説明

製品、または製品包装上の認証マークの生産ライン上での確認方法

基板(28)への認証マークの適用を確認するシステムと方法を開示する。製品や製品包装の識別には感光性化合物の使用が可能であり、生産ライン(24)上のプリンター(22)は製品や製品包装上に少なくとも1つの感光性化合物を印刷することで、認証マーク(26)の少なくとも一部を形成し、生産ライン(24)上の確認装置(40)は製品や製品包装上の少なくとも1つの感光性化合物の適用を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、同時継続中の米国特許出願09/556,280号(2000年4月24日提出)の利益を請求し、かつ、当該出願の一部継続出願であり、さらに同時継続中の米国特許出願60/353,481号(2002年2月1日提出)の利益を請求する。
【0002】
本発明は、製品や製品包装上に感光性化合物の少なくとも一部を適用する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0003】
市場において、ブランドの識別は重要な役割を果たしている。ブランドを識別することは、消費者が特定の供給源から出荷される製品を識別し、その製品に信頼を置く手段を提供している。さらにブランドを識別することは、企業が客先を惹きつけ、業務上の信用を築き、その結果、継続的な取引を促進する手段も提供している。したがって、企業はそのようなブランドのアイデンティティーを築き上げるため、宣伝や製品開発に何百億もの資金を投入しているのである。
【0004】
ブランド名の利益やそれに消費される資金は、偽造者たちによる偽造の強い動機となっている。ブランドのアイデンティティーを脅かす最も一般的な不正・違法行為としては、商品そのものの偽造、本物または偽造品用の包装や容器の偽造や窃盗、あるいは製品の流用、つまりある特定の市場での販売用に製造された製品をその市場の仲介業者が購入し、他の競合市場で販売することなどが挙げられる。
【0005】
上記のような行為の結果、ブランドの所有者は売り上げの喪失、消費者のブランドへの認識の失墜、偽造品に対して要求された損害賠償請求への法的責任など、多大な被害を受けることになる。例えば、国際偽造品対策連合の推定によると、偽造による国際的収入の喪失は年間2千億ドル(約21兆円:1ドル = 107円 で換算)にも及び、またラベル付け産業の推定によると、偽造は国際貿易の10%以上を占めている。さらに製薬会社の推定によると、模造薬の普及のため、インドだけでも年間約5億ドル(約535億円)の売り上げの喪失を受けている。
【0006】
ブランドのアイデンティティーへの損傷に加え、著作権で保護される資料の無断複製により、著作物権も脅かされる危険性がある。
【0007】
同一出願人による米国特許5,753,511号と米国特許出願09/232,324号(全文参照として本明細書に組み込む)は、製品が本物であることやその原産地を立証する目的で、製品を評価し選別する自動化された方法を開示する。当発明は製品に含まれる主成分や主成分の相対量を感光性化合物で識別する自動化された方法に関するものである。具体的には、検査時に微量のテスト試料と識別できる感光性化合物が混合され、特定の感光性化合物を含むその試料は、特別な光学スキャナを用いて読み取られ、試料から特定の波長の光の放射が検知される。
【0008】
米国特許5,753,511号と米国特願09/232,324号に開示される検査方法の利点の1つは、認証の対象となる試料が検査の直前に特定の感光性化合物と混合されるところにある。この利点は、製品の純度を乱すことなく、製品のフィンガープリントを確立する特定の感光性化合物と主成分の相互作用を可能にする。
【0009】
しかしながら、場合によっては、製品や製品包装に対する識別・認証マークの永久的な付着が望ましい可能性がある。このような識別は、例えば、製品そのものが本物であるか、製品がいつどこで生産されたか、製品の包装が本物であるか、製品の包装が製品と合致しているかなどの検知を可能にする。マークの永久的な付着方法としては、例えば、製品や製品包装に付着された不可視インクやホログラムなどの識別マークの使用が挙げられる。しかし、これらの技術は間接照明下では必ずしも実用的ではなく、したがって小売店などの電気のついている場所では実施できない。他の方法としては、例えば製品や製品包装に赤外線吸収性の添加物を含むインクで印刷する方法が挙げられる。しかし、この方法は数多くの欠点を持っている。例えば、製品固有の情報の識別ができず、どちらかといえば上記添加物を含む製品や製品包装と上記添加物を含まない製品や製品包装との区別のみが可能なのである。したがって、異なった製品や生産地、その他の望ましい情報の区別が可能ではない。さらに、上記インクを読み取る走査器は専用スキャナであるため、バーコードなどの他の情報の読み取りができない。
【0010】
上記の方法の欠点は、同一出願人による米国特許出願09/556,280号(全文参照として本明細書に組み込む)により克服されている。例えば、複数の情報を提供し、普通の電気や光学スキャナでは検知できない識別コードか認証マークの少なくとも一部を形成するため、1種類以上の感光性化合物が混入されたインクで、製品の生産中または生産後に、製品あるいは製品包装に印刷を施す方法が挙げられる。製品や包装が本物であるかの確認は、続けてすばやく行われる。場合によっては、認証マークは包装上のバーコードを形成する。この際、確認装置は、バーコードをすばやく走査することで製品を識別すると共に、製品や包装が本物であるかの証明に使用できる。製品包装の真正性は、製品そのものの真正性に連結でき、したがって偽造品や偽造包装が検知できるだけでなく、本物の流用も容易に決定できる。
【発明の開示】
【0011】
ある実施例では、基板に認証マークの少なくとも一部を適用し、基板上の認証マークの少なくとも一部の適用を確認するシステムが提供されている。当該システムにおいて、基板は生産ライン上に配置される。当該システムは、生産ライン上に設置され、認証マークの少なくとも一部を形成するため、少なくとも1種類の感光性化合物を基板に適用する目的で設定・配置されたアプリケータと、生産ライン上に設置され、基板上の少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する確認装置より構成される。
【0012】
またある実施例では、基板に認証マークの少なくとも一部を適用し、認証マークの少なくとも一部の適用を確認する方法が開示されている。当該方法において、基板は生産ライン上に配置される。当該方法は、基板が生産ライン上を進行する過程で、認証マークの少なくとも一部を形成するため、少なくとも1種類の感光性化合物を基板に適用する工程、および生産ライン上を進行する基板上の少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程から構成される。
【0013】
さらにまたある実施例では、基板に認証マークの少なくとも一部を印刷し、基板上の認証マークのその少なくとも一部の印刷を確認するシステムが提供されている。当該システムにおいて、基板は生産ライン上に配置される。当該システムは、生産ライン上に設置され、認証マークの少なくとも一部を形成するため、少なくとも1種類の感光性化合物を基板に印刷する目的で設定・配置されたプリンター、および生産ライン上に設置され、基板上の少なくとも1種類の感光性化合物の印刷を確認する確認装置より構成される。当該確認装置は、フレームとそのフレームに取り付けられた光源より構成される。当該光源は少なくとも1種類の感光性化合物と基板を照射する所定の波長を持つ光を放射するように調節されている。フレームには励起フィルターが設置され、光源より放射される光の不要な波長を濾光している。フレームと少なくとも1つの光源と励起フィルターは、使用者がフレームより少なくとも1つの光源と励起フィルターを取り外せるように構成および配置されているので、使用者は異なる所定の波長を持つ光を放射できる少なくとも1つの異なる光源、および異なる光源より放射される光の不要な波長を濾光できる異なる励起フィルターを使用することができる。確認装置には、少なくとも1種類の感光性化合物から少なくとも第一の光応答を検知する検知器と、少なくとも第一の光応答とフィンガープリントを比較する制御装置が含まれる。
【0014】
本発明の様々な実施例は特定の利点を持ち、先行方法の特定の欠点を克服している。本発明の実施例は必ずしも同様の利点を共有しておらず、共有していたとしても必ずしもすべての状況で共有しているとは限らない。したがって本発明は、上述の製品や製品包装上の少なくとも一部の認証コードの適用の生産ライン上での確認を含む、数多くの利点を提供している。
【0015】
以下に、本発明のさらなる特徴と利点、また様々な実施例の構成を、付随の図面を参照して詳細に説明する。
【0016】
詳細な説明
本発明は、製品や製品包装上に認証マークの少なくとも一部を適用し、マークの主成分を分析することで、少なくともその一部の認証マークの適用を確認することを対象とする。本発明の一の態様において、製品や製品包装は、1つ以上の感光性化合物から成る、バーコードや識別コードなどの認証マークを含む。完全なマーク、あるいはその一部は、製品や製品包装が生産ライン上を移動する際に製品や製品包装の一箇所、あるいは複数の箇所に適用される。当該マークは裸眼に可視あるいは不可視で、可視インクあるいは不可視インクを含む。製品や製品包装からの認証マークの除去防止のため、保護膜をマークの上から適用するかマークの成分と混合することで、同時継続で同一出願人による米国特許出願10/212,334号(全文ここで本明細書に含まれる)に記載の不正加工防止マークを形成する。マーク、あるいはその一部に使用された感光性化合物の適用を確認する装置は、生産ライン上、あるいはその付近に設置される。当該装置に含まれるものとしては、1つあるいは複数の感光性化合物を照射する光源、1つあるいは複数の感光性化合物から光応答あるいは試料の特性値を読み取る一台、あるいは複数台の光学検知器、および照射・吸収された特性値を標準値と比較することで製品や製品包装上の1つあるいは複数の感光性化合物の適用を確認する制御装置が挙げられる。当該制御装置は、計測された特性値が標準値と同等である場合、製品や製品包装を生産ラインに沿って次の処理、例えば、包装や出荷などへ続ける処置を促すこともできる。値の比較結果が納得のいくものでない場合、製品や製品包装は生産ラインより除去されるなどの処置が取られる。認証マークの適用や確認は、手動・自動のコンベヤーを利用する印刷ライン、在庫管理、配送管理、製品確認など、様々な分野での使用に有効である。
【0017】
発光性化合物は光の照射に反応して発光する。発光は、リン光、化学発光、あるいは、より好ましくは蛍光によるものがよい。具体的には、本明細書における「発光性化合物」の語義は次の特徴の1つ以上を持つ化合物である:1)蛍光性、リン光性、あるいは発光性の化合物である;2)蛍光性、リン光性、あるいは発光性の化合物の少なくとも1つを産出するため、試料の成分か標準物の成分、あるいはその両方と反応、あるいは相互作用する;あるいは3)放射波長の放射を変更するため、試料か標準、あるいはその両方に含まれる蛍光性、リン光性、あるいは発光性の化合物の少なくとも1つと反応、あるいは相互作用する。
【0018】
吸光性化合物は光の照射に反応して光を吸収する。吸光は、当業者に周知のどんな化学反応によるものでもよい。したがって、以下、本発明は光の照射に反応して発光する化合物との関連で論議されるかもしれないが、本発明はこの点において限定されず、吸光性化合物の使用も可能である。
【0019】
したがって、本明細書における「感光性化合物」とは発光性化合物ならびに吸光性化合物のことである。
【0020】
本明細書における「フィンガープリント」とは標準製品あるいは製品包装(本物)に適用された感光性化合物より発せられる特定の波長、あるいは波長域での発光・吸光強度、または強度の衰退度を意味する。各製品あるいは製品包装には適宜、特定のフィンガープリントの適用が可能である。
【0021】
「本物」、あるいはそのすべての派生語は、製品の識別表示が正真正銘本物で、原産地やその他の必要な情報の識別表示が偽物でないことを意味する。
【0022】
本明細書における「フィンガープリント・プロファイル」とは、一連の、あるいは特徴的で異なった感光性化合物との組み合わせによる標準品のフィンガープリントの集合体のことを意味する。
【0023】
本明細書における「試料特性」あるいは「光応答」とは、製品あるいは製品包装の試料上の感光性化合物の発光量・吸光量、発光度・吸光度、強度の衰退度、あるいは変量度を意味する。
【0024】
「基板」とは、感光性化合物の適用が可能な表面すべてを意味する。
【0025】
「不可視」とは裸眼で不可視の意味である。
【0026】
「可読画像」とは人間・機械によって解読可能な情報を持つ画像のことである。例えば、数字、文字、ロゴ、バーコードなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
「可視」範囲は400-700 nm である。
【0028】
「UV」範囲は40-400 nm である。
【0029】
「IR」範囲は700-2400 nm である。
【0030】
「近赤外」範囲は650-1100 nm である。
【0031】
