説明

製品集積装置

【課題】対象製品の仕様が変更されても、一部構成だけの変更で対応可能な汎用性のある製品集積装置を提供する。
【解決手段】製品集積装置1の集積手段3は、製品供給手段2から供給される製品との製品接触面10を有する回転部材11と、該回転部材11に備えられ、製品を回転部材11の回転により製品接触面10から該製品接触面10に対して略垂直方向に移動させる案内部材12とを備えているので、対象製品の仕様が変更されても、一部構成だけの変更で対応可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品供給手段から順次供給される製品を所定個数毎に集積して、該所定個数毎に次工程に搬出する製品集積装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の製品集積装置では、無端状の回転コンベアの外周面に複数の羽根部材が所定間隔をおいて立設されて、隣接する羽根部材の間に製品収容部を形成し、該回転コンベアの駆動により、隣接する羽根部材間の製品収容部が製品供給手段の製品供給部に順次対向することで、各製品が製品供給手段から各製品収容部に1個づつ収容されて、所定個数の製品が搬出区域に移動された段階で、次工程に搬出される構成が採用されている(特許文献1参照)。
しかしながら、このような従来の製品集積装置では、隣接する羽根部材の間隙幅を、対象製品に対して臨機応変に対応させることができず、対象製品の仕様に基いて、隣接する羽根部材の間隙幅を変更しようとすると装置全体の構成を変更する必要があり、汎用性に欠けていた。
【特許文献1】特開2006−225121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したように、従来の製品集積装置では、隣接する羽根部材間に製品を供給して、製品を所定個数毎に集積するように構成されており、隣接する羽根部材の間隙幅を対象製品に対して臨機応変に対応させることができず、汎用性に欠けていた。
【0004】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、対象製品の仕様が変更されても、一部構成だけの変更で対応可能な汎用性のある製品集積装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明は、製品供給手段から順次供給される製品を集積させる集積手段を備えた製品集積装置であって、前記集積手段は、前記製品供給手段から供給される製品との製品接触面を有する回転部材と、該回転部材に備えられ、製品を前記回転部材の回転により前記製品接触面から該製品接触面に対して略垂直方向に移動させる案内部材と、を備えたことを特徴とするものである。
このように構成することにより、製品が、順次、製品供給手段から回転部材の製品接触面に接触するように供給されると、順次、回転部材が回転されて、製品が案内部材に沿って回転部材の製品接触面から該製品接触面に対して略垂直方向に移動されて集積される。
【0006】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明において、前記案内部材は、一端が前記回転部材の製品接触面の外周端に固着され、該一端から前記製品接触面に対して略垂直方向に向かって螺旋状に延びる羽根状または棒状部材で構成されることを特徴とするものである。
このように構成することにより、製品が、回転部材の製品接触面と、羽根状または棒状部材との間の最大間隙部位に供給されて、回転部材の製品接触面に接触し、回転部材が、羽根状または棒状部材の一端から他端へ向かう螺旋の回転方向と反対方向に回転されると、製品が、回転する羽根状または棒状部材に案内されるように、製品接触面から該製品接触面に対して略垂直方向に移動する。
【0007】
請求項3に記載した発明は、請求項1または2に記載した発明において、前記回転部材は、製品接触面に製品が跨るように一対配置されることを特徴とするものである。
このように構成することにより、製品が、各回転部材の製品接触面に跨るように接触して、各回転部材が回転すると、製品が各回転部材の案内部材に案内されるように、各回転部材の製品接触面から該製品接触面に対して略垂直方向に移動する。
【0008】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれかに記載した発明において、前記製品集積装置は、前記案内部材を備えた回転部材により集積された製品を所定個数毎に保持する保持手段を備えたことを特徴とするものである。
