなるのが好ましい。加温時の熱膨張の均等化が図れ、熱膨張が不均一なことにより生じる歪みを防止することができる。
【0028】
また、被塗布板に近接する上記ホルダー部材の底面部に、上流側から流れてきた塗布剤を集約して被塗布板の欠点凹部に流れるような溝を一つ以上多数設置して、塗布剤の流れを進行方向より徐々に被塗布板の欠点部に向けて収れん加圧する構造を持つ前充填補助部材を設ける。その底面部を加熱する加熱手段を設けて、上記提部材の傾斜面から、被塗布板の上面に流下する塗布剤の流動性を保持する。この加熱手段は、上記塗布部材を加熱する加熱手段と同じ物でも良い。すなわち、ホルダー部材の全体を加熱するようにしてもよい。
【0029】
更に、上記提部材の底面を加熱する加熱手段を設けて、搬送される被塗布板の表面を予め加熱しておき、上記傾斜面を流下する塗布剤が、低温状態で搬送供給される被塗布板により固化して流動性が失われないようにする。この加熱手段は、上記傾斜面を加熱する加熱手段と同じ物でもよい。すなわち、提部材の全体を加熱するようにしても良い。
【0030】
なお、上記提部材の上部には、塗布剤の回転する流れを抑え、巻き込み泡の発生抑制と、液の先入れ先出しを促進する阻止板を必要に応じて立設し、落下提供される塗布剤が上記傾向面に確実に供給されるようにする。
【0031】
また、上記提部材の上流側に、重なり防止用反り治具を設けて、搬送される被塗布板が一枚ずつ且つ隙間無く搬送されるようにする。
【0032】
上記塗布部材と提部材の両側には、塗布剤の横ダレ防止と被塗布板の搬送精度向上のためにサイドガイド板が設けられている。該サイドガイド板にも加熱手段を設けておく。
【0033】
上記提部材の傾斜面は塗布剤の流動性、粘性、硬さ、乾き速度により異なるが、その角度は15〜75°に形成するのが好ましい。
【0034】
ナイフの先端と被塗布板の表面との接点からの距離は3〜300mmの位置に、上記傾斜面の下端を位置せしめるのが好ましい。3mm未満の場合は欠点部の充填不足と塗布カスレが生じやすくなり、300mmを超える場合は、塗布剤が多くなり、可使時間が短くなり、固化および硬化物が発生しやすく、炭化現象が起こりやすくなる。
【0035】
上記加熱手段としては、例えば電熱シートや電熱棒を用いる。
【実施例】
【0036】
本発明の装置の実施形態を図面にて説明する。また、以下で説明する図面は、本発明の一実施形態であり、その目的を達成していれば、各部材およびその位置を限定するものではない。図1は本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第1の実施例を示す側面図、図2はその平面図であり、図中、1はナイフコーター(先端がブレード)、2は該ナイフコーター1を取り付けるホルダー部材、3は提部材、4は塗布剤供給部材、および、Pは被塗布板である。図3はナイフコーターの先端が半円状、図4はナイフコーターの先端が円に切り込みを入れた形状、図5はナイフコーターの先端が三角形のものである。図6、図7は、前充填補助部材を必要としない場合のナイフコーター、図8は前充填補助部材を必要としない場合の先端が半円状のナイフコーター、図9は前充填補助部材を必要としない場合の先端が円に切り込みを入れた形状のナイフコーター、図10は前充填補助部材を必要としない場合の先端が三角形のナイフコーター、図11は塗布部材にロールナイフコーター、図12は塗布部材にスクイズコーターを用いたものである。
【0037】
上記被塗布板Pは、合板、単板、パーティクルボード、MDFなどの木質板、やケイカル板、木毛セメント板、無機繊維板などの表面の凹凸、ワレ、虫食い穴、抜け節、目ボレ、クラック等の補修を必要とする欠陥部を有し適宜搬送手段(図示せず)、により、矢印方向(下流側方向)に搬送されるようになっている。上記搬送手段は、被塗布板Pを略水平状態に保持しながら所望速度で移動させる手段であれば、従来公知のいずれの手段であっても良い。
【0038】
上記ナイフコーター1は、上記ホルダー部材2に止めボルト1aにより、下流側方向に斜め下方に向けて着脱自在に取り付け固定されている。ナイフコーター1の先端は上記被塗布板Pの表面に接触するように保持されている。ナイフコーター1には、ナイフ先端のブレードと被塗布板Pの接触を高めて塗布剤量をならい加圧して絞る、ブレード押さえシリンダー1bを設置することが好ましい。また、該ナイフコーター1の先端は、厚み0.3〜5mmのブレードで、その他には曲線、半円状、円に切り込みを入れた形状、三角形等であっても良い。ナイフコーター1の代わりにナイフロールコーター11(図11参照)及びスクイズコーター21(図12参照)を用いても良い。
【0039】
上記ホルダー部材2は、水平軸2aに回転自在に取り付けられている。該ホルダー部材2は、内部に加熱手段2bを有し、上記ナイフコーター1の温度を70〜250℃に調温するようになっている。また、上記ホルダー部材2の底面は、上記被塗布板Pの表面に所定隙間S(被塗布板P上に供給される塗布剤の厚み以上の隙間)を保って接近しており、該被塗布板Pの表面に供給される塗布剤を調温して、塗布剤が流動状態を保つようにする。該隙間Sは1〜20mmに調整し、好ましくは3〜8mmに調整する。該隙間Sが1mm以下の場合、欠点部への欠膠による充填不足を生じやすい。隙間Sが20mm以上の場合、上流側より流れた塗布剤が被塗布板方向に集約不足になり、欠点部を充填すべき塗布剤流速が低下し充填不良になる。
【0040】
上記被塗布板Pの両側には、図2から明らかなように、サイドガイド板5が設けられていて、供給される塗布剤が、該被塗布板Pの両側に流出するのを阻止している。該サイドガイド5は搬送方向に対し被塗布板Pの定規出しと、横ダレ防止機能を有する。又、固化物や被塗布板Pの破材物、硬化樹脂を集積するため適宜異物除去作業を必要とする。小口塗装を行う場合は、強制的に横ダレを起こして加圧塗布するタイプのサイドガイド5が良い。該サイドガイド5も70〜250℃に温度調節されている。
【0041】
上記提部材3は、上記ナイフコーター1に対して、その上流側(上記搬送方向とは逆方向側)に間隔を空けて設置されていて、該ホルダー部材2との間に塗布剤供給口Fを形成している。該塗布剤供給口Fには、下流側方向に斜め方向に向けて傾斜した傾斜面3aが形成されていて、該傾斜面3a上に塗布剤が供給落下され、該傾斜面3aを加熱することにより、供給される塗布剤が降温固化するのを防止して、流動性を保持する。塗布剤の供給量は、ナイフ先端部から塗布剤供給部の間に、通常1分間に塗布する塗布剤の2〜10倍(重量比)となるようにする。
【0042】
また、上記提部材3は、被塗布板Pとの隙間を可能な限り狭くするよう保ち、被塗布板Pに損傷が出ない範囲で近接することが望ましい。上記提部材3は、その底面部3bを加熱することにより、被塗布板Pの表面を事前に加熱(予熱)しておき、該被塗布板Pの表面に流下供給される塗布剤が固化するのを防止して、流動性を保持する。
【0043】
3cは阻止板であって、上記塗布剤供給手段4から落下供給される塗布剤が、提部材3の傾斜面3aに確実に供給されるようにしている。該阻止板3cは、塗布に必要な塗布剤の量を保持し、巻き込み泡の防止と塗布剤の先入れ先出しを制御する。3dは重なり防止用反り治具であって搬送される被塗布板Pを1枚ずつ且つ隙間無く搬送されるようにする。3eは加熱手段である。
【0044】
上記塗布剤供給手段4は、塗布剤が液状または、半練り上の流動体である場合には、例えば、シリンダーポンプ、ギアポンプ、スネークポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどの供給装置を用いて円形、フイゴ形などの塗出ノズルから供給する。塗布剤がペレットなどの固形である場合には、加熱溶融して流体状にしてから吐出する。例えば、加熱溶融のできる連続搬出可能なニーダー供給機又は、エクストルーダ及びアジテーターで一液又は二液以上を混合して吐出する。
【0045】
次に、上記実施例の被塗布板の補修装置による、補修方法について説明する。適宜搬送手段(図示せず)により矢印方向に搬送される被塗布板Pは、提部材3の重なり防止用反り治具3dにより、重なって搬入されないように制御されて、上記提部材3の下側に搬入される。
【0046】
上記提部材3の下側に搬入される被塗布板Pは、加熱手段3eにより調温されている提部材3の底面部3bにより加熱された状態で、上記ホルダー部材2の下部底面に設置した前充填補助部材2cからナイフコーター1の下方に送られる。
【0047】
一方、上記補修剤供給手段4から上記提部材3の傾斜面3a上に、塗布剤が落下供給される。該傾斜面3a上に供給された塗布剤は、加熱され流動状態が維持された状態で、下方の被塗布板Pに流下供給される。上述のように、上記底面部3bにより被塗布板Pは加熱されており、しかも、上記ホルダー部材2の底面部により更に加熱されるので、該被塗布板Pに供給される塗布剤は、流動状態が維持された状態で、上記ナイフコーター1に送られる。
【0048】
供給された塗布剤のうち、特に、被塗布板Pの凹部等の欠陥部に供給される補修剤は、上記ホルダー部材2の下部に位置する前充填用補助部材2cにより該欠陥部内に充填される。上記被塗布板Pの表面の補修剤は、上記ナイフコーター1によって更に導管部や干割れ、クラック等の細部の欠点部分や目ボレ、抜け節の広い部分にならい加圧し補修する。
【0049】
次に、本発明の具体例について、比較例と共に説明する。
【0050】
まず、具体例1、2および比較例1,2を表1に示す。
【表1】
【0051】
上記表1における、塗布性については、塗布液を塗布し、直後の平滑性を目視にて評価した。
◎:均一に塗布されている
○:ほぼ均一に塗布されているが、若干のローピングマークあり
×:均一に塗布されていない