上記に概述のように、本システムと方法は、生産ライン上を進行する製品あるいは製品包装上に認証マークの少なくとも一部を適用し、その適用を確認するために使用される。ある実施例において、本システムは、認証マークの少なくとも一部を基板上に形成するため、少なくとも1種類の感光性化合物を印刷する目的で設定・配置されたプリンター、およびマーク内、あるいは基板上の感光性化合物の印刷を確認する目的で設定・配置された確認装置より構成される。プリンターと確認装置はいずれも生産ライン上に設置されている。
【0032】
またある実施例では、感光性化合物とそれを含む認証マークの一部は裸眼に不可視でもよい。したがって、感光性化合物が基板上に適切に適用されたか否かの確認が必要となる可能性がある。この点において、まず基板上に感光性化合物が適用されたかどうか、また適用された感光性化合物の種類と分量が正確であるかの確認が重要となる可能性がある。
【0033】
図1には、基板上に認証マークの少なくとも一部を適用し、認証マークの少なくとも一部の適用を確認するシステムの一実施例を示している。システム(20)の構成には、生産ライン(24)上に位置するプリンター(22)が含まれる。プリンター(22)は、認証マーク(26)の少なくとも一部を基板(28)上に印刷する目的で設定・配置されている。基板(28)は製品あるいは製品包装を構成し、コンベヤーベルト(30)を含む可能性のある生産ライン(24)上に、基板が方向線(32)に沿ってライン下流方向に移動できるように設置される。上述のように、プリンターは認証マークの少なくとも一部を形成するために、少なくとも1種類の感光性化合物を基板上に印刷する。
【0034】
感光性化合物の適用の確認、および適用された感光性化合物が望ましい種類、分量であるかを確認するために、システム(20)にはプリンター(22)の下流に配置された確認装置(40)が含まれる。システムにはプリンター(22)と確認装置(40)に接続された制御装置(42)が含まれることもある。当該制御装置は、試料特性や光応答(感光性化合物より放射、あるいは吸収される光)を標準物、例えば、フィンガープリントやフィンガープリント・プロファイルと比較するのに使用される。光応答がある場合、感光性化合物が基板に含まれていると制御装置は判断する。試料の光応答が標準に対して遜色がない場合、制御装置は感光性化合物の種類と分量が的確であると判断する。確認装置はマーク、または基板の1つ以上の位置から測定値のサンプルを取り、確信度を算出する。当該確信度の値が充分に高ければ、マークは確証される。
【0035】
さらに、認証マークが確証されない場合に、制御装置は自動的に適切な補正処置を取る目的で使用されることもある。例えば、認証マークの基板への適用を補正するため、制御装置(42)はプリンター(22)に印刷停止の信号を送ったり、プリンター(22)が感光性化合物の分量と種類を調節できるように、はプリンター(22)に指示を出すこともできる。さらに、プリンター(22)は基板への印刷位置や内容を調節する信号を制御装置(42)より受信することもできる。
【0036】
また、システムの構成には、確認装置(40)、および必要に応じてプリンター(22)に直接、あるいは制御装置(42)を通じて接続した表示器(44)が含まれることもある。当該表示器は使用者に認証マークが確証されたか否かを表示する目的で使用される。ある実施例において、表示器は非確証、確証をそれぞれ赤信号、青信号で示す。当然ながら、視覚的信号の代わり、あるいは視覚的信号に加えて聴覚的信号を使用することもできる。
【0037】
制御装置(42)は生産ライン制御装置(不図示)と接続、あるいは生産ライン制御装置の一部を構成することもできる。この場合、確認装置が、認証マークが非確証であると判断した場合、生産ライン制御装置が基板の次段階の扱いに関して適切な処置を取ることになる。この際、万一、基板の認証マークに欠陥があると判断された場合、生産ライン制御装置はコンベヤー(30)の移動先を変更し、基板を非出荷、あるいは当初指定された区域とは異なった区域へ出荷する領域へ配給ことも可能である。例として、非確証の基板を別の生産ライン、例えば、ダストシュート、あるいはマークを除去し、再印刷するために、基板を主な生産ラインのスタート地点へ送り返す補助的ラインなどへの移動などが挙げられる。制御装置(42)も生産ライン制御装置も使用者によるプログラムを可能とし、認証マークが不正確、あるいは適切に適用されていないと判断された場合、使用者は当該基盤に対し、望みどおりに特定の処理を取ることができる。
【0038】
確認装置は生産ライン上で、間接照明からの予期せぬ影響など、周囲より顕著な影響を受けずに基板を確証できるように、基板よりある一定の距離をあけた位置に配置される。ある実施例において、確認装置は基板に接触している。またある実施例においては、確認装置は基板より約12 mm 離れた所に設置される。確認装置と基板と間の距離に差はあるが、本発明はこの点に関して限定されるものではない。またある実施例において、確認装置は携帯型で、生産ラインの作業者が確認装置を手に持って、基板を1つ1つ手動で走査することもできる。
【0039】
また、確認装置で基板から他の情報を読み取ることが必要な場合もある。例えば、マーク内や基板上のデザイン、ロゴ、パターンなどの情報を読み取ることが必要であるかもしれない。したがって、ある実施例において確認装置は比較的単純な装置で感光性化合物の有無のみを確認するが、またある実施例においては、確認装置は日付、時間、供給源・原産地、対象となる流通経路、その他の必要な製品情報を確認することもできる。これは、基板に適用され、それぞれ特定の情報を提供する複数の感光性化合物を見分けることによって達成される。さらに、確認装置、あるいは関連した制御装置にソフトウェアを使用し、光学、あるいはパターン認識技術などの適切な技術を用いて情報を読み取ることもできる。また確認装置はマークのサイズや形を確認したり、マークに使用された感光性化合物の種類を確認することもできる。
【0040】
図1に示すように、確認装置(40)はプリンター(22)の下流ラインに位置する。発光性化合物として液体感光性化合物を使用した場合、確認前に乾燥させる必要がないので、プリンターと確認装置間の距離は決定的な要素ではない。
【0041】
さらに上述のように、感光性化合物にUV硬化性の保護膜を使用することで、マークの不正加工防止ができる。UV硬化ステーション(不図示)は確認装置の前でも後でもよい。ある実施例において、UV硬化ステーションは確認装置の前に設置されるが、場合によっては確認装置の後に設置される方が好ましい場合もある。例えば、除去可能な感光性化合物が基板に適用され、当該感光性化合物が非確証であると判断された場合、当該感光性化合物、あるいはマークそのものは取り除かれ、再印刷過程へ基板が返送されることになる。この場合、感光性化合物が確証済みになるまで、不正加工防止処理を施さない方がよいことになる。
【0042】
場合によっては、様々な種類の感光性化合物や基板の確認ができるように調節可能な確認装置の使用が好ましいかもしれない。1つあるいは複数の感光性化合物、ならびに必要な確証度に基づき、部品を変更することで確認装置に修正を加えることができる。ある実施例において、例えば、光源、フィルター、レンズ、識別ソフトウェアなどを確認装置より取り除き、対象となる感光性化合物の確認に適した部品と交換することができる。さらに、部品と確認装置は電子的に変更することもできる。例えば、確認装置はプログラム可能な部品や、目的となる感光性化合物の反応を探知するように部品を調節するプログラム可能なコンピュータを含有することができる。
【0043】
次に、図2を参照しながら基板上のマークの適用を確認する模範的なプロセスについて説明する。100番ブロックでは、本明細書で説明されたすべての技術、あるいはその他適切な技術を使用して、1つあるいは複数の感光性化合物を含むマークが基板に適用される。次に、102番ブロックでは、必要に応じて保護膜を適用し、104番ブロックでは、硬化性の保護膜を使用した場合は、当該保護膜を硬化させる。このようにして、本明細書に記載のように、当該マークに不正加工防止がなされる。106番ブロックでは、マークが確認され、108番ブロックでは、本明細書に記載のように、確証されたか否かが決定される。マークの真正性が確認されると、110番ブロックにて、必要に応じて、その旨を示す信号が出される。112番ブロックでは、基板は生産ライン上を進行し、必要ならば包装(114番ブロック)、あるいはまた必要ならば、配送(116番ブロック)などの次段階の処理を受ける。
【0044】
さらに図2を参照しながら説明を続ける。万一108番ブロックでマークの真正性が確認されなかった場合、118番ブロックで必要に応じて、その旨を示す信号が出される。本明細書に記載のように、基板の進行先は100番ブロックで示されるマークの適用過程へ変更される。代案としては、本明細書に記載のように、必要に応じて、基板は120番ブロックに示すように生産ラインより除去される。さらに基板は生産ライン上を進行して、100番に示されるマークの適用過程を経過するか、マークが不正確である場合は、例えば、122番ブロックで欠陥マークが取り除かれる。124番ブロックでは、必要ならば基板を廃棄する。前述の工程は単に典型的なものであり、本発明は当該工程に限定されないという事実は、高い評価の対象となるであろう。したがって、図2を参照して説明される工程の適切な組み合わせならば如何なるものでも実施できる(本発明は、この点に関して限定されない)。
【0045】
また、適切な確認装置であればどんなものでも使用できるという事実も高い評価の対象となるであろう(本発明は、この点に関して限定されない)。
【0046】
最も簡潔な、確認装置の一実施例の配置図である図3に示されるように、確認装置(40)は光学ブロック、あるいはフレーム(50)、光源(52)、および検出器(54)より構成される。上述のように、光源は、特定の波長(必ずしもこれに限定されない)を持つ光を放射する。光源より発される光は基板上の感光性化合物に作用し、感光性化合物より放射、あるいは吸収される光(例:光応答)は検出器(54)により探知される。1つの光源のみが示されているが、本発明はこの点に限定されるものではなく、複数の(例:2つ)光源の使用が可能である。使用される感光性化合物の種類によって、光源は定常燃焼、ストロボ、フラッシュなど、いずれの使用も可能である。この点に関して、持続性感光性化合物、例えばリン光性化合物は、光の照射後に発光する場合もある。
【0047】
光源(52)は、発光性ダイオードでもよく、赤外線発光ダイオードでも、近赤外線発行ダイオードでも構わない。代わりとなる実施例においては、光源はレーザー光線による光源でも構わない。いずれの場合でも、光源は製品や製品包装上のマークに含まれる1つ以上の感光性化合物の励起波長を持つ光を発する。
【0048】
また確認装置(40)は、光源より発される光の不必要な波長を濾光するため、帯域通過フィルター、あるいはカットオフ・フィルターなどの励起フィルター(56)も含む。したがって、ある実施例において、励起フィルター(56)は光源(52)より発される光線に沿って設置される。光源からの光を集中させるため、適切な励起レンズ(58)の使用も可能であり、当該レンズ(58)は光源(52)と励起フィルター(56)の間、あるいは励起フィルター(56)の後に、確認装置より発される光線に沿って設置される。当該装置より発される光は出口(59)を経過することもできる。
【0049】
確認装置(40)は同様に、感光性化合物や基板より発される光の不必要な波長を濾光するため、帯域通過フィルター、あるいはカットオフ・フィルターなどの発光フィルター(60)を含むこともできる。したがって、ある実施例において、発光フィルター(60)は感光性化合物より検出器へ向けて発される光線に沿って設置される。感光性化合物からの光を集中させるため、適切な発光レンズ(62)の使用も可能であり、当該レンズ(62)は光源(52)と励起フィルター(56)の間、あるいは励起フィルター(56)の前に、確認装置へ向かって発される光線に沿って設置される。当該装置へ向かって発される光は、検出器(54)によって探知される前に、入口(64)を経過することもできる。検出器(54)は適切な検出器ならばどんなものでもよい(本発明は、この点に関して限定されない)。適切な検出器の例としては、電荷結合素子(CCD)が挙げられる。その他の検出器、例えば、CMOS やPMTなどの使用も可能である。検出器の視線方向は真っ直ぐで、基板の平面に対して検出器の中心線(69)が直角でも、基板の平面に対して視線方向が非直角でも構わない。また確認装置(40)は、確認装置に向けて発される光を集中させる目的で設置された対物レンズ(66)を含むこともある。確認装置に含まれるその他の部品としては、本明細書に図示はないが、電源、コード、調節器、信号線などが挙げられるが、これらに限られない。
【0050】
上述のように、選択された感光性化合物に合わせて確認装置を調節するため、様々な部品の変更が望ましい場合があるかもしれない。したがって、ある実施例において、使用者が対象の感光性化合物に適した性質を持つ部品を選択できるように、レンズ、フィルター、および光源のいずれも、単一でも、どんな組み合わせでも取り外せるように設計されている。特に、フレームと、光源、フィルター、およびレンズはいずれもフレームより部品が外せるように設定されている。本発明はこの点に関して限定されるものではないので、部品の取り外しが効く適切なメカニズムならどんなものでも使用できる。例えば、不用なレンズや光源が収納できる適切なスロットが含まれているフレームや、それらが取り付けられる構造を持つフレームなどが挙げられる。部品をフレームに固定するロック装置の使用も可能である。