このように構成することにより、所定個数の製品が、保持手段により保持されて移動される。
【0009】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれかに記載した発明において、前記製品供給手段は、該製品供給手段からの製品供給方向が、前記回転部材の製品接触面に対して鋭角状に交差するように配置されることを特徴とするものである。
このように構成することにより、製品供給手段からの製品を回転部材の製品接触面にて受け止めることが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1に記載した発明によれば、製品が、順次、製品供給手段から回転部材の製品接触面に接触するように供給されると、順次、回転部材が回転して、製品が案内部材に沿って回転部材の製品接触面から該製品接触面に対して略垂直方向に移動されて集積されるので、対象製品の形状が変更されても、案内部材の構成だけを変更すればよく、汎用性に優れている。
【0011】
請求項2に記載した発明によれば、案内部材は、回転部材の製品接触面に対して略垂直方向に向かって螺旋状に延びる羽根状または棒状部材で構成されているので、構造が簡素化される。また、対象製品の形状、特に、厚みが変更された場合には、回転部材の製品接触面と、羽根状または棒状部材との間の最大間隙幅等を変更すればよく、簡単な変更で対応することが可能になる。
【0012】
請求項3に記載した発明によれば、製品を、より安定した状態で各回転部材の製品接触面から製品接触面に対して略垂直方向に移動させることができる。
【0013】
請求項4に記載した発明によれば、保持手段により製品を所定個数毎に移動させることができ、次工程への搬送が容易となる。
【0014】
請求項5に記載した発明によれば、製品供給手段からの製品を回転部材の製品接触面にて受け止めることができ、円滑な製品の集積が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図1〜図10に基いて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る製品集積装置1は、図1に示すように、製品加工機から搬出される、例えばおむつ等の偏平な形状の製品を所定個数毎に集積して包装機に搬出するものであり、製品加工機からの製品を受け入れ順次搬送する製品供給手段2と、該製品供給手段2から供給された製品を順次整列させて集積する集積手段3と、該集積手段3で集積された製品を所定個数毎に保持する保持手段4と、集積手段3により集積された製品を所定個数毎に包装機へ搬出する製品搬出手段5とを備えている。
【0016】
製品供給手段2は、図1及び図2に示すように、製品加工機から搬出される製品を搬送して集積手段3に供給するものであり、製品加工機からの製品を最初に受け入れて搬送する第1製品供給手段50と、該第1製品供給手段50から搬出される製品を所定個数毎に2系列に振り分ける製品振分手段51と、該製品振分手段51により振り分けられた所定個数の製品をそれぞれ搬送する第2製品供給手段52a、52bと、該第2製品供給手段52a、52bから搬出される製品をそれぞれ搬送する第3製品供給手段53a、53bと、該第3製品供給手段53a、53bから搬出される製品をそれぞれ搬送する第4製品供給手段54a、54bと、該第4製品供給手段54a、54bから搬出される製品をそれぞれ搬送して第1及び第2集積手段6、7に供給する第5製品供給手段55a、55bとから構成される。
なお、第2製品供給手段52a、52b、第3製品供給手段53a、53b、第4製品供給手段54a、54b及び第5製品供給手段55a、55bは、一対の同一の部材から構成されているので、以下、第2製品供給手段52a、52b、第3製品供給手段53a、53b、第4製品供給手段54a、54b及び第5製品供給手段55a、55bとして説明する。
【0017】
図2に示すように、第1製品供給手段50は、無端状ベルト71が所定位置に配置された複数の案内ローラ72〜75及び駆動ローラ76に巻回されて構成されるベルトユニット61が一対配置されて構成される。そして、各ベルトユニット61の無端状ベルト71が対向する区間(各ベルトユニット61の案内ローラ73と74との間の全範囲)が製品の搬送路77となる。
製品振分手段51は、第1製品供給手段50の各ベルトユニット61の案内ローラ74、74と重なる位置に配置され、先端開口がスイングする一対の案内板79から構成されている。そして、この一対の案内板79の先端開口のスイングにより、第1製品供給手段50から搬送された製品を所定個数毎に第2製品供給手段52a、52bに振分けている。