【0052】
また、表1における充填性については、人工的に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、欠陥凹部への充填性を目視にて評価した。
◎:3箇所すべて充填されている
○:1〜2箇所充填されている
×:1箇所も充填されていない
【0053】
<具体例1>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図1のナイフコーターを用い表1の条件にて補修した。
【0054】
<具体例2>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図6のナイフコーターを用い表1の条件にて補修した。
【0055】
<比較例1>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材を取り除いた以外は実施例1の条件で補修した。
【0056】
<比較例2>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材を取り除いた以外は実施例2の条件で補修した。
【0057】
次に、具体例3〜7について、表2に示す。
【表2】
【0058】
<具体例3>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図3のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0059】
<具体例4>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図4のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0060】
<具体例5>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図5のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0061】
<具体例6>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図7のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0062】
また、具体例7〜10について、表3に示す。
【表3】
【0063】
<具体例7>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図8のナイフコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0064】
<具体例8>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図9のナイフコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0065】
<具体例9>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図10のナイフコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0066】
<具体例10>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図11のナイフロールコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0067】
さらに、具体例11と比較例3について、表4に示す。
【表4】
【0068】
<具体例11>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図12のスクイズコーターを用い表4の条件にて補修した。
【0069】
<比較例3>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、ホットロールコーターを用い表4の条件にて補修した。
【0070】
表5は、比較例4〜7である。
【表5】
【0071】
<比較例4>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ホルダー部材および塗布部材温度を60℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0072】
<比較例5>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ホルダー部材および塗布部材温度を260℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0073】
<比較例6>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、塗布板温度を5℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0074】
<比較例7>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、塗布板温度を80℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0075】
表6は、比較例8〜11である。
【表6】
【0076】
<比較例8>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材温度を60℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0077】
<比較例9>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材温度を260℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0078】
<比較例10>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、サイドガイド部材温度を60℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0079】
<比較例11>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、サイドガイド部材温度を260℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0080】
表7は、比較例12〜15である。
【表7】
【0081】
<比較例12>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの厚みを0.2mmに変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0082】
<比較例13>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの厚みを7mmに変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0083】
<比較例14>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を5°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0084】
<比較例15>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を85°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0085】
表8は、具体例12と比較例16〜18を示す。
【表8】
【0086】
<具体例12>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの材質をフェノール樹脂に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0087】
<比較例16>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの材質をジュラルミンに変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0088】
<比較例17>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を5°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0089】
<比較例18>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を85°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0090】
次に、表9に示す配合で組成物を120℃で加熱混合し、塗布剤を調整した。その後該塗布剤を用いてそれぞれ目的とした被塗布板の補修を行った。
なお、ここで用いた組成物は、以下のとおり。
ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)
アクリル樹脂:A-001(株式会社J−ケミカル製)
粘着付与剤:YSポリスター S145(ヤスハラケミカル株式会社製)
ワックス:Hi−Mic2095(日本精鑞株式会社製)
可塑剤:ジオクチルフタレート
界面活性剤:ノプコ8034(サンノプコ株式会社製)
