説明

複列転がり軸受ユニットの検査方法

【課題】傷の存在の確認から傷の存在位置の特定までに要する時間を短縮し、不良品を造り出すのを防止すべく、製造ラインを停止させている時間を短くして、生産効率の向上を図れる検査方法を実現する。
【解決手段】外輪5の内周面に設けた複列の外輪軌道11a、11bと、ハブ2の外周面に設けた複列の内輪軌道8a、8bとの間に転動体6、6を、両列毎に複数個ずつ、転動自在に設ける。これら両列同士の間で、これら各転動体6、6の公転速度に影響する仕様を、互いに異ならせる。ハブ2を回転させつつ外輪5の振動を測定し、上記欠陥に基づいて発生する振動の周波数に基づいて、上記両列のうちの何れの列に欠陥が存在するかを特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明に係る複列転がり軸受ユニットの検査方法は、自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する為の車輪支持用転がり軸受ユニット等の複列転がり軸受ユニットの製造工程で発生する欠陥の有無を判定する為に利用する。具体的には、組立後の複列転がり軸受ユニットに関して傷等の欠陥の有無を判定し、欠陥が存在する場合には、その部位を迅速に特定して、製造ラインの修正を迅速に行なえる様にする為に利用する。
【背景技術】
【0002】
自動車の車輪を懸架装置に対し回転自在に支持する為に、例えば特許文献1〜6に記載されている様に、各種構造の車輪支持用転がり軸受ユニットが知られている。図2〜3は、このうちの特許文献1に記載された構造を示している。このうちの図2に示した第1例の車輪支持用転がり軸受ユニット1は、特許請求の範囲に記載した内径側軌道輪部材であるハブ2を構成するハブ本体3及び内輪4と、特許請求の範囲に記載した外径側軌道輪部材である外輪5と、複数個の転動体6、6とを備える。このうちのハブ本体3の外周面の外端部(軸方向に関して外とは、自動車への組み付け状態で幅方向外寄りとなる側を言い、図1の下側、図2〜5の左側。反対に幅方向中央寄りとなる側を、軸方向に関する内と言い、図1の上側、図2〜5の右側。本明細書全体で同じ。)には、車輪を支持する為のフランジ7を形成している。又、上記ハブ本体3の中間部外周面には外側列の内輪軌道8aを、同じく内端部には外径寸法が小さくなった小径段部9を、それぞれ形成している。そして、この小径段部9に、外周面に内側列の内輪軌道8bを形成した、上記内輪4を外嵌して、上記ハブ2を構成している。又、この内輪4の内端面は、上記ハブ本体3の内端部に形成した円筒部を直径方向外方にかしめ広げる事で形成したかしめ部10により抑え付けて、上記内輪4を上記ハブ本体3の所定位置に固定している。又、上記外輪5の内周面には複列の外輪軌道11a、11bを形成し、これら両外輪軌道11a、11bと上記両内輪軌道8a、8bとの間に上記各転動体6、6を、両列毎にそれぞれ複数個ずつ設けている。
【0003】
次に、図3に示した第2例の車輪支持用転がり軸受ユニット1aは、図示しない支持軸に外嵌された状態で回転しない、特許請求の範囲に記載した内径側軌道輪部材である1対の内輪4a、4aの周囲に、外周面に車輪を支持する為のフランジ7aを形成した、特許請求の範囲に記載した外径側軌道輪部材であるハブ2aを配置している。そして、このハブ2aの内周面に形成した外輪軌道11a、11bと上記各内輪4a、4aの外周面に形成した各内輪軌道8a、8bとの間に、それぞれ複数個ずつの転動体6、6を設けている。
【0004】
