説明

補給装置およびトナーボトル

【課題】複数のトナーボトルを同時に回転させる場合であっても、各色に対応するトナーを良好に補給することができる補給装置およびトナーボトルを提供する。
【解決手段】トナーボトル70の収容部71は、カバー部72に対して回転自在とされた筒体である。突起部71aは、内壁70aから収容空間71bに向かって突出するとともに、トナー供給方向に沿ってスパイラル状に形成されている。撹拌部76は、トナー供給方向における突起部71aの下流側に配置されている。そして、撹拌部76は、収容部71の回転動作に従って、収容空間71bに収容されたトナーを撹拌する。これにより、撹拌部76は、補給口73付近にトナーが滞留する場合であっても、補給口73付近のトナーを良好に撹拌することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、トナーを現像部側に補給する補給装置、およびこの補給装置に用いられるトナーボトルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のトナーボトルを同時に回転させてトナーを補給する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−165130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、特許文献1の技術では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色のトナーのうち、補給が不要なトナーに対応するトナーボトルも、回転させられる。その結果、特許文献1の技術では、補給が不要なトナーについても、補給動作が実行されるという問題が生ずる。
【0005】
そこで、本発明では、複数のトナーボトルを同時に回転させる場合であっても、各色に対応するトナーを良好に補給することができる補給装置、およびこの補給装置に用いられるトナーボトルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、請求項1の発明は、トナーを現像部側に補給する補給装置であって、各々が、回転させられることによって、収容空間に収容されたトナーを供給する複数のトナーボトルと、前記複数のトナーボトルのそれぞれに単一の駆動源から供給される駆動力を付与することによって、前記複数のトナーボトルを回転させる駆動部とを備え、前記複数のトナーボトルのそれぞれは、内壁から前記収容空間に向かって突出するとともに、トナー供給方向に沿ってスパイラル状に形成された突起部と、前記トナー供給方向における前記突起部の下流側に配置されており、回転動作に従って前記収容空間に収容された前記トナーを撹拌する撹拌部とを有することを特徴とする。
【0007】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の補給装置において、前記撹拌部は、板状体であり、前記各トナーボトルの回転軸に沿って設けられていることを特徴とする。
【0008】
また、請求項3の発明は、回転させられることによって、収容空間に収容されたトナーを供給するトナーボトルであって内壁から前記収容空間に向かって突出するとともに、前記トナー供給方向に沿ってスパイラル状に形成された突起部と、前記トナー供給方向における前記突起部の下流側に配置されており、回転動作に従って前記収容空間に収容された前記トナーを撹拌する撹拌部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1から請求項3に記載の発明によれば、トナー供給方向におけるトナーボトルの下流側でトナーが消費されず、その結果、トナーが、補給口から下流側に補給されず、補給口付近に滞留する場合であっても、補給口付近のトナーは、撹拌部により撹拌される。
【0010】
これにより、さらに補給口付近にトナーが供給される場合であっても、補給口付近のトナーは、押し固められない。すなわち、押し固められたトナーにより補給口が堰き止められるという問題は生じない。そのため、各トナーボトルが、トナーの供給状況に関わらず、回転し続ける場合であっても、各トナーボトルから現像部側に向けて良好にトナーを補給することができる。
【0011】
特に、請求項2に記載の発明によれば、撹拌部は、回転軸に沿って配置されている。そのため、補給口付近にトナーが滞留する場合であっても、補給口付近のトナーを良好に撹拌することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態における画像形成装置の全体構成の一例を示す正面図である。