【0051】
フレーム(50)には、図1に示すように、生産ラインに対して適切な位置に確認装置を設置するため、適切なスタンド(70)などに確認装置(40)の取り付け穴を設けることもできる。
【0052】
またある実施例において、確認装置は、同一出願人による同時継続中の米国特許60/353,481号(全文参照として、ここで本明細書に組み込む)に記述の手持型である。手持型の確認装置は、図3を参照して描写された部品と同一、あるいは類似した部品より構成される。具体的には、手持型の確認装置には励起光源、フィルター、およびレンズが含まれる。手持型の確認装置は確認対象の基板上を移動させるものでも、固定されたものでも構わない。励起光源は認証マークの感光性化合物を励起させて反応を生み出す。励起光源は、干渉性の光源、つまり発光ダイオード(LED)(これに限られない)など、あるいは非干渉性の光源、つまり半導体レーザー(LD)(これに限られない)などのどちらでも構わない。また、励起光や放射光、あるいは両方の不必要な波長を濾光するためにフィルターの使用も可能である。感光性化合物より光応答を探知するため検出器が使用され、検出器は制シリコンフォトダイオードを含むがこれに限定されない。感光性化合物の認証、あるいは不適切な適用を表示する表示器の使用も可能である。
【0053】
またある実施例において、確認装置は、同一出願人による同時継続中の米国特許09/556,280号(全文参照として、ここで本明細書に組み込む)の図1と図2を参照した記述にあるような手持の探触子である。当該確認装置は、図3を参照した上述の部品と類似した部品を含む可能性がある。簡単に説明すると、米国特許09/556,280号の図1と図2の実施例において、確認装置は手持型の探触子で、その本体は単一型か、個別の複数の部品より構成されている。探触子本体には内部で処理される1つ以上の光源が含まれている。ある好適な実施例において、光源は発光ダイオード、つまりヒューレット・パッカード社(米国カリフォルニア所在)販売のモデル番号HLMP CB15などにより供給され、赤外線発光ダイオードでも、近赤外線発行ダイオードでも構わない。また代わりとなる実施例において、光源にはレーザー光線が用いられる。いずれの場合においても、光源は、製品や製品包装上のマークに含まれる1つ以上の感光性化合物の励起波長を持つ光を放射する。また、探触子の組立部は、光源より発される光の波長を分類するため、帯域通過フィルター、あるいはカットオフ・フィルターなどの光源フィルターを含むこともある。直径10 mm で10 mm の焦点距離を持つ対称凸レンズなどのレンズによって、光源より発される光を集中させ、さらに検出器上に光を集中させる。1つ以上のプリズム(不図示)も光の照射や集中に使用することができる。検出器の一例としては、エドモンド・サイエンティフィック社(米国ニュージャージー州所在)販売の、モデル番号H53308の電荷結合素子(CCD)が挙げられる。その他の適切な検出器としては、CMOSやPMTなどが挙げられる。帯域通過フィルター、あるいはカットオフ・フィルター(あるいは吸光フィルター)などの発光フィルターは、マークより放射される光による、発光分光の励起波長を分離するために使用される。探触子の組立部にパームパイロット(登録商標)などの制御装置を接続し、光応答とフィンガープリントを比較することができる。
【0054】
さらにまたある実施例において、確認装置は、上述の同時継続中の米国特許09/556,280号の図15〜19を参照に描写されるカメラとして構成される。簡単に説明すると、米国特許09/556,280号の図15〜19の実施例において、確認装置には上述のような部品、及び画像取込システムに連結した富士通のチームパッドのような処理装置が含まれる。画像取込システムには、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)などの信号処理装置、上述のような2台の検出器、および光源のようなフラッシュ制御システムが含まれる。使用可能なDSPの一例としては、テキサス・インストゥルメント社(米国テキサス州ダラス所在)製造のモデル番号320C52 が挙げられる。処理装置は、表示を含むユーザーインターフェースなどを提供する数多くの機能も持っている。処理装置は、DSPからの画像も受信し、蛍光イメージと背景を区別する画像処理を施して、疑似色で画像を染色することで、使用者による背景と蛍光イメージの区別を可能にしている。また処理装置は、ウィンドーズ95オペレーティングシステムを使用することもできる。他の適切なオペレーティングシステムを使用することも可能である。励起光源の強度、ならびに持続時間に制限はない。できれば光源は高輝度で、感光性化合物より発される放射波長の強度を増進させることで、背景放射(あるいは吸収)より放射(あるいは吸収)波長の分離ができるものがよい。また高輝度の光源の利用により、15センチ以上離れた所からの検知も可能になる。当該実施例において、励起光源は充分な強度を持ち、結果として生じるスペクトルは離れた所、例えば最高3.6メートル離れた所から、背景放射を相殺する必要なく測定できる。ある実施例において、スペクトルは最高1.2メートル離れた距離として検知でき、またある実施例においては、スペクトルは最高1.8メートル離れた距離として検知できる。
【0055】
本発明はこの点に関して限定されるものではないので、認証マークの確認(つまり、認証マークの発光・吸光の探知)には適切な装置ならどんな装置でも使用できるという事実は、高い評価の対象となるであろう。したがって、本明細書に記載の特定の装置は、単に典型的なものであり、これらに限定されるものではない。感光性化合物より吸収される光の検知には適切な画像技術ならどんなものでも使用できる。同様に、感光性化合物より放射される光の検知にも適切な画像技術ならどんなものでも使用でき、例としては、赤外線、近赤外線、遠赤外線、フーリエ変換赤外線、ラマン分光法、時間分解蛍光、蛍光、発光、リン光、および可視光イメージングが挙げられる。
【0056】
制御装置あるいは処理装置、および関連したソフトウェアは、光学検出器より情報を受信・操作し、当該情報を試料の特性値に変換し、さらにその特性値を制御装置、処理装置、あるいは遠隔ホストコンピュータや関連したデータベースに保存されたフィンガープリント、あるいはフィンガープリント・プロファイルに照合する。後者の実施例において、制御装置あるいは処理装置は、例えば、モデムを通してデータケーブルでホストコンピュータと通信している。当然ながら、その他の通信回線、例えば、直接データリンク、衛星伝送、同軸ケーブル伝送、光ファイバー伝送、移動体通信、あるいはデジタル通信などの使用も可能である。通信回線は直通でもインターネットを通してでも構わない。またホストコンピュータは、複数のフィンガープリントやフィンガープリント・プロファイルを保存するデータベースと通信している。
【0057】
上述のように、システムは製品や製品包装に感光性化合物を含むマークの少なくとも一部を適用する適切な塗付器を含んでいる。ある実施例において、塗付器はプリンターである。本発明はこの点に関して限定されないので、どんなタイプのプリンターでも使用でき、例えば、多色印刷機、インクジェットプリンター、ドット・プリンター、スクリーン印刷、パッド印刷などが挙げられる。またあるいは、マークをまずディーキャルや粘着ラベルに印刷してから、それらを基板に塗付するのでも構わない。さらに、マークは、エアブラシ、エアガン、エアゾール系のスプレーなどでスプレーされるのでも構わない。
ある実施例において、プリンターはインクと混合された1つ以上の感光性化合物(必要に応じて、適切な溶媒を含む)を印刷し、マークの少なくとも一部を形成する。できれば1種類か2種類の感光性化合物を使用してマークを形成するが、何種類の化合物でも使用できるという点は非常に有用である。インクと感光性化合物は可視インクでも不可視インクでもよく、ある実施例において、インクは非水溶性である。ある実施例において、第一の感光性化合物を第一のインクと混合する。さらに、第二の感光性化合物を第二のインクと混合して、これら2つのインクを組み合わせてマークの少なくとも一部を形成する。
【0058】
またある実施例において、インクジェットプリンターが使用される。異なった感光性化合物を含む複数の容器を、例えば、適切な通信回線を通して、製品、客先、日付、製造地、その他必要なデータに応じて容易に交換できるという点でインクジェットプリンターは有利である。さらにインクジェットプリンターは、ラベルや、製品・製品包装上にバーコードを直接印刷するのに一般に使用されている。認証マークのパターンが、(感光性化合物と混合された)インクの調合の内容物に関する情報以上のものを伝達しない単なる点から、例えば、製品、日付、製造地、生産ライン、客先などの情報を伝達するバーコード、さらにより複雑なパターンや英数字コードなど、必要に応じて様々なパターンに設定できるという点は高い評価の対象となるであろう。
【0059】
ある実施例において、連続インクジェットプリンターが使用される。連続インクジェットプリンターの適用は、例えば、生産ラインや基板の移動中にマークが印刷できるなど、様々な利点がある。したがって、ライン上を流れてくる製品に対して、生産ラインの移動スピードに比例したスピードで各製品包装に認証マークを塗付できるのである。当然ながら、連続インクジェットプリンターの使用に関らず、基板をプリンター近くで一旦停止させ、マークを印刷することも可能である。
【0060】
さらに、連続インクジェットプリンターを使用することで、基板(例えば、製品包装)が製品を含有している場合にも、基板への認証マークの印刷が可能である。つまり、製品包装に製品がすでに含まれている場合、スクリーン印刷など、他の印刷技術の使用は実用的でない可能性がある。例えば、スクリーン印刷での印付けには高温が必要となる。そのような高温は包装内の製品に対して不都合な効果を与える可能性がある。また、配送上の都合で、製品が製品包装内に梱包されてからマークを塗付する方が好ましい場合があろう。例えば、多くの場合、製品は同じ製品製造工場で製造されるが、取引経路は異なっている。製造業者は、ひとまとまりの製品やその包装に、本発明による認証マークを印刷し、特定の市場に向けて製品を指定することができる。
【0061】
本発明の認証マークは、包装の折りぶたや、包装の内側などを含む、製品や製品包装のどこにでも印刷することができる。認証マークの印刷は製品や製品包装の他の印刷部位に重複することが望ましいこともあるだろう。当該印刷部位としては、例えば製品の販売に特に必要な項目が含まれ、例としては、製品名、商標、ロゴ、社名などが挙げられる。1つの好適な実施例において、認証マークは製品の商標と同位置に印刷される。そうすることで、認証マークを除去しようとすると、包装上の商標も破壊される結果になる。認証マークは、商標そのものの印刷に使用されるインク成分の一部に感光性化合物を使用することで適用しても、商標の下、あるいは上に塗付するのでも構わない。この適用法により、認証マークの除去が困難になるだけでなく、認証マークの存在を確認する際にマークを見つけるのが簡単になる。
【0062】
上述のように、認証マークの除去の阻止が望ましい場合がある。そうすることで、マークに不正加工防止が施せる。マークの不正加工防止技術の典型的な技術は上記引用の米国特許出願10/212,334号に記載されている。一例として、マークの不正加工防止に用いられる保護膜をインクと感光性化合物に混合し、その混合物をマークとして基板に印刷、あるいはその一部を形成する。
【0063】
さらに、本発明がマークの適用対象となる基板によって限定されるものではないという事実は高い評価の対象となるはずである。当該システムを用いてどのような製品や製品包装にもマークを塗付することができる。当該製品の例としては、キャップ(例:ボトルのキャップ)、ラベル、紙、ボール紙、グラス、金属、プラスチック、ゴム、瓶、タバコの包装、CDやDVDのような光学ディスク(同一出願人による同時継続中の米国特許出願09/608,886号および09/631,585号(全文参照として、ここで本明細書に組み込む))、宝石類、銀行のカードやクレジットカード、スポーツ関係の記念品、自動車部品やボディー、芸術的印刷物などが挙げられる(本発明はこの点に関して限定されるものではない)。
【0064】
ある実施例において、製品包装はシャンプーやクリームなどの液体製品を含有したプラスチックである。当該プラスチックの原料としては、高密度ポリエチレン(HDPE), 低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、テレフタル酸ポリエチレン(PETE)などが挙げられる。その他の適切な基板としては、錫やアルミニウムなどを含む、金属などが使用できる。当然ながら、本発明はこの点に関して限定されるものではなく、上記以外の適切な基板が使用できるという点は高い評価の対象となるはずである。
【0065】
著作権で保護されたものの真正性を証明するため、著作物、彫刻などの芸術品に直接認証マークを印刷することができる。例えば、本のカバーの一部に、不可視な、あるいは裸眼には明確でない認証マークを刷り重ねることができる。したがって、偽造者が本のカバーを、例えばコピーなどで複写しようと試みた場合、認証マークは複製されず、後の分析によりカバーが偽物であることが明らかになる。