又、図4は、特許文献5に記載された構造を示している。この第3例の車輪支持用転がり軸受ユニット1bの場合には、ハブ2の外周面に設けた複列の内輪軌道8a、8bのうち、軸方向外側列の内輪軌道8aの直径を、同内側列の内輪軌道8bの直径よりも大きくしている。又、外輪3の内周面に設けた複列の外輪軌道11a、11bのうち、軸方向外側の外輪軌道11aの直径を、同内側の外輪軌道11bの直径よりも大きくしている。従って、上記両内輪軌道8a、8bと上記両外輪軌道11a、11bとの間にそれぞれ複数個ずつ設けた転動体6、6のピッチ円直径は、上記内輪軌道8a、8b及び上記両外輪軌道11a、11bの直径の差に応じて互いに異なっている。即ち、軸方向外側の列の各転動体6、6(外側列)のピッチ円直径PCDOUT が、軸方向内側の列の各転動体6、6(内側列)のピッチ円直径PCDINよりも大きく(PCDOUT >PCDIN)なっている。
【0005】
上述した図4に示した様な構造の場合には、外側列のピッチ円直径PCDOUT を大きくできる分、モーメント剛性を大きくして、旋回走行時の走行安定性向上と、車輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性向上とを図る為の設計が容易になる。一方、内側列のピッチ円直径PCDINを大きくする必要がないので、懸架装置の一部(ナックルの取付孔)を特に大径化する必要はない。従って、この懸架装置部分等を特に大型化しなくても、上記走行安定性、並びに、耐久性向上を図れる。
【0006】
尚、上述の図4に示した構造では、複列に配置された転動体6、6の直径を等しくしているが、図5に示した車輪支持用転がり軸受ユニット1cの様に、外側列の転動体6a、6aの直径を、内側列の転動体6b、6bの直径よりも小さくする構造も、従来から知られている。この様な図5に示した従来構造の第4例の場合には、外側列の転動体6a、6aの数を内側列の転動体6b、6bの数よりも十分に多くして、この外側列の剛性を内側列の剛性よりも高くする程度をより顕著にしている。更に、図示の各例では、転動体として玉を使用しているが、重量の嵩む自動車用の転がり軸受ユニットの場合には、転動体として円すいころを使用する場合もある。
【0007】
図2〜5に示した何れの構造も、軸受工場の製造ラインで自動的に組み立てるが、何れかの部分に傷等の欠陥が存在すると、運転時に振動や騒音が発生するだけでなく、十分な耐久性を確保する事もできない。この為、軸受工場では、組立後の車輪支持用転がり軸受ユニットの全部又は一部を検査(全数検査又は抜き取り検査)して欠陥の有無を判定し、欠陥が存在する場合には、欠陥が発生した原因を解消する為に、製造ラインの修繕、改修等を行なう。
【0008】
製造ラインの修繕、改修が必要な欠陥の種類として一般的には、転がり接触部に存在する傷が考えられる。即ち、上記各転動体6、6a、6bの転動面と、前記各軌道8a、8b、11a、11bとの転がり接触部に傷が存在すると、車輪支持用転がり軸受ユニットの運転時に過大な振動が発生するだけでなく、この傷を起点として早期剥離が発生し、この車輪支持用転がり軸受ユニットの耐久性を著しく短くする可能性がある。この様な不具合の原因となる傷は、異物の混入に基づいて単発的に発生する他、製造設備に調整不良等、製造ライン側の不具合で発生する場合もある。この様な場合には、直ちに製造ラインの修繕を行なわないと、多量の不良品を造り出して、製品の歩留りを悪化させてしまう。
【0009】
そこで、検査により上記転がり接触部の傷の有無を判定する事が必要になる。この様な傷の有無を判定する為の検査方法としては、特許文献7に記載された様に、転がり軸受の振動を測定し、測定した振動中に、振幅の大きな(通常の運転時に発生する振動に比べて著しく大きな)振動が、特定の周波数で含まれているか否かを測定する事が一般的である。転がり軸受を構成する各転動体の公転速度(保持器の回転速度)nc は、内径側軌道輪部材が回転する場合には、
c =(ni /2)・{1− cosα/(dm /d)}
で、外径側軌道輪部材が回転する場合には、
c =(ne /2)・{1+ cosα/(dm /d)}
で、それぞれ表される。これら両式中、dは転動体の直径を、dm は転動体のピッチ円直径を、αは転動体の接触角[°]を、ni は内径側軌道輪部材の回転速度[s-1]を、ne は外径側軌道輪部材の回転速度[s-1]を、それぞれ表している。