【0018】
第2製品供給手段52a、52bは、無端状ベルト80が所定位置に配置された複数の案内ローラ81〜83及び駆動ローラ84に巻回されて構成されるベルトユニット90と、無端状ベルト85が所定位置に配置された複数の案内ローラ86〜89及び駆動ローラ95に巻回されて構成されるベルトユニット96とが一対配置されて構成される。そして、各ベルトユニット90、96の無端状ベルト80、85が対向する区間(ベルトユニット90側では案内ローラ82と83との間の全範囲であり、ベルトユニット96側では案内ローラ88と89との間の略中間部位から下流側の範囲)が製品の搬送路100となる。
なお、第2製品供給手段52a、52bのベルトユニット96の無端状ベルト85と、第1製品供給手段50の無端状ベルト71とが対向する区間(第2製品供給手段52a、52bのベルトユニット96側では案内ローラ88と89との間の上流側の範囲であり、第1製品供給手段50のベルトユニット61側では案内ローラ74と75との間の略中間部位から下流側の範囲)も製品の搬送路101として構成される。
【0019】
第3製品供給手段53a、53bは、無端状ベルト110が所定位置に配置された複数の案内ローラ111〜113及び駆動ローラ114に巻回されて構成されるベルトユニット120が一対配置されて構成される。そして、各ベルトユニット120の無端状ベルト110が対向する区間(各ベルトユニット120の案内ローラ112と113との間の全範囲)が製品の搬送路121となる。
第4製品供給手段54a、54bは、無端状ベルト126が所定位置に配置された案内ローラ122及び駆動ローラ123に巻回されて構成されるベルトユニット124が一対配置されて構成される。そして、各ベルトユニット124の無端状ベルト126が対向する区間が製品の搬送路125となる。
第5製品供給手段55a、55bは、無端状ベルト130が所定位置に配置された複数の案内ローラ131〜133及び駆動ローラ134に巻回されて構成されるベルトユニット135が一対配置されて構成される。そして、各ベルトユニット135の無端状ベルト130が対向する区間(各ベルトユニット135の案内ローラ132と133との間の全範囲)が製品の搬送路136となる。
【0020】
集積手段3は、図1及び図3に示すように、製品供給手段2の第5製品供給手段55aの搬送路136の搬出口と対向する位置に配置される第1集積手段6と、第5製品供給手段55bの搬送路136の搬出口と対向する位置に配置される第2集積手段7とから構成される。
第1及び第2集積手段6、7は同じ構成からなり、図1、図3及び図9に示すように、第5製品供給手段55aまたは55bから供給される製品との製品接触面10を有する回転部材11と、該回転部材11に備えられ、製品を回転部材11の回転により製品接触面10から該製品接触面10に対して略垂直方向に移動させる案内部材12とを備えている。
【0021】
回転部材11は、図3及び図9に示すように、円板状に形成されており、製品接触面10とは反対側の面に回転部材用サーボモータ17が連結されている。
案内部材12は、図9からよく解るように、棒状部材13で構成され、該棒状部材13の一端が回転部材11の外周端の任意の位置に固着され、製品接触面10に対して略垂直方向に向かって螺旋状に略一周(棒状部材13の一端と他端とが製品接触面10に対する垂直方向で略重なる)延びている。なお、回転部材11の製品接触面10と、棒状部材13の他端との最大間隙部位14は、対象製品の厚みよりも大きく設定されている。
【0022】
さらに詳述すると、図4及び図9に示すように、回転部材11は、製品接触面10に製品が跨るように上下一対に配置されている。上側の回転部材11には、一端から他端に向かって時計周り方向に螺旋状に延びる棒状部材13が備えられており、上側の回転部材11は、その製品接触面10と、該回転部材11に固着された時計周り方向に螺旋状に延びる棒状部材13の他端との間の最大間隙部位14が第5製品供給手段55aまたは55bの搬出口に指向するように配置されている。
一方、下側の回転部材11には、一端から他端に向かって反時計周り方向に螺旋状に延びる棒状部材13が備えられ、下側の回転部材11は、その製品接触面10と、該回転部材11に固着された反時計周り方向に螺旋状に延びる棒状部材13の他端との間の最大間隙部位14が第5製品供給手段55aまたは55bの搬出口に指向するように配置されている。
【0023】