【図2】トナーボトル駆動部付近の構成の一例を示す背面斜視図である。
【図3】トナーボトル駆動部における動力伝達系のスケルトン図である。
【図4】トナーボトルの構成の一例を示す正面図である。
【図5】図4のV1−V1線から見たトナーボトルの断面図である。
【図6】図5のA部分の拡大図である。
【図7】図6のV2−V2線から見たトナーボトルの断面図である。
【図8】図6のV3−V3線から見たトナーボトルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
<1.画像形成装置の構成>
図1は、本実施の形態における画像形成装置1の全体構成の一例を示す正面図である。図2は、補給装置57の構成の一例を示す斜視図である。ここで、画像形成装置1は、電子写真方式によりモノクロ画像またはカラー画像を印刷する。画像形成装置1は、複写機能、印刷機能、およびファクシミリ機能等を複合的に有する複合機に組み込み可能とされている。図1および図2に示すように、画像形成装置1は、主として、プリンター部10と、給紙部30と、定着部40と、排紙部50と、スキャナー部55と、補給装置57と、表示部80と、制御部90と、を備えている。
【0015】
なお、図1および以降の各図には、それらの方向関係を明確にすべく必要に応じて適宜、Z軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系が、付されている。
【0016】
プリンター部10は、給紙路R1および搬送路Raを介して供給される記録材Pに、モノクロ画像またはカラー画像を印刷する。図1に示すように、プリンター部10は、主として、作像部11(11Y、11M、11C、11K)と、露光走査部20(20Y、20M、20C、20K)と、中間転写ベルト21と、を有している。
【0017】
複数(本実施の形態では4つ)の作像部11は、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色に対応する。図1に示すように、各作像部11(11Y、11M、11C、11K)は、主として、感光体ドラム13(13Y、13M、13C、13K)と、帯電チャージャー14(14Y、14M、14C、14K)と、現像部17(17Y、17M、17C、17K)と、一次転写ローラー18(18Y、18M、18C、18K)と、ドラムクリーナー19(19Y、19M、19C、19K)と、露光走査部20(20Y、20M、20C、20K)と、を有している。
【0018】
ここで、本実施の形態のプリンター部10として、いわゆるタンデム方式が採用されており、各作像部11(11Y、11M、11C、11K)は、図1に示すように、例えば、紙面左側から右側に向かって、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の順に中間転写ベルト21に沿って並設されている。また、各作像部11(11Y、11M、11C、11K)は、中間転写ベルト21の下方に配置されている。
【0019】
なお、本実施の形態において、各作像部11Y、11M、11C、11Kは、同種のハードウェア構成を有している。そのため、以下では、作像部11Y、並びに作像部11Yの構成要素である感光体ドラム13Y、帯電チャージャー14Y、現像部17Y、一次転写ローラー18Y、ドラムクリーナー19Y、および露光走査部20Yについて、詳細に説明する。
【0020】
また、図示の都合上、感光体ドラム13M、13C、13K、帯電チャージャー14M、14C、14K、現像部17M、17C、17K、一次転写ローラー18M、18C、18K、およびドラムクリーナー19M、19C、19Kの各符号は、図1および以降の各図において省略されている。
【0021】
感光体ドラム13Yは、円筒形状または円柱形状を有しており、中間転写ベルト21を挟んで一次転写ローラー18Yと逆側に配置されている。感光体ドラム13Yの外周面には、光導電膜が設けられている。
【0022】
したがって、対応する露光走査部20Yから感光体ドラム13Yの外周面に光が照射され、この照射部分の電荷が除去されることによって、感光体ドラム13Yの外周面にイエロー(Y)に対応する静電潜像が、形成される。なお、同様に、感光体ドラム13M、13C、13Kの外周面には、それぞれマゼンタ、シアン、およびブラックに対応する静電潜像が、形成される。
【0023】