【0010】
例えば、転動体の数をZとした場合に、内径側軌道輪部材が回転して外輪軌道の円周方向1個所に傷が存在する場合には、Z・nc [Hz]なる周波数の振動が、内径側軌道輪部材が回転して内輪軌道の円周方向1個所に傷が存在する場合には、Z・(ni −nc )[Hz]なる周波数の振動が、それぞれ発生する。外径側軌道輪部材が回転する場合も、同様にして求められる。又、転動体の転動面に傷が存在する場合も、この転動体の自転速度に基づいて、この傷に基づく振動の周波数を求められる。そこで、組立後の転がり軸受ユニットの内径側軌道輪部材(又は外径側軌道輪部材)を回転させてこの転がり軸受ユニットの振動を測定し、この振動中に、上記周波数の振動が存在するか否かを判定すれば、この転がり軸受ユニットの転がり接触部に傷があるか否かを判定できる。
【0011】
この様にして行なう判定は、転がり軸受ユニットが単列の場合には特に問題なく行なえる。これに対して、図2〜5に示す車輪支持用転がり軸受ユニットの様な、複列転がり軸受ユニットの場合には、そのままでは、何れの列の転がり接触部に傷が存在するかまでは分からない。即ち、従来一般的に使用されていた、前述の図2〜3に示した様な車輪支持用転がり軸受ユニットの場合には、両列の仕様(転動体の直径、数、ピッチ円直径、接触角)が同じであった為、外側列に傷が存在する場合と内側列に傷が存在する場合とで、同じ周波数の振動が発生する。この為、何れの列に傷が存在するかを特定できず、前記製造ラインの修繕を直ちには行なえない。即ち、振動の周波数分析により傷の存在を認められた車輪支持用転がり軸受ユニットを分解してから軌道面や転動面を観察する事で、初めて何れの列に傷が存在するかを特定できる。但し、上記車輪支持用転がり軸受ユニットの分解は面倒で、特に、図2、4、5に示した様な、かしめ部10によりハブ本体3と内輪4とを結合固定した構造の場合には、このかしめ部10の削り取り作業が必要になり、傷の存在の確認から傷の存在位置の特定までに要する時間が長くなる。この時間が長くなると、不良品を造り出すのを防止すべく、製造ラインを停止している時間が長くなり、生産効率の低下を招来する。
【0012】
【特許文献1】特開2004−142722号公報
【特許文献2】特開2003−232343号公報
【特許文献3】特開2004−108449号公報
【特許文献4】特開2004−345439号公報
【特許文献5】特開2006−137365号公報
【特許文献6】国際公開WO2005/065077
【特許文献7】特開2004−361390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上述の様な事情に鑑みて、傷の存在の確認から傷の存在位置の特定までに要する時間を短縮し、不良品を造り出すのを防止すべく、製造ラインを停止させている時間を短くして、生産効率の向上を図れる複列転がり軸受ユニットの検査方法を実現すべく発明したものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の複列転がり軸受ユニットの検査方法は、内周面に複列の外輪軌道を有する外径側軌道輪部材と、外周面に複列の内輪軌道を有する内径側軌道輪部材と、これら両外輪軌道とこれら両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、これら両列同士の間で仕様を異ならせた複列転がり軸受ユニットに関して、これら各転動体の転動面と上記両外輪軌道及び上記両内輪軌道との転がり接触部の欠陥の有無を検査する。
この様な本発明の複列転がり軸受ユニットの検査方法では、先ず、上記外径側軌道輪部材と上記内径側軌道輪部材とを相対回転させつつ、上記複列転がり軸受ユニットの振動を測定する。そして、上記欠陥に基づいて発生する振動の周波数に基づいて、上記両列のうちの何れの列に欠陥が存在するかを特定する。
【0015】