充填剤:エスカロン200(三共精粉株式会社製)
硬化剤:K−1600(NCO含有率:33% 株式会社J−ケミカル製)
ウレタン樹脂:HP−821(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)
【0091】
【表9】
【0092】
次ぎに、具体例13〜18を表10に示す。
【0093】
【表10】
【0094】
さらに、具体例19と比較例19〜22を、表11に示す。
【0095】
【表11】
【符号の説明】
【0096】
1 ナイフコーター(ブレード)
1a 留めボルト
1b ブレード押さえシリンダー
2 ホルダー部材
2a 水平軸
2b 加熱手段
2c 前充填補助部材
3 提部材
3a 傾斜面
3b 底面部
3c 阻止板
3d 重なり防止反り治具
3e 加熱手段
4 塗布剤供給手段
5 サイドガイド
11 ロールナイフコーター(コンマコーター)
11a 加熱手段
21 スクイズコーター(スクイズロール)
21a 加熱手段
F 塗布剤供給口
P 被塗布板
S 隙間
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば木質系単板や合板などの被塗布板の表面に、塗布剤を塗布する方法、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の被塗布板の塗布方法や装置として、水系または溶剤系の塗布剤を、ロールコーターやナイフコーターなどを用いて、凹部欠陥をもつ被塗布板の表面を平滑で良好な仕上がりに塗装するものがあった(特許文献1)。
【0003】
近年では塗布剤にも高生産性や安全性、環境に優しいことが求められており、水系樹脂では乾燥に費やす時間とコスト、溶剤系では乾燥時の揮発性有機化合物が問題となっている。
【0004】
上記問題点より、冷却で直ちに固化し、溶剤を含まず、耐熱性も有する反応性ホットメルトへの転換が図られている。
【0005】
しかしながら、反応性ホットメルトを塗布剤として使用した場合、反応性ホットメルトの性状によっては、該塗布剤は被塗布板表面に供給された直後より冷却による粘度上昇が起こるため、溶液状態での液溜まりの形成が不可能であったり、ナイフコーターを使用する場合には該塗布剤が被塗布板表面に広がらず端部への供給が不十分となるばかりか、場合によってはナイフに接する前に固化してしまい、塗布が困難となる。故にこれら不具合を解消した塗布方法および装置の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−79165
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる不具合を解消した塗布方法及び装置の開発の要望に応えるためになされたもので、その目的とするところは、乾燥処理を必要とすることなく、処理時間や処理スペースの短縮化および設備の廃止や簡略化、設備費の低減を図ることのできる被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置を提供することにある。
また、ナイフコーター等の塗布部材のところまで塗布剤の十分な流動性を確保することができ、塗布後に塗布剤の馴致や平滑化や乾燥処理を必要とすることなく、初期の塗布目的を達成することができる被塗布板表面への塗布剤の塗布方法及び装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、塗布部材を用いて被塗布板表面に塗布剤を塗布する方法および装置において、上記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように該塗布部材を保持するホルダー部材と、上記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を設置するとともに、該提部材の上記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、上記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法および装置は、ナイフコーター等の塗布部材にまで塗布剤の十分な流動性を確保することができ、塗布後に塗布剤の馴致や平滑化や乾燥処理を必要とすることなく、初期の塗布目的を達成することができ、また、塗布後に塗布剤の被塗布板表面への馴致や平滑化や乾燥処理を必要とすることなく、処理時間や処理スペースの短縮化及び設備の廃止や簡略化、設備費の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第1の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端がブレード)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図2】図1の装置の平面図である。図中、ブレード押さえシリンダーは省略されている。
【図3】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第2の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が半円状)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図4】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第3の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が円に切り込みを入れた形状)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図5】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第4の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が三角形)。図中、サイドガイドは省略されている
【図6】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第5の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端がブレード。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図7】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第6の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端がブレード。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図8】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第7の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が半円状。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図9】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第8の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が円に切り込みを入れた形状。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図10】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第9の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフコーターで先端が三角形。尚且つ前充填補助部材を必要としない場合)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図11】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第10の実施例を示す側面図である(塗布部材がナイフロールコーター)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図12】本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第11の実施例を示す側面図である(塗布部材がスクイズコーター)。図中、サイドガイドは省略されている。
【図13】クランク状に貼り合わせた合板による塗布剤の試験片の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法は、塗布部材を用いて被塗布板の表面に塗布剤を塗布する方法において、上記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を配置すると共に該提部材の上記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、上記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする。
【0012】
上記被塗布板としては、単板や合板、パーティクルボード、木質繊維板(MDF=ミディアム デンシティー ファイバーボード、ハードボード、インシュレーションボード)、LVL、OSB、ウッドプラスチックボードなどの木質板、ケイカル板やセメント板などの無機板、無機繊維板(ロックウールボード、グラスウールボードなど)、軽量発泡コンクリート、フェノールフォーム、ウレタンフォーム、スタイロフォームなどの発泡体及び無機・有機のチップ等の成形素材や充填剤、界面活性剤、繊維状および板状の補強素材などを組み合わせた複合板などが挙げられる。被塗布板は、2種類以上の被塗布板を接着剤などで複合化したものでもよい。