【0066】
本発明のマークの他の利用方法としては、個人財産の確認が挙げられる。例えば、本発明のマークをある個人財産の特定箇所に印刷し、使用されるマークは財産の所有者にとって固有のものを用いる。当該財産が紛失あるいは盗難に合い、後に回収された場合、当該財産は当該マークの特異性、あるいはマークが提供するその他の情報により確認される。また目立たないマークを使用することで、窃盗犯はその存在に気付かず、よってマークは除去されることがない。
【0067】
本発明は印刷工程の使用方法に制限がないという点で高い評価の対象となるはずである。例えば、製品の繊維を感光性化合物に浸し、衣服、旅行かばん、本のカバー、カーペット、紙幣、印刷物、その他の芸術品などに使用される材質に織り込むことで、当該材質が一定の光の波長を受けると、感光性化合物に浸された繊維はある光の波長を放射・吸収することになる。
【0068】
製品への直接印刷が不可能な場合は、他の方法で製品の確認・認証ができる。例えば、米国特許出願09/232,324号に記述の方法などが挙げられる。
【0069】
以下に1つ以上の感光性化合物を含む印刷可能なインクの調合例について説明する。感光性化合物はメチル−エチル−ケトン(MEK)に溶解してインクに添加する方法がある。ある例において、19 mgの1つ以上の感光性化合物が1 mLのMEKに溶解される(以下、「原液1」と呼ぶ)。またある例において、40 mgの1つ以上の感光性化合物が1mLのMEKに溶解される(以下、「原液2」と呼ぶ)。可視インクの調合の一例として、650 gの黒インク(例えば英国ウィレット社のブラックインク#601)と3.5 mLの原液1が混合される(「調合1」と呼ぶ)。照射に反応して2つのピーク波長を示すインクを生産するためには(その使用に関しては以下で説明する)、400gの調合1と2 mLの原液1が混合される。さらに当該混合液の性質を向上させるため、他の化合物を混合することもできる。当該混合物の例としては、結合剤、保湿剤、1種類以上の低級アルコール、防触剤、殺生剤、コロイド懸濁液粒子の静電気安定に使用される化合物などが挙げられ、これらの内1つ以上が混合される。様々な濃度の感光性化合物をいくつでも添加することができる。例えば、一部の感光性化合物では、1.275 mM濃度で適切な反応が得られる。印刷を容易にするため、原液やインクは、例えば2.0ミクロンのフィルターで濾過して、大きな粒子を取り除くことができる。インクジェットプリンターを使用する場合、インクカートリッジの標準オリフィスを拡大することで、複合インクの適用をより簡単にすることができる。
【0070】
選択された特定の感光性化合物からのインクの可視性質への影響は、包装上の他の印刷から目立たないように、最小限であるべきである。例えば、可視インク(例えば黒インク)と混合された1つ以上の感光性化合物は、バーコードなどの情報を製品包装に印刷するのに使用される。あるいは上述のように、認証マークは不可視なマークとして形成されても問題はない。
【0071】
本発明において、多種多様な感光性化合物の使用が可能で、約300-2400 nmの波長、ある実施例においては、300-1100 nm、を持つ光を放射する、あるいは当該光によって励起される化合物を含む。選択対象となる感光性化合物のグループとしては、無機顔料、有機化合物、光互換性物質、光互換性物質と交差結合された様々な重合体、重合体で被包された光互換性物質、エステル結合と重合された耐熱性赤外蛍光化合物などが挙げられるがこれらに限定されない。
【0072】
製品や製品包装に適用される特定の感光性化合物は、標準的光学読取装置より放射される光に基づき選択できるという点は高い評価の対象となるであろう。この点に関して、例えば小売店のレジで使われる従来の光学読取装置によって読み取り可能な特定の1つ、あるいは複数の感光性化合物を用いて製品包装やラベルにバーコードを印刷することが可能である。当該光学読取装置は従来通りにバーコードより製品情報を読み取るだけでなく、製品や製品包装を走査することで1つ、あるいは複数の感光性化合物より放射あるいは吸収される光により真正性や他の情報を確認することができる。また必然的に、確認装置としては、小売店のレジで使われる従来の光学読取装置に類似した性質を持つ読取装置を使用することができる。
【0073】
図4は本発明の励起波長として提案される特定の波長を持つ光で基板を照射した後に検知可能な背景スペクトルの一例を示す。一旦、背景スペクトルが検知されると、当該背景スペクトルが提示するピークに直接合致しない波長を主に放射する感光性化合物を選択することで、適切な化合物が決定できる。望ましくは、発光波長ピークが背景スペクトルのピークと合致しない感光性化合物から候補化合物を選択し、より望ましくは、背景スペクトルより容易に分離できるスペクトルを持つ感光性化合物から候補化合物を選択する。
【0074】
感光性化合物の一群を選択した後、試験対象となる基板に各化合物を適用し、前記基板を予定の励起波長で再度照射する。感光性化合物とインク、あるいは感光性化合物と基板の相互作用により、感光性化合物より放射される波長に変化が生じる可能性があるので、適切な濃度で基板に適用された候補化合物の分析終了後に、選択された感光性化合物の一群はさらに絞込まれる。
本発明の感光性化合物には、米国特許出願5,292,855号、5,336,714号、5,614,008号、および5,665,151号(全文参照として、ここで本明細書に含まれる)で開示される水分散ポリエステルやアミドなどの使用も可能である。
【0075】
ある実施例において、近赤外線蛍光化合物は、それぞれ図5、図6、図7で示されるフタロシアニン、ナフタロシアニン、およびスクアリン(スクアリン酸誘導体)から選択される。当該構造において、PcとNcは、AlCl、AlBr、AlF、AlOH、AlOR5、AlSR5, Ca、Co、CrF、Fe、Ge、 Ge(OR6)、Ga、InCl、Mg、Mn、Ni、Pb、Pt、Pd、SiCl2、SiF2、SnCl2、Sn(OR6) 2、Si(OR6) 2、Sn(SR6) 2、Sn、TiO、VO、およびZn(式中、R5とR6は水素、アルキル、アリル、ヘテロアリル、低級アルカノイル、トリフルオロアセチル群を示す)などを含む水素、その他の金属、ハロメタル、有機金属群、オキシメタルに共有結合しているフタロシアニンとナフタロシアニンの構成部分を表す。
【0076】
Xは酸素、硫黄、セレニウム、テルリウムを表す。Yはアルキル、アリル、ハロゲン、水素を表し、Rは置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アルキニルを表す。
-(X-R)はアルキルスルホニルアミノ、アリルスルホニルアミノを表し、R1とR2はそれぞれ別々に水素、低級アルキル、低級アルコキシ、ハロゲンアリルオキシ、低級アルキルチオ、低級アルキルスルホニルから選択され、R3とR4はそれぞれ別々に水素、低級アルキル、アルケニル、あるいはアリルより選択される。n + m およびn1+ m1 の合計がそれぞれ16、24であるという条件下で、nは0〜12の整数、n1は0〜24の整数、mは4〜16の整数、m1は0〜16の整数を示す。
【0077】
上記化合物において、当該構造は、少なくとも1つのポリエステル反応性群を含むことで、高分子化合物への当該化合物の組み込み、および共有結合による結合を可能にしている。
【0078】
本発明の感光性化合物には、米国特許5,807,625号(参照として、ここで本明細書に含まれる)記載の高分子化合物に組み込まれた光互換性物質、およびマイクロカプセルを形成するために被包された光互換性物質などの光互換性物質も含まれる。
【0079】
ある実施例において、当該光互換性物質は以下の3クラスより選択される:
(i)スピロ−インドリノ−ナフトオキサジン
(ii)ビス−メチレン無水コハク酸誘導体であるフルギド、およびビス−メチレンコハク酸イミド誘導体であるフルギド(後者中、イミド窒素はアルキル、アリル、アラルキルにて置換可能)
(iii)スピロ(1,8a)−ジヒドロインドリジン
【0080】
本発明の感光性化合物には、米国特許5,450,190号(参照として、ここで本明細書に含まれる)記載の有機・無機化合物で標識付けされたマイクロビーズも含まれる。
【0081】
本発明の感光性化合物として有用な化合物や合成化合物としては、米国特許5,286,286号(参照として、ここで本明細書に含まれる)記載のものが含まれる。当該化合物の例としては、:
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-四塩化ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-四臭化ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラ酢酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラ過塩素酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラフルオロホウ酸ポル
ィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラ過塩素酸ポルフィン塩、5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラフルオロホウ酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラ過塩素酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-メチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラトリフレート酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-(1-ヒドロキシメチル-4-ピリジル)-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[1-(2-ヒドロキシメチル)-4-ピリジル]-21H, 23H-四塩化ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[1-(3-ヒドロキシメチル)-4-ピリジル]-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[1-(2-ヒドロキシメチル)-4-ピリジル]-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[1-(-ヒドロキシエトキシエチル)-4-ピリジル]-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[1-(2-ヒドロキシエトキシプロピル)-4-ピリジル]-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-四塩化ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-四臭化ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-テトラ酢酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-テトラ過塩素酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-テトラフルオロホウ酸ポルフィン塩、
5,10,15,20-テトラキス-[4-(トリメチルアンモニオ)フェニル]-21H, 23H-テトラトリフレート酸ポルフィン塩、
メソ-(N-メチル-X-ピリジニウム)n(フェニル)4-n-21H,23H-テトラ-p-トシル酸ポルフィン塩(式中nは0~3の整数で、Xは4-(パラ)、3-(メタ)、あるいは2-(オルソ)であり、ピリジニウム置換体において窒素基を表し、例えば「バイオケミストリー(Biochemistry)」1990年29号4205-4215ページ記載のM.A.サリ(M.A.Sari)らによる方法でもって調合される)、
メソ-テトラキス-[o-(N-メチルニコチンアミド)フェニル]-21H,23H-テトラメチル スルフォン酸ポルフィン塩(例えば「無機化学(Inorganic Chemistry)」1988年27号3773-3781ページ記載のG.M.ミスケリー(G.M. Miskelly)らによる方法でもって調合される)、
5,10,15,20-テトラキス-(2-スルフォネートエチル-4-ピリジル)-21H,23H-塩化ポルフィン塩(例えば「ケミストリーレターズ(Chemistry Letters)」1984年1871ページ記載の五十嵐Sと四柳Tによる方法でもって調合される)、
5,10,15,20-テトラキス-(カルボキシメチル-4-ピリジル)-21H,23H-塩化ポルフィン塩
5,10,15,20-テトラキス-(カルボキシエチル-4-ピリジル)-21H,23H-塩化ポルフィン塩
5,10,15,20-テトラキス-(カルボキシエチル-4-ピリジル)-21H,23H-臭化ポルフィン塩