尚、上記両列同士の間で仕様を異ならせるのは、これら両列同士の間で、転がり接触部(内輪軌道、外輪軌道、転動面のうちの何れかの部分)に存在する傷に基づいて発生する振動の周波数を異ならせる為である。従って、上記仕様を異ならせる態様としては、この振動の周波数を変えられるものであれば良い。例えば、転動体の直径、数、ピッチ円直径、接触角のうちの1種又は2種以上を両列同士の間で異ならせる事で、転がり接触部に存在する傷に基づいて発生する振動の周波数を明らかに(寸法誤差、形状誤差等によりオーバラップしない程度に)異ならせる。
【発明の効果】
【0016】
上述の様な本発明の複列転がり軸受ユニットの検査方法によれば、傷の存在の確認から傷の存在位置の特定までに要する時間を短縮できる。即ち、複列転がり軸受ユニットの運転に伴って発生する振動中に振幅の大きな振動が発生した事で、転がり接触部に傷が存在する事が分かり、この振幅の大きな振動の周波数に基づいて、傷が存在する部位(何れの列のうちで、内輪軌道、外輪軌道、転動面のうちの何れかの部分か)を特定できる。この為、上記複列転がり軸受ユニットを分解しなくても、傷の存在位置を特定して、製造ラインの修繕作業を行なえる。この結果、不良品を造り出すのを防止すべく、製造ラインを停止させている時間を短くして、生産効率の向上による製造コストの低減を図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の検査方法により、車輪支持用転がり軸受ユニット1の転がり接触部に傷が存在するか否か、存在する場合には何れの部分に存在するかを判定する状況を示している。検査作業時にはハブ2を、回転速度検出器付きのモータ12により回転駆動すると共に、このハブ2の回転速度を判定器13に入力する。又、外輪5に振動ピックアップ14の測定子を突き当てて、上記車輪支持用転がり軸受ユニット1の振動を測定し、その測定信号を上記判定器13に入力する。この判定器13は、フィルタ回路及び演算回路を備えたもので、上記振動ピックアップ14の測定信号に基づいて上記車輪支持用転がり軸受ユニット1の振動の周波数を求める。そして、特定の周波数の振動の振幅が大きい場合に、上記ハブ2の回転速度との関連で、当該周波数の振動が、何れの部分に存在する傷によるものかを特定し、表示器15a〜15dに表示する。本例の場合には、内側列と外側列との内輪軌道8a、8bと外輪軌道11a、11bとのうちの何れか(2個所以上の場合も含む)に傷が存在するか否かを、上記4個の表示器15a〜15dにより表示する様にしている。
【0018】
傷の存在する個所を、内輪軌道8a、8bか外輪軌道11a、11bかだけでなく、外側列か内側列かまでも特定できる様にすべく、上記車輪支持用転がり軸受ユニット1は、これら両列同士の間で仕様を異ならせている。この仕様を異ならせる態様としては、この振動の周波数を変えられるものであれば良く、両列同士の間で転動体6、6の直径、数、ピッチ円直径、接触角のうちの1種又は2種以上を両列同士の間で異ならせる。この場合に於いて、転動体6、6の数以外の要素を異ならせる場合には、寸法誤差、形状誤差に拘らず、上記両列同士の間で傷に基づく振動の周波数がオーバラップしない程度に、はっきりと異ならせる。
【0019】
例えば、各転動体6、6の直径dを11.112±0.010mmとし、各転動体6、6のピッチ円直径dm を50±0.1mmとし、転動体6、6の数Zを13個とし、各転動体6、6の接触角αを35±2°とし、ハブ2を1s-1で回転させた場合に就いて考える。この場合に、外輪軌道11a、11b側の転動体通過振動数(外輪軌道11a、11bに傷が存在した場合に転動体6、6の公転運動に伴って発生する振動の周波数)は、5.28〜5.35s-1(Hz)になる。これに対して、内輪軌道8a、8b側の転動体通過振動数(内輪軌道8a、8bに傷が存在した場合に転動体6、6の公転運動に伴って発生する振動の周波数)は、7.65〜7.72s-1(Hz)になる。
【0020】