【0013】
上記塗布剤としては、塗布目的に応じて、補修剤、接着剤および塗装剤が含まれる。ここに、補修剤とは、板表面のワレや虫食い穴、抜け節、目ボレおよび年輪などの欠陥凹部や、反り、あばれ部に塗布されて、該欠陥凹部等を塞いで平滑な表面を補修形成する塗布剤である。また、上記接着剤とは、木質類、プラスチック類、シート類、金属類、ガラス類などの有機・無機の被着体と被着体を接着するにあたり、一方又は両方の被着体に塗布し、接着を行なう塗布剤である。そして、上記塗装剤とは、上記補修剤や接着剤を除く塗布剤であって、例えば、化粧仕上げやコンクリート型枠表面の剥離仕上げをする塗装剤である。同じ材料が、上記補修剤、接着剤及び塗装剤の複数の役割を兼ねる場合もある。
【0014】
上記塗布剤の組成としては、例えば、ウレタン樹脂、低密度および高密度のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ホルマリン系樹脂のいずれか一種または二種以上を配合したものをベース樹脂とし、このベース樹脂に対し必要に応じて粘着付与剤、ワックス、可塑剤、界面活性剤、充填剤、硬化剤のいずれか一種または二種以上を配合したものが挙げられる。中でも硬化と乾燥の促進、耐熱性および耐水性、耐候性の向上の目的で硬化剤を配合することが好ましい。塗布剤は100℃での溶融状態の粘度が1〜1000Pa・sが好ましい。二種類以上の樹脂を配合してベース樹脂とする場合は、少なくとも一種をNCO含有率1%以上(重量%)の湿気硬化型ウレタン樹脂とし、塗布剤中に、0.5〜50重量%配合することが好ましい。
【0015】
上記塗布剤に用いられる粘着付与剤としては、特に限定されず、例えばロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂、クマロン系樹脂、フェノール系樹脂等が含まれる。ロジン系樹脂としては、ガムロジン、ウッドロジン等のロジン、およびこれらの誘導体(例えば、水素添加ロジン、不均化ロジン、脱水素ロジン、ロジングリセリンエステル、ロジンペンタエリスリトールエステル等のロジンエステル、マレイン酸付加物、ロジン金属塩)等が挙げられる。テルペン系樹脂としては、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、ジペンテル、ミルセン、ボルニレン、カンフェン等のテルペン類の重合体であるテルペン樹脂、これらテルペン類をフェノール類で変性したフェノール変性テルペン系樹脂等が挙げられる。石油系樹脂には、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、インデン、メチルインデン、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、ベンチレン等の溜分を原料とした脂肪族石油系樹脂、脂環族石油系樹脂または芳香族石油系樹脂、シクロペンタジエンの単独または共重合体等が含まれる。石油系樹脂は、C5〜C9 程度の溜分を主成分として用いた重合体である場合が多く、水素添加シクロペンタジエン樹脂等のように水素添加されても良い。スチレン系樹脂としては、スチレンの低分子量単独重合体、スチレンと、例えばα−メチルスチレン、ビニルトルエン、ブタジエンゴム等との共重合体等が挙げられる。クマロン系樹脂には、例えばクマロン−インデン樹脂、フェノール変性クマロン−インデン樹脂等が含まれる。フェノール系樹脂としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシノール、トルエン、p−t−ブチルフェノール、pフェニルフェノール等のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類との反応生成物、ロジン変性フェノール樹脂等が含まれる。粘着付与剤は、2種以上の粘着付与剤を併用して配合しても良い。
【0016】
上記塗布剤に用いられるワックスとしては、特に限定されず、例えば天然ワックスと合成ワックスがあり、天然ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバワックス、カルボニル基含有ワックスおよびこれらの混合物、合成ワックスとしてはポリオレフィンワックス等が挙げられる。ワックスは、2種以上のワックスを併用して配合しても良い。
【0017】
上記塗布剤に用いられる可塑剤としては、特に限定されず、例えばジブチルフタレート 、ジオクチルフタレート、リン酸トリクレジル、リン酸トリオクチル、アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、ジエチレングリコールジベンゾエート、ペンタエリスリトールエステル、アジピン酸プロピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレングリコールポリエステル、オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリノルマルアルキル等が挙げられる。可塑剤は、2種以上の可塑剤を併用して配合しても良い。
【0018】
上記塗布剤に用いられる界面活性剤としては、特に限定されず、例えばカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤などが挙げられる。界面活性剤は、2種以上の界面活性剤を併用して配合しても良い。カチオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型界面活性剤およびアミン塩型界面活性剤等が挙げられる。アニオン界面活性剤としては、カルボン酸またはその塩、硫酸エステル塩、カルボキシメチル化物の塩、スルホン酸塩およびリン酸エステル塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、カルボン酸塩型両性界面活性剤、硫酸エステル塩型両性界面活性剤、スルホン酸塩型両性界面活性剤およびリン酸エステル塩型両性界面活性剤などが挙げられる。非イオン界面活性剤としては、アルキレンオキサイド付加型非イオン界面活性剤および多価アルコ−ル型非イオン界面活性剤などが挙げられる。
【0019】
上記塗布剤に用いられる充填剤としては、特に限定されず、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、焼成シリカ、溶融シリカ、沈降シリカ、ヒュームドシリカ、粉砕シリカ、けいそう土、ベントナイト、酸化チタン、酸化マグレシウム、酸化バリウム、酸化鉄、酸化亜鉛、マイカ、カオリンクレー、ろう石クレー、焼成クレー、タルク、カーボンブラック、セルロシン、パルプ、ヤシ殻粉、小麦粉、菜種粕、蒟蒻粉、コーンスターチ、馬鈴薯澱粉、コーングルテン、ミルクカゼイン、木粉、卵白粉、米粉、大豆蛋白などの無機または有機充填剤が挙げられ、またこれらの脂肪酸、樹脂酸、脂肪酸エステル処理物等が挙げられる。充填剤は、2種以上の充填剤を併用して配合しても良い。
【0020】
上記塗布剤に用いられる硬化剤としては、配合成分のいずれか1種もしくは2種以上と反応するものであれば特に限定されず、例えば、イソシアネート化合物、エポキシ化合物、含水酸基化合物、酸、アルカリ、などが挙げられる。硬化剤は、2種以上の硬化剤を併用して配合しても良い。中でも、NCO含有率30%以上(重量%)の化合物を塗布剤中に、0.5〜50重量%配合することが好ましい。
【0021】
上記塗布剤は、100℃での溶融状態の粘度が1〜1000Pa・sが好ましく、20℃の雰囲気においてセットタイム(ST)が5秒〜30分、オープンタイム(OT)が5秒〜30分、タックフリータイム(TFT)が5秒〜18時間の範囲に入る性能を有する接着剤や塗料であればいずれでも良い。なお、ST、OT、TFTは、以下の方法で測定した。
<セットタイム(ST)の測定>材温20℃の2.5cm×10cm×5.5cm(厚さ)の南洋材合板の先端2.5cm×2.5cmに120℃に温調した塗布剤を約0.09g塗布し、約3秒後にもう一枚の合板(材温20℃)をクランク状に貼り合わせ(図13参照)、3kgf/cm2で5秒間冷圧した後、任意の時間放置後にプッシュプルゲージで試験片の端から25mmの地点を500mm/min.以上の速度で押し、強度と材破率を測定した。木部破段率が100%になる時間をセットタイムとした。
<オープンタイム(OT)の測定>材温20℃の2.5cm×10cm×5.5cm(厚さ)の南洋材合板の先端2.5cm×2.5cmに120℃に温調した塗布剤を約0.09g塗布し、任意の時間放置後にもう一枚の合板(材温20℃)をクランク状に貼り合わせ(図13参照)、3kgf/cm2で5秒間冷圧した後、セットタイムより長い時間放置後にプッシュプルゲージで試験片の端から25mmの地点を500mm/min.以上の速度で押し、強度と材破率を測定した。木部破段率が100%になる時間をオープンタイムとした。
<タックフリータイム(TFT)>材温20℃の2.5cm×10cm×5.5cm(厚さ)の南洋材合板の先端2.5cm×2.5cmに120℃に温調した塗布剤を約0.09g塗布し、任意の時間放置後に指触にて塗布剤のタックを確認した。タックが完全になくなるまでの時間をタックフリータイムとした。
【0022】
上記塗布剤は、40℃以下で固形(固体)の場合には、例えばペレット固形物などとし、加熱溶融して上記提部材の傾斜面上に提供する。