帯電チャージャー14Yは、感光体ドラム13Yの外周面と接触することによって、感光体ドラム13Yの外周面に電荷を付与する。現像部17Yは、静電潜像が形成された感光体ドラム13Yにイエロー(Y)のトナーを供給することによって、感光体ドラム13Yの外周面に静電潜像に基づいたトナー像を形成する。
【0024】
一次転写ローラー18Yは、図1に示すように、中間転写ベルト21を挟んで感光体ドラム13Yと逆側に配置されている。一次転写ローラー18Yには、感光体ドラム13Yの外周面と逆極性の電荷が、付与されている。これにより、感光体ドラム13Yおよび一次転写ローラー18Yが回転しつつ、感光体ドラム13Yおよび一次転写ローラー18Yの間に中間転写ベルト21が挟み込まれると、中間転写ベルト21にイエロー(Y)のトナー像が転写される。
【0025】
ドラムクリーナー19Yは、トナー像が中間転写ベルト21に転写された後、現像部17Yから次のイエロートナーが供給される前の期間において、感光体ドラム13Yに残存するトナーを感光体ドラム13Yの外周面から除去する。図1に示すように、ドラムクリーナー19Yは、感光体ドラム13Yの外周面と接触可能な位置に設けられている。
【0026】
露光走査部20(20Y、20M、20C、20K)は、いわゆる露光部であり、対応する感光体ドラム13(13Y、13M、13C、13K)にレーザー光を照射する。これにより、対応する感光体ドラム13(13Y、13M、13C、13K)の外周面には、静電潜像が形成される。
【0027】
中間転写ベルト21は、各作像部11(11Y、11M、11C、11K)により一次転写された4色のトナー像を、記録材Pに転写する。図1に示すように、中間転写ベルト21は、駆動ローラー22および従動ローラー23に巻き掛けられており、駆動ローラー22および従動ローラー23は、図1の時計回りに回転する。さらに、二次転写ローラー25は、搬送路Raを挟んで駆動ローラー22と逆側に配置されており、中間転写ベルト21の外周と接触する。
【0028】
したがって、中間転写ベルト21の送りタイミングと、搬送路Raを搬送される記録材Pの搬送タイミングと、が調整されることによって、中間転写ベルト21の外周に形成された4色のトナー像が記録材Pに二次転写される。
【0029】
なお、各作像部11の現像部17から供給される現像材としては、キャリアを用いない1成分系現像剤が好ましいが、トナーおよびキャリアからなる2成分系現像剤であっても良い。また、中間転写ベルト21の材料としては、ポリカーボネイト、ポリイミド、ポリアミドイミド等を採用することができる。
【0030】
温湿度センサ29は、プリンター部10付近の温度、および/または、湿度を検知する検知部である。そして、温湿度センサ29により検知された温度および湿度に基づいて、一次転写ローラー18(18Y、18M、18C、18K)および二次転写ローラー25に印加される電圧が調整される。
【0031】
ここで、一次および二次転写ローラー18、25は、いわゆる弾性ローラーであり、例えば、ニトリルゴムのような合成ゴムにイオン導電物質を添加し発泡させたものにより形成されている。
【0032】
給紙部30は、記録材Pをプリンター部10に供給する供給部として用いられる。図1に示すように、給紙部30は、主として、給紙カセット31と、給紙ローラー32と、を有している。
【0033】
給紙カセット31は、複数の記録材Pを収容可能な収容部である。給紙ローラー32は、給紙カセット31内に収容された複数の記録材Pを最上層から順に繰り出すとともに、繰り出された記録材Pを給紙路R1に供給する。
【0034】
レジストローラー33は、搬送路Raに記録材Pが送り出されるタイミングを制御する。ここで、「記録材Pが搬送される方向」が「搬送方向」と定義される場合、レジストローラー33は、図1に示すように、搬送方向における給紙ローラー32の下流側に設けられている。
【0035】
シート検出センサ35は、記録材Pの先端を検知する検知部である。図1に示すように、シート検出センサ35は、搬送方向におけるレジストローラー33の下流側に設けられている。そして、シート検出センサ35に記録材Pの先端が到達すると、シート検出センサ35からの出力は、例えば、オフ状態からオン状態に遷移する。したがって、シート検出センサ35から出力される出力値を監視することによって、記録材Pがレジストローラー33の直前まで給紙されたか否かを判断することができる。
【0036】
定着部40は、記録材P上に転写されたトナー像を定着させる。図1に示すように、定着部40は、搬送路Raに沿った経路上のうち、二次転写ローラー25よりも下流側に配置されている。
【0037】