第1集積手段6の各回転部材11と、第2集積手段7の各回転部材11とは、それぞれの製品接触面10が対向するように配置され、後で詳述するが、第1集積手段6の各回転部材11と、第2集積手段7の各回転部材11との間には、平面視矩形状の置き台15が配置されている。
また、図1に示すように、第5製品供給手段55aは、その製品供給方向が第1集積手段6の各回転部材11の製品接触面10に対して鋭角状に交差するように配置され、同様に、第5製品供給手段55bも、その製品供給方向が第2集積手段7の各回転部材11の製品接触面10に対して、鋭角状に交差するように配置されている。
なお、第5製品供給手段55a、55bの配置は、第1及び第2集積手段6、7の各回転部材11の製品接触面10に対する製品供給方向が適宜変更できるようになっている。
【0024】
さらに、図1に示すように、第1集積手段6の各回転部材11と、第2集積手段7の各回転部材11との間には、第1集積手段6及び第2集積手段7により整列され集積された各製品を載置する平面視矩形状の置き台15が配置されている。この置き台15は、図4に示すように、その上面が下側の回転部材11の高さ方向略中央部位に達するように配置されている。
置き台15の長手方向の長さは、第1集積手段6の各回転部材11と、第2集積手段7の各回転部材11との間の距離と略同じ長さに設定されている。なお、置き台15の上面で、第1集積手段6側及び第2集積手段7側の端部には、下側の回転部材11の製品接触面10に設けた螺旋状の棒状部材13が干渉しないように切り欠き16が設けられている。
【0025】
また、図3に示すように、置き台15には、第1及び第2集積手段6、7と近接する部位の両端に所定長さの板状の製品ガイド18、19が立設されている。各製品ガイド18、19の内、製品供給手段2側とは反対側に位置する一方の製品ガイド18は、第1及び第2集積手段6、7に備えた上下一対の回転部材11に交差する位置まで延びている。
さらに、図3及び図8に示すように、各製品ガイド18、19の内、製品供給手段2とは反対側に位置する製品ガイド18の第1及び第2集積手段6、7側の端部には、後述する押し側プレート29の先端側の部位を上下方向から挟むように間隔をあけて、上下一対の案内板部20が製品ガイド18と直交するように設けられている。各案内板部20の第1及び第2集積手段6、7の各回転部材11側の部位は、各回転部材11の製品接触面10に干渉しないように略円弧状に切り欠かれている。また、各案内板部20は、各回転部材11の製品接触面10と略同一平面上に位置している。
【0026】
保持手段4は、図1及び図3に示すように、第1集積手段6に対応した第1保持手段25と、第2集積手段7に対応した第2保持手段26とから構成される。
第1及び第2保持手段25、26は同じ構成からなり、第1及び第2集積手段6、7の各回転部材11の製品接触面10と同じ方向をそれぞれ指向して、置き台15上を移動する受け側プレート28及び押し側プレート29から構成される。
受け側プレート28及び押し側プレート29は、置き台15の上面をその長手方向に沿ってそれぞれ移動し、受け側プレート28と押し側プレート29との間に製品を所定個数挟むように保持して、置き台15上を移動させる。
【0027】
さらに詳述すると、図3〜図6に示すように、受け側プレート28は、矩形状に形成されている。受け側プレート28は、置き台15を貫通する各連結板31、31を介して受け側プレート用スライドユニット32に連結される。該受け側プレート用スライドユニット32は、置き台15の下方をその長手方向と同方向に直線状に延びる受け側プレート用トラックレール33に係合されると共に、受け側プレート用タイミングベルト36に係止される。該受け側プレート用タイミングベルト36は、案内ローラ37と、置き台15の下方に配置される受け側プレート用サーボモータ34の駆動軸とに巻回される。
なお、図5において、上側(製品供給手段2側)の受け側プレート用サーボモータ34の駆動軸と、案内ローラ37とに巻回される受け側プレート用タイミングベルト36が受け側プレート用スライドユニット32を介して第1保持手段25(図4参照)に対応する受け側プレート28に連結される。また、図5において、下側(製品供給手段2と反対側)の受け側プレート用サーボモータ34の駆動軸と、案内ローラ37とに巻回される受け側プレート用タイミングベルト36が受け側プレート用スライドユニット32を介して第2保持手段26(図4参照)に対応する受け側プレート28に連結される。