【0023】
上記提部材の傾斜面は70〜250℃に加熱調整され、ここに供給された塗布剤を加熱して、その流動性を保ちながら、搬送されてくる被塗布板の表面に供給する。
【0024】
被塗布板の表面は、予め加熱されていて、供給される塗布剤が流動性を保持するようになっている。該被塗布板の表面の予熱用法としては、上記提部材の底面部(下側面)を被塗布板の表面に近接せしめ、該底面部を温度調整可能に加熱し、搬送される被塗布板の表面を10℃〜60℃に加温する。
【0025】
上記塗布部材は、例えば、従来周知のナイフコーターやスクイズコーターである。これらの塗布部材は、ホルダー部材により保持されている。上記塗布部材は、適当な加熱手段により70〜250℃に調温可能に加熱する。上記ホルダー部材に加熱手段を設けたほうが生産上有利な場合は、該ホルダー部材に加熱手段を設けて、上記塗布部材を70〜250℃に調温可能に加熱する。該塗布部材を加熱しておくことにより、塗布剤をその流動性を保ちながら、確実にならい加圧することができる。
【0026】
また、本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置は、塗布部材を用いて被塗布板の表面に塗布剤を塗布する装置において、上記被塗布板を送る搬送手段と、上記塗布部材の先端部を上記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように、該塗布部材を保持するホルダー部材と、該塗布部材に対してその上流側に間隔を空けて設置する提部材と、該提部材の上記塗布部材側に設けられた傾斜面に塗布剤を供給落下せしめる塗布剤供給手段とから構成され、上記塗布部材を加熱する加熱手段を上記ホルダー部材に設けるとともに、上記傾斜面を加熱する加熱手段を上記提部材に設けることを特徴とする。
【0027】
上記塗布部材が、ナイフコーターで先端がブレードである場合には、そのブレードの厚みは0.3〜5mmであることが好ましい。ブレードの厚みが0.3mm未満では塗布量を絞ることができず、経済的に不利である。ブレードの厚みが5mmを超えると、被塗布板の屑などで刃詰まりを起こし塗布ムラが発生しやすくなる。ナイフコーターの先端は曲線又は半円状でも良く、円に切込みを入れた形状でも良い。塗布剤をしごくナイフコーターのブレード部分や先端部、ナイフロールコーターのナイフロール、スクイズコーターのスクイズロールは均質に焼入れした鋼よりなるのが好ましい。加温時の熱膨張の均等化が図れ、熱膨張が不均一なことにより生じる歪みを防止することができる。
【0028】
また、被塗布板に近接する上記ホルダー部材の底面部に、上流側から流れてきた塗布剤を集約して被塗布板の欠点凹部に流れるような溝を一つ以上多数設置して、塗布剤の流れを進行方向より徐々に被塗布板の欠点部に向けて収れん加圧する構造を持つ前充填補助部材を設ける。その底面部を加熱する加熱手段を設けて、上記提部材の傾斜面から、被塗布板の上面に流下する塗布剤の流動性を保持する。この加熱手段は、上記塗布部材を加熱する加熱手段と同じ物でも良い。すなわち、ホルダー部材の全体を加熱するようにしてもよい。
【0029】
更に、上記提部材の底面を加熱する加熱手段を設けて、搬送される被塗布板の表面を予め加熱しておき、上記傾斜面を流下する塗布剤が、低温状態で搬送供給される被塗布板により固化して流動性が失われないようにする。この加熱手段は、上記傾斜面を加熱する加熱手段と同じ物でもよい。すなわち、提部材の全体を加熱するようにしても良い。
【0030】
なお、上記提部材の上部には、塗布剤の回転する流れを抑え、巻き込み泡の発生抑制と、液の先入れ先出しを促進する阻止板を必要に応じて立設し、落下提供される塗布剤が上記傾向面に確実に供給されるようにする。
【0031】
また、上記提部材の上流側に、重なり防止用反り治具を設けて、搬送される被塗布板が一枚ずつ且つ隙間無く搬送されるようにする。
【0032】
上記塗布部材と提部材の両側には、塗布剤の横ダレ防止と被塗布板の搬送精度向上のためにサイドガイド板が設けられている。該サイドガイド板にも加熱手段を設けておく。
【0033】
上記提部材の傾斜面は塗布剤の流動性、粘性、硬さ、乾き速度により異なるが、その角度は15〜75°に形成するのが好ましい。
【0034】
ナイフの先端と被塗布板の表面との接点からの距離は3〜300mmの位置に、上記傾斜面の下端を位置せしめるのが好ましい。3mm未満の場合は欠点部の充填不足と塗布カスレが生じやすくなり、300mmを超える場合は、塗布剤が多くなり、可使時間が短くなり、固化および硬化物が発生しやすく、炭化現象が起こりやすくなる。
【0035】
上記加熱手段としては、例えば電熱シートや電熱棒を用いる。
【実施例】
【0036】
本発明の装置の実施形態を図面にて説明する。また、以下で説明する図面は、本発明の一実施形態であり、その目的を達成していれば、各部材およびその位置を限定するものではない。図1は本発明の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置の第1の実施例を示す側面図、図2はその平面図であり、図中、1はナイフコーター(先端がブレード)、2は該ナイフコーター1を取り付けるホルダー部材、3は提部材、4は塗布剤供給部材、および、Pは被塗布板である。図3はナイフコーターの先端が半円状、図4はナイフコーターの先端が円に切り込みを入れた形状、図5はナイフコーターの先端が三角形のものである。図6、図7は、前充填補助部材を必要としない場合のナイフコーター、図8は前充填補助部材を必要としない場合の先端が半円状のナイフコーター、図9は前充填補助部材を必要としない場合の先端が円に切り込みを入れた形状のナイフコーター、図10は前充填補助部材を必要としない場合の先端が三角形のナイフコーター、図11は塗布部材にロールナイフコーター、図12は塗布部材にスクイズコーターを用いたものである。
【0037】
上記被塗布板Pは、合板、単板、パーティクルボード、MDFなどの木質板、やケイカル板、木毛セメント板、無機繊維板などの表面の凹凸、ワレ、虫食い穴、抜け節、目ボレ、クラック等の補修を必要とする欠陥部を有し適宜搬送手段(図示せず)、により、矢印方向(下流側方向)に搬送されるようになっている。上記搬送手段は、被塗布板Pを略水平状態に保持しながら所望速度で移動させる手段であれば、従来公知のいずれの手段であっても良い。
【0038】
上記ナイフコーター1は、上記ホルダー部材2に止めボルト1aにより、下流側方向に斜め下方に向けて着脱自在に取り付け固定されている。ナイフコーター1の先端は上記被塗布板Pの表面に接触するように保持されている。ナイフコーター1には、ナイフ先端のブレードと被塗布板Pの接触を高めて塗布剤量をならい加圧して絞る、ブレード押さえシリンダー1bを設置することが好ましい。また、該ナイフコーター1の先端は、厚み0.3〜5mmのブレードで、その他には曲線、半円状、円に切り込みを入れた形状、三角形等であっても良い。ナイフコーター1の代わりにナイフロールコーター11(図11参照)及びスクイズコーター21(図12参照)を用いても良い。
【0039】
上記ホルダー部材2は、水平軸2aに回転自在に取り付けられている。該ホルダー部材2は、内部に加熱手段2bを有し、上記ナイフコーター1の温度を70〜250℃に調温するようになっている。また、上記ホルダー部材2の底面は、上記被塗布板Pの表面に所定隙間S(被塗布板P上に供給される塗布剤の厚み以上の隙間)を保って接近しており、該被塗布板Pの表面に供給される塗布剤を調温して、塗布剤が流動状態を保つようにする。該隙間Sは1〜20mmに調整し、好ましくは3〜8mmに調整する。該隙間Sが1mm以下の場合、欠点部への欠膠による充填不足を生じやすい。隙間Sが20mm以上の場合、上流側より流れた塗布剤が被塗布板方向に集約不足になり、欠点部を充填すべき塗布剤流速が低下し充填不良になる。
【0040】
上記被塗布板Pの両側には、図2から明らかなように、サイドガイド板5が設けられていて、供給される塗布剤が、該被塗布板Pの両側に流出するのを阻止している。該サイドガイド5は搬送方向に対し被塗布板Pの定規出しと、横ダレ防止機能を有する。又、固化物や被塗布板Pの破材物、硬化樹脂を集積するため適宜異物除去作業を必要とする。小口塗装を行う場合は、強制的に横ダレを起こして加圧塗布するタイプのサイドガイド5が良い。該サイドガイド5も70〜250℃に温度調節されている。
【0041】
上記提部材3は、上記ナイフコーター1に対して、その上流側(上記搬送方向とは逆方向側)に間隔を空けて設置されていて、該ホルダー部材2との間に塗布剤供給口Fを形成している。該塗布剤供給口Fには、下流側方向に斜め方向に向けて傾斜した傾斜面3aが形成されていて、該傾斜面3a上に塗布剤が供給落下され、該傾斜面3aを加熱することにより、供給される塗布剤が降温固化するのを防止して、流動性を保持する。塗布剤の供給量は、ナイフ先端部から塗布剤供給部の間に、通常1分間に塗布する塗布剤の2〜10倍(重量比)となるようにする。
【0042】
また、上記提部材3は、被塗布板Pとの隙間を可能な限り狭くするよう保ち、被塗布板Pに損傷が出ない範囲で近接することが望ましい。上記提部材3は、その底面部3bを加熱することにより、被塗布板Pの表面を事前に加熱(予熱)しておき、該被塗布板Pの表面に流下供給される塗布剤が固化するのを防止して、流動性を保持する。
【0043】
3cは阻止板であって、上記塗布剤供給手段4から落下供給される塗布剤が、提部材3の傾斜面3aに確実に供給されるようにしている。該阻止板3cは、塗布に必要な塗布剤の量を保持し、巻き込み泡の防止と塗布剤の先入れ先出しを制御する。3dは重なり防止用反り治具であって搬送される被塗布板Pを1枚ずつ且つ隙間無く搬送されるようにする。3eは加熱手段である。