排紙部50は、搬送方向における定着部40の下流側に設けられており、トナー像が定着された記録材Pを装置外に排紙する。すなわち、搬送路Raを介して排紙部50に供給される記録材Pは、排紙路R2に案内される。図1に示すように、排紙部50は、主として、排紙路R2の経路上に設けられた排紙ローラー対51と、排紙トレイ52と、を有している。
【0038】
スキャナー部55は、自動給紙(ADF:Automatic Document Feeder)方式、または、フラットベッド(Flat Bed)方式によって、原稿から画像を読み取る。図1に示すように、スキャナー部55は、排紙部50の上方に配置されている。
【0039】
補給装置57は、図2に示すように、複数のトナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)を有している。補給装置57は、現像部17側(具体的には、現像部17Y、17M、17C、17Kと、補給装置57との間に配置された不図示のサブホッパ)にトナーを補給する。なお、補給装置57の詳細な構成は、後述する。
【0040】
表示部80は、例えば、液晶ディスプレイにより構成されており、指や専用のペンで画面に触れることによって画面上の位置を指定できる「タッチパネル」としての機能を、有している。したがって、画像形成装置1の使用者(以下、単に、「使用者」と称する)は、表示部80に表示された内容に基づき、表示部80の「タッチパネル」機能を使用した指示を行うことによって、画像形成装置1に所定の処理(例えば、給紙部30から供給される記録材Pにトナー像を印刷する処理等)を実行させることができる。このように、表示部80は、使用者からの入力動作を受け付ける受付部として使用できる。
【0041】
操作部85は、複数のキーパッドによって構成された入力部である。例えば、操作部85に含まれる印刷開始ボタン86が押し下げられると、記録材Pに対して印刷処理が実行される。このように操作部85は、表示部80と同様に、使用者からの入力動作を受け付ける受付部として使用できる。
【0042】
制御部90は、図1に示すように、排紙トレイ52の下方に設けられている。制御部90は、画像形成装置1の各要素の動作制御、およびデータ演算を実現する。図1に示すように、制御部90は、主として、ROM91と、RAM92と、画像メモリ93と、CPU95と、を有している。
【0043】
ROM(Read Only Memory)91は、いわゆる不揮発性の記憶部であり、例えば、プログラム91aが格納されている。なお、ROM91としては、読み書き自在の不揮発性メモリであるフラッシュメモリが使用されてもよい。
【0044】
RAM(Random Access Memory)92および画像メモリ93は、揮発性の記憶部である。RAM92は、例えば、CPU95の演算で使用されるデータが格納される。また、画像メモリ93は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色に対応する画像データを格納する。
【0045】
CPU(Central Processing Unit)95は、ROM91のプログラム91aに従った制御および種々のデータ演算処理等を実行する。例えば、CPU95は、外部端末(図示省略)等からの画像信号を受け、これをデジタル化したY−K色用の画像データに変換し、プリンター部10および給紙部30等の動作を制御することによって、記録材Pへの印刷処理を実行させる。
【0046】
<2.補給装置の構成>
図3は、トナーボトル駆動部60における動力伝達系のスケルトン図である。ここで、補給装置57は、上述のように、トナーを現像部17側に補給する。図2および図3に示すように、補給装置57は、主として、トナーボトル駆動部60、と複数のトナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)と、を有している。
【0047】
トナーボトル駆動部60(駆動部)は、複数のトナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)を回転させる。図2および図3に示すように、トナーボトル駆動部60は、画像形成装置1の背面側に設けられており、主として、単一のモーター61(単一の駆動源)と、複数のギア62、66(66Y、66M、66C、66K)、67(67a、67b)と、第1および第2減速機63、64と、を有している。
【0048】