これにより、第1及び第2保持手段25、26の各受け側プレート28は、各受け側プレート用サーボモータ34の駆動により置き台15上をその長手方向に沿って移動可能になる。なお、各受け側プレート28は、各押し側プレート29よりも第1または第2集積手段6、7側とは反対側を移動する配置で、初期状態では、一対の回転部材11に設けた棒状部材13の他端に近接する位置に配置される(図4参照)。
【0028】
一方、図3、図7及び図8に示すように、押し側プレート29は、その一端部が置き台15の側方(製品供給手段2側)を延びるL字状の連結板38を介して押し側プレート用スライドユニット39に連結される。該押し側プレート用スライドユニット39は、置き台15の側方(製品供給手段2側)で、置き台15よりも上方をその長手方向と同方向に直線状に延びる押し側プレート用トラックレール40に係合されると共に、押し側プレート用タイミングベルト41に係止される。該押し側プレート用タイミングベルト41は、複数の案内ローラ42〜44と、置き台15の長手方向略中央の側方(製品供給手段2側)に配置される押し側プレート用サーボモータ45の駆動軸とに巻回される。
また、図8に示すように、押し側プレート29は、その先端側が、上下一対の回転部材11の間を塞ぐように細長い形状に形成され、押し側プレート用スライドユニット39側が一対の回転部材11の外周縁に沿うように次第に幅広に形成される。そして、押し側プレート29の幅広の端部が置き台15の側方を延びる連結板38を介して押し側プレート用スライドユニット39に連結される。なお、図8に示すように、置き台15の製品ガイド18の端部に設けた案内板部20が、押し側プレート28の先端側の上下に配置されるようになる。
【0029】
これにより、第1及び第2保持手段25、26の各押し側プレート29は、各押し側プレート用サーボモータ45の駆動により置き台15上をその長手方向に沿って移動可能になる。なお、各押し側プレート29は、各受け側プレート28よりも第1及び第2集積手段6、7側を移動する配置で、初期状態では、一対の回転部材11の製品接触面10と略同一平面上に配置される。
【0030】
また、製品集積装置1には、適宜箇所に光電管等の製品検出手段(図示略)が備えられている。本実施の形態では、製品振分手段51の一対の案内板79の先端開口が位置する各搬送路101の上流側に製品検出手段がそれぞれ備えられており、この製品検出手段と、一対の案内板79をスイングさせる案内板用サーボモータ(図示略)とが電気的に接続され、この製品検出手段により所定個数の製品の移動が検出されると、一対の案内板79のスイング方向が切り替えられる構成になっている。
また、第5製品供給手段55a、55bの搬送路136の搬出口付近にも製品検出手段がそれぞれ備えられており、この製品検出手段と、第1及び第2集積手段6、7の各回転部材用サーボモータ17、各受け側プレート用サーボモータ34及び各押し側プレート用サーボモータ45のそれぞれとが電気的に接続され、この製品検出手段よる製品の検出により、各回転部材11、各受け側プレート28及び各押し側プレート29の動作が制御される。
【0031】
製品搬出手段5は、図1及び図3に示すように、置き台15の側方(製品供給手段2側)でその長手方向略中央に、置き台15の長手方向と同方向に延びる板状の搬出プッシャー46と、該搬出プッシャー46を、置き台15の長手方向略中央の上方を横切るように移動させる駆動源(図示略)とから構成されている。搬出プッシャー46は、所定個数に集積された製品の全厚み相当の長さに形成されている。
【0032】
次に、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1の作用を説明する。
なお、製品集積装置1の初期状態では、第1及び第2保持手段25、26の各受け側プレート28は、第1及び第2集積手段6、7の各回転部材11に設けた棒状部材13の他端に近接する位置に配置されると共に、第1及び第2保持手段25、26の各押し側プレート29は、第1及び第2集積手段6、7の各回転部材11の製品接触面10と略同一平面上に配置されている。
【0033】
まず、製品が、順次、製品加工機から縦向きで第1製品供給手段50の搬送路77に投入される。
次に、製品は、順次、第1製品供給手段50の搬送路77から一対の案内板79により所定個数毎に交互に第2製品供給手段52a、52bに供給される。なお、一対の案内板79の先端開口が位置する各搬送路101に備えられた製品検出手段により、検出された製品の個数が所定個数に達すると、その信号が一対の案内板79の駆動源に送信され、一対の案内板79の先端開口がスイングされ、所定個数の製品が第2製品供給手段52a、52bに交互に供給される。