【0044】
上記塗布剤供給手段4は、塗布剤が液状または、半練り上の流動体である場合には、例えば、シリンダーポンプ、ギアポンプ、スネークポンプ、プランジャーポンプ、ダイヤフラムポンプなどの供給装置を用いて円形、フイゴ形などの塗出ノズルから供給する。塗布剤がペレットなどの固形である場合には、加熱溶融して流体状にしてから吐出する。例えば、加熱溶融のできる連続搬出可能なニーダー供給機又は、エクストルーダ及びアジテーターで一液又は二液以上を混合して吐出する。
【0045】
次に、上記実施例の被塗布板の補修装置による、補修方法について説明する。適宜搬送手段(図示せず)により矢印方向に搬送される被塗布板Pは、提部材3の重なり防止用反り治具3dにより、重なって搬入されないように制御されて、上記提部材3の下側に搬入される。
【0046】
上記提部材3の下側に搬入される被塗布板Pは、加熱手段3eにより調温されている提部材3の底面部3bにより加熱された状態で、上記ホルダー部材2の下部底面に設置した前充填補助部材2cからナイフコーター1の下方に送られる。
【0047】
一方、上記補修剤供給手段4から上記提部材3の傾斜面3a上に、塗布剤が落下供給される。該傾斜面3a上に供給された塗布剤は、加熱され流動状態が維持された状態で、下方の被塗布板Pに流下供給される。上述のように、上記底面部3bにより被塗布板Pは加熱されており、しかも、上記ホルダー部材2の底面部により更に加熱されるので、該被塗布板Pに供給される塗布剤は、流動状態が維持された状態で、上記ナイフコーター1に送られる。
【0048】
供給された塗布剤のうち、特に、被塗布板Pの凹部等の欠陥部に供給される補修剤は、上記ホルダー部材2の下部に位置する前充填用補助部材2cにより該欠陥部内に充填される。上記被塗布板Pの表面の補修剤は、上記ナイフコーター1によって更に導管部や干割れ、クラック等の細部の欠点部分や目ボレ、抜け節の広い部分にならい加圧し補修する。
【0049】
次に、本発明の具体例について、比較例と共に説明する。
【0050】
まず、具体例1、2および比較例1,2を表1に示す。
【表1】
【0051】
上記表1における、塗布性については、塗布液を塗布し、直後の平滑性を目視にて評価した。
◎:均一に塗布されている
○:ほぼ均一に塗布されているが、若干のローピングマークあり
×:均一に塗布されていない
【0052】
また、表1における充填性については、人工的に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、欠陥凹部への充填性を目視にて評価した。
◎:3箇所すべて充填されている
○:1〜2箇所充填されている
×:1箇所も充填されていない
【0053】
<具体例1>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図1のナイフコーターを用い表1の条件にて補修した。
【0054】
<具体例2>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図6のナイフコーターを用い表1の条件にて補修した。
【0055】
<比較例1>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材を取り除いた以外は実施例1の条件で補修した。
【0056】
<比較例2>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材を取り除いた以外は実施例2の条件で補修した。
【0057】
次に、具体例3〜7について、表2に示す。
【表2】
【0058】
<具体例3>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図3のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0059】
<具体例4>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図4のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0060】
<具体例5>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図5のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0061】
<具体例6>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図7のナイフコーターを用い表2の条件にて補修した。
【0062】
また、具体例7〜10について、表3に示す。
【表3】
【0063】
<具体例7>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図8のナイフコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0064】
<具体例8>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図9のナイフコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0065】
<具体例9>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図10のナイフコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0066】
<具体例10>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図11のナイフロールコーターを用い表3の条件にて補修した。
【0067】
さらに、具体例11と比較例3について、表4に示す。
【表4】
【0068】
<具体例11>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、本発明図12のスクイズコーターを用い表4の条件にて補修した。
【0069】
<比較例3>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)で、ホットロールコーターを用い表4の条件にて補修した。
【0070】
表5は、比較例4〜7である。
【表5】
【0071】
<比較例4>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ホルダー部材および塗布部材温度を60℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0072】
<比較例5>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ホルダー部材および塗布部材温度を260℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0073】
<比較例6>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、塗布板温度を5℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0074】
<比較例7>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、塗布板温度を80℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0075】
表6は、比較例8〜11である。
【表6】
【0076】
<比較例8>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材温度を60℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0077】
<比較例9>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材温度を260℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0078】
<比較例10>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、サイドガイド部材温度を60℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0079】
<比較例11>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、サイドガイド部材温度を260℃に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0080】
表7は、比較例12〜15である。
【表7】
【0081】
<比較例12>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの厚みを0.2mmに変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0082】
<比較例13>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの厚みを7mmに変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0083】
<比較例14>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を5°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0084】