また、図3に示すように、モーター61の軸心には、駆動ギア62が取り付けられている。また、各トナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)の軸心には、対応するドッキングギア66(66Y、66M、66C、66K)が取り付けられている。また、アイドラーギア67aはドッキングギア66Y、66Mと、アイドラーギア67bはドッキングギア66C、66Kと、それぞれ連動連結されている。
【0049】
また、図3に示すように、第1減速機63の入力側は駆動ギア62と、第1減速機63の出力側は第2減速機64の入力側と、それぞれ連動連結されている。さらに、第2減速機64の出力側は、ドッキングギア66M、66Cと連動連結されている。
【0050】
したがって、モーター61が、回転させられ、モーター61から供給される駆動力が、駆動ギア62、第1および第2減速機63、64、ドッキングギア66(66Y、66M、66C、66K)、およびアイドラーギア67(67a、67b)を介して各トナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)に付与されることによって、各トナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)が同一方向に回転させられる。
【0051】
このように、トナーボトル駆動部60には、メカクラッチ等の動力伝達要素が用いられていない。これにより、モーター61の始動トルク、停動トルク、および定格トルクを減少できる。そのため、画像形成装置1全体の製造コストを低減させることができる。
【0052】
複数(本実施の形態では4本)のトナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)のそれぞれは、トナーボトル駆動部60により回転させられることによって、トナーを画像形成装置1の正面側から背面側に向かう方向(以下、単に、「トナー供給方向」とも称する)に搬送する。なお、トナーボトル70の詳細な構成については、後述する。
【0053】
<3.トナーボトルの構成>
図4は、トナーボトル70の構成の一例を示す正面図である。図5は、図4のV1−V1線から見たトナーボトルの断面図である。図6は、図5のA部分の拡大図である。図7は、図6のV2−V2線から見たトナーボトルの断面図である。図8は、図6のV3−V3線から見たトナーボトルの断面図である。
【0054】
図5から図8に示すように、トナーボトル70(70Y、70M、70C、70K)は、主として、収容部71と、カバー部72と、シャッター74と、搬送部75と、撹拌部76と、を有している。
【0055】
ここで、本実施の形態において、トナーボトル70Y、70M、70C、70Kには、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の各色に対応するトナーが、収容されている。また、トナーボトル70Y、70M、70C、70Kは、収容されるトナーが異なる点を除いては、それぞれ同様なハードウェア構成を有している。
【0056】
そこで、以下では、これら4種類のトナーボトル70Y、70M、70C、70Kを代表して、トナーボトル70Kのハードウェア構成を説明する。また、以下では、トナーボトル70Y、70M、70C、70Kのそれぞれを総称して、「トナーボトル70」とも呼ぶ。
【0057】
収容部71は、図5および図6に示すように、カバー部72に対して回転自在とされた筒体である。突起部71aは、内壁70aから収容空間71bに向かって突出するとともに、トナー供給方向に沿ってスパイラル状に形成されている。
【0058】
したがって、収容部71が回転軸71cを中心に回転させられることによって、収容空間71bに収容されたトナーは、隣接する突起部71aにより形成された溝71dに保持され、補給口73側に供給される。
【0059】
シャッター74は、撹拌部76付近に形成された補給口73に設けられている。シャッター74は、トナーボトル70から画像形成装置1外にトナーが散乱することを防止する。例えば、トナーボトル70が画像形成装置1に装着される前の時点、およびトナーボトル70が画像形成装置1から取り外された後の時点において、シャッター74は閉鎖状態されている。一方、トナーボトル70が画像形成装置1に装着されている場合、シャッター74は、開放状態とされ、トナーボトル70から現像部17側(より具体的には、対応する不図示のサブホッパ)にトナーが補給される。
【0060】