【0034】
次に、第1製品供給手段50の搬送路77から一対の案内板79により第2製品供給手段52aに供給された所定個数の製品は、順次、搬送路101、第2製品供給手段52aの搬送路100、第3製品供給手段53aの搬送路121、第4製品供給手段54aの搬送路125、第5製品供給手段55aの搬送路136に沿って搬送される。続いて、製品は、順次、第5製品供給手段55aの搬送路136の搬出口から製品検出手段を横切って第1集積手段6の各回転部材11の製品接触面10と、各棒状部材13の他端との最大間隙部位14に供給されて、図10(b)に示すように、置き台15の上面に載置されると共に、製品の一側面が各回転部材11の製品接触面10に跨るように接触した状態となる。
【0035】
なお、第5製品供給手段55aは、その製品供給方向が第1集積手段6の各回転部材11の製品接触面10と鋭角状に交差するように配置されているため、第5製品供給手段55aの搬送路136の搬出口から第1集積手段6の各回転部材11の製品接触面10と、各棒状部材13の他端との間の最大間隙部位14に勢い良く供給された製品は、まず、各回転部材11の製品接触面10により受け止められると共に、置き台15の製品ガイド18の端部に設けた案内板部20に干渉し、置き台15の上面に縦向きで載置されると共に、製品の一側面が各回転部材11の製品接触面10に跨るように接触した状態となる。
【0036】
この時、製品検出手段が製品を検出すると、その信号が第1集積手段6の各回転部材用サーボモータ17、第1保持手段25の受け側プレート用サーボモータ34及び押し側プレート用サーボモータ45に送信される。また、受け側プレート用サーボモータ34及び押し側プレート用サーボモータ45の制御盤では製品検出手段からの送信回数がそれぞれカウントされる。
そして、図10(b)〜(e)に示すように、第1集積手段6の構成である上下一対の回転部材11が各回転部材用サーボモータ17の駆動により相反する方向に回転する。すなわち、上側の回転部材11が反時計周り方向(棒状部材13の一端から他端へ向かう螺旋の回転方向と反対方向)に回転され、一方、下側の回転部材11が時計周り方向(棒状部材13の一端から他端へ向かう螺旋の回転方向と反対方向)に回転される。
すると、図10(b)〜(e)に示すように、各回転部材11の製品接触面10に跨るように接触した製品は、回転する螺旋状の各棒状部材13に案内されるように、各製品接触面10から各製品接触面10に対して略垂直方向に受け側プレート28に向かって移動する。
なお、各回転部材用サーボモータ17は、製品が製品検出手段を横切った後、製品検出手段からの信号に基づき、製品が各回転部材11の製品接触面10を跨る位置に接触したタイミングで駆動されるように設定されている。
【0037】
これと同時に、第1保持手段25の構成である受け側プレート28が、受け側プレート用サーボモータ34の駆動により、置き台15上を回転部材11の製品接触面10に対して遠退方向に所定距離(製品の厚み相当の距離)移動しつつ各回転部材11から移動してきた製品を受け止める。
【0038】
次に、製品が、順次、第5製品供給手段55aの搬送路136の搬出口から第1集積手段6の各回転部材11の製品接触面10と、各棒状部材13の他端との最大間隙部位14に供給されるに従って上述した動作が繰り返し行われ、製品が順次受け側プレート28に受け止められて、所定個数整列されて集積される。
【0039】
次に、第5製品供給手段55aの搬送路136の搬出口から所定個数の製品の最後の製品が搬出され、製品検出手段が該最後の製品を検出すると、その信号が受け側プレート用サーボモータ34及び押し側プレート用サーボモータ45に送信される。
すると、まず、上述した通り、各回転部材11が回転して、最後の製品が、回転する螺旋状の各棒状部材13に案内されるように、各製品接触面10から受け側プレート28に向かって移動し、受け側プレート28が最後の製品を受け止める。続いて、第1保持手段25の構成である押し側プレート29が、押し側プレート用サーボモータ45の駆動により、置き台15上を受け側プレート28に近接する方向に移動して最後の製品に接触する。続いて、受け側プレート28と押し側プレート29とにより所定個数の製品を挟持しながら置き台15上をその長手方向略中央部位まで搬送する。
なお、受け側プレート用サーボモータ34及び押し側プレート用サーボモータ45の制御盤には、予め、第5製品供給手段55aから搬出される製品の所定個数が入力されているため、各制御盤が製品検出手段からの送信回数により最後の製品であることを認知した際、各制御盤により該最後の製品に対応した受け側プレート用サーボモータ34及び押し側プレート用サーボモータ45の駆動形態が選択される。