5,10,15,20-テトラキス-(カルボン酸-4-ピリジル)-21H,23H-臭化ポルフィン塩(「オーストラリア化学雑誌(Australian Journal of Chemistry)」1989年42号2265-2274ページ記載のD.P. アーノルド(D.P. Arnold)による方法でもって調合される)、
2,3,7,8,12,13,17,18-オクタ-(2-ヒドロキシエチル)-21H-23H-ポルフィン、
2,3,7,8,12,13,17,18-オクタ-(2-ヒドロキシエトキシエチル)-21H-23H-ポルフィン、
2,3,7,8,12,13,17,18-オクタ-(2-アミノエチル)-21H,23H-ポルフィン、
2,3,7,8,12,13,17,18-オクタ-(2-ヒドロキシエトキシプロピル)-21H,23H-ポルフィンなどや、これらの混合物が挙げられる。
【0082】
また、本発明との使用に適する化合物としてはダンシル化合物があり、例としては、ダンシル-L-アラニン、a-ダンシル-L-アルギニン、ダンシル-L-アスパラギン、ダンシル-L-アスパラギン酸、ダンシル-L-システイン酸、N,N'-ジ-ダンシル-L-シスチン、ダンシル-L-グルタミン酸、ダンシル-L-グルタミン、N-ダンシル-トランス-4-ヒドロキシ-L-プロリン、ダンシル-L-イソロイシン、ダンシル-L-ロイシン、ジ-ダンシル-L-リジン、N-∈-ダンシル-L-リジン、ダンシル-L-メチオニン、ダンシル-L-ノルバリン、ダンシル-L-フェニルアラニン、ダンシル-L-プロリン、N-ダンシル-L-セリン、N-ダンシル-L-トレオニン、N-ダンシル-L-トリプトファン、O-ジ- ダンシル-L-チロシンモノシクロヘクシルアンモニウム塩、ダンシル-L-バリン、ダンシル-γ-アミノ-n-酪酸、ダンシル-DL-a-アミノ-n-酪酸、ダンシル-DL-アスパラギン酸、ダンシル-DL-グルタミン酸、ダンシルグリシン、ダンシル-DL-ロイシン、ダンシル-DL-メチオニン、ダンシル-DL-ノルロイシン、ダンシル-DL-ノルバリン、ダンシル-DL-フェニルアラニン、ダンシルサルコシン
N-ダンシル-DL-セリン、N-ダンシル-DL-トレオニン、N-α-ダンシル-DL-トリプトファン、ダンシル-DL-バリン、ダンシル-DL- α-アミノカプリル酸シクロヘクシルアミン塩、(ダンシルアミノエチル)トリメチルアンモニウム過塩素酸、ジダンシルカダベリン、モノジダンシルカダベリン、ダンシルプトレッシン、ダンシルスペルミジン、ジダンシル-1,4-ジアミノブタン、ジダンシル-1,3-ジアミノ-プロパン、ジダンシルヒスタミン(すべてミズーリ州セントルイス所在シグマケミカル社より入手可能)など、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0083】
さらに、他の感光性化合物としては、米国特許5,367,005号に記載の有機・無機顔料、あるいは米国特許4,540,595号(参照として、ここで本明細書に含まれる)に記載のフェノキサジン誘導体の化合物あるいは合成化合物などが挙げられる。
【0084】
フェノキサジン誘導体の一般的な化学式は図8に示され、式中R1とR2はアルキル群を表し、X−は陰イオンを表している。
【0085】
本発明の他の感光性化合物は、米国特許4,598,205号(参照として、ここで本明細書に含まれる)に記載の通り、励起・放射の領域に基づき、以下4つのグループの1つに分類できる。
(a) 励起UV‐放射UV
(b) 励起UV‐放射IR
(c) 励起IR‐放射UV
(d) 励起IR‐放射IR
【0086】
さらに、本発明との使用に有用な化合物としては、米国特許5,093,147号(参照として、ここで本明細書に含まれる)に開示されるインク媒体に溶解できる有機赤外蛍光化合物の化合物、あるいは合成化合物が挙げられる。当該感光性化合物の例としては、以下が挙げられる:(3,3'-ヨウ化ジエチルチアトリカルボシアニン)、(3,3'-ジエチル-9,11-ヨウ化ネオペンチルエンチアトリカルボシアニン)、(1,1',3,3,3',3'-ヘキサエチル-4,4',5,5'-ジベンゾ-2,2'-ヨウ化インドトリカルボシアニン)、(ヘキサジベンゾシアニン3)、1H-ベンズ[e]インドリウム、2-[7-[1,3-ジヒドロ-1,1-ジメチル-3-(4-スルフォブチル)-2H-ベンズ[e]インドル-2-イリデン]-1,3,5-ヘパトリエニル]-1,1-ジメチル-3-(4-スルフォブチル-, ナトリウム塩、(3,3'-ジエチル-4,4'5,5'-ヨウ化ジベンゾチアトリカルボシアニン)(ヘキサジベンゾシアニン45)、ベンゾチアゾリウム、5-クロロ-2[2-[3-[5-クロロ-3-エチル-2(3H)-ベンゾチアゾルイリデン-エチリデン]-2-(ジフェニルアミノ)-1-シクロペンテン-1-イル]エチル]-3-エチル-,過塩素酸、(1,1'-ジエチル-4,4'-ヨウ化ジカルボシアニン)、ナフト[2,3-d]チアゾリウム, 2-[2-[2-(ジフェニルアミノ)-3-[[3-(4-メトキシ-4-オキソブチル)ナプソ[d]チアゾル-2(3H)-イリデン-エチリデン]-1-シクロペンタン-1-イル]エセニル]3-(4-メトキシ-オキソブチル)-, 過塩素酸
【0087】
以下の感光性化合物も本発明との使用に有用な化合物である:硫酸2ナトリウム塩と7-(ジエチルアミノ)-4-メチル-2H-1-ベンゾピラン-2-オンの混合物、3',6'-ビス(ジエチルアミノ)-スピロ-(イソベンゾフラン-1(3H),9'-(9H)キサンチン)-3-オンあるいは3',6'-ビス(ジエチルアミノ)-フルオラン、4-アミノ-N-2,4-キシリル-ナフタリミド、7-(ジエチルアミノ)-4-メチル-クマリン、14H-アントラ[2,1,9-mna]チオキサンチン-14-オン、N-ブチル-4-(ブチルアミノ)-ナフタリミド。
【0088】
さらに、以下の化合物を本発明の感光性化合物として使用できる:5-(2-カルボハイドリジノメチルチオアセチル)-アミノフルオレシン、5-(4,6-ヂクロロトリジアニル)-アミノフルオレシン、フルオロ-3-ペンタアンモニウム塩 、3,6-ジアミノアクリジンヘミサルフェート、プロフラビンヘミサルフェート、テトラ(テトラメチルアンモニウム塩、アクリジンオレンジ、BTC-5N、フルオレシンアミン異性体I、フルオレシンアミン異性体II、サルファイトブルー、クマリン二酸クリプタンド[2,2,2]、エオシンY、ルシフィエール[Lucifier]イエローCHカリウム塩、フルオレシンイソチオシネート(異性体I)、フルオレシンイソチオシネート(異性体II)、フラ-レッド[Fura-Red], AM、ミト・トラッカー[Mito Tracker]グリーンFM、ロダミン、5-カルボキシフルオレシン、デキストランフルオレシン、メロシアニン540、ビス-(1,3-ジエチルチオバルビツール酸トリメチンオキソノール、フルオレシンブライトナー28、フルオレシンナトリウム塩、ピロメテン556、ピロメテン567、ピロメテン580、ピロメテン597、ピロメテン650、ピロメテン546、BODIPY 500/515、ナイルレッド、コレステリルBODIPY FL C12、B-BODIPY FL C12-HPC、BODIPY Type D-3835、BODIPY 500/510 C5-HPC、IR-27 アルドリック40,610-4、IR-140 アルドリック 26,093-2、IR-768 過塩素酸アルドリック42,745-4、IR-780ヨウ化アルドリック42,531-1、IR-780過塩素酸アルドリック42-530-3、IR-786ヨウ化アルドリック42,413-7、IR-786過塩素酸アルドリック40,711-9、IR-792過塩素酸アルドリック42,598-2、5-(and-6)-カルボキシフルオレシンジアセテート、6-カルボキシフルオレシンシグマ、フルオレシンアセテート、5-カルボキシフルオレシンジアセテート、フルオレシンジロレート、フルオレシンDi-b-D-ガラクトピラノシド、フルオレシン Di-p-グアニジンベンソエート、インドI-AM、6-カルボキシフルオレシンジアセテート、フルオレシンチオセミカルバジド、フルオレシン酢酸第二水銀、アルシアンブルー、ビスマルクブラウンR、フタロシアニン銅、クレシルバイオレット酢酸、インドシアニングリーン、メチレンブルー、メチルグリーン、塩化亜鉛塩シグマ、オイルレッド0、フェノールレッドシグマ、ロゾール酸、プロシオンプリリアントレッド、ポンタ・クローム・バイオレットSW、ヤーヌスグリーンシグマ、トルイジンブルーシグマ、オレンジG、オパークレッド、酸化水銀イエロー、塩基性フクシン、フラゾオレンジ、プロシオンプリリアントオレンジ、5-(and-6)-カルボキシ-2',7'-ジクロロフルオレシン、5-(and-6)-カルボキシ-4',5'-ジメチルフルオレシン、5-(and-6)-カルボキシ-2',7'-ジクロロフルオレシンジアセテート、エオシン-5-マレイミド、エオシン-5-イオドアセトアミド、エオシンイソチオシアネート、5-カルボキシ-2',4',5',7'-テトラブロモスルホンフルオレシン、エオシンチオセミカルバジド、エオシンイソチオシオネートデキストラン70S、5-((((2-アミノエチル)チオ)アセチル)アミノ) フルオレシン、5-((5-アミノペンチル)チオウレイジル) フルオレシン、6-カルボキシフルオレシンサクシニミジルエスター、5,5'-ジチオビス-(2-ニトロ安息香酸)、5-(and-6)-カルボキシフルオレシンサクシニミジルエスター、フルオレシン-5-EX、サクシニミジルエスター、5-(and-6-)-カルボキシSNARF-1、フラレッド、テトラカリウム塩、デキストランフルオレシン、MW 70000、5-(and-6-)-カルボキシナフタフルオレシン混合異性体、ロードルグリーン、カルボン酸サクシニミジルエスター、5-(and-6-)-カルボキシナフタフルオレシンSE混合異性体、5-カルボキシフルオレシン、SE単一異性体、5-(and-6-)-カルボキシ-2',7'-ジクロロフルオレシンジアセテート, SE、5-(and-6-)-カルボキシ-SNAFL-1, SE、6-テトラメチルロダミン-5-and -6-ヘキサン酸カロボキサミド, SE、スチリル化合物(4-Di-l-ASP)、エリスロシン-5-イソチオシアネート、ニューポートグリーン、ジカリウム塩、フェングリーン、ジカリウム塩、ビス-(1,3-ジブチルバルビツール酸0トリメチンオキサノール、ルシジェニン(ビス-N-メチルアクリジニウム硝酸塩, テトラキス-(4-スルフォフェニル)ポルフィン、テトラキス-(4-カルボキシフェニル) ポルフィン、アントラシン-2,3-ジカルボキサルデヒド, 5-((5-アミノペンチル)チオウレイジル)エオシン, 塩酸, N-(エトキシカルボニルメチル)-6-メトキシキノリニウムブリミド、ミトフルオログリーン、5-アミノエオシン, 4'(アミノメチル) フルオレシン、塩酸、5'(アミノエチル) フルオレシン, 塩酸、5-(アミノアセタミド) フルオレシン、4'((アミノアセタミド)メチル) フルオレシン、5-((2-(and-3)-S-(アセチルメルカプト)サクシノイル)アミノフルオレシン、8-ブロモメチル-4,4-ジフルオロ-1,3,5,7-テトラメチル-4-ボラ-3a,4a,ジアザ-s-インダシン、5-(and-6-)-カルボキシエオシン、コキシンフルオレシン、カゼインフルオレシン、3,3'-ヨウ化ジペンチルオキサカルボシアニン、3,3'-ヨウ化ジヘキシルオキサカルボシアニン、3,3'-ヨウ化ジヘプチルオキサカルボシアニン、2'-7'-ジフルオロフルオレシン、BODIPY FL AEBSF、フルオレシン-5-マレイミド、5-イオドアセタミドフルオレシン、6-イオドアセタミドフルオレシン、ライソトラッカーグリーン、ロダミン110、アルセナゾI、アルセナゾIII塩、ビスマルクブラウンY、ブリリアントブルーG、カルミン、b-カロチン、クロロフェノールレッド、アズールA、塩基性フクシン、di-2-ANEPEQ、di-8-ANEPPW、di-4-ANEPPS、およびdi-8-ANEPPS(ANEPはアミノナフチルエセニルピリジニウム(aminonaphthylethenylpyridinium)を表す)。
【0089】
感光性化合物とインクの相互作用の結果、波長や発光など、インクのスペクトル特性が変化する可能性がある。つまり、感光性化合物のスペクトル特性はインクの存在により異なる可能性があるということである。したがって、探触子組立部による必要な光応答の探知を可能にするため、適切な光源やフィルターの探触子組立部の調節・設定を行う際は、当該相互作用を考慮に入れる必要がある。
【0090】
同様に、感光性化合物と混合されたインクと製品包装そのもの、あるいは製品包装上の背景印刷との相互作用の結果、光応答が変化する可能性もある。さらに、光応答は、インクジェットプリンターによる印刷の際に生じる感光性化合物(インクの有無に関係なく)の加熱によって変化する可能性もある。この場合にも、上記同様に、当該変化を考慮に入れて適切な光源やフィルターの探触子組立部の調節・設定を行う必要がある。
【0091】
さらに、光応答は結果として形成されるマーク(つまり、化合物とインク(使用された場合)からなるマーク)と保護膜(使用された場合)との相互反応によって変化する可能性もある。
【0092】