搬送部75は、図5および図6に示すように、トナー供給方向における突起部71aの下流側に配置されており、トナーの安定搬送性を確保する。これにより、トナー供給方向の下流側における収容部71の内径が、トナー供給方向の上流側における収容部71の内径より小さくなる場合であっても、トナーを良好に補給口73に搬送することができる。
【0061】
撹拌部76は、図5および図6に示すように、板状体であり、トナー供給方向における突起部71aの下流側に配置されている。また、図5から図8に示すように、撹拌部76は、トナーボトル70の回転軸71cに沿って配置されている。そして、撹拌部76は、収容部71の回転動作に従って、収容空間71bに収容されたトナーを撹拌する。これにより、撹拌部76は、補給口73付近にトナーが滞留する場合であっても、補給口73付近のトナーを良好に撹拌することができる。
【0062】
ここで、「トナーボトル70の回転軸71cに沿って配置される」という文言は、
(1)「回転軸71cが撹拌部76を通過するように、回転軸71cおよび撹拌部76が配置される」こと、および
(2)「撹拌部76の延伸方向が回転軸71cと実質的に平行になるように、回転軸71cおよび撹拌部76が配置される」こと、
等を意味する。
【0063】
<4.本実施の形態における補給装置およびトナーボトルの利点>
以上のように、本実施の形態において、トナー供給方向におけるトナーボトル70の下流側(例えば、不図示のサブホッパ)でトナーが消費されず、その結果、トナーが、補給口73からトナー供給方向の下流側に補給されず、補給口73付近に滞留する場合であっても、補給口73付近のトナーは、撹拌部76により撹拌される。
【0064】
これにより、さらに補給口73付近にトナーが供給される場合であっても、補給口73付近のトナーは、押し固められない。すなわち、押し固められたトナーにより補給口73が堰き止められるという問題は生じない。そのため、各トナーボトル70が、トナーの供給状況に関わらず、回転し続ける場合であっても、各トナーボトル70から現像部17側に向けて良好にトナーを補給することができる。
【符号の説明】
【0065】
1 画像形成装置
10 プリンター部
17 現像部
30 給紙部
40 定着部
50 排紙部
55 スキャナー部
57 補給装置
60 トナーボトル駆動部(駆動部)
61 モーター(駆動源)
70(70Y、70M、70C、70K) トナーボトル
70a 内壁
71 収容部
71a 突起部
71b 収容空間
71c 回転軸
71d 溝
72 カバー部
73 補給口
74 シャッター
76 撹拌部
80 表示部
85 操作部
90 制御部
R1 給紙路
R2 排紙路
Ra 搬送路
P 記録材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを現像部側に補給する補給装置であって、
(a) 各々が、回転させられることによって、収容空間に収容されたトナーを供給する複数のトナーボトルと、
(b) 前記複数のトナーボトルのそれぞれに単一の駆動源から供給される駆動力を付与することによって、前記複数のトナーボトルを回転させる駆動部と、
を備え、
前記複数のトナーボトルのそれぞれは、
(a-1) 内壁から前記収容空間に向かって突出するとともに、トナー供給方向に沿ってスパイラル状に形成された突起部と、
(a-2) 前記トナー供給方向における前記突起部の下流側に配置されており、回転動作に従って前記収容空間に収容された前記トナーを撹拌する撹拌部と、
を有することを特徴とする補給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の補給装置において、
前記撹拌部は、板状体であり、前記各トナーボトルの回転軸に沿って設けられていることを特徴とする補給装置。
【請求項3】
回転させられることによって、収容空間に収容されたトナーを供給するトナーボトルであって
(a) 内壁から前記収容空間に向かって突出するとともに、前記トナー供給方向に沿ってスパイラル状に形成された突起部と、
(b) 前記トナー供給方向における前記突起部の下流側に配置されており、回転動作に従って前記収容空間に収容された前記トナーを撹拌する撹拌部と、
を備えることを特徴とするトナーボトル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−68798(P2013−68798A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207295(P2011−207295)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】