この様な場合、外輪軌道11a、11bに傷が存在する場合に発生する振動の周波数と、内輪軌道8a、8b側に傷が存在する場合に発生する振動の周波数とは明らかに異なるので、外輪軌道11a、11bに傷が存在するか内輪軌道8a、8b側に傷が存在するかを特定する事はできる。但し、そのままでは、傷が存在するのが外側列であるか内側列であるかを特定する事はできない。そこで、上述の様な場合に、例えば、外側列の転動体6、6の接触角αを40±2°に変える。内側列の各転動体6、6の接触角αは35±2°のままとする。この様に外側列の転動体6、6の接触角αを40±2°に変えれば、上述した条件で、外側列の外輪軌道11a側の転動体通過振動数は、5.36〜5.43s-1(Hz)、同じく内輪軌道8a側の転動体通過振動数は、7.57〜7.64s-1(Hz)になる。この結果、傷が存在するのが外輪軌道11a、11bか内輪軌道8a、8bかだけでなく、何れの列かまでも特定できる。
【0021】
上記の例は、接触角αだけを変えた為、上記両列同士の間での転動体通過振動数に大きな差を設定できていないが、これら両列同士の間で、転動体6、6の直径、数、ピッチ円直径、接触角のうちの2種以上を異ならせれば、上記両列同士の間での転動体通過振動数に大きな差を設定できる。そして、傷が発生した位置の特定に関する信頼性の向上を図れる。尚、本発明を実施する場合に振動ピックアップ14の測定子を突き当てる部位は、外輪5の軸方向端面に限る事はない。この外輪5の外周面とする事もできるし、外輪を回転させる場合には、内輪の軸方向端面や内周面に突き当てる事もできる。又、上記振動ピックアップ14により検出する振動の周波数は、前述の式で求められる公転周波数nc に基づく基本周波数に限らず、この基本周波数のn倍の高周波の振動を検出しても良い。要は、検査の信頼性確保、能率向上を図る面から適宜選定する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施状況を説明する為の模式図。
【図2】本発明の検査装置の検査対象となる車輪支持用転がり軸受ユニットのうち、従来から知られている構造の第1例を示す断面図。
【図3】同第2例を示す半部断面図。
【図4】同第3例を示す断面図。
【図5】同第4例を示す断面図。
【符号の説明】
【0023】
1、1a、1b、1c 車輪支持用転がり軸受ユニット
2、2a ハブ
3 ハブ本体
4、4a 内輪
5 外輪
6 転動体
7、7a フランジ
8a、8b 内輪軌道
9 小径段部
10 かしめ部
11a、11b 外輪軌道
12 モータ
13 判定器
14 振動ピックアップ
15a、15b、15c、15d 表示器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内周面に複列の外輪軌道を有する外径側軌道輪部材と、外周面に複列の内輪軌道を有する内径側軌道輪部材と、これら両外輪軌道とこれら両内輪軌道との間に、両列毎に複数個ずつ転動自在に設けられた転動体とを備え、これら両列同士の間で仕様を異ならせた複列転がり軸受ユニットに関して、これら各転動体の転動面と上記両外輪軌道及び上記両内輪軌道との転がり接触部の欠陥の有無を検査する複列転がり軸受ユニットの検査方法であって、上記外径側軌道輪部材と上記内径側軌道輪部材とを相対回転させつつ上記複列転がり軸受ユニットの振動を測定し、上記欠陥に基づいて発生する振動の周波数に基づいて、上記両列のうちの何れの列に欠陥が存在するかを特定する複列転がり軸受ユニットの検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−89422(P2008−89422A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−271010(P2006−271010)
【出願日】平成18年10月2日(2006.10.2)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】