<比較例15>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を85°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0085】
表8は、具体例12と比較例16〜18を示す。
【表8】
【0086】
<具体例12>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの材質をフェノール樹脂に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0087】
<比較例16>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、ブレードの材質をジュラルミンに変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0088】
<比較例17>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を5°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0089】
<比較例18>
12mm5ply南洋材合板(幅1尺、長さ3尺、含水率8%、材温23℃)表面に直径10mm、深さ2.3mmの欠陥凹部を3箇所作成し、提部材の傾斜の角度を85°に変更した以外は実施例1の条件で補修した。
【0090】
次に、表9に示す配合で組成物を120℃で加熱混合し、塗布剤を調整した。その後該塗布剤を用いてそれぞれ目的とした被塗布板の補修を行った。
なお、ここで用いた組成物は、以下のとおり。
ウレタン樹脂:HP−820(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)
アクリル樹脂:A-001(株式会社J−ケミカル製)
粘着付与剤:YSポリスター S145(ヤスハラケミカル株式会社製)
ワックス:Hi−Mic2095(日本精鑞株式会社製)
可塑剤:ジオクチルフタレート
界面活性剤:ノプコ8034(サンノプコ株式会社製)
充填剤:エスカロン200(三共精粉株式会社製)
硬化剤:K−1600(NCO含有率:33% 株式会社J−ケミカル製)
ウレタン樹脂:HP−821(NCO含有率:1.5% 株式会社J−ケミカル製)
【0091】
【表9】
【0092】
次ぎに、具体例13〜18を表10に示す。
【0093】
【表10】
【0094】
さらに、具体例19と比較例19〜22を、表11に示す。
【0095】
【表11】
【符号の説明】
【0096】
1 ナイフコーター(ブレード)
1a 留めボルト
1b ブレード押さえシリンダー
2 ホルダー部材
2a 水平軸
2b 加熱手段
2c 前充填補助部材
3 提部材
3a 傾斜面
3b 底面部
3c 阻止板
3d 重なり防止反り治具
3e 加熱手段
4 塗布剤供給手段
5 サイドガイド
11 ロールナイフコーター(コンマコーター)
11a 加熱手段
21 スクイズコーター(スクイズロール)
21a 加熱手段
F 塗布剤供給口
P 被塗布板
S 隙間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗布部材を用いて被塗布板表面に塗布剤を塗布する方法において、前記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように該塗布部材を保持するホルダー部材と、前記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を設置するとともに、該提部材の前記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、前記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項2】
上記被塗布板が木質板、無機板、無機繊維板および発泡体のいずれかであり、上記塗布部材がナイフコーターで該ナイフコーターを70〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項3】
上記被塗布板の表面に供給された塗布剤が、20℃の雰囲気においてセットタイムが5秒〜30分、オープンタイムが5秒〜30分、タックフリータイムが5秒〜18時間の範囲に入る性能を有し、該塗布剤を、加熱されたナイフコーターにより加温しながら塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項4】
上記提部材の底面部を被塗布板の表面に近接または接触せしめ予め被塗布板の表面を10℃〜60℃に加熱することを特徴とする請求項1、2または3に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項5】
上記提部材を70〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項6】
欠陥部に前充填できる前充填補助部材を有する上記ホルダー部材および塗布部材から上記提部材に亘って被塗布板の両側に設置する加熱手段付きサイドガイド部材を70〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項7】
上記塗布剤が40℃以下では固形で、該塗布剤を加熱溶融して供給吐出することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項8】
上記塗布剤が、ウレタン樹脂、低密度および高密度のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ホルマリン系樹脂のいずれか一種または二種以上を配合してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項9】
上記塗布剤が、ウレタン樹脂、低密度および高密度のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ホルマリン系樹脂のいずれか一種または二種以上を配合したベース樹脂に、粘着付与剤、ワックス、可塑剤、界面活性剤、充填剤、硬化剤のいずれか一種または二種以上を配合してなる塗布剤で、該塗布剤の100℃での溶融状態の粘度が1Pa・s〜1000Pa・sであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項10】
上記塗布剤に配合されるベース樹脂の少なくとも一種がNCO含有率1%以上の湿気硬化型ウレタン樹脂で、該塗布剤中にNCO含有率1%以上の湿気硬化型ウレタン樹脂を0.5〜50重量%配合することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項11】
上記塗布剤が硬化剤を配合し、該硬化剤の少なくとも一種がNCO含有率30%以上の化合物で、該塗布剤中にNCO含有率30%以上の化合物を0.5〜50重量%配合することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項12】
塗布部材を用いて被塗布板の表面に塗布剤を塗布する装置において、上記被塗布板を送る搬送手段と、上記塗布部材を上記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように、該塗布部材を保持するホルダー部材と、該塗布部材に対してその上流側に間隔を開けて設置される提部材と、該提部材の上記塗布部材側に設けられた傾斜面に塗布剤を供給落下せしめる塗布剤供給手段と、から構成され、上記塗布部材を加熱する加熱手段を上記ホルダー部材に設けると共に、上記傾斜面を加熱する加熱手段を上記提部材に設けることにより、塗布剤の流動性を保ちながら、塗布剤をならい加圧して塗布せしめることを可能とする被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項13】
上記提部材に阻止板を設けたことを特徴とする請求項12に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項14】
上記提部材に、重なり防止反り治具を設けたことを特徴とする請求項12または13に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項15】
上記塗布部材から上記提部材に亘って、被塗布板の両側に直進性および直角性の精度を高める整列部材として加熱手段付きサイドガイドを設けたことを特徴とする請求項12、13または14に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項16】
塗布部材がナイフコーターで、その先端がブレードでブレード厚みが0.3〜5mmであることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項17】
塗布部材がナイフコーターで、先端が曲線または半円状であることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項18】
塗布部材がナイフコーターで、先端が円に切れ込みを入れた形状であることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項19】
塗布部材がナイフコーターで、先端が三角形であることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項20】