【0040】
次に、搬出プッシャー46が、製品供給手段2側から置き台15の上方を横切るように移動し、所定個数に集積された製品を置き台15から押し出し、包装機に搬送する。その後、第1保持手段25の受け側プレート28及び押し側プレート29が初期状態に戻る。
【0041】
次に、第1製品供給手段50の搬送路77から一対の案内板79により第2製品供給手段52bに供給された製品は、順次、搬送路101、第2製品供給手段52bの搬送路100、第3製品供給手段53bの搬送路121、第4製品供給手段54bの搬送路125、第5製品供給手段55bの搬送路136に沿って搬送される。続いて、製品は、順次、第5製品供給手段の搬送路136の搬出口から製品検出手段を横切って第2集積手段7の各回転部材11の製品接触面10と、各棒状部材13との最大間隙部位14に供給されて、置き台15の上面に載置されると共に各回転部材11の製品接触面10に跨るように接触した状態となる。
【0042】
その後の第2集積手段7、第2保持手段26及び搬出プッシャー46の作用は、上述した第1集積手段6、第1保持手段25及び搬出プッシャー46と同一なのでここでの説明を省略する。
【0043】
このように、製品加工機から第1製品供給手段50の搬送路77を経由して一対の案内板79により第2製品供給手段52aに供給された所定個数の製品は、第1集積手段6及び第1保持手段25により、所定個数の製品が集積された状態で置き台15の長手方向略中央部位まで搬送されて、製品搬出手段5によって包装機に搬送され、次に、製品加工機から第1製品供給手段50の搬送路77を経由して一対の案内板79により第2製品供給手段52bに供給された所定個数の製品は、第2集積手段7及び第2保持手段26により、所定個数の製品が集積された状態で置き台15の長手方向略中央部位に搬送されて、製品搬出手段5によって包装機に搬送され、この動作が繰り返される。
【0044】
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、集積手段3は、製品供給手段2から供給される製品との製品接触面10を有する回転部材11と、一端が各回転部材11の製品接触面10の外周端に固着され、該一端から製品接触面10に対して略垂直方向に向かって螺旋状に略一周延びる棒状部材13とから構成される、また、回転部材11は、製品接触面10に製品が跨るように上下一対に配置されると共に、上側の回転部材11の製品接触面10と、該回転部材11に固着された一端から時計周り方向に螺旋状に延びる棒状部材13の他端との間の最大間隙部位14が、製品供給側を指向するように配置され、下側の回転部材11の製品接触面10と、該回転部材11に固着された一端から反時計周り方向に螺旋状に延びる棒状部材13の他端との間の最大間隙部位14も、製品供給側を指向するように配置される。
【0045】
これにより、製品が、順次、第5製品供給手段55a、55bから、集積手段3の各回転部材11の製品接触面10と、各棒状部材13との最大間隙部位14に供給されて、置き台15の上面に載置されると共に各回転部材11の製品接触面10に跨るように接触する。その後、各回転部材11が、棒状部材13の一端から他端へ向かう螺旋の回転方向と反対方向に回転され、すなわち、上側の回転部材11が反時計回り方向に回転されると共に、下側の回転部材11が時計回り方向に回転されると、各回転部材11の製品接触面10に跨るように接触している製品は、回転する螺旋状の各棒状部材13に案内されるようにして、各製品接触面10から受け側プレート28に向かって移動し、受け側プレート28により順次受け止められて整列され集積される。
【0046】
また、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、集積手段3により集積された製品を所定個数毎に保持して移動させる保持手段4である受け側プレート28及び押し側プレート29を備えているので、製品を所定個数毎に円滑に次工程の包装機に搬出することが可能になる。
【0047】
そして、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、上述した作用効果を奏することができるので、対象製品が変更された場合でも、その対象製品の厚みに基いて、各回転部材11の製品接触面10と、各棒状部材13の他端との最大間隙部位14の幅等を決定すれば良く、汎用性に優れたものになる。