ある実施例において、システムは様々なスイッチ(不図示)を入れて、プリンター、制御装置、確認装置などに電源を供給することで運行される。製品や製品包装の確認前には、確認装置は検出器周辺背景の光量を検知することで自己調節を行う。そのためには、例えば、確認装置は光源がON・OFF時の光のスペクトル特性を比較する。確認対象の製品や製品包装のマークは光源より放射される光の照射波長により照射される。それから光は必要な光の波長を得るために光源フィルターで濾光され、レンズによりマーク上に集中される。
【0093】
感光性化合物のある使用例において、照射されたマーク内の感光性化合物は、光源およびマークに使用された特定の感光性化合物より発される光の波長に基づき所定の光の波長を放射する。マーク内の感光性化合物の存在による発光などのスペクトル特性(例:光源)の変化は公式 [(Fd-Fp)/Fd]x100(式中、Fpは感光性化合物を含有しないマークの発光、Fdはマーク内の感光性化合物の発光を表す)により決定できる。発光は感光性化合物とインク(使用された場合)の相互作用により変化する。放射フィルターは、例えば光のピーク波長のみが通過するように、試料より放射される不必要な光の波長を濾光する。それから光は光学検出器に照射され、検出器はマークより放射される光量を表す電圧レベルを発生させる。それから確認装置は当該信号を試料の特性値に変換し、マークの存在と正当性を確認するためフィンガープリントと比較する。ある実施例において、確認装置は検知される試料の特性値がフィンガープリントの10%以内である場合、マークが認証マークであると表示する。確認装置は、さらに上述の適切な確認方法により、マークの真正性、および正確な適用を確認することもできる。
【0094】
試料より発光強度と発光量が検知されるという点は高い評価の対象となるであろう。ただし、本発明のある面において、長時間に渡る強度減少や発光量の変化を用いて試料の特性値を提供することもできる。またあるいは、上述の方法の如何なる組み合わせによっても試料の特性値を決定することができる。本明細書で使用されている「発光」という語は、試料より放射される光の強度、光量、強度減少、および光量の変化を意味する。
【0095】
感光性化合物の発光・吸光などの特定のスペクトル特性を記憶されたフィンガープリントと比較する代わりに、あるいはそれと同時に、ある事例においては、2種類の異なる光の波長の発光・吸光の割合を記憶された比率フィンガープリントと比較することが望ましいかもしれない。ある実施例において、2種類の光のピーク波長を発する感光性化合物の使用、あるいは特定の発光を示す特徴的なピーク波長を示す2つ異常の感光性化合物の使用により、上記の方法を達成することができる。2つ以上の異なった波長を用いたレシオメトリックな方法を使用することで、背景補正なしにマークの正確な適用を確認することができる。レシオメトリックな分析により、ベースラインにスペクトルを分割することなく、確認装置は単に各波長の強度を測定し、2点の値の比率を取ることができる。これにより、検出器は背景を無視することができる。2つ以上の感光性化合物が使用された場合、それぞれを包装、製品、ラベル、容器の1つ以上の箇所に印刷することができる。
【0096】
励起光源に反応して特定の波長を放射する化合物の使用に加え、本発明は、簡単に上述したように、特定の波長で吸光する化合物を使用するのでも構わない。例えば、分析対象の基板は特定の波長で照射され、同等の波長を検出器に反射する。基板の一部を照射光と同等の波長で吸光する吸光性化合物で被覆することにより、当該部は周辺よりも放射・反射量が低い領域として検知される。2つ以上の吸光物質を上述の発光物質と同等の方法で使用することができる。さらに、吸光物質と発光物質を組み合わせて使用することもできる。
【0097】
ある実施例において、発光波長の異なる2つ以上の感光性化合物が使用され、インクに添加される。異なった感光性化合物を異なったインクに 添加できるという点は高い評価の対象となるはずである。例えば、第一の感光性化合物を第一のインクに添加し、第二の感光性化合物を第二のインクに添加して、当該第二のインクを使用して1つのマークを形成することができる。感光性化合物とインク(使用された場合)は製品や製品包装に印刷され、バーコードや連絡事項などの単一の探知可能なマークを形成する。ある実施例において、インク(使用された場合)は水溶性である。
【0098】
感光性化合物の使用の際に、各感光性化合物からの相対蛍光性が検知される。感光性化合物はUV励起化合物、IR励起化合物、あるいはこれらの組み合わせでも構わない。例えば、1つのUV励起化合物と1つ以上のIR励起化合物の使用、あるいは1つのIR励起化合物と1つ以上のUV励起化合物の使用などが可能である。さらに、2つ以上のUV励起化合物と2つ以上のIR励起化合物の使用も可能である。したがって、発光波長の範囲は約300 nm から約2400 nmに渡る。
【0099】
当該割合の例は図9に示される。ここで、2つの異なった感光性化合物のピーク波長の発光の割合が使用され、記憶された標準フィンガープリントと比較されている。例えば、2つの感光性化合物がある特定の濃度でインクと混合され、485 nm の光の励起波長がインクに適用される。感光性化合物1の相対蛍光ユニット(RFU)はピーク波長(λ1)が 575 nm の際に98で、感光性化合物2のRFUはピーク波長(λ2)が 525 nm の際に76である。ピーク波長が575~525 の際のRFU値の割合は1.3である。ここで、この1.3という割合は記憶された比率フィンガープリントと比較される。本例において、相対蛍光ユニットにより発光量が提示されているが、その他のユニット、例えば光子計数などの使用も可能である。
【0100】
またある実施例において、励起光のRFUの割合が使用される。励起光のRFUや感光性化合物より発される光のどんな割合でも使用することが可能である。上述にあるように、当該割合は記憶されたフィンガープリントと比較することができる。例えば、2つの感光性化合物がインクとある濃度で混合され、光の励起波長が混合物に適用される。感光性化合物は励起波長に励起RFUを持ち、発光波長に発光RFUを持つ。励起RFUと発光RFUはそれから記憶されたフィンガープリントに比較される。またある実施例において、感光性化合物は2つの別々な励起RFU値を持ち、当該励起RFU値の1つ目の値と2つ目の値の割合が記憶されたフィンガープリントと比較される。上述のように、本実施例において、相対蛍光ユニットにより光量値が表示されているが、その他のユニット、例えば光子計数などの使用も可能である。特定の割合(つまり、励起RFU対発光RFU、励起RFU対励起RFU、発光RFU対発光RFU)は製造者によって設定されるのでも、使用者によって設定されるのでも構わない。
【0101】
当該割合の比較が有用である事例は、インクと感光性化合物の相互作用によりもたらされる。通常、インクに含まれる溶剤は使用中、あるいは製品や製品包装に印刷前に蒸発する傾向にある。この現象により、感光性化合物とインクの濃度に変化が生じ、結果として照射されたインクの励起光や発光も変化が生じる。しかしながら、少なくとも2つの光のピーク波長で励起・発光する(あるいは吸光性化合物の場合は2つの谷で吸光する)1つ以上の感光性化合物が使用された場合、溶剤量に影響されることなく一定である割合が使用される。
【0102】
このような割合の検知は、光学ディスク上に感光性化合物が適用された場合の使用にも適している。当該割合は、光学ディスクなどの製品の製造中に、感光性化合物の混合度や強度を変更することで変えることもできる。本発明のレシオメトリックな分析は、マーク中の1つ以上の感光性化合物の存在を検知することで簡単に創出できる特徴の数に比較し、大幅に多くのフィンガープリント発光特徴の使用を可能にする。例えば、ある特定の生産ラインを確認するため、2つの特定の感光性化合物を割り当てることができる。さらに、認証マークに使用された2つの感光性化合物の割合を変更することで、当該生産ライン中での可変要素、例えば製造地、生産日、配給地などを限定することができる。そうすることで、ある特定の感光性化合物や一群の感光性化合物を特定の会社や生産ラインに独自に割当て、当該感光性化合物の組み合わせの使用者は同じ組み合わせが他の使用者によって使用されていない確信を持つことができる。また、ある特定の感光性化合物の組み合わせのある一定の範囲の割合を、ある特定の生産ライン、部課、会社などに割当てることもできる。
【0103】
さらにまたある状況においては、割合の使用により、上述の自己調節に加え、確認装置は周辺光、温度、その他の状況に合わせて自己調節することもできる。当該装置は光源、電気製品、光学検出器などの劣化を相殺することもできる。1つの感光性化合物の単一波長の発光(吸光)や光の探知は上述の要因により変化する可能性があるが、感光性化合物の2つの波長間の発光(吸光)と励起の割合は比較的一定のまま維持される。したがって確認過程において、マークの正確な適用の確認には、実際の値ではなく当該割合を使用することができる。確認データと記憶データの比較の結果生じたばらつきは除去される。
【0104】
さらに、ある特定の試料インクより複数の測定値を読み取るなど、試料採取率を変更できるという点も高い評価の対象となるであろう。ある好適な実施例において、約10,000の測定値が読み取られる。したがって、試料の特性を決定するに際し、高度な信頼性を確保することができる。さらに認証マークの存在と真正性の確認に対する信頼性を一層高めるため、発光(吸光)、1つ以上の波長の発光(吸光)率、さらに高いデータポイント数を持つ認証マークの特定なパターン(バーコード以外のマークが印刷された場合)がそれぞれ標準フィンガープリントに比較される。
【0105】
好ましくは、対象となる基板は短時間、励起波長で照射される。これにより、化合物は適切なレベルで励起されるが、まぶしい閃光による分析者たちへの影響などの外部への影響を最小限にすることができる。例えば、基板は1000分の1秒弱、励起周波数で照射される。
【0106】
膨大な量のデータが発生するので、たとえ可能とは言え、一時に1つか2つの可変要素を比較する従来のデータ分析法は実用的ではない。したがって、発明のある面では、多変数分析や多変数パターン認識などが使用される。ある好適な実施例において、チューキー検定と主成分分析(PCA)が使用される。他の多変数技法としては、階層的クラスタ分析(HCA)、K最近傍、パイナップル成分回帰(Pineapple Component Regression)、部分最小二乗回帰(PLSR)、およびシムカ法(SIMCA)などが挙げられる。これらの多変数技法はデータの次元を2,3元に限定し、パターンや関係の生成を可能にする。それから当該生成パターンはデジタル取込された感光材画像と比較される。当該パターンには構造と色の両方が含まれるという事実は高い評価の対象となるはずである。
【0107】
またデータ分析は、分析対象の試料から記憶された標準における類似点と相違点を集約する別々のクラスタを持つ構想の発展により行うこともできる。当該分析は、上述多変数分析や多変数パターン認識と共に、あるいはそれらの代わりに行うことができる。
【0108】
本発明における上述の特定な実施例をもって、当業者による様々な変更、修正、改良などが容易に行われるであろう。そのような変更、修正、改良などは本発明の精神と範囲に含まれるものとする。したがって前述の説明は単なる実例の提示を目的としたものであり、本発明を限定するものではない。本発明は以下の請求項、およびその対応特許の定義によってのみ限定されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0109】
本発明は、例えば以下の図面の参照なしには説明されない。
【図1】確認装置を含む生産ラインの配置図である。
【図2】本発明の一形態の工程図である。
【図3】図1に示される確認装置の一実施例の配置図である。
【図4】感光性化合物の選定を示すグラフである。
【図5】様々な感光性化合物の化学的構造を示している。
【図6】様々な感光性化合物の化学的構造を示している
【図7】様々な感光性化合物の化学的構造を示している。
【図8】様々な感光性化合物の化学的構造を示している。
【図9】2つの感光性化合物の光放射を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ライン(24)上に配置される基板(28)に認証マーク(26)の少なくとも一部を適用し、前記基板(28)上の認証マーク(26)の少なくとも一部の適用を確認するためのシステム(20)であって、当該システム(20)は、
前記生産ライン(24)上に配設され、認証マーク(26)の少なくとも一部を形成するため、少なくとも1種類の感光性化合物を前記基板(28)に適用するように設定・配置されたアプリケータと、
前記生産ライン(24)上に配設され、前記基板(28)上の少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する確認装置(40)と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記アプリケータは、連続インクジェットプリンターである、請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項3】
前記アプリケータは、少なくとも1種類の感光性化合物と混合されたインクを印刷するプリンター(22)である、請求項1または2に記載のシステム(20)。
【請求項4】
前記インクは、水溶性インクである、請求項3に記載のシステム(20)。
【請求項5】