塗布部材がナイフロールコーターであることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項21】
塗布部材がスクイズコーターであることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項22】
上記提部材の傾斜面の角度を15〜75°に形成することを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20または21に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項23】
ナイフコーターが均質に焼入れした鋼よりなることを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項24】
ナイフコーターの先端と被塗布板表面の接点から提部材の傾斜面の下端までの距離が10〜300mmであることを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項1】
塗布部材を用いて被塗布板表面に塗布剤を塗布する方法において、前記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように該塗布部材を保持するホルダー部材と、前記塗布部材に対して上流側に間隔を空けて提部材を設置するとともに、該提部材の前記塗布部材側に傾斜面を設けて、該傾斜面上に塗布剤を供給落下せしめ、該傾斜面および上記塗布部材を調温可能に加熱して、供給された塗布剤の流動性を保ちながら、前記塗布部材により被塗布板の表面に塗布剤をならい加圧して塗布することを特徴とする被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項2】
上記被塗布板が木質板、無機板、無機繊維板および発泡体のいずれかであり、上記塗布部材がナイフコーターで該ナイフコーターを70〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項3】
上記被塗布板の表面に供給された塗布剤が、20℃の雰囲気においてセットタイムが5秒〜30分、オープンタイムが5秒〜30分、タックフリータイムが5秒〜18時間の範囲に入る性能を有し、該塗布剤を、加熱されたナイフコーターにより加温しながら塗布することを特徴とする請求項1または2に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項4】
上記提部材の底面部を被塗布板の表面に近接または接触せしめ予め被塗布板の表面を10℃〜60℃に加熱することを特徴とする請求項1、2または3に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項5】
上記提部材を70〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項6】
欠陥部に前充填できる前充填補助部材を有する上記ホルダー部材および塗布部材から上記提部材に亘って被塗布板の両側に設置する加熱手段付きサイドガイド部材を70〜250℃に加熱することを特徴とする請求項1、2、3、4または5に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項7】
上記塗布剤が40℃以下では固形で、該塗布剤を加熱溶融して供給吐出することを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項8】
上記塗布剤が、ウレタン樹脂、低密度および高密度のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ホルマリン系樹脂のいずれか一種または二種以上を配合してなることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項9】
上記塗布剤が、ウレタン樹脂、低密度および高密度のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ホルマリン系樹脂のいずれか一種または二種以上を配合したベース樹脂に、粘着付与剤、ワックス、可塑剤、界面活性剤、充填剤、硬化剤のいずれか一種または二種以上を配合してなる塗布剤で、該塗布剤の100℃での溶融状態の粘度が1Pa・s〜1000Pa・sであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項10】
上記塗布剤に配合されるベース樹脂の少なくとも一種がNCO含有率1%以上の湿気硬化型ウレタン樹脂で、該塗布剤中にNCO含有率1%以上の湿気硬化型ウレタン樹脂を0.5〜50重量%配合することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項11】
上記塗布剤が硬化剤を配合し、該硬化剤の少なくとも一種がNCO含有率30%以上の化合物で、該塗布剤中にNCO含有率30%以上の化合物を0.5〜50重量%配合することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布方法。
【請求項12】
塗布部材を用いて被塗布板の表面に塗布剤を塗布する装置において、上記被塗布板を送る搬送手段と、上記塗布部材を上記被塗布板の表面に弾性的に押し付けるように、該塗布部材を保持するホルダー部材と、該塗布部材に対してその上流側に間隔を開けて設置される提部材と、該提部材の上記塗布部材側に設けられた傾斜面に塗布剤を供給落下せしめる塗布剤供給手段と、から構成され、上記塗布部材を加熱する加熱手段を上記ホルダー部材に設けると共に、上記傾斜面を加熱する加熱手段を上記提部材に設けることにより、塗布剤の流動性を保ちながら、塗布剤をならい加圧して塗布せしめることを可能とする被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項13】
上記提部材に阻止板を設けたことを特徴とする請求項12に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項14】
上記提部材に、重なり防止反り治具を設けたことを特徴とする請求項12または13に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項15】
上記塗布部材から上記提部材に亘って、被塗布板の両側に直進性および直角性の精度を高める整列部材として加熱手段付きサイドガイドを設けたことを特徴とする請求項12、13または14に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項16】
塗布部材がナイフコーターで、その先端がブレードでブレード厚みが0.3〜5mmであることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項17】
塗布部材がナイフコーターで、先端が曲線または半円状であることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項18】
塗布部材がナイフコーターで、先端が円に切れ込みを入れた形状であることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項19】
塗布部材がナイフコーターで、先端が三角形であることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項20】
塗布部材がナイフロールコーターであることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項21】
塗布部材がスクイズコーターであることを特徴とする請求項12、13、14または15に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項22】
上記提部材の傾斜面の角度を15〜75°に形成することを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20または21に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項23】
ナイフコーターが均質に焼入れした鋼よりなることを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21または22に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【請求項24】
ナイフコーターの先端と被塗布板表面の接点から提部材の傾斜面の下端までの距離が10〜300mmであることを特徴とする請求項12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22または23に記載の被塗布板表面への塗布剤の塗布装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−630(P2013−630A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−131966(P2011−131966)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(504284009)株式会社J−ケミカル (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(504284009)株式会社J−ケミカル (12)
【Fターム(参考)】
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