【0048】
なお、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、案内部材12を、螺旋状に延びる棒状部材13で構成したが、螺旋状に延びる羽根状部材を採用してもよい。
また、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、製品供給手段2を、第1製品供給手段50、第2製品供給手段52a、52b、第3製品供給手段53a、53b、第4製品供給手段54a、54b及び第5製品供給手段55a、55bから構成しているが、第1製品供給手段50及び第2製品供給手段52a、52bからだけで構成しても良いし、製品供給手段2の構成については限定されない。
さらに、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、回転部材11を上下に一対配置しているが、必ずしも一対必要ではなく、1個でも良い。
さらにまた、本発明の実施の形態に係る製品集積装置1では、製品供給手段2から供給された製品を、集積手段3及び保持手段4により集積して保持し包装機に搬出する構成であるが、製品供給手段2の第5製品供給手段55aまたは55bから供給された製品を、集積手段3により順次一方向に整列させて集積させる装置としても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る製品集積装置の平面図である。
【図2】図2は、本製品集積装置の製品供給手段の平面図である。
【図3】図3は、本製品集積装置の集積手段、保持手段及び製品搬出手段の平面図である。
【図4】図4は、図3のA矢視図である。
【図5】図5は、図4のB矢視図である。
【図6】図6は、図4のC矢視図である。
【図7】図7は、図3のD矢視図である。
【図8】図8は、図7のF矢視図である。
【図9】図9は、本製品集積装置の集積手段の各回転部材及び棒状部材の斜視図である。
【図10】図10は、集積手段にて、製品が回転する螺旋状の各棒状部材により各製品接触面から各製品接触面に対して略垂直方向に移動する状態を段階的に示した図である。
【符号の説明】
【0050】
1 製品集積装置,2 製品供給手段,3 集積手段,4 保持手段,5 製品搬出手段,10 製品接触面,11 回転部材,12 案内部材,13 棒状部材,28 受け側プレート,29 押し側プレート,46 搬出プッシャー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品供給手段から順次供給される製品を集積させる集積手段を備えた製品集積装置であって、
前記集積手段は、前記製品供給手段から供給される製品との製品接触面を有する回転部材と、
該回転部材に備えられ、製品を前記回転部材の回転により前記製品接触面から該製品接触面に対して略垂直方向に移動させる案内部材と、
を備えたことを特徴とする製品集積装置。
【請求項2】
前記案内部材は、一端が前記回転部材の製品接触面の外周端に固着され、該一端から前記製品接触面に対して略垂直方向に向かって螺旋状に延びる羽根状または棒状部材で構成されることを特徴とする請求項1に記載の製品集積装置。
【請求項3】
前記回転部材は、製品接触面に製品が跨るように一対配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の製品集積装置。
【請求項4】
前記製品集積装置は、前記案内部材を備えた回転部材により集積された製品を所定個数毎に保持する保持手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製品集積装置。
【請求項5】
前記製品供給手段は、該製品供給手段からの製品供給方向が、前記回転部材の製品接触面に対して鋭角状に交差するように配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製品集積装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2009−220980(P2009−220980A)
【公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−69473(P2008−69473)
【出願日】平成20年3月18日(2008.3.18)
【出願人】(000103932)オリオン機械工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】