前記確認装置(40)は、正確な感光性化合物の適用を確認する、請求項1ないし4のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項6】
前記確認装置(40)は、少なくとも1種類の感光性化合物を少なくとも光で照射し、少なくとも1種類の感光性化合物の第一の光応答を検知する、請求項1ないし5のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項7】
前記第一の光応答は、フィンガープリントと比較する、請求項6に記載のシステム(20)。
【請求項8】
プリンター(22)は、第一の感光性化合物と混合された第一のインクと第二の感光性化合物と混合された第二のインクを印刷することで、認証マークの少なくとも一部を形成する、請求項3ないし7のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項9】
前記第一のインクと前記第二のインクは、同じインクである、請求項8に記載のシステム(20)。
【請求項10】
前記確認装置(40)は、第二の光応答を検知する、請求項6ないし9のうち何れか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記第二の光応答は、フィンガープリントと比較される、請求項10に記載のシステム(20)。
【請求項12】
前記第二の光応答は、前記第一の光応答と相違する、請求項10または11に記載のシステム(20)。
【請求項13】
前記確認装置(40)は、前記第一および第二の光応答の比率を決定し、当該比率をフィンガープリントと比較する、請求項10ないし12のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項14】
前記プリンター(22)は、溶媒と混合された少なくとも1種類の感光性化合物を印刷する、請求項3ないし13のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項15】
前記基板(28)との組み合わせである、請求項1ないし14のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項16】
前記基板(28)は、製品または製品包装である、請求項15に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記生産ライン(24)との組み合わせである、請求項1ないし16のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項18】
前記アプリケータは、前記生産ライン(24)上に配設される、請求項15ないし17のうち何れか一項に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記確認装置(40)は、前記生産ライン(24)上に配置される、請求項15ないし18のうち何れか一項に記載の組み合わせ。
【請求項20】
前記確認装置(40)と前記アプリケータは、前記生産ライン(24)上に配置され、前記確認装置(40)は、前記アプリケータよりもラインの下流に配設される、請求項15ないし19のうち何れか一項に記載の組み合わせ。
【請求項21】
前記アプリケータおよび前記確認装置(40)の双方に接続した制御装置(42)を、さらに備える、請求項1ないし20のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項22】
前記確認装置(40)に連結し、前記認証マーク(26)の少なくとも一部の確認を表示する目的で調節された表示器(44)を、さらに備える、請求項1ないし21のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項23】
前記確認装置(40)および生産ライン制御装置に接続した制御装置(42)を、さらに備える、請求項1ないし22のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項24】
前記確認装置(40)は、
フレーム(50)と、
前記フレーム(50)に取り付けられ、少なくとも1種類の感光性化合物と前記基板(28)を照射する所定の波長を有する光を発するように調節された光源(52)と、
前記フレーム(50)に取り付けられ、前記光源(52)と協働して前記光源(52)より発される不必要な光の波長を濾光する励起フィルター(56)と、を備え、
前記フレーム(50)と少なくとも1つの前記光源(52)と前記励起フィルター(56)は、使用者により前記フレーム(50)から少なくとも1つの前記光源(52)と前記励起フィルター(56)を取り外せるように構成および配置され、もって、その使用者が異なる所定の光の波長を有する光を放射できる少なくとも1つの異なる光源、および前記光源より放射される不要な光の波長を濾光できる異なる励起フィルターを使用できる、請求項1ないし23のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項25】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、少なくとも1つの前記基板(28)と少なくとも1種類の感光性化合物と間接照明から放射される不要な光の波長を濾光する目的で調節された発光フィルター(60)を、さらに備え、
前記フレーム(50)と発光フィルター(60)が使用者により前記フレーム(50)から前記発光フィルター(60)を取り外せるように構成および配置させることにより、もって、その使用者が少なくとも1つの前記基板(28)と少なくとも1種類の感光性化合物と間接照明から放射される異なる不要な光の波長を濾光することができる異なる発光フィルターを使用できる、請求項24に記載のシステム(20)。
【請求項26】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、少なくとも1種類の感光性化合物からの光応答を検知する目的で調節された検出器(54)を、さらに備える、請求項24または25に記載のシステム(20)。
【請求項27】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、前記光源から発される光を集中させる目的で調節された励起レンズ(58)を、さらに備える、請求項24ないし26のうち何れか一項に記載のシステム。
【請求項28】
前記フレーム(50)と前記励起レンズ(58)は、使用者により前記フレーム(50)から前記励起レンズ(58)を取り外せるように構成および配置させ、もって、その使用者が異なる励起レンズを使用できる、請求項27に記載のシステム(20)
【請求項29】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、少なくとも1つの前記気基板(28)と少なくとも1種類の感光性化合物と間接照明から放射される光の波長を集中させる目的で調節された発光レンズ(62)を、さらに備える、請求項24ないし28のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項30】
前記フレーム(50)と前記発光レンズ(62)は、使用者により前記フレーム(50)から前記発光レンズ(62)を取り外せるように構成および配置させ、もって、その使用者が異なる発光レンズを使用できる、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
生産ライン上に配置される基盤に認証マークの少なくとも一部を適用し、前記認証マークの少なくとも一部の適用を確認する方法であって、当該方法は、
前記基板が生産ライン上を進行する過程で、認証マーク(100)の少なくとも一部を形成するためように、少なくとも1種類の感光性化合物を前記基板に適用する工程と、
生産ライン(106)上を進行する前記基板上の少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程と、
を含む方法。
【請求項32】
少なくとも1種類の感光性化合物の適用の確認は、前記基板が生産ライン上(106)を進行する過程で少なくとも1種類の感光性化合物より1つの光応答を検知ことよりなる、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記基板(114)が正確なマーク(106)を有していることが確認された後、さらに前記基板を包装する工程を含む、請求項31または32に記載の方法。
【請求項34】
前記基板(116)の発送工程をさらに含む、請求項31ないし33のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項35】
マーク形成のために少なくとも1種類の感光性化合物を適用する工程が、第一の感光性化合物と第一のインクを混合する工程を含む、請求項31ないし34のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項36】
少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程が、少なくとも1種類の感光性化合物を照射し、第一の光応答を検知する工程を含む、請求項31ないし35のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記第一の光応答は、フィンガープリントと比較される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記マークの少なくとも一部を形成するために少なくとも1種類の感光性化合物を適用する工程が、第一の感光性化合物と第一のインク、および第二の感光性化合物と第二のインクを混合する工程を含む、請求項31ないし37のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記第一のインクと前記第二のインクは、同じインクである、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程が、前記第二の感光性化合物から第二の光応答を検知する工程を含む、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記第二の光応答は、フィンガープリントと比較される、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記第二の光応答は、前記第二の光応答とは異なる、請求項40または41に記載の方法。
【請求項43】
前記第一および第二の光応答の比率を得て、前記比率をフィンガープリントと比較する、請求項40ないし42のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記マークの少なくとも一部を適用する工程が、少なくとも1種類の感光性化合物と溶媒を混合する工程を含む、請求項31ないし43のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記基板が前記生産ライン上を進行する過程で、前記マークの少なくとも一部を適用する工程において、適用中に前記基板を停止させる、請求項31ないし44のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記基板が当該生産ライン上を進行する過程で、前記マークの少なくとも一部を適用する工程において、前記生産ライン上を前記基板が移動中に前記マークの少なくとも一部を適用する、請求項31ないし44のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記基板が当該生産ライン上を進行する過程で、少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程において、確認中に前記基板を停止させる、請求項31ないし46のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記基板が当該生産ライン上を進行する過程で、少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程において、前記生産ライン上を前記基板が移動中に確認を行う、請求項31ないし46のうち何れか一項に記載の方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ライン(24)上に配置される基板(28)に認証マーク(26)の少なくとも一部を適用し、前記基板(28)上の前記認証マーク(26)の少なくとも一部の適用を確認するためのシステム(20)であって、当該システム(20)は、
前記生産ライン(24)上に配設され、前記認証マーク(26)の少なくとも一部を形成するため、少なくとも1種類の感光性化合物を前記基板(28)に適用するように構成および配置されたアプリケータと、
前記生産ライン(24)上に配設され、前記基板(28)上の前記少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認するように構成および配置された確認装置(40)と、を備え、
前記確認装置(40)は、前記少なくとも1種類の感光性化合物を当該感光性化合物により吸収され得る少なくとも1種類の波長を有する光で少なくとも照射し、前記少なくとも1種類の感光性化合物の第一の光応答を検知し、
前記第一の光応答は、前記少なくとも1種類の感光性化合物からの発光として発せられる光の第一の光強度または光強度の減衰を含む、システム。
【請求項2】
前記アプリケータは、連続インクジェットプリンターである、請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項3】
前記アプリケータは、前記少なくとも1種類の感光性化合物と混合されたインクを印刷するプリンター(22)である、請求項1または2に記載のシステム(20)。
【請求項4】
前記インクは、水溶性インクである、請求項3に記載のシステム(20)。
【請求項5】
前記確認装置(40)は、正確な感光性化合物の適用を確認する、請求項1ないし4のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項6】
前記第一の光応答は、フィンガープリントと比較される、請求項1に記載のシステム(20)。
【請求項7】
前記プリンター(22)は、前記少なくとも1種類の感光性化合物を印刷することで、前記認証マークの少なくとも一部を形成し、その少なくとも1種類の感光性化合物は、前記第一の光応答を形成するように調節され、かつ、第二の光応答を形成するように調節され、
前記確認装置(40)は、前記少なくとも1種類の感光性化合物を当該感光性化合物により吸収され得る少なくとも1種類の波長を有する光で照射し、前記少なくとも1種類の感光性化合物の前記第二の光応答を検知し、
前記第二の光応答は、前記少なくとも1種類の感光性化合物からの発光として発せられる光の第二の光強度または光強度の減衰を含む、請求項2ないし6のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項8】
前記第一の光応答と前記第二の光応答は、1種類の感光性化合物から形成される、請求項7に記載のシステム(20)。
【請求項9】
前記第二の光応答は、フィンガープリントと比較される、請求項7に記載のシステム(20)。
【請求項10】
前記第一の光応答は、第一の感光性化合物から形成され、前記第二の光応答は、第二の感光性化合物から形成される、請求項7または9に記載のシステム(20)。
【請求項11】
前記確認装置(40)は、前記第一および第二の光応答の比率を決定し、当該比率をフィンガープリントと比較する、請求項7、9および10のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項12】
前記プリンター(22)は、溶媒と混合された前記少なくとも1種類の感光性化合物を印刷する、請求項2ないし11のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項13】
前記基板(28)との組み合わせである、請求項1ないし12のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項14】
前記基板(28)は、製品または製品包装である、請求項13に記載の組み合わせ。
【請求項15】
前記生産ライン(24)との組み合わせである、請求項1ないし14のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項16】
前記アプリケータは、前記生産ライン(24)に配設される、請求項13ないし15のうち何れか一項に記載の組み合わせ。
【請求項17】
前記確認装置(40)は、前記生産ライン(24)に配置される、請求項13ないし16のうち何れか一項に記載の組み合わせ。
【請求項18】
前記確認装置(40)と前記アプリケータは、前記生産ライン(24)に配置され、前記確認装置(40)は、前記アプリケータよりもラインの下流に配設される、請求項13ないし17のうち何れか一項に記載の組み合わせ。
【請求項19】
前記アプリケータおよび前記確認装置(40)の双方に接続した制御装置(42)を、さらに備える、請求項1ないし18のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項20】
前記確認装置(40)に連結し、前記認証マーク(26)の少なくとも一部の確認を表示する目的で調節された表示器(44)を、さらに備える、請求項1ないし19のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項21】
前記確認装置(40)および生産ライン制御装置に接続した制御装置(42)を、さらに備える、請求項1ないし20のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項22】
前記確認装置(40)は、
フレーム(50)と、
前記フレーム(50)に取り付けられ、前記少なくとも1種類の感光性化合物と前記基板(28)を照射するための、当該感光性化合物により吸収され得る少なくとも1種類の波長を有する光を発するように調節された光源(52)と、
前記フレーム(50)に取り付けられ、前記光源(52)と協働して前記光源(52)より発される不必要な光の波長を濾光する励起フィルター(56)と、を備え、
前記フレーム(50)と少なくとも1つの前記光源(52)と前記励起フィルター(56)は、使用者により前記フレーム(50)から少なくとも1つの前記光源(52)と前記励起フィルター(56)を取り外せるように構成および配置され、もって、その使用者が第二の異なる光の波長を有する光を放射できる少なくとも1つの異なる光源、および前記光源より放射される異なる不要な光の波長を濾光できる異なる励起フィルターを使用できる、請求項1ないし21のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項23】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、少なくとも1つの前記基板(28)と前記少なくとも1種類の感光性化合物と周辺光から放射される不要な光の波長を濾光する目的で調節された発光フィルター(60)を、さらに備え、
前記フレーム(50)と前記発光フィルター(60)は、使用者により前記フレーム(50)から前記発光フィルター(60)を取り外せるように構成および配置させることにより、もって、その使用者が少なくとも1つの前記基板(28)と前記少なくとも1種類の感光性化合物と前記周辺光から放射される異なる不要な光の波長を濾光することができる異なる発光フィルターを使用できる、請求項22に記載のシステム(20)。
【請求項24】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、前記少なくとも1種類の感光性化合物からの前記第一の光応答を検知する目的で調節された検出器(54)を、さらに備える、請求項22または23に記載のシステム(20)。
【請求項25】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、前記光源から発される光を集中させる目的で調節された励起レンズ(58)を、さらに備える、請求項22ないし24のうち何れか一項に記載のシステム。
【請求項26】
前記フレーム(50)と前記励起レンズ(58)は、使用者により前記フレーム(50)から前記励起レンズ(58)を取り外せるように構成および配置させ、もって、その使用者が異なる励起レンズを使用できる、請求項25に記載のシステム(20)。
【請求項27】
前記確認装置(40)は、前記フレーム(50)に取り付けられ、少なくとも1つの前記基板(28)と前記少なくとも1種類の感光性化合物と周辺光から放射される光の波長を集中させる目的で調節された発光レンズ(62)を、さらに備える、請求項22ないし26のうち何れか一項に記載のシステム(20)。
【請求項28】
前記フレーム(50)と前記発光レンズ(62)は、使用者により前記フレーム(50)から前記発光レンズ(62)を取り外せるように構成および配置させ、もって、その使用者が異なる発光レンズを使用できる、請求項27に記載のシステム。
【請求項29】
生産ライン上に配置される基盤に認証マークの少なくとも一部を適用し、前記認証マークの少なくとも一部の適用を確認する方法であって、当該方法は、
前記基板が前記生産ライン上を進行する過程で、前記認証マーク(100)の少なくとも一部を形成するように、少なくとも1種類の感光性化合物を前記基板に適用する工程と、
前記生産ライン(106)上を進行する前記基板上の前記少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程と、を含み、
前記少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程は、前記少なくとも1種類の感光性化合物を当該感光性化合物で吸収される少なくとも1種類の波長を有する光で照射する工程と、前記基板が前記生産ライン上を進行する過程で前記少なくとも1種類の感光性化合物より1つの光応答を検知する工程を含み、
前記光応答は、当該感光性化合物からの発光として発せられる光の第一の光強度または光強度の減衰を含む、方法。
【請求項30】
前記基板(114)が正確なマーク(106)を有していることが確認された後、さらに前記基板を包装する工程を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記基板(116)の発送工程をさらに含む、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
前記マーク形成のために少なくとも1種類の感光性化合物を適用する工程が、第一の感光性化合物と第一のインクを混合する工程を含む、請求項29ないし31のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記少なくとも1種類の感光性化合物より1つの光応答を検知する工程は、前記少なくとも1種類の感光性化合物からの第一の光応答を検知する工程と、前記少なくとも1種類の感光性化合物からの第二の光応答を検知する工程とを含む、請求項29ないし32のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記光応答をフィンガープリントと比較する工程をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
前記マークの少なくとも一部を形成するために前記少なくとも1種類の感光性化合物を適用する工程が、前記第一の光応答を形成するように調節された第一の感光性化合物と、前記第二の光応答を形成するように調節された第二の感光性化合物とを適用する工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記マークの少なくとも一部を形成するために前記少なくとも1種類の感光性化合物を適用する工程が、前記第一および前記第二の光応答を形成するように調節された第一の感光性化合物を適用する工程を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記第一および第二の光応答の比率を得て、前記比率をフィンガープリントと比較する、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記マークの少なくとも一部を適用する工程が、前記少なくとも1種類の感光性化合物と溶媒を混合する工程を含む、請求項29ないし37のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記基板が前記生産ライン上を進行する過程で、前記マークの少なくとも一部を適用する工程において、適用中に前記基板を停止させる、請求項29ないし38のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記基板が当該生産ライン上を進行する過程で、前記マークの少なくとも一部を適用する工程において、前記生産ライン上を前記基板が移動中に前記マークの少なくとも一部を適用する、請求項29ないし38のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記基板が当該生産ライン上を進行する過程で、前記少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程において、確認中に前記基板を停止させる、請求項29ないし40のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記基板が当該生産ライン上を進行する過程で、前記少なくとも1種類の感光性化合物の適用を確認する工程において、前記生産ライン上を前記基板が移動中に確認を行う、請求項29ないし40のうち何れか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2006−505422(P2006−505422A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−546804(P2004−546804)
【出願日】平成15年10月8日(2003.10.8)
【国際出願番号】PCT/US2003/031877
【国際公開番号】WO2004/038645
【国際公開日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【出願人】(505144175)
【Fターム(